電気光学装置の製造方法
【課題】層間絶縁膜のコンタクトホールの内部にコンタクト用導電膜および埋め込み膜を設けた場合でも、コンタクトホールの外部で画素電極とコンタクト用導電膜とを確実に導通させることができる電気光学装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】電気光学装置100を製造するにあたって、層間絶縁膜45上にコンタクトホール45aの底部45eおよび内壁45fに重なるコンタクト用導電膜90をITO膜により形成した後、コンタクトホール45aの内部を埋める埋め込み膜48をシリコン酸化膜により形成し、その後、埋め込み膜48に対して反応性イオンエッチングを行い、コンタクト用導電膜90を露出させる。また、コンタクトホール45aの内部には埋め込み膜48を残す。その際、埋め込み膜48とコンタクト用導電膜90とのエッチング選択比を利用して埋め込み膜48を選択的に除去してコンタクト用導電膜90を露出させる。
【解決手段】電気光学装置100を製造するにあたって、層間絶縁膜45上にコンタクトホール45aの底部45eおよび内壁45fに重なるコンタクト用導電膜90をITO膜により形成した後、コンタクトホール45aの内部を埋める埋め込み膜48をシリコン酸化膜により形成し、その後、埋め込み膜48に対して反応性イオンエッチングを行い、コンタクト用導電膜90を露出させる。また、コンタクトホール45aの内部には埋め込み膜48を残す。その際、埋め込み膜48とコンタクト用導電膜90とのエッチング選択比を利用して埋め込み膜48を選択的に除去してコンタクト用導電膜90を露出させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して画素電極が下層側に導通した構造の電気光学装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶装置や有機エレクトロルミネッセンス装置等の電気光学装置では、層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して画素電極が下層側に導通した構造が採用されている。かかる構造の電気光学装置において、画素電極の表面にコンタクトホールに起因する凹部が発生していると、表示品位の低下等の原因となる。例えば、液晶装置では、画素電極の表面側に配向膜を形成した際、配向膜の表面に凹部が発生し、液晶の配向が乱れる等の原因となる。また、有機エレクトロルミネッセンス装置の場合、画素電極の表面側に発光層を形成した際、発光層の厚さがばらつく等の原因となる。
【0003】
一方、反射型の液晶装置において、上記のコンタクト構造を採用するにあたって、層間絶縁膜上にコンタクトホールの底部および内壁に重なるチタン窒化膜(バリア層/コンタクト用電極層)と、コンタクトホールの内部を埋めるシリコン酸化膜(埋込部材層/埋め込み膜)とを設けるとともに、チタン窒化膜およびシリコン酸化膜の上層側にアルミニウム膜からなる画素電極を設け、画素電極とチタン窒化膜とをコンタクトホールの外部で導通させた構成が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
かかる特許文献1に記載の構成では、チタン窒化膜、およびシリコン酸化膜をこの順に成膜した後、エッチング時に生じるプラズマ中の一酸化炭素の発光スペクトル強度が急激に低下したところでシリコン酸化膜に対するエッチング処理を停止することが提案されている。かかる構成によれば、層間絶縁膜上に形成されたシリコン酸化膜を完全に除去することができるとともに、コンタクトホール内に残るシリコン酸化膜の上面位置を、層間絶縁膜の表面に形成されたチタン窒化膜の上面位置とほぼ同等な位置とすることができるので、画素電極の表面を平坦面とすることができると提案されている(特許文献1の段落[0059]〜[0060])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−37096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、エッチング時に生じるプラズマ中の一酸化炭素の発光スペクトル強度のモニター結果に基づいて、エッチングの終点を判定すると、チタン窒化膜と画素電極との間に導通不良が発生するおそれがある。具体的には、埋込部材層を構成するシリコン酸化膜を成膜した際、シリコン酸化膜の厚さが領域によってばらついていると、発光スペクトル強度が変化しても、シリコン酸化膜が厚く形成された領域にシリコン酸化膜が残ってしまい、チタン窒化膜と画素電極との間に導通不良が発生するおそれがある。また、コンタクトホールの外部のシリコン酸化膜をエッチングする際、シリコン酸化膜が薄く形成された領域では、チタン窒化膜もエッチングされてしまい、チタン窒化膜と画素電極との間に導通不良が発生するおそれがある。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、層間絶縁膜のコンタクトホールの内部にコンタクト用導電膜および埋め込み膜を設けた場合でも、コンタクトホールの外部で画素電極とコンタクト用導電膜とを確実に導通させることができる電気光学装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、基板の一方面側に層間絶縁膜を形成する層間絶縁膜形成工程と、前記層間絶縁膜にコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、前記コンタクトホールの底部、前記コンタクトホールの内壁、および前記層間絶縁膜の表面に重なるコンタクト用導電膜を形成するコンタクト用導電膜形成工程と、前記コンタクト用導電膜上に埋め込み膜を形成して前記コンタクトホールの内部を当該埋め込み膜により埋める埋め込み膜形成工程と、前記埋め込み膜に対して反応性イオンエッチングを行い、前記コンタクトホールの外部で前記コンタクト用導電膜と重なる前記埋め込み膜を該埋め込み膜と前記コンタクト用導電膜とのエッチング選択比により選択的に除去して前記コンタクト用導電膜を露出させる一方、前記コンタクトホールの内部には前記埋め込み膜を残す埋め込み膜エッチング工程と、前記コンタクト用導電膜上および前記埋め込み膜上に1層乃至複数層の導電性下地膜を形成する導電性下地膜形成工程と、前記導電性下地膜上に画素電極用導電膜を形成する画素電極用導電膜形成工程と、前記画素電極用導電膜および前記導電性下地膜をパターニングして複数の画素電極を形成するとともに、該複数の画素電極のうち、隣り合う画素電極の間に重なる前記コンタクト用導電膜を除去するパターニング工程と、を有し、前記コンタクト用導電膜には、前記反応性イオンエッチングの際の前記埋め込み膜に対するエッチング選択比が、前記反応性イオンエッチングにおける前記埋め込み膜に対する前記導電性下地膜のエッチング選択比より大きな導電材料を用いることを特徴とする。
【0009】
本発明では、層間絶縁膜上にコンタクトホールの底部および内壁に重なるコンタクト用導電膜を形成した後、コンタクトホールの内部を埋める埋め込み膜を形成し、その後、埋め込み膜エッチング工程において、埋め込み膜に対して反応性イオンエッチングを行い、コンタクト用導電膜を露出させる一方、コンタクトホールの内部には埋め込み膜を残す。その際、埋め込み膜とコンタクト用導電膜とのエッチング選択比を利用して、コンタクトホールの外部に形成されている埋め込み膜を完全に除去できるまでエッチングし、コンタクト用導電膜を露出させる。このため、コンタクトホールの外部において、埋め込み膜の厚さが領域によってばらついていた場合でも、コンタクト用導電膜の表面から埋め込み膜を確実に除去することができるので、コンタクト用導電膜と画素電極とを確実に導通させることができる。また、埋め込み膜の厚さが領域によってばらついていた場合でも、コンタクト用導電膜がエッチングにより除去されてしまうことを抑制できるので、コンタクト用導電膜と画素電極とを確実に導通させることができる。また、本形態では、画素電極の下層側に導電性下地膜を形成するが、かかる導電性下地膜は、埋め込み膜をエッチングした後、形成されるため、導電性下地膜については、埋め込み膜とのエッチング選択性という面での制約がない。このため、導電性下地膜については、画素電極に対するバリア層等の機能に最適な材料を選べばよい。逆にいえば、コンタクト用導電膜については、埋め込み膜とのエッチング選択比を優先して材料の選定を行うことができる。
【0010】
本発明において、前記反応性イオンエッチングでフッ素系のエッチングガスを用いる場合、前記コンタクト用導電膜には、前記フッ素系のエッチングガスを用いた際の前記埋め込み膜に対するエッチング選択比が、前記フッ素系のエッチングガスを用いた際の前記埋め込み膜に対する前記導電性下地膜のエッチング選択比より大きな導電材料を用いることを特徴とする。
【0011】
本発明において、前記埋め込み膜は、シリコン酸化膜であり、前記コンタクト用導電膜は、ITO(Indium Tin Oxide)膜である構成を採用することができる。かかる構成によれば、エッチング選択比として、以下の関係
埋め込み膜のエッチング速度:コンタクト用導電膜のエッチング速度=50以上:1
を実現することができる。
【0012】
本発明は、前記画素電極用導電膜が反射性金属膜である場合に適用すると効果的である。
【0013】
本発明において、前記画素電極用導電膜は、例えば、アルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜であり、この場合、前記導電性下地膜は、前記コンタクト用導電膜と前記画素電極用導電膜との反応を防止するバリア層である。かかる構成によれば、コンタクト用導電膜を構成するITO膜と、画素電極を構成するアルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜との間にバリア層が介在するので、ITO膜と、アルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜との反応を防止することができる。
【0014】
本発明において、前記バリア層は、例えば、チタン窒化膜あるいはチタン膜である。
【0015】
本発明において、前記層間絶縁膜形成工程の後、前記コンタクトホール形成工程の前に、前記層間絶縁膜の表面を平坦化する層間絶縁膜平坦化工程を有していることが好ましい。かかる構成によれば、コンタクトホールの外部に形成されている埋め込み膜の厚さが等しくなるので、コンタクトホールの外部に形成されている埋め込み膜を完全に除去できるまでエッチングする場合でも、過度のエッチングを防止することができる。
【0016】
本発明において、前記パターニング工程の後、前記画素電極の上層側に絶縁膜を形成し、その後、当該絶縁膜の表面を平坦化する絶縁膜平坦化工程を有していることが好ましい。かかる構成によれば、画素電極と重なる領域と、隣り合う画素電極の間に重なる領域とを連続した平坦面とすることができる。
【0017】
本発明において、前記反応性イオンエッチングを開始する時点では、前記埋め込み膜の上面側を平坦面にしておくことが好ましい。かかる構成によれば、埋め込み膜エッチング工程を終了した段階で、埋め込み膜の表面と、コンタクトホールの外部のコンタクト用導電膜の表面を連続した平坦面とすることができる。それ故、画素電極の表面を連続した平坦面とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の液晶パネルの説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置に用いた素子基板において隣り合う複数の画素の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の断面構成を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の製造方法を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の製造方法において、パターニング工程でハードマスクを除去した場合の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る電気光学装置の製造方法の要部を示す工程断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る電気光学装置の製造方法の要部を示す工程断面図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る電気光学装置の製造方法の要部を示す工程断面図である。
【図10】本発明の実施の形態5に係る電気光学装置の製造方法の要部を示す工程断面図である。
【図11】本発明の実施の形態6に係る電気光学装置の製造方法の要部を示す工程断面図である。
【図12】本発明を適用した電気光学装置を用いた投射型表示装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態として、各種の電気光学装置のうち、アクティブマトリクス型の液晶装置の製造方法に本発明を適用した例を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、電界効果型トランジスターを流れる電流の方向が反転する場合、ソースとドレインとが入れ替わるが、以下の説明では、便宜上、画素電極が接続されている側をドレインとし、データ線が接続されている側をソースとして説明する。また、素子基板に形成される層を説明する際、上層側あるいは表面側とは素子基板の基板本体が位置する側とは反対側(対向基板が位置する側)を意味し、下層側とは素子基板の基板本体が位置する側を意味する。また、対向基板に形成される層を説明する際、上層側あるいは表面側とは対向基板の基板本体が位置する側とは反対側(素子基板が位置する側)を意味し、下層側とは対向基板の基板本体が位置する側を意味する。
【0020】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。図1において、本形態の電気光学装置100は、TN(Twisted Nematic)モードやVA(Vertical Alignment)モードの液晶パネル100pを有する液晶装置であり、かかる液晶パネル100pは、その中央領域に複数の画素100aがマトリクス状に配列された画像表示領域10a(画素配列領域/有効画素領域)を備えている。液晶パネル100pにおいて、後述する素子基板10(図2等を参照)では、画像表示領域10aの内側で複数本のデータ線6aおよび複数本の走査線3aが縦横に延びており、それらの交差部分に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、電界効果型トランジスター(スイッチング素子)からなる画素トランジスター30、および後述する画素電極9aが形成されている。画素トランジスター30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、画素トランジスター30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、画素トランジスター30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。このようにして、電気光学装置100では、複数の画素100aの各々に対応して複数の画素電極9aおよび複数の画素トランジスター30が形成されている。
【0021】
素子基板10において、画像表示領域10aより外周側には走査線駆動回路104やデータ線駆動回路101が設けられている。データ線駆動回路101は各データ線6aに電気的に接続しており、画像処理回路から供給される画像信号を各データ線6aに順次供給する。走査線駆動回路104は、各走査線3aに電気的に接続しており、走査信号を各走査線3aに順次供給する。
【0022】
各画素100aにおいて、画素電極9aは、後述する対向基板20(図2等を参照)に形成された共通電極と液晶層を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に蓄積容量55が付加されている。本形態では、蓄積容量55を構成するために、素子基板10には、複数の画素100aに跨って延在する容量線5bが形成されており、容量線5bは、共通電位Vcomが印加された定電位配線6sに導通している。
【0023】
(液晶パネル100pおよび素子基板10の構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の液晶パネル100pの説明図であり、図2(a)、(b)は各々、液晶パネル100pを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
【0024】
図2に示すように、液晶パネル100pでは、素子基板10と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は対向基板20の外縁に沿うように枠状に設けられている。シール材107は、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバーあるいはガラスビーズ等のギャップ材107aが配合されている。液晶パネル100pにおいて、素子基板10と対向基板20との間のうち、シール材107によって囲まれた領域内には、各種液晶材料(電気光学物質)からなる液晶層50(電気光学物質層)が設けられている。本形態において、シール材107には、液晶注入口107cとして利用される途切れ部分が形成されており、かかる液晶注入口107cは、液晶材料の注入後、封止材108によって封止されている。
【0025】
かかる構成の液晶パネル100pにおいて、素子基板10および対向基板20はいずれも四角形であり、液晶パネル100pの略中央には、図1を参照して説明した画像表示領域10aが四角形の領域として設けられている。かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられ、画像表示領域10aの外側は、四角枠状の外周領域10cになっている。
【0026】
素子基板10において、外周領域10cでは、素子基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子電極102が形成されており、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。なお、端子電極102には、フレキシブル配線基板(図示せず)が接続されており、素子基板10には、フレキシブル配線基板を介して各種電位や各種信号が入力される。
【0027】
図3および図4等を参照して詳しくは後述するが、素子基板10の一方面10sおよび他方面10tのうち、対向基板20と対向する一方面10sの側において、画像表示領域10aには、図1を参照して説明した画素トランジスター30、および画素トランジスター30に電気的に接続する画素電極9aがマトリクス状に形成されており、かかる画素電極9aの上層側には配向膜16が形成されている。
【0028】
また、素子基板10の一方面10sの側において、画像表示領域10aより外側の外周領域10cのうち、画像表示領域10aとシール材107とに挟まれた四角枠状の周辺領域10bには、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9bが形成されている。ダミー画素電極9bは、隣り合うダミー画素電極9b同士が細幅の連結部(図示せず)で繋がっている。また、ダミー画素電極9bには、共通電位Vcomが印加されており、画像表示領域10aの外周側端部での液晶分子の配向の乱れを防止する。また、ダミー画素電極9bは、素子基板10において配向膜16が形成される面を研磨により平坦化する際、画像表示領域10aと周辺領域10bとの高さ位置の差を圧縮し、配向膜16が形成される面を平坦面にするのに寄与する。なお、ダミー画素電極9bに電位を印加せず、ダミー画素電極9bを電位的にフロート状態とする場合もあり、この場合でも、ダミー画素電極9bは、画像表示領域10aと周辺領域10bとの高さ位置の差を圧縮し、配向膜16が形成される面を平坦面にするのに寄与する。
【0029】
対向基板20の一方面20sおよび他方面20tのうち、素子基板10と対向する一方面20sの側には共通電極21が形成されている。共通電極21は、対向基板20の略全面あるいは複数の帯状電極として複数の画素100aに跨って形成されている。本形態において、共通電極21は、対向基板20の略全面に形成されている。
【0030】
また、対向基板20の一方面20sの側には、共通電極21の下層側に遮光層29が形成され、共通電極21の表面には配向膜26が積層されている。本形態において、遮光層29は、画像表示領域10aの外周縁に沿って延在する額縁部分29aとして形成されており、遮光層29の内周縁によって画像表示領域10aが規定されている。また、本形態において、遮光層29は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域10fに重なるブラックマトリクス部29bとしても形成されている。ここで、額縁部分29aはダミー画素電極9bと重なる位置に形成されており、額縁部分29aの外周縁は、シール材107の内周縁との間に隙間を隔てた位置にある。従って、額縁部分29aとシール材107とは重なっていない。
【0031】
液晶パネル100pにおいて、シール材107より外側には、対向基板20の一方面20sの側の4つの角部分に基板間導通用電極25が形成されており、素子基板10の一方面10sの側には、対向基板20の4つの角部分(基板間導通用電極25)と対向する位置に基板間導通用電極19が形成されている。本形態において、基板間導通用電極25は、共通電極21の一部からなる。基板間導通用電極19は、共通電位Vcomが印加された定電位配線6sに導通しており、定電位配線6sは、端子電極102のうち、共通電位印加用の端子電極102aに導通している。基板間導通用電極19と基板間導通用電極25との間には、導電粒子を含んだ基板間導通材109が配置されており、対向基板20の共通電極21は、基板間導通用電極19、基板間導通材109および基板間導通用電極25を介して、素子基板10側に電気的に接続されている。このため、共通電極21は、素子基板10の側から共通電位Vcomが印加されている。シール材107は、略同一の幅寸法をもって対向基板20の外周縁に沿って設けられている。このため、シール材107は、略四角形である。但し、シール材107は、対向基板20の角部分と重なる領域では基板間導通用電極19、25を避けて内側を通るように設けられており、シール材107の角部分は略円弧状である。
【0032】
本形態において、画素電極9aおよび共通電極21のうち、例えば、共通電極21をITO(Indium Tin Oxide)膜やIZO(Indium Zinc Oxide)膜等の透光性導電膜により形成し、画素電極9aをアルミニウム膜等の反射性導電膜により形成すれば、電気光学装置100を反射型の液晶装置として構成することができる。かかる反射型の液晶装置(電気光学装置100)では、素子基板10および対向基板20のうち、対向基板20の側から入射した光が素子基板10で反射して出射される間に変調されて画像を表示する。
【0033】
また、画素電極9aおよび共通電極21をITO膜やIZO膜等の透光性導電膜により形成すれば、電気光学装置100を透過型の液晶装置として構成することができる。かかる透過型の液晶装置(電気光学装置100)では、対向基板20の側から入射した光が素子基板10を透過して出射される間に変調されて画像を表示する。
【0034】
電気光学装置100は、モバイルコンピューター、携帯電話機等といった電子機器のカラー表示装置として用いることができ、この場合、対向基板20あるいは素子基板10には、カラーフィルター(図示せず)が形成される。また、電気光学装置100は、電子ペーパーとして用いることができる。また、電気光学装置100では、使用する液晶層50の種類や、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が液晶パネル100pに対して所定の向きに配置される。さらに、電気光学装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)において、RGB用のライトバルブとして用いることができる。この場合、RGB用の各電気光学装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになるので、カラーフィルターは形成されない。
【0035】
本形態において、電気光学装置100が、後述する投射型表示装置においてRGB用のライトバルブとして用いられる反射型の液晶装置である場合を中心に説明する。また、本形態において、電気光学装置100は、液晶層50として、誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を用いたVAモードの液晶パネル100pを備えている場合を中心に説明する。
【0036】
(画素100pの具体的構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100に用いた素子基板10において隣り合う複数の画素の平面図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の断面構成を示す説明図であり、図4(a)、(b)は、電気光学装置100のF−F′断面図、および画素電極9aのコンタクト部分を拡大して示す説明図である。なお、図3では、各層を以下の線
下層側の遮光層8a=細くて長い破線
半導体層1a=細くて短い点線
走査線3a=太い実線
ドレイン電極4a=細い実線
データ線6aおよび中継電極6b=細い一点鎖線
容量線5b=太い一点鎖線
上層側の遮光層7aおよび中継電極7b=細い二点鎖線
画素電極9a=太い破線
で示してある。また、図3では、互いの端部が重なり合う層については、層の形状等が分かりやすいように、端部の位置をずらしてある。
【0037】
図3に示すように、素子基板10において対向基板20と対向する一方面10sには、複数の画素100aの各々に画素電極9aが形成されており、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域10fに沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。本形態において、画素間領域10fは縦横に延在しており、走査線3aは画素間領域10fのうち、X方向(第1方向)に延在する第1画素間領域10gに沿って直線的に延在し、データ線6aは、Y方向(第2方向)に延在する第2画素間領域10hに沿って直線的に延在している。また、データ線6aと走査線3aとの交差に対応して画素トランジスター30が形成されており、本形態において、画素トランジスター30は、データ線6aと走査線3aとの交差領域およびその付近を利用して形成されている。素子基板10には容量線5bが形成されており、かかる容量線5bには共通電位Vcomが印加されている。本形態において、容量線5bは、走査線3aおよびデータ線6aに重なるように延在して格子状に形成されている。画素トランジスター30の上層側には遮光層7aが形成されており、かかる遮光層7aは、データ線6aに重なるように延在している。画素トランジスター30の下層側には遮光層8aが形成されており、かかる遮光層8aは、走査線3aと重なるように直線的に延びた主線部分と、データ線6aと走査線3aとの交差部分でデータ線6aに重なるように延びた副線部分とを備えている。
【0038】
図4に示すように、素子基板10は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体10wの液晶層50側の基板面(対向基板20と対向する一方面10s側)に形成された画素電極9a、画素スイッチング用の画素トランジスター30、および配向膜16を主体として構成されている。対向基板20は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20w、その液晶層50側の表面(素子基板10と対向する一方面20s)に形成された遮光層29、共通電極21、および配向膜26を主体として構成されている。
【0039】
素子基板10において、基板本体10wの一方面10s側には、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる下層側の遮光層8aが形成されている。本形態において、遮光層8aは、タングステンシリサイド(WSi)等の遮光膜からなり、電気光学装置100を透過した後の光が他の部材で反射した際、かかる反射光が半導体層1aに入射して画素トランジスター30で光電流に起因する誤動作が発生することを防止する。なお、遮光層8aを走査線として構成する場合もあり、この場合、後述するゲート電極3cと遮光層8aを導通させた構成とする。
【0040】
基板本体10wの一方面10s側において、遮光層8aの上層側には、透光性の絶縁膜12が形成されており、かかる絶縁膜12の表面側に、半導体層1aを備えた画素トランジスター30が形成されている。本形態において、絶縁膜12は、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG (ボロンリンシリケートガラス)等のシリコン酸化膜(シリケートガラスも含む。)や、シリコン窒化膜からなる。かかる絶縁膜12は、シランガス(SiH4)、2塩化シラン(SiCl2H2)、TEOS(テトラエトキシシラン/テトラ・エチル・オルソ・シリケート/Si(OC2H5)4)、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)等を用いた常圧CVD法、減圧CVD法、あるいはプラズマCVD法等により形成される。
【0041】
画素トランジスター30は、データ線6aの延在方向に長辺方向を向けた半導体層1aと、半導体層1aの長さ方向と直交する方向に延在して半導体層1aの長さ方向の中央部分に重なるゲート電極3cとを備えており、本形態において、ゲート電極3cは走査線3aの一部からなる。画素トランジスター30は、半導体層1aとゲート電極3cとの間に透光性のゲート絶縁層2を有している。半導体層1aは、ゲート電極3cに対してゲート絶縁層2を介して対向するチャネル領域1gを備えているとともに、チャネル領域1gの両側にソース領域1bおよびドレイン領域1cを備えている。本形態において、画素トランジスター30は、LDD構造を有している。従って、ソース領域1bおよびドレイン領域1cは各々、チャネル領域1gの両側に低濃度領域を備え、低濃度領域に対してチャネル領域1gとは反対側で隣接する領域に高濃度領域を備えている。
【0042】
半導体層1aは、ポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)等によって構成されている。ゲート絶縁層2は、半導体層1aを熱酸化したシリコン酸化膜からなる第1ゲート絶縁層2aと、温度が700〜900℃の高温条件での減圧CVD法により形成されたシリコン酸化膜からなる第2ゲート絶縁層2bとの2層構造からなる。ゲート電極3cおよび走査線3aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、ゲート電極3cは、導電性のポリシリコン膜とタングステンシリサイド膜との2層構造を有している。
【0043】
ゲート電極3cの上層側には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜41が形成され、層間絶縁膜41の上層には、ドレイン電極4aが形成されている。本形態において、層間絶縁膜41は、シリコン酸化膜からなる。ドレイン電極4aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、ドレイン電極4aはチタン窒化膜からなる。ドレイン電極4aは、半導体層1aのドレイン領域1c(画素電極側ソースドレイン領域)と一部が重なるように形成されており、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール41aを介してドレイン領域1cに導通している。
【0044】
ドレイン電極4aの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性のエッチングストッパー層46、および透光性の誘電体層40が形成されており、かかる誘電体層40の上層側には容量線5bが形成されている。誘電体層40としては、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等のシリコン化合物を用いることができる他、アルミニウム酸化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜等の高誘電率の誘電体層を用いることができる。容量線5bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、容量線5bは、チタン窒化膜、アルミニウム膜、およびチタン窒化膜との3層構造を有している。ここで、容量線5bは、誘電体層40を介してドレイン電極4aと重なっており、蓄積容量55を構成している。
【0045】
容量線5bの上層側には層間絶縁膜42が形成されており、かかる層間絶縁膜42の上層側には、データ線6aと中継電極6bとが同一の導電膜により形成されている。層間絶縁膜42はシリコン酸化膜からなる。データ線6aと中継電極6bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、データ線6aおよび中継電極6bは、アルミニウム合金膜や、チタン窒化膜とアルミニウム膜との2層乃至4層の積層膜からなる。データ線6aは、層間絶縁膜42、エッチングストッパー層46、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール42aを介してソース領域1b(データ線側ソースドレイン領域)に導通している。中継電極6bは、層間絶縁膜42およびエッチングストッパー層46を貫通するコンタクトホール42bを介してドレイン電極4aに導通している。
【0046】
データ線6aおよび中継電極6bの上層側にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜44が形成されており、かかる層間絶縁膜44の上層側には、遮光層7aおよび中継電極7bが同一の導電膜によって形成されている。層間絶縁膜44は、例えば、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜からなり、その表面は平坦化されている。遮光層7aおよび中継電極7bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、遮光層7aおよび中継電極7bは、アルミニウム合金膜や、チタン窒化膜とアルミニウム膜との2層乃至4層の積層膜からなる。中継電極7bは、層間絶縁膜44を貫通するコンタクトホール44aを介して中継電極6bに導通している。遮光層7aは、データ線6aと重なるように延在しており、遮光層として機能している。なお、遮光層7aを容量線5bと導通させて、シールド層として利用してもよい。
【0047】
遮光層7aおよび中継電極7bの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜45が形成されており、かかる層間絶縁膜45の上層側には、アルミニウム膜やアルミニウム合金膜等の反射性金属膜からなる画素電極9aが形成されている。本形態において、画素電極9aは、アルミニウム膜からなり、層間絶縁膜45は、シリコン酸化膜からなる。図4(b)等を参照して後述するように、画素電極9aは、層間絶縁膜45を貫通するコンタクトホール45aを介して中継電極7bに電気的に接続している。その結果、画素電極9aは、中継電極7b、中継電極6bおよびドレイン電極4aを介してドレイン領域1cに電気的に接続している。
【0048】
画素電極9aの表面には、ポリイミドや無機配向膜からなる配向膜16が形成されている。本形態において、配向膜16は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al2O3、In2O3、Sb2O3、Ta2O5等の斜方蒸着膜(傾斜垂直配向膜/無機配向膜)からなる。
【0049】
(対向基板20の構成)
対向基板20では、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20w(透光性基板)の液晶層50側の表面(素子基板10に対向する一方面20s)には、遮光層29、シリコン酸化膜等からなる絶縁膜28、およびITO膜等の透光性導電膜からなる共通電極21が形成されており、かかる共通電極21を覆うように、ポリイミドや無機配向膜からなる配向膜26が形成されている。本形態において、共通電極21はITO膜からなる。本形態において、配向膜26は、配向膜16と同様、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al2O3、In2O3、Sb2O3、Ta2O5等の斜方蒸着膜(傾斜垂直配向膜/無機配向膜)である。かかる配向膜16、26は、液晶層50に用いた誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を傾斜垂直配向させ、液晶パネル100pは、ノーマリブラックのVAモードとして動作する。本形態では、配向膜16、26として、各種無機配向膜のうち、シリコン酸化膜(SiOX)の斜方蒸着膜が用いられている。
【0050】
なお、図1および図2を参照して説明したデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104には、nチャネル型の駆動用トランジスターとpチャネル型の駆動用トランジスターとを備えた相補型トランジスター回路等が構成されている。ここで、駆動用トランジスターは、画素トランジスター30の製造工程の一部を利用して形成されたものである。このため、素子基板10においてデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104が形成されている領域も、図4(a)に示す断面構成と略同様な断面構成を有している。
【0051】
(画素電極9aのコンタクト部分の具体的構成)
図4(a)、(b)に示すように、本形態では、画素電極9aを中継電極7bに電気的に接続するにあたって、層間絶縁膜45には、層間絶縁膜45を貫通して中継電極7bまで到達したコンタクトホール45aが形成されている。層間絶縁膜45は、例えば、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜からなる。また、層間絶縁膜45は、NSG(ノンシリケートガラス)からなる下層側の第1絶縁膜と、BSG(ボロンシリケートガラス)からなる上層側の第2絶縁膜との構造を有している場合がある。いずれの場合も、層間絶縁膜45の表面は平坦化されている。
【0052】
本形態では、層間絶縁膜45上には、コンタクトホール45aの底部45eおよび内壁45fに重なるコンタクト用電極層90aが形成されており、コンタクト用電極層90aは、コンタクトホール45aの底部45eで中継電極7bに導通している。
【0053】
また、コンタクトホール45aの内部において、コンタクト用電極層90a上に形成された凹部は、埋め込み膜48によって埋められている。従って、コンタクト用電極層90aは、コンタクトホール45aの内部で埋め込み膜48によって覆われている。ここで、埋め込み膜48の上面にはわずかな凹部48aが発生しているが、かかる凹部48aは、平面サイズおよび深さ寸法のいずれにおいても、コンタクトホール45aと比較すると、極めて小さい。
【0054】
本形態において、コンタクト用電極層90aとしては、埋め込み膜48に対するエッチング選択比が、後述する導電性下地膜91aの埋め込み膜48に対するエッチング選択比より大きい材料が用いられている。より具体的には、本形態において、コンタクト用電極層90aはITO膜からなり、埋め込み膜48はシリコン酸化膜からなり、導電性下地膜91aはチタン窒化膜からなる。かかるシリコン酸化膜およびITO膜に対して、後述する反応性イオンエッチングを行う際にフッ素系のエッチングガスを用いると、エッチング速度は、以下の関係
シリコン酸化膜:ITO膜=50以上:1
シリコン酸化膜:チタン窒化膜=7:1
にある。
【0055】
本形態において、画素電極9aは、コンタクト用電極層90aおよび埋め込み膜48の上層側に形成されており、コンタクトホール45aの外部でコンタクト用電極層90aに電気的に接続している。ここで、コンタクト用電極層90aはITO膜からなり、画素電極9aはアルミニウム膜であり、かかる導電膜を直接、重ねるとITO膜中の酸素がアルミニウム膜に引き抜かれる腐食等が発生する。
【0056】
そこで、本形態では、まず、コンタクト用電極層90aおよび埋め込み膜48の上層側には、チタン窒化膜からなるバリア層が導電性下地膜91aとして形成されており、かかる導電性下地膜91aは、コンタクトホール45aの外部でコンタクト用電極層90aに重なって導通している。また、導電性下地膜91aの上層側には、アルミニウム膜からなる画素電極9aが形成されており、かかる画素電極9aは、導電性下地膜91aに重なって導通している。その結果、画素電極9aは、コンタクトホール45aの外部で導電性下地膜91aを介してコンタクト用電極層90aに電気的に接続し、導電性下地膜91aおよびコンタクト用電極層90aを介して中継電極7bに電気的に接続している。ここで、導電性下地膜91aおよびコンタクト用電極層90aは、画素電極9aと略同一の平面形状を有している。
【0057】
かかる構成によれば、コンタクトホール45aの内部が埋め込み膜48によって埋められているので、画素電極9aの表面には大きな凹部が発生していない。それ故、配向膜16を適正に形成することができる。
【0058】
なお、本形態では、画素電極9aの表面には、画素電極9aをパターニングする際に用いたシリコン酸化膜からなるハードマスク97a(エッチングマスク)が残っており、かかるハードマスク97aの上に配向膜16が形成されている。
【0059】
(電気光学装置100の製造方法)
図5は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の製造方法の要部を示す工程断面図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の製造方法において、パターニング工程でハードマスクを除去した場合の説明図である。なお、電気光学装置100を製造するにあたっては、素子基板10および対向基板20を多数取りできる大型基板の状態で途中の工程までを行い、その後、単品サイズに切断する。但し、以下の説明では、素子基板10の形成に用いられる大型基板も素子基板10として説明し、対向基板20の形成に用いられる大型基板も対向基板20として説明する。また、層間絶縁膜45を形成した以降の工程を中心に説明し、層間絶縁膜45を形成するまでの工程には周知の方法を採用することができるので、それらの説明を省略する。
【0060】
本形態の電気光学装置100の素子基板10を製造するには、層間絶縁膜形成工程において、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により層間絶縁膜45を素子基板10の全面に形成した後、層間絶縁膜平坦化工程において、層間絶縁膜45の表面を平坦化する。かかる層間絶縁膜平坦化工程では、化学機械研磨等を利用することができる。化学機械研磨では、研磨液に含まれる化学成分の作用と、研磨剤と素子基板10との相対移動によって、高速で平滑な研磨面を得ることができる。より具体的には、研磨装置において、不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等からなる研磨布(パッド)を貼り付けた定盤と、素子基板10を保持するホルダーとを相対回転させながら、研磨を行なう。その際、例えば、平均粒径が0.01〜20μmの酸化セリウム粒子、分散剤としてのアクリル酸エステル誘導体、および水を含む研磨剤を研磨布と素子基板10との間に供給する。
【0061】
層間絶縁膜平坦化工程の後、図5(a)に示すコンタクトホール形成工程では、フォトリソグラフィ技術を利用してレジストマスクを形成した後、エッチングを行って、層間絶縁膜45にコンタクトホール45aを形成する。
【0062】
次に、図5(b)に示すコンタクト用導電膜形成工程では、素子基板10の全面にコンタクト用導電膜90を形成する。その結果、コンタクト用導電膜90は、コンタクトホール45aの底部45e、コンタクトホールの内壁45f、および層間絶縁膜45の表面に重なる。本形態では、コンタクト用導電膜90として、ITO膜をスパッタ法等により形成する。
【0063】
次に、図5(c)に示す埋め込み膜形成工程では、素子基板10の全面に、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により、埋め込み膜48としてのシリコン酸化膜を形成する。その結果、コンタクト用導電膜90上に埋め込み膜48が形成されるとともに、コンタクトホール45aの内部は、埋め込み膜48によって埋められる。なお、埋め込み膜48の表面には、コンタクトホール45aに起因する凹部48eが形成されるが、かかる凹部48eは、サイズおよび深さの双方においてコンタクトホール45aより小さい。
【0064】
次に、図5(d)に示す埋め込み膜エッチング工程では、素子基板10の全面に対して、CHF3やCF4等のフッ素系のガスを用いて反応性イオンエッチングを行い、コンタクトホール45aの外部においてコンタクト用導電膜90と重なる埋め込み膜48を除去してコンタクト用導電膜90を露出させる。かかる工程の際、埋め込み膜48は、コンタクトホール45aの内部に残る。
【0065】
ここで、コンタクト用導電膜90および埋め込み膜48としては、エッチング選択比が大きい材料が用いられており、かかるエッチング選択比を利用して、コンタクトホール45aの外部でコンタクト用導電膜90と重なる埋め込み膜48を完全に除去する。より具体的には、本形態において、コンタクト用導電膜90はITO膜からなり、埋め込み膜48はシリコン酸化膜からなり、シリコン酸化膜およびITO膜のエッチング速度は、以下の関係
シリコン酸化膜:ITO膜=50以上:1
である。このため、エッチング時間を長めに設定すれば、コンタクトホール45aの外部でコンタクト用導電膜90と重なる埋め込み膜48を完全に除去することができる。その際、コンタクト用導電膜90もエッチングされるが、エッチング量はわずかであるため、支障はない。なお、エッチング時間を長めに設定したため、埋め込み膜48の上面にはわずかな凹部48aが発生する。但し、凹部48aは、平面サイズおよび深さ寸法のいずれにおいても、コンタクトホール45aと比較すると、極めて小さい。
【0066】
次に、図5(e)に示す導電性下地膜形成工程では、素子基板10の全面に、スパッタ法等により、チタン窒化膜からなる導電性下地膜91を形成する。
【0067】
次に、図5(f)に示す画素用導電膜形成工程では、素子基板10の全面に、スパッタ法等により、アルミニウム膜からなる画素電極用導電膜9を形成する。
【0068】
次に、図5(g)〜図5(j)に示すパターニング工程において、画素電極用導電膜9をパターニングして複数の画素電極9aを形成するとともに、複数の画素電極9aのうち、隣り合う画素電極9aの間に重なる導電性下地膜91およびコンタクト用導電膜90を除去する。かかるパターニング工程において、本形態では、エッチングマスクとしてハードマスク97aを用いる。従って、本形態では、以下に説明するように、パターニング工程を行う。
【0069】
まず、図5(g)に示すハードマスク用膜形成工程では、ハードマスク97aを形成するためのハードマスク用膜97として、プラズマCVD法等によりシリコン酸化膜を形成した後、図5(h)に示すレジストマスク形成工程では、フォトリソグラフィ技術を利用してハードマスク用膜97上にレジストマスク98aを形成する。
【0070】
この状態で、反応性イオンエッチングやプラズマエッチング等のドライエッチングを行うと、まず、ハードマスク用膜97のうち、レジストマスク98aから露出している部分がエッチングされ、図5(i)に示すように、ハードマスク97aが形成される。そして、塩素系ガス、フッ素系ガス、ヨウ素系ガスの順にエッチングガスを切り替えながら、反応性イオンエッチングやプラズマエッチング等のドライエッチングを行うと、図5(j)に示すように、画素電極用導電膜9、導電性下地膜91およびコンタクト用導電膜90が順次パターニングされる。その結果、複数の画素電極9a、導電性下地膜91aおよびコンタクト用電極層90aが形成されるとともに、隣り合う画素電極9aの間に重なる導電性下地膜91およびコンタクト用導電膜90が除去される。その間、エッチングガスに酸素を導入すると、レジストマスク98aが除去される。次に、斜方蒸着を行って、図4に示すように配向膜16を形成すれば、素子基板10が完成する。
【0071】
本形態では、図4および図5に示すように、パターニング工程を終了した時点でハードマスク97aが画素電極9a上に残る構成であり、かかるハードマスク97aは、画素電極9aに対する保護膜として利用することができる。これに対して、パターニング工程が終了するまでにハードマスク97aがエッチングされる構成を採用すれば、図6に示すように、画素電極9aの表面に配向膜16が形成される構造となる。なお、後述する実施の形態2〜6では、ハードマスク97aを残した形態を採用しているが、実施の形態2〜6のいずれにおいても、ハードマスク97aを除去した形態を採用してもよい。
【0072】
しかる後には、図2等を参照して説明したように、素子基板10と対向基板20とをシール材107で貼り合わせた後、減圧雰囲気中でシール材107の液晶注入口107cから液晶を注入し、しかる後に、シール材107の液晶注入口107cを封止材108で封止する。その間、所定のタイミングで大型基板を単品サイズの素子基板10や対向基板20に切断すれば、図2等を参照して説明した単品サイズの液晶パネル100pを得ることができる。
【0073】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態に係る電気光学装置100においては、層間絶縁膜45上にコンタクトホール45aの底部45eおよび内壁45fに重なるコンタクト用導電膜90を形成した後、コンタクトホール45aの内部を埋める埋め込み膜48を形成し、その後、埋め込み膜48に対して反応性イオンエッチングを行い、コンタクト用導電膜90を露出させる一方、コンタクトホール45aの内部には埋め込み膜48を残す。その際、埋め込み膜48とコンタクト用導電膜90とのエッチング選択比を利用して埋め込み膜48を選択的に除去してコンタクト用導電膜90を露出させる。このため、コンタクトホール45aの外部において、埋め込み膜48の厚さが領域によってばらついていた場合でも、コンタクト用導電膜90の表面から埋め込み膜48を確実に除去することができるので、コンタクト用電極層90aと画素電極9aとを確実に導通させることができる。また、埋め込み膜48の厚さが領域によってばらついていた場合でも、コンタクト用導電膜90がエッチングにより除去されてしまうことがないので、コンタクト用電極層90aと画素電極9aとを確実に導通させることができる。
【0074】
また、本形態において、埋め込み膜エッチング工程の後、画素電極用導電膜形成工程の前に導電性下地膜91を形成しておき、パターニング工程では、隣り合う画素電極9aの間に重なる導電性下地膜91を除去する。このため、画素電極9aの特性等を補完する目的で導電性下地膜91を形成する場合でも、かかる導電性下地膜91とは別にコンタクト用導電膜90を用いているので、コンタクト用導電膜90については、埋め込み膜とのエッチング選択比を優先して材料の選定を行うことができる。すなわち、埋め込み膜48がシリコン酸化膜であるので、コンタクト用導電膜90としては、ITO膜を用いることができる。それ故、導電性下地膜91に用いたチタン窒化膜をコンタクト用導電膜90として用いた場合には、埋め込み膜48とのエッチング選択比が小さいので、埋め込み膜48をエッチングした際、コンタクト用導電膜90がエッチングにより除去されてしまうおそれがあるが、本形態によれば、かかる問題が発生しにくい。
【0075】
また、本形態では、導電性下地膜91としてチタン窒化膜からなるバリア層を形成したため、コンタクト用導電膜90を構成するITO膜と、画素電極9aを構成するアルミニウム膜との反応を防止することができる。
【0076】
また、本形態では、層間絶縁膜45を形成した後、コンタクトホール45aを形成する前に、層間絶縁膜45の表面を平坦化する層間絶縁膜平坦化工程を行う。このため、コンタクトホール45aの外部では、コンタクト用導電膜90および導電性下地膜91を平坦面に形成することができるので、埋め込み膜48の厚さが領域によってばらつくことを抑制することができる。従って、埋め込み膜48を確実に除去する場合でも、エッチング時間を過度に長く設定する必要がないので、エッチング後、埋め込み膜48の上面に形成される凹部48aをより小さくすることができる。
【0077】
[実施の形態2]
図7は、本発明の実施の形態2に係る電気光学装置100の製造方法の要部を示す工程断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0078】
実施の形態1では、埋め込み膜48を形成した後、埋め込み膜48の表面に凹部48e(図5(c)参照)が存在するまま、埋め込み膜エッチング工程を行ったが、本形態では、図7を参照して以下に説明するように、反応性イオンエッチングを開始する時点では、埋め込み膜48の上面側を平坦面にしておく。
【0079】
より具体的には、図7(a)に示すように、埋め込み膜形成工程で埋め込み膜48をシリケートガラス等により形成した後、図7(b)に示すように、スピンコート法等により、レジストを塗布し、レジストを硬化させる。あるいは、スピンオングラスを塗布する。その結果、埋め込み膜48の上面側に、表面が平坦面になっている平坦化膜49を形成することができる。従って、埋め込み膜エッチング工程において反応性イオンエッチングを開始する時点では、埋め込み膜48の上面側(平坦化膜49の表面)が平坦面になっているので、図7(c)に示すように、反応性イオンエッチングを終了した際、コンタクトホール45aに残る埋め込み膜48の表面は平坦面(平面)であり、かつ、埋め込み膜48の表面は、コンタクト用導電膜90の表面と連続した平坦面(平面)を形成する。それ故、図7(d)に示すように、パターニング工程を行った時点で、画素電極9aの表面が平坦面になっているので、平坦面上に配向膜16を形成することができ、かかる平坦面上であれば、斜方蒸着によって配向膜16を好適に形成することができる。
【0080】
[実施の形態3]
図8は、本発明の実施の形態3に係る電気光学装置100の製造方法の要部を示す工程断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0081】
図8を参照して以下に説明するように、本形態でも、実施の形態2と同様、反応性イオンエッチングを開始する時点では、埋め込み膜48の上面側を平坦面にしておく。より具体的には、図8(a)に示すように、埋め込み膜形成工程で埋め込み膜48を形成した後、図8(b)に示すように、化学機械研磨等の方法により、埋め込み膜48を厚さ方向の途中位置まで研磨する。従って、埋め込み膜エッチング工程において反応性イオンエッチングを開始する時点では、埋め込み膜48の上面側が平坦面になっているので、図8(c)に示すように、反応性イオンエッチングを終了した際、コンタクトホール45aに残る埋め込み膜48の表面は平坦面(平面)であり、かつ、埋め込み膜48の表面は、コンタクト用導電膜90の表面と連続した平坦面(平面)を形成する。それ故、図8(d)に示すように、パターニング工程を行った時点で、画素電極9aの表面が平坦面になっているので、平坦面上に配向膜16を形成することができる。
【0082】
[実施の形態4]
図9は、本発明の実施の形態4に係る電気光学装置100の製造方法の要部を示す工程断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0083】
図9を参照して以下に説明するように、本形態でも、実施の形態2、3と同様、反応性イオンエッチングを開始する時点では、埋め込み膜48の上面側を平坦面にしておく。より具体的には、図9(a)に示すように、埋め込み膜形成工程において、スピンオングラスを塗布し、埋め込み膜48を形成する。従って、埋め込み膜エッチング工程において反応性イオンエッチングを開始する時点では、埋め込み膜48の上面側が平坦面になっているので、図9(b)に示すように、反応性イオンエッチングを終了した際、コンタクトホール45aに残る埋め込み膜48の表面は平坦面(平面)であり、かつ、埋め込み膜48の表面は、コンタクト用導電膜90の表面と連続した平坦面(平面)を形成する。それ故、図9(c)に示すように、パターニング工程を行った時点で、画素電極9aの表面が平坦面になっているので、平坦面上に配向膜16を形成することができる。
【0084】
[実施の形態5]
図10は、本発明の実施の形態5に係る電気光学装置100の製造方法の要部を示す工程断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0085】
実施の形態1では、パターニング工程の後、そのまま配向膜16を形成したが、本形態では、図10に示すように、画素電極9aの上層側に平坦化膜17を形成する。より具体的には、図10(a)に示すように、パターニング工程の後、画素電極9aの上層側にシリコン酸化膜等の絶縁膜17tを形成した後、絶縁膜17tの表面を化学機械研磨等の方法により平坦化する絶縁膜平坦化工程を行う。その結果、図10(b)に示すように、画素電極9aの上層側に、表面が連続した平坦面(平面)になっている平坦化膜17を形成することができる。それ故、図10(c)に示すように、平坦化膜17上に配向膜16を形成することができる。かかる構成によれば、画素電極9aと重なる領域と、隣り合う画素電極9aの間と重なる領域とが連続した平坦面(平面)になっているので、斜方蒸着により平坦化膜17を好適に形成することができる。
【0086】
[実施の形態6]
図11は、本発明の実施の形態6に係る電気光学装置100の製造方法の要部を示す工程断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0087】
図11に示すように、本形態でも、実施の形態5と同様、画素電極9aの上層側に、表面が連続した平坦面(平面)になっている平坦化膜17を形成する。かかる構成を採用するにあたって、本形態では、図11(a)に示すように、チタン窒化膜からなる導電性下地膜91aに加えて、チタン膜からなる導電性下地膜92aを加える。かかる構成は、図5を参照して説明した導電性下地膜形成工程において、チタン窒化膜からなる導電性下地膜91の後、チタンからなる導電性下地膜を形成することにより実現することができる。
【0088】
そして、パターニング工程の後、図11(b)に示すように、画素電極9aの上層側にシリコン酸化膜等の絶縁膜17tを形成し、次に、絶縁膜17tの表面を化学機械研磨により平坦化する絶縁膜平坦化工程を行う。その結果、図11(c)に示すように、画素電極9aの上層側に、表面が連続した平坦面(平面)になっている平坦化膜17を形成することができ、図11(d)に示すように、かかる平坦化膜17上に配向膜16を形成することができる。
【0089】
かかる構成によれば、化学機械研磨の際の熱がアルミニウム膜からなる画素電極9aに伝わっても、かかる熱は、画素電極9aと導電性下地膜92aとの間でアルミニウムとチタンとの合金化に使われるので、画素電極9aを構成するアルミニウム膜の表面が荒れない。それ故、画素電極9aに不要な凹凸が発生しないので、画素電極9aの表面では正反射が起こることになる。
【0090】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、埋め込み膜48としてシリコン酸化膜を用い、コンタクト用導電膜90としてITO膜を用いたが、他の材料の組み合わせであってもよい。例えば、埋め込み膜48については、樹脂以外の材料であって、CVD法やスパッタ法等で成膜でき、成膜時の流動性を有していることが好ましい。また、埋め込み膜48については、絶縁材料であることが好ましく、その点では、シリコン酸化膜が最も好ましいが、例えば、埋め込み膜48としてシリコン膜を用い、反応性イオンエッチングのエッチングガスとしてフッ化キセノンを用いれば、コンタクト用導電膜90として様々な材料を用いてもエッチング選択比が大きいという利点がある。
【0091】
上記実施の形態では、画素電極9aにアルミニウム膜を用いることにより、電気光学装置100を反射型の液晶装置として構成した場合を中心に説明したが、コンタクト用導電膜90および画素電極9aにITO膜等の透光性導電膜を用いて、電気光学装置100を透過型の液晶装置として構成してもよい。
【0092】
上記実施の形態では、画素電極9aのコンタクト部を中心に説明したが、コンタクト用導電膜90として形成したITO膜や、他の導電膜については、端子電極102の形成や、基板間導通用電極19の形成に用いてもよい。
【0093】
上記実施の形態では、配向膜16、26として無機配向膜を用いる場合を中心に説明したが、配向膜16、26としてポリイミド等の有機配向膜を用いた場合に本発明を適用してもよい。
【0094】
上記実施の形態では、電気光学装置100として液晶装置を中心に説明したが、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマ表示装置、電気泳動型表示装置等の電気光学装置において画素電極9aを下層側と電気的に接続する場合に本発明を適用してもよい。
【0095】
[電子機器への搭載例]
(投射型表示装置および光学ユニットの構成例)
図12は、本発明を適用した投射型表示装置および光学ユニットの概略構成図であり、図12(a)、(b)は各々、透過型の電気光学装置を用いた投射型表示装置の説明図、および反射型の電気光学装置を用いた投射型表示装置の説明図である。
【0096】
図12(a)に示す投射型表示装置110は、液晶パネルとして透過型の液晶パネルを用いた例であるのに対して、図12(b)に示す投射型表示装置1000は、液晶パネルとして反射型の液晶パネルを用いた例である。但し、以下に説明するように、投射型表示装置110、1000はいずれも、光源部130、1021と、光源部130、1021から互いに異なる波長域の光が供給される複数の電気光学装置100と、複数の電気光学装置100から出射された光を合成して出射するクロスダイクロイックプリズム119、1027(光合成光学系)と、光合成光学系により合成された光を投射する投射光学系118、1029とを有している。また、投射型表示装置110、1000においては、電気光学装置100およびクロスダイクロイックプリズム119、1027(光合成光学系)を備えた光学ユニット200が用いられている。
【0097】
(投射型表示装置の第1例)
図12(a)に示す投射型表示装置110は、観察者側に設けられたスクリーン111に光を照射し、このスクリーン111で反射した光を観察する、いわゆる投影型の投射型表示装置である。投射型表示装置110は、光源112を備えた光源部130と、ダイクロイックミラー113、114と、液晶ライトバルブ115〜117と、投射光学系118と、クロスダイクロイックプリズム119(合成光学系)と、リレー系120とを備えている。
【0098】
光源112は、赤色光R、緑色光G、および青色光Bを含む光を供給する超高圧水銀ランプで構成されている。ダイクロイックミラー113は、光源112からの赤色光Rを透過させるとともに、緑色光G、および青色光Bを反射する構成となっている。また、ダイクロイックミラー114は、ダイクロイックミラー113で反射された緑色光Gおよび青色光Bのうち青色光Bを透過させるとともに緑色光Gを反射する構成となっている。このように、ダイクロイックミラー113、114は、光源112から出射した光を赤色光Rと緑色光Gと青色光Bとに分離する色分離光学系を構成する。
【0099】
ここで、ダイクロイックミラー113と光源112との間には、インテグレーター121および偏光変換素子122が光源112から順に配置されている。インテグレーター121は、光源112から照射された光の照度分布を均一化する構成となっている。また、偏光変換素子122は、光源112からの光を、例えばs偏光のような特定の振動方向を有する偏光にする構成となっている。
【0100】
液晶ライトバルブ115は、ダイクロイックミラー113を透過して反射ミラー123で反射した赤色光を画像信号に応じて変調する透過型の電気光学装置である。液晶ライトバルブ115は、λ/2位相差板115a、第1偏光板115b、電気光学装置100(赤色用液晶パネル100R)、および第2偏光板115dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ115に入射する赤色光Rは、ダイクロイックミラー113を透過しても光の偏光は変化しないことから、s偏光のままである。
【0101】
λ/2位相差板115aは、液晶ライトバルブ115に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板115bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、電気光学装置100(赤色用液晶パネル100R)は、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板115dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ115は、画像信号に応じて赤色光Rを変調し、変調した赤色光Rをクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
【0102】
なお、λ/2位相差板115a、および第1偏光板115bは、偏光を変換させない透光性のガラス板115eに接した状態で配置されており、λ/2位相差板115a、および第1偏光板115bが発熱によって歪むのを回避することができる。
【0103】
液晶ライトバルブ116は、ダイクロイックミラー113で反射した後にダイクロイックミラー114で反射した緑色光Gを画像信号に応じて変調する透過型の電気光学装置である。かかる液晶ライトバルブ116は、液晶ライトバルブ115と同様に、第1偏光板116b、電気光学装置100(緑色用液晶パネル100G)、および第2偏光板116dを備えている。液晶ライトバルブ116に入射する緑色光Gは、ダイクロイックミラー113、114で反射されて入射するs偏光である。第1偏光板116bは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。また、電気光学装置100(緑色用液晶パネル100G)は、s偏光を画像信号に応じた変調によってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。そして、第2偏光板116dは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ116は、画像信号に応じて緑色光Gを変調し、変調した緑色光Gをクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
【0104】
液晶ライトバルブ117は、ダイクロイックミラー113で反射し、ダイクロイックミラー114を透過した後でリレー系120を経た青色光Bを画像信号に応じて変調する透過型の電気光学装置である。かかる液晶ライトバルブ117は、液晶ライトバルブ115、116と同様に、λ/2位相差板117a、第1偏光板117b、電気光学装置100(青色用液晶パネル100B)、および第2偏光板117dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ117に入射する青色光Bは、ダイクロイックミラー113で反射してダイクロイックミラー114を透過した後にリレー系120の後述する2つの反射ミラー125a、125bで反射することから、s偏光となっている。
【0105】
λ/2位相差板117aは、液晶ライトバルブ117に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板117bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、電気光学装置100(青色用液晶パネル100B)は、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板117dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ117は、画像信号に応じて青色光Bを変調し、変調した青色光Bをクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。なお、λ/2位相差板117a、および第1偏光板117bは、ガラス板117eに接した状態で配置されている。
【0106】
リレー系120は、リレーレンズ124a、124bと反射ミラー125a、125bとを備えている。リレーレンズ124a、124bは、青色光Bの光路が長いことによる光損失を防止するために設けられている。ここで、リレーレンズ124aは、ダイクロイックミラー114と反射ミラー125aとの間に配置されている。また、リレーレンズ124bは、反射ミラー125a、125bの間に配置されている。反射ミラー125aは、ダイクロイックミラー114を透過してリレーレンズ124aから出射した青色光Bをリレーレンズ124bに向けて反射するように配置されている。また、反射ミラー125bは、リレーレンズ124bから出射した青色光Bを液晶ライトバルブ117に向けて反射するように配置されている。
【0107】
クロスダイクロイックプリズム119は、2つのダイクロイック膜119a、119bをX字型に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜119aは青色光Bを反射して緑色光Gを透過する膜であり、ダイクロイック膜119bは赤色光Rを反射して緑色光Gを透過する膜である。従って、クロスダイクロイックプリズム119は、液晶ライトバルブ115〜117の各々で変調された赤色光Rと緑色光Gと青色光Bとを合成し、投射光学系118に向けて出射するように構成されている。
【0108】
なお、液晶ライトバルブ115、117からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はs偏光であり、液晶ライトバルブ116からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はp偏光である。このようにクロスダイクロイックプリズム119に入射する光を異なる種類の偏光としていることで、クロスダイクロイックプリズム119において各液晶ライトバルブ115〜117から入射する光を合成できる。ここで、一般に、ダイクロイック膜119a、119bはs偏光の反射トランジスター特性に優れている。このため、ダイクロイック膜119a、119bで反射される赤色光R、および青色光Bをs偏光とし、ダイクロイック膜119a、119bを透過する緑色光Gをp偏光としている。投射光学系118は、投影レンズ(図示略)を有しており、クロスダイクロイックプリズム119で合成された光をスクリーン111に投射するように構成されている。
【0109】
(投射型表示装置の第2例)
図12(b)に示す投射型表示装置1000は、光源光を発生する光源部1021と、光源部1021から出射された光源光を赤色光R、緑色光G、および青色光Bの3色の色光に分離する色分離導光光学系1023と、色分離導光光学系1023から出射された各色の光源光によって照明される光変調部1025とを有している。また、投射型表示装置1000は、光変調部1025から出射された各色の像光を合成するクロスダイクロイックプリズム1027(合成光学系)と、クロスダイクロイックプリズム1027を経た像光をスクリーン(不図示)に投射する投射光学系1029とを備えている。
【0110】
かかる投射型表示装置1000において、光源部1021は、光源1021aと、一対のフライアイ光学系1021d、1021eと、偏光変換部材1021gと、重畳レンズ1021iとを備えている。本形態においては、光源部1021は、放物面からなるリフレクタ1021fを備えており、平行光を出射する。フライアイ光学系1021d、1021eは、システム光軸と直交する面内にマトリクス状に配置された複数の要素レンズからなり、これらの要素レンズによって光源光を分割して個別に集光・発散させる。偏光変換部材1021gは、フライアイ光学系1021eから出射した光源光を、例えば図面に平行なp偏光成分のみに変換して光路下流側光学系に供給する。重畳レンズ1021iは、偏光変換部材1021gを経た光源光を全体として適宜収束させることにより、光変調部1025に設けた複数の電気光学装置100を各々均一に重畳照明可能とする。
【0111】
色分離導光光学系1023は、クロスダイクロイックミラー1023aと、ダイクロイックミラー1023bと、反射ミラー1023j、1023kとを備える。色分離導光光学系1023において、光源部1021からの略白色の光源光は、クロスダイクロイックミラー1023aに入射する。クロスダイクロイックミラー1023aを構成する一方の第1ダイクロイックミラー1031aで反射された赤色光Rは、反射ミラー1023jで反射されダイクロイックミラー1023bを透過して、入射側偏光板1037r、p偏光を透過させる一方、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032r、および光学補償板1039rを介して、p偏光のまま、電気光学装置100(赤色用液晶パネル100R)に入射する。
【0112】
また、第1ダイクロイックミラー1031aで反射された緑色光Gは、反射ミラー1023jで反射され、その後、ダイクロイックミラー1023bでも反射されて、入射側偏光板1037g、p偏光を透過させる一方、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032g、および光学補償板1039gを介して、p偏光のまま、電気光学装置100(緑色用液晶パネル100G)に入射する。
【0113】
これに対して、クロスダイクロイックミラー1023aを構成する他方の第2ダイクロイックミラー1031bで反射された青色光Bは、反射ミラー1023kで反射されて、入射側偏光板1037b、p偏光を透過する一方、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032b、および光学補償板1039bを介して、p偏光のまま、電気光学装置100(青色用液晶パネル100B)に入射する。なお、光学補償板1039r、1039g、1039bは、電気光学装置100への入射光および出射光の偏光状態を調整することで、液晶層の特性を光学的に補償している。
【0114】
このように構成した投射型表示装置1000では、光学補償板1039r、1039g、1039bを経て入射した3色の光は各々、各電気光学装置100において変調される。その際、電気光学装置100から出射された変調光のうち、s偏光の成分光は、ワイヤーグリッド偏光板1032r、1032g、1032bで反射し、出射側偏光板1038r、1038g、1038bを介してクロスダイクロイックプリズム1027に入射する。クロスダイクロイックプリズム1027には、X字状に交差する第1誘電体多層膜1027aおよび第2誘電体多層膜1027bが形成されており、一方の第1誘電体多層膜1027aは赤色光Rを反射し、他方の第2誘電体多層膜1027bは青色光Bを反射する。従って、3色の光は、クロスダイクロイックプリズム1027において合成され、投射光学系1029に出射される。そして、投射光学系1029は、クロスダイクロイックプリズム1027で合成されたカラーの像光を、所望の倍率でスクリーン(図示せず。)に投射する。
【0115】
(他の投射型表示装置)
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
【0116】
(他の電子機器)
本発明を適用した電気光学装置100については、上記の電子機器の他にも、携帯電話機、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等の電子機器において直視型表示装置として用いてもよい。
【符号の説明】
【0117】
9a・・画素電極、10・・素子基板、20・・対向基板、45・・層間絶縁膜、45a・・コンタクトホール、48・・埋め込み膜、50・・液晶層、90・・コンタクト用導電膜、90a・・コンタクト用電極層、91a、92a・・導電性下地膜、100・・電気光学装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して画素電極が下層側に導通した構造の電気光学装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶装置や有機エレクトロルミネッセンス装置等の電気光学装置では、層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して画素電極が下層側に導通した構造が採用されている。かかる構造の電気光学装置において、画素電極の表面にコンタクトホールに起因する凹部が発生していると、表示品位の低下等の原因となる。例えば、液晶装置では、画素電極の表面側に配向膜を形成した際、配向膜の表面に凹部が発生し、液晶の配向が乱れる等の原因となる。また、有機エレクトロルミネッセンス装置の場合、画素電極の表面側に発光層を形成した際、発光層の厚さがばらつく等の原因となる。
【0003】
一方、反射型の液晶装置において、上記のコンタクト構造を採用するにあたって、層間絶縁膜上にコンタクトホールの底部および内壁に重なるチタン窒化膜(バリア層/コンタクト用電極層)と、コンタクトホールの内部を埋めるシリコン酸化膜(埋込部材層/埋め込み膜)とを設けるとともに、チタン窒化膜およびシリコン酸化膜の上層側にアルミニウム膜からなる画素電極を設け、画素電極とチタン窒化膜とをコンタクトホールの外部で導通させた構成が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
かかる特許文献1に記載の構成では、チタン窒化膜、およびシリコン酸化膜をこの順に成膜した後、エッチング時に生じるプラズマ中の一酸化炭素の発光スペクトル強度が急激に低下したところでシリコン酸化膜に対するエッチング処理を停止することが提案されている。かかる構成によれば、層間絶縁膜上に形成されたシリコン酸化膜を完全に除去することができるとともに、コンタクトホール内に残るシリコン酸化膜の上面位置を、層間絶縁膜の表面に形成されたチタン窒化膜の上面位置とほぼ同等な位置とすることができるので、画素電極の表面を平坦面とすることができると提案されている(特許文献1の段落[0059]〜[0060])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−37096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、エッチング時に生じるプラズマ中の一酸化炭素の発光スペクトル強度のモニター結果に基づいて、エッチングの終点を判定すると、チタン窒化膜と画素電極との間に導通不良が発生するおそれがある。具体的には、埋込部材層を構成するシリコン酸化膜を成膜した際、シリコン酸化膜の厚さが領域によってばらついていると、発光スペクトル強度が変化しても、シリコン酸化膜が厚く形成された領域にシリコン酸化膜が残ってしまい、チタン窒化膜と画素電極との間に導通不良が発生するおそれがある。また、コンタクトホールの外部のシリコン酸化膜をエッチングする際、シリコン酸化膜が薄く形成された領域では、チタン窒化膜もエッチングされてしまい、チタン窒化膜と画素電極との間に導通不良が発生するおそれがある。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、層間絶縁膜のコンタクトホールの内部にコンタクト用導電膜および埋め込み膜を設けた場合でも、コンタクトホールの外部で画素電極とコンタクト用導電膜とを確実に導通させることができる電気光学装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、基板の一方面側に層間絶縁膜を形成する層間絶縁膜形成工程と、前記層間絶縁膜にコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、前記コンタクトホールの底部、前記コンタクトホールの内壁、および前記層間絶縁膜の表面に重なるコンタクト用導電膜を形成するコンタクト用導電膜形成工程と、前記コンタクト用導電膜上に埋め込み膜を形成して前記コンタクトホールの内部を当該埋め込み膜により埋める埋め込み膜形成工程と、前記埋め込み膜に対して反応性イオンエッチングを行い、前記コンタクトホールの外部で前記コンタクト用導電膜と重なる前記埋め込み膜を該埋め込み膜と前記コンタクト用導電膜とのエッチング選択比により選択的に除去して前記コンタクト用導電膜を露出させる一方、前記コンタクトホールの内部には前記埋め込み膜を残す埋め込み膜エッチング工程と、前記コンタクト用導電膜上および前記埋め込み膜上に1層乃至複数層の導電性下地膜を形成する導電性下地膜形成工程と、前記導電性下地膜上に画素電極用導電膜を形成する画素電極用導電膜形成工程と、前記画素電極用導電膜および前記導電性下地膜をパターニングして複数の画素電極を形成するとともに、該複数の画素電極のうち、隣り合う画素電極の間に重なる前記コンタクト用導電膜を除去するパターニング工程と、を有し、前記コンタクト用導電膜には、前記反応性イオンエッチングの際の前記埋め込み膜に対するエッチング選択比が、前記反応性イオンエッチングにおける前記埋め込み膜に対する前記導電性下地膜のエッチング選択比より大きな導電材料を用いることを特徴とする。
【0009】
本発明では、層間絶縁膜上にコンタクトホールの底部および内壁に重なるコンタクト用導電膜を形成した後、コンタクトホールの内部を埋める埋め込み膜を形成し、その後、埋め込み膜エッチング工程において、埋め込み膜に対して反応性イオンエッチングを行い、コンタクト用導電膜を露出させる一方、コンタクトホールの内部には埋め込み膜を残す。その際、埋め込み膜とコンタクト用導電膜とのエッチング選択比を利用して、コンタクトホールの外部に形成されている埋め込み膜を完全に除去できるまでエッチングし、コンタクト用導電膜を露出させる。このため、コンタクトホールの外部において、埋め込み膜の厚さが領域によってばらついていた場合でも、コンタクト用導電膜の表面から埋め込み膜を確実に除去することができるので、コンタクト用導電膜と画素電極とを確実に導通させることができる。また、埋め込み膜の厚さが領域によってばらついていた場合でも、コンタクト用導電膜がエッチングにより除去されてしまうことを抑制できるので、コンタクト用導電膜と画素電極とを確実に導通させることができる。また、本形態では、画素電極の下層側に導電性下地膜を形成するが、かかる導電性下地膜は、埋め込み膜をエッチングした後、形成されるため、導電性下地膜については、埋め込み膜とのエッチング選択性という面での制約がない。このため、導電性下地膜については、画素電極に対するバリア層等の機能に最適な材料を選べばよい。逆にいえば、コンタクト用導電膜については、埋め込み膜とのエッチング選択比を優先して材料の選定を行うことができる。
【0010】
本発明において、前記反応性イオンエッチングでフッ素系のエッチングガスを用いる場合、前記コンタクト用導電膜には、前記フッ素系のエッチングガスを用いた際の前記埋め込み膜に対するエッチング選択比が、前記フッ素系のエッチングガスを用いた際の前記埋め込み膜に対する前記導電性下地膜のエッチング選択比より大きな導電材料を用いることを特徴とする。
【0011】
本発明において、前記埋め込み膜は、シリコン酸化膜であり、前記コンタクト用導電膜は、ITO(Indium Tin Oxide)膜である構成を採用することができる。かかる構成によれば、エッチング選択比として、以下の関係
埋め込み膜のエッチング速度:コンタクト用導電膜のエッチング速度=50以上:1
を実現することができる。
【0012】
本発明は、前記画素電極用導電膜が反射性金属膜である場合に適用すると効果的である。
【0013】
本発明において、前記画素電極用導電膜は、例えば、アルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜であり、この場合、前記導電性下地膜は、前記コンタクト用導電膜と前記画素電極用導電膜との反応を防止するバリア層である。かかる構成によれば、コンタクト用導電膜を構成するITO膜と、画素電極を構成するアルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜との間にバリア層が介在するので、ITO膜と、アルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜との反応を防止することができる。
【0014】
本発明において、前記バリア層は、例えば、チタン窒化膜あるいはチタン膜である。
【0015】
本発明において、前記層間絶縁膜形成工程の後、前記コンタクトホール形成工程の前に、前記層間絶縁膜の表面を平坦化する層間絶縁膜平坦化工程を有していることが好ましい。かかる構成によれば、コンタクトホールの外部に形成されている埋め込み膜の厚さが等しくなるので、コンタクトホールの外部に形成されている埋め込み膜を完全に除去できるまでエッチングする場合でも、過度のエッチングを防止することができる。
【0016】
本発明において、前記パターニング工程の後、前記画素電極の上層側に絶縁膜を形成し、その後、当該絶縁膜の表面を平坦化する絶縁膜平坦化工程を有していることが好ましい。かかる構成によれば、画素電極と重なる領域と、隣り合う画素電極の間に重なる領域とを連続した平坦面とすることができる。
【0017】
本発明において、前記反応性イオンエッチングを開始する時点では、前記埋め込み膜の上面側を平坦面にしておくことが好ましい。かかる構成によれば、埋め込み膜エッチング工程を終了した段階で、埋め込み膜の表面と、コンタクトホールの外部のコンタクト用導電膜の表面を連続した平坦面とすることができる。それ故、画素電極の表面を連続した平坦面とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の液晶パネルの説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置に用いた素子基板において隣り合う複数の画素の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の断面構成を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の製造方法を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の製造方法において、パターニング工程でハードマスクを除去した場合の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る電気光学装置の製造方法の要部を示す工程断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る電気光学装置の製造方法の要部を示す工程断面図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る電気光学装置の製造方法の要部を示す工程断面図である。
【図10】本発明の実施の形態5に係る電気光学装置の製造方法の要部を示す工程断面図である。
【図11】本発明の実施の形態6に係る電気光学装置の製造方法の要部を示す工程断面図である。
【図12】本発明を適用した電気光学装置を用いた投射型表示装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態として、各種の電気光学装置のうち、アクティブマトリクス型の液晶装置の製造方法に本発明を適用した例を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、電界効果型トランジスターを流れる電流の方向が反転する場合、ソースとドレインとが入れ替わるが、以下の説明では、便宜上、画素電極が接続されている側をドレインとし、データ線が接続されている側をソースとして説明する。また、素子基板に形成される層を説明する際、上層側あるいは表面側とは素子基板の基板本体が位置する側とは反対側(対向基板が位置する側)を意味し、下層側とは素子基板の基板本体が位置する側を意味する。また、対向基板に形成される層を説明する際、上層側あるいは表面側とは対向基板の基板本体が位置する側とは反対側(素子基板が位置する側)を意味し、下層側とは対向基板の基板本体が位置する側を意味する。
【0020】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。図1において、本形態の電気光学装置100は、TN(Twisted Nematic)モードやVA(Vertical Alignment)モードの液晶パネル100pを有する液晶装置であり、かかる液晶パネル100pは、その中央領域に複数の画素100aがマトリクス状に配列された画像表示領域10a(画素配列領域/有効画素領域)を備えている。液晶パネル100pにおいて、後述する素子基板10(図2等を参照)では、画像表示領域10aの内側で複数本のデータ線6aおよび複数本の走査線3aが縦横に延びており、それらの交差部分に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、電界効果型トランジスター(スイッチング素子)からなる画素トランジスター30、および後述する画素電極9aが形成されている。画素トランジスター30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、画素トランジスター30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、画素トランジスター30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。このようにして、電気光学装置100では、複数の画素100aの各々に対応して複数の画素電極9aおよび複数の画素トランジスター30が形成されている。
【0021】
素子基板10において、画像表示領域10aより外周側には走査線駆動回路104やデータ線駆動回路101が設けられている。データ線駆動回路101は各データ線6aに電気的に接続しており、画像処理回路から供給される画像信号を各データ線6aに順次供給する。走査線駆動回路104は、各走査線3aに電気的に接続しており、走査信号を各走査線3aに順次供給する。
【0022】
各画素100aにおいて、画素電極9aは、後述する対向基板20(図2等を参照)に形成された共通電極と液晶層を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に蓄積容量55が付加されている。本形態では、蓄積容量55を構成するために、素子基板10には、複数の画素100aに跨って延在する容量線5bが形成されており、容量線5bは、共通電位Vcomが印加された定電位配線6sに導通している。
【0023】
(液晶パネル100pおよび素子基板10の構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の液晶パネル100pの説明図であり、図2(a)、(b)は各々、液晶パネル100pを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
【0024】
図2に示すように、液晶パネル100pでは、素子基板10と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は対向基板20の外縁に沿うように枠状に設けられている。シール材107は、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバーあるいはガラスビーズ等のギャップ材107aが配合されている。液晶パネル100pにおいて、素子基板10と対向基板20との間のうち、シール材107によって囲まれた領域内には、各種液晶材料(電気光学物質)からなる液晶層50(電気光学物質層)が設けられている。本形態において、シール材107には、液晶注入口107cとして利用される途切れ部分が形成されており、かかる液晶注入口107cは、液晶材料の注入後、封止材108によって封止されている。
【0025】
かかる構成の液晶パネル100pにおいて、素子基板10および対向基板20はいずれも四角形であり、液晶パネル100pの略中央には、図1を参照して説明した画像表示領域10aが四角形の領域として設けられている。かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられ、画像表示領域10aの外側は、四角枠状の外周領域10cになっている。
【0026】
素子基板10において、外周領域10cでは、素子基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子電極102が形成されており、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。なお、端子電極102には、フレキシブル配線基板(図示せず)が接続されており、素子基板10には、フレキシブル配線基板を介して各種電位や各種信号が入力される。
【0027】
図3および図4等を参照して詳しくは後述するが、素子基板10の一方面10sおよび他方面10tのうち、対向基板20と対向する一方面10sの側において、画像表示領域10aには、図1を参照して説明した画素トランジスター30、および画素トランジスター30に電気的に接続する画素電極9aがマトリクス状に形成されており、かかる画素電極9aの上層側には配向膜16が形成されている。
【0028】
また、素子基板10の一方面10sの側において、画像表示領域10aより外側の外周領域10cのうち、画像表示領域10aとシール材107とに挟まれた四角枠状の周辺領域10bには、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9bが形成されている。ダミー画素電極9bは、隣り合うダミー画素電極9b同士が細幅の連結部(図示せず)で繋がっている。また、ダミー画素電極9bには、共通電位Vcomが印加されており、画像表示領域10aの外周側端部での液晶分子の配向の乱れを防止する。また、ダミー画素電極9bは、素子基板10において配向膜16が形成される面を研磨により平坦化する際、画像表示領域10aと周辺領域10bとの高さ位置の差を圧縮し、配向膜16が形成される面を平坦面にするのに寄与する。なお、ダミー画素電極9bに電位を印加せず、ダミー画素電極9bを電位的にフロート状態とする場合もあり、この場合でも、ダミー画素電極9bは、画像表示領域10aと周辺領域10bとの高さ位置の差を圧縮し、配向膜16が形成される面を平坦面にするのに寄与する。
【0029】
対向基板20の一方面20sおよび他方面20tのうち、素子基板10と対向する一方面20sの側には共通電極21が形成されている。共通電極21は、対向基板20の略全面あるいは複数の帯状電極として複数の画素100aに跨って形成されている。本形態において、共通電極21は、対向基板20の略全面に形成されている。
【0030】
また、対向基板20の一方面20sの側には、共通電極21の下層側に遮光層29が形成され、共通電極21の表面には配向膜26が積層されている。本形態において、遮光層29は、画像表示領域10aの外周縁に沿って延在する額縁部分29aとして形成されており、遮光層29の内周縁によって画像表示領域10aが規定されている。また、本形態において、遮光層29は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域10fに重なるブラックマトリクス部29bとしても形成されている。ここで、額縁部分29aはダミー画素電極9bと重なる位置に形成されており、額縁部分29aの外周縁は、シール材107の内周縁との間に隙間を隔てた位置にある。従って、額縁部分29aとシール材107とは重なっていない。
【0031】
液晶パネル100pにおいて、シール材107より外側には、対向基板20の一方面20sの側の4つの角部分に基板間導通用電極25が形成されており、素子基板10の一方面10sの側には、対向基板20の4つの角部分(基板間導通用電極25)と対向する位置に基板間導通用電極19が形成されている。本形態において、基板間導通用電極25は、共通電極21の一部からなる。基板間導通用電極19は、共通電位Vcomが印加された定電位配線6sに導通しており、定電位配線6sは、端子電極102のうち、共通電位印加用の端子電極102aに導通している。基板間導通用電極19と基板間導通用電極25との間には、導電粒子を含んだ基板間導通材109が配置されており、対向基板20の共通電極21は、基板間導通用電極19、基板間導通材109および基板間導通用電極25を介して、素子基板10側に電気的に接続されている。このため、共通電極21は、素子基板10の側から共通電位Vcomが印加されている。シール材107は、略同一の幅寸法をもって対向基板20の外周縁に沿って設けられている。このため、シール材107は、略四角形である。但し、シール材107は、対向基板20の角部分と重なる領域では基板間導通用電極19、25を避けて内側を通るように設けられており、シール材107の角部分は略円弧状である。
【0032】
本形態において、画素電極9aおよび共通電極21のうち、例えば、共通電極21をITO(Indium Tin Oxide)膜やIZO(Indium Zinc Oxide)膜等の透光性導電膜により形成し、画素電極9aをアルミニウム膜等の反射性導電膜により形成すれば、電気光学装置100を反射型の液晶装置として構成することができる。かかる反射型の液晶装置(電気光学装置100)では、素子基板10および対向基板20のうち、対向基板20の側から入射した光が素子基板10で反射して出射される間に変調されて画像を表示する。
【0033】
また、画素電極9aおよび共通電極21をITO膜やIZO膜等の透光性導電膜により形成すれば、電気光学装置100を透過型の液晶装置として構成することができる。かかる透過型の液晶装置(電気光学装置100)では、対向基板20の側から入射した光が素子基板10を透過して出射される間に変調されて画像を表示する。
【0034】
電気光学装置100は、モバイルコンピューター、携帯電話機等といった電子機器のカラー表示装置として用いることができ、この場合、対向基板20あるいは素子基板10には、カラーフィルター(図示せず)が形成される。また、電気光学装置100は、電子ペーパーとして用いることができる。また、電気光学装置100では、使用する液晶層50の種類や、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が液晶パネル100pに対して所定の向きに配置される。さらに、電気光学装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)において、RGB用のライトバルブとして用いることができる。この場合、RGB用の各電気光学装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになるので、カラーフィルターは形成されない。
【0035】
本形態において、電気光学装置100が、後述する投射型表示装置においてRGB用のライトバルブとして用いられる反射型の液晶装置である場合を中心に説明する。また、本形態において、電気光学装置100は、液晶層50として、誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を用いたVAモードの液晶パネル100pを備えている場合を中心に説明する。
【0036】
(画素100pの具体的構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100に用いた素子基板10において隣り合う複数の画素の平面図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の断面構成を示す説明図であり、図4(a)、(b)は、電気光学装置100のF−F′断面図、および画素電極9aのコンタクト部分を拡大して示す説明図である。なお、図3では、各層を以下の線
下層側の遮光層8a=細くて長い破線
半導体層1a=細くて短い点線
走査線3a=太い実線
ドレイン電極4a=細い実線
データ線6aおよび中継電極6b=細い一点鎖線
容量線5b=太い一点鎖線
上層側の遮光層7aおよび中継電極7b=細い二点鎖線
画素電極9a=太い破線
で示してある。また、図3では、互いの端部が重なり合う層については、層の形状等が分かりやすいように、端部の位置をずらしてある。
【0037】
図3に示すように、素子基板10において対向基板20と対向する一方面10sには、複数の画素100aの各々に画素電極9aが形成されており、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域10fに沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。本形態において、画素間領域10fは縦横に延在しており、走査線3aは画素間領域10fのうち、X方向(第1方向)に延在する第1画素間領域10gに沿って直線的に延在し、データ線6aは、Y方向(第2方向)に延在する第2画素間領域10hに沿って直線的に延在している。また、データ線6aと走査線3aとの交差に対応して画素トランジスター30が形成されており、本形態において、画素トランジスター30は、データ線6aと走査線3aとの交差領域およびその付近を利用して形成されている。素子基板10には容量線5bが形成されており、かかる容量線5bには共通電位Vcomが印加されている。本形態において、容量線5bは、走査線3aおよびデータ線6aに重なるように延在して格子状に形成されている。画素トランジスター30の上層側には遮光層7aが形成されており、かかる遮光層7aは、データ線6aに重なるように延在している。画素トランジスター30の下層側には遮光層8aが形成されており、かかる遮光層8aは、走査線3aと重なるように直線的に延びた主線部分と、データ線6aと走査線3aとの交差部分でデータ線6aに重なるように延びた副線部分とを備えている。
【0038】
図4に示すように、素子基板10は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体10wの液晶層50側の基板面(対向基板20と対向する一方面10s側)に形成された画素電極9a、画素スイッチング用の画素トランジスター30、および配向膜16を主体として構成されている。対向基板20は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20w、その液晶層50側の表面(素子基板10と対向する一方面20s)に形成された遮光層29、共通電極21、および配向膜26を主体として構成されている。
【0039】
素子基板10において、基板本体10wの一方面10s側には、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる下層側の遮光層8aが形成されている。本形態において、遮光層8aは、タングステンシリサイド(WSi)等の遮光膜からなり、電気光学装置100を透過した後の光が他の部材で反射した際、かかる反射光が半導体層1aに入射して画素トランジスター30で光電流に起因する誤動作が発生することを防止する。なお、遮光層8aを走査線として構成する場合もあり、この場合、後述するゲート電極3cと遮光層8aを導通させた構成とする。
【0040】
基板本体10wの一方面10s側において、遮光層8aの上層側には、透光性の絶縁膜12が形成されており、かかる絶縁膜12の表面側に、半導体層1aを備えた画素トランジスター30が形成されている。本形態において、絶縁膜12は、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG (ボロンリンシリケートガラス)等のシリコン酸化膜(シリケートガラスも含む。)や、シリコン窒化膜からなる。かかる絶縁膜12は、シランガス(SiH4)、2塩化シラン(SiCl2H2)、TEOS(テトラエトキシシラン/テトラ・エチル・オルソ・シリケート/Si(OC2H5)4)、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)等を用いた常圧CVD法、減圧CVD法、あるいはプラズマCVD法等により形成される。
【0041】
画素トランジスター30は、データ線6aの延在方向に長辺方向を向けた半導体層1aと、半導体層1aの長さ方向と直交する方向に延在して半導体層1aの長さ方向の中央部分に重なるゲート電極3cとを備えており、本形態において、ゲート電極3cは走査線3aの一部からなる。画素トランジスター30は、半導体層1aとゲート電極3cとの間に透光性のゲート絶縁層2を有している。半導体層1aは、ゲート電極3cに対してゲート絶縁層2を介して対向するチャネル領域1gを備えているとともに、チャネル領域1gの両側にソース領域1bおよびドレイン領域1cを備えている。本形態において、画素トランジスター30は、LDD構造を有している。従って、ソース領域1bおよびドレイン領域1cは各々、チャネル領域1gの両側に低濃度領域を備え、低濃度領域に対してチャネル領域1gとは反対側で隣接する領域に高濃度領域を備えている。
【0042】
半導体層1aは、ポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)等によって構成されている。ゲート絶縁層2は、半導体層1aを熱酸化したシリコン酸化膜からなる第1ゲート絶縁層2aと、温度が700〜900℃の高温条件での減圧CVD法により形成されたシリコン酸化膜からなる第2ゲート絶縁層2bとの2層構造からなる。ゲート電極3cおよび走査線3aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、ゲート電極3cは、導電性のポリシリコン膜とタングステンシリサイド膜との2層構造を有している。
【0043】
ゲート電極3cの上層側には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜41が形成され、層間絶縁膜41の上層には、ドレイン電極4aが形成されている。本形態において、層間絶縁膜41は、シリコン酸化膜からなる。ドレイン電極4aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、ドレイン電極4aはチタン窒化膜からなる。ドレイン電極4aは、半導体層1aのドレイン領域1c(画素電極側ソースドレイン領域)と一部が重なるように形成されており、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール41aを介してドレイン領域1cに導通している。
【0044】
ドレイン電極4aの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性のエッチングストッパー層46、および透光性の誘電体層40が形成されており、かかる誘電体層40の上層側には容量線5bが形成されている。誘電体層40としては、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等のシリコン化合物を用いることができる他、アルミニウム酸化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜等の高誘電率の誘電体層を用いることができる。容量線5bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、容量線5bは、チタン窒化膜、アルミニウム膜、およびチタン窒化膜との3層構造を有している。ここで、容量線5bは、誘電体層40を介してドレイン電極4aと重なっており、蓄積容量55を構成している。
【0045】
容量線5bの上層側には層間絶縁膜42が形成されており、かかる層間絶縁膜42の上層側には、データ線6aと中継電極6bとが同一の導電膜により形成されている。層間絶縁膜42はシリコン酸化膜からなる。データ線6aと中継電極6bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、データ線6aおよび中継電極6bは、アルミニウム合金膜や、チタン窒化膜とアルミニウム膜との2層乃至4層の積層膜からなる。データ線6aは、層間絶縁膜42、エッチングストッパー層46、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール42aを介してソース領域1b(データ線側ソースドレイン領域)に導通している。中継電極6bは、層間絶縁膜42およびエッチングストッパー層46を貫通するコンタクトホール42bを介してドレイン電極4aに導通している。
【0046】
データ線6aおよび中継電極6bの上層側にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜44が形成されており、かかる層間絶縁膜44の上層側には、遮光層7aおよび中継電極7bが同一の導電膜によって形成されている。層間絶縁膜44は、例えば、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜からなり、その表面は平坦化されている。遮光層7aおよび中継電極7bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、遮光層7aおよび中継電極7bは、アルミニウム合金膜や、チタン窒化膜とアルミニウム膜との2層乃至4層の積層膜からなる。中継電極7bは、層間絶縁膜44を貫通するコンタクトホール44aを介して中継電極6bに導通している。遮光層7aは、データ線6aと重なるように延在しており、遮光層として機能している。なお、遮光層7aを容量線5bと導通させて、シールド層として利用してもよい。
【0047】
遮光層7aおよび中継電極7bの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜45が形成されており、かかる層間絶縁膜45の上層側には、アルミニウム膜やアルミニウム合金膜等の反射性金属膜からなる画素電極9aが形成されている。本形態において、画素電極9aは、アルミニウム膜からなり、層間絶縁膜45は、シリコン酸化膜からなる。図4(b)等を参照して後述するように、画素電極9aは、層間絶縁膜45を貫通するコンタクトホール45aを介して中継電極7bに電気的に接続している。その結果、画素電極9aは、中継電極7b、中継電極6bおよびドレイン電極4aを介してドレイン領域1cに電気的に接続している。
【0048】
画素電極9aの表面には、ポリイミドや無機配向膜からなる配向膜16が形成されている。本形態において、配向膜16は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al2O3、In2O3、Sb2O3、Ta2O5等の斜方蒸着膜(傾斜垂直配向膜/無機配向膜)からなる。
【0049】
(対向基板20の構成)
対向基板20では、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20w(透光性基板)の液晶層50側の表面(素子基板10に対向する一方面20s)には、遮光層29、シリコン酸化膜等からなる絶縁膜28、およびITO膜等の透光性導電膜からなる共通電極21が形成されており、かかる共通電極21を覆うように、ポリイミドや無機配向膜からなる配向膜26が形成されている。本形態において、共通電極21はITO膜からなる。本形態において、配向膜26は、配向膜16と同様、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al2O3、In2O3、Sb2O3、Ta2O5等の斜方蒸着膜(傾斜垂直配向膜/無機配向膜)である。かかる配向膜16、26は、液晶層50に用いた誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を傾斜垂直配向させ、液晶パネル100pは、ノーマリブラックのVAモードとして動作する。本形態では、配向膜16、26として、各種無機配向膜のうち、シリコン酸化膜(SiOX)の斜方蒸着膜が用いられている。
【0050】
なお、図1および図2を参照して説明したデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104には、nチャネル型の駆動用トランジスターとpチャネル型の駆動用トランジスターとを備えた相補型トランジスター回路等が構成されている。ここで、駆動用トランジスターは、画素トランジスター30の製造工程の一部を利用して形成されたものである。このため、素子基板10においてデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104が形成されている領域も、図4(a)に示す断面構成と略同様な断面構成を有している。
【0051】
(画素電極9aのコンタクト部分の具体的構成)
図4(a)、(b)に示すように、本形態では、画素電極9aを中継電極7bに電気的に接続するにあたって、層間絶縁膜45には、層間絶縁膜45を貫通して中継電極7bまで到達したコンタクトホール45aが形成されている。層間絶縁膜45は、例えば、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜からなる。また、層間絶縁膜45は、NSG(ノンシリケートガラス)からなる下層側の第1絶縁膜と、BSG(ボロンシリケートガラス)からなる上層側の第2絶縁膜との構造を有している場合がある。いずれの場合も、層間絶縁膜45の表面は平坦化されている。
【0052】
本形態では、層間絶縁膜45上には、コンタクトホール45aの底部45eおよび内壁45fに重なるコンタクト用電極層90aが形成されており、コンタクト用電極層90aは、コンタクトホール45aの底部45eで中継電極7bに導通している。
【0053】
また、コンタクトホール45aの内部において、コンタクト用電極層90a上に形成された凹部は、埋め込み膜48によって埋められている。従って、コンタクト用電極層90aは、コンタクトホール45aの内部で埋め込み膜48によって覆われている。ここで、埋め込み膜48の上面にはわずかな凹部48aが発生しているが、かかる凹部48aは、平面サイズおよび深さ寸法のいずれにおいても、コンタクトホール45aと比較すると、極めて小さい。
【0054】
本形態において、コンタクト用電極層90aとしては、埋め込み膜48に対するエッチング選択比が、後述する導電性下地膜91aの埋め込み膜48に対するエッチング選択比より大きい材料が用いられている。より具体的には、本形態において、コンタクト用電極層90aはITO膜からなり、埋め込み膜48はシリコン酸化膜からなり、導電性下地膜91aはチタン窒化膜からなる。かかるシリコン酸化膜およびITO膜に対して、後述する反応性イオンエッチングを行う際にフッ素系のエッチングガスを用いると、エッチング速度は、以下の関係
シリコン酸化膜:ITO膜=50以上:1
シリコン酸化膜:チタン窒化膜=7:1
にある。
【0055】
本形態において、画素電極9aは、コンタクト用電極層90aおよび埋め込み膜48の上層側に形成されており、コンタクトホール45aの外部でコンタクト用電極層90aに電気的に接続している。ここで、コンタクト用電極層90aはITO膜からなり、画素電極9aはアルミニウム膜であり、かかる導電膜を直接、重ねるとITO膜中の酸素がアルミニウム膜に引き抜かれる腐食等が発生する。
【0056】
そこで、本形態では、まず、コンタクト用電極層90aおよび埋め込み膜48の上層側には、チタン窒化膜からなるバリア層が導電性下地膜91aとして形成されており、かかる導電性下地膜91aは、コンタクトホール45aの外部でコンタクト用電極層90aに重なって導通している。また、導電性下地膜91aの上層側には、アルミニウム膜からなる画素電極9aが形成されており、かかる画素電極9aは、導電性下地膜91aに重なって導通している。その結果、画素電極9aは、コンタクトホール45aの外部で導電性下地膜91aを介してコンタクト用電極層90aに電気的に接続し、導電性下地膜91aおよびコンタクト用電極層90aを介して中継電極7bに電気的に接続している。ここで、導電性下地膜91aおよびコンタクト用電極層90aは、画素電極9aと略同一の平面形状を有している。
【0057】
かかる構成によれば、コンタクトホール45aの内部が埋め込み膜48によって埋められているので、画素電極9aの表面には大きな凹部が発生していない。それ故、配向膜16を適正に形成することができる。
【0058】
なお、本形態では、画素電極9aの表面には、画素電極9aをパターニングする際に用いたシリコン酸化膜からなるハードマスク97a(エッチングマスク)が残っており、かかるハードマスク97aの上に配向膜16が形成されている。
【0059】
(電気光学装置100の製造方法)
図5は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の製造方法の要部を示す工程断面図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の製造方法において、パターニング工程でハードマスクを除去した場合の説明図である。なお、電気光学装置100を製造するにあたっては、素子基板10および対向基板20を多数取りできる大型基板の状態で途中の工程までを行い、その後、単品サイズに切断する。但し、以下の説明では、素子基板10の形成に用いられる大型基板も素子基板10として説明し、対向基板20の形成に用いられる大型基板も対向基板20として説明する。また、層間絶縁膜45を形成した以降の工程を中心に説明し、層間絶縁膜45を形成するまでの工程には周知の方法を採用することができるので、それらの説明を省略する。
【0060】
本形態の電気光学装置100の素子基板10を製造するには、層間絶縁膜形成工程において、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により層間絶縁膜45を素子基板10の全面に形成した後、層間絶縁膜平坦化工程において、層間絶縁膜45の表面を平坦化する。かかる層間絶縁膜平坦化工程では、化学機械研磨等を利用することができる。化学機械研磨では、研磨液に含まれる化学成分の作用と、研磨剤と素子基板10との相対移動によって、高速で平滑な研磨面を得ることができる。より具体的には、研磨装置において、不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等からなる研磨布(パッド)を貼り付けた定盤と、素子基板10を保持するホルダーとを相対回転させながら、研磨を行なう。その際、例えば、平均粒径が0.01〜20μmの酸化セリウム粒子、分散剤としてのアクリル酸エステル誘導体、および水を含む研磨剤を研磨布と素子基板10との間に供給する。
【0061】
層間絶縁膜平坦化工程の後、図5(a)に示すコンタクトホール形成工程では、フォトリソグラフィ技術を利用してレジストマスクを形成した後、エッチングを行って、層間絶縁膜45にコンタクトホール45aを形成する。
【0062】
次に、図5(b)に示すコンタクト用導電膜形成工程では、素子基板10の全面にコンタクト用導電膜90を形成する。その結果、コンタクト用導電膜90は、コンタクトホール45aの底部45e、コンタクトホールの内壁45f、および層間絶縁膜45の表面に重なる。本形態では、コンタクト用導電膜90として、ITO膜をスパッタ法等により形成する。
【0063】
次に、図5(c)に示す埋め込み膜形成工程では、素子基板10の全面に、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により、埋め込み膜48としてのシリコン酸化膜を形成する。その結果、コンタクト用導電膜90上に埋め込み膜48が形成されるとともに、コンタクトホール45aの内部は、埋め込み膜48によって埋められる。なお、埋め込み膜48の表面には、コンタクトホール45aに起因する凹部48eが形成されるが、かかる凹部48eは、サイズおよび深さの双方においてコンタクトホール45aより小さい。
【0064】
次に、図5(d)に示す埋め込み膜エッチング工程では、素子基板10の全面に対して、CHF3やCF4等のフッ素系のガスを用いて反応性イオンエッチングを行い、コンタクトホール45aの外部においてコンタクト用導電膜90と重なる埋め込み膜48を除去してコンタクト用導電膜90を露出させる。かかる工程の際、埋め込み膜48は、コンタクトホール45aの内部に残る。
【0065】
ここで、コンタクト用導電膜90および埋め込み膜48としては、エッチング選択比が大きい材料が用いられており、かかるエッチング選択比を利用して、コンタクトホール45aの外部でコンタクト用導電膜90と重なる埋め込み膜48を完全に除去する。より具体的には、本形態において、コンタクト用導電膜90はITO膜からなり、埋め込み膜48はシリコン酸化膜からなり、シリコン酸化膜およびITO膜のエッチング速度は、以下の関係
シリコン酸化膜:ITO膜=50以上:1
である。このため、エッチング時間を長めに設定すれば、コンタクトホール45aの外部でコンタクト用導電膜90と重なる埋め込み膜48を完全に除去することができる。その際、コンタクト用導電膜90もエッチングされるが、エッチング量はわずかであるため、支障はない。なお、エッチング時間を長めに設定したため、埋め込み膜48の上面にはわずかな凹部48aが発生する。但し、凹部48aは、平面サイズおよび深さ寸法のいずれにおいても、コンタクトホール45aと比較すると、極めて小さい。
【0066】
次に、図5(e)に示す導電性下地膜形成工程では、素子基板10の全面に、スパッタ法等により、チタン窒化膜からなる導電性下地膜91を形成する。
【0067】
次に、図5(f)に示す画素用導電膜形成工程では、素子基板10の全面に、スパッタ法等により、アルミニウム膜からなる画素電極用導電膜9を形成する。
【0068】
次に、図5(g)〜図5(j)に示すパターニング工程において、画素電極用導電膜9をパターニングして複数の画素電極9aを形成するとともに、複数の画素電極9aのうち、隣り合う画素電極9aの間に重なる導電性下地膜91およびコンタクト用導電膜90を除去する。かかるパターニング工程において、本形態では、エッチングマスクとしてハードマスク97aを用いる。従って、本形態では、以下に説明するように、パターニング工程を行う。
【0069】
まず、図5(g)に示すハードマスク用膜形成工程では、ハードマスク97aを形成するためのハードマスク用膜97として、プラズマCVD法等によりシリコン酸化膜を形成した後、図5(h)に示すレジストマスク形成工程では、フォトリソグラフィ技術を利用してハードマスク用膜97上にレジストマスク98aを形成する。
【0070】
この状態で、反応性イオンエッチングやプラズマエッチング等のドライエッチングを行うと、まず、ハードマスク用膜97のうち、レジストマスク98aから露出している部分がエッチングされ、図5(i)に示すように、ハードマスク97aが形成される。そして、塩素系ガス、フッ素系ガス、ヨウ素系ガスの順にエッチングガスを切り替えながら、反応性イオンエッチングやプラズマエッチング等のドライエッチングを行うと、図5(j)に示すように、画素電極用導電膜9、導電性下地膜91およびコンタクト用導電膜90が順次パターニングされる。その結果、複数の画素電極9a、導電性下地膜91aおよびコンタクト用電極層90aが形成されるとともに、隣り合う画素電極9aの間に重なる導電性下地膜91およびコンタクト用導電膜90が除去される。その間、エッチングガスに酸素を導入すると、レジストマスク98aが除去される。次に、斜方蒸着を行って、図4に示すように配向膜16を形成すれば、素子基板10が完成する。
【0071】
本形態では、図4および図5に示すように、パターニング工程を終了した時点でハードマスク97aが画素電極9a上に残る構成であり、かかるハードマスク97aは、画素電極9aに対する保護膜として利用することができる。これに対して、パターニング工程が終了するまでにハードマスク97aがエッチングされる構成を採用すれば、図6に示すように、画素電極9aの表面に配向膜16が形成される構造となる。なお、後述する実施の形態2〜6では、ハードマスク97aを残した形態を採用しているが、実施の形態2〜6のいずれにおいても、ハードマスク97aを除去した形態を採用してもよい。
【0072】
しかる後には、図2等を参照して説明したように、素子基板10と対向基板20とをシール材107で貼り合わせた後、減圧雰囲気中でシール材107の液晶注入口107cから液晶を注入し、しかる後に、シール材107の液晶注入口107cを封止材108で封止する。その間、所定のタイミングで大型基板を単品サイズの素子基板10や対向基板20に切断すれば、図2等を参照して説明した単品サイズの液晶パネル100pを得ることができる。
【0073】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態に係る電気光学装置100においては、層間絶縁膜45上にコンタクトホール45aの底部45eおよび内壁45fに重なるコンタクト用導電膜90を形成した後、コンタクトホール45aの内部を埋める埋め込み膜48を形成し、その後、埋め込み膜48に対して反応性イオンエッチングを行い、コンタクト用導電膜90を露出させる一方、コンタクトホール45aの内部には埋め込み膜48を残す。その際、埋め込み膜48とコンタクト用導電膜90とのエッチング選択比を利用して埋め込み膜48を選択的に除去してコンタクト用導電膜90を露出させる。このため、コンタクトホール45aの外部において、埋め込み膜48の厚さが領域によってばらついていた場合でも、コンタクト用導電膜90の表面から埋め込み膜48を確実に除去することができるので、コンタクト用電極層90aと画素電極9aとを確実に導通させることができる。また、埋め込み膜48の厚さが領域によってばらついていた場合でも、コンタクト用導電膜90がエッチングにより除去されてしまうことがないので、コンタクト用電極層90aと画素電極9aとを確実に導通させることができる。
【0074】
また、本形態において、埋め込み膜エッチング工程の後、画素電極用導電膜形成工程の前に導電性下地膜91を形成しておき、パターニング工程では、隣り合う画素電極9aの間に重なる導電性下地膜91を除去する。このため、画素電極9aの特性等を補完する目的で導電性下地膜91を形成する場合でも、かかる導電性下地膜91とは別にコンタクト用導電膜90を用いているので、コンタクト用導電膜90については、埋め込み膜とのエッチング選択比を優先して材料の選定を行うことができる。すなわち、埋め込み膜48がシリコン酸化膜であるので、コンタクト用導電膜90としては、ITO膜を用いることができる。それ故、導電性下地膜91に用いたチタン窒化膜をコンタクト用導電膜90として用いた場合には、埋め込み膜48とのエッチング選択比が小さいので、埋め込み膜48をエッチングした際、コンタクト用導電膜90がエッチングにより除去されてしまうおそれがあるが、本形態によれば、かかる問題が発生しにくい。
【0075】
また、本形態では、導電性下地膜91としてチタン窒化膜からなるバリア層を形成したため、コンタクト用導電膜90を構成するITO膜と、画素電極9aを構成するアルミニウム膜との反応を防止することができる。
【0076】
また、本形態では、層間絶縁膜45を形成した後、コンタクトホール45aを形成する前に、層間絶縁膜45の表面を平坦化する層間絶縁膜平坦化工程を行う。このため、コンタクトホール45aの外部では、コンタクト用導電膜90および導電性下地膜91を平坦面に形成することができるので、埋め込み膜48の厚さが領域によってばらつくことを抑制することができる。従って、埋め込み膜48を確実に除去する場合でも、エッチング時間を過度に長く設定する必要がないので、エッチング後、埋め込み膜48の上面に形成される凹部48aをより小さくすることができる。
【0077】
[実施の形態2]
図7は、本発明の実施の形態2に係る電気光学装置100の製造方法の要部を示す工程断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0078】
実施の形態1では、埋め込み膜48を形成した後、埋め込み膜48の表面に凹部48e(図5(c)参照)が存在するまま、埋め込み膜エッチング工程を行ったが、本形態では、図7を参照して以下に説明するように、反応性イオンエッチングを開始する時点では、埋め込み膜48の上面側を平坦面にしておく。
【0079】
より具体的には、図7(a)に示すように、埋め込み膜形成工程で埋め込み膜48をシリケートガラス等により形成した後、図7(b)に示すように、スピンコート法等により、レジストを塗布し、レジストを硬化させる。あるいは、スピンオングラスを塗布する。その結果、埋め込み膜48の上面側に、表面が平坦面になっている平坦化膜49を形成することができる。従って、埋め込み膜エッチング工程において反応性イオンエッチングを開始する時点では、埋め込み膜48の上面側(平坦化膜49の表面)が平坦面になっているので、図7(c)に示すように、反応性イオンエッチングを終了した際、コンタクトホール45aに残る埋め込み膜48の表面は平坦面(平面)であり、かつ、埋め込み膜48の表面は、コンタクト用導電膜90の表面と連続した平坦面(平面)を形成する。それ故、図7(d)に示すように、パターニング工程を行った時点で、画素電極9aの表面が平坦面になっているので、平坦面上に配向膜16を形成することができ、かかる平坦面上であれば、斜方蒸着によって配向膜16を好適に形成することができる。
【0080】
[実施の形態3]
図8は、本発明の実施の形態3に係る電気光学装置100の製造方法の要部を示す工程断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0081】
図8を参照して以下に説明するように、本形態でも、実施の形態2と同様、反応性イオンエッチングを開始する時点では、埋め込み膜48の上面側を平坦面にしておく。より具体的には、図8(a)に示すように、埋め込み膜形成工程で埋め込み膜48を形成した後、図8(b)に示すように、化学機械研磨等の方法により、埋め込み膜48を厚さ方向の途中位置まで研磨する。従って、埋め込み膜エッチング工程において反応性イオンエッチングを開始する時点では、埋め込み膜48の上面側が平坦面になっているので、図8(c)に示すように、反応性イオンエッチングを終了した際、コンタクトホール45aに残る埋め込み膜48の表面は平坦面(平面)であり、かつ、埋め込み膜48の表面は、コンタクト用導電膜90の表面と連続した平坦面(平面)を形成する。それ故、図8(d)に示すように、パターニング工程を行った時点で、画素電極9aの表面が平坦面になっているので、平坦面上に配向膜16を形成することができる。
【0082】
[実施の形態4]
図9は、本発明の実施の形態4に係る電気光学装置100の製造方法の要部を示す工程断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0083】
図9を参照して以下に説明するように、本形態でも、実施の形態2、3と同様、反応性イオンエッチングを開始する時点では、埋め込み膜48の上面側を平坦面にしておく。より具体的には、図9(a)に示すように、埋め込み膜形成工程において、スピンオングラスを塗布し、埋め込み膜48を形成する。従って、埋め込み膜エッチング工程において反応性イオンエッチングを開始する時点では、埋め込み膜48の上面側が平坦面になっているので、図9(b)に示すように、反応性イオンエッチングを終了した際、コンタクトホール45aに残る埋め込み膜48の表面は平坦面(平面)であり、かつ、埋め込み膜48の表面は、コンタクト用導電膜90の表面と連続した平坦面(平面)を形成する。それ故、図9(c)に示すように、パターニング工程を行った時点で、画素電極9aの表面が平坦面になっているので、平坦面上に配向膜16を形成することができる。
【0084】
[実施の形態5]
図10は、本発明の実施の形態5に係る電気光学装置100の製造方法の要部を示す工程断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0085】
実施の形態1では、パターニング工程の後、そのまま配向膜16を形成したが、本形態では、図10に示すように、画素電極9aの上層側に平坦化膜17を形成する。より具体的には、図10(a)に示すように、パターニング工程の後、画素電極9aの上層側にシリコン酸化膜等の絶縁膜17tを形成した後、絶縁膜17tの表面を化学機械研磨等の方法により平坦化する絶縁膜平坦化工程を行う。その結果、図10(b)に示すように、画素電極9aの上層側に、表面が連続した平坦面(平面)になっている平坦化膜17を形成することができる。それ故、図10(c)に示すように、平坦化膜17上に配向膜16を形成することができる。かかる構成によれば、画素電極9aと重なる領域と、隣り合う画素電極9aの間と重なる領域とが連続した平坦面(平面)になっているので、斜方蒸着により平坦化膜17を好適に形成することができる。
【0086】
[実施の形態6]
図11は、本発明の実施の形態6に係る電気光学装置100の製造方法の要部を示す工程断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0087】
図11に示すように、本形態でも、実施の形態5と同様、画素電極9aの上層側に、表面が連続した平坦面(平面)になっている平坦化膜17を形成する。かかる構成を採用するにあたって、本形態では、図11(a)に示すように、チタン窒化膜からなる導電性下地膜91aに加えて、チタン膜からなる導電性下地膜92aを加える。かかる構成は、図5を参照して説明した導電性下地膜形成工程において、チタン窒化膜からなる導電性下地膜91の後、チタンからなる導電性下地膜を形成することにより実現することができる。
【0088】
そして、パターニング工程の後、図11(b)に示すように、画素電極9aの上層側にシリコン酸化膜等の絶縁膜17tを形成し、次に、絶縁膜17tの表面を化学機械研磨により平坦化する絶縁膜平坦化工程を行う。その結果、図11(c)に示すように、画素電極9aの上層側に、表面が連続した平坦面(平面)になっている平坦化膜17を形成することができ、図11(d)に示すように、かかる平坦化膜17上に配向膜16を形成することができる。
【0089】
かかる構成によれば、化学機械研磨の際の熱がアルミニウム膜からなる画素電極9aに伝わっても、かかる熱は、画素電極9aと導電性下地膜92aとの間でアルミニウムとチタンとの合金化に使われるので、画素電極9aを構成するアルミニウム膜の表面が荒れない。それ故、画素電極9aに不要な凹凸が発生しないので、画素電極9aの表面では正反射が起こることになる。
【0090】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、埋め込み膜48としてシリコン酸化膜を用い、コンタクト用導電膜90としてITO膜を用いたが、他の材料の組み合わせであってもよい。例えば、埋め込み膜48については、樹脂以外の材料であって、CVD法やスパッタ法等で成膜でき、成膜時の流動性を有していることが好ましい。また、埋め込み膜48については、絶縁材料であることが好ましく、その点では、シリコン酸化膜が最も好ましいが、例えば、埋め込み膜48としてシリコン膜を用い、反応性イオンエッチングのエッチングガスとしてフッ化キセノンを用いれば、コンタクト用導電膜90として様々な材料を用いてもエッチング選択比が大きいという利点がある。
【0091】
上記実施の形態では、画素電極9aにアルミニウム膜を用いることにより、電気光学装置100を反射型の液晶装置として構成した場合を中心に説明したが、コンタクト用導電膜90および画素電極9aにITO膜等の透光性導電膜を用いて、電気光学装置100を透過型の液晶装置として構成してもよい。
【0092】
上記実施の形態では、画素電極9aのコンタクト部を中心に説明したが、コンタクト用導電膜90として形成したITO膜や、他の導電膜については、端子電極102の形成や、基板間導通用電極19の形成に用いてもよい。
【0093】
上記実施の形態では、配向膜16、26として無機配向膜を用いる場合を中心に説明したが、配向膜16、26としてポリイミド等の有機配向膜を用いた場合に本発明を適用してもよい。
【0094】
上記実施の形態では、電気光学装置100として液晶装置を中心に説明したが、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマ表示装置、電気泳動型表示装置等の電気光学装置において画素電極9aを下層側と電気的に接続する場合に本発明を適用してもよい。
【0095】
[電子機器への搭載例]
(投射型表示装置および光学ユニットの構成例)
図12は、本発明を適用した投射型表示装置および光学ユニットの概略構成図であり、図12(a)、(b)は各々、透過型の電気光学装置を用いた投射型表示装置の説明図、および反射型の電気光学装置を用いた投射型表示装置の説明図である。
【0096】
図12(a)に示す投射型表示装置110は、液晶パネルとして透過型の液晶パネルを用いた例であるのに対して、図12(b)に示す投射型表示装置1000は、液晶パネルとして反射型の液晶パネルを用いた例である。但し、以下に説明するように、投射型表示装置110、1000はいずれも、光源部130、1021と、光源部130、1021から互いに異なる波長域の光が供給される複数の電気光学装置100と、複数の電気光学装置100から出射された光を合成して出射するクロスダイクロイックプリズム119、1027(光合成光学系)と、光合成光学系により合成された光を投射する投射光学系118、1029とを有している。また、投射型表示装置110、1000においては、電気光学装置100およびクロスダイクロイックプリズム119、1027(光合成光学系)を備えた光学ユニット200が用いられている。
【0097】
(投射型表示装置の第1例)
図12(a)に示す投射型表示装置110は、観察者側に設けられたスクリーン111に光を照射し、このスクリーン111で反射した光を観察する、いわゆる投影型の投射型表示装置である。投射型表示装置110は、光源112を備えた光源部130と、ダイクロイックミラー113、114と、液晶ライトバルブ115〜117と、投射光学系118と、クロスダイクロイックプリズム119(合成光学系)と、リレー系120とを備えている。
【0098】
光源112は、赤色光R、緑色光G、および青色光Bを含む光を供給する超高圧水銀ランプで構成されている。ダイクロイックミラー113は、光源112からの赤色光Rを透過させるとともに、緑色光G、および青色光Bを反射する構成となっている。また、ダイクロイックミラー114は、ダイクロイックミラー113で反射された緑色光Gおよび青色光Bのうち青色光Bを透過させるとともに緑色光Gを反射する構成となっている。このように、ダイクロイックミラー113、114は、光源112から出射した光を赤色光Rと緑色光Gと青色光Bとに分離する色分離光学系を構成する。
【0099】
ここで、ダイクロイックミラー113と光源112との間には、インテグレーター121および偏光変換素子122が光源112から順に配置されている。インテグレーター121は、光源112から照射された光の照度分布を均一化する構成となっている。また、偏光変換素子122は、光源112からの光を、例えばs偏光のような特定の振動方向を有する偏光にする構成となっている。
【0100】
液晶ライトバルブ115は、ダイクロイックミラー113を透過して反射ミラー123で反射した赤色光を画像信号に応じて変調する透過型の電気光学装置である。液晶ライトバルブ115は、λ/2位相差板115a、第1偏光板115b、電気光学装置100(赤色用液晶パネル100R)、および第2偏光板115dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ115に入射する赤色光Rは、ダイクロイックミラー113を透過しても光の偏光は変化しないことから、s偏光のままである。
【0101】
λ/2位相差板115aは、液晶ライトバルブ115に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板115bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、電気光学装置100(赤色用液晶パネル100R)は、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板115dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ115は、画像信号に応じて赤色光Rを変調し、変調した赤色光Rをクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
【0102】
なお、λ/2位相差板115a、および第1偏光板115bは、偏光を変換させない透光性のガラス板115eに接した状態で配置されており、λ/2位相差板115a、および第1偏光板115bが発熱によって歪むのを回避することができる。
【0103】
液晶ライトバルブ116は、ダイクロイックミラー113で反射した後にダイクロイックミラー114で反射した緑色光Gを画像信号に応じて変調する透過型の電気光学装置である。かかる液晶ライトバルブ116は、液晶ライトバルブ115と同様に、第1偏光板116b、電気光学装置100(緑色用液晶パネル100G)、および第2偏光板116dを備えている。液晶ライトバルブ116に入射する緑色光Gは、ダイクロイックミラー113、114で反射されて入射するs偏光である。第1偏光板116bは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。また、電気光学装置100(緑色用液晶パネル100G)は、s偏光を画像信号に応じた変調によってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。そして、第2偏光板116dは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ116は、画像信号に応じて緑色光Gを変調し、変調した緑色光Gをクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
【0104】
液晶ライトバルブ117は、ダイクロイックミラー113で反射し、ダイクロイックミラー114を透過した後でリレー系120を経た青色光Bを画像信号に応じて変調する透過型の電気光学装置である。かかる液晶ライトバルブ117は、液晶ライトバルブ115、116と同様に、λ/2位相差板117a、第1偏光板117b、電気光学装置100(青色用液晶パネル100B)、および第2偏光板117dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ117に入射する青色光Bは、ダイクロイックミラー113で反射してダイクロイックミラー114を透過した後にリレー系120の後述する2つの反射ミラー125a、125bで反射することから、s偏光となっている。
【0105】
λ/2位相差板117aは、液晶ライトバルブ117に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板117bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、電気光学装置100(青色用液晶パネル100B)は、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板117dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ117は、画像信号に応じて青色光Bを変調し、変調した青色光Bをクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。なお、λ/2位相差板117a、および第1偏光板117bは、ガラス板117eに接した状態で配置されている。
【0106】
リレー系120は、リレーレンズ124a、124bと反射ミラー125a、125bとを備えている。リレーレンズ124a、124bは、青色光Bの光路が長いことによる光損失を防止するために設けられている。ここで、リレーレンズ124aは、ダイクロイックミラー114と反射ミラー125aとの間に配置されている。また、リレーレンズ124bは、反射ミラー125a、125bの間に配置されている。反射ミラー125aは、ダイクロイックミラー114を透過してリレーレンズ124aから出射した青色光Bをリレーレンズ124bに向けて反射するように配置されている。また、反射ミラー125bは、リレーレンズ124bから出射した青色光Bを液晶ライトバルブ117に向けて反射するように配置されている。
【0107】
クロスダイクロイックプリズム119は、2つのダイクロイック膜119a、119bをX字型に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜119aは青色光Bを反射して緑色光Gを透過する膜であり、ダイクロイック膜119bは赤色光Rを反射して緑色光Gを透過する膜である。従って、クロスダイクロイックプリズム119は、液晶ライトバルブ115〜117の各々で変調された赤色光Rと緑色光Gと青色光Bとを合成し、投射光学系118に向けて出射するように構成されている。
【0108】
なお、液晶ライトバルブ115、117からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はs偏光であり、液晶ライトバルブ116からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はp偏光である。このようにクロスダイクロイックプリズム119に入射する光を異なる種類の偏光としていることで、クロスダイクロイックプリズム119において各液晶ライトバルブ115〜117から入射する光を合成できる。ここで、一般に、ダイクロイック膜119a、119bはs偏光の反射トランジスター特性に優れている。このため、ダイクロイック膜119a、119bで反射される赤色光R、および青色光Bをs偏光とし、ダイクロイック膜119a、119bを透過する緑色光Gをp偏光としている。投射光学系118は、投影レンズ(図示略)を有しており、クロスダイクロイックプリズム119で合成された光をスクリーン111に投射するように構成されている。
【0109】
(投射型表示装置の第2例)
図12(b)に示す投射型表示装置1000は、光源光を発生する光源部1021と、光源部1021から出射された光源光を赤色光R、緑色光G、および青色光Bの3色の色光に分離する色分離導光光学系1023と、色分離導光光学系1023から出射された各色の光源光によって照明される光変調部1025とを有している。また、投射型表示装置1000は、光変調部1025から出射された各色の像光を合成するクロスダイクロイックプリズム1027(合成光学系)と、クロスダイクロイックプリズム1027を経た像光をスクリーン(不図示)に投射する投射光学系1029とを備えている。
【0110】
かかる投射型表示装置1000において、光源部1021は、光源1021aと、一対のフライアイ光学系1021d、1021eと、偏光変換部材1021gと、重畳レンズ1021iとを備えている。本形態においては、光源部1021は、放物面からなるリフレクタ1021fを備えており、平行光を出射する。フライアイ光学系1021d、1021eは、システム光軸と直交する面内にマトリクス状に配置された複数の要素レンズからなり、これらの要素レンズによって光源光を分割して個別に集光・発散させる。偏光変換部材1021gは、フライアイ光学系1021eから出射した光源光を、例えば図面に平行なp偏光成分のみに変換して光路下流側光学系に供給する。重畳レンズ1021iは、偏光変換部材1021gを経た光源光を全体として適宜収束させることにより、光変調部1025に設けた複数の電気光学装置100を各々均一に重畳照明可能とする。
【0111】
色分離導光光学系1023は、クロスダイクロイックミラー1023aと、ダイクロイックミラー1023bと、反射ミラー1023j、1023kとを備える。色分離導光光学系1023において、光源部1021からの略白色の光源光は、クロスダイクロイックミラー1023aに入射する。クロスダイクロイックミラー1023aを構成する一方の第1ダイクロイックミラー1031aで反射された赤色光Rは、反射ミラー1023jで反射されダイクロイックミラー1023bを透過して、入射側偏光板1037r、p偏光を透過させる一方、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032r、および光学補償板1039rを介して、p偏光のまま、電気光学装置100(赤色用液晶パネル100R)に入射する。
【0112】
また、第1ダイクロイックミラー1031aで反射された緑色光Gは、反射ミラー1023jで反射され、その後、ダイクロイックミラー1023bでも反射されて、入射側偏光板1037g、p偏光を透過させる一方、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032g、および光学補償板1039gを介して、p偏光のまま、電気光学装置100(緑色用液晶パネル100G)に入射する。
【0113】
これに対して、クロスダイクロイックミラー1023aを構成する他方の第2ダイクロイックミラー1031bで反射された青色光Bは、反射ミラー1023kで反射されて、入射側偏光板1037b、p偏光を透過する一方、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032b、および光学補償板1039bを介して、p偏光のまま、電気光学装置100(青色用液晶パネル100B)に入射する。なお、光学補償板1039r、1039g、1039bは、電気光学装置100への入射光および出射光の偏光状態を調整することで、液晶層の特性を光学的に補償している。
【0114】
このように構成した投射型表示装置1000では、光学補償板1039r、1039g、1039bを経て入射した3色の光は各々、各電気光学装置100において変調される。その際、電気光学装置100から出射された変調光のうち、s偏光の成分光は、ワイヤーグリッド偏光板1032r、1032g、1032bで反射し、出射側偏光板1038r、1038g、1038bを介してクロスダイクロイックプリズム1027に入射する。クロスダイクロイックプリズム1027には、X字状に交差する第1誘電体多層膜1027aおよび第2誘電体多層膜1027bが形成されており、一方の第1誘電体多層膜1027aは赤色光Rを反射し、他方の第2誘電体多層膜1027bは青色光Bを反射する。従って、3色の光は、クロスダイクロイックプリズム1027において合成され、投射光学系1029に出射される。そして、投射光学系1029は、クロスダイクロイックプリズム1027で合成されたカラーの像光を、所望の倍率でスクリーン(図示せず。)に投射する。
【0115】
(他の投射型表示装置)
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
【0116】
(他の電子機器)
本発明を適用した電気光学装置100については、上記の電子機器の他にも、携帯電話機、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等の電子機器において直視型表示装置として用いてもよい。
【符号の説明】
【0117】
9a・・画素電極、10・・素子基板、20・・対向基板、45・・層間絶縁膜、45a・・コンタクトホール、48・・埋め込み膜、50・・液晶層、90・・コンタクト用導電膜、90a・・コンタクト用電極層、91a、92a・・導電性下地膜、100・・電気光学装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一方面側に層間絶縁膜を形成する層間絶縁膜形成工程と、
前記層間絶縁膜にコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、
前記コンタクトホールの底部、前記コンタクトホールの内壁、および前記層間絶縁膜の表面に重なるコンタクト用導電膜を形成するコンタクト用導電膜形成工程と、
前記コンタクト用導電膜上に埋め込み膜を形成して前記コンタクトホールの内部を当該埋め込み膜により埋める埋め込み膜形成工程と、
前記埋め込み膜に対して反応性イオンエッチングを行い、前記コンタクトホールの外部で前記コンタクト用導電膜と重なる前記埋め込み膜を該埋め込み膜と前記コンタクト用導電膜とのエッチング選択比により選択的に除去して前記コンタクト用導電膜を露出させる一方、前記コンタクトホールの内部には前記埋め込み膜を残す埋め込み膜エッチング工程と、
前記コンタクト用導電膜上および前記埋め込み膜上に1層乃至複数層の導電性下地膜を形成する導電性下地膜形成工程と、
前記導電性下地膜上に画素電極用導電膜を形成する画素電極用導電膜形成工程と、
前記画素電極用導電膜および前記導電性下地膜をパターニングして複数の画素電極を形成するとともに、該複数の画素電極のうち、隣り合う画素電極の間に重なる前記コンタクト用導電膜を除去するパターニング工程と、
を有し、
前記コンタクト用導電膜には、前記反応性イオンエッチングの際の前記埋め込み膜に対するエッチング選択比が、前記反応性イオンエッチングにおける前記埋め込み膜に対する前記導電性下地膜のエッチング選択比より大きな導電材料を用いることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項2】
前記反応性イオンエッチングでは、フッ素系のエッチングガスを用い、
前記コンタクト用導電膜には、前記フッ素系のエッチングガスを用いた際の前記埋め込み膜に対するエッチング選択比が、前記フッ素系のエッチングガスを用いた際の前記埋め込み膜に対する前記導電性下地膜のエッチング選択比より大きな導電材料を用いることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項3】
前記埋め込み膜は、シリコン酸化膜であり、
前記コンタクト用導電膜は、ITO(Indium Tin Oxide)膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項4】
前記画素電極用導電膜は、反射性金属膜であることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項5】
前記画素電極用導電膜は、アルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜であり、
前記導電性下地膜は、前記コンタクト用導電膜と前記画素電極用導電膜との反応を防止するバリア層であることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項6】
前記バリア層は、チタン窒化膜あるいはチタン膜であることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項7】
前記層間絶縁膜形成工程の後、前記コンタクトホール形成工程の前に、前記層間絶縁膜の表面を平坦化する層間絶縁膜平坦化工程を有していることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項8】
前記パターニング工程の後、前記画素電極の上層側に絶縁膜を形成し、
その後、当該絶縁膜の表面を平坦化する絶縁膜平坦化工程を有していることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項9】
前記反応性イオンエッチングを開始する時点では、前記埋め込み膜の上面側を平坦面にしておくことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項1】
基板の一方面側に層間絶縁膜を形成する層間絶縁膜形成工程と、
前記層間絶縁膜にコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、
前記コンタクトホールの底部、前記コンタクトホールの内壁、および前記層間絶縁膜の表面に重なるコンタクト用導電膜を形成するコンタクト用導電膜形成工程と、
前記コンタクト用導電膜上に埋め込み膜を形成して前記コンタクトホールの内部を当該埋め込み膜により埋める埋め込み膜形成工程と、
前記埋め込み膜に対して反応性イオンエッチングを行い、前記コンタクトホールの外部で前記コンタクト用導電膜と重なる前記埋め込み膜を該埋め込み膜と前記コンタクト用導電膜とのエッチング選択比により選択的に除去して前記コンタクト用導電膜を露出させる一方、前記コンタクトホールの内部には前記埋め込み膜を残す埋め込み膜エッチング工程と、
前記コンタクト用導電膜上および前記埋め込み膜上に1層乃至複数層の導電性下地膜を形成する導電性下地膜形成工程と、
前記導電性下地膜上に画素電極用導電膜を形成する画素電極用導電膜形成工程と、
前記画素電極用導電膜および前記導電性下地膜をパターニングして複数の画素電極を形成するとともに、該複数の画素電極のうち、隣り合う画素電極の間に重なる前記コンタクト用導電膜を除去するパターニング工程と、
を有し、
前記コンタクト用導電膜には、前記反応性イオンエッチングの際の前記埋め込み膜に対するエッチング選択比が、前記反応性イオンエッチングにおける前記埋め込み膜に対する前記導電性下地膜のエッチング選択比より大きな導電材料を用いることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項2】
前記反応性イオンエッチングでは、フッ素系のエッチングガスを用い、
前記コンタクト用導電膜には、前記フッ素系のエッチングガスを用いた際の前記埋め込み膜に対するエッチング選択比が、前記フッ素系のエッチングガスを用いた際の前記埋め込み膜に対する前記導電性下地膜のエッチング選択比より大きな導電材料を用いることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項3】
前記埋め込み膜は、シリコン酸化膜であり、
前記コンタクト用導電膜は、ITO(Indium Tin Oxide)膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項4】
前記画素電極用導電膜は、反射性金属膜であることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項5】
前記画素電極用導電膜は、アルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜であり、
前記導電性下地膜は、前記コンタクト用導電膜と前記画素電極用導電膜との反応を防止するバリア層であることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項6】
前記バリア層は、チタン窒化膜あるいはチタン膜であることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項7】
前記層間絶縁膜形成工程の後、前記コンタクトホール形成工程の前に、前記層間絶縁膜の表面を平坦化する層間絶縁膜平坦化工程を有していることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項8】
前記パターニング工程の後、前記画素電極の上層側に絶縁膜を形成し、
その後、当該絶縁膜の表面を平坦化する絶縁膜平坦化工程を有していることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項9】
前記反応性イオンエッチングを開始する時点では、前記埋め込み膜の上面側を平坦面にしておくことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−255960(P2012−255960A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129877(P2011−129877)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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