電気掃除機
【課題】
アップライト型電気掃除機に加わる衝撃の緩和及び衝撃から保護すること。
【解決手段】
外郭を成すケースと、ケースの内部に設けられた電動送風機と、電動送風機の吸引力により吸引された塵埃を保持する集塵部を有するハンディ型掃除機と、ハンディ型掃除機を装着することによりアップライト型掃除機として使用可能にする支持体と有し、ケースには、外部から加わる衝撃から保護するための保護手段であると共に、ハンディ型掃除機を使用する際に使用者が握る部位である把持部が設け、支持体にケースを装着することによりアップライト型掃除機として使用可能にした状態において、把持部は、後ろ方向を向いてケースから突出するように電気掃除機を構成すれば良い。
アップライト型電気掃除機に加わる衝撃の緩和及び衝撃から保護すること。
【解決手段】
外郭を成すケースと、ケースの内部に設けられた電動送風機と、電動送風機の吸引力により吸引された塵埃を保持する集塵部を有するハンディ型掃除機と、ハンディ型掃除機を装着することによりアップライト型掃除機として使用可能にする支持体と有し、ケースには、外部から加わる衝撃から保護するための保護手段であると共に、ハンディ型掃除機を使用する際に使用者が握る部位である把持部が設け、支持体にケースを装着することによりアップライト型掃除機として使用可能にした状態において、把持部は、後ろ方向を向いてケースから突出するように電気掃除機を構成すれば良い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンディ型電気掃除機を支持体に装着することにより、アップライト型電気掃除機としても使用可能な電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、支持体にハンディ型電気掃除機を装着することにより、アップライト型電気掃除機として使用することができる電気掃除機がある。このような電気掃除機は、吸込口及び集塵室を有し電動送風機を内蔵するハンディ部分であるハンディ型掃除機と、そのハンディ型掃除機が収納される支持体から構成されている。
【0003】
この支持体は、一端には吸込口が形成された床ノズルを有し、他端には把時部を有すると共に、ハンディ型掃除機を収納する収容部を有する。そして、ハンディ型掃除機を収納部に収納した状態において、床ノズルからハンディ型掃除機の吸込口を介して、集塵室に連通されるように構成されている。
そして、支持体の収納部にハンディ型掃除機を収納した状態、或いは、ハンディ型掃除機単体にて使用した際には、吸込んだ塵埃を集塵室内に溜めるように構成されている。
【0004】
この支持体とハンディ型掃除機が分離可能な電気掃除機は、ハンディ型掃除機を支持体の収納部に収納した状態で支持体の把時部を把持し、アップライト型掃除機として使用して床ノズルから塵埃を吸込むように使用したり、或いは、ハンディ型掃除機として単独で使用したりできる構成となっている。
【0005】
そして、アップライト型掃除機として使用する場合、例えば、テーブル等のある下の床に床ノズルを差込み掃除すると、掃除機の前部分がテーブル等に衝突した場合、この衝撃でハンディ型掃除機と支持体との位置関係のズレが生じ通気漏れが発生したり、ハンディ型掃除機が支持体から脱落してしまったり、また、衝突時の衝撃により集塵室等に亀裂が生じ通気漏れ発生の虞があった。
【0006】
更に、この様なタイプの電気掃除機は、後方に傾けて使用する際、床面に沿って前方に押し出すばかりでなく、床面に沿って後方に引寄せて用いる場合もあり、電気掃除機の後方を障害物に衝突させてしまう虞がある。
そして、この衝撃で把持部から手が離れ、アップライト型掃除機を床面に落としてしまう虞があり、このような衝突や落下による衝撃によって、ハンディ型掃除機と支持体の位置関係がずれて通気漏れが発生したり、ハンディ型掃除機が支持体から脱落したり、集塵室や電動送風機が損傷したりする虞がある。
【0007】
一方、ハンディ型掃除機の単独で使用してテーブル等の天板上に沿って電気掃除機を移動させた掃除をしようとして天板上に置かれた花瓶等の置物に掃除機が衝突してしまい、この衝撃によって、集塵室や電動送風機が損傷する虞もあった。
【0008】
以上のような衝撃による問題点の解決するものとして、この衝撃に対する保護手段を電気掃除機の前後に設ける必要がある。
例えば、従来例として、ハンディ型掃除機の前部に保護手段を設け、収納部を支持体の後側に現れるように設け、収納部を保護手段が後向きなるようにハンディ型掃除機を収納可能に構成し、保護手段を前記ハンディ型掃除機の前部の長さ方向に設け、収納部が、ハンディ型掃除機を収納した際、保護手段の長さ方向が支持体の長さ方向に沿うようにも構成し、ハンディ型掃除機の吸込口から吸気路を介し前記集塵室へ連通しており、吸気路をほぼ直線状のパイプ状部により形成し、このパイプ状部をハンディ型掃除機の前部に設けると共に、パイプ状部の周囲に保護手段を設けたものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−206613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来技術の構成では、保護手段である支持体はパイプ形状であり、電気掃除機本体の幅に対して幅が狭い。従って、支持体と障害物とがずれて衝突した場合、障害物がハンディ掃除機の本体に接触してしまい、本体に衝撃が伝わってしまう、という課題があった。
【0011】
そこで本発明は、上記の課題を解決するためのものであり、アップライト型掃除機とハンディ型掃除機を兼用する電気掃除機において、本体が障害物に衝突した場合の衝撃の緩和及び衝撃から保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決する為には、外郭を成すケースと、該ケースの内部に設けられた電動送風機と、該電動送風機の吸引力により吸引された塵埃を保持する集塵部を有するハンディ型掃除機と、該ハンディ型掃除機を装着することによりアップライト型掃除機として使用可能にする支持体と有し、前記ケースには、外部から加わる衝撃から保護するための保護手段であると共に、ハンディ型掃除機を使用する際に使用者が握る部位である把持部が設けられ、前記支持体に前記ハンディ型掃除機を装着することによりアップライト型掃除機として使用可能にした状態において、前記把持部は、後ろ方向を向いて前記ケースから突出するように電気掃除機を構成すれば良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、支持体よりハンディ部分を取外しハンディ型掃除機として使用する場合は、掃除機を進める進行方向にある障害物と衝突した場合にも電動送風機が内蔵され重量の重い本体より突出した保護手段である第1把持部が先に衝突し保護ができる。
また、支持体にハンディ型掃除機本体を収納し、アップライト型掃除機として使用する場合は、進行方向にある障害物と衝突した際、支持体によりハンディ型掃除機本体を保護することができ、後方にある障害物と衝突した際には後向きの保護手段である第1把持部により、本体を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体の使用時の側面図
【図2】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体を支持体に取付けた状態の直立時の側面図
【図3】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体を支持体から外した時の側面図
【図4】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体を支持体に取付けた状態の直立時の背面図
【図5】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体を支持体に取付けた状態の直立時の背面図
【図6】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体を支持体に取付けた状態の直立時の斜視図
【図7】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体を支持体に取付けた状態の直立時の正面図
【図8】本発明の実施形態を示す床ノズル部の底面図
【図9】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体の前側ケースの斜視図
【図10】本発明の実施形態を示す支持本体後面部の斜視図
【図11】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体を支持体に取付けた状態の直立時の支持体の載置受け部の側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1〜図11を参照して本発明の実施の形態について説明する。
アップライト型掃除機25とハンディ型掃除機を兼用する本発明の電気掃除機は、ハンディ部であるハンディ型掃除機本体1と、このハンディ型掃除機本体1を着脱可能に収納する収納部2が形成された。
図1に示すように、ハンディ型掃除機本体1のケース26は、第1のケース26aと第2のケース26bが前後に合わさることにより形成されている。そして、ハンディ型掃除機本体1の外郭の下端を成す第2のケース26bには、塵埃を内部に取り込む開口である第1吸込口4が形成される。
【0016】
また、このハンディ型掃除機本体1の内部には、第1吸込口4に接続される第1通気路5と、この第1通気路5に接続される集塵室6が形成され、更に、塵埃を吸引する吸引力を生じさせる電動送風機7が設けえられている。
この集塵室6は、電動送風機7を介してハンディ型掃除機本体1の外部に吸引した空気を排出する排気路(図示せず)に接続されている。つまり、第1吸込口4から排気路に掛けて、塵埃を吸引するための風路が形成されている。
尚、集塵室6には、吸引した塵埃を濾過するフィルター(図示せず)が着脱自在に設けられている。
【0017】
次に、ハンディ型掃除機本体1の外郭を成すケース26には、このケース26の面から外方向へ突出した形状の使用者が握る握り部24が形成された第1把持部8が設けられている。
この第1把持部8は、第1のケース26aと一体に形成されており、一端を第1のケース26a中ほどの位置に接続し、他端を第1のケース26aの上部と接続することで、リング形状を成しており、ハンディ型掃除機本体1のケース26の面から外方向へ突出する部位に、握り部24が形成されている。
【0018】
つまり、図1を参照すると、第1把持部8の外面8aは、ケース26(第1のケース26a)の面より所定の量(Δd)だけ突出した位置となっている。
尚、ハンディ型掃除機本体1に対する第1把持部8の突出する方向は、ハンディ型掃除機として掃除に用いる場合において、掃除をする際の通常の掃除機の進行方向R1に向いて突出している。
【0019】
また、図9を参照すると、握り部24は、第1のケース26aとの接続位置まで断面形状が略U字形状に形成されており、その略U字形状底面の中心部から突出する補強用リブ27を配している。
つまり、第1把持部8を形成する外郭や補強用リブ27の突出方向は、ハンディ型掃除機本体1の前後方向と同一方向となっている。
更に、図5を参照すると、第1のケース26aには、電動送風機7を操作するスイッチ9と、ハンディ型掃除機本体1を支持体3に収納した場合にハンディ型掃除機本体1と支持体3との連結を保持する連結保持手段10が設けられている。
【0020】
次に、図3を参照すると、ハンディ型掃除機本体1を装着してアップライト型掃除機25として用いるための支持体3は、後方に向いて開口する側面形状が略L字形状の支持本体11と、この支持本体の下部に設けられる床ノズル17からなる。
この支持本体11は、前面部11Aと、ハンディ型掃除機本体1を収納した際に、このハンディ型掃除機本体1と対面する後面部11Bを有する。この前面部11Aは、前方に突出(湾曲)する平面断面形状が略円弧形状に構成されている。
また、支持本体11の上端部には、アップライト型掃除機25として使用する際の伸縮自在の第二把持部12を設けられており、この第二把持部12の上下には、電源供給をする電源コード(図示せず)を巻き付け保管可能としたフック13が設けられている。
【0021】
また、図10を参照すると、支持本体11の後面部11Bの下部には、ハンディ型掃除機本体1を載置する載置受け部14が形成されている。
この載置受け部14は、ハンディ型掃除機本体1が載置された際、第1吸込口4が挿入される接続口20が形成されており、ハンディ型掃除機本体1との対向面側は、ハンディ型掃除機本体1の載置面側の形状に略近似的になるよう凹面状となっている。
更に、この載置受け部14には、ハンディ型掃除機本体1の載置面を支持する複数の支持リブ28が、同心円状に突出して設けられているので、ハンディ型掃除機本体1の載置面側をほぼ全体に支持することができる。
【0022】
更に、図11を参照すると、載置受け部14に形成された接続口20の第1通気路5側には、シール部材15とそれを保持するシール部材保持手段29が設けられている。
このシール部材15のシール面30は、載置受け部14の表面上より突出し、ハンディ型掃除機本体1が支持体3へ収納する際に、第1吸込口4部と接触して通気の漏れを防止する構造となっている。
【0023】
尚、載置受け部14にハンディ型掃除機本体1が装着された状態において、第1把持部8の外側の端の位置は、アップライト型掃除機25の載置受け部14の下方部位の後方端部11Cより奥行き分(ΔD)後方へ位置している(図2参照)。
つまり、ハンディ型掃除機本体1を支持体に取り付けてアップライト型掃除機として用いる場合、第1把持部8は載置受け部14の下方部位の後方端部11Cより、掃除をする際の通常の掃除機の進行方向R2とは逆の方向にΔD分、突出している。
【0024】
また、図5を参照すると、支持本体11の横幅W1は、ハンディ型掃除機本体1の横幅W2より大きく形成されており、正面視からの場合にハンディ型掃除機本体が隠れるように構成されている。
従って、支持体3の収納部2にハンディ型掃除機本体1を収納した状態では、側面視で支持体3の後側端部11Cに対し、第1把持部8の方が後方に位置し、連結保持手段10にて支持体3を保持するように構成されている(図2参照)。
【0025】
次に、図2,図6,図8を参照すると、支持本体11の下端部には、床上の塵埃を吸込むための床ノズル17が設けられている。
この床ノズル17は、平面視形状が略T字形となっており、箱状のブラシケース19の下面前部には左右方向に開口された第2吸込口16が形成されている。
また、床ノズル17と支持本体11とは自在継ぎ手18を介して回動自在に接続され、第2吸込口16から第2通気路21、自在継ぎ手18を経て接続口20まで連通されている。
また、第2吸込口16の前方かつ各端部に前車輪22が形成され、ブラシケース19の後部左右側面から突出して後車輪23が形成されており、アップライト型掃除機25として床面掃除に使用の際の移動を円滑にしている。
【0026】
以上のように構成したアップライト掃除機25を用いて、机等の天板上等の被清掃面を掃除する場合、つまり、ハンディ型掃除機として使用する場合を説明する。
まず、支持体3からハンディ型掃除機本体1を分離して、第1把持部8の握り部24を握ることでハンディ型掃除機本体1を持ち、スイッチ9を操作することで電源コード(図示せず)から通電されて電動送風機7が作動する。
そして、電動送風機7が動作することで、ハンディ型掃除機本体1の内部へ吸引される吸引力が生じ、吸引された気流が、第1吸込口4から第1通気路を通り、集塵室6及び電動送風機7を通り、排気路(図示せず)を経て排出されるよう流れる。
【0027】
このように電動送風機7が作動中において、第1吸込口4を被清掃面に接触或いは少し浮かして、清掃面に沿って動かすようにハンディ型掃除機本体1を移動させることで、塵埃を含む気流が第1通気路5を経て前記集塵室6に流入し、塵埃のみフィルター(図示せず)により捕集され、塵埃が取り除かれた気流が前記電動送風機7を通過し、排気路(図示せず)を経て排出される。
【0028】
このように、ハンディ型掃除機本体1として使用して、机等の天板上等の被清掃面を掃除する場合、被清掃面上に置かれている障害物(たとえば本棚等)に、ハンディ型掃除機本体1が衝突する虞がある(図1参照)。
特に、ハンディ型掃除機本体1が本棚等障害物に衝突する場合、清掃面に沿って第1吸込口4を動かすので視線は第1吸込口4付近に向けるため、手で握る第1把持部8付近は視線が向かないので、衝突を起こし易くなる。
【0029】
この様な状況において本実施の形態の電気掃除機は、第1把持部8は、ハンディ型掃除機本体1の第1のケース26に対して一体に接続され、第1のケース26の前方方向へ向け突き出すように形成されている。つまり、ケース26の面より所定の量(Δd)だけ突出して第1把持部8が形成されている(図1参照)。
従って、このようにハンディ型掃除機本体1は構成されているので、ハンディ型掃除機として使用する際の前方からの接触による衝撃は、第1把持部8が受ける構造となっている。つまり、第1の把持部8が衝突による衝撃に対する保護手段となっている。
【0030】
これにより、第1把持部8の最外部と掃除機本体ケース26との間に距離(Δd)があることから、直接ケース26が衝撃を受けることなく、また、第1把持部8が接触した場合でも、ケース26が受ける衝撃が緩和され、集塵室6や電動送風機7への衝撃に伴う故障を減少させることができる。
更に、第1把持部8の中央部に長手方向に沿って補強用リブ27も形成しているため、第1把持部8の剛性がより強固であり、衝突による衝撃に耐えることができる。
【0031】
次に、アップライト掃除機25を用いて、机など障害物の下の床面等の清掃面を掃除する場合を説明する。机等の下の床面を等の被清掃面を掃除するには、支持体3にハンディ型掃除機本体1を収納した状態でアップライト型掃除機25として使用する。
まず、支持体3の収納部2に、ハンディ型掃除機本体1を載置する載置受け部14に配置された接続口20とハンディ型掃除機1の第1吸込口4を接続する。
【0032】
これにより、接続口20の開口周囲に設けられたシール部材15を前記ハンディ型掃除機本体1の重量により押され密着性が向上することでシール性も増すことになる。
また、載置受け部14は、ハンディ型掃除機本体1の載置面側形状と略近似凹形状となっているので、ハンディ型掃除機本体1が載置された際、案内となり位置ずれを押えることができ、ハンディ型掃除機1の連結保持手段10で保持することにより、確実な固定ができる。
【0033】
そして、使用者は、支持本体11上端に設けた第2把持部12を持ち、支持本体11の下端部に自在継ぎ手18を介した床ノズル17を被清掃面上に置き、スイッチ9を操作することで電源コード(図示せず)から通電されて電動送風機7が作動する。
そして、第二吸込口16から第二通気路21を介して接続口20を経て、ハンディ型掃除機本体1の第1吸込口4へ接続され、前記第1通気路5を介し、集塵室6及び電動送風機7を通り、排気路(図示せず)を経て排出されるように気流が流れる。
【0034】
このように電動送風機7作動中に、床ノズル17を清掃面に沿って動かすように支持体3を移動させることで、塵埃を含む気流が第二吸込口16から吸引され、集塵室6まで流入し、塵埃のみフィルター(図示せず)により捕集され、塵埃が取り除かれた気流が電動送風機7を通過し、排気路(図示せず)を経て外部へ排出される。
【0035】
このように、支持体3に前記ハンディ型掃除機本体1を収納した状態でアップライト型掃除機25として使用して、机等の下の床面等の清掃面を掃除する場合、清掃面上に置かれている障害物(例えば机等の天板等)に、アップライト型掃除機25が衝突する虞がある。
【0036】
これに対して、本実施の形態のように構成することで、アップライト型掃除機25として使用する場合、支持体本体11が衝撃を受けた際に変形することで衝撃を吸収し、ハンディ型掃除機本体への衝撃を緩和することができる。
特に、支持体3を構成する支持本体11の平面視形状が、略円弧状に形成されているので、いずれの方向からの衝突をして衝撃を受けても、衝撃を支持体本体11が分散して吸収することができるので、よりハンディ型掃除機本体への衝撃を緩和することができる。
【0037】
また、支持体3の載置受け部14は、ハンディ型掃除機本体1の載置側の先端の形状である略球状面に対応し、略近似凹球面形状に形成されている。
これにより、ハンディ型掃除機本体1を載置受け部14に載置した際、ハンディ型掃除機本体1の載置側の先端部は前記載置受け部14の略近似凹球面の端部の位置より入り込むことが可能な構成となっている。
【0038】
また、ハンディ型掃除機本体1の第1把持部8端部側は、連結保持手段10により、支持体3の載置受け部14へハンディ型掃除機本体1が収納された際に、保持可能に構成されている。
これにより、支持体3に対し、連結保持手段10による保持と、支持体3の載置受け部14に配置された接続口20とハンディ型掃除機1の第1吸込口4の接続による保持により、ハンディ型掃除機本体1の上下両端が固定できるため、衝撃によるハンディ型掃除機1と支持体3とののずれを抑制することができる。
【0039】
更に、第1吸込口4と接続口20との接続部に設けた前記シール部材15により、通気漏れも防止できる。
また、図5を参照すると、清掃面上の障害物とアップライト型掃除機25と衝突の位置にずれが生じた場合でも、支持体3の横幅W1がハンディ型掃除機本体1の横幅W2より大きく形成してあるので、障害物などがハンディ型掃除機本体1へ直接衝突することを防止することができる。
【0040】
また、アップライト型掃除機25としての使用で、清掃面中に掃除機25を後方へ引寄せる場合、掃除機25の後方側、つまり、ハンディ型掃除機本体1が搭載されている側を衝突させる虞がある。
また、衝突の衝撃や何らかの理由で、アップライト型掃除機25が後方に倒れた場合、アップライト型掃除機25の後方が被清掃面に衝突してしまう虞がある。
【0041】
これに対して本実施の形態は、図2を参照すると、第1把持部8の外側の端の位置は、アップライト型掃除機25の載置受け部14の下方部位の後方端部11Cより奥行き分(ΔD)後方へ位置している。
このように構成されているので、アップライト型掃除機25として使用する際に、掃除機を後方の障害物に接触させてリ、後方に倒してしまっても、障害物や清掃面に第1把持部8が衝突することになる。
【0042】
従って、第1把持部8はハンディ型掃除機本体1の第1のケース26に一体に接続されており、第1のケース26から突き出すように形成されていることから、第1把持部8の突出方向からの衝撃を受けることになる。
つまり、第1把持部8と掃除機本体との距離があるので、衝撃が緩和され、集塵室6や電動送風機7への衝撃に伴う故障を減少させることができる。
【0043】
また、第1把持部8は、中央部に長手方向に沿って補強用リブ27も形成しているため剛性がより強固となり、衝撃に耐えうることができる。
更に、ハンディ型掃除機本体1の第1把持部8を上記のように衝撃に対する保護手段として兼用したことにより、保護のための部品を新たに追加する必要がなく対衝撃保護機能を達成することができる。
【0044】
以上のように、本実施の形態の電気掃除機は、ハンディ型掃除機本体1のみを用いてハンディ型掃除機として用いる場合であっても、このハンディ型掃除機1を支持体3に取り付けてアップライト型掃除機として用いる場合であっても、同一の部材である第1の把持部8により、障害物との衝突などにより受ける衝撃を低減することができる。
つまり、ハンディ型掃除機本体1として用いる場合は、掃除の進行方向に対して前方からの衝撃、アップライト型掃除機本体として用いる場合は、掃除の進行方向に対して後方からの衝撃を低減することができる。
また、アップライト型掃除機として用いる場合、略円弧状に形成された支持体本体11によって、掃除の進行方向前方、又は、左右方向からの衝撃を緩和することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 ハンディ型掃除機本体、 2 収納部、 3 支持体、 4 第1吸込口、
5 第1通気路、 6 集塵室、 7 電動送風機、 8 第1把持部、8A 保護手段
11 支持本体、 12 第二把持部、 14 載置受け部、 15 シール部材、
16 第二吸込口、 17 床ノズル、 20 接続口、 22 握り部、
25 アップライト型掃除機
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンディ型電気掃除機を支持体に装着することにより、アップライト型電気掃除機としても使用可能な電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、支持体にハンディ型電気掃除機を装着することにより、アップライト型電気掃除機として使用することができる電気掃除機がある。このような電気掃除機は、吸込口及び集塵室を有し電動送風機を内蔵するハンディ部分であるハンディ型掃除機と、そのハンディ型掃除機が収納される支持体から構成されている。
【0003】
この支持体は、一端には吸込口が形成された床ノズルを有し、他端には把時部を有すると共に、ハンディ型掃除機を収納する収容部を有する。そして、ハンディ型掃除機を収納部に収納した状態において、床ノズルからハンディ型掃除機の吸込口を介して、集塵室に連通されるように構成されている。
そして、支持体の収納部にハンディ型掃除機を収納した状態、或いは、ハンディ型掃除機単体にて使用した際には、吸込んだ塵埃を集塵室内に溜めるように構成されている。
【0004】
この支持体とハンディ型掃除機が分離可能な電気掃除機は、ハンディ型掃除機を支持体の収納部に収納した状態で支持体の把時部を把持し、アップライト型掃除機として使用して床ノズルから塵埃を吸込むように使用したり、或いは、ハンディ型掃除機として単独で使用したりできる構成となっている。
【0005】
そして、アップライト型掃除機として使用する場合、例えば、テーブル等のある下の床に床ノズルを差込み掃除すると、掃除機の前部分がテーブル等に衝突した場合、この衝撃でハンディ型掃除機と支持体との位置関係のズレが生じ通気漏れが発生したり、ハンディ型掃除機が支持体から脱落してしまったり、また、衝突時の衝撃により集塵室等に亀裂が生じ通気漏れ発生の虞があった。
【0006】
更に、この様なタイプの電気掃除機は、後方に傾けて使用する際、床面に沿って前方に押し出すばかりでなく、床面に沿って後方に引寄せて用いる場合もあり、電気掃除機の後方を障害物に衝突させてしまう虞がある。
そして、この衝撃で把持部から手が離れ、アップライト型掃除機を床面に落としてしまう虞があり、このような衝突や落下による衝撃によって、ハンディ型掃除機と支持体の位置関係がずれて通気漏れが発生したり、ハンディ型掃除機が支持体から脱落したり、集塵室や電動送風機が損傷したりする虞がある。
【0007】
一方、ハンディ型掃除機の単独で使用してテーブル等の天板上に沿って電気掃除機を移動させた掃除をしようとして天板上に置かれた花瓶等の置物に掃除機が衝突してしまい、この衝撃によって、集塵室や電動送風機が損傷する虞もあった。
【0008】
以上のような衝撃による問題点の解決するものとして、この衝撃に対する保護手段を電気掃除機の前後に設ける必要がある。
例えば、従来例として、ハンディ型掃除機の前部に保護手段を設け、収納部を支持体の後側に現れるように設け、収納部を保護手段が後向きなるようにハンディ型掃除機を収納可能に構成し、保護手段を前記ハンディ型掃除機の前部の長さ方向に設け、収納部が、ハンディ型掃除機を収納した際、保護手段の長さ方向が支持体の長さ方向に沿うようにも構成し、ハンディ型掃除機の吸込口から吸気路を介し前記集塵室へ連通しており、吸気路をほぼ直線状のパイプ状部により形成し、このパイプ状部をハンディ型掃除機の前部に設けると共に、パイプ状部の周囲に保護手段を設けたものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−206613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来技術の構成では、保護手段である支持体はパイプ形状であり、電気掃除機本体の幅に対して幅が狭い。従って、支持体と障害物とがずれて衝突した場合、障害物がハンディ掃除機の本体に接触してしまい、本体に衝撃が伝わってしまう、という課題があった。
【0011】
そこで本発明は、上記の課題を解決するためのものであり、アップライト型掃除機とハンディ型掃除機を兼用する電気掃除機において、本体が障害物に衝突した場合の衝撃の緩和及び衝撃から保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決する為には、外郭を成すケースと、該ケースの内部に設けられた電動送風機と、該電動送風機の吸引力により吸引された塵埃を保持する集塵部を有するハンディ型掃除機と、該ハンディ型掃除機を装着することによりアップライト型掃除機として使用可能にする支持体と有し、前記ケースには、外部から加わる衝撃から保護するための保護手段であると共に、ハンディ型掃除機を使用する際に使用者が握る部位である把持部が設けられ、前記支持体に前記ハンディ型掃除機を装着することによりアップライト型掃除機として使用可能にした状態において、前記把持部は、後ろ方向を向いて前記ケースから突出するように電気掃除機を構成すれば良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、支持体よりハンディ部分を取外しハンディ型掃除機として使用する場合は、掃除機を進める進行方向にある障害物と衝突した場合にも電動送風機が内蔵され重量の重い本体より突出した保護手段である第1把持部が先に衝突し保護ができる。
また、支持体にハンディ型掃除機本体を収納し、アップライト型掃除機として使用する場合は、進行方向にある障害物と衝突した際、支持体によりハンディ型掃除機本体を保護することができ、後方にある障害物と衝突した際には後向きの保護手段である第1把持部により、本体を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体の使用時の側面図
【図2】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体を支持体に取付けた状態の直立時の側面図
【図3】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体を支持体から外した時の側面図
【図4】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体を支持体に取付けた状態の直立時の背面図
【図5】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体を支持体に取付けた状態の直立時の背面図
【図6】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体を支持体に取付けた状態の直立時の斜視図
【図7】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体を支持体に取付けた状態の直立時の正面図
【図8】本発明の実施形態を示す床ノズル部の底面図
【図9】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体の前側ケースの斜視図
【図10】本発明の実施形態を示す支持本体後面部の斜視図
【図11】本発明の実施形態を示すハンディ型掃除機本体を支持体に取付けた状態の直立時の支持体の載置受け部の側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1〜図11を参照して本発明の実施の形態について説明する。
アップライト型掃除機25とハンディ型掃除機を兼用する本発明の電気掃除機は、ハンディ部であるハンディ型掃除機本体1と、このハンディ型掃除機本体1を着脱可能に収納する収納部2が形成された。
図1に示すように、ハンディ型掃除機本体1のケース26は、第1のケース26aと第2のケース26bが前後に合わさることにより形成されている。そして、ハンディ型掃除機本体1の外郭の下端を成す第2のケース26bには、塵埃を内部に取り込む開口である第1吸込口4が形成される。
【0016】
また、このハンディ型掃除機本体1の内部には、第1吸込口4に接続される第1通気路5と、この第1通気路5に接続される集塵室6が形成され、更に、塵埃を吸引する吸引力を生じさせる電動送風機7が設けえられている。
この集塵室6は、電動送風機7を介してハンディ型掃除機本体1の外部に吸引した空気を排出する排気路(図示せず)に接続されている。つまり、第1吸込口4から排気路に掛けて、塵埃を吸引するための風路が形成されている。
尚、集塵室6には、吸引した塵埃を濾過するフィルター(図示せず)が着脱自在に設けられている。
【0017】
次に、ハンディ型掃除機本体1の外郭を成すケース26には、このケース26の面から外方向へ突出した形状の使用者が握る握り部24が形成された第1把持部8が設けられている。
この第1把持部8は、第1のケース26aと一体に形成されており、一端を第1のケース26a中ほどの位置に接続し、他端を第1のケース26aの上部と接続することで、リング形状を成しており、ハンディ型掃除機本体1のケース26の面から外方向へ突出する部位に、握り部24が形成されている。
【0018】
つまり、図1を参照すると、第1把持部8の外面8aは、ケース26(第1のケース26a)の面より所定の量(Δd)だけ突出した位置となっている。
尚、ハンディ型掃除機本体1に対する第1把持部8の突出する方向は、ハンディ型掃除機として掃除に用いる場合において、掃除をする際の通常の掃除機の進行方向R1に向いて突出している。
【0019】
また、図9を参照すると、握り部24は、第1のケース26aとの接続位置まで断面形状が略U字形状に形成されており、その略U字形状底面の中心部から突出する補強用リブ27を配している。
つまり、第1把持部8を形成する外郭や補強用リブ27の突出方向は、ハンディ型掃除機本体1の前後方向と同一方向となっている。
更に、図5を参照すると、第1のケース26aには、電動送風機7を操作するスイッチ9と、ハンディ型掃除機本体1を支持体3に収納した場合にハンディ型掃除機本体1と支持体3との連結を保持する連結保持手段10が設けられている。
【0020】
次に、図3を参照すると、ハンディ型掃除機本体1を装着してアップライト型掃除機25として用いるための支持体3は、後方に向いて開口する側面形状が略L字形状の支持本体11と、この支持本体の下部に設けられる床ノズル17からなる。
この支持本体11は、前面部11Aと、ハンディ型掃除機本体1を収納した際に、このハンディ型掃除機本体1と対面する後面部11Bを有する。この前面部11Aは、前方に突出(湾曲)する平面断面形状が略円弧形状に構成されている。
また、支持本体11の上端部には、アップライト型掃除機25として使用する際の伸縮自在の第二把持部12を設けられており、この第二把持部12の上下には、電源供給をする電源コード(図示せず)を巻き付け保管可能としたフック13が設けられている。
【0021】
また、図10を参照すると、支持本体11の後面部11Bの下部には、ハンディ型掃除機本体1を載置する載置受け部14が形成されている。
この載置受け部14は、ハンディ型掃除機本体1が載置された際、第1吸込口4が挿入される接続口20が形成されており、ハンディ型掃除機本体1との対向面側は、ハンディ型掃除機本体1の載置面側の形状に略近似的になるよう凹面状となっている。
更に、この載置受け部14には、ハンディ型掃除機本体1の載置面を支持する複数の支持リブ28が、同心円状に突出して設けられているので、ハンディ型掃除機本体1の載置面側をほぼ全体に支持することができる。
【0022】
更に、図11を参照すると、載置受け部14に形成された接続口20の第1通気路5側には、シール部材15とそれを保持するシール部材保持手段29が設けられている。
このシール部材15のシール面30は、載置受け部14の表面上より突出し、ハンディ型掃除機本体1が支持体3へ収納する際に、第1吸込口4部と接触して通気の漏れを防止する構造となっている。
【0023】
尚、載置受け部14にハンディ型掃除機本体1が装着された状態において、第1把持部8の外側の端の位置は、アップライト型掃除機25の載置受け部14の下方部位の後方端部11Cより奥行き分(ΔD)後方へ位置している(図2参照)。
つまり、ハンディ型掃除機本体1を支持体に取り付けてアップライト型掃除機として用いる場合、第1把持部8は載置受け部14の下方部位の後方端部11Cより、掃除をする際の通常の掃除機の進行方向R2とは逆の方向にΔD分、突出している。
【0024】
また、図5を参照すると、支持本体11の横幅W1は、ハンディ型掃除機本体1の横幅W2より大きく形成されており、正面視からの場合にハンディ型掃除機本体が隠れるように構成されている。
従って、支持体3の収納部2にハンディ型掃除機本体1を収納した状態では、側面視で支持体3の後側端部11Cに対し、第1把持部8の方が後方に位置し、連結保持手段10にて支持体3を保持するように構成されている(図2参照)。
【0025】
次に、図2,図6,図8を参照すると、支持本体11の下端部には、床上の塵埃を吸込むための床ノズル17が設けられている。
この床ノズル17は、平面視形状が略T字形となっており、箱状のブラシケース19の下面前部には左右方向に開口された第2吸込口16が形成されている。
また、床ノズル17と支持本体11とは自在継ぎ手18を介して回動自在に接続され、第2吸込口16から第2通気路21、自在継ぎ手18を経て接続口20まで連通されている。
また、第2吸込口16の前方かつ各端部に前車輪22が形成され、ブラシケース19の後部左右側面から突出して後車輪23が形成されており、アップライト型掃除機25として床面掃除に使用の際の移動を円滑にしている。
【0026】
以上のように構成したアップライト掃除機25を用いて、机等の天板上等の被清掃面を掃除する場合、つまり、ハンディ型掃除機として使用する場合を説明する。
まず、支持体3からハンディ型掃除機本体1を分離して、第1把持部8の握り部24を握ることでハンディ型掃除機本体1を持ち、スイッチ9を操作することで電源コード(図示せず)から通電されて電動送風機7が作動する。
そして、電動送風機7が動作することで、ハンディ型掃除機本体1の内部へ吸引される吸引力が生じ、吸引された気流が、第1吸込口4から第1通気路を通り、集塵室6及び電動送風機7を通り、排気路(図示せず)を経て排出されるよう流れる。
【0027】
このように電動送風機7が作動中において、第1吸込口4を被清掃面に接触或いは少し浮かして、清掃面に沿って動かすようにハンディ型掃除機本体1を移動させることで、塵埃を含む気流が第1通気路5を経て前記集塵室6に流入し、塵埃のみフィルター(図示せず)により捕集され、塵埃が取り除かれた気流が前記電動送風機7を通過し、排気路(図示せず)を経て排出される。
【0028】
このように、ハンディ型掃除機本体1として使用して、机等の天板上等の被清掃面を掃除する場合、被清掃面上に置かれている障害物(たとえば本棚等)に、ハンディ型掃除機本体1が衝突する虞がある(図1参照)。
特に、ハンディ型掃除機本体1が本棚等障害物に衝突する場合、清掃面に沿って第1吸込口4を動かすので視線は第1吸込口4付近に向けるため、手で握る第1把持部8付近は視線が向かないので、衝突を起こし易くなる。
【0029】
この様な状況において本実施の形態の電気掃除機は、第1把持部8は、ハンディ型掃除機本体1の第1のケース26に対して一体に接続され、第1のケース26の前方方向へ向け突き出すように形成されている。つまり、ケース26の面より所定の量(Δd)だけ突出して第1把持部8が形成されている(図1参照)。
従って、このようにハンディ型掃除機本体1は構成されているので、ハンディ型掃除機として使用する際の前方からの接触による衝撃は、第1把持部8が受ける構造となっている。つまり、第1の把持部8が衝突による衝撃に対する保護手段となっている。
【0030】
これにより、第1把持部8の最外部と掃除機本体ケース26との間に距離(Δd)があることから、直接ケース26が衝撃を受けることなく、また、第1把持部8が接触した場合でも、ケース26が受ける衝撃が緩和され、集塵室6や電動送風機7への衝撃に伴う故障を減少させることができる。
更に、第1把持部8の中央部に長手方向に沿って補強用リブ27も形成しているため、第1把持部8の剛性がより強固であり、衝突による衝撃に耐えることができる。
【0031】
次に、アップライト掃除機25を用いて、机など障害物の下の床面等の清掃面を掃除する場合を説明する。机等の下の床面を等の被清掃面を掃除するには、支持体3にハンディ型掃除機本体1を収納した状態でアップライト型掃除機25として使用する。
まず、支持体3の収納部2に、ハンディ型掃除機本体1を載置する載置受け部14に配置された接続口20とハンディ型掃除機1の第1吸込口4を接続する。
【0032】
これにより、接続口20の開口周囲に設けられたシール部材15を前記ハンディ型掃除機本体1の重量により押され密着性が向上することでシール性も増すことになる。
また、載置受け部14は、ハンディ型掃除機本体1の載置面側形状と略近似凹形状となっているので、ハンディ型掃除機本体1が載置された際、案内となり位置ずれを押えることができ、ハンディ型掃除機1の連結保持手段10で保持することにより、確実な固定ができる。
【0033】
そして、使用者は、支持本体11上端に設けた第2把持部12を持ち、支持本体11の下端部に自在継ぎ手18を介した床ノズル17を被清掃面上に置き、スイッチ9を操作することで電源コード(図示せず)から通電されて電動送風機7が作動する。
そして、第二吸込口16から第二通気路21を介して接続口20を経て、ハンディ型掃除機本体1の第1吸込口4へ接続され、前記第1通気路5を介し、集塵室6及び電動送風機7を通り、排気路(図示せず)を経て排出されるように気流が流れる。
【0034】
このように電動送風機7作動中に、床ノズル17を清掃面に沿って動かすように支持体3を移動させることで、塵埃を含む気流が第二吸込口16から吸引され、集塵室6まで流入し、塵埃のみフィルター(図示せず)により捕集され、塵埃が取り除かれた気流が電動送風機7を通過し、排気路(図示せず)を経て外部へ排出される。
【0035】
このように、支持体3に前記ハンディ型掃除機本体1を収納した状態でアップライト型掃除機25として使用して、机等の下の床面等の清掃面を掃除する場合、清掃面上に置かれている障害物(例えば机等の天板等)に、アップライト型掃除機25が衝突する虞がある。
【0036】
これに対して、本実施の形態のように構成することで、アップライト型掃除機25として使用する場合、支持体本体11が衝撃を受けた際に変形することで衝撃を吸収し、ハンディ型掃除機本体への衝撃を緩和することができる。
特に、支持体3を構成する支持本体11の平面視形状が、略円弧状に形成されているので、いずれの方向からの衝突をして衝撃を受けても、衝撃を支持体本体11が分散して吸収することができるので、よりハンディ型掃除機本体への衝撃を緩和することができる。
【0037】
また、支持体3の載置受け部14は、ハンディ型掃除機本体1の載置側の先端の形状である略球状面に対応し、略近似凹球面形状に形成されている。
これにより、ハンディ型掃除機本体1を載置受け部14に載置した際、ハンディ型掃除機本体1の載置側の先端部は前記載置受け部14の略近似凹球面の端部の位置より入り込むことが可能な構成となっている。
【0038】
また、ハンディ型掃除機本体1の第1把持部8端部側は、連結保持手段10により、支持体3の載置受け部14へハンディ型掃除機本体1が収納された際に、保持可能に構成されている。
これにより、支持体3に対し、連結保持手段10による保持と、支持体3の載置受け部14に配置された接続口20とハンディ型掃除機1の第1吸込口4の接続による保持により、ハンディ型掃除機本体1の上下両端が固定できるため、衝撃によるハンディ型掃除機1と支持体3とののずれを抑制することができる。
【0039】
更に、第1吸込口4と接続口20との接続部に設けた前記シール部材15により、通気漏れも防止できる。
また、図5を参照すると、清掃面上の障害物とアップライト型掃除機25と衝突の位置にずれが生じた場合でも、支持体3の横幅W1がハンディ型掃除機本体1の横幅W2より大きく形成してあるので、障害物などがハンディ型掃除機本体1へ直接衝突することを防止することができる。
【0040】
また、アップライト型掃除機25としての使用で、清掃面中に掃除機25を後方へ引寄せる場合、掃除機25の後方側、つまり、ハンディ型掃除機本体1が搭載されている側を衝突させる虞がある。
また、衝突の衝撃や何らかの理由で、アップライト型掃除機25が後方に倒れた場合、アップライト型掃除機25の後方が被清掃面に衝突してしまう虞がある。
【0041】
これに対して本実施の形態は、図2を参照すると、第1把持部8の外側の端の位置は、アップライト型掃除機25の載置受け部14の下方部位の後方端部11Cより奥行き分(ΔD)後方へ位置している。
このように構成されているので、アップライト型掃除機25として使用する際に、掃除機を後方の障害物に接触させてリ、後方に倒してしまっても、障害物や清掃面に第1把持部8が衝突することになる。
【0042】
従って、第1把持部8はハンディ型掃除機本体1の第1のケース26に一体に接続されており、第1のケース26から突き出すように形成されていることから、第1把持部8の突出方向からの衝撃を受けることになる。
つまり、第1把持部8と掃除機本体との距離があるので、衝撃が緩和され、集塵室6や電動送風機7への衝撃に伴う故障を減少させることができる。
【0043】
また、第1把持部8は、中央部に長手方向に沿って補強用リブ27も形成しているため剛性がより強固となり、衝撃に耐えうることができる。
更に、ハンディ型掃除機本体1の第1把持部8を上記のように衝撃に対する保護手段として兼用したことにより、保護のための部品を新たに追加する必要がなく対衝撃保護機能を達成することができる。
【0044】
以上のように、本実施の形態の電気掃除機は、ハンディ型掃除機本体1のみを用いてハンディ型掃除機として用いる場合であっても、このハンディ型掃除機1を支持体3に取り付けてアップライト型掃除機として用いる場合であっても、同一の部材である第1の把持部8により、障害物との衝突などにより受ける衝撃を低減することができる。
つまり、ハンディ型掃除機本体1として用いる場合は、掃除の進行方向に対して前方からの衝撃、アップライト型掃除機本体として用いる場合は、掃除の進行方向に対して後方からの衝撃を低減することができる。
また、アップライト型掃除機として用いる場合、略円弧状に形成された支持体本体11によって、掃除の進行方向前方、又は、左右方向からの衝撃を緩和することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 ハンディ型掃除機本体、 2 収納部、 3 支持体、 4 第1吸込口、
5 第1通気路、 6 集塵室、 7 電動送風機、 8 第1把持部、8A 保護手段
11 支持本体、 12 第二把持部、 14 載置受け部、 15 シール部材、
16 第二吸込口、 17 床ノズル、 20 接続口、 22 握り部、
25 アップライト型掃除機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外郭を成すケースと、該ケースの内部に設けられた電動送風機と、該電動送風機の吸引力により吸引された塵埃を保持する集塵部を有するハンディ型掃除機と、
該ハンディ型掃除機を装着することによりアップライト型掃除機として使用可能にする支持体と有し、
前記ケースには、外部から加わる衝撃から保護するための保護手段であると共に、前記ハンディ型掃除機を使用する際に使用者が握る部位である把持部が設けられ、
前記支持体に前記ハンディ型掃除機を装着することによりアップライト型掃除機として使用可能にした状態において、前記把持部は、後ろ方向を向いて前記ケースから突出していることを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
前記ハンディ型掃除機本体を前記支持体に装着した際に、前記把持部が前記支持体の後部より後方に位置することを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記ハンディ型掃除機本体を前記支持体に装着した状態において、前記支持体の横幅は前記ハンディ型掃除機本体の横幅と同一か又は広くしたことを特徴とする請求項1又は2記載のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項1】
外郭を成すケースと、該ケースの内部に設けられた電動送風機と、該電動送風機の吸引力により吸引された塵埃を保持する集塵部を有するハンディ型掃除機と、
該ハンディ型掃除機を装着することによりアップライト型掃除機として使用可能にする支持体と有し、
前記ケースには、外部から加わる衝撃から保護するための保護手段であると共に、前記ハンディ型掃除機を使用する際に使用者が握る部位である把持部が設けられ、
前記支持体に前記ハンディ型掃除機を装着することによりアップライト型掃除機として使用可能にした状態において、前記把持部は、後ろ方向を向いて前記ケースから突出していることを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
前記ハンディ型掃除機本体を前記支持体に装着した際に、前記把持部が前記支持体の後部より後方に位置することを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記ハンディ型掃除機本体を前記支持体に装着した状態において、前記支持体の横幅は前記ハンディ型掃除機本体の横幅と同一か又は広くしたことを特徴とする請求項1又は2記載のいずれかに記載の電気掃除機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−196249(P2012−196249A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60759(P2011−60759)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
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