説明

電気・機械式性的刺激装置

性的刺激のために女性が用いる装置で、膣内に挿入しGスポットまたは近傍の膣の壁に接触する様に寸法を決めた内側腕、クリトリスに接触する様に寸法を決めた外側腕、ならびに内側および外側の腕をつなぐ弾力性のあるU形部材から構成される、女性が用いる装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は性的手回り品の分野に関する。とりわけ、本発明は女性が自体愛補助用または性交中のいずれかに使用することを意図した性的刺激用の電気・機械式装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
女性が性的刺激に使用するために入手可能な装置は無数にある。これらには全て手動で操作し形状および/または質感により刺激する製品、および内部モーターを装備し形状、質感および振動で刺激する製品も含まれる。後者のこれらの製品は一般にバイブレータと称され、通常男根の形で、女性が性器内および周囲に巧みに扱うための柄が付いている。その様なものであるから、これらは一般に同時に1ヶ所のみの刺激にしか使用できない。しかしながら、ほとんどの女性には少なくとも3ヶ所の明らかに効果的な性器刺激領域、すなわちクリトリスおよび周辺の皮膚、膣の内側面、および膣内の反射神経領域で、前面に沿ったいわゆるGスポットがあることが知られている。
【0003】
出願者は例えば米国特許第5853362号に示されている様な、Gスポットを刺激するために使用できる幾つかの装置について承知している。この装置は一般にカギ型をしているため、その柄を掴めば女性の膣内に挿入し、Gスポット領域をマッサージするのに使用することができる。ここでも、この種の装置は同時には1ヶ所のみ、ことによると2ケ所(Gスポットを刺激することが結果的に膣壁を刺激すると解釈するなら)を刺激することにしか効果がない。米国特許第5853362号に示された装置は、多くの類似の装置と同様にかなり硬い表面構造である。
【0004】
米国特許出願公開2004−0230093A1は通常U字型の柄の付いた装置を図解しているがその内側の腕は末端がGスポットを刺激するために湾曲し、外側の腕には握り柄およびクリトリス刺激用の型押し面が付いている。装置の外側腕には「弾丸」型の小さな内蔵式のバイブレータが挿入できる空洞を備える場合もある。したがって、本質的にこの装置は腕が膣内に延びている手動のクリトリス用バイブレータとして用いることができる。性交中に膣またはGスポットを刺激するのに効果的な直接的な振動手段は備えていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は従来技術の欠点を克服しようとして公知のバイブレータに比べ著しく進歩した性的刺激バイブレータ器具を提供するものである。本発明によるバイブレータは振動による刺激をクリトリス、Gスポットおよび膣に同時に与える様に設計されている。さらに本発明によるバイブレータは従来技術による装置とは異なり性交中も快適に装着したままにできるものである。本発明によるバイブレータは内蔵動力源を備え2台の独立に作動するモーターに動力を与えている。さらに、モーターは装置全体に高調波振動(a harmonic vibration)をつくり出すように操作することもできる。本発明によるバイブレータは、さらに、プラスチック成形品および/または事前造形金属(記憶合金のような)のいずれかの内部骨格を備えているため、非常に柔らかいシリコン製ボデーを用いても形状を維持できない装置とはならない。
【0006】
したがって本発明は広義に、女性が性交中に用いる性的刺激のための装置に関わり、膣内に挿入しGスポットまたは付近の膣の壁に接触する様に寸法を決めた内側腕、クリトリスに接触する様に寸法を決めた外側腕、ならびに内側および外側の腕をつなぐ弾力性のあるU形部材を備える。
別の観点からすると、本発明は広く、性的バイブレータに関わり、振動手段を含む第1腕、振動手段を含む第2腕、および2つの腕をつなぐ細長い通常はU形の部材を持っている。
【0007】
内側腕は、好ましい形状では、終端が内側に向けて湾曲した隆起を含み全体として涙滴状のパッドになっている。
外側椀は前記U形部材から末端まで拡幅することが好ましく、クリトリスと接触することに順応した滑らかな内側面を持つ。
装置は弾力性のある内部骨格を柔らかくてしなやかな外層で覆って構成することもできる。
外側腕は実質的に長方形のクリトリスパッドの輪郭をなし、先細りしてU形部につながる。その巾は大陰唇の間に挟み込まれ、クリトリスと接触できるようなものである。
【0008】
さらに、前記内側および外側腕の少なくとも一方は振動モーターを備えていることが好ましい。
前記内側および外側腕のそれぞれが振動モーターを備えていることが最も好ましい。
したがって、それぞれの装置は動力手段を備えている。
動力手段は充電式電池の場合もある。充電式電池は前記外側腕の内部に位置する。
したがって、外側腕は前記電池を充電するためのコンセントおよび充電回路を内包する。
さらに、外側腕にはスイッチ手段を備える。スイッチ手段は前記モーターを2つ以上のオンモードで作動させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
最も好ましい実施態様において、この装置はシリコン製の外層、および弾力性のあるプラスチック製の内部骨格を持つ。
【0010】
次に図1を参照すると、本発明は身体構造に基づいて形づくられ、非常に柔軟性のあるバイブレータ/性的刺激装置を提供する。これは内側腕1を備える様に形づくられ図2および5で特に明らかな様にその終端は球根状の涙滴形状のパッド2になっている。このパッドはGスポットがある付近の膣の領域に押しつけられて位置する様に意図されている。腕1は狭まり細長いU形の遷移部3となり次いで拡がり幅広く平らなクリトリス刺激パッド4となる。クリトリス刺激パッド4はかなり平らで(図2で見られるとおり)、巾は大陰唇の間にぴったり合うような寸法になっている(図4参照)。したがって、使用中にクリトリス用パッド4は大陰唇の間にクリトリスに押し付けられて挟み込まれ、振動の直接刺激をクリトリスに与えることが判る。その間、内側腕1は膣の内側にありGスポットに押し付けられるように引き上げられ、これも振動している。さらにそれぞれのモーターによる振動の間の相互作用により装置全体に高調波脈動が起こることも判る。
【0011】
また内側腕1が使用中は前に引かれ、さらにU形遷移部はかなり薄く狭いため、この装置を付けていても通常の性交が妨げられないということも特筆すべきことである。
【0012】
次に図3を参照すると、本装置がシリコン、ビニール、ゴム、または他の適当な素材の外皮5、およびTiNiの様な形状記憶合金、または熱可塑性エラストマー、もしくは成形したナイロンまたはポリウレタン殻の様なより安価な素材でできた骨格コアで構成される内側コア6を含むことが見てとれる。コア6はかなり激しい使用にも耐えられる程に柔軟で、Gスポットに持続的に前向きの圧力を及ぼせる程に弾力がありかつその内部にある部品および回路を保護できる程に硬くなくてはならない。涙滴形状をしたGスポットパッド2付近の内側腕1の末端にある第1シェル7の内部には長手方向に合わせた第1振動モーター8が位置し、小さな回転偏心重り(表示無し)を備えている。リード線9により第1モーターは通常はU形をしたコア6の他端にあるシェル71内に位置する第2モーター10に接続され、次いで2つのモーターはその先のリード線によりAAまたはAAANiCdの様な電池16、スイッチ11、これは3位置スライドスイッチで装置の端近くにあり「オフ」位置と対になった「オン」位置の間を操作できることが好ましいが、ならびに充電用回路12およびコンセント13から構成される動力源に接続される。図示した様に、充電コンセント13は外部からアクセスできる場合もあるが、取り外し可能なプラグで覆われている場合もある。一方で、充電回路は金属と金属の接触を要しない誘導形充電器の場合もある。さらに、モーターの数、向き、および強さは当業者の選択の問題であることは当然である。要望によっては装置のそれぞれの端部に2台以上のモーターを備えることも、またはそれぞれの端部に1台のみのモーターを備えることも、またはどの様な組合せで備えることもできる。さらに、スイッチは、モーターの同一または異なるレベルまたは回転方向のあらゆる組合せで起動できる様に任意の数の「オン」設定を備えることができる。これにより装置に異なる高調波パターンをつくりだすことができ、使用者に心地よい高調波パターンを個人ベースで決めることができる。さらに、スイッチは押しボタン、ダイアル、または他のあらゆる適切なタイプのスイッチにすることができる。さらに、シェル構成部品それ自体を電流により「ピクピク動く」ことができるバイメタルのような合金で作り、望むパターンに応用することも可能である。
【0013】
図1から5に示す装置は非充電式電池で、よって充電回路およびコンセントを備えずに製造することができることは当然である。したがって、装置は電池が完全に放電するまでの使い捨てと見なすことができる。一方で、交換可能な電池を使用することもできる。この場合は、装置には電池にアクセスするため、ピールバックシリコン層の様な再密封が可能なアクセス手段を備えなくてはならない。
【0014】
次に図6から10を参照するが、図1から5に示されたものと類似した本発明による第2の実施態様のための一連の図が描かれている。2つの装置の主な相違点は第2の装置の場合、クリトリス用パッドが引き伸ばされていて手動操作用の柄になっていることである。内側腕15には第2バイブレータモーター8が備えられている。内側椀モーターに至るリード線9はシリコンか類似素材の弾力のある層で覆われるため、コア6またはシェル7の内部に納められている必要はない。
【0015】
図8に示すとおり、コア6はU形の湾曲部3にとり込まれ第1振動モーター5を内蔵する拡張されたシェル部71で終端となる。図8から判る様に装置の内側容積は次に充電式電池16に占められ、これに新たな広いシェル部17が続き、ここには新たな振動モーター18、充電用回路/コンセント、およびスイッチが収容されている。シェル部は、要望があるなら、3台のモーター全て、電池、充電回路およびスイッチを収容する連続した一体物として製造できるのは当然である。図7から判る様に、装置の内側壁のクリトリス用パッド領域41は強い刺激を与えるために型押しにすることもできる。
【0016】
本発明による装置の第2の実施態様においては3台のモーターが使用されるため、モーターを同時に作動させることにより非常に実のある高調波効果をつくり出すことができる。
さらに、本発明の精神から外れることなく、本発明による多くのバリエーションが可能であることは当然である。
本発明による装置の多数の変形および/または機能および製造方法を以下の段落で記載するが、これらは図11aから11oとしてここに添えた写真および概略図を参照している。
【0017】
本発明では4種類のバージョンが提案されている:
−「ライト」、これは「C」の様な形状でこれに関しては好ましい実施態様として上の図1から5で記載してきた;
−「ミディアム」、これは「C」の様な形状で小さな柄があり、これに関しては好ましい実施態様として上の図6から10で記載してきた;
−「フル」、これは「ミディアム」バージョンからできていて、加えて「C」中央部から生じる2枚の振動膜腕を持ち、大陰唇を覆うと共に曲線的な鱗茎状物として陰唇小帯、会陰および肛門に接触する。;および
−「ヘビー」、これは「フル」バージョンからできていて、加えて肛門振動プラグが付いている。
【0018】
「ライト」バージョンは次の特徴を持つことができる:一時的に膣内に挿入するのに相応しい柔軟なシリコン(ジュロメーター4から50)またはウレタンゴム化合物からできている。この素材は透明または不透明または全ての色の半透明にすることができる。
装置はモールド工程により形成できるので外表面は装置の効果を高めるために凹み、型押しまたは多数の小突起が望まれる部分以外は滑らかである。
【0019】
「ライト」バージョンは3つの必須の部分から構成することができる。
1.一つ:クリトリス用パッドは内側面が女性の構造に順応しクリトリスおよび周辺域に最高の接触をもたらす用に形づくられる。それは楕円形、円形または角が丸くなった三角形であってもよい。内側の面は装置の刺激効果を高めるために滑らか、型押し、凹み付または多数の小さな突起があってもよい。クリトリス用パッドはクリトリス領域に大陰唇を押し広げて挿入する。
【0020】
2.このユニークな柔軟性のある「U」機能により、装置は所定の場所に固定するために紐や付属品を全く必要としない。クリトリス用パッドは性交の前、中、後の妥当な状況の下では所定位置からずれることはない。望む時には手で簡単に取り外せる。出願者が知る限り、性交を可能としている全ての装置では、これをペニスに装着して性交中に女性に振動刺激を与えたり、もしくはこれを下着または女性の脚および/または腰に回した1本以上の紐によりクリトリス領域上に保持している。
【0021】
3.クリトリス用パッドは240および10000rpmの間の振動数に達する少なくとも1つの振動メカニズムを持つ。これは円筒形および/または円盤状偏心重り付振動モーターでもピエゾブザーでもよい。振動メカニズムは女性および男性にも性交または密着中に性的刺激を与える様に設計されている。振動軸はクリトリス用パッドの内側面に対して平面的でも垂直でもよい。振動メカニズムはクリトリス用パッドの内部に位置しその振動がパッドを介して装置の使用者に伝わる様に設計されている。振動は性的満足を増大させるために、強さ、振動数ならびに定常波およびリズムの設定を含め様々の方法で変えることができる。この様な振動はマイクロプロセッサーにより制御することができユーザーが種々の操作モードを選択することにより変えることができる。操作モードは事前プログラムすることもまたは標準的なP.C.の「USB」ポートまたは無線またはLR通信または音声または拍手を介して変えることもできる。
【0022】
4.クリトリス用パッドには性的満足感のために人間を刺激する他の手段を持たせることも持たせぬこともできる。この様な手段は「電気刺激」または「神経刺激電気玩具」または「電気セックス玩具」を含み、これらは身体の部分間に電位差を与えることにより人体組織に電子電流を流すことを応用するシステムである。これによりその部分の血流を増加させ筋肉および組織を快楽のために収縮させる。この電気刺激の間神経系は興奮しその感覚に多くの人々は快楽を見いだす。小さな滑らかな電気接点パッドをクリトリス用パッドの外にも戦略的に装置の多くの場所に設けて「電気刺激」を促進することができる。これによりクリトリス用パッドの色々な場所の間、パッドおよび体内側腕の間ならびにパッドおよび体内側振動モジュール(後に記載)の間ならびに振動モジュールおよび体内側腕に電流を通すことができる。これらの「電気セックス」オプションを駆動する電子装置およびマイクロプロセッサーは装置の柔軟な外装の内側に納めることができる。
【0023】
他のクリトリス用パッドによる刺激のテクニックとして機械的な動きがある。機械的手段によりパッドの下面を3軸方向の何れにも動かすことができ、および/またはパッドの外側が中心に向かって動きまた戻る締め付け動作をおこなうこともできる。これによりクリトリス領域に前後、および/または上下および/または回転、および/または内側外側に動くことにより体が圧力変化と知覚する動きを与える。動きはマイクロプロセッサーにより制御でき異なるパターンおよびリズムを6から600Hzの範囲で最大振幅0.2インチまでおこなうことができる。動きはSMA(形状記憶合金)を多層積み重ねた形式の「ノーノ筋肉(Nono muscle)」またはSMAばね/ピストン(「電気ピストン」)またはSMA線(ニトロ、マッスルワイヤーまたは他の「チタンニッケル製品」)の加熱冷却、または歯車式電気モーターメカニズムまたはソレノイドによるプッシュおよび/またはプル動作を介して達成できる。動きはクリトリス用パッドの望みの箇所および/または装置の他の領域に回転駆動軸、プッシュロッド、レバー、その他を介して伝えることができる。機械的な動きは振動に比べ周波数がずっと低くパッドが動く移動量がずっと大きくストローク速度をストローク中でも制御できるという点で非常に異なる。単サイクルのストロークの間にストローク長を変えることもストローク速度を変えることもできる。このことがサイクル速度、一時停止時間、ストローク加速度、速度および移動距離(振幅)を変えることにより動きの多数の順列を可能にする。
【0024】
6.動きをつくり出すもう一つのユニークな方法は「曲り駆動」軸が鞘内で回転するものでモーターおよびギアトレインとは離れたところに動きをつくるために用いることができる。もしも「曲り駆動」軸がTiNiの様な柔軟素材でつくられ、クリトリス用パッドの上に位置するギヤモーターで駆動され、かつ装置の腕の中で内部回転するならば、駆動軸の回転につれて内部振動モジュールを前後に移動またはピクピク動く様にすることができる。ばね製の駆動軸はある程度の湾曲がある抵抗形状でなくてはならない。曲がりが大きいほど、駆動軸を1回転まわすためにより多くの動力およびトルクを必要とする。
【0025】
心地よい振動をつくる別の方法は高調波を介してである。この独特な方法は装置の成形素材に幾つかのゆっくり変化する定常波を用いる方法である。2つ以上の振動モーターを用いた場合、モーターの偏心重りが互いに同位相になった場合にそれぞれのモーターによる振動が結合し強め合う干渉を引き起こす。モーターの偏心重りが互いに位相外れになった場合には弱め合う干渉をつくりだし、その影響によりモーターの振動の効果が半減する。モーターはほとんど同じ回転数で運転されているため、モーターは相互の位相がゆっくり変化し両者間に脈動する高調波をつくりだす。これらの定常波はモーターが同位相になったり外れたりするにつれ来たり去ったりして成型素材内に非常に心地よい高調波共鳴をつくりだす。高調波のリズムはモーター速度が互いにどれだけ近似しているか、およびその回転数の絶対値の関数である。振動パターンまたは効果に基づく高調波干渉を作り出すのに(2つ以上の)モーターを用いている装置は他にはない。電気的なフィードバックにより、2つ以上のモーターが電気的に並列に接続されているなら、モーターがほぼ同一の回転面に設けられかつそれぞれのモーターの振動が十分に他のモーターに届くという条件の元で高調波パターンは顕著になる。マイクロプロセッサー制御もまたモーターの速度制御に用いることができ、これによりモーターの振動につれて発生する強め合い/弱め合う干渉パターンでつくり出される高調波パターンを制御できる。
【0026】
8.本発明による装置のどこかに適用できる振動または機械的な動きを発生させる全ての方法。
【0027】
9.本発明による装置においてはどの様なリード線も外部になく、かつこれは「耐水」または適度に「防水」でありシャワー、浴槽内での使用および洗浄を可能にしている。
【0028】
10.二つ:「ライト」バージョンの第2の構成要素は柔軟性のある体内側腕でクリトリス用パッドの後端に滑らかな湾曲した形状で取り付けられている。これは薄く狭く角は丸めてある。これは柔軟性があり標準的な女性の体のクリトリスから膣口にかけての形に合う様に湾曲している。これは膣口から2から3インチもっと小さな湾曲形状で続くがそれはクリトリス用パッドが女性の体の正しい位置にある場合にしっかりと膣内に入る様に設計されているからである。これはクリトリス用パッドが作られているものと同じ柔軟性のあるシリコンまたはゴムで作られている。クリトリス用パッドから体内部の振動モジュールに至る全ての駆動軸、プッシュ/プルロッドまたはリード線類はこの腕の内部に収容されている。腕は非常に柔らかく柔軟性がある外側と滑らかな表面を持つ。腕はシリコンゴム内に収容されている内部ばね鋼またはTiNi(チタンニッケル化合物)ロッドによりばねの様な特徴を持つ。このバネの様な特徴により女性が動いたり収縮したりするのに対応してこの腕が女性の内部で内側に曲がることを可能にする。このため動くことを可能にすると共に腕が常にその「C」形状を維持しようとするためにいくらかの力が加わる。この力が腕の上端でクリトリス用パッドを押し下げ、腕の下端では振動モジュールが女性の体の前側に、Gスポットのある方向に引かれる。この体内側腕の特異な特徴はこれがクリトリス用パッドを定位置に保持し、体内部の振動モジュールを膣内のGスポット領域付近に保ち、膣がとりうるあらゆる形に順応できるほどに柔軟であるということである。さらに本発明による装置を着けながら使用者が性交することが可能な様に設計された唯一の製品である。この腕が定位置にあってもペニスまたは類似形状のものは容易に膣内に侵入できる。
男性は女性が装置を着けていても表面が滑らかで目立たないため気になることはない。このことは他のどの様な装置も性交中に膣内に振動モジュールを保持できないという点に鑑みてユニークである。
【0029】
11.三つ:腕の末端は体内側振動モジュールである。これは直径が約1インチで厚みが0.25インチの丸い円盤状である。これは外面が滑らかで柔軟性があり先細りして腕につながる。この振動モジュールは少なくとも1台の円筒または円盤形状の振動モーターを含みさらに電気刺激パッドを含む場合もある。振動に加えて機械的な動きも腕の中に収納された駆動軸またはプッシュ/プルロッドを用いることにより達成できる。振動モジュールには回転、横方向、前後または上下を含むあらゆる動きの組合せを持つことができる。
【0030】
「ミディアム」バージョンは上の図6から10を参照して言及した様に、ライトモジュールに加えて柄を持つことで構成される。
上に記載したものに代わるバージョンでは、クリトリス用パッドの上側中央に台座が取り付けてある。台座はパッドから滑らかに曲線を描く様に盛り上がっている。この台座が柄を取り付ける手段を与えている。台座は大陰唇がクリトリス用パッドの上に折り重なり台座が取り付けてあるパッド中央の小さな部分を除いてパッドを囲める様に形づくられている。柄は滑らかな曲線を描く様に台座に取り付けられ台座より幅が広いところでは大陰唇がクリトリス用パッドと柄の間に存在することを可能にしている。柄は使用者により装置の位置を調節するのに用いられ、柄には幾つかの押しボタンを柄の柔らかい外装に埋め込んで含む。また柄には電池および/または装置の電子装置を含むこともできる。柄は巾が約1インチで、滑らかで、柔らかく、柔軟性がありかつ二人の間に挟まれた場合に快適な様に先細りの形状である。
【0031】
「フル」バージョンは上の11d、eおよびfに示すとおり、ミディアムバージョンに加えて「C」の中央部より2枚の振動膜腕を持ち大陰唇を覆うと共に曲線的な鱗茎状物として陰唇小帯、会陰および肛門に接触する。これら2本の腕はそれぞれが少なくとも1台の円筒または円盤形状の振動モーターを含む場合がありかつまた電気刺激パッドを含む場合もある。腕は本質的に弾性があるため女性が伸びをしたり動いたりしても制約や不快を感じることはない。これらの腕は大陰唇および周辺の生体膜に興奮を伝える。これらの腕は厚みが約0.2インチで巾は最大で1インチである。これらはペニスまたは類似形状のものが制約なしに膣に侵入できるように形づくられている。繰り返しになるが、紐や下着を用いることなしで、性交中に振動する腕を女性の敏感な領域に保持できる装置は他にはない。2枚の膜状の腕が交わる会陰の上には少なくとも1台の円筒または円盤形状の振動モーターがある場合がありさらに電気刺激パッドを含む場合もある。この領域は尻の間に合うように輪郭が工夫され肛門周辺の皮膚に接して望みの振動を伝える。これは滑らかで柔らかく角は丸められている。「フル」バージョンは本質的に、図1から5に示した、基本となる装置に付加的な道具立てを付け加えたものであることは直ちに判る。
【0032】
「ヘビー」バージョンはフルバージョンから構成されこれに幾つかのサイズから選べる肛門用プラグが加わっている。この肛門振動プラグは少なくとも1台の円筒または円盤形状の振動モーターを含む場合があり、さらに電気刺激パッドおよびまたは上に記載した機械的運動機能をも含む場合もある。
装置はこれに形状記憶部品を持つことも可能で、すなわちかなり強く曲げると、ある点で静止形状が変化しある程度記憶する。これにより使用者は好みにピッタリ合う形状に戦略的に曲げることが可能になる。それでもまだ装置は元の「カスタマイズできない装置」と同様に曲がる。通常の使用ではこれが新しい形状をとるほどには曲げない、すなわち、調整後もその形状を維持する。これは鉄またはアルミニウムまたは他の金属の針金または細長い片またはループを加えることによりできる。
【0033】
ライトはリチウム電池CR2450またはCR2032またはアルカリ電池AAAAを用いている。
「ライトバージョン」の別バージョンの部品リスト
30ジュロメーターシリコン(ピンク)製のコア
10ジュロメーターシリコン(透明またはブルー)製の外表面
AWG(米国電線規格)26のワニス被覆線
電池接点および配線接続用の0.3”x0.6”小型プリント基板 2枚
シリコン成型品のスイッチカバー 1ヶ
コインタイプ振動モーター部品Sanko IEl 10 - 3VDC 2台
1.5ボルトアルカリAAAA電池 2ケ
小型スライドスイッチGC スイッチNo.35-202 1ヶ
直径0.026”チタン/ニッケル比50/50針金 28cm
【0034】
完成品の形状を説明するための内部モーターおよびスイッチが付いた操作可能な完成コア、コア型、内部TiNiばねおよび外型の例:図11h参照。
図11hで「外側面」および「内側面」を示す矢印に注目。装着した場合、内側面は女性に当たり外側面は男性に当たる。
相応しいスイッチカバー(モールド工程でスイッチにシリコンが入りこまないようにするため)の形状を図11iに示す。スイッチ搭載翼は配線を取り付けた後に切り離されスイッチはシリコン接着剤で白色シリコンカバー内に密封される。
シリコンハウジング内のスイッチを図11jに示す。
【0035】
図11kに示すように、29cmに切断してから両端を一緒にねじってループとし、小さな鋼製のクリップで所定の場所に止めるとループ状のばねになる。
治具に取り付けたばね線で線の寸法を示す。
図11lの半径A、BおよびCに着目。女性の体に最も合うようになっている。
半径Aが最小でBに融合し、これが最大半径Cに融合する。Aは半径約0.25”、Bは半径0.5”、Cは半径1.0”である。Hは体内部振動モジュールの「フック」領域を示している。この曲がりは杭「P」から始まる。フックはGスポット上に引き上がり装置をここに保持する。フックによる上向きの圧力はクリトリス領域の下向きの圧力で相殺されている。
図11mおよび11nでは、部品ihはコア型で、右側の目盛りはインチである。モーター2台、ばね、プリント基板、カバー無しスイッチおよびAAAA Energizer社製電池2本。
【0036】
組立手順
リード線をプリント基板2にはんだづけし、スイッチをプリント基板1にはんだづけし、リード線を回路図にしたがってモーターにはんだづけする。モーターにはモールド工程中に不浸透にするためシリコンの薄膜を施す。スイッチはシリコンカバー成形品中にシリコン糊で密封されるがこれもモールド工程中にシリコンを入り込ませないためである。2本のAAAA電池はその陽極の出っぱりをヤスリで落として平にし、正常のAAAA電池より約0.08”短い2本の「暫定」電池を作る。暫定電池のそれぞれの端部に粘土の小片をつけてからプリント基板2を一方の端にくっつける。鞘入りのスイッチを取り付けたプリント基板1を電池の反対側端の粘土に押し込む。針金はまっすぐな29cmを切り取り両端を一緒にねじってループ状にする。針金を治具に取り付けばねを望みの形を保持するために500℃で5分間熱処理をして形づくる。次いでばねをコア型内に置く。電池(一方の端にスイッチおよびプリント基板#1、および他端にプリント基板#2付き)をコア型の中に置き次いでリード線がプリント基板#2に至る2台のモーターをコア型の中に置く。型の上部を所定位置に押し付けながら型を30ジュロメーターシリコンで満たす。シリコンが硬化してから中子を取り出し外型内に置く。外型の上部を所定位置に押し込みながらこれを10ジュロメーターシリコンで満たす。シリコンが硬化してから最終製品を型から取り出す。刃を用いてクリトリス用パッドの上面の電池の間に一本の中央裂け目を作る。短い暫定電池を裂け目から粘土の小片と共にと取り出す。PCB(プリント基板)の接点をきれいにしバッテリーとPCBの接触を阻害するシリコンがないか検査する。新しいAAAA電池を挿入するとシリコンが延びて正規の長さの電池を受け入れる。延びにより電池の両端にプリント基板が押し付けられ良好な電気的接触が維持できる。ユニットを起動し両モーターが作動することを確認し次いですべてのモールドのバリを切り落とす。
【0037】
体内側腕の形状および曲げに対する反発の程度は極めて重要である。
直径が0.020および0.030”の間のTiNi線の2つの部品により適切な柔軟性が得られた。考案した試作品では0.024、0.026および0.0277”を用いた。1本の撚り線の場合類似の剛性を得るには約0.026から0.032”を必要とするが、1本の太めのばね線より腕の横安定性が増すので2本撚り線に決定した。
【0038】
腕の形状も同様に極めて重要でこれにより腕が女性のクリトリスおよび膣口の間の形に申し分なく順応する。クリトリス用パッドは確実にぴったり密着する様に身体構造的に形が決められかつ外陰唇の間にくるまれる程に小さい。その腕は男性に対しできるだけ目障りにならない様に薄く狭い。体内部の振動モジュールはGスポットに圧力を加えるように湾曲している。腕が膣内に挿入されている場合は、腕の湾曲は拡げらればねに応力を与える。これがクリトリス用パッドに下向きの圧力を生じパッドを女性のクリトリス領域に押し付ける。等しい力が体内部の振動モジュールにより上向きに膣内のGスポット領域に生じる。これが女性内に挿入されている時は装置のC型形状は拡がり結果として生じる圧力により性交中に装置を所定位置に保持する。腕は動ける程度に柔軟性がある。女性が体位を変えるにつれ腕がたわんで動くため女性に体内的にも外部的にも不快な圧力をおよぼさない。またこの装置は膣の形状がペニスを挿入することによりおよび女性に対するペニスの角度が変化することにより変わっても膣の形状に順応することは特筆すべきことである。ばねは記憶素材(TiNi)製であるためどの様な曲げ量によってもばねの弛緩時形状、したがって装置の形状を恒久的に変えることはない。通常、装置の弛緩時の「C」形状は装着時にはほとんど「L」形状にまで拡げられる。
【0039】
クリトリス用パッド、体内側腕および体内部振動モジュールの「内側」面は型押し(ギザギザ)面になっていて女性の皮膚に対するグリップまたは摩擦を最大にしている。これは接触している女性の皮膚をグリップすることにより装置を所定位置に保持することを助けるためである。
【0040】
クリトリス用パッド、体内側腕および体内部振動モジュールの「外側」の男性の皮膚に当たる面はガラスのように滑らかになっていて摩擦を最小とし、ペニスを膣に抜き差しする際に男性と共に装置が動くすべての傾向を最小にしている。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図において、これは本発明の例として示すものである。
【図1】本発明による装置の第1実施態様の透視図である。
【図2】図1による装置の側面図である。
【図3】図2の線分3−3による断面図である。
【図4】図1による装置の正面図である。
【図5】図1による装置の背面図である。
【図6】本発明による装置の第2実施態様の透視図である。
【図7】図6による装置の側面図で、さらにクリトリス部刺激領域の表面型押しも示している。
【図8】図7の線分8−8による断面図である。
【図9】図6の装置の正面図である。
【図10】図6の装置の背面図である。
【図11a】交互の実施態様の詳細を示す一連の写真および概略図である。
【図11b】交互の実施態様の詳細を示す一連の写真および概略図である。
【図11c】交互の実施態様の詳細を示す一連の写真および概略図である。
【図11d】交互の実施態様の詳細を示す一連の写真および概略図である。
【図11e】交互の実施態様の詳細を示す一連の写真および概略図である。
【図11f】交互の実施態様の詳細を示す一連の写真および概略図である。
【図11g】交互の実施態様の詳細を示す一連の写真および概略図である。
【図11h】交互の実施態様の詳細を示す一連の写真および概略図である。
【図11i】交互の実施態様の詳細を示す一連の写真および概略図である。
【図11j】交互の実施態様の詳細を示す一連の写真および概略図である。
【図11k】交互の実施態様の詳細を示す一連の写真および概略図である。
【図11l】交互の実施態様の詳細を示す一連の写真および概略図である。
【図11m】交互の実施態様の詳細を示す一連の写真および概略図である。
【図11n】交互の実施態様の詳細を示す一連の写真および概略図である。
【図11o】交互の実施態様の詳細を示す一連の写真および概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
性的刺激またはケーゲル法運動のために女性が用いる装置で、膣内に挿入しGスポットまたは近傍の膣の壁に接触する様に寸法を決めた内側腕、クリトリスに接触する様に寸法を決めた外側腕、ならびに内側および外側の腕をつなぐ弾力性のあるU形部材を備える女性が用いる装置。
【請求項2】
前記内側腕が丸みを帯びた内側に向いた隆起を含み一般には涙滴形のパッドで終端する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記外側腕が前記U形部材から末端まで幅広くなり、クリトリスに接触することに順応した滑らかな内側面を持つ、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記装置が、柔らかくてしなやかな外装で覆われた弾力性のある内部骨格を備えた、請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記外側腕が実質的に長方形または楕円形のクリトリス用パッドを規定し、先細そになってU形部材に達する、請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
前記クリトリス用パッドが大陰唇の間に押し込まれクリトリスと接触する様な巾である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記内側腕および外側腕の少なくとも一方が振動モーターおよび/または電気刺激および/または機械的動き(例えばSMA)を備えた、請求項1から6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記内側腕および外側腕のそれぞれが振動モーターおよびまたは電気刺激および/または機械的動き(例えばSMA)を備えた、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置が動力手段を備える、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記動力手段が充電式電池または交換可能電池または配線である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記充電式電池が前記外側腕内に位置している、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記外側腕が前記電池を充電する手段、および充電回路を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記外側腕がスイッチ手段を備える、請求項9から12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記スイッチ手段が前記モーターを2種類以上のオンモードで作動することが可能な、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記装置がシリコン製の外側層および弾力性のあるプラスチックおよび/またはばね用金属製の内部骨格を持つ、請求項1から14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記U形部材が、前記内側腕が膣内に挿入されていても性交ができるほどほっそりとしている、先行請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
性的なバイブレータで、振動手段を含む第1腕、振動手段を含む第2腕、および2本の腕をつなぐほっそりとした通常はU形の部材を持つ、性的なバイブレータ。
【請求項18】
前記第1および第2のそれぞれの腕が涙滴形状をした、請求項17に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図11g】
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【図11H】
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【図11I】
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【図11J】
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【図11K】
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【図11L】
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【図11M】
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【図11N】
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【図11o】
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【公表番号】特表2008−523850(P2008−523850A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545799(P2007−545799)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【国際出願番号】PCT/CA2005/001916
【国際公開番号】WO2006/063461
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(507201201)
【Fターム(参考)】