説明

電気器具の遠隔制御システムと、それに使用する電気器具の遠隔制御システム用のコンセント装置

【課題】操作手順を簡便化するとともに、実用性を向上させる。
【解決手段】インターネットNを介して接続する端末1、サーバ2、親機3と、親機3と双方向に無線通信可能な子機4とを設け、子機4には、個別の開閉部材4c1 を介して商用電源ACに接続する電気器具5、5…用のコンセント4d、4d…を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インターネットに接続する端末を介して各種の電気器具の電源を遠隔操作することができる電気器具の遠隔制御システムと、それに使用する電気器具の遠隔制御システム用のコンセント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットに接続する携帯電話などの通信端末を介し、ユーザの宅内に設置されている各種の電気器具の電源を遠隔操作するための電気器具の遠隔制御システムが提案されている(特許文献1)。
【0003】
従来の電気器具の遠隔制御システムは、インターネットに接続するユーザの通信端末、共通のウェブサーバと、各ユーザの宅内に設置するテーブルタップとを組み合わせている。ウェブサーバは、通信端末を保有するユーザを認証する他、モバイル回線の公衆通信回線網を介し、ユーザの宅内のテーブルタップに組み込むモバイル通信端末との間に双方向のデータ通信が可能である。なお、テーブルタップは、オンオフ制御回路を介して商用電源に接続する複数の電気器具用のコンセントを有し、オンオフ制御回路には、モバイル通信端末からの制御データによって作動するマイクロコンピュータが接続されている。
【0004】
通信端末から宅内の電気器具の電源を遠隔操作するときは、通信端末からウェブサーバにアクセスし、ウェブサーバによって通信端末に表示されるウェブページにおいて、HTTPリクエストを介して宅内の制御対象の電気器具を選択し、電源入切の操作内容を指示する。ウェブサーバは、通信端末からのHTTPリクエストに対応して所定の制御データを宅内のテーブルタップのモバイル通信端末に送出し、テーブルタップ内のマイクロコンピュータは、オンオフ制御回路を駆動制御して所定の電気器具に対応のコンセントを商用電源に接続し、または商用電源から切り離すことにより、電気器具の電源を遠隔操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−151702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる従来技術によるときは、各ユーザの通信端末を使用して宅内の電気器具の電源を遠隔操作する指令が一方的に発信できるだけであって、制御対象の電気器具の電源が現実に操作されたことの確認が得られないため、極めて実用性に乏しいという問題があった。また、ウェブページを利用する各電気器具の電源の操作手順は、ウェブページの複数ページの閲覧を要し、煩雑であるという問題もあった。
【0007】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、電気器具の電源を遠隔操作する操作ボタンを子機単位に端末の画面上に表示することにより、ウェブページを利用することなく、制御対象の各電気器具の給電状態を画面上に更新表示して実用性を格段に向上させることができる電気器具の遠隔制御システムと、それに使用する電気器具の遠隔制御システム用のコンセント装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するためのこの出願に係る第1発明(請求項1に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、インターネットを介して接続する端末、サーバ、親機と、親機と双方向に無線通信可能な子機とを備えてなり、端末は、電気器具の電源を遠隔操作する操作ボタンを子機単位の画面上に表示し、操作ボタンを押すと、サーバ、親機を介し、操作ボタンを特定して操作要求を子機に送出し、子機は、親機からの操作要求を受信すると、商用電源と、操作要求により特定される操作ボタンに対応の電気器具用のコンセントとの間に介装する開閉部材を駆動制御するとともに、親機、サーバを介して各電気器具の給電状態を端末に通知して子機単位の画面上に更新表示させることをその要旨とする。
【0009】
なお、子機は、親機、サーバを介し、操作要求に対する操作結果を端末に送出することができる。
【0010】
第2発明(請求項3に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、インターネットを介して端末と接続する親機と双方向に無線通信可能な子機として作動する電気器具の遠隔制御システム用のコンセント装置であって、無線ネットワーク通信部を介して親機と無線通信する制御部と、個別の開閉部材を介して商用電源に接続する電気器具用のコンセントとを備え、制御部は、親機からの操作要求により特定される操作ボタンに対応の開閉部材を駆動するとともに、各電気器具の給電状態を示すコンセント情報を無線ネットワーク通信部から外部に発信させることをその要旨とする。
【0011】
なお、A/D変換部を介してコンセントごとの電力センサを制御部に接続することができ、A/D変換部を介して温度センサ、湿度センサ、照度センサの少なくともいずれかを制御部に接続することができる。
【発明の効果】
【0012】
かかる第1発明の構成によるときは、端末と親機とは、サーバを中継サーバとして、インターネットを介して双方向に通信可能である。ただし、端末、サーバには、通信の開始に先き立って、たとえば親機の製造番号を共通に登録して端末、親機間の通信可能範囲を同一ユーザ間に限定し、全体システムの安全性を向上させることができる。
【0013】
端末は、たとえばiPhoneなどのスマートフォンや、iPadなどのタブレット端末を含む携帯情報端末であって、各ユーザが保有して携帯する一方、サーバは、各ユーザに共通である。親機は、子機とともに各ユーザの宅内に設置し、子機と双方向に無線通信可能であれば、インターネットに接続するためのルータ機能を一体に保持していてもよく、別体に組み合わせていてもよい。子機は、たとえばIEEE802.15.4規格によるZigBeeプロトコルにより親機と無線通信可能であり、1台の親機に対し、1台以上の子機を組み合わせることができ、子機間相互の通信により親機との通信距離を拡大することができる。また、各子機には、1台以上の電気器具を制御対象として割り当てることができる。
【0014】
端末から電源を遠隔操作する制御対象の電気器具は、端末の表示部に子機単位に表示される画面上において、操作ボタンの1個を押し操作することにより指定され、このときの端末は、押し操作された操作ボタンを特定して操作要求を子機に送出する。ただし、操作ボタンを特定して操作要求を送出するには、たとえば操作ボタンを特定するボタン番号を操作要求に含ませればよい。また、端末上の画面は、子機単位であるから、端末は、ユーザにより特定の画面が選択されたことにより画面に個有の子機を特定することができる。そこで、端末は、操作ボタンが押し操作された画面に対応する子機の特定情報、たとえば子機のMACアドレスを操作要求に含ませるものとし、親機は、操作要求に含まれる子機のMACアドレスを利用して、操作要求を伝送すべき子機を特定することができる。
【0015】
なお、親機は、このようにして特定された子機に対し、ボタン番号と、ボタン番号の操作ボタンに対応の電気器具に対する操作指示、すなわち、その電気器具の電源の入切の別を含む操作要求を送信すれば十分である。子機は、親機からの操作要求のボタン番号によって操作ボタンを特定し、特定された操作ボタンに対応する開閉部材を操作指示の方向に駆動制御することにより、端末の画面上において押し操作された操作ボタンに対応する電気器具の電源を遠隔操作することができる。ただし、各電気器具用のコンセントは、個別の開閉部材を介して商用電源に接続されているものとする。
【0016】
したがって、第1発明によれば、端末の画面上の操作ボタンを押し操作して電気器具の電源の遠隔操作を実現することができ、このとき、ウェブページを使用しないから、操作手順が簡便で煩雑でない上、電気器具の給電状態が端末の画面上に更新表示されるので、それを確認して操作ボタンを押し操作することができ、さらに、押し操作後の給電状態の変化をも併せて確認することができるため、十分高い実用性を実現することができる。なお、端末は、操作要求にユーザ認証用のユーザID、パスワードを併せて含ませることができ、親機は、ユーザID、パスワードの認証成立を条件として操作要求を子機に送出することにより、全体システムの安全性を一層向上させることができる。
【0017】
子機は、操作要求に対する操作結果を端末に送出することにより、端末の画面を介して特定の電気器具の電源の遠隔操作を指示したユーザに対し、その指示が適切に実行されたか否かを一層速やかに通知することができる。
【0018】
第2発明の構成によるときは、無線ネットワーク通信部は、親機との双方向の無線通信が可能であり、電気器具用のコンセントは、個別の開閉部材を介して商用電源に接続されている。そこで、制御部は、親機からの操作要求があると、たとえば操作要求に含まれるボタン番号によって特定される操作ボタンに対応の開閉部材を駆動制御することにより、端末の画面上の操作ボタンによって指定される所定の電気器具の電源を遠隔操作することができる。また、開閉部材の駆動制御によって実現される電気器具の給電状態を示すコンセント情報を外部に発信させることにより、それを端末の画面上に更新表示させることができる。
【0019】
コンセントごとの電力センサを制御部に接続すれば、制御部は、各電力センサの検出値を外部に定期的に発信させることができる。また、温度センサ、湿度センサ、照度センサの一部または全部を制御部に接続すれば、制御部は、これらのセンサの検出値を定期的に外部に発信させる。そこで、親機は、これらの検出値を端末に定期的に送出し、端末の画面に更新表示させることにより、ユーザに対し、ユーザの宅内の各電気器具の消費電力や、宅内の環境情報を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】全体構成模式ブロック系統図
【図2】要部詳細ブロック系統説明図
【図3】要部ブロック系統図
【図4】動作画面説明図(1)
【図5】動作画面説明図(2)
【図6】動作フローチャート(1)
【図7】動作フローチャート(2)
【図8】動作フローチャート(3)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0022】
電気器具の遠隔制御システムは、各ユーザが保有するスマートフォンなどの端末1と、各ユーザに共通のインターネットN上のサーバ2と、各ユーザの宅内に設置する親機3、子機4とを備えてなる(図1)。ただし、子機4は、1台であってもよく、2台以上の複数台であってもよい。子機4は、電気器具の遠隔制御システム用のコンセント装置として作動する。
【0023】
端末1、サーバ2、親機3は、インターネットNを介して接続されている。親機3は、宅内のネットワークN1 を介してインターネットNに接続されており、子機4との間に双方向に無線通信可能である。子機4には、たとえばコタツ、ホットカーペット、加湿器、照明器具などの任意の電気器具5、5…用のコンセント4d、4d…が搭載されており、各電気器具5は、子機4のコンセント4dを介して商用電源ACから給電することができる。
【0024】
サーバ2は、インターネットNに接続するネットワーク接続部2aと、制御部2b、データベース2cとを備えている(図1、図2(A))。制御部2bは、ネットワーク接続部2aを介し、インターネットNから配信される情報をデータベース2cに集積することができ、データベース2cから読み出したデータベース情報をインターネットNに送出することができる。サーバ2は、端末1、親機3の間の中継サーバとして動作する。
【0025】
親機3は、宅内のネットワークN1 を介してインターネットNに接続するネットワーク接続部3aと、制御部3b、メモリ3cと、子機4と無線通信するための無線ネットワーク通信部3dとを備えている(図1、図2(B))。制御部3bは、ネットワーク接続部3aを介し、インターネットNに対して情報を双方向に配信することができ、無線ネットワーク通信部3dを介し、子機4との間に双方向に無線通信することができる。また、制御部3bは、必要な情報をメモリ3cに書き込み、メモリ3cから読み出すことができる。
【0026】
子機4は、親機3と無線通信するための無線ネットワーク通信部4aと、制御部4b、コンセント出力部4cと、コンセント4d、4d…とを備えている(図1、図2(C))。なお、制御部4bには、各コンセント4dに対応するLEDの表示器4e、4e…が接続され、A/D変換部4hを介し、各コンセント4dに対応する電力センサ4f、4f…の他、温度センサ4g1 、湿度センサ4g2 、照度センサ4g3 が接続されている。
【0027】
コンセント出力部4cには、商用電源ACと、各コンセント4dとの間に介装するようにして、開閉部材4c1 、4c1 …が配設されている(図3)。各開閉部材4c1 は、たとえばリレー接点のような機械的なスイッチでもよく、半導体素子を含む静的なスイッチング素子でもよく、制御部4bを介して個別に開閉駆動することができる。なお、各開閉部材4c1 、コンセント4dの間には、電流検出器4f1 を介して電力センサ4fが設置されており、各電力センサ4fには、コンセント4dに接続する電路の電圧が併せて供給されているものとする。そこで、各電力センサ4fは、対応するコンセント4dに接続されている電気器具5の消費電力を検出する。
【0028】
制御部4bは、無線ネットワーク通信部4aを介し、親機3と双方向に無線通信する(図1、図2(C))。また、制御部4bは、コンセント出力部4cの開閉部材4c1 、4c1 …を個別に開閉駆動することにより、各開閉部材4c1 に対応のコンセント4dに接続する電気器具5の電源を入切することができる。制御部4bは、必要に応じて表示器4e、4e…のLEDを個別に点灯、点滅、消灯させ、A/D変換部4hを介して電力センサ4f、4f…、温度センサ4g1 、湿度センサ4g2 、照度センサ4g3 の各検出値(以下、一括してセンサ値という)を読み取り、無線ネットワーク通信部4aを介して外部に送信する。
【0029】
なお、端末1、サーバ2、親機3は、たとえば親機3の製造番号をサーバ2、端末1にあらかじめ登録することにより、サーバ2を中継サーバとする端末1、親機3の相互の通信可能範囲を同一ユーザ間に限定する。また、端末1には、サーバ2を介して親機3、子機4に対してアクセスするために、あらかじめ親機3、子機4の各MACアドレスを登録することができる。さらに、端末1は、ユーザID、パスワードを設定することができ、親機3は、端末1からのユーザID、パスワードの認証成立を条件として、端末1からの指示情報を子機4に伝送することができる。なお、親機3、子機4の間には、共通の無線ID、無線CHが設定され、親機3、子機4のMACアドレスを利用して、双方向の暗号無線通信が実行される。
【0030】
かかる電気器具の遠隔制御システムの作動は、たとえば次のとおりである。
【0031】
端末1において、ユーザにより電気器具の遠隔制御システム用のアプリケーションプログラムが起動されると、端末1の表示部には、図4の選択画面が表示される。ただし、図4において、ヘッダ部分には、親機3の設置場所を示すメッセージ11が表示され、中間部には、複数の子機4、4…の設置場所を示すメッセージ付きの選択ボタン12、12…が一覧表示され、フッタ部分には、切替ボタン13が表示されている。そこで、図4において、選択ボタン12、12…の1個を選択操作すると、特定の子機4に対応する子機単位の画面が表示される(図5(A))。
【0032】
図5(A)の画面の上部には、子機4の設置場所を示すメッセージ21が表示され、上部のメッセージ21、下部のフッタ部分を除く画面の中央部右側には、子機4の制御対象となっている電気器具5、5…の電源を遠隔操作するための操作ボタン22、22…が縦一列に配列されている。各操作ボタン22には、電気器具5の給電状態を示すONまたはOFFの下線付きのメッセージ22aが表示されており、メッセージ22aがONのときに下線部分が強調して表示される。また、操作ボタン22と同一欄の左側には、電気器具5を示すメッセージ22bが表示され、メッセージ22bの下段には、その電気器具5の現時点の消費電力を表示するデータ表示部22cが設けられている。
【0033】
また、子機4の設置場所のメッセージ21の上方には、左側の「コンセント」の文字の固定メッセージの他に、子機4に内蔵の温度センサ4g1 、湿度センサ4g2 、照度センサ4g3 の各検出値を右側に個別に表示するデータ表示部23が設けられている。なお、図5(A)において、操作ボタン22、22…の下方のフッタ部分の切替ボタン13を押すと、次の子機4に対応する図5(A)相当の次の画面に移行することができる。
【0034】
図5(A)において、1個の操作ボタン22を押すと、その操作ボタン22に対応する電気器具5の電源を遠隔操作することができる(図6)。
【0035】
すなわち、端末1に図5(A)の画面が表示されているとき(図6のステップ(1)、以下、単に(1)のように記す)、操作ボタン22を押すことにより(図6の条件(G1)、以下、単に(G1)のように記す)、端末1は、サーバ2に対して操作要求を送信する(図6の操作要求(F1)、以下、単に(F1)のように記す)。ただし、このときの操作要求には、図5(A)の画面に対応する子機4を特定するために、たとえば子機4のMACアドレスのような子機情報と、条件(G1)において押し操作された操作ボタン22を特定するためのボタン番号と、電気器具5の電源を入切のいずれの方向に操作するかを示す操作指示とが少なくとも含まれている。なお、操作ボタン22上のメッセージ22aがONであって、現在給電中の電気器具5の操作ボタン22を押し操作すれば、その電気器具5の電源を切る方向の操作指示が出力され、メッセージ22aがOFFの操作ボタン22を操作すれば、その電気器具5の電源を投入する方向の操作指示が出力される。
【0036】
サーバ2は、端末1からの操作要求を親機3に中継して転送する(F2)。そこで、親機3は、サーバ2からの操作要求を受信すると、サーバ2からの操作要求によって特定される子機4に対して操作要求を送出する(F3)。なお、親機3からの操作要求には、ボタン番号、操作指示が含まれている。
【0037】
子機4は、親機3からの操作要求を受信すると、図6のステップ(2)を実行する。すなわち、子機4は、操作要求に含まれるボタン番号に対応する操作ボタン22を特定し、操作ボタン22に対応するコンセント出力部4cの開閉部材4c1 を操作指示に従って駆動制御し、所定の電気器具5の電源を操作指示に従って端末1から遠隔操作することができる。その後、子機4は、電気器具5の電源の入切に合わせて表示器4eのLEDを点灯または消灯させてステップ(2)の一連の動作完了を表示する。
【0038】
ステップ(2)を完了すると、子機4は、親機3に対して操作完了を示す操作結果を送信し(F4)、親機3は、サーバ2を介して端末1に操作結果を転送する((F5)、(F6))。そこで、端末1は、たとえば条件(G1)において押し操作した操作ボタン22上の下線付きのメッセージ22aを遠隔操作後の電気器具5の給電状態に合わせて表示変更し、所定の電気器具5の電源の遠隔操作の成功をユーザに通知することができる(3)。
【0039】
なお、子機4は、図6のステップ(2)を実行するに当り、安全上のチェック動作を併せ実行してもよい。たとえば、親機3からの操作要求に含まれるボタン番号が図5(A)の画面上の操作ボタン22、22…に付される番号範囲を逸脱していたりすると、子機4は、ステップ(2)の実行を中断し、親機3からの操作要求の実行に失敗したと判断する。そこで、このときの子機4は、親機3、サーバ2を介して端末1に遠隔操作に失敗した旨の操作結果を送出し((F4)〜(F6))、端末1は、たとえば図5(B)の失敗画面にエラーメッセージ24を表示する(3)。
【0040】
図5(A)の画面のデータ表示部22c、22c…、23には、子機4に内蔵の電力センサ4f、4f…、温度センサ4g1 、湿度センサ4g2 、照度センサ4g3 の各検出値、すなわち子機4の制御対象の各電気器具5の消費電力、子機4の設置場所の環境情報がリアルタイムに表示される。また、各操作ボタン22上には、下線付きのメッセージ22aとして、各電気器具5の給電状態がリアルタイムに表示される。そこで、電力センサ4f、4f…、温度センサ4g1 、湿度センサ4g2 、照度センサ4g3 の各検出値は、親機3、子機4の電源が投入されていると、常時定期的に親機3のメモリ3cに更新記憶され(図7)、端末1、サーバ2、親機3の通信が確立していると、親機3から端末1に常時定期的に更新記憶されている(図8)。
【0041】
図7において、親機3は、子機4に対して、たとえば1分以下の短時間ごとに定期的に情報要求を送出する(図7の情報要求(F1)、以下、単に(F1)のように記す)。そこで、子機4は、親機3からの情報要求に応じて電力センサ4f、4f…、温度センサ4g1 、湿度センサ4g2 、照度センサ4g3 の各検出値、すなわちセンサ値を読み込み(図7のステップ(1)、以下、単に(1)のように記す)、併せて開閉部材4c1 、4c1 …の開閉状態で決まる各電気器具5の給電状態をコンセント情報として読み込み(1)、回答情報として親機3に送出するから(F2)、親機3は、子機4からのセンサ値、コンセント情報をメモリ3cに更新記憶する(2)。なお、1台の親機3に対して複数の子機4があるとき、親機3は、各子機4に対して図7の動作を定期的に繰り返し、ステップ(2)において、子機4ごとのセンサ値、コンセント情報を個別に更新記憶する。
【0042】
一方、端末1は、サーバ2を介し、親機3に対して状態要求を定期的に送出する(図8の状態要求((F1)、(F2))、以下、単に(F1)などのように記す)。そこで、親機3は、メモリ3cに更新記憶されているセンサ値、コンセント情報を読み出し(図8のステップ(1)、以下、単に(1)のように記す)、子機4を特定するための子機情報とともに、回答情報として端末1に送出し((F3)、(F4))、端末1は、親機3からのセンサ値、コンセント情報を更新記憶するとともに、図5(A)、(B)の各画面上のデータ表示部22c、22c、…、23に最新のセンサ値を更新して表示し(2)、各操作ボタン22上のメッセージ22a、22a…として最新のコンセント情報を更新して表示することができる(2)。
【0043】
なお、親機3は、複数の子機4があるとき、回答情報(F3)としてすべての子機4、4…に関するセンサ値、コンセント情報を一括して送出するものとし、端末1は、図5(A)、(B)の子機4ごとの各画面に対応する子機4相当のセンサ値、コンセント情報を抽出し、各画面のデータ表示部22c、22c…、23に表示し、メッセージ22a、22a…として表示するものとする。
【0044】
以上の説明において、端末1に対し、2以上の複数の親機3を組み合わせてもよい。このときの端末1は、親機3ごとに図4の選択画面を用意し、親機3ごとに切り換えて使用するものとする。なお、図4において、親機3の設置場所を示すメッセージ11の内容、子機4、4…の設置場所を示す選択ボタン12、12…のメッセージ内容などは、端末1において、ユーザが任意に修正変更可能である。図5(A)において、電気器具5、5…を示すメッセージ22b、22b…についても同様である。
【0045】
また、子機4に内蔵する温度センサ4g1 、湿度センサ4g2 、照度センサ4g3 は、これらの一部だけを実装してもよく、さらに、たとえばテレビなどの音響を検知する騒音センサや、人、動物などの存在を検知する赤外線式の人感センサなどを加えてもよい。なお、子機4の各コンセント4d用の開閉部材4c1 、4c1 …は、個別に手動操作可能としてもよく、このときのコンセント情報も、各開閉部材4c1 の入切状態によって決まる各電気器具5の給電状態を示すものとする。さらに、子機4のコンセント4dは、対応する開閉部材4c1 、表示器4e、電力センサ4fを含む1組、または任意の複数組を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
この発明は、規模の大小や、親機3、子機4の数や設置場所を問わず、広範囲の用途に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
AC…商用電源
N…インターネット
1…端末
2…サーバ
3…親機
4…子機
4a…無線ネットワーク通信部
4b…制御部
4c1 …開閉部材
4d…コンセント
4f…電力センサ
4g1 …温度センサ
4g2 …湿度センサ
4g3 …照度センサ
4h…A/D変換部
5…電気器具
22…操作ボタン

特許出願人 株式会社 キャダック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットを介して接続する端末、サーバ、親機と、該親機と双方向に無線通信可能な子機とを備えてなり、前記端末は、電気器具の電源を遠隔操作する操作ボタンを前記子機単位の画面上に表示し、操作ボタンを押すと、前記サーバ、親機を介し、操作ボタンを特定して操作要求を前記子機に送出し、前記子機は、前記親機からの操作要求を受信すると、商用電源と、操作要求により特定される操作ボタンに対応の電気器具用のコンセントとの間に介装する開閉部材を駆動制御するとともに、前記親機、サーバを介して各電気器具の給電状態を前記端末に通知して前記子機単位の画面上に更新表示させることを特徴とする電気器具の遠隔制御システム。
【請求項2】
前記子機は、前記親機、サーバを介し、操作要求に対する操作結果を前記端末に送出することを特徴とする請求項1記載の電気器具の遠隔制御システム。
【請求項3】
インターネットを介して端末と接続する親機と双方向に無線通信可能な子機として作動する電気器具の遠隔制御システム用のコンセント装置であって、無線ネットワーク通信部を介して親機と無線通信する制御部と、個別の開閉部材を介して商用電源に接続する電気器具用のコンセントとを備え、前記制御部は、親機からの操作要求により特定される操作ボタンに対応の前記開閉部材を駆動するとともに、各電気器具の給電状態を示すコンセント情報を前記無線ネットワーク通信部から外部に発信させることを特徴とする電気器具の遠隔制御システム用のコンセント装置。
【請求項4】
A/D変換部を介して前記コンセントごとの電力センサを前記制御部に接続することを特徴とする請求項3記載の電気器具の遠隔制御システム用のコンセント装置。
【請求項5】
A/D変換部を介して温度センサ、湿度センサ、照度センサの少なくともいずれかを前記制御部に接続することを特徴とする請求項3記載の電気器具の遠隔制御システム用のコンセント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−98822(P2013−98822A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240885(P2011−240885)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(398069447)株式会社キャダック (14)
【Fターム(参考)】