説明

電気化学的試験センサ

【課題】
【解決手段】試料中の分析物の濃度を検出する電気化学的試験センサである。電気化学的試験センサは、電流検出器と電気的に連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面上に有する、流体試験試料の流路を提供する基部を備えている。電気化学的試験センサは、作用電極の表面上に直接配置された試薬層を含む。試薬層は、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む。電気化学的試験センサは、基部と合わさって試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされた蓋を更に備えている。毛管空間には蓋の三次元的部分が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001] 本発明は、全体として、電気化学的試験センサ、より詳細には、分析物の濃度を決定し得るようにされた試験センサに関する。
【背景技術】
【0002】
[001] 糖尿病のような病態は、その病態を患う人が自分の血糖濃度レベルを規則的に自己監視することを必要とする。血糖濃度レベルを監視する目的は、人間の血糖濃度レベルを決定し、次に、そのレベルが高過ぎるか又は低過ぎるかに基づいて、修復措置をとりそのレベルを正常な範囲に戻すことである。修復措置をとらなかった場合、その人間にとって重大な医学的合併症が生じることがあろう。
【0003】
[002] 人間の血糖レベルを監視する1つの方法は、携帯型試験装置を使用するものである。これら装置の携帯型の性質は、ユーザが異なる場所にてその血糖レベルを便利に試験することを可能にする。1つの型式の装置は、血液試料を採取し且つ、血液試料を分析するため電気化学的試験センサを利用する。幾つかの電気化学的試験センサは、連続的にスクリーン印刷した、電極を有する基層と、誘電層と、試薬層とを含む。流体試料を受け取る毛管チャネルは、三次元的なエンボス加工した蓋、又はスペーサ及び蓋をその頂部に固定することにより形成することができる。これらの試験センサにおける誘電層は、血液試料が接触すべき電極及び試薬の面積を規定する。測定された電流は分析物の濃度と、分析物を保持する試験試料及び試薬層に曝される作用電極との双方に依存するため、規定された面積は重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[003] 電気化学的試験センサの大量生産は、経済的な工程ではない。工程のコストは、例えば、構成要素の数を少なくし、又は工程自体の効率を向上させることによって低減させることができる。分析物を正確に測定するということを維持しつつ、より経済的に製造できる試験センサが必要とされている。
【0005】
[004] 更に、幾つかの電気化学的試験センサ装置は、最適として望ましい大きさよりも大きい容量の毛管チャネルを有している。毛管チャネルが大きければ大きい程、そのチャネルを充填するため、人間からより多くの血液を得ることが要求される。血液を人間から吸引することは気持ちの良いものではなく、必要とされる血液が少なくてよいよう毛管チャネルの寸法を小さくし、また、かかる試料を取得し且つ試験する時間を短縮することも望まれるであろう。このように、より小型の毛管チャネルを有する試験センサも必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[005] 本発明の1つの実施の形態に従った、流体試験試料中の分析物の濃度を決定するための電気化学的試験センサが開示される。電気化学的試験センサは、電流検出器と電気的に連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面に有する、流体試験試料の流路を提供する基部を備えている。電気化学的試験センサは、作用電極の表面に直接配置された試薬層を更に含む。試薬層は、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む。電気化学的試験センサは、基部と合わさって、流体試験試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされた蓋も備えている。毛管空間には、蓋の三次元的部分が形成されている。
【0007】
[006] 本発明の別の実施の形態に従った、流体試験試料中の分析物の濃度を決定する電気化学的試験センサが開示される。電気化学的試験センサは、電流検出器と電気的に連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面に有する、流体試験試料の流路を提供する基部を備えている。試薬層は、作用電極の表面に直接配置されており、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む。作用電極は、第一の方向に沿った第一の幅を有する主要部分を含み、また、第一の方向に沿った第二の幅を有する、主要部分から伸びる少なくとも1つの第二の部分を更に含む。第一の幅は、第二の幅よりも少なくとも2倍大きい。電気化学的試験センサは、基部と合わさって流体試験試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされた蓋を更に備えている。
【0008】
[007] 本発明の更に代替的な実施の形態に従った、流体試験試料中の分析物の濃度を検出する電気化学的試験センサが開示される。電気化学的試験センサは、電流検出器と連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面に有する、流体試験試料の流路を提供する基部を備えている。作用電極は、主要部分と、該主要部分から伸びる少なくとも2つの第二の部分とを含む。試薬層は、作用電極の表面に直接配置されており、また、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む。電気化学的試験センサは、基部と合わさって流体試験試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされた蓋を更に含む。
【0009】
[008] 本発明の1つの工程に従った、試験センサにて流体試験試料中の分析物の濃度を決定する方法が開示される。該方法は、電流検出器と電気的に連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面に有する、流体試験試料の流路を提供する基部を提供する行為を含む。作用電極は、主要部分と、該主要部分から伸びる少なくとも2つの第二の部分とを含む。試薬層が作用電極の表面に直接配置されている。試薬層は、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む。蓋は、基部と合わさって流体試験試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされている。該方法は、試薬層を毛管空間を介して流体試料と接触させる行為を更に備えている。該方法は、分析物の存在に応答して試験センサ内にて電気信号を発生させる行為を更に含む。更に、該方法は、電気信号から分析物の濃度を決定する行為を備えている。
【0010】
[009] 本発明の1つの工程に従った、試験センサにより流体試料中の分析物の濃度を決定する方法が開示される。該方法は、電流検出器と電気的に連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面に有する、流体試験試料の流路を提供する基部を備える電気化学的試験センサを提供する行為を備えている。試薬層は、作用電極の表面に直接配置されている。試薬層は、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む。蓋は、基部と合わさって流体試験試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされている。毛管空間には、蓋の三次元的部分が形成されている。該方法は、試薬層を毛管空間を介して流体試料と接触させる行為を更に備えている。該方法は、分析物の存在に応答して試験センサ内にて電気信号を発生させる行為を更に備えている。該方法は、電気信号から分析物のレベルを決定する行為を更に含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0010] 本発明の上記の概要は、本発明の実施の形態の各々又は特徴の各々を表わすことを意図するものではない。本発明の追加的な特徴及び有利な点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかである。
【0012】
[0017] 本発明は、計器又は器具内に配置し且つ、体液試料中の分析物の濃度を決定するのを助け得るようにされた電気化学的試験センサに関する。体液試料は、ランシング装置により採取することができる。採取することのできる分析物の型式の例は、グルコース、脂質プロファイル(例えば、コレステロール、中性脂肪、LDL及びHDL)、微量アルブミン、ヘモグロビンAlc、フルクトース、乳酸塩及びビリルビンを含む。その他の分析物の濃度を決定することもできると考えられる。分析物は、例えば、全血試料、血清試料、血漿試料、ISF(間質液)及び尿のようなその他の体液、及び非体液とすることができる。本明細書にて使用するように、「濃度」という語は、分析物の濃度、分析物のレベル、活性度(例えば、酵素及び電解質の)、力価(例えば、抗体の)又は所望の分析物を測定するため使用される任意のその他の測定濃度を意味する。
【0013】
[0018] 先ず、図1を参照すると、電気化学的試験センサ34は、絶縁性基部36と、計器接触領域38と、電極パターン(作用電極39及びカウンタ電極40)と、試薬層44と、蓋46とを含む。電気化学的試験センサ34は、スクリーン印刷技術を使用する等の方法により連続的に印刷することができる。電気化学的試験センサ34は、その他の方法にて形成することもできると考えられる。
【0014】
[0019] 試薬層44の機能は、作用電極39及びカウンタ電極40の構成要素により、分析物が発生させる電流として、流体試験試料中の分析物(例えば、グルコース)を電気化学的に測定可能な化学的種へと、化学量論値的に変換することである。試薬層44は、典型的には、酵素と、電子受容体とを含む。酵素は、分析物と反応して作用電極39及びカウンタ電極40に可動電子を発生させる。例えば、試薬層44は、決定すべき分析物がグルコースである場合、グルコースオキシターゼ又はグルコース脱水素酵素を含むことができる。試薬層44内の酵素は、ポリ(エチレン酸化物)のような親水性ポリマー、又はポリエチレン酸化物(PEO)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボオキシメチルセルロース(CMC)及びポリ酢酸ビニル(PVA)のようなその他のポリマーと組み合わせることができる。電子受容体(例えば、ヘキサシアノ鉄酸塩)は、可動電子を作用電極39の表面まで運ぶ。
【0015】
[0020] 作用電極39及びカウンタ電極40は、分析物の濃度を電気化学的に決定するのを助ける。1つの実施の形態において、作用電極39及びカウンタ電極40は、電気化学的に活性であり且つ、電極と計器接触領域38との間に低電気抵抗路を提供するよう選んだ非結晶質及び黒鉛形態の炭素の混合体を含む。別の実施の形態において、作用電極39及びカウンタ電極40は、炭素及び銀の混合体から成っている。作用電極39及びカウンタ電極40は、これらの電極が作用可能に接続する計器又は器具に対する電気路を提供するのを助けるその他の材料にて出来たものとすることが考えられる。試薬層44は、図1に示したように、電極39、40上に直接配置される。より詳細には、試薬層と電極39、40との間に介入層(誘電層のような)は存在しない。
【0016】
[0021] 三次元的蓋46は、基部36の上方に凹状の空間48を形成し、また、その上に配置された構成要素は、最終的に、毛管空間又はチャネルを形成する。蓋46は、平坦な変形可能な材料シートをエンボス加工し、次に、密封工程にて蓋46を基部36に接続することにより形成することができる。蓋46を形成する材料は、変形可能な重合系シート材料(例えば、ポリカーボネート又はエンボス加工可能な品質のポリエチレンテレフタレート)又はグリコール改質ポリエチレンテレフタレートとすることができる。蓋46を形成するとき、その他の材料を使用することができると考えられる。
【0017】
[0022] 蓋46を形成する材料は、穴開けして少なくとも1つの換気口50を提供することができる。換気口50は、エアロックを防止し又は阻止するのを助けるから望ましい。エアロックを防止し又は阻止することにより、流体試料は、適時な態様にて毛管チャネル48に一層、良く入ることができる。
【0018】
[0023] 図1の絶縁性基部36に適した材料は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、寸法的に安定的なビニル及びアクリルポリマー及びそれらの混合体のような、重合系材料を含む。絶縁性基部36は、ナイロン/アルミニウム/ポリ塩化ビニル積層材のような、金属箔構造にて形成することができる。絶縁性基部を形成するとき、その他の材料を使用することができると考えられる。
【0019】
[0024] 蓋46及び基部36は、多岐にわたる方法により互いに密封することができる。例えば、蓋46及び基部36は、基部36及び蓋46を最初に、整合させ、次に、振動熱密封部材又は角状突起と静止ジョーとの間にて互いに押しつける音波溶接法により共に密封することができる。この方法において、角状突起は、蓋46の平坦で非エンボス加工領域とのみ接触するような形状とされる。石英又はその他のトランスデューサからの超音波エネルギは、その金属角状突起内にて振動を励起させるため使用される。この機械的エネルギは、重合系継手内にて熱として放散され、熱可塑性材料と接合することを許容する。別の方法において、蓋46及び基部36は、蓋46の下側部に接着剤材料を使用することにより接合される。その他の方法を使用して蓋及び基部を接着することができると考えられる。
【0020】
[0025] 電気化学的試験センサにおいて、正確な計器の読み取りを保証し得るよう電極パターン上に規定された面積を有することが望ましい。測定された電流は、分析物の濃度と、試験試料を保持する分析物に対して曝される作用電極の面積との双方に依存するため、規定された面積は重要である。
【0021】
[0026] 試験センサ34を製造するとき、蓋46により形成された凹状空間48は、基部36の上方にて位置が変化する。その原因は、蓋46、基部36及び凹状空間48を形成するとき、及び蓋46を基部36に配置するときの製造許容公差による。このように、作用電極39の異なる面積が凹状空間48を介して流体試験試料に曝される可能性があり、このことは、計器の読み取り精度に影響を与えるであろう。更に、蓋46及び基部36が接着剤にて蓋46の下側部に接合される場合、かなりの接着剤材料が「絞り出され」、このため、接着剤材料が蓋46の平坦で非浮き彫り加工領域を経て伸びて、分析物に曝される作用電極39の一部分に達することがある。接着剤材料の「絞り出し」は、電気化学的試験センサ34の読み取りに影響を与えるであろう。しかし、例えば、作用電極39の形状のため、本発明にて、これらの製造工程の影響は最小とされる。この例において、作用電極は、誘電層を使用せずに、一様な読み取り値を生じさせることができる。
【0022】
[0027] 図1−図4を参照すると、作用電極39は、主要部分39aと、2つの第二の部分39b、39cと含む。基部36は、その表面に電気伝導体パターン38を含む一方、該パターンは、作用電極39及びカウンタ電極40により被覆されている。図2に最も良く示したように、作用電極39及びカウンタ電極40の部分は、凹状空間48(すなわち、毛管チャネル)内にて流体試験試料に曝される。
【0023】
[0028] 次に、図3を特に参照すると、全体として流体試験試料と接触し得るようにされた作用電極39の部分は、1つの領域が凹状空間48を介して流体試験試料に曝された状態にて示されている。作用電極39は、主要部分39aが凹状空間48を主要部分39aに対して配置するときの製造上の変動にも拘らず、凹状空間48内にて完全に曝されたままであるような設計とされている。図3に示したように、作用電極39の第二の部分39b、39cの部分も凹状空間48に曝されている。第二の部分39b、39cに対する主要部分39aの面積の差は、製造上の変動にも拘らず、分析物の濃度のより正確な読み取り値を得ることを助け、それは、主要部分39aの面積は、流体試験試料に曝された第二の部分39b、39cの面積よりも実質的に大きいからである。
【0024】
[0029] 作用電極39の主要部分39aの全体は、凹状空間48の位置が変動する可能性があるにも拘らず、凹状空間48内に止まることが望ましいが、第二の部分39b、39cの流体試験試料との接触に曝される面積は、蓋46及び基部36が合わさるため、変動する可能性がある(例えば、図4の凹状空間58と比較して図3の凹状空間48を参照)。しかし、第二の部分39b、39cの面積は、主要部分39aの面積の僅かな一部分にしか過ぎないから、第二の部分39b、39cの接触面積の変動は、計器の読み取り値に何ら有意義に影響しない。更に、蓋46を基部36に接合することに起因する、接着剤を第二の部分39b、39cまで「搾り出す」ことの影響は、第二の部分39b、39cの面積は作用電極39の主要部分39aと比較したとき小さいから、最小とされる。
【0025】
[0030] 図3において、凹状空間48は、約1.092mm(0.043インチ)の幅(矢印wで識別)を有している。作用電極39の主要部分39aは、約0.584mm(0.023インチ)の幅(矢印wで識別)と、約1.27mm(0.05インチ)の高さ(矢印hで識別)とを有している。作用電極39の第二の部分39b、39cは、約0.635mm(0.025インチ)の幅(矢印wで識別)と、約0.127mm(0.005インチ)の高さ(矢印hで識別)とを有している。第二の部分39b、39cの幅(矢印wで識別)は、第二の部分39b、39cの少なくとも幾つかの部分が毛管幅wの全体をわたって伸びる限り、変更可能である。従って、主要部分39aの幅の比率は、全体として、第二の部分39b、39cの幅の約1倍から約5倍である。主要部分39aの幅の比率は、典型的には、第二の部分39b、39cの幅の約2倍以上、大きい。更に、上述から理解し得るように、主要部分39aの高さhは、第二の部分39b、39cの高さhの約10倍である。しかし、主要部分39aの高さhは、第二の部分39b、39cの高さhの約5倍から15倍とすることができる。以下に更に説明するように、主要部分の幅及び高さのみならず、その形状を変化させることができる。
【0026】
[0031] 作用電極の主要部分39aのその幅w(0.584mm(0.023インチ))とその高さh(1.27mm(0.05インチ))との積である面積は、0.74193mm(0.00115平方インチ)である。図示した実施の形態において、作用電極39の主要部分39aは、直接、凹状開口部48の幅wの中心にある。幅wは、1.092mm(0.043インチ)であり、主要部分39aの幅wは、0.584mm(0.023インチ)であるため、凹状空間48により曝される第二の部分39b、39cの各々の部分は、約0.254mm(約0.01インチ)[(1.092mm−0.584mm(0.043インチ−0.023インチ)/2]である(矢印wで識別)。このように、凹状空間48により曝される第二の部分39b、39cの各々の面積は、その幅w(0.254mm(0.01インチ))とその高さh(0.127mm(0.005インチ))との積であり、その結果、第二の部分39b、39cの各々に対する接触面積は、0.032258mm(0.00005平方インチ)となる。主要部分39aの面積(0.74193mm(0.00115平方インチ))は、流体試験試料に曝される第二の部分39b、39cの全面積(0.064516mm(0.0001平方インチ))よりも約12倍、大きい。しかし、本発明に従って、面積のその他の比率も有効である。幾つかの実施の形態において、作用電極39の主要部分39aの全面積は、作用電極39の第二の部分39b、39cの面積の寸法の約5倍としてもよい。好ましくは、作用電極39の主要部分39aは、作用電極39の第二の部分39b、39cの面積の寸法の少なくとも10倍又は20倍である。
【0027】
[0032] 次に、図4を参照すると、製造工程の変動のため、凹状空間48以外の作用電極39の異なる部分が流体試験試料に曝されたままにする凹状空間58が示されている。上述したように、主要部分39aは、その全面積が基部36の上方の位置の変動にも拘らず、典型的には、提供される任意の凹状空間により一様に曝されるような設計とされている。このように、主要部分39aの全面積、0.74193mm(0.00115平方インチ)(上述したように計算)は、流体試験試料と接触するのに利用可能なままである。しかし、凹状空間58の位置の変動の結果、第二の部分39b、39cの各々の異なる面積が流体試験試料に曝されることになる。この実施の形態において、流体試験試料に曝される第二の部分39bの面積は、ある程度、増大している一方、凹状空間58の異なる位置のため(実質的に、凹状空間58は第二の部分39bに向けて変位している)、第二の部分39cの面積は相応する程度だけ減少する。第二の部分39bの曝された幅wは、0.330mm(0.013インチ)である一方、第二の部分39cの曝された幅wは0.177mm(0.007インチ)である。第二の部分39b、39cの高さhは、0.127mm(0.005インチ)のままである。従って、第二の部分39bの面積は0.041935mm(0.000065平方インチ)である一方、第二の部分39cの面積は、0.022581mm(0.000035平方インチ)である。このように、流体試験試料に曝される主要部分39aの面積(0.74193mm(0.00115平方インチ))は、第二の部分39b、39cの面積よりも実質的に大きいままである。従って、この実施の形態において第二の部分39b、39cの接触面積の変化は、計器の読み取り値に何ら有意義な影響を与えることはない。
【0028】
[0033] 作用電極39の上方の凹状空間(例えば、参照番号48、58)の位置のその他の変動は、また、計器の読み取り値に何ら有意義に影響することはない。上述したように、作用電極39の主要部分39aは、その位置の変動にも拘らず、凹状空間内に完全に止まることが望ましい。第二の部分39b、39cの小さい面積のみが凹状空間の位置の変位により影響されるため、作用電極39の曝された全接触面積により発生された全体的な電流は、有意義に影響されることはない。従って、作用電極39の形状は、凹状空間のその他の位置(図示せず)に対して一様に再現可能な計器の読み取り値を発生させ得るようにされている。更に、上述したように、第二の部分39b、39cの小さい面積のみが接着剤の「絞り出し」による影響を受けるため、作用電極39の全接触面積により発生された全体的な電流が有意義に影響を受けることはない。
【0029】
[0034] 図3−図4に見ることができるように、作用電極39の主要部分39aは、凹状空間48、58の大きい部分を充填する。毛管チャネルの高さ(すなわち幅Wに対して全体として垂直な高さ)に沿った大きい部分を作用電極39の主要部分39aにて充填することにより、毛管チャネルの幅Wは減少させることができる。この実施の形態において、毛管チャネルの幅を減少させることにより、毛管チャネルの容積は、約0.75μL未満に、好ましくは、約0.6μL未満まで減少させることができる。このように、本発明の別の利点は、より小さい毛管チャネルを使用することができ、これにより凹状空間48、58を充填するとき使用される、患者からの血液が少なくてよい点である。
【0030】
[0035] 図3−図4に示したように、作用電極39の主要部分39a及び第二の部分39b、39cは多角形の形状である。しかし、作用電極39は、図3−4の特定の形状にのみ限定されるものではない。作用電極39は、本発明に従って機能し、この場合、作用電極は、その特定の形状に拘らず、流体試験試料に曝される第二の部分よりも実質的に大きい、流体試験試料に曝される主要部分を含む。例えば、図5を参照すると、本発明に従って、主要部分49a及び第二の部分49b、49cを含む、作用電極49が開示されている。作用電極49の主要部分49aの形状は非多角形である。その他の非多角形の形状を使用して主要部分を形成することができると考えられる。
【0031】
[0036] 作用電極の主要部分のその他の形状を使用することもできる。図6には、六角形の主要部分59aと、該主要部分から伸びる第二の部分59b、59cとを有する作用電極59が示されている。第二の部分は、図示した以外の形態をとることもできる。例えば、図7には、主要部分69aと、2つの第二の部分69b、69cとを有する作用電極69が示されている。この実施の形態における作用電極69の第二の部分69b、69cは、作用電極の主要部分69aから対角線状に伸びている。作用電極の第二の部分は多角形又はその他の非多角形の形状のような、その他の非矩形の形状をとることができることも理解される。幾つかの実施の形態において、作用電極は、1つの第二の部分又は追加的な第二の部分のみを含むこともできる。例えば、図8に示したように、作用電極79は、1つの第二の部分79bが伸びる主要部分79aを有している。
【0032】
[0037] 作用電極の代替的な実施の形態について上述したが、作用電極は、その他の図示しない実施の形態をとることもできる。その特定の形状を問わず、作用電極は、毛管チャネルの大きい部分を充填する大きい容積の主要部分と、少なくとも1つのより小さい第二の部分とを含む必要がある。
【0033】
[0038] 本発明の作用電極の設計は、蓋46のような、凹状空間を形成する三次元的エンボス加工した蓋と共に使用することにのみ限定されない。電気化学的試験センサ内にて作用電極の上方に凹状空間を形成するその他の方法を本発明に従って使用することもできる。例えば、図9には、別の実施の形態に従った電気化学的試験センサ84が示されている。電気化学的試験センサ84は、基部36と、計器接触領域38と、作用電極39と、カウンタ電極40と、試薬層44とを含む。電気化学的試験センサ84は、蓋86と、スペーサ82とを更に含む。スペーサ82は、該スペーサに形成されたスペーサ開口部88を含む。該スペーサ開口部88は、蓋86がスペーサ82及び基部36と合わさったとき、毛管チャネル又は空間を形成するのを助ける。電気化学的試験センサ84は、電気化学的試験センサ34と全く同一の態様にて機能し、その主要な相違点は、凹状空間48と比較してスペーサ開口部88を形成する方法である。スペーサ開口部882より形成された凹状空間は、上述したように、凹状空間48の位置が変化するのと全く同一の態様にて基部36上の位置が変化する可能性がある。しかし、計器の読み取り値の再現性は、この実施の形態において、電気化学的試験センサ34に対して本明細書にて説明したのと全く同一の態様にて作用電極39の形状により実現される。
【0034】
[0039] 代替的な実施の形態A
電流検出器と電気的に連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面上に有する、流体試験試料の流路を提供する基部と、
作用電極の表面上に直接配置されて、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む、試薬層と、
基部と合わさって流体試験試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされた蓋と、を備え、毛管空間には蓋の三次元的部分が形成される、流体試験試料中の分析物の濃度を検出する電気化学的試験センサである。
【0035】
[0040] 代替的な実施の形態B
試薬層は、カウンタ電極の表面上にも配置される、代替的な実施の形態Aの試験センサである。
【0036】
[0041] 代替的な実施の形態C
流体試験試料の分析物と相互作用し得るようにされた作用電極の領域は、主要部分と、該主要部分から伸びる少なくとも1つの第二の部分とを含む、代替的な実施の形態Aの試験センサである。
【0037】
[0042] 代替的な実施の形態D
作用電極の主要部分は、第一の方向に沿った第一の幅を有し、少なくとも1つの第二の部分は、第一の方向に沿った第二の幅を有し、第一の幅は、第二の幅よりも少なくとも2倍大きい、代替的な実施の形態Cの試験センサである。
【0038】
[0043] 代替的な実施の形態E
作用電極の主要部分は、第二の方向に沿った第一の高さを有し、少なくとも1つの第二の部分は、第二の方向に沿った第二の高さを有し、第二の方向は、第一の方向に対して全体として垂直であり、第一の高さは、第二の高さの約5から約15倍高い、代替的な実施の形態Dの試験センサである。
【0039】
[0044] 代替的な実施の形態F
作用電極の少なくとも1つの第二の部分は全体として、多角形である、代替的な実施の形態Cの試験センサである。
【0040】
[0045] 代替的な実施の形態G
作用電極の主要部分は、全体として多角形である、代替的な実施の形態Fの試験センサである。
【0041】
[0046] 代替的な実施の形態H
作用電極の主要部分は、全体として非多角形である、代替的な実施の形態Fの試験センサである。
【0042】
[0047] 代替的な実施の形態I
毛管空間の容量は約0.75μL未満である、代替的な実施の形態Aの試験センサである。
【0043】
[0048] 代替的な実施の形態J
毛管空間の容量は約0.6μL未満である、代替的な実施の形態Aの試験センサである。
【0044】
[0049] 代替的な実施の形態K
電流検出器と電気的に連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面上に有する、流体試験試料の流路を提供する基部であって、作用電極は主要部分と、該主要部分から伸びる少なくとも2つの第二の部分とを含む上記基部と、
作用電極の表面上に直接配置されて、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む、試薬層と、
基部と合わさって流体試験試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされた蓋と、を備える、流体試験試料中の分析物の濃度を検出する電気化学的試験センサである。
【0045】
[0050] 代替的な実施の形態L
作用電極の第二の部分の1つは、検出器と電気的に連結した、代替的な実施の形態Kの試験センサである。
【0046】
[0051] 代替的な実施の形態M
作用電極の主要部分は、作用電極の少なくとも2つの第二の部分の間に配設され、作用電極の少なくとも2つの第二の部分は、全体として互いに対向している、代替的な実施の形態Kの試験センサである。
【0047】
[0052] 代替的な実施の形態N
作用電極の主要部分の面積は、作用電極の第二の部分よりも実質的に大きい、代替的な実施の形態Lの試験センサである。
【0048】
[0053] 代替的な実施の形態O
電流検出器と電気的に連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面上に有する、流体試験試料の流路を提供する基部と、
作用電極の表面上に直接配置されて、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む、試薬層と、を備え、
作用電極は、第一の方向に沿った第一の幅を有する主要部分と、第一の方向に沿った第二の幅を有し、第一の幅は、第二の幅よりも少なくとも2倍大きい、主要部分から伸びる、少なくとも1つの第二の部分とを含み、
基部と合わさって流体試験試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされた蓋を更に備える、流体試験試料中の分析物の濃度を検出する電気化学的試験センサである。
【0049】
[0054] 代替的な実施の形態P
毛管開口部を形成するのを助け得るようにされたスペーサであって、基部と蓋との間に配置された上記スペーサを更に備える、代替的な実施の形態Oの試験センサである。
【0050】
[0055] 代替的な実施の形態Q
作用電極の主要部分は、第二の方向に沿った第一の高さを有し、少なくとも1つの第二の部分は、第二の方向に沿った第二の高さを有し、第二の方向は、第一の方向に対して全体として垂直であり、第一の高さは、第二の高さの約5から約15倍高い、代替的な実施の形態Oの試験センサである。
【0051】
[0056] 代替的な実施の形態R
作用電極の少なくとも1つの第二の部分は全体として、多角形である、代替的な実施の形態Oの試験センサである。
【0052】
[0057] 代替的な実施の形態S
作用電極の主要部分は、全体として多角形である、代替的な実施の形態Rの試験センサである。
【0053】
[0058] 代替的な実施の形態T
作用電極の主要部分は、全体として非多角形である、代替的な実施の形態Rの試験センサである。
【0054】
[0059] 代替的な実施の形態U
毛管空間の容量は約0.75μL未満である、代替的な実施の形態Sの試験センサである。
【0055】
[0060] 代替的な実施の形態V
毛管空間の容量は約0.6μL未満である、代替的な実施の形態Sの試験センサである。
【0056】
[0061] 代替的な工程W
電流検出器と電気的に連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面上に有する、流体試験試料の流路を提供する基部であって、作用電極は主要部分と、該主要部分から伸びる少なくとも2つの第二の部分とを含む上記基部と、作用電極の表面上に直接配置されて、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む、試薬層と、基部と合わさって流体試験試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされた蓋と、を提供するステップと、
試薬層を毛管空間を介して流体試料と接触させるステップと、
分析物の存在に応答して試験センサ内にて電気信号を発生させるステップと、
電気信号から分析物の濃度を決定するステップと、を備える、流体試験試料中の分析物の濃度を試験センサにより決定する方法である。
【0057】
[0062] 代替的な工程X
電流検出器と電気的に連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面上に有する、流体試験試料の流路を提供する基部と、作用電極の表面上に直接配置されて、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む、試薬層と、基部と合わさって流体試験試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされた蓋と、を備え、毛管空間には、蓋の三次元的部分が形成された、電気化学的試験センサを提供するステップと、
試薬層を毛管空間を介して流体試料と接触させるステップと、
分析物の存在に応答して試験センサ内にて電気信号を発生させるステップと、
電気信号から分析物の濃度を決定するステップと、を備える、流体試料中の分析物の濃度を試験センサにより決定する方法である。
【0058】
[0063] 代替的な工程Y
作用電極は、主要部分と、液体試料と相互作用し得るようにされた少なくとも2つの第二の部分とを含む、代替的な工程Xの方法である。
【0059】
[0064] 代替的な工程Z
作用電極の主要部分の面積は、流体試料と相互作用し得るようにされた作用電極の少なくとも2つの第二の部分の面積の少なくとも10倍である、代替的な工程Yの方法である。
【0060】
[0065] 代替的な工程AA
分析物はグルコースである、代替的な工程Xの方法である。
【0061】
[0066] 代替的な工程BB
毛管空間の容量は約0.75μL未満である、代替的な工程Xの方法である。
【0062】
[0067] 本発明は、色々な改変例及び代替的な形態にて実施することが可能であるが、その特定の実施の形態及び方法について、単に一例として図面に示し且つ、本明細書にて詳細に説明した。しかし、これは、本発明を開示された特定の形態又は方法にのみ限定することを意図するものではなく、それと異なり、本発明は、特許請求の範囲により規定された本発明の要旨及び範囲に属する全ての改変例、等価物及び代替例を包含するものであることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】1つの実施の形態に従った電気化学的試験センサの分解図である。
【図2】図1の組み立てた電気化学的試験センサの頂面図である。
【図3】全体として、試験流体試料と図1の試験センサの蓋によって形成された凹状空間と接触し得るようにされた電気化学的試験センサの作用電極の拡大部分図である。
【図4】全体として、試験流体試料と、別のセンサの蓋によって形成された異なる凹状空間と接触し得るようにされた電気化学的試験センサの作用電極の拡大部分を示す図である。
【図5】追加的な実施の形態に従った電気化学的試験センサの作用電極の拡大部分を示す図である。
【図6】追加的な実施の形態に従った電気化学的試験センサの作用電極の拡大部分を示す図である。
【図7】追加的な実施の形態に従った電気化学的試験センサの作用電極の拡大部分を示す図である。
【図8】追加的な実施の形態に従った電気化学的試験センサの作用電極の拡大部分を示す図である。
【図9】1つの実施の形態に従ったスペーサを含む電気化学的試験センサの分解図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流検出器と電気的に連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面上に有する、流体試験試料の流路を提供する基部と、
前記作用電極の表面上に直接配置されて、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む、試薬層と、
前記基部と合わさって流体試験試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされた蓋と、を備え、前記毛管空間には前記蓋の三次元的部分が形成されている、流体試験試料中の分析物の濃度を検出する電気化学的試験センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の試験センサにおいて、前記試薬層は、前記カウンタ電極の表面上にも配置されている、試験センサ。
【請求項3】
請求項1に記載の試験センサにおいて、前記流体試験試料の分析物と相互作用し得るようにされた前記作用電極の領域は、主要部分と、該主要部分から伸びる少なくとも1つの第二の部分とを含む、試験センサ。
【請求項4】
請求項3に記載の試験センサにおいて、前記作用電極の前記主要部分は、第一の方向に沿った第一の幅を有し、前記少なくとも1つの第二の部分は、前記第一の方向に沿った第二の幅を有し、前記第一の幅は、前記第二の幅よりも少なくとも2倍大きい、試験センサ。
【請求項5】
請求項4に記載の試験センサにおいて、前記作用電極の前記主要部分は、第二の方向に沿った第一の高さを有し、前記少なくとも1つの第二の部分は、前記第二の方向に沿った第二の高さを有し、前記第二の方向は、前記第一の方向に対して全体として垂直であり、前記第一の高さは、前記第二の高さの約5から約15倍高い、試験センサ。
【請求項6】
請求項3に記載の試験センサにおいて、前記作用電極の前記少なくとも1つの第二の部分は、全体として多角形である、試験センサ。
【請求項7】
請求項6に記載の試験センサにおいて、前記作用電極の前記主要部分は、全体として多角形である、試験センサ。
【請求項8】
請求項6に記載の試験センサにおいて、前記作用電極の前記主要部分は、全体として非多角形である、試験センサ。
【請求項9】
請求項1に記載の試験センサにおいて、前記毛管空間の容量は約0.75μL未満である、試験センサ。
【請求項10】
請求項1に記載の試験センサにおいて、前記毛管空間の容量は約0.6μL未満である、試験センサ。
【請求項11】
電流検出器と電気的に連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面上に有する、流体試験試料の流路を提供する基部であって、前記作用電極が主要部分と、該主要部分から伸びる少なくとも2つの第二の部分とを含んでいる、前記基部と、
前記作用電極の表面上に直接配置されて、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む、試薬層と、
前記基部と合わさって流体試験試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされた蓋と、を備える、流体試験試料中の分析物の濃度を検出する電気化学的試験センサ。
【請求項12】
請求項11に記載の試験センサにおいて、前記作用電極の前記第二の部分の1つは、前記検出器と電気的に連結している、試験センサ。
【請求項13】
請求項11に記載の試験センサにおいて、前記作用電極の前記主要部分は、前記作用電極の前記少なくとも2つの第二の部分間に配設され、前記作用電極の前記少なくとも2つの第二の部分は、全体として互いに対向している、試験センサ。
【請求項14】
請求項12に記載の試験センサにおいて、前記作用電極の前記主要部分の面積は、前記作用電極の前記第二の部分よりも実質的に大きい、試験センサ。
【請求項15】
電流検出器と電気的に連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面上に有する、流体試験試料の流路を提供する基部と、
前記作用電極の表面上に直接配置されて、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む、試薬層と、を備え、
前記作用電極は、第一の方向に沿った第一の幅を有する主要部分と、前記第一の方向に沿った第二の幅を有し、前記主要部分から伸びる少なくとも1つの第二の部分とを含み、前記第一の幅は、前記第二の幅よりも少なくとも2倍大きく、
前記基部と合わさって流体試験試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされた蓋をさらに備える、流体試験試料中の分析物の濃度を検出する電気化学的試験センサ。
【請求項16】
請求項15に記載の試験センサにおいて、前記毛管空間の開口部を形成するのを助け得るようにされたスペーサであって、前記基部と前記蓋との間に配置された前記スペーサを更に備える、試験センサ。
【請求項17】
請求項15に記載の試験センサにおいて、前記作用電極の前記主要部分は、第二の方向に沿った第一の高さを有し、前記少なくとも1つの第二の部分は、前記第二の方向に沿った第二の高さを有し、前記第二の方向は、前記第一の方向に対して全体として垂直であり、前記第一の高さは、前記第二の高さの約5から約15倍高い、試験センサ。
【請求項18】
請求項15に記載の試験センサにおいて、前記作用電極の前記少なくとも1つの第二の部分は、全体として多角形である、試験センサ。
【請求項19】
請求項18に記載の試験センサにおいて、前記作用電極の前記主要部分は、全体として多角形である、試験センサ。
【請求項20】
請求項18に記載の試験センサにおいて、前記作用電極の前記主要部分は、全体として非多角形である、試験センサ。
【請求項21】
請求項19に記載の試験センサにおいて、前記毛管空間の容量は約0.75μL未満である、試験センサ。
【請求項22】
請求項19に記載の試験センサにおいて、前記毛管空間の容量は約0.6μL未満である、試験センサ。
【請求項23】
電流検出器と電気的に連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面上に有する、流体試験試料の流路を提供する基部であって、前記作用電極は主要部分と、該主要部分から伸びる少なくとも2つの第二の部分とを含んでいる、前記基部と、前記作用電極の表面上に直接配置されて、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む、試薬層と、前記基部と合わさって流体試験試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされた蓋と、を提供するステップと、
試薬層を前記毛管空間を介して流体試料と接触させるステップと、
分析物の存在に応答して試験センサ内にて電気信号を発生させるステップと、
前記電気信号から分析物の濃度を決定するステップと、を備える、流体試験試料中の分析物の濃度を試験センサにより決定する方法。
【請求項24】
電流検出器と電気的に連結したカウンタ電極と作用電極とをその表面上に有する、流体試験試料の流路を提供する基部と、前記作用電極の表面上に直接配置されて、分析物と反応し得るようにされた酵素を含む、試薬層と、前記基部と合わさって前記流体試験試料を導入するための開口部を有する毛管空間を形成するのを助け得るようにされた蓋と、を備え、前記毛管空間には前記蓋の三次元的部分が形成されている、電気化学的試験センサを提供するステップと、
前記試薬層を前記毛管空間を介して前記流体試料と接触させるステップと、
分析物の存在に応答して試験センサ内にて電気信号を発生させるステップと、
前記電気信号から分析物の濃度を決定するステップと、を備える、流体試料中の分析物の濃度を試験センサにより決定する方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、前記作用電極は、主要部分と、液体試料と相互作用し得るようにされた少なくとも2つの第二の部分とを含む、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、前記作用電極の前記主要部分の面積は、流体試料と相互作用し得るようにされた前記作用電極の前記少なくとも2つの第二の部分の面積の少なくとも10倍である、方法。
【請求項27】
請求項24に記載の方法において、前記分析物はグルコースである、方法。
【請求項28】
請求項24に記載の方法において、前記毛管空間の容積は約0.75μL未満である、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−543098(P2009−543098A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519477(P2009−519477)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/015640
【国際公開番号】WO2008/008298
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)