電気掃除機用ノズル
【課題】小出力の電気掃除機であっても、効率よく絨毯から塵埃を吸い込むことができるノズルを提供すること。
【解決手段】ノズル本体18の吸込口20に近接して、複数の第一突起25から成る第一突起群28と、複数の第二突起26から成る第二突起群29とを設けて構成したノズルとしての第一ノズル4であって、前記第一突起25の先端を、前記第二突起26の先端よりも鈍く且つ幅広に形成すると共に、前記第一突起群28を、進行方向Dにおける前記吸込口20の前側に設け、前記第二突起群29を、前記吸込口20の後側に設けたことで、前記第一突起25の先端が絨毯C等の表層上を移動して前記各第一突起25間に気流Sの流通路Pを確保して、前記第一突起4の絨毯Cへの吸い付きを防止すると共に、前記第二突起26の先端が絨毯C等に無数に植設された毛の間に入り込んで塵埃を掻き出すので、絨毯Cを効率的に清掃することができる。
【解決手段】ノズル本体18の吸込口20に近接して、複数の第一突起25から成る第一突起群28と、複数の第二突起26から成る第二突起群29とを設けて構成したノズルとしての第一ノズル4であって、前記第一突起25の先端を、前記第二突起26の先端よりも鈍く且つ幅広に形成すると共に、前記第一突起群28を、進行方向Dにおける前記吸込口20の前側に設け、前記第二突起群29を、前記吸込口20の後側に設けたことで、前記第一突起25の先端が絨毯C等の表層上を移動して前記各第一突起25間に気流Sの流通路Pを確保して、前記第一突起4の絨毯Cへの吸い付きを防止すると共に、前記第二突起26の先端が絨毯C等に無数に植設された毛の間に入り込んで塵埃を掻き出すので、絨毯Cを効率的に清掃することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機の吸引管の先端に接続して使用されるノズルに関するものであり、特に、絨毯等を掃除するのに適したノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気掃除機用ノズルとしては、吸込口体(本願発明のノズル本体に相当する)に蓋(本願発明のノズル本体に相当する)を取り付け、この蓋に複数の突起を設けると共に、これらの突起間に吸込孔(本願発明の吸込口に相当する)を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、このようなノズルの前記各突起は、絨毯等に押し当ててブラッシングすることで、絨毯から塵埃を掻き出す。そして、絨毯から掻き出された塵埃は、電気掃除機によって吸引される。なお、前記各突起は、全て同じ高さに形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3−107056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の説明において、ブラッシングのために移動させる方向の前を単に前、進行方向の後を単に後と述べる。このような電気掃除機用ノズルは、絨毯をブラッシングする際に、前記各突起の前側に繊維状或いは毛状の塵埃が引っ掛かる。そして、前記吸込孔よりも後方に設けられた前記各突起に引っ掛かった塵埃は、前方に吸引され、前記吸込孔にから吸い込まれる。しかしながら、前記吸込孔よりも前方に設けられた前記各突起に引っ掛かった塵埃は、後方に吸引されるものの、前記吸込孔から吸い込まれにくい。また、毛足の長い絨毯をブラッシングする場合、前記各突起が絨毯に深く入り込むと、外気が前記吸込孔から吸引されにくくなってしまう。これらの結果、塵埃の吸引効率が低下してしまう虞がある。これらは、電気掃除機の出力が大きい場合では問題となりにくいが、電気掃除機の出力が小さい場合では、問題となりやすい。
【0005】
本発明は以上の問題点を解決し、小出力の電気掃除機であっても、効率よく絨毯から塵埃を吸い込むことができるノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の電気掃除機用ノズルは、吸込口を有するノズル本体と、前記吸込口に近接して設けられた複数の第一突起から成る第一突起群と、前記吸込口に近接して前記第一突起群の反対側に設けられた複数の第二突起から成る第二突起群とを有する電気掃除機用ノズルにおいて、前記第一突起の先端が、前記第二突起の先端よりも鈍く且つ幅広に形成されると共に、前記第一突起群が、前記ノズル本体の進行方向における前側に設けられ、前記第二突起群が、前記ノズル本体の進行方向における後側に設けられるものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の電気掃除機用ノズルは、請求項1において、前記第一突起の突出量よりも、前記第二突起の突出量を大きくしたものである。
【0008】
更に、本発明の請求項3に記載の電気掃除機用ノズルは、請求項1において、前記第一突起同士の間隔を、前記第二突起同士の間隔よりも大きくしたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に記載の電気掃除機用ノズルは、以上のように構成することにより、絨毯等の表面に沿って動かす際に、前記第一突起の先端が絨毯等の表層上を移動すると共に、前記第二突起の先端が絨毯等に無数に植設された毛の間に入り込む。この際、前記第一突起は、塵埃を掻き出すことがないが、それらの間に気流の流通路を確保することができる。一方、前記第二突起は、絨毯等に付着した塵埃を掻き出し、そして、掻き出された塵埃は、吸込口から電気掃除機に吸い込まれる。従って、本願発明の電気掃除機用ノズルは、絨毯等に吸い付くことなく、効率的に塵埃を掻き出して吸引することができる。
【0010】
そして、前記第一突起の突出量よりも前記第二突起の突出量を大きくしたことで、前記第二突起を、絨毯等に無数に植設された毛の間に、自然に入り込ませることができる。
【0011】
また、前記第一突起同士の間隔を前記第二突起同士の間隔よりも大きくしたことで、前記第二突起が絨毯に深く入り込んだとしても、前記第一突起間に気流の流通路を十分確保することができるので、ノズルの絨毯等への吸い付きを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態を示す電気掃除機の全体図である。
【図2】同、第一ノズルの正面図である。
【図3】同、第一ノズルの背面図である。
【図4】同、第一ノズルの左側面図である。
【図5】同、第一ノズルのA−A断面図である。
【図6】同、第一ノズルの底面図である。
【図7】同、第一ノズルの使用状態を示す説明図である。
【図8】同、第二ノズルの正面図である。
【図9】同、第二ノズルのB−B断面図である。
【図10】同、充電台の平面図である。
【図11】同、充電台の正面図である。
【図12】同、各ノズルが取り付けられた状態の充電台の平面図である。
【図13】同、第一ノズルの受電台への取り付けを説明する説明図である。
【図14】同、第一ノズルの受電台への取り付けを説明する説明図である。
【図15】同、正しい向きの第一ノズルとノズル掛けの関係を示す説明図である。
【図16】同、誤った向きの第一ノズルとノズル掛けの関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図1乃至図16に基づいて説明する。1は本発明の電気掃除機である。この電気掃除機1は、手持ち型の掃除機本体2と、載置台としての充電台3と、第一ノズル4と、第二ノズル5とを有して構成される。前記掃除機本体1は、図示しない電動送風機及び二次電池が収容された機構部6と、集塵容器8とを有して構成される。なお、前記機構部6には、把持部7が設けられる。また、前記集塵容器8には、吸引管9が設けられると共に、この吸引管9に、係合突起10が設けられる。そして、前記吸引管9の先端部に、前記第一ノズル4又は第二ノズル5が選択的且つ着脱可能に取り付けられる。なお、前記吸引管9の先端部に、何れのノズル4,5も取り付けない状態で使用することも可能である。
【0014】
前記充電台3は、充電台本体11と、ノズル掛け12,13とを有して構成される。前記充電台本体11は、ほぼ短円筒形に形成される。即ち、前記充電台本体11の側面11Aは、僅かな抜き勾配があるものの、床等の設置面に対しほぼ垂直である。そして、前記充電台本体11の平面視形状は、前記把持部7を除く前記機構部6の平面視形状とほぼ一致する。また、前記充電台本体11の上部には、給電突起14が設けられると共に、この給電突起14に、給電端子15,16が設けられる。更に、前記充電台本体11の側面11Aには、前記各ノズル掛け12,13が一体形成される。なお、前記各ノズル掛け12,13は、何れも上方ほど前記充電台本体11から離れるように、垂直に対して外側に傾斜する。そして、前記各ノズル掛け12,13の軸線Zの傾斜角度は、何れもδである。そして、この角度δは、前記充電台本体11の側面11Aと前記軸線Zとが成す角度にほぼ等しい。また、前記各ノズル掛け12,13は、同形状に形成される。そして、前記各ノズル掛け12,13は、前記第一ノズル4の後述する接続筒部22の内寸及び前記第二ノズル5の後述する接続筒部34の内寸よりも細く形成される。即ち、前記第一ノズル4の接続筒部22及び第二ノズル5の接続筒部34は、前記各ノズル掛け12,13に遊嵌する。また、前記各ノズル4,5は、どちらのノズル掛け12,13にも遊嵌させることができる。また、前記各ノズル掛け12,13の下部における基端から先端までの軸線Z方向の寸法はLAである。更に、前記充電台本体11の側面11Aには、図示しない電源に接続するための給電線17が設けられる。
【0015】
前記第一ノズル4について説明する。なお、前記第一ノズル4は、便宜上、その進行方向Dの前側を前、進行方向Dの後側を後と定義する。即ち、図4、図5、図7において、右側が前、左側が後、図6において、上側が前、下側が後である。前記第一ノズル4は、合成樹脂製のノズル本体18と、エラストマー製の突起部材19とを有して構成される。なお、これらのノズル本体18と突起部材19は、インサート成型によって一体に成型される。前記ノズル本体18は、中央部に吸込口20が形成された平板状の基部21と、前記吸引管9に接続された接続筒部22とを有して構成される。そして、前記基部21と接続筒部22は、一体成型される。また、前記吸込口20は、前記接続筒部22の内側と連通する。また、前記接続筒部22には、前記吸引管9の係合突起10に対応して、係合孔23が形成される。なお、前記接続筒部22は、前記基部21に対して前方に傾斜する。そして、前記基部21と前記接続筒部22の軸線Xとが成す角度はθである。この角度θは、前記各ノズル掛け12,13の傾斜角度δとほぼ等しい。また、前記基部21の反対側となる前記接続筒部22の上端縁22Aは、前記基部21とほぼ平行に形成される。即ち、前記接続筒部22の上端縁22Aが通る仮想平面と前記軸線Xとが成す角度は、ほぼθであり、前記各ノズル掛け12,13の傾斜角度δとほぼ等しい。更に、前記上端縁22Aにおける前端22Bから後端22Cまでの軸線X方向の寸法はLBである。そして、この寸法LBと、前述した前記各ノズル掛け12,13の寸法LAは、「2LB>LA」という条件を満たす。
【0016】
前記突起部材19は、前記ノズル本体18の基部21の外周を覆うように構成された基部24と、複数の第一突起25と、複数の第二突起26とを有して構成される。そして、前記基部24には、前記基部21の吸込口20に対応して、貫通孔27が形成される。また、前記各第一突起25によって、第一突起群28が形成されると共に、前記各第二突起26によって、第二突起群29が形成される。なお、前記第一突起25は、正面視で角丸の矩形状に形成される。一方、前記第二突起26は、正面視で先端が丸められた三角形状に形成される。従って、前記第一突起25の先端部の横幅Wは、ほぼ尖端となっている前記第二突起26の先端部の幅よりも広い。また、前記第一突起25は、進行方向Dに沿って徐々に突出量が大きくなるように形成される。一方、前記第二突起26は、進行方向Dに対してほぼ直交するように突出して形成される。即ち、前記第一突起25は、第二突起26に比べて鈍く形成される。また、前記第一突起25の突出量HAは、前記第二突起26の突出量HBよりも小さい。更に、前記各第一突起25同士の間隔GA,GBは、前記第一ノズル4を絨毯Cに押し当てた際に、前記各第二突起26の絨毯Cから露出している部分同士の間隔GCよりも広い。少なくとも、間隔GBは、前記第二突起26の先端同士の間隔よりも大きいので、絨毯Cに植設された毛の長さによらず、間隔GCよりも必ず大きくなる。
【0017】
前記第二ノズル5について説明する。なお、前記第二ノズル5も、前記第一ノズル4と同様に、便宜上、図9における右側を前、左側を後と定義する。前記第二ノズル5は、合成樹脂製のノズル本体30と、複数の毛束から成るブラシ部31とを有して構成される。前記ノズル本体30は、吸込口32を有する略短筒状の基部33と、前記吸引管9に接続される接続筒部34とを有して構成される。そして、前記基部33と接続筒部34は、一体成型される。また、前記吸込口32は、前記接続筒部34と連通する。また、前記接続筒部34には、前記吸引管9の係合突起10に対応して、係合孔35が形成される。なお、前記接続筒部34は、前記基部33に対して前方に傾斜して設けられる。そして、前記基部33の下端縁と前記接続筒部34の軸線Yとが成す角度は、前記第一ノズル4と同様にθである。また、前記接続筒部34の上端縁34Aは、前記基部33の下端縁33Aとほぼ平行に形成される。即ち、前記接続筒部34の上端縁34Aが通る仮想平面と前記軸線Yとが成す角度は、ほぼθであり、前記各ノズル掛け12,13の傾斜角度δとほぼ等しい。更に、前記上端縁34Aにおける前端34Bから後端34Cまでの軸線Y方向の寸法はLCである。そして、この寸法LCと、前述した前記各ノズル掛け12,13の寸法LAは、「2LC>LA」という条件を満たす。
【0018】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず、使用者は、前記充電台3の給電線17の図示しないプラグを電源に接続する。そして、前記充電台3に前記掃除機本体2を載せ、この掃除機本体2の機構部6に収容された図示しない二次電池を充電する。このようにして、二次電池を充電することで、前記掃除機本体2が使用可能な状態となる。
【0019】
そして、この掃除機本体2を使用する場合、前記把持部7を把持して前記掃除機本体2を持ち上げ、操作部を操作して図示しない電動送風機を作動させる。この電動送風機が作動することで、塵埃を含んだ気流が、前記吸引管9から吸引される。そして、気流に含まれる塵埃は、前記集塵容器8で分離され、この集塵容器8内に溜められる。
【0020】
この際、必要に応じ、前記ノズル掛け12,13に保持された前記第一ノズル4又は第二ノズル5を、前記吸引管9の先端に取り付ける。なお、前記第一ノズル4は、主に絨毯C等を清掃する際に使用される。また、前記第二ノズル5は、主に床や机上等を清掃する際に使用される。
【0021】
絨毯Cを清掃する場合、前述したように、前記第一ノズル4を前記吸引管9の先端に取り付ける。この取り付けは、前記吸引管9の先端を、前記上端縁22A側から前記第一ノズル4の接続筒部22に挿入することで行われる。そして、前記第一ノズル4の接続筒部22に前記吸引管9の先端を挿入すると、この吸引管9に設けられた係合突起10が、前記接続筒部22に形成された係合孔23と係合する。このように、前記係合突起10が前記係合孔23と係合することで、前記第一ノズル4は前記吸引管9と結合する。
【0022】
そして、前記第一ノズル4の各突起群28,29を絨毯に接触させて、使用者の方に引く。即ち、前記第一ノズル4を進行方向Dの前方に移動させる。なお、前記第一突起25は、横幅Wが広く、進行方向Dに沿って前方から後方に向かうに従って徐々に突出量が大きくなるように形成されるので、前記第一ノズル4を進行方向Dに移動させても、絨毯Cに無数に植設された毛の間に入り込みにくい。即ち、前記第一突起25は、絨毯Cの毛の上を滑るように移動する。これに対し、前記第二突起26は、正面視で、下方の先端側ほど細くなる三角形状であり、進行方向Dに対しほぼ直交して突出するので、前記第一ノズル4を進行方向Dに移動させることで、絨毯Cの毛の間に入り込む。特に、前記第一突起25の突出量HAよりも、前記第二突起26の突出量HBが大きいことで、前記第二突起26は自然に絨毯Cの毛の間に入り込む。そして、前記第二突起26の先端側が絨毯Cの毛の間に入り込んだ状態で前記第一ノズル4を進行方向Dに移動させることで、絨毯Cの毛の間に入り込んだ塵埃が掻き出される。そして、絨毯C内の塵埃は、前記第二突起26の前方に掻き出されるので、この第二突起26に邪魔されることなく、この第二突起26の前方に設けられた前記吸込口20から前記集塵容器8に吸引される。なお、前述したように、前記第一突起25が絨毯Cの毛の間に入り込みにくいことで、前記各第一突起25間には、絨毯Cの毛の上に気流Sの流通路Pが確保される。また、使用状態での前記第一突起25同士の間隔GA,GBが、前記第二突起26同士における絨毯Cによって塞がれていない部分の間隔GCよりも大きいので、気流Sの流通路Pは十分に確保される。少なくとも、間隔GBは、前記第二突起26の先端同士の間隔よりも大きいので、間隔GCよりも必ず大きくなる。このため、前記第一ノズル4は、絨毯Cに吸い付くことなく、効率的に塵埃を掻き出して吸引することができる。
【0023】
なお、前記第二ノズル5のような、前記ブラシ部31を有するノズルを用いた床等の平坦な被清掃部の清掃は、よく知られているので、説明を省略する。
【0024】
清掃終了後、前記第一ノズル4又は第二ノズル5を前記吸引管9の先端から取り外す。そして、取り外された前記第一ノズル4又は第二ノズル5は、前記充電台3の充電台本体11の側面11Aに設けられた前記ノズル掛け12,13に保持させる。なお、前記第二ノズル5の前記ノズル掛け12,13への取り付け方は、前記第一ノズル4の前記ノズル掛け12,13への取り付け方と同じである。また、前述した通り、前記ノズル掛け12とノズル掛け13は、同形状である。従って、前記第一ノズル4の前記ノズル掛け12への取り付けについてのみ説明する。
【0025】
前記第一ノズル4は、前記ノズル掛け12の先端部を、前記上端縁22A側から前記接続筒部22に挿入することで、前記ノズル掛け12に保持される。この際、前記第一ノズル4は、図14に示すように、前記接続筒部22の上端縁22Aの前端22Bが下となり、後端22Cが上となる姿勢で、前記ノズル掛け12に保持される。この姿勢では、前記第一ノズル4は、汚れた前記各突起群28,29が外側を向く。従って、前記充電台3に前記掃除機本体2を設置しても、汚れた前記各突起群28,29が前記掃除機本体2の反対側を向くので、前記掃除機本体2は、前記各突起群28,29によって汚されにくい。また、前記第一ノズル4は、その基部21が、床等の設置面に対してほぼ垂直となる。このため、前記ノズル掛け12に前記第一ノズル4を嵩張らないように保持させることができる。更に、前記前記第一ノズル4の接続筒部22の上端縁22Aが前記基部21とほぼ平行であることから、前記接続筒部22の上端縁22Aも、床等の設置面に対してほぼ垂直となる。即ち、前記接続筒部22の上端縁22Aは、前記充電台本体11の側面11Aとほぼ平行となる。このため、前記第一ノズル4を前記ノズル掛け12に保持させたとき、このノズル掛け12が前記第一ノズル4の接続筒部22に深く挿入されるので、前記第一ノズル4は前記ノズル掛け12に安定して保持される。
【0026】
なお、前記第一ノズル4は、その軸線Xと前記ノズル掛け12の軸線Zが一致するように、前記ノズル掛け12を挿入することで、前記ノズル掛け12に保持させることができる。また、前記第一ノズル4の接続筒部22は、前述したように、その内寸が前記各ノズル掛け12の太さよりも大きく形成されることで、前記各ノズル掛け12に遊嵌する。このため、前記第一ノズル4は、図13に示すように、その軸線Xが垂直となる姿勢で上方から掛けることで、前記ノズル掛け12に保持させることもできる。この際、前記突起部材19によって前記基部21側が重くなっていることで、前記第一ノズル4は、図13に示すように、前記上端縁22Aの後端22Cを支点として、左回りに回動する。この結果、前記第一ノズル4は、図13の状態で前記ノズル掛け12に掛けられたとしても、図14の状態で保持される。また、前記第一ノズル4は、その軸線Xが垂直に対しδ以下の範囲で外側に傾斜した姿勢で上方から掛けられた場合も、同様に図14の状態で保持される。なお、前記第一ノズル4は、軸線Zと逆方向に僅かに傾いた状態で前記ノズル掛け12に掛けられたとしても、条件によっては、図14の状態で保持させることができる。この条件は、支点となる前記接続筒部22の後端22Cよりも、前記第一ノズル4の重心が外側となることである。前記充電台3は、使用者よりも低い位置となる床等に置かれることも多い。従って、前記充電台3に設けられた前記ノズル掛け12に対し前記第一ノズル4を上方から掛けることができるようにすることで、前記第一ノズル4は、容易に前記ノズル掛け12に保持させることができる。
【0027】
図16に示すように、前記第一ノズル4を前記ノズル掛け12に対し逆向き、即ち、前記第一ノズル4の接続筒部22の前側と後側の位置関係が図15の場合と逆になるように取り付けようとした場合について説明する。この場合、前記接続筒部22の前端22Bが前記充電台本体11に当接すると、前記充電台本体11から前記接続筒部22の後端22Cまでの軸線Zに沿う距離は、ほぼ2LBとなる。そして、前述した通り、前記接続筒部22の上端縁22Aにおける前端22Bから後端22Cまでの軸線X方向の寸法LBと、前記ノズル掛け12の軸線Z方向の下部寸法LAは、「2LB>LA」という条件を満たす。このため、前記ノズル掛け12の下部の先端12Aは、前記接続筒部22内に挿入されない。このため、前記ノズル掛け12は、前記第一ノズル4が重力によって倒れると、前記接続筒部22の上端縁22Aの後端22Cが前記ノズル掛け12に当接しない。従って、前記ノズル掛け12は、前記第一ノズル4の倒れを止めて支えることができない。即ち、図16の状態では、前記第一ノズル4は前記ノズル掛け12に取り付けることができない。
【0028】
以上のように、本発明は、ノズル本体18の吸込口20に近接して、複数の第一突起25から成る第一突起群28と、複数の第二突起26から成る第二突起群29とを設けて構成したものであって、前記第一突起25の先端が、前記第二突起26の先端よりも鈍く且つ幅広に形成されると共に、前記第一突起群28を、前記ノズル本体18の進行方向Dにおける前側に設け、前記第二突起群29を、前記ノズル本体18の進行方向Dにおける後側に設けたことで、前記第一突起25の先端が絨毯C等の表層上を移動して前記各第一突起25間に気流Sの流通路Pを確保して、前記第一突起4の絨毯Cへの吸い付きを防止すると共に、前記第二突起26の先端が絨毯C等に無数に植設された毛の間に入り込んで塵埃を掻き出すので、絨毯Cを効率的に清掃することができる。
【0029】
また、本発明は、前記第一突起25の突出量HAよりも前記第二突起26の突出量HBを大きくしたことで、前記第二突起26を自然に絨毯C等の毛の間に入り込ませることができる。
【0030】
更に、本発明は、前記第一突起25同士の間隔GA,GBを、前記第二突起26の絨毯Cから露出している部分同士の間隔GCよりも大きくしたことで、前記第二突起26が絨毯Cに深く入り込んだとしても、前記第一突起25間に気流Sの流通路Pを十分確保することができるので、前記第一ノズル4の絨毯C等への吸い付きを確実に防止することができる。
【0031】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施形態では、ノズル本体と各突起群を異なる材質で構成したが、比較的軟質の合成樹脂によって一体に成形しても良い。また、前記第一突起は、絨毯の表層上を移動できる形状であれば、正面視矩形状でなくても良い。また、前記第二突起は、進行方向から見て先端が尖っており、且つ十分な剛性が確保できるのであれば、他の形状でも良い。更に、第一突起群を構成する第一突起、及び前記第二突起群を構成する第二突起の数は、適宜設定し得る。
【符号の説明】
【0032】
4 第一ノズル(ノズル)
18 ノズル本体
20 吸込口
25 第一突起
26 第二突起
28 第一突起群
29 第二突起群
W 第一突起25の先端部の幅
HA 第一突起25の突出量
HB 第二突起26の突出量
GA,GB 第一突起25同士の間隔
GC 第二突起26の絨毯Cから露出している部分同士の間隔
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機の吸引管の先端に接続して使用されるノズルに関するものであり、特に、絨毯等を掃除するのに適したノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気掃除機用ノズルとしては、吸込口体(本願発明のノズル本体に相当する)に蓋(本願発明のノズル本体に相当する)を取り付け、この蓋に複数の突起を設けると共に、これらの突起間に吸込孔(本願発明の吸込口に相当する)を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、このようなノズルの前記各突起は、絨毯等に押し当ててブラッシングすることで、絨毯から塵埃を掻き出す。そして、絨毯から掻き出された塵埃は、電気掃除機によって吸引される。なお、前記各突起は、全て同じ高さに形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3−107056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の説明において、ブラッシングのために移動させる方向の前を単に前、進行方向の後を単に後と述べる。このような電気掃除機用ノズルは、絨毯をブラッシングする際に、前記各突起の前側に繊維状或いは毛状の塵埃が引っ掛かる。そして、前記吸込孔よりも後方に設けられた前記各突起に引っ掛かった塵埃は、前方に吸引され、前記吸込孔にから吸い込まれる。しかしながら、前記吸込孔よりも前方に設けられた前記各突起に引っ掛かった塵埃は、後方に吸引されるものの、前記吸込孔から吸い込まれにくい。また、毛足の長い絨毯をブラッシングする場合、前記各突起が絨毯に深く入り込むと、外気が前記吸込孔から吸引されにくくなってしまう。これらの結果、塵埃の吸引効率が低下してしまう虞がある。これらは、電気掃除機の出力が大きい場合では問題となりにくいが、電気掃除機の出力が小さい場合では、問題となりやすい。
【0005】
本発明は以上の問題点を解決し、小出力の電気掃除機であっても、効率よく絨毯から塵埃を吸い込むことができるノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の電気掃除機用ノズルは、吸込口を有するノズル本体と、前記吸込口に近接して設けられた複数の第一突起から成る第一突起群と、前記吸込口に近接して前記第一突起群の反対側に設けられた複数の第二突起から成る第二突起群とを有する電気掃除機用ノズルにおいて、前記第一突起の先端が、前記第二突起の先端よりも鈍く且つ幅広に形成されると共に、前記第一突起群が、前記ノズル本体の進行方向における前側に設けられ、前記第二突起群が、前記ノズル本体の進行方向における後側に設けられるものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の電気掃除機用ノズルは、請求項1において、前記第一突起の突出量よりも、前記第二突起の突出量を大きくしたものである。
【0008】
更に、本発明の請求項3に記載の電気掃除機用ノズルは、請求項1において、前記第一突起同士の間隔を、前記第二突起同士の間隔よりも大きくしたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に記載の電気掃除機用ノズルは、以上のように構成することにより、絨毯等の表面に沿って動かす際に、前記第一突起の先端が絨毯等の表層上を移動すると共に、前記第二突起の先端が絨毯等に無数に植設された毛の間に入り込む。この際、前記第一突起は、塵埃を掻き出すことがないが、それらの間に気流の流通路を確保することができる。一方、前記第二突起は、絨毯等に付着した塵埃を掻き出し、そして、掻き出された塵埃は、吸込口から電気掃除機に吸い込まれる。従って、本願発明の電気掃除機用ノズルは、絨毯等に吸い付くことなく、効率的に塵埃を掻き出して吸引することができる。
【0010】
そして、前記第一突起の突出量よりも前記第二突起の突出量を大きくしたことで、前記第二突起を、絨毯等に無数に植設された毛の間に、自然に入り込ませることができる。
【0011】
また、前記第一突起同士の間隔を前記第二突起同士の間隔よりも大きくしたことで、前記第二突起が絨毯に深く入り込んだとしても、前記第一突起間に気流の流通路を十分確保することができるので、ノズルの絨毯等への吸い付きを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態を示す電気掃除機の全体図である。
【図2】同、第一ノズルの正面図である。
【図3】同、第一ノズルの背面図である。
【図4】同、第一ノズルの左側面図である。
【図5】同、第一ノズルのA−A断面図である。
【図6】同、第一ノズルの底面図である。
【図7】同、第一ノズルの使用状態を示す説明図である。
【図8】同、第二ノズルの正面図である。
【図9】同、第二ノズルのB−B断面図である。
【図10】同、充電台の平面図である。
【図11】同、充電台の正面図である。
【図12】同、各ノズルが取り付けられた状態の充電台の平面図である。
【図13】同、第一ノズルの受電台への取り付けを説明する説明図である。
【図14】同、第一ノズルの受電台への取り付けを説明する説明図である。
【図15】同、正しい向きの第一ノズルとノズル掛けの関係を示す説明図である。
【図16】同、誤った向きの第一ノズルとノズル掛けの関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図1乃至図16に基づいて説明する。1は本発明の電気掃除機である。この電気掃除機1は、手持ち型の掃除機本体2と、載置台としての充電台3と、第一ノズル4と、第二ノズル5とを有して構成される。前記掃除機本体1は、図示しない電動送風機及び二次電池が収容された機構部6と、集塵容器8とを有して構成される。なお、前記機構部6には、把持部7が設けられる。また、前記集塵容器8には、吸引管9が設けられると共に、この吸引管9に、係合突起10が設けられる。そして、前記吸引管9の先端部に、前記第一ノズル4又は第二ノズル5が選択的且つ着脱可能に取り付けられる。なお、前記吸引管9の先端部に、何れのノズル4,5も取り付けない状態で使用することも可能である。
【0014】
前記充電台3は、充電台本体11と、ノズル掛け12,13とを有して構成される。前記充電台本体11は、ほぼ短円筒形に形成される。即ち、前記充電台本体11の側面11Aは、僅かな抜き勾配があるものの、床等の設置面に対しほぼ垂直である。そして、前記充電台本体11の平面視形状は、前記把持部7を除く前記機構部6の平面視形状とほぼ一致する。また、前記充電台本体11の上部には、給電突起14が設けられると共に、この給電突起14に、給電端子15,16が設けられる。更に、前記充電台本体11の側面11Aには、前記各ノズル掛け12,13が一体形成される。なお、前記各ノズル掛け12,13は、何れも上方ほど前記充電台本体11から離れるように、垂直に対して外側に傾斜する。そして、前記各ノズル掛け12,13の軸線Zの傾斜角度は、何れもδである。そして、この角度δは、前記充電台本体11の側面11Aと前記軸線Zとが成す角度にほぼ等しい。また、前記各ノズル掛け12,13は、同形状に形成される。そして、前記各ノズル掛け12,13は、前記第一ノズル4の後述する接続筒部22の内寸及び前記第二ノズル5の後述する接続筒部34の内寸よりも細く形成される。即ち、前記第一ノズル4の接続筒部22及び第二ノズル5の接続筒部34は、前記各ノズル掛け12,13に遊嵌する。また、前記各ノズル4,5は、どちらのノズル掛け12,13にも遊嵌させることができる。また、前記各ノズル掛け12,13の下部における基端から先端までの軸線Z方向の寸法はLAである。更に、前記充電台本体11の側面11Aには、図示しない電源に接続するための給電線17が設けられる。
【0015】
前記第一ノズル4について説明する。なお、前記第一ノズル4は、便宜上、その進行方向Dの前側を前、進行方向Dの後側を後と定義する。即ち、図4、図5、図7において、右側が前、左側が後、図6において、上側が前、下側が後である。前記第一ノズル4は、合成樹脂製のノズル本体18と、エラストマー製の突起部材19とを有して構成される。なお、これらのノズル本体18と突起部材19は、インサート成型によって一体に成型される。前記ノズル本体18は、中央部に吸込口20が形成された平板状の基部21と、前記吸引管9に接続された接続筒部22とを有して構成される。そして、前記基部21と接続筒部22は、一体成型される。また、前記吸込口20は、前記接続筒部22の内側と連通する。また、前記接続筒部22には、前記吸引管9の係合突起10に対応して、係合孔23が形成される。なお、前記接続筒部22は、前記基部21に対して前方に傾斜する。そして、前記基部21と前記接続筒部22の軸線Xとが成す角度はθである。この角度θは、前記各ノズル掛け12,13の傾斜角度δとほぼ等しい。また、前記基部21の反対側となる前記接続筒部22の上端縁22Aは、前記基部21とほぼ平行に形成される。即ち、前記接続筒部22の上端縁22Aが通る仮想平面と前記軸線Xとが成す角度は、ほぼθであり、前記各ノズル掛け12,13の傾斜角度δとほぼ等しい。更に、前記上端縁22Aにおける前端22Bから後端22Cまでの軸線X方向の寸法はLBである。そして、この寸法LBと、前述した前記各ノズル掛け12,13の寸法LAは、「2LB>LA」という条件を満たす。
【0016】
前記突起部材19は、前記ノズル本体18の基部21の外周を覆うように構成された基部24と、複数の第一突起25と、複数の第二突起26とを有して構成される。そして、前記基部24には、前記基部21の吸込口20に対応して、貫通孔27が形成される。また、前記各第一突起25によって、第一突起群28が形成されると共に、前記各第二突起26によって、第二突起群29が形成される。なお、前記第一突起25は、正面視で角丸の矩形状に形成される。一方、前記第二突起26は、正面視で先端が丸められた三角形状に形成される。従って、前記第一突起25の先端部の横幅Wは、ほぼ尖端となっている前記第二突起26の先端部の幅よりも広い。また、前記第一突起25は、進行方向Dに沿って徐々に突出量が大きくなるように形成される。一方、前記第二突起26は、進行方向Dに対してほぼ直交するように突出して形成される。即ち、前記第一突起25は、第二突起26に比べて鈍く形成される。また、前記第一突起25の突出量HAは、前記第二突起26の突出量HBよりも小さい。更に、前記各第一突起25同士の間隔GA,GBは、前記第一ノズル4を絨毯Cに押し当てた際に、前記各第二突起26の絨毯Cから露出している部分同士の間隔GCよりも広い。少なくとも、間隔GBは、前記第二突起26の先端同士の間隔よりも大きいので、絨毯Cに植設された毛の長さによらず、間隔GCよりも必ず大きくなる。
【0017】
前記第二ノズル5について説明する。なお、前記第二ノズル5も、前記第一ノズル4と同様に、便宜上、図9における右側を前、左側を後と定義する。前記第二ノズル5は、合成樹脂製のノズル本体30と、複数の毛束から成るブラシ部31とを有して構成される。前記ノズル本体30は、吸込口32を有する略短筒状の基部33と、前記吸引管9に接続される接続筒部34とを有して構成される。そして、前記基部33と接続筒部34は、一体成型される。また、前記吸込口32は、前記接続筒部34と連通する。また、前記接続筒部34には、前記吸引管9の係合突起10に対応して、係合孔35が形成される。なお、前記接続筒部34は、前記基部33に対して前方に傾斜して設けられる。そして、前記基部33の下端縁と前記接続筒部34の軸線Yとが成す角度は、前記第一ノズル4と同様にθである。また、前記接続筒部34の上端縁34Aは、前記基部33の下端縁33Aとほぼ平行に形成される。即ち、前記接続筒部34の上端縁34Aが通る仮想平面と前記軸線Yとが成す角度は、ほぼθであり、前記各ノズル掛け12,13の傾斜角度δとほぼ等しい。更に、前記上端縁34Aにおける前端34Bから後端34Cまでの軸線Y方向の寸法はLCである。そして、この寸法LCと、前述した前記各ノズル掛け12,13の寸法LAは、「2LC>LA」という条件を満たす。
【0018】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず、使用者は、前記充電台3の給電線17の図示しないプラグを電源に接続する。そして、前記充電台3に前記掃除機本体2を載せ、この掃除機本体2の機構部6に収容された図示しない二次電池を充電する。このようにして、二次電池を充電することで、前記掃除機本体2が使用可能な状態となる。
【0019】
そして、この掃除機本体2を使用する場合、前記把持部7を把持して前記掃除機本体2を持ち上げ、操作部を操作して図示しない電動送風機を作動させる。この電動送風機が作動することで、塵埃を含んだ気流が、前記吸引管9から吸引される。そして、気流に含まれる塵埃は、前記集塵容器8で分離され、この集塵容器8内に溜められる。
【0020】
この際、必要に応じ、前記ノズル掛け12,13に保持された前記第一ノズル4又は第二ノズル5を、前記吸引管9の先端に取り付ける。なお、前記第一ノズル4は、主に絨毯C等を清掃する際に使用される。また、前記第二ノズル5は、主に床や机上等を清掃する際に使用される。
【0021】
絨毯Cを清掃する場合、前述したように、前記第一ノズル4を前記吸引管9の先端に取り付ける。この取り付けは、前記吸引管9の先端を、前記上端縁22A側から前記第一ノズル4の接続筒部22に挿入することで行われる。そして、前記第一ノズル4の接続筒部22に前記吸引管9の先端を挿入すると、この吸引管9に設けられた係合突起10が、前記接続筒部22に形成された係合孔23と係合する。このように、前記係合突起10が前記係合孔23と係合することで、前記第一ノズル4は前記吸引管9と結合する。
【0022】
そして、前記第一ノズル4の各突起群28,29を絨毯に接触させて、使用者の方に引く。即ち、前記第一ノズル4を進行方向Dの前方に移動させる。なお、前記第一突起25は、横幅Wが広く、進行方向Dに沿って前方から後方に向かうに従って徐々に突出量が大きくなるように形成されるので、前記第一ノズル4を進行方向Dに移動させても、絨毯Cに無数に植設された毛の間に入り込みにくい。即ち、前記第一突起25は、絨毯Cの毛の上を滑るように移動する。これに対し、前記第二突起26は、正面視で、下方の先端側ほど細くなる三角形状であり、進行方向Dに対しほぼ直交して突出するので、前記第一ノズル4を進行方向Dに移動させることで、絨毯Cの毛の間に入り込む。特に、前記第一突起25の突出量HAよりも、前記第二突起26の突出量HBが大きいことで、前記第二突起26は自然に絨毯Cの毛の間に入り込む。そして、前記第二突起26の先端側が絨毯Cの毛の間に入り込んだ状態で前記第一ノズル4を進行方向Dに移動させることで、絨毯Cの毛の間に入り込んだ塵埃が掻き出される。そして、絨毯C内の塵埃は、前記第二突起26の前方に掻き出されるので、この第二突起26に邪魔されることなく、この第二突起26の前方に設けられた前記吸込口20から前記集塵容器8に吸引される。なお、前述したように、前記第一突起25が絨毯Cの毛の間に入り込みにくいことで、前記各第一突起25間には、絨毯Cの毛の上に気流Sの流通路Pが確保される。また、使用状態での前記第一突起25同士の間隔GA,GBが、前記第二突起26同士における絨毯Cによって塞がれていない部分の間隔GCよりも大きいので、気流Sの流通路Pは十分に確保される。少なくとも、間隔GBは、前記第二突起26の先端同士の間隔よりも大きいので、間隔GCよりも必ず大きくなる。このため、前記第一ノズル4は、絨毯Cに吸い付くことなく、効率的に塵埃を掻き出して吸引することができる。
【0023】
なお、前記第二ノズル5のような、前記ブラシ部31を有するノズルを用いた床等の平坦な被清掃部の清掃は、よく知られているので、説明を省略する。
【0024】
清掃終了後、前記第一ノズル4又は第二ノズル5を前記吸引管9の先端から取り外す。そして、取り外された前記第一ノズル4又は第二ノズル5は、前記充電台3の充電台本体11の側面11Aに設けられた前記ノズル掛け12,13に保持させる。なお、前記第二ノズル5の前記ノズル掛け12,13への取り付け方は、前記第一ノズル4の前記ノズル掛け12,13への取り付け方と同じである。また、前述した通り、前記ノズル掛け12とノズル掛け13は、同形状である。従って、前記第一ノズル4の前記ノズル掛け12への取り付けについてのみ説明する。
【0025】
前記第一ノズル4は、前記ノズル掛け12の先端部を、前記上端縁22A側から前記接続筒部22に挿入することで、前記ノズル掛け12に保持される。この際、前記第一ノズル4は、図14に示すように、前記接続筒部22の上端縁22Aの前端22Bが下となり、後端22Cが上となる姿勢で、前記ノズル掛け12に保持される。この姿勢では、前記第一ノズル4は、汚れた前記各突起群28,29が外側を向く。従って、前記充電台3に前記掃除機本体2を設置しても、汚れた前記各突起群28,29が前記掃除機本体2の反対側を向くので、前記掃除機本体2は、前記各突起群28,29によって汚されにくい。また、前記第一ノズル4は、その基部21が、床等の設置面に対してほぼ垂直となる。このため、前記ノズル掛け12に前記第一ノズル4を嵩張らないように保持させることができる。更に、前記前記第一ノズル4の接続筒部22の上端縁22Aが前記基部21とほぼ平行であることから、前記接続筒部22の上端縁22Aも、床等の設置面に対してほぼ垂直となる。即ち、前記接続筒部22の上端縁22Aは、前記充電台本体11の側面11Aとほぼ平行となる。このため、前記第一ノズル4を前記ノズル掛け12に保持させたとき、このノズル掛け12が前記第一ノズル4の接続筒部22に深く挿入されるので、前記第一ノズル4は前記ノズル掛け12に安定して保持される。
【0026】
なお、前記第一ノズル4は、その軸線Xと前記ノズル掛け12の軸線Zが一致するように、前記ノズル掛け12を挿入することで、前記ノズル掛け12に保持させることができる。また、前記第一ノズル4の接続筒部22は、前述したように、その内寸が前記各ノズル掛け12の太さよりも大きく形成されることで、前記各ノズル掛け12に遊嵌する。このため、前記第一ノズル4は、図13に示すように、その軸線Xが垂直となる姿勢で上方から掛けることで、前記ノズル掛け12に保持させることもできる。この際、前記突起部材19によって前記基部21側が重くなっていることで、前記第一ノズル4は、図13に示すように、前記上端縁22Aの後端22Cを支点として、左回りに回動する。この結果、前記第一ノズル4は、図13の状態で前記ノズル掛け12に掛けられたとしても、図14の状態で保持される。また、前記第一ノズル4は、その軸線Xが垂直に対しδ以下の範囲で外側に傾斜した姿勢で上方から掛けられた場合も、同様に図14の状態で保持される。なお、前記第一ノズル4は、軸線Zと逆方向に僅かに傾いた状態で前記ノズル掛け12に掛けられたとしても、条件によっては、図14の状態で保持させることができる。この条件は、支点となる前記接続筒部22の後端22Cよりも、前記第一ノズル4の重心が外側となることである。前記充電台3は、使用者よりも低い位置となる床等に置かれることも多い。従って、前記充電台3に設けられた前記ノズル掛け12に対し前記第一ノズル4を上方から掛けることができるようにすることで、前記第一ノズル4は、容易に前記ノズル掛け12に保持させることができる。
【0027】
図16に示すように、前記第一ノズル4を前記ノズル掛け12に対し逆向き、即ち、前記第一ノズル4の接続筒部22の前側と後側の位置関係が図15の場合と逆になるように取り付けようとした場合について説明する。この場合、前記接続筒部22の前端22Bが前記充電台本体11に当接すると、前記充電台本体11から前記接続筒部22の後端22Cまでの軸線Zに沿う距離は、ほぼ2LBとなる。そして、前述した通り、前記接続筒部22の上端縁22Aにおける前端22Bから後端22Cまでの軸線X方向の寸法LBと、前記ノズル掛け12の軸線Z方向の下部寸法LAは、「2LB>LA」という条件を満たす。このため、前記ノズル掛け12の下部の先端12Aは、前記接続筒部22内に挿入されない。このため、前記ノズル掛け12は、前記第一ノズル4が重力によって倒れると、前記接続筒部22の上端縁22Aの後端22Cが前記ノズル掛け12に当接しない。従って、前記ノズル掛け12は、前記第一ノズル4の倒れを止めて支えることができない。即ち、図16の状態では、前記第一ノズル4は前記ノズル掛け12に取り付けることができない。
【0028】
以上のように、本発明は、ノズル本体18の吸込口20に近接して、複数の第一突起25から成る第一突起群28と、複数の第二突起26から成る第二突起群29とを設けて構成したものであって、前記第一突起25の先端が、前記第二突起26の先端よりも鈍く且つ幅広に形成されると共に、前記第一突起群28を、前記ノズル本体18の進行方向Dにおける前側に設け、前記第二突起群29を、前記ノズル本体18の進行方向Dにおける後側に設けたことで、前記第一突起25の先端が絨毯C等の表層上を移動して前記各第一突起25間に気流Sの流通路Pを確保して、前記第一突起4の絨毯Cへの吸い付きを防止すると共に、前記第二突起26の先端が絨毯C等に無数に植設された毛の間に入り込んで塵埃を掻き出すので、絨毯Cを効率的に清掃することができる。
【0029】
また、本発明は、前記第一突起25の突出量HAよりも前記第二突起26の突出量HBを大きくしたことで、前記第二突起26を自然に絨毯C等の毛の間に入り込ませることができる。
【0030】
更に、本発明は、前記第一突起25同士の間隔GA,GBを、前記第二突起26の絨毯Cから露出している部分同士の間隔GCよりも大きくしたことで、前記第二突起26が絨毯Cに深く入り込んだとしても、前記第一突起25間に気流Sの流通路Pを十分確保することができるので、前記第一ノズル4の絨毯C等への吸い付きを確実に防止することができる。
【0031】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施形態では、ノズル本体と各突起群を異なる材質で構成したが、比較的軟質の合成樹脂によって一体に成形しても良い。また、前記第一突起は、絨毯の表層上を移動できる形状であれば、正面視矩形状でなくても良い。また、前記第二突起は、進行方向から見て先端が尖っており、且つ十分な剛性が確保できるのであれば、他の形状でも良い。更に、第一突起群を構成する第一突起、及び前記第二突起群を構成する第二突起の数は、適宜設定し得る。
【符号の説明】
【0032】
4 第一ノズル(ノズル)
18 ノズル本体
20 吸込口
25 第一突起
26 第二突起
28 第一突起群
29 第二突起群
W 第一突起25の先端部の幅
HA 第一突起25の突出量
HB 第二突起26の突出量
GA,GB 第一突起25同士の間隔
GC 第二突起26の絨毯Cから露出している部分同士の間隔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口を有するノズル本体と、
前記吸込口に近接して設けられた複数の第一突起から成る第一突起群と、
前記吸込口に近接して前記第一突起群の反対側に設けられた複数の第二突起から成る第二突起群とを有する電気掃除機用ノズルにおいて、
前記第一突起の先端が、前記第二突起の先端よりも鈍く且つ幅広に形成されると共に、
前記第一突起群が、前記ノズル本体の進行方向における前側に設けられ、
前記第二突起群が、前記ノズル本体の進行方向における後側に設けられることを特徴とする電気掃除機用ノズル。
【請求項2】
前記第一突起の突出量よりも、前記第二突起の突出量を大きくしたことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機用ノズル。
【請求項3】
前記第一突起同士の間隔を、前記第二突起同士の間隔よりも大きくしたことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機用ノズル。
【請求項1】
吸込口を有するノズル本体と、
前記吸込口に近接して設けられた複数の第一突起から成る第一突起群と、
前記吸込口に近接して前記第一突起群の反対側に設けられた複数の第二突起から成る第二突起群とを有する電気掃除機用ノズルにおいて、
前記第一突起の先端が、前記第二突起の先端よりも鈍く且つ幅広に形成されると共に、
前記第一突起群が、前記ノズル本体の進行方向における前側に設けられ、
前記第二突起群が、前記ノズル本体の進行方向における後側に設けられることを特徴とする電気掃除機用ノズル。
【請求項2】
前記第一突起の突出量よりも、前記第二突起の突出量を大きくしたことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機用ノズル。
【請求項3】
前記第一突起同士の間隔を、前記第二突起同士の間隔よりも大きくしたことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機用ノズル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−95726(P2012−95726A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244155(P2010−244155)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000109325)ツインバード工業株式会社 (176)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000109325)ツインバード工業株式会社 (176)
【Fターム(参考)】
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