説明

電気掃除機

【課題】電気掃除機本体の取っ手部を本体内に収納できる電気掃除の構成において、ハンドル部を利用時に内部からの排気が利用者の手にかからない、電気掃除機を提供する。
【解決手段】ハンドル17を使用時に、ハンドルを構成する部品であるハンドルストッパー20とセンターカバー7から構成されている案内筒部22の嵌合により、電気掃除機本体内に内蔵される電動送風機の排気が、案内筒部22を伝って利用者の手に当たることなく、利便性を高めた電気掃除機を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体ケースの上面から上方へ取っ手部を有する電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から電気掃除機の本体内に収納される取っ手部に関しては、電気掃除機使用時には取っ手部が、引き出し状態で保持できるものであった(例えば、特許文献1参照)。収納時に本体を小さくすることができ、デザイン性をよくすることができる。従来のこの種の掃除機について、図6を用いて説明する。電気掃除機を持ち上げて移動させる際に、使用者が握持部60を握ってこの握持部60を上方に変位させることにより、先ず、握持部60と一体に脚部67、67が上方へと変位し、所定位置までそのまま握持部60を上方変位させることによりローラ64、64が回転しつつその周端面に当接して、その周端面に当接部62、62が圧接する。また、これと同時に突起69、69の上面がストッパ片72、72と当接して握持部60の上方変位が規制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−39505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら前記従来の構成においては、取っ手部と本体内部が連通しており、取っ手部を持ち上げた場合に内部からの電動送風機の排気が漏れ、結果として電動送風機の排気が利用者の手に当たり利用者に不快感を与える課題を有していた。
【0005】
本発明は上記課題を解決するもので、掃除機本体内部に本体の取っ手部を収納することができるものであり、利用者に電気掃除機本体内の電動送風機から発せられる排気を利用者に不快感を与えることなく、電気掃除機本体の取っ手部を利用することができるので利用者に利便性を高めた電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記従来の課題を解決するために本発明は、吸引風を発する電動送風機と、塵埃を捕集する不織布を用いた集塵袋または集塵ボックスを内蔵する電気掃除機本体と、前記電気掃除機本体上方で上下に摺動する握持部と、前記電気掃除機本体内に、前記握持部の上下摺動を案内する筒状部位を設け、前記握持部使用時には、前記握持部と前記筒状部位とが当接する構成としたことを特徴とする電気掃除機で、電気掃除機本体内部の排気が握持部へ排出しない構成を有している。
【0007】
本構成によって、本体取っ手部を持ち上げた際に、本体内部の排気が握持部と本体上部を構成する部品により嵌合するので、電動送風機内部からの排気が握持部に漏れることがないので、利用者に不快な思いをさせることがない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、握持部収納時にデザイン性を保持し、握持部利用時に利便性の高い電気掃除機電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1における電気掃除機の全体斜視図
【図2】同電気掃除機の上面図
【図3】同電気掃除機の電気掃除機本体握持部収納時の要部断面図
【図4】同電気掃除機の電気掃除機本体握持部使用時の要部断面図
【図5】同電気掃除機の握持部の部分断面図
【図6】従来の発明の電気掃除機の本体握持部収納時の要部断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の発明は、吸引風を発する電動送風機と、塵埃を捕集する不織布を用いた集塵袋または集塵ボックスを内蔵する電気掃除機本体と、前記電気掃除機本体上方で上下に摺動する握持部と、前記電気掃除機本体内に、前記握持部の上下摺動を案内する筒状部位を設け、前記握持部使用時には、前記握持部と前記筒状部位とが当接する構成としたので、電動送風機から発せられる排気が握持部へ排出することがなく、握持部利用時に不快感なく利用できる。
【0011】
第2の発明は、特に、第1の発明の握持部を最上部まで引き上げた場合に、握持部が利用状態で保持されるので、握持部を再度上げる必要がなく、電気掃除機の使用中はいつでも握持部が使用できる状態であり、利便性がよい。
【0012】
第3の発明は、特に、第1の発明の握持部と電気掃除機本体内の筒状部位との当接する位置にパッキンを設けたもので、内部で発生する排気を内部に留めることが出来る。
【0013】
第4の発明は、特に第3の発明においてパッキンを筒状部位下端に設けたもので、握持部に設けた場合と比較して、部品の移動がないため、部品の落下等の心配をする必要がなく、また、握持部を組み立てる前にパッキンを貼ることが出来るため組み立て性が向上する。
【0014】
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態における電気掃除機について、図1〜5を用いて説明する。図1、2、3において、電気掃除機本体1は、本体下ケース2、本体上ケース3、電動送風機4を内蔵し、前部に、塵埃を捕集する集塵ボックス又は集塵袋(図示せず)を収納することができ、前記集塵ボックスまたは集塵袋を天面に開閉自在で集塵部カバー5が配され、集塵部カバー5は開閉操作用の取っ手部6を備えている。電動送風機4の上部にセンターカバー7、本体後部には、電気掃除機の電源コード9を備え、電源コード9の巻取り用ボタン8をセンターカバー7付近に設け、また電動送風機4から排出される排気を排出するリヤカバー13を配している。
【0015】
電気掃除機本体1の前部には、ホース(図示せず)の一端に設けた接続パイプ(図示せず)が着脱自在に接続される吸入口10が設けられている。また電気掃除機本体1の側面に、本体を床面上に置いた際の移動用の後輪12を備えている。ハンドル17は、電気掃除機本体1を持ち運ぶ際に使用する取っ手で、通常時は電気掃除機本体1内に収納されており、持ち運ぶ際には上へ引っ張り出すことで取っ手として利用される。また、センターカバー7には、本体内部側に、ハンドル17の上下の摺動動作を可能とする案内筒部22を有している。また、案内筒部22はハンドルストッパー20を係止するための切欠部24を備えている。
【0016】
ハンドル17は、製品の外観となるハンドルカバー18と、ハンドルの軸部分となるハンドル軸19、センターカバー7の案内筒部22と嵌合するためのフランジを周囲に設けたハンドルストッパー20、そしてそれらの3部品を共締めしているビス21から構成されている。また、ハンドルストッパー20は、突起部23を有しており、この突起部23
は案内筒部22の切欠き部24と係合するようになっている。また、案内筒部22の下端に接着されているのは、パッキン25で、このパッキン25はゴム等の軟質材から形成されている。
【0017】
上記構成による作用は以下の通りである。通常時には、ハンドル17は電気掃除機本体1の本体内に収納されており、凹部11内に位置する。一方、電気掃除機本体1を持ち上げて移動させる場合には、使用者がハンドル17を上方に変位させることにより、ハンドル17と一体にハンドル軸19とハンドルストッパー20が上方へ変位し、案内筒部22とハンドルストッパー20が当接する位置まで持ち上がる。そして当接することによりハンドル17の上方変位が規制される。
【0018】
このとき、電気掃除本体1の運転時であれば、電動送風機4の運転により発せられる排気が本体内部の隅々まで滞留している。通常であれば、案内筒部22を通過し本体内の排気がハンドル17へ流れ、その排気が利用者の手に当たり不快な思いをさせるが、ハンドル17を上方まで引き上げた本構成においてはハンドルストッパー20と案内筒部22が当接しているため、本体内部の排気が遮断されるので、電気掃除機本体1の内部の排気がハンドル17の周囲に流れ込むことはない。また、案内筒部22の下端に軟質材で構成されたパッキン24を設けた場合には、さらに密閉度が上がるため、排気の流れはほとんど遮断される。
【0019】
また、ハンドル17を最上方まで持ち上げ時には図4に示すように、ハンドルストッパー20の突起部23が案内筒部22の切欠部24と係合し、さらに突起部23のサイズを切欠部24より大きくすることで、ハンドル引上げ時に圧接させる関係となれば、ハンドル17は最上方で持ち上がった状態が維持される。従って、再び掃除機本体1を持ち上げて移動させる場合には、この上方変位状態にあるハンドル17を握る姿勢よりも低い姿勢、即ち、ハンドル17が凹部11内に位置しているときの姿勢まで低くする必要なく掃除機本体1の移動が可能になる。
【0020】
他方、掃除が終了して所定の場所に掃除機本体1を収納する場合等のようにハンドル17を上方変位させる必要がなくなった場合には、ハンドル17を軽く下方に押し下げることにより、ハンドルストッパー20と案内筒部22の圧接状態が解除され、この解除に伴って、ハンドル17は自重により下方へと変位して、凹部11内に収納される。
【産業上の利用可能性】
【0021】
以上のように、本発明にかかる電気掃除機は、簡便な手段により電気掃除機の握持部において、利用者に利便性を高めた電気掃除機を提供することが出来、各種家庭用、業務用電気掃除機等に広く適用できる。特に家庭、業務用等の電気掃除機に有用である。
【符号の説明】
【0022】
1 電気掃除機本体
4 電動送風機
7 センターカバー
18ハンドルカバー
19ハンドル軸
20ハンドルストッパー
22案内筒部
23突起部
24切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引風を発する電動送風機と、塵埃を捕集する不織布を用いた集塵袋または集塵ボックスを内蔵する電気掃除機本体と、前記電気掃除機本体上方で上下に摺動する握持部と、前記電気掃除機本体内に、前記握持部の上下摺動を案内する筒状部位を設け、前記握持部使用時には、前記握持部と前記筒状部位とが当接する構成としたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
握持部を最上方まで引き上げた状態に保持される保持部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
握持部と電気掃除機本体内の筒状部位とが当接する位置にパッキンを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
パッキンは筒状部位の下端に設けたことを特徴とする請求項3に記載の電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−67499(P2011−67499A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222228(P2009−222228)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】