説明

電気泳動粒子表示装置及び電気泳動粒子表示装置の製造方法

【課題】電気泳動粒子表示装置において、電気泳動粒子の帯電量を大きくした場合であっても電気泳動粒子の応答性の低下を防止する。
【解決手段】画素電極116を備えた画素基板102と、画素基板102と対向配置された、共通電極118を備えた対向基板104と、画素電極116と共通電極118との間に形成されたバインダー層106と、バインダー層106に形成された収容部108と、収容部108内に充填された、電気泳動粒子110と分散媒112とを有する分散液114とを含み、収容部108は、遮蔽用収容部108aと表示用収容部108bと連通部108cとを有し、表示用収容部108bの壁面は、断面視で、連通部108c側から共通電極118側に向かうに従って幅が広くなるように円弧状に湾曲した部分を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動粒子表示装置及び電気泳動粒子表示装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マイクロカプセル方式の電気泳動粒子表示装置は、電気泳動粒子と分散媒とを含む分散液をポリマー膜に包んだマイクロカプセルと、そのマイクロカプセルへ電圧を印加する電極と、マイクロカプセル同士若しくはマイクロカプセルと電極とを接着させるバインダー層とを含んで構成される場合がある。そして、その従来技術としては、例えば特許文献1又は特許文献2に記載されたものがある。
【0003】
ところで、従来の電気泳動粒子表示装置を用いてモノクロ表示をする際には、電気泳動粒子として、白色粒子と黒色粒子の2種類を使用する場合がある。この場合、電気泳動粒子の動作を制御するために、2種類の粒子のうち、一方の粒子(例えば、黒色粒子)をプラスに帯電させ、他方の粒子(例えば、白色粒子)をマイナスに帯電させる。そして、電気泳動粒子表示装置に配置された画素電極に、プラス若しくはマイナスの電圧を印加することで、一方の粒子を画素電極側に泳動させるとともに、他方の粒子を共通電極側に泳動させることでモノクロ表示をする。そのため、原理的には電気泳動粒子の帯電量が大きいほど高速動作が可能となるとともに、低電圧での応答が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−102051号公報
【特許文献2】特開2003−140201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電気泳動粒子の帯電量を大きくすると、それぞれ帯電した白色粒子と黒色粒子とが互いに静電気的な相互作用によって引き付け合い、白色粒子と黒色粒子の凝集体が形成される場合がある。この場合、形成された凝集体の帯電量は、凝集前の電気泳動粒子の帯電量よりも減少するので、電気泳動粒子の応答性が低下する可能性があるといった課題があった。
【0006】
そこで、本発明のいくつかの態様は、このような事情に鑑みてなされたものであって、電気泳動粒子の帯電量を大きくした場合であっても、電気泳動粒子の応答性の低下を防止できる電気泳動粒子表示装置及び電気泳動粒子表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、第1の電極を備えた第1の基板と、前記第1の基板と対向配置された、第2の電極を備えた第2の基板と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に形成されたバインダー層と、前記バインダー層に形成された収容部と、前記収容部内に充填された、単色の電気泳動粒子と分散媒とを有する分散液と、を含み、前記収容部は、前記第1の電極側に形成された第1の収容部と、前記第1の収容部と前記第2の電極との間に形成された第2の収容部と、前記第1の収容部と前記第2の収容部とを連通させる連通部と、を有し、前記第2の収容部の壁面は、断面視で、前記連通部側から前記第2の電極側に向かうに従って、幅が広くなるように円弧状に湾曲した部分を備えていることを特徴とする電気泳動粒子表示装置である。
【0008】
上記態様によれば、第1の電極に印加する電圧の極性によっては、第2の収容部内に収容されていた電気泳動粒子を、連通部を通して第1の収容部内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子の色はバインダー層により遮蔽されるので、電気泳動粒子表示装置は非表示状態となる。これとは逆に、第1の電極に印加する電圧の極性によっては、第1の収容部内に収容されていた電気泳動粒子を、連通部を通して第2の収容部内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子の色を遮蔽するものがないので、電気泳動粒子表示装置は表示状態となる。
【0009】
このように、上記態様によれば、単色の電気泳動粒子を用いてモノクロ表示をすることができる。また、電気泳動粒子が単色、即ち1種類であるので、電気泳動粒子の帯電量を大きくした場合であっても電気泳動粒子同士の凝集化を起こりにくくすることができる。よって、上記態様の電気泳動粒子表示装置によれば、電気泳動粒子の応答性が低下するのをより防止できる。
【0010】
また、上記態様によれば、第2の収容部の壁面は、断面視で、連通部側から第2の電極側に向かうに従って、幅が広くなるように円弧状に湾曲した部分を備えている。このため、例えば第2の収容部の壁面が、断面視で、連通部側から第2の電極側に向かうに従って、幅が広くなるように直線的に形成されている場合と比較して、電気泳動粒子はより第2の電極側から離れた場所で第2の収容部の壁面と接触する。よって、表示状態から非表示状態に表示態様を切り替えた時には、モノクロ表示のコントラストを向上させることができる。
【0011】
また、本発明の他の態様は、前記第1の収容部の深さは、前記第2の収容部の深さよりも浅いことを特徴とする電気泳動粒子表示装置。
である。
上記態様によれば、第2の収容部の深さ(つまり、連通部から第2の電極までの距離)が第1の収容部の深さ(つまり、第1の電極から連通部までの距離)よりも深い若しくは同じである場合と比較して、第1の収容部内に収容されていた電気泳動粒子を、連通部を通して第2の収容部内に移動させるために要する時間を短縮することができる。即ち、非表示状態から表示状態への切り替え速度を高めることができる。
【0012】
また、本発明の他の態様は、前記第1の収容部の壁面は、断面視で、前記第1の電極側から前記連通部側に向かうに従って、幅が広くなるように円弧状に湾曲した部分を備えていることを特徴とする電気泳動粒子表示装置である。
上記態様によれば、第1の収容部を、例えばバインダー層をエッチングすることで形成することができる。よって、容易に第1の収容部を形成することができる。
【0013】
また、本発明の他の態様は、前記第1の収容部は、球状の収容部を備えていることを特徴とする電気泳動粒子表示装置である。
上記態様によれば、第1の収容部を、例えば球状の微粒子をエッチングすることで形成することができる。よって、容易に第1の収容部を形成することができる。
【0014】
また、本発明の他の態様は、前記バインダー層は、前記第1の電極側に形成され、前記第1の収容部が形成された第1のバインダー層と、前記第1のバインダー層と前記第2の電極との間に形成され、前記第2の収容部が形成された第2のバインダー層と、を備え、前記第2のバインダー層は、前記電導泳動粒子と異なる色をしていることを特徴とする電気泳動粒子表示装置である。
上記態様によれば、第2のバインダー層は電導泳動粒子と異なる色をしているので、電気泳動粒子が第2の収容部内に収容されている場合、即ち表示状態の場合において、モノクロ表示のコントラストをより向上させることができる。
【0015】
また、本発明の他の態様は、前記第1のバインダー層は、遮光性を備えていることを特徴とする電気泳動粒子表示装置である。
上記態様によれば、第1のバインダー層は遮光性を備えているので、電気泳動粒子が第1の収容部内に収容されている場合、即ち非表示状態の場合において、電気泳動粒子の色は第1のバインダー層により遮蔽されるのでモノクロ表示のコントラストをより向上させることができる。
【0016】
また、本発明の他の態様は、第1の電極を備えた第1の基板と、前記第1の基板と対向配置された、第2の電極を備えた第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に形成されたバインダー層と、前記バインダー層に形成された収容部と、前記収容部内に充填された、単色の電気泳動粒子と分散媒とを有する分散液と、を含み、前記収容部は、前記第1の電極側に形成された第1の収容部と、前記第1の電極側から前記第2の電極側にかけて形成された第2の収容部と、前記第1の収容部と前記第2の収容部とを連通させる連通部と、を有し、前記第2の収容部の壁面は、断面視で前記第1の電極側から前記第2の電極側に向かうに従って、幅が広くなるように円弧状に湾曲した部分を備えていることを特徴とする電気泳動粒子表示装置である。
【0017】
上記態様によれば、第1の電極に印加する電圧の極性によっては、第2の収容部内に収容されていた電気泳動粒子を、連通部を通して第1の収容部内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子の色はバインダー層により遮蔽されるので、電気泳動粒子表示装置は非表示状態となる。これとは逆に、第1の電極に印加する電圧の極性によっては、第1の収容部内に収容されていた電気泳動粒子を、連通部を通して第2の収容部内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子の色を遮蔽するものがないので、電気泳動粒子表示装置は表示状態となる。
【0018】
このように、上記態様によれば、単色の電気泳動粒子を用いてモノクロ表示をすることができる。また、電気泳動粒子が単色、即ち1種類であるので、電気泳動粒子の帯電量を大きくした場合であっても電気泳動粒子同士の凝集化を起こりにくくすることができる。よって、上記態様の電気泳動粒子表示装置によれば、電気泳動粒子の応答性が低下するのをより防止できる。
【0019】
また、本発明の他の態様は、前記バインダー層は、前記電導泳動粒子と異なる色をしていることを特徴とする電気泳動粒子表示装置である。
上記態様によれば、バインダー層は電導泳動粒子と異なる色をしているので、電気泳動粒子が第2の収容部内に収容されている場合、即ち表示状態の場合において、モノクロ表示のコントラストを向上させることができる。
【0020】
また、本発明の他の態様は、第1の電極を備えた第1の基板を覆うように、第1のバインダーを塗布する第1塗布工程と、前記第1塗布工程後、前記第1のバインダーを覆うように、前記第1のバインダーよりもエッチングレートの低い第2のバインダーと、前記第2のバインダーよりもエッチングレートの高い微粒子とを含む塗料を塗布し、前記第1のバインダーと前記第2のバインダーとを積層させる第2塗布工程と、前記第2塗布工程後、前記微粒子をエッチングして除去することで、前記第2のバインダーに第1の収容部を形成し、前記第1のバインダーの表面の一部を露出させる第1収容部形成工程と、前記第1収容部形成工程後、前記第1のバインダーの一部をエッチングして除去することで、第2の収容部を形成する第2収容部形成工程と、前記第2収容部形成工程後、前記第1の収容部と前記第2の収容部とに単色の電気泳動粒子と分散媒とを含んだ分散液を充填する充填工程と、前記充填工程後、前記第1のバインダーと前記第2のバインダーと前記分散液とを挟んで、前記第1の電極と対向する側に、第2の電極を備えた第2の基板を配置し、前記分散液を封止する封止工程と、を含んでいることを特徴とする電気泳動粒子表示装置の製造方法である。
【0021】
上記態様によれば、断面視で、連通部側から第2の電極側に向かうに従って、幅が広くなるように円弧状に湾曲した壁面を有する第1の収容部と、第1の電極側から連通部側に向かうに従って、幅が広くなるように円弧状に湾曲した壁面を有する第2の収容部と、第1の収容部と第2の収容部とを連通する連通部とを形成することができる。このため、第1の電極に印加する電圧の極性によっては、第1の収容部内に収容されていた電気泳動粒子を、連通部を通して第2の収容部内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子の色は第1のバインダーにより遮蔽されるので、電気泳動粒子表示装置は非表示状態となる。これとは逆に、第1の電極に印加する電圧の極性によっては、第2の収容部内に収容されていた電気泳動粒子を、連通部を通して第1の収容部内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子の色を遮蔽するものがないので、電気泳動粒子表示装置は表示状態となる。
【0022】
このように、上記態様によれば、単色の電気泳動粒子を用いてモノクロ表示が可能な電気泳動粒子表示装置を製造することができる。また、電気泳動粒子が単色、即ち1種類であるので、電気泳動粒子の帯電量を大きくした場合であっても、電気泳動粒子同士の凝集化が起こりにくく、電気泳動粒子の応答性が低下するのをより防止できる電気泳動粒子表示装置を製造することができる。
【0023】
また、本発明の他の態様は、第1の電極を備えた第1の基板を覆うように、第1のバインダーと、前記第1のバインダーよりもエッチングレートの高い第1の微粒子とを含む第1の塗料を塗布する第1塗布工程と、前記第1塗布工程後、前記第1のバインダーと前記第1の微粒子とを覆うように、前記第1のバインダーよりもエッチングレートの低い第2のバインダーと、前記第2のバインダーよりもエッチングレートが高い第2の微粒子とを含む第2の塗料を塗布する第2塗布工程と、前記第2塗布工程後、前記第2の微粒子をエッチングして除去することで、前記第2のバインダーに第1の収容部を形成し、前記第1の微粒子の表面の一部を露出させる第1収容部形成工程と、前記第1収容部形成工程後、前記第1の微粒子をエッチングして除去することで、前記第1のバインダーに第2の収容部を形成する第2収容部形成工程と、前記第2収容部形成工程後、前記第1の収容部と前記第2の収容部とに単色の電気泳動粒子と分散媒とを含んだ分散液を充填する充填工程と、前記充填工程後、前記第1のバインダーと前記第2のバインダーと前記分散液とを挟んで、前記第1の電極と対向する側に、第2の電極を備えた第2の基板を配置し、前記分散液を封止する封止工程と、を含んでいることを特徴とする電気泳動粒子表示装置の製造方法である。
【0024】
上記態様によれば、断面視で、連通部側から第2の電極側に向かうに従って、幅が広くなるように円弧状に湾曲した壁面を有する第1の収容部と、球状の第2の収容部と、第1の収容部と第2の収容部とを連通する連通部とを形成することができる。このため、第1の電極に印加する電圧の極性によっては、第1の収容部内に収容されていた電気泳動粒子を、連通部を通して第2の収容部内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子の色は第1のバインダーにより遮蔽されるので、電気泳動粒子表示装置は非表示状態となる。これとは逆に、第1の電極に印加する電圧の極性によっては、第2の収容部内に収容されていた電気泳動粒子を、連通部を通して第1の収容部内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子の色を遮蔽するものがないので、電気泳動粒子表示装置は表示状態となる。
【0025】
このように、上記態様によれば、単色の電気泳動粒子を用いてモノクロ表示が可能な電気泳動粒子表示装置を製造することができる。また、電気泳動粒子が単色、即ち1種類であるので、電気泳動粒子の帯電量を大きくした場合であっても電気泳動粒子同士の凝集化が起こりにくく、電気泳動粒子の応答性が低下するのをより防止できる電気泳動粒子表示装置を製造することができる。
【0026】
また、本発明の他の態様は、前記第2のバインダーは、前記電気泳動粒子と異なる色をしていることを特徴とする電気泳動粒子表示装置の製造方法である。
上記態様によれば、第2のバインダーは電導泳動粒子と異なる色をしているので、電気泳動粒子が第1の収容部内に収容されている場合、即ち表示状態の場合において、モノクロ表示のコントラストを向上させた電気泳動粒子表示装置を製造できる。
【0027】
また、本発明の他の態様は、前記第1のバインダーは、遮光性を備えていることを特徴とする電気泳動粒子表示装置の製造方法である。
上記態様によれば、第1のバインダーは遮光性を有しているので、電気泳動粒子が第2の収容部内に収容されている場合、即ち非表示状態の場合において、電気泳動粒子の色は第1のバインダーにより遮蔽されるのでモノクロ表示のコントラストを向上させた電気泳動粒子表示装置を製造できる。
【0028】
また、本発明の他の態様は、第1の電極を備えた第1の基板を覆うように、バインダーと、前記バインダーよりもエッチングレートの高い第1の微粒子と、前記第1の微粒子より粒径が小さく、前記バインダーよりもエッチングレートの高い第2の微粒子とを含む塗料を塗布する塗布工程と、前記塗布工程後、前記第1の微粒子をエッチングして除去することで、前記バインダーに第1の収容部を形成し、前記第2の微粒子の表面の一部を露出させる第1収容部形成工程と、前記第1収容部形成工程後、前記第2の微粒子をエッチングして除去することで、前記バインダーに第2の収容部を形成する第2収容部形成工程と、前記第2収容部形成工程後、前記第1の収容部と前記第2の収容部とに単色の電気泳動粒子と分散媒とを含んだ分散液を充填する充填工程と、前記充填工程後、前記バインダーと前記分散液とを挟んで、前記第1の電極と対向する側に、第2の電極を備えた第2の基板を配置し、前記分散液を封止する封止工程と、を含んでいることを特徴とする電気泳動粒子表示装置の製造方法である。
【0029】
上記態様によれば、断面視で、第1の電極側から第2の電極側に向かうに従って、幅が広くなるように円弧状に湾曲した壁面を有する第1の収容部と、第1の電極側に形成された第2の収容部と、第1の収容部と第2の収容部とを連通する連通部とを形成することができる。このため、第1の電極に印加する電圧の極性によっては、第1の収容部内に収容されていた電気泳動粒子を、連通部を通して第2の収容部内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子の色はバインダーにより遮蔽されるので、電気泳動粒子表示装置は非表示状態となる。これとは逆に、第1の電極に印加する電圧の極性によっては、第2の収容部内に収容されていた電気泳動粒子を、連通部を通して第1の収容部内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子の色を遮蔽するものがないので、電気泳動粒子表示装置は表示状態となる。
【0030】
このように、上記態様によれば、単色の電気泳動粒子を用いてモノクロ表示が可能な電気泳動粒子表示装置を製造することができる。また、電気泳動粒子が単色、即ち1種類であるので、電気泳動粒子の帯電量を大きくした場合であっても電気泳動粒子同士の凝集化が起こりにくく、電気泳動粒子の応答性が低下するのをより防止できる電気泳動粒子表示装置を製造することができる。
【0031】
また、本発明の他の態様は、前記バインダーは、前記電気泳動粒子と異なる色をしていることを特徴とする電気泳動粒子表示装置の製造方法である。
上記態様によれば、バインダーは電導泳動粒子と異なる色をしているので、電気泳動粒子が第1の収容部内に収容されている場合、即ち表示状態の場合において、モノクロ表示のコントラストを向上させることができる電気泳動粒子表示装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気泳動粒子表示装置を示す図。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電気泳動粒子表示装置の製造方法を示す図。
【図3】本発明の第2実施形態に係る電気泳動粒子表示装置を示す図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る電気泳動粒子表示装置の製造方法を示す図。
【図5】本発明の第3実施形態に係る電気泳動粒子表示装置を示す図。
【図6】本発明の第3実施形態に係る電気泳動粒子表示装置の製造方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の第1実施形態から第3実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する各図において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その重複する説明は省略する場合もある。
(1)第1実施形態
≪電気泳動粒子表示装置について≫
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る電気泳動粒子表示装置の断面図を示す。そして、図1(b)は、電気泳動粒子表示装置が非表示状態にある場合の電気泳動粒子の位置を示す図である。また、図1(c)は、電気泳動粒子表示装置が表示状態にある場合の電気泳動粒子の位置を示す図である。
【0034】
まず、電気泳動粒子表示装置の構造について、図1(a)を用いて説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る電気泳動粒子表示装置は、画素基板102と、画素基板102と対向配置された対向基板104と、画素基板102と対向基板104との間に形成されたバインダー106と、バインダー106に形成された収容部108と、収容部108内に充填された、黒色の電気泳動粒子(以下、単に「電気泳動粒子」ともいう。)110と分散媒112とを含む分散液114と、画素基板102と収容部108との間に形成された画素電極116と、対向基板104と収容部108との間に、画素電極116と対向して形成された共通電極118と、を含んでいる。
収容部108は、画素電極116側に形成された遮蔽用収容部108aと、遮蔽用収容部108aと共通電極118との間に形成された表示用収容部108bと、遮蔽用収容部108aと表示用収容部108bとを連通させる連通部108cと、を有している。
【0035】
そして、表示用収容部108bの形状は半球状であり、遮蔽用収容部108aの形状は半楕円体状である。ここで、「半楕円体」とは、楕円体の長軸に沿って、その楕円体を2等分したうちの一方をいう。
なお、遮蔽用収容部108aの深さは、表示用収容部108bの深さよりも浅くなっている。
【0036】
バインダー106は、画素電極116側に形成され、遮蔽用収容部108aが形成された第1バインダー層106aと、第1バインダー層106aと共通電極118との間に形成され、表示用収容部108bが形成された第2バインダー106bと、を有している。なお、第2バインダー106bの色は、電気泳動粒子110と異なる色、即ち白色である。また、第1バインダー層106aは、遮光性を有している。
【0037】
電気泳動粒子110は、プラスあるいはマイナスの何れか一方に帯電している。
なお、画素電極116は、遮蔽用収容部108aの一部と接触している。また、共通電極118は、表示用収容部108bの一部と接触している。また、画素電極116には一定の電圧を印加することができ、共通電極118は接地されている。また、共通電極118は、例えばITO電極である。また、対向基板104は、例えば透明基板である。
【0038】
以上のように、上記態様によれば、画素電極116に印加する電圧の極性によっては、表示用収容部108b内に収容されていた電気泳動粒子110を、連通部108cを通して遮蔽用収容部108a内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子110の色は第1バインダー層106aにより遮蔽されるので、電気泳動粒子表示装置は非表示状態となる(図1(b)を参照)。これとは逆に、画素電極116に印加する電圧の極性によっては、遮蔽用収容部108a内に収容されていた電気泳動粒子110を、連通部108cを通して表示用収容部108b内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子110の色を遮蔽するものがないので、電気泳動粒子表示装置は表示状態となる(図1(c)を参照)。
【0039】
このように、電気泳動粒子表示装置によれば、単色の電気泳動粒子110を用いてモノクロ表示をすることができる。また、電気泳動粒子110が単色、即ち1種類であるので、電気泳動粒子110の帯電量を大きくした場合であっても、電気泳動粒子110同士の凝集化は起こりにくい。よって、電気泳動粒子表示装置によれは、電気泳動粒子110の応答性が低下するのをより防止できる。
なお、本実施形態では、半球状をした表示用収容部108b及び半楕円体状をした遮蔽用収容部108aについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、表示用収容部108bと遮蔽用収容部108aとは、断面視で画素基板102側から対向基板104側に向かうに従って、幅が広がるような形状であれば良い。
【0040】
また、本実施形態では、表示用収容部108bの一部が共通電極118と接触している場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、表示用収容部108bと共通電極118との間に第2バインダー106bが介在していても良い。
また、本実施形態では、遮蔽用収容部108aの一部が画素電極116と接触している場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、遮蔽用収容部108aと画素電極116との間に第1バインダー層106aが介在していても良い。
ここで、本実施形態における「画素基板102」は本願請求項の「第1の基板」に相当し、「対向基板104」は請求項の「第2の基板」に相当し、「画素電極114」は請求項の「電極」に相当し、「遮蔽用収容部108a」は請求項の「第1の収容部」に相当し、「表示用収容部108b」は請求項の「第2の収容部」に相当する。
【0041】
≪電気泳動粒子表示装置の製造方法について≫
上記第1実施形態に係る電気泳動粒子表示装置の製造方法について、図2(a)〜(h)を参照しながら説明する。
まず、図2(a)に示すように、画素電極116を備えた画素基板102を覆うように第1バインダー106a′を塗布する。この際、例えばダイコートあるいはスリットコートといった塗布方法を用いることができる。
【0042】
次に、図2(b)に示すように、第1バインダー106a′の溶媒成分を蒸発させることで第1バインダー106a′を乾燥させ、硬化させる。こうして、第1バインダー層106aを形成する。
次に、図2(c)に示すように、第1バインダー層106aを覆うように、第1バインダー層106aよりエッチングレートの低い第2バインダー106b′と、第2バインダー106b′よりエッチングレートの高い球状の微粒子220とを塗布する。
【0043】
次に、図2(d)に示すように、第2バインダー106b′の溶媒成分を蒸発させることで第2バインダー106b′を乾燥させ、硬化させる。こうして、第2バインダー層106bを形成する。第2バインダー層106bを形成する際、第2バインダー層106bの膜厚を球状の微粒子220の半径と概ね同じ厚みにし、球状の微粒子220の表面の一部を露出させる。
【0044】
次に、図2(e)に示すように、微粒子220をエッチングすることで、第2バインダー層106bから微粒子220を除去し、第2バインダー層106bに表示用収容部108bを形成する。このため、第2バインダー層106bに形成された表示用収容部108bは、逆オパール構造をしている。ここで「逆オパール構造」とは、均一な径を有する半球状のセルが面方向に最密充填していることをいう。
第2バインダー層106bに表示用収容部108bを形成する際、第1バインダー層106aの表面の一部を露出させる。なお、この露出させた領域が連通部108cとなる。
【0045】
次に、図2(f)に示すように、第1バインダー層106aをエッチングして、第1バインダー層106aに遮蔽用収容部108aを形成する。
次に、図2(g)に示すように、遮蔽用収容部108aと表示用収容部208bとに単色の電気泳動粒子110と分散媒112とを含んだ分散液114を充填する。
最後に、図2(h)に示すように、第2バインダー106bを覆うように、共通電極118を備えた対向基板104を配置し、分散液114を封止する。
【0046】
上記したように、本実施形態では、収容部108(つまり、遮蔽用収容部108aと表示用収容部108bと連通部108c)を2回のエッチング工程、即ち第1収容部形成工程と第2収容部形成工程とで形成している。そこで、収容部108を2回のエッチング工程で形成する場合の微粒子220の材料と、第2バインダー層106bの材料と、第1バインダー層106aの材料と、エッチャントとの組み合わせの具体例を以下に示す。
【0047】
<具体例1:微粒子220の材料にシロキサンを用いた場合>
第2バインダー層106bの材料には、ウレタン、エポキシ、アクリル、スチレン―ブタジエンゴム、ニトリル―ブタジエンゴム、ポリビニルアセタール、クロロプレンゴム、セルロース、エチレン―酢酸ビニル、ポリエステルの何れかを用いる。
第1収容部形成工程のエッチャントにはフッ酸を用いる。
【0048】
第1バインダー層106aの材料にポリスチレンを用いた場合、第2収容部形成工程のエッチャントにはケトン系溶媒を用いる。また、第1バインダー層106aの材料にポリビニルアルコールを用いた場合、エッチャントには水、アルコール系溶媒、ケトンを用いる。また、第1バインダー層106aの材料にポリメタクリレートを用いた場合、エッチャントにはケトン系溶媒を用いる。また、第1バインダー層106aの材料にポリカーボネートを用いた場合、エッチャントにはケトン系溶媒を用いる。
【0049】
<具体例2:微粒子220の材料にポリスチレンを用いた場合>
第2バインダー層106bの材料には、ウレタン、エポキシ、スチレン―ブタジエンゴム、ニトリル-ブタジエンゴム、クロロプレンゴムの何れかを用いる。
第1収容部形成工程のエッチャントにはケトン系溶媒を用いる。
第1バインダー層106aの材料にシロキサンを用いた場合、第2収容部形成工程のエッチャントにはフッ酸を用いる。また、第1バインダー層106aの材料にポリスチレンを用いた場合、エッチャントにはケトン系溶媒を用いる。また、第1バインダー層106aの材料にポリメタクリレートを用いた場合、エッチャントにはケトン系溶媒を用いる。また、第1バインダー層106aの材料にポリカーボネートを用いた場合、エッチャントにはケトン系溶媒を用いる。
【0050】
<具体例3:微粒子220の材料にポリビニルアルコールを用いた場合>
第2バインダー層106bの材料には、ウレタン、エポキシ、スチレン―ブタジエンゴム、ニトリル―ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、セルロース、エチレン―酢酸ビニル、ポリエステルの何れかを用いる。
第1収容部形成工程のエッチャントには水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒を用いる。
【0051】
第1バインダー層106aの材料にシロキサンを用いた場合、第2収容部形成工程のエッチャントにはフッ酸を用いる。また、第1バインダー層106aの材料にポリスチレンを用いた場合、エッチャントにはケトン系溶媒を用いる。また、第1バインダー層106aの材料にポリメタクリレートを用いた場合、エッチャントにはケトン系溶媒を用いる。また、第1バインダー層106aの材料にポリカーボネートを用いた場合、エッチャントにはケトン系溶媒を用いる。
【0052】
<具体例4:微粒子220の材料にポリメタクリレートを用いた場合>
第2バインダー層106bの材料には、ウレタン、エポキシ、スチレン―ブタジエンゴム、ニトリル―ブタジエンゴム、クロロプレンゴムの何れかを用いる。
第1収容部形成工程のエッチャントにはケトン系溶媒を用いる。
第1バインダー層106aの材料にシロキサンを用いた場合、第2収容部形成工程のエッチャントにはフッ酸を用いる。また、第1バインダー層106aの材料にポリスチレンを用いた場合、エッチャントにはケトン系溶媒を用いる。また、第1バインダー層106aの材料にポリビニルアルコールを用いた場合、エッチャントには水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒を用いる。また、第1バインダー層106aの材料にポリカーボネートを用いた場合、エッチャントにはケトン系溶媒を用いる。
【0053】
<具体例5:微粒子220の材料にポリカーボネートを用いた場合>
第2バインダー層106bの材料には、ウレタン、エポキシ、スチレン―ブタジエンゴム、ニトリル―ブタジエンゴム、クロロプレンゴムの何れかを用いる。
第1収容部形成工程のエッチャントにはケトン系溶媒を用いる。
第1バインダー層106aの材料にシロキサンを用いた場合、第2収容部形成工程のエッチャントにはフッ酸を用いる。また、第1バインダー層106aの材料にポリスチレンを用いた場合、エッチャントにはケトン系溶媒を用いる。また、第1バインダー層106aの材料にポリビニルアルコールを用いた場合、エッチャントには水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒を用いる。また、第1バインダー層106aの材料にポリメタクリレートを用いた場合、エッチャントにはケトン系溶媒を用いる。
上記の組み合わせにより、まず表示用収容部108bと連通部108cとを第2バインダー層106bに形成し、次に遮蔽用収容部108aを第1バインダー層106aに形成することができる。
【0054】
以上の製造方法によれば、収容部108を形成することができるので、単色の電気泳動粒子110を用いてモノクロ表示をすることができる電気泳動粒子表示装置を製造することができる。また、電気泳動粒子110の帯電量を大きくすることができるので、電気泳動粒子110の応答性の低下をより防止できる電気泳動粒子表示装置を製造することができる。
【0055】
なお、本実施形態では、収容部108を2回の工程で形成する場合について説明したが、これに限定されるものでない。例えば、収容部108を1回のエッチング工程で形成しても良い。そこで、収容部108を1回のエッチング工程で形成する場合の微粒子220の材料と、第1バインダー層106aの材料と、第2バインダー層106bの材料と、エッチャントとの組み合わせの具体例を以下に示す。
【0056】
<具体例6:微粒子220と第1バインダー層106aにシロキサンを用いる場合> 第2バインダー層106bの材料には、ウレタン、エポキシ、アクリル、スチレン-ブタジエンゴム、ニトリル-ブタジエンゴム、ポリビニルアセタール、クロロプレンゴム、セルロース、エチレン―酢酸ビニル、ポリエステルの何れかを用いる。
エッチャントにはフッ酸を用いる。
<具体例7:微粒子220と第1バインダー層106aにポリスチレンを用いる場合> 第2バインダー層106bの材料には、ウレタン、エポキシ、スチレン―ブタジエンゴム、ニトリル―ブタジエンゴム、クロロプレンゴムの何れかを用いる。
エッチャントにはケトン系溶媒を用いる。
【0057】
<具体例8:微粒子220と第1バインダー層106aにポリビニルアルコールを用いる場合>
第2バインダー層106bの材料には、ウレタン、エポキシ、スチレン―ブタジエンゴム、ニトリル―ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、セルロース、エチレン―酢酸ビニル、ポリエステルの何れかを用いる。
エッチャントには水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒を用いる。
【0058】
<具体例9:微粒子220と第1バインダー層106aにポリメタクリレートを用いる場合>
第2バインダー層106bの材料には、ウレタン、エポキシ、スチレン―ブタジエンゴム、ニトリル―ブタジエンゴム、クロロプレンゴムの何れかを用いる。
エッチャントにはケトン系溶媒を用いる。
【0059】
<具体例10:微粒子220と第1バインダー層106aにポリカーボネートを用いる場合>
第2バインダー層106bの材料には、ウレタン、エポキシ、スチレン―ブタジエンゴム、ニトリル―ブタジエンゴム、クロロプレンゴムの何れかを用いる。
エッチャントにはケトン系溶媒を用いる。
上記の組み合わせにより、収容部108を1回のエッチング工程で形成することができる。
【0060】
また、本実施形態では、第2バインダー層106bは、電気泳動粒子110の色と異なる色としても良い。例えば、電気泳動粒子110の色を黒色とした場合には、第2バインダー層106bの色を白色とすることができる。第2バインダー層106bの色を白色にする際、例えば、第2バインダー層106b自体の色が白色であるものを用いても良いし、透明のバインダーに白色の粒子を混入させて第2バインダー層106bとしても良い。
【0061】
このように、第2バインダー層106bを電導泳動粒子110と異なる色とすることで、電気泳動粒子110の表示をより明瞭にした電気泳動粒子表示装置を製造できる。
また、第2バインダー層106bの色は白色に限定されず、種々の色を用いることができる。これにより、電気泳動粒子を色分けするだけでなく、第2バインダー層106bを色分けすることで電気泳動粒子表示装置の表示をカラー化することができる。
【0062】
また、本実施形態では、第1バインダー層106aは、遮光性を有していても良い。第1バインダー層106aは遮光性を有しているので、電気泳動粒子110が遮蔽用収容部108aに収容されている場合には、電気泳動粒子110の色の遮蔽をより確実にした電気泳動粒子表示装置を製造できる。
また、本実施形態では、微粒子220として球状のものを用いて、第2バインダー層106bに表示用収容部108bを形成する工程について説明したが、球状の微粒子220に限定されるものではない。微粒子220は、断面視で画素基板102側から対向基板104側に向かうに従って、幅が広くなるような形状であれば良く、例えば楕円形の微粒子であっても良い。
【0063】
また、本実施形態では、第2バインダー層106bの膜厚を球状の微粒子220の半径と概ね同じ厚みにする場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2バインダー層106bの膜厚を球状の微粒子220の半径の1/4以上3/4以下の厚みとしても良い。
ここで、本実施形態における「画素基板102」は請求項の「第1の基板」に相当し、「対向基板104」は請求項の「第2の基板」に相当し、「画素電極114」は請求項の「第1の電極」に相当し、「共通電極116」は請求項の「第2の電極」に相当する。
【0064】
(2)第2実施形態
≪電気泳動粒子表示装置について≫
図3は、本発明の第2実施形態に係る電気泳動粒子表示装置の断面図を示す。
図3に示すように、第2実施形態に係る電気泳動粒子表示装置の構造と第1実施形態に係る電気泳動粒子表示装置の構造は概ね同じであるが、遮蔽用収容部308aの形状が電気泳動粒子表示装置のものと異なる。具体的には、第1実施形態の遮蔽用収容部108aの形状が半楕円体状であるのに対し、本実施形態に係る遮蔽用収容部308aの形状は球状の収容部を含んだ構造となっている。
【0065】
以上のような態様であっても、画素電極316に印加する電圧の極性によっては、表示用収容部308b内に収容されていた電気泳動粒子310を、連通部308cを通して遮蔽用収容部308a内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子310の色は第1バインダー層306aにより遮蔽されるので、電気泳動粒子表示装置は非表示状態となる。これとは逆に、共通電極318に印加する電圧の極性によっては、遮蔽用収容部308a内に収容されていた電気泳動粒子310を、連通部308cを通して表示用収容部308b内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子310の色を遮蔽するものがないので、電気泳動粒子表示装置は表示状態となる。
【0066】
よって、電気泳動粒子表示装置によれば、単色の電気泳動粒子310を用いてモノクロ表示をすることができる。また、電気泳動粒子310が単色、即ち1種類であるので、電気泳動粒子310の帯電量を大きくした場合であっても電気泳動粒子310同士の凝集化は起こりにくい。よって、電気泳動粒子表示装置によれば、電気泳動粒子310の応答性が低下するのをより防止できる。
【0067】
≪電気泳動粒子表示装置の製造方法について≫
上記第2実施形態に係る電気泳動粒子表示装置の製造方法を図4(a)〜(h)に示す。
まず、図4(a)に示すように、画素電極316を備えた画素基板302を覆うように第1バインダー306a′と、第1バインダー306a′よりエッチングレートの高い第1微粒子420とを塗布する。
【0068】
次に、図4(b)に示すように、第1バインダー306a′を硬化させて、第1バインダー層306aを形成する。この際、第1微粒子420の表面の一部を露出させる。
次に、図4(c)に示すように、第1バインダー層306aと第1微粒子420との上に、第2バインダー306b′と、第2バインダー306b′よりエッチングレートが高い第2微粒子422と、を塗布する。
【0069】
次に、図4(d)に示すように、第2バインダー306b′を硬化させて、第2バインダー層306bを形成する。この際、第2微粒子422の表面の一部を露出させる。
次に、図4(e)に示すように、第2微粒子422をエッチングして除去することで、第2バインダー層306bに表示用収容部308bを形成する。
そして、第2バインダー層306bに表示用収容部308bを形成する際、第1微粒子420の表面の一部を露出させる。なお、この露出させた領域が連通部308cとなる。
【0070】
次に、図4(f)に示すように、第1微粒子420をエッチングして除去することで、第1バインダー層306aに遮蔽用収容部308aを形成する。
次に、図4(g)に示すように、遮蔽用収容部308aと表示用収容部308bとに単色の電気泳動粒子310と分散媒312とを含んだ分散液314を充填する。
最後、図4(h)に示すように、第2バインダー層306bを覆うように共通電極318を備えた対向基板304を配置し、分散液314を封止する。
なお、図4(a)には、種々のサイズの第1微粒子420が記載されているが、1種類のサイズの第1微粒子420を用いても良い。
【0071】
また、第2微粒子422の材料と、第2バインダー層306bの材料と、第1収容部形成工程で用いるエッチャントとの組み合わせには、例えば上記具体例1から具体例10の何れかを用いることができる。同様に、第1微粒子420の材料と、第1バインダー層306aの材料と、第2収容部形成工程で用いるエッチャントとの組み合わせには、例えば上記具体例1から具体例10の何れかを用いることができる。
以上の製造方法によれば、収容部308(つまり、遮蔽用収容部308aと表示用収容部308bと連通部308c)を形成することができるので、単色の電気泳動粒子310を用いてモノクロ表示をすることができる電気泳動粒子表示装置を製造することができる。また、電気泳動粒子310が単色、即ち1種類であるので、電気泳動粒子310の帯電量を大きくした場合であっても、電気泳動粒子310の応答性の低下をより防止できる電気泳動粒子表示装置を製造することができる。
なお、本実施形態では、上記第1実施形態の場合と同様に、第2バインダー層306bは、電気泳動粒子310の色と異なる色としても良い。
【0072】
また、本実施形態では、上記第1実施形態の場合と同様に、第1バインダー層306aは、遮光性を有していても良い。
また、本実施形態では、収容部308を2回の工程で形成する場合について説明したが、これに限定されるものでない。例えば、収容部308を1回のエッチング工程で形成しても良い。収容部308を1回のエッチング工程で形成する場合には、第1バインダー層306a及び第2バインダー層306bの材料と、第1微粒子420及び第2微粒子422の材料と、エッチャントとの組み合わせは、例えば上記の具体例1から具体例10の何れかを用いることができる。
【0073】
(3)第3実施形態
≪電気泳動粒子表示装置について≫
図5は、本発明の第3実施形態に係る電気泳動粒子表示装置の断面図を示す。
図5に示すように、第3実施形態に係る電気泳動粒子表示装置の構造と第1実施形態に係る電気泳動粒子表示装置の構造は概ね同じであるが、遮蔽用収容部508aの形状と表示用収容部508bが形状されている位置が第1実施形態と異なる。具体的には、第1実施形態の遮蔽用収容部108aの形状が半楕円体状であるのに対し、本実施形態の遮蔽用収容部508aの形状は球状の収容部を含んだ形状となっている。また、第1実施形態の表示用収容部108bは、遮蔽用収容部108aと共通電極118との間に形成されているのに対し、本実施形態の表示用収容部508bは画素電極516側から共通電極518側にかけて形成されている。
【0074】
以上のような態様であっても、画素電極516に印加する電圧の極性によっては、表示用収容部508b内に収容されていた電気泳動粒子510を、連通部508cと通して遮蔽用収容部508a内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子510の色はバインダー506により遮蔽されるので、電気泳動粒子表示装置は非表示状態となる。これとは逆に、画素電極516に印加する電圧の極性によっては、遮蔽用収容部508a内に収容されていた電気泳動粒子510を、連通部508cを通して表示用収容部508b内に移動させることができる。この場合、電気泳動粒子510の色を遮蔽するものがないので、電気泳動粒子表示装置は表示状態となる。
【0075】
よって、第3実施形態に係る電気泳動粒子表示装置によれば、単色の電気泳動粒子510を用いてモノクロ表示をすることができる。また、電気泳動粒子510が単色、即ち1種類であるので、電気泳動粒子510の帯電量を大きくした場合であっても電気泳動粒子510同士の凝集化は起こりにくい。よって、電気泳動粒子表示装置によれば、電気泳動粒子510の応答性が低下するのをより防止できる。
なお、本実施形態では、上記第1実施形態の場合と同様に、バインダー層506は、電気泳動粒子510の色と異なる色としても良い。
【0076】
≪電気泳動粒子表示装置の製造方法について≫
上記第3実施形態に係る電気泳動粒子表示装置の製造方法を図6(a)〜(f)に示す。
まず、図6(a)に示すように、画素電極516を備えた画素基板502を覆うようにバインダー506′と、バインダー506′よりエッチングレートの高い第1微粒子620と、第1微粒子620より粒径が小さく、バインダー506′よりエッチングレートの高い第2微粒子622とを塗布する。
【0077】
次に、図6(b)に示すように、バインダー506′を硬化させ、バインダー層506を形成する。この際、第1微粒子620の表面の一部を露出させる。
次に、図6(c)に示すように、第1微粒子620をエッチングして除去することで、バインダー層506に表示用収容部508bを形成する。
バインダー層506に表示用収容部508bを形成する際、第2微粒子622の表面の一部を露出させる。なお、この露出させた領域が連通部508cとなる。
【0078】
次に、図6(d)に示すように、第2微粒子622をエッチングして除去することで、バインダー層506に遮蔽用収容部508aを形成する。
次に、図6(e)に示すように、表示用収容部508bと表示用収容部508aとに単色の電気泳動粒子510と分散媒512とを含んだ分散液514を充填する。
最後に、図6(f)に示すように、バインダー層506を覆うように共通電極518を備えた対向基板504を配置し、分散液514を封止する。
【0079】
なお、図6(b)に示すように、第1微粒子620は第2微粒子622より粒径が大きいので、バインダー層506を乾燥させる工程において、第1微粒子620の表面の一部のみを露出させることができる。このため、第1収容部形成工程及び第2収容部形成工程を経ることで、図6(d)に示すような収容部508(つまり、遮蔽用収容部508aと表示用収容部508aと連通部508c)を形成することができる。
また、第1微粒子620及び第2微粒子622の材料と、バインダー層506の材料と、第1収容部形成工程及び第2収容部形成工程で用いるエッチャントとの組み合わせには、例えば上記具体例1から具体例10の何れかを用いることができる。
【0080】
以上の製造方法によれば、収容部508を形成することができるので、単色の電気泳動粒子510を用いてモノクロ表示をすることができる電気泳動粒子表示装置を製造することができる。また、電気泳動粒子510が単色、即ち1種類であるので、電気泳動粒子510の帯電量を大きくした場合であっても、電気泳動粒子510の応答性の低下をより防止できる電気泳動粒子表示装置を製造することができる。
なお、本実施形態では、上記第1実施形態の場合と同様に、バインダー層506は、電気泳動粒子510の色と異なる色としても良い。
【0081】
また、本実施形態では、第1微粒子620と第2微粒子622とを別々にエッチングして除去する場合について説明したが、これ限定されるものではない。例えば、第1微粒子620と第2微粒子622とを同じ材質にすることで、1回のエッチングで収容部508を形成しても良い。つまり、第1微粒子620をエッチングすることで表示用収容部508bを形成し、第1微粒子620より粒径の小さな第2微粒子622をエッチングすることで遮蔽用収容部508aを形成しても良い。具体的な材料の組み合わせとしては、例えば上記具体例1から具体例10の何れかを用いることができる。
また、上記実施形態で説明した作用・効果以外の他の作用・効果については、以下で簡単に説明する。
【0082】
<その他の作用・効果について>
上記実施形態によれば、使用する微粒子220の粒径を揃える事で電気泳動粒子110の表示特性を向上させるとともに、電気泳動粒子表示装置の表示性能のコントロール(逆オパール構造からの光反射の見積もり)を容易にすることができる。
また、上記実施形態によれば、従来の隔壁構造方式と比較して、低コストで電気泳動粒子表示装置を形成することが可能である。
【0083】
また、上記実施形態によれば、従来のマイクロカプセル方式と比較して、マイクロカプセル化の工程が無い為、低コストで電気泳動粒子表示装置を製造でき、かつ微粒子の動作に悪影響を与える可能性のある不純物が系中に混入しにくくすることが可能である。
また、上記実施形態によれば、従来の隔壁構造方式と比較して、壁材(つまり、バインダー106)に粘着性・接着性のある材料を使用できるため、共通電極118の貼り合わせが容易である。
また、上記実施形態によれば、従来の隔壁構造方式と比較して、壁材に使用する材料の制限が少ないため、高強度、高弾性な壁材を形成可能である。
【0084】
また、上記実施形態によれば、従来のマイクロカプセル方式と比較して、半球状の収容部形成が可能のため、バインダーやカプセル壁、カプセル内分散媒による光学的反射率の低下が少なく、表示特性の向上が可能である。
また、上記実施形態によれば、高弾性な壁材を使用することで共通電極貼り合わせ後に逆オパール構造を変形させ、球形を変形させることでセルギャップを小さくすることができるので低電圧・高速応答が可能となる。
【0085】
また、上記実施形態によれば、従来のマイクロカプセル方式では、カプセル粒径を一様に揃える事は困難であり、粒径一様なカプセルを揃えると低収率になる可能性があるといった課題を抱えていたが、本方式は均一な微粒子が安価に利用可能であり、低コスト化が可能となる。
また、上記実施形態によれば、従来のマイクロカプセル方式と比較して、バインダーがカプセルと電極板間に入り込む影響が少ないため、本方式では効率的に電気泳動粒子に電圧印加をすることが出来、低電圧での動作が可能である。
【0086】
また、上記実施形態によれば、従来のマイクロカプセル方式ではその粒子径がマイクロカプセルの合成に依存していたため、マイクロカプセル合成が難しい粒径のサブミクロンオーダーの微粒子を使用してのセルギャップの小さい電気泳動セルが作成可能であり、高速応答、低電圧化が計れる。
【符号の説明】
【0087】
102 画素基板、104 対向基板、106 バインダー層、106a 第1バインダー層、106b 第2バインダー層、106′ バインダー、108 収容部、108a 遮蔽用収容部、108b 表示用収容部、108c 連通部、110 電気泳動粒子、112 分散媒、114 分散液、116 画素電極、118 共通電極、220 微粒子、302 画素基板、304 対向基板、306 バインダー層、306a 第1バインダー層、306b 第2バインダー層、306′ バインダー、308 収容部、308a 遮蔽用収容部、308b 表示用収容部、308c 連通部、310 電気泳動粒子、312 分散媒、314 分散液、316 画素電極、318 共通電極、420 第1微粒子、422 第2微粒子、502 画素基板、504 対向基板、506 バインダー層、506′ バインダー、508 収容部、508a 遮蔽用収容部、508b 表示用収容部、508c 連通部、510 電気泳動粒子、512 分散媒、514 分散液、516 画素電極、518 共通電極、620 第1微粒子、622 第2微粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極を備えた第1の基板と、
前記第1の基板と対向配置された、第2の電極を備えた第2の基板と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に形成されたバインダー層と、
前記バインダー層に形成された収容部と、
前記収容部内に充填された、単色の電気泳動粒子と分散媒とを有する分散液と、を含み、
前記収容部は、
前記第1の電極側に形成された第1の収容部と、
前記第1の収容部と前記第2の電極との間に形成された第2の収容部と、
前記第1の収容部と前記第2の収容部とを連通させる連通部と、を有し、
前記第2の収容部の壁面は、断面視で、前記連通部側から前記第2の電極側に向かうに従って、幅が広くなるように円弧状に湾曲した部分を備えていることを特徴とする電気泳動粒子表示装置。
【請求項2】
前記第1の収容部の深さは、前記第2の収容部の深さよりも浅いことを特徴とする請求項1に記載の電気泳動粒子表示装置。
【請求項3】
前記第1の収容部の壁面は、断面視で、前記第1の電極側から前記連通部側に向かうに従って、幅が広くなるように円弧状に湾曲した部分を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気泳動粒子表示装置。
【請求項4】
前記第1の収容部は、球状の収容部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動粒子表示装置。
【請求項5】
前記バインダー層は、
前記第1の電極側に形成され、前記第1の収容部が形成された第1のバインダー層と、
前記第1のバインダー層と前記第2の電極との間に形成され、前記第2の収容部が形成された第2のバインダー層と、を備え、
前記第2のバインダー層は、前記電導泳動粒子と異なる色をしていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の電気泳動粒子表示装置。
【請求項6】
前記第1のバインダー層は、遮光性を備えていることを特徴とする請求項5に記載の電気泳動粒子表示装置。
【請求項7】
第1の電極を備えた第1の基板と、
前記第1の基板と対向配置された、第2の電極を備えた第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に形成されたバインダー層と、
前記バインダー層に形成された収容部と、
前記収容部内に充填された、単色の電気泳動粒子と分散媒とを有する分散液と、を含み、
前記収容部は、
前記第1の電極側に形成された第1の収容部と、
前記第1の電極側から前記第2の電極側にかけて形成された第2の収容部と、
前記第1の収容部と前記第2の収容部とを連通させる連通部と、を有し、
前記第2の収容部の壁面は、断面視で前記第1の電極側から前記第2の電極側に向かうに従って、幅が広くなるように円弧状に湾曲した部分を備えていることを特徴とする電気泳動粒子表示装置。
【請求項8】
前記バインダー層は、前記電導泳動粒子と異なる色をしていることを特徴とする請求項7に記載の電気泳動粒子表示装置。
【請求項9】
第1の電極を備えた第1の基板を覆うように、第1のバインダーを塗布する第1塗布工程と、
前記第1塗布工程後、前記第1のバインダーを覆うように、前記第1のバインダーよりもエッチングレートの低い第2のバインダーと、前記第2のバインダーよりもエッチングレートの高い微粒子とを含む塗料を塗布し、前記第1のバインダーと前記第2のバインダーとを積層させる第2塗布工程と、
前記第2塗布工程後、前記微粒子をエッチングして除去することで、前記第2のバインダーに第1の収容部を形成し、前記第1のバインダーの表面の一部を露出させる第1収容部形成工程と、
前記第1収容部形成工程後、前記第1のバインダーの一部をエッチングして除去することで、第2の収容部を形成する第2収容部形成工程と、
前記第2収容部形成工程後、前記第1の収容部と前記第2の収容部とに単色の電気泳動粒子と分散媒とを含んだ分散液を充填する充填工程と、
前記充填工程後、前記第1のバインダーと前記第2のバインダーと前記分散液とを挟んで、前記第1の電極と対向する側に、第2の電極を備えた第2の基板を配置し、前記分散液を封止する封止工程と、を含んでいることを特徴とする電気泳動粒子表示装置の製造方法。
【請求項10】
第1の電極を備えた第1の基板を覆うように、第1のバインダーと、前記第1のバインダーよりもエッチングレートの高い第1の微粒子とを含む第1の塗料を塗布する第1塗布工程と、
前記第1塗布工程後、前記第1のバインダーと前記第1の微粒子とを覆うように、前記第1のバインダーよりもエッチングレートの低い第2のバインダーと、前記第2のバインダーよりもエッチングレートが高い第2の微粒子とを含む第2の塗料を塗布する第2塗布工程と、
前記第2塗布工程後、前記第2の微粒子をエッチングして除去することで、前記第2のバインダーに第1の収容部を形成し、前記第1の微粒子の表面の一部を露出させる第1収容部形成工程と、
前記第1収容部形成工程後、前記第1の微粒子をエッチングして除去することで、前記第1のバインダーに第2の収容部を形成する第2収容部形成工程と、
前記第2収容部形成工程後、前記第1の収容部と前記第2の収容部とに単色の電気泳動粒子と分散媒とを含んだ分散液を充填する充填工程と、
前記充填工程後、前記第1のバインダーと前記第2のバインダーと前記分散液とを挟んで、前記第1の電極と対向する側に、第2の電極を備えた第2の基板を配置し、前記分散液を封止する封止工程と、を含んでいることを特徴とする電気泳動粒子表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記第2のバインダーは、前記電気泳動粒子と異なる色をしていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の電気泳動粒子表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1のバインダーは、遮光性を備えていることを特徴とする請求項9から請求項11の何れか一項に記載の電気泳動粒子表示装置の製造方法。
【請求項13】
第1の電極を備えた第1の基板を覆うように、バインダーと、前記バインダーよりもエッチングレートの高い第1の微粒子と、前記第1の微粒子より粒径が小さく、前記バインダーよりもエッチングレートの高い第2の微粒子とを含む塗料を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程後、前記第1の微粒子をエッチングして除去することで、前記バインダーに第1の収容部を形成し、前記第2の微粒子の表面の一部を露出させる第1収容部形成工程と、
前記第1収容部形成工程後、前記第2の微粒子をエッチングして除去することで、前記バインダーに第2の収容部を形成する第2収容部形成工程と、
前記第2収容部形成工程後、前記第1の収容部と前記第2の収容部とに単色の電気泳動粒子と分散媒とを含んだ分散液を充填する充填工程と、
前記充填工程後、前記バインダーと前記分散液とを挟んで、前記第1の電極と対向する側に、第2の電極を備えた第2の基板を配置し、前記分散液を封止する封止工程と、を含んでいることを特徴とする電気泳動粒子表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記バインダーは、前記電気泳動粒子と異なる色をしていることを特徴とする請求項13に記載の電気泳動粒子表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−220684(P2012−220684A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85695(P2011−85695)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】