説明

電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機

【課題】高所の掃除が容易な電気掃除機用吸込具を提供する。
【解決手段】塵埃を吸引する開口部(図示せず)を有する吸込具本体(図示せず)と、前記吸込具本体に対して上下左右回動自在の接続管12を後方に連通させて有すると共に前記吸込具本体と着脱自在で、前記吸込具本体に取り付けられたときに前記吸込具本体と連通する分離吸込具7とを備え、前記分離吸込具7の内部に、前記接続管12と連通すると共に上下に回動自在の接続回動管16を設けたもので、接続回動管16に掃除用のアタッチメント17を取り付けると、そのアタッチメント17を上下に動かすことができるため、高所の水平面などを掃除しやすく、かつ破損し難いために長く安定して使用できる電気掃除機用吸込具を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の電気掃除機用吸込具は、掃除機本体に接続された延長管の先端に、上下動自在な連結部を介して分離吸込具を取り付け、この分離吸込具を、吸込具本体の一部に着脱自在に接続してなる構成となっている。そして、吸込具本体では掃除しにくい狭い場所を掃除する際には、吸込具本体から分離吸込具を離脱させて掃除を行うようになっていた。また、分離吸込具にて高所を清掃作業する際には、連結部が上下に各90度づつ回動するために、踏み台などを使わずに延長管を介して清掃作業を行うことができるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的な構成として例えば、上記特許文献1には、塵埃を吸引する開口部を有する吸込具本体と、吸込具本体に対して上下回動自在の接続管を後方に連通させて有すると共に吸込具本体と着脱自在で、吸込具本体に取り付けられたときに、吸込具本体と連通する分離吸込具とを備え、分離吸込具を吸込具本体に取り付けたときに、接続管が吸込具本体の水平面に対して上下に一定の角度を回動する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−230869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の電気掃除機用吸込具の構成では、接続管を上下に回動する構造を作るには関節部の構造が複雑になり、吸込具本体で常に可動する接続管の耐久性・強度性が低下して破損する可能性が高いという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、接続管の構成を複雑にすることなく高所の水平面を清掃する作業がしやすい電気掃除機用吸込具及び電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気掃除機用吸込具は、塵埃を吸引する開口部を有する吸込具本体と、前記吸込具本体に対して上下左右回動自在の接続管を後方に連通させて有すると共に前記吸込具本体と着脱自在で、前記吸込具本体に取り付けられたときに前記吸込具本体と連通する分離吸込具とを備え、前記分離吸込具の内部に、前記接続管と連通すると共に上下に回動自在の接続回動管を設けたもので、接続回動管に掃除用のアタッチメントを取り付けると、そのアタッチメントを上下に動かすことができるため、高所の水平面などを掃除しやすく、かつ破損し難いため、長く安定して使用できる電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0008】
また、本発明の電気掃除機は、電動送風機を内蔵した掃除機本体と、一端が前記掃除機本体に接続される吸引ホースと、前記吸引ホースの他端に接続される吸引延長管と、請求項1又は2に記載の電気掃除機用吸込具とを備え、前記吸引延長管と前記電気掃除機用吸込具とを着脱自在としたもので、高所の水平面などを掃除しやすく、かつ破損し難いため、長く安定して使用できる電気掃除機を提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機は、分離吸込具の先端部に上下に回動する接続回動管を設けたことで、その接続回動管にアタッチメントを取り付けたときに、アタッチメントを上下に動かすことができるため、高所の水平面などを掃除しやすく、かつ破損し難いため、長く安定して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における電気掃除機用吸込具を備えた電気掃除機の斜視図
【図2】同電気掃除機用吸込具の上面図
【図3】同電気掃除機用吸込具の側部断面図
【図4】同電気掃除機用吸込具の分離吸込具の側部断面図
【図5】同分離吸込具にアタッチメントを取り付けた側部断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、塵埃を吸引する開口部を有する吸込具本体と、前記吸込具本体に対して上下左右回動自在の接続管を後方に連通させて有すると共に前記吸込具本体と着脱自在で、前記吸込具本体に取り付けられたときに前記吸込具本体と連通する分離吸込具とを備え、前記分離吸込具の内部に、前記接続管と連通すると共に上下に回動自在の接続回動管を設けたもので、接続回動管に掃除用のアタッチメントを取り付けると、そのアタッチメントを上下に動かすことができるため、高所の水平面などを掃除しやすく、かつ破損し難いため、長く安定して使用できる電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0012】
第2の発明は、特に、第1の発明の接続回動管を、下方に90度動くように設けたもので、接続回動管にアタッチメントを接続したときに、分離吸込具に対して直角の角度を有することになり分離吸込具を持ち上げて高所の面に対してアタッチメントを水平に当てることが出るため、掃除性能および掃除作業性を向上させることができるものである。
【0013】
第3の発明は、電動送風機を内蔵した掃除機本体と、一端が前記掃除機本体に接続される吸引ホースと、前記吸引ホースの他端に接続される吸引延長管と、請求項1又は2に記載の電気掃除機用吸込具とを備え、前記吸引延長管と前記電気掃除機用吸込具とを着脱自在としたもので、高所の水平面などを掃除しやすく、かつ破損し難いため、長く安定して使用できる電気掃除機を提供することができる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電気掃除機用吸込具を備えた電気掃除機の斜視図、図2は、同電気掃除機用吸込具の上面図、図3は、同電気掃除機用吸込具の側部断面図、図4は、同電気掃除機用吸込具の分離吸込具の側部断面図、図5は、同分離吸込具にアタッチメントを取り付けた側部断面図である。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態に係る電気掃除機用吸込具20は、吸込具本体8と分離吸込具7からなり、典型的なキャニスター型の電気掃除機1に主に使用されるものである。すなわち、電気掃除機1は、掃除機本体2と、吸引ホース3と、手元操作部4と、吸引延長管5と、電気掃除機用吸込具20を備えている。
【0017】
掃除機本体2は、電動送風機9と、集塵室10を備えており、接続パイプ11を介して
吸引ホース3の一方の端が着脱自在に接続されている。吸引ホース3の他方の端には、手元操作部4が設けられており、この手元操作部4の先端に対して、吸引延長管5の一方の端が着脱自在に接続されている。さらに、吸引延長管5の他方の端には、電気掃除機用吸込具20が着脱自在に取り付けられている。
【0018】
電気掃除機1の使用時には、手元操作部4を操作して、掃除機本体2の電源を入れる。これにより、電動送風機9の動作によって、吸引ホース3、吸引延長管5を介して、電気掃除機用吸込具20に吸引力が発生するので、床面上の塵埃が吸引され、吸引延長管5、吸引ホース3、接続パイプ11を介して集塵室10に集められる。
【0019】
使用者は、手元操作部4を把持して、床面上で、電気掃除機用吸込具20の位置を移動させることで、掃除する床面の領域を変える。
【0020】
また、床面ではなく、部屋の隅、家具等の隙間等の狭い領域を掃除したい場合には、吸引延長管5または、電気掃除機用吸込具20を取り外し、掃除を行う。さらに、使用者にとって見え難い位置または高い位置の掃除を行いたい場合には、吸込具本体8に設けたペダル6を踏むことにより、吸込具本体8に取り付けられた分離吸込具7を取り外すことにより行う。
【0021】
電気掃除機1における具体的な構成、すなわち、掃除機本体2、吸引ホース3、手元操作部4、吸引延長管5等は特に限定されず、電気掃除機の分野で公知の各種構成を好適に用いることができる。
【0022】
次に、本実施の形態に係る電気掃除機用吸込具20の具体的な構成について、図2から図5を参照して説明する。
【0023】
本実施の形態に係る電気掃除機用吸込具20は、底面に塵埃を吸引するための開口部8aを備えた吸込具本体8と、吸込具本体8に着脱自在に装着される分離吸込具7から構成され、分離吸込具7の中央近傍の後方部には、電気掃除機用吸込具20の外郭の一部を成すと共に吸引延長管5と接続する接続管12が設けられ、接続管12は、上下左右回動自在に構成されている。
【0024】
分離吸込具7は、上記接続管12と、接続管12の前方に位置する本体13からなり、本体13は、上部材14と下部材15を組み合わせて構成されている。接続管12は、上部材14と下部材15に挟持されている。また、本体13の内側は、空洞であり接続管12と連通しているが、本体13内部にあり、上下動可能なように、上部材14と下部材15に挟持された接続回動管16が設けられている。
【0025】
接続回動管16は、本体13の前端部よりも奥まったところに位置し、接続回動管16は中空に設けられ、接続管12と連通するように構成されている。接続回動管16の回動軸(図示せず)は、本体13の中央部近傍に設けられている。また、接続回動管16の先端には、アタッチメント17が取り付けられるようになっている。
【0026】
分離吸込具7は、吸込具本体8に収まり、吸込具本体8の後方に向かって突出する凸部(図示せず)に本体13を差込むことによって分離吸込具7を吸込具本体8に固定することになる。
【0027】
吸込具本体8には、分離吸込具7に対して左右どちらかにペダル6が設けられている。ペダル6を押すことにより、分離吸込具7が吸込具本体8より押し上げられるため分離することになる。従って、分離吸込具7を使用するにはペダル6を踏む必要がある。
【0028】
次に、吸込具本体8を使用する際の動作について記載する。狭い箇所や高所などを清掃する際に、吸込具本体8を使用したままでは重たいことや入らないなど清掃作業に支障をきたす場面がある。その際にはペダル6を踏むことにより分離吸込具7を分離させて使用する。
【0029】
従来、特に、高所における清掃作業で、タンス(図示せず)の上などの平面のホコリを吸込みたいときなどは、脚立などを準備して電気掃除機1を片手に持ちながら作業を行う必要があった。これは、吸引延長管5などを持ち上げても吸引延長管5の開口部が上方を向いてしまうため清掃作業を行うことができないためである。そこで本実施の形態では、分離吸込具7の接続回動管16の先にアタッチメント17を接続し、それを任意の角度に回動させた後に、高所平面の清掃作業をアタッチメント17により行うことができる。
この状態ならば、電気掃除機1を持ち上げて、脚立などの準備をすることなく、簡便に高所の平面部の清掃作業を行うことができるものである。
【0030】
また、接続回動管16は、本体13の内部に納められて上部材14と下部材15に挟まれてなる単純な構成であるために破損する危険性も少なく、使い勝手のよい構成となっている。
【0031】
また、電気掃除機1に連通接続された吸引延長管5の先端と上記実施の形態における電気掃除機用吸込具20とが着脱自在なので、高所の水平面などが掃除しやすく、かつ破損し難いため、長く安定して使用できる電気掃除機を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上のように、本発明にかかる電気掃除機用吸込具及び電気掃除機は、分離吸込具に上下に回動する接続回動管を設け、その先端にアタッチメントが取り付けられるようにしたので、アタッチメントを上下に動かすことができるため高所の水平面などを掃除しやすく、かつ破損し難いために長く安定して使用することができる。
【符号の説明】
【0033】
7 分離吸込具
8 吸込具本体
8a 開口部
12 接続管
16 接続回動管
20 電気掃除機用吸込具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵埃を吸引する開口部を有する吸込具本体と、前記吸込具本体に対して上下左右回動自在の接続管を後方に連通させて有すると共に前記吸込具本体と着脱自在で、前記吸込具本体に取り付けられたときに前記吸込具本体と連通する分離吸込具とを備え、前記分離吸込具の内部に、前記接続管と連通すると共に上下に回動自在の接続回動管を設けた電気掃除機用吸込具。
【請求項2】
接続回動管を、下方に90度動くように設けた請求項1に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項3】
電動送風機を内蔵した掃除機本体と、一端が前記掃除機本体に接続される吸引ホースと、前記吸引ホースの他端に接続される吸引延長管と、請求項1又は2に記載の電気掃除機用吸込具とを備え、前記吸引延長管と前記電気掃除機用吸込具とを着脱自在とした電気掃除機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate