説明

電気接続箱

【課題】少ない構成部材で水抜穴からのケース内部への水の浸入を有利に防止することができる、新規な構造の電気接続箱を提供すること。
【解決手段】ケース12の壁部14を貫通する水抜穴30と、該ケース12の外方から該水抜穴30を覆う外方遮蔽壁36とを形成し、これら水抜穴30と外方遮蔽壁36の隙間に側方開口部38aを形成する一方、該ケース12から突出する支持脚部18を設けると共に、該水抜穴30を該支持脚部18の近傍に位置して、該支持脚部18によって該側方開口部38aを側方から覆う側方遮蔽壁26aを構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に搭載される電気接続箱に係り、特に、ケース内部に浸入した水を排出するための水抜穴を備えた電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のエンジンルーム等には、バッテリーからの電源を各種電装品に分岐配電するために、リレーボックス、ヒューズボックス等の電気接続箱が搭載されている。この電気接続箱は、ケースの内部にリレーやヒューズ等の電気部品やプリント基板等の通電回路が収容された構造とされていることから、ケース内部に水が浸入した場合は、漏電や短絡の問題を生じるおそれがある。このような問題を回避するために、ケースの底壁部に水抜穴を設け、ケース内部に浸入した水の速やかな排水が行われるようにした電気接続箱が、従来から広く用いられている。
【0003】
ところで、このような水抜穴を備えた電気接続箱においては、雨中走行時や洗車時等に跳ね上げられた水が、電気接続箱の底壁部の水抜穴から、逆に電気接続箱の内部に浸入するおそれがあった。そこで、特許文献1(特開平11−266516号公報)には、ケースの底壁部に貫設された水抜穴をケース外方から覆う外方遮蔽壁を設け、この外方遮蔽壁を水抜穴の周囲からケース外方に向かって突出する壁状の支持部により水抜穴の外方に離隔して支持すると共に、水抜穴の周囲に離隔して全周に亘って水抜穴を側方から囲う防水壁をケースから外方に突設させた構造が提案されている。
【0004】
特許文献1に記載の構造によれば、電気接続箱のケース内部に浸入した水は、支持部が設けられていない水抜穴と外方遮蔽壁との隙間で構成された側方開口部から速やかに排水される一方、電気接続箱の下方からの水抜穴への水の浸入は外方遮蔽壁によって阻止されると共に、側方開口部からの水抜穴への水の浸入は、防水壁により阻止されるようになっている。
【0005】
ところが、このような従来構造の電気接続箱では、水抜穴の周囲に設けられる防水壁の高さを十分な防水効果を確保できる程度に高くできない場合があった。即ち、水抜穴が貫設されるケースの底壁部は、電気接続箱が取り付けられる車体等の取付部材に最も近接して配設される部位であり、底壁部と車体との間に十分なスペースが確保できない場合が多いからである。このようなスペース上の制約により、防水壁の高さが十分に確保できないと、せっかく防水壁を設けても側方開口部からの水入りを十分に防止できないおそれがあった。さらに、電気接続箱の底壁部に外方に突出する防水壁を別途設けることは、防水壁と他部材との干渉や、製造に必要な樹脂量の増大を招くという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−266516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、少ない構成部材で水抜穴からのケース内部への水の浸入を有利に防止することができる、新規な構造の電気接続箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様は、ケースの壁部を貫通して設けられた水抜穴と、前記ケースの外方から前記水抜穴を覆う外方遮蔽壁を備え、該外方遮蔽壁が前記水抜穴の周囲から前記ケースの外方に向かって突出する支持部によって前記水抜穴から離隔して支持されると共に、前記水抜穴と前記外方遮蔽壁の隙間に側方開口部が形成されている電気接続箱において、前記ケースには、該ケースから前記外方遮蔽壁が離隔する方向に向かって突出する支持脚部が設けられている一方、前記水抜穴が前記支持脚部の近傍に位置されており、前記支持脚部により前記側方開口部を側方から覆う側方遮蔽壁が構成されていることを、特徴とする。
【0009】
本発明に従う構造とされた電気接続箱においては、ケースから突出された支持脚部を用いて、水抜穴の側方開口部を覆う側方遮蔽壁を設けた。これにより、水抜穴の周囲を囲む防水壁を別途に設けたり、追加の部材を要することなく、側方開口部の防水性を確保することが出来る。
【0010】
しかも、既存の支持脚部を用いたことにより、別途に側方開口部を覆う防水壁を設ける場合のように、車体とケースとの空きスペースを考慮する必要がなく、支持脚部の突出高さを有する防水性の高い側方遮蔽壁を有利に構成することが出来る。
【0011】
なお、支持脚部とは、支持脚部本体のみならず、支持脚部本体をケースに支持するために支持脚部本体とケースの間を連結して延びる補強壁部を含む、ケースに取り付けられた支持脚部全体を指して言うものである。
【0012】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記支持脚部によって覆われていない前記側方開口部を側方から覆う追加側方遮蔽壁が、前記ケースの壁部から外方に突出すると共に前記支持脚部に連接されているものである。
【0013】
本態様に従う構造とされた電気接続箱によれば、支持壁部によって覆われていない側方開口部を、追加側方遮蔽壁で覆うことにより、防水性を確保することが出来る。しかも、追加側方遮蔽壁が支持脚部に連結されていることにより、支持脚部の近傍に水抜穴を設けた場合でも、支持脚部の強度が十分に確保され、少ない部品点数で、耐久性および水抜穴の防水性に優れた電気接続箱を提供することが出来る。
【0014】
本発明の第三の態様は、前記第二の態様に記載のものにおいて、前記追加側方遮蔽壁の前記ケースの壁部からの突出寸法が、前記支持脚部との連接部位における該支持脚部の前記ケースの壁部からの突出寸法以下とされているものである。
【0015】
本態様によれば、車体(取付部材)とケースとの隙間寸法や、他部材との干渉等を考慮することなく、連接部位における支持脚部の壁部からの突出寸法の範囲内で、追加遮蔽壁の壁部からの突出寸法を自由に設定することが出来る。従って、追加側方遮蔽壁において防水性を確保するに十分な突出寸法を有利に設定することが可能となる。
【0016】
本発明の第四の態様は、前記第一〜第三の何れか1つの態様に記載のものにおいて、前記ケースの壁部が、車載時に最下端に位置する底壁部により構成されており、前記支持脚部が該底壁部から下方に向かって突出しているものである。
【0017】
本態様においては、車載時に最下端に位置する底壁部に水抜穴を設けることが出来る。これにより、電気接続箱の内部に浸入した水の排水を効率的且つ確実に行うことが出来る。また、車載時に最下端に位置する底壁部から支持脚部が下方に突出されていることから、支持脚部の突出長さを、ケースにおける底壁部以外の部位に設けられる場合に比して小さくすることが出来、電気接続箱の車体(取付部材)への取付安定性や、水抜穴の防水性および電気接続箱の排水性の向上の何れをも同時且つ有利に達成することが出来る。
【発明の効果】
【0018】
本発明においては、水抜穴と該水抜穴をケース外方から覆う外方遮蔽壁との隙間に側方開口部を形成すると共に、側方開口部を側方から覆う側方遮蔽壁を、ケースから突出された支持脚部によって構成した。これにより、水抜穴の周囲を囲む防水壁を別途に設けたり、追加の部材を要することなく、側方開口部の防水性を確保することが出来る。更に、既存の支持脚部を巧く利用することにより、支持脚部の突出高さを有する防水性の高い側方遮蔽壁を有利に構成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態としての電気接続箱のケースの側面図。
【図2】図1に示したケースの底面図。
【図3】図1に示したケースの底面の要部拡大斜視図。
【図4】図2におけるIV−IV断面の要部拡大図。
【図5】図1に示したケースの底面の要部拡大図。
【図6】図5におけるVI−VI断面図。
【図7】図5におけるVII−VII断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
先ず、図1および図2に、本発明の一実施形態としての電気接続箱10を構成するケースとしてのロアケース12を示す。本実施形態における電気接続箱10は自動車のエンジンルーム内に配設されるリレーボックスであり、図示しないリレーやヒューズ等の電気部品が装着される箱本体と、箱本体に組み付けられる図示しないアッパケースおよびロアケース12とを含んで構成されている。そして、箱本体の両側からアッパケースとロアケース12が組み付けられることによって、電気接続箱10が構成されている。
【0022】
ロアケース12は合成樹脂からなる一体成型品とされている。ロアケース12は、底壁部14の略全周に亘って周壁部16が突設されることにより、図示しない箱本体側(図1中、上側)に向けて開口する箱体形状とされている。これら底壁部14および周壁部16を含んで、電気接続箱10の壁部が構成されている。そして、電気接続箱10の車載状態で、ロアケース12の底壁部14が、鉛直方向(図1中、上下方向)で最下端に位置されるようになっている。
【0023】
図3および図4に示すように、本実施形態における底壁部14は、電気接続箱10の車載状態で、下方(図4中、下方)に傾斜するように形成されている。そして、ロアケース12において、底壁部14の最も下端に位置する部位の外側には、支持脚部18が一体形成されている。支持脚部18は、鉛直方向で底壁部14から下方(図4中、下方)に突出して形成されており、図3等に示すように、底壁部14からの突出先端部には、ロアケース12の周壁部16に対して略垂直に、ロアケース12の外方に突出する取付板部20が形成されている。取付板部20にはボルト挿通孔22が貫設されている。また、取付板部20は、底壁部14から下方に突出する突出壁部24によって底壁部14の外周縁部と連結されている。そして、取付板部20が図示しない取付部材としての車体パネルに重ね合わされると共に、ボルト挿通孔22に図示しないボルトが挿通されて車体パネルに固定されることにより、電気接続箱10が車体パネルに取り付けられるようになっている。
【0024】
支持脚部18における突出壁部24は、底壁部14から下方に突出された一対の補強壁部26a,26bで底壁部14と連結されており、これら補強壁部26a,26bによって支持脚部18の強度が向上されている。補強壁部26aは、突出壁部24から底壁部14の内方に向けて突出すると共に、突出壁部24からの突出基端部において、底壁部14から一定の突出高さ寸法をもって所定の長さだけ突出した後に、突出端縁部27に向けて底壁部14からの突出高さ寸法が次第に小さくなる傾斜部29が設けられた板形状とされている。一方、補強壁部26bは、突出壁部24から底壁部14の内方に突出すると共に、底壁部14の内方へ行くに連れて、底壁部14からの突出高さ寸法が次第に小さくなる、補強壁部26aよりも小さな略三角板形状とされている。
【0025】
底壁部14には、支持脚部18と隣接して、排水部28が一体形成されている。排水部28は、補強壁部26aの突出壁部24からの突出端縁部27よりも突出壁部24側で、支持脚部18の近傍に位置されている。図5〜図7に示すように、排水部28には、矩形の水抜穴30が底壁部14を貫通して形成されている。図7に示すように、底壁部14には、水抜穴30の周囲において対向する一対の外周部分32a,32cから、鉛直下方(図7中、下方)に突出する一対の支持部34,34が一体形成されている。支持部34,34は、水抜穴30の外周部分32a,32cの全長に亘って延びる壁形状とされている。支持部34,34の底壁部14から下方(図7中、下方)への突出量は、電気接続箱10の車載状態において、底壁部14からの突出先端部が鉛直方向(図7中、上下方向)で支持脚部18の突出壁部24よりも上方に位置して、互いに略水平に位置する大きさに設定されている。
【0026】
これら水抜穴30を挟んで対向位置された支持部34,34の底壁部14からの突出先端部には、外方遮蔽壁36が連結されて一体形成されている。外方遮蔽壁36は、水抜穴30と略等しい大きさの矩形の板形状とされている。このような外方遮蔽壁36が、一対の支持部34,34によって鉛直方向で水抜穴30の下方(図7中、下方)に離隔して支持されることにより、水抜穴30の略全体が、ロアケース12の外方となる下方から外方遮蔽壁36で離隔して覆われるようになっている。その結果、図6等に示したように、水抜穴30の周囲において支持部34,34が形成されていない一対の外周部分32b,32dと外方遮蔽壁36との隙間によって、水抜穴30の側方(図6中、左右方向)に開口する一対の側方開口部38a,38bが形成されている。なお、本実施形態においては、外方遮蔽壁36の幅寸法(図6中、左右方向寸法)が支持部34,34の幅寸法(図6中、左右方向寸法)よりも僅かに小さくされている。これにより、側方開口部38a,38bは、鉛直方向で下方(図6中、下方)にも開口されて、排水性が向上されている。また、一方の側方開口部38aの開口方向の前方(図6中、右方)に支持脚部18の補強壁部26aが位置されており、側方開口部38aが補強壁部26aで側方から覆われている。これにより、本実施形態においては、補強壁部26aによって、側方遮蔽壁が構成されている。
【0027】
さらに、底壁部14には、追加側方遮蔽壁40が一体形成されている。図3等に示したように、追加側方遮蔽壁40は両端の連接部位42a,42bにおいて、支持脚部18の突出壁部24および補強壁部26aにおける傾斜部29の中間部分にそれぞれ連接されていると共に、突出壁部24および補強壁部26aと協働して排水部28を全周に亘って囲むL字形状断面をもって、底壁部14から支持脚部18と同方向(鉛直下方)に突出されている。追加側方遮蔽壁40の底壁部14からの突出寸法は、底壁部14からの突出先端縁部が鉛直方向(図6および図7における上下方向)で水平に延びると共に、排水部28における支持部34,34よりも鉛直下方(図6および図7における下方)に位置する大きさに設定されている。更に、図6に示すように、追加側方遮蔽壁40は、突出壁部24との連接部位42aにおいて、連接部位42aの底壁部14からの突出寸法:l1が、連接部位42aにおける突出壁部24の底壁部14からの突出寸法:L1以下に設定されている。また、図7に示すように、補強壁部26aとの連接部位42bにおいて、連接部位42bの底壁部14からの突出寸法:l2が、連接部位42bにおける補強壁部26aの底壁部14からの突出寸法:L2以下に設定されている。これにより、追加側方遮蔽壁40の底壁部14からの突出寸法は、支持脚部18との連接部位42a,42bにおいて、支持脚部18の底壁部14からの突出寸法以下に設定されている。そして、側方開口部38bの開口方向の前方(図6中、左方)に追加側方遮蔽壁40が位置されることにより、側方開口部38bが、追加側方遮蔽壁40で側方から覆われている。
【0028】
これにより、図3等から明らかなように、排水部28の全周が、支持脚部18の突出壁部24と補強壁部26a、および追加側方遮蔽壁40で囲まれており、これら突出壁部24と補強壁部26a、および追加側方遮蔽壁40によって、排水部28の周囲を囲む防水壁が形成されている。そして、突出壁部24と補強壁部26a、および追加側方遮蔽壁40が、排水部28における外方遮蔽壁36よりも鉛直方向で下方に突出されている。
【0029】
また、図3および図4に示すように、底壁部14において、鉛直方向(図4中、上下方向)で排水部28よりもやや上方の位置には、予備排水部44が一体形成されている。予備排水部44は、排水部28と略同様の構造とされていることから、図中に排水部28と同様の符号を付することにより、その説明は省略する。このような予備排水部44が、全周に亘って、底壁部14から予備排水部44よりも下方(図4中、下方)に突出された矩形の防水壁46で囲まれている。
【0030】
本実施形態に従う構造とされた電気接続箱10においては、箱体内に浸入した水が、ロアケース12に貫設された水抜穴30および側方開口部38a,38bを通じて、箱体外に排出される。特に、水抜穴30が、電気接続箱10において鉛直方向で最下端に位置する底壁部14に形成されていることから、より優れた排水性を得ることが出来る。そして、水抜穴30の下方が外方遮蔽壁36で覆われていることにより、下方からの浸水のおそれも低減することが出来る。
【0031】
更に、側方開口部38aが、支持脚部18の補強壁部26aで側方から覆われることにより、側方開口部38aを通じての浸水のおそれが低減されている。そして、支持脚部18を用いて側方開口部38aの側方を覆うことにより、別途に防水壁を形成することが不要とされると共に、支持脚部18の底壁部14からの比較的大きな突出寸法を利用して、優れた防水性を得ることが出来る。また、他方の側方開口部38bを覆う追加側方遮蔽壁40を形成したことにより、側方開口部38bの防水性も確保することが出来る。そして、追加側方遮蔽壁40において、連接部位42a,42bの底壁部14からの突出寸法が支持脚部18の突出寸法以下に設定されており、追加側方遮蔽壁40が支持脚部18の突出寸法内に形成されている。これにより、追加側方遮蔽壁40の他部材との干渉等のおそれも軽減されている。更に、支持脚部18の底壁部14からの突出寸法の範囲内で、追加側方遮蔽壁40の底壁部14からの突出寸法を自由に設定することが出来、要求される防水性能を有利に設定することが出来る。更にまた、追加側方遮蔽壁40が連接部位42a,42bにおいて支持脚部18の突出壁部24および補強壁部26aと連接されていることにより、水抜穴30を支持脚部18に隣接して形成した場合でも、支持脚部18の強度を確保することが出来る。
【0032】
そして、本実施形態によれば、排水部28の全周を囲む防水壁の一部が、支持脚部18の突出壁部24と補強壁部26aを用いて構成されている。これにより、特別に防水壁を形成することが不要とされると共に、支持脚部18の底壁部14からの突出高さ寸法を巧く利用して、優れた防水効果を発揮する防水壁を形成することが出来る。また、支持脚部18が取り付けられる車体パネルと底壁部14との隙間内に排水部28が位置されることから、底壁部14から突出する排水部28を、他部材との干渉等のおそれを低減しつつ形成することが出来る。特に、支持脚部18は、電気接続箱10において最下端に位置する底壁部14から下方に突出されており、支持脚部18の電気接続箱10から鉛直下方への延出寸法が可及的に小さくされている。これにより、支持脚部18の強度を確保して電気接続箱10を車体パネルに安定的に固定することが出来ると共に、車体パネルと底壁部14との隙間が可及的に小さくされて水が入り難くされており、この小さな隙間内に排水部28を配設することによって、より優れた防水性を得ることが出来る。
【0033】
また、排水部28よりも鉛直方向でやや上方に位置して、予備排水部44が形成されている。これにより、排水部28と予備排水部44が協働して、より優れた排水性能を発揮することが出来る。更に、万一ごみ詰まり等によって排水部28が機能しなくなった場合でも、予備排水部44によって排水機能を維持することが出来る。
【0034】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態においては、側方開口部38aの側方が、支持脚部18の補強壁部26aで覆われていたが、支持脚部の本体部分で覆うことも可能である。即ち、前記実施形態における側方開口部38aを支持脚部18の突出壁部24側に開口するように形成して、側方開口部38aの側方を突出壁部24で覆うようにしても良い。
【0035】
また、水抜穴や外方遮蔽壁の形状は前記実施形態の如き矩形状に限定されることはなく、各種の多角形状、円形状やそれらの組み合わせ形状等、各種の形状が適宜に採用可能である。また、電気接続箱の配設状態や、想定される車両の傾斜状態等を考慮して、水平方向に支持脚部を突出すると共に水抜穴を開口形成すること等も勿論可能である。
【符号の説明】
【0036】
10:電気接続箱、12:ロアケース(ケース)、14:底壁部、18:支持脚部、24:突出壁部、26a:補強壁部(側方遮蔽壁)、28:排水部、30:水抜穴、34:支持部、36:外方遮蔽壁、38a,b:側方開口部、40:追加側方遮蔽壁、42a,b:連接部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースの壁部を貫通して設けられた水抜穴と、前記ケースの外方から前記水抜穴を覆う外方遮蔽壁を備え、該外方遮蔽壁が前記水抜穴の周囲から前記ケースの外方に向かって突出する支持部によって前記水抜穴から離隔して支持されると共に、前記水抜穴と前記外方遮蔽壁の隙間に側方開口部が形成されている電気接続箱において、
前記ケースには、該ケースから前記外方遮蔽壁が離隔する方向に向かって突出する支持脚部が設けられている一方、
前記水抜穴が前記支持脚部の近傍に位置されており、前記支持脚部により前記側方開口部を側方から覆う側方遮蔽壁が構成されている
ことを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
前記支持脚部によって覆われていない前記側方開口部を側方から覆う追加側方遮蔽壁が、前記ケースの壁部から外方に突出すると共に前記支持脚部に連接されている請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記追加側方遮蔽壁の前記ケースの壁部からの突出寸法が、前記支持脚部との連接部位における該支持脚部の前記ケースの壁部からの突出寸法以下とされている請求項2に記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記ケースの壁部が、車載時に最下端に位置する底壁部により構成されており、前記支持脚部が該底壁部から下方に向かって突出している請求項1〜3の何れか1項に記載の電気接続箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−62967(P2013−62967A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200344(P2011−200344)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】