説明

電気掃除機用吸込み具及びそれを用いた電気掃除機

【課題】装着する先端パイプ部の内径寸法が異なっても、装着することが可能な電気掃除機用吸込み具および電気掃除機を提供する。
【解決手段】吸込み具1は、一端に接続口3を、他端に吸引口2を有した略角状筒体の吸込み具本体11と、吸込み具本体11の接続口3側を包囲するように樹脂で一体に成形されると共に円筒状の円周の一部を軸方向に切り裂いたような形状となっている接続部4とを備え、接続部4の内径が吸込み具本体11の外形より大きいことを特徴とする。この吸込み具1は、接続部4が弾性によって先端パイプ部16が変形するので、先端パイプ部16の口径が合わなくても、装着して掃除することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機用吸込み具並びにそれを用いた電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電気掃除機用吸込み具、特に隙間用の吸込み具としては、ホースの先端側に取り付けるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、特許文献1に開示された電気掃除機用の吸込み具である。同図に示すように電気掃除機用の吸込み具31は、一端に接続口32を有し、他端に吸引口33を有し、接続口32と吸引口33との間に補助吸込み口34を形成していた。接続口32は、掃除機本体(図示せず)に接続されたホースの先端パイプ部(図示せず)内に嵌め込んで使用されるため、先端パイプ部の円筒形状に合わせて、円筒状の樹脂製パイプで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−110908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成では、吸込み具が樹脂製の円筒状パイプで構成されているので、硬さが硬く、変形しにくいものであった。そのため、従来の吸込み具は、ホースの先端パイプ部の内径寸法や形状が異なる掃除機に取り付けることができず、掃除作業ができない場合があるという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ホースの先端パイプ部の内径寸法や形状が異なる掃除機に取り付ける場合でも、取り付けることが出来る電気掃除機用吸込み具及びそれを用いた電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために本発明の電気掃除機用吸込み具は、一端に接続口を、他端に吸引口を有した略角状筒体の吸込み具本体と、前記吸込み具本体の前記接続口側を包囲するように樹脂で形成された弾性を有する接続部とを備えている。
【0008】
これにより、ホースの先端パイプ部の内径寸法や形状が異なる掃除機に取り付ける場合でも、弾性を有した接続部が内径寸法に対応して変形するので、電気掃除機用吸込み具をホースの先端パイプ部に取り付けることが出来る。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電気掃除機用吸込み具は、接続部の持つ弾性により、接続部の外形をホースの先端パイプ部の内径寸法や形状に合わせて変形させ、機種の異なる電気掃除機のホースにも取り付けることが可能である。
【0010】
また、吸込み具本体と接続部との間に補助吸込み口を設けることにより、電気掃除機用吸込み具の吸引口が被掃除面や塵埃などで塞がれても、通気性を確保することができるので、電動送風機への負荷を低減できるとともに、吸引口が被掃除面に吸い付くことを防ぐこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1における電気掃除機用吸込み具の斜視図
【図2】同電気掃除機用吸込み具の要部断面図
【図3】同気掃除機用吸込み具を先端パイプ部に装着した状態を示す断面図
【図4】本発明の実施の形態2における電気掃除機用吸込み具の斜視図
【図5】同気掃除機用吸込み具の要部断面図
【図6】従来の電気掃除機用吸込み具の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明は、一端に接続口を、他端に吸引口を有した略角状筒体の吸込み具本体と、前記吸込み具本体の前記接続口側を包囲するように樹脂で形成された弾性を有する接続部とを備えた電気掃除機用吸込み具である。
【0013】
この構成により、ホースの先端パイプ部の内径寸法や形状が異なる掃除機に取り付ける場合でも、弾性を有した接続部が内径寸法や形状に対応して変形するので、電気掃除機用吸込み具をホースの先端パイプ部に取り付けることが出来る。
【0014】
第2の発明は、特に、第1の発明の吸込み具本体の接続口側に一体に成形されると共に略円筒状の円周の一部を軸方向に切り裂いたような形状となっている接続部とを備え、前記接続部の内径が前記吸込み具本体の外形より大きくなっており、前記吸込み具本体と前記接続部との間に隙間を有することを特徴とする。
【0015】
これにより、円周の一部が欠落した接続部は、欠落した方向へ変形することが容易であり、先端パイプ部の内径寸法が吸込み具本体の接続部の外形より小さい場合には、接続部の外径電気を小さくして、掃除機用吸込み具をホースの先端パイプ部に取り付けることが出来る。
【0016】
第3の発明は、特に、第2の発明の吸込み具本体と、前記吸込み具本体を包囲する接続部との間に補助吸込み口を構成したもので、吸込み具を使って掃除している時に、吸込み具の先端に在る吸引口が被掃除面や塵埃などで塞いでしまっても、補助吸込み口から空気が流入して、電気掃除機の吸引力の上昇を抑えられるので、吸引口2が被掃除面に吸い付いて、吸込み具を持ち上げることが困難になることを防止できると共に、電動送風機への負荷を低減することができる。
【0017】
第4の発明は、一端に接続口を、他端に吸引口を有した略角状筒体の吸込み具本体と、前記吸込み具本体の前記接続口側を内包するように発泡性の樹脂で形成された接続部とを備えた電気掃除機用吸込み具とすることにより、発泡性の樹脂で形成された接続部は、弾力性が有り、先端パイプ部の内径寸法が多少異なっても、先端パイプ部の内径寸法に合わせて変形させてホースの先端パイプ部に嵌め込むことが出来る。
【0018】
また、接続部を発泡性の樹脂で構成しているため、通気性を確保することが可能であり、吸引口が被掃除面や塵埃等で塞がれても、接続部の通気性によって外気を取り入れて、電動送風機に加わる負荷を低減したり、電気掃除機用吸込み具が被掃除面に吸い付くことを防止したりすることができる。
【0019】
第5の発明は、特に、第1〜第4の発明の電気掃除機用吸込み具を装備した電気掃除機とするもので、接続部の弾力性により、接続部の外形を先端パイプ部の内径寸法に合わせて変形させ、先端パイプ部の内径寸法や形状が異なる機種の掃除機に取り付けて掃除することが可能である。また、吸込み具本体と接続部との間に補助吸込み口を構成したり、発泡性の樹脂で構成したりすれば、吸引口が被掃除面や塵埃などで塞がれても、接続部の通
気性により、掃除機本体が密閉状態になるのを防いで、電動送風機に加わる負荷を低減したり、被掃除面に吸い付くことを防いだりすることもできる。このように非常に使い勝手が良いものである。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における電気掃除機用吸込み具の斜視図であり、図2は同電気掃除機用吸込み具の要部断面図であり、図3は同電気掃除機用吸込み具を先端パイプ部に装着した状態を示す断面図である。
【0022】
図1および図2に示すように、電気掃除機用の吸込み具1は、吸込み具本体11の一端に吸引口2を有し、他端に接続口3を有した略角状筒体となっており、掃除機本体に接続するホース16の先端パイプ部17に取り付けて使用される。
【0023】
接続部4は、略円筒状の円周を軸方向に切り裂いたような形状をしており、接続口3の外側に一部を取り付けて、欠落した箇所の端部4a,4b同士を解放した状態で、吸込み具本体11を包囲している。この接続部4は、内径寸法Aの円筒状に構成され、吸込口3は長辺が外形寸法Bで形成され、A>Bとなるように構成し、接続部4と接続口3との間には隙間を形成し、その隙間を吸込口3とは別の補助吸込み口5としている。
【0024】
以上のように構成された電気掃除機用の吸込み具について、その動作作用を以下に説明する。
【0025】
吸込み具本体11を包囲する円筒状の接続部4の内径が吸込み具本体11の外形より大きく、接続部4の円筒状が欠落した箇所の端部4a,4b同士が開放状態となっているため、例えば、図2に示す横方向から接続部4に圧力を加えると、接続部4の部4a,4b同士が近づくように変形する弾性を有する。
【0026】
図3に示すように、ホース16の先端に設けられた先端パイプ部17に吸込み具1を装着するとき、接続部4に外圧を与えれば接続部3の外形が小さくなるので、先端パイプ部17の内径が正規のものより小さくても、吸込み具1を先端パイプ部17内に嵌め込むことができる。
【0027】
また、吸込み具1を使って掃除している時に、吸込み具1の先端に在る吸引口2が被掃除面や塵埃などで塞いでしまっても、補助吸込み口5から空気が流入して、電気掃除機の吸引力の上昇を抑制するので、吸込み具1の吸引口2が被掃除面に吸い付いて、吸込み具1を持ち上げることが困難になることを防止できると共に、電動送風機への負荷を低減することができる。
【0028】
また、図3に示すように、ホース16の先端パイプ部17に吸込み具本体11を取り付けて掃除作業をする場合、弾性の有る接続部4が変形可能なので、吸込み具本体11先端の角度が上下方向(矢印C)にも左右方向にも可変できる。従って、吸込み具本体11の先端が掃除面に当たったときには、掃除面に無理な力を加える心配がなく、吸込み具本体11が被掃除面を傷付けることを防止できる。
【0029】
(実施の形態2)
図4は本発明の第2の実施の形態における電気掃除機用の吸込み具の斜視図であり、図5は同吸込み具の要部断面図である。
【0030】
図4、図5に示されるように、電気掃除機用の吸込み具1は、吸込み具本体11の一端に吸引口2を有し、他端に接続口3を有した角状筒体となっており、掃除機本体に接続するホース16(図3を参照)の先端パイプ部17に取り付けて使用される。
【0031】
接続部4は、吸込み具本体11の接続口3側を発泡性の樹脂で内包して構成されており、気泡による空気通路15が形成されるので、通気性と弾性を有している。
【0032】
以上のように構成された吸込み具1について、その動作、作用を以下に説明する。
【0033】
発泡性の樹脂で構成された接続部14は、弾性を有しているので、ホース16の先端パイプ部17の内径が多少小さくても、圧力を加えれば先端パイプ部17の内径寸法に合わせて変形するので、先端パイプ部17の内径寸法が異なる機種の電気掃除機に取り付けて、掃除作業を行うことが出来る。
【0034】
また、吸込み具1を用いて被掃除面を掃除している時に、吸込み具本体11の先端に在る吸引口12が被掃除面や塵埃などで塞がれてしまっても、空気通路15から空気を取り入れて、電気掃除機の吸引力の上昇を抑制するので、吸引口12が被掃除面に吸着して離れなくなることを防止できると共に、吸引風を発生させる電動送風機への負荷を低減することができる。
【0035】
図3に示すように、ホース16の先端パイプ部17に吸込み具本体11を取り付けて掃除作業をする場合、弾性の有る接続部(4)が変形可能なので、吸込み具本体11先端の角度が上下方向(矢印C)にも左右方向にも可変自在になっている。従って、吸込み具本体11の先端が掃除面に当たったときには、吸込み具本体11が掃除面に大きな力を加える心配がなく、被掃除面を傷付けることを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上のように、本発明にかかる電気掃除機用吸込み具及びそれを用いた電気掃除機は、吸込み具本体の接続部が変形可能なので、接続する先端パイプ部が機種の異なるものであっても、機種の異なる電気掃除機の先端パイプ部に接続して掃除作業をすることが可能であり、家庭用の電気掃除機だけでなく業務用の電気掃除機にも適用できる。
【符号の説明】
【0037】
1 吸込み具
2 吸引口
3 接続口
4、14 接続部
5 補助吸込み口
11 吸込み具本体
15 空気通路
16 ホース
17 先端パイプ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に接続口を、他端に吸引口を有した略角状筒体の吸込み具本体と、前記吸込み具本体の前記接続口側を包囲するように樹脂で形成された弾性を有する接続部とを備えた電気掃除機用吸込み具。
【請求項2】
吸込み具本体の接続口側に一体に成形されると共に略円筒状の円周の一部を軸方向に切り裂いたような形状となっている接続部とを備え、前記接続部の内径が前記吸込み具本体の外形より大きくなっており、前記吸込み具本体と前記接続部との間に隙間を有することを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機用吸込み具。
【請求項3】
略角状筒体の吸込み具本体と、前記吸込み具本体を包囲する接続部との間に補助吸込み口を構成した請求項2に記載の電気掃除機用吸込み具。
【請求項4】
一端に接続口を、他端に吸引口を有した略角状筒体の吸込み具本体と、前記吸込み具本体の前記接続口側を内包するように発泡性の樹脂で形成された接続部とを備えた電気掃除機用吸込み具。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込み具を装備した電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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