説明

電気機器および管理装置

【課題】 電力供給が遮断されている電気機器が、管理装置からの搬送波信号に従って、電力の供給を受けることができる電気機器を提供する。
【解決手段】 電気機器(501、502、503)は、外部からの電力供給を受けるための電力線(V)と、電力線に設けられ、電力の供給を行う閉状態と電力の供給を遮断する開状態と切り換える開閉器(703)と、電力線を介して外部の管理装置(500)と通信を行うための通信手段(704)と、電力線を介して管理装置から送信される搬送波信号を直流電圧に変換し、変換した直流電圧により開閉器を開状態から閉状態に切り替えるための変換手段(702)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器、および画像形成装置への電力供給を制御する管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気機器の処理能力の高速化や多機能化等により、電気機器の稼動時に消費する電力も増大する傾向となっている。
【0003】
電気機器の一例として、電子写真方式の画像形成装置を代表する複写機においても、複写スピードの高速化や複写システムの多機能化を実現するためのCPUや画像処理回路等で消費する電力も増大する傾向となっている。
【0004】
このような消費電力の増大に対応するために、従来、消費電力を抑えるための省電力モードを設け、複写機に対して外部からのジョブ信号が送られてこない場合にCPUや画像処理回路への電源をオフする制御が行われている(特許文献1)。
【0005】
図10は、従来の画像形成装置901の電力制御システムS0を示すブロック図である。電力制御システムS0は、画像形成装置901と、画像形成装置901と通信可能に接続された端末装置90とを有する。画像形成装置901は、商用電源93から電力が供給される。端末装置90は、例えば、パーソナルコンピュータである。
【0006】
画像形成装置901は、端末装置90と通信可能に接続されるネットワークインターフェイス回路91と、画像形成装置901を制御するための制御装置94とを有する。画像形成装置901に設けられたプリンタ駆動部96、リーダ駆動部97、および高圧電源98は、画像形成動作に係る構成要素である。
【0007】
画像形成装置901は、常夜電源92および非常夜電源95を有する。常夜電源92は、ネットワークインターフェイス回路91及び制御装置94の一部へ電力を供給する。常夜電源92は、画像形成装置901が省電力モードになっても、ネットワークインターフェイス回路91及び制御装置94の一部へ電力を供給する。非常夜電源95は、制御装置94の一部、プリンタ駆動部96、リーダ駆動部97、及び高圧電源98へ電力を供給する。非常夜電源95は、画像形成装置901が省電力モードになると、制御装置94の一部、プリンタ駆動部96、リーダ駆動部97、及び高圧電源98への電力供給を停止する。非常夜電源95は、制御装置94の一部へDC12Vの電圧を供給する。非常夜電源95は、プリンタ駆動部96、リーダ駆動部97、及び高圧電源98へDC24Vの電圧を供給する。
【0008】
ネットワークインターフェイス回路91は、ネットワーク902に接続された端末装置90から印刷要求信号を所定時間受け取らなかった場合に、制御装置94へ信号を送る。制御装置94は、ネットワークインターフェイス回路91から該信号を受け取ると、商用電源93から非常夜電源95への電力供給を遮断して、省電力モードへ移行する。
【0009】
省電力モード中は、非常夜電源95からプリンタ駆動部96、リーダ駆動部97、及び高圧電源98への電力供給が遮断される。省電力モード中は、ジョブ信号(省電力モードからの復帰を促す信号)の検出に必要なネットワークインターフェイス回路91及び制御装置94の一部だけに常夜電源92から電力が供給される。これによって、省電力モード中の消費電力量を低減している。
【0010】
制御装置94は、例えば、ネットワーク902からジョブ信号としてパケットを受け取った場合に、または、端末装置90からジョブ信号としての印刷要求信号を受け取った場合に、非常夜電源95からの電力供給を開始する。非常夜電源95は、省電力モード中に電力が供給されていなかった制御装置94の一部、プリンタ駆動部96、リーダ駆動部97、および高圧電源98へ電力を供給する。非常夜電源95は、画像形成動作に係るその他の構成要素へも必要な電力を供給する。制御装置94は、画像形成部が画像形成可能な状態になったタイミングで画像形成動作を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−326590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来の電気機器の制御装置は、ジョブ信号を常に監視しているので、省電力モード中に電気機器の制御装置が常に電力を消費している。
【0013】
そこで、本発明は、電力供給が遮断されている電気機器が、電力線を介して管理装置から送信された搬送波信号に従って、電力の供給を受けることができる電気機器を提供することを目的とする。また、本発明は、電力線を介して電気機器の電源を制御できる管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記問題を解決する為に、電気機器は、外部からの電力供給を受けるための電力線と、前記電力線に設けられ、電力の供給を行う閉状態と電力の供給を遮断する開状態と切り換える開閉器と、前記電力線を介して外部の管理装置と通信を行うための通信手段と、前記電力線を介して前記管理装置から送信される搬送波信号を直流電圧に変換し、変換した直流電圧により前記開閉器を前記開状態から前記閉状態に切り替えるための変換手段と、を有する。
また、管理装置は、電力の供給を行う閉状態と電力の供給を遮断する開状態と切り換える開閉器が設けられる電力線と、前記電力線を介して送信される搬送波信号を直流電圧に変換し、変換した直流電圧により前記開閉器を閉状態にする変換手段とを有する画像形成装置への電力供給を制御するものであり、更に、外部機器からの印刷ジョブを入力する入力手段と、前記電力線を介して前記画像形成装置と電力線通信を行う通信手段と、前記印刷ジョブが入力されると、前記画像形成装置の開閉器を閉状態するための搬送波信号を前記画像形成装置へ送信し、その後、前記印刷ジョブを前記画像形成装置へ送信するよう前記通信手段を制御する制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電力供給が遮断されている電気機器が、管理装置からの搬送波信号に従って、電力の供給を受けることができる。また、管理装置が電力線を介して電気機器の電源を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態1による電力制御システムを示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態1による管理装置を示すブロック図。
【図3】本発明の実施形態1による電気機器を示すブロック図。
【図4】本発明の実施形態1による管理装置の制御フローチャート。
【図5】本発明の実施形態2による電力制御システムを示すブロック図。
【図6】本発明の実施形態2による管理装置を示すブロック図。
【図7】本発明の実施形態2による電気機器を示すブロック図。
【図8】本発明の実施形態2による管理装置の制御フローチャート。
【図9】本発明の実施形態1による電力制御システムの電気機器を示す図。
【図10】従来の画像形成装置の電力制御システムを示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0018】
(実施形態1)
図9は、本発明の実施形態1による電力制御システムS1(図1)の電気機器101を示す図である。
【0019】
電気機器101の例として、電子写真方式により記録媒体に画像を形成する画像形成装置を用いて、実施形態1を説明する。電気機器101は、原稿の画像を読み取る読み取りユニット50と、画像形成部58とを有する。電気機器101は、読み取りユニット50により読み取った原稿の画像情報に従って記録媒体に画像を形成する複写機としての機能と、外部機器からの画像情報に従って記録媒体に画像を形成するプリンタとしての機能を有する複合機である。電気機器101は、読み取りユニット50により読み取った原稿の画像情報を外部機器へ送信するイメージスキャナとしての機能と、ファクシミリとしての機能を有していてもよい。
【0020】
自動原稿送り装置1の上部に設けられた原稿トレイ2に置かれた原稿は、給紙ローラ3及び給紙ベルト4によってプラテンガラス6上の所定の位置へ給送される。読み取りユニット50によってプラテンガラス6上の原稿の画像情報を読み取り、読み取りが終了した原稿は、給紙ベルト4および排出ローラ5によって排出される。原稿セット検知部7が原稿トレイ2に次の原稿があることを検知した場合、次の原稿は、前原稿と同様にしてプラテンガラス6上の所定の位置へ給送される。このようにして、自動原稿送り装置1により複数枚の原稿を連続して給送し、複数枚の原稿の画像を連続して読み取ることができる。
【0021】
装置下方の第一給紙トレイ8に積載された転写紙は、第一給紙ユニット11によって一枚ずつ給紙され、紙搬送ユニット14によって感光体15へ搬送される。
【0022】
書き込みユニット(光走査装置)57は、読み取りユニット50により読み込まれた画像情報に従って変調されたレーザー光を射出して、帯電ユニット20により一様に帯電された感光体15の表面の上に潜像を形成する。現像ユニット27は、トナーにより潜像を現像して、トナー像を形成する。転写紙は、回転する感光体15の表面速度と等速で搬送ベルト16によって搬送されながら、感光体15の上のトナー像が転写される。定着ユニット17は、トナー像を転写紙に定着する。その後、転写紙は、排出ユニット18によって排出トレイ19へ排出される。
【0023】
転写紙の両面に画像を形成する場合は、一面に画像が形成された転写紙を排出トレイ19へ導かないで、両面入紙搬送路21へ搬送し、反転ユニット22でスイッチバック反転させ、一旦両面搬送ユニット23にストックする。
【0024】
その後、感光体15の上に形成されたトナー像を転写紙の裏面に転写するために、転写紙は、両面搬送ユニット23から紙搬送ユニット14を介して感光体15へ再度搬送される。裏面にトナー像が転写された転写紙は、定着ユニット17によりトナー像が定着された後、排出トレイ19へ排出される。転写紙を反転して排出する場合は、反転ユニット22でスイッチバック反転した転写紙を両面ユニット23へ送らずに反転排出搬送路24へ搬送して排出トレイ19へ排出する。
【0025】
なお、本実施形態の電気機器101は、電子写真画像形成装置に限定されるものではない。電気機器101は、例えば、通信機能を備えた家電やパーソナルコンピュータなどの他の電気機器であってもよい。
【0026】
図1は、本発明の実施形態1による電力制御システムS1を示すブロック図である。
管理装置100は、電力制御システムS1を管理する。管理装置100は、複数の通信可能な電気機器101、102、および103にそれぞれ複数の通信線M、N、およびOを介して接続されている。また、管理装置100は、複数の電気機器101、102、および103にそれぞれ複数の電力線Q、R、およびSを介して接続されている。
複数の電気機器101、102、および103は、管理装置100を介して電力供給源193に電気的に接続されている。
【0027】
複数の端末装置(通信可能な外部機器)104および105は、電気機器101〜103に対して印刷要求信号などのジョブ信号を出す。端末装置104および105のそれぞれは、通信線Lを介して管理装置100に接続されている。端末装置104および105は、例えば、パーソナルコンピュータである。
管理装置100は、複数の端末装置104および105からのジョブ信号を記憶する。
また、管理装置100は、電力線Pに接続されている。電力線Pは、外部からの電力供給を受ける。すなわち、管理装置100は、電力制御システムS1への電力供給源193に接続された電力線Pに接続されている。
管理装置100は、電力供給源193と複数の電気機器101〜103との間に配置されている。管理装置100は、電力供給源193と複数の電気機器101〜103とに接続されている。管理装置100は、電力供給源193から複数の電気機器101〜103への電力の供給及び遮断を制御する。
【0028】
実施形態1において、通信可能な3台の電気機器101〜103は、画像形成装置である。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。管理装置100は、画像形成装置に加えて、通信機能を備えた家電、およびパーソナルコンピュータに、開閉器を介して電力線により接続されていてもよい。また、管理装置100は、電気機器の動作状態に応じて消費電力モードが切り換えられるその他の電気機器に接続することも可能である。
【0029】
管理装置100は、複数の通信線M、N、およびOをそれぞれ介して複数の電気機器101、102、および103 と通信を行う。また、管理装置100は、複数の電気機器101、102、103と複数の電力線Q、R、Sとの間のそれぞれの接続状態および遮断状態を制御する。
【0030】
次に、図2を用いて管理装置100を説明する。図2は、本発明の実施形態1による管理装置100を示すブロック図である。
【0031】
管理装置100は、制御装置(制御手段)200、開閉器(スイッチ)201、202、203、および電源205を有する。管理装置100は、電気機器101〜103、端末装置104および105と通信する機能を有する。
【0032】
制御装置200は、通信線Lを介して複数の端末装置104および105と通信する。また、制御装置200は、通信線M、N、およびOを介して複数の電気機器101、102、および103と通信する。制御装置200は、端末装置104および105から電気機器101〜103へのジョブ信号を監視する監視回路204を有する。
監視回路204は、ジョブ信号を記憶する記憶部(記憶手段)210を有する。監視回路204は、ジョブ信号の内容を解析する機能を有する。すなわち、監視回路(判断手段)204は、ジョブ信号がどの電気機器101〜103に対応するかを判断する。
【0033】
制御装置200は、電源205を制御する。電源205は、開閉器201、202、および203を動作させるための電力をそれぞれの開閉器201〜203へ供給する。電源205は、複数の開閉器201、202、および203を開状態から閉状態へ切り換えるために複数の開閉器201、202、および203へ選択的に電力を供給する。また、電源205は、複数の開閉器201、202、および203を閉状態から開状態へ切り換えるために複数の開閉器201、202、および203への電力供給を選択的に遮断する。
【0034】
開閉器201〜203は、電力制御システムS1への電力供給源193に接続された電力線Pからそれぞれの電気機器101〜103の電力線Q、R、およびSへの電力供給の接続状態と遮断状態とを切り換える。
【0035】
図3は、本発明の実施形態1による電気機器101を示すブロック図である。
【0036】
以下、図3を用いて電気機器101について述べる。電気機器102および103は、図3に示す電気機器101と同様の構造を有しているので、それらの説明を省略する。また、図3は、本発明の実施形態1を説明するために必要な構造のみを示している。
【0037】
電気機器101は、電源300、制御装置301、プリンタ駆動部302、リーダ駆動部303、および高圧電源304を有する。
【0038】
管理装置100からの電力線Qは、電源300に接続されている。電源300は、電力線Qから電力供給を受けた場合に、プリンタ駆動部302、リーダ駆動部303、および高圧電源304へDC24Vの電圧、および制御装置301へDC12Vの電圧を供給する。プリンタ駆動部302、リーダ駆動部303、および高圧電源304は、画像形成動作に係る構成要素である。
【0039】
制御装置301は、電源300を制御する。また、制御装置301は、電気機器101の装置全体の制御を行う。制御装置301は、通信線Mを介して管理装置100と通信する。制御装置301の内部に、電圧変換部が設けられている。電圧変換部は、電源300から入力されたDC12Vの電圧を、制御装置301のそれぞれの構成要素に適した電圧値に変換する。電圧変換部は、制御装置301のそれぞれの構成要素へ適切な電圧を供給する。
【0040】
次に、図4を用いて、管理装置100の制御処理手順を説明する。図4は、本発明の実施形態1による管理装置100の制御装置200が実行する制御フローチャートである。
【0041】
ステップS401において、制御装置200は、電源205により開閉器201〜203への電力供給を遮断状態にさせて、電気機器101〜103を、デフォルト状態であるシャットダウン状態にしておく。実施形態1のシャットダウン状態において、開閉器201、202、または203は、対応する電力線Q、R、またはSを遮断する。それによって、シャットダウン状態において、電力線Q、R、またはSから対応する電気機器101、102、または103への電力供給は遮断されている。
【0042】
ステップS402において、制御装置200は、監視回路204により端末装置104または105からシャットダウン状態中の電気機器101、102、または103に対するジョブ信号(シャットダウン状態からの復帰を促す信号)を受けたか否かを監視する。
【0043】
監視回路204が端末装置104または105から電気機器101、102、または103に対するジョブ信号を受けた場合(S402のYES)、監視回路204は、ジョブ信号を記憶部210に記憶する。電気機器101、102、または103は、電力供給が遮断されているときに、ジョブ信号を受け取ることができない。また、電気機器101、102、または103は、電力供給が開始された後の立ち上がりや初期化に時間がかかるので、すぐにはジョブ信号を受け取ることできない。従って、記憶部210は、ジョブ信号を記憶する。監視回路204は、ジョブ信号がどの電気機器101〜103に対応するかを判断し、ステップS403へ移行する。監視回路204がジョブ信号を受けない場合(S402のNO)、ステップS401へ戻り、制御装置200は、シャットダウン状態を維持し、再びステップS402でジョブ信号を監視する。
【0044】
ステップS403において、制御装置200は、ジョブ信号に対応する電気機器101、102、または103に対応する開閉器201、202、または203の開状態を閉状態へ切り換える。開閉器201、202、および203は、管理装置100の電源205から電力が供給されると閉状態へ切り換えられ、電源205からの電力が遮断されると開状態へ切り換えられる。制御装置200は、電源205から各開閉器201〜203へ電力供給を制御するための信号を電源205へ送信する。この信号を確認することにより、開閉器201〜203のそれぞれの開状態および閉状態を確認することができる。ジョブ信号に対応する電気機器101、102、または103に対応する開閉器201、202、または203の開状態を閉状態へ切り換えることにより、ジョブ信号に対応する電気機器101、102、または103へ電力が供給される。処理は、ステップS404へ移行する。
【0045】
ステップS404において、制御装置200は、ジョブ信号に対応する電気機器101、102、または103へジョブの実行を開始させるためのジョブ開始信号を送信する。制御装置601は、電気機器101、102、または103が起動した後に、記憶部210に記憶されたジョブ信号を対応する電気機器へ送信するとよい。処理は、ステップS405へ移行する。
【0046】
ステップS405において、制御装置200は、監視回路204によって対応する電気機器101、102、または103のジョブの実行が終了したか否かを監視する。電気機器101、102、および103は、ジョブの実行が終了すると、ジョブ終了信号を監視回路204へ送信する。監視回路204が対応する電気機器101、102、または103からジョブ終了信号を受信した場合に(S405のYES)、処理は、ステップS406へ移行する。
【0047】
ステップS406において、対応する電気機器101、102、または103は、スタンバイモードへ移行する。スタンバイモードは、電気機器101、102、または103が監視回路204からジョブ開始信号を受信したとき、ジョブ開始信号に対応する電気機器101、102、または103が迅速にジョブの実行を開始することができる待機状態である。
【0048】
ステップS407において、制御装置200は、監視回路204によりスタンバイモードへ移行後の所定時間内に端末装置104または105から電気機器101〜103へのジョブ信号があるか否かを監視する。所定時間は、5分、10分などの任意の時間に設定することができる。
【0049】
ジョブ信号がある場合(S407のYES)、制御装置200は、ステップS404へ移行し、前述のステップS404以降の動作を実行する。ジョブ信号がない場合(S407のNO)、ステップS408へ移行する。
【0050】
ステップS408において、制御装置200は、対応する開閉器201、202、または203の閉状態を開状態へ切り換え、対応する電力線Q、R、またはSを遮断し、それによって、対応する電気機器101、102、または103への電力供給を遮断する。対応する電気機器101、102、または103は、スタンバイモードからシャットダウン状態へ移行する(S401)。
【0051】
実施形態1において、電力制御システムS1は、3台の電気機器101、102、および103が接続された管理装置100を有する。本発明は、この形態に限定されるものではなく、電気機器の数が異なる場合や、画像形成装置以外の、例えば、通信機能を備えた家電やパーソナルコンピュータ等の他の電気機器が混在している電力制御システムにも同様に適用することができる。
【0052】
実施形態1において、電力供給源に接続された電力線Pから複数の電気機器101〜103への電力供給の接続状態と遮断状態とを切り換えるための複数の開閉器201〜203は、管理装置100の内部に設けられている。しかし、本発明による複数の開閉器201〜203は、管理装置100の内部に設けられていなくてもよい。複数の開閉器201〜203は、電力線Pから複数の電気機器101〜103のそれぞれの電力線入力部までの間の電力線Q、R、Sのそれぞれのいずれかの部分に設けられていればよい。
【0053】
実施形態1の電力制御システムS1によれば、管理装置100は、複数の電気機器101〜103が接続されたネットワークに、複数の電気機器101〜103の上流で接続されている。管理装置100が複数の電気機器101〜103へのジョブ信号を監視するので、それぞれの電気機器101〜103にジョブ信号を監視する監視回路を設ける必要がない。よって、電気機器の製造費用を低減することができる。
【0054】
実施形態1の電力制御システムS1において、複数の電気機器101〜103へ電力を供給する複数の電力線Q〜Sにそれぞれ設けられた複数の開閉器201〜203は、管理装置100の内部に配置されている。複数の開閉器201〜203のそれぞれは、対応する電気機器101〜103のスタンバイモードおよびシャットダウン状態において対応する電気機器101〜103への電力の供給および遮断を切り替えるために、閉状態および開状態をとることができる。シャットダウン状態において、管理装置100がジョブ信号を受けたときに、ジョブ信号に対応する電気機器101、102、または103に対応する開閉器201、202、または203へ電力を供給する。電力が供給された開閉器201、202、または203は、開状態から閉状態へ切り換えられ、それによって、対応する電気機器101、102、または103へ電力が供給される。
【0055】
実施形態1の電力制御システムS1によれば、管理装置100が複数の電気機器101〜103へのジョブ信号を監視する。したがって、シャットダウン状態中に、複数の電気機器101〜103のそれぞれが、常時、ジョブ信号(シャットダウン状態からの復帰を促す信号)を監視する必要がなくなる。よって、複数の電気機器101〜103を有する電力制御システムS1は、消費される電力を大幅に低減することができる。
【0056】
従来技術においては、省電力モード中にネットワークインターフェイス回路へ電力を供給する高効率の電源が複数の電気機器のそれぞれに必要であった。しかし、実施形態1の電力制御システムS1によれば、管理装置100が端末装置104および105からのジョブ信号を監視するので、高価な高効率の電源を複数の電気機器101〜103のそれぞれに設ける必要がない。よって、複数の電気機器101〜103を有する電力制御システムS1の製造費用を低減することができる。
【0057】
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2による電力制御システムS2を説明する。
【0058】
図5は、本発明の実施形態2による電力制御システムS2を示すブロック図である。本発明の実施形態2による電力制御システムS2は、複数の電気機器501、502、および503がそれぞれ開閉器を有する点で、実施形態1の電力制御システムS1と異なる。また、実施形態2の電力制御システムS2は、電力線T、U、およびVが通信線としての機能を有する電力線通信方式で管理装置500、電気機器501〜503、端末装置504および505の間の通信を行なう点で、実施形態1の電力制御システムS1と異なる。
【0059】
電力制御システムS2は、管理装置500と、複数の通信可能な電気機器501、502、および503と、複数の端末装置504および505とを有する。管理装置500と複数の電気機器501、502、および503とは、通信線を兼ねた電力線Vを介して接続されている。管理装置500と複数の端末装置(通信可能な外部機器)504および505とは、通信線を兼ねた電力線Uを介して接続されている。
【0060】
管理装置500は、電力制御システムS2を管理する。管理装置500は、通信線を兼ねた電力線Tに接続されている。電力線Tは、外部からの電力供給を受ける。すなわち、電力線Tは、電力制御システムS2への電力供給源593に接続されている。
複数の電気機器501、502、および503は、管理装置500を介して電力供給源593に電気的に接続されている。
【0061】
複数の通信可能な端末装置504および505は、複数の電気機器501〜503に対して印刷要求信号などのジョブ信号を出す。端末装置504および505のそれぞれは、通信線を兼ねた電力線Uを介して管理装置500に接続されている。端末装置504および505は、例えば、パーソナルコンピュータである。
管理装置500は、複数の端末装置504および505からのジョブ信号を記憶する。
管理装置500は、電力供給源593と複数の電気機器501〜503との間に接続されている。管理装置500は、電力供給源593から複数の電気機器501〜503への電力の供給及び遮断を制御する。
【0062】
実施形態1と同様に、実施形態2において、通信可能な3台の電気機器501〜503は、画像形成装置である。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。管理装置500は、画像形成装置に加えて、通信機能を備えた家電、およびパーソナルコンピュータに、開閉器を介して、通信機能を備えた電力線により接続されていてもよい。また、管理装置500は、電気機器の動作状態に応じて消費電力モードが切り換えられるその他の電気機器に、通信機能を備えた電力線により接続することも可能である。
【0063】
管理装置500は、電力線Vを介して複数の電気機器501、502、503 と通信を行う。また、管理装置500は、複数の電気機器501、502、503と電力線Vとの間のそれぞれの接続状態および遮断状態を制御する。
【0064】
ここで、電力線通信について説明する。
電力線通信は、100V(50Hzまたは60Hz)の電力線を通信回線として利用する技術である。電気のコンセントに、通信用のアダプタ(電力線通信モデム)あるいは変復調器を備えたパーソナルコンピュータやプリンタ等の電気機器を接続することにより、電力線に高周波信号(4MHz〜28MHz)を重畳して利用する。
【0065】
電力線通信では、電力線を伝送路として数Mbpsから数百Mbpsのデータ通信を行うことが可能となっている。電力線通信は周知の技術なので、詳細な説明は省略する。
【0066】
次に、図6を用いて管理装置500を説明する。図6は、本発明の実施形態2による管理装置500を示すブロック図である。
管理装置500は、制御装置(制御手段)601、変復調器602、603、および電源605を有する。
【0067】
管理装置500は、電気機器501〜503、端末装置504および505と通信する機能を有する。
変復調器602は、制御装置601からの信号を変調して電力線Vへ送信する機能と、電力線Vからの信号を復調して受信する機能とを有する。変復調器603は、制御装置601からの信号を変調して電力線Uへ送信する機能と、電力線Uからの信号を復調して受信する機能とを有する。
【0068】
制御装置601は、変復調器(通信手段)602および電力線Vを介して複数の電気機器501、502、および503と通信する。また、制御装置601は、変復調器603および電力線Uを介して複数の端末装置504および505と通信する。変復調器603は、端末装置504または505からのジョブ信号(印刷ジョブ)を入力する(受信する)入力手段(受信手段)として機能する。変復調器603は、ジョブ信号を制御装置601へ入力する。制御装置601は、端末装置504または505から電気機器501〜503へのジョブ信号を監視する監視回路604を有する。
監視回路604は、ジョブ信号を記憶する記憶部(記憶手段)610を有する。監視回路604は、ジョブ信号の内容を解析する機能を有する。すなわち、監視回路(判断手段)604は、ジョブ信号がどの電気機器501〜503に対応するかを判断する。
【0069】
制御装置601は、電源605を制御する。電源605は、管理装置500の内部の構成要素へ電力を供給する。電源605は、後述する複数の電気機器501、502、および503の開閉器703を開状態から閉状態へ切り換えるために複数の開閉器703へ選択的に電力を供給する。
【0070】
図7は、本発明の実施形態2による電気機器501を示すブロック図である。
以下、図7を用いて電気機器501について述べる。電気機器501は、電子写真画像形成装置である。電気機器501は、画像形成装置以外の他の電気機器であってもよい。電気機器502および503は、図7に示す電気機器501と同様の構造を有しているので、それらの説明を省略する。また、図7は、本発明の実施形態2を説明するために必要な構造のみを示している。
【0071】
電気機器501は、BPF+整流回路(変換手段)702、開閉器703、変復調器704、制御装置705、電源706、プリンタ駆動部709、リーダ駆動部710、および高圧電源711を有する。BPF+整流回路702は、ダイオード707を介して開閉器703に接続されている。電源706は、ダイオード708を介して開閉器703に接続されている。
【0072】
管理装置500からの電力線Vは、開閉器703を介して電源706に接続されている。
通信線を兼ねた電力線Vは、開閉器(スイッチ)703及びバンドパスフィルタ(BPF)と整流回路で構成されたBPF+整流回路702に接続されている。
【0073】
開閉器703が開状態のとき、電力は、電力線Vから電源706へ供給されない。開閉器703が開状態のとき、電源706から電気機器501の内部の構成要素への電力供給は遮断状態である。開閉器703が閉状態の時、電力線Vから電源706へ電力が供給される。
【0074】
電源706は、電力線Vから電力供給を受けた場合に、プリンタ駆動部709、リーダ駆動部710、および高圧電源711へDC24Vの電圧を、制御装置705へDC12Vの電圧を供給する。
【0075】
制御装置705は、電気機器501の装置全体の制御を行う。開閉器703が閉状態のとき、制御装置705は、変復調器(通信手段)704および電力線Vを介して外部の管理装置500と通信する。
【0076】
変復調器704は、制御装置705から管理装置500への信号を変調して電力線Vへ送信する機能と、管理装置500から制御装置705への信号を復調して電力線Vから受信する機能とを有する。
【0077】
制御装置705の内部に、電圧変換部が設けられている。電圧変換部は、電源706から入力されたDC12Vの電圧を、制御装置705のそれぞれの構成要素に適した電圧値に変換する。電圧変換部は、制御装置705のそれぞれの構成要素へ適切な電圧を供給する。
【0078】
開閉器703が開状態で管理装置500が端末装置504または端末装置505から電気機器501へのジョブ信号を受けた場合、管理装置500は、開閉器703を開状態から閉状態へ切り換えるための信号を電力線Vへ送信する。
【0079】
開閉器703を開状態から閉状態へまたは閉状態から開状態へ駆動するための信号は、電力線Vへ送信される画像情報信号などの他の信号と異なる周波数の搬送波信号である。開閉器703を駆動するための搬送波信号は、制御装置601から変複調器602を介して電力線Vへ送信される。
【0080】
開閉器703を駆動するための搬送波信号が電力線Vへ送信された場合、BPF+整流回路(変換手段)702は、その搬送波信号の周波数を透過させ、かつ整流して直流電圧に変換する。BPF+整流回路702は、電力線Vからの搬送波信号を、開閉器703を駆動可能な直流電圧に変換して、開閉器703を駆動する。
【0081】
開閉器703を閉状態にすると、電力線Vから電気機器501の電源706へ電力が供給され、電源706を起動する。電源706が動作すると、電源706から開閉器703への電力供給が開始される。開閉器703は、電源706からの電力供給を受けて、閉状態を維持する。電源706が起動した後、管理装置500は、開閉器703を駆動するための搬送波信号の送信を停止する。
【0082】
次に、図8を用いて、管理装置500の制御処理手順を説明する。図8は、本発明の実施形態2による管理装置500の制御装置601が実行する制御フローチャートである。
【0083】
ステップS801において、制御装置601は、電気機器501〜503のそれぞれの開閉器を開状態にさせる。電気機器501〜503は、デフォルト状態であるシャットダウン状態になる。実施形態2のシャットダウン状態において、それぞれの電気機器501〜503の開閉器703は、電力線Vを遮断し、それによって、電力線Vから対応する電気機器501〜503への電力供給は遮断されている。
【0084】
ステップS802において、制御装置601は、監視回路604により端末装置504または505からシャットダウン状態中の電気機器501、502、または503に対するジョブ信号(シャットダウン状態からの復帰を促す信号)を受けたか否かを監視する。
【0085】
監視回路604が端末装置504または505から電気機器501、502、または503に対するジョブ信号を受けた場合(S802のYES)、監視回路604は、ジョブ信号を記憶部(記憶手段)610に記憶する。電気機器501、502、または503は、電力供給が遮断されているときに、ジョブ信号を受け取ることができない。また、電気機器501、502、または503は、電力供給が開始された後の立ち上がりや初期化に時間がかかるので、すぐにはジョブ信号を受け取ることできない。従って、記憶部610は、ジョブ信号を記憶する。監視回路604は、ジョブ信号がどの電気機器501〜503に対応するかを判断し、ステップS803へ移行する。監視回路604がジョブ信号を受けない場合(S802のNO)、制御装置601は、ステップ801へ戻りシャットダウン状態を維持し、監視回路604により再びステップS802でジョブ信号を監視する。
【0086】
ステップS803において、制御装置601は、ジョブ信号に対応する電気機器501、502、または503の内部に設けられた開閉器703の開状態を閉状態へ切り換える。ジョブ信号に対応する電気機器501、502、または503へ電力が供給される。前述のとおり、BPF+整流回路702は、管理装置500から電力線Vへ送信された搬送波信号を直流電圧に変換し、その直流電圧により開閉器703を開状態から閉状態へ切り換える変換手段として機能する。この搬送波信号を確認することにより、電気機器501、502、および503のそれぞれの開閉器703の開状態および閉状態を確認することができる。
【0087】
開閉器703が閉状態へ切り換えられると、電力線Vから対応する電気機器501、502、または503の電源706へ電力が供給される。電源706は、開閉器703へ電力を供給して開閉器703の閉状態を維持する。処理は、ステップS804へ移行する。
【0088】
ステップS804において、制御装置601は、ジョブ信号に対応する電気機器501、502、または503へジョブの実行を開始させるためのジョブ開始信号を送信する。制御装置601は、搬送波信号により電気機器501、502、または503が起動した後に、記憶部610に記憶されたジョブ信号を対応する電気機器へ送信するように変復調器602を制御するとよい。処理は、ステップS805へ移行する。
【0089】
ステップS805において、制御装置601は、監視回路604により対応する電気機器501、502、または503のジョブの実行が終了したか否かを監視する。電気機器501、502、または503は、ジョブの実行が終了すると、ジョブ終了信号を監視回路604へ送信する。制御装置601は、監視回路604が対応する電気機器501、502、または503からジョブ終了信号を受信した場合に(S805のYES)、ステップS806へ移行する。
【0090】
ステップS806において、制御装置601は、対応する電気機器501、502、または503をスタンバイモードへ移行させる。スタンバイモードは、電気機器501、502、または503が監視回路604からジョブ開始信号を受信したとき、ジョブ開始信号に対応する電気機器501、502、または503が迅速にジョブの実行を開始することができる待機状態である。
【0091】
ステップS807において、制御装置601は、監視回路604によりスタンバイモードへ移行後の所定時間内に端末装置504または505から電気機器501〜503へのジョブ信号が有るか否かを監視する。
【0092】
ジョブ信号がある場合(S807のYES)、制御装置601は、ステップS804へ移行し、前述のステップS804以降の動作を実行する。ジョブ信号がない場合(S807のNO)、ステップS808へ移行する。
【0093】
ステップS808において、制御装置601は、ジョブ信号が所定時間入力されないと、開閉器703を開状態にするための指示(制御信号、電源遮断指令)を電気機器501、502、または503へ送信するように変復調器(通信手段)602を制御する。すなわち、制御装置601は、ジョブ信号を所定時間受けていない電気機器501、502、または503内の電源706から開閉器703への電力の供給を遮断する指示を該当する電気機器へ電力線通信により送信する。
電気機器501、502、または503は、開閉器703を開状態にする開手段を有する。開手段は、変復調器704、制御装置705、およびダイオード708を有する。電気機器501の制御装置705は、変復調器(通信手段)704により管理装置500から電力の供給を遮断する指示を受信すると、ダイオード708を介して開閉器703を閉状態から開状態へ切り換える。その結果、電力線Vは、遮断されて、電力線Vから対応する電気機器501、502、または503の電源706への電力の供給が遮断される。開閉器703を閉状態に維持するための電源706からの電力の出力は、停止される。その結果、開閉器703が開状態へ切り換えられた電気機器501、502、または503は、スタンバイモードからシャットダウン状態となる。
【0094】
実施形態2において、電力制御システムS2は、3台の電気機器501、502、および503が通信機能を備えた電力線により接続された管理装置500を有する。本発明は、この形態に限定されるものではなく、電気機器の数が異なる場合や、画像形成装置以外の、例えば、通信機能を備えた家電やパーソナルコンピュータ等の他の電気機器が混在している電力制御システムにも同様に適用することができる。また、実施形態2において、電力線通信を使用した電力制御システムS2を説明したが、電力線通信を使用せずに電力線と通信線とを分けて電力線と通信線とにより管理装置、複数の電気機器、および複数の端末装置を接続した電力制御システムとしてもよい。
【0095】
実施形態2において、電力供給源に接続された電力線Vから複数の電気機器501〜503への電力供給の接続状態と遮断状態とを切り換えるための複数の開閉器703は、複数の電気機器501〜503のそれぞれの内部に設けられている。しかし、本発明による複数の開閉器703は、電気機器501〜503のそれぞれの内部に設けられていなくてもよい。複数の開閉器703は、管理装置500から複数の電気機器501〜503のそれぞれの電力線入力部までの間の電力線Vのそれぞれのいずれかの部分に設けられていればよい。
【0096】
実施形態2の電力制御システムS2によれば、管理装置500は、複数の電気機器501〜503が接続されたネットワークに、複数の電気機器501〜503の上流で接続されている。管理装置500が複数の電気機器501〜503へのジョブ信号を監視するので、それぞれの電気機器501〜503にジョブ信号を監視する監視回路を設ける必要がない。よって、電気機器の製造費用を低減することができる。
【0097】
実施形態2の電力制御システムS2において、複数の電気機器501〜503へ電力を供給する複数の電力線Vにそれぞれ設けられた複数の開閉器703は、複数の電気機器501〜503のそれぞれの内部に配置されている。複数の開閉器703のそれぞれは、対応する電気機器501〜503への電力の供給および遮断を切り替えるために、閉状態および開状態をとることができる。管理装置500がジョブ信号を受けたときに、ジョブ信号に対応する電気機器501、502、または503に対応する開閉器703へ電力を供給する。電力が供給された開閉器703が開状態であれば閉状態へ切り換えられる。開閉器703が開状態から閉状態へ切り替わった後の開閉器703の閉状態を維持するための電力は、管理装置500の電力から電気機器の内部の電源706の電力へ切り換えられる。これによって、対応する電気機器501、502、または503への電力供給が維持される。
【0098】
実施形態2の電力制御システムS2によれば、管理装置500が複数の電気機器501〜503へのジョブ信号を監視する。したがって、シャットダウン状態中に、複数の電気機器501〜503のそれぞれが、常時、ジョブ信号(シャットダウン状態からの復帰を促す信号)を監視する必要がなくなる。よって、複数の電気機器501〜503を有する電力制御システムS2は、消費される電力を大幅に低減することができる。
【0099】
従来技術においては、省電力モード中にネットワークインターフェイス回路へ電力を供給する高効率の電源が複数の電気機器のそれぞれに必要であった。しかし、実施形態2の電力制御システムS2によれば、管理装置500が端末装置504および505からのジョブ信号を監視するので、高価な高効率の電源を複数の電気機器501〜503のそれぞれに設ける必要がない。よって、複数の電気機器501〜503を有する電力制御システムS2の製造費用を低減することができる。
【符号の説明】
【0100】
100、500 管理装置
101、102、103、501、502、503 電気機器
201、202、203、703 開閉器
200、601 制御装置(制御手段)
602 変復調器(通信手段)
603 変復調器(入力手段)
702 BPF+整流回路(変換手段)
704 変復調器(通信手段)
P、Q、R、S、T、U、V 電力線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの電力供給を受けるための電力線と、
前記電力線に設けられ、電力の供給を行う閉状態と電力の供給を遮断する開状態と切り換える開閉器と、
前記電力線を介して外部の管理装置と通信を行うための通信手段と、
前記電力線を介して前記管理装置から送信される搬送波信号を直流電圧に変換し、変換した直流電圧により前記開閉器を前記開状態から前記閉状態に切り替えるための変換手段と、
を有することを特徴とする電気機器。
【請求項2】
前記変換手段により閉状態に切り替えられた開閉器を閉状態に維持するための電力を出力する電源を有することを特徴とする請求項1記載の電気機器。
【請求項3】
前記通信手段により前記管理装置から電源遮断指令を受信すると、前記開閉器を閉状態に維持するための電力の出力を停止することを特徴とする請求項2記載の電気機器。
【請求項4】
前記電気機器は、前記管理装置から前記電力線を介して送信される印刷ジョブに基づいて画像形成を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気機器。
【請求項5】
電力の供給を行う閉状態と電力の供給を遮断する開状態と切り換える開閉器が設けられる電力線と、前記電力線を介して送信される搬送波信号を直流電圧に変換し、変換した直流電圧により前記開閉器を閉状態にする変換手段とを有する画像形成装置への電力供給を制御する管理装置であって、
外部機器からの印刷ジョブを入力する入力手段と、
前記電力線を介して前記画像形成装置と電力線通信を行う通信手段と、
前記印刷ジョブが入力されると、前記画像形成装置の開閉器を閉状態するための搬送波信号を前記画像形成装置へ送信し、その後、前記印刷ジョブを前記画像形成装置へ送信するよう前記通信手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、前記開閉器を開状態にする開手段を有し、
前記制御手段は、前記印刷ジョブが所定時間入力されないと、前記開閉器を開状態にするための制御信号を前記画像形成装置に送信するよう前記通信手段を制御することを特徴とする請求項5記載の管理装置。
【請求項7】
前記管理装置は、複数の画像形成装置と電力線を介して接続され、
前記制御手段は、前記複数の画像形成装置のうちから、前記入力手段により入力された前記印刷ジョブが実行される画像形成装置を判断し、判断された画像形成装置に対して前記搬送波信号を送信するよう前記通信手段を制御することを特徴とする請求項5記載の管理装置。
【請求項8】
前記入力手段により入力された前記印刷ジョブを記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記搬送波信号により前記画像形成装置が起動した後に、前記記憶手段に記憶された前記印刷ジョブを前記画像形成装置へ送信するよう前記通信手段を制御することを特徴とする請求項5記載の管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−54731(P2013−54731A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−175678(P2012−175678)
【出願日】平成24年8月8日(2012.8.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】