説明

電気光学装置用基板の製造方法、電気光学装置用基板、電気光学装置及び電子機器

【課題】例えば電極パッドと薄膜素子との間に剥離層を介して静電結合が生じることを低減する。
【解決手段】電気光学装置用基板の製造方法は、転写元基板(10)に形成した薄膜素子(310)を転写先基板(70)に転写することにより電気光学装置用基板を製造する製造方法であって、転写元基板上に設けられた剥離層(11)上に絶縁膜(5)を介して薄膜素子を形成する工程と、転写元基板上における薄膜素子よりも上層側に電極パッド(500)を形成する工程と、転写元基板上の積層構造における絶縁膜と電極パッドとの間に、転写元基板上で平面的に見て電極パッドに少なくとも部分的に重なるように、遮蔽電極(710)を形成する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置用基板の製造方法、電気光学装置用基板、電気光学装置及び電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置用基板は、例えば電子ペーパー等のフレキシブルデバイスに用いられ、例えば薄膜トランジスター(以下「TFT(Thin Film Transistor)」と適宜称する)等の薄膜素子を例えばプラスチック基板等の可撓性基板上に備えてなる。
【0003】
この種の電気光学装置用基板を製造する方法として、先ずガラス基板上に剥離層(或いは分離層)を介して薄膜素子を形成した後、剥離層に光を照射することによりガラス基板から薄膜素子を剥離(或いは離脱)させて、可撓性基板へ転写する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。このような製造方法は、素子転写法或いはSUFTLA(Surface Free Technology by Laser Annealing/Ablation)(登録商標)と呼ばれる。
【0004】
一方、この種の電気光学装置用基板には、薄膜素子に電源電位を供給するための電極パッドが薄膜素子よりも上層側に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−31778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような素子転写法によって電気光学装置用基板を製造する場合において、電極パッドに電源電位が供給されると、剥離層を介して電極パッドと薄膜素子との間に静電結合が生じて、薄膜素子の特性が悪化してしまうおそれがあるという技術的問題点がある。この結果、電気光学装置用基板の製造プロセスにおける歩留まりが低下してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、例えば電極パッドと薄膜素子との間に剥離層を介して静電結合が生じることを低減でき、歩留まりを向上させることが可能な電気光学装置用基板の製造方法、このような製造方法によって製造された電気光学装置用基板、このような電気光学装置用基板を備えた電気光学装置、及びこのような電気光学装置を備えた電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電気光学装置用基板の製造方法は上記課題を解決するために、転写元基板に形成した薄膜素子を転写先基板に転写することにより電気光学装置用基板を製造する電気光学装置用基板の製造方法であって、前記転写元基板上に設けられた剥離層上に絶縁膜を介して前記薄膜素子を形成する工程と、前記転写元基板上における前記薄膜素子よりも上層側に電極パッドを形成する工程と、前記転写元基板上の積層構造における前記絶縁膜と前記電極パッドとの間に、前記転写元基板上で平面的に見て前記電極パッドに少なくとも部分的に重なるように、遮蔽電極を形成する工程とを含む。
【0009】
本発明に係る電気光学装置用基板の製造方法は、例えばガラス基板等である転写元基板に形成した例えばTFT等である薄膜素子を、例えば可撓性基板等である転写先基板に転写することにより、転写先基板上に薄膜素子を備えてなる電気光学装置用基板を製造する。
【0010】
本発明によれば、転写元基板上に設けられた剥離層上に絶縁膜を介して薄膜素子を形成する。剥離層は、照射される光を吸収し、その層及び界面の少なくとも一方において剥離を生じるような性質を有するものであり、例えばアモルファスシリコン(a−Si)膜から形成することができる。剥離層は、典型的には、転写元基板上のほぼ全面に設けられる。絶縁膜は、薄膜素子の下地として剥離層上に設けられる。
【0011】
本発明では、薄膜素子よりも上層側に電極パッドを形成する。電極パッドは、例えば、薄膜素子に電気的に接続され、外部から電源電位が供給される。
【0012】
本発明では特に、転写元基板上の積層構造における絶縁膜と電極パッドとの間に、例えば所定電位が供給される遮蔽電極を、転写元基板上で平面的に見て電極パッドに少なくとも部分的に重なるように形成する。よって、電極パッドと剥離層との間に静電結合が生じることを遮蔽電極によって低減或いは防止できる。従って、電極パッドに電源電位が供給された際、電極パッドと剥離層との間に静電結合が生じることにより、剥離層が電源電位に近い電位になることを低減或いは防止できる。これにより、剥離層と薄膜素子との間に静電結合が生じることによって、言い換えれば、剥離層を介して電極パッドと薄膜素子との間に静電結合が生じることによって薄膜素子の特性が悪化してしまうことを低減或いは防止できる。この結果、電気光学装置用基板の製造プロセスにおける歩留まりを向上させることができる。
【0013】
以上説明したように、本発明に係る電気光学装置用基板の製造方法によれば、電極パッドと薄膜素子との間に剥離層を介して静電結合が生じることを低減でき、歩留まりを向上させることが可能である。
【0014】
本発明に係る電気光学装置用基板の製造方法の一態様では、前記遮蔽電極を形成する工程は、前記転写元基板上で平面的に見て前記電極パッドが前記遮蔽電極に含まれるように、前記遮蔽電極を形成する。
【0015】
この態様によれば、遮蔽電極は、転写元基板上で平面的に見て、電極パッドよりも大きな面積を有し、電極パッドを含むように形成される。よって、電極パッドと剥離層との間に静電結合が生じることを遮蔽電極によってより確実に低減或いは防止できる。
【0016】
本発明に係る電気光学装置用基板の製造方法の他の態様では、前記薄膜素子を形成する工程は、前記薄膜素子として、前記絶縁膜上に設けられた半導体層と該半導体層の上層側に設けられたゲート電極とを有する薄膜トランジスターを形成し、前記遮蔽電極を形成する工程は、前記遮蔽電極を、前記半導体層及び前記ゲート電極の少なくとも一方と同一種類の膜から同一機会に形成する。
【0017】
この態様によれば、遮蔽電極を半導体層及びゲート電極の少なくとも一方と同一機会に形成するので、製造プロセスを簡略化することが可能となる。
【0018】
上述した薄膜素子を形成する工程が薄膜トランジスターを形成する態様では、前記電極パッドを形成する工程は、前記電極パッドが前記半導体層の第1のソース・ドレイン領域に電気的に接続されるように、前記電極パッドを形成し、前記電極パッドに第1の電源電位を供給すると共に、前記半導体層の第2のソース・ドレイン領域に前記第1の電源電位と異なる第2の電源電位を供給し、且つ、前記遮蔽電極に前記第1の電源電位と前記第2の電源電位との間の第3の電源電位を供給する工程を含んでもよい。
【0019】
この場合には、半導体層の第1のソース・ドレイン領域に電極パッドを介して例えば高電位電源電位である第1の電源電位が供給され、半導体層の第2のソース・ドレイン領域に例えば高電位電源電位よりも低い低電位電源電位である第2の電源電位が供給される。
【0020】
ここで特に、遮蔽電極に第1の電源電位と第2の電源電位との間の第3の電源電位が供給されるので、電極パッドと剥離層との間に静電結合が生じることを遮蔽電極によってより確実に低減或いは防止できる。
【0021】
本発明に係る電気光学装置用基板の製造方法の他の態様では、前記薄膜素子を形成する工程は、前記薄膜素子として、前記絶縁膜上に設けられた半導体層と該半導体層の上層側に設けられたゲート電極とを有する薄膜トランジスターを形成し、前記電極パッドを形成する工程は、前記電極パッドが前記半導体層の第1のソース・ドレイン領域に電気的に接続されるように、前記電極パッドを形成し、前記遮蔽電極を形成する工程は、前記電極パッドの面積に対する前記遮蔽電極の面積の比率が、前記電極パッドと前記剥離層との間の第1距離と前記遮蔽電極と前記剥離層との間の第2距離との和に対する前記第2距離の比率に等しくなるように、前記遮蔽電極を形成し、前記電極パッドに第1の電源電位を供給すると共に、前記半導体層の第2のソース・ドレイン領域に前記第1の電源電位と異なる第2の電源電位を供給し、且つ、前記遮蔽電極に前記第2の電源電位を供給する工程を含む。
【0022】
この態様によれば、電極パッドと剥離層との間に生じる静電結合の大きさ(即ち、電極パッドと剥離層との間の静電容量)と、遮蔽電極と剥離層との間に生じる静電結合の大きさ(即ち、遮蔽電極と剥離層との間の静電容量)とを互いに等しくすることができ、剥離層の電位を第1の電源電位と第2の電源電位との平均値に殆ど或いは完全に一致させることができる。よって、例えば、剥離層上に絶縁膜を介してPチャネル型の薄膜トランジスターとNチャネル型の薄膜トランジスターを形成する場合、Pチャネル型の薄膜トランジスターとNチャネル型の薄膜トランジスターとの各々について剥離層を介して電極パッドと半導体層との間に生じる静電結合を低減できる。従って、Pチャネル型の薄膜トランジスターとNチャネル型の薄膜トランジスターとの両方について、例えばリーク電流が増大するなど、薄膜トランジスターの特性が悪化してしまうことを低減できる。
【0023】
本発明に係る電気光学装置用基板は上記課題を解決するために、支持基板上に設けられた導電膜上に絶縁膜を介して設けられた薄膜素子と、前記支持基板上における前記薄膜素子よりも上層側に設けられた電極パッドと、前記支持基板上の積層構造における前記絶縁膜と前記電極パッドとの間に、前記支持基板上で平面的に見て前記電極パッドに少なくとも部分的に重なるように形成された遮蔽電極とを備える。
【0024】
本発明に係る電気光学装置用基板は、上述した本発明に係る電気光学装置用基板の製造方法によって製造され、例えば可撓性基板等である支持基板上に設けられた導電膜上に絶縁膜を介して設けられた薄膜素子を備えてなる。導電膜は、典型的には、転写元基板から転写先基板である支持基板上に転写される薄膜素子を支持基板に接着するための接着層、或いは、外部からの光が薄膜素子に入射するのを遮断するための遮光膜として設けられている。
【0025】
本発明では特に、支持基板上の積層構造における絶縁膜と電極パッドとの間に、例えば所定電位が供給される遮蔽電極が、支持基板上で平面的に見て電極パッドに少なくとも部分的に重なるように形成されている。よって、電極パッドと導電膜との間に静電結合が生じることを遮蔽電極によって低減或いは防止できる。従って、電極パッドに電源電位が供給された際、電極パッドと導電膜との間に静電結合が生じることにより、導電膜が電源電位に近い電位になることを低減或いは防止できる。これにより、導電膜と薄膜素子との間に静電結合が生じることによって、言い換えれば、導電膜を介して電極パッドと薄膜素子との間に静電結合が生じることによって薄膜素子の特性が悪化してしまうことを低減或いは防止できる。この結果、電気光学装置用基板の信頼性を高めることができる。
【0026】
以上説明したように、本発明に係る電気光学装置用基板によれば、電極パッドと薄膜素子との間に導電膜を介して静電結合が生じることを低減でき、電気光学装置用基板の信頼性を高めることが可能である。
【0027】
本発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、上述した本発明に係る電気光学装置用基板を備える。
【0028】
本発明に係る電気光学装置は、上述した本発明に係る電気光学装置用基板を備えるので、例えば、信頼性が高く、高品位な表示を行うことが可能な、例えば電気泳動表示装置、液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)表示装置などの各種表示装置を実現できる。
【0029】
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置を備える。
【0030】
本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置を備えるので、例えば、信頼性が高く、高品位な表示を行うことが可能な、例えば電子ペーパー、電子放出装置(Field Emission Display及びConduction Electron-Emitter Display)、DLP(Digital Light Processing)等を実現することが可能である。また、本発明の電子機器として、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサー、ビューファインダー型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器も実現することができる。
【0031】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1実施形態に係る電気光学装置用基板の構成を示す断面図である。
【図2】第1実施形態に係る電極パッド及び遮蔽電極の位置関係を示す平面図である。
【図3】第1実施形態に係る電気光学装置用基板の製造方法の主要な工程を順に示す工程断面図(その1)である。
【図4】第1実施形態に係る電気光学装置用基板の製造方法の主要な工程を順に示す工程断面図(その2)である。
【図5】第2実施形態に係る電気光学装置用基板の製造方法の主要な工程を示す工程断面図である。
【図6】本発明に係る電気光学装置用基板を適用した電気光学装置の一例たる電気泳動表示装置の構成を示す断面図である。
【図7】本発明に係る電気光学装置を適用した電子機器の一例たる電子ペーパーの構成を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る電気光学装置を適用した電子機器の一例たる電子ノートの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0034】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る電気光学装置用基板の製造方法について、図1から図4を参照して説明する。
【0035】
先ず、本実施形態に係る電気光学装置用基板の製造方法によって製造される電気光学装置用基板の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
【0036】
図1は、本実施形態に係る電気光学装置用基板の製造方法によって製造される電気光学装置用基板の構成を模式的に示す断面図である。
【0037】
図1において、本実施形態に係る電気光学装置用基板1は、可撓性を有する支持基板70上にTFT310及びTFT320を含む回路部300を備えており、例えば電子ペーパー等のフレキシブルデバイスに用いられる例えば電気泳動表示装置、有機EL表示装置等の電気光学装置に用いられる。
【0038】
図1において、電気光学装置用基板1は、支持基板70と、回路部300とを備えている。
【0039】
支持基板70は、可撓性基板(即ち、撓る或いは湾曲することが可能な基板)である。尚、支持基板70は、可撓性を有していれば、例えばプラスチック基板、ステンレス基板、アルミニウム基板等であってもよい。また、支持基板70は必ずしも可撓性を有していなくてもよい。
【0040】
回路部300は、例えば酸化シリコン(SiO2)等の絶縁材料からなる絶縁膜5上に形成されたTFT310及びTFT320を備えた薄膜回路であり、支持基板70上に接着層90によって接着されている。尚、TFT310及びTFT320は本発明に係る「薄膜素子」の一例であり、絶縁膜5は本発明に係る「絶縁膜」の一例であり、接着層90は本発明に係る「導電膜」の一例である。
【0041】
回路部300は、TFT310及びTFT320から構成されたインバーター回路として形成されている。
【0042】
TFT310は、Pチャネル型のTFTであり、半導体層311と、ゲート電極312とを備えている。
【0043】
半導体層311は、絶縁膜5上に形成されており、例えばポリシリコン(p−Si)を含んでなる。半導体層311は、チャネル領域311cと、ソース・ドレイン領域311aと、ソース・ドレイン領域311bとを有している。ソース・ドレイン領域311aとソース・ドレイン領域311bとは、チャネル領域311cを挟んで両側に配置され、チャネル領域311cにそれぞれ隣接している。ソース・ドレイン領域311a及びソース・ドレイン領域311bは、例えばイオンインプランテーション法等の不純物打ち込みによって半導体層311に不純物を打ち込んでなる不純物領域である。
【0044】
ゲート電極312は、例えばアルミニウム(Al)膜を含んでなり、半導体層311よりもゲート絶縁膜2を介して上層側に配置されている。ゲート電極312は、後述するゲート電極322と互いに電気的に接続され、ゲート電極322と共にゲート配線に電気的に接続されている。
【0045】
ゲート絶縁膜2は、半導体層311及び後述する半導体層321を上層側から覆うように形成されている。ゲート絶縁膜2は、例えば酸化シリコン(SiO2)等の絶縁材料からなる。
【0046】
ソース・ドレイン領域311aは、層間絶縁膜41に開孔されたコンタクトホールを介して例えばAl膜を含んでなるソース・ドレイン配線313に電気的に接続されている。ソース・ドレイン配線313は、後述する電極パッド500と互いに電気的に接続されている。
【0047】
ソース・ドレイン領域311bは、層間絶縁膜41に開孔されたコンタクトホールを介して例えばAl膜を含んでなる接続配線301に電気的に接続されている。接続配線301は、層間絶縁膜41に開孔されたコンタクトホールをそれぞれ介してソース・ドレイン領域311b及び後述するソース・ドレイン領域321bに電気的に接続されている。即ち、ソース・ドレイン領域311bとソース・ドレイン領域321bとは、接続配線301を介して互いに電気的に接続されている。
【0048】
TFT320は、Nチャネル型のTFTであり、半導体層321と、ゲート電極322とを備えている。
【0049】
半導体層321は、絶縁膜5上に形成されており、例えばポリシリコンを含んでなる。半導体層321は、チャネル領域321cと、ソース・ドレイン領域321aと、ソース・ドレイン領域321bとを有している。ソース・ドレイン領域321aとソース・ドレイン領域321bとは、チャネル領域321cを挟んで両側に配置され、チャネル領域321cにそれぞれ隣接している。ソース・ドレイン領域321a及びソース・ドレイン領域321bは、例えばイオンインプランテーション法等の不純物打ち込みによって半導体層321に不純物を打ち込んでなる不純物領域である。
【0050】
ゲート電極322は、例えばAl膜を含んでなり、半導体層321よりもゲート絶縁膜2を介して上層側に配置されている。ゲート電極322は、上述したように、ゲート電極312と互いに電気的に接続され、ゲート電極312と共にゲート配線に電気的に接続されている。
【0051】
ソース・ドレイン領域321aは、層間絶縁膜41に開孔されたコンタクトホールを介して例えばAl膜を含んでなるソース・ドレイン配線323に電気的に接続されている。ソース・ドレイン配線323には、外部から低電位電源電位VSS(例えば0V)が供給される。
【0052】
ソース・ドレイン領域321bは、層間絶縁膜41に開孔されたコンタクトホールを介して接続配線301に電気的に接続されている。
【0053】
図1において、電気光学装置用基板1は、電極パッド500と、パッシベーション膜61とを備えている。
【0054】
電極パッド500は、層間絶縁膜41上に形成されており、例えばAl膜を含んでなる。電極パッド500よりも上層側には、上述したソース・ドレイン配線323、接続配線301及びソース・ドレイン配線313を覆うように、例えばアクリル等の樹脂膜からなるパッシベーション膜61が形成されている。電極パッド500は、パッシベーション膜61に形成された開口部615から露出するように形成されている。言い換えれば、電極パッド500は、層間絶縁膜41上に成膜された例えばAlを含む膜のうち、パッシベーション膜61の開口部615から露出する膜部分として形成されている。電極パッド500は、ソース・ドレイン配線313に電気的に接続されている。即ち、電極パッド500は、ソース・ドレイン配線313を介してソース・ドレイン領域311aに電気的に接続されている。電極パッド500には、外部から高電位電源電位VDD(例えば5V)が供給される。
【0055】
図1において、本実施形態では特に、支持基板70上の積層構造における絶縁膜5と電極パッド500との間(言い換えれば、接着層90と電極パッド500との間)に、遮蔽電極710が設けられている。
【0056】
遮蔽電極710は、製造プロセスにおいてゲート電極312及びゲート電極322と同一機会に形成された同一種類の膜からなる。即ち、遮蔽電極710は、ゲート絶縁膜2上に形成されており、例えばアルミニウム(Al)膜を含んでなる。
【0057】
図2は、電極パッド500及び遮蔽電極710の位置関係を模式的に示す平面図である。
【0058】
図2において、電極パッド500は、支持基板70上に複数設けられている。遮蔽電極710は、複数の電極パッド500の各々に対して1つずつ設けられている。遮蔽電極710は、支持基板70上で平面的に見て電極パッド500を含むように形成されている。遮蔽電極710には、ソース・ドレイン領域323に供給される低電位電源電位VSS(例えば0V)と電極パッド500に供給される高電位電源電位VDD(例えば5V)との間の中間電源電位(本実施形態では、低電位電源電位VSSと高電位電源電位VDDとの平均値である例えば2.5V)が外部から供給される。尚、中間電源電位は本発明に係る「第3の電源電位」の一例である。
【0059】
よって、電極パッド500と接着層90との間に静電結合が生じることを遮蔽電極によって低減或いは防止できる。従って、電極パッド500に高電位電源電位VDD(例えば5V)が供給された際、電極パッド500と接着層90との間に静電結合が生じることにより、接着層90が高電位電源電位VDD(例えば5V)に近い電位になることを低減或いは防止できる。これにより、高電位電源電位VDD(例えば5V)に近い電位となった接着層90とTFT310の半導体層311との間に静電結合が生じることによって、言い換えれば、接着層90を介して電極パッド500と半導体層311との間に静電結合が生じることによってTFT310の特性が悪化してしまうことを低減或いは防止できる。具体的には、例えば、電極パッド500との間の静電結合によって高電位電源電位VDD(例えば5V)に近い電位となった接着層90によってTFT310にリーク電流が発生してしまうこと、即ち、ゲート電極312に低電位電源電位VSS(例えば0V)が供給されることでTFT310が本来オフ状態であるべきときに、高電位電源電位VDD(例えば5V)に近い電位となった接着層90からチャネル領域311cに電圧が印加され、チャネル領域311cに電流が発生してしまうことを遮蔽電極710によって低減或いは防止できる。従って、電気光学装置用基板1の信頼性を高めることができる。
【0060】
次に、本実施形態に係る電気光学装置用基板の製造方法について、図3及び図4を参照して説明する。
【0061】
本実施形態に係る電気光学装置用基板の製造方法は、上述したSUFTLAを用いた製造方法であり、回路部300を転写元基板10(図3参照)上に形成し、回路部300を転写元基板10から仮転写基板20(図3(C)及び図4参照)に一旦転写した後、仮転写基板20に転写された回路部300を転写先基板である支持基板70(図4(B)参照)に転写することにより、支持基板70上に回路部300を備えてなる電気光学装置用基板1(図1参照)を製造する。
【0062】
図3及び図4は、本実施形態に係る電気光学装置用基板の製造方法の主要な工程を順に示す工程断面図である。
【0063】
先ず、図3(A)に示す工程において、例えばガラス基板等からなる転写元基板10上に剥離層11及び絶縁膜5を介してTFT310及びTFT320を形成する。具体的には、転写元基板10上に設けられた剥離層11上に絶縁膜5を形成し、この絶縁膜5上にTFT310及びTFT320を形成する。尚、TFT310及びTFT320の形成には、通常の半導体集積技術を用いることができる。
【0064】
剥離層11は、後の工程(即ち、後述する図4(A)に示す工程)において照射される光を吸収し、その層及び界面の少なくとも一方において剥離を生じるような性質を有するものである。本実施形態では、剥離層11をアモルファスシリコン(a−Si)膜から形成する。
【0065】
ここで、TFT310のゲート電極312及びTFT320のゲート電極322を形成する際に、遮蔽電極710を形成する。即ち、ゲート絶縁膜2上に例えばAl膜を含む導電膜を成膜し、この導電膜をパターニングすることにより、ゲート電極312、ゲート電極322及び遮蔽電極710を形成する。つまり、ゲート電極312及びゲート電極322と同一種類の膜から同一機会に遮蔽電極710を形成する。よって、製造プロセスの複雑化を招くことなく、遮蔽電極710を形成することができる。遮蔽電極710は、後の工程(即ち、後述する図3(B)に示す工程)において形成される電極パッド500よりも大きな面積を有し、転写元基板10上で平面的に見て電極パッド500を含むように形成される。遮蔽電極710には、低電位電源電位VSS(例えば0V)と高電位電源電位VDD(例えば5V)との間の中間電源電位(本実施形態では、低電位電源電位VSSと高電位電源電位VDDとの平均値である例えば2.5V)が外部から供給される。
【0066】
次に、図3(B)に示す工程において、ゲート電極312、ゲート電極322及び遮蔽電極710を覆うように、転写元基板10のほぼ全面に層間絶縁膜41を形成する。
【0067】
次に、層間絶縁膜41上に例えばAl膜を含む導電膜を成膜し、この導電膜をパターニングすることにより、ソース・ドレイン配線323、接続配線301、ソース・ドレイン配線313及び電極パッド500を形成する。この際、ソース・ドレイン配線323は層間絶縁膜41に開孔されたコンタクトホールを介してソース・ドレイン領域321aに電気的に接続され、接続配線301は層間絶縁膜41に開孔されたコンタクトホールをそれぞれ介してソース・ドレイン領域311b及びソース・ドレイン領域321bに電気的に接続され、ソース・ドレイン配線313は層間絶縁膜41に開孔されたコンタクトホールを介してソース・ドレイン領域311aに電気的に接続される。ソース・ドレイン配線313及び電極パッド500は、連続的に形成され、互いに電気的に接続される。
【0068】
次に、ソース・ドレイン配線323、接続配線301、ソース・ドレイン配線313及び電極パッド500を覆うように、製造元基板10のほぼ全面にパッシベーション膜61を例えばアクリル等の樹脂膜から形成する。この際、電極パッド500を露出させる開口部615を有するようにパッシベーション膜61を形成する。
【0069】
ここで、本実施形態では特に、上述したように、転写元基板10上の積層構造における絶縁膜5と電極パッド500との間に、低電位電源電位VSS(例えば0V)と高電位電源電位VDD(例えば5V)との間の中間電源電位(本実施形態では、低電位電源電位VSSと高電位電源電位VDDとの平均値である例えば2.5V)が供給される遮蔽電極710を、転写元基板10上で平面的に見て電極パッド500に含まれるように形成する。よって、電極パッド500と剥離層11との間に静電結合が生じることを遮蔽電極710によって低減或いは防止できる。従って、電極パッド500に高電位電源電位VDD(例えば5V)が供給された際、電極パッド500と剥離層11との間に静電結合が生じることにより、剥離層11が高電位電源電位VDD(例えば5V)に近い電位になることを低減或いは防止できる。これにより、高電位電源電位VDD(例えば5V)に近い電位となった剥離層11とTFT310の半導体層311との間に静電結合が生じることによって、言い換えれば、剥離層11を介して電極パッド500と半導体層311との間に静電結合が生じることによってTFT310の特性が悪化してしまうことを低減或いは防止できる。具体的には、例えば、電極パッド500との間の静電結合によって高電位電源電位VDD(例えば5V)に近い電位となった剥離層11によってTFT310にリーク電流が発生してしまうこと、即ち、ゲート電極312に低電位電源電位VSS(例えば0V)が供給されることでTFT310が本来オフ状態であるべきときに、高電位電源電位VDD(例えば5V)に近い電位となった剥離層11からチャネル領域311cに電圧が印加され、チャネル領域311cに電流が発生してしまうことを遮蔽電極710によって低減或いは防止できる。この結果、電気光学装置用基板1の製造プロセスにおける歩留まりを向上させることができる。
【0070】
次に、図3(C)に示す工程において、パッシベーション膜60を覆うように、製造元基板10のほぼ全面に水溶性の接着剤である仮接着剤600を例えばディスペンサ塗布法或いはインクジェット塗布法等によって設ける。仮接着剤600としては、光硬化性のアクリレート系樹脂を用いることができる。
【0071】
次に、仮接着剤600を介して転写元基板10と仮転写基板20とを貼り合わせる。仮転写基板20は、例えばガラス基板からなり、仮転写基板20における転写元基板10に対向する側の面には、転写元基板10と同様に、剥離層21が形成されている。剥離層21は、剥離層11と同様に、アモルファスシリコン膜から形成される。
【0072】
次に、仮接着剤600に対して仮転写基板20側から光を照射することにより、仮接着剤600を硬化させる。
【0073】
次に、図4(A)に示す工程において、剥離層11に対して転写元基板10側から光を照射し、絶縁膜5から転写元基板10を剥離する。
【0074】
次に、図4(B)に示す工程において、絶縁膜5に転写先基板である支持基板70を接着層90によって接着する。
【0075】
その後、剥離層21に対して仮転写基板20側から光を照射し、仮接着剤600から仮転写基板20を剥離する。次に、水に浸すことにより水溶性の接着剤である仮接着剤600を除去する。
【0076】
このようにして、支持基板70上に回路部300を備えてなる電気光学装置用基板1を製造することができる。
【0077】
以上説明したように、本実施形態に係る電気光学装置用基板の製造方法によれば、電極パッド500とTFT310との間に剥離層11を介して静電結合が生じることを低減でき、歩留まりを向上させることが可能である。
【0078】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る電気光学装置用基板の製造方法について、図5を参照して説明する。
【0079】
図5は、第2実施形態に係る電気光学装置用基板の製造方法の主要な工程を示す工程断面図である。尚、図5において、図1から図4に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0080】
第2実施形態に係る電気光学装置用基板の製造方法は、上述した第1実施形態における遮蔽電極710に代えて遮蔽電極720を形成する点で、上述した第1実施形態に係る電気光学装置用基板の製造方法と異なり、その他の点については、上述した第1実施形態に係る電気光学装置用基板の製造方法と概ね同様である。
【0081】
図5において、第2実施形態では特に、TFT310のゲート電極312及びTFT320のゲート電極322を形成する際に、電極パッド500よりも小さい面積を有し且つ低電位電源電位VSS(例えば0V)が供給される遮蔽電極720を形成する。
【0082】
即ち、ゲート絶縁膜2上に例えばAl膜を含む導電膜を成膜し、この導電膜をパターニングすることにより、ゲート電極312、ゲート電極322及び遮蔽電極720を形成する。この際、遮蔽電極720を、電極パッド500よりも小さい面積を有し且つ低電位電源電位VSS(例えば0V)が供給されるように形成する。ここで特に、遮蔽電極720を、電極パッド500の面積に対する遮蔽電極720の面積の比率が、電極パッド500と剥離層11との間の距離d1と遮蔽電極720と剥離層11との間の距離d2との和に対する距離d2の比率(即ち、d2/(d1+d2))に等しくなるように形成する。よって、電極パッド500と剥離層11との間に生じる静電結合の大きさ(即ち、電極パッド500と剥離層11との間の静電容量)と、遮蔽電極720と剥離層11との間に生じる静電結合の大きさ(即ち、遮蔽電極720と剥離層11との間の静電容量)とを互いに等しくすることができ、剥離層11の電位を高電位電源電位VDD(例えば5V)と低電位電源電位VSS(例えば0V)との平均値(例えば2.5V)に殆ど或いは完全に一致させることができる。よって、剥離層11上に絶縁膜5を介して形成されたPチャネル型のTFTとNチャネル型のTFTとの各々について剥離層11を介して電極パッド500と半導体層との間に生じる静電結合を低減できる。従って、Pチャネル型のTFTとNチャネル型のTFTとの両方について、例えばリーク電流が増大するなど、TFTの特性が悪化してしまうことを低減できる。
【0083】
<電気光学装置>
次に、上述した電気光学装置用基板を適用した電気光学装置について、図6を参照して説明する。以下では、上述した電気光学装置用基板を電気光学装置の一例である電気泳動表示装置に適用した場合を例にとる。
【0084】
図6は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の構成を示す断面図である。
【0085】
図6において、本実施形態に係る電気泳動表示装置は、上述した実施形態に係る電気光学装置用基板が適用された素子基板128を備えている。本実施形態に係る電気泳動表示装置は、素子基板128と対向基板129との間に電気泳動素子123が挟持される構成となっている。
【0086】
素子基板128上には、走査線、データ線、画素スイッチング用TFT、駆動回路用TFT等が作り込まれた積層構造が形成されている。この積層構造の上層側に複数の画素電極121がマトリクス状に設けられている。対向基板129における素子基板128との対向面上には、共通電極122が複数の画素電極121と対向してベタ状に形成されている。電気泳動素子123は、互いに異なる極性に帯電された白色及び黒色の電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセル180から構成されており、例えば樹脂等からなるバインダー130及び接着層131によって素子基板128及び対向基板129間で固定されている。
【0087】
画素電極121及び共通電極122間に画像信号に応じた電圧が印加されることにより、白色及び黒色の電気泳動粒子の一方が共通電極122側に移動し、他方が画素電極121側に移動することにより、各画素120において対向基板129側に白色又は黒色が表示される。
【0088】
本実施形態に係る電気泳動表示装置は、上述した本実施形態に係る電気光学装置用基板を備えるので、信頼性が高く、高品位な表示を行うことができる。
【0089】
<電子機器>
次に、上述した電気泳動表示装置を適用した電子機器について、図7及び図8を参照して説明する。以下では、上述した電気泳動表示装置を電子ペーパー及び電子ノートに適用した場合を例にとる。
【0090】
図7は、電子ペーパー1400の構成を示す斜視図である。
【0091】
図7に示すように、電子ペーパー1400は、上述した実施形態に係る電気泳動表示装置を表示部1401として備えている。電子ペーパー1400は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1402を備えて構成されている。
【0092】
図8は、電子ノート1500の構成を示す斜視図である。
【0093】
図8に示すように、電子ノート1500は、図7で示した電子ペーパー1400が複数枚束ねられ、カバー1501に挟まれているものである。カバー1501は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力するための表示データ入力手段(図示せず)を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
【0094】
上述した電子ペーパー1400及び電子ノート1500は、上述した実施形態に係る電気泳動表示装置を備えるので、信頼性が高く、高品位な表示を行うことが可能である。
【0095】
尚、これらの他に、腕時計、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部に、上述した本実施形態に係る電気泳動表示装置を適用することができる。
【0096】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置用基板の製造方法、電気光学装置用基板、電気光学装置及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0097】
5…絶縁膜、2…ゲート絶縁膜、10…転写元基板、11…剥離層、20…仮転写基板、41…層間絶縁膜、61…パッシベーション膜、70…支持基板、90…接着層、300…回路部、310、320…TFT、311、321…半導体層、312、322…ゲート電極、500…電極パッド、710、720…遮蔽電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写元基板に形成した薄膜素子を転写先基板に転写することにより電気光学装置用基板を製造する電気光学装置用基板の製造方法であって、
前記転写元基板上に設けられた剥離層上に絶縁膜を介して前記薄膜素子を形成する工程と、
前記転写元基板上における前記薄膜素子よりも上層側に電極パッドを形成する工程と、
前記転写元基板上の積層構造における前記絶縁膜と前記電極パッドとの間に、前記転写元基板上で平面的に見て前記電極パッドに少なくとも部分的に重なるように、遮蔽電極を形成する工程と
を含むことを特徴とする電気光学装置用基板の製造方法。
【請求項2】
前記遮蔽電極を形成する工程は、前記転写元基板上で平面的に見て前記電極パッドが前記遮蔽電極に含まれるように、前記遮蔽電極を形成することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
【請求項3】
前記薄膜素子を形成する工程は、前記薄膜素子として、前記絶縁膜上に設けられた半導体層と該半導体層の上層側に設けられたゲート電極とを有する薄膜トランジスターを形成し、
前記遮蔽電極を形成する工程は、前記遮蔽電極を、前記半導体層及び前記ゲート電極の少なくとも一方と同一種類の膜から同一機会に形成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
【請求項4】
前記電極パッドを形成する工程は、前記電極パッドが前記半導体層の第1のソース・ドレイン領域に電気的に接続されるように、前記電極パッドを形成し、
前記電極パッドに第1の電源電位を供給すると共に、前記半導体層の第2のソース・ドレイン領域に前記第1の電源電位と異なる第2の電源電位を供給し、且つ、前記遮蔽電極に前記第1の電源電位と前記第2の電源電位との間の第3の電源電位を供給する工程を含む
ことを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
【請求項5】
前記薄膜素子を形成する工程は、前記薄膜素子として、前記絶縁膜上に設けられた半導体層と該半導体層の上層側に設けられたゲート電極とを有する薄膜トランジスターを形成し、
前記電極パッドを形成する工程は、前記電極パッドが前記半導体層の第1のソース・ドレイン領域に電気的に接続されるように、前記電極パッドを形成し、
前記遮蔽電極を形成する工程は、前記電極パッドの面積に対する前記遮蔽電極の面積の比率が、前記電極パッドと前記剥離層との間の第1距離と前記遮蔽電極と前記剥離層との間の第2距離との和に対する前記第2距離の比率に等しくなるように、前記遮蔽電極を形成し、
前記電極パッドに第1の電源電位を供給すると共に、前記半導体層の第2のソース・ドレイン領域に前記第1の電源電位と異なる第2の電源電位を供給し、且つ、前記遮蔽電極に前記第2の電源電位を供給する工程を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
【請求項6】
支持基板上に設けられた導電膜上に絶縁膜を介して設けられた薄膜素子と、
前記支持基板上における前記薄膜素子よりも上層側に設けられた電極パッドと、
前記支持基板上の積層構造における前記絶縁膜と前記電極パッドとの間に、前記支持基板上で平面的に見て前記電極パッドに少なくとも部分的に重なるように形成された遮蔽電極と
を備えることを特徴とする電気光学装置用基板。
【請求項7】
請求項6に記載の電気光学装置用基板を備えることを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−216786(P2011−216786A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85472(P2010−85472)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】