説明

電気泳動表示シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体

【課題】低コストで耐久性や表示特性、生産性に優れる高品質の電気泳動表示シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体が提供する。
【解決手段】光透過性の基板材料10に形成された光透過性の電極面11に、絶縁性材料の隔壁15、15…によって構成されるセル状構造体20を形成し、該セル状構造体20内部に電気泳動インク25を充填し、接着層30が形成された封止フィルム35を上記電気泳動インク層20に貼合した後、該接着層30を硬化させることにより電気泳動インク層20が封止されていることを特徴とする電気泳動表示シートA。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動表示シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示ディスプレイの低消費電力化、薄型軽量化、フレキシブル化等の需要が増してきており、その一つとして電子ペーパーに注目が集まってきている。このような電子ペーパーの一つとして電気泳動インク等を用いた電気泳動表示装置が知られている。
【0003】
一般に、電気泳動表示装置は、少なくとも一方が透明な2枚の電極基板を対向するように配置させ、対向配置した電極間に電気泳動インクを設け、表示パネルとした構成となっている。そして、この表示パネルに電界を印加することにより透明電極面に表示を得ようとするものである。
この電気泳動表示装置は、電界の向きを制御することにより、電気泳動インク中の電気泳動粒子を移動させて、所望の表示を得ることができるものであり、低コストで、視野角が通常の印刷物並みに広く、消費電力が小さく、表示のメモリ性を有する等の長所を持っている。
【0004】
このような電気泳動表示装置において、電気泳動表示シート(フロントプレーン)を用いるものでは、該電気泳動表示シートを各種の電極基板(バックプレーン)に貼り付けた電気泳動表示装置が知られている。用いる電気泳動表示シートは、バックプレーン(TFT、セグメント基板等)に直接隔壁(リブ)を形成する必要がなく、また、様々なバックプレーンと任意に組み合わせて用いることができ、更に、大面積、ロール・ツー・ロールでの大量生産が可能となり、バックプレーンのサイズに合わせることなく生産でき、必要に応じてカットして使用することも可能となるものである。この電気泳動表示シートは、光透過性の基板材料に形成された光透過性の電極面上に、電気泳動インク層が形成された構成となっている。
【0005】
このような構造となる電気泳動表示装置において、例えば、電気泳動ディスプレイを製造するための封止方法であって、a)マイクロカップのアレイに電気泳動流体を充填すること;b)セル内に収容される電気泳動流体と非混和性であり、電気泳動流体の比重より小さい比重を示す溶媒または溶媒混合物と、熱可塑性エラストマーとを含む封止組成物(封止液)により電気泳動流体をオーバーコートすること;およびc)封止層を形成するように封止組成物(封止液)を乾燥させることを含む方法(例えば、特許文献1参照)が知られている。
しかしながら、この製造方法では、封止液を塗布またはスプレーなどのオーバーコート後に硬化しているが、電気泳動流体が封止組成物よりも低比重の場合には封止液を硬化する前に表面から沈んでしまい封止できないなどの課題がある。
【0006】
一方、成形精度に優れ、製造コストが安く隔壁を形成することができ、濃度ムラの小さく、解像度が高く高画質な画像表示媒体の製造方法を提供するために、少なくとも2枚の対向した基板と、前記基板間に設けられる隔壁とを有する画像表示媒体の製造方法であって、前記隔壁断面における、画像表示側の端部幅aと、前記画像表示側とは反対側の端部幅bと、の比率(a/b)が0.8以下となるように、隔壁を一体成形する工程を含むことを特徴とする画像表示媒体の製造方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。
この製造方法は、少なくとも2枚の対向した基板間に設けられる隔壁の画像表示側の端部幅aと端部幅bとの比率(a/b)を0.8以下とすることにより、隔壁の端部幅を画像表示側(前面板側)に向けて狭くして画像表示側の開口率の確保と隔壁としての強度を確保するものであるのに対して、本発明では、バックプレーンとなるTFT、セグメント基板等の各種の電極基板に直接隔壁を形成することなく、電気泳動表示シート(フロントプレーン)をバックプレーンに貼り付けものであり、隔壁の端部幅を画像表示側とは反対側となる背面板側に向けて狭くして電気泳動インクの封止性を更に向上させるものであり、両者の技術思想(構成及びその作用効果)は相違するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2005−509690号公報(特許請求の範囲、実施例、図4、図5等)
【特許文献2】特開2003−208107号公報(特許請求の範囲、実施例、図1、図7等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、低コストで耐久性や表示特性、生産性に優れる高品質の電気泳動表示シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記従来の課題等を解決するために鋭意検討した結果、光透過性の基板材料に形成された光透過性の電極面に、絶縁性材料の隔壁によって構成されるセル状構造体を形成し、該セル状構造体内部に電気泳動インクを充填し、特定構造のフィルムを上記電気泳動インク層に貼合することにより、上記目的の電気泳動表示シートが得られることを見出し、また、この電気泳動表示シートを用いて、これを任意の基板に積層することで上記目的の電気泳動表示媒体が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0010】
すなわち、本発明は、次の(1)〜(6)に存する。
(1) 光透過性の基板材料に形成された光透過性の電極面に、絶縁性材料の隔壁によって構成されるセル状構造体を形成し、該セル状構造体内部に電気泳動インクを充填し、接着層が形成された封止フィルムを上記電気泳動インク層に貼合した後、該接着層を硬化させることにより電気泳動インク層が封止されていることを特徴とする電気泳動表示シート。
(2) 絶縁性材料の隔壁は、光透過性の電極面側から封止フィルム側に向けて、隔壁の短軸の幅が狭くなっていくことを特徴とする上記(1)記載の電気泳動表示シート。
(3) 封止フィルム側の隔壁の短軸の幅が、電気泳動インク層に含有する電気泳動粒子の少なくとも一方の粒子径よりも小さいことを特徴とする上記(2)記載の電気泳動表示シート。
(4) 絶縁性材料の隔壁には、少なくとも一方の粒子径よりも小さな隙間が形成されていることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の電気泳動表示シート。
(5) 更に、電気泳動表示シートの封止フィルムの外面に接着層又は粘着層を形成したことを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の電気泳動表示シート。
(6) 一以上の電極が形成された基板上に、上記(5)に記載の電気泳動表示シートが接着層又は粘着層を介して貼合されたことを特徴とする電気泳動表示媒体。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、低コストで耐久性や表示特性、生産性に優れる高品質の電気泳動表示シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)は本発明の実施形態の一例を示す電気泳動表示シートの概略縦断面図、(b)は(a)の拡大概略縦断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、電気泳動表示シートの製造工程を各工程ごとに説明する概略図面である。
【図3】(a)は、隔壁の短軸の幅が封止フィルム側に向けて狭くなっている場合の説明図、(b)は隔壁の短軸の幅が封止フィルム側に向けて狭くならない場合の説明図である。
【図4】(a)〜(d)は、隔壁の短軸の各形状(縦断面形状)の他例を示す説明図である。
【図5】(a)〜(c)は、隔壁によって構成されるセル状構造体の一例(井桁状型)を示す部分平面図、部分正面図、部分斜視図である。
【図6】(a)〜(c)は、隔壁によって構成されるセル状構造体の他例(六角形形状型)を示す部分平面図、部分正面図、部分斜視図である。
【図7】隔壁によって構成されるセル状構造体(六角形形状型)を用いた電気泳動インク層の状態を説明する説明図である。
【図8】(a)及び(b)は、隔壁によって構成されるセル状構造体(六角形形状型、井桁状型)の各セルに連通孔を形成した状態を説明する説明図である。
【図9】電気泳動表示シートの外面に形成した接着層又は粘着層を介して、バックプレーン(TFT、セグメント基板等)を貼合する状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例を示す電気泳動表示シートの概略縦断面図とその拡大概略縦断面図であり、図2は、電気泳動表示シートの製造工程を各工程ごとに説明する概略図面である。
本発明の実施形態となる電気泳動表示シートAは、図1及び図2に示すように、光透過性の基板材料10に形成された光透過性の電極面11と、該光透過性の電極面11上に絶縁性材料の隔壁15、15…によって構成されるセル状構造体20と、該セル状構造体20に充填された電気泳動インク(層)25と、接着層30が形成された封止フィルム35とを有している。
【0014】
光透過性の基板材料10は、光透過性を有するものであればよく、例えば、ガラス、石英、サファイア、MgO、LiF、CaF等の透明な無機材料、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の有機高分子の樹脂フィルムまたはセラミック等を挙げることができる。
好ましくは、ロール・ツー・ロールでの生産や大面積化のために、可撓性を有する樹脂フィルムを用いることが望ましい。
【0015】
光透過性の電極面(電極層)11は、例えば、ITO、ZnO、SnO等の透明導電性材料や、アルミニウム(Al)、金(Au)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)等の金属を用いて形成することができる。また、PODET/PVSやPODET/PSSなどの導電性ポリマーや、酸化チタン系、酸化亜鉛系、酸化スズ系などの透明導電材料でも良い。これらの材料は、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の方法により形成することができる。
【0016】
この光透過性の電極面11上に、図1及び図2(a)に示すように、絶縁性材料の隔壁15、15…によって構成されるセル状構造体20を形成する。例えば、一定の厚みを有するPETフィルムなどの絶縁性樹脂材料にレーザー加工して正方形や六角形、円形等の形状を形成し、電極面11上に接着することにより、セル状構造体20を形成することができる。また、電極面11上に光硬化性の絶縁層を形成した後、フォトリソグラフィ法を用いて当該絶縁層をパターニングすることにより、セル状構造体20を形成することができる。他にも、電極面11上に熱可塑性の絶縁性樹脂材料を形成し、ホットエンボスのような方法でセル状構造体20を形成することも可能である。なお、隔壁15は、その形状や目的から、スペーサー、柱、壁、リブ等と称される場合がある。
【0017】
本発明では、絶縁性材料の隔壁15の形状は、光透過性の電極面11側から接着層30側に向けて、隔壁15の短軸の幅が狭くなっていく形状のものが好ましく、本実施形態では縦断面が三角形状(二等辺三角形状)となっている。
更に好ましくは、接着層30側の隔壁15の短軸(頂部)の幅が、後述する電気泳動インク25に含有する電気泳動粒子の少なくとも一方の粒子径よりも小さいことが望ましい。具体的には、図3(a)に示すように、電気泳動インク充填の際に、電気泳動粒子が隔壁15の頂部15aの上に残らない幅となるように頂部15a側を狭くする。電気泳動インク充填の際に、図3(b)に示すように、電気泳動粒子が隔壁15の頂部15bの上に残る幅であると、接着層30との接着の障害となるので、電気泳動粒子の除去(クリーニング)が必要となるが、図3(a)に示すように、隔壁15の短軸(頂部)15aの幅が、用いる電気泳動粒子の少なくとも一方の粒子径よりも小さいこと、特に好ましくは、電気泳動粒子の最小の粒子径よりも小さくすることにより、電気泳動粒子の除去(クリーニング)を省略することができ、また、頂部15aが接着層30に食い込むものとなるので、製造時のズレが抑制でき、しかも接触面積を稼ぐこともできるので封止性に優れたものとなる。なお、図3中の26及び27は各電気泳動粒子を示し、26は黒粒子(カーボンブラック含有樹脂粒子)、27は白粒子(酸化チタン粒子)である。
【0018】
この絶縁性材料の隔壁15の縦断面形状としては、隔壁15の短軸の幅が接着層30側に向けて狭くなっていく形状であればよく、例えば、図4(a)〜(d)の各縦断面形状などが挙げられる。これらの各形状の場合も、各隔壁15の各頂部15aの幅が、用いる電気泳動粒子の少なくとも一方の粒子径よりも小さいこと、特に好ましくは、電気泳動粒子の最小の粒子径よりも小さくすることが望ましい。
また、隔壁15の電極面11側の短軸の長さXとしては、図1(b)に示すように、電気泳動インク種、電気泳動表示媒体などにより変動するものであるが、表示面の開口率を十分に確保するために20μm以下とすることが好ましい。また、隔壁15の高さとしては、充填される電気泳動インク層20の高さY:20〜40μmよりも若干高いものとすることが好ましい。
【0019】
上記光透過性を有する電極面11上に立設した隔壁15、15…により複数の小部屋(セル16、16…)が形成されたセル状構造体20が構成される。これらのセル16は、隔壁15によりそれぞれ分離されており、円形、矩形(長方形、正方形)、六角形等の様々な形状で設けることができる。
図5及び図6は、上述の縦断面が三角形状(二等辺三角形状)となる絶縁性材料の隔壁15、15…によって構成されるセル状構造体20の一例と他例を示すものであり、図5は井桁状型のセル状構造体20を示すものであり、図6は六角形形状型のセル状構造体20を示すものである。
【0020】
上記電極面11上に形成されたセル状構造体20に、図2(b)に示すように、電気泳動インク25を充填する。この電気泳動インク25を充填する方法としては、例えば、ダイコーターなどによるコーティングや、電極基板の任意箇所に配した電気泳動インク25をバーコーター、ドクターブレード、コンマロールなど、略接触によって、塗り広げてもよいものであるし、スクリーン印刷などを用いた印刷法、あるいはインクジェットやディスペンサーによる充填など、セル内にインクを充填することが可能な方法であれば、各種方法を用いることができる。
【0021】
本発明に用いる電気泳動インク25としては、特に限定されず、例えば、少なくとも、1種類以上の電気泳動粒子と溶剤などの溶媒とを含むものであれば良いものである。
用いることができる電気泳動粒子としては、例えば、有色または無色(白色)の無機顔料粒子、有機顔料粒子、高分子微粒子等を用いることができ、これらは各単独(1種)又は2種以上を混合して用いることができる。また、親油性表面処理されている微粒子であってよいものである。
【0022】
本実施形態となる電気泳動インク25の一例としては、正に帯電した白粒子と、負に帯電した黒粒子と、これらの粒子を分散させる溶剤(溶媒)で形成することができる。白粒子としては、酸化チタン等の白色顔料や、白色の樹脂粒子、または白色に着色された樹脂粒子等を用いることができる。黒粒子としては、チタンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料や、黒色に着色された樹脂粒子等を用いることができる。これら粒子は、コントラスト表示可能な範囲で様々な色の粒子を任意に用いることも可能であり、白と赤、白と青、黄色と黒などのような組合せとすることもできる。また、白粒子のみ又は黒粒子のみといった1種類の帯電粒子のみを用いる構成とすることもできる。
これらの電気泳動粒子は、平均粒子径が0.05〜20μmのものが用いられ、特に好ましくは、平均粒子径が0.1〜10μmのものが望ましい。また、これらの微粒子の合計含有量は、電気泳動インク全量に対して、好ましくは、5〜95質量%、更に好ましくは、10〜80質量%とすることが望ましい。
また、溶媒としては、例えば、炭化水素系、芳香族系、エステル系、ケトン系、テルペン系、アルコール系、シリコーン系、フッ素系等の溶剤を各単独又は2種類以上を混合して用いることができる。これらの溶媒の含有量としては、用いる電気泳動粒子や溶媒種に応じて適宜選択でき、電気泳動インク全量に対して、20〜80%となるように含有することが好ましく、更に好ましくは、35〜65%とすることが望ましい。
【0023】
また、電気泳動インク25としては、1種類以上の電気泳動粒子と溶媒に、更に、分散剤、電荷制御剤とを含有しても良い。用いることができる分散剤としては、慣用的に用いられる各種の分散剤、界面活性剤や高分子界面活性剤、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤、高分子型界面活性剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの分散剤の含有量としては用いる電気泳動粒子や溶媒種によって適宜決定されるが、電気泳動インク全量に対して、0.01〜50.0%となるように含有されることが好ましく、更に好ましくは、0.5〜30%となるように含有することが望ましい。
電荷制御剤としては、従来電気泳動インクに用いられている各種タイプのものを用いることができる。
【0024】
この電気泳動インク25を充填する際に、好ましくは、これらの基板10の表面に電気泳動インク25に対し、ぬれ性を向上させるぬれ性調整工程を付加してもよいものである。絶縁性の隔壁15からなる複数のセル16,16…の内壁や角部分等まで十分に電気泳動インク25を行き渡らせ、空気等の気体を絶縁性の隔壁15、15…からなる複数のセル16,16…内から追い出すために好ましい工程である。
このぬれ性調整工程としては、例えば、溶剤処理、酸処理、アルカリ処理、オゾン処理、プラズマ処理、コロナ放電処理、UV処理、UVイトロ処理、レーザー処理、電子線による処理、イオン注入法による処理、イオンビームによる処理、イオン照射による処理、プライマー処理、界面活性剤処理、スパッタリングによる処理、(物理気相成長法)、CVD(化学気相成長法)、ポリマー層形成及び無機層形成を行う方法等が挙げられる。これらは複数組み合わせて用いることもできるし、これらに限定されるものでもない。
また、基板表面の汚れを予め除去するために、溶剤による洗浄等の処理、例えば、アルコール類による洗浄等を組み合わせて行うことにより、より効果的にぬれ性の調整が可能となる。
【0025】
また、電気泳動インク25を充填する際、表示エリア内に空気等の気泡が極力入り込まない、若しくは残らないようにするために、充填前、充填時、又は充填後に、電気泳動インク25中に溶存している気体や巻き込まれている空気等を、十分に脱気して除去する(環境雰囲気を減圧環境とする)ことが好ましい。具体的には、充填工程を減圧環境下で行うか、塗布したのちに、減圧環境下で放置する。これにより、電気泳動インク25中の空隙や、セル内の空気と電気泳動インク25との置換が促進され、パネル内に気泡が残ってしまう可能性を低減でき、また、基板と後述する接着層30を形成した封止フィルム35を貼り合わせた後(硬化封止後)の当該間には気泡の混入が抑えられるものとなる。
【0026】
充填前の脱気の方法としては、例えば、電気泳動インク25を撹拌棒などで撹拌する方法、加温する方法、加温しつつ撹拌する方法、超音波による方法、減圧による方法、遠心力による方法、消泡剤等の添加剤添加による方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに、これらの方法を組み合わせて用いることも可能である。
【0027】
本発明では、隔壁15、15…の上面を後述する接着層30が形成されたフィルム35で貼合するものであるため、上記脱気工程を行っても、貼合時の貼合荷重や温度変化により内部圧力が変化してセル状構造体20の分離された各セル16が減圧状態となり、図7に示すように、気泡(真空状態、溶媒飽和状態)17、17…が発生しやすくなる。そこで、図8(a)及び(b)に示すように、絶縁性材料の隔壁15、15…が交差する部分に、電気泳動インク25に含有される少なくとも一方の粒子径、特に好ましくは、電気泳動粒子の最小の粒子径よりも小さな隙間からなる連通孔18、18…を形成することが望ましい。電気泳動粒子は通り抜けできないが、溶媒は通り抜けできるような隙間からなる連通孔18、18…を形成することにより、各セル16の内部の局部的な圧力変化が、溶媒の移動により分散し均一に緩和され、気泡の発生がしにくくなり、表示特性の向上を図ることができるものとなる。また、上記隙間が、一方の粒子径より小さいが他方の粒子径よりも大きい場合、一方の大きい粒子が当該隙間を閉塞するため、表示に影響を及ぼすような小さい粒子の移動を起こすことはないものである。上記小さな隙間からなる連通孔は、絶縁性材料の隔壁15、15…が交差する部分に形成することが好ましいが、同様にして交差部分以外に小さな隙間からなる連通孔を設けることもできるものである。
【0028】
図8(a)は、隔壁15、15…によって構成されるセル状構造体(六角形形状型)20において、絶縁性材料の隔壁15、15…が交差する部分18、18…に、上記特性の隙間からなる連通孔18、18…を形成したものである。図8(b)は、隔壁15、15…によって構成されるセル状構造体(井桁形状型)20において、絶縁性材料の隔壁15、15…が交差する部分の一定の単位ごとに、上記特性の隙間からなる連通孔18、18…を形成したものである。
【0029】
本実施形態では、図2(c)に示すように、前記電気泳動インク25を充填した電極面11に、対向配置され電気泳動インク25を封止する接着層30が形成された封止フィルム35を各構造体15上面に貼り合わせた後、該接着層30を硬化させることにより電気泳動インク層20を封止して、目的の電気泳動表示シートAを得ることができる。
接着層30は、隔壁15と封止フィルム35とを接着し、電気泳動インクがセル内から漏れ出さない程度に硬化により封止フィルムと接着することが可能であれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのポリマーまたはポリマーの前駆体材料が望ましい。また、上記ポリマーを基材ポリマーとして、さらにテトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート(TBAHS)、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート(TBAHP)などのアルキル第4級アンモニウム塩、微粒子チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどを所定の割合で配合することにより構成することもできる。さらに、上記材料としては、紫外線硬化性、熱可塑性、熱硬化性、2液硬化型、水分硬化型、触媒硬化型の各種材料を用いることも可能である。
【0030】
さらにまた、溶剤に溶解したポリマー溶液を封止フィルム35に塗布した後、余分な溶剤を除去して用いることも可能である。
好ましくは、上記各材料を好適に組み合わせて、体積固有抵抗が10〜1014Ωcm、誘電率3〜11となる接着層30とすることが望ましい。
この接着層30の厚さとしては、用いる電気泳動インクの体積固有抵抗、誘電率の値、電気泳動インク層の高さ、封止フィルムの厚さにより変動するが、電気泳動インクに十分な電圧を印加可能とし、かつ隔壁15と封止フィルム35とを接着して電気泳動インクを封止するために、好ましくは、1〜10μm、更に好ましくは、1〜5μmとすることが望ましい。
【0031】
用いる封止フィルム35としては、特に限定されないが、高誘電率材料や低体積固有抵抗材料からなるフィルム材料を用いることが望ましい。例えば、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリウレタンフィルム、ニトロセルロースフィルム、酢酸セルロースフィルムなどのポリマーフィルムを挙げることができる。
好ましくは、ポリフッ化ビニリデン単体フィルム、フッ化ビニリデン含有割合が50質量%以上の共重合体フィルム、ポリウレタンフィルムなどが望ましい。
【0032】
また、用いる上記各フィルムには、各種添加剤を含有したものを用いることができる。各種添加剤としては、好適な含有量のフタル酸エステル、アジピン酸エステル、クエン酸エステル、リン酸エステル、ジブチルセバケート(DBS)、アセチルトリブチルシトレート(ATBC)等の可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ステアリン酸オクチル等のエポキシ化合物;ビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、チオジプロピオン酸アルキルエステル等の抗酸化剤;ピロリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム(EDTA−2Na)、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート(TBAHS)、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート(TBAHP)などのアルキル第4級アンモニウム塩、微粒子チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどの金属酸化物、酸化マグネシウム等の熱安定化助剤;各種光安定剤;各種滑剤;各種着色剤、難燃剤、紫外線吸収剤等を挙げることができる。これらの添加剤の一部は、塩化ビニリデン共重合体の重合でのモノマーと同時にもしくは重合中に添加してもよい。
好ましくは、上記各材料を上記フィルム中に1〜30質量%含有することが望ましい。
【0033】
この封止フィルム35の厚さとしては、用いる電気泳動インクの体積固有抵抗、誘電率の値、電気泳動インク層の高さ、接着層の厚さにより変動するが、電気泳動インクに十分な電圧を印加可能とし、かつ電気泳動インクを封止するために、好ましくは、1〜20μm、更に好ましくは、5〜10μmとすることが望ましい。
また、この封止フィルム35は、好ましくは、体積固有抵抗が10〜1014Ωcm、誘電率3〜11となるものが望ましい。
【0034】
上記封止フィルムに接着層30を形成する方法としては、例えば、ポリマー材料を有機溶剤に溶解した液をコーターを用いて塗布した後、余分な溶剤を除去して形成する方法や、モノマーやオリゴマーといったポリマー前駆体材料を触媒と共に封止フィルム上に塗布することにより形成する方法や、光硬化性材料をフィルム上に塗布した後、光を照射して半硬化状態(完全に硬化させる程度の照射ではなく、タック性や粘性を持った状態)として形成する方法などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。さらに、熱可塑性材料と光硬化性材料の組合せや、熱硬化性材料と光硬化性材料との組合せなど、2種類以上の材料を混合して用いることも可能である。
接着層30は、隔壁と封止フィルムとを接着して電気泳動インクをセル内部に封止する機能を有し、且つ封止フィルムから離れて電気泳動インク中に溶け出したり、沈んでしまわない性質を有するものである。したがって、上記機能を有するように適宜接着層の厚さ、粘度、タック性、硬さなどが調整されることになる。
【0035】
前記電気泳動インク25を充填した電極11が形成された基板10に、対向配置され電気泳動インク25を封止する上記特性の接着層30を有する封止フィルム35を各隔壁15上面に貼り合わせる方法としては、例えば、接着層30を有する封止フィルム35の一端を合わせた後、対向に設置されたローラー間を通すことで接着層30を各隔壁15上面に貼り合わせた後、該接着層30を硬化させることにより電気泳動インク層25を封止してなる、図2(c)又は図9に示す電気泳動表示媒体シートAを得ることができる。
この際、貼り合わせの補助として、ローラーによる加圧、加熱や、光照射などを合わせて行うことができる。
上記のように、各種調整した上で封止フィルム35上に接着層30を形成した後、各隔壁15上面に貼り合わせることにより、電気泳動インクが接着層材料よりも比重が小さい場合であっても、表面から封止接着層材料が沈んでしまうことなく封止することが可能となる。
【0036】
また、本発明では、得られた電気泳動表示シートAの封止フィルム層35の外面に、図9に示すように、接着層(又は粘着層)36を形成して、一以上の電極が形成された電極基板(バックプレーン)を貼合することによって電気泳動表示媒体を作製でき、さらに制御部等を設ければ電気泳動表示装置を得ることができる。
接着層(又は粘着層)36としては、例えば、バックプレーンとの接着(または粘着)が可能な材料であれば特に限定されるものではないが、例えば、高誘電率、低体積固有抵抗材料となるポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのポリマーまたはポリマーの前駆体材料が望ましい。また、上記ポリマーを基材ポリマーとして、さらに誘電率を上げるためにテトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート(TBAHS)、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート(TBAHP)などのアルキル第4級アンモニウム塩、微粒子チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどを所定の割合で配合することにより構成することもできる。さらに、上記材料としては、紫外線硬化性、熱可塑性、熱硬化性、2液硬化型、水分硬化型、触媒硬化型の各種材料などを所定の割合で配合することにより構成することができる。また、接着層(又は粘着層)36の厚さとしては、好ましくは、1〜10μm、更に好ましくは、1〜5μmとすることが望ましい。
一以上の電極が形成された基板としては、例えば、TFT基板、セグメント基板、ベタ基板等、従来電子ペーパーや電気泳動表示装置で用いられている各種電極基板を挙げることができる。
図9は、得られた電気泳動表示媒体シートAの封止フィルム35の外面に接着層(又は粘着層)36を形成した後、例えば、バックプレーンとなるTFT基板40を接着層(又は粘着層)36と貼り合わせることにより電気泳動表示媒体を作製することができる。
この際、貼り合わせの補助として、ローラーによる加圧、加熱や、光照射などを合わせて行うことができる。
なお、電気泳動表示媒体の用途(使用用途、書換方法等)に応じて、基板に別の光透過性電極、非光透過性電極、樹脂フィルム、樹脂、木、金属、セラミックス、紙、布及び/又はガラスと貼り合わせることも可能である。
また、基板に樹脂フィルムを用いた場合には、溶媒透過抑制効果や気体透過抑制効果を有する樹脂フィルムやその他基材を貼り合わせることによって、その効果を増大させることも可能である。
その他、電気泳動表示装置の強度を上げるために、別の基材を貼り合わせて補強することや、表示装置の装飾用に別の基材として紙や布等を貼り合わせることも可能である。
【0037】
このように構成される本発明となる電気泳動表示シートでは、低コストで耐久性や表示特性、生産性に優れる高品質の電気泳動表示シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体が提供されるものとなる。本発明では、特に、耐久性や表示特性に優れる大面積の電気泳動表示シートを、ロール・ツー・ロールでの大量生産が可能となり、バックプレーンのサイズに合わせることなく生産でき、必要に応じてカットして簡単に使用することが可能となる。
また、この電気泳動表示シートより得られる電気泳動表示装置は、高コントラストな表示の実現と、繰り返し表示時においても高い信頼性を持ってコントラスト表示することができ、応答性にも優れ、表示特性の劣化がきわめて少ないものとなる。
【0038】
本発明は、上述の如く構成されるものであるが、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々変更することができる。
【実施例】
【0039】
次に、本発明を実施するに適した実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
(実施例1、図1及び図2準拠)
下記各工程により、電気泳動表示シート及び電気泳動表示媒体を得た。
1)電極基板上に絶縁性の隔壁からなる複数のセルを形成する工程
電極基板として、透明材料であるITO膜を表面抵抗が約300Ω/□となるように形成した125μm厚のPETシート(10×10cm)を用いた。
この第1の電極基板上に、アクリル系UV硬化樹脂材料を厚さ40μmとなるように塗布した後、UVによる露光、現像をして、絶縁性の隔壁からなる複数の格子状のセル(高さ40μm、セルのサイズ300×300μm)を形成した。隔壁の縦断面形状:二等辺三角形形状、底辺=18μm、高さ=40μm、頂部の幅:5μm以下
【0041】
2)電気泳動インクをセルに充填する工程
用いた電気泳動インクの組成:
ノルマルドデカン75質量%、酸化チタン粒子〔マイクロトラック(日機装社製)で測定した際の体積平均粒子径:約1μm〕10質量%、カーボンブラック含有アクリル粒子(電子顕微鏡で拡大撮影した画像をマックビュー(マウンテック社製)で画像解析(面積円換算)した際の平均粒子径:約6μm)10質量%、ヒドロキシエチルアミン3質量%、ソルビタントリオレエート2質量%
この電気泳動インクを上記セル内にコーターを用いて充填した。
【0042】
3)接着層を有する封止フィルムを貼り合わる工程
接着層としては、粘度調整した紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂を、封止フィルムとなる厚さ10μmのポリフッ化ビニリデンフィルム(10×10cm)上に塗布した後、厚さ5μmとなるように形成した。
前記電気泳動インクを充填した電極基板に、接着層を有する封止フィルムの一端を合わせた後、対向に設置されたローラー間を通すことで貼り合わせて、ポリフッ化ビニリデンフィルム側から紫外線を照射して紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂を硬化し、電気泳動表示シートを得た。
【0043】
得られた電気泳動表示シートの表示エリア内には気泡の混入は無く、電極と接着層を有する封止フィルムの間隔は均一であった。
更に、得られた電気泳動表示シートの封止フィルムの外面に、接着層(又は粘着層)として厚さ5μmのウレタンホットメルト層を形成し、該接着層(又は粘着層)にバックプレーン(ITOのベタ電極が形成された125μmのPET基板)を80℃に加熱して熱ラミネーションすることにより貼り合わせた。その後、2つの電極間に+50Vと−50Vの電圧を交互に印加することで、高コントラストの白黒表示が可能であることが確認できた。
更に、得られた電気泳動表示媒体を50℃乾燥条件下に1ヶ月放置した後の表示性能等を評価したところ、初期と表示特性の変化が見られない、非常に表示劣化しにくい電気泳動表示媒体が得られた。また、セル内に気泡が成長した様子も見られなかった。
【0044】
(実施例2)
上記実施例1において、用いた電気泳動インクの組成をノルマルドデカン78質量%、酸化チタン含有ポリエチレン粒子(電子顕微鏡で拡大撮影した画像をマックビュー(マウンテック製)で画像解析(面積円換算)した際の平均粒子径:約15μm)10質量%、カーボンブラック含有アクリル粒子(電子顕微鏡で拡大撮影した画像をマックビュー(マウンテック製)で画像解析(面積円換算)した際の平均粒子径:約15μm)10質量%、ソルビタントリオレエート2質量%とし、絶縁性の隔壁が交差する部分に約10μmの隙間を形成する構成とした。
【0045】
(実施例3)
上記実施例1において、接着層として熱可塑性ポリウレタン樹脂を使用した。具体的には、封止フィルムとしてのポリフッ化ビニリデンフィルム上に熱可塑性ポリウレタン樹脂を厚さ5μmとなるように塗工し、ローラーにて貼り合わせる際に加熱することにより電気泳動表示シートを作製する構成とした。
【0046】
(実施例2、3の電気泳動表示媒体の性能評価)
上記実施例2〜5で得られた各電気泳動表示シートの表示エリア内には気泡の混入は無く、電極と封止層31を有するフィルムの間隔は均一であった。
更に、実施例2、3で得られた各電気泳動表示シートに上記実施例1と同様に電極基板を貼り合わせ、得られた電気泳動表示媒体を50℃乾燥条件下に1ヶ月放置した後の表示性能等を評価したところ、初期と表示特性の変化が見られない、非常に表示劣化しにくい電気泳動表示媒体が得られた。また、セル内に気泡が成長した様子も見られなかった。
【符号の説明】
【0047】
A 電気泳動表示シート
10 基板
11 電極層
15 隔壁
16 セル
20 セル状構造体
25 電気泳動インク
30 接着層
35 封止フィルム
36 接着層(又は粘着層)
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の電気泳動表示シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体は、電子ブック、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板などの掲示板、電子値札、電子棚札、電子広告、モナイル機器の表示部等の用途に好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性の基板材料に形成された光透過性の電極面に、絶縁性材料の隔壁によって構成されるセル状構造体を形成し、該セル状構造体内部に電気泳動インクを充填し、接着層が形成された封止フィルムを上記電気泳動インク層に貼合した後、該接着層を硬化させることにより電気泳動インク層が封止されていることを特徴とする電気泳動表示シート。
【請求項2】
絶縁性材料の隔壁は、光透過性の電極面側から封止フィルム側に向けて、隔壁の短軸の幅が狭くなっていくことを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示シート。
【請求項3】
封止フィルム側の隔壁の短軸の幅が、電気泳動インク層に含有する電気泳動粒子の少なくとも一方の粒子径よりも小さいことを特徴とする請求項2記載の電気泳動表示シート。
【請求項4】
絶縁性材料の隔壁には、少なくとも一方の粒子径よりも小さな隙間が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の電気泳動表示シート。
【請求項5】
更に、電気泳動表示シートの封止フィルムの外面に接着層又は粘着層を形成したことを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の電気泳動表示シート。
【請求項6】
一以上の電極が形成された基板上に、請求項5に記載の電気泳動表示シートが接着層又は粘着層を介して貼合されたことを特徴とする電気泳動表示媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−41036(P2013−41036A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176952(P2011−176952)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000005957)三菱鉛筆株式会社 (692)
【Fターム(参考)】