説明

電気掃除機用ノズル

【課題】絨毯等及び突起群を傷めることなく、軽い力で良好に絨毯等の広い範囲から抜け毛等を梳き出して回収することができる電気掃除機用ノズルを提供すること。
【解決手段】進行方向に対し横長となる吸込口6を有するノズル本体2と、このノズル本体2を掃除機本体に接続するための接続管部3と、前記吸込口6の近傍に設けられた突起群20とを有し、前記ノズル本体2の主たる進行方向となる前方向を基準とし、前記吸込口6の後側に、付勢手段としてのコイルバネ21によって前記突起群20を出没可能に設けたことで、この突起群20が絨毯C等に適度な力で押し付けられる。この状態でノズル1を絨毯Cに沿って前方に動かすと、絨毯Cから受ける抵抗で前記突起群20が上下に動くので、絨毯C及び前記突起群20の傷みを最小限とし、軽い力で良好に絨毯Cの広い範囲から抜け毛を梳き出し、前記吸込口6から吸引することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機用ノズルに関するものであり、特に、絨毯やふとん等に付着した毛等を吸引するのに適した電気掃除機用ノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気掃除機用ノズルとしては、真空掃除機の吸引管に対して着脱自在となるように構成されると共に、吸込口に沿う位置に、被清掃物の毛を梳くための間隔を保って並設した複数の梳歯を有する櫛状部(本願発明の突起群に相当する)を備えた吸込み具が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この吸込み具は、絨毯等の被清掃物に櫛状部を押し当てて前後動させ、梳歯で被清掃物の毛を梳くようにしながら吸引することで、被清掃物の内部深くにあった塵埃を表面まで梳き出して、この梳き出された塵埃を吸込口から吸い込むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平7−11734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような電気掃除機用ノズルの突起群は、絨毯等を梳くために、硬い材質によって構成されていた。従って、突起群を絨毯や毛布等に強く押し付けることで、絨毯や毛布等を傷める虞があった。このような問題を回避するために、突起群をエラストマー等の可撓性を有する材質によって構成することが考えられる。しかしながら、このような突起群では、突起群を構成する突起の先端が徐々に摩耗することで、絨毯等に潜む抜け毛等が徐々に梳き出し難くなってしまう虞があった。また、絨毯等の広い範囲に潜む抜け毛等を良好に梳き出すためには、従来から電気掃除機で用いられているT字形のノズルに、上述した突起群を設けるのが効果的である。この構造では、必然的に、突起群を構成する突起の数が増える。しかしながら、突起群を構成する突起の数が増えると、絨毯等を梳く際の抵抗が大きくなってしまうという問題もあった。
【0005】
本発明は以上の問題点を解決し、絨毯等及び突起群を傷めることなく、軽い力で良好に絨毯等の広い範囲から抜け毛等を梳き出して回収することができる電気掃除機用ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の電気掃除機用ノズルは、進行方向に対し横長となる吸込口を有するノズル本体と、このノズル本体を掃除機本体に接続するための接続管部と、前記吸込口の近傍に設けられた突起群とを有する電気掃除機用ノズルであって、前記ノズル本体の主たる進行方向を基準として、前記吸込口の後側に前記突起群を出没可能に設けると共に、前記突起群を突出方向に付勢する付勢手段を設けたものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の電気掃除機用ノズルは、請求項1において、前記突起群を構成する各突起を、それぞれ錐状に形成したものである。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載の電気掃除機用ノズルは、請求項1において、前記突起群を複数の小群により構成すると共に、これらの小群を、互いに独立してノズル本体から出没可能に構成したものである。
【0009】
更に、本発明の請求項4に記載の電気掃除機用ノズルは、請求項1において、前記接続管部と吸込口を連通させる連通部から離れるほど、前記突起から吸込口までの距離が小さくなるように構成したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に記載の電気掃除機用ノズルは、以上のように構成することにより、絨毯等の上に置くことで、前記突起群が前記付勢手段の付勢力に抗して前記ノズル本体内に押し込まれると共に、前記突起群を構成する各突起の先端が絨毯等の毛の内部に入り込む。換言すれば、前記突起群は、前記付勢手段の付勢力によって、絨毯等に適度な力で押し付けられる。この状態で前記ノズルを絨毯等に沿って主たる進行方向となる前方向に動かすと、前記吸込口の後側に位置する前記突起群によって絨毯等から抜け毛等を梳き出して、前記吸込口から吸引することができる。そして、前記ノズルを動かす際に、絨毯等から受ける抵抗によって前記突起群が上下に動くので、絨毯等及び前記突起群を傷めないようにすることができる。また、前記突起群が絨毯等から過大な抵抗を受けないことで、軽い操作力で良好に絨毯等の広い範囲から抜け毛等を梳き出して回収することができる。
【0011】
なお、前記突起群を構成する各突起を、それぞれ錐状に形成することで、前記突起群に絡んだ抜け毛等が、前記ノズルの動きに伴って、前記各突起の傾斜に沿って抜けるので、前記突起群に抜け毛等が絡み付かないようにすることができるばかりでなく、前記各突起の先端部が摩耗しても、これらの先端部をある程度細く保つことができるので、長期間、良好に絨毯等から抜け毛等を梳き出して回収することができる。
【0012】
また、前記突起群を複数の小群により構成すると共に、これらの小群を、互いに独立してノズル本体から出没可能に構成することにより、毛足に長短のあるような絨毯等であっても、各小群が独立して出没するので、ノズル全体でほぼ均等に抜け毛等を梳き出すことができる。
【0013】
更に、前記接続管部と吸込口を連通させる連通部から離れるほど、前記突起から吸込口までの距離が小さくなるように構成することにより、ノズル全体でほぼ均等に抜け毛等を吸引することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す電気掃除機用ノズルの正面図である。
【図2】同、底面図である。
【図3】同、A−A断面図である。
【図4】同、要部の拡大断面図である。
【図5】同、要部の拡大断面図である。
【図6】同、要部の拡大断面図である。
【図7】本発明の第二の実施形態を示す電気掃除機用ノズルの底面図である。
【図8】本発明の第三の実施形態を示す電気掃除機用ノズルの底面図である。
【図9】本発明の第四の実施形態を示す電気掃除機用ノズルの底面図である。
【図10】本発明の第五の実施形態を示す電気掃除機用ノズルの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第一の実施形態について、図1乃至図6に基づいて説明する。1は本発明のノズルである。このノズル1は、ノズル本体2と、このノズル本体2に揺動可能に連結された接続管部3とを有して構成される。
【0016】
前記ノズル本体2は、上本体4と、下本体5とを有して構成される。そして、前記下本体5の前下部には、吸込口6が形成される。この吸込口6は、横長に形成されると共に、その中央部に設けられた連通部7によって、前記接続管部3と連通する。前記吸込口6の前方の左右両端部には、一対の突起部8が設けられる。そして、これらの突起部8には、清掃対象である絨毯C等を傷めないように、それぞれ起毛部材9が設けられる。また、前記吸込口6の前方の中央部には、絨毯C等の浮き上がりを押さえるための突起部10が設けられる。一方、前記吸込口6の後側には、この吸込口6とほぼ平行に突出部11が形成される。そして、この突出部11には、前記吸込口6に近接して、この吸込口6とほぼ平行に溝部12が形成される。なお、この溝部12には、複数の爪状の抜け止め部13が形成される。更に、前記下本体5の後部には、ローラー14が設けられる。そして、前記各突起部8の起毛部材9及びローラー14が絨毯C等に接することによって、前記吸込口6が絨毯Cから浮いた状態で保たれる。また、前記ノズル本体2には、軸受部15が形成される。
【0017】
前記接続管部3は、接続体16と、接続管17と、シャッター18とを有して構成される。そして、前記接続体16は、前記ノズル本体2の軸受部15に対し、回動自在に取り付けられる。また、前記接続体16には、切欠部19が形成され、この切欠部19に前記接続管17が揺動自在に取り付けられる。更に、前記シャッター18は、前記接続体16の切欠部19に、前記接続体16と接続管17との間に形成された隙間を塞ぐように設けられる。
【0018】
前記溝部12には、突起群20及び付勢手段としての複数のコイルバネ21が設けられる。前記突起群20は、フレーム22と、エラストマー等で形成された突起部材23とを有して構成される。そして、前記突起部材23は、横長棒状の基部24と、この基部24に対し直交して設けられた複数の突起25とで一体に形成される。前記基部24は、チャネル材状の前記フレーム22によって保持される。また、前記各突起25は、先端が丸められた楕円錐状に形成される。そして、前記突起群20は、前記溝部12に取り付けられた状態で、前記抜け止め部13によって抜け止めされる。なお、前記フレーム22の上下方向寸法は、前記溝部12の深さ寸法よりも小さく形成される。従って、前記フレーム22は、前記溝部12内を上下方向に移動可能である。このため、前記突起群20は、前記溝部12に対し出没可能となる。そして、前記突起群20は、前記各コイルバネ21によって下方に付勢される。なお、前記コイルバネ21は、全体として、前記ノズル1を床等の上に置いた状態で、前記ノズル本体2及び接続管部3の自重によって、前記突起群20を前記溝部12内に最大限押し込ませることができると共に、前記ノズル1を絨毯C等の上に置いた状態で、前記各突起25の先端部を絨毯C等の毛並みに入り込ませることができる程度の強さである。
【0019】
次に、本実施形態の作用について説明する。なお、以下の説明において、主たる進行方向とは、前記突起群20によって絨毯C等から抜け毛等を梳き出すために、前記ノズル1を動かす場合の移動方向である。一方、戻し方向とは、前記ノズル1を主たる進行方向に繰り返し動かすために、前記ノズル1を戻す場合の移動方向である。なお、主たる進行方向と戻し方向は、ほぼ逆方向となる。まず、使用者は、前記ノズル1の接続管17を、図示しない掃除機本体の吸引経路に接続する。そして、前記吸込口6が絨毯C等に対向するように、前記起毛部材9及びローラー14を絨毯C等に接触させて、前記ノズル1を絨毯C等の上に配置する。この際、前記突起群20は、前記コイルバネ21の付勢力に抗して、前記溝部12内に押し込まれる。なお、前記突起群20は、前記ノズル本体2及び接続管部3の自重によって、前記溝部12内に押し込まれる。また、この際、前記突起群20は、前記溝部12内に完全に押し込まれる訳ではなく、それを構成する前記各突起25の先端部が、絨毯Cの毛並み等に入り込む。即ち、前記突起群20の突起25は、前記コイルバネ21によって、絨毯C等に適度な力で押し付けられる。
【0020】
この状態で、図示しない前記掃除機本体を作動させ、前記ノズル1を絨毯C等の面に沿って、主たる進行方向となる前方向Dに移動させる。この際、比較的軟質なエラストマー等で形成された前記突起群20の各突起25は、図5に示すように、容易に後方に撓む。従って、前記各突起25は、絨毯Cの毛並み等に先端が入り込んだ状態で、且つ、後方に撓んだ状態で、前方向Dに移動することになる。この際、前記各突起25は、絨毯Cの毛並み等から抜け毛等を梳き出す。そして、前記各突起25によって前方に梳き出された抜け毛等は、前記突起群20の前側に設けられた前記吸込口6から吸引される。この際、使用者の操作力によって、前記ノズル1を絨毯C等に押し付ける力が強まる。しかしながら、前記突起群20は、前記コイルバネ21の付勢力によって絨毯C等に押し付けられるので、前記突起群20を絨毯C等に押し付ける力は殆ど変わらない。
【0021】
なお、前述したように、前記各突起25が比較的軟質なエラストマー等で形成されることで、絨毯Cの毛並み等から受ける抵抗によって、容易に後方に撓むので、前記突起群20に過大な抵抗が加わらないようにすることができる。また、前述したように、前記突起群20が、前記コイルバネ21によって、絨毯C等に適度な力で押し付けられることで、前記ノズル1を動かす際に、絨毯C等から受ける抵抗の大小によって、また、使用者の操作力の大小によって、前記突起群20が上下に動くので、前記突起群20に過大な抵抗が加わらないようにすることができる。従って、前記ノズル1は、絨毯C等を傷めることなく、また、前記突起群20の摩耗や破損を最小限に抑えつつ、良好に絨毯C等の広い範囲から抜け毛等を梳き出して回収することができる。また、前述した通り、前記突起群20が絨毯C等の毛並み等から過大な抵抗を受けないので、前記ノズル1を絨毯C等に沿って動かす際の操作力を軽くすることができる。
【0022】
なお、前記突起群20の各突起25の先端部は、摩耗が最小限に抑えられるものの、長期間使用することで、徐々に摩耗する。しかしながら、前述した通り、前記突起群20の各突起25が、前記コイルバネ21によって、絨毯C等に適度な力で押し付けられると共に、その先端部が絨毯Cの毛並み等に入り込むことで、前記各突起25の先端部における絨毯Cの毛並み等に入り込んだ部分が、全体的に摩耗する。そして、前述した通り、前記各突起25は、先端が丸められた楕円錐状であるため、その先端部が摩耗しても、これらの先端部をある程度細く保つことができる。なお、前記各突起25の先端部が摩耗して短くなったとしても、図6に示すように、短くなった分、前記突起群20の基部24が下方に位置することになる。これによって、前記各突起25の先端部が絨毯Cの毛並み等に入り込む量は、前記各突起25の摩耗状態によらず、ほぼ一定となる。従って、前記突起群20は、長期間、良好に絨毯C等から抜け毛等を梳き出すことができる。即ち、前記ノズル1は、長期間、良好に絨毯C等から抜け毛等を回収することができる。
【0023】
なお、前記ノズル1は、絨毯C等の上を、主たる進行方向となる前方向Dだけでなく、戻し方向となる後方向へも動かすのが自然である。そして、前記ノズル1を戻し方向に動かすと、このノズル1の戻し方向に対し、前記突起群20が前記吸込口6の前側に位置するので、絨毯C等から梳き出された抜け毛等が前記突起群20に絡み付く可能性がある。しかしながら、この際、絨毯C等から前記ローラー14が抵抗を受けることにより、前記接続管部3によって後方向に引かれた前記ノズル本体2は、前記ローラー14を中心に前側が持ち上がり気味となる。このため、前記突起群20を絨毯C等に押し付ける力は弱まる。従って、前記突起群20は、絨毯C等から抜け毛等を梳き出しにくくなる。なお、前記突起群20が絨毯C等から抜け毛等を梳き出しても、前述した通り、前記各突起25が楕円錐状に形成されるので、前記突起群20が梳き出した抜け毛等は、前記ノズル1の動きに伴って、前記各突起25の傾斜に沿って抜ける。これによって、前記突起群20は、抜け毛等が絡み付かないようにすることができる。また、前記ノズル1を後方向に動かす場合における前記各突起25の先端部の摩耗は、前記ノズル1を前方向Dに動かす場合における摩耗よりも更に小さい。
【0024】
以上のように本発明は、進行方向に対し横長となる吸込口6を有するノズル本体2と、このノズル本体2を図示しない掃除機本体に接続するための接続管部3と、前記吸込口6の近傍に設けられた突起群20とを有する電気掃除機用ノズル1であって、前記ノズル本体2の主たる進行方向である前方向Dを基準として、前記吸込口6の後側に前記突起群20を出没可能に設けると共に、前記突起群20を突出方向に付勢する付勢手段としてのコイルバネ21を設けたことで、前記突起群20が、前記コイルバネ21の付勢力によって、絨毯C等に適度な力で押し付けられ、この状態で前記ノズル1を絨毯C等に沿って前方向Dに動かすことで、絨毯C等から受ける抵抗によって前記突起群20が上下に動くので、絨毯C等及び前記突起群20の傷みを最小限にすると共に、この突起群20が絨毯C等から受ける抵抗を小さくして、軽い操作力で良好に絨毯C等の広い範囲から抜け毛等を梳き出し、前記突起群20の前側に位置する前記吸込口6から吸引することができるものである。
【0025】
また、本発明は、前記突起群20を構成する各突起25を、それぞれ先端が丸められた楕円錐状に形成したことにより、前記突起群20に絡んだ抜け毛等が、前記ノズル1の動きに伴って、前記各突起25の傾斜に沿って抜けるので、前記突起群20に抜け毛等が絡み付かないようにすることができるばかりでなく、前記絨毯Cの毛並み等に入り込んだ前記各突起25の先端部が全体的に摩耗しても、これらの先端部をある程度細く保つことができるので、長期間、良好に絨毯C等から抜け毛等を梳き出して回収することができるものである。
【0026】
次に、本発明の第二の実施形態について、図7に基づいて説明する。この第二の実施形態のノズル31は、ノズル本体32を構成する下本体33の突出部34に、中央溝部35Aと、一対の側溝部35Bとを、それぞれ左右方向の同一直線上に並べて形成する。また、これらの溝部35A,35Bには、それぞれ複数の爪状の抜け止め部36A,36Bが形成される。そして、前記各溝部35A,35Bには、それぞれ中央突起小群37A、一対の側突起小群37B及び図示しない付勢手段としての複数のコイルバネが設けられる。そして、これらの突起小群37A,37Bは、それぞれ、フレーム38A,38Bと、エラストマー等で形成された突起部材39A,39Bとを有して構成される。そして、前記各突起部材39A,39Bは、それぞれ、横長棒状の基部40A,40Bと、これらの基部40A,40Bに対し直交して設けられた複数の突起41A,41Bとで一体に形成される。なお、前記各突起小群37A,37B自体の構造及び取付構造は、第一の実施形態における突起群20のそれと同様であるので、説明を省略する。
【0027】
次に、本実施形態の作用について説明する。本実施形態における基本的な作用は、第一の実施形態と同様である。更に、本実施形態では、前記各突起小群37A,37Bが独立して動作する。これによって、毛足の長さを違えることで模様を形成した絨毯C等であっても、毛足の長さに応じて各突起小群37A,37Bが独立して上下に移動する。このため、前記ノズル31の左右で抜け毛の梳き出し性能に斑が生じにくく、絨毯C等の全面に亘って良好に抜け毛等を回収することができる。
【0028】
次に、本発明の第三の実施形態について、図8に基づいて説明する。この第三の実施形態のノズル51は、ノズル本体52を構成する下本体53の突出部54に、中央溝部55Aと、一対の側溝部55Bとを形成する。なお、前記各溝部55A、55Bは、それぞれ左右方向に形成される。また、一対の前記側溝部55Bは、それぞれ左右方向の同一直線上に並べて形成される。なお、連通部7から離れた位置に設けられた前記各側溝部55Bは、前記連通部7に近い位置に設けられた前記中央溝部55Aよりも前方、即ち、左右方向に直線的に形成された吸込口6に近い位置に形成される。また、前記各溝部55A,55Bには、それぞれ複数の爪状の抜け止め部56A,56Bが形成される。そして、前記各溝部55A,55Bには、それぞれ中央突起小群37A、一対の側突起小群37B及び図示しない付勢手段としての複数のコイルバネが設けられる。なお、前記各突起小群37A,37B自体の構造及び取付構造は、第二の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0029】
次に、本実施形態の作用について説明する。本実施形態における基本的な作用は、第二の実施形態と同様である。更に、本実施形態では、前記連通部7から離れた位置の前記側突起小群37Bが、前記連通部7の近くの前記中央突起小群37Aよりも、前記吸込口6に近付けて設けられるので、吸引力が相対的に低下する前記吸込口6の左右両側部近傍であっても、梳き出された抜け毛等を良好に前記吸込口6から連通部7を経て図示しない掃除機本体に回収することができる。
【0030】
次に、本発明の第四の実施形態について、図9に基づいて説明する。この第四の実施形態のノズル61は、ノズル本体62を構成する下本体63の突出部64に、溝部65を形成する。この溝部65は、左右方向に直線的に形成された中央溝部65Aと、側方ほど前方となるように傾斜して設けられた一対の側溝部65Bとで構成される。即ち、前記溝部65は、連通部7から離れるほど、左右方向に直線的に形成された吸込口6に近付くように構成される。なお、前記中央溝部65Aと側溝部65Bは、一体に形成される。また、前記溝部65には、複数の爪状の抜け止め部66が形成される。そして、前記溝部65には、突起群67及び図示しない付勢手段としての複数のコイルバネが設けられる。そして、前記突起群67は、フレーム68と、エラストマー等で形成された突起部材69とを有して構成される。前記フレーム68は、前記中央溝部65Aに対応した中央部68Aと、前記側溝部65Bに対応した側部68Bとで一体に形成される。そして、前記突起部材69は、基部70と、この基部70に対し直交して設けられた複数の突起71とで一体に形成される。そして、前記突起部材69の基部70も、前記中央溝部65Aに対応した中央部70Aと、前記側溝部に対応した側部70Bとで一体に形成される。同様に、前記突起部材69の突起71も、前記基部70の中央部70Aに設けられた中央突起71Aと、前記各側部70Bに設けられた側突起71Bとを有する。なお、前記突起群67自体の構造及び取付構造は、曲げて構成される以外は第一の実施形態における突起群20のそれと同様であるので、説明を省略する。
【0031】
次に、本実施形態の作用について説明する。本実施形態における基本的な作用は、第一の実施形態と同様である。更に、本実施形態では、前記連通部7から離れた位置の前記側突起71Bが、前記連通部7の近くの前記中央突起71Aよりも、前記吸込口6に近付けて設けられると共に、前記側突起71Bにおいても、側方ほど前記吸込口6に近付けて設けられるので、吸引力が相対的に低下する前記吸込口6の左右両側部近傍であっても、ノズル61全体でほぼ均等に、梳き出された抜け毛等を良好に前記吸込口6から連通部7を経て図示しない掃除機本体に回収することができる。
【0032】
次に、本発明の第五の実施形態について、図10に基づいて説明する。この第五の実施形態のノズル81は、ノズル本体82を構成する下本体83の突出部84に、溝部85を形成する。この溝部85は、左右方向に直線的に形成される。これに対し、前記ノズル本体82に設けられた吸込口86は、その後端が、連通部7から離れるほど後退するように形成される。即ち、前記溝部85は、連通部7から離れるほど前記吸込口86に近付くように構成される。そして、前記溝部85には、複数の爪状の抜け止め部87が形成される。そして、前記溝部85には、突起群20及び図示しない付勢手段としての複数のコイルバネが設けられる。なお、前記突起群20自体の構造及び取付構造は、第一の実施形態における突起群20のそれと同一であるので、説明を省略する。
【0033】
次に、本実施形態の作用について説明する。本実施形態における基本的な作用は、第一の実施形態と同様である。更に、本実施形態では、前記連通部7から離れた位置の突起25が、前記連通部7の近くの突起25よりも、前記吸込口86に近付けて設けられると共に、前記各突起25の間でも、側方ほど前記吸込口86に近付けて設けられるので、吸引力が相対的に低下する前記吸込口86の左右両側部近傍であっても、ノズル81全体でほぼ均等に、梳き出された抜け毛等を良好に前記吸込口86から連通部7を経て図示しない掃除機本体に回収することができる。
【0034】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、第二及び第三の実施形態において、突起群を三つの突起小群に分割したが、二つ或いは四つ以上の突起小群に分割しても良い。また、各突起が独立して動作するように構成しても良い。また、上述した実施形態を更に組み合わせるような構造としても良い。更に、上記各実施形態では、付勢手段としてコイルバネを用いたが、これ以外の付勢手段、例えば板バネ等を用いても良い。
【符号の説明】
【0035】
1,31,51,61,81 ノズル
2,32,52,62,82 ノズル本体
3 接続管部
6,86 吸込口
7 連通部
20,67 突起群
21 コイルバネ(付勢手段)
25,41A,41B,71 突起
37A 中央突起小群
37B 側突起小群
C 絨毯
D 前方向(主たる進行方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
進行方向に対し横長となる吸込口を有するノズル本体と、このノズル本体を掃除機本体に接続するための接続管部と、前記吸込口の近傍に設けられた突起群とを有する電気掃除機用ノズルであって、
前記ノズル本体の主たる進行方向を基準として、前記吸込口の後側に前記突起群を出没可能に設けると共に、前記突起群を突出方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする電気掃除機用ノズル。
【請求項2】
前記突起群を構成する各突起を、それぞれ錐状に形成したことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機用ノズル。
【請求項3】
前記突起群を複数の小群により構成すると共に、これらの小群を、互いに独立してノズル本体から出没可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機用ノズル。
【請求項4】
前記接続管部と吸込口を連通させる連通部から離れるほど、前記突起から吸込口までの距離が小さくなるように構成したことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機用ノズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−135369(P2012−135369A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288456(P2010−288456)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000109325)ツインバード工業株式会社 (176)
【Fターム(参考)】