説明

電気掃除機用吸込具及びこれを用いた電気掃除機

【課題】家具と家具の間狭いところでも、堆積してこびりついた塵埃、また、目地に入り込んだ塵埃を容易に除去することができる電気掃除機用吸込具を提供する。
【解決手段】底面に設けた吸込口23より被掃除面上の塵埃を吸引する第1吸込具11と、同じく被掃除面上の塵埃を吸引する機能を有すると共に、前記第1吸込具11に、上方から着脱自在に装着される第2吸込具10とを備え、前記第2吸込具10の先端吸気口16の上方先端にブラシ体18を設けたもので、このブラシ体18の植毛21で被掃除面を掃くことにより、被掃除面に堆積してこびりついた塵埃を擦りとり、また、目地の中に植毛が入り、目地に入り込んだ塵埃を掻き出し、吸引力により除去することができ、性能がよく、使い勝手の良い電気掃除機用吸込具を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1吸込具と、その第1吸込具に着脱自在に装着される第2吸込具からなる電気掃除機用吸込具と電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこのような電気掃除機用吸込具として、通常の床面掃除用の第1吸込具と、家具と家具の間などの狭い場所を掃除する時に使用されると共に、第1吸込具に上方から着脱自在に装着される第2吸込具から構成され、第1吸込具の底面には、走行用の回転自在のローラーと、横長で被掃除面から塵埃を吸引するための第1の吸込口が配され、第1吸込具の上面には、第2吸込具を収納する第2吸込具収納部が設けられている。
【0003】
第2吸込具の底面には、縦長で塵埃を吸引するための第2の吸込み口が設けられ、第2吸込具の後端に、電気掃除機本体に連通接続された延長管に接続される接続パイプが左右、上下に回動自在に設けられ、その第2吸込具を第1吸込具に装着した時に、第1の吸込口と第2の吸込口が連通するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
通常の床面の掃除の時は、延長管に接続された第2吸込具を第1吸込具に装着して、延長管を前後、左右に操作して、第1吸込具を床面上で移動させながら掃除を行う。
【0005】
そして、家具と家具の間の狭い所を掃除する時は、第1吸込具に設けた操作レバーを踏み込んで、第1吸込具と第2吸込具との係止を解除し、第2吸込具を延長管に接続したまま第1吸込具から外して、直ちに第2吸込具で家具と家具の間の狭いところの掃除を行うことができるようになっている。
【0006】
第2吸込具での掃除を終えた後、第2吸込具を延長管に接続したままで、第2吸込具を、第1吸込具に設けた第2吸込具収納部に押し込むと、第2吸込具が第1吸込具に係止され、再び通常の床面清掃ができるようになっている。
【0007】
また、特許文献2に記載されたように、第2吸込具を、第1吸込具に設けた第2吸込具収納部に押し込む時に、第1吸込具のローラーを回転させないようにして、被掃除面上での移動を規制するようにして、第2吸込具の収納性をよくしたものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3882771号公報
【特許文献2】特開2008−148909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に記載されたような従来の電気掃除機用吸込具の構成では、第1吸込具が入らない家具と家具の間の狭いところに溜まった塵埃を吸込力により捕集することはできるが、堆積してこびりついた塵埃、また、目地に入り込んだ塵埃を除去することができないという課題があった。
【0010】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、第1吸込具が入らない家具と家具の間の狭い所に堆積してこびりついた塵埃、また、目地に入り込んだ塵埃を除去することができる性能、使用性のよい電気掃除機用吸込具及び、電気掃除機を提供することを目的とする

【課題を解決するための手段】
【0011】
上記従来の課題を解決するために、本発明の電気掃除機用吸込具は、底面に設けた吸込口より被掃除面上の塵埃を吸引する第1吸込具と、同じく被掃除面上の塵埃を吸引する機能を有すると共に、前記第1吸込具に、上方から着脱自在に装着される第2吸込具とを備え、前記第2吸込具の先端吸気口の上方先端にブラシ体を設けたもので、このブラシ体の植毛で被掃除面を掃くことにより、被掃除面に堆積してこびりついた塵埃を擦りとり、また、目地の中に植毛が入り、目地に入り込んだ塵埃を掻き出し、吸引力により除去することができ、性能がよく、使い勝手の良い電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0012】
また、本発明の電気掃除機は、電動送風機を内蔵した掃除機本体と、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具と、前記掃除機本体と前記電気掃除機用吸込具とを連通するホースを備えたもので、ブラシ体の植毛で被掃除面を掃くことにより、被掃除面に堆積してこびりついた塵埃を擦りとり、また、目地の中に植毛が入り、目地に入り込んだ塵埃を掻き出し、吸引力により除去することができ、性能がよく、使い勝手のよい電気掃除機を提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電気掃除機用吸込具及び、電気掃除機は、第2吸込具の先端吸気口の上方先端にブラシ体を設けたので、このブラシ体の植毛により、堆積してこびりついた塵埃を擦りとり、また、目地の中に植毛が入り、目地に入り込んだ塵埃を掻き出し、吸引力により除去することができ、性能がよく、使い勝手のよいものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における電気掃除機用吸込具を接続した電気掃除機の全体構成を示す斜視図
【図2】同電気掃除機用吸込具の第1吸込具に対する第2吸込具の着脱を説明する斜視図
【図3】同第2吸込具の側面図
【図4】同第1吸込具に第2吸込具を装着した状態を示す断面図
【図5】(a)同第2吸込具による隅掃除の様子を示す図、(b)同第2吸込具による壁際掃除の様子を示す図、(c)従来の第2吸込具による壁際掃除の様子を示す図
【図6】本発明の実施の形態2における電気掃除機用吸込具の側面図
【図7】(a)本発明の実施の形態3における電気掃除機用吸込具の第2吸込具の断面図、(b)同第2吸込具による隅掃除の様子を示す図、(c)同第2吸込具による壁際掃除の様子を示す図
【図8】(a)本発明の実施の形態4における電気掃除機用吸込具の第2吸込具の断面図、(b)同電気掃除機用吸込具の第1吸込具に第2吸込具を装着したときの断面図
【図9】本発明の実施の形態5における電気掃除機用吸込具の第2吸込具の側面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、底面に設けた吸込口より被掃除面上の塵埃を吸引する第1吸込具と、同じく被掃除面上の塵埃を吸引する機能を有すると共に、前記第1吸込具に、上方から着脱自在に装着される第2吸込具とを備え、前記第2吸込具の先端吸気口の上方先端にブラシ体を設けたもので、このブラシ体の植毛で被掃除面を掃くことにより、被掃除面に堆積してこびりついた塵埃を擦りとり、また、目地の中に植毛が入り、目地に入り込んだ塵埃を掻き出し、吸引力により除去することができ、性能がよく、使い勝手の良い電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0016】
第2の発明は、特に、第1の発明のブラシ体を被掃除面に対して略水平下方に設けると共に、前記ブラシ体の植毛が壁にあたり曲げられたときに、前記植毛の長さが、被掃除面に届く長さより長くしたもので、被掃除面上を掃除するのに略水平下方に設けられた植毛が壁に当たったときに被掃除面に曲がり、第2吸込具の樹脂部が壁に当たる事無く、壁を傷付けず、植毛がクッションの役目を果たし、また、強く押すことによりブラシ体の植毛が曲がり、被掃除面を擦り、目地の中まで入り込み塵埃を掻き出し、吸引力により除去することができ、性能がよく、使い勝手をよくすることができる。
【0017】
第3の発明は、特に、第1の発明のブラシ体の被掃除面に対する角度を30度〜60度とすると共に、前記ブラシ体の植毛の長さを、少なくとも被掃除面に届く長さとしたもので、壁に当たるまでの被掃除面に対しても、吸引力により、ブラシ体の植毛が震動し、被掃除面を叩き、こびりついた塵埃を剥がし、吸引力により除去することができ、性能がよく、使い勝手をよくすることができる。
【0018】
第4の発明は、特に、第1の発明のブラシ体を第2吸込具の先端吸気口に回動自在に設け、前記ブラシ体を略水平方向に保持付勢するバネBを設け、前記ブラシ体に、前記第2吸込具の先端吸気口内方向の力がかかると、前記ブラシ体が前記先端吸気口内に回動自在に動き、前記ブラシ体が回動したときの植毛の長さが、被掃除面に届く長さより長くしたもので、略水平状態で被掃除面を掃くことも出来、また、略水平に設けられた植毛が壁に当たったときに被掃除面側に回動し、被掃除面を擦り、また、塵埃を第2吸込具の先端吸気口内部に送り、また、目地の中まで入り込み塵埃を掻き出し、吸引力により除去することができ、性能がよく、使い勝手をよくすることができる。
【0019】
第5の発明は、特に、第1の発明の電気掃除機用吸込具において、バネの付勢力に抗してブラシ体が第2吸込具内に収納され、前記第2吸込具が第1吸込具から外された際に、前記ブラシ体が、前記バネの付勢力により前記第2吸込具内から出ると共に、前記ブラシ体の植毛の長さを、被掃除面に届く長さより長くしたもので、被掃除面を擦り、また、塵埃を第2吸込具の先端吸気口内部に送り、また、目地の中まで入り込み塵埃を掻き出し、吸引力により除去することができ、性能がよく、使い勝手をよくすることができ、収納状態で第2吸込具内に入るため、見栄えをよくすることができる。
【0020】
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか一つの発明のブラシ体の植毛の株に軟質体のチューブをつけたもので、植毛が硬いと被掃除面に傷が付くこともあるので、被掃除面にあたる先端は柔らかくし、また、ブラシ体の腰を強くし、植毛がばらけるのを防ぎ、性能を維持することができる。
【0021】
第7の発明に係る電気掃除機は、電動送風機を内蔵した掃除機本体と、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具と、前記掃除機本体と前記電気掃除機用吸込具とを連通するホースを備えたもので、ブラシ体の植毛で被掃除面を掃くことにより、被掃除面に堆積してこびりついた塵埃を擦りとり、また、目地の中に植毛が入り、目地に入り込んだ塵埃を掻き出し、吸引力により除去することができ、性能がよく、使い勝手のよい電気掃除機を提供することができる。
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0023】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における電気掃除機用吸込具について、図1から図5を用いて説明する。図1は、本実施の形態における電気掃除機用吸込具を接続した電気掃除機の全体構成を示す斜視図である。
【0024】
図1において、本実施の形態における電気掃除機1は、電動送風機(図示せず)を内蔵した掃除機本体7と、一端が、ホース継ぎ手5を介して掃除機本体7に接続され、他端に手元ハンドル4を有するホース6と、ホース6の手元ハンドル4に接続される延長管2とを備え、延長管2の上流側端部には、本実施の形態における電気掃除機用吸込具3(以下「吸込具3」という)が接続されている。
【0025】
吸込具3は、図2から図4に示すように、延長管2に連結するための連結管9に回動連結部8を介して吸気ヘッド31が接続された第2吸込具10と、第2吸込具10が上方から着脱自在に装着される第1吸込具11から構成されている。また、第2吸込具10の先端吸気口16の先端上部に植毛21を有したブラシ体18を設けている。
【0026】
第1吸込具11に対する第2吸込具10の着脱は、第1吸込具11に設けられた操作レバー13を押し下げることにより、第2吸込具10を把持する保持具12の把持状態が解放されて、第2吸込具10を第1吸込具11から離脱させることができ、第2吸込具10を用いて、家具と家具の狭い場所の掃除ができ、保持具12内に、第2吸込具10を載せて軽く押圧することにより、第2吸込具10は、第1吸込具11に装着され、第1吸込具11を用いて床などの被掃除面の掃除を効率よく行うことができる。
【0027】
上記第2吸込具10は、図3に示すように、第1吸込具11への装着方向面となる下側面には、起毛体である起毛布14が貼着され、また、下面吸気口15が開口し、それぞれの脇にも起毛布14が貼着されている。
【0028】
また、先端側には、第1吸込具11の吸込口23に連通する先端吸気口16が開口している。
【0029】
第2吸込具10の前部両側には、第1吸込具11に設けられた回転ブラシ20を回転駆動する電動機(図示せず)に給電接続するための左右一対の給電接点17が設けられている。
【0030】
掃除機本体7からの配線リードセン(図示せず)が、ホース6、手元ハンドル4、延長管2に連結するときに、連結管9に設けられた給電部19が、延長管2の先端配線(図示せず)に電気的に接続され、給電部19から、第2吸込具10内を配線して前記給電接点17に配線接続されている。
【0031】
上記起毛布14は、シート面上に細かい毛を密集起毛させて形成されたもので、下面吸気口15の両側を閉鎖して下面吸気口15からの吸塵能力を向上させ、第2吸込具10の動きに応じて、被掃除面の凹部の塵埃を掻き出し、掃除面の塵埃を下面吸気口15に導き、掃除面を拭く作用効果を発揮すると共に、家具や掃除面を傷つけないバンパーの作用も有するものである。この第2吸込具10に適用するのに、起毛布14が最も望ましいものであるが、同形状のブラシ、フェルト等を用いることもできる。
【0032】
上記第1吸込具11は、図4に内部構造を示すように、所謂パワーノズルとして構成され、ブラシやブレードなどを回転軸に取り付けた回転ブラシ20を、電動機(図示せず)によって回転駆動し、絨毯等から塵埃を掻き出す機能を備えている。前記電動機(図示せず)への給電は、第2吸込具10が装着されることにより、第2吸込具10に配設された一対の給電接点17が、第1吸込具11に配設された一対の受電接点22に摺動接触することによりなされる。
【0033】
ここで、第2吸込具10を、第1吸込具11から取り外すと給電接点17から受電接点
22が離れ、電動機への電源の供給がなくなり、回転ブラシ20の回転が停止する。再度、第2吸込具10を第1吸込具11に取り付けると、電動機への電源が供給され、回転ブラシ20は回転を開始する。このように第2吸込具10を、第1吸込具11から取り外す動作で回転ブラシ20の回転が止まるので次の動作にスムーズに移行でき、また取り外した第1吸込具11の回転ブラシ20で被掃除面を傷つけることもない。
【0034】
また、第2吸込具10に設けた給電接点17と、第1吸込具11に設けた受電接点22は、上記回動連結部8より前方の第2吸込具10が回動しない位置に取り付けているので両接点の電気的接続は確実にでき、耐久性の向上が図れる。
【0035】
第1吸込具11は、前記回転ブラシ20を収容する横長の吸込口23を形成した幅広の吸込部24と、その中央部分から後方に突出する走行部25とを備え、平面形状がTの字状に形成され、図2に示すように、上面側に走行部25の後方端から吸込部24にかけて第2吸込具収納凹部26が形成されている。
【0036】
第2吸込具収納凹部26内の前方側には、前記吸込口23に連通する連通口27が開口されており、第2吸込具収納凹部26に第2吸込具10を装着すると、第2吸込具10に形成された先端吸気口16と前記連通口27との間が連通し、掃除機本体7への空気流路が形成される。
【0037】
図4は、第1吸込具11に第2吸込具10を装着した状態を示す断面図で、第1吸込具11に第2吸込具10が装着されると、第2吸込具収納凹部26内の先端吸気口16と吸込口23から連結管9に至る空気流路を形成する。また、第2吸込具10の下面吸気口15は、第2吸込具収納凹部26の底面によって塞がれるので、第2吸込具10を、第1吸込具11に装着した状態では、吸込口23からの吸気のみとなり、第1吸込具11による吸塵能力が損なわれない。また、ブラシ体18は、第2吸込具10の先端吸気口16上方先端に設けられているが、第2吸込具10が第1吸込具11に収納されると、植毛21が第1吸込具11の上面に載った状態になる。
【0038】
図2に示すように、第1吸込具11に形成された第2吸込具収納凹部26は、第2吸込具10の高さ方向寸法と略同等の深さに形成されており、これに、第2吸込具10を収容すると、図3及び図4に示すように、第1吸込具11の上面から第2吸込具10が少し出るのみで、家具の下に空いた空間などに容易に挿入できる扁平な第1吸込具11に構成することができる。また、第1吸込具11の高さは、図4に示すように第2吸込具収納凹部26の両側にローラー30を配設したことによっても高さ減少の効果が得られている。
【0039】
第1吸込具11に設けられた操作レバー13を下方に押し下げる(足先で踏む)と、第2吸込具10を第1吸込具11から離脱させることができる。また、下面吸気口15は、開放状態になるので、先端吸気口16の下方と複数の下面吸気口15から連結管9に至る空気流路が形成され、第2吸込具10による集塵性能が得られる。
【0040】
図5に示すように、家具と家具の間で、第1吸込具11が入らない場合は、第2吸込具10にてこの狭い場所の掃除を行う。図5(a)に示すように、隅掃除でブラシ体18の植毛21を隅部に当てて、上下左右に動かすことで、植毛21が、隅部に溜まった塵埃を掻き出すだけでなく、吸引力だけでは除去できない堆積してこびりついた塵埃も、機械的な植毛21により擦り除去される。
【0041】
また、植毛21を、第2吸込具10の先端吸気口16の上方先端に設けているため、隅部に植毛21が当たっているかどうかを目視確認でき、掃除を行いやすくしている。
【0042】
図5(b)に示すのは、壁際掃除であり、床面を滑らすようにして被掃除面を掃除する場合でも、略水平下方に植毛21が設けられているため、壁に当たると植毛21がたわみ、その植毛21の長さが床面に届くよりも長いため、壁と床の隅までも植毛21が届き、塵埃を擦りとることができ、壁に強く押し付けても、植毛21が第2吸込具10の樹脂部と壁の間に存在し、樹脂部が壁に当たることなく壁を傷つける心配もない。
【0043】
また、植毛21の長さは、床面に届くよりも長いため、フローリング等の目地にも植毛21が入り込んで、塵埃を掻き出すことができる。図5(c)は、従来の壁際掃除であり、第2吸込具10の前方の壁との間に起毛布14も届かない、吸引力だけで塵埃を除去するしかない状態を示している。
【0044】
以上のように本実施の形態における電気掃除機用吸込具によれば、ブラシ体18の植毛21を第2吸込具10の先端吸気口16の上方先端に設けることにより、今まで除去できなかった家具と家具の間で第1吸込具11が入らない場所でも、植毛21により吸引力では取れなかったこびりついた塵埃まで除去できるようになり、性能がよく、使い勝手のよい電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0045】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における電気掃除機用吸込具について、図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態における電気掃除機用吸込具の側面図である。なお、上記実施の形態1における電気掃除機用吸込具と同一部品については、同一符号を付してその説明を割愛する。
【0046】
本実施の形態における電気掃除機用吸込具は、図6に示すように、第2吸込具10の先端吸気口16の上方先端にブラシ体18が設けられると共に、植毛21を、床面に対して角度A°で、前下がり状に傾斜させたものである。角度A°は、30°から60°である。また、植毛21は、床面より長く構成されている。
【0047】
掃除機本体7に連通接続された延長管2の先端に吸込具3を取り付け、その吸込具3を被掃除面に置くと、吸引力により、植毛21が震動をおこし床面を叩き、塵埃を擦りとる。また、植毛21が、床面に届く長さより長いため、フローリングの目地に植毛21が入り込み、第2吸込具10を操作することによって、押す場合、植毛21の先端で塵埃を突っ張るようになるため、塵埃をこそぎ取ることができる。角度Aが、30°以下では、震動が起こらず、また、60°より大きいと植毛21が吸引力により、先端吸気口16に張り付いてしまい、塵埃を除去することができない。
【0048】
以上のように、本実施の形態における電気掃除機用吸込具によれば、植毛21を有したブラシ体18の床面との角度を30°から60°にすることにより、植毛21を、吸引力により震動させ被掃除面の塵埃を植毛21で叩き、擦り取ることができ、また、目地に入って除去しにくい塵埃もこそぎ取ることができ、性能がよく、使い勝手のよい電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0049】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3における電気掃除機用吸込具について、図7を用いて説明する。図7(a)は、本発明の実施の形態3における電気掃除機用吸込具の第2吸込具の断面図、図7(b)は、同第2吸込具による隅掃除の様子を示す図、図7(c)は、同第2吸込具による壁際掃除の様子を示す図である。なお、上記実施の形態における電気掃除機用吸込具と同一部品については、同一符号を付してその説明を割愛する。
【0050】
本実施の形態における電気掃除機用吸込具は、図7に示すように、第2吸込具10の先
端吸気口16に、植毛21を有したブラシ体18の回動軸33を回動自在に取り付けると共に、バネB32により、ブラシ体18を略水平下向きに付勢保持したものである。
【0051】
このブラシ体18の動作方向は、先端吸気口16内に動くようになっている。
【0052】
隅掃除をする場合は、図7(b)に示すように、ブラシ体18が略水平下向きに保持されている状態で隅部の掃除を行うことができ、ブラシ体18を横方向に動かしこびりついた吸引力だけでは取れない塵埃を擦りとる。
【0053】
また、壁際を掃除するときは、図7(c)に示すように、第2吸込具10を、被掃除面上に沿って動かし、植毛21が、壁に当たるとブラシ体18は、水平より下方を向いているため、回動軸33を中心に回動し、植毛21が、壁と床面の隅部に当たり、塵埃を掻き出すことができる。
【0054】
以上のように、本実施の形態における電気掃除機用吸込具によれば、第2吸込具10の先端吸気口16に、植毛21を有したブラシ体18を回動軸33を介して回動自在に設け、そのブラシ体18が略水平下向きに保持され、動作時にそのブラシ体18が先端吸気口16内に動くことで、ブラシ体18に無理な力をかけずにこびりついた吸引力だけではとれない塵埃を擦りとることができ、性能がよく、使い勝手のよい電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0055】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4における電気掃除機用吸込具について、図8を用いて説明する。図8(a)は、本実施の形態における電気掃除機用吸込具の第2吸込具の断面図であり、図8(b)は、同電気掃除機用吸込具の第1吸込具に第2吸込具を装着したときの断面図である。なお、上記実施の形態における電気掃除機用吸込具と同一部品については、同一符号を付してその説明を割愛する。
【0056】
本実施の形態における電気掃除機用吸込具は、図8に示すように、ブラシ体18を第2吸込具10に出没自在に設けると共に、バネ28で、ブラシ体18の植毛21が外部に突出するようにブラシ体18を付勢したものである。
【0057】
図8(b)では、植毛21を有したブラシ体18が、バネ28の付勢力に抗して、第2吸込具10内にバネ28を押し縮めるように装着され、外部からは見えないようになっている。図8(a)では、第2吸込具10を使う場合、第1吸込具11に装着されているときには押し縮められていたバネ28が延びて、ブラシ体18の植毛21が第2吸込具10の先端吸気口16の上部先端から出るように構成されており、こびりついた塵埃の除去についてはこの植毛21にて行うことができる。
【0058】
以上のように本実施の形態における電気掃除機用吸込具によれば、第2吸込具10を第1吸込具11から外して単体で使う場合だけ、ブラシ体18が出現し、吸引力だけでは除去できないこびりついた塵埃を除去し、第2吸込具10を第1吸込具11に装着した状態では、植毛21を有したブラシ体18が見えないので、性能も良く、見栄えも良い電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0059】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5における電気掃除機用吸込具について、図9を用いて説明する。図9は、本実施の形態における電気掃除機用吸込具の第2吸込具の側面図である。なお、上記実施の形態における電気掃除機用吸込具と同一部品については、同一符号を付してその説明を割愛する。
【0060】
本実施の形態における電気掃除機用吸込具は、図9に示すように、ブラシ体18の植毛21の株に軟質体のチューブ29をつけたものである。
【0061】
隅掃除等を行う場合、植毛21は、床面、家具を傷つけないように柔らかい材質を使っているが、軽く掃いただけで擦り取れる場合は問題ないが、取れにくい場合、力をかけて擦り取ろうとして、植毛21に折れ曲がる力が加わる。このため、軟質体のチューブ29を植毛21の株ごとに取り付けて、植毛21に力をかけようとしても、軟質体のチューブ29が、植毛21の1本1本にかかるのを1株全体で受け、かつ、軟質体のチューブ29が補強するようにしている。
【0062】
このため、植毛21の腰も強く、使い勝手が良く、初期の使用性を維持できる。また、塵埃が軟質体のチューブ29により止められ、植毛21のブラシ体18の根元まで入り込まず、植毛21からの塵埃の除去性がよい。
【0063】
以上のように本実施の形態により、ブラシ体18の植毛21に軟質体のチューブ29を設ける構成にすることで、軟質体のチューブ29が植毛21の変形を防ぎ、腰の強さを維持し、さらに植毛21についた塵埃を簡単に除去できるようにした電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0064】
また、電動送風機を内蔵した掃除機本体7と、上記実施の形態のいずれかに記載された吸込具3とを、ホース6で接続することにより、ブラシ体18の植毛21で被掃除面を掃いて、被掃除面に堆積してこびりついた塵埃を擦りとり、また、目地の中に植毛が入り、目地に入り込んだ塵埃を掻き出し、吸引力により除去することができ、性能がよく、使い勝手のよい電気掃除機を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上のように、本発明に係る電気掃除機用吸込具及び電気掃除機は、第1吸込具が入りこめない狭い場所においても、吸引力だけでは除去できなかったこびりついた塵埃を除去することができ、性能がよく、使い勝手がよいもので、一般家庭用の電気掃除機のみならず、産業用の電気掃除機にも広範囲に利用することができる。
【符号の説明】
【0066】
3 電気掃除機用吸込具(吸込具)
7 掃除機本体
10 第2吸込具
11 第1吸込具
16 先端吸気口
18 ブラシ体
21 植毛
23 吸込口
28 バネ
29 チューブ
32 バネB
33 回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面に設けた吸込口より被掃除面上の塵埃を吸引する第1吸込具と、同じく被掃除面上の塵埃を吸引する機能を有すると共に、前記第1吸込具に、上方から着脱自在に装着される第2吸込具とを備え、前記第2吸込具の先端吸気口の上方先端にブラシ体を設けた電気掃除機用吸込具。
【請求項2】
ブラシ体を被掃除面に対して略水平下方に設けると共に、前記ブラシ体の植毛が壁にあたり曲げられたときに、前記植毛の長さが、被掃除面に届く長さより長くした請求項1に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項3】
ブラシ体の被掃除面に対する角度を30度〜60度とすると共に、前記ブラシ体の植毛の長さを、少なくとも被掃除面に届く長さとした請求項1に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項4】
ブラシ体を第2吸込具の先端吸気口に回動自在に設け、前記ブラシ体を略水平方向に保持付勢するバネBを設け、前記ブラシ体に、前記第2吸込具の先端吸気口内方向の力がかかると、前記ブラシ体が前記先端吸気口内に回動自在に動き、前記ブラシ体が回動したときの植毛の長さが、被掃除面に届く長さより長い請求項1に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項5】
バネの付勢力に抗してブラシ体が第2吸込具内に収納され、前記第2吸込具が第1吸込具から外された際に、前記ブラシ体が、前記バネの付勢力により前記第2吸込具内から出ると共に、前記ブラシ体の植毛の長さを、被掃除面に届く長さより長くした請求項1に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項6】
ブラシ体の植毛の株に軟質体のチューブをつけた請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項7】
電動送風機を内蔵した掃除機本体と、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具と、前記掃除機本体と前記電気掃除機用吸込具とを連通するホースを備えた電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−94210(P2013−94210A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236869(P2011−236869)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】