電気接続箱
【課題】先細形状の接続端子を、接続操作性を損なうこと無しに、端子収容部内で安定的に位置決め保持することの出来る、新規な構造の電気接続箱を提供すること。
【解決手段】端子収容部14の内面20a〜20dに、接続端子56の挿入方向に延びる複数の外方リブ24a〜24eおよび側方リブ50a,50bを突出形成して、前記外方リブ24a〜24eの突出寸法を前記接続端子56の先端側に行くに連れて次第に大きくする一方、前記接続端子56を、一対の挟持片66,66の重ね合わせ方向の両外側から前記外方リブ24a〜24eで挟むと共に、重ね合わせ方向に直交する方向の両外側から前記側方リブ50a,50bで挟むことにより、前記接続端子56を前記端子収容部14内で位置決めするようにした。
【解決手段】端子収容部14の内面20a〜20dに、接続端子56の挿入方向に延びる複数の外方リブ24a〜24eおよび側方リブ50a,50bを突出形成して、前記外方リブ24a〜24eの突出寸法を前記接続端子56の先端側に行くに連れて次第に大きくする一方、前記接続端子56を、一対の挟持片66,66の重ね合わせ方向の両外側から前記外方リブ24a〜24eで挟むと共に、重ね合わせ方向に直交する方向の両外側から前記側方リブ50a,50bで挟むことにより、前記接続端子56を前記端子収容部14内で位置決めするようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続端子を挿入保持する端子収容部を備えた電気接続箱に係り、特に、先細形状の接続端子を挿入保持する電気接続箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
良く知られているように、リレーボックスやヒューズボックス等の電気接続箱には、リレーやヒューズ等の電気部品と接続する接続端子が設けられている。接続端子は、例えば特開2003−274538号公報(特許文献1)に記載されているように、電気接続箱に設けられた端子収容部に挿入されて保持されており、リレーやヒューズ等のタブ端子と接続されるようになっている。
【0003】
ところで、接続端子の形状としては様々なものが用いられており、例えば特開2008−34402号公報(特許文献2)には、先端部において互いに接近された一対の挟持片を有する接続端子が開示されている。このような接続端子は、一対の挟持片の間に電気部品のタブ端子が挿し込まれて、これら挟持片でタブ端子を挟むことにより、タブ端子と接続される。
【0004】
しかし、特許文献2に記載の接続端子は、一対の挟持片が先端側に向けて相互に接近されていることにより、先細形状を有している。それ故、端子収容部内への組み付け状態において、挟持片と端子収容部の内面との間に大きな隙間を生じてしまう。そして、この隙間に起因して、端子収容部内で接続端子のガタツキや位置ずれを生じてしまい、電気部品との接続信頼性を損なうおそれがあった。
【0005】
なお、先細形状の接続端子のガタツキを抑えるために、端子収容部の内部形状を接続端子に対応する先細形状とすることも考えられる。しかし、そのような構造では、電気部品を接続するに際して、挟持片が端子収容部の内面に接触して、十分な開き変形を許容できないことから、接続操作性を損なうおそれがある。また、接続端子を端子収容部内に組み付けるに際して、接続端子と端子収容部内面との擦れにより大きな挿入力が必要となって、組み付けの作業性を損なう。更に、端子収容部の内面を先細形状とするために成形が困難になると共に、端子収容部を窄ませる分だけ樹脂量の増加を招くという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−274538号公報
【特許文献2】特開2008−34402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、先細形状の接続端子を、接続操作性を損なうこと無しに、端子収容部内で安定的に位置決め保持することの出来る、新規な構造の電気接続箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様は、電気部品と接続される接続端子が端子収容部に挿入保持された電気接続箱において、前記接続端子は一対の挟持片が互いに接近して重ね合わされた先細形状を有しており、それら一対の挟持片の間で前記電気部品のタブ端子が挟まれるようになっている一方、前記端子収容部の内面には、前記接続端子の挿入方向に延びる複数の外方リブと複数の側方リブがそれぞれ突出形成されていると共に、前記外方リブの前記内面からの突出寸法が、該接続端子の挿入方向先端側に行くに連れて次第に大きくされており、前記接続端子が、前記複数の外方リブによって前記一対の挟持片の重ね合わせ方向の両外側から挟まれると共に、前記複数の側方リブによって前記一対の挟持片の重ね合せ方向に直交する両側方から挟まれることにより、前記接続端子が前記端子収容部内で位置決めされていることを、特徴とする。
【0009】
本発明によれば、端子収容部に収容された接続端子が、端子収容部の内面に設けられた外方リブと側方リブによって挟まれる。特に、外方リブの突出寸法は、先細形状を有する接続端子の挿入方向先端側に行くに連れて次第に大きくされている。これにより、接続端子の挟持片が端子収容部の内面から次第に離れるのに対応して、外方リブの突出寸法を次第に大きくして接続端子の先細形状に沿わせることが出来る。その結果、先細形状とされた接続端子でも、外方リブと側方リブで接続端子と端子収容部内面との隙間を小さくすることが出来て、端子収容部内でのガタツキを抑えて位置決めすることが出来る。更に、接続端子は、外方リブと側方リブによって、相互に直交する2方向から挟まれるようになっている。これにより、接続端子の回転方向のガタツキも有効に阻止することが可能とされている。
【0010】
そして、外方リブが接続端子の挟持片を開閉方向の両側から挟むことにより、電気部品の接続に際して要求される挟持片の開き変形量を確保しつつ、挟持片の過度の開き変形を阻止することが出来る。それと共に、側方リブが挟持片を開閉方向に直交する両側から挟むことにより、挟持片の開閉作動を阻害するおそれを低減しつつ、接続端子のガタツキを抑えることが出来る。その結果、接続端子の接続操作性を確保しつつ、端子収容部内で安定的に位置決め保持することが出来る。
【0011】
また、接続端子を端子収容部に挿入するに際して、外方リブと側方リブによって、接続端子の端子収容部に対する摺接面積が小さくされている。これにより、接続端子を小さな挿入力で端子収容部に容易に挿入しつつ、ガタツキを防止することが出来る。更に、端子収容部の内面から外方リブと側方リブを突出させるのみであることから、端子収容部の内面の全体を接続端子の先細形状に対応して窄ませる場合に比して、成形も容易であると共に樹脂量を削減することも出来る。
【0012】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記端子収容部の前記内面には、前記接続端子を係止する係止保持部が設けられており、該係止保持部と1つの前記外方リブとの間で前記接続端子が挟まれているものである。
【0013】
本態様によれば、係止保持部で接続端子を係止することによって、接続端子を端子収容部内で保持することが出来る。そして、係止保持部と反対側に外方リブを設けて、係止保持部と外方リブで接続端子を挟むことによって、接続端子を端子収容部内でより安定的に保持することが出来る。
【0014】
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に記載のものにおいて、前記外方リブが、その全長に亘って、前記側方リブよりも大きくされているものである。
【0015】
本態様によれば、接続端子の挟持片に対して、挟持片の開き方向では大きな外方リブによって過度の開き変形を安定的に阻止すると共に、挟持片の側方に対しては小さな側方リブによって開閉を阻害することなく、接続端子のガタツキを防止することが出来る。
【0016】
本発明の第四の態様は、前記第一〜第三の何れか1つの態様に記載のものにおいて、前記外方リブが前記接続端子の前記挟持片に面接触するようにされていると共に、前記内方リブが前記挟持片に点接触するようにされているものである。
【0017】
本態様によれば、外方リブを挟持片に面接触させることによって、挟持片の過大な開き変形をより有効に阻止することが出来る。それと共に、側方リブを挟持片に対して点接触させることにより、挟持片への接触面積を小さくして、挟持片の開き変形を阻害するおそれをより軽減することが出来る。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、端子収容部の内面に外方リブと側方リブを設け、外方リブは接続端子の先細形状に対応して突出寸法が接続端子の挿入方向先端側で次第に大きくなるようにした。そして、外方リブと側方リブで、接続端子を相互に直交する2方向から挟むようにした。これにより、接続端子を端子収容部内で安定的に位置決め保持することが出来る。更に、外方リブは挟持片を開閉方向の両側から挟むようにしたことによって、電気部品との接続に要する挟持片の開き変形量を確保しつつ、過度の開き変形を阻止することが出来る。それと共に、側方リブは挟持片を開閉方向に直交する方向の両側から挟むようにしたことによって、挟持片の開閉作動を阻害するおそれが低減されている。その結果、接続端子の接続操作性を確保しつつ、接続端子を位置決めすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態としての電気接続箱の上面図。
【図2】図1に示した電気接続箱に設けられた端子収容部の上面図。
【図3】図2に示した端子収容部の下面図。
【図4】図2におけるIV−IV断面図。
【図5】図2におけるV−V断面図。
【図6】図2に示した端子収容部に収容される接続端子の斜視図。
【図7】図6に示した接続端子の背面図。
【図8】図6に示した接続端子の側面図。
【図9】接続端子の挿入状態の図4に対応する断面図。
【図10】接続端子の挿入状態の図5に対応する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
先ず、図1に、本発明の一実施形態としての電気接続箱10を示す。電気接続箱10は、合成樹脂から形成された略矩形の箱体形状とされている。電気接続箱10には、図示しない電気部品としてのリレーが装着されるリレー装着部12が形成されている。リレー装着部12には、リレーに設けられたタブ端子と対応する位置に、端子収容部14が形成されている。
【0022】
図2〜図5に、端子収容部14を示す。端子収容部14は、電気接続箱10の厚さ方向(図4および図5中、上下方向)に延びると共に、電気接続箱10の表面16と裏面18に開口する貫通孔とされている。そして、端子収容部14の延出方向が、後述する接続端子56の挿入方向とされており、接続端子56が、裏面18から表面16に向けて挿入されるようになっている。端子収容部14は、内面20a〜20dを有する略矩形の貫通孔とされており、内面20a,20cが互いに対向すると共に、内面20b,20dが内面20a,20cの対向方向に直交して対向されている。
【0023】
図4に示すように、内面20aにおける表面16側には、端子収容部14の内方に向けて垂直に突出する段差面22が形成されている。これにより、端子収容部14の表面16側の開口寸法が小さくされている。そして、内面20aには、複数(本実施形態においては、図3に示すように、3つ)の外方リブ24a〜24cが一体形成されている。
【0024】
外方リブ24a〜24cは互いに同様の形状とされていることから、図4に示す外方リブ24bを例に説明する。外方リブ24bは、内面20aから突出する突条とされており、端子収容部14の延出方向(図4中、上下方向)で、内面20aの略中間部分から段差面22に亘る長さ寸法をもって、端子収容部14の延出方向に延びる直線形状とされている。外方リブ24bの内面20aからの突出高さ寸法は、後述する接続端子56の挿入方向の先端側となる段差面22に行くに連れて次第に大きくされている。また、図3に示すように、外方リブ24bの断面形状は、内面20aからの突出先端部が半円形状とされており、内面20aからの突出先端部の幅寸法が、内面20a側の幅寸法よりも小さくされた先細の断面形状とされている。更に、図5に示す、外方リブ24bと同様の形状とされた後述する外方リブ24d,24eから明らかなように、外方リブ24bは、裏面18側の先端部26において、裏面18側に行くに連れて幅寸法(図5中、左右方向寸法)が次第に小さくなる先細形状とされている。
【0025】
そして、図3に示したように、これら互いに同形状とされた外方リブ24a,24b,24cが、外方リブ24bを内面20aの幅方向(図3中、左右方向)の中央に位置すると共に、外方リブ24a,24cを、外方リブ24bから互いに等しい距離だけ離隔した外方リブ24bの両側に位置して形成されている。また、これら外方リブ24a,24b,24cは、電気接続箱10の厚さ方向(図4中、上下方向)で互いに等しい位置に形成されている。
【0026】
一方、図2や図4,図5から明らかなように、内面20b,20dからは、それぞれ、端子収容部14の内方に突出する突出壁部28a,28bが形成されている。図2に示すように、突出壁部28a,28bは、内面20b,20dから互いに接近するように突出されており、互いの突出端縁部が、上面視において、後述するランス34を挟むように離隔して位置されている。そして、突出壁部28a,28bにおける内面20aとの対向面によって、端子収容部14の内面20cが形成されている。
【0027】
これら突出壁部28a,28bの内面20cには、外方リブ24d,24eが一体形成されている。外方リブ24d,24eは、内面20aに形成された外方リブ24a〜24cと略同様の形状とされており、内面20cにおいて、突出壁部28a,28bの内面20b,20dからの突出先端縁部に形成されている。図4から明らかなように、外方リブ24d,24eは、端子収容部14の延出方向(図4中、上下方向)で外方リブ24a〜24cと等しい位置に形成されて、端子収容部14の延出方向に直線状に延び出されている。また、外方リブ24d,24eは、外方リブ24a〜24cと同様に、裏面18側の先端縁部から、後述する接続端子56の挿入方向で先端側となる表面16側に行くに連れて、内面20cからの突出寸法が次第に大きくされている。更に、外方リブ24d,24eは、端子収容部14の延出方向で内面20aの段差面22と等しい位置から、一定の断面形状をもって表面16まで連続して延び出されている。このような外方リブ24d,24eが、図3に示すように、内面20aの外方リブ24a,24cに対して、僅かに端子収容部14の外側に位置して対向位置されている。
【0028】
また、図4に示すように、これら突出壁部28a,28bの内面20cにおいて、裏面18側の端部には、裏面18に近づくに連れて内面20aから離隔する傾斜面30,30がそれぞれ形成されている。一方、内面20aにも同様の傾斜面32が形成されている。これら傾斜面30,32が端子収容部14における延出方向の等しい位置で対向されることにより、端子収容部14は、傾斜面30,32によって裏面18側が拡開されている。従って、内面20aと内面20cの離隔距離は、裏面18側から表面16側に行くに連れて、先ず傾斜面30,32で次第に小さくされた後に、傾斜面30,32から外方リブ24a〜24eに至るまでは略一定の離隔距離で延びると共に、更に外方リブ24a〜24eで次第に小さくなるようにされている。
【0029】
また、突出壁部28a,28bの間には、係止保持部としてのランス34が設けられている。ランス34の具体的形状としては、従来公知のものが適宜に採用可能である。本実施形態における端子収容部14には、内面20cよりも遠位で内面20aと対向する第二内面20eが形成されており、ランス34が、この第二内面20eから突出して形成されている。ランス34は、連結部36において第二内面20eから突出されると共に、連結部36から表面16側に延び出された板ばね部38を有している。板ばね部38は、連結部36から表面16側に行くに連れて内面20aに接近するように傾斜されている。
【0030】
そして、板ばね部38における連結部36からの突出端部に、内面20aに向けて突出する係止突部40が一体形成されている。係止突部40における裏面18側の面は、表面16側に行くに連れて板ばね部38からの突出寸法が次第に大きくなる傾斜案内面42とされている。一方、係止突部40における表面16側の面は、傾斜案内面42よりも緩やかな傾斜角度で該傾斜案内面42と同方向に傾斜する係止面44とされている。また、板ばね部38の突出先端縁部には、係止突部40から離隔するように傾斜する三角形状断面の操作片46が形成されている。そして、後述する接続端子56の係止状態において、必要に応じて表面16側から適当な工具等を差し込んで、操作片46を操作してランス34を第二内面20e側に接近させることによって、ランス34と接続端子56との係合状態を解除することが可能とされている。図3に示したように、このようなランス34が外方リブ24dと外方リブ24eの間に形成されていることによって、ランス34と外方リブ24bが対向位置されている。
【0031】
一方、図5に示すように、端子収容部14の内面20bと内面20dは、それぞれ、端子収容部14の全長に亘って略一定の平坦面とされている。図3から明らかなように、内面20bおよび内面20dには、それぞれ、一対の突出板部48a,48bが形成されており、これら突出板部48a,48bに、側方リブ50a,50bがそれぞれ突出形成されている。
【0032】
突出板部48a,48bは、内面20bと内面20dのそれぞれに形成されており、突出板部48aが内面20a側に、突出板部48bが内面20c側に位置されている。突出板部48a,48bは、内面20b、20dのそれぞれから互いに接近する方向に突出すると共に、端子収容部14の長さ方向に延びる板形状とされている。図5から明らかなように、これら突出板部48a,48bは、端子収容部14の延出方向において外方リブ24d,24eと同じ位置で、且つ外方リブ24d,24eと等しい長さをもって延び出されている。また、突出板部48a,48bの内面20b,20dからの突出寸法は、突出板部48a,48bの全長に亘って略一定とされている。なお、内面20b,20dのそれぞれにおいて、一対の突出板部48a,48bの間には溝部52が形成されており、これら突出板部48a,48bは、内面20aと内面20cの対向方向(図3中、上下方向)で互いに離隔して形成されている。
【0033】
そして、突出板部48a,48bのそれぞれに、側方リブ50a,50bが一体形成されている。側方リブ50a,50bは、端子収容部14の延出方向で突出板部48a,48bの全長に亘って延びる突条とされている。図3および図4に示すように、側方リブ50a,50bは、突出板部48a,48bの内面20b,20dからの突出端面において、他方の突出板部48a(48b)に近い側の端縁部に形成されている。なお、突出板部48aは、表面16側の端縁部が段差面22と接続されており、側方リブ50aは、表面16側の端縁部が、段差面22における内面20aからの突出端縁部と接続されている。
【0034】
これら側方リブ50a,50bは、略半円形状断面をもって突出板部48a、48bから突出されており、突出先端部の幅寸法(図3における上下方向寸法)が内面20b,20d側の幅寸法よりも小さくされた先細断面形状を有している。また、図4に示すように、側方リブ50a,50bは、裏面18側の先端部54において、裏面18に行くに連れて幅寸法が次第に小さくなる先細形状とされており、先端部54から略一定の断面形状をもって表面16側に延び出されている。
【0035】
図4および図5に示すように、側方リブ50a,50bおよび外方リブ24a〜24eは、裏面18側の端縁部が端子収容部14の延出方向(図4および図5中、上下方向)で何れも等しい位置に設定されている。また、図3や図5から明らかなように、外方リブ24a〜24eの断面積は、外方リブ24a〜24eの全長に亘って、端子収容部14の延出方向で等しい位置における側方リブ50a,50bの断面積よりも大きくされている。即ち、外方リブ24a〜24eは、全体として、側方リブ50a,50bよりも幅寸法および断面積において大きく形成されている。
【0036】
このような構造とされた端子収容部14には、例えば図6〜図8に示す接続端子56が挿入される。なお、接続端子としては従来公知のものが適宜に採用可能であることから、概略を説明するに留める。
【0037】
接続端子56は、電線58の端末に設けられており、突片状の電線かしめ部60がかしめられて電線58を挟むことにより電線58に固定されると共に、突片状の芯線かしめ部62がかしめられて芯線64を挟むことにより、芯線64と電気的に接続されている。
【0038】
接続端子56は、先端部65において一対の挟持片66,66を有している。挟持片66,66は、略一定の幅寸法(図7中、左右方向寸法)を有する略矩形平板形状とされている。挟持片66,66は、接続端子56の先端側(図8中、上方)に行くに連れて相互に接近されており、先端部分において互いに重ね合わされている。これにより、接続端子56の先端部65は、側面視(図8参照)において先細形状とされている。なお、挟持片66,66の先端縁部は屈曲されて互いに離隔されており、図示しないリレーのタブ端子を挟持片66,66間に容易に挿入可能とされている。なお、挟持片66,66は、例えば、プレス打ち抜き加工された銅板等の金属板が屈曲加工されることにより、電線かしめ部60や芯線かしめ部62と共に一体として形成されている。
【0039】
さらに、挟持片66,66を形成する金属板には、保持部材68が取り付けられている。保持部材68は、例えばプレス打ち抜き加工等されたステンレス鋼等の金属板が、挟持片66,66を形成する金属板に巻回されて組みつけられている。これにより、接続端子56には、挟持片66,66と芯線かしめ部62の間において、略矩形箱体形状の本体部70が形成されており、挟持片66,66は、本体部70から突出されている。なお、図7に示すように、挟持片66,66の幅寸法(図7中、左右方向寸法)は、本体部70の幅寸法よりも小さくされており、挟持片66の両側には、本体部70との間に段差部72,72が形成されている。また、本体部70の両側には、矩形の係合孔74,74がそれぞれ貫設されている。
【0040】
そして、保持部材68には、本体部70から突出する拡開阻止片76が設けられている。拡開阻止片76は、各挟持片66,66のそれぞれについて一対ずつ設けられており、挟持片66の幅方向両側で、挟持片66,66の重ね合わせ方向(図8における左右方向)の外側に位置されている。拡開阻止片76の本体部70からの突出先端縁部が、挟持片66側に屈曲されている。更に、保持部材68には、本体部70から突出して拡開阻止片76,76の間を延びる保持腕部78が、各挟持片66,66のそれぞれについて1つずつ設けられている。図8に示すように、保持腕部78の突出先端縁部は突出方向と反対側に折り返されており、挟持片66の先端縁部に係合されている。そして、拡開阻止片76が挟持片66に接触すると共に、保持腕部76が挟持片66に係合されていることにより、挟持片66,66の過度の開き変形が阻止されるようになっており、挟持片66,66の接続操作性が長期に亘って維持されるようになっている。
【0041】
このような構造とされた接続端子56が、図9および図10に示すように、挟持片66,66を挿入方向の前方にして、端子収容部14に裏面18側から挿入される。接続端子56が端子収容部14に挿入されることにより、ランス34の係止突部40が接続端子56に接触して、板ばね部38が第二内面20e側に付勢される。そして、更に接続端子56が挿し込まれて、ランス34の係止突部40が板ばね部38の弾性復元力で接続端子56の係合孔74に入り込むことにより、接続端子56がランス34で係止されて、端子収容部14内に収容状態で保持される。なお、係止突部40の傾斜案内面42が、接続端子56の挿し込み方向に傾斜されていることにより、板ばね部38の第二内面20e側への変形が容易に行なえるようになっている。また、係止突部40の係止面44が、接続端子56の抜け方向(図9中、下方)と反対方向に傾斜されていることにより、接続端子56を安定的に係止出来るようにされている。
【0042】
図9および図10に示すように、端子収容部14への収容状態で、接続端子56の先端部65は、外方リブ24a〜24eおよび側方リブ50a,50bで囲まれた領域内に収容される。これにより、一対の挟持片66,66は、互いに対向位置された外方リブ24aと外方リブ24e、および外方リブ24cと外方リブ24d(図3参照)によって、重ね合せ方向(図9中、左右方向)の両外側から挟まれる。更に本実施形態においては、ランス34と対向して外方リブ24bが設けられており、ランス34と外方リブ24bの間で接続端子56が挟まれる。そして、表面16側に行くに連れて挟持片66,66が内面20a,20cに対して次第に離隔するのに対応して、外方リブ24a〜24eが内面20a,20cから次第に突出されていることにより、挟持片66,66の内面20a,20cに対する隙間が埋められるようになっている。これにより、先端部65が、挟持片66,66の重ね合わせ方向(図9中、左右方向)で端子収容部14内で位置決めされる。また、ランス34によって接続端子56に及ぼされる付勢力をリブ24bで受けることによって、先端部65のガタツキがより有効に抑えられるようになっている。
【0043】
なお、接続端子56の本体部70は、端子収容部14の延出方向で、外方リブ24a〜24eおよび側方リブ50a,50bの形成部分と、傾斜面30,32の形成部分との間に位置されて、内面20a〜20dに対して略隙間無く収容されるようになっている。そして、図10に示したように、挟持片66,66と内面20b,20dとの隙間内に、突出板部48a,48bが入り込まされている。これにより、挟持片66,66は、重ね合わせ方向に直交する方向(図10中、左右方向)の両外側から、突出板部48a,48bに設けられた側方リブ50a,50bで挟まれるようになっている。その結果、先端部65が、挟持片66,66の重ね合わせ方向に直交する方向(図10中、左右方向)で端子収容部14内で位置決めされる。
【0044】
そして、図示しない電気部品としてのリレーのタブ端子が、端子収容部14内に表面16側から差し込まれることにより、挟持片66,66を押し広げつつ挟持片66,66の重ね合わせ面間に挿入される。そして、挟持片66,66の弾性復元力によって、リレーのタブ端子が挟持片66,66で挟まれることにより、接続端子56と電気的に接続される。
【0045】
本実施形態に従う構造とされた電気接続箱10によれば、端子収容部14に収容保持した接続端子56の先端部65が、外方リブ24a〜24eと側方リブ50a,50bによって、挟持片66,66の重ね合わせ方向と、重ね合わせ方向に直交する方向の2方向から挟まれて、端子収容部14内で位置決めされる。これにより、先端部65の端子収容部14内でのガタツキを抑えて、図示しないリレーのタブ端子の接続端子56への挿抜を安定的に行なうことが出来る。
【0046】
特に、図9および図10に示したように、挟持片66,66に対して開き方向の外側から接触する外方リブ24a〜24eは、挟持片66,66に対して面接触するようにされており、外方リブ24a〜24eの長さ方向で広い範囲に亘って挟持片66,66に接触するようにされている。これにより、挟持片66,66の過度の開き変形を外方リブ24a〜24eで安定的に阻止することが出来て、挟持片66,66の接続操作性をより長期に亘って確保することが出来る。特に本実施形態においては、接続端子56の拡開阻止片76に外方リブ24a,24c,24d,24eが接触するようにされており、拡開阻止片76と協働して、挟持片66,66の過度の開き変形をより有効に阻止しつつ、タブ端子の挟持力をより安定的に確保出来るようにされている。
【0047】
これに対して、図9から明らかなように、側方リブ50a,50bは、挟持片66,66と交差されており、挟持片66,66に対して点接触される。これにより、挟持片66,66への接触面積を小さくして、挟持片66,66の開閉操作への影響を可及的に低減しつつ、先端部65のガタツキ防止が図られている。
【0048】
また、外方リブ24a〜24eは、側方リブ50a,50bに比して大きく形成されている。これにより、大きな外方リブ24a〜24eで挟持片66,66の過度の開き変形を有効に阻止しつつ、小さな側方リブ50a,50bで挟持片66,66の操作性への影響を低減しつつガタツキが防止されている。更に、外方リブ24a〜24eおよび側方リブ50a,50bが何れも先細断面形状とされていることによって、タブ端子の接続に要する挟持片66,66の変形を許容しつつ、ガタツキの防止が図られている。
【0049】
更にまた、外方リブ24d,24eが突出壁部28a,28bに形成されていることによって、突出壁部28a,28bの或る程度の撓み変形も期待され得る。これにより、挟持片66,66の開き変形が外方リブ24d,24eで過度に阻止されるおそれを低減することが出来ると共に、突出壁部28a,28bの弾性復元力を用いて外方リブ24d,24eを挟持片66,66に接触させて、挟持片66,66の保持力をより安定的に確保することも期待され得る。
【0050】
また、内面20a〜20eと接続端子56との隙間を、外方リブ24a〜24eと側方リブ50a,50bで減少させたことによって、内面20a〜20eの全体を先端部65に対応する先細形状とする場合に比して、必要な樹脂量を削減することが出来る。そして、外方リブ24a〜24eと側方リブ50a,50bが接続端子56に接触することによって、接続端子56との接触面積も低減されることから、端子収容部14への挿入力も軽減することが出来る。特に外方リブ24a〜24eおよび側方リブ50a,50bが何れも先細断面形状とされていることによって、更なる挿入力の低減が図られている。また、本実施形態における端子収容部14は、裏面18側において傾斜面30,32で拡開されている。これにより、接続端子56を挿入するに際して、先ず傾斜面30,32で概略位置決めした後に、外方リブ24a〜24eと側方リブ50a,50bで更に高精度に位置決めすることが可能とされており、容易且つ確実な位置決めを行なうことが出来る。
【0051】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、外方リブや側方リブの具体的な形状や個数が、前記実施形態のものに限定されないことは勿論である。従って、挟持片を重ね合わせ方向の両側から挟む外方リブは、必ずしも一対が挟持片の重ね合わせ方向で対向して設けられる必要は無い。例えば前記実施形態において、外方リブ24aと外方リブ24c(図3参照)を廃止して、外方リブ24bと、外方リブ24dおよび外方リブ24eで挟持片66,66を挟む等しても良い。
【0052】
また、前記実施形態においては、外方リブ24d,24eが突出壁部28a,28bに形成されて、ランス34と異なる平面上に形成されていたが、外方リブ24d,24eとランス34を同一平面上に形成しても良い。
【0053】
更にまた、接続端子は、リレーが接続されるものに限定されることはない。例えば、ヒューズやヒュージブルリンク等、各種の電気部品が接続される接続端子が適宜に採用可能である。
【符号の説明】
【0054】
10:電気接続箱、14:端子収容部、20a〜d:内面、20e:第二内面、24a〜c:外方リブ(内面20a側)、24d,e:外方リブ(内面20c側)、34:ランス(係止保持部)、50a,b:側方リブ、56:接続端子、65:先端部、66:挟持片、70:本体部
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続端子を挿入保持する端子収容部を備えた電気接続箱に係り、特に、先細形状の接続端子を挿入保持する電気接続箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
良く知られているように、リレーボックスやヒューズボックス等の電気接続箱には、リレーやヒューズ等の電気部品と接続する接続端子が設けられている。接続端子は、例えば特開2003−274538号公報(特許文献1)に記載されているように、電気接続箱に設けられた端子収容部に挿入されて保持されており、リレーやヒューズ等のタブ端子と接続されるようになっている。
【0003】
ところで、接続端子の形状としては様々なものが用いられており、例えば特開2008−34402号公報(特許文献2)には、先端部において互いに接近された一対の挟持片を有する接続端子が開示されている。このような接続端子は、一対の挟持片の間に電気部品のタブ端子が挿し込まれて、これら挟持片でタブ端子を挟むことにより、タブ端子と接続される。
【0004】
しかし、特許文献2に記載の接続端子は、一対の挟持片が先端側に向けて相互に接近されていることにより、先細形状を有している。それ故、端子収容部内への組み付け状態において、挟持片と端子収容部の内面との間に大きな隙間を生じてしまう。そして、この隙間に起因して、端子収容部内で接続端子のガタツキや位置ずれを生じてしまい、電気部品との接続信頼性を損なうおそれがあった。
【0005】
なお、先細形状の接続端子のガタツキを抑えるために、端子収容部の内部形状を接続端子に対応する先細形状とすることも考えられる。しかし、そのような構造では、電気部品を接続するに際して、挟持片が端子収容部の内面に接触して、十分な開き変形を許容できないことから、接続操作性を損なうおそれがある。また、接続端子を端子収容部内に組み付けるに際して、接続端子と端子収容部内面との擦れにより大きな挿入力が必要となって、組み付けの作業性を損なう。更に、端子収容部の内面を先細形状とするために成形が困難になると共に、端子収容部を窄ませる分だけ樹脂量の増加を招くという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−274538号公報
【特許文献2】特開2008−34402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、先細形状の接続端子を、接続操作性を損なうこと無しに、端子収容部内で安定的に位置決め保持することの出来る、新規な構造の電気接続箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様は、電気部品と接続される接続端子が端子収容部に挿入保持された電気接続箱において、前記接続端子は一対の挟持片が互いに接近して重ね合わされた先細形状を有しており、それら一対の挟持片の間で前記電気部品のタブ端子が挟まれるようになっている一方、前記端子収容部の内面には、前記接続端子の挿入方向に延びる複数の外方リブと複数の側方リブがそれぞれ突出形成されていると共に、前記外方リブの前記内面からの突出寸法が、該接続端子の挿入方向先端側に行くに連れて次第に大きくされており、前記接続端子が、前記複数の外方リブによって前記一対の挟持片の重ね合わせ方向の両外側から挟まれると共に、前記複数の側方リブによって前記一対の挟持片の重ね合せ方向に直交する両側方から挟まれることにより、前記接続端子が前記端子収容部内で位置決めされていることを、特徴とする。
【0009】
本発明によれば、端子収容部に収容された接続端子が、端子収容部の内面に設けられた外方リブと側方リブによって挟まれる。特に、外方リブの突出寸法は、先細形状を有する接続端子の挿入方向先端側に行くに連れて次第に大きくされている。これにより、接続端子の挟持片が端子収容部の内面から次第に離れるのに対応して、外方リブの突出寸法を次第に大きくして接続端子の先細形状に沿わせることが出来る。その結果、先細形状とされた接続端子でも、外方リブと側方リブで接続端子と端子収容部内面との隙間を小さくすることが出来て、端子収容部内でのガタツキを抑えて位置決めすることが出来る。更に、接続端子は、外方リブと側方リブによって、相互に直交する2方向から挟まれるようになっている。これにより、接続端子の回転方向のガタツキも有効に阻止することが可能とされている。
【0010】
そして、外方リブが接続端子の挟持片を開閉方向の両側から挟むことにより、電気部品の接続に際して要求される挟持片の開き変形量を確保しつつ、挟持片の過度の開き変形を阻止することが出来る。それと共に、側方リブが挟持片を開閉方向に直交する両側から挟むことにより、挟持片の開閉作動を阻害するおそれを低減しつつ、接続端子のガタツキを抑えることが出来る。その結果、接続端子の接続操作性を確保しつつ、端子収容部内で安定的に位置決め保持することが出来る。
【0011】
また、接続端子を端子収容部に挿入するに際して、外方リブと側方リブによって、接続端子の端子収容部に対する摺接面積が小さくされている。これにより、接続端子を小さな挿入力で端子収容部に容易に挿入しつつ、ガタツキを防止することが出来る。更に、端子収容部の内面から外方リブと側方リブを突出させるのみであることから、端子収容部の内面の全体を接続端子の先細形状に対応して窄ませる場合に比して、成形も容易であると共に樹脂量を削減することも出来る。
【0012】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記端子収容部の前記内面には、前記接続端子を係止する係止保持部が設けられており、該係止保持部と1つの前記外方リブとの間で前記接続端子が挟まれているものである。
【0013】
本態様によれば、係止保持部で接続端子を係止することによって、接続端子を端子収容部内で保持することが出来る。そして、係止保持部と反対側に外方リブを設けて、係止保持部と外方リブで接続端子を挟むことによって、接続端子を端子収容部内でより安定的に保持することが出来る。
【0014】
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に記載のものにおいて、前記外方リブが、その全長に亘って、前記側方リブよりも大きくされているものである。
【0015】
本態様によれば、接続端子の挟持片に対して、挟持片の開き方向では大きな外方リブによって過度の開き変形を安定的に阻止すると共に、挟持片の側方に対しては小さな側方リブによって開閉を阻害することなく、接続端子のガタツキを防止することが出来る。
【0016】
本発明の第四の態様は、前記第一〜第三の何れか1つの態様に記載のものにおいて、前記外方リブが前記接続端子の前記挟持片に面接触するようにされていると共に、前記内方リブが前記挟持片に点接触するようにされているものである。
【0017】
本態様によれば、外方リブを挟持片に面接触させることによって、挟持片の過大な開き変形をより有効に阻止することが出来る。それと共に、側方リブを挟持片に対して点接触させることにより、挟持片への接触面積を小さくして、挟持片の開き変形を阻害するおそれをより軽減することが出来る。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、端子収容部の内面に外方リブと側方リブを設け、外方リブは接続端子の先細形状に対応して突出寸法が接続端子の挿入方向先端側で次第に大きくなるようにした。そして、外方リブと側方リブで、接続端子を相互に直交する2方向から挟むようにした。これにより、接続端子を端子収容部内で安定的に位置決め保持することが出来る。更に、外方リブは挟持片を開閉方向の両側から挟むようにしたことによって、電気部品との接続に要する挟持片の開き変形量を確保しつつ、過度の開き変形を阻止することが出来る。それと共に、側方リブは挟持片を開閉方向に直交する方向の両側から挟むようにしたことによって、挟持片の開閉作動を阻害するおそれが低減されている。その結果、接続端子の接続操作性を確保しつつ、接続端子を位置決めすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態としての電気接続箱の上面図。
【図2】図1に示した電気接続箱に設けられた端子収容部の上面図。
【図3】図2に示した端子収容部の下面図。
【図4】図2におけるIV−IV断面図。
【図5】図2におけるV−V断面図。
【図6】図2に示した端子収容部に収容される接続端子の斜視図。
【図7】図6に示した接続端子の背面図。
【図8】図6に示した接続端子の側面図。
【図9】接続端子の挿入状態の図4に対応する断面図。
【図10】接続端子の挿入状態の図5に対応する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
先ず、図1に、本発明の一実施形態としての電気接続箱10を示す。電気接続箱10は、合成樹脂から形成された略矩形の箱体形状とされている。電気接続箱10には、図示しない電気部品としてのリレーが装着されるリレー装着部12が形成されている。リレー装着部12には、リレーに設けられたタブ端子と対応する位置に、端子収容部14が形成されている。
【0022】
図2〜図5に、端子収容部14を示す。端子収容部14は、電気接続箱10の厚さ方向(図4および図5中、上下方向)に延びると共に、電気接続箱10の表面16と裏面18に開口する貫通孔とされている。そして、端子収容部14の延出方向が、後述する接続端子56の挿入方向とされており、接続端子56が、裏面18から表面16に向けて挿入されるようになっている。端子収容部14は、内面20a〜20dを有する略矩形の貫通孔とされており、内面20a,20cが互いに対向すると共に、内面20b,20dが内面20a,20cの対向方向に直交して対向されている。
【0023】
図4に示すように、内面20aにおける表面16側には、端子収容部14の内方に向けて垂直に突出する段差面22が形成されている。これにより、端子収容部14の表面16側の開口寸法が小さくされている。そして、内面20aには、複数(本実施形態においては、図3に示すように、3つ)の外方リブ24a〜24cが一体形成されている。
【0024】
外方リブ24a〜24cは互いに同様の形状とされていることから、図4に示す外方リブ24bを例に説明する。外方リブ24bは、内面20aから突出する突条とされており、端子収容部14の延出方向(図4中、上下方向)で、内面20aの略中間部分から段差面22に亘る長さ寸法をもって、端子収容部14の延出方向に延びる直線形状とされている。外方リブ24bの内面20aからの突出高さ寸法は、後述する接続端子56の挿入方向の先端側となる段差面22に行くに連れて次第に大きくされている。また、図3に示すように、外方リブ24bの断面形状は、内面20aからの突出先端部が半円形状とされており、内面20aからの突出先端部の幅寸法が、内面20a側の幅寸法よりも小さくされた先細の断面形状とされている。更に、図5に示す、外方リブ24bと同様の形状とされた後述する外方リブ24d,24eから明らかなように、外方リブ24bは、裏面18側の先端部26において、裏面18側に行くに連れて幅寸法(図5中、左右方向寸法)が次第に小さくなる先細形状とされている。
【0025】
そして、図3に示したように、これら互いに同形状とされた外方リブ24a,24b,24cが、外方リブ24bを内面20aの幅方向(図3中、左右方向)の中央に位置すると共に、外方リブ24a,24cを、外方リブ24bから互いに等しい距離だけ離隔した外方リブ24bの両側に位置して形成されている。また、これら外方リブ24a,24b,24cは、電気接続箱10の厚さ方向(図4中、上下方向)で互いに等しい位置に形成されている。
【0026】
一方、図2や図4,図5から明らかなように、内面20b,20dからは、それぞれ、端子収容部14の内方に突出する突出壁部28a,28bが形成されている。図2に示すように、突出壁部28a,28bは、内面20b,20dから互いに接近するように突出されており、互いの突出端縁部が、上面視において、後述するランス34を挟むように離隔して位置されている。そして、突出壁部28a,28bにおける内面20aとの対向面によって、端子収容部14の内面20cが形成されている。
【0027】
これら突出壁部28a,28bの内面20cには、外方リブ24d,24eが一体形成されている。外方リブ24d,24eは、内面20aに形成された外方リブ24a〜24cと略同様の形状とされており、内面20cにおいて、突出壁部28a,28bの内面20b,20dからの突出先端縁部に形成されている。図4から明らかなように、外方リブ24d,24eは、端子収容部14の延出方向(図4中、上下方向)で外方リブ24a〜24cと等しい位置に形成されて、端子収容部14の延出方向に直線状に延び出されている。また、外方リブ24d,24eは、外方リブ24a〜24cと同様に、裏面18側の先端縁部から、後述する接続端子56の挿入方向で先端側となる表面16側に行くに連れて、内面20cからの突出寸法が次第に大きくされている。更に、外方リブ24d,24eは、端子収容部14の延出方向で内面20aの段差面22と等しい位置から、一定の断面形状をもって表面16まで連続して延び出されている。このような外方リブ24d,24eが、図3に示すように、内面20aの外方リブ24a,24cに対して、僅かに端子収容部14の外側に位置して対向位置されている。
【0028】
また、図4に示すように、これら突出壁部28a,28bの内面20cにおいて、裏面18側の端部には、裏面18に近づくに連れて内面20aから離隔する傾斜面30,30がそれぞれ形成されている。一方、内面20aにも同様の傾斜面32が形成されている。これら傾斜面30,32が端子収容部14における延出方向の等しい位置で対向されることにより、端子収容部14は、傾斜面30,32によって裏面18側が拡開されている。従って、内面20aと内面20cの離隔距離は、裏面18側から表面16側に行くに連れて、先ず傾斜面30,32で次第に小さくされた後に、傾斜面30,32から外方リブ24a〜24eに至るまでは略一定の離隔距離で延びると共に、更に外方リブ24a〜24eで次第に小さくなるようにされている。
【0029】
また、突出壁部28a,28bの間には、係止保持部としてのランス34が設けられている。ランス34の具体的形状としては、従来公知のものが適宜に採用可能である。本実施形態における端子収容部14には、内面20cよりも遠位で内面20aと対向する第二内面20eが形成されており、ランス34が、この第二内面20eから突出して形成されている。ランス34は、連結部36において第二内面20eから突出されると共に、連結部36から表面16側に延び出された板ばね部38を有している。板ばね部38は、連結部36から表面16側に行くに連れて内面20aに接近するように傾斜されている。
【0030】
そして、板ばね部38における連結部36からの突出端部に、内面20aに向けて突出する係止突部40が一体形成されている。係止突部40における裏面18側の面は、表面16側に行くに連れて板ばね部38からの突出寸法が次第に大きくなる傾斜案内面42とされている。一方、係止突部40における表面16側の面は、傾斜案内面42よりも緩やかな傾斜角度で該傾斜案内面42と同方向に傾斜する係止面44とされている。また、板ばね部38の突出先端縁部には、係止突部40から離隔するように傾斜する三角形状断面の操作片46が形成されている。そして、後述する接続端子56の係止状態において、必要に応じて表面16側から適当な工具等を差し込んで、操作片46を操作してランス34を第二内面20e側に接近させることによって、ランス34と接続端子56との係合状態を解除することが可能とされている。図3に示したように、このようなランス34が外方リブ24dと外方リブ24eの間に形成されていることによって、ランス34と外方リブ24bが対向位置されている。
【0031】
一方、図5に示すように、端子収容部14の内面20bと内面20dは、それぞれ、端子収容部14の全長に亘って略一定の平坦面とされている。図3から明らかなように、内面20bおよび内面20dには、それぞれ、一対の突出板部48a,48bが形成されており、これら突出板部48a,48bに、側方リブ50a,50bがそれぞれ突出形成されている。
【0032】
突出板部48a,48bは、内面20bと内面20dのそれぞれに形成されており、突出板部48aが内面20a側に、突出板部48bが内面20c側に位置されている。突出板部48a,48bは、内面20b、20dのそれぞれから互いに接近する方向に突出すると共に、端子収容部14の長さ方向に延びる板形状とされている。図5から明らかなように、これら突出板部48a,48bは、端子収容部14の延出方向において外方リブ24d,24eと同じ位置で、且つ外方リブ24d,24eと等しい長さをもって延び出されている。また、突出板部48a,48bの内面20b,20dからの突出寸法は、突出板部48a,48bの全長に亘って略一定とされている。なお、内面20b,20dのそれぞれにおいて、一対の突出板部48a,48bの間には溝部52が形成されており、これら突出板部48a,48bは、内面20aと内面20cの対向方向(図3中、上下方向)で互いに離隔して形成されている。
【0033】
そして、突出板部48a,48bのそれぞれに、側方リブ50a,50bが一体形成されている。側方リブ50a,50bは、端子収容部14の延出方向で突出板部48a,48bの全長に亘って延びる突条とされている。図3および図4に示すように、側方リブ50a,50bは、突出板部48a,48bの内面20b,20dからの突出端面において、他方の突出板部48a(48b)に近い側の端縁部に形成されている。なお、突出板部48aは、表面16側の端縁部が段差面22と接続されており、側方リブ50aは、表面16側の端縁部が、段差面22における内面20aからの突出端縁部と接続されている。
【0034】
これら側方リブ50a,50bは、略半円形状断面をもって突出板部48a、48bから突出されており、突出先端部の幅寸法(図3における上下方向寸法)が内面20b,20d側の幅寸法よりも小さくされた先細断面形状を有している。また、図4に示すように、側方リブ50a,50bは、裏面18側の先端部54において、裏面18に行くに連れて幅寸法が次第に小さくなる先細形状とされており、先端部54から略一定の断面形状をもって表面16側に延び出されている。
【0035】
図4および図5に示すように、側方リブ50a,50bおよび外方リブ24a〜24eは、裏面18側の端縁部が端子収容部14の延出方向(図4および図5中、上下方向)で何れも等しい位置に設定されている。また、図3や図5から明らかなように、外方リブ24a〜24eの断面積は、外方リブ24a〜24eの全長に亘って、端子収容部14の延出方向で等しい位置における側方リブ50a,50bの断面積よりも大きくされている。即ち、外方リブ24a〜24eは、全体として、側方リブ50a,50bよりも幅寸法および断面積において大きく形成されている。
【0036】
このような構造とされた端子収容部14には、例えば図6〜図8に示す接続端子56が挿入される。なお、接続端子としては従来公知のものが適宜に採用可能であることから、概略を説明するに留める。
【0037】
接続端子56は、電線58の端末に設けられており、突片状の電線かしめ部60がかしめられて電線58を挟むことにより電線58に固定されると共に、突片状の芯線かしめ部62がかしめられて芯線64を挟むことにより、芯線64と電気的に接続されている。
【0038】
接続端子56は、先端部65において一対の挟持片66,66を有している。挟持片66,66は、略一定の幅寸法(図7中、左右方向寸法)を有する略矩形平板形状とされている。挟持片66,66は、接続端子56の先端側(図8中、上方)に行くに連れて相互に接近されており、先端部分において互いに重ね合わされている。これにより、接続端子56の先端部65は、側面視(図8参照)において先細形状とされている。なお、挟持片66,66の先端縁部は屈曲されて互いに離隔されており、図示しないリレーのタブ端子を挟持片66,66間に容易に挿入可能とされている。なお、挟持片66,66は、例えば、プレス打ち抜き加工された銅板等の金属板が屈曲加工されることにより、電線かしめ部60や芯線かしめ部62と共に一体として形成されている。
【0039】
さらに、挟持片66,66を形成する金属板には、保持部材68が取り付けられている。保持部材68は、例えばプレス打ち抜き加工等されたステンレス鋼等の金属板が、挟持片66,66を形成する金属板に巻回されて組みつけられている。これにより、接続端子56には、挟持片66,66と芯線かしめ部62の間において、略矩形箱体形状の本体部70が形成されており、挟持片66,66は、本体部70から突出されている。なお、図7に示すように、挟持片66,66の幅寸法(図7中、左右方向寸法)は、本体部70の幅寸法よりも小さくされており、挟持片66の両側には、本体部70との間に段差部72,72が形成されている。また、本体部70の両側には、矩形の係合孔74,74がそれぞれ貫設されている。
【0040】
そして、保持部材68には、本体部70から突出する拡開阻止片76が設けられている。拡開阻止片76は、各挟持片66,66のそれぞれについて一対ずつ設けられており、挟持片66の幅方向両側で、挟持片66,66の重ね合わせ方向(図8における左右方向)の外側に位置されている。拡開阻止片76の本体部70からの突出先端縁部が、挟持片66側に屈曲されている。更に、保持部材68には、本体部70から突出して拡開阻止片76,76の間を延びる保持腕部78が、各挟持片66,66のそれぞれについて1つずつ設けられている。図8に示すように、保持腕部78の突出先端縁部は突出方向と反対側に折り返されており、挟持片66の先端縁部に係合されている。そして、拡開阻止片76が挟持片66に接触すると共に、保持腕部76が挟持片66に係合されていることにより、挟持片66,66の過度の開き変形が阻止されるようになっており、挟持片66,66の接続操作性が長期に亘って維持されるようになっている。
【0041】
このような構造とされた接続端子56が、図9および図10に示すように、挟持片66,66を挿入方向の前方にして、端子収容部14に裏面18側から挿入される。接続端子56が端子収容部14に挿入されることにより、ランス34の係止突部40が接続端子56に接触して、板ばね部38が第二内面20e側に付勢される。そして、更に接続端子56が挿し込まれて、ランス34の係止突部40が板ばね部38の弾性復元力で接続端子56の係合孔74に入り込むことにより、接続端子56がランス34で係止されて、端子収容部14内に収容状態で保持される。なお、係止突部40の傾斜案内面42が、接続端子56の挿し込み方向に傾斜されていることにより、板ばね部38の第二内面20e側への変形が容易に行なえるようになっている。また、係止突部40の係止面44が、接続端子56の抜け方向(図9中、下方)と反対方向に傾斜されていることにより、接続端子56を安定的に係止出来るようにされている。
【0042】
図9および図10に示すように、端子収容部14への収容状態で、接続端子56の先端部65は、外方リブ24a〜24eおよび側方リブ50a,50bで囲まれた領域内に収容される。これにより、一対の挟持片66,66は、互いに対向位置された外方リブ24aと外方リブ24e、および外方リブ24cと外方リブ24d(図3参照)によって、重ね合せ方向(図9中、左右方向)の両外側から挟まれる。更に本実施形態においては、ランス34と対向して外方リブ24bが設けられており、ランス34と外方リブ24bの間で接続端子56が挟まれる。そして、表面16側に行くに連れて挟持片66,66が内面20a,20cに対して次第に離隔するのに対応して、外方リブ24a〜24eが内面20a,20cから次第に突出されていることにより、挟持片66,66の内面20a,20cに対する隙間が埋められるようになっている。これにより、先端部65が、挟持片66,66の重ね合わせ方向(図9中、左右方向)で端子収容部14内で位置決めされる。また、ランス34によって接続端子56に及ぼされる付勢力をリブ24bで受けることによって、先端部65のガタツキがより有効に抑えられるようになっている。
【0043】
なお、接続端子56の本体部70は、端子収容部14の延出方向で、外方リブ24a〜24eおよび側方リブ50a,50bの形成部分と、傾斜面30,32の形成部分との間に位置されて、内面20a〜20dに対して略隙間無く収容されるようになっている。そして、図10に示したように、挟持片66,66と内面20b,20dとの隙間内に、突出板部48a,48bが入り込まされている。これにより、挟持片66,66は、重ね合わせ方向に直交する方向(図10中、左右方向)の両外側から、突出板部48a,48bに設けられた側方リブ50a,50bで挟まれるようになっている。その結果、先端部65が、挟持片66,66の重ね合わせ方向に直交する方向(図10中、左右方向)で端子収容部14内で位置決めされる。
【0044】
そして、図示しない電気部品としてのリレーのタブ端子が、端子収容部14内に表面16側から差し込まれることにより、挟持片66,66を押し広げつつ挟持片66,66の重ね合わせ面間に挿入される。そして、挟持片66,66の弾性復元力によって、リレーのタブ端子が挟持片66,66で挟まれることにより、接続端子56と電気的に接続される。
【0045】
本実施形態に従う構造とされた電気接続箱10によれば、端子収容部14に収容保持した接続端子56の先端部65が、外方リブ24a〜24eと側方リブ50a,50bによって、挟持片66,66の重ね合わせ方向と、重ね合わせ方向に直交する方向の2方向から挟まれて、端子収容部14内で位置決めされる。これにより、先端部65の端子収容部14内でのガタツキを抑えて、図示しないリレーのタブ端子の接続端子56への挿抜を安定的に行なうことが出来る。
【0046】
特に、図9および図10に示したように、挟持片66,66に対して開き方向の外側から接触する外方リブ24a〜24eは、挟持片66,66に対して面接触するようにされており、外方リブ24a〜24eの長さ方向で広い範囲に亘って挟持片66,66に接触するようにされている。これにより、挟持片66,66の過度の開き変形を外方リブ24a〜24eで安定的に阻止することが出来て、挟持片66,66の接続操作性をより長期に亘って確保することが出来る。特に本実施形態においては、接続端子56の拡開阻止片76に外方リブ24a,24c,24d,24eが接触するようにされており、拡開阻止片76と協働して、挟持片66,66の過度の開き変形をより有効に阻止しつつ、タブ端子の挟持力をより安定的に確保出来るようにされている。
【0047】
これに対して、図9から明らかなように、側方リブ50a,50bは、挟持片66,66と交差されており、挟持片66,66に対して点接触される。これにより、挟持片66,66への接触面積を小さくして、挟持片66,66の開閉操作への影響を可及的に低減しつつ、先端部65のガタツキ防止が図られている。
【0048】
また、外方リブ24a〜24eは、側方リブ50a,50bに比して大きく形成されている。これにより、大きな外方リブ24a〜24eで挟持片66,66の過度の開き変形を有効に阻止しつつ、小さな側方リブ50a,50bで挟持片66,66の操作性への影響を低減しつつガタツキが防止されている。更に、外方リブ24a〜24eおよび側方リブ50a,50bが何れも先細断面形状とされていることによって、タブ端子の接続に要する挟持片66,66の変形を許容しつつ、ガタツキの防止が図られている。
【0049】
更にまた、外方リブ24d,24eが突出壁部28a,28bに形成されていることによって、突出壁部28a,28bの或る程度の撓み変形も期待され得る。これにより、挟持片66,66の開き変形が外方リブ24d,24eで過度に阻止されるおそれを低減することが出来ると共に、突出壁部28a,28bの弾性復元力を用いて外方リブ24d,24eを挟持片66,66に接触させて、挟持片66,66の保持力をより安定的に確保することも期待され得る。
【0050】
また、内面20a〜20eと接続端子56との隙間を、外方リブ24a〜24eと側方リブ50a,50bで減少させたことによって、内面20a〜20eの全体を先端部65に対応する先細形状とする場合に比して、必要な樹脂量を削減することが出来る。そして、外方リブ24a〜24eと側方リブ50a,50bが接続端子56に接触することによって、接続端子56との接触面積も低減されることから、端子収容部14への挿入力も軽減することが出来る。特に外方リブ24a〜24eおよび側方リブ50a,50bが何れも先細断面形状とされていることによって、更なる挿入力の低減が図られている。また、本実施形態における端子収容部14は、裏面18側において傾斜面30,32で拡開されている。これにより、接続端子56を挿入するに際して、先ず傾斜面30,32で概略位置決めした後に、外方リブ24a〜24eと側方リブ50a,50bで更に高精度に位置決めすることが可能とされており、容易且つ確実な位置決めを行なうことが出来る。
【0051】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、外方リブや側方リブの具体的な形状や個数が、前記実施形態のものに限定されないことは勿論である。従って、挟持片を重ね合わせ方向の両側から挟む外方リブは、必ずしも一対が挟持片の重ね合わせ方向で対向して設けられる必要は無い。例えば前記実施形態において、外方リブ24aと外方リブ24c(図3参照)を廃止して、外方リブ24bと、外方リブ24dおよび外方リブ24eで挟持片66,66を挟む等しても良い。
【0052】
また、前記実施形態においては、外方リブ24d,24eが突出壁部28a,28bに形成されて、ランス34と異なる平面上に形成されていたが、外方リブ24d,24eとランス34を同一平面上に形成しても良い。
【0053】
更にまた、接続端子は、リレーが接続されるものに限定されることはない。例えば、ヒューズやヒュージブルリンク等、各種の電気部品が接続される接続端子が適宜に採用可能である。
【符号の説明】
【0054】
10:電気接続箱、14:端子収容部、20a〜d:内面、20e:第二内面、24a〜c:外方リブ(内面20a側)、24d,e:外方リブ(内面20c側)、34:ランス(係止保持部)、50a,b:側方リブ、56:接続端子、65:先端部、66:挟持片、70:本体部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品と接続される接続端子が端子収容部に挿入保持された電気接続箱において、
前記接続端子は一対の挟持片が互いに接近して重ね合わされた先細形状を有しており、それら一対の挟持片の間で前記電気部品のタブ端子が挟まれるようになっている一方、
前記端子収容部の内面には、前記接続端子の挿入方向に延びる複数の外方リブと複数の側方リブがそれぞれ突出形成されていると共に、前記外方リブの前記内面からの突出寸法が、該接続端子の挿入方向先端側に行くに連れて次第に大きくされており、
前記接続端子が、前記複数の外方リブによって前記一対の挟持片の重ね合わせ方向の両外側から挟まれると共に、前記複数の側方リブによって前記一対の挟持片の重ね合せ方向に直交する両側方から挟まれることにより、
前記接続端子が前記端子収容部内で位置決めされている
ことを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
前記端子収容部の前記内面には、前記接続端子を係止する係止保持部が設けられており、該係止保持部と1つの前記外方リブとの間で前記接続端子が挟まれている
請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記外方リブが、その全長に亘って、前記側方リブよりも大きくされている
請求項1又は2に記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記外方リブが前記接続端子の前記挟持片に面接触するようにされていると共に、前記内方リブが前記挟持片に点接触するようにされている
請求項1〜3の何れか1項に記載の電気接続箱。
【請求項1】
電気部品と接続される接続端子が端子収容部に挿入保持された電気接続箱において、
前記接続端子は一対の挟持片が互いに接近して重ね合わされた先細形状を有しており、それら一対の挟持片の間で前記電気部品のタブ端子が挟まれるようになっている一方、
前記端子収容部の内面には、前記接続端子の挿入方向に延びる複数の外方リブと複数の側方リブがそれぞれ突出形成されていると共に、前記外方リブの前記内面からの突出寸法が、該接続端子の挿入方向先端側に行くに連れて次第に大きくされており、
前記接続端子が、前記複数の外方リブによって前記一対の挟持片の重ね合わせ方向の両外側から挟まれると共に、前記複数の側方リブによって前記一対の挟持片の重ね合せ方向に直交する両側方から挟まれることにより、
前記接続端子が前記端子収容部内で位置決めされている
ことを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
前記端子収容部の前記内面には、前記接続端子を係止する係止保持部が設けられており、該係止保持部と1つの前記外方リブとの間で前記接続端子が挟まれている
請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記外方リブが、その全長に亘って、前記側方リブよりも大きくされている
請求項1又は2に記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記外方リブが前記接続端子の前記挟持片に面接触するようにされていると共に、前記内方リブが前記挟持片に点接触するようにされている
請求項1〜3の何れか1項に記載の電気接続箱。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−94381(P2012−94381A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240915(P2010−240915)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]