説明

電気光学装置の製造方法、スペーサの散布方法及びスペーサーの散布装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気光学装置の製造方法、スペーサの散布方法、及びスペーサの散布装置に係り、特に、液晶パネルの基板上に液晶層の層厚を維持するためのスぺーサを散布する工程に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置、液晶プロジェクター、液晶を用いたブラインド等の各種の液晶電気光学装置を製造する際には、液晶層の層厚を均一に保持するためのスペーサを散布する工程が必要となる。このスペーサは、所定の粒径(例えば5〜10μm)を備えたガラス製、プラスチック製等の粒子であり、液晶パネルを構成する基板間に分散配置されて、液晶層の層厚をその粒径と同一に保持するものである。 スペーサを液晶パネルの基板間に分散配置するには、液晶基板の一方の内面上にスペーサを散布して分散させ、この状態で、他方の液晶基板をシール材等を介して接合するものである。従来から行われているスペーサの散布方法には、ドライ式散布法とウエット式散布法とがあり、ドライ式散布法としては、多数のスペーサをエアーにより散布するドライエアー散布方式と、多数のスペーサに強制的に電荷を付与し、この電荷による静電力によりスペーサを相互に分散させて散布する静電散布方式とがある。
【0003】上述の各種散布方法のうち、静電散布方式はスペーサが静電気により相互に反発して自ずから分散するため、現時点においては、基板上に均一にスペーサを分布させる点で最も優れていると考えられている。この静電散布方式においては、図7に示すように密閉された散布室10の上部にノズル11を設け、ノズル11の先端部11aに例えば−100V程度の高電圧を印加してコロナ放電を発生させ、その中にスペーサ12を通過させて電荷を付与する。このスペーサ12は、散布室10の下部に配置された導電体から成る基板ホルダ13の上に載置された液晶基板14上に散布される。基板ホルダ13は接地されており、スペーサ12の電荷により帯電した液晶基板14から電荷を逃がすようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の各種散布方法においては、スペーサを散布するノズルに対する相対位置が異なることから、基板の全面に亘ってスペーサを完全に平均的に分布させることができず、スペーサの分布密度は、例えば基板中心部で高く、周囲部で低い等のように偏ってしまうという問題点がある。
【0005】この問題点はスペーサを均一に分布させる点で優れた上述の静電散布方式においても同様であり、スペーサの帯電量が大きすぎると、静電気のバランスが崩れて逆にスペーサの分布密度が基板中心部で低く、周囲部で高いというように、やはり偏った分布を生ずるという問題点がある。また、この方法ではスペーサが帯電しているため、基板上に画素電極や配線等の導体が存在するとこれらの導体によって影響を受けるので、導体の存在によってスペーサの分散配置の均一性が妨げられるという問題点もある。
【0006】そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、スペーサを帯電させた状態でスペーサを液晶基板上に散布する方法において、散布ノズルの影響や基板上の導体の影響を低減して、スペーサの均一な分布を実現できる新規の散布方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のスペーサの散布方法は、スペーサの散布方法において、絶縁性基台にパターン形成された導電性層に、導電体がパターン形成された基板を載置する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記導電性層の前記パターンは、前記導電体の前記パターンの配置に対応して形成されてなることを特徴とする。さらに、前記導電性層の前記パターンは、前記導電体の前記パターンのネガパターンであることが好ましい。本発明のスペーサの散布方法は、スペーサの散布方法において、パターン形成された導電性の領域を備える基板ホルダに、導電体がパターン形成された基板を載置する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記導電性の領域の前記パターンは、前記導電体の前記パターンの配置に対応して形成されてなることを特徴とする。さらに、前記導電性の領域の前記パターンは、前記導電体の前記パターンのネガパターンであることが好ましい。この方法によれば、基板上に形成された電極、配線等の導電体パターンに対応して形成することにより、基板上に存在する導電体によるスペーサの分散状態の影響を低減することができ、スペーサの分散状態の均一性を向上させることができる。
【0008】本発明のスペーサの散布方法は、スペーサの散布方法において、複数の凸部及び複数の凹部を有する導電体を備える基板ホルダに、表示領域を構成するための領域を複数有する基板を載置する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記基板を載置する工程において、前記表示領域を構成するための領域の各々が前記複数の凸部の対応する1つ上に配置されるように前記基板を載置することを特徴とする。また、前記導電体の表面パターンを、前記基板上に形成された表示エリア毎に周期的に形成することが望ましい。このスペーサの散布方法によれば、基板上に形成された複数の表示エリアが存在する場合には、表示エリア毎に形成された電極や配線構造等に対応して前記導電体の表面パターンを形成することにより、表示エリアに影響されたスペーサの分散状態をも均一にすることができる。
【0009】本発明のスペーサの散布方法は、スペーサの散布方法において、凸部及び凹部を有する導電体と、前記凹部に嵌合された絶縁板とを備える基板ホルダに、基板を載置する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記スペーサが前記基板に散布された後に、前記凸部及び前記絶縁板によって、前記凸部から前記絶縁板に向かう方向の静電力を生じさせる電界分布が形成されることを特徴とする。このスペーサの散布方法によれば、基板の裏面側から所定の電界分布を付与することにより、基板の表面上にも所定の電界分布が形成されるため、スペーサはその電界分布によって静電力を受け、その分散状態が影響を受ける。したがって、付与する電界分布を適宜に設定することにより、基板上のスペーサの分散状態の均一性を向上させることができる。また、このスペーサの散布方法によれば、絶縁体を埋設することにより、表面パターンの形成領域と非形成領域との電界分布の差を充分に形成することができ、スペーサに対する静電力を高めることができる。さらに、このスペーサの散布方法において、前記絶縁板の表面を前記表面パターンの表面よりも突出させないことが好ましい。この装置によれば、導電体からなる表面パターンに対して確実に基板の裏面側を接触させることができるので、静電力を高めることができるとともに、基板の帯電量を確実に低減することができる。
【0010】本発明のスペーサの散布方法は、スペーサの散布方法において、導電性の領域と、絶縁性の領域とを表面に備える基板ホルダに、基板を載置する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記スペーサが前記基板に散布された後に、前記導電性の領域及び前記絶縁性領域によって、前記導電性の領域から前記絶縁性の領域に向かう方向の静電力を生じさせる電界分布が形成されることを特徴とする。この方法によれば、基板の裏面側から所定の電界分布を付与することにより、基板の表面上にも所定の電界分布が形成されるため、スペーサはその電界分布によって静電力を受け、その分散状態が影響を受ける。したがって、付与する電界分布を適宜に設定することにより、基板上のスペーサの分散状態の均一性を向上させることができる。また、このスペーサの散布装置によれば、基板ホルダが絶縁性の領域を表面に備えることにより、導電性の領域と絶縁性の領域との電界分布の差を充分に形成することができ、スペーサに対する静電力を高めることができる。
【0011】本発明のスペーサの散布方法は、スペーサの散布方法において、周縁部に位置する縁枠部、凸部及び凹部を有する導電体と、前記凹部に嵌合された絶縁板とを備える基板ホルダに、基板を載置する工程と、前記導電体を接地する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記基板を載置する工程において、前記基板の基板端が前記導電体の前記縁枠部上に配置されるように、前記基板を前記基板ホルダに載置することを特徴とする。
【0012】本発明の電気光学装置の製造方法は、基板にスペーサを散布する工程を具備する電気光学装置の製造方法において、前記スペーサを散布する工程として、上記本発明のスペーサの散布方法を用いたことを特徴とする。
【0013】本発明のスペーサの散布装置は、導電体がパターン形成された基板にスペーサを散布する装置において、絶縁性基台と、前記絶縁性基台に、前記導電体の前記パターンの配置に対応するようにパターン形成された導電性層と、スペーサを帯電させて散布するノズルと、を備え、前記基板を前記導電性層に載置し、前記基板に前記スペーサを散布することを特徴とする。このスペーサの散布装置によれば、基台の表面上に前記基板の裏面に対向する所定の平面パターンで選択形成した導電層を有し、該導電層に所定電位を付与することができ、基板に電界分布を容易に付与することができる。また、このスペーサの散布装置によれば、微細な平面パターンについても、フォトリソグラフィ法や遮蔽マスク等を用いることにより容易に形成できる。
【0014】本発明のスペーサの散布装置は、表示領域を構成するための領域を複数有する基板にスペーサを散布する装置において、複数の凸部及び複数の凹部を有する導電体を備える基板ホルダと、スペーサを帯電させて散布するノズルと、を備え、前記表示領域を構成するための領域の各々が前記複数の凸部の対応する1つ上に配置されるように前記基板を前記基板ホルダに載置し、前記基板に前記スペーサを散布することを特徴とする。このスペーサの散布装置によれば、基板上に形成された複数の表示エリアが存在する場合には、表示エリア毎に形成された電極や配線構造等に対応して表面パターンを形成することにより、表示エリアに影響されたスペーサの分散状態をも均一にすることができる。
【0015】本発明のスペーサの散布装置は、基板にスペーサを散布する装置において、凸部及び凹部を有する導電体と、前記凹部に嵌合された絶縁板とを備える基板ホルダと、スペーサを帯電させて散布するノズルと、を具備し、前記基板を前記基板ホルダに載置し、前記基板に前記スペーサを散布し、前記凸部及び前記絶縁板によって、前記凸部から前記絶縁板に向かう方向の静電力を生じさせる電界分布を形成することを特徴とする。このスペーサの散布装置によれば、基板の裏面側に付与したい電界分布に応じた表面パターンに形成され電位の付与された導電体を配置することにより、簡単に上記電界分布を実現することができる。また、このスペーサの散布装置によれば、絶縁体を埋設することにより、表面パターンの形成領域と非形成領域との電界分布の差を充分に形成することができ、スペーサに対する静電力を高めることができる。さらにこのスペーサの散布装置において、前記絶縁板の表面を前記表面パターンの表面よりも突出させないことが好ましい。この装置によれば、導電体からなる表面パターンに対して確実に基板の裏面側を接触させることができるので、静電力を高めることができるとともに、基板の帯電量を確実に低減することができる。また、本発明のスペーサの散布装置は、基板にスペーサを散布する装置において、周縁部に位置する縁枠部、凸部及び凹部を有する導電体と、前記凹部に嵌合された絶縁板とを備える基板ホルダと、スペーサを帯電させて散布するノズルと、を備え、前記基板の基板端が前記導電体の前記縁枠部上に配置されるように、前記基板を前記基板ホルダに載置し、前記基板に前記スペーサを散布することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して、本発明に係る液晶電気光学装置の製造方法及び製造装置の実施形態について説明する。
【0017】(第1の実施形態)図1及び図2は本発明の第1の実施形態に係る基板ホルダ1の構造を示すものである。この実施形態においては、上述の図7に示すものと同様の散布室10及びノズル11が設けられ、上述と同様の方法或いはその他の方法により帯電させたスペーサ12が散布されるようになっている。
【0018】基板ホルダ1は、導電体からなる基体2と、この基体2に嵌合された絶縁体からなる絶縁板3とから構成されている。基体2は、平面矩形状に形成され、周縁部に形成された縁枠部2aと、中心部に形成された平面円形の凸部2bと、縁枠部2aと凸部2bとの間に形成された凹部2cとを備えている。一方、絶縁板3は基体2の凹部2cに嵌合している。ここで、図2に示すように、凹部2cに嵌合された絶縁板3の表面3aは、上記縁枠部2a及び凸部2bの表面よりも僅かに低く位置している。
【0019】このように形成された基板ホルダ1の表面上に液晶基板14を、基板端14aが基板ホルダ1の縁枠部2a上に配置されるようにして載置して、この状態において、上述の通りの帯電したスペーサが散布される。なお、スペーサの散布時には、基板ホルダ1の基体2は接地されている。これは、帯電したスペーサが散布されることによって帯電した液晶基板14から電荷を逃がし、静電気による表示不良やアクティブ素子の破壊を防止するためである。ここで、基体2は接地されている必要はなく、スペーサにより帯電した液晶基板14から余分な電荷を吸収できる一定若しくは不定の電位が付与されていればよい。
【0020】この実施形態によれば、予め電荷の付与されたスペーサが液晶基板14上に散布されると、液晶基板14の裏面側に存在する導電体からなる凸部2bと絶縁体からなる絶縁板3とによって、所定の電界分布が形成され、この電界分布によってスペーサは液晶基板14の周囲方向に静電力を受ける。したがって、通常の基板ホルダを用いると液晶基板14の中心部に偏ってスペーサが配置される状況では、その偏りを基板ホルダ1による静電力によって緩和することができる。
【0021】この場合、スペーサに付与された電荷量が大きく、通常の基板ホルダを用いると液晶基板14の周囲部に偏ってスペーサが配置される状況では、上記実施形態とは逆に、基体2の中心部(図1の凸部2bの位置)に凹部を設け、この凹部に円板形の絶縁板を嵌合させることにより、帯電したスペーサが中心方向に静電力を受けるので、やはりスペーサの分布の均一性を高めることができる。
【0022】なお、基体2にスペーサと同様のマイナスの電位を付与した場合には、スペーサは上述とは逆方向の静電力を受けることとなるので、状況と基板ホルダの構造との関係が上述の場合とは逆になる。ただし、この場合には、スペーサにより液晶基板14が帯電しても、その帯電量を低減することはできない。
【0023】(第2の実施形態)図3及び図4には、本発明に係る第2の実施形態を示す。この実施形態は、上記第1の実施形態と同様の散布室、ノズルを備え、基板ホルダ4のみが上記の基板ホルダ1と異なるものである。
【0024】この基板ホルダ4は導電体からなり、上記基体2と同様の縁枠部4a、凸部4b及び凹部4cを設け、絶縁体を凹部4cに埋設することなく、そのまま液晶基板14を載置してスペーサの散布を行うものである。この実施形態においても、絶縁板がない代わりに凹部4cの空間を隔てることによって、液晶基板14に与える同様の平面パターンを備えた電界分布を形成することができるから、程度の差こそあれ、ほぼ同様の効果を奏する。
【0025】(第3の実施形態)図5には、本発明に係る第3の実施形態を示す。この実施形態は、上記第2の実施形態と同様の散布室、ノズルを備え、基板ホルダ5のみが上記の基板ホルダ4と異なるものである。
【0026】この基板ホルダ5は、上記のものと同様に導電体からなり、縁枠部5aを設けたものであるが、液晶基板14に形成された表示領域D毎に対応した基板ホルダ5の領域内の、例えば中央部に凸部5bを設けて、各凸部5bの周囲に凹部5cを形成したものである。液晶電気光学装置の製造方法としては、スペーサを散布する液晶基板14に複数の表示領域を予め設け、液晶基板14と、もう一方の液晶基板とを接合させた後に複数の液晶セルに分割する場合があり、本実施形態はこのような場合に適応させたものである。
【0027】このような場合には、液晶基板14に複数設けられた表示領域Dにはそれぞれ複数の画素に応じた電極及び配線、さらに必要に応じてアクティブ素子が形成されるが、表示領域Dの間にはこれらが形成されない。したがって、液晶基板14の全体の中心部と周縁部とのスペーサの散布状態のばらつきに加えて、各表示領域D内における中心部と周縁部とのスペーサの散布状態のばらつきも発生するため、本実施形態においては、このような液晶基板14内の周期的な細部構造に起因するスペーサのばらつきをも低減しようとするものである。
【0028】この場合、液晶基板14の全体の中心部と周縁部とのスペーサの散布状態のばらつきをも同時に低減させるために、凸部5bの面積を液晶基板14の中心部から周縁部に行くに従って増加若しくは低減させることも可能である。
【0029】また、本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、凹部5cに絶縁体を充填しても同様若しくはそれ以上の効果を奏することができる。
【0030】(第4の実施形態)図6には、本発明に係る第4の実施形態を示す。この実施形態においては、上記各実施形態と同様の散布室、ノズルを設けているが、基板ホルダ6のみが異なるものである。
【0031】この基板ホルダ6は、絶縁性基台7の表面上に金属膜等から成る導電性層8を所定のパターンにて形成して成るものである。絶縁性基台7の周縁部には、導電性層を枠状に形成して成る縁枠部8aが形成され、これより内側の導電性層8のパターンは全て図示しない配線パターンによって縁枠部8aに導電接続されている。縁枠部8aは外部に設けられ、上述の各実施形態と同様の定電位に導電接続されている。
【0032】導電性層8は上述の各実施形態における凸部と同様の作用を奏し、液晶基板14の帯電は、特に周縁に設けられた縁枠部8aとの接触によって除去される。導電性層8の形成パターンは、上記の各実施形態と同様の表面パターンになるように形成することもできる。
【0033】ただし、この実施形態においては、導電性層8を蒸着、スパッタリング等の成膜技術や、フォトリソグラフィ法や遮蔽マスク等を使用するパターニング技術により、種々のパターンに容易に形成できるので、液晶基板14の電極や配線、アクティブ素子等の導電体の形成パターンに応じて、最適の平面パターンにより形成することが好ましい。例えば、スペーサの分布は液晶基板14の表面上にある上記導電体の形成パターンに強く影響されるので、この形成パターンの影響を低減するために、当該形成パターンのネガパターンを導電性層8のパターンとして採用することも可能である。
【0034】なお、本実施形態においては、各導電性層8と上記定電位との導電接続を果たす配線を絶縁層に被覆された下層に形成することもでき、或いは、絶縁性基台7の全表面に形成された下層の導電層の上に絶縁層を形成し、必要な部分のみ絶縁層を開口して、その上に上記導電性層8を形成することにより、下層の導電層と導電性層8とを絶縁層の開口を通して導電接続して、下層の導電層を通じて定電位に接続する等の方法も採用することができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以下の効果を奏する。
【0036】本発明のスペーサの散布方法は、スペーサの散布方法において、絶縁性基台にパターン形成された導電性層に、導電体がパターン形成された基板を載置する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記導電性層の前記パターンは、前記導電体の前記パターンの配置に対応して形成されてなることにより、基板上に存在する導電体によるスペーサの分散状態の影響を低減することができ、スペーサの分散状態の均一性を向上させることができる。
【0037】本発明のスペーサの散布方法は、スペーサの散布方法において、複数の凸部及び複数の凹部を有する導電体を備える基板ホルダに、表示領域を構成するための領域を複数有する基板を載置する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記基板を載置する工程において、前記表示領域を構成するための領域の各々が前記複数の凸部の対応する1つ上に配置されるように前記基板を載置することにより、簡単に上記電界分布を実現することができる。
【0038】本発明のスペーサの散布方法は、スペーサの散布方法において、凸部及び凹部を有する導電体と、前記凹部に嵌合された絶縁板とを備える基板ホルダに、基板を載置する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記スペーサが前記基板に散布された後に、前記凸部及び前記絶縁板によって、前記凸部から前記絶縁板に向かう方向の静電力を生じさせる電界分布が形成されることにより、基板の表面上にも所定の電界分布が形成されるため、スペーサはその電界分布によって静電力を受け、その分散状態が影響を受ける。したがって、付与する電界分布を適宜に設定することにより、基板上のスペーサの分散状態の均一性を向上させることができる。
【0039】本発明のスペーサの散布方法は、スペーサの散布方法において、周縁部に位置する縁枠部、凸部及び凹部を有する導電体と、前記凹部に嵌合された絶縁板とを備える基板ホルダに、基板を載置する工程と、前記導電体を接地する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記基板を載置する工程において、前記基板の基板端が前記導電体の前記縁枠部上に配置されるように、前記基板を前記基板ホルダに載置することにより、スペーサの分散状態の均一性を向上させることができる。
【0040】本発明の電気光学装置の製造方法は、基板にスペーサを散布する工程を具備する電気光学装置の製造方法において、前記スペーサを散布する工程として、上記本発明のスペーサの散布方法を用いたことにより、簡単に上記電界分布を実現することができる。
【0041】本発明のスペーサの散布装置は、導電体がパターン形成された基板にスペーサを散布する装置において、絶縁性基台と、前記絶縁性基台に、前記導電体の前記パターンの配置に対応するようにパターン形成された導電性層と、スペーサを帯電させて散布するノズルと、を備え、前記基板を前記導電性層に載置し、前記基板に前記スペーサを散布することにより、簡単に上記電界分布を実現することができる。
【0042】本発明のスペーサの散布装置は、表示領域を構成するための領域を複数有する基板にスペーサを散布する装置において、複数の凸部及び複数の凹部を有する導電体を備える基板ホルダと、スペーサを帯電させて散布するノズルと、を備え、前記表示領域を構成するための領域の各々が前記複数の凸部の対応する1つ上に配置されるように前記基板を前記基板ホルダに載置し、前記基板に前記スペーサを散布することにより、簡単に上記電界分布を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態における基板ホルダの構造を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態における基板ホルダの構造を液晶基板とともに示す縦断面図である。
【図3】本発明に係る第2の実施形態における基板ホルダの構造を示す斜視図である。
【図4】第2の実施形態における基板ホルダの構造を液晶基板とともに示す縦断面図である。
【図5】本発明に係る第3の実施形態における基板ホルダの構造を液晶基板とともに示す縦断面図である。
【図6】本発明に係る第4の実施形態における基板ホルダの構造を液晶基板とともに示す縦断面図である。
【図7】液晶基板上にスペーサを散布する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1,4,5,6 基板ホルダ
2 基体
3 絶縁板
7 絶縁性基台
8 導電性層

【特許請求の範囲】
【請求項1】スペーサの散布方法において、絶縁性基台にパターン形成された導電性層に、導電体がパターン形成された基板を載置する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記導電性層の前記パターンは、前記導電体の前記パターンの配置に対応して形成されてなることを特徴とするスペーサの散布方法。
【請求項2】請求項1に記載のスペーサの散布方法において、前記導電性層の前記パターンは、前記導電体の前記パターンのネガパターンであることを特徴とするスペーサの散布方法。
【請求項3】スペーサの散布方法において、パターン形成された導電性の領域を備える基板ホルダに、導電体がパターン形成された基板を載置する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記導電性の領域の前記パターンは、前記導電体の前記パターンの配置に対応して形成されてなることを特徴とするスペーサの散布方法。
【請求項4】請求項3に記載のスペーサの散布方法において、前記導電性の領域の前記パターンは、前記導電体の前記パターンのネガパターンであることを特徴とするスペーサの散布方法。
【請求項5】スペーサの散布方法において、複数の凸部及び複数の凹部を有する導電体を備える基板ホルダに、表示領域を構成するための領域を複数有する基板を載置する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記基板を載置する工程において、前記表示領域を構成するための領域の各々が前記複数の凸部の対応する1つ上に配置されるように前記基板を載置することを特徴とするスペーサの散布方法。
【請求項6】スペーサの散布方法において、凸部及び凹部を有する導電体と、前記凹部に嵌合された絶縁板とを備える基板ホルダに、基板を載置する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記スペーサが前記基板に散布された後に、前記凸部及び前記絶縁板によって、前記凸部から前記絶縁板に向かう方向の静電力を生じさせる電界分布が形成されることを特徴とするスペーサの散布方法。
【請求項7】スペーサの散布方法において、導電性の領域と、絶縁性の領域とを表面に備える基板ホルダに、基板を載置する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記スペーサが前記基板に散布された後に、前記導電性の領域及び前記絶縁性領域によって、前記導電性の領域から前記絶縁性の領域に向かう方向の静電力を生じさせる電界分布が形成されることを特徴とするスペーサの散布方法。
【請求項8】スペーサの散布方法において、周縁部に位置する縁枠部、凸部及び凹部を有する導電体と、前記凹部に嵌合された絶縁板とを備える基板ホルダに、基板を載置する工程と、前記導電体を接地する工程と、帯電したスペーサを前記基板に散布する工程と、を具備し、前記基板を載置する工程において、前記基板の基板端が前記導電体の前記縁枠部上に配置されるように、前記基板を前記基板ホルダに載置することを特徴とするスペーサの散布方法。
【請求項9】基板にスペーサを散布する工程を具備する電気光学装置の製造方法において、前記スペーサを散布する工程として、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のスペーサの散布方法を用いたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項10】導電体がパターン形成された基板にスペーサを散布する装置において、絶縁性基台と、前記絶縁性基台に、前記導電体の前記パターンの配置に対応するようにパターン形成された導電性層と、スペーサを帯電させて散布するノズルと、を備え、前記基板を前記導電性層に載置し、前記基板に前記スペーサを散布することを特徴とするスペーサの散布装置。
【請求項11】表示領域を構成するための領域を複数有する基板にスペーサを散布する装置において、複数の凸部及び複数の凹部を有する導電体を備える基板ホルダと、スペーサを帯電させて散布するノズルと、を備え、前記表示領域を構成するための領域の各々が前記複数の凸部の対応する1つ上に配置されるように前記基板を前記基板ホルダに載置し、前記基板に前記スペーサを散布することを特徴とするスペーサの散布装置。
【請求項12】基板にスペーサを散布する装置において、凸部及び凹部を有する導電体と、前記凹部に嵌合された絶縁板とを備える基板ホルダと、スペーサを帯電させて散布するノズルと、を具備し、前記基板を前記基板ホルダに載置し、前記基板に前記スペーサを散布し、前記凸部及び前記絶縁板によって、前記凸部から前記絶縁板に向かう方向の静電力を生じさせる電界分布を形成することを特徴とするスペーサの散布装置。
【請求項13】基板にスペーサを散布する装置において、周縁部に位置する縁枠部、凸部及び凹部を有する導電体と、前記凹部に嵌合された絶縁板とを備える基板ホルダと、スペーサを帯電させて散布するノズルと、を備え、前記基板の基板端が前記導電体の前記縁枠部上に配置されるように、前記基板を前記基板ホルダに載置し、前記基板に前記スペーサを散布することを特徴とするスペーサの散布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【特許番号】特許第3284436号(P3284436)
【登録日】平成14年3月8日(2002.3.8)
【発行日】平成14年5月20日(2002.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−310305
【出願日】平成7年11月29日(1995.11.29)
【公開番号】特開平9−152580
【公開日】平成9年6月10日(1997.6.10)
【審査請求日】平成12年6月1日(2000.6.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【参考文献】
【文献】特開 昭63−285517(JP,A)