説明

電気外科的コブエレベータ器具

【課題】軟組織切除及び凝集用で、吸引しながら又は吸引なしで、単極式又は複極式RFエネルギを使用して、軟組織切除及び/又は退縮を行うことができる電気外科的コブエレベータ器具を提供する。本器具は、フットスイッチ又はハンドスイッチで作動できる。
【解決手段】本器具は、好ましくは鋭いスプーン状部24を有し、エネルギによる切除に加えて、鈍的切除も可能にする。本発明器具は、軟組織切除及び/又は凝集を必要とする任意の操作に使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気、悪臭あるいは煙などの汚染物質を生成しがちな電気外科的操作で、電極としても使用できる、電気外科的器具、特に改良されたコブエレベータ(Cobb elevator)器具に関する。
【背景技術】
【0002】
電気外科手術は、特別な作業ではなくなってきている。針状、刃状、メスの刃状、球状及びワイヤループ状などの種々の形状やサイズの電極を保持しうる電気外科的ハンドピースが市販されている。多機能型電極も入手できる。電気外科的エネルギ源に接続できる電気外科的ハンドピースに、露出したチップを有する中空管を設置することも公知である。吸引源を前記中空管に接続することにより、操作領域の蒸気や悪臭を吸引除去できる。
【0003】
コブエレベータ器具も公知である。一般的なコブエレベータは、細長いハンドルの先端に、滑らかな刃を有する。 この刃は、手動で組織を外側に移動させて、骨から組織を切除させるために使用される。コブエレベータは、骨から肉を切り離すためにも使用される。脊髄や他の手術では、コブエレベータは、骨に付着した組織をこの骨から手動で切り取るために、外科医が使用する。
【0004】
公知のコブエレベータを使用して組織を退縮させるには、いくつかの問題がある。第1の欠点は、組織を変位させるために、多くの努力が外科医の側に必要とされることであり、前記組織変位は基本的に鈍的切除で、外科医にとって退屈なことである。他の欠点は、コブエレベータにより常に組織を強固に把持できるとは限らず、スリップすることがあることである。外科医がしっかり把持していても、ハンドル自体がスリップする可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許明細書第6231571号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の対象は、手術の間に、組織を安全に切り裂き及び/又は骨から組織を退縮させることのできるコブエレベータ型の手術器具である。
【0007】
本発明の他の対象は、鈍的切除あるいは組織退縮用に通常手動で使用できるだけでなく、切除あるいは組織退縮操作で必要とされる手術の労力を大きく減少させるべく補助するために、電気外科的電流源に接続することもできるコブエレベータ型の手術器具である。
【0008】
本発明の更に他の対象は、効果的な煙除去が可能であり、比較的安価に製造することができ、電気外科的ハンドピースに接続された吸引具を有するコブエレベータ器具である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によるコブエレベータ器具は、執刀医の手が入るように十分に大きく、かつ手術の間に、骨から組織を引き上げて退縮させる機能を有するスプーン又はカップ状の活性端部を有する細長いハンドルを備えている。この活性な器具端部は、湾曲し、この湾曲端部は鋭利であることが好ましく、かつ導電性物質で構成されている。この湾曲端部は、ワイヤにより、又は導電性のハンドル部を介して、反対側のハンドル端部に電気的に接続され、好ましくは1〜4MHzの範囲にある、無線周波数(RF)の電気外科的電流を供給できる電気外科的発電機に接続できる電気ケーブルを、直接又は間接的に接続しうるようになっている。
【0010】
好ましい態様では、吸引用導管は器具と一体化され、活性端部の出口孔を通して、作動領域での吸引が行われる。前記ハンドルの他端は、好適な接続具を介して、吸引源に空気結合されている。
【0011】
本発明の一態様では、活性な電極端部は、カップ形状、好ましくは全体的にスプーンの形状を有し、その凹状上面と反対側の凸状下面と、組織へ電気外科的電流を供給する露出前端部とを有する。
【0012】
鋭利な電極前端部は、多くの手術で執刀医がコブエレベータ器具を手動で使用する通常の手法で、鈍的切除を行うために使用できる。しかし重要なことは、本発明の器具が接続された電気外科的発電機を作動させることにより、RF電気外科的電流が、電気外科的エネルギで切除を行う活性端部に供給されることである。この電気外科的エネルギで行う切除では、執刀医の労力が大幅に減少する。更に、電気外科的電流を調節することにより、組織剥ぎ取りで通常起こる血友病患者の出血を止めることができる。出血した血液は、しばしば執刀医の視界を阻害するので、出血を止めることは、手術の進行の助けになる。
【0013】
正確には電気外科的コブエレベータ器具と呼ぶことができる、本発明の器具は、軟組織切除及び/又は凝集を必要とする各種の手術に使用できる。これは、組織を失った脊柱を、ロッドと螺子で再調節し、次いで骨の徹底した接合を行って、脊柱を安定化する、脊椎固定術や脊柱側弯のような多くの整形外科手術に特に有用である。
【0014】
他の重要な用途は、人工股関節全置換手術{じんこう こかんせつ ぜん ちかん じゅつ}、長骨骨折及び人工膝関節置換手術、あるいは軟組織及び骨に関連する他の手術である。本発明の器具は、動物の手術に対しても同様に使用できる。
【0015】
前記ハンドルは、プラスチックのような電気絶縁性物質で構成されていることが好ましく、内部ワイヤは、導電性の鋭利な端部をケーブル端部に電気的に接続するために使用される。
【0016】
吸引用導管は、中空管を胴部として使用することにより、電極の胴部と一体化できる。吸引孔は、湾曲した活性端部近傍の凹状上面の溝まで延びていることが好ましい。
【0017】
本発明を特徴付ける新規性な特徴について、本明細書に添付し、その一部を成す特許請求の範囲で記載してある。本発明、及びその使用により達成される操作上の利点と特定の目的をより良く理解するためには、添付図面及び本発明の好ましい態様を記載した明細書を参照されたい。明細書では、同じ又は類似する要素には、同じ符号を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】電気外科的電流発生器及び吸引源に接続された、本発明による単極式の電気外科的コブエレベータ器具の一態様を示す概略側面図である。
【図2】図1の電気外科的コブエレベータ器具の平面図である。
【図3】本発明の単極式の電気外科的コブエレベータ器具の第1の変形例の前端部を示す拡大斜視図である。
【図4】異なった角度から見た前記第1変形例の前端部を示す拡大斜視図である。
【図5】本発明の単極式の電気外科的コブエレベータ器具の第2の変形例の前端部を示す拡大斜視図である。
【図6】図5の単極式の電気外科的コブエレベータ器具の前端部を異なった角度から見た拡大斜視図である。
【図7】図5の電気外科的コブエレベータ器具の前端部の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は,本発明による単極式の電気外科的コブエレベータ器具10の一態様を示す側面図、図2はその平面図である。このコブエレベータ器具は、吸引用導管14を内部に有し、かつ執刀医の手を収容できるサイズの細長いハンドル12を備え、その右端には、全体的にスプーン24の形状を有する作動端22に電気外科的電流を供給する標準的な電気外科的発電機18に接続するためのコネクタ(図示せず)に他端が接続されたケーブル16を有している。このケーブル16は、前記作業端22に電気的に接続され、電気外科的発電機18がオンになると、電気外科的電流が作業端22に供給される。電気外科的発電機を遠隔操作するために、電気外科的ハンドピースのハンドル12は、通常、指で操作するスイッチ(図示せず)を有している。このようなスイッチの使用は好ましいものであるが、本発明の好ましい態様における、ある種の操作では、前記器具10の操作の妨げになることがある。図1には、更に、前記前部作業端22に吸引を伝えるために、接続具30を介して前記ハンドピースの導管14に選択的に接続しうる吸引源28が示されている。
【0020】
前記電気外科的発電機18は、放射線外科的エネルギ源であることが好ましい。細胞の熱的壊死が最小になるため、複数出力と組み合わされた高周波は、細胞を切除し凝集させるための好ましいRFエネルギであることが、研究により示されている。適切な電気外科的発電機の例は、ニューヨーク州ボルドウィンのエリケンス(Elliquence)LLCが製造販売している、MHz領域のRFエネルギを供給する、モデルSURGI−MAX電気外科的ユニットである。
【0021】
図3は、図1の態様の単極式の電気外科的コブエレベータ器具の前端部32の拡大斜視図である。図3から判るように、スプーン状部24は、凹状上面34と反対側の凸状下面36を有する。前記スプーン状部24は、導電性で、例えば金属から成っている。前記スプーン状部24は、同様に金属製でも良く、かつ前記ハンドル24の前端部に設置された中空胴部38に接続されている。この中空胴部38は続いて、前記ハンドルの導管14に接続され、これにより、前記ハンドル及び胴部を通る完全な吸引路が形成される。前記胴部38は、電気絶縁性被覆40で被覆され、前記発電機が作動している際に執刀医に衝撃を与えないようにすることが好ましい。前記金属胴部38は、中間ワイヤ42により前記ケーブル16に接続され、これにより、前記金属製スプーン24への完全な電気経路が形成される。その代わりに、前記胴部38をプラスチック製とし、前記中間ワイヤが胴部を通ってスプーン24まで達していても良い。単一片金属として構成されている前記スプーン24は、電気的に活性化されると、単極性の電気外科的電極として機能する。湾曲した先端部44は、鋭利であることが好ましく、これにより、通電されていない前記器具を手動のコブエレベータとして使用することができる。電気外科的発電機18が作動すると、電気外科的電流が、鋭利な端部44から組織−骨界面に流れ、エネルギが供給されて切除が行われる。
【0022】
図1及び図2の第1の単極式の態様では、スプーン24の底面(後面)36は、電気絶縁性物質被覆46で被覆され、ライン48までの上面後部も同様に、電気絶縁性物質被覆46で被覆されている。これにより、スプーン24のうち電気的に活性な部分は、鋭利な先端部44を含む前部の露出部50のみになる。これにより、執刀医により、組織退縮が起こる組織−骨界面に印加される電気外科的電流は、前記前部44に集中する。前記中空胴部38は、スプーンの上面34の軸方向に延びる溝52まで延び、電気外科的電流が流れる際に、手術部位を吸引して煙や汚染物質を除去する。前記スプーンの作動端の活性端部すなわちチップは、組織の切除や組織の退縮を可能にする、ナイフの刃や彫刻刀、あるいは鋸歯状の平らでない端部形状を有していても良い。図3及び図4の単極式の変形例では、依然として電気絶縁性物質被覆46は、スプーンの凸状底面に存在するが、スプーンの凹状上面からは除去されている。この変形例は、やや製造が容易であるが、電流が流れているときに、露出した上面との望ましくない電気的接触を回避するために、執刀医により多くの注意を払うことが要求される。
【0023】
図5から図7は、本発明の電気外科的コブエレベータの複極式の変形例を示す。この例は、前記単極式の態様と比較して、スプーン56が、薄い電気絶縁層61により、軸方向に沿う2個の電気絶縁性のセグメント58、60に分割されている点において異なっている。この複極式の態様は、特許文献1に記載された2個の分割された半球に類似している。従って、特許文献1と同じように、各スプーンのセグメントを、胴部及びハンドルを通して、発電機の複極式ソケットに差し込まれたケーブルに接続する必要がある。電気外科的電流が供給されて作動すると、電流は、複極式前端部58、60間に集中する。前述と同じように、凸状下面は電気絶縁性被覆46を有している。その操作は、単極式の態様と同じように行われる。
【0024】
前記吸引源28が前記ハンドピース10に装着された本システムの電気的操作では、吸引用発電機が作動すると、胴部38を介して、吸引用導管14が減圧になり、電気外科的発電機が作動している際に、前記減圧は、胴部38の出口66に達し、組織を活性化する鋭利端部44である煙/汚染物の発生点に近接している溝52に導かれる。これにより、煙と空気中の汚染物が、それらの発生点近傍で捕捉され、切除部位の近くで、他のスタッフに、別の汚染物捕捉具を保持させる必要性を無くすことができる。
【0025】
本発明の電気外科的コブエレベータ器具は、手動のコブエレベータと同様のサイズを有する。典型的なサイズは、図1及び図2に例示する通りである。図示のサイズは限定的ではない。例えば、器具の全長(典型的な値は図示の通り、12.5インチ(318mm))は、約8〜16インチ(203〜406mm)の間で可変であり、前記胴部の長さ(典型的な値は図示の通り、5インチ(127mm))は、約3〜7インチ(76〜187mm)の間で可変であり、前記ハンドル12の典型的な長さは、執刀医の手を収容するために約3〜5インチ(76〜127mm)であり、前記スプーン22の長さ(典型的な値は、図示の通り、1.2インチ(27mm))は約0.8〜2インチ(20mm〜51mm)の間で可変であり、前記スプーン22の幅(典型的な値は、図示では、0.588インチ(15mm))は約0.3〜0.8インチ(7.6〜20mm)の間で可変であり、前記スプーン22の高さ(典型的な値は、図示の通り、0.19インチ(4.8mm))は約0.12〜2.4インチ(3〜6mm)の間で可変である。図1及び図2における寸法を、容易に他の寸法とすることができる。
【0026】
スプーンの端部は、ステンレス鋼又は銅製とすることができる。電気絶縁性被覆は、「テフロン(登録商標)」又は他のプラスチックやセラミックが使用できる。
【0027】
本発明の軟組織切除具は、吸引の有無を問わずに使用でき、軟組織を切除しかつ凝集させるための単極式及び/又は複極式電波エネルギを供給できる。この器具は、フットスイッチ又はハンドスイッチで作動させるようにすることができる。必要であれば、異なったスタイル及びサイズの電極用に変化させたスプーン/シャフト結合を可能にするよう、ハンドルを構成することもできる。
【0028】
本発明の器具は、軟組織の切除及び/又は凝集を必要とする任意の操作で使用できる。例えば、この器具は、脊柱側弯に有用であり、組織を失った脊柱を、ロッドと螺子で再調節し、次いで骨の徹底した接合を行って脊柱を安定化できるからである。
【0029】
単極式のモデルでは、鋭利な切除用露出端に、エネルギを供給して、切除及び凝集を行うことができる。
【0030】
複極式のモデルでは、鋭利な切除用露出端が分割されて、エネルギの活性極及び戻り極として機能し、両極間の限定された領域にエネルギを供給して、切除及び凝集を行う。
【0031】
本発明の利点を保持しながら、前記器具の作動端の形状を変更することは、当業者には明白なことである。
【0032】
纏めると、本発明による、コブエレベータ器具を使用する人間又は人間以外の医療操作に関する主目的あるいは意図は、前記人間又は人間以外の両手術の際の切除、すなわち注意深く、かつ正確に骨から組織を切り離すことである。第2の重要な点は、止血制御である。第3の目的は、電気外科的エネルギを制限して、不要な組織壊死を減少させ、望ましい組織のみを除去し、周囲の健全な組織に電気外科的エネルギの悪影響が及ぶことを阻止することである。第4の点は、組織切除で生じる煙汚染物を除去することである。これにより、実際に幾つかの重要な利点が達成される。執刀医が明瞭な視界を得られ、かつ患者や執刀医の鼻や喉に汚染物が進入することを防止できる。本発明の器具は、比較的簡単かつ安価な態様で、手術における前記4つの主要な特徴を満足させる。
【0033】
本発明を、好ましい態様に関して説明したが、前述の主題の範囲内で変更を行えることは、当業者には明白であり、本発明は、前述の好ましい態様に限定されず、前記変更にまでその範囲が及ぶものである。
【符号の説明】
【0034】
10 コブエレベータ器具
12 ハンドル
14 吸引用導管
16 ケーブル
18 電気外科的発電機
22 作動端
24 スプーン状部
28 吸引源
30 接続具
32 前端部
34 凹状上面
36 凸状下面
38 中空胴部
40 電気絶縁性被覆
42 中間ワイヤ
44 先端部
46 電気絶縁性物質被覆
48 ライン
50 露出部
52 溝
56 スプーン状部
58、60 電気絶縁性のセグメント(複極式前端部)
61 電気絶縁層
66 出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)電気外科的発電機に接続するための第1手段をその第1端部に有する軸方向に延びる本体を備え、
(b)該本体は、電気外科的活性端部である第2手段を第2端部に有し、前記電気外科的活性端部は、前記本体の内部を通して、前記第1端部に電気的に接続され、前記電気外科的活性端部は、電極として機能し、かつ前記第1端部が前記活性化された電気外科的発電機に接続されていると、患者の組織に電気外科的電流を供給することができ、
(c)前記電気外科的活性端部は、その周囲の前部に沿って、前記第1端部から離れる方向に、前方に向けて突出する湾曲し露出しかつ導電性の先鋭端部を有し、執刀医が該先鋭端部を組織端部に接触させ骨に沿って移動させて組織を引き抜く際に、前記骨から前記組織を除去しかつ変位させることができるスプーン状体を備えることを特徴とする、電気外科的コブエレベータ器具。
【請求項2】
前記スプーン状部は、凹状上面と凸状底面を備え、かつ前記電気外科的器具は、更に前記本体内を通って、前記第1端部から前記第2端部の近傍まで達しかつ前記スプーン状体の凹状上面の露出した溝まで延びる導管、及び電気外科的発電機が作動している際に、組織除去の間に生じる蒸気及び/又は流体を除去するために、前記スプーン状体の凹状上面で吸引が確立されるように、吸引ホースを前記導管へ接触するための接続具を前記第1端部に備えている、請求項1に記載の電気外科的器具。
【請求項3】
前記電極は単極式電極で、前記スプーン状部は中実状で、その上面及び/又は底面は電気絶縁層で被覆され、前記前部に沿った前記露出した先鋭端部は被覆を有しない請求項2記載の電気外科的器具。
【請求項4】
前記電極は複極式電極で、前記スプーン状部は軸方向の隣り合う2個のセグメントに分割され、各セグメントは、これらの分離されたセグメント間に電気外科的電流が流れるように別個に接続できるようになっている請求項2記載の電気外科的器具。
【請求項5】
ハンドルは、執刀医の手を収容できるサイズである請求項2記載の電気外科的器具。
【請求項6】
全長が、約203〜460mm(8〜16インチ)である請求項5記載の電気外科的器具。
【請求項7】
(i)(a)電気外科的発電機に接続するための第1手段をその第1端部に有する軸方向に延びる本体を備え、
(b)該本体は、電気外科的活性端部を与える第2手段を第2端部に有し、前記電気外科的活性端部は、前記本体の内部を通して、前記第1端部に電気的に接続され、前記電気外科的活性端部は、電極として機能し、かつ前記第1端部が前記活性化された電気外科的発電機に接続されていると、患者の組織に電気外科的電流を供給することができ、
(c)前記電気外科的活性端部は、その周囲の前部に沿って、前記第1端部から離れる方向に、前方に向けて突出する湾曲し露出しかつ導電性の先鋭端部を有し、執刀医が該先鋭端部を組織端部に接触させ骨に沿って移動させて組織を引き抜く際に、前記骨から前記組織を除去しかつ変位させることができるスプーン状体を備え、
(d)前記スプーン状部は、凹状上面と凸状底面を備え、かつ前記電気外科的器具は、更に前記本体内を通って、前記第1端部から前記第2端部の近傍まで達しかつ前記スプーン状体の凹状上面の露出した溝まで延びる導管、及び電気外科的発電機が作動している際に、組織除去の間に生じる蒸気及び/又は流体を除去するために、前記スプーン状体の凹状上面で吸引が確立されるように、吸引ホースを前記導管へ接触するための接続具を前記第1端部に備える電気外科的コブエレベータ器具と、
(ii)電気外科的電流を発生できる電気外科的発電機と、
(iii)前記電気外科的発電機を、前記第1端部に接続するためのケーブル手段と、
(iv)吸引源と、
(v)前記吸引源を前記接続具に接続するための管手段と、
の組み合わせ。
【請求項8】
前記スプーン状部が中実状で、その上面及び/又は底面は電気絶縁層で被覆されているが、先鋭端部は被覆を有しない請求項7記載の組み合わせ。
【請求項9】
電気外科的装置は、MHz領域のRG電気外科的電流を供給できる請求項8記載の組み合わせ。
【請求項10】
(i)(a)電気外科的発電機に接続するための第1手段をその第1端部に有する軸方向に延びる本体を備え、
(b)該本体は、電気外科的活性端部を与える第2手段を第2端部に有し、前記電気外科的活性端部は、前記本体の内部を通して、前記第1端部に電気的に接続され、前記電気外科的活性端部は、電極として機能し、かつ前記第1端部が前記活性化された電気外科的発電機に接続されていると、患者の組織に電気外科的電流を供給することができ、
(c)前記電気外科的活性端部は、その周囲の前部に沿って、前記第1端部から離れる方向に、前方に向けて突出する湾曲し露出しかつ導電性の先鋭端部を有し、執刀医が該先鋭端部を組織端部に接触させ骨に沿って移動させて組織を引き抜く際に、前記骨から前記組織を除去しかつ変位させることができるスプーン状体を備えることを特徴とする、電気外科的コブエレベータ器具を提供すること、
(ii)前記先鋭端部で組織−骨界面に圧力を掛け、かつ骨に沿って前記器具を引っ張って、前記骨から前記組織を切除することを含む、骨から組織を切除する方法。
【請求項11】
(iii)前記第1端部に、電気外科的発電機を接続し、
(iv)工程(ii)の間に、電気外科的発電機を起動して、RFエネルギで補助された組織切除を行うことを、更に含む請求項10記載の方法。
【請求項12】
少なくとも工程(ii)の一部が実行されている間に、電気外科的活性端部に、電気外科的電流を供給する請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記器具は、前記電気外科的活性端部を吸引する手段を有し、かつエネルギを付与して行う組織切除の間に、前記電気外科的活性端部を吸引する請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記電気外科的発電機は、MHz領域の電気外科的電流を供給する請求項13記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−81266(P2012−81266A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−221440(P2011−221440)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(504308383)
【Fターム(参考)】