説明

電気光学表示装置

【課題】十分な反射率とコントラストを併せ持ち、視認性の良い薄型の電気光学表示装置を提供する。
【解決手段】所定の表示領域を有しEC反応に基づいて着色状態の変化を呈するEC層3と、所定の表示領域を有し電気泳動粒子の移動に伴って着色状態の変化を呈する電気泳動層5とを、EC層3が視認側となるように重ね合わせて構成される電気光学表示装置であって、EC層3は、第一原色に着色可能な第一のEC素子2Cを配列させた第一のEC層3Cと、第二原色に着色可能な第二のEC素子2Mを配列させた第二のEC層3Mと、第三原色に着色可能な第三のEC素子2Yを配列させた第三のEC層3Yとを積層してなり、EC素子2C〜2Yは、それぞれ無色透明色が表示可能であり、かつ、視認側からみて、EC素子2C〜2Yが互いに重ならないように配列させた電気光学表示装置を作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部光の反射率を変調することにより画像を表示する電気光学表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、外部光の反射率を変調して画像表示することにより、紙媒体と同様の視認性を有する反射型表示装置の研究開発が盛んに行われている。このような表示装置を実現するデバイスとして、例えば、反射型液晶表示装置や、セル内に封入した電気泳動粒子を電場により移動させることにより光の反射状態を変調することができる電気泳動表示装置等が挙げられる。反射型液晶表示装置は、表示のためのバックライトを必要としないので、バックライトのためのスペースを無くせる上に、電力の削減も可能であるという特徴を有している。電気泳動表示装置は、より一層の薄型化、軽量化が可能であることから、紙媒体に取って代わる電子ペーパーやフレキシブルディスプレイへの応用が期待されている。
【0003】
特許文献1には、絶縁性基板に配置された複数本の走査配線と、絶縁膜を介し交差するように配置された複数本の信号配線と、走査配線と信号配線の交差部分に薄膜トランジスタを設け、この薄膜トランジスタに接続され反射機能を有する反射画素電極が設けられているアクティブマトリックス基板が記載されている。さらに、特許文献1には、絶縁性基板上に、反射画素電極に対応する領域にカラーフィルターのRGB領域を形成し、反射画素電極間に対応する領域には遮光膜を設けないカラーフィルターを形成し、その上に透明導電材料からなる共通電極を設けた対向基板との間に液晶を挟持した反射型液晶表示装置が記載されている。
【0004】
特許文献2には、酸化還元反応により着色状態が変化するエレクトロクロミック(以下、「EC」と記載する)反応によって透明領域と着色領域(例えば青色領域)を呈するEC層と、EC層の下部に重ね合わせる形態にて、電界制御によってEC層の着色領域の色と異なる第1の色領域(例えば赤色領域)および第2の色領域(例えば緑色領域)を呈する電気泳動層とを備え、視認側に赤色,緑色,青色、およびこれらの混色の多色表示を行うことが記載されている。
【0005】
特許文献3には、顔料を含むマイクロカプセル、または顔料を隔離するための隔壁を、二枚の電極間に挟み作製した電気泳動型表示素子に、二枚の電極間に形成したEC表示素子を重ね合わせた構成からなるカラーリライタブル表示装置が記載されている。この表示装置は、表示に関してメモリ性を有することから、情報の書き替え時のみ、画像書込装置により書込みのエネルギーを与えるだけで良く、表示を維持するエネルギー付与は不要である。従って、情報の書込み後に画像書込装置から表示装置のみを切り離し、紙媒体のように手軽に持ち運んだり、重ねたり、並べたり、手に持って文字情報を読むという使用方法も可能である。
【特許文献1】特開2000−122093号公報(図1等)
【特許文献2】特開平10−161161号公報(図4等)
【特許文献3】特開2004−286977号公報(図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1では、反射型液晶表示装置、上記特許文献2及び3では、電気泳動表示装置により、反射型の表示装置を構成している。そして、上記特許文献1では、液晶層上にカラーフィルターを重ねることによりカラー表示を実現し、上記特許文献2及び3では、電気泳動層上に、EC表示素子を重ねることによりカラー表示を実現している。
【0007】
しかしながら、特許文献1の反射型液晶表示装置においてはカラーフィルターの透過率が基本的に固定されているために、視認側に十分な反射率は得られていない。また、特許文献2及び3のEC表示素子と電気泳動表示素子とを用いた場合でも、現段階においては、紙媒体に取って代わる程の十分な反射率とコントラストを併せ持つ表示装置は実現されていない。そこで、本発明は、十分な反射率とコントラストを併せ持ち、視認性の良い薄型の電気光学表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成し得た本発明の一つの電気光学表示装置は、
所定の表示領域を有しエレクトロクロミック(EC)反応に基づいて着色状態の変化を呈するEC層と、所定の表示領域を有し電気泳動粒子の移動に伴って着色状態の変化を呈する電気泳動層とを、前記EC層が視認側となるように重ね合わせて構成される電気光学表示装置であって、
前記EC層は、第一原色に着色可能な第一のEC素子を配列させた第一のEC層と、第二原色に着色可能な第二のEC素子を配列させた第二のEC層と、第三原色に着色可能な第三のEC素子を配列させた第三のEC層とを積層してなり、前記第一〜第三のEC素子は、それぞれ無色透明色が表示可能であり、かつ、視認側からみて、前記第一のEC素子、第二のEC素子、第三のEC素子が互いに重ならないように配列したものである。
【0009】
上記電気光学表示装置において、視認側からみて、第一のEC素子、第二のEC素子、第三のEC素子が1/2素子、又は、1/3素子ずつ互いにずれるように配列することが望ましい。
【0010】
上記目的を達成し得た本発明の一つの電気光学表示装置は、
所定の表示領域を有しエレクトロクロミック(EC)反応に基づいて着色状態の変化を呈するEC層と、所定の表示領域を有し電気泳動粒子の移動に伴って着色状態の変化を呈する電気泳動層とを、前記EC層が視認側となるように重ね合わせて構成される電気光学表示装置であって、
前記EC層は、第一原色に着色可能な第一のEC素子を配列させた第一のEC層と、第二原色に着色可能な第二のEC素子を配列させた第二のEC層と、第三原色に着色可能な第三のEC素子を配列させた第三のEC層とを積層してなり、前記第一〜第三のEC素子は、それぞれ無色透明色が表示可能であり、かつ、視認側からみて、前記第一のEC素子、第二のEC素子、第三のEC素子のうち、いずれか2層以上が互いに重なるように配列したものである。
【0011】
上記電気光学表示装置において、第一原色をシアン色、第二原色をマゼンタ色、第三原色をイエロー色とする態様にて実施可能である。
【0012】
上記電気光学表示装置において、第一原色を青色、第二原色を緑色、第三原色を赤色とする態様にて実施可能である。
【0013】
上記電気光学表示装置において、第一のEC層よりも第二のEC層を厚く、第二のEC層よりも第三のEC層を厚く形成することが望ましい。
【0014】
上記電気光学表示装置において、特定領域内にある複数の同色EC素子の着色状態/無色透明状態の組み合わせにより、表示色の濃度が調節される態様が望ましい。
【0015】
上記電気光学表示装置において、EC層上にタッチパネルを形成する態様が好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、EC層の裏側(視認側とは反対側)に無彩色(グレイスケール)を表示することに適している電気泳動層を配置するため、色要素が豊富化され、EC層によるカラー表示だけでは表現できないような階調度の高い、表現豊かなフルカラー画像を表示することができる。
【0017】
また、本発明によれば、EC層は無色透明色を表示することが可能であるため、電気泳動層による無彩色画像をより一層鮮明に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1にかかる電気光学表示装置について図面を参照しつつ詳しく説明する。
【0019】
1.電気光学表示装置の概略構造
図1は、本発明の実施の形態1にかかる電気光学表示装置の一例を示す概略断面図である。図1において、電気光学表示装置1は、EC層3、電気泳動層5、EC層3と電気泳動層5を駆動するための電子回路層6とを重ね合わせて構成されるものである。
【0020】
EC層3は、印加電圧の調整により透明有彩色と無色透明を呈する透過型の表示層であり、電気泳動層5は、光の反射率を変調できる光反射型の表示装置である。電気光学表示装置1の視認側は、EC層3側である。
【0021】
EC層3は、さらに詳しく見ればマトリックス状に形成されたEC素子2Cを備えるEC層3C、マトリックス状に形成されたEC素子2Mを備えるEC層3M、マトリックス状に形成されたEC素子2Yを備えるEC層3Yとから構成されるものである。EC素子2C〜2Yの詳細については後述する。
【0022】
電気泳動層5は、マトリックス状に形成された電気泳動素子4を備えるものである。電気泳動素子4の詳細については後述する。
【0023】
電子回路層6は、EC素子2Cと電気泳動素子4を駆動する電子回路であり、電子回路層6aは、EC素子2Mを駆動するための電子回路であり、電子回路層6bは、EC素子2Yを駆動するための電子回路である。
【0024】
実施の形態1では、EC素子2Cを駆動するための電子回路層6は、EC素子2Cの他に電気泳動素子4を駆動する構成について例示したが、この形態には限られず、EC素子2Cを駆動するための電子回路層と電気泳動素子4を駆動する電子回路層とは別々に形成するようにしてもよい。或いは、EC素子2C〜2Y及び電気泳動素子4を駆動する電子回路を一つの電子回路層6にまとめて形成してもよい。
【0025】
上記の電気光学表示装置の構成において、EC層3C〜3Yの積層体の無色透明時における全光線透過率は、60%以上とすることが好ましい。この積層体の全光線透過率を高めることにより、電気泳動層5が呈する無彩色画像をより鮮明に映し出すことができるからである。
【0026】
また、電気泳動層5の光反射率の最低値は7%以下であることが好ましく、光反射率の最高値は40%以上であることが好ましい。このように電気光学表示装置を構成することにより、電気光学表示装置の明るさとコントラストが向上する。全光線透過率は、プラスチックの光学的特性試験方法に関するJIS K7105(ASTM D1003)に準拠して測定される。
【0027】
また、電気泳動層5の反射率(%)は、分光光度計により測定されるものである。分光光度計として、グレタークマクベス社製のスペクトロアイ(登録商標)を使用することができる。なお、参考に、スペクトロアイにより測定した新聞紙の白地の反射率は、約60%である。
【0028】
2.EC素子
図1において、第一原色であるシアン色を呈するEC素子2Cは、第一画素電極(共通電極)7Cと第二画素電極(画素電極)8Cとの間に、酸化還元反応により透明有彩色(着色状態)となるか、無色透明となるかを選択することが可能なEC材料層9Cを挟持して構成されるものである。第一画素電極(共通電極)7Cは固定電位であり、第二画素電極(画素電極)8Cは、画素毎の信号に応じた電位にアドレスされる。
【0029】
本発明において、「無色透明」というのは、完全な透明だけを指すのではなく、使用する第一画素電極7Cや第二画素電極8C、及びEC材料層9Cの特性によって光透過率が低い場合も含むが、少なくとも、全光線透過率が60%以上のものを指すこととする。また、「無色透明」というのは、完全な無色だけを指すのではなく、使用するEC材料層9Cの特性によっては、電圧の印加状態に拘わらず微量の有彩色が残る場合も含む。EC層3Cの全光線透過率(%)は、第一画素電極7C、EC材料層9C、第二画素電極8Cの積層体を透過する光の量により測定されるものである。なお、測定の際に、EC層3Cの外側、すなわち、第一画素電極7C或いは第二画素電極8Cの外側に透明基材や接着剤等が存在し、その存在による全光線透過率への影響が無視できない場合であっても、該透明基材や接着剤等の存在による全光線透過率(%)の低下分を計算により除去することにより、EC層3Cの全光線透過率(%)を求めることができる。
【0030】
以上、EC素子2Cを含むEC層3Cの構成を説明してきたが、第二原色であるマゼンタ色を呈するEC素子2M、第三原色であるイエロー色を呈するEC素子2Yについても同様にマトリックス状に形成され、EC素子2C〜2Yは、視認側から見て互いに重ならないように配置されている。
【0031】
EC層3のカラーを構成する原色としては、第一原色をシアン、第二原色をマゼンタ、第三原色をイエローとする組み合わせの他、第一原色が青色、第二原色が緑色、第三原色が赤色という構成を取ることもできる。
【0032】
EC材料層9C〜9Yの材料としては、例えば、シアン系材料として1,4−ジアセチルベンゼン、マゼンタ系材料としてテレフタル酸ジメチル、イエロー系材料として4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジエチルをそれぞれ1−メチル−2−ピロリドンに溶解したものをCMY3原色として用いることができる。赤色系材料としてアントラキノン系色素やスチリル系スピロピラン色素、緑色系材料として芳香族アミン系色素やビオロゲン系色素、青色系材料としてビオロゲン系色素やピラゾリン系色素等の有機EC色素をRGB3原色として用いることができる。
【0033】
なお、無色透明の場合は、視認側において、下地(背景)である電気泳動層5から反射される色がそのまま反映されることになる。
【0034】
また、呈色の濃淡は、直流電圧の印加時間と電圧値を変化させることによっても制御可能である。すなわち、印加時間を変化させたり、印加電圧に幅を持たせたりすることにより、呈色の濃淡を制御することも可能である。或いは、複数のEC素子2C、複数のEC素子2M、複数のEC素子2Yを1画素とし、1画素内において着色状態にあるEC素子の個数により呈色の濃淡を調節することも可能である。例えば、4個のEC素子2C、4個のEC素子2M、4個のEC素子2Yを1画素内に含ませる場合において、3個のEC素子2Cを点灯させて1個を消灯する、1個のEC素子2Mを点灯させて3個を消灯する、EC素子2Yの全部を点灯させる、という如くである。
【0035】
さらに、一つのEC素子(2C〜2Y)に対する単位時間当たりの電圧印加時間を調節することによっても呈色の濃淡を制御することができる。例えば1秒間当たりに印加する電圧パルスの数、幅、高さを増減する等の方法を採ってもよい。
【0036】
EC層3C〜3Yは、透過型の表示層として機能させるため、共通電極7C〜7Yと画素電極8C〜8Yは、透明導電材料により構成することが必要である。透明導電材料としては、酸化インジウム錫(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)等を用いることができる。
【0037】
EC材料層9C〜9Yは、例えば共通電極7上にインクジェット法により塗布することができる。EC材料層9C〜9Yは、スペーサー10を側壁とするセル内に充填され得る液状物でも良いが、取り扱いや製造上の便宜のために、共通電極7C〜7Yと画素電極8C〜8Yとの間から流出せずに形状を保持し得る固形状または半固形状とすることが好ましい。
【0038】
3.電気泳動層
次に、電気泳動層5について説明する。図1において、電気泳動層5は、分散液を封入したマイクロカプセル11を第三画素電極(画素電極)12と第四画素電極(共通電極)13との間に挟持して構成される電気泳動素子4を備えるものである。共通電極13は固定電位であり、画素電極12は、画素毎の信号に応じた電位にアドレスされる。
【0039】
分散液は、帯電した電気泳動粒子と色素を溶かした絶縁性液体等からなる。画素電極12により分散液に電圧を印加すると、電荷を有する電気泳動粒子は、その電荷とは逆の極性の電極へ移動する。観測者側の電極(図1においては、画素電極12)に電気泳動粒子が集まると、当該電気泳動粒子の色が表示される。一方、観測者側と反対の電極(図1においては、共通電極13)に電気泳動粒子が集まると、観測者は絶縁性液体の色を視認することになる。すなわち、電気泳動粒子と絶縁性液体の色の差によって表示の切り替えが行われる。例えば、電気泳動粒子が白色、絶縁性液体が黒色に着色されていれば、画素電極12に印加する電圧を切り替えることに白又は黒を表示することができる。もちろん、画素毎に白と黒を切り替えれば、グレースケールの表示を行うことができる。
【0040】
マイクロカプセル11は、ゼラチンとアラビアガムによるコアセルべーションによって作成した壁体物で構成することができる。白色電気泳動粒子を用いる場合は、酸化チタンを好ましく使用することができる。黒色電気泳動粒子を用いる場合は、カーボンブラックを好ましく使用することができる。分散液の溶剤(上記絶縁性液体)としては、トルエンやケロシン等の炭化水素化合物および/またはシリコーンオイルのようなケイ素化合物溶媒を好ましく使用することができる。
【0041】
本実施の形態においては、電気泳動層5の光反射率の最低値(電気泳動層5が暗(黒)を呈する状態)が7%以下、光反射率の最高値(電気泳動層5が明(白)を呈する状態)が40%以上となるように構成することが好ましい。電気泳動層5の光反射率(%)は、第三画素電極(画素電極)12、マイクロカプセル11、第四画素電極(共通電極)13の積層体に入射した光が該積層体よって反射される光の量により測定されるものである。測定の際に、第三画素電極12の外側に透明基材や接着剤等が存在し、その存在による反射率への影響が無視できない場合であっても、該透明基材や接着剤等の存在による反射率(%)の低下分を計算により除去することにより電気泳動層5の光反射率(%)を求めることができる。なお、光反射率は、マイクロカプセル11による光の反射に大きく依存するため、第四画素電極13の外側に透明基材等が存在しても、その存在による反射率への影響は通常の場合無視できる。
【0042】
コントラストの高い電気泳動層5を実現するための方法としては、(1)黒色の色素を溶解した絶縁性液体中に、白色の電気泳動粒子を分散させる方法、(2)白色の色素を溶解した絶縁性液体中に、黒色の電気泳動粒子を分散させる方法、(3)絶縁性液体中に、黒色の電気泳動粒子と、この黒色の電気泳動粒子とは逆極性に帯電した白色の電気泳動粒子の両方を分散させる方法、(4)半球側が白色、他の半球側が黒色に着色され、白色部と黒色部の電気極性を逆極性とした電気泳動粒子を画素電極12と共通電極13との間に封入する方法等が考えられる。
【0043】
図2〜図4は、図1に示した電気光学表示装置の視認側から見た平面図であって、EC素子2C〜2Yの位置関係を表すものである。図2は、EC素子2C〜2Yをストライプ配列としたもの、図3は、モザイク配列としたもの、図4は、デルタ配列としたものをそれぞれ示す。
【0044】
(1)ストライプ配列
第一〜第三の原色をそれぞれ縦一列に、すなわちストライプ状に配列したものである。
ストライプ配列は、線、図形、文字の表示に適しているため、パソコンなど高精細ディスプレーに適用される。
【0045】
(2)モザイク配列
上記ストライプ配列を基準として、第2行目のEC素子2C〜2Yを1行目に対して1画素分(1列分)横にずらし、第3行目のEC素子2C〜2Yを1行目に対して2画素分(2列分)横にずらして構成したものである。第4行目の構成は、第1行目と同じである。EC素子をモザイク配列とすれば、ストライプ配列の場合に比べてギザギザ感のない自然な画像が得られるため、テレビ画面等に好ましく適用される。
【0046】
(3)デルタ配列
上記ストライプ配列に対して、第2、第4行目のEC素子2C〜2Yを1.5画素分(1.5列分)ずつ横にずらして構成したものである。第3、5行目の構成は、第1行目と同じである。例えば、第2行目のEC素子2Cに着目してみれば、第1、第3行目のEC素子2Cから最も離れた場所に形成したものである。EC素子をデルタ配列とすれば、同色画素が隣接(連続)しないため、よりギザギザ感の少ない自然な画像が得られるため、テレビ画面等に好ましく適用される。
【0047】
上記デルタ配列では、色の区別をしなければ、第1行目と第2行目、或いは、第2行目と第3行目のEC素子が1/2素子ずつ互いにずれた構成を取ったものである。ずれの程度は、1/2素子に限られず、1/3素子ずつ互いにずれるように配列してもよい。1/3素子ずつずれるように構成すれば、同じ色が繰り返される空間的周期が長くなるため、画像のギザギザ感は、より改善される。
【0048】
なお、電気泳動素子4の配列方法に特に制限はないが、EC素子2C〜2Yの配列に対応して配置されることが望ましい。
【0049】
4.電子回路層
次に、電子回路層6の好ましい形態について説明するが、あくまでも一例であり、以下に説明するものに限定されない。図5に示すように、本実施の形態においては、EC素子2C及び電気泳動素子4を駆動するための電子回路層6は、EC層3Cと電気泳動層5との間に挟持されている。電子回路層6には、少なくとも3種類の能動素子、すなわち、第一のスイッチ用薄膜トランジスタ14、第二のスイッチ用薄膜トランジスタ15、及び、駆動用薄膜トランジスタ16が含まれる。トランジスタのタイプとしては、電界効果型トランジスタ、バイポーラトランジスタ、サイリスタ、IGBT等を用いることができるが、オフ電流の少ない電界効果型トランジスタを選択することが好ましい。この場合の制御電極はゲート電極であり、第一電極、第二電極は、ソース電極、ドレイン電極のいずれかに相当する。一般的にはソース電極側を接地する、いわゆるソース接地型の回路構成をとることが多い。
【0050】
図5は、上述したEC素子2Cや電気泳動素子4と、第一のスイッチ用薄膜トランジスタ14、第二のスイッチ用薄膜トランジスタ15、並びに駆動用薄膜トランジスタ16との接続関係を示す電子回路図である。図5において、EC素子2Cに表示信号を伝送するためのEC素子用信号線21と、電気泳動素子4に表示信号を伝送するための電気泳動素子用信号線22とが、図面縦方向に並列に配線されている。一方、図面横方向には、共通走査線23が配線され、EC素子用信号線21/電気泳動素子用信号線22と共通走査線23によりマトリックス構造が形成されている。共通走査線23には、第一のスイッチ用薄膜トランジスタ14の制御電極14g、および第二のスイッチ用薄膜トランジスタ15の制御電極15gが接続される。
【0051】
また、第一のスイッチ用薄膜トランジスタ14の第一電極14aはEC素子用信号線21に接続され、第二のスイッチ用薄膜トランジスタ15の第一電極15aは電気泳動素子用信号線22に接続されている。一方、第一のスイッチ用薄膜トランジスタ14の第二電極14bはEC素子2の駆動用薄膜トランジスタ16の制御電極16gに接続され、第二のスイッチ用薄膜トランジスタ15の第二電極15bは電気泳動素子4の画素電極12(図1参照)に接続されている。
【0052】
駆動用薄膜トランジスタ16の第一電極16aは接地され、第二電極16bは、EC素子2Cの画素電極8(図1参照)に接続され、EC素子2Cの共通電極7C(図1参照)は、一定電位を与える電源Vcomに接続されている。共通電極7Cがマトリックス構造全面に一様に形成されている場合は、電源Vcomは、各マトリックスまで個別に配線されている必要はないが、電気伝導率の良いアルミニウムや銅により個別に配線すれば、共通電極7C全体の電位が所定の電位となるまでにかかる時間が短縮される。また、共通電極7Cがマトリックス構造全体に形成されているのではなく、ライン毎やEC素子2C毎に形成される場合であれば、電源Vcomを個別に配線することが必要である。
【0053】
駆動用薄膜トランジスタ16の第一電極16aは、上記のように接地されているが、直接接地でも間接接地でもよい。例えば、容量素子(図示せず)等の受動素子を介在させていてもよい。容量素子を用いた場合は、サージ電流に対して駆動用薄膜トランジスタ16やEC素子2Cを保護することができる。
【0054】
第一のスイッチ用薄膜トランジスタ14の第二電極14b、第二のスイッチ用薄膜トランジスタ15の第二電極15bも、それぞれ接地されているが、接地される際に第一容量素子27,第二容量素子28を介在させていてもよい。第二容量素子28を用いることにより、電気泳動素子4の表示状態27を保持することができる。また、第一容量素子27を用いることにより、駆動用トランジスタ16のオンオフ状態を保持し、EC素子2Cの表示状態を保持することができる。
【0055】
第一及び第二容量素子27,28の接地先は、電気泳動素子4の共通電極13であってもよいが、この場合は、電気泳動層5を貫通するバイアホール(図示せず)を設ける必要があり、電気光学表示装置の製造工程を複雑にしてしまう。
【0056】
図6は、第一及び第二容量素子27,28の他の接地方法を示す回路図である。この回路図によれば、第一及び第二容量素子27,28の接地先を、電子回路層6内に設けられた共通走査線23に並行に設けられた共通接地線24としている。共通接地線24は、電子回路層6内を通して外部で接地することができる。このような共通接地線24を形成すれば、第一及び第二容量素子27,28の接地構造を電子回路層6内に収めることができるため、上記のようなバイアホールを設ける必要もなく、電気光学表示装置の製造工程を簡略化することができる。
【0057】
本実施の形態1における電子回路層6は、EC層3Cと電気泳動層5との間に挟まれた位置に構成されるため、電子回路層6の光透過率が高いことが好ましい。この観点から、薄膜トランジスタとして透明薄膜トランジスタを用いることが好ましい。本発明において、透明薄膜トランジスタとは、電極材料(薄膜トランジスタが電界効果型トランジスタであれば、ソース電極・ドレイン電極、ゲート電極の各電極材)に、透明酸化物伝導体(上述のITOやIZO等)を使用したものをいうものとする。さらに、ゲート電極と活性層との間に配置するゲート絶縁膜をYOx等の透明絶縁物で構成することにより透明度は高まる。トランジスタの活性層としては、アモルファス酸化物半導体膜(InGaZnO)、電子回路層6の基体としては、PETフィルムを好ましく用いることができる。
【0058】
図1に示すように、EC層3Cと電子回路層6との接続には、導電性の微粒子(導電性フィラー)を分散させた熱硬化性樹脂によって形成される異方性導電膜17(ACF:Anisotropic Conductive Film)を用いれば、電子回路層6の駆動用薄膜トランジスタ16とEC素子2Cの画素電極8Cとを容易に接続することができる。接続の方法は、まず、電子回路層6とEC層3Cとの間に異方性導電膜17を挟んで、ヒーター等で熱を加えながら電子回路層6とEC層3Cとの導通を図りたい場所に異方性導電膜17の垂直方向から圧力を加えることにより、導電性フィラー同士が接触し、異方性導電膜17の垂直方向の接続点18を形成することができる。上記の異方性導電膜17の他、耐熱性の高い異方性導電ペーストを用いることもできる。
【0059】
電子回路層6の駆動用薄膜トランジスタ16とEC素子2Cの画素電極8Cとは、最低1点において接続されていればEC素子2Cの機能は果たすが、電子回路層6の駆動用薄膜トランジスタ16とEC素子2Cの画素電極8との接点は多い方が良い。何故ならば、画素電極8の材料であるITO等の透明材料は、アルミニウムや銅等に比べて電気伝導性が低いため、電子回路層6の駆動用薄膜トランジスタ16とEC素子2Cの画素電極8Cとの接続点が少ない場合には画素内における呈色のムラや表示遅れが発生してしまうからである。
【0060】
接点が多い場合は、画素電極8C全体が等電位になるまでの時間が短縮できるため、表示状態を高速で切り替える場合にも対応できる。したがって、異方性導電膜17は点状ではなく線状領域において通電されることが望ましく、画素電極8Cの一つの辺と同等の長さに亘って配置されることが特に望ましい。
【0061】
上述のように、本実施の形態1にかかる電気泳動層5よりも視認側にある構造、例えばEC層3Cは、透過型の表示層として機能するものであり、異方性導電膜17においても光の透過を阻害しないようにする必要がある。このため、異方性導電膜17を透明のフィルム材料によって構成することが望ましい。
【0062】
5.電子回路層の駆動方法
次に、電子回路層6の駆動方法について説明する。図1に示したように、EC素子2C及び電気泳動素子4はそれぞれ重なるように配置され、電気泳動素子4の表示色とEC素子2C(或いは、2M、2Y)の表示色によって、視認側から観察できる色が決定されるので、EC素子2C及び電気泳動素子4をタイミングよく所定の呈色をしなければならない。まず、表示の目的とするEC素子2Cに接続されているEC素子用信号線21に所定の電圧をアドレスし、このEC素子2Cに対向する電気泳動素子4に接続されている電気泳動素子用信号線22に所定の電圧をアドレスする。この状態で、EC素子2Cと電気泳動素子4とを同時に呈色させる準備は完了している。
【0063】
次に、共通走査線23にオン電圧(例えば0.7V)を印加し、第一のスイッチ用薄膜トランジスタ14の制御電極14g、第二のスイッチ用薄膜トランジスタ15の制御電極15gをオン状態とする。制御電極15gがオン状態になれば、第一電極15a及び第二電極15b間が導通状態となり、電気泳動素子4の画素電極12が所定電位となり、電気泳動素子4が所望の呈色状態となる。また、第一のスイッチ用薄膜トランジスタ14の制御電極14gがオン状態になれば、第一電極14a及び第二電極間14bが導通状態となり、これにより駆動用トランジスタ16の制御電極16gがオン状態となる。制御電極16gがオンになれば、第一電極16a及び第二電極16b間が導通状態となり、EC素子2Cの画素電極8Cが所定電位となり、EC素子2Cの呈色状態(透明シアン色または無色透明)となる。
【0064】
以上のように、本実施の形態における電気光学表示装置では、1本の共通走査線23により電気泳動素子4とEC素子2Cの駆動タイミングが制御されるため、回路構造上、電気泳動素子4とEC素子2Cの呈色タイミングがずれることはなく、安定した色又は明るさの表示を行うことが可能となる。また、走査線を共通走査線23の1本としたことにより、各画素の開口率が上がるため、最終的に観者に視認される光量が多くなる。
【0065】
以上、EC素子3Cと電気泳動素子4とを同時に駆動するための電子回路について説明したが、上述したように、EC素子2M、EC素子2Yを駆動するための電子回路をも電子回路層6に含めて形成することも可能である。例えば、EC層3C及びEC層3Mにバイアホールを形成することにより、或いは、EC層3M、EC層3Yを駆動するための配線を表示領域周縁部に迂回させること等の手段により、電子回路層6と、EC層3M及びEC層3Yとを接続する構成としてもよい。
【0066】
以上説明したように、実施の形態1にかかる電気光学表示装置によれば、EC層の裏側(視認側とは反対側)に無彩色(グレイスケール)を表示することに適している電気泳動層を配置するため、色要素が豊富化され、EC層のみによるカラー表示では表現できないような階調度の高い、表現豊かなフルカラー画像を表示することができる。また、各EC層は無色透明色が表示可能であるため、電気泳動層による無彩色画像をより一層鮮明に表示することができる。
【0067】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2にかかる電気光学表示装置について図面を参照しつつ詳しく説明する。
【0068】
図7は、本発明の実施の形態2にかかる電気光学表示装置の一例を示す概略断面図である。実施の形態2にかかる電気光学表示装置は、基本的には、実施の形態1にかかる電気光学表示装置と同様の構成を取るが、EC素子2C、EC素子2M、EC素子2Yの配置が異なっている。すなわち、実施の形態1にかかる電気光学表示装置では、EC素子2C、EC素子2M、EC素子2Yが、視認側からみて互いに重ならないように配列されている構成であったが、実施の形態2にかかる電気光学表示装置では、EC素子2C、EC素子2M、EC素子2Yが、視認側からみて互いに重なるように配列されている。
【0069】
したがって、視認側に表示される色は、EC素子2C、EC素子2M、EC素子2Yが呈する透明有彩色(シアン、マゼンタ、イエロー)の減色法による混色である。EC素子2C、EC素子2M、EC素子2Yの全てがオン状態(透明有彩色を呈する状態)であれば、視認側への呈色は、黒となる。逆に、EC素子2C、EC素子2M、EC素子2Yの全てがオフ状態(無色透明を呈する状態)であれば、視認側には電気泳動層5の呈色状態がそのまま表示される。
【0070】
実施の形態2にかかる電気光学表示装置において、EC層3C、EC層3M、EC層3Yの積層体の無色透明時における全光線透過率は、実施の形態1にかかる電気光学表示装置と同様に60%以上とすることが好ましい。この積層体の全光線透過率を高めることにより、電気泳動層5が呈する無彩色画像を視認側により鮮明に映し出すことができるからである。これを実現するためには、EC層3C、EC層3M、EC層3Yの各々の無色透明時の全光線透過率が、85%以上であることが望ましい。
【0071】
図8〜図10は、本発明の実施の形態2にかかる電気光学表示装置の呈色パターンを示す図である。図8〜図10の図面縦方向は、下側から順に電気泳動素子4、EC素子2C、EC素子2M、EC素子2Yの積層方向を表している。一方、図8〜図10の図面横方向は、EC素子2C、EC素子2M、EC素子2Yの呈色パターンのバリエーションを示すものであり、シアン、マゼンタ、イエロー各色の点灯と非点灯の全パターンは8種類(2×2×2)存在する。
【0072】
電気泳動素子4の呈色バリエーションについては次の通りである。すなわち、図8は、電気泳動素子4が白(White)を呈する場合、図9は、電気泳動素子4が中間色(Gray)を呈する場合、図10は、電気泳動素子4が黒を呈する場合をそれぞれ示すものである。
【0073】
視認される色は、電気泳動素子4が白(White)を呈する図8では、図面左側から順に、白(White)、明るいシアン(BC)、明るいマゼンタ(BM)、明るいイエロー(BY)、明るい赤色(BR)、明るい青色(BB)、明るい緑色(BG)、黒(Black)となる。
【0074】
電気泳動素子4が中間色、すなわち灰色(Glay)を呈する図9では、図面左側から順に、灰色(Glay)、暗いシアン(DC)、暗いマゼンタ(DM)、暗いイエロー(DY)、暗い赤色(DR)、暗い青色(DB)、暗い緑色(DG)、黒(Black)となる。
【0075】
電気泳動素子4が黒(Black)を呈する図10では、EC素子2C、EC素子2M、EC素子2Yのオン、オフ状態にかかわらず、電気泳動素子4において光が反射されないため、視認側には黒(Black)が表示される。
【0076】
実施の形態2にかかる電気光学表示装置は、EC素子2C〜2Yが、視認側からみて互いに重なるように配列されているため、視認側からみて1画素分の面積が実施の形態1にかかる電気光学表示装置と比較して3分の1に微細化されており、フルカラーを表示しながらも、画像表示装置の高精細化を実現したものである。
【0077】
以上説明したように、実施の形態2にかかる電気光学表示装置によれば、EC層の裏側(視認側とは反対側)に無彩色(グレイスケール)を表示することに適している電気泳動層を配置するため、色要素が豊富化され、EC層のみによるカラー表示では表現できないような階調度の高い、表現豊かなフルカラー画像を表示することができる。また、各EC層は無色透明色が表示可能であるため、電気泳動層による無彩色画像をより一層鮮明に表示することができる。
【0078】
なお、実施の形態2においては、視認側からみて、EC素子2C〜2Yの全てが互いに重なる形態について説明したが、EC層3の全光線透過率を高めるため、EC素子2C〜2Yから選択されるいずれか2層のみを互いに重なる形態を採用してもよい。
【0079】
(実施の形態3)
上記の実施の形態1または2において、色の3原色をシアン色、マゼンタ色、イエロー色で構成する場合は、EC層3CよりもEC層3Mを厚く形成し、EC層3MよりもEC層3Yを厚く形成することが好ましい。色の3原色を青色、緑色、赤色で構成する場合は、EC層3BよりもEC層3Gを厚く形成し、EC層3GよりもEC層3Rを厚く形成することが好ましい。EC層の呈色の濃度や透明度は、EC素子の電気的な制御によって調節することは勿論可能であるが、EC材料の特性にカスタマイズされた電子回路を構成しなければならない。これに対して、EC材料の特性の違いをEC層の厚さの設定により調節すれば、電子回路の構成を単純化でき、これにより電子回路の動作速度向上や省エネルギー化にも貢献する。
【0080】
(実施の形態4)
上記実施の形態1〜3において視認側にタッチパネルを形成することもできる。タッチパネルは、マトリックス状に形成された配線等により、指先やペン先等が物理的に接触された位置を検出し、特定することができるものである。例えば、電子ブックにペンの圧力により書き込んだ情報を電子ペーパー上に表示したり保存したりすることができる。
【0081】
タッチパネルを動作原理別に分類すると、軽量で製造コストの低い抵抗膜方式(アナログ抵抗膜方式)、透過率が高い静電容量方式、透過率が高く耐久性が高い超音波表面弾性波方式、透過率が高く誤動作の少ない赤外線遮光方式等が挙げられるが、中でも抵抗膜方式は、製造コストが低く、柔軟性が高いという観点から、電子ペーパーやフレキシブルディスプレイの用途に適した方式である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の電気光学表示装置は、ノートパソコン、PDA、携帯電話、電子ブック、電子新聞、電子文庫等の電子ペーパー、カレンダー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、電子値札、電子楽譜のほか、外部情報入力手段を用いて表示媒体駆動を行うリライタブルペーパーとしても好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる電気光学表示装置の概略断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1にかかる電気光学表示装置の平面図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1にかかる電気光学表示装置の平面図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1にかかる電気光学表示装置の平面図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1にかかる電気光学表示装置の電子回路である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1にかかる電気光学表示装置の他の電子回路である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態2にかかる電気光学表示装置の概略断面図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態2にかかる電気光学表示装置の呈色パターンを示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態2にかかる電気光学表示装置の呈色パターンを示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態2にかかる電気光学表示装置の呈色パターンを示す図である。
【符号の説明】
【0084】
1 電気光学表示装置
2 EC素子
3 EC層
4 電気泳動素子
5 電気泳動層
6 電子回路層
7 第一画素電極(共通電極)
8 第二画素電極(画素電極)
9 EC材料層
10 スペーサー
11 マイクロカプセル
12 第三画素電極(画素電極)
13 第四画素電極(共通電極)
14 第一のスイッチ用薄膜トランジスタ
15 第二のスイッチ用薄膜トランジスタ
16 駆動用薄膜トランジスタ
17 異方性導電膜
18 接続点
21 EC素子用信号線
22 電気泳動素子用信号線
23 共通走査線
24 共通接地線
27 第一容量素子
28 第二容量素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の表示領域を有しエレクトロクロミック(以下、「EC」と記載する)反応に基づいて着色状態の変化を呈するEC層と、所定の表示領域を有し電気泳動粒子の移動に伴って着色状態の変化を呈する電気泳動層とを、前記EC層が視認側となるように重ね合わせて構成される電気光学表示装置であって、
前記EC層は、第一原色に着色可能な第一のEC素子を配列させた第一のEC層と、第二原色に着色可能な第二のEC素子を配列させた第二のEC層と、第三原色に着色可能な第三のEC素子を配列させた第三のEC層とを積層してなり、前記第一〜第三のEC素子は、それぞれ無色透明色が表示可能であり、かつ、視認側からみて、前記第一のEC素子、第二のEC素子、第三のEC素子が互いに重ならないように配列されていることを特徴とする電気光学表示装置。
【請求項2】
視認側からみて、前記第一のEC素子、前記第二のEC素子、前記第三のEC素子が1/2素子、又は、1/3素子ずつ互いにずれるように配列されている請求項1に記載の電気光学表示装置。
【請求項3】
所定の表示領域を有しエレクトロクロミック(以下、「EC」と記載する)反応に基づいて着色状態の変化を呈するEC層と、所定の表示領域を有し電気泳動粒子の移動に伴って着色状態の変化を呈する電気泳動層とを、前記EC層が視認側となるように重ね合わせて構成される電気光学表示装置であって、
前記EC層は、第一原色に着色可能な第一のEC素子を配列させた第一のEC層と、第二原色に着色可能な第二のEC素子を配列させた第二のEC層と、第三原色に着色可能な第三のEC素子を配列させた第三のEC層とを積層してなり、前記第一〜第三のEC素子は、それぞれ無色透明色が表示可能であり、かつ、視認側からみて、前記第一のEC素子、第二のEC素子、第三のEC素子のうち、いずれか2層以上が互いに重なるように配列されていることを特徴とする電気光学表示装置。
【請求項4】
前記第一原色がシアン色であり、前記第二原色がマゼンタ色であり、前記第三原色がイエロー色である請求項1〜3のいずれかに記載の電気光学表示装置。
【請求項5】
前記第一原色が青色であり、前記第二原色が緑色であり、前記第三原色が赤色である請求項1〜3のいずれかに記載の電気光学表示装置。
【請求項6】
第一のEC層よりも第二のEC層が厚く、第二のEC層よりも第三のEC層が厚く形成されている請求項4または5に記載の電気光学表示装置。
【請求項7】
特定領域内にある複数の同色EC素子の着色状態/無色透明状態の組み合わせにより、表示色の濃度が調節される請求項1〜6のいずれかに記載の電気光学表示装置。
【請求項8】
前記EC層上にタッチパネルが形成されている請求項1〜7のいずれかに記載の電気光学表示装置。


【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−265272(P2009−265272A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−113061(P2008−113061)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】