電気化学セル、バッテリ
【課題】薄型で可撓性を有する電気化学セルを提供する。
【解決手段】
第1の基板層は、複数の積層からなり、第1の酸化物バリア層を備える。第1の酸化物バリア層は、第1の基板層の複数の積層を通じて気体が逃れることを可能にする気体透過率を有する。カソード層と同じ第1の基板層上、またはカソード層と同じ第2の基板層上にアノード層を設けることにより、カソード層とほぼ同一平面上にアノード層を配置する。液体電解質はカソード層およびアノード層に接触している。液体電解質を収容する内部空間は、記第1の基板層が第2の基板層に接続されて形成される。そして、アノード層およびカソード層のうちの少なくとも1つが、硬化または乾燥したインクから形成される。
【解決手段】
第1の基板層は、複数の積層からなり、第1の酸化物バリア層を備える。第1の酸化物バリア層は、第1の基板層の複数の積層を通じて気体が逃れることを可能にする気体透過率を有する。カソード層と同じ第1の基板層上、またはカソード層と同じ第2の基板層上にアノード層を設けることにより、カソード層とほぼ同一平面上にアノード層を配置する。液体電解質はカソード層およびアノード層に接触している。液体電解質を収容する内部空間は、記第1の基板層が第2の基板層に接続されて形成される。そして、アノード層およびカソード層のうちの少なくとも1つが、硬化または乾燥したインクから形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に、電気化学セルまたは電池に関し、より具体的には、平坦な薄型電気化学セル、および印刷方法を含むその製造方法に関する。さらにより具体的には、本発明は、2つの電極、セパレータ、電解質、および2つの積層フィルム層間のセル・フレームを含む、印刷可能な薄型セルおよびその製造方法に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年3月17日出願の同時係属中の米国出願、代理人整理番号37990US1の利益を主張し、さらに、2005年3月22日出願の米国仮出願60/664135、2005年5月6日出願の米国仮出願60/678726、および2006年1月19日出願の米国仮出願60/760242の利益を主張する。これらはそれぞれ、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ここ約100年の間、科学者は、様々な用途向けの炭素/亜鉛携帯電源を製造している。携帯電源の初期の頃は、これらの電源は現在の規格に比べて非常に大きかった。例えば、Eveready製の非常に一般的な「Ignitor Cell」は、直径約7.62cm(3インチ)および高さ約22.86cm(9インチ)であり、ラジオ、ブザー、クリスマス用の電灯などの多くの用途に使用されていた。これらの大型セルは、有名なEveready#6(直径約5.08cm(2インチ)×高さ約15.24cm(6インチ))などのいくつかのより小型のもの、および現在の最も小型のユニット・セル、すなわち#950(Dサイズ)と同様に、一般に、用途によっては電圧が40Vを超える電池パック状にされた。これらは同じようなサイズであり、点灯装置やラジオ、および自動車点火システムに用いられる現在の自動車電池よりもさらに大きかった。1900年代中頃に、トランジスタなどの高度なエレクトロニクスの到来により、携帯電源に対する電気的な要件は大幅に緩和された。その結果、セルのサイズも、単2電池、単3電池、および単4電池、ならびにさらに小型のボタン型電池を含むように低減することができた。この電力の低減は21世紀に入っても継続しており、スマートラベル、スマートクレジットカード、センサ、データロガーや、グリーティングカードおよびバッジなどのノベルティ商品などの用途によって現在必要とされる最大電流は数mAであり、多くの用途では約1.5〜3.0Vでわずか数μA程度しか必要とされない。これらの用途は、その目立たない外形および可搬性を維持するため、電源が平坦で非常に薄いことも必要とする。
【0003】
ここ25年間、薄型の平坦状セルおよび電池を製造するための様々なアプローチが、多数の科学者および企業によって試みられた。それには、ポラロイド社(Polaroid(登録商標))によって開発され、広く知られているインスタントフィルム電池パックが含まれる。この電池パックは、ポラロイド社のインスタントフィルムの各パッケージ内で使用された。これにより、ポラロイド社は、ユーザが新しいフィルムのパックをカメラに装填するたびに、カメラ内部に新しい電池を有することが可能になった。多数の層および金属箔積層体パッケージを備えたこの高コスト電池は、例えば、電球に点火しモータに動力供給することができる、高電圧高電流の電池であり、必要とされている新しい薄型の低コスト電池の現実的な競争相手ではない。ポラロイド社に加えて、他のものは、様々な電気化学的な方法で薄型電池を開発しようとしてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
参照により本明細書に組み込まれる、2005年4月20日出願の同時係属中の米国出願11/110202は、平坦状セルおよび電池の新しい設計および製造方法について考察している。
成長市場が低コスト低容量の薄型の平坦状セルを必要としていることから、多用途で大量生産するのに安価な、印刷可能な薄型の平坦状フレキシブル・セルを製造することが有利であろう。低電力かつ高生産量の用途に非常に適した印刷可能な使い捨て薄型セルは、特にそれらが、適切な電圧、十分な容量、および低コストの解決策を提供する場合に有用であろう。一般的に、従来の目立たない外形の電池は、たとえあったとしてもこれらの特性をほとんど有さない。
【0005】
さらに、水平方向の小袋状充填材(pouch filler)を使用して組み立てられている、先願における上述の構造(参照により組み込まれる米国出願11/110202を参照)は、空気をまき込む恐れがあり、ある用途で望まれるほどには平坦状で薄型のものではないことがある。また、そこに開示されているようなセルは、大きな圧縮力に弱いことがある。それに加えて、当該出願のいくつかの実施形態の構成において開示されている紙層の必要性を回避することが有用であると思われ、さらに、当該出願の液体電解質は、取扱いが困難な場合があり、また印刷不能なことがある。当該出願に開示されている折り畳み工程を排除することも、同様に有用なことがある。それに加えて、当該出願に組み入れることができるセルは、製造の間動力供給していることが同様に有用であろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
電池電源の機能を果たす1つまたは複数の電気化学セルを含む装置の複数の実施形態が提供される。
【0007】
本発明は、電流を発生させる平坦な電気化学セルを提供する。上記電気化学セルは、第1の基板層と第2の基板層を備える。第1の基板層は、複数の積層からなり、第1の酸化物バリア層を備える。第1の酸化物バリア層は、第1の基板層の複数の積層を通じて気体が逃れることを可能にする気体透過率を有する。上記電気化学セルは、第1の基板層上または第2の基板層上に設けられたカソード層と、アノード層と、液体電解質をさらに備える。アノード層は、カソード層と同じ第1の基板層上、カソード層と同じ第2の基板層上に設けられることにより、カソード層とほぼ同一平面上に配置される。液体電解質は、カソード層に接触しているとともに、アノード層にも接触している。この電気化学セルは、第1の基板層が、第2の基板層に接続されて電解質を収容する内部空間を形成しており、アノード層およびカソード層のうちの少なくとも1つが、硬化または乾燥したインクから形成される。
また、本発明は、上記した電気化学セルを複数備えたバッテリも提供する。
さらに追加の実施形態が提供され、すべてではないがそのいくつかが以下に記載される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、薄型で可撓性を有する電気化学セル等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ユニット・セル101の一実施形態の平面図である。
【図2】電極領域に沿って取ったユニット・セルの断面図である。
【図2A】図2からの代替構成を有する電極領域に沿って取ったユニット・セルの断面図である。
【図3】第1の電極の全長に沿って取ったユニット・セルの断面図である。
【図4】第2の電極の全長に沿って取ったユニット・セルの断面図である。
【図5】セル積層体の一実施形態の断面図である。
【図5A】代替セル積層体の実施形態の断面図である。
【図5B】代替セル積層体の実施形態の断面図である。
【図6】ステーション#1〜#4の後の、高速印刷機を使用した処理の後に示されるセルの一実施形態における印刷されたウェブの平面図である。
【図7】ステーション#5〜#9における処理の後に続く高速印刷機の印刷されたウェブの平面図である。
【図7A】特殊なフレーム設計の形で示される、ステーション#7およびステーション#8の処理の後に続く高速印刷機の印刷されたウェブの平面図である。
【図7B】図7に示される特殊なフレームを使用している電極面積に沿って取ったユニット・セルの断面図である。
【図8】ステーション#10〜#13における処理の後に続く高速印刷機の印刷されたウェブの平面図である。
【図9】ユニット・セル600の平面図である。
【図10】電極領域に沿って取ったユニット・セル600の断面図である。
【図11】第1の電極の全長に沿って取ったユニット・セル600の断面図である。
【図12】第2の電極の全長に沿って取ったユニット・セル600の断面図である。
【図13】ユニット・セル700の平面図である。
【図14】カソードの全長に沿って取ったユニット・セル700の断面図である。
【図15】一実施形態の3V電池を作製するため、5つのステーションを介する高速印刷機の印刷されたウェブの平面図である。
【図16】集積回路と電池アセンブリの組立てを示す高速印刷機の印刷されたウェブの平面図である。
【図17】少なくともいくつかの実施形態による、セルを製造するために使用することができる別の製造プロセスを示すフローチャートである。
【図18】少なくともいくつかの実施形態による、セルを製造するために使用することができる製造プロセスを示すフローチャートである。
【図19】少なくともいくつかの実施形態による、1つまたは複数のセルを含む電池を製造するために使用することができる別の製造プロセスを示すフローチャートである。
【図20】少なくともいくつかの実施形態による、電子アプリケーションと一体化されるセルを製造するために使用することができる別の製造プロセスを示すフローチャートである。
【図21】ユニット・セル901の平面図である。
【図22】電極領域に沿って取ったユニット・セル901の断面図である。
【図23】第1の電極の全長に沿って取ったユニット・セル901の断面図である。
【図24】第1および第2の電極の全長に沿って取ったユニット・セル901の断面図である。
【図25】端子コンタクト領域に沿って取ったユニット・セル901の断面図である。
【図26】ユニット・セル1200の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書では、特に明示しない限り、すべてのパーセンテージは重量パーセントである。また、本明細書では、「5〜25」(または「約5〜25」)などの範囲が与えられた場合、少なくとも1つの実施形態では、少なくとも約5を意味し、別個かつ独立に約25以下を意味し、特に指示しない限り範囲は厳密に解釈されるものではなく、許容できる例として与えられる。さらに本明細書では、列挙されるまたは好ましい値に続く括弧内の範囲は、本発明の追加の実施形態によるその値のより広い範囲を示す。
【0011】
本発明は、印刷された薄型電気化学セル、および/または複数のそのようなセルを備える電池に関する。一般的に、そのようなセルはそれぞれ、第1の電気化学層を有する第1の電極(例えば、カソード)と、第2の電気化学層を有する第2の電極(例えば、アノード)と、電極と相互作用して電流を発生させる電解質とを少なくとも含む。第1および第2の電極ならびに電解質はすべて、一般的には、電流を装置に供給するため、電極に対する外部の電気的アクセスを提供する何らかの構造内に収容される。
【0012】
そのようなセルを大量生産する1つの方法は、水性および/または非水性溶媒インクおよび/または他の塗料を、例えば積層高分子フィルム層などの、特殊な基板上にあるパターンで堆積させる工程を含む。堆積は、電気化学インクを印刷することにより、および/または亜鉛箔などの金属箔を積層することにより行うことができる。特に必要な量が非常に多い場合には、例えば、1または複数の高速ウェブ印刷機上で、堆積を行うことができる。量がより少ない場合、例えば約数百万個以下の数量の場合、平面スクリーンを用いたウェブ印刷などの、より低速の方法が適切なことがある。量が数百または数千個程度とさらに少ない場合、例えば、シートフィーダー式の平面印刷機を利用してもよい。
【0013】
インクが印刷された後、かつ/または固体が適切に配置された後、セルを完成させる(例えば、封止し、打ち抜き、積み重ね、かつ/または穿孔し、ロール状に巻く、あるいは印刷機上で複数のシートが使用された場合、積み重ねる)ことができる。このセル製造プロセスは、1つまたは複数の別個のセルを、実際の電子アプリケーションと一体化するか、または直列もしくは並列に接続された複数のセルを備える電池に組み入れるか、あるいはその2つの何らかの組合せに利用することもできる。そのような装置および対応するプロセスの例を後述するが、多数の追加の実施形態も予期される。
【0014】
上述したように、本発明を、印刷された、可撓性の薄型電気化学セルとして説明することができる。例えば、そのような電池は、例えば下側フィルム基板を含むことができる。下側フィルム基板は、両面を高分子フィルムに取り囲まれた高防湿層をその中央におそらくは含むことを特徴とする特殊な高分子積層体を利用することができる。さらに、1または両方の外表面は、必要に応じて、情報、ロゴ、指示、識別、通し番号、グラフィックス、または他の情報もしくは画像を印刷するため、印刷を受け入れるようにすることができる。
【0015】
本発明のどの構成が使用されるかによって、基板の内側のプライは、バリア塗膜の反対側の側面上に共有押出し成形されてもよいヒート・シール層を特徴とすることもできる。
【0016】
それに加えて、少なくともいくつかの実施形態におけるセルの下側基板層の内表面の一部分は、例えば、フィルム基板の一部分上に印刷もしくは塗布されるか、または別の方法で適用された、炭素などのカソード集電体を利用することができる。この集電体の外側接触面積には、例えば、必要に応じてアプリケーション接続部に対する導電性を改善するため、銀、ニッケル、または錫などの、比較的高導電性のインクの層を印刷することもできる。しかし、所要電流が比較的低い電池用途に使用される場合、より高い導電性の層材料またはさらには集電体を1または両方の電極に対して設ける必要がないことがある。
【0017】
少なくともいくつかの実施形態では、水ベースのインクからなる電気化学層がカソードとして印刷される。そのようなカソード層は、例えば、二酸化マンガン(MnO2)、炭素、および高分子結合剤を含むことができる。カソード層のための他の処方も、これらの材料のいずれかを有して、または有さずに利用することができる。カソード集電体層が使用される場合、カソード電気化学層は、基板に最初に印刷されるか別の方法で塗布されるカソード集電体の少なくとも一部分上に印刷される。
【0018】
いくつかの実施形態では、約0.127cm(0.050インチ)の間隔でカソード集電体に隣接して、亜鉛箔の細長片をアノードとして配置することができる。例えば、亜鉛または他の何らかの適切な材料を含むインク層などの、他のアノード組成物も可能である。
【0019】
このアノードの配置の前に、オフ・ライン操作において、おそらくは剥離ライナーを使用してドライ・フィルム接着剤層を塗布することができる。次に、亜鉛箔をドライ・フィルム接着剤に積層することができる。
【0020】
アノードおよび/またはカソードの全体にわたって、デンプン・インクまたは同様の材料が任意に印刷される。デンプン・インクは、水性電解質溶液がセルに添加された後、電極を「湿潤」させておく、電解質吸収体の機能を果たすことができる。このデンプン・インクは、電解質塩およびセル反応用に必要な水も含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、デンプン層(1つまたは複数)を有してまたは有さずに、2つの電極が適所に置かれた後、セル「フレーム」を付加することができる。これは、多数の異なる方法を使用して行うことができる。1つの方法は、例えば、誘電体インクを用いてこのセル・フレームを印刷するものである。別の方法は、各ユニット・セルの材料を収容する適切な「ポケット」(1つまたは複数の内部空間)を形成するため、型押し、打ち抜き、レーザー切断、または類似の方法で作製された高分子シートを利用するものである。
【0022】
確実にフレームを基板に良好に固着させ、かつ直接フィードスルー(内部セルから外部セルへの電気経路を提供する)を良好に封止するため、例えばフレームを印刷する前または高分子シートを挿入する前に、例えばセル・フレームと同じパターンで、封止またはコーキング接着剤を基板上に印刷することができる。
【0023】
この封止またはコーキング材は、例えばAcheson ColloidのPM040などの、例えば感圧性および/または感熱性のもの、あるいは両表面の封止を容易にするであろう他の任意のタイプの材料であることができる。
【0024】
誘電性のフレームを印刷し、乾燥および/または硬化させた後、感圧性封止接着剤をフレームの上に印刷して、セル・フレームに対する上側基板の良好な封止を可能にすることができる。このセル・フレームは、また、予め孔あけされ、次に予め印刷された上述のコーキング接着剤層と一致するように位置合わせして積層された、厚さ約0.038cm(0.015インチ)(約0.008cm〜0.127cm(0.003インチ〜0.050インチ)の範囲)の高分子フィルムを含むことができる。
【0025】
塩化亜鉛(ZnCl2)は、少なくともいくつかの実施形態において、例えば約18重量%〜45重量%の濃度範囲で電解質として選択することができる。電解質は、例えば開放セルに添加することができる。ライン上での処理を容易にするため、この電解質または異なる電解質を、例えば、CMCを約0.6重量%(約0.05%〜1.0%の範囲)のレベルで用いて厚くすることができる。
【0026】
例えば、塩化アンモニウム(NH4Cl)、塩化亜鉛(ZnCl2)と塩化アンモニウム(NH4Cl)の混合物、酢酸亜鉛(Zn(C2H2O2))、臭化亜鉛(ZnBr2)、フッ化亜鉛(ZnF2)、酒石酸亜鉛(ZnC4H4O6・H2O)、過塩素酸亜鉛Zn(ClO4)2・6H2O、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、または有機物などの、他の有用な電解質配合物も使用することができる。
【0027】
塩化亜鉛は、通常直面する一般的な環境条件に対して優れた電気性能を提供する、一般に好まれる電解質であり得る。同様に、上述の代替電解質のいずれかを、特に、例えば約18%〜45%の範囲内の濃度(重量基準)で使用することができ、少なくともいくつかの他の実施形態においては約25%〜35%の範囲が使用される。そのような組成物もまた、一般的な環境条件下で許容できる性能を提供することができる。
【0028】
塩化亜鉛以外の電解質を使用することで、いくつかの異なる環境条件下で、改善されたセル/電池の電気性能を提供することができる。例えば、約32重量%の酢酸亜鉛(F.P(凝固点)約28℃)は、約32重量%の塩化亜鉛(F.P.約−23℃)よりも低い凝固点を示す。これらの溶液は両方とも、約27%の塩化亜鉛(F.P.約−18℃)よりも低い凝固点を示す。他の酢酸亜鉛濃度、例えば約18〜45重量%または約25〜35重量%は、約−18℃というさらに低下した凝固点を示す。
【0029】
そのような電解質配合物を塩化亜鉛の代わりに、またはセルに使用される様々な混合物中に使用することにより、低温での性能を改善することができるようになる。例えば、約32%の酢酸亜鉛電解質を使用することにより、ボルタ電池の低温(すなわち、約−20℃未満)性能が大幅に改善されることが分かっている。低温におけるこのタイプの電気化学セルの性能の改善を、例えば電池動力式RFIDタグ、ならびに/または、寒い環境で使用されることがある、例えばスマート能動ラベルおよび温度タグなどの他の過渡的な(可搬型)電動式装置の成長しつつある事業に利用することができる。
【0030】
例えば、食品、医薬品、血液などの、今日輸送される多くの製品は、低温の貯蔵および輸送条件、またはさらに低温での動作を必要とすることがある。そのような物品を確実に安全に輸送するため、これらの品目は、能動RFIDタグおよび/またはセンサを用いて追跡することができる。これらのタグおよび/またはラベルは、−20℃、もしくはさらに低い、例えば約−23℃、約−27℃、またはさらには約−30℃以下の温度で有効に動作する、電気化学セルおよび/または電池を必要とすることがある。
【0031】
低温用途における改善された低温性能を達成するため、酢酸亜鉛が使用されるとき、約31〜33重量%の範囲の酢酸亜鉛濃度が許容できる場合が多いが、約30〜34、約28〜36、約26〜38、さらには約25〜40重量%の範囲を利用することもできる。
【0032】
少なくとも1つの実施形態では、水性電解質を付加した印刷されたデンプン層の構成は、例えば、各電極の少なくとも一部分を有効に覆う印刷可能な粘稠液体(ゲルまたは他の何らかの粘稠材料を含むことができる)と置き換えることができる。1つのそのような印刷可能なゲルは、参照により本明細書に組み込まれる、2003年9月4日発行の米国特許公開公報2003/0165744A1に記載されている。これらの粘稠配合物は、例えば、上述の電解質の式および濃度を利用することができる。
【0033】
セル・パッケージの上側基板は、内部セル/電池構成要素を超えてセル・フレーム上に延びる縁部を有する、特殊な積層高分子フィルムを利用することができる。上側層は、感圧性接着剤(PSA)を用いて、かつ/または予め印刷された感熱性封止接着剤で、セル・フレームの縁部の周りで封止して、内部構成要素をセル・フレーム内に密閉することができる。
【0034】
上記の構成はウェット・セル構成であり得るが、類似のセル構成を使用して、本発明は、液体を適用する前の保管寿命を延長する利益を有する予備セル構成とすることもできる。印刷可能な、可撓性の塩化亜鉛薄型電池は、環境に優しいものにすることができる。例えば水銀またはカドミウムなどの、有害な構成成分を使用する必要がないような構成を利用することができる。したがって、この設計による古いかつ/または消耗したセルは、通常の廃棄物除去手段を使用して廃棄することができる。
【0035】
この技術を使用することができる装置は広範囲である。必要な電力が比較的低い、または寿命が1〜2年に限定された装置は、本発明による薄型セル/電池を利用して機能することができる。上記パラグラフおよび以下に記載されるような本発明のセルは、安価で大量生産することができる場合が多いので、例えば使い捨て製品に使用することができる。コストが低いことにより、これまでは費用効率が低かった用途が可能になる。
【0036】
本発明による電気化学セル/電池は、次の利点の1つまたは複数を有してもよい。
比較的薄型である。
平坦かつ比較的均一な厚さであり、縁部の厚さが中央部とほぼ同じである。
可撓性である。
多くの幾何学的形状が可能である。
封止されたコンテナである。
単純な構成である。
高速かつ大量生産用に設計されている。
低コストである。
多くの温度における性能の信頼性が高い。
低温性能が良好である。
使い捨てで環境に優しい。
両方のセルコンタクトが同じ表面上に設けられる。
アプリケーションへの組立てが容易である。
電子アプリケーションが製造されるのと同時に、連続プロセスで容易に一体化することができる。
【0037】
上記は、本発明のいくつかの実施形態による様々なセル構成の概要であり、さらなる詳細を図面を用いて以下に示す。同様に、セルを印刷し組み立てるためのセルおよび電池の製造プロセスも、以下に示す。
【0038】
図1〜4は、完成したユニット・セル101の2つの実施形態を示す平面図および断面図である。本明細書におけるセル101は、考察のため、手製の一実施形態であることを前提としているので、セル構成の部品および詳細は簡略化され、より容易に記述できるようにされ、また、処理の詳細を避けながら十分に説明することができる。本発明の後述の考察において、簡略化されたセル構成が提供された後、例えば高速印刷機上で製造することができる実施形態を提供するため、構成(材料および処理方法)の詳細に関するいくつかの変形例が提示される。
【0039】
図1〜4のセル101は、上側積層フィルム基板(層)112、下側積層フィルム基板(層)111、ポジティブコンタクト140およびネガティブコンタクト150を有する拡張領域180を含む。図1〜4にその実施例が示されるセル101は、電解質と電気化学的に相互作用して電流を生じさせることができる異なる組成の電気化学層からそれぞれ成る、電極層130(カソード)および電極層115(アノード)から成る。明瞭にするため、図1の中のセル101は上側積層体112を除いて示される。
【0040】
カソード層130を適用する前に、高導電性炭素から成るカソード集電体131を、下側積層基板111上に印刷することができる。少なくとも1つの実施形態では、このカソード集電体は、実質的にカソード層130とコンタクト延長部134を組み合わせた形状およびサイズを有するが、サイズ差を利用することもできる。いくつかの実施形態では、特にカソード層がより高導電性である場合、集電体は不要なことがある。
【0041】
少なくとも1つの実施形態では、カソード集電体131の広面積部分上に、二酸化マンガン、例えば炭素などの導電体(例えば、グラファイト)、結合剤、および水を含むインクを使用して、カソード層130が印刷される。図4に示されるようなアノード層アセンブリ160は、亜鉛箔アノード層115および両面ドライ・フィルム接着剤114の積層体として、下側積層フィルム基板111上に挿入される。このアセンブリは、少なくとも1つの実施形態において、カソード130から約0.127cm(0.050インチ)(約0.025cm〜0.254cm(0.010インチ〜0.100インチ))離して配置することができる(他のいくつかの実施形態では、おそらくは他の距離が利用される)。
【0042】
アノードアセンブリが挿入された後、同様に、アノード層全体にわたって水性デンプン塗膜層116を印刷することができ、いくつかの構成では、このデンプン層は、2つの電極層を分離する図2Aに示される間隙139内に、カソード層(図1および2には図示なし)全体にわたって同様に印刷することもできる。
【0043】
電極層(アノードアセンブリ160およびカソード層130)が適所に置かれた後、任意のデンプン塗膜116が存在する場合には、それとともに、「フレーム」113が電極の周りに配置される。このフレームは、様々な実施形態に対して、多数の異なる材料で、かつ多数の異なる方法で作製することができる。ここで検討されている簡略化された構成では、フレーム113は、中間にポリエステルまたはポリ塩化ビニル(PVC)などがあり、感圧性接着剤の2つの外側層(上側表面上の118および下側表面上の117)を有する、打ち抜きされた高分子積層体シートを含むことができる。個々の剥離ライナーは図中には示されない。上側PSA層118は、上側積層基板112をフレーム113に固着し、下側PSA層117は、下側積層基板111をフレーム113に固着するのに使用することができる。
【0044】
一実施形態では、フレーム・アセンブリは、合計約0.038cm(0.015インチ)(約0.013cm〜1.27cm(0.005インチ〜0.50インチ))の厚さ(ライナーの厚さを除く)を有する。フレームは、電極がフレーム内の中央にくるようにして、ボトム剥離ライナーを除去した後に下側積層基板111上に配置することができる。場合によっては、確実に漏れがない構成にするため、両面感圧性接着剤PSAテープによる封止および/またはコーキング接着剤、ならびに/または感熱性封止および/またはコーキング接着剤を、電極のフィードスルー領域(例えば、アノードフィードスルー153およびカソードフィードスルー133)内の電極全体にわたって印刷することができる。
【0045】
図2Aに示されるようなセル101を作製する次の操作は、セル電解質299を、1つまたは両方の電極を覆っているデンプン・インク層116に付加することである。電解質は、約0.6%レベル(約0.1%〜2%)のカルボキシメチルセルロース(CMC)などのシックナーも含有することができる、約27重量%(約23重量%〜43重量%)のZnCl2水溶液であることができる。
【0046】
デンプン・インクまたは印刷可能な電解質が使用されない場合、電解質溶液299を付加する前に、図2に示される浸透セパレータ200を両方の電極全体にわたって挿入することができる。
【0047】
セルは、フレーム全体にわたって上側積層体112を適用し封止することによって完成する。この上側積層体を適用する前に、剥離ライナーが存在する場合(図示なし)、それを、フレーム113の上の上側接着剤層118から除去する。
【0048】
積層フィルム基板111および112の構成例の3つの実施形態が、図5、5A、および5Bにそれぞれ示される。下側および上側積層フィルム層は、ほとんどの場合かつほとんどの用途において、同じ材料のものである。図5に示されるような少なくとも1つの実施形態1000では、これらのフィルム層は、例えば、Curwood Inc.、Bemis Corporation Company(Oshkosh、WI)製のものなどの3層積層フィルムから成ることができる。そのような積層体の異なる構造が、図5Aの断面図に示される。この積層フィルム1100は4層を有する。セル内部に配置された上側層1101は、約0.48ミル(約0.2〜5.0ミル)の厚さ例を有し、Toppan(日本)製のGLフィルムなどの高防湿高分子層である。一般的には、このポリエステル・フィルムは、積層構造の内部に、酸化物または金属化塗膜1104を有する。これらの高分子(ポリエステル)ベースのバリア・フィルムは、真空蒸着された酸化物または金属の種類および量に応じて異なる水分透過値を有することができ、下側ポリエステル層1103に積層することができ、かつウレタン接着剤1102を備えた構造層としての機能を果たすことができる。
【0049】
セルの構成、セルの用途、および/またはセルの環境に応じて、基板が異なるバリア特性を有するのが有利なことがある。利用可能な蒸気透過速度が広範囲に及ぶため、バリア層は、必要に応じて、特定の用途および構成それぞれに対して選択することができる。場合によっては、例えばセルが意図的により高いガス発生速度を有する場合、より多量のガスを逃がすことができるようにして、セルの膨れを最小限に抑えるため、より高い透過速度のフィルムを使用することが適切かつ望ましいことがある。別の実施例は、砂漠などの高温の乾燥した環境における用途であろう。そのような場合、セルからの過度な水分損失を防ぐため、低い透過速度のバリア・フィルムを有することが望ましいことがある。
【0050】
図5Aの4層構造の外側層、すなわち構造層1103は、例えば、延伸ポリエステル(OPET)の約2.0ミル(約0.5〜10.0ミル)の層であり、これは、例えば厚さ約0.1ミルのウレタン接着剤1102を用いて、他の層に積層される。この「構造層」としては、例えば、DupontのMelinex銘柄などのポリエステル延伸(OPET)フィルムが挙げられる。他には、Toyobo(日本)製の材料を使用することができる。この材料は、白色ミクロ孔質延伸ポリエステル(WMVOPET)と称されるポリエステル系の合成紙である。
【0051】
いずれかの高分子またはすべての高分子の厚さを増加させてより厚い基板を使用することは、いくつかの利点を有することがある。これらの利点は、次の1つまたは両方を含むことができる。
・より厚い基板は感温性が低いため、印刷機上でのセルの処理がより良好である。
・セル・パッケージはより硬質でより強い。
【0052】
上記の仕様に加えて、外側層および内側層のいずれにも、必要なインクに対する印刷受容面を付加することができる。必要に応じて、内側層(集電体および/または電気化学層など)を機能性インクに使用し、外側層をグラフィック用インクに使用することができる。システムが封止された平坦状セル構成は、防湿層として金属化フィルムおよび/または非常に薄い金属箔(1つまたは複数)を含む、積層構造を利用してもよい。金属層を使用するそのような構造は、上述の実施形態のいくつかに使用される構成よりも良好な防湿層特性を有することがあるが、いくつかの不利な点を有することもある。これらは、次の1つまたは複数を含むことがある。
【0053】
金属バリア(薄い金属箔あるいは真空メタライズ層)を備えた積層構造は、より高価な傾向がある。
・金属層を備えた積層構造は、内部ショートを引き起こす可能性を有する。
・金属バリアを含む積層構造は、例えばRFIDアンテナの機能性などの、アプリケーションの電子部品と干渉するおそれがある。
【0054】
図1〜4のフィルム基板111および112、ならびに他の図面の層800および900は、バリア層(金属または他の材料を含む)を有するまたは有さない、高分子フィルムの多数の変形例から成ることができ、ポリエステルまたはポリオレフィンなどの、単層または多層フィルムのどちらかを利用することができる。ポリエステルは、改善された強度を提供して、より薄いゲージのフィルムを使用できるようにするので、利用に適した材料であり、一般的には、多重ステーション印刷機上で使用されたとき、容易に伸展されない。ビニル、セロハン、およびさらには紙も、フィルム層として、または積層構成中の層の1つもしくは複数として使用することができる。非常に長期間の保管寿命が望ましい場合、かつ/または環境条件が極端な場合、図5Aの4層積層高分子を、酸化物塗膜1104の代わりにアルミニウムを真空蒸着することによって得られるような、メタライズ層を含むように変更することができる。
【0055】
あるいは、例えば層1104用に、または異なる位置において、フィルム層の構造内に非常に薄いアルミニウム箔を積層することができる。そのような変形例は、既に低い水分損失を実質的にゼロにまで低減することができる。一方、その用途の寿命が比較的短い場合および/または稼動期間が短い場合、より高価なバリア層を、より低コストであるが依然としてセルを必要な寿命の期間機能させることができる、効率の低いものと置き換えることができる。
【0056】
必要とされる寿命が非常に短い用途では、セル・パッケージには、ポリエステルまたはポリオレフィンなどの、低コストの高分子基板からなるフィルム層を代わりに使用することができる。フレーム113を上側基板112および下側基板111に接着する感圧性接着剤封止システムを、積層体上のヒート・シール・システムと置き換えることができる可能性がある。
【0057】
一例として図5に示される、上側および/または下側積層基板1000の簡略化された構成では、積層バリア層1101、1103は、例えば、ウレタン接着剤層1102とともに積層することができる。あるいは、図5Aは、バリア層1101上のバリア塗膜である付加層1104を備える基板1100を示す。それに加えて、層1101および1103は、ウレタン接着剤層1102とともに積層し、したがって図5Aの実施例に示されるような基板1050を形成することができる。
【0058】
あるいは、図5Bは、セルの基板に使用することができる7層積層基板1099の一実施例を示す。基板1099は、接着剤層1102を使用して前の構造に積層されるヒート・シール層1108を有する。約50ゲージのヒート・シール層1107は、ポリエステルなどの高分子フィルム上に、非晶質ポリエステル(APETまたはPETG)、半晶質ポリエステル(CPET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリオレフィン高分子などのヒート・シール塗膜1108をさらに含む、複合層であることができる。1つのそのような材料例は、Dupont製の、例えば、OL、OL2、またはOL3などのOLシリーズと称される、Ovenable Lidding(OL)フィルムである。したがって、これにより、上述のセルの上側基板112および/または下側基板111が7層構成にされるであろう。これらの構造1000、1100、または1099(それぞれ、3層、4層、および7層積層体)のいずれかの様々な層の厚さに応じて、これらの積層体全体の厚さは、約0.008cm(0.003インチ)、少なくともいくつかの実施形態においては約0.025〜0.038cm(0.001〜0.015インチ)の範囲であり得る。あるいは、所望の用途および品質に応じて、異なる基板構成を同様に利用することができる。
【0059】
一実施形態のセル構成のための材料は、次の材料を含む。カソード集電体131は、Acheson Colloids(Port Huron、MI)製のものなどの高導電性炭素インク(例えば、PM024)を含む。集電体131は、例えば約61メッシュ(いくつかの実施形態では約20〜180メッシュ)の非常に粗いスクリーンを使用して、約1ミル(それぞれ約1.2〜0.4ミル)の乾燥蒸着を可能にするため、スクリーン印刷などの商用手段によって下側積層体上に印刷することができる。したがって、約5cm×5cm(2インチ×2インチ)のサイズのセルは、約55Ω(約44〜100Ω)の抵抗を有するであろう。この抵抗をさらに低減するため、アノードの外部コンタクト領域において高導電性コンタクト132を印刷することができる。この構成の実施例に使用される材料は、スクリーン印刷が可能な、Acheton Colloids(Port Huron、MI)製の銀充填導電性インク(SS479)である。
【0060】
金、錫、銅、ニッケル、および/または2つ以上の導電性材料の混合物などの他の使用可能な導電性材料を、他の材料とともに、許容可能な実施形態に使用することもできる。これらの導電性インクのいずれかは、例えば、回転スクリーン、フレキソ印刷、およびグラビア印刷、ならびに例えばインクジェット印刷技術などの、印刷方法を用いて適用されてもよい。それに加えて、既製のグラファイト箔、および/または導電性樹脂、金属、およびグラファイトの1つもしくは複数を含む混合物の既製の箔を、インクカソード集電体を印刷する代わりに挿入し使用することができる。必要な電流が非常に低い用途では、高導電性ポジティブコンタクト140が不要なことがあり、かつ/または、ある程度高い電流が望ましい場合、回路コンタクトが代わりに高導電性コンタクトとして使用されてもよい。
【0061】
一実施形態では、カソード層130は、例えば、電池グレードの二酸化マンガン約43.4%(約20%〜60%)、KS−6グラファイト約14.4%(約2〜25%)、約6.5%(約0.5%〜15%)のポリビニルピロリドン(PVP)水溶液約29.5%(約20%〜60%)、および脱イオンまたは蒸留水約9.65%(約0.1%〜20%)の湿潤組成物を有する水性ベースのインクを用いて、予め印刷され乾燥されたカソード集電体層131の一部分上に印刷することができる。そのようなインクは、約0.015g/cm2(0.10g/in2)(約0.004〜0.038g/cm2(0.03〜0.25g/in2))の公称乾燥塗布重量(dry lay down weight)を可能にするために、約46メッシュ(約10〜65メッシュ)のファイバーガラス・スクリーンを用いて印刷することができる。乾燥印刷の量は、一般的には、必要なセル容量によって決定され、例えばより高い容量が望ましいときはより多くの材料を使用する。より微細なスクリーンの多数のヒットの代わりに非常に粗いメッシュ・スクリーンを利用する、この新規な印刷方法を使用することにより、印刷ステーションの数を低減することができるとともに、セル性能を増加させることができる。
【0062】
この構成例に使用される電気活性カソード層(130)材料は、例えば、高純度電池グレードの電解二酸化マンガンを含む。この実施形態の材料の粒径範囲は、例えば約1〜100ミクロンであり、平均粒径は約40ミクロンである。集電体に容易に適用するため、材料のさらなる細度が求められる場合、必要に応じて、材料をミリングして、約1〜20ミクロンの範囲、平均約4ミクロンの粒径を達成することができる。目的の構成における亜鉛アノードと組み合わせて使用されてもよい、他の使用可能な電気活性カソード材料は、例えば、酸化銀Ag2Oおよび/またはAgO、酸化水銀HgO、酸化ニッケルNiOOH、酸素O2(例えば、エア・セルの形態でなど)、および酸化バナジウムVO2である。異なるアノード材料とともに使用されてもよいカソード材料としては、例えば、Cdを有するNiOOH、AB2およびAB3タイプの金属水素化物を有するNiOOH、ならびにFeおよびFES2を有するNiOOHの1つまたは複数が挙げられる。
【0063】
一実施形態のカソード層に使用される結合剤は、約950、000g/モルを超える高分子量結合剤のクラスを含む。使用することができる1つのそのような高分子は、約85、000〜95、000または約120、000(より高い分子量)のポリビニルピロリドンである。使用することができる他のクラスの材料としては、ポリビニルアルコール、米、じゃがいも、トウモロコシ、および豆類を含むデンプンおよび変性デンプンのクラス、エチルおよび水酸基エチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ならびにこれらの材料の混合物の1つまたは複数が挙げられる。必要に応じて、テフロン溶液または混合プロセス中にフィブリル化したテフロン(登録商標)を使用することによって、追加の結合剤が得られてもよい。
【0064】
一実施形態では、積層体160であることができる(かつ、例えば、約4.46cm×0.50cm×0.005cm(1.75インチ×0.20インチ×0.002インチ)の寸法を有する可能性がある)予め切断されたアノードの細長片の箔が、カソード集電体/カソードアセンブリから約0.127cm(0.050インチ)(約0.025cm〜0.254cm(0.010インチ〜0.100インチ))の間隔で、このアセンブリに隣接した下側基板上に挿入される。挿入の前に、厚さ2ミルの電池グレードの亜鉛箔を、Morgan Adhesive Co.(Stow、OH)製の#2180、IB1190、またはIB2130などの、剥離ライナーを有する乾燥フィルム接着剤に積層することができる。例えば亜鉛の幅広のロール(例えば、幅約0.91〜3.65m(3〜12フィート))上でこの積層が完了した後、約2.54cm2(1in2)のカソードセル用に、この積層構造を切断して、幅約0.508cm(0.200インチ)(約0.432cm〜0.584cm(0.170インチ〜0.230インチ))の幅の狭いロールにすることができる。他のサイズのカソードを有するセルは、アノード積層体の異なるスリット幅を利用することができる。別の構成では、例えば亜鉛箔の細長片を適用する前に、基板上の印刷された接着剤との積層を行うことができる。
【0065】
上述のセル構成では、水平方向の小袋充填材構成上に組み立てられた、先願の上述した構成(参照により組み込まれる米国出願11/110202を参照)に比べて、本明細書に開示されるセルの実施形態(具体的に開示されていない、ただし本開示によって支持されるものの中でも特に)は、フレーム構成を利用することにより、空気の閉じ込めを低減することができ、したがって、これらのセルはより平坦な外形を有することができ、より薄型であることができ、ならびにより容易に矩形以外の形状にすることができることが見出されている。また、これらのセルは、より大きな圧縮力に耐えることができてもよく、これは、セルが、例えばクレジット・カードなどの用途向けに積層される場合に重要なことがある。
【0066】
さらに、セルは、上記に引用した出願に記載の「小袋」設計に開示されているものとは異なる形で構成することができ、したがって、おそらくは、例えば印刷プロセスを利用して行うことができる、フレーム構造を付加する製造工程をおそらくは付加することで、当該出願に開示されている紙層の必要性を回避することができる。したがって、追加の印刷ステーションが、本発明のプロセスで利用されてもよい。
【0067】
さらに、(例えば、インクまたは流動性ゲルを使用して)印刷された電解質を、上記に引用した出願の液体電解質および紙のセパレータの代わりに用いることができる。本明細書に開示される実施形態は、また、当該出願において利用されている折り畳み工程も回避することができる。本明細書に開示されるセルは、例えば完全に印刷機上で作製されてもよく、したがって、アプリケーション回路群に直接組み入れることができてもよい。さらに、本明細書に開示される構成により、セルを比較的平坦することができるようになるので、本発明のセルは、積層して例えばスマート・カードを作製するのに利用されてもよい。したがって、見込まれるより高い資本コストが、増加したユーティリィティによって相殺されることがある。
【0068】
これらの印刷された薄型平坦状フレキシブル・セルを高速かつ低コストで製造するため、本発明は、構成要素をセル・パッケージ・コンテナ(積層フィルムおよびフレーム)に適用する、ならびに適用されたセル構成要素を用いてフィルムを処理し、自動でそれらをセルに組み立てる、フォーマットおよびプロセスを提供する。この製造プロセスを容易にするため、上述のセル構成例のいくつかの部品および/または材料は、図6〜21に示されるように、かつ以下のパラグラフに記載されるように変形することができる。
【0069】
この最新の構成は、一実施形態によれば、この構成における下側積層基板111を提供する積層ウェブ900から開始され、ロール・ツー・ロール機構を稼動させる高速印刷機と適合性をもつ多数のステーションを通って進行する。次に記載される最初の概要は、例えば、印刷機上を1回通過させて、完成したセルを製造するための基本的な工程を含む。
【0070】
利用可能な印刷機によれば、セルは、例えば所与の印刷機上を1回通過させる、または複数回通過させることによって製造することができる。図面は、一例として、ウェブ上の2列のセルを示すが、列の数は、ユニット・セルのサイズ、および印刷機が処理できる最大のウェブ幅によってのみ制限される。多数の工程があってもよく、それによって長く複雑な印刷機が必要となる傾向があるので、これらの工程のいくつか、ならびに材料のいくつかを変更することができ、かつ/または印刷機の複数回の通過もしくは複数の印刷機を使用することができる。最初の考察が終了した後、いくつかの変更されたプロセスの概要が示される。
【0071】
図17のフローチャートに示されるように、セル/電池が図6のウェブ900上で処理される前に、いくつかの任意の操作が生じても、または生じなくてもよい。これらの任意のプロセスは、ウェブの熱安定化および/または図形の印刷(ロゴ、コンタクトの極性、印刷コード、位置合わせマークの追加をウェブ900の外側表面上に印刷することを含むことができる)を含むことができる。これらの任意の印刷操作(図示なし)がウェブ900上で生じる場合、ウェブ900を裏返すことができ、機能性インクは内側表面上に印刷され、したがってそれが下側積層体111になる。
【0072】
図6、7、および8に示されるようなセルは、次のプロセス例に従って構成することができる。
1)第1の印刷ステーションでは、カソード集電体201が、高導電性炭素インクを用いてスクリーン印刷される。
2)第2のステーションでは、銀コンタクト202が、集電体201上のある部分にスクリーン印刷またはフレキソ印刷される。この印刷を要するのは、高ドレイン用途のみとしてもよい。
3)第3のステーションは、セルの周辺を形成する接着剤フレーム203(例えば、感熱性または感圧性)を印刷する。あるいは、この接着剤パターンは、図6に示されるような亜鉛箔の領域303にのみ印刷することができる。
4)第4のステーションは、連続的な細長い亜鉛箔片204を積層する。これは、亜鉛箔115と、ウェブ900に積層する直前に除去される剥離ライナーを備えたPSAフィルム114とから成る、アセンブリであることができる。あるいは、例えば、接着剤203または303を用いてウェブ900に締結される細長い亜鉛箔片のみを、代わりに使用することができる。
5)第5のステーションは、カソード集電体201およびカソード204のフィードスルー全体にわたってコーキング/接着剤層205を印刷する。これらのフィードスルー133(アノード用)、153、154(カソード用)は図7に示される。
6)第6のステーションは、カソード集電体201の一部分全体にわたってカソード206をスクリーン印刷する。
7)第7のステーションでは、「デンプン・インク」または電解質207が、フレームの内部になるアノードおよび/またはカソード全体にわたって印刷される。あるいは、このステーションにおいて、「紙のセパレータ」または別のタイプの浸透材料を付加することができる。
8)第8のステーションは、セルの活性成分の周りにフレーム208を印刷する。このステーションは、例えば、紫外線硬化または他の何らかの方法で硬化および/または乾燥されうる誘電体材料を使用することができる。Acheson ColloidのPM030などの材料はまた、感圧性接着剤なので、これにより、第9のステーションで接着剤209を印刷する必要性がなくなる。
注:フレームの代替構成が図7Aおよび7Bに示される。図7Aはウェブ900の部分平面図であり、図7Bは1つのユニット・セルの拡大断面図である。この構成は、セルの作用面積の全周の周りにある漏れ防止貯留部220を特徴とする。フレームが予め切断された高分子を使用する場合、内側フレーム221が外側フレーム222に接続されるように、漏れ貯留部220は、各角、および/または他の位置で不連続となりうる。内側フレーム221が漏れを生じた場合、この電解質が貯留部220内に保存される結果、セルの漏れは封じ込められて、セル外部またはそのアプリケーションの外部には広がらない。
9)第9のステーションは、誘電体フレーム208または208Aと同じ幾何学形状を使用して、誘電体フレーム208または208Aの上にPSA層209を印刷する。
10)図8に示される第10のステーションでは、デンプン・インクまたはシート材料がステーション#7において付加された場合、粘稠液体(またはゲル)の形態のセル電解質210が各ユニット・セルの内部領域上に付加される。
11)第11のステーションでは、上側積層体211がフレームの上に付加され、接着剤209(感圧性または感熱性)の層により、セルは、圧力および/または熱が加えられた後、その周辺の周りで完全に封止される。
12)第12のステーションでは、上側積層基板211ならびにウェブ900を、各セル200のフレーム208または208Aの外側において三辺で打ち抜くことができる。第4の辺260では、上側積層体211のみが切断され、したがって、電気コンタクト(ネガティブ150およびポジティブ140)が各セルの下側積層基板ウェブ900の延長部上に露出した、一連のユニット・セル200が提供される。
13)第13のステーションでは、ユニット・セル200を、フレーム208の後縁とセルコンタクト150および140の上縁部との間の線213に沿って、横断方向に穿孔することができる。
14)第14のステーションでは、打ち抜きマトリックスが除去され、セル200の各列がロールに巻き取られる。
【0073】
当業者であれば、本発明を達成するために使用することができる多くの方法、材料、および操作手順があり、かつ異なる数のステーションを利用できることを理解するであろう。そのような異なるプロセスの一実施例が図18のフローチャートに示されており、材料および工程は、操作がより少ないステーション内で完了してもよいように変更され、おそらくはより費用効率が高く有効なプロセスになっている。
1)第1の操作:カソード集電体をウェブ900上に印刷する(多くの用途では低電流のみが必要とされるので、銀コンタクトの高い導電性は不要なことがある。あるいは、より高電流が必要な場合は、その代わりに、コンタクトの導電性を高くすることが回路設計の一部となることがある)。
2)第2の操作:カソード層をカソード集電体(存在する場合)の一部分上に印刷する。
3)第3の操作:亜鉛箔/PSA積層体をウェブ900に積層する。
4)第4の操作:誘電体フレームをセル活性材料の周りに印刷する。
5)第5の操作:粘稠電解質をフレーム内の活性材料に付加する。
6)第6の操作:セルを、例えば、その内側表面上が感圧性接着剤(PSA)である、その上側積層基板に積層することによって封止する。
7)第7の操作:上側積層体をフレームの周りで打ち抜き、同じ回転切断ダイを用いて、フレームとセル延長部(コンタクト領域)の間のセルを穿孔する。
8)第8の操作:フレームおよびセル延長部(コンタクト領域)の間のセルを穿孔する。
9)第9の操作:セルを列ごとに切断し、ロールに巻き取る。
【0074】
製造プロセスは、亜鉛箔/接着剤積層体を除去し代わりにアノード層を印刷することによってさらに変更されてもよい。以下の技法の1つによってこれを行うことができる。
【0075】
1つの方法は、導電性亜鉛インクを、上述の導電性の銀、導電性のニッケル、または炭素インクなどに類似させることであろう。代表的な一実施例は、図9〜12に示されるセル構成600によって示される。これらの図では、対応する部分はすべて、図1〜4の構成(セル構成101に示される)と同じ符号を有するが、変更されている部分は新しい符号を有する。
【0076】
これらの変更には、印刷されたアノード660が含まれる。これは、例えば、幅約0.051cm(0.20インチ)および厚さ約0.005cm(0.002インチ)(約0.0008〜0.013cm(0.0003〜0.005インチ))にすることができる。この構造の幅および厚さは、セル容量に影響を及ぼし、したがって、上述の寸法は、単に本開示に記載されるようなセル・サイズにとっての典型例である。
【0077】
さらに、コーキング/接着剤層653は、フレーム113の下方にある領域内のアノード660およびカソード集電体層131の上に印刷することができる。明瞭にするため、図9のセル600は、図1のように、上側積層体基板を除いて示される。
【0078】
導電性インクは作製するのが困難な場合があるので、印刷されたアノードセルの代替実施形態が図13および14に示される。これらの図は、セル構成要素のすべてを示すものではないが、印刷されたアノードと関連するものを示す。代替製造方法は、所望のアノードおよびアノードコンタクトとほぼ同じ位置にある導電性パターン(例えば、アノード集電体661)を印刷することであり得る。導電性パターンの材料は、カソード集電体131に使用される導電性炭素と同じ材料を利用することができる。同じ材料を使用することにより、この材料がカソード集電体131用に既に印刷されているので、余分な印刷ステーションが不要になるであろう。アノード集電体材料を選択するための主な制限は、亜鉛アノードとのその適合性であり、したがって有用な材料は炭素である。使用されてもよい他の材料としては、プラチナ、チタン、および/またはタンタルが挙げられる。アノード集電体が必要なのは、亜鉛インクを導電性にするのが困難なためであり、したがって、非導電性(または低導電性)亜鉛インクが使用されるとき、アノードは、カソードがカソード集電体を必要とするのと同じ理由で集電体を有するべきである。
【0079】
アノードをさらにより導電性にするため、高導電性のアノードコンタクト650をアノード集電体661の上に印刷することができる。これは、銀インク、または、例えば、カソードコンタクト140と同時に同じステーションで印刷することができる他の高導電性材料であることができる。アノード660は、例えばフレーム113の内部の領域において、アノード集電体661上に直接印刷することができる。印刷されたアノードの概念を使用することは、亜鉛箔/接着剤積層体と比べて、多くの利点を有することがある。これらのいくつかは次のとおりである。
【0080】
第1に、アノードの適用はオン・ラインで行うことができ、また同時にセルの残りの部分が印刷され、したがって、亜鉛箔を接着剤に積層するオフ・ライン操作およびこの亜鉛/接着剤積層体の切断を排除することができる。また、特殊な印刷機ステーション上での、またはオフ・ライン操作における亜鉛箔/積層体の適用(積層)を排除することができる。
【0081】
第2に、封止領域における印刷材料の厚さは、集電体かアノードかに関わらず、亜鉛/接着剤積層体よりもはるかに薄くすることができるので、カソード集電体と同じ、またはそれに類似したより良好な封止状態が可能になる。
【0082】
第3に、亜鉛箔/接着剤積層体は、機械方向に連続する細長片に最も容易に適用することができ、その幾何学形状は、矩形に、かつ切断能力に限定された幅で限定することができる。また、細長片が連続的であるので、下側封止領域においても積層体をセルの全長に適用することができる。しかし、この特徴は、積層体の使用を増加させ、かつプロセスおよび有効性の点で下側封止領域を複雑にすることがある。印刷されたアノードは、任意の幾何学形状であることができ、機械方向ならびに横断方向に容易に印刷することができる。
【0083】
第4に、アノードおよび/またはアノード/アノード集電体を印刷することにより、導電性接着剤および/またははんだなどを使用しない場合であっても、AchesonのSS479などの通常の導電性インクを使用して、印刷機上でユニット・セルを電池パックに容易に直接接続することが可能になる。亜鉛箔がユニット・セル構成に使用された場合、同じプロセスを行うことができるが、AshesonのPM046銀インクなどの、可撓性が高い特殊な導電性インクが恐らく必要であろう。
【0084】
セル/電池構成および接続部の印刷の一実施例は、図15に詳細に示され、プロセスは図19のフローチャートに示される。ウェブ800は、説明のため、単一の列の電池として示される。方法が処理することができる電池サイズおよび最大ロール幅に応じて、電池の列の数は変えることができる。
【0085】
ウェブ800は、図6〜12に記載されているウェブ900と類似の方式で印刷されるが、材料および形状の一部が変更されている。ウェブ800の部品は印刷されたアノードアセンブリ662を含み、アノードアセンブリ662はアノード集電体661およびアノード662を含むことができるか、または印刷されたアノード660のみを含む。上述したように、このタイプの構成は、上述の亜鉛箔/接着剤積層体204を使用して作製することもできる。また、一般的にはカソード集電体201およびカソード206の両方を含む、印刷されたカソードアセンブリ232が含まれる(ただし、いくつかの実施形態では、集電体は不要なことがある)。さらに、正のフィードスルー封止のための印刷された接着剤/コーキング133および負のフィードスルー封止のための印刷された接着剤/コーキング153が含まれる。
【0086】
一般的には、図示される3V電池パッケージ内の両方のセルを取り囲む1つのフレームとして提供される、フレーム607も含まれる。このフレームは印刷することができ、または、ポリ塩化ビニル、ポリエステルなどの、予め孔あけされた高分子シートから形成することができる。これらの実施形態は両方とも、本明細書において上述してきた。電解質漏れ貯留部であるフレーム(607)が、2つのユニット・セル101を取り囲む適所で印刷または積層される前あるいは後に、例えば、電池のネガティブコンタクト750と同じステーションにおいて電池のポジティブコンタクト740が印刷される(亜鉛箔がアノードの一部として使用される場合、ネガティブコンタクトを印刷する必要がないことがある)が、電池の直列コネクタ760を依然として印刷することができる。
【0087】
例えば、コンタクト材料にはAcheson Colloids SS479またはPM046などの銀インクを含むものを使用することができる。上述した他のコンタクト材料も使用することができる。2つのユニット・セル101を完成するため、セルは、粘稠電解質210をフレーム607内の各ユニット・セル101に付加することによって「活性化」され、あるいは、ゲル化タイプの電解質を、両方の電極(図6に示す、カソード232およびアノード660、またはアノードアセンブリ662、または亜鉛箔204)全体にわたって印刷することができる。紫外線または化学的架橋等を必要とするヒドロゲル・ベースのまたは何らかの配合などの、印刷可能な電解質が使用される場合、例えば、フレームを印刷する前に印刷することができる。
【0088】
ユニット・セル101が活性化された後、セルは、フレーム607、感圧性接着剤500をその内側表面上に有することができる上側積層体212の上に積層することによって封止される。次に、この上側積層体212は、フレームの外側縁部の周りで打ち抜くことができる。同じ回転切断ダイを用いて、ウェブ800を、フレームと、ポジティブコンタクト740、ネガティブコンタクト750、および電池直列コネクタ760を含む電池延長部との間で穿孔することができる。
【0089】
次に、電池300は、縁部215および216に沿って電池を列ごとに切断することによって完成し、次に、後日組み立てるため、ロールに巻き取ることができる。この同じプロセスを使用して、より高電圧用の直列接続部を備えた電池、ならびに/あるいは、容量を増加させ、かつ/または電流ドレインを増加させるための並列接続部を備えた電池などの、他の電池構成とすることができる。また、適切な導電性接着剤を用いて、この構成の概念は、コネクタ760とアノードコンタクトの間に置かれるAchesonの銀インクPM046などの可撓性の導電性インクと組み合わせて、印刷されたアノード660の代わりに亜鉛箔204を使用することもできる。必要に応じて、この可撓性インクを上述の構成に使用することもできる。
【0090】
上記の記載は、印刷機上の1または複数のパスで、全セルおよび/または電池を印刷し、活性化し、かつ封止することができるようにする、一連の操作の実施例を説明する。セル/電池の製造プロセスをさらにより効率的にするため、電子部品(例えば、電池またはセルによって電力供給されるもの)の製造とセル/電池の製造プロセスを一体化することができるので、電源を備える完成した電子アプリケーションを同時に製造することができる。この一体化の手順を、図20のフローチャートに例示し、次のパラグラフに記載する。
【0091】
一体化プロセスは、図16に示されるウェブ500から始まり、それは、電池300の下側積層基板、ならびにディスプレイを有する熱センサなどの電子部品用の基板としての機能を果たす。この一体化を開始させるプロセスは、ウェブ800上に図15の電池300を作製する初期の工程によって開始する。この考察のため、図16のウェブ500は図15に示されるウェブ800よりも幅広に示されているので、図16に示される一体化されたアプリケーション450の必要な回路群も印刷する余裕がある。
【0092】
ウェブ500は、図15に記載されるウェブ800と類似の方式で印刷されるが、材料および形状のいくつかは変更されている。ウェブ500の部品は、図15のウェブ800と同じ電池部品、封止部153を含む。
【0093】
一般的には、3V電池パッケージに示されるような両方のセルを取り囲む1つのフレームとして設けられる、電池フレーム607も含まれる。このフレーム607は印刷したものであってもよいし、予め孔あけされた高分子シートであってもよい。一体化プロセスが使用されるとき、誘電性フレーム607は誘電体パッド430を含むように変更されて、回路401が、接合部499において連続的な亜鉛の細長片204の上を交差して電池のネガティブコンタクト406に到達することができるようになる。印刷された実施形態、ならびに高分子の実施形態はいずれも、本明細書において上述してきた。電解質漏れ貯留部を有するフレーム607または607Aが、2つのユニット・セル101を取り囲んで適所で印刷または積層された後、電池のポジティブコンタクト740を、電池の直列コネクタ760(図16において、それぞれ411および410)と同じステーションで印刷することができる。
【0094】
次に図16を参照すると、コンタクト材料には、Acheson ColloidsのPM046などの銀インクを用いることができる。この材料は、電池の直列コネクタ410がより高さのある亜鉛接着剤積層体204の上に印刷されるときなど、印刷パターンが段差を有する場合であっても、良好な電気コンタクトを維持するその可撓性とその能力とによって選択された。用途に応じて、上述した他のコンタクト材料を使用することもできる。また、セル/電池コンタクトおよびコネクタ407および410(それぞれ、図15の740および760)を印刷すると同時に、回路401も印刷することができる。回路401は、電池300のネガティブ端子406およびポジティブ端子411で始まり、全回路401が完成するまで継続する。この実施例において、回路は、回路が動作していることを示す、印刷または挿入されたLED404と、例えば温度が許容可能な範囲内または範囲外であることを示す単一のアイコンであり得るディスプレイ403とを含む。図16は温度ディスプレイを示すので、実際の温度を常に観察することができる。回路は、回路の印刷が完了した後に挿入されるICチップ404も含む。
【0095】
再び図15を参照すると、2つのユニット・セル101を完成させるため、セパレータ/電解質層を、フレーム607または607Aの中の各ユニット・セル101に付加することによって、セルは「活性化」される。これは、セパレータ・タイプの材料を有さない粘稠電解質210、および/または両方の電極(カソード130、および印刷されたアノード660または亜鉛箔アノード204)の上を流れる層を含むことができる。ゲル化タイプの電解質は、両方の電極(カソード130、およびアノード660または204)、あるいは、例えばコーティングされたクラフト紙または「紙タオル」のような材料など、両方の電極(カソード130、およびアノード660または204)を覆って提供された別個のセパレータ層の上に印刷することができ、その後、水性電解質が、フレーム607の内部のセル・キャビティに付加される。
【0096】
ユニット・セル101が活性化された後、セルは、フレーム607または607Aの上に、感圧性接着剤500をその内側表面に有することができる上側積層基板212を積層することによって封止される。次に、この上側積層体212は、フレームの外側縁部、したがって、電池端子406(ネガティブ)および411(ポジティブ)ならびに露出したままのアクセス可能な回路401の構成要素を有する、電池延長部の周りで打ち抜くことができる。一体化された電池/回路アプリケーション450が完成した後、各アプリケーション450をライン420上で穿孔することができ、次に、アプリケーション450を列ごとに切断し、次に後日の使用のためにロールに巻き取ることによって、各アプリケーションを完成させることができる。この同じプロセスを、異なる電圧および/または並列接続の、かつ異なる容量を有する電池、ならびに異なる電子アプリケーションなど、他の一体化された電池/アプリケーションを作製するのに使用することができる。このアプリケーション450、あるいは上述のセルおよび/または電池構成のいずれかを、例えば、ラベルの形態にすることができる。これは、プロセスのどこかの時点で、感圧性接着剤層をその剥離ライナーとともに、アプリケーション450の裏面上、またはセルもしくは電池構成のいずれかの裏面上に配置することによって容易に行うことができる。
【0097】
小袋構成における同一面内の設計によって、薄型の印刷されたセル/電池が、セルの内部抵抗がより低く、かつカソードに利用可能な空間がより大きいことにより、より高い電流および/またはより大きな容量を必要とするアプリケーションに電力供給することができるようになることが分かっている。そのため、上記パラグラフに記載したフレーム構成は、引用文献に記載されている小袋構成にて行われたのと同じ形で代替構成を有して設計されている。そのため、小袋ならびにフレーム構成の両方は、「標準的な」同一平面状の、ならびに同一面内の構成の両方を作製することができる。図21〜25は、同一面内の設計を有する完成したユニット・セル901の実施形態を平面図および断面図で示す。本明細書におけるセル901は、高速大量印刷機上で作製されたもののように示されるが、例えば少量のセルの場合、手動で、または半自動の方法を使用して作製することもできる。明瞭にするため、図21のセル901は、上側積層体212を除いて示される。
【0098】
図21〜25のセル901は、明瞭にするため図21には示されない上側積層フィルム基板層912、下側積層フィルム基板(層)911を含み、ポジティブコンタクト940およびネガティブコンタクト950を有する拡張領域980を有する。図22〜25に示されるセル901は、電極層930(カソード)および電極層960(アノード)から成り、それらはそれぞれ、電気化学的に電解質と相互作用して電流を生じさせることができる、異なる組成物の電気化学層から成る。
【0099】
カソード層930を適用する前に、高導電性炭素のカソード集電体931を、下側積層基板911上に印刷することができる。少なくとも1つの実施形態では、このカソード集電体は、実質的にカソード層930とコンタクト延長部934を組み合わせた形状およびサイズを有するが、サイズ差を利用することもできる。
【0100】
少なくとも1つの実施形態では、カソード集電体931の広面積側では、カソード層930は、二酸化マンガンを含むインク、炭素およびグラファイトなどの導電体、結合剤、および水を使用して印刷される。カソード層930が、任意のデンプン塗膜916または印刷可能な電解質とともに適所に置かれた後、下側「フレーム」913が電解質の周りに配置される。このフレームは、様々な実施形態(そのいくつかは本明細書に記載される)に対して、多数の異なる材料および方法で作製することができる。ここで考察されている構成では、フレーム913は、中間にポリエステルなどの打ち抜きまたはレーザー切断された高分子積層体シートを含み、感圧性接着剤の2つの外側層(上側表面上の918および下側表面上の917)を有することができる。各剥離ライナーは示されない(あるいは、この接着剤は、PSAに類似したパターンを有する、または、例えば高分子が切断される前に流し塗布された、印刷された感熱性材料であることができる)。
【0101】
下側接着剤層917は、下側積層体基板911をフレーム913に固着させる。上側接着剤層918は、アノード960の亜鉛箔を下側フレーム913に締結するために使用される。上述したように、下側フレーム913は、例えば、Acheson Colloids(Port Huron、Michigan)製、またはEMC(Engineered Conductive Materials)(Delaware、Ohio)製の、誘電体タイプのスペーサ材料を用いて印刷することができる。
【0102】
印刷可能なデンプンおよび/または印刷可能な電解質が使用されない場合、アノードの亜鉛箔の細長片960を付加する前に、下側フレーム913内に、かつカソード930の上に、紙または吸収性タイプの材料のセパレータ916Aを挿入することができる。また、アノード960を付加する前に、下側スペーサ913の上のアノード位置で、感熱性または感圧性封止/コーキング材954を印刷することができる。
【0103】
アノードの細長片960が、感熱性または感圧性封止/コーキング材954の位置で、下側スペーサ913の上に配置された後、薄い上側スペーサ953が下側スペーサ913の上に印刷され、アノード960が、アノード960の端部(接着剤954の位置)ならびに下側スペーサ913全体の上に印刷される。このスペーサは、例えば、Acheson Colloids(Port Huron、Michigan)製のPM030などの、感圧性接着剤(PSA)である、紫外線硬化性の誘電体であることができる。
【0104】
セル構成が、カソード上にデンプン・インク塗膜または吸収性タイプのセパレータを含む場合、水性電解質がこの層に付加される。
【0105】
次に、セルは、上側フレーム層953の上に上側積層体基板912を適用することによって完成する。上側フレームがPSAではない場合、この上側積層体を適用する前に、その感圧性接着剤(図示なし)の剥離ライナーが使用されていれば、それが上側積層体912から除去される。薄い上側フレーム953が感熱性接着剤である場合、上側積層体912はフレーム953に熱封止される。ネガティブコンタクト950の位置において、上側積層体に刻み目が付けられて、ネガティブ端子へのアクセスが可能になる。
【0106】
上述の実施例は、例えば直線的な幾何学形状を使用する、フレーム・セル/電池構成を記載した。ほとんどの場合、それは恐らく一般に好まれる幾何学形状であろう。しかし、フレーム構成を使用することにより、幾何学形状は直線状に限定されない。例えば、電池は、例えば外傷治療用途などの医療機器に使用することができる。皮膚の外傷がより良好かつ迅速に治癒できるようにする、皮膚パッチ剤のあるタイプに好ましい幾何学形状は、円形もしくは楕円形、かつ/または矩形と円形の組合せであってもよい。この用途1200の一実施例は図26に示される。皮膚パッチ剤のカソード1231はパッチの一端にあり、皮膚パッチ剤のアノード1232は他端にある。この楕円形の皮膚パッチ剤の中間には、例えば、フレーム構成を有して作製された1.5Vのセル1203がある。セルの内部部品を示すために部分的に切り取られたこのセルは、次のものを含む。
【0107】
上記パラグラフで考察してきたように、非直線形のセルは、同じ部品および同じ材料であって、ただし異なる幾何学形状のものを使用することができる。下側基板は、皮膚電極ならびにユニット・セル1203を支持する。基板1211上において、カソード集電体1201が最初に印刷され、次に亜鉛アノード1204が、箔/接着剤積層体としての基板に印刷され、または積層される。他の用途におけるよりも幅広にすることができるので、フレーム1207の下のセル封止1205はその長さ方向であることができる。導電性ネガティブコンタクト1220が、亜鉛アノード1204からネガティブの皮膚電極1231まで印刷された後、フレーム1207が印刷される。同じ印刷ステーションにおいて、カソード集電体1201を皮膚パッチ剤1232に接続するため、アノードコンタクト1221が印刷される。これらのものがすべて適所に置かれた後、シーラント1240が、フレーム1207と同様のパターンで、または単にカソードコンタクトコネクタ1221の上およびアノード1204の一部分の上に印刷される。
【0108】
カソード1225およびフレーム1207を印刷した後に操作が行われる。上述の構成と同様に、アノード1204およびカソード1225の両方、ならびにアノード120とカソード1225の間の間隙1239を覆う粘稠液体または流動性ゲルの形態の電解質1240を、印刷または付加することが好ましい。次に、上側積層体1212が全セルを封止すると、セルが完成する。この基板は、予め切断された層、またはフレーム1207の形状で適用された後に打ち抜かれる連続的なフィルムであることができる。上側層は、感圧性または感熱性接着剤を用いて、フィルム上またはフレーム1207の上に固着される。
【0109】
薄型の印刷されたフレキシブル・セル/電池は多くの潜在的な用途を有する。これらは、例として、次の一般的な分類の1つまたは複数を含むことができる。
1.広告および販売促進
2.玩具、ノベルティ、本、グリーティング・カード、およびゲーム
3.スマートRFIDタグなどの在庫追跡および制御
4.セキュリティ・タグ
5.温度、湿度などの条件インジケータ
6.調合薬および/または化粧品のためのイオン導入用途
7.スマートおむつ、失禁用製品などのヘルスケア製品
【0110】
本発明を、特定の実施例および実施形態を使用して上記に記載してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な代替例が使用されてもよく、また均等物が本明細書に記載の要素および/または工程と置き換えられてもよいことが、当業者には理解されるであろう。本発明の範囲から逸脱することなく、本発明を特定の状況または特定の必要性に適合させるため、変更が必要なことがある。本発明は、本明細書に記載の特定の実現方法および実施形態に限定されず、特許請求の範囲は、記載に即した実施形態またはその均等物、開示されたまたはされていないもの、それらによって包含されるもののすべてを包含するものとして、広義に解釈されるものとする。
【符号の説明】
【0111】
101・・・セル、111・・・下側積層フィルム基板(層)、112・・・上側積層フィルム基板(層)、113・・・フレーム、115・・・(亜鉛箔)アノード層、130・・・カソード層、131・・・カソード集電体
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に、電気化学セルまたは電池に関し、より具体的には、平坦な薄型電気化学セル、および印刷方法を含むその製造方法に関する。さらにより具体的には、本発明は、2つの電極、セパレータ、電解質、および2つの積層フィルム層間のセル・フレームを含む、印刷可能な薄型セルおよびその製造方法に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年3月17日出願の同時係属中の米国出願、代理人整理番号37990US1の利益を主張し、さらに、2005年3月22日出願の米国仮出願60/664135、2005年5月6日出願の米国仮出願60/678726、および2006年1月19日出願の米国仮出願60/760242の利益を主張する。これらはそれぞれ、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ここ約100年の間、科学者は、様々な用途向けの炭素/亜鉛携帯電源を製造している。携帯電源の初期の頃は、これらの電源は現在の規格に比べて非常に大きかった。例えば、Eveready製の非常に一般的な「Ignitor Cell」は、直径約7.62cm(3インチ)および高さ約22.86cm(9インチ)であり、ラジオ、ブザー、クリスマス用の電灯などの多くの用途に使用されていた。これらの大型セルは、有名なEveready#6(直径約5.08cm(2インチ)×高さ約15.24cm(6インチ))などのいくつかのより小型のもの、および現在の最も小型のユニット・セル、すなわち#950(Dサイズ)と同様に、一般に、用途によっては電圧が40Vを超える電池パック状にされた。これらは同じようなサイズであり、点灯装置やラジオ、および自動車点火システムに用いられる現在の自動車電池よりもさらに大きかった。1900年代中頃に、トランジスタなどの高度なエレクトロニクスの到来により、携帯電源に対する電気的な要件は大幅に緩和された。その結果、セルのサイズも、単2電池、単3電池、および単4電池、ならびにさらに小型のボタン型電池を含むように低減することができた。この電力の低減は21世紀に入っても継続しており、スマートラベル、スマートクレジットカード、センサ、データロガーや、グリーティングカードおよびバッジなどのノベルティ商品などの用途によって現在必要とされる最大電流は数mAであり、多くの用途では約1.5〜3.0Vでわずか数μA程度しか必要とされない。これらの用途は、その目立たない外形および可搬性を維持するため、電源が平坦で非常に薄いことも必要とする。
【0003】
ここ25年間、薄型の平坦状セルおよび電池を製造するための様々なアプローチが、多数の科学者および企業によって試みられた。それには、ポラロイド社(Polaroid(登録商標))によって開発され、広く知られているインスタントフィルム電池パックが含まれる。この電池パックは、ポラロイド社のインスタントフィルムの各パッケージ内で使用された。これにより、ポラロイド社は、ユーザが新しいフィルムのパックをカメラに装填するたびに、カメラ内部に新しい電池を有することが可能になった。多数の層および金属箔積層体パッケージを備えたこの高コスト電池は、例えば、電球に点火しモータに動力供給することができる、高電圧高電流の電池であり、必要とされている新しい薄型の低コスト電池の現実的な競争相手ではない。ポラロイド社に加えて、他のものは、様々な電気化学的な方法で薄型電池を開発しようとしてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
参照により本明細書に組み込まれる、2005年4月20日出願の同時係属中の米国出願11/110202は、平坦状セルおよび電池の新しい設計および製造方法について考察している。
成長市場が低コスト低容量の薄型の平坦状セルを必要としていることから、多用途で大量生産するのに安価な、印刷可能な薄型の平坦状フレキシブル・セルを製造することが有利であろう。低電力かつ高生産量の用途に非常に適した印刷可能な使い捨て薄型セルは、特にそれらが、適切な電圧、十分な容量、および低コストの解決策を提供する場合に有用であろう。一般的に、従来の目立たない外形の電池は、たとえあったとしてもこれらの特性をほとんど有さない。
【0005】
さらに、水平方向の小袋状充填材(pouch filler)を使用して組み立てられている、先願における上述の構造(参照により組み込まれる米国出願11/110202を参照)は、空気をまき込む恐れがあり、ある用途で望まれるほどには平坦状で薄型のものではないことがある。また、そこに開示されているようなセルは、大きな圧縮力に弱いことがある。それに加えて、当該出願のいくつかの実施形態の構成において開示されている紙層の必要性を回避することが有用であると思われ、さらに、当該出願の液体電解質は、取扱いが困難な場合があり、また印刷不能なことがある。当該出願に開示されている折り畳み工程を排除することも、同様に有用なことがある。それに加えて、当該出願に組み入れることができるセルは、製造の間動力供給していることが同様に有用であろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
電池電源の機能を果たす1つまたは複数の電気化学セルを含む装置の複数の実施形態が提供される。
【0007】
本発明は、電流を発生させる平坦な電気化学セルを提供する。上記電気化学セルは、第1の基板層と第2の基板層を備える。第1の基板層は、複数の積層からなり、第1の酸化物バリア層を備える。第1の酸化物バリア層は、第1の基板層の複数の積層を通じて気体が逃れることを可能にする気体透過率を有する。上記電気化学セルは、第1の基板層上または第2の基板層上に設けられたカソード層と、アノード層と、液体電解質をさらに備える。アノード層は、カソード層と同じ第1の基板層上、カソード層と同じ第2の基板層上に設けられることにより、カソード層とほぼ同一平面上に配置される。液体電解質は、カソード層に接触しているとともに、アノード層にも接触している。この電気化学セルは、第1の基板層が、第2の基板層に接続されて電解質を収容する内部空間を形成しており、アノード層およびカソード層のうちの少なくとも1つが、硬化または乾燥したインクから形成される。
また、本発明は、上記した電気化学セルを複数備えたバッテリも提供する。
さらに追加の実施形態が提供され、すべてではないがそのいくつかが以下に記載される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、薄型で可撓性を有する電気化学セル等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ユニット・セル101の一実施形態の平面図である。
【図2】電極領域に沿って取ったユニット・セルの断面図である。
【図2A】図2からの代替構成を有する電極領域に沿って取ったユニット・セルの断面図である。
【図3】第1の電極の全長に沿って取ったユニット・セルの断面図である。
【図4】第2の電極の全長に沿って取ったユニット・セルの断面図である。
【図5】セル積層体の一実施形態の断面図である。
【図5A】代替セル積層体の実施形態の断面図である。
【図5B】代替セル積層体の実施形態の断面図である。
【図6】ステーション#1〜#4の後の、高速印刷機を使用した処理の後に示されるセルの一実施形態における印刷されたウェブの平面図である。
【図7】ステーション#5〜#9における処理の後に続く高速印刷機の印刷されたウェブの平面図である。
【図7A】特殊なフレーム設計の形で示される、ステーション#7およびステーション#8の処理の後に続く高速印刷機の印刷されたウェブの平面図である。
【図7B】図7に示される特殊なフレームを使用している電極面積に沿って取ったユニット・セルの断面図である。
【図8】ステーション#10〜#13における処理の後に続く高速印刷機の印刷されたウェブの平面図である。
【図9】ユニット・セル600の平面図である。
【図10】電極領域に沿って取ったユニット・セル600の断面図である。
【図11】第1の電極の全長に沿って取ったユニット・セル600の断面図である。
【図12】第2の電極の全長に沿って取ったユニット・セル600の断面図である。
【図13】ユニット・セル700の平面図である。
【図14】カソードの全長に沿って取ったユニット・セル700の断面図である。
【図15】一実施形態の3V電池を作製するため、5つのステーションを介する高速印刷機の印刷されたウェブの平面図である。
【図16】集積回路と電池アセンブリの組立てを示す高速印刷機の印刷されたウェブの平面図である。
【図17】少なくともいくつかの実施形態による、セルを製造するために使用することができる別の製造プロセスを示すフローチャートである。
【図18】少なくともいくつかの実施形態による、セルを製造するために使用することができる製造プロセスを示すフローチャートである。
【図19】少なくともいくつかの実施形態による、1つまたは複数のセルを含む電池を製造するために使用することができる別の製造プロセスを示すフローチャートである。
【図20】少なくともいくつかの実施形態による、電子アプリケーションと一体化されるセルを製造するために使用することができる別の製造プロセスを示すフローチャートである。
【図21】ユニット・セル901の平面図である。
【図22】電極領域に沿って取ったユニット・セル901の断面図である。
【図23】第1の電極の全長に沿って取ったユニット・セル901の断面図である。
【図24】第1および第2の電極の全長に沿って取ったユニット・セル901の断面図である。
【図25】端子コンタクト領域に沿って取ったユニット・セル901の断面図である。
【図26】ユニット・セル1200の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書では、特に明示しない限り、すべてのパーセンテージは重量パーセントである。また、本明細書では、「5〜25」(または「約5〜25」)などの範囲が与えられた場合、少なくとも1つの実施形態では、少なくとも約5を意味し、別個かつ独立に約25以下を意味し、特に指示しない限り範囲は厳密に解釈されるものではなく、許容できる例として与えられる。さらに本明細書では、列挙されるまたは好ましい値に続く括弧内の範囲は、本発明の追加の実施形態によるその値のより広い範囲を示す。
【0011】
本発明は、印刷された薄型電気化学セル、および/または複数のそのようなセルを備える電池に関する。一般的に、そのようなセルはそれぞれ、第1の電気化学層を有する第1の電極(例えば、カソード)と、第2の電気化学層を有する第2の電極(例えば、アノード)と、電極と相互作用して電流を発生させる電解質とを少なくとも含む。第1および第2の電極ならびに電解質はすべて、一般的には、電流を装置に供給するため、電極に対する外部の電気的アクセスを提供する何らかの構造内に収容される。
【0012】
そのようなセルを大量生産する1つの方法は、水性および/または非水性溶媒インクおよび/または他の塗料を、例えば積層高分子フィルム層などの、特殊な基板上にあるパターンで堆積させる工程を含む。堆積は、電気化学インクを印刷することにより、および/または亜鉛箔などの金属箔を積層することにより行うことができる。特に必要な量が非常に多い場合には、例えば、1または複数の高速ウェブ印刷機上で、堆積を行うことができる。量がより少ない場合、例えば約数百万個以下の数量の場合、平面スクリーンを用いたウェブ印刷などの、より低速の方法が適切なことがある。量が数百または数千個程度とさらに少ない場合、例えば、シートフィーダー式の平面印刷機を利用してもよい。
【0013】
インクが印刷された後、かつ/または固体が適切に配置された後、セルを完成させる(例えば、封止し、打ち抜き、積み重ね、かつ/または穿孔し、ロール状に巻く、あるいは印刷機上で複数のシートが使用された場合、積み重ねる)ことができる。このセル製造プロセスは、1つまたは複数の別個のセルを、実際の電子アプリケーションと一体化するか、または直列もしくは並列に接続された複数のセルを備える電池に組み入れるか、あるいはその2つの何らかの組合せに利用することもできる。そのような装置および対応するプロセスの例を後述するが、多数の追加の実施形態も予期される。
【0014】
上述したように、本発明を、印刷された、可撓性の薄型電気化学セルとして説明することができる。例えば、そのような電池は、例えば下側フィルム基板を含むことができる。下側フィルム基板は、両面を高分子フィルムに取り囲まれた高防湿層をその中央におそらくは含むことを特徴とする特殊な高分子積層体を利用することができる。さらに、1または両方の外表面は、必要に応じて、情報、ロゴ、指示、識別、通し番号、グラフィックス、または他の情報もしくは画像を印刷するため、印刷を受け入れるようにすることができる。
【0015】
本発明のどの構成が使用されるかによって、基板の内側のプライは、バリア塗膜の反対側の側面上に共有押出し成形されてもよいヒート・シール層を特徴とすることもできる。
【0016】
それに加えて、少なくともいくつかの実施形態におけるセルの下側基板層の内表面の一部分は、例えば、フィルム基板の一部分上に印刷もしくは塗布されるか、または別の方法で適用された、炭素などのカソード集電体を利用することができる。この集電体の外側接触面積には、例えば、必要に応じてアプリケーション接続部に対する導電性を改善するため、銀、ニッケル、または錫などの、比較的高導電性のインクの層を印刷することもできる。しかし、所要電流が比較的低い電池用途に使用される場合、より高い導電性の層材料またはさらには集電体を1または両方の電極に対して設ける必要がないことがある。
【0017】
少なくともいくつかの実施形態では、水ベースのインクからなる電気化学層がカソードとして印刷される。そのようなカソード層は、例えば、二酸化マンガン(MnO2)、炭素、および高分子結合剤を含むことができる。カソード層のための他の処方も、これらの材料のいずれかを有して、または有さずに利用することができる。カソード集電体層が使用される場合、カソード電気化学層は、基板に最初に印刷されるか別の方法で塗布されるカソード集電体の少なくとも一部分上に印刷される。
【0018】
いくつかの実施形態では、約0.127cm(0.050インチ)の間隔でカソード集電体に隣接して、亜鉛箔の細長片をアノードとして配置することができる。例えば、亜鉛または他の何らかの適切な材料を含むインク層などの、他のアノード組成物も可能である。
【0019】
このアノードの配置の前に、オフ・ライン操作において、おそらくは剥離ライナーを使用してドライ・フィルム接着剤層を塗布することができる。次に、亜鉛箔をドライ・フィルム接着剤に積層することができる。
【0020】
アノードおよび/またはカソードの全体にわたって、デンプン・インクまたは同様の材料が任意に印刷される。デンプン・インクは、水性電解質溶液がセルに添加された後、電極を「湿潤」させておく、電解質吸収体の機能を果たすことができる。このデンプン・インクは、電解質塩およびセル反応用に必要な水も含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、デンプン層(1つまたは複数)を有してまたは有さずに、2つの電極が適所に置かれた後、セル「フレーム」を付加することができる。これは、多数の異なる方法を使用して行うことができる。1つの方法は、例えば、誘電体インクを用いてこのセル・フレームを印刷するものである。別の方法は、各ユニット・セルの材料を収容する適切な「ポケット」(1つまたは複数の内部空間)を形成するため、型押し、打ち抜き、レーザー切断、または類似の方法で作製された高分子シートを利用するものである。
【0022】
確実にフレームを基板に良好に固着させ、かつ直接フィードスルー(内部セルから外部セルへの電気経路を提供する)を良好に封止するため、例えばフレームを印刷する前または高分子シートを挿入する前に、例えばセル・フレームと同じパターンで、封止またはコーキング接着剤を基板上に印刷することができる。
【0023】
この封止またはコーキング材は、例えばAcheson ColloidのPM040などの、例えば感圧性および/または感熱性のもの、あるいは両表面の封止を容易にするであろう他の任意のタイプの材料であることができる。
【0024】
誘電性のフレームを印刷し、乾燥および/または硬化させた後、感圧性封止接着剤をフレームの上に印刷して、セル・フレームに対する上側基板の良好な封止を可能にすることができる。このセル・フレームは、また、予め孔あけされ、次に予め印刷された上述のコーキング接着剤層と一致するように位置合わせして積層された、厚さ約0.038cm(0.015インチ)(約0.008cm〜0.127cm(0.003インチ〜0.050インチ)の範囲)の高分子フィルムを含むことができる。
【0025】
塩化亜鉛(ZnCl2)は、少なくともいくつかの実施形態において、例えば約18重量%〜45重量%の濃度範囲で電解質として選択することができる。電解質は、例えば開放セルに添加することができる。ライン上での処理を容易にするため、この電解質または異なる電解質を、例えば、CMCを約0.6重量%(約0.05%〜1.0%の範囲)のレベルで用いて厚くすることができる。
【0026】
例えば、塩化アンモニウム(NH4Cl)、塩化亜鉛(ZnCl2)と塩化アンモニウム(NH4Cl)の混合物、酢酸亜鉛(Zn(C2H2O2))、臭化亜鉛(ZnBr2)、フッ化亜鉛(ZnF2)、酒石酸亜鉛(ZnC4H4O6・H2O)、過塩素酸亜鉛Zn(ClO4)2・6H2O、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、または有機物などの、他の有用な電解質配合物も使用することができる。
【0027】
塩化亜鉛は、通常直面する一般的な環境条件に対して優れた電気性能を提供する、一般に好まれる電解質であり得る。同様に、上述の代替電解質のいずれかを、特に、例えば約18%〜45%の範囲内の濃度(重量基準)で使用することができ、少なくともいくつかの他の実施形態においては約25%〜35%の範囲が使用される。そのような組成物もまた、一般的な環境条件下で許容できる性能を提供することができる。
【0028】
塩化亜鉛以外の電解質を使用することで、いくつかの異なる環境条件下で、改善されたセル/電池の電気性能を提供することができる。例えば、約32重量%の酢酸亜鉛(F.P(凝固点)約28℃)は、約32重量%の塩化亜鉛(F.P.約−23℃)よりも低い凝固点を示す。これらの溶液は両方とも、約27%の塩化亜鉛(F.P.約−18℃)よりも低い凝固点を示す。他の酢酸亜鉛濃度、例えば約18〜45重量%または約25〜35重量%は、約−18℃というさらに低下した凝固点を示す。
【0029】
そのような電解質配合物を塩化亜鉛の代わりに、またはセルに使用される様々な混合物中に使用することにより、低温での性能を改善することができるようになる。例えば、約32%の酢酸亜鉛電解質を使用することにより、ボルタ電池の低温(すなわち、約−20℃未満)性能が大幅に改善されることが分かっている。低温におけるこのタイプの電気化学セルの性能の改善を、例えば電池動力式RFIDタグ、ならびに/または、寒い環境で使用されることがある、例えばスマート能動ラベルおよび温度タグなどの他の過渡的な(可搬型)電動式装置の成長しつつある事業に利用することができる。
【0030】
例えば、食品、医薬品、血液などの、今日輸送される多くの製品は、低温の貯蔵および輸送条件、またはさらに低温での動作を必要とすることがある。そのような物品を確実に安全に輸送するため、これらの品目は、能動RFIDタグおよび/またはセンサを用いて追跡することができる。これらのタグおよび/またはラベルは、−20℃、もしくはさらに低い、例えば約−23℃、約−27℃、またはさらには約−30℃以下の温度で有効に動作する、電気化学セルおよび/または電池を必要とすることがある。
【0031】
低温用途における改善された低温性能を達成するため、酢酸亜鉛が使用されるとき、約31〜33重量%の範囲の酢酸亜鉛濃度が許容できる場合が多いが、約30〜34、約28〜36、約26〜38、さらには約25〜40重量%の範囲を利用することもできる。
【0032】
少なくとも1つの実施形態では、水性電解質を付加した印刷されたデンプン層の構成は、例えば、各電極の少なくとも一部分を有効に覆う印刷可能な粘稠液体(ゲルまたは他の何らかの粘稠材料を含むことができる)と置き換えることができる。1つのそのような印刷可能なゲルは、参照により本明細書に組み込まれる、2003年9月4日発行の米国特許公開公報2003/0165744A1に記載されている。これらの粘稠配合物は、例えば、上述の電解質の式および濃度を利用することができる。
【0033】
セル・パッケージの上側基板は、内部セル/電池構成要素を超えてセル・フレーム上に延びる縁部を有する、特殊な積層高分子フィルムを利用することができる。上側層は、感圧性接着剤(PSA)を用いて、かつ/または予め印刷された感熱性封止接着剤で、セル・フレームの縁部の周りで封止して、内部構成要素をセル・フレーム内に密閉することができる。
【0034】
上記の構成はウェット・セル構成であり得るが、類似のセル構成を使用して、本発明は、液体を適用する前の保管寿命を延長する利益を有する予備セル構成とすることもできる。印刷可能な、可撓性の塩化亜鉛薄型電池は、環境に優しいものにすることができる。例えば水銀またはカドミウムなどの、有害な構成成分を使用する必要がないような構成を利用することができる。したがって、この設計による古いかつ/または消耗したセルは、通常の廃棄物除去手段を使用して廃棄することができる。
【0035】
この技術を使用することができる装置は広範囲である。必要な電力が比較的低い、または寿命が1〜2年に限定された装置は、本発明による薄型セル/電池を利用して機能することができる。上記パラグラフおよび以下に記載されるような本発明のセルは、安価で大量生産することができる場合が多いので、例えば使い捨て製品に使用することができる。コストが低いことにより、これまでは費用効率が低かった用途が可能になる。
【0036】
本発明による電気化学セル/電池は、次の利点の1つまたは複数を有してもよい。
比較的薄型である。
平坦かつ比較的均一な厚さであり、縁部の厚さが中央部とほぼ同じである。
可撓性である。
多くの幾何学的形状が可能である。
封止されたコンテナである。
単純な構成である。
高速かつ大量生産用に設計されている。
低コストである。
多くの温度における性能の信頼性が高い。
低温性能が良好である。
使い捨てで環境に優しい。
両方のセルコンタクトが同じ表面上に設けられる。
アプリケーションへの組立てが容易である。
電子アプリケーションが製造されるのと同時に、連続プロセスで容易に一体化することができる。
【0037】
上記は、本発明のいくつかの実施形態による様々なセル構成の概要であり、さらなる詳細を図面を用いて以下に示す。同様に、セルを印刷し組み立てるためのセルおよび電池の製造プロセスも、以下に示す。
【0038】
図1〜4は、完成したユニット・セル101の2つの実施形態を示す平面図および断面図である。本明細書におけるセル101は、考察のため、手製の一実施形態であることを前提としているので、セル構成の部品および詳細は簡略化され、より容易に記述できるようにされ、また、処理の詳細を避けながら十分に説明することができる。本発明の後述の考察において、簡略化されたセル構成が提供された後、例えば高速印刷機上で製造することができる実施形態を提供するため、構成(材料および処理方法)の詳細に関するいくつかの変形例が提示される。
【0039】
図1〜4のセル101は、上側積層フィルム基板(層)112、下側積層フィルム基板(層)111、ポジティブコンタクト140およびネガティブコンタクト150を有する拡張領域180を含む。図1〜4にその実施例が示されるセル101は、電解質と電気化学的に相互作用して電流を生じさせることができる異なる組成の電気化学層からそれぞれ成る、電極層130(カソード)および電極層115(アノード)から成る。明瞭にするため、図1の中のセル101は上側積層体112を除いて示される。
【0040】
カソード層130を適用する前に、高導電性炭素から成るカソード集電体131を、下側積層基板111上に印刷することができる。少なくとも1つの実施形態では、このカソード集電体は、実質的にカソード層130とコンタクト延長部134を組み合わせた形状およびサイズを有するが、サイズ差を利用することもできる。いくつかの実施形態では、特にカソード層がより高導電性である場合、集電体は不要なことがある。
【0041】
少なくとも1つの実施形態では、カソード集電体131の広面積部分上に、二酸化マンガン、例えば炭素などの導電体(例えば、グラファイト)、結合剤、および水を含むインクを使用して、カソード層130が印刷される。図4に示されるようなアノード層アセンブリ160は、亜鉛箔アノード層115および両面ドライ・フィルム接着剤114の積層体として、下側積層フィルム基板111上に挿入される。このアセンブリは、少なくとも1つの実施形態において、カソード130から約0.127cm(0.050インチ)(約0.025cm〜0.254cm(0.010インチ〜0.100インチ))離して配置することができる(他のいくつかの実施形態では、おそらくは他の距離が利用される)。
【0042】
アノードアセンブリが挿入された後、同様に、アノード層全体にわたって水性デンプン塗膜層116を印刷することができ、いくつかの構成では、このデンプン層は、2つの電極層を分離する図2Aに示される間隙139内に、カソード層(図1および2には図示なし)全体にわたって同様に印刷することもできる。
【0043】
電極層(アノードアセンブリ160およびカソード層130)が適所に置かれた後、任意のデンプン塗膜116が存在する場合には、それとともに、「フレーム」113が電極の周りに配置される。このフレームは、様々な実施形態に対して、多数の異なる材料で、かつ多数の異なる方法で作製することができる。ここで検討されている簡略化された構成では、フレーム113は、中間にポリエステルまたはポリ塩化ビニル(PVC)などがあり、感圧性接着剤の2つの外側層(上側表面上の118および下側表面上の117)を有する、打ち抜きされた高分子積層体シートを含むことができる。個々の剥離ライナーは図中には示されない。上側PSA層118は、上側積層基板112をフレーム113に固着し、下側PSA層117は、下側積層基板111をフレーム113に固着するのに使用することができる。
【0044】
一実施形態では、フレーム・アセンブリは、合計約0.038cm(0.015インチ)(約0.013cm〜1.27cm(0.005インチ〜0.50インチ))の厚さ(ライナーの厚さを除く)を有する。フレームは、電極がフレーム内の中央にくるようにして、ボトム剥離ライナーを除去した後に下側積層基板111上に配置することができる。場合によっては、確実に漏れがない構成にするため、両面感圧性接着剤PSAテープによる封止および/またはコーキング接着剤、ならびに/または感熱性封止および/またはコーキング接着剤を、電極のフィードスルー領域(例えば、アノードフィードスルー153およびカソードフィードスルー133)内の電極全体にわたって印刷することができる。
【0045】
図2Aに示されるようなセル101を作製する次の操作は、セル電解質299を、1つまたは両方の電極を覆っているデンプン・インク層116に付加することである。電解質は、約0.6%レベル(約0.1%〜2%)のカルボキシメチルセルロース(CMC)などのシックナーも含有することができる、約27重量%(約23重量%〜43重量%)のZnCl2水溶液であることができる。
【0046】
デンプン・インクまたは印刷可能な電解質が使用されない場合、電解質溶液299を付加する前に、図2に示される浸透セパレータ200を両方の電極全体にわたって挿入することができる。
【0047】
セルは、フレーム全体にわたって上側積層体112を適用し封止することによって完成する。この上側積層体を適用する前に、剥離ライナーが存在する場合(図示なし)、それを、フレーム113の上の上側接着剤層118から除去する。
【0048】
積層フィルム基板111および112の構成例の3つの実施形態が、図5、5A、および5Bにそれぞれ示される。下側および上側積層フィルム層は、ほとんどの場合かつほとんどの用途において、同じ材料のものである。図5に示されるような少なくとも1つの実施形態1000では、これらのフィルム層は、例えば、Curwood Inc.、Bemis Corporation Company(Oshkosh、WI)製のものなどの3層積層フィルムから成ることができる。そのような積層体の異なる構造が、図5Aの断面図に示される。この積層フィルム1100は4層を有する。セル内部に配置された上側層1101は、約0.48ミル(約0.2〜5.0ミル)の厚さ例を有し、Toppan(日本)製のGLフィルムなどの高防湿高分子層である。一般的には、このポリエステル・フィルムは、積層構造の内部に、酸化物または金属化塗膜1104を有する。これらの高分子(ポリエステル)ベースのバリア・フィルムは、真空蒸着された酸化物または金属の種類および量に応じて異なる水分透過値を有することができ、下側ポリエステル層1103に積層することができ、かつウレタン接着剤1102を備えた構造層としての機能を果たすことができる。
【0049】
セルの構成、セルの用途、および/またはセルの環境に応じて、基板が異なるバリア特性を有するのが有利なことがある。利用可能な蒸気透過速度が広範囲に及ぶため、バリア層は、必要に応じて、特定の用途および構成それぞれに対して選択することができる。場合によっては、例えばセルが意図的により高いガス発生速度を有する場合、より多量のガスを逃がすことができるようにして、セルの膨れを最小限に抑えるため、より高い透過速度のフィルムを使用することが適切かつ望ましいことがある。別の実施例は、砂漠などの高温の乾燥した環境における用途であろう。そのような場合、セルからの過度な水分損失を防ぐため、低い透過速度のバリア・フィルムを有することが望ましいことがある。
【0050】
図5Aの4層構造の外側層、すなわち構造層1103は、例えば、延伸ポリエステル(OPET)の約2.0ミル(約0.5〜10.0ミル)の層であり、これは、例えば厚さ約0.1ミルのウレタン接着剤1102を用いて、他の層に積層される。この「構造層」としては、例えば、DupontのMelinex銘柄などのポリエステル延伸(OPET)フィルムが挙げられる。他には、Toyobo(日本)製の材料を使用することができる。この材料は、白色ミクロ孔質延伸ポリエステル(WMVOPET)と称されるポリエステル系の合成紙である。
【0051】
いずれかの高分子またはすべての高分子の厚さを増加させてより厚い基板を使用することは、いくつかの利点を有することがある。これらの利点は、次の1つまたは両方を含むことができる。
・より厚い基板は感温性が低いため、印刷機上でのセルの処理がより良好である。
・セル・パッケージはより硬質でより強い。
【0052】
上記の仕様に加えて、外側層および内側層のいずれにも、必要なインクに対する印刷受容面を付加することができる。必要に応じて、内側層(集電体および/または電気化学層など)を機能性インクに使用し、外側層をグラフィック用インクに使用することができる。システムが封止された平坦状セル構成は、防湿層として金属化フィルムおよび/または非常に薄い金属箔(1つまたは複数)を含む、積層構造を利用してもよい。金属層を使用するそのような構造は、上述の実施形態のいくつかに使用される構成よりも良好な防湿層特性を有することがあるが、いくつかの不利な点を有することもある。これらは、次の1つまたは複数を含むことがある。
【0053】
金属バリア(薄い金属箔あるいは真空メタライズ層)を備えた積層構造は、より高価な傾向がある。
・金属層を備えた積層構造は、内部ショートを引き起こす可能性を有する。
・金属バリアを含む積層構造は、例えばRFIDアンテナの機能性などの、アプリケーションの電子部品と干渉するおそれがある。
【0054】
図1〜4のフィルム基板111および112、ならびに他の図面の層800および900は、バリア層(金属または他の材料を含む)を有するまたは有さない、高分子フィルムの多数の変形例から成ることができ、ポリエステルまたはポリオレフィンなどの、単層または多層フィルムのどちらかを利用することができる。ポリエステルは、改善された強度を提供して、より薄いゲージのフィルムを使用できるようにするので、利用に適した材料であり、一般的には、多重ステーション印刷機上で使用されたとき、容易に伸展されない。ビニル、セロハン、およびさらには紙も、フィルム層として、または積層構成中の層の1つもしくは複数として使用することができる。非常に長期間の保管寿命が望ましい場合、かつ/または環境条件が極端な場合、図5Aの4層積層高分子を、酸化物塗膜1104の代わりにアルミニウムを真空蒸着することによって得られるような、メタライズ層を含むように変更することができる。
【0055】
あるいは、例えば層1104用に、または異なる位置において、フィルム層の構造内に非常に薄いアルミニウム箔を積層することができる。そのような変形例は、既に低い水分損失を実質的にゼロにまで低減することができる。一方、その用途の寿命が比較的短い場合および/または稼動期間が短い場合、より高価なバリア層を、より低コストであるが依然としてセルを必要な寿命の期間機能させることができる、効率の低いものと置き換えることができる。
【0056】
必要とされる寿命が非常に短い用途では、セル・パッケージには、ポリエステルまたはポリオレフィンなどの、低コストの高分子基板からなるフィルム層を代わりに使用することができる。フレーム113を上側基板112および下側基板111に接着する感圧性接着剤封止システムを、積層体上のヒート・シール・システムと置き換えることができる可能性がある。
【0057】
一例として図5に示される、上側および/または下側積層基板1000の簡略化された構成では、積層バリア層1101、1103は、例えば、ウレタン接着剤層1102とともに積層することができる。あるいは、図5Aは、バリア層1101上のバリア塗膜である付加層1104を備える基板1100を示す。それに加えて、層1101および1103は、ウレタン接着剤層1102とともに積層し、したがって図5Aの実施例に示されるような基板1050を形成することができる。
【0058】
あるいは、図5Bは、セルの基板に使用することができる7層積層基板1099の一実施例を示す。基板1099は、接着剤層1102を使用して前の構造に積層されるヒート・シール層1108を有する。約50ゲージのヒート・シール層1107は、ポリエステルなどの高分子フィルム上に、非晶質ポリエステル(APETまたはPETG)、半晶質ポリエステル(CPET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリオレフィン高分子などのヒート・シール塗膜1108をさらに含む、複合層であることができる。1つのそのような材料例は、Dupont製の、例えば、OL、OL2、またはOL3などのOLシリーズと称される、Ovenable Lidding(OL)フィルムである。したがって、これにより、上述のセルの上側基板112および/または下側基板111が7層構成にされるであろう。これらの構造1000、1100、または1099(それぞれ、3層、4層、および7層積層体)のいずれかの様々な層の厚さに応じて、これらの積層体全体の厚さは、約0.008cm(0.003インチ)、少なくともいくつかの実施形態においては約0.025〜0.038cm(0.001〜0.015インチ)の範囲であり得る。あるいは、所望の用途および品質に応じて、異なる基板構成を同様に利用することができる。
【0059】
一実施形態のセル構成のための材料は、次の材料を含む。カソード集電体131は、Acheson Colloids(Port Huron、MI)製のものなどの高導電性炭素インク(例えば、PM024)を含む。集電体131は、例えば約61メッシュ(いくつかの実施形態では約20〜180メッシュ)の非常に粗いスクリーンを使用して、約1ミル(それぞれ約1.2〜0.4ミル)の乾燥蒸着を可能にするため、スクリーン印刷などの商用手段によって下側積層体上に印刷することができる。したがって、約5cm×5cm(2インチ×2インチ)のサイズのセルは、約55Ω(約44〜100Ω)の抵抗を有するであろう。この抵抗をさらに低減するため、アノードの外部コンタクト領域において高導電性コンタクト132を印刷することができる。この構成の実施例に使用される材料は、スクリーン印刷が可能な、Acheton Colloids(Port Huron、MI)製の銀充填導電性インク(SS479)である。
【0060】
金、錫、銅、ニッケル、および/または2つ以上の導電性材料の混合物などの他の使用可能な導電性材料を、他の材料とともに、許容可能な実施形態に使用することもできる。これらの導電性インクのいずれかは、例えば、回転スクリーン、フレキソ印刷、およびグラビア印刷、ならびに例えばインクジェット印刷技術などの、印刷方法を用いて適用されてもよい。それに加えて、既製のグラファイト箔、および/または導電性樹脂、金属、およびグラファイトの1つもしくは複数を含む混合物の既製の箔を、インクカソード集電体を印刷する代わりに挿入し使用することができる。必要な電流が非常に低い用途では、高導電性ポジティブコンタクト140が不要なことがあり、かつ/または、ある程度高い電流が望ましい場合、回路コンタクトが代わりに高導電性コンタクトとして使用されてもよい。
【0061】
一実施形態では、カソード層130は、例えば、電池グレードの二酸化マンガン約43.4%(約20%〜60%)、KS−6グラファイト約14.4%(約2〜25%)、約6.5%(約0.5%〜15%)のポリビニルピロリドン(PVP)水溶液約29.5%(約20%〜60%)、および脱イオンまたは蒸留水約9.65%(約0.1%〜20%)の湿潤組成物を有する水性ベースのインクを用いて、予め印刷され乾燥されたカソード集電体層131の一部分上に印刷することができる。そのようなインクは、約0.015g/cm2(0.10g/in2)(約0.004〜0.038g/cm2(0.03〜0.25g/in2))の公称乾燥塗布重量(dry lay down weight)を可能にするために、約46メッシュ(約10〜65メッシュ)のファイバーガラス・スクリーンを用いて印刷することができる。乾燥印刷の量は、一般的には、必要なセル容量によって決定され、例えばより高い容量が望ましいときはより多くの材料を使用する。より微細なスクリーンの多数のヒットの代わりに非常に粗いメッシュ・スクリーンを利用する、この新規な印刷方法を使用することにより、印刷ステーションの数を低減することができるとともに、セル性能を増加させることができる。
【0062】
この構成例に使用される電気活性カソード層(130)材料は、例えば、高純度電池グレードの電解二酸化マンガンを含む。この実施形態の材料の粒径範囲は、例えば約1〜100ミクロンであり、平均粒径は約40ミクロンである。集電体に容易に適用するため、材料のさらなる細度が求められる場合、必要に応じて、材料をミリングして、約1〜20ミクロンの範囲、平均約4ミクロンの粒径を達成することができる。目的の構成における亜鉛アノードと組み合わせて使用されてもよい、他の使用可能な電気活性カソード材料は、例えば、酸化銀Ag2Oおよび/またはAgO、酸化水銀HgO、酸化ニッケルNiOOH、酸素O2(例えば、エア・セルの形態でなど)、および酸化バナジウムVO2である。異なるアノード材料とともに使用されてもよいカソード材料としては、例えば、Cdを有するNiOOH、AB2およびAB3タイプの金属水素化物を有するNiOOH、ならびにFeおよびFES2を有するNiOOHの1つまたは複数が挙げられる。
【0063】
一実施形態のカソード層に使用される結合剤は、約950、000g/モルを超える高分子量結合剤のクラスを含む。使用することができる1つのそのような高分子は、約85、000〜95、000または約120、000(より高い分子量)のポリビニルピロリドンである。使用することができる他のクラスの材料としては、ポリビニルアルコール、米、じゃがいも、トウモロコシ、および豆類を含むデンプンおよび変性デンプンのクラス、エチルおよび水酸基エチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ならびにこれらの材料の混合物の1つまたは複数が挙げられる。必要に応じて、テフロン溶液または混合プロセス中にフィブリル化したテフロン(登録商標)を使用することによって、追加の結合剤が得られてもよい。
【0064】
一実施形態では、積層体160であることができる(かつ、例えば、約4.46cm×0.50cm×0.005cm(1.75インチ×0.20インチ×0.002インチ)の寸法を有する可能性がある)予め切断されたアノードの細長片の箔が、カソード集電体/カソードアセンブリから約0.127cm(0.050インチ)(約0.025cm〜0.254cm(0.010インチ〜0.100インチ))の間隔で、このアセンブリに隣接した下側基板上に挿入される。挿入の前に、厚さ2ミルの電池グレードの亜鉛箔を、Morgan Adhesive Co.(Stow、OH)製の#2180、IB1190、またはIB2130などの、剥離ライナーを有する乾燥フィルム接着剤に積層することができる。例えば亜鉛の幅広のロール(例えば、幅約0.91〜3.65m(3〜12フィート))上でこの積層が完了した後、約2.54cm2(1in2)のカソードセル用に、この積層構造を切断して、幅約0.508cm(0.200インチ)(約0.432cm〜0.584cm(0.170インチ〜0.230インチ))の幅の狭いロールにすることができる。他のサイズのカソードを有するセルは、アノード積層体の異なるスリット幅を利用することができる。別の構成では、例えば亜鉛箔の細長片を適用する前に、基板上の印刷された接着剤との積層を行うことができる。
【0065】
上述のセル構成では、水平方向の小袋充填材構成上に組み立てられた、先願の上述した構成(参照により組み込まれる米国出願11/110202を参照)に比べて、本明細書に開示されるセルの実施形態(具体的に開示されていない、ただし本開示によって支持されるものの中でも特に)は、フレーム構成を利用することにより、空気の閉じ込めを低減することができ、したがって、これらのセルはより平坦な外形を有することができ、より薄型であることができ、ならびにより容易に矩形以外の形状にすることができることが見出されている。また、これらのセルは、より大きな圧縮力に耐えることができてもよく、これは、セルが、例えばクレジット・カードなどの用途向けに積層される場合に重要なことがある。
【0066】
さらに、セルは、上記に引用した出願に記載の「小袋」設計に開示されているものとは異なる形で構成することができ、したがって、おそらくは、例えば印刷プロセスを利用して行うことができる、フレーム構造を付加する製造工程をおそらくは付加することで、当該出願に開示されている紙層の必要性を回避することができる。したがって、追加の印刷ステーションが、本発明のプロセスで利用されてもよい。
【0067】
さらに、(例えば、インクまたは流動性ゲルを使用して)印刷された電解質を、上記に引用した出願の液体電解質および紙のセパレータの代わりに用いることができる。本明細書に開示される実施形態は、また、当該出願において利用されている折り畳み工程も回避することができる。本明細書に開示されるセルは、例えば完全に印刷機上で作製されてもよく、したがって、アプリケーション回路群に直接組み入れることができてもよい。さらに、本明細書に開示される構成により、セルを比較的平坦することができるようになるので、本発明のセルは、積層して例えばスマート・カードを作製するのに利用されてもよい。したがって、見込まれるより高い資本コストが、増加したユーティリィティによって相殺されることがある。
【0068】
これらの印刷された薄型平坦状フレキシブル・セルを高速かつ低コストで製造するため、本発明は、構成要素をセル・パッケージ・コンテナ(積層フィルムおよびフレーム)に適用する、ならびに適用されたセル構成要素を用いてフィルムを処理し、自動でそれらをセルに組み立てる、フォーマットおよびプロセスを提供する。この製造プロセスを容易にするため、上述のセル構成例のいくつかの部品および/または材料は、図6〜21に示されるように、かつ以下のパラグラフに記載されるように変形することができる。
【0069】
この最新の構成は、一実施形態によれば、この構成における下側積層基板111を提供する積層ウェブ900から開始され、ロール・ツー・ロール機構を稼動させる高速印刷機と適合性をもつ多数のステーションを通って進行する。次に記載される最初の概要は、例えば、印刷機上を1回通過させて、完成したセルを製造するための基本的な工程を含む。
【0070】
利用可能な印刷機によれば、セルは、例えば所与の印刷機上を1回通過させる、または複数回通過させることによって製造することができる。図面は、一例として、ウェブ上の2列のセルを示すが、列の数は、ユニット・セルのサイズ、および印刷機が処理できる最大のウェブ幅によってのみ制限される。多数の工程があってもよく、それによって長く複雑な印刷機が必要となる傾向があるので、これらの工程のいくつか、ならびに材料のいくつかを変更することができ、かつ/または印刷機の複数回の通過もしくは複数の印刷機を使用することができる。最初の考察が終了した後、いくつかの変更されたプロセスの概要が示される。
【0071】
図17のフローチャートに示されるように、セル/電池が図6のウェブ900上で処理される前に、いくつかの任意の操作が生じても、または生じなくてもよい。これらの任意のプロセスは、ウェブの熱安定化および/または図形の印刷(ロゴ、コンタクトの極性、印刷コード、位置合わせマークの追加をウェブ900の外側表面上に印刷することを含むことができる)を含むことができる。これらの任意の印刷操作(図示なし)がウェブ900上で生じる場合、ウェブ900を裏返すことができ、機能性インクは内側表面上に印刷され、したがってそれが下側積層体111になる。
【0072】
図6、7、および8に示されるようなセルは、次のプロセス例に従って構成することができる。
1)第1の印刷ステーションでは、カソード集電体201が、高導電性炭素インクを用いてスクリーン印刷される。
2)第2のステーションでは、銀コンタクト202が、集電体201上のある部分にスクリーン印刷またはフレキソ印刷される。この印刷を要するのは、高ドレイン用途のみとしてもよい。
3)第3のステーションは、セルの周辺を形成する接着剤フレーム203(例えば、感熱性または感圧性)を印刷する。あるいは、この接着剤パターンは、図6に示されるような亜鉛箔の領域303にのみ印刷することができる。
4)第4のステーションは、連続的な細長い亜鉛箔片204を積層する。これは、亜鉛箔115と、ウェブ900に積層する直前に除去される剥離ライナーを備えたPSAフィルム114とから成る、アセンブリであることができる。あるいは、例えば、接着剤203または303を用いてウェブ900に締結される細長い亜鉛箔片のみを、代わりに使用することができる。
5)第5のステーションは、カソード集電体201およびカソード204のフィードスルー全体にわたってコーキング/接着剤層205を印刷する。これらのフィードスルー133(アノード用)、153、154(カソード用)は図7に示される。
6)第6のステーションは、カソード集電体201の一部分全体にわたってカソード206をスクリーン印刷する。
7)第7のステーションでは、「デンプン・インク」または電解質207が、フレームの内部になるアノードおよび/またはカソード全体にわたって印刷される。あるいは、このステーションにおいて、「紙のセパレータ」または別のタイプの浸透材料を付加することができる。
8)第8のステーションは、セルの活性成分の周りにフレーム208を印刷する。このステーションは、例えば、紫外線硬化または他の何らかの方法で硬化および/または乾燥されうる誘電体材料を使用することができる。Acheson ColloidのPM030などの材料はまた、感圧性接着剤なので、これにより、第9のステーションで接着剤209を印刷する必要性がなくなる。
注:フレームの代替構成が図7Aおよび7Bに示される。図7Aはウェブ900の部分平面図であり、図7Bは1つのユニット・セルの拡大断面図である。この構成は、セルの作用面積の全周の周りにある漏れ防止貯留部220を特徴とする。フレームが予め切断された高分子を使用する場合、内側フレーム221が外側フレーム222に接続されるように、漏れ貯留部220は、各角、および/または他の位置で不連続となりうる。内側フレーム221が漏れを生じた場合、この電解質が貯留部220内に保存される結果、セルの漏れは封じ込められて、セル外部またはそのアプリケーションの外部には広がらない。
9)第9のステーションは、誘電体フレーム208または208Aと同じ幾何学形状を使用して、誘電体フレーム208または208Aの上にPSA層209を印刷する。
10)図8に示される第10のステーションでは、デンプン・インクまたはシート材料がステーション#7において付加された場合、粘稠液体(またはゲル)の形態のセル電解質210が各ユニット・セルの内部領域上に付加される。
11)第11のステーションでは、上側積層体211がフレームの上に付加され、接着剤209(感圧性または感熱性)の層により、セルは、圧力および/または熱が加えられた後、その周辺の周りで完全に封止される。
12)第12のステーションでは、上側積層基板211ならびにウェブ900を、各セル200のフレーム208または208Aの外側において三辺で打ち抜くことができる。第4の辺260では、上側積層体211のみが切断され、したがって、電気コンタクト(ネガティブ150およびポジティブ140)が各セルの下側積層基板ウェブ900の延長部上に露出した、一連のユニット・セル200が提供される。
13)第13のステーションでは、ユニット・セル200を、フレーム208の後縁とセルコンタクト150および140の上縁部との間の線213に沿って、横断方向に穿孔することができる。
14)第14のステーションでは、打ち抜きマトリックスが除去され、セル200の各列がロールに巻き取られる。
【0073】
当業者であれば、本発明を達成するために使用することができる多くの方法、材料、および操作手順があり、かつ異なる数のステーションを利用できることを理解するであろう。そのような異なるプロセスの一実施例が図18のフローチャートに示されており、材料および工程は、操作がより少ないステーション内で完了してもよいように変更され、おそらくはより費用効率が高く有効なプロセスになっている。
1)第1の操作:カソード集電体をウェブ900上に印刷する(多くの用途では低電流のみが必要とされるので、銀コンタクトの高い導電性は不要なことがある。あるいは、より高電流が必要な場合は、その代わりに、コンタクトの導電性を高くすることが回路設計の一部となることがある)。
2)第2の操作:カソード層をカソード集電体(存在する場合)の一部分上に印刷する。
3)第3の操作:亜鉛箔/PSA積層体をウェブ900に積層する。
4)第4の操作:誘電体フレームをセル活性材料の周りに印刷する。
5)第5の操作:粘稠電解質をフレーム内の活性材料に付加する。
6)第6の操作:セルを、例えば、その内側表面上が感圧性接着剤(PSA)である、その上側積層基板に積層することによって封止する。
7)第7の操作:上側積層体をフレームの周りで打ち抜き、同じ回転切断ダイを用いて、フレームとセル延長部(コンタクト領域)の間のセルを穿孔する。
8)第8の操作:フレームおよびセル延長部(コンタクト領域)の間のセルを穿孔する。
9)第9の操作:セルを列ごとに切断し、ロールに巻き取る。
【0074】
製造プロセスは、亜鉛箔/接着剤積層体を除去し代わりにアノード層を印刷することによってさらに変更されてもよい。以下の技法の1つによってこれを行うことができる。
【0075】
1つの方法は、導電性亜鉛インクを、上述の導電性の銀、導電性のニッケル、または炭素インクなどに類似させることであろう。代表的な一実施例は、図9〜12に示されるセル構成600によって示される。これらの図では、対応する部分はすべて、図1〜4の構成(セル構成101に示される)と同じ符号を有するが、変更されている部分は新しい符号を有する。
【0076】
これらの変更には、印刷されたアノード660が含まれる。これは、例えば、幅約0.051cm(0.20インチ)および厚さ約0.005cm(0.002インチ)(約0.0008〜0.013cm(0.0003〜0.005インチ))にすることができる。この構造の幅および厚さは、セル容量に影響を及ぼし、したがって、上述の寸法は、単に本開示に記載されるようなセル・サイズにとっての典型例である。
【0077】
さらに、コーキング/接着剤層653は、フレーム113の下方にある領域内のアノード660およびカソード集電体層131の上に印刷することができる。明瞭にするため、図9のセル600は、図1のように、上側積層体基板を除いて示される。
【0078】
導電性インクは作製するのが困難な場合があるので、印刷されたアノードセルの代替実施形態が図13および14に示される。これらの図は、セル構成要素のすべてを示すものではないが、印刷されたアノードと関連するものを示す。代替製造方法は、所望のアノードおよびアノードコンタクトとほぼ同じ位置にある導電性パターン(例えば、アノード集電体661)を印刷することであり得る。導電性パターンの材料は、カソード集電体131に使用される導電性炭素と同じ材料を利用することができる。同じ材料を使用することにより、この材料がカソード集電体131用に既に印刷されているので、余分な印刷ステーションが不要になるであろう。アノード集電体材料を選択するための主な制限は、亜鉛アノードとのその適合性であり、したがって有用な材料は炭素である。使用されてもよい他の材料としては、プラチナ、チタン、および/またはタンタルが挙げられる。アノード集電体が必要なのは、亜鉛インクを導電性にするのが困難なためであり、したがって、非導電性(または低導電性)亜鉛インクが使用されるとき、アノードは、カソードがカソード集電体を必要とするのと同じ理由で集電体を有するべきである。
【0079】
アノードをさらにより導電性にするため、高導電性のアノードコンタクト650をアノード集電体661の上に印刷することができる。これは、銀インク、または、例えば、カソードコンタクト140と同時に同じステーションで印刷することができる他の高導電性材料であることができる。アノード660は、例えばフレーム113の内部の領域において、アノード集電体661上に直接印刷することができる。印刷されたアノードの概念を使用することは、亜鉛箔/接着剤積層体と比べて、多くの利点を有することがある。これらのいくつかは次のとおりである。
【0080】
第1に、アノードの適用はオン・ラインで行うことができ、また同時にセルの残りの部分が印刷され、したがって、亜鉛箔を接着剤に積層するオフ・ライン操作およびこの亜鉛/接着剤積層体の切断を排除することができる。また、特殊な印刷機ステーション上での、またはオフ・ライン操作における亜鉛箔/積層体の適用(積層)を排除することができる。
【0081】
第2に、封止領域における印刷材料の厚さは、集電体かアノードかに関わらず、亜鉛/接着剤積層体よりもはるかに薄くすることができるので、カソード集電体と同じ、またはそれに類似したより良好な封止状態が可能になる。
【0082】
第3に、亜鉛箔/接着剤積層体は、機械方向に連続する細長片に最も容易に適用することができ、その幾何学形状は、矩形に、かつ切断能力に限定された幅で限定することができる。また、細長片が連続的であるので、下側封止領域においても積層体をセルの全長に適用することができる。しかし、この特徴は、積層体の使用を増加させ、かつプロセスおよび有効性の点で下側封止領域を複雑にすることがある。印刷されたアノードは、任意の幾何学形状であることができ、機械方向ならびに横断方向に容易に印刷することができる。
【0083】
第4に、アノードおよび/またはアノード/アノード集電体を印刷することにより、導電性接着剤および/またははんだなどを使用しない場合であっても、AchesonのSS479などの通常の導電性インクを使用して、印刷機上でユニット・セルを電池パックに容易に直接接続することが可能になる。亜鉛箔がユニット・セル構成に使用された場合、同じプロセスを行うことができるが、AshesonのPM046銀インクなどの、可撓性が高い特殊な導電性インクが恐らく必要であろう。
【0084】
セル/電池構成および接続部の印刷の一実施例は、図15に詳細に示され、プロセスは図19のフローチャートに示される。ウェブ800は、説明のため、単一の列の電池として示される。方法が処理することができる電池サイズおよび最大ロール幅に応じて、電池の列の数は変えることができる。
【0085】
ウェブ800は、図6〜12に記載されているウェブ900と類似の方式で印刷されるが、材料および形状の一部が変更されている。ウェブ800の部品は印刷されたアノードアセンブリ662を含み、アノードアセンブリ662はアノード集電体661およびアノード662を含むことができるか、または印刷されたアノード660のみを含む。上述したように、このタイプの構成は、上述の亜鉛箔/接着剤積層体204を使用して作製することもできる。また、一般的にはカソード集電体201およびカソード206の両方を含む、印刷されたカソードアセンブリ232が含まれる(ただし、いくつかの実施形態では、集電体は不要なことがある)。さらに、正のフィードスルー封止のための印刷された接着剤/コーキング133および負のフィードスルー封止のための印刷された接着剤/コーキング153が含まれる。
【0086】
一般的には、図示される3V電池パッケージ内の両方のセルを取り囲む1つのフレームとして提供される、フレーム607も含まれる。このフレームは印刷することができ、または、ポリ塩化ビニル、ポリエステルなどの、予め孔あけされた高分子シートから形成することができる。これらの実施形態は両方とも、本明細書において上述してきた。電解質漏れ貯留部であるフレーム(607)が、2つのユニット・セル101を取り囲む適所で印刷または積層される前あるいは後に、例えば、電池のネガティブコンタクト750と同じステーションにおいて電池のポジティブコンタクト740が印刷される(亜鉛箔がアノードの一部として使用される場合、ネガティブコンタクトを印刷する必要がないことがある)が、電池の直列コネクタ760を依然として印刷することができる。
【0087】
例えば、コンタクト材料にはAcheson Colloids SS479またはPM046などの銀インクを含むものを使用することができる。上述した他のコンタクト材料も使用することができる。2つのユニット・セル101を完成するため、セルは、粘稠電解質210をフレーム607内の各ユニット・セル101に付加することによって「活性化」され、あるいは、ゲル化タイプの電解質を、両方の電極(図6に示す、カソード232およびアノード660、またはアノードアセンブリ662、または亜鉛箔204)全体にわたって印刷することができる。紫外線または化学的架橋等を必要とするヒドロゲル・ベースのまたは何らかの配合などの、印刷可能な電解質が使用される場合、例えば、フレームを印刷する前に印刷することができる。
【0088】
ユニット・セル101が活性化された後、セルは、フレーム607、感圧性接着剤500をその内側表面上に有することができる上側積層体212の上に積層することによって封止される。次に、この上側積層体212は、フレームの外側縁部の周りで打ち抜くことができる。同じ回転切断ダイを用いて、ウェブ800を、フレームと、ポジティブコンタクト740、ネガティブコンタクト750、および電池直列コネクタ760を含む電池延長部との間で穿孔することができる。
【0089】
次に、電池300は、縁部215および216に沿って電池を列ごとに切断することによって完成し、次に、後日組み立てるため、ロールに巻き取ることができる。この同じプロセスを使用して、より高電圧用の直列接続部を備えた電池、ならびに/あるいは、容量を増加させ、かつ/または電流ドレインを増加させるための並列接続部を備えた電池などの、他の電池構成とすることができる。また、適切な導電性接着剤を用いて、この構成の概念は、コネクタ760とアノードコンタクトの間に置かれるAchesonの銀インクPM046などの可撓性の導電性インクと組み合わせて、印刷されたアノード660の代わりに亜鉛箔204を使用することもできる。必要に応じて、この可撓性インクを上述の構成に使用することもできる。
【0090】
上記の記載は、印刷機上の1または複数のパスで、全セルおよび/または電池を印刷し、活性化し、かつ封止することができるようにする、一連の操作の実施例を説明する。セル/電池の製造プロセスをさらにより効率的にするため、電子部品(例えば、電池またはセルによって電力供給されるもの)の製造とセル/電池の製造プロセスを一体化することができるので、電源を備える完成した電子アプリケーションを同時に製造することができる。この一体化の手順を、図20のフローチャートに例示し、次のパラグラフに記載する。
【0091】
一体化プロセスは、図16に示されるウェブ500から始まり、それは、電池300の下側積層基板、ならびにディスプレイを有する熱センサなどの電子部品用の基板としての機能を果たす。この一体化を開始させるプロセスは、ウェブ800上に図15の電池300を作製する初期の工程によって開始する。この考察のため、図16のウェブ500は図15に示されるウェブ800よりも幅広に示されているので、図16に示される一体化されたアプリケーション450の必要な回路群も印刷する余裕がある。
【0092】
ウェブ500は、図15に記載されるウェブ800と類似の方式で印刷されるが、材料および形状のいくつかは変更されている。ウェブ500の部品は、図15のウェブ800と同じ電池部品、封止部153を含む。
【0093】
一般的には、3V電池パッケージに示されるような両方のセルを取り囲む1つのフレームとして設けられる、電池フレーム607も含まれる。このフレーム607は印刷したものであってもよいし、予め孔あけされた高分子シートであってもよい。一体化プロセスが使用されるとき、誘電性フレーム607は誘電体パッド430を含むように変更されて、回路401が、接合部499において連続的な亜鉛の細長片204の上を交差して電池のネガティブコンタクト406に到達することができるようになる。印刷された実施形態、ならびに高分子の実施形態はいずれも、本明細書において上述してきた。電解質漏れ貯留部を有するフレーム607または607Aが、2つのユニット・セル101を取り囲んで適所で印刷または積層された後、電池のポジティブコンタクト740を、電池の直列コネクタ760(図16において、それぞれ411および410)と同じステーションで印刷することができる。
【0094】
次に図16を参照すると、コンタクト材料には、Acheson ColloidsのPM046などの銀インクを用いることができる。この材料は、電池の直列コネクタ410がより高さのある亜鉛接着剤積層体204の上に印刷されるときなど、印刷パターンが段差を有する場合であっても、良好な電気コンタクトを維持するその可撓性とその能力とによって選択された。用途に応じて、上述した他のコンタクト材料を使用することもできる。また、セル/電池コンタクトおよびコネクタ407および410(それぞれ、図15の740および760)を印刷すると同時に、回路401も印刷することができる。回路401は、電池300のネガティブ端子406およびポジティブ端子411で始まり、全回路401が完成するまで継続する。この実施例において、回路は、回路が動作していることを示す、印刷または挿入されたLED404と、例えば温度が許容可能な範囲内または範囲外であることを示す単一のアイコンであり得るディスプレイ403とを含む。図16は温度ディスプレイを示すので、実際の温度を常に観察することができる。回路は、回路の印刷が完了した後に挿入されるICチップ404も含む。
【0095】
再び図15を参照すると、2つのユニット・セル101を完成させるため、セパレータ/電解質層を、フレーム607または607Aの中の各ユニット・セル101に付加することによって、セルは「活性化」される。これは、セパレータ・タイプの材料を有さない粘稠電解質210、および/または両方の電極(カソード130、および印刷されたアノード660または亜鉛箔アノード204)の上を流れる層を含むことができる。ゲル化タイプの電解質は、両方の電極(カソード130、およびアノード660または204)、あるいは、例えばコーティングされたクラフト紙または「紙タオル」のような材料など、両方の電極(カソード130、およびアノード660または204)を覆って提供された別個のセパレータ層の上に印刷することができ、その後、水性電解質が、フレーム607の内部のセル・キャビティに付加される。
【0096】
ユニット・セル101が活性化された後、セルは、フレーム607または607Aの上に、感圧性接着剤500をその内側表面に有することができる上側積層基板212を積層することによって封止される。次に、この上側積層体212は、フレームの外側縁部、したがって、電池端子406(ネガティブ)および411(ポジティブ)ならびに露出したままのアクセス可能な回路401の構成要素を有する、電池延長部の周りで打ち抜くことができる。一体化された電池/回路アプリケーション450が完成した後、各アプリケーション450をライン420上で穿孔することができ、次に、アプリケーション450を列ごとに切断し、次に後日の使用のためにロールに巻き取ることによって、各アプリケーションを完成させることができる。この同じプロセスを、異なる電圧および/または並列接続の、かつ異なる容量を有する電池、ならびに異なる電子アプリケーションなど、他の一体化された電池/アプリケーションを作製するのに使用することができる。このアプリケーション450、あるいは上述のセルおよび/または電池構成のいずれかを、例えば、ラベルの形態にすることができる。これは、プロセスのどこかの時点で、感圧性接着剤層をその剥離ライナーとともに、アプリケーション450の裏面上、またはセルもしくは電池構成のいずれかの裏面上に配置することによって容易に行うことができる。
【0097】
小袋構成における同一面内の設計によって、薄型の印刷されたセル/電池が、セルの内部抵抗がより低く、かつカソードに利用可能な空間がより大きいことにより、より高い電流および/またはより大きな容量を必要とするアプリケーションに電力供給することができるようになることが分かっている。そのため、上記パラグラフに記載したフレーム構成は、引用文献に記載されている小袋構成にて行われたのと同じ形で代替構成を有して設計されている。そのため、小袋ならびにフレーム構成の両方は、「標準的な」同一平面状の、ならびに同一面内の構成の両方を作製することができる。図21〜25は、同一面内の設計を有する完成したユニット・セル901の実施形態を平面図および断面図で示す。本明細書におけるセル901は、高速大量印刷機上で作製されたもののように示されるが、例えば少量のセルの場合、手動で、または半自動の方法を使用して作製することもできる。明瞭にするため、図21のセル901は、上側積層体212を除いて示される。
【0098】
図21〜25のセル901は、明瞭にするため図21には示されない上側積層フィルム基板層912、下側積層フィルム基板(層)911を含み、ポジティブコンタクト940およびネガティブコンタクト950を有する拡張領域980を有する。図22〜25に示されるセル901は、電極層930(カソード)および電極層960(アノード)から成り、それらはそれぞれ、電気化学的に電解質と相互作用して電流を生じさせることができる、異なる組成物の電気化学層から成る。
【0099】
カソード層930を適用する前に、高導電性炭素のカソード集電体931を、下側積層基板911上に印刷することができる。少なくとも1つの実施形態では、このカソード集電体は、実質的にカソード層930とコンタクト延長部934を組み合わせた形状およびサイズを有するが、サイズ差を利用することもできる。
【0100】
少なくとも1つの実施形態では、カソード集電体931の広面積側では、カソード層930は、二酸化マンガンを含むインク、炭素およびグラファイトなどの導電体、結合剤、および水を使用して印刷される。カソード層930が、任意のデンプン塗膜916または印刷可能な電解質とともに適所に置かれた後、下側「フレーム」913が電解質の周りに配置される。このフレームは、様々な実施形態(そのいくつかは本明細書に記載される)に対して、多数の異なる材料および方法で作製することができる。ここで考察されている構成では、フレーム913は、中間にポリエステルなどの打ち抜きまたはレーザー切断された高分子積層体シートを含み、感圧性接着剤の2つの外側層(上側表面上の918および下側表面上の917)を有することができる。各剥離ライナーは示されない(あるいは、この接着剤は、PSAに類似したパターンを有する、または、例えば高分子が切断される前に流し塗布された、印刷された感熱性材料であることができる)。
【0101】
下側接着剤層917は、下側積層体基板911をフレーム913に固着させる。上側接着剤層918は、アノード960の亜鉛箔を下側フレーム913に締結するために使用される。上述したように、下側フレーム913は、例えば、Acheson Colloids(Port Huron、Michigan)製、またはEMC(Engineered Conductive Materials)(Delaware、Ohio)製の、誘電体タイプのスペーサ材料を用いて印刷することができる。
【0102】
印刷可能なデンプンおよび/または印刷可能な電解質が使用されない場合、アノードの亜鉛箔の細長片960を付加する前に、下側フレーム913内に、かつカソード930の上に、紙または吸収性タイプの材料のセパレータ916Aを挿入することができる。また、アノード960を付加する前に、下側スペーサ913の上のアノード位置で、感熱性または感圧性封止/コーキング材954を印刷することができる。
【0103】
アノードの細長片960が、感熱性または感圧性封止/コーキング材954の位置で、下側スペーサ913の上に配置された後、薄い上側スペーサ953が下側スペーサ913の上に印刷され、アノード960が、アノード960の端部(接着剤954の位置)ならびに下側スペーサ913全体の上に印刷される。このスペーサは、例えば、Acheson Colloids(Port Huron、Michigan)製のPM030などの、感圧性接着剤(PSA)である、紫外線硬化性の誘電体であることができる。
【0104】
セル構成が、カソード上にデンプン・インク塗膜または吸収性タイプのセパレータを含む場合、水性電解質がこの層に付加される。
【0105】
次に、セルは、上側フレーム層953の上に上側積層体基板912を適用することによって完成する。上側フレームがPSAではない場合、この上側積層体を適用する前に、その感圧性接着剤(図示なし)の剥離ライナーが使用されていれば、それが上側積層体912から除去される。薄い上側フレーム953が感熱性接着剤である場合、上側積層体912はフレーム953に熱封止される。ネガティブコンタクト950の位置において、上側積層体に刻み目が付けられて、ネガティブ端子へのアクセスが可能になる。
【0106】
上述の実施例は、例えば直線的な幾何学形状を使用する、フレーム・セル/電池構成を記載した。ほとんどの場合、それは恐らく一般に好まれる幾何学形状であろう。しかし、フレーム構成を使用することにより、幾何学形状は直線状に限定されない。例えば、電池は、例えば外傷治療用途などの医療機器に使用することができる。皮膚の外傷がより良好かつ迅速に治癒できるようにする、皮膚パッチ剤のあるタイプに好ましい幾何学形状は、円形もしくは楕円形、かつ/または矩形と円形の組合せであってもよい。この用途1200の一実施例は図26に示される。皮膚パッチ剤のカソード1231はパッチの一端にあり、皮膚パッチ剤のアノード1232は他端にある。この楕円形の皮膚パッチ剤の中間には、例えば、フレーム構成を有して作製された1.5Vのセル1203がある。セルの内部部品を示すために部分的に切り取られたこのセルは、次のものを含む。
【0107】
上記パラグラフで考察してきたように、非直線形のセルは、同じ部品および同じ材料であって、ただし異なる幾何学形状のものを使用することができる。下側基板は、皮膚電極ならびにユニット・セル1203を支持する。基板1211上において、カソード集電体1201が最初に印刷され、次に亜鉛アノード1204が、箔/接着剤積層体としての基板に印刷され、または積層される。他の用途におけるよりも幅広にすることができるので、フレーム1207の下のセル封止1205はその長さ方向であることができる。導電性ネガティブコンタクト1220が、亜鉛アノード1204からネガティブの皮膚電極1231まで印刷された後、フレーム1207が印刷される。同じ印刷ステーションにおいて、カソード集電体1201を皮膚パッチ剤1232に接続するため、アノードコンタクト1221が印刷される。これらのものがすべて適所に置かれた後、シーラント1240が、フレーム1207と同様のパターンで、または単にカソードコンタクトコネクタ1221の上およびアノード1204の一部分の上に印刷される。
【0108】
カソード1225およびフレーム1207を印刷した後に操作が行われる。上述の構成と同様に、アノード1204およびカソード1225の両方、ならびにアノード120とカソード1225の間の間隙1239を覆う粘稠液体または流動性ゲルの形態の電解質1240を、印刷または付加することが好ましい。次に、上側積層体1212が全セルを封止すると、セルが完成する。この基板は、予め切断された層、またはフレーム1207の形状で適用された後に打ち抜かれる連続的なフィルムであることができる。上側層は、感圧性または感熱性接着剤を用いて、フィルム上またはフレーム1207の上に固着される。
【0109】
薄型の印刷されたフレキシブル・セル/電池は多くの潜在的な用途を有する。これらは、例として、次の一般的な分類の1つまたは複数を含むことができる。
1.広告および販売促進
2.玩具、ノベルティ、本、グリーティング・カード、およびゲーム
3.スマートRFIDタグなどの在庫追跡および制御
4.セキュリティ・タグ
5.温度、湿度などの条件インジケータ
6.調合薬および/または化粧品のためのイオン導入用途
7.スマートおむつ、失禁用製品などのヘルスケア製品
【0110】
本発明を、特定の実施例および実施形態を使用して上記に記載してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な代替例が使用されてもよく、また均等物が本明細書に記載の要素および/または工程と置き換えられてもよいことが、当業者には理解されるであろう。本発明の範囲から逸脱することなく、本発明を特定の状況または特定の必要性に適合させるため、変更が必要なことがある。本発明は、本明細書に記載の特定の実現方法および実施形態に限定されず、特許請求の範囲は、記載に即した実施形態またはその均等物、開示されたまたはされていないもの、それらによって包含されるもののすべてを包含するものとして、広義に解釈されるものとする。
【符号の説明】
【0111】
101・・・セル、111・・・下側積層フィルム基板(層)、112・・・上側積層フィルム基板(層)、113・・・フレーム、115・・・(亜鉛箔)アノード層、130・・・カソード層、131・・・カソード集電体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流を発生させる平坦な電気化学セルであって、
複数の積層からなり、第1の酸化物バリア層を備える第1の基板層であって、前記第1の酸化物バリア層が、前記第1の基板層の前記複数の積層を通じて気体が逃れることを可能にする気体透過率を有する第1の基板層と、
第2の基板層と、
前記第1の基板層上または前記第2の基板層上に設けられたカソード層と、
前記カソード層と同じ前記第1の基板層上、前記カソード層と同じ前記第2の基板層上に設けられることにより、前記カソード層とほぼ同一平面上に配置されるアノード層と、
前記カソード層に接触しているとともに、前記アノード層にも接触している液体電解質とを備え、
前記第1の基板層が、前記第2の基板層に接続されて前記電解質を収容する内部空間を形成しており、
前記アノード層および前記カソード層のうちの少なくとも1つが、硬化または乾燥したインクから形成される電気化学セル。
【請求項2】
前記カソード層と前記カソード層が設けられた基板との間に配設されるカソード集電体をさらに備える、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項3】
前記アノード層と前記アノード層が設けられた基板との間に配設されるアノード集電体をさらに備える、請求項2に記載の電気化学セル。
【請求項4】
前記第2の基板層が複数の積層からなり、第2の酸化物バリア層を備え、
前記第2の酸化物バリア層が、前記第2の基板層の前記複数の積層を通じて気体が逃れることを可能にする気体透過率を有する、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項5】
前記電解質がゲル電解質である、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項6】
前記電解質が浸み込み、前記内部空間内で前記アノード層と前記カソード層にともに接触する浸透セパレータをさらに備える、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項7】
前記第1の酸化物バリア層が、それを通じた実質的な透湿を防ぐのに有効である、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項8】
前記第1の基板層および前記第2の基板層が、前記第1の基板層と前記第2の基板層の間に配設されたフレームを介して接続される、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項9】
前記フレームが、硬化または乾燥した接着性インクを備える、請求項8に記載の電気化学セル。
【請求項10】
前記カソード層が水性組成物で印刷されて、1平方インチ当たり約0.03〜0.25グラムの乾燥塗布重量を与え、
前記水性組成物が、
二酸化マンガンを約20〜60%、
グラファイトを約2〜25%、
約20〜60%のポリビニルピロリドンを含む水溶液を、約0.5〜15%、および
蒸留水を約0.1〜20%含む、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項11】
前記カソード集電体が、前記基板上に印刷された硬化または乾燥したインクを含み、
前記カソード層が、前記カソード集電体上に印刷された硬化または乾燥したインクを含む、請求項2に記載の電気化学セル。
【請求項12】
前記カソード集電体の層が、前記カソード層とは異なるインクで印刷される、請求項11に記載の電気化学セル。
【請求項13】
前記第1の基板層が、第1のヒートシール層をさらに備える、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項14】
前記第2の基板層が、第2のヒートシール層をさらに備える、請求項13に記載の電気化学セル。
【請求項15】
前記アノード層および前記カソード層のそれぞれが、硬化または乾燥したインクから形成される、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項16】
前記カソード層が、二酸化マンガン、グラファイト、およびヒドロキシルエチルセルロースを含む水性組成物で印刷される、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項17】
前記酸化物バリア層は、
前記酸化物バリア層のバリア特性が、特定の用途または使用中の環境に対応する所望の気体透過率を与えるべく構成されるように選択される、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項18】
前記バリア特性は、前記バリア層が前記セルからの実質的な湿り損失を防ぐための低い透過率を示すように、熱い乾燥した環境に対応する所望の気体透過率を与えるべく構成される、請求項17に記載の電気化学セル。
【請求項19】
前記第1の基板層が、第1の構造層をさらに備え、
前記第1の構造層の厚さは、前記第1の基板層の材料特性が、特定の用途または使用中の環境に対応する所望の構造強度を与えるべく構成されるように選択される、請求項13に記載の電気化学セル。
【請求項20】
前記セルが、非矩形の形状を有する、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項21】
請求項1に記載の電気化学セルを複数備えたバッテリ。
【請求項1】
電流を発生させる平坦な電気化学セルであって、
複数の積層からなり、第1の酸化物バリア層を備える第1の基板層であって、前記第1の酸化物バリア層が、前記第1の基板層の前記複数の積層を通じて気体が逃れることを可能にする気体透過率を有する第1の基板層と、
第2の基板層と、
前記第1の基板層上または前記第2の基板層上に設けられたカソード層と、
前記カソード層と同じ前記第1の基板層上、前記カソード層と同じ前記第2の基板層上に設けられることにより、前記カソード層とほぼ同一平面上に配置されるアノード層と、
前記カソード層に接触しているとともに、前記アノード層にも接触している液体電解質とを備え、
前記第1の基板層が、前記第2の基板層に接続されて前記電解質を収容する内部空間を形成しており、
前記アノード層および前記カソード層のうちの少なくとも1つが、硬化または乾燥したインクから形成される電気化学セル。
【請求項2】
前記カソード層と前記カソード層が設けられた基板との間に配設されるカソード集電体をさらに備える、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項3】
前記アノード層と前記アノード層が設けられた基板との間に配設されるアノード集電体をさらに備える、請求項2に記載の電気化学セル。
【請求項4】
前記第2の基板層が複数の積層からなり、第2の酸化物バリア層を備え、
前記第2の酸化物バリア層が、前記第2の基板層の前記複数の積層を通じて気体が逃れることを可能にする気体透過率を有する、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項5】
前記電解質がゲル電解質である、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項6】
前記電解質が浸み込み、前記内部空間内で前記アノード層と前記カソード層にともに接触する浸透セパレータをさらに備える、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項7】
前記第1の酸化物バリア層が、それを通じた実質的な透湿を防ぐのに有効である、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項8】
前記第1の基板層および前記第2の基板層が、前記第1の基板層と前記第2の基板層の間に配設されたフレームを介して接続される、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項9】
前記フレームが、硬化または乾燥した接着性インクを備える、請求項8に記載の電気化学セル。
【請求項10】
前記カソード層が水性組成物で印刷されて、1平方インチ当たり約0.03〜0.25グラムの乾燥塗布重量を与え、
前記水性組成物が、
二酸化マンガンを約20〜60%、
グラファイトを約2〜25%、
約20〜60%のポリビニルピロリドンを含む水溶液を、約0.5〜15%、および
蒸留水を約0.1〜20%含む、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項11】
前記カソード集電体が、前記基板上に印刷された硬化または乾燥したインクを含み、
前記カソード層が、前記カソード集電体上に印刷された硬化または乾燥したインクを含む、請求項2に記載の電気化学セル。
【請求項12】
前記カソード集電体の層が、前記カソード層とは異なるインクで印刷される、請求項11に記載の電気化学セル。
【請求項13】
前記第1の基板層が、第1のヒートシール層をさらに備える、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項14】
前記第2の基板層が、第2のヒートシール層をさらに備える、請求項13に記載の電気化学セル。
【請求項15】
前記アノード層および前記カソード層のそれぞれが、硬化または乾燥したインクから形成される、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項16】
前記カソード層が、二酸化マンガン、グラファイト、およびヒドロキシルエチルセルロースを含む水性組成物で印刷される、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項17】
前記酸化物バリア層は、
前記酸化物バリア層のバリア特性が、特定の用途または使用中の環境に対応する所望の気体透過率を与えるべく構成されるように選択される、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項18】
前記バリア特性は、前記バリア層が前記セルからの実質的な湿り損失を防ぐための低い透過率を示すように、熱い乾燥した環境に対応する所望の気体透過率を与えるべく構成される、請求項17に記載の電気化学セル。
【請求項19】
前記第1の基板層が、第1の構造層をさらに備え、
前記第1の構造層の厚さは、前記第1の基板層の材料特性が、特定の用途または使用中の環境に対応する所望の構造強度を与えるべく構成されるように選択される、請求項13に記載の電気化学セル。
【請求項20】
前記セルが、非矩形の形状を有する、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項21】
請求項1に記載の電気化学セルを複数備えたバッテリ。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2013−80712(P2013−80712A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−278234(P2012−278234)
【出願日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【分割の表示】特願2008−503084(P2008−503084)の分割
【原出願日】平成18年3月21日(2006.3.21)
【出願人】(506353356)ブルー スパーク テクノロジーズ,インク. (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【分割の表示】特願2008−503084(P2008−503084)の分割
【原出願日】平成18年3月21日(2006.3.21)
【出願人】(506353356)ブルー スパーク テクノロジーズ,インク. (3)
【Fターム(参考)】
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