説明

電気機器用タンク

【課題】本発明に係る実施形態は、電気機器に使用されるタンク1およびOリング5の上部と下部との間に発生する温度差を抑え、シール部の温度を均一にし、シール性能の信頼性を向上させるとともに、冷却性能を向上させることを目的とする。
【解決手段】本発明に係る電気機器用タンクは、高電圧導体6又は巻線を収納し、絶縁ガスが封入され、円筒形状を持つ電気機器用タンク1において、電気機器用タンク1のフランジ部2に設置し、絶縁ガスをシールするOリング5と、フランジ部2の外気側又は合わせ面側に、Oリング5と併設したヒートパイプ7とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、例えば、ガス絶縁開閉装置、ガス絶縁変圧器、ガス絶縁母線等に用いられる電気機器用タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
変電所を構成するガス絶縁リアクトル、ガス絶縁変圧器、ガス絶縁開閉装置、ガス絶縁母線などの変電および送電用電気機器は、電気が流れる通電部とそれを収納するタンクで構成されている。いずれの電気機器も通電部に通電すると、電気抵抗によって発熱する。
【0003】
また、これらの電気機器内にはSF6ガス、窒素ガス、炭酸ガス、空気などの気体絶縁物が圧縮充填されており、電気抵抗によって発熱した熱の冷却および、外部との絶縁を行っている。
【0004】
近年は設置スペース縮小などの観点より機器のコンパクト化が進んでおり、機器各部の温度を高く設定することが多くなっている。しかし、内部の絶縁物やタンクのシール部の性能および寿命は該当部の温度が影響することが知られている。つまり、これらの温度上昇を抑えることによって、機器の寿命を長くすることが可能である。
【0005】
従来の電気機器用タンクとしてガス絶縁母線の構成例を図13に、ガス絶縁変圧器の構成例を図14に示す。まず、図13ではガス母線タンク1のフランジ部2同士が絶縁スペーサ3を挟んでボルトナット4で固定しており、ガスシールのため前記絶縁スペーサ3にOリング5が取り付けられている。また、前記絶縁スペーサ3は高電圧導体6を固定している。
【0006】
通電状態においては高電圧導体6に電流が流れて発熱するが、ガス母線タンク1に充填された充填ガスが熱を受けて温度が上昇する。温度上昇した充填ガスは、自然対流により上方に流れてからガス母線タンク1に沿って下方に流れる。そのため、ガス母線タンク1の温度分布は上部で高く、下部で低い分布となる。これに伴い、Oリング5の温度分布も同様に、上部で高く、下部で低い分布となる。
【0007】
また、3相ガス絶縁母線のガス母線タンク1の上部と下部との温度差は、15度〜25度程度となることも計測されており、直射日光が照射される屋外の場合は、さらに温度差は拡大すると考えられている。
【0008】
次に、図14では変圧器タンク11のフランジ部12同士をボルトナット13で固定しており、同様にガスシールのため片側のフランジ部にOリング14が取り付けられている。
【0009】
通電状態においては変圧器タンク11内部の鉄心15および巻線16で発熱するが、変圧器タンク11内に充填された充填ガスのうち、仕切板17より下部の充填ガスが鉄心および巻線内を上昇してこれらから熱を受けて温度が上昇する。温度上昇した充填ガスは、変圧器タンク11上部に流れた後、図示しない冷却器を通って変圧器タンク11の下部に戻る。
【0010】
ここでの充填ガスの冷却方式は、自然対流で循環する冷却方式とブロアにより強制的に循環する冷却方式とがある。いずれの場合も、変圧器タンク11の温度は仕切板より上部で高く、下部で低い分布になる。したがって、Oリングの温度も上部で高く、下部で低い分布となる。
【0011】
ここで、変圧器タンク内部の巻線間にヒートパイプを設置し、冷却効率を上げる方法(特許文献1)や、巻線とタンク間にヒートパイプを設置して巻線の温度上昇を低減する方法(特許文献2)や、タンク内部の冷却媒体と冷却器との間にヒートパイプを設置して冷却媒体の温度を低減する方法(特許文献3)が考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004−119811号公報
【特許文献2】特開2000−138122号公報
【特許文献3】特開平5−275245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1乃至3はタンク中身の温度を下げることを念頭においたものであり、いずれもタンクに関して上部と下部の温度差を小さくするものではない。したがって、タンクおよびOリングの上部で温度が高く、下部で温度が低くなる課題を解決していない。
【0014】
本発明に係る実施形態は、電気機器に使用されるタンクおよびOリングの上部と下部との間に発生する温度差を抑え、シール部の温度を均一にし、シール性能の信頼性を向上させるとともに、冷却性能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る電気機器用タンクは、高電圧導体又は巻線を収納し、絶縁ガスが封入され、円筒形状を持つ電気機器用タンクにおいて、前記電気機器用タンクのフランジ部に設置し、前記絶縁ガスをシールするOリングと、前記フランジ部の外気側又は合わせ面側に、前記Oリングと併設したヒートパイプとを備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る電気機器用タンク(ガス母線タンク)の第1の実施形態における構成を示す図。
【図2】本発明に係る電気機器用タンク(ガス母線タンク)の第1の実施形態における、フランジ部の構成を示す図。
【図3】本発明に係る電気機器用タンク(ガス母線タンク)の第1の実施形態における、フランジ部の他の構成例を示す図。
【図4】本発明に係る電気機器用タンク(ガス母線タンク)の第1の実施形態における、フランジ部の構成を示す拡大断面図。
【図5】本発明に係る電気機器用タンク(ガス母線タンク)の第1の実施形態における、フランジ部の他の構成例を示す拡大断面図。
【図6】本発明に係る電気機器用タンク(変圧器タンク)の第2の実施形態における構成を示す図。
【図7】本発明に係る電気機器用タンク(変圧器タンク)の第2の実施形態における、フランジ部の構成を示す拡大断面図。
【図8】本発明に係る電気機器用タンク(変圧器タンク)の第2の実施形態における、フランジ部の他の構成例を示す拡大断面図。
【図9】本発明に係る電気機器用タンク(ガス母線タンク)の第3の実施形態における構成を示す図。
【図10】本発明に係る電気機器用タンク(ガス母線タンク)の第3の実施形態における、フランジ部の構成を示す図。
【図11】本発明に係る電気機器用タンク(変圧器タンク)の第4の実施形態における構成を示す図。
【図12】本発明に係る電気機器用タンク(変圧器タンク)の第4の実施形態における、フランジ部の構成を示す図。
【図13】従来の電気機器用タンク(ガス母線タンク)の構成を示す図。
【図14】従来の電気機器用タンク(変圧器タンク)の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る電気機器用タンクの実施形態について図面を用いて説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
本発明に係る電気機器用タンクの第1の実施形態の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係るガス絶縁母線の本実施形態の構成を示す。
【0019】
本実施形態が、図13に示す従来のガス絶縁母線と同一の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。本実施形態のガス絶縁母線と従来のガス絶縁母線が異なる点は、ヒートパイプ7を備える点である。ヒートパイプ7は、フランジ部2内にOリング5よりも内周側に設置されている。
【0020】
次に、ヒートパイプ7の形状例について、図2および図3を用いて説明する。図2および図3は、本実施形態のガス母線タンク1のヒートパイプ7を通る断面図である。図2では、フランジ部2aに溝8を設け、この溝8の中に、溝8の周長のおよそ半分の長さの略半リング形状のヒートパイプ7aを重ならないように2本装着している。図3では、図2と同様の溝8を設け、この8溝の中に、溝8のおよそ周長の長さのC型形状のヒートパイプ7bを1本装着している。
【0021】
さらに、ヒートパイプ7の設置例について、図4および図5を用いて説明する。図4および図5は、本実施形態のガス母線タンク1の長手方向の断面図であり、図1におけるA部の拡大図を示している。図4では、タンク1のフランジ部2bの絶縁スペーサ側にOリング5aとヒートパイプ7の両方とも設置している。図5では、フランジ部2cの外気側に溝8およびヒートパイプ7を設置している。
【0022】
このように構成されたガス母線タンク1の作用を説明する。高電圧導体6に電流が流れることにより電気抵抗に応じて発熱し、温度が上昇する。そして、周囲の充填ガスがこの熱をもらって温度が上昇し、自然対流によりガス母線タンク1内を上方に流れ、ガス母線タンク1の内壁に沿って下方に流れる。そのため、タンクの温度分布としては上部で高く下部で低い分布となる。
【0023】
したがって、従来のフランジ部2およびOリング5の温度分布は上部で高く、下部で低い分布となるが、本実施形態のフランジ部2およびOリング5よりも内周側にヒートパイプ7が装着されているため、ヒートパイプ7の上下で温度差が小さくなり、Oリング7でも上下の温度差が小さくなる。
【0024】
すなわち、Oリング5のシール性能や材質劣化を左右する最高温度を低減することが可能になり、機器の寿命を延ばすことにつながる。また、従来温度の低かったタンク下部の温度が上昇するため、外気との熱伝達量が増加することやタンク内部の自然対流が大きくなる効果もあり、機器の冷却特性も上昇する。
【0025】
本発明によれば、フランジ部2のOリング5よりも内周側にヒートパイプ7を装着することにより、Oリング5の周方向の温度が均一化され、最高温度を低減できるので、Oリング5のシール性能や寿命を延ばすことが可能になり、機器の寿命を延ばすことができる。
【0026】
ここで、従来のヒートパイプ7を設置しない場合のガス母線タンク1の上部と下部との温度差15度〜25度は、本実施形態においては約半分の7.5度〜12.5度程度となる。ガス母線タンク1の上部と下部との温度差が抑制できることによって、Oリング5の寿命は約2倍程度となる。
【0027】
なお、本実施形態でのヒートパイプ7は、略半円形状又はC型形状としているが、1本のリング形状としても同様の効果が得られる。また、ヒートパイプ7の設置、固定方法は、溶接、接着、はめ込み等が考えられるが、上述した構成であれば、設置、固定方法は問わない。
【0028】
また、図5では、フランジ部2cの外気側に溝8およびヒートパイプ7を設置しているが、溝8とヒートパイプ7の隙間にゴミなどが付着しないように樹脂や接着剤などの固定剤で埋めることが望ましい。
【0029】
さらに、ヒートパイプ7に用いる冷媒は、設置するガス母線タンク1の温度上昇に応じて選択可能であるが、水、アルコール、アンモニア、フロン等を用いることが可能である。また、ガス母線タンク1の下部で液体、上部で気体となるような冷媒を用いても同様の効果を得ることが可能である。
【0030】
また、本実施形態では、ガス絶縁母線にヒートパイプを設置したが、ガス絶縁開閉装置に対して、同様の構成にてヒートパイプを設置しても同様の効果を得ることが可能である。
【0031】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る電気機器用タンクの第2の実施形態について、図6を用いて説明する。図6は、タンクの軸方向が水平方向であるガス絶縁変圧器の構成図を示す。第1の実施形態では、ガス絶縁母線に設置されたOリング5にヒートパイプ7を隣接していたが、本実施形態では、ガス絶縁変圧器に設置されたOリング14にヒートパイプ19を隣接している。
【0032】
本実施形態では、タンク11のフランジ部12a同士をボルトナット13で固定しており、ガスシールのため片側のフランジ部にOリング14が取り付けられている。また、タンク内部には鉄心15および巻線16が、これらとタンク内面の間には仕切板17が設置されている。ここで、本実施形態においては、Oリング14の内周側で同じフランジ面に設けられた溝18内にヒートパイプ19が固定されている。
【0033】
また、図7はタンク11のフランジ部12bおいて、Oリング14を設けていないフランジ側に溝18aおよびヒートパイプ19を設けた例を示しており、図8はOリング14を設けてある同じフランジ部12cの外気側に溝18bおよびヒートパイプ19を取り付けた例を示している。
【0034】
上記のように構成された電気機器用タンクの作用について説明する。タンク内に流入したガスは仕切板があるために鉄心15や巻線16の内部に流れ、温度が上昇したガスは変圧器タンク11上部から図示しない外の冷却器に流れるように構成されている。このため、タンクの温度分布としては仕切板より上部で高く下部で低い分布となる。
【0035】
したがって、従来のフランジ部12aおよびOリング14の温度分布も上部で高く、下部で低い分布となるが、本実施形態ではフランジ部のOリング14よりも内周側にヒートパイプ19が装着されているため、ヒートパイプ19の上下で温度差が小さくなり、Oリング14でも上下の温度差が小さくなる。
【0036】
すなわち、ガス絶縁変圧器においても、Oリング14のシール性能や材質劣化を左右する最高温度を低減することが可能になり、機器の寿命を延ばすことができる。
【0037】
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る電気機器用タンクの第3の実施形態について図9および図10を用いて説明する。図9および図10は、本実施形態のガス絶縁母線の構成図を示している。第1の実施形態の構成を示す図1と同一の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0038】
本実施形態では、ガス母線タンク1のフランジ部2同士を、絶縁スペーサ3を挟んでボルトナット4で固定しており、ガスシールのため前記絶縁スペーサ3にOリング5が取り付けられている。
【0039】
ここで、本実施形態においては、前記フランジ部2付近のタンク1の外周部に、タンク半周分の長さで断面が板状のヒートパイプ7cとその上から押え板9をタンクに沿って2セット向き合うように設置し、さらに、この押え板のフランジ部9a同士をボルトナットなどにより固定している。この場合、フランジ部9はタンクの鉛直方向の上下になるように設置している。
【0040】
このように構成されたガス母線タンク1の作用を説明する。高電圧導体6に電流が流れることにより電気抵抗に応じて発熱し、周囲の充填ガスが自然対流により上方に流れるため、ガス母線タンク1の温度分布としては上部で高く下部で低い分布となる。したがって、従来のフランジ部2およびOリング5の温度分布も上部で高く、下部で低い分布となることは第1の実施形態と同様である。
【0041】
本実施形態ではフランジ部2付近のガス母線タンク1外周部に板状のヒートパイプ7cが装着され、かつ、上から押え板により固定されているため、ヒートパイプ7cはタンクに密着していることになる。ここで、ヒートパイプ7cは上下の温度差を小さくする効果があるため、密着しているガス母線タンク1部でも上下の温度差が小さくなる。
【0042】
さらに、近くのフランジ部2のOリング5の温度差も小さくなる。すなわち、Oリング5のシール性能や材質劣化を左右する最高温度を低減することが可能になり、機器の寿命を延ばすことにつながる。また、従来温度の低かったガス母線タンク1下部の温度が上昇するため、外気との熱伝達量が増加することやガス母線タンク1内部の自然対流が大きくなる効果もあり、冷却特性が上昇する。
【0043】
さらに、ガス母線タンク1半周分のヒートパイプ7cおよび押え板9をガス母線タンク1両側からボルトで固定するため、既設のガス絶縁開閉装置、ガス絶縁母線およびガス絶縁変圧器などの電気機器にも取り付けられる。
【0044】
本実施形態によれば、フランジ部2の近くのガス母線タンク1外周部に面積の広い板状ヒートパイプ7cを装着することにより、ガス母線タンク1の上下温度が均一化されるため、フランジ部2のOリング5の周方向の温度も均一化され、最高温度を低減できる。これにより、Oリング5のシール性能や寿命を延ばすことが可能になり、電気機器の寿命を延ばすことができる。
【0045】
なお、本実施形態ではヒートパイプ7cを板状としているが、第1の実施形態に示すようなパイプ状のヒートパイプ7を複数本並べたものでも良い。また、板状ヒートパイプ7cおよび押え板9の幅に制限はないため、ガス母線タンク1のほぼ全面を覆うことで機器の冷却効果を大きくすることも可能である。
【0046】
(第4の実施形態)
次に、本発明に係る電気機器用タンクの第4の実施形態について図11および図12を用いて説明する。図11はガス絶縁変圧器の構成図を示し、図12は、図11に示すB−B断面における断面図を示している。第2の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0047】
本実施形態では、変圧器タンク11外周部に沿って、その半周分の長さで内部を中空にした冷却カバー20を左右2個設置し、この冷却カバー20のフランジ部20a同士をボルトナット13などにより固定している。
【0048】
さらに、フランジ部12は変圧器タンク11の鉛直方向の上下になるように設置し、かつ、3つの巻線16の正面に位置するように3箇所設置している。また、中空部には内周側と外周側を分ける仕切板21が取り付けられており、中空の内部には水などの液体冷媒22が充填されている。
【0049】
上記のように構成したガス絶縁変圧器における作用は、第2の実施形態と同様であり、変圧器タンク11によって暖められた液体冷媒は仕切板21の内周側を上昇し、同外周側を下降しながら冷却されることになる。
【0050】
本実施形態によれば、変圧器タンク11の上部と下部の温度が平均化される効果があり、変圧器タンク11のフランジ部12温度の均一化およびOリング15の最高温度の低減につながる。さらに、フランジ部12を3つの巻線16の正面に位置するように3箇所設置することにより、巻線16からの磁束によるタンク局所加熱によるタンク温度上昇を抑える効果もある。
【0051】
本発明に係る実施形態によれば、電気機器に使用されるタンクおよびOリングの上部と下部との間に発生する温度差を抑え、シール部の温度を均一にし、シール性能の信頼性を向上させるとともに、冷却性能を向上させることが可能となる。
【0052】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1…ガス母線タンク
2、2a、2b、2c、12、12a、12b、12c…フランジ部
3、3a…絶縁スペーサ
4、13…ボルトナット
5、5a、14…Oリング
6…高電圧導体
7、7a、7b、7c、19…ヒートパイプ
8、18、18a、18b…溝
9…押え板
9a…押え板のフランジ部
11…変圧器タンク
15…鉄心
16…巻線
17、21…仕切板
20…冷却カバー
20a…冷却カバーのフランジ部
22…液体冷媒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧導体又は巻線を収納し、絶縁ガスが封入され、円筒形状を持つ電気機器用タンクにおいて、
前記電気機器用タンクのフランジ部に設置し、前記絶縁ガスをシールするOリングと、
前記フランジ部の外気側又は合わせ面側に、前記Oリングと併設したヒートパイプとを
備えることを特徴とする電気機器用タンク。
【請求項2】
前記ヒートパイプは、C型形状、略半円形状又はリング形状であり、
C型形状の前記ヒートパイプは、C型の開口部を前記電気機器用タンクの鉛直方向の上方又は下方を向いて設置し、
略半円形状の前記ヒートパイプは、2本設置され、互いに重ならず、端部を前記電気機器用タンクの鉛直方向の上方又は下方を向いて設置することを特徴とする請求項1記載の電気機器用タンク。
【請求項3】
前記ヒートパイプは、前記Oリングの内周側に設置することを特徴とする請求項1又は2記載の電気機器用タンク。
【請求項4】
前記ヒートパイプは、前記フランジ部に設けられた溝に収納し、前記溝と前記ヒートパイプの隙間を、固定剤で埋めることを特徴とする請求項1乃至3記載のいずれか1項に記載の電気機器用タンク。
【請求項5】
高電圧導体又は巻線を収納し、絶縁ガスが封入され、円筒形状を持つ電気機器用タンクにおいて、
前記電気機器用タンクの外周側の表面に設置したヒートパイプと、
前記ヒートパイプを前記電気機器用タンクに押し当てる押え板とを
備えることを特徴とする電気機器用タンク。
【請求項6】
前記ヒートパイプは、前記電気機器用タンクの中心軸に沿って複数併設されていることを特徴とする請求項5記載の電気機器用タンク。
【請求項7】
前記ヒートパイプは、前記高圧導体又は前記巻線との距離が略最短となる場所に設置されていることを特徴とする請求項5又は6記載の電気機器用タンク。
【請求項8】
高電圧導体又は巻線を収納し、絶縁ガスが封入され、円筒形状を持つ電気機器用タンクにおいて、
前記電気機器用タンクの外周側における表面の両側面に、内部を中空にして2枚設置された、内部に液体冷媒を充填した略半円形状の冷却カバーとを
備えることを特徴とする電気機器用タンク。
【請求項9】
前記冷却カバーの中空部分の上下端部を除く部分に、内周側と外周側とを分ける仕切板を設けたことを特徴とする請求項8記載の電気機器用タンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−9575(P2012−9575A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143172(P2010−143172)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】