説明

電気掃除機用の清掃付属装置

特に電気掃除機用の清掃付属装置は、ハウジング(3)と、吸入管のための接続部(18)と、周囲空気のための少なくとも一つの吸入孔(6)と、ハウジング(3,63)内に設けられた、プラズマを発生させるためのプラズマ発生器(2)と、少なくとも一つの排気孔(10,14)あるいは流路を備えており、
この排気孔あるいは流路に沿って、プラズマと空気の混合物が清掃すべき表面(11)に衝突し、その後、前記混合物はハウジング(3)内にかつ接続部(18)を通って吸引される。これにより、清掃付属装置は空気と汚れ物質を殺菌しかつ臭いを中和するように処理することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による清掃付属装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機付属装置と底部ノズルは知られており、これらの補助を用いて、織物の表面、例えば敷布団およびクッションの清掃が可能である。その際、汚れが吸込まれ、確かに臭いは全く中和できない。さらに細菌やカビも無用に吸引するおそれがあり、従って織物内に保存されたままになってしまう。
【0003】
さらに、表面で効果的であり、そこで細菌やカビを殺すUVランプもある。織物内部の領域に達することは可能ではなく、効果は極めて限定されている。その上、特に湿度の高い居住領域内では壁が真菌類に襲われることもありえる。このカビはこれまでたいてい強力な化学薬剤を用いて撲滅しようとしてきた。
【0004】
特許文献1には、電気掃除機のための吸込みヘッドが開示されており、この吸込みヘッドでは、イオン発生器を用いて負および正イオンが発生され、これらのイオンはブラシローラの毛を電気的に帯電させる。これにより、静電気が高いので汚れの粒子は吸収される。この場合、有機細菌を殺すことによる表面の清掃あるいは殺菌、および臭いの除去はできない。さらに、イオン発生器は吸収された汚れの粒子により汚染され、吸引される空気による補助的清掃はできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1330976号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の課題は、深い部分の清掃が可能になり、かつ臭いが効率的に除去される、電気掃除機用の清掃付属装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は請求項1の特徴を備えた清掃付属装置により解決される。
【0008】
本発明によれば清掃付属装置は、ハウジングと、吸い込み管のための接続部と、周囲空気のための少なくとも一つの吸入孔と、ハウジング内に設けられた、プラズマを発生させるためのプラズマ発生器と、少なくとも一つの排気孔あるいは流路とを備えており、混合物がハウジング内にかつ接続部を通って吸引される前に、この排気孔あるいは流路に沿って、プラズマと空気の混合物が清掃すべき表面に衝突する。それにより清掃付属装置は空気と汚れを殺菌するようにかつ臭いを中和するようにも取扱うことができる。清掃開口部あるいは流路を通って、空気とプラズマの混合物は清掃すべき表面にあるいは清掃すべき表面に沿って案内される。プラズマはオゾンを含有しているので、細菌とカビは殺される。表面の清掃は、流れプロフィル(Stromungsprofil)の形成により液体あるいは添加物のない清掃開口部において行われる。従ってこのような清掃は、特に材料適合性があり、かつ対象物の使用状態を損なわない。
【0009】
ハウジングはガス透過性の隔壁により過圧室および負圧室に分割されているのが好ましい。これにより、流れは確実に過圧室から負圧室内へと生じる。さらに隔壁をガス透過性に形成することが可能であるのは当然であり、したがって過圧室と負圧室の間で直接の
流れは全く生じず、清掃開口部を介して生じる。その際、周囲空気は送風機(Geblase)を通って、好ましくは換気装置を通って吸入される。これにより、過圧が形成され、この過圧により清掃すべき表面内へのプラズマの浸透深さが増大する。ガス透過性の隔壁の流れ抵抗が調節可能であるのが好ましい。これにより、活性化された空気は負圧室内に達し、そこで臭いと細菌も消去できる。
【0010】
本発明の一実施形態において、少なくとも一つの清掃開口部は、プラズマと空気の混合物を流出させるための流出開口部と前記混合物をハウジング内に流入させるための流入開口部を備えている。圧力と流れの関係により、空気とプラズマから成る混合物が、ハウジング外部の前もって決められた区間のために流され、そこで清掃のために使用される。流出開口部と流入開口部の間の間隔は、0.5cm〜5cm、好ましくは1cm〜2cmの間の幅を備えた帯状部として形成することができる。これにより細菌を殺したのち、清掃すべき表面には死んだ有機質の残り物は、清掃付属装置の負圧領域内に確実に吸収される。
【0011】
清掃付属装置は、吸入口(Ansaugoffnung)を流れる容積流が、好ましくは20%よりも多い分だけ吸入管(Saugrohr)のための接続部(Anschluss)を流れるを流れる容積流よりも少ないように構成されているのが好ましい。これによりプラズマと空気から成る混合物と同時にさらに周囲空気も清掃開口部内で吸引され、これにより清掃性能が改善される。
【0012】
自給自足のエネルギー供給のために、プラズマ発生器を供給するための電源(Stromspeicher)が設けられているのが好ましい。
【0013】
それに加えて、清掃付属装置は補足的に清掃を機械式に行なうための装置、特に回転式
ブラシローラを備えていてもよい。その際、ブラシローラはプラズマと空気から成る混合物を流出させるための排気口とハウジング内に混合物を流入させるための吸入口の間に設けられていてもよい。
【0014】
プラズマ発生器は構造をコンパクトにするために、ブラシローラの少なくとも一部を取り囲むための一つあるいは二つ以上の枠体を備えていてもよい。
【0015】
電力供給の有利な実施形態によれば、ジェネレータが設けられており、このジェネレータは駆動機構あるいはブラシローラにはベルト駆動機構と接続しており、その際ブラシローラあるいはホイールの運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【0016】
好ましい実施形態において、プラズマ発生器はブラシローラに対して平行に配置されており、これによりプラズマ密度はハウジングの幅を完全に使用することによりブラシローラの近くで直接発生される。
【0017】
他の好ましい実施形態では、プラズマ発生器の配設がブラシローラに対して垂直に行なわれている。この場合、プラズマ発生器はブラシローラの一部を取り囲み、従って同様に高いプラズマ密度がブラシローラの近くで発生するように形成されている。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、ハウジングが設けられており、このハウジングにはハウジングの接触面に沿って清掃すべき面に多方面にわたりゴムパッキングが設けられている。従って、空気とプラズマの混合物の流れプロフィルの最適化が、清掃すべき面上であるいは清掃すべき面内で達せられる。その上さらに、汚れた空気の大量の吸引は高い集塵性能により達せられ、強化された負圧が構成される。
【0019】
本発明を複数の実施例に基づいて添付の図に関して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1a】本発明による清掃付属装置の側面図である。
【図1b】本発明による清掃付属装置の切断された平面図である。
【図2a】本発明による清掃付属装置の他の実施形態の側面図である
【図2b】本発明による清掃付属装置の他の実施形態の切断された平面図である。
【図3a】交換可能なプラズマ発生器とで冷却ファンを備えた実施の変形の切断された側面図である。
【図3b】交換可能なプラズマ発生器とで冷却ファンを備えた実施の変形の切断された側面図である。
【図4】外部電源を備えた実施の変形の側面図である。
【図5a】内部の電流発生器を備えた実施の変形の側面図である。
【図5b】内部の電流発生器を備えた実施の変形の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0021】
図1及び2には、複数のプラズマ発生器2をハウジング3内に備えている清掃付属装置1が示してある。その際、周囲空気は、矢印4で示したように、送風機5、好ましくは換気装置を用いて吸入孔6を通ってハウジング3の過圧室(Uberdruckkammer)7内に吸込まれる。プラズマ発生器2には少なくとも一部がオゾンを含んだプラズマが周囲空気から製造される。過圧室7はガス透過性の隔壁9によりハウジング3内の負圧領域から区画されている。
【0022】
プラズマと空気の混合物は、矢印8で示したように、排気孔10に対してハウジング3の接触面に沿って清掃すべき表面11に向かって案内される。ハウジング3には、ブラシ13あるいはゴムの口唇状部(Gummilippe)を備えた回転可能なブラシローラ12が設けられており、このブラシローラの一部は隔壁9の部分17により取囲まれている。ブラシローラ12は表面11の機械式清掃に使用され、かつ渦圧室7と負圧室の間の隔壁部の一部を形成している。
【0023】
排気孔10を通って、プラズマと空気から成る混合物は、清掃すべき表面11に当てられ、そこでハウジング3の流路あるいは外側において清掃すべき表面11に沿って通過して流れる。引続いて、混合物と場合によっては汚れたものは表面11から吸引開口部14を通って清掃付属装置1内に吸込まれる。
【0024】
ガス透過性の隔壁9を通って、生成されるプラズマと空気の混合物の一部は、過圧室7から負圧室内に入り、負圧室内において混合物は矢印20で示したように、表面11からの吸込まれた汚れた空気と混合するための渦流室内に来る。プラズマと空気の混合物は、電気掃除機接続部18を介して電気掃除機内に達する。その際、ガス透過性の隔壁9の流れ抵抗は、例えばその架橋部(Durchlassquerschnitt)が変えられる通路を備えたフィルタ構造により調節可能であってもよい。流れ抵抗が高いことにより、周囲空気とプラズマから成る吸入される混合物の量は減る。
【0025】
プラズマ発生器2と送風機5に電力を供給するために、ハウジング3に組込まれた電源19が設けられている。この場合、プラズマ発生器2は複数の棒状体あるいは導管を備えており、これらの導管はブラシローラ12の回転軸線に対して平行に延びており、かつこれらの一部を取囲んでいる。棒状体あるいは導管には、プラズマを発生させるために使用される板、線条および/または巻き線の形状の放電電極が設けられている。
【0026】
図2aおよび図2bには、図1の清掃付属装置1の変更された実施形態が示してあり、同じ構成部品には同じ符号を付してある。清掃付属装置はハウジング3内に複数のプラズマ発生器22を備えており、これらのプラズマ発生器は線状に形成されていて、かつブラシローラ32の回転軸線に対して平行に延びている。その際、プラズマ発生器22は湾曲して形成されており、かつブラシローラ32の一部を取囲んでいる。
【0027】
清掃付属装置の他の実施形態が図3aおよび3bに示してある。その際、送風機45を備えたプラズマ発生器42が取出し可能なモジュール6に設けられている。これによりプラズマ発生器42と送風機45は、規則正しい期間をおいて洗浄されるかあるいは新しいモジュールにより交換される。他の構成部品は機能的に以前の実施形態に相当している。
【0028】
図4には、変更された電源を備えた清掃付属装置が示してある。この場合、清掃付属装置のハウジング3には電源78が取付けられている。この電源はコネクタ79により電気掃除機と接続されている。これにより電源78が供給でき、必要に応じて、プラズマ発生器62もしくは送風機65には必要とされるエネルギーが引渡される。他の構成部品は機能的に以前の実施形態に相当している。
【0029】
図5a)およびb)には、ベルト駆動機構99を介してブラシローラ92と接続したジェネレータ98を備えた清掃付属装置が示してある。表面に渡って清掃付属装置を動かす場合、ジェネレータは運動エネルギーを吸込まれる空気により電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーを用いてジェネレータは場合によっては電源19を介してプラズマ発生器82と送風機85を駆動する。
【0030】
例えばアキュムレータ、コンデンサ等の形式の電源の他の手段も同様に可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 清掃付属装置
2 プラズマ発生器
3 ハウジング
4 流線−周囲空気
5 送風機
6 吸入孔
7 過圧室
8 流れ矢印
9 隔壁
10 排気孔
11 表面
12 ブラシローラ
13 ブラシ
14 吸入開口部
15 過流室
16 流れ矢印
17 隔壁
18 電気掃除機接続部
19 電源
22 プラズマ発生器
32 ブラシローラ
42 プラズマ発生器
45 送風機
46 モジュール
62 プラズマ発生器
65 送風機
78 電源
79 コネクタ
80 クリーナ
82 プラズマ発生器
92 ブラシローラ
98 ジェネレータ
99 ベルト駆動機構
【図1a)】

【図1b)】

【図2a)】

【図2b)】

【図3a)】

【図3b)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に電気掃除機のための清掃付属装置であって、この清掃付属装置が、
a)ハウジング(3)と、
b)吸入管のための接続部(18)と、
c)周囲空気のための少なくとも一つの吸入孔(6)と、
d)ハウジング(3)内に設けられた、プラズマを発生させるためのプラズマ発生器(2,22,42,62,82)と、
e)少なくとも一つの排気孔(10,14)あるいは流路を備えており、
この排気孔あるいは流路に沿って、プラズマと空気の混合物が清掃すべき表面(11)に衝突することを特徴とする清掃付属装置。
【請求項2】
ハウジング(3)内に送風機(5)が吸入孔(6)に対して隣接した状態で設けられていることを特徴とする請求項1記載の清掃付属装置。
【請求項3】
プラズマ発生器(2,22,42,62,82)が過圧室(7)内に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の清掃付属装置。
【請求項4】
ハウジング(3,63)がガス透過性の隔壁(9)により過圧室(7)および負圧室に分割されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の清掃付属装置。
【請求項5】
ガス透過性の隔壁(9)の流れ抵抗が調節可能であることを特徴とする請求項4記載の清掃付属装置。
【請求項6】
少なくとも一つの清掃開口部が、プラズマと空気の混合物を流出させるための排気孔(10)と前記混合物をハウジング(3,63)内に流入させるための流入開口部(14)を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の清掃付属装置。
【請求項7】
吸入孔(6)を流れる流量が、好ましくは20%よりも多い分だけ吸入管のための接続部(18)を流れる流量に比べて少ないように、清掃付属装置が構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の清掃付属装置。
【請求項8】
プラズマ発生器(2,22,42,62,82)を収容するための電源(19,79)が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の清掃付属装置。
【請求項9】
接触面で機械式に清掃するための装置がハウジング(3,63)の清掃すべき表面(11)に取付けられていることを特徴とする請求項請求項1〜8のいずれか一つに記載の清掃付属装置。
【請求項10】
機械式に清掃するための回転可能なブラシローラ(12)が設けられており、このブラシローラがプラズマと空気の混合物を流出させるための排気孔(10)と前記混合物をハウジング(3,63)内に流入させるための流入開口部(14)の間に設けられていることを特徴とする請求項9記載の清掃付属装置。
【請求項11】
プラズマ発生器(22)が、一つあるいは二つ以上の枠体を備えており、この枠体がブラシローラの少なくとも一部を取囲んでいることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の清掃付属装置。
【請求項12】
ジェネレータが設けられており、このジェネレータがホイールあるいはブラシローラに接続しており、その際、ブラシローラあるいはホイールの運動エネルギーを電気エネルギーに変換することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の清掃付属装置。


【図4】
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【図5a)】
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【図5b)】
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【公表番号】特表2012−513261(P2012−513261A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542731(P2011−542731)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/058183
【国際公開番号】WO2010/072426
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(511153367)ラインハウゼン・プラスマ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (2)
【Fターム(参考)】