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電気ボイラ
説明

電気ボイラ

【課題】 電気ヒータの過熱を防止しつつ、電気ヒータのワット密度を向上させ、コンパクトに電気ボイラの容量(蒸発量)を増加させる。
【解決手段】 各電気ヒータは、複数のヒータ体23を備える。各ヒータ体23は、発熱コイル26、鞘管27、MgO粉末28を備える。発熱コイル26は、セラミック製の芯材24に、電熱線25が巻き付けられて構成される。この発熱コイル26は、円筒状の鞘管27内に収容される。鞘管27と発熱コイル26との隙間には、MgO粉末28が充填される。鞘管27の一端部には、一対の電極29が配置され、この電極29に、電熱線25の両端が接続される。鞘管27は、発熱コイル26およびMgO粉末28が収容された状態で、絞られて縮径される。この縮径による圧密化により、ワット密度の向上が果たされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気ボイラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電気ボイラは、電気ヒータとしてシーズヒータが用いられている。シーズヒータは、周知のとおり、鞘管、絶縁粉末、電熱線コイルで構成される。鞘管の両端部には、それぞれ電極が配置されており、各電極に電熱線コイルの両端部が接続される。そして、このような直管状のヒータをU字形に曲げて、片側に端子をまとめたものを複数集合させたユニットが、電気ボイラの電気ヒータとして用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ボイラの容量(蒸発量)を増加させたい場合、水管およびこれに設けられる電気ヒータを増設することが考えられる。ところが、その場合には、ボイラをコンパクトに構成することができない。そこで、可能な限り缶体を大型化することなく、電気ヒータのワット密度を増加させることで対応したい。
【0004】
従来の電気ヒータは、コンパクトさ、製作の容易さの観点から、前述したようにシーズヒータが用いられている。シーズヒータの場合、そのワット密度は、約8W/cmが水加熱の限界値とされてきた。これは、鞘管の表面の熱伝達はまだ十分余裕があるにも拘わらず、ヒータ内部、特に鞘管と電熱線コイルとの間の絶縁距離が影響し、ワット密度を上げ過ぎると、ヒータ内部の電熱線コイルの温度が上昇し、電熱線が破断に至るためであった。特に、電気ヒータの表面にスケール(水中の硬度分が析出したもの)が付着した場合には、電熱線を破断させるおそれを高めるものであった。
【0005】
具体的には、上述したように、シーズヒータでは、電熱線コイルと鞘管との間には絶縁粉末が存在する。これは、ヒータと鞘管とを一定の距離に保つ役割を果たすものであり、熱伝導性と電気絶縁性のよい材料が用いられる。しかしながら、ワット密度を上げると、絶縁粉末の熱抵抗により、鞘管と電熱線コイルとの間に温度差が生じる。従って、ボイラの容量を増加させるために、単にヒータのワット密度を増加させるだけでは、電熱線が過熱するおそれがある。特に、ボイラの使用に伴い、電気ヒータにスケールが付着した場合には、通過熱量の減少により電熱線が過熱するおそれがある。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、電気ヒータの過熱を防止しつつ、電気ヒータのワット密度を向上させ、コンパクトに電気ボイラの容量を増加させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、一または複数の電気ヒータが用いられるボイラにおいて、前記各電気ヒータは、一または複数のヒータ体を備え、前記各ヒータ体は、絶縁性の芯材に電熱線が巻き付けられた発熱コイルと、この発熱コイルが収容される円筒状の鞘管と、この鞘管と前記発熱コイルとの隙間に充填される絶縁粉末と、前記電熱線の両端に接続されて前記鞘管の一端部に配置される一対の電極とを有して構成されることを特徴とする電気ボイラである。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、絶縁性の芯材に電熱線を巻き付けることで、発熱コイルと鞘管との距離精度を向上させ、この距離を短くすることができる。これにより、電気ヒータの過熱を防止しつつ、電気ヒータのワット密度を向上させることができる。また、鞘管の一端部に一対の電極が配置され、コンパクト化を図ることもできる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記芯材は、セラミックから形成され、前記絶縁粉末は、酸化マグネシウムから形成され、前記鞘管は、前記発熱コイルおよび前記絶縁粉末が収容された状態で、絞られて縮径されることを特徴とする請求項1に記載の電気ボイラである。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、鞘管は、発熱コイルが収容されると共に絶縁粉末が充填された状態で、絞られて縮径される。絶縁粉末を封入し鞘管を縮径する際、芯材があるために絶縁粉末の強力な圧縮が可能となり、絶縁材の熱伝導も良好となる。試算によれば、直径12mmのシーズヒータでは、鞘管と発熱コイルとの距離をたとえば3.5mmとした場合、ワット密度8.5W/cmでは、ヒータの温度は700℃程度であるが、ワット密度を20W/cmに上げると、1525℃を超える温度になる。これを仮に距離を1.5mmにすると、ワット密度20W/cmで627℃に下がる。本方式の芯材を使用したヒータでは、たとえばこの距離を1.5mm程度まで小さくできる。これにより、電気ヒータからの伝熱性を一層向上させ、コンパクトに電気ボイラの容量の増加を図ることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、セラミック製の前記芯材と、酸化マグネシウム製の前記絶縁粉末とを、絶縁材として使用することで、前記鞘管の縮径による圧密化がなされ、この圧密化により、ワット密度が10〜20W/cmとされたことを特徴とする請求項2に記載の電気ボイラである。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様に、圧縮による熱伝導率の向上も寄与するので、ワット密度を従来の倍程度まで上げることが可能となる。
【0013】
さらに、請求項4に記載の発明は、上下方向へ沿って配置され、下端部が下部管寄せに接続される複数の水管と、前記各水管の周側壁上部から分岐して上方へ延出すると共に、その上端部が上部管寄せに接続される複数の蒸気管と、前記各電極を上方に配置して、前記各水管の上端部から下方へ差し込まれて、前記各水管の上端部に保持され、それぞれ前記ヒータ体を3の倍数だけ備えると共に三相交流が供給される複数の電気ヒータと、前記上部管寄せ内の圧力に基づき、前記各電気ヒータへの通電の有無を切り替える圧力スイッチとを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気ボイラである。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、水管の上部から蒸気管を分岐させ、水管に電気ヒータが設けられる。これにより、電気ヒータの発熱部は水部に完全に没する構造とでき、過熱されやすい蒸気部にヒータがないので、電気ヒータの過熱を確実に防止することができる。また、各電気ヒータは、水管の上端部から下方へ差し込まれて取り付けられるので、メンテナンスが容易である。また、各電気ヒータは、ヒータ体を3の倍数だけ備えるので、三相交流との接続をバランスよく行うことができる。また、圧力スイッチを用いて、缶内圧力に基づき各電気ヒータへの通電の有無を切り替えるので、制御が容易である。
【発明の効果】
【0015】
この発明の電気ボイラによれば、電気ヒータの過熱を防止しつつ、電気ヒータのワット密度を向上させ、コンパクトに電気ボイラの容量を増加させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。
本実施形態の電気ボイラは、蒸気ボイラまたは温水ボイラである。すなわち、電気ヒータにより水を加熱して蒸気または温水を発生させ、この蒸気または温水を他へ供給する装置である。本実施形態の電気ボイラは、その種類を特に問わないが、典型的には小型貫流ボイラである。
【0017】
電気ボイラは、一または複数の電気ヒータを備え、各電気ヒータは、一または複数のヒータ体を備える。本実施形態では、電気ボイラは複数の水管を有する缶体を備え、各水管に電気ヒータが着脱可能に設けられる。そして、各電気ヒータは、複数のヒータ体を備える。各ヒータ体は、典型的には同一の形状および大きさとされている。具体的には、各ヒータ体は、同一の直径および長さの細長い棒状とされている。各電気ヒータは、各ヒータ体の一端部が共通のプラグまたはフランジなどに取り付けられて、ユニットとして構成される。
【0018】
各ヒータ体は、電気絶縁性の芯材に電熱線が巻き付けられた発熱コイルを備える。この発熱コイルは、円筒状の鞘管内に収容され、この鞘管と発熱コイルとの隙間には、熱伝導性と電気絶縁性に優れた絶縁粉末が充填される。さらに、鞘管は、発熱コイルおよび絶縁粉末が収容された状態で、絞られて縮径されるのが好ましい。
【0019】
絶縁性の芯材は、細長い円筒状に形成されており、その外周面に電熱線が巻き付けられる。鞘管の一端部には、一対の電極が配置されており、それぞれの電極に、電熱線の各端部が接続される。その際、芯材にコイル状に巻き付けられた電熱線は、一端部が一方の電極に接続され、他端部が芯材の中空穴を通して他方の電極に接続するのがよい。
【0020】
本実施形態の構成によれば、絶縁性の芯材に電熱線を巻き付けることで、発熱コイルと鞘管との距離精度を向上させ、この距離を短く維持することができる。しかも、鞘管は、発熱コイルが収容されると共に絶縁粉末が充填された状態で、絞られて縮径される。これにより、電気ヒータ(ヒータ体)の絶縁体は圧密化され、電気ヒータの過熱を防止しつつ、電気ヒータのワット密度を向上させることができる。
【0021】
蒸気ボイラとして構成する場合、缶体は次のように構成するのが好ましい。すなわち、缶体は、上部管寄せと下部管寄せとの間を、複数の水管および蒸気管で接続して構成される。各水管は、上下方向へ沿って配置され、下端部が下部管寄せに接続される。各蒸気管は、各水管の周側壁上部から分岐して上方へ延出すると共に、その上端部が上部管寄せに接続される。
【0022】
各水管には、電気ヒータが差し込まれて設けられる。具体的には、各電気ヒータは、その一対の電極を上方に配置して、各水管の上端部から下方へ差し込まれる。そして、各電気ヒータの非発熱部の側(プラグやフランジなど)が、各水管の上端部に保持される。各電気ヒータには、電極を介して電熱線に電流が供給される。各電気ヒータに設けておくヒータ体を3の倍数に設定しておけば、三相交流との接続をバランスよく行うことができる。
【0023】
本実施形態の電気ボイラでは、水管と蒸気管とに区分けし、水管に電気ヒータが差し込まれる。従って、電気ヒータの発熱部は水管内の水に接触されることとなり、電気ヒータの過熱が防止される。また、各電気ヒータは、水管の上端部から下方へ着脱可能に差し込まれて保持されるので、メンテナンスが容易である。
【0024】
各電気ヒータは、缶内圧力に基づき制御される。その際、圧力スイッチを用いて、すべての電気ヒータへの通電の有無を一括して切り替えるのが簡易である。圧力スイッチの設置箇所は特に問わないが、上部管寄せ内の蒸気圧を検出可能に、上部管寄せまたはそれに接続された管路に設置すればよい。
【0025】
各水管内の水は、各電気ヒータにて加熱され、蒸気化される。各水管からの蒸気は、各蒸気管を介して上部管寄せへ供給され、気水分離器を介して、蒸気使用設備へ送られる。ところで、缶体内へは給水ポンプを介して水が供給可能とされ、缶体内の水位は所望に制御される。缶体内への給水は、下部管寄せなどから行われる。
【実施例】
【0026】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の電気ボイラは、各種のボイラに適用可能であるが、ここでは蒸気ボイラで且つ小型貫流ボイラに適用した例について説明する。
【0027】
図1および図2は、本発明の電気ボイラ1の一実施例を示す概略図であり、図1は一部を断面にした正面図、図2はその左側面図である。本実施例の電気ボイラ1は、上部管寄せ2と下部管寄せ3との間を、複数(図示例では三つ)の水管4,4,…および蒸気管5,5,…で接続して構成される缶体6を備える。
【0028】
上部管寄せ2と下部管寄せ3とは、それぞれ中空円筒状に形成されており、その両端面は閉塞されている。また、上部管寄せ2と下部管寄せ3とは、その軸線を左右方向へ沿って配置され、上下に離隔して設けられる。この際、上部管寄せ2は、下部管寄せ3に対し、後方へ設定距離だけ離隔して配置される。
【0029】
缶体6は、下部管寄せ3の左右両端部に設けられた脚部7,7(図2)にて、水平に設置される。下部管寄せ3の周側壁下部には、排水口8が設けられており、この排水口8には、排水管(図示省略)が接続される。また、下部管寄せ3には、給水管(図示省略)が接続され、給水ポンプ9(図5)を介して水が供給可能とされる。さらに、上部管寄せ2および下部管寄せ3には、適宜の検査口10,10(図2)を設けてもよい。
【0030】
各水管4は、中空円筒状に形成されており、その軸線を上下方向へ沿って配置される。各水管4は、左右に等間隔で配置され、下端部が下部管寄せ3に接続される。その際、下部管寄せ3の周側壁上部に、各水管4の下端部が接続される。このようにして、各水管4は、下部管寄せ3から上方へ延出して設けられる。その際、上部管寄せ2と下部管寄せ3との上下方向離隔距離の半分よりもやや上方まで延出して設けられる。
【0031】
各蒸気管5は、略L字形状に湾曲されたパイプから構成される(図2)。そして、各蒸気管5は、下端部が各水管4の上端部に接続される一方、上端部が上部管寄せ2に接続される。その際、蒸気管5は、下端部が各水管4の周側壁上方後部に接続される一方、上端部が上部管寄せ2の周側壁下部に接続される。このようにして、各蒸気管5は、各水管4の周側壁上部から後方へ延出した後、上方へ延出して上部管寄せ2に接続される。
【0032】
上部管寄せ2の周側壁上部からは、主蒸気弁11を介して蒸気が導出可能とされる。上部管寄せ2と主蒸気弁11との間には、気水分離器(図示省略)を設けてもよい。このようにして、上部管寄せ2からの蒸気は、主蒸気弁11(および気水分離器)を介して、蒸気使用設備(図示省略)へ供給可能とされる。
【0033】
さらに、上部管寄せ2の周側壁上部には、安全弁12、制御用圧力スイッチ13および安全用圧力スイッチ14が設けられる。制御用圧力スイッチ13は、後述するように、缶内圧力に基づき各電気ヒータ15への通電の有無を制御する圧力スイッチである。一方、安全用圧力スイッチ14は、缶内圧力が設定以上に上昇した場合には、電気ボイラ1への給電を遮断する圧力スイッチである。
【0034】
本実施例の電気ボイラ1は、さらに電極式水位検出器16を備える。この電極式水位検出器16は、上部管寄せ2と下部管寄せ3とに連通して設けられる水位検出筒17と、これに差し込まれる複数(図示例では三本)の電極棒18,19,20とを備える。
【0035】
水位検出筒17は、導電性材料により形成された中空容器であり、上部連通管21を介して上部管寄せ2に接続される一方、下部連通管22を介して下部管寄せ3に接続される。その際、上部連通管21は、水位検出筒17の上部と、上部管寄せ2の周側壁上部とを接続する。また、下部連通管22は、水位検出筒17の下部と、下部管寄せ3の周側壁上部とを接続する。
【0036】
水位検出筒17には、図1に示すように、長さの異なる複数の電極棒18〜20が、その下端部の高さ位置を互いに異ならせて、挿入され保持される。この際、各電極棒18〜20は、その上部が絶縁性材料のガイシ(図示省略)を介して、水位検出筒17の上壁に保持される。
【0037】
各電極棒18〜20は、導電性材料により形成された細長い棒材である。本実施例では、給水停止電極棒(S棒)18、給水開始電極棒(M棒)19、および低水位検出電極棒(L棒)20が、順に下端部の高さ位置を低くして、水位検出筒17内に挿入されている。そして、各電極棒18〜20は給水制御器(図示省略)に接続され、水位検出筒17はアースされている。従って、各電極棒18〜20は、その下端部が水に浸かれば、水位検出筒17との間で電気的な導通が確保される。これにより、給水制御器は、各電極棒18〜20に流れる電流の有無によって、各電極棒18〜20の下端部に水位があるか否かを検出する。
【0038】
そして、給水制御器は、各電極棒18〜20による水位検出の有無に基づき、缶体6内の水位を調整する。具体的には、給水制御器は、給水開始電極棒19が水位を検出しなくなると、給水ポンプ9を作動させ、給水停止電極棒18が水位を検出すると、給水ポンプ9を停止する。これにより、缶体6内の水位は、給水停止電極棒18の下端部と、給水開始電極棒19の下端部との範囲に維持される。また、給水制御器は、電気ボイラ1の運転中、低水位検出電極棒20により、水位が所定以下にならないように監視する。万一、低水位検出電極棒20が水位を所定時間検出しなければ、各水管4を過熱するおそれがあるとして、その旨の警報を出すと共に、各電気ヒータ15への給電を遮断する。
【0039】
各水管4には、その上端部から電気ヒータ15が下方へ差し込まれて、着脱可能に設けられる。図3は、本実施例の電気ヒータ15を示す図であり、図4は、そのヒータ体23を示す概略図である。本実施例の電気ヒータ15は、複数(図示例では六つ)のヒータ体23を備える。各ヒータ体23は、同一の形状および大きさの丸棒状とされている。
【0040】
各ヒータ体23は、図4に示すように、セラミック製の芯材24にニクロム線25が巻き付けられた発熱コイル26を備える。この発熱コイル26は、金属製の円筒状の鞘管27内に収容され、この鞘管27と発熱コイル26との隙間には、MgO(酸化マグネシウム(マグネシア))粉末28が充填される。そして、鞘管27は、発熱コイル26およびMgO粉末28が収容された状態で、絞られて縮径されるのが好ましい。これにより、ヒータ体23の絶縁体は圧密化を図ることができる。
【0041】
セラミック製の芯材24は、細長い円筒状に形成されており、その外周面にニクロム線25がコイル状に巻き付けられる。鞘管27の一端部には、一対の電極29,29が配置されており、それぞれの電極29,29に、ニクロム線25の各端部が接続される。その際、芯材24にコイル状に巻き付けられたニクロム線25は、一端部が一方の電極29に接続され、他端部が芯材24の中空穴30を通して他方の電極29に接続される。
【0042】
ところで、鞘管27は、一端部へのみ開口する円筒状に形成されており、その開口部はセラミック製のプラグ31にて閉塞される。そして、このプラグ31には、一対の電極29,29が保持される。プラグ31は、芯材24の一端部に、芯材24と一体に設けてもよい。
【0043】
このような構成のヒータ体23を六本まとめて、図3に示すように電気ヒータ15が構成される。すなわち、電気ヒータ15は段付き円柱状のプラグ32を備え、このプラグ32は、小径部33がネジ部とされる一方、大径部34が六角部とされている。そして、その小径部33に、各ヒータ体23の基端部が保持される。この際、各ヒータ体23は、小径部33の端面から延出して設けられると共に、プラグ32の周方向に等間隔で設けられる。
【0044】
プラグ32の大径部34の側には、大径部34と離隔して平行に、一回り小径の端子板37が設けられる。この端子板37には、図示例では、六つの端子38,38,…が設けられており、各ヒータ体23の各電極29は、それぞれ異なる端子38に接続される。そして、各端子38は、リード線を介して電源(図示省略)に接続される。
【0045】
本実施例では、電気ヒータ15には三相交流が供給されるが、三相交流のR相、S相、T相への結線は、たとえば図3のようになされる。すなわち、隣接するヒータ体23の隣接する一対の電極29,29(セット電極という)は、三相交流の同じ相(たとえばR相)に接続されると共に、隣接するセット電極は、三相交流の異なる相(前記の例ではS相およびT相)に接続される。図示例では、セット電極ごとに個別に電源に接続する例を示しているが、同じ相のセット電極を二つずつまとめて電源に接続してもよい。
【0046】
本実施例の電気ヒータ15によれば、各ヒータ体23は、セラミック製の芯材24にニクロム線25を巻き付けて構成される。従って、発熱コイル26と鞘管27との距離精度を向上させ、この距離を短く維持することができる。しかも、鞘管27は、発熱コイル26が収容されると共にMgO粉末28が充填された状態で、絞られて縮径される。このようにして、電気ヒータ15の過熱を防止しつつ、電気ヒータ15のワット密度を向上させることができる。本実施例の場合、ワット密度は、従来の倍程度とすることもできる。
【0047】
具体的には、従来のシーズヒータ(ヒータ体の直径12mm)では、鞘管と電熱線コイルとの距離は3.5mmであるが、本実施例の構成によれば、この距離Xを1.5mm程度まで小さくできる。しかも、圧縮による熱伝導率の向上も寄与するので、ワット密度を従来の倍程度とすることもできる。たとえば、ワット密度を10〜20W/cmまで高めることができる。
【0048】
このような構成の電気ヒータ15は、端子板37などが配置された側が非発熱部39とされ、発熱コイル26(ニクロム線25がコイル状に巻かれた部分)が配置された箇所が発熱部40とされる。そして、電気ヒータは、非発熱部39を上方に配置して、各水管4の上端部から下方へ差し込まれる。そして、電気ヒータ15は、プラグ32の小径部33に形成したネジ部が、水管4の上部開口にねじ込まれて固定される。また、大径部34の先端面には、パッキン41が配置されており、水管4の上端面との隙間が封止される。このようにして、電気ヒータ15の発熱部40が水管4内の水に接触し、水管4内の水を加熱可能とされる。ところで、電気ヒータ15は、その発熱部40に熱電対42が設けられており、過熱を検知可能とされている。
【0049】
図5は、本実施例の電気ボイラ1の回路図を示しており、主要部のみを概略的に示している。この図に示すように、各電気ヒータ15へは、ヒューズ43およびヒータ用電磁接触器44を介して、三相交流が供給可能とされる。また、ヒータ用電磁接触器44には、運転スイッチ45および制御用圧力スイッチ13を介して、電流が供給される。
【0050】
各ヒータ用電磁接触器44は、制御用圧力スイッチ13に基づき、オンオフされる。すなわち、各電気ヒータ15への通電の有無は、缶内圧力に基づき、一括してオンオフされる。具体的には、設定下限圧力になると、電気ヒータ15への通電がなされ、設定上限圧力になると、電気ヒータ15への通電が遮断される。
【0051】
ところで、図5には、給水ポンプ9も示されており、この給水ポンプ9にも、ヒューズ43およびポンプ用電磁開閉器46を介して、三相交流が供給可能とされる。ポンプ用電磁開閉器46は、電極式水位検出器16および給水制御器による水位検出結果に基づき、オンオフされる。すなわち、給水開始電極棒19が水位を検出しなくなると、給水ポンプ9を作動させ、給水停止電極棒18が水位を検出すると、給水ポンプ9を停止する。
【0052】
以上のような構成であるから、缶体6内の水は、電極式水位検出器16により所望水位に維持されつつ、電気ヒータ15により加熱され蒸気化される。そして、各水管4からの蒸気は、各蒸気管5を介して上部管寄せ2へ供給され、主蒸気弁11を介して蒸気使用設備へ送られる。
【0053】
本発明の電気ボイラ1は、前記実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。特に、缶体6の構成は、一例であって、適宜に変更可能である。たとえば、前記実施例では、水管4と蒸気管5とを分けて構成したが、場合により共通化してもよい。また、前記実施例では、上部管寄せ2と下部管寄せ3とを、三つの水管4および蒸気管5で接続したが、水管4および蒸気管5の本数は、適宜に増減可能である。
【0054】
また、前記実施例では、各電気ヒータ15には、六本のヒータ体23を設けたが、ヒータ体23の本数は、適宜に増減可能である。但し、三相交流との接続を考慮すると、一の電気ヒータ15には、3の倍数のヒータ体23を設けるのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の電気ボイラの一実施例を示す概略正面図であり、一部を断面にして示している。
【図2】図1の電気ボイラの左側面図である。
【図3】図1の電気ボイラで用いられる電気ヒータを示す図である。
【図4】図3の電気ヒータを構成するヒータ体を示す概略図である。
【図5】図1の電気ボイラの回路図を示しており、主要部のみを概略的に示している。
【符号の説明】
【0056】
1 電気ボイラ
2 上部管寄せ
3 下部管寄せ
4 水管
5 蒸気管
13 制御用圧力スイッチ
15 電気ヒータ
23 ヒータ体
24 芯材
25 ニクロム線(電熱線)
26 発熱コイル
27 鞘管
28 MgO粉末(絶縁粉末)
29 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一または複数の電気ヒータが用いられるボイラにおいて、
前記各電気ヒータは、一または複数のヒータ体を備え、
前記各ヒータ体は、絶縁性の芯材に電熱線が巻き付けられた発熱コイルと、この発熱コイルが収容される円筒状の鞘管と、この鞘管と前記発熱コイルとの隙間に充填される絶縁粉末と、前記電熱線の両端に接続されて前記鞘管の一端部に配置される一対の電極とを有して構成される
ことを特徴とする電気ボイラ。
【請求項2】
前記芯材は、セラミックから形成され、
前記絶縁粉末は、酸化マグネシウムから形成され、
前記鞘管は、前記発熱コイルおよび前記絶縁粉末が収容された状態で、絞られて縮径される
ことを特徴とする請求項1に記載の電気ボイラ。
【請求項3】
セラミック製の前記芯材と、酸化マグネシウム製の前記絶縁粉末とを、絶縁材として使用することで、前記鞘管の縮径による圧密化がなされ、
この圧密化により、ワット密度が10〜20W/cmとされた
ことを特徴とする請求項2に記載の電気ボイラ。
【請求項4】
上下方向へ沿って配置され、下端部が下部管寄せに接続される複数の水管と、
前記各水管の周側壁上部から分岐して上方へ延出すると共に、その上端部が上部管寄せに接続される複数の蒸気管と、
前記各電極を上方に配置して、前記各水管の上端部から下方へ差し込まれて、前記各水管の上端部に保持され、それぞれ前記ヒータ体を3の倍数だけ備えると共に三相交流が供給される複数の電気ヒータと、
前記上部管寄せ内の圧力に基づき、前記各電気ヒータへの通電の有無を切り替える圧力スイッチと
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気ボイラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−292085(P2008−292085A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139531(P2007−139531)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【出願人】(504143522)株式会社三浦プロテック (488)
【Fターム(参考)】