説明

電気マイクロメータ用検出器製造方法、及び電気マイクロメータ用検出器

【課題】本発明の目的は、高品質で安価な電気マイクロメータ用検出器を提供することにある。
【解決手段】コイル34a(34b)が磁性体フタ30a(30b)に対し所定の軸方向位置及びその直交方向位置に配置されるように、該磁性体フタ30a(30b)に対するコイル34a(34b)の軸方向位置及びその直交方向位置が位置決め固定されたコイル部分組立品14a(14b)を含み、2つの前記コイル部分組立品14a,14bが磁性体ケース12内に該磁性体ケース中心位置Pを中心にして対称に配置されるように、該各コイル部分組立品14a,14bのそれぞれの磁性体フタ30a,30bに対する磁性体ケース12の軸方向位置及びその直交方向位置が位置決め固定されていることを特徴とする電気マイクロメータ用検出器10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気マイクロメータ用検出器製造方法および電気マイクロメータ用検出器、特にその差動変圧器の組立手法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、変位量の測定を行う変位測定器として、電気マイクロメータが用いられている。
電気マイクロメータは、被測定物と接触するスピンドルの微小変位を電気的量に変換する検出器と、検出器からの微小変位信号を増幅し変位量を表示する指示管制器とを備える。
電気マイクロメータ用検出器は、精度が高い、直線性が広い、外乱に強いなどの特徴を持つ差動変圧器が良く用いられている。
【0003】
従来の差動変圧器は、ボビンに2段等に巻かれたコイルと、その中心部に置かれ、軸方向に可動なコアとを含む(例えば、特許文献1参照)。
そして、差動変圧器では、1次コイルに交流電流を印加し励磁すると、交番界磁が発生する。発生した交番界磁は、2次コイルの巻線と交錯してコイルに起電力を生じる。コアが中央にある場合、2つの2次コイルに誘起する電圧は等しく、コアが中央から変位すると、一方のコイルでは誘起電圧は増加する。他方のコイルでは誘起電圧は減少する。このように差動出力電圧は、コアの軸方向変位量とともに増加するので、差動出力電圧から、スピンドルの微小変位を知ることができる。
【特許文献1】特開平8−285508号公報(段落0002、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の差動変圧器においては、ボビンにコイルを巻いて使用していた。
例えばコイルを2つ使用した差動変圧器では、それぞれのコイルを巻くために形成された二箇所のスペースを持つボビンを使用している。しかしながら、ボビンスペースの加工精度やボビンにコイルを巻く精密さによって、2つのコイルの特性に、ばらつきが発生しやすい。
このため、従来の差動変圧器では、コアを中心位置から軸方向に等距離移動させた際に得られるマイナス側とプラス側のそれぞれの2次電圧が同じになり難い。
したがって、従来の差動変圧器では、2次電圧の確認を行いながら、磁性体部品の位置調整をすることにより、コアを中心位置から軸方向に等距離移動させた際に得られるマイナス側とプラス側のそれぞれの2次電圧を同じにする調整が必要である。
【0005】
しかしながら、前記2次電圧の調整は、非常に難しく、手間や時間がかかるので、コストがかかる。
また、磁性体部品の位置調整だけでは、満足のゆく2次電圧の調整が行えないこともあった。この結果、従来の差動変圧器においては、2つのコイルの特性にばらつきが残り、差動変圧器の指示誤差が大きくなるので、品質も改善の余地が残されていた。
このように電気マイクロメータ用検出器の品質、及びコストは未だ改善の余地が残されていたものの、従来は、これらを解決することのできる適切な技術が存在しなかった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高品質で安価な電気マイクロメータ用検出器製造方法、及び電気マイクロメータ用検出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者が前記課題について鋭意検討を重ねた結果、予め同じ特性を持つ複数のコイルを選んでから、該コイルを磁性体フタに対し位置決め固定したコイル部分組立品を複数、作っておき、2つのコイル部分組立品を磁性体ケースに対称に組み立てることにより、従来、極めて困難であった2次電圧の調整を排除することができるので、高品質で安価な電気マイクロメータ用検出器を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、前記目的を達成するために本発明にかかる電気マイクロメータ用検出器製造方法は、軸方向において対向配置された2つのコイルを含む差動変圧器の軸方向中心位置を基準にして、コアの軸方向変位に応じた電圧を出力する差動変圧器式の電気マイクロメータ用検出器の製造方法において、コイル部分組立工程と、ケース組立工程と、を備えることを特徴とする。
ここで、前記コイル部分組立工程では、コイルが磁性体フタに対し所定の軸方向位置及びその直交方向位置に配置されるように、該磁性体フタに対するコイルの軸方向位置及びその直交方向位置を位置決め固定し、少なくとも該磁性体フタ及び該コイルを一つのコイル部分組立品に組み立てる。
また、前記ケース組立工程では、前記コイル部分組立工程で組み立てられた2つの前記コイル部分組立品が磁性体ケース内に該磁性体ケース中心位置を中心にして対称に配置されるように、該各コイル部分組立品のそれぞれの磁性体フタに対する該磁性体ケースの軸方向位置及びその直交方向位置を位置決め固定する。
【0008】
また、前記目的を達成するために本発明にかかる電気マイクロメータ用検出器は、軸方向において対向配置された2つのコイルを含む差動変圧器の軸方向中心位置を基準にして、コアの軸方向変位に応じた電圧を出力する差動変圧器式の電気マイクロメータ用検出器において、
コイルが磁性体フタに対し所定の軸方向位置及びその直交方向位置に配置されるように、該磁性体フタに対するコイルの軸方向位置及びその直交方向位置が位置決め固定されたコイル部分組立品を含み、
2つの前記コイル部分組立品が磁性体ケース内に該磁性体ケース中心位置を中心にして対称に配置されるように、該各コイル部分組立品のそれぞれの磁性体フタに対する磁性体ケースの軸方向位置及びその直交方向位置が位置決め固定されていることを特徴とする。
【0009】
なお、本発明において、前記コイル部分組立品は、さらに前記磁性体フタと前記コイル間に非磁性体スペーサが設けられており、該非磁性体スペーサが該磁性体フタに対し所定の軸方向位置及びその直交方向位置に配置されるように、該磁性体フタに対する非磁性体スペーサの軸方向位置及びその直交方向位置が位置決め固定されていることが好適である。
【0010】
本発明においては、前記コイルが、ボビンレスコイルであることが好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる電気マイクロメータ用検出器製造方法によれば、予め磁性体フタに対しコイルを位置決め固定しておいたコイル部分組立品を複数、作っておくコイル部分組立工程と、2つの前記コイル部分組立品を磁性体ケースに対称に組み立てるケース組立工程とを備えることとしたので、従来、極めて困難であった、2次電圧の調整を排除することができるので、高品質で安価な電気マイクロメータ用検出器を得ることができる。
【0012】
本発明にかかる電気マイクロメータ用検出器によれば、予め位置決め固定しておいた2つの前記コイル部分組立品が磁性体ケースに対称に配置されているので、従来、極めて困難であった2次電圧の調整を排除することができるので、高品質で安価なものを得ることができる。
本発明において、コイル部分組立品は、さらに磁性体フタとコイル間に非磁性体スペーサが設けられることにより、コイルと磁性体フタ間の電気絶縁性を確実に確保することができるので、より高品質な電気マイクロメータ用検出器を提供することができる。
本発明においては、ボビンレスコイルを採用することにより、より高品質の電気マイクロメータ用検出器を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施形態について説明する。
図1には本発明の一実施形態にかかる電気マイクロメータ用検出器の概略構成が示されている。
同図に示す電気マイクロメータ用検出器10は、差動変圧器式のものであり、円筒状の磁性体ケース12と、コイル部分組立品14a,14bと、棒状のコア16と、棒状のスピンドル18とを備える。
コア16は、被測定物20と接触するスピンドル18の微小変位に応じて軸方向に変位する。
スピンドル18は、コア軸の延長線上に設けられ、コア16と共に軸方向に変位する。
そして、検出器10は、スピンドル18の先端を被測定物20に当接した際のコア16の中心位置Pからの変位に応じた変位信号(電圧)24を出力する。検出器10からの変位信号24は、指示管制器26により増幅され、変位量が表示される。
【0014】
本発明において特徴的なことは、高品質で安価な電気マイクロメータ用検出器を実現するため、予め同じ特性を持つ複数のコイルを選んでから、該コイルを磁性体フタに対し位置決め固定したコイル部分組立品(同じもの)を複数、作っておき、2つの前記コイル部分組立品を磁性体ケース12に対称に配置したことである。
【0015】
このために本実施形態においては、コイル部分組立品14a,14bは、リング状の磁性体フタ30a,30b、リング状の非磁性体スペーサ32a,32b、及び円筒状に巻かれたボビンレスコイル34a,34bを含む。
コイル部分組立品14a,14bは、非磁性体スペーサ32a,32b及びコイル34a,34bが磁性体フタ30a,30bに対し所定の軸方向位置及びラジアル方向位置(軸方向に対する直交方向位置)に配置されるように、磁性体フタ30a,30bに対する非磁性体スペーサ32a,32b及びボビンレスコイル34a,34bの軸方向位置及びラジアル方向位置が位置決め固定されている。
【0016】
コイル部分組立品14a,14bでは、予めボビンレスコイル34a,34bの特性が同じものを選んでいる。このようなコイル部分組立品14a,14bが、磁性体ケース12内に磁性体ケース中心位置Pを中心にして対称に配置されるように、各コイル部分組立品14a,14bのそれぞれの磁性体フタ30a,30bに対する磁性体ケース12の軸方向位置及びラジアル方向位置が位置決め固定されている。
【0017】
なお、本実施形態においては、各コイル部分組立品14a,14b間には、微小ギャップを設けている。
また、本実施形態においては、コア16は、コイル34a,34bの中空部に、スピンドル18と共に軸方向に可動自在に挿入されている。
ボビンレスコイル34a,34bは、それぞれの上下に1次コイル及び2次コイルを巻いた2段形を用いている。
本実施形態においては、磁性体フタ30bに基板40が設けられている。基板40は前記1次コイルに一定交流電圧を供給し、また、前記2次コイルから変位信号24(2次電圧)を取り出すためのものとする。
【0018】
以下、本実施形態にかかる電気マイクロメータ用検出器10の製造方法について、図2を参照しつつ説明する。
本実施形態にかかる電気マイクロメータ用検出器製造方法は、同図(A)に示されるコイル巻き工程(S10)と、同図(B)に示されるコイル接着工程(コイル部分組立工程)(S12)と、同図(C)に示されるケース組立工程(S14)と、同図(D)に示されるコア組立工程(S16)とを備える。
すなわち、コイル巻き工程(S10)では、コイルを円筒状に巻いてボビンレスコイル34aを作る。このようにして同じコイル34a,34bを複数個作っておく。
【0019】
コイル接着工程(S12)では、磁性体フタ30aに対し、非磁性体スペーサ32a、及びコイル巻き工程(S10)で得られたコイル34aが所定の軸方向位置及びラジアル方向位置に配置されるように、磁性体フタ30aに対する非磁性体スペーサ32a及びコイル34aの軸方向位置及びラジアル方向位置を位置決め固定する。
この結果、磁性体フタ30a、非磁性体スペーサ32a及びコイル34aを、一つのコイル部分組立品14aに組み立てることができる。このようにして同じコイル部分組立品14a,14bを、複数、作っておく。
ここで、コイル34a,34b…の特性は予め分かるので、予め同じ特性を持つ複数のコイル34a,34b等を選んでおいてから、コイル接着工程(S12)を行うこと好ましい。
【0020】
ケース組立工程(S14)では、2つの前記コイル部分組立品14a,14bが磁性体ケース12内に磁性体ケース12中心位置Pを中心にして対称に配置されるように、各コイル部分組立品14a,14bのそれぞれの磁性体フタ30a,30bに対する磁性体ケース12の軸方向位置及びラジアル方向位置を位置決め固定する。
【0021】
コア組立工程(S16)では、コイル34a,34bの中空部に、コア16を軸方向に可動自在に挿入する。
また、磁性体フタ30bに基板14を接着する。
【0022】
このように本実施形態によれば、磁性体フタ30a,30b、スペーサ32a,32b、及びコイル34a,34bで構成されるコイル部分組立品14a,14bを、磁性体ケース12に組付けるだけで、磁性体ケース12の中心位置と、コイル34a,34bの中心位置及び2次電圧のゼロ位置(2次電圧の最小値となるコアの中心位置)とを、一致することができる。
【0023】
すなわち、図3の分解図に示されるように、2つのコイル部分組立品14a,14bは、それぞれ予め磁性体フタ30a,30bに対し、スペーサ32a,32b及びコイル34a,34bの軸方向位置及びラジアル方向位置が位置決め固定されている。
【0024】
本実施形態においては、所定の厚み(H)を持つ磁性体フタ30a(30b)に、所定の厚み(H)を持つ非磁性体スペーサ32a(32b)を密着して設け、さらに非磁性体スペーサ32a(32b)に、所定の高さ(H)を持つコイル34a(34b)を密着して設けることで、非磁性体スペーサ32a(32b)及びコイル34a(34b)が、磁性体フタ30a(30b)に対し、所定の軸方向位置に配置される。
また、本実施形態においては、磁性体フタ30a(30b)の中心軸Xに対し、非磁性体スペーサ32a(32b)の中心軸X、コイル34a(34b)の中心軸Xを一致させることで、非磁性体スペーサ32a(32b)及びコイル34a(34b)が、磁性体フタ30a(30b)に対し、所定のラジアル方向位置に配置される。
【0025】
また、2つのコイル部分組立品14a,14bでは、予め同じ特性を持つコイル34a,34bを用いている。
このため、2つのコイル部分組立品14a,14bをケース12に対し対称に組み立てる際に、同図に示されるように、磁性体フタ30a,30bに対する磁性体ケース12の軸方向位置及びラジアル方向位置の位置決めを行うだけで、コイル34aの特性とコイル34bの特性とが同じになる。
【0026】
すなわち、本実施形態においては、同図に示されるように磁性体ケース12の短面に、コイル部分組立品14a,14bを密着して設けることで、コイル部分組立品14a,14bが磁性体ケース12に対し所定の軸方向位置に配置される。
また、本実施形態においては、各コイル部分組立品14a,14bの中心軸に対し磁性体ケース12の中心軸を一致させることで、つまり磁性体フタ34a,34bの中心軸Xに対し磁性体ケース12の中心軸Xを一致させることで、各部分組立品14a,14bが磁性体ケース12に対し所定のラジアル方向位置に配置される。
【0027】
この結果、本実施形態においては、各コイル部分組立品14a,14bの位置関係は磁性体ケース12の中心位置Pを中心にして対称(同じ)である。しかも、各コイル34a,34bは、特性が厳密に同じものを選んでいるので、磁路形成は各コイル部分組立品14a,14bとの間で同じになる。
したがって、本実施形態は、従来方式に必要な各コイル特性の調整が不要になる。これにより、前述のようにして電気マイクロメータ用検出器10を組み立てるだけで、確実に同じ特性のコイルが構成されるので、従来方式に比較し、電気マイクロメータ用検出器の高品質化を図ることができる。また、本実施形態は、従来方式で必要な2次電圧調整が不要となるので、従来方式に比較し、電気マイクロメータ用検出器が安価になる。
【0028】
すなわち、本実施形態によれば、コア16を中心位置Pから軸方向に等距離移動させた際に得られるマイナス側とプラス側のそれぞれの2次電圧の値を同じにすることが容易になり、直線性の向上を無調整で実現することができる。
また、本実施形態によれば、コア16の機械的な位置調整を、従来方式、つまりねじによる方法に比較し、簡単となる。また、組立冶具による調整をしない方法でも、組立を行うことができる。
【0029】
また、本実施形態においては、発熱による差動変圧器の熱膨張が測定誤差になるので、これを低減することが非常に重要である。
すなわち、従来方式においては、コイルをボビンに巻いており、検出器の発熱でボビンが熱膨張し、2次電圧のゼロ位置がずれることがあり、高精度な変位測定が困難なことがあった。
これに対し、本実施形態では、ボビンレスコイル34a,34bを用いているので、前述のような熱の影響を排除することができる。すなわち、本実施形態では、樹脂が熱膨張しても、2つのコイル34a,34b間のギャップは変わるが、2つのコイル34a,34bの中心位置は変わらないので、従来方式、つまりボビンにコイルを巻いたものに比較し、高精度な変位測定が行える。
【0030】
なお、本実施形態においては、コイル部分組立品14a,14bが非磁性体スペーサ32a,32bを含むことが、コイル34a,34bと磁性体フタ30a,30b間の電気絶縁性を確実に得るためには特に好ましいが、コイル34a,34bが確実に接着剤等の絶縁体で覆われており、コイル34a,34bと磁性体フタ30a,30bとの間の電気絶縁性を確実に得ることができるのであれば、非磁性体スペーサ32a,32bを用いることなく、コイル34a,34bを磁性体フタ30a,30bに直接、設けることも可能である。
【0031】
また、前記構成では、磁性体ケース12の短面に、コイル部分組立品14a,14bを密着した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、コイル部分組立品14a,14bの磁性体フタ30a,30bの短面ないし非磁性体スペーサ32a,32bの短面を、磁性体ケース12の内周面に密着することも好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態にかかる電気マイクロメータ用検出器の概略構成の説明図である。
【図2A】本実施形態にかかる電気マイクロメータ用検出器製造方法のコイル巻き工程の説明図である。
【図2B】本実施形態にかかる電気マイクロメータ用検出器製造方法において特徴的なコイル部分組立工程(コイル接着工程)の説明図である。
【図2C】本実施形態にかかる電気マイクロメータ用検出器製造方法において特徴的なケース組立工程の説明図である。
【図2D】本実施形態にかかる電気マイクロメータ用検出器製造方法のコア組立工程の説明図である。
【図3】本実施形態において特徴的な電気マイクロメータ用検出器の各構成部材間の位置決め手法の説明図である。
【符号の説明】
【0033】
10 電気マイクロメータ用検出器
12 磁性体ケース
14a,14b コイル部分組立品
16 コア
18 スピンドル
30a,30b 磁性体フタ
32a,32b 非磁性体スペーサ
34a,34b ボビンレスコイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向において対向配置された2つのコイルを含む差動変圧器の軸方向中心位置を基準にしてコアの軸方向変位に応じた電圧を出力する差動変圧器式の電気マイクロメータ用検出器の製造方法において、
コイルが磁性体フタに対し所定の軸方向位置及びその直交方向位置に配置されるように、該磁性体フタに対するコイルの軸方向位置及びその直交方向位置を位置決め固定し、少なくとも該磁性体フタ及び該コイルを一つのコイル部分組立品に組み立てるコイル部分組立工程と、
前記コイル部分組立工程で組み立てられた2つの前記コイル部分組立品が磁性体ケース内に該磁性体ケース中心位置を中心にして対称に配置されるように、該各コイル部分組立品のそれぞれの磁性体フタに対する該磁性体ケースの軸方向位置及びその直交方向位置を位置決め固定するケース組立工程と、
を備えたことを特徴とする電気マイクロメータ用検出器製造方法。
【請求項2】
軸方向において対向配置された2つのコイルを含む差動変圧器の軸方向中心位置を基準にしてコアの軸方向変位に応じた電圧を出力する差動変圧器式の電気マイクロメータ用検出器において、
コイルが磁性体フタに対し所定の軸方向位置及びその直交方向位置に配置されるように、該磁性体フタに対するコイルの軸方向位置及びその直交方向位置が位置決め固定されたコイル部分組立品を含み、
2つの前記コイル部分組立品が磁性体ケース内に該磁性体ケース中心位置を中心にして対称に配置されるように、該各コイル部分組立品のそれぞれの磁性体フタに対する磁性体ケースの軸方向位置及びその直交方向位置が位置決め固定されていることを特徴とする電気マイクロメータ用検出器。
【請求項3】
請求項2記載の電気マイクロメータ用検出器において、
前記コイル部分組立品は、さらに、前記磁性体フタと前記コイル間に、非磁性体スペーサが設けられており、
該非磁性体スペーサが該磁性体フタに対し所定の軸方向位置及びその直交方向位置に配置されるように、該磁性体フタに対する非磁性体スペーサの軸方向位置及びその直交方向位置が位置決め固定されていることを特徴とする電気マイクロメータ用検出器。
【請求項4】
請求項2又は3記載の電気マイクロメータ用検出器において、
前記コイルは、ボビンレスコイルであることを特徴とする電気マイクロメータ用検出器。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−20005(P2009−20005A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183073(P2007−183073)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】