説明

電気光学装置及び電子機器

【課題】例えば液晶装置の部品コストの上昇を抑えつつ、その動作時における温度上昇を抑制する。
【解決手段】防塵用基板(210)は、相互に貼り合わせられた水晶基板(212)及び石英基板(211)、並びにこれら基板を相互に接着する接着層(213)を備えて構成されている。水晶はSiO2の結晶体である石英に比べて結晶度が高い(即ち結晶サイズが相対的に大きい)ため、石英に比べて、熱伝導率が高い。よって、石英基板(211)のみで防塵用基板210を構成する場合に比べて、防塵用基板(210)による液晶装置1の放熱性を高めることが可能である。加えて、防塵用基板(210)によれば、防塵用基板210全体を水晶で構成する場合に比べて、防塵用基板(210)の部品コストの増大を抑制することができ、これに伴い液晶装置1の部品コストの増大も抑制することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた、例えば液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置の一例である液晶パネルでは、当該液晶パネルが液晶プロジェクタにおけるライトバルブとして用いられる場合、スクリーン上に拡大投射された像に粉塵の像が映り込まないように、ライトバルブの表面へのごみや埃等(以下、単に「粉塵」という。)の付着を防止する防塵用基板が設けられることが多い(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−350291号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、プロジェクタでは、光源から強力な光が出射されるため、ライトバルブとして用いられる液晶パネルの温度が上昇してしまい、液晶パネルによる光の変調機能低下させてしまうと共に、その信頼性も低下させてしまう。これに伴い、当該液晶プロジェクタの表示性能も低下させてしまう問題点がある。このような問題点を解消するために、防塵用基板の全体を熱伝導率が高い水晶で構成した場合、石英基板或いはガラス基板で構成する場合に比べてコストが著しく増大してしまう問題点が生じる。
【0005】
よって、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、例えば部品コストの上昇を抑えつつ、動作時における温度上昇を抑制できる液晶パネル等の電気光学装置及び電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、電気光学物質を狭持する一対の基板と、前記一対の基板の少なくとも一方の基板における前記電気光学物質と対向しない側に配置されており、相互に貼り合わせられた水晶基板及び石英基板を有する防塵用基板とを備える。
【0007】
本発明に係る電気光学装置によれば、防塵用基板全体を水晶で構成する場合に比べて、防塵用基板の部品コストの上昇を抑制することができ、これに伴い電気光学装置の部品コストの増大も抑制することが可能である。水晶及び石英の夫々の組成はSiO2で同一であるが、水晶はSiO2の結晶体である石英に比べて結晶度が高い(即ち結晶サイズが相対的に大きい)ため、石英に比べて、熱伝導率が高い。よって、本発明に係る電気光学装置によれば、石英基板のみで防塵用基板を構成する場合に比べて、防塵用基板による電気光学装置の放熱性を高めることが可能である。
【0008】
したがって、本発明に係る電気光学装置によれば、その動作時における電気光学装置の温度上昇を抑制することが可能であり、電気光学装置が光を変調する変調機能の低下を抑制できる。加えて、電気光学装置の部品コストの増大も抑制できる。
【0009】
本発明に係る電気光学装置の一の態様では、前記水晶基板は、前記石英基板より前記一方の基板に近い位置に配置されていてもよい。
【0010】
この態様によれば、一対の基板を含む電気光学装置本体で発生した熱エネルギーが石英語基板に蓄積される前に水晶基板を介して当該熱エネルギーを電気光学装置の外部に逃すことが可能である。したがって、石英基板が水晶基板に比べて電気光学装置本体に近い位置に配置されている場合に比べて、電気光学装置の温度上昇をより一層抑制できる。
【0011】
本発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記水晶基板のサイズは、平面的に見て前記石英基板のサイズより大きくてもよい。
【0012】
この態様によれば、水晶基板のサイズが大きいことによって熱エネルギーが放出される表面積が多くなり、電気光学装置の温度上昇をより一層抑制できる。
【0013】
本発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記水晶基板の基板面は、前記水晶基板の光学軸に沿って延びていてもよい。
【0014】
この態様によれば、石英基板を透過した光を水晶基板で変調することなく、電気光学装置の外部に出射可能である。したがって、この態様によれば、水晶基板は、光学補償板の機能を有しておらず、電気光学装置による光の変調機能或いは画像の表示機能を低下させることがない。
【0015】
本発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記防塵用基板は、前記水晶基板の屈折率と、前記石英基板の屈折率との間の屈折率を有し、且つ前記水晶基板及び前記石英基板を相互に接着する接着層とを有していてもよい。
【0016】
この態様によれば、水晶基板及び石英基板の夫々の屈折率より大きい屈折率や小さい屈折率を有する接着層を設ける場合に比べて、電気光学装置による光の変調機能或いは画像の表示機能に与える影響を小さくできる。
【0017】
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様を含む)を備える。
【0018】
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の電気光学装置を備えてなるので、高品質な画像を表示可能な透過型或いはLCOS技術を用いた反射型の液晶装置を含む投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
【0019】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る電気光学装置及び電子機器の各実施形態を説明する。尚、以下の図では、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材毎に縮尺を異ならしめている。また、以下の実施形態では、電気光学装置の一例として、駆動回路内蔵型のTFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリックス駆動方式の液晶装置を挙げる。
【0021】
<液晶装置>
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに、図1は、本実施形態に係る液晶装置の全体構成を示す斜視図であり、図2は、図1のA−A´線断面図である。
【0022】
図1及び図2において、本実施形態に係る液晶装置1は、液晶パネル100と、該液晶パネル100を収容するフレーム310及びフック320と、後述する液晶パネル100の外部回路接続端子に電気的に接続された配線基板330とを備えて構成されている。
【0023】
液晶パネル100は、接着剤340によって、フレーム310に接着されることにより固定されている。液晶パネル100は、液晶を狭持するTFTアレイ基板10及び対向基板20と、該TFTアレイ基板10及び対向基板20各々の液晶と対向しない側に配置された防塵ガラス210及び220とを備えて構成されている。ここに、本実施形態に係る「液晶」、「TFTアレイ基板10及び対向基板20」及び「防塵ガラス210及び220」は、夫々、本発明に係る「電気光学物質」、「一対の基板」及び「防塵用基板」の一例である。
【0024】
ここで、図3及び図4を参照しながら、液晶パネル100の詳細な構成を説明する。図3は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図であり、図4は、図3のH−H´線断面図である。尚、図4では、説明の便宜上、図2で示した接着剤231及び232等を省略して示している。
【0025】
図3及び図4において、液晶パネル100では、TFTアレイ基板10及び対向基板20が対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に、液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0026】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂、又は紫外線・熱併用型硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(即ち、ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。尚、ギャップ材を、シール材52に混入されるものに加えて若しくは代えて、画像表示領域10a又は画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域に、配置するようにしてもよい。
【0027】
図3において、シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aを規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
【0028】
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に沿ったシール領域よりも内側にサンプリング回路7が額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿ったシール領域52aの内側の額縁領域に、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。
【0029】
TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。更に、外部回路接続端子102と、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104、上下導通端子106等とを電気的に接続するための引回配線90が形成されている。
【0030】
図4において、TFTアレイ基板10上には、駆動素子である画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。この積層構造の詳細な構成については図4では図示を省略してあるが、この積層構造の上に、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる画素電極9aが、画素毎に所定のパターンで島状に形成されている。
【0031】
画素電極9aは、後述する対向電極21に対向するように、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aに形成されている。TFTアレイ基板10における液晶層50の面する側の表面、即ち画素電極9a上には、配向膜16が画素電極9aを覆うように形成されている。
【0032】
対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば対向基板20における対向面上に平面的に見て、格子状に形成されている。対向基板20において、遮光膜23によって非開口領域が規定され、遮光膜23によって区切られた領域が、例えばプロジェクタ用のランプや直視用のバックライトから出射された光を透過させる開口領域となる。尚、遮光膜23をストライプ状に形成し、該遮光膜23と、TFTアレイ基板10側に設けられたデータ線等の各種構成要素とによって、非開口領域を規定するようにしてもよい。
【0033】
遮光膜23上に、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向して形成されている。遮光膜23上に、画像表示領域10aにおいてカラー表示を行うために、開口領域及び非開口領域の一部を含む領域に、図4には図示しないカラーフィルタが形成されるようにしてもよい。対向基板20の対向面上における、対向電極21上には、配向膜22が形成されている。
【0034】
尚、図3及び図4に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104、サンプリング回路7等に加えて、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該液晶装置1の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0035】
再び、図1及び図2において、TFTアレイ基板10と防塵ガラス210とは、例えばシリコン樹脂からなる接着剤231によって相互に接着されており、対向基板20と防塵ガラス220とは、例えばシリコン樹脂からなる接着剤232によって相互に接着されている。
【0036】
防塵用基板210は、相互に貼り合わせられた水晶基板212及び石英基板211、並びにこれら基板を相互に接着する接着材層213を備えて構成されている。水晶及び石英の夫々の組成はSiO2で同一であるが、水晶はSiO2の結晶体である石英に比べて結晶度が高い(即ち結晶サイズが相対的に大きい)ため、石英に比べて、熱伝導率が高い。よって、液晶装置1によれば、石英基板211のみで防塵用基板210を構成する場合に比べて、防塵用基板210による液晶装置1の放熱性を高めることが可能である。
【0037】
加えて、防塵用基板210によれば、防塵用基板210全体を水晶で構成する場合に比べて、防塵用基板210の部品コストの増大を抑制することができ、これに伴い液晶装置1の部品コストの増大も抑制することが可能である。
【0038】
特に、本実施形態では、水晶基板212は、石英基板211よりTFTアレイ基板10に近い位置に配置されているため、液晶パネル100の動作時において、当該液晶パネル100で発生した熱エネルギーが石英基板211に蓄積される前に、水晶基板212を介して当該熱エネルギーを液晶装置1の外部に逃すことが可能である。したがって、液晶装置1によれば、石英基板211が水晶基板212に比べて液晶パネル本体に近い位置に配置されている場合に比べて、液晶装置1の温度上昇をより一層抑制できる。
【0039】
接着層213は、水晶基板212の屈折率と、石英基板211の屈折率との間の屈折率を有し、且つ水晶基板212及び石英基板211を相互に接している。このような接着層213によれば、水晶基板212及び石英基板211の夫々の屈折率より大きい屈折率や小さい屈折率を有する接着層を設ける場合に比べて、液晶装置1による光の変調機能或いは画像の表示機能に与える影響を小さくできる利点がある。
【0040】
防塵用基板220も、防塵用基板210と同様に、水晶基板222及び石英基板221、並びにこれら基板を相互に接着する接着層223を有しており、防塵用基板210と同様の構成を有している。したがって、防塵用基板210と同様に、液晶装置1の放熱性を高めることができると共に、部品コストの増大を極力抑えることが可能である。
【0041】
尚、本実施形態では、2枚の防塵用基板210及び220を設けた液晶装置1を例に挙げているが、液晶パネル本体の両側の夫々の配置される2枚の防塵用基板の少なくとも一方が、水晶基板及び石英基板を相互に貼り合わせて構成されていれば、部品コストの増大を極力抑えつつ、液晶装置の放熱性を向上させることが可能である。また、防塵用基板は、水晶基板及び石英基板を一枚ずつ貼り合わせて構成されている場合に限定されるものではなく、複数の水晶基板及び複数の石英基板が相互に貼り合わせられた構造を有していても、液晶装置の放熱性を高めることは可能である。
【0042】
次に、図5を参照しながら、水晶基板212の基板面212s−1及び212s−2と、水晶基板212の光学軸との関係を説明する。図5は、水晶基板212の基板面212s−1及び212s−2と、水晶基板212の光学軸との相対的な関係を図式的に示した斜視図である。
【0043】
図5に示すように、水晶基板212の基板面212s−1及び212s−2、即ち、液晶パネル100の動作時において液晶パネル100に光が入射する面及び光が出射される面に平行な面は、水晶基板212の光学軸Pに沿って延びている。なお、この光学軸Pが、液晶パネル100の入射側及び出射側に配置された偏光板(図示せず)の透過軸に対して、それぞれ平行又は直交するように配置されることが望ましい。
【0044】
したがって、水晶基板212は、当該水晶基板212に入射する入射光の位相を補償する機能を有しておらず、液晶装置1による画像表示に光学的に影響を与えない。よって、水晶基板212は、放熱機能を高めるためだけに設けられていることになる。尚、水晶基板222も水晶基板212と同様に、その基板面は水晶基板222の光学軸に沿って延びており、液晶装置1による画像の表示性能に影響を与えない。
【0045】
このように、本実施形態に係る液晶装置1によれば、その動作時における液晶装置1の温度上昇を抑制することが可能であり、液晶装置1が光を変調する変調機能の低下を抑制できると共に、その信頼性も高めることが可能である。加えて、液晶装置1を構成する部品コストの増大を極力抑えることが可能である。
【0046】
次に、図6を参照しながら、防塵用基板の変形例を説明する。図6は、上述の防塵用基板210及び220の変形例である防塵用基板220aの斜視図である。尚、図6では、水晶基板222a及び石英基板221aを相互に接着する接着層の図示を省略している。
【0047】
図6において、水晶基板222aのサイズは、平面的に見て、石英基板221aのサイズより大きい。このような防塵用基板220aによれば、水晶基板222aのサイズが大きいことによって熱エネルギーが放出される表面積が多くなり、液晶装置の温度上昇をより一層抑制できる利点がある。
【0048】
以上、説明したように、本実施形態に係る液晶装置1によれば、その部品コストを極力抑えつつ、放熱性を高めることができ、高品位の画像の表示或いは投射が可能になる。
【0049】
<電子機器>
次に、図7を参照しながら、上述した液晶装置を電子機器の一例であるプロジェクタに適用した場合を説明する。上述した液晶装置における液晶パネル100は、プロジェクタのライトバルブとして用いられている。図7は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。特に、プロジェクタでは、強力な光が光源からライトバルブに導かれるため、上述の液晶装置における放熱性の向上は、プロジェクタによる画像の表示性能及び信頼性を向上させるうえで有用な技術になる。
【0050】
図7に示すように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
【0051】
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等の構成を有しており、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
【0052】
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像は、液晶パネル1110Gによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
【0053】
尚、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
【0054】
尚、図7を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、携帯電話、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A´線断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る液晶パネルの全体構成を示す平面図である。
【図4】図3のH−H´線断面図である。
【図5】水晶基板の基板面と、水晶基板の光学軸との相対的な関係を図式的に示した斜視図である。
【図6】防塵用基板の変形例を示した斜視図である。
【図7】電気光学装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタの構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0056】
1、2…液晶装置、10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、20…対向基板、100…液晶パネル、210、220…防塵ガラス、211,221・・・石英基板、212,222・・・水晶基板、231、232、340…接着剤、310…フレーム、320…フック、330…配線基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学物質を狭持する一対の基板と、
前記一対の基板の少なくとも一方の基板における前記電気光学物質と対向しない側に配置されており、相互に貼り合わせられた水晶基板及び石英基板を有する防塵用基板と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記水晶基板は、前記石英基板と前記一方の基板との間に配置されていること
を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記水晶基板の平面形状は、前記石英基板の平面形状より大きいこと
を特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記水晶基板の光学軸は、前記水晶基板の基板面に沿うように配置されていること
を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記防塵用基板は、前記水晶基板の屈折率と、前記石英基板の屈折率との間の屈折率を有し、且つ前記水晶基板及び前記石英基板を相互に接着する接着層とを有すること
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の電気光学装置を具備してなること
を特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−216758(P2009−216758A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−57408(P2008−57408)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】