電気泳動表示装置、電子機器
【課題】 パーツの領域数に基づいた少ないパーツデータのセットで、領域毎に様々な色を表示でき、メモリーの使用量も抑える電気泳動表示装置を提供する。
【解決手段】転送データに基づいて、n個の領域から成る表示物であって領域ごとに2m階調で表示されるパーツと、パーツの背景とを含む画像を表示する電気泳動表示装置であって、m回分の転送データを生成するVRAM30と、画像に表示されるパーツを指定するパーツデータと、画像に表示される背景を指定する背景データと、を保存する不揮発性メモリー20と、不揮発性メモリーからパーツデータ、背景データをVRAMに出力させて、VRAMに、パーツデータと背景データ又は中間データとの合成を実行させることで転送データを生成させる制御部63と、を含み、不揮発性メモリーは、2値のデータであって、互いに異なるパーツデータをn種類含む。
【解決手段】転送データに基づいて、n個の領域から成る表示物であって領域ごとに2m階調で表示されるパーツと、パーツの背景とを含む画像を表示する電気泳動表示装置であって、m回分の転送データを生成するVRAM30と、画像に表示されるパーツを指定するパーツデータと、画像に表示される背景を指定する背景データと、を保存する不揮発性メモリー20と、不揮発性メモリーからパーツデータ、背景データをVRAMに出力させて、VRAMに、パーツデータと背景データ又は中間データとの合成を実行させることで転送データを生成させる制御部63と、を含み、不揮発性メモリーは、2値のデータであって、互いに異なるパーツデータをn種類含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動表示装置、電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電源を切っても画像を保持できるメモリー性を有する表示パネルが開発され、電子時計等にも使用されている。メモリー性を有する表示パネルとしては、電気泳動表示装置(Electrophoretic Display)すなわち電気泳動表示装置や、メモリー性液晶表示装置等が知られている。
【0003】
電気泳動表示装置は、視野角の広さ、コントラストの高さ、柔軟性、反射型ディスプレイであるゆえの低消費電力などの優れた利点がある。
【0004】
電気泳動表示装置は、例えば電気泳動粒子を白色、黒色とする二粒子系マイクロカプセル型の電気泳動方式のものがある。このとき、基本色である白色、黒色の少なくとも2色を表示できる。
【0005】
そして、このような電気泳動表示装置は、特許文献1に記載されているように駆動パルスの制御によって中間色を表示することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−217282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、駆動パルスを制御する駆動制御信号は、VRAM(Video RAM)上で作成された転送データに基づいて生成される。転送データとは、VRAMで生成される画像データであって、転送単位である1フレームで分割されたものを意味する。
【0008】
このとき、データ量を抑えるために、転送データに用いる背景データとパーツデータとを分けて用意し、これらを合成することが一般に行われる。パーツとは、画像において表示したい表示物(オブジェクト)であって背景以外のものをいう。これらを合成することで、背景の自由な位置にパーツを配置できる。
【0009】
しかし、合成により表示したい領域の背景データが失われることを防ぐため、背景データに対してパーツの形状を単一色(例えば白)で塗りつぶしたパーツデータを最初に合成することが行われる。したがって、パーツの種類が増えると、種類毎に単一色のパーツデータを用意する必要があり、パーツデータを保存する記憶部(例えばフラッシュメモリー)の使用量が増えてしまう。
【0010】
また、パーツが複数の領域に分かれており、領域毎の表示色に複数の組み合わせがある場合には、合成に用いるパーツデータも指数関数的に増えていくことになる。そのため、表示階調が多くなると、領域毎の表示色の組み合わせが増加し、フラッシュメモリーの使用量が増えてしまう。
【0011】
したがって、中間色を表示する電気泳動表示装置などでは、フラッシュメモリーの使用量が増大する可能性があった。
【0012】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明のいくつかの態様によれば、パーツの形状を単一色で塗りつぶしたパーツデータを含まない、パーツの領域数に基づいた少ないパーツデータのセットで、領域毎に様々な色を表示でき、メモリーの使用量も抑える電気泳動表示装置を提供する。
【0013】
なお、以下において画像データはフレーム単位で合成・読み出しが行われる。そのため、画像データに代えて転送データの用語を用いて説明する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)本発明は、第1色と第2色とを基本色とし、転送データに基づいて、n個の領域から成る表示物であって前記領域ごとに2m階調で表示されるパーツと、前記パーツの背景とを含む画像を表示する電気泳動表示装置であって、m回分の前記転送データを生成するVRAMと、前記画像に表示される前記パーツを指定するパーツデータと、前記画像に表示される前記背景を指定する背景データと、を保存する不揮発性メモリーと、前記不揮発性メモリーから前記パーツデータ、前記背景データを前記VRAMに出力させて、前記VRAMに、前記パーツデータと前記背景データ又は中間データとの合成を実行させることで前記転送データを生成させる制御部と、を含み、前記不揮発性メモリーは、第1の値と第2の値とで表される2値のデータであって、互いに異なる前記パーツデータをn種類含む。
【0015】
本発明によれば、パーツの領域数と同じn種類パーツデータのセットだけで、領域毎に様々な色を表示できる。なお、領域とは互いに異なる表示色を使用できるパーツの部分をいう。このとき、n種類のパーツデータを不揮発性メモリーに保存するだけでよいので、メモリーの使用量も抑えることができる。
【0016】
ここで、第1色と第2色の基本色とは、最低限表示できる2色のことである。例えば第1色が白色であって、第2色が黒色であってもよい。また、パーツ(表示物)は図形であってもよいし、文字、記号、数字等であっても、これらの組み合わせであってもよい。
【0017】
mとnは共に1以上の整数である。nはパーツにおける前記の領域の数である。そして、mは階調数を定める。m≧2のときには中間色表示が可能である。m=2の場合には、例えば、白色、ライトグレー、ダークグレー、黒色の4色(=2m)の表示が可能になる。
【0018】
本発明の電気泳動表示装置は、m回分の転送データを生成するVRAMを含む。転送データはパーツデータと背景データとの合成、パーツデータと中間データとの合成によって生成される。ここで、中間データとは、直前の合成によって得られた、最終でない転送データを意味する。そして、転送データにおける1回分とは、1フレームの画像を表示させるデータ量を意味する。制御部からの指示により、VRAMは転送データをm回生成する。
【0019】
ここで、パーツデータは第1の値(例えば0)と第2の値(例えば1)とで表される2値のデータである。背景データも同じ2値のデータであるが、第1の値のみ、第2の値のみを含むこともあり得る。転送データは、パーツデータと背景データとの合成で得られるため、第1の値と第2の値とを含む2値のデータとなる。そして、転送データは、表示される画像の画素のそれぞれに対して第1の値、又は第2の値を指定する。
【0020】
例えば、制御部は、転送データに基づいて駆動パルスを制御する駆動制御信号を生成して、それぞれの画素に印加する電界を変化させることで所望の画像を表示させる。そして、m回分のVRAMの転送データを順に使用することで、2m階調の画像を表示させる。
【0021】
(2)この電気泳動表示装置において、前記制御部は、前記VRAMに、前記合成において、前記パーツデータの前記第1の値の部分は透過させて、前記パーツデータの前記第2の値の部分は、前記第1色又は前記第2色を割り当てさせてもよい。
【0022】
(3)この電気泳動表示装置において、前記制御部は、nが3以上の場合に、前記VRAMに、前記パーツデータと前記背景データ又は中間データとの合成をn−1回実行させてもよい。
【0023】
(4)この電気泳動表示装置において、前記制御部は、nが2以下の場合に、前記VRAMに、前記パーツデータと前記背景データ又は中間データとの合成をn回実行させてもよい。
【0024】
(5)この電気泳動表示装置において、前記不揮発性メモリーは、nが3以上の場合に、n−2の領域を前記第1の値とし、残りを前記第2の値とする前記パーツデータを含んでもよい。
【0025】
これらの発明によれば、n種類のパーツデータだけを使用してメモリーの使用量を抑えつつ、様々な組み合わせの階調表示を可能にする。
【0026】
例えば、制御部は、VRAMに、合成において、パーツデータの第1の値(例えば0)の部分は背景データ(又は中間データ)を透過させ、パーツデータの第2の値(例えば1)の部分は、第1色又は第2色を割り当てさせてもよい。このことで、パーツの領域毎の様々な色の組み合わせをn種類のパーツデータだけで実現できる。
【0027】
なお、背景データについては、画像の最背面に位置することから透過を割り当てる必要はない。例えば、第1の値(例えば0)の部分は白色で、第2の値(例えば1)の部分は黒色にしてもよいし、逆でもよい。
【0028】
また、例えば制御部は、nが3以上の場合に、VRAMに、前記パーツデータと前記背景データ又は中間データとの合成をn−1回実行させてもよい。nが2以下の場合には、合成をn回実行させてもよい。n種類のパーツデータだけを使用しても、合成回数を大幅に増加させることなく転送データの生成が可能である。
【0029】
また、不揮発性メモリーに含まれるパーツデータは、n−2の領域を前記第1の値(例えば0)とし、残りを前記第2の値(例えば1)としたものであってもよい。このようなパーツデータを選択して使用することにより、パーツの領域毎の様々な色の組み合わせをn種類のパーツデータだけで実現できる。
【0030】
(6)この電気泳動表示装置において、前記不揮発性メモリーは、前記第1の値で表されるパーツの背景を含む前記パーツデータを含んでもよい。
【0031】
本発明によれば、パーツデータはパーツを表す部分とパーツの背景とを含む。パーツデータは、例えば長方形等の多角形の形状で用意することができる。そのため、例えば座標を用いた合成が容易になる。このとき、パーツの背景は第1の値で表される。例えば第1の値を透過に対応させることで、様々な形状のパーツについてのパーツデータを作成できる。
【0032】
(7)本発明は、前記電気泳動表示装置を含む電子機器であってもよい。
【0033】
本発明の電子機器は、パーツの領域数とおなじn種類パーツデータのセットだけで、領域毎に様々な色を表示でき、メモリーの使用量も抑えることができる電気泳動表示装置を含む。そのため、表現力を損なうことなく、メモリーの使用量が少ないことでコストも抑えられる電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1実施形態における電気泳動表示装置のブロック図。
【図2】第1実施形態における電気泳動表示装置の画素の構成例を示す図。
【図3】図3(A)は電気泳動素子の構成例を示す図。図3(B)、図3(C)は電気泳動素子の動作の説明図。
【図4】m=2の場合の階調を説明するテーブル。
【図5】第1実施形態における制御部、不揮発性メモリー、VRAMのブロック図。
【図6】図6(A)〜図6(B)は比較例の転送データの合成方法と表示例を示す図。
【図7】図7(A)〜図7(B)は第1実施形態の転送データの合成方法と表示例を示す図。
【図8】図8(A)はn=3の場合の表示部の表示例を示す図。図8(B)は比較例のパーツデータのセットを示す図。図8(C)は第1実施形態のパーツデータのセットを示す図。
【図9】図9(A)〜図9(B)は第1実施形態の転送データの合成方法と表示例を示す図。
【図10】図10(A)〜図10(B)は第1実施形態の転送データの合成方法と表示例を示す図。
【図11】第1実施形態の転送データの合成方法の手順を示す図。
【図12】図12(A)はn=3の場合の表示部の表示例を示す図。図12(B)は第1実施形態のパーツデータのセットを示す図。
【図13】第1実施形態の転送データの合成方法の手順を示す図。
【図14】第1実施形態の転送データの合成方法の手順を示す図。
【図15】適用例の電子機器のブロック図。
【図16】図16(A)は電子機器の一例である電子時計の図、図16(B)は電子機器の一例である電子ペーパーの図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態について図1〜図14を参照して説明する。本実施形態の電気泳動表示装置はVRAMが生成するm回分の転送データに基づいて2m階調の表示が可能であるが、以下の例ではm=2として白色、ライトグレー、ダークグレー、黒色の4色を表示する場合について説明する。
【0036】
1.1.電気泳動表示装置の構成
図1は、本実施形態のアクティブマトリックス方式の電気泳動表示装置の構成を示す図である。
【0037】
電気泳動表示装置10は表示部3を含む。そして、電気泳動表示装置10は、表示部3を制御する制御部(コントローラー)63、走査線駆動回路61、データ線駆動回路62、共通電源変調回路64、記憶部160を含む。
【0038】
走査線駆動回路61、データ線駆動回路62、共通電源変調回路64、記憶部160は、それぞれ制御部63と接続されている。制御部63は、例えば同期信号等の入力制御信号18に基づいて、これらを総合的に制御する。
【0039】
記憶部160は、例えばVRAMと不揮発性メモリー(例えばフラッシュメモリー)とを含む。VRAMは表示部3に表示させる画像のデータである転送データを生成し、不揮発性メモリーは転送データの要素のデータ(パーツデータ、背景データ)を記憶する。また、記憶部160には、その他に例えばSRAM、DRAM等が含まれ、制御部63によって制御に必要な情報が記憶されてもよい。なお、記憶部160と制御部63(図1の領域5)の詳細については後述する。
【0040】
表示部3には、走査線駆動回路61から延びる複数の走査線66と、データ線駆動回路62から延びる複数のデータ線68とが形成されており、これらの交差位置に対応して複数の画素40が設けられている。
【0041】
走査線駆動回路61は、j本の走査線66(Y1、Y2、…、Yj)により各画素40に接続されている。走査線駆動回路61は、制御部63の制御に従って1行目からj行目までの走査線66を順次選択することで、画素40に設けられた駆動用TFT48(図2参照)のオンタイミングを規定する選択信号を供給する。
【0042】
データ線駆動回路62は、k本のデータ線68(X1、X2、…、Xk)により各画素40に接続されている。データ線駆動回路62は、転送データに基づく制御部63の制御に従って、画素40のそれぞれに対応する1ビットについての画像信号を画素40に供給する。なお、本実施形態では、画素データ「0」を規定する場合には、ローレベルの画像信号を画素40に供給し、画素データ「1」を規定する場合には、ハイレベルの画像信号を画素40に供給するものとする。
【0043】
表示部3には、また、共通電源変調回路64から延びる低電位電源線49(Vss)、高電位電源線50(Vdd)、共通電極配線55(Vcom)、第1のパルス信号線91(S1)、第2のパルス信号線92(S2)が設けられており、それぞれの配線は画素40と接続されている。共通電源変調回路64は、制御部63の制御に従って上記配線のそれぞれに供給する各種信号を生成する一方、これら各配線の電気的な接続及び切断(ハイインピーダンス化、Hi−Z)を行う。
【0044】
1.2.画素部分の回路構成
図2は、図1の画素40の回路構成図である。なお、図1と同じ配線には同じ番号を付しており、説明は省略する。また、全画素に共通の共通電極配線55については記載を省略している。
【0045】
画素40には、駆動用TFT(Thin Film Transistor)48と、ラッチ回路70と、スイッチ回路80が設けられている。画素40は、ラッチ回路70により画像信号を電位として保持するSRAM(Static Random Access Memory)方式の構成をとる。
【0046】
駆動用TFT48は、N−MOSトランジスタからなる画素スイッチング素子である。駆動用TFT48のゲート端子は走査線66に接続され、ソース端子はデータ線68に接続され、ドレイン端子はラッチ回路70のデータ入力端子に接続されている。ラッチ回路70は転送インバーター70tと帰還インバーター70fとを備えている。インバーター70t、70fには、低電位電源線49(Vss)と高電位電源線50(Vdd)から電源電圧が供給される。
【0047】
スイッチ回路80は、トランスミッションゲートTG1、TG2からなり、ラッチ回路70に記憶された画素データのレベルに応じて、画素電極35(図3(B)、図3(C)参照)に信号を出力する。なお、Vaは、1つの画素40の画素電極へ印加する電位を意味する。
【0048】
ラッチ回路70に画素データ「1」(ハイレベルの画像信号)が記憶されて、トランスミッションゲートTG1がオン状態となると、スイッチ回路80はVaとして信号S1を供給する。一方、ラッチ回路70に画素データ「0」(ローレベルの画像信号)が記憶されて、トランスミッションゲートTG2がオン状態となると、スイッチ回路80はVaとして信号S2を供給する。このような回路構成により、制御部によって、それぞれの画素40の画素電極に対して印加する電位を制御することが可能である。
【0049】
1.3.表示方式
本実施形態の電気泳動表示装置は、二粒子系マイクロカプセル型の電気泳動方式であるとする。分散液は無色透明、電気泳動粒子は白色又は黒色のものであるとすると、白色又は黒色の2色を基本色として少なくとも2色を表示できる。前記の通り、本実施形態の電気泳動表示装置は、白色、ライトグレー、ダークグレー、黒色の4色を表示するが、ここではまず白色、黒色を表示する場合について説明する。
【0050】
図3(A)は、本実施形態の電気泳動素子132の構成を示す図である。電気泳動素子132は素子基板130と対向基板131(図3(B)、図3(C)参照)との間に挟まれている。電気泳動素子132は、複数のマイクロカプセル120を配列して構成される。マイクロカプセル120は、例えば無色透明な分散液と、複数の白色粒子(電気泳動粒子)127と、複数の黒色粒子(電気泳動粒子)126とを封入している。本実施形態では、例えば白色粒子127は負に帯電しており、黒色粒子126は正に帯電しているとする。
【0051】
図3(B)は、電気泳動表示装置の表示部の部分断面図である。素子基板130と対向基板131は、マイクロカプセル120を配列してなる電気泳動素子132を狭持している。表示部は、素子基板130の電気泳動素子132側に、複数の画素電極35が形成された駆動電極層350を含む。図3(B)では、画素電極35として画素電極35Aと画素電極35Bが示されている。画素電極35により、画素ごとに電位を供給することが可能である(例えば、Va、Vb)。ここで、画素電極35Aを有する画素を画素40Aとし、画素電極35Bを有する画素を画素40Bとする。画素40A、画素40Bは画素40(図1、図2参照)に対応する2つの画素である。
【0052】
一方、対向基板131は透明基板であり、表示部において対向基板131側に画像表示がなされる。表示部3は、対向基板131の電気泳動素子132側に、平面形状の共通電極37が形成された共通電極層370を含む。なお、共通電極37は透明電極である。共通電極37は、画素電極35と異なり全画素に共通の電極であり、電位Vcomが印加される。
【0053】
共通電極層370と駆動電極層350との間に設けられた電気泳動表示層360に電気泳動素子132が配置されており、電気泳動表示層360が表示領域となる。共通電極37と画素電極(例えば、35A、35B)との間の電位差に応じて、画素毎に所望の表示色を表示させることができる。
【0054】
図3(B)では、共通電極側電位Vcomが画素40Aの画素電極の電位Vaよりも高電位である。このとき、負に帯電した白色粒子127が共通電極37側に引き寄せられ、正に帯電した黒色粒子126が画素電極35A側に引き寄せられるため、画素40Aは白色を表示していると視認される。
【0055】
図3(C)では、共通電極側電位Vcomが画素40Aの画素電極の電位Vaよりも低電位である。このときは逆に、正に帯電した黒色粒子126が共通電極37側に引き寄せられ、負に帯電した白色粒子127が画素電極35A側に引き寄せられるため、画素40Aは黒色を表示していると視認される。なお、図3(C)の構成は図3(B)と同様であり説明は省略する。また、図3(B)、図3(C)ではVa、Vb、Vcomを固定された電位として説明したが、実際にはVa、Vb、Vcomは時間とともに電位が変化する。
【0056】
ここで、図3(B)、図3(C)の画素40Aの例では、それぞれ、白色粒子127、黒色粒子126が全て共通電極37側に引き寄せられている状態(いわゆる飽和状態)を表している。しかし、飽和状態にして基本色(白色、黒色)を表示するだけでなく、例えば反対方向の電界を適当な時間だけ印加することで中間色(ライトグレー、ダークグレー)を表示することも可能である。
【0057】
具体的には、駆動パルスに基づく電圧を印加する時間を2回に分けて、1回目の印加電界と2回目の印加電界とが独立であるようにし、印加電界の方向の組み合わせによって、電気泳動表示装置に中間色も含む4階調表示ができる。
【0058】
図4は、m=2の場合、すなわち4階調表示を行う場合の印加電界の方向の組み合わせを説明するテーブルである。黒色の表示を行うには、1回目および2回目で「黒」とする必要がある。図4の「黒」は、黒色表示を行う方向の電界を印加すること(図3(C)参照)を意味する。
【0059】
また、白色の表示を行うには、1回目および2回目で「白」とする必要がある。図4の「白」は、白色表示を行う方向の電界を印加すること(図3(B)参照)を意味する。
【0060】
そして、1回目で「白」とし、2回目で「黒」とすると、ダークグレーが表示される。逆に、1回目で「黒」とし、2回目で「白」とすると、ライトグレーが表示される。中間色(ダークグレー、ライトグレー)を表示する場合に、電界を印加する順番で表示色が異なるのは、2回目の印加電界による電気泳動粒子の移動の方が、表示色に強く影響するためである。
【0061】
このとき、制御部は1回目の「白」又は「黒」の電界印加を転送データ(以下、1回目の転送データ)に基づいて行う。そして、制御部は2回目の「白」又は「黒」の電界印加を別の転送データ(以下、2回目の転送データ)に基づいて行う。つまり、2m階調(この例ではm=2)を表示する場合には、VRAMで生成されたm回分の転送データを順に制御部が受け取り、受け取った転送データに基づいて駆動パルスを制御する駆動制御信号を生成する。ここで、VRAMは本実施形態のように物理的に1個であってもよいが、これに限るものではない。例えば、転送データをそれぞれ生成する、物理的に異なる複数個のVRAMで構成されていてもよい。また、VRAMは論理的に異なる複数個の記憶領域を含み、それぞれの記憶領域で転送データを生成してもよい。ここで、複数個とは、m≧2の場合にm個であってもよい。なお、本実施形態では、物理的に1個のVRAMが、時分割でm回分の転送データを生成するものとする。このとき、転送データを上書きしながら更新するので、VRAMのサイズを小さくすることができる。
【0062】
本実施形態の制御部は、不揮発性メモリーに保存された転送データの要素のデータ(パーツデータ、背景データ)をVRAM上で合成させて1回目、2回目の転送データを生成させる。このとき、表示色に応じてパーツデータ、背景データを適当に選択し、所定の順番で合成させる必要がある。
【0063】
図5は、本実施形態における制御部(コントローラー)63、不揮発性メモリー(フラッシュメモリー)20、VRAM30を含む電気泳動表示装置の一部のブロック図である。図5のブロック図は、図1の領域5の部分に対応する。
【0064】
図5のVRAM30で転送データが生成されて、1〜m回目の転送データ16が出力される。ここではm=2とし、以下では1〜2回目の転送データ16が出力されるものとして説明する。
【0065】
制御部63は、例えば同期信号等の入力制御信号18を受け取り、VRAM30に転送データの合成を行わせる。このとき、例えばアドレス等の制御信号15によって、不揮発性メモリー20から選択したパーツデータ、背景データをVRAM30に出力させる。制御部63は、制御信号(図外)によって、VRAM30に合成を行わせて、転送データ16として1回目の転送データ、2回目の転送データをそれぞれ受け取る。そして、1回目の転送データ、2回目の転送データに基づいて、駆動パルスを制御する信号(駆動制御信号)19を走査線駆動回路(図1参照)等に出力する。
【0066】
ここで、不揮発性メモリー20、VRAM30は、図1の記憶部160に対応する。また、VRAMはSRAM、DRAM、その他の種類のメモリーであってもよく、不揮発性メモリー20は、本実施形態のようにフラッシュメモリーであってもよいし、例えばマスクROM等であってもよい。
【0067】
ここで、4階調表示を含む多階調表示の場合には、複数の領域を含むパーツの表示色の組み合わせが多くなる。その結果、不揮発性メモリー20の使用量が増大して、コストも上昇するという問題が生じ得る。また、背景にパーツを合成する際に、最初にパーツの全領域を単一色で表示したパーツデータ(以下、単一色パーツデータ)が使用されることがある。この場合、パーツの数が増えると省略できない単一色パーツデータも増えることになり、不揮発性メモリー20の使用量が増大する一因にもなっていた。
【0068】
したがって、不揮発性メモリー20の使用量をできるだけ抑えつつ、多階調表示を可能にする転送データの合成方法、および少ないパーツデータのセットが求められていた。以下に、前記の問題を有する比較例、前記の問題を解決する本実施形態の順に、転送データの合成方法の具体例を示す。
【0069】
1.4.比較例における転送データの合成方法
図6(A)〜図6(B)は比較例の転送データの合成方法と表示例を示す図である。比較例の電気泳動表示装置の構成も図1〜図5と同じであるが、転送データの合成において単一色パーツデータを使用する。なお、パーツの領域数は2である(n=2)。
【0070】
図6(A)では、不揮発性メモリー20に保存されている背景データB00、B01とパーツデータP00、P01、P02、中間データ30Z、30W、1回目の転送データ30A、および2回目の転送データ30Bを視覚的に示している。
【0071】
ここで、「視覚的に示す」とは、これらのデータの第1の値(例えば0)である部分を第1色(例えば白色)で、第2の値(例えば1)である部分を第2色(例えば黒色)で表示し、表示部における画像と同じように2次元で表すことをいう。
【0072】
なお、1回目の転送データ30Aは、図5のVRAM30で生成された1回目の転送データを視覚的に示したものである。また、2回目の転送データ30Bは、図5のVRAM30で生成された2回目の転送データを視覚的に示したものである。
【0073】
そして、中間データ30Z、30Wは、それぞれ1回目の転送データ30A、2回目の転送データ30Bの前に合成された、最終でない転送データを視覚的に示したものである。
【0074】
図6(A)は、図6(B)の最下段の画像を表示部3に表示するための転送データの合成方法である。図6(B)の最下段の画像のように、グラデーションになった背景(表示領域3A〜3D)の前に、2つの領域(n=2)をもつ菱形のパーツが表示されている。このとき、1つの領域Paの色はダークグレーであり、他方の表示領域Pbの色はライトグレーである。
【0075】
比較例の電気泳動表示装置の制御部は、図6(A)のように単一色パーツデータP00を最初に選択して、背景データB00、B01と合成させる。単一色パーツデータとは、パーツの全領域(2つの領域)を単一色(白色)で表示したパーツデータである。
【0076】
比較例では、単一色パーツデータを含むパーツデータP00〜P02の白色部分と黒色部分と、合成における処理とは1対1に対応し、固定化されている。ここで、合成における処理とは、透過(背景データ又は中間データの透過)、白色表示、黒色表示である。
【0077】
比較例では、単一色パーツデータP00の黒色部分を透過に、白色部分を白色表示に対応させている。したがって、背景データB00に単一色パーツデータP00を合成した中間データ30Z、および、背景データB01に単一色パーツデータP00を合成した中間データ30Wが得られる。
【0078】
そして、比較例では、パーツデータP01およびP02の黒色部分を黒色表示に、白色部分を透過に対応させている。したがって、中間データ30ZにパーツデータP01を合成した1回目の転送データ30A、中間データ30WにパーツデータP02を合成した2回目の転送データ30Bが得られる。
【0079】
そして、比較例の制御部は、1回目の電界の印加(図4参照)を制御する駆動制御信号を、1回目の転送データ30Aに基づいて生成する。ここで、1回目の転送データ30Aの白色部分は「白」(図4参照)となるように電界が印加され、1回目の転送データ30Aの黒色部分は「黒」(図4参照)となるように電界が印加される。
【0080】
そして、最初に全面が白色だった表示部3に、1回目の転送データ30Aの画像の黒色部分に対応した中間色の画像が表示される(図6(B)の中段の表示領域3B、3D、および領域Pb)。
【0081】
次に、比較例の制御部は、2回目の電界の印加(図4参照)を制御する駆動制御信号を、2回目の転送データ30Bに基づいて生成する。そして、図4の表に従って、表示部3に4階調の画像が表示される。具体的には、表示領域3Aは白色に、表示領域3B、領域Pbはライトグレーに、表示領域3C、領域Paはダークグレーに、表示領域3Dは黒色になる。
【0082】
このように、VRAM30(図5参照)で1回目の転送データおよび2回目の転送データを生成すれば、所望の表示を行うことができる。しかし、比較例の転送データの合成方法では、必ず単一色パーツデータが必要である。そのため、パーツの数が増えると省略できない単一色パーツデータも増え、不揮発性メモリー20の使用量が増大することになる。
【0083】
1.5.本実施形態における転送データの合成方法
1.5.1.領域数n=2の場合
図7(A)〜図7(B)は本実施形態の転送データの合成方法と表示例を示す図である。比較例では単一色パーツデータを使用していたが、本実施形態では不要である。なお、パーツの領域数は比較例と同じ2である(n=2)。また、図6(A)〜図6(B)と同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。
【0084】
本実施形態の不揮発性メモリー20は、パーツの領域数と同じ2つのパーツデータP01、P02を含むが、単一色パーツデータは含まない。また、パーツデータP01、P02は互いに異なる。なお、背景データについては比較例と同じもの(B00、B01)が含まれている。
【0085】
本実施形態の電気泳動表示装置の制御部は、パーツデータP01、P02の白色部分を透過に割り当て、パーツデータP01、P02の黒色部分を白色表示又は黒色表示に割り当てる。ここで、パーツデータP01、P02におけるパーツの背景は白色部分に含まれ、透過が割り当てられている。パーツデータP01、P02の黒色部分の割り当ては、合成のたびに柔軟に変化する。
【0086】
図7(A)の例では、まず、パーツデータP01およびP02の黒色部分を黒色表示に、白色部分を透過に対応させている。したがって、背景データB00にパーツデータP01を合成した中間データ30X、背景データB01にパーツデータP02を合成した中間データ30Yが得られる。
【0087】
そして、次の合成では、パーツデータP01およびP02の黒色部分を白色表示に、白色部分を透過に対応させている。したがって、中間データ30XにパーツデータP02を合成した1回目の転送データ30A、中間データ30YにパーツデータP01を合成した2回目の転送データ30Bが得られる。
【0088】
図7(A)のように本実施形態でも、比較例(図6(A))の場合と同じ1回目の転送データ30A、2回目の転送データ30Bが得られている。よって、図7(B)は比較例の図6(B)と全く同じであり、所望の画像(図7(B)の最下段)を表示部3に表示することができる。
【0089】
このように、本実施形態では、パーツデータP01およびP02の黒色部分を白色表示とするか黒色表示とするかを、柔軟に合成の度に変更できるので、単一色パーツデータが不要になり、不揮発性メモリー20の使用量を減らすことができる。
【0090】
なお、1回目の転送データ30A、2回目の転送データ30Bを生成するのに、合成の回数はそれぞれ2回である。つまり、パーツデータの数が減っても合成回数が比較例に比べて増加することもない。
【0091】
また、本実施形態では、1回目の転送データ30Aと2回目の転送データ30Bの生成は、VRAM30(図5参照)において時分割で行われる。よって、転送データ毎に処理(白色表示、黒色表示)の割り当てを変更できる。例えば、中間データ30Xを得る場合に、パーツデータの黒色部分に黒色表示を割り当て、中間データ30Yを得る場合には、パーツデータの黒色部分に白色表示を割り当てることも可能である。
【0092】
1.5.2.領域数n=3の場合
本実施形態の転送データの合成方法は、パーツの領域nが増加した場合に、不揮発性メモリーの使用量を減らす効果がさらに高まる。
【0093】
図8(A)は、3つの領域Pa、Pb、Pcからなるパーツを表示部3に表示する例を表している。左上の例では(Pa,Pb,Pc)=(B,D,L)、右上の例では(Pa,Pb,Pc)=(D,L,W)、左下の例では(Pa,Pb,Pc)=(D,W,W)、右下の例では(Pa,Pb,Pc)=(D,L,L)のように表示されている。
【0094】
ここで、上記のB、D、L、Wは図4の通り、それぞれ黒、ダークグレー、ライトグレー、白を意味する。このように、4階調表示を行う電気泳動表示装置では、3つの領域が様々な色の組み合わせで表示されることがあり得る。
【0095】
なお、図8(A)では、見易さのために背景を斜線にしているが、実際には例えば図6のようなグラデーションであるとする。
【0096】
図8(B)は、図8(A)の表示を行う場合に必要となる、比較例のパーツデータP10〜P15を表す。例えば、図8(A)の左上の表示例では、パーツデータP10、P12、P13が必要になる。
【0097】
また、図8(A)の右上の表示例では、パーツデータP10、P14、P15が必要になる。そして、図8(A)の右下の表示例では、パーツデータP10、P11、P14が必要になる。
【0098】
このように、比較例の転送データの合成方法は、n=3の場合には図6(A)の場合(n=2)に比べて、更に不揮発性メモリーの使用量が増える。
【0099】
一方、図8(C)は、本実施形態の転送データの合成方法で必要になるパーツデータP11〜P13を表す。これらのパーツデータは、2つの領域が白色(第1の値(0)に対応)であり、残りの領域を黒色(第2の値(1)に対応)とする。
【0100】
本実施形態の不揮発性メモリーには、パーツの領域数と同じ3つのパーツデータだけが保存される。そのため、比較例に比べて、大きく不揮発性メモリーの使用量を減らすことができる。
【0101】
図9(A)〜図9(B)は本実施形態の転送データの合成方法と表示例を示す図である。ここでは、図8(A)の左上の表示例を行う場合を示す。また、図6(A)〜図7(B)と同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。
【0102】
図9(A)のように、不揮発性メモリー20には領域数nと同じ3つのパーツデータP11、P12、P13が用意されている。この表示例では、パーツデータP12、P13が使用される。
【0103】
まず、パーツデータP12およびP13の黒色部分を白色表示に、白色部分を透過に対応させる。すると、背景データB00にパーツデータP13を合成した中間データ30X、背景データB01にパーツデータP12を合成した中間データ30Yが得られる。
【0104】
そして、次の合成では、パーツデータP12およびP13の黒色部分を黒色表示に、白色部分を透過に対応させている。したがって、中間データ30XにパーツデータP12を合成した1回目の転送データ30A、中間データ30YにパーツデータP13を合成した2回目の転送データ30Bが得られる。なお、データの種類別にまとめて説明したが、本実施形態では中間データ30X、1回目の転送データ30A、中間データ30Y、2回目の転送データ30Bの順に、時分割でデータが生成されることになる。
【0105】
そして、図9(B)のように、1回目の転送データ30A、2回目の転送データ30Bを順に用いて駆動制御(駆動制御信号に基づく駆動パルスの制御)を行うと、図9(B)の最下段の画像が表示される。これは、図8(A)の左上の表示例と同じである。
【0106】
図10(A)〜図10(B)は本実施形態の転送データの合成方法と表示例を示す図である。ここでは、図8(A)の左下の表示例を行う場合を示す。また、図6(A)〜図7(B)、図9(A)〜図9(B)と同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。
【0107】
図10(A)も、不揮発性メモリー20には領域数nと同じ3つのパーツデータP11、P12、P13が用意されている。この表示例では、パーツデータP11、P12が使用される。
【0108】
1回目の転送データ30Aについての合成は次のように行われる。まず、パーツデータP11の黒色部分を白色表示に、白色部分を透過に対応させる。すると、背景データB00にパーツデータP11を合成した中間データ30Xが得られる。
【0109】
そして、パーツデータP12の黒色部分を白色表示に、白色部分を透過に対応させる。すると、中間データ30XにパーツデータP12を合成した1回目の転送データ30Aが得られる。
【0110】
一方、2回目の転送データ30Bについての合成は次のように行われる。まず、パーツデータP12の黒色部分を黒色表示に、白色部分を透過に対応させる。すると、背景データB01にパーツデータP12を合成した中間データ30Yが得られる。
【0111】
そして、パーツデータP11の黒色部分を白色表示に、白色部分を透過に対応させる。すると、中間データ30YにパーツデータP11を合成した2回目の転送データ30Bが得られる。
【0112】
その後、図10(B)のように、1回目の転送データ30A、2回目の転送データ30Bを順に用いて駆動制御を行うと、図10(B)の最下段の画像が表示される。これは、図8(A)の左下の表示例と同じである。
【0113】
このように、本実施形態の転送データの合成方法では、nが3以上の場合、領域数nと同じパーツデータだけを用意して、そのうちのn−1個のパーツデータを使用して、n−1回の合成で転送データを生成することが可能である。
【0114】
図11は、転送データの合成方法の手順を示す図である。図中のパーツは、図8(C)の3つのパーツデータP11〜P13を指し、領域Pa、Pb、Pcは図8(A)の3つの領域を指す。また、色を表すB、D、L、Wは図4と同じである。なお、合成方法の「黒」「白」は、それぞれ、パーツデータの黒色部分を「黒色表示」に割り当てるか、「白色表示」に割り当てるかを表す。
【0115】
図11の上の太線部分の(Pa,Pb,Pc)=(B,D,L)は、図9(A)〜図9(B)の例を表している。例えば、1回目の転送データ30Aの生成時には、まずパーツデータP13の黒色部分を白色表示に対応させる。その後、パーツデータP12の黒色部分を黒色表示に対応させる。これは、図9(A)に示した手順の通りである。なお、全てのパーツデータで、白色部分は透過に割り当てられている。
【0116】
図11の下の太線部分の(Pa,Pb,Pc)=(D,W,W)は、図10(A)〜図10(B)の例を表している。例えば、2回目の転送データ30Bの生成時には、まずパーツデータP11の黒色部分を白色表示に対応させる。その後、パーツデータP12の黒色部分を白色表示に対応させる。これは、図10(A)に示した手順の通りである。
【0117】
図11の表が示すように、本実施形態の転送データの合成方法を用いることで、電気泳動表示装置において、パーツの3つの領域を様々な色の組み合わせで表示することが可能である。このとき、不揮発性メモリーに用意するパーツデータは3つでよく、1つの転送データを生成するのに2回の合成を行うだけでよい。
【0118】
1.5.3.領域数n=4の場合
図12(A)は、4つの領域Pa、Pb、Pc、Pdからなるパーツを表示部3に表示する例を表している。なお、図8(A)と同様に背景は斜線で表している。また、図8(A)と同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。
【0119】
左の例では(Pa,Pb,Pc,Pd)=(B,D,L,W)、右の例では(Pa,Pb,Pc,Pd)=(L,L,L,L)である。
【0120】
しかし、これらを含む様々な組み合わせの表示についても、図12(B)の4つのパーツデータP21、P22、P23、P24を用意するだけで対応が可能である。これらのパーツデータは、2つの領域が白色(第1の値(0)に対応)であり、残りの領域を黒色(第2の値(1)に対応)とする。
【0121】
図13〜図14は、転送データの合成方法の手順を示す図である(n=4)。図中のパーツは、図12(B)の4つのパーツデータP21〜P24を指し、領域Pa、Pb、Pc、Pdは図12(A)の4つの領域を指す。その他の表記については、図11と同じであり説明を省略する。
【0122】
例えば、図13の太線部分の(Pa,Pb,Pc,Pd)=(B,D,L,W)は、図12(A)の左の例を表している。図13の表記にしたがって、パーツデータP21、P23、P24を合成に用いて、1回目の転送データを生成できる。また、パーツデータP22、P23、P24を合成に用いて、2回目の転送データを生成できる。
【0123】
また、例えば、図14の太線部分の(Pa,Pb,Pc,Pd)=(L,L,L,L)は、図12(A)の右の例を表している。図14の表記にしたがって、パーツデータP21、P23、P24を合成に用いて、1回目の転送データ、および2回目の転送データを生成できる。
【0124】
このように、本実施形態のパーツの領域数とおなじn種類パーツデータのセットだけで、領域毎に様々な色を表示できる。このとき、n種類のパーツデータを不揮発性メモリーに保存するだけでよいので、メモリーの使用量も抑えることができる。
【0125】
2.適用例
本発明の適用例について図15〜図16(B)を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。第1実施形態の電気泳動表示装置は、例えば背景に重ねて、中間色を用いる装飾的な数字によって時刻表示を行う電子時計などの電子機器に適用できる。
【0126】
2.1.電子機器のブロック図
図15は適用例に係る電子機器1のブロック図である。電子機器1は、CPU2、入力部4、記憶部5、電気泳動表示装置10を含む。電気泳動表示装置10は、第1実施形態の電気泳動表示装置であって、様々な画像を表示する表示部3を含む。
【0127】
CPU2は、他のブロックを制御し様々な演算や処理を行う。CPU2は、例えば記憶部5からプログラムを読み込み、プログラムに従って電気泳動表示装置10に時刻信号などを入力してもよい。
【0128】
入力部4は、例えば電子機器1の使用者からの指示を受け取り、指示に応じた信号を他のブロックに出力してもよい。
【0129】
記憶部5は、例えばDRAMやSRAMなどのメモリーであってもよいし、ROMを含んでいてもよい。CPU2が使用するプログラムは、例えば記憶部5が含むROMに書かれていてもよい。
【0130】
表示部3は、電気泳動表示装置10の一部であって、例えば時刻を表示したり、文字、などを表示したりしてもよい。
【0131】
電子機器1は、第1実施形態の電気泳動表示装置10を含むことで、パーツの領域数とおなじn種類パーツデータのセットだけで、領域毎に様々な色を表示できる。このとき、メモリーの使用量も抑えることができるので、表現力を損なうことなくコストも抑えられる。
【0132】
2.2.電子機器の具体例
図16(A)〜図16(B)に、電子機器の具体例を示す。図16(A)は電子機器の1つである電子時計1000の正面図である。電子時計1000は、例えば腕時計であり、時計ケース1002と、時計ケース1002に連結された一対のバンド1003とを備える。時計ケース1002の正面には、電気泳動表示装置10の表示部3(図15参照)である表示部1004が設けられ、時刻表示1005を行っている。時刻表示は中間色の表示が可能であり、図外の背景表示を含んでいる。時計ケースの側面には、2つの操作ボタン1011と1012とが設けられ、入力部4(図15参照)として機能する。
【0133】
また、例えば図16(B)は電子機器の1つである電子ペーパー1100の斜視図である。電子ペーパー1100は可撓性を有し、電気泳動表示装置10の表示部3(図15参照)である表示領域1101と、本体1102とを備えている。例えば、表示領域1101に、背景画面に重ねて、装飾的な文字により文章が表示される、といった使い方が可能になる。
【0134】
3.その他
前記の実施形態においては、電気泳動表示装置は、黒粒子および白粒子による白黒二粒子系の電気泳動が行われるものに限られず、青白等の一粒子系の電気泳動を行っても良く、また、白黒以外の組み合わせでも構わない。
【0135】
そして、電気泳動表示装置に限らず、メモリー性の表示手段に前記の駆動方法が適用されてもよい。例えば、ECD(Electrochromic Display=エレクトロクロミックディスプレイ)、強誘電性液晶ディスプレイ、コレステリック液晶ディスプレイ等である。
【0136】
これらの例示に限らず、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0137】
1…電子機器、2…CPU、3…表示部、3A,3B,3C,3D…表示領域、4…入力部、5…記憶部、10…電気泳動表示装置、15…制御信号、16…転送データ、18…入力制御信号、19…駆動制御信号、20…不揮発性メモリー(フラッシュメモリー)、30…VRAM、30A,30B…転送データ、30X,30Y,30Z,30W…中間データ、35,35A,35B…画素電極、37…共通電極、40,40A,40B…画素、48…駆動用TFT(Thin Film Transistor)、49…低電位電源線(Vss)、50…高電位電源線(Vdd)、55…共通電極配線(Vcom)、61…走査線駆動回路、62…データ線駆動回路、63…制御部(コントローラー)、64…共通電源変調回路、66…走査線、68…データ線、70…ラッチ回路、80…スイッチ回路、91…第1のパルス信号線(S1)、92…第2のパルス信号線(S2)、120…マイクロカプセル、126…黒色粒子、127…白色粒子、130…素子基板、131…対向基板、132…電気泳動素子、160…記憶部、350…駆動電極層、360…電気泳動表示層、370…共通電極層、1000…腕時計、1002…時計ケース、1003…バンド、1004…表示部、1005…時刻表示、1011…操作ボタン、1012…操作ボタン、1100…電子ペーパー、1101…表示領域、1102…本体、B00,B01…背景データ、P00,P01,P02,P10,P11,P12,P13,P14,P15,P21,P22,P23,P24…パーツデータ、Pa,Pb,Pc,Pd…領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動表示装置、電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電源を切っても画像を保持できるメモリー性を有する表示パネルが開発され、電子時計等にも使用されている。メモリー性を有する表示パネルとしては、電気泳動表示装置(Electrophoretic Display)すなわち電気泳動表示装置や、メモリー性液晶表示装置等が知られている。
【0003】
電気泳動表示装置は、視野角の広さ、コントラストの高さ、柔軟性、反射型ディスプレイであるゆえの低消費電力などの優れた利点がある。
【0004】
電気泳動表示装置は、例えば電気泳動粒子を白色、黒色とする二粒子系マイクロカプセル型の電気泳動方式のものがある。このとき、基本色である白色、黒色の少なくとも2色を表示できる。
【0005】
そして、このような電気泳動表示装置は、特許文献1に記載されているように駆動パルスの制御によって中間色を表示することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−217282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、駆動パルスを制御する駆動制御信号は、VRAM(Video RAM)上で作成された転送データに基づいて生成される。転送データとは、VRAMで生成される画像データであって、転送単位である1フレームで分割されたものを意味する。
【0008】
このとき、データ量を抑えるために、転送データに用いる背景データとパーツデータとを分けて用意し、これらを合成することが一般に行われる。パーツとは、画像において表示したい表示物(オブジェクト)であって背景以外のものをいう。これらを合成することで、背景の自由な位置にパーツを配置できる。
【0009】
しかし、合成により表示したい領域の背景データが失われることを防ぐため、背景データに対してパーツの形状を単一色(例えば白)で塗りつぶしたパーツデータを最初に合成することが行われる。したがって、パーツの種類が増えると、種類毎に単一色のパーツデータを用意する必要があり、パーツデータを保存する記憶部(例えばフラッシュメモリー)の使用量が増えてしまう。
【0010】
また、パーツが複数の領域に分かれており、領域毎の表示色に複数の組み合わせがある場合には、合成に用いるパーツデータも指数関数的に増えていくことになる。そのため、表示階調が多くなると、領域毎の表示色の組み合わせが増加し、フラッシュメモリーの使用量が増えてしまう。
【0011】
したがって、中間色を表示する電気泳動表示装置などでは、フラッシュメモリーの使用量が増大する可能性があった。
【0012】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明のいくつかの態様によれば、パーツの形状を単一色で塗りつぶしたパーツデータを含まない、パーツの領域数に基づいた少ないパーツデータのセットで、領域毎に様々な色を表示でき、メモリーの使用量も抑える電気泳動表示装置を提供する。
【0013】
なお、以下において画像データはフレーム単位で合成・読み出しが行われる。そのため、画像データに代えて転送データの用語を用いて説明する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)本発明は、第1色と第2色とを基本色とし、転送データに基づいて、n個の領域から成る表示物であって前記領域ごとに2m階調で表示されるパーツと、前記パーツの背景とを含む画像を表示する電気泳動表示装置であって、m回分の前記転送データを生成するVRAMと、前記画像に表示される前記パーツを指定するパーツデータと、前記画像に表示される前記背景を指定する背景データと、を保存する不揮発性メモリーと、前記不揮発性メモリーから前記パーツデータ、前記背景データを前記VRAMに出力させて、前記VRAMに、前記パーツデータと前記背景データ又は中間データとの合成を実行させることで前記転送データを生成させる制御部と、を含み、前記不揮発性メモリーは、第1の値と第2の値とで表される2値のデータであって、互いに異なる前記パーツデータをn種類含む。
【0015】
本発明によれば、パーツの領域数と同じn種類パーツデータのセットだけで、領域毎に様々な色を表示できる。なお、領域とは互いに異なる表示色を使用できるパーツの部分をいう。このとき、n種類のパーツデータを不揮発性メモリーに保存するだけでよいので、メモリーの使用量も抑えることができる。
【0016】
ここで、第1色と第2色の基本色とは、最低限表示できる2色のことである。例えば第1色が白色であって、第2色が黒色であってもよい。また、パーツ(表示物)は図形であってもよいし、文字、記号、数字等であっても、これらの組み合わせであってもよい。
【0017】
mとnは共に1以上の整数である。nはパーツにおける前記の領域の数である。そして、mは階調数を定める。m≧2のときには中間色表示が可能である。m=2の場合には、例えば、白色、ライトグレー、ダークグレー、黒色の4色(=2m)の表示が可能になる。
【0018】
本発明の電気泳動表示装置は、m回分の転送データを生成するVRAMを含む。転送データはパーツデータと背景データとの合成、パーツデータと中間データとの合成によって生成される。ここで、中間データとは、直前の合成によって得られた、最終でない転送データを意味する。そして、転送データにおける1回分とは、1フレームの画像を表示させるデータ量を意味する。制御部からの指示により、VRAMは転送データをm回生成する。
【0019】
ここで、パーツデータは第1の値(例えば0)と第2の値(例えば1)とで表される2値のデータである。背景データも同じ2値のデータであるが、第1の値のみ、第2の値のみを含むこともあり得る。転送データは、パーツデータと背景データとの合成で得られるため、第1の値と第2の値とを含む2値のデータとなる。そして、転送データは、表示される画像の画素のそれぞれに対して第1の値、又は第2の値を指定する。
【0020】
例えば、制御部は、転送データに基づいて駆動パルスを制御する駆動制御信号を生成して、それぞれの画素に印加する電界を変化させることで所望の画像を表示させる。そして、m回分のVRAMの転送データを順に使用することで、2m階調の画像を表示させる。
【0021】
(2)この電気泳動表示装置において、前記制御部は、前記VRAMに、前記合成において、前記パーツデータの前記第1の値の部分は透過させて、前記パーツデータの前記第2の値の部分は、前記第1色又は前記第2色を割り当てさせてもよい。
【0022】
(3)この電気泳動表示装置において、前記制御部は、nが3以上の場合に、前記VRAMに、前記パーツデータと前記背景データ又は中間データとの合成をn−1回実行させてもよい。
【0023】
(4)この電気泳動表示装置において、前記制御部は、nが2以下の場合に、前記VRAMに、前記パーツデータと前記背景データ又は中間データとの合成をn回実行させてもよい。
【0024】
(5)この電気泳動表示装置において、前記不揮発性メモリーは、nが3以上の場合に、n−2の領域を前記第1の値とし、残りを前記第2の値とする前記パーツデータを含んでもよい。
【0025】
これらの発明によれば、n種類のパーツデータだけを使用してメモリーの使用量を抑えつつ、様々な組み合わせの階調表示を可能にする。
【0026】
例えば、制御部は、VRAMに、合成において、パーツデータの第1の値(例えば0)の部分は背景データ(又は中間データ)を透過させ、パーツデータの第2の値(例えば1)の部分は、第1色又は第2色を割り当てさせてもよい。このことで、パーツの領域毎の様々な色の組み合わせをn種類のパーツデータだけで実現できる。
【0027】
なお、背景データについては、画像の最背面に位置することから透過を割り当てる必要はない。例えば、第1の値(例えば0)の部分は白色で、第2の値(例えば1)の部分は黒色にしてもよいし、逆でもよい。
【0028】
また、例えば制御部は、nが3以上の場合に、VRAMに、前記パーツデータと前記背景データ又は中間データとの合成をn−1回実行させてもよい。nが2以下の場合には、合成をn回実行させてもよい。n種類のパーツデータだけを使用しても、合成回数を大幅に増加させることなく転送データの生成が可能である。
【0029】
また、不揮発性メモリーに含まれるパーツデータは、n−2の領域を前記第1の値(例えば0)とし、残りを前記第2の値(例えば1)としたものであってもよい。このようなパーツデータを選択して使用することにより、パーツの領域毎の様々な色の組み合わせをn種類のパーツデータだけで実現できる。
【0030】
(6)この電気泳動表示装置において、前記不揮発性メモリーは、前記第1の値で表されるパーツの背景を含む前記パーツデータを含んでもよい。
【0031】
本発明によれば、パーツデータはパーツを表す部分とパーツの背景とを含む。パーツデータは、例えば長方形等の多角形の形状で用意することができる。そのため、例えば座標を用いた合成が容易になる。このとき、パーツの背景は第1の値で表される。例えば第1の値を透過に対応させることで、様々な形状のパーツについてのパーツデータを作成できる。
【0032】
(7)本発明は、前記電気泳動表示装置を含む電子機器であってもよい。
【0033】
本発明の電子機器は、パーツの領域数とおなじn種類パーツデータのセットだけで、領域毎に様々な色を表示でき、メモリーの使用量も抑えることができる電気泳動表示装置を含む。そのため、表現力を損なうことなく、メモリーの使用量が少ないことでコストも抑えられる電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1実施形態における電気泳動表示装置のブロック図。
【図2】第1実施形態における電気泳動表示装置の画素の構成例を示す図。
【図3】図3(A)は電気泳動素子の構成例を示す図。図3(B)、図3(C)は電気泳動素子の動作の説明図。
【図4】m=2の場合の階調を説明するテーブル。
【図5】第1実施形態における制御部、不揮発性メモリー、VRAMのブロック図。
【図6】図6(A)〜図6(B)は比較例の転送データの合成方法と表示例を示す図。
【図7】図7(A)〜図7(B)は第1実施形態の転送データの合成方法と表示例を示す図。
【図8】図8(A)はn=3の場合の表示部の表示例を示す図。図8(B)は比較例のパーツデータのセットを示す図。図8(C)は第1実施形態のパーツデータのセットを示す図。
【図9】図9(A)〜図9(B)は第1実施形態の転送データの合成方法と表示例を示す図。
【図10】図10(A)〜図10(B)は第1実施形態の転送データの合成方法と表示例を示す図。
【図11】第1実施形態の転送データの合成方法の手順を示す図。
【図12】図12(A)はn=3の場合の表示部の表示例を示す図。図12(B)は第1実施形態のパーツデータのセットを示す図。
【図13】第1実施形態の転送データの合成方法の手順を示す図。
【図14】第1実施形態の転送データの合成方法の手順を示す図。
【図15】適用例の電子機器のブロック図。
【図16】図16(A)は電子機器の一例である電子時計の図、図16(B)は電子機器の一例である電子ペーパーの図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態について図1〜図14を参照して説明する。本実施形態の電気泳動表示装置はVRAMが生成するm回分の転送データに基づいて2m階調の表示が可能であるが、以下の例ではm=2として白色、ライトグレー、ダークグレー、黒色の4色を表示する場合について説明する。
【0036】
1.1.電気泳動表示装置の構成
図1は、本実施形態のアクティブマトリックス方式の電気泳動表示装置の構成を示す図である。
【0037】
電気泳動表示装置10は表示部3を含む。そして、電気泳動表示装置10は、表示部3を制御する制御部(コントローラー)63、走査線駆動回路61、データ線駆動回路62、共通電源変調回路64、記憶部160を含む。
【0038】
走査線駆動回路61、データ線駆動回路62、共通電源変調回路64、記憶部160は、それぞれ制御部63と接続されている。制御部63は、例えば同期信号等の入力制御信号18に基づいて、これらを総合的に制御する。
【0039】
記憶部160は、例えばVRAMと不揮発性メモリー(例えばフラッシュメモリー)とを含む。VRAMは表示部3に表示させる画像のデータである転送データを生成し、不揮発性メモリーは転送データの要素のデータ(パーツデータ、背景データ)を記憶する。また、記憶部160には、その他に例えばSRAM、DRAM等が含まれ、制御部63によって制御に必要な情報が記憶されてもよい。なお、記憶部160と制御部63(図1の領域5)の詳細については後述する。
【0040】
表示部3には、走査線駆動回路61から延びる複数の走査線66と、データ線駆動回路62から延びる複数のデータ線68とが形成されており、これらの交差位置に対応して複数の画素40が設けられている。
【0041】
走査線駆動回路61は、j本の走査線66(Y1、Y2、…、Yj)により各画素40に接続されている。走査線駆動回路61は、制御部63の制御に従って1行目からj行目までの走査線66を順次選択することで、画素40に設けられた駆動用TFT48(図2参照)のオンタイミングを規定する選択信号を供給する。
【0042】
データ線駆動回路62は、k本のデータ線68(X1、X2、…、Xk)により各画素40に接続されている。データ線駆動回路62は、転送データに基づく制御部63の制御に従って、画素40のそれぞれに対応する1ビットについての画像信号を画素40に供給する。なお、本実施形態では、画素データ「0」を規定する場合には、ローレベルの画像信号を画素40に供給し、画素データ「1」を規定する場合には、ハイレベルの画像信号を画素40に供給するものとする。
【0043】
表示部3には、また、共通電源変調回路64から延びる低電位電源線49(Vss)、高電位電源線50(Vdd)、共通電極配線55(Vcom)、第1のパルス信号線91(S1)、第2のパルス信号線92(S2)が設けられており、それぞれの配線は画素40と接続されている。共通電源変調回路64は、制御部63の制御に従って上記配線のそれぞれに供給する各種信号を生成する一方、これら各配線の電気的な接続及び切断(ハイインピーダンス化、Hi−Z)を行う。
【0044】
1.2.画素部分の回路構成
図2は、図1の画素40の回路構成図である。なお、図1と同じ配線には同じ番号を付しており、説明は省略する。また、全画素に共通の共通電極配線55については記載を省略している。
【0045】
画素40には、駆動用TFT(Thin Film Transistor)48と、ラッチ回路70と、スイッチ回路80が設けられている。画素40は、ラッチ回路70により画像信号を電位として保持するSRAM(Static Random Access Memory)方式の構成をとる。
【0046】
駆動用TFT48は、N−MOSトランジスタからなる画素スイッチング素子である。駆動用TFT48のゲート端子は走査線66に接続され、ソース端子はデータ線68に接続され、ドレイン端子はラッチ回路70のデータ入力端子に接続されている。ラッチ回路70は転送インバーター70tと帰還インバーター70fとを備えている。インバーター70t、70fには、低電位電源線49(Vss)と高電位電源線50(Vdd)から電源電圧が供給される。
【0047】
スイッチ回路80は、トランスミッションゲートTG1、TG2からなり、ラッチ回路70に記憶された画素データのレベルに応じて、画素電極35(図3(B)、図3(C)参照)に信号を出力する。なお、Vaは、1つの画素40の画素電極へ印加する電位を意味する。
【0048】
ラッチ回路70に画素データ「1」(ハイレベルの画像信号)が記憶されて、トランスミッションゲートTG1がオン状態となると、スイッチ回路80はVaとして信号S1を供給する。一方、ラッチ回路70に画素データ「0」(ローレベルの画像信号)が記憶されて、トランスミッションゲートTG2がオン状態となると、スイッチ回路80はVaとして信号S2を供給する。このような回路構成により、制御部によって、それぞれの画素40の画素電極に対して印加する電位を制御することが可能である。
【0049】
1.3.表示方式
本実施形態の電気泳動表示装置は、二粒子系マイクロカプセル型の電気泳動方式であるとする。分散液は無色透明、電気泳動粒子は白色又は黒色のものであるとすると、白色又は黒色の2色を基本色として少なくとも2色を表示できる。前記の通り、本実施形態の電気泳動表示装置は、白色、ライトグレー、ダークグレー、黒色の4色を表示するが、ここではまず白色、黒色を表示する場合について説明する。
【0050】
図3(A)は、本実施形態の電気泳動素子132の構成を示す図である。電気泳動素子132は素子基板130と対向基板131(図3(B)、図3(C)参照)との間に挟まれている。電気泳動素子132は、複数のマイクロカプセル120を配列して構成される。マイクロカプセル120は、例えば無色透明な分散液と、複数の白色粒子(電気泳動粒子)127と、複数の黒色粒子(電気泳動粒子)126とを封入している。本実施形態では、例えば白色粒子127は負に帯電しており、黒色粒子126は正に帯電しているとする。
【0051】
図3(B)は、電気泳動表示装置の表示部の部分断面図である。素子基板130と対向基板131は、マイクロカプセル120を配列してなる電気泳動素子132を狭持している。表示部は、素子基板130の電気泳動素子132側に、複数の画素電極35が形成された駆動電極層350を含む。図3(B)では、画素電極35として画素電極35Aと画素電極35Bが示されている。画素電極35により、画素ごとに電位を供給することが可能である(例えば、Va、Vb)。ここで、画素電極35Aを有する画素を画素40Aとし、画素電極35Bを有する画素を画素40Bとする。画素40A、画素40Bは画素40(図1、図2参照)に対応する2つの画素である。
【0052】
一方、対向基板131は透明基板であり、表示部において対向基板131側に画像表示がなされる。表示部3は、対向基板131の電気泳動素子132側に、平面形状の共通電極37が形成された共通電極層370を含む。なお、共通電極37は透明電極である。共通電極37は、画素電極35と異なり全画素に共通の電極であり、電位Vcomが印加される。
【0053】
共通電極層370と駆動電極層350との間に設けられた電気泳動表示層360に電気泳動素子132が配置されており、電気泳動表示層360が表示領域となる。共通電極37と画素電極(例えば、35A、35B)との間の電位差に応じて、画素毎に所望の表示色を表示させることができる。
【0054】
図3(B)では、共通電極側電位Vcomが画素40Aの画素電極の電位Vaよりも高電位である。このとき、負に帯電した白色粒子127が共通電極37側に引き寄せられ、正に帯電した黒色粒子126が画素電極35A側に引き寄せられるため、画素40Aは白色を表示していると視認される。
【0055】
図3(C)では、共通電極側電位Vcomが画素40Aの画素電極の電位Vaよりも低電位である。このときは逆に、正に帯電した黒色粒子126が共通電極37側に引き寄せられ、負に帯電した白色粒子127が画素電極35A側に引き寄せられるため、画素40Aは黒色を表示していると視認される。なお、図3(C)の構成は図3(B)と同様であり説明は省略する。また、図3(B)、図3(C)ではVa、Vb、Vcomを固定された電位として説明したが、実際にはVa、Vb、Vcomは時間とともに電位が変化する。
【0056】
ここで、図3(B)、図3(C)の画素40Aの例では、それぞれ、白色粒子127、黒色粒子126が全て共通電極37側に引き寄せられている状態(いわゆる飽和状態)を表している。しかし、飽和状態にして基本色(白色、黒色)を表示するだけでなく、例えば反対方向の電界を適当な時間だけ印加することで中間色(ライトグレー、ダークグレー)を表示することも可能である。
【0057】
具体的には、駆動パルスに基づく電圧を印加する時間を2回に分けて、1回目の印加電界と2回目の印加電界とが独立であるようにし、印加電界の方向の組み合わせによって、電気泳動表示装置に中間色も含む4階調表示ができる。
【0058】
図4は、m=2の場合、すなわち4階調表示を行う場合の印加電界の方向の組み合わせを説明するテーブルである。黒色の表示を行うには、1回目および2回目で「黒」とする必要がある。図4の「黒」は、黒色表示を行う方向の電界を印加すること(図3(C)参照)を意味する。
【0059】
また、白色の表示を行うには、1回目および2回目で「白」とする必要がある。図4の「白」は、白色表示を行う方向の電界を印加すること(図3(B)参照)を意味する。
【0060】
そして、1回目で「白」とし、2回目で「黒」とすると、ダークグレーが表示される。逆に、1回目で「黒」とし、2回目で「白」とすると、ライトグレーが表示される。中間色(ダークグレー、ライトグレー)を表示する場合に、電界を印加する順番で表示色が異なるのは、2回目の印加電界による電気泳動粒子の移動の方が、表示色に強く影響するためである。
【0061】
このとき、制御部は1回目の「白」又は「黒」の電界印加を転送データ(以下、1回目の転送データ)に基づいて行う。そして、制御部は2回目の「白」又は「黒」の電界印加を別の転送データ(以下、2回目の転送データ)に基づいて行う。つまり、2m階調(この例ではm=2)を表示する場合には、VRAMで生成されたm回分の転送データを順に制御部が受け取り、受け取った転送データに基づいて駆動パルスを制御する駆動制御信号を生成する。ここで、VRAMは本実施形態のように物理的に1個であってもよいが、これに限るものではない。例えば、転送データをそれぞれ生成する、物理的に異なる複数個のVRAMで構成されていてもよい。また、VRAMは論理的に異なる複数個の記憶領域を含み、それぞれの記憶領域で転送データを生成してもよい。ここで、複数個とは、m≧2の場合にm個であってもよい。なお、本実施形態では、物理的に1個のVRAMが、時分割でm回分の転送データを生成するものとする。このとき、転送データを上書きしながら更新するので、VRAMのサイズを小さくすることができる。
【0062】
本実施形態の制御部は、不揮発性メモリーに保存された転送データの要素のデータ(パーツデータ、背景データ)をVRAM上で合成させて1回目、2回目の転送データを生成させる。このとき、表示色に応じてパーツデータ、背景データを適当に選択し、所定の順番で合成させる必要がある。
【0063】
図5は、本実施形態における制御部(コントローラー)63、不揮発性メモリー(フラッシュメモリー)20、VRAM30を含む電気泳動表示装置の一部のブロック図である。図5のブロック図は、図1の領域5の部分に対応する。
【0064】
図5のVRAM30で転送データが生成されて、1〜m回目の転送データ16が出力される。ここではm=2とし、以下では1〜2回目の転送データ16が出力されるものとして説明する。
【0065】
制御部63は、例えば同期信号等の入力制御信号18を受け取り、VRAM30に転送データの合成を行わせる。このとき、例えばアドレス等の制御信号15によって、不揮発性メモリー20から選択したパーツデータ、背景データをVRAM30に出力させる。制御部63は、制御信号(図外)によって、VRAM30に合成を行わせて、転送データ16として1回目の転送データ、2回目の転送データをそれぞれ受け取る。そして、1回目の転送データ、2回目の転送データに基づいて、駆動パルスを制御する信号(駆動制御信号)19を走査線駆動回路(図1参照)等に出力する。
【0066】
ここで、不揮発性メモリー20、VRAM30は、図1の記憶部160に対応する。また、VRAMはSRAM、DRAM、その他の種類のメモリーであってもよく、不揮発性メモリー20は、本実施形態のようにフラッシュメモリーであってもよいし、例えばマスクROM等であってもよい。
【0067】
ここで、4階調表示を含む多階調表示の場合には、複数の領域を含むパーツの表示色の組み合わせが多くなる。その結果、不揮発性メモリー20の使用量が増大して、コストも上昇するという問題が生じ得る。また、背景にパーツを合成する際に、最初にパーツの全領域を単一色で表示したパーツデータ(以下、単一色パーツデータ)が使用されることがある。この場合、パーツの数が増えると省略できない単一色パーツデータも増えることになり、不揮発性メモリー20の使用量が増大する一因にもなっていた。
【0068】
したがって、不揮発性メモリー20の使用量をできるだけ抑えつつ、多階調表示を可能にする転送データの合成方法、および少ないパーツデータのセットが求められていた。以下に、前記の問題を有する比較例、前記の問題を解決する本実施形態の順に、転送データの合成方法の具体例を示す。
【0069】
1.4.比較例における転送データの合成方法
図6(A)〜図6(B)は比較例の転送データの合成方法と表示例を示す図である。比較例の電気泳動表示装置の構成も図1〜図5と同じであるが、転送データの合成において単一色パーツデータを使用する。なお、パーツの領域数は2である(n=2)。
【0070】
図6(A)では、不揮発性メモリー20に保存されている背景データB00、B01とパーツデータP00、P01、P02、中間データ30Z、30W、1回目の転送データ30A、および2回目の転送データ30Bを視覚的に示している。
【0071】
ここで、「視覚的に示す」とは、これらのデータの第1の値(例えば0)である部分を第1色(例えば白色)で、第2の値(例えば1)である部分を第2色(例えば黒色)で表示し、表示部における画像と同じように2次元で表すことをいう。
【0072】
なお、1回目の転送データ30Aは、図5のVRAM30で生成された1回目の転送データを視覚的に示したものである。また、2回目の転送データ30Bは、図5のVRAM30で生成された2回目の転送データを視覚的に示したものである。
【0073】
そして、中間データ30Z、30Wは、それぞれ1回目の転送データ30A、2回目の転送データ30Bの前に合成された、最終でない転送データを視覚的に示したものである。
【0074】
図6(A)は、図6(B)の最下段の画像を表示部3に表示するための転送データの合成方法である。図6(B)の最下段の画像のように、グラデーションになった背景(表示領域3A〜3D)の前に、2つの領域(n=2)をもつ菱形のパーツが表示されている。このとき、1つの領域Paの色はダークグレーであり、他方の表示領域Pbの色はライトグレーである。
【0075】
比較例の電気泳動表示装置の制御部は、図6(A)のように単一色パーツデータP00を最初に選択して、背景データB00、B01と合成させる。単一色パーツデータとは、パーツの全領域(2つの領域)を単一色(白色)で表示したパーツデータである。
【0076】
比較例では、単一色パーツデータを含むパーツデータP00〜P02の白色部分と黒色部分と、合成における処理とは1対1に対応し、固定化されている。ここで、合成における処理とは、透過(背景データ又は中間データの透過)、白色表示、黒色表示である。
【0077】
比較例では、単一色パーツデータP00の黒色部分を透過に、白色部分を白色表示に対応させている。したがって、背景データB00に単一色パーツデータP00を合成した中間データ30Z、および、背景データB01に単一色パーツデータP00を合成した中間データ30Wが得られる。
【0078】
そして、比較例では、パーツデータP01およびP02の黒色部分を黒色表示に、白色部分を透過に対応させている。したがって、中間データ30ZにパーツデータP01を合成した1回目の転送データ30A、中間データ30WにパーツデータP02を合成した2回目の転送データ30Bが得られる。
【0079】
そして、比較例の制御部は、1回目の電界の印加(図4参照)を制御する駆動制御信号を、1回目の転送データ30Aに基づいて生成する。ここで、1回目の転送データ30Aの白色部分は「白」(図4参照)となるように電界が印加され、1回目の転送データ30Aの黒色部分は「黒」(図4参照)となるように電界が印加される。
【0080】
そして、最初に全面が白色だった表示部3に、1回目の転送データ30Aの画像の黒色部分に対応した中間色の画像が表示される(図6(B)の中段の表示領域3B、3D、および領域Pb)。
【0081】
次に、比較例の制御部は、2回目の電界の印加(図4参照)を制御する駆動制御信号を、2回目の転送データ30Bに基づいて生成する。そして、図4の表に従って、表示部3に4階調の画像が表示される。具体的には、表示領域3Aは白色に、表示領域3B、領域Pbはライトグレーに、表示領域3C、領域Paはダークグレーに、表示領域3Dは黒色になる。
【0082】
このように、VRAM30(図5参照)で1回目の転送データおよび2回目の転送データを生成すれば、所望の表示を行うことができる。しかし、比較例の転送データの合成方法では、必ず単一色パーツデータが必要である。そのため、パーツの数が増えると省略できない単一色パーツデータも増え、不揮発性メモリー20の使用量が増大することになる。
【0083】
1.5.本実施形態における転送データの合成方法
1.5.1.領域数n=2の場合
図7(A)〜図7(B)は本実施形態の転送データの合成方法と表示例を示す図である。比較例では単一色パーツデータを使用していたが、本実施形態では不要である。なお、パーツの領域数は比較例と同じ2である(n=2)。また、図6(A)〜図6(B)と同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。
【0084】
本実施形態の不揮発性メモリー20は、パーツの領域数と同じ2つのパーツデータP01、P02を含むが、単一色パーツデータは含まない。また、パーツデータP01、P02は互いに異なる。なお、背景データについては比較例と同じもの(B00、B01)が含まれている。
【0085】
本実施形態の電気泳動表示装置の制御部は、パーツデータP01、P02の白色部分を透過に割り当て、パーツデータP01、P02の黒色部分を白色表示又は黒色表示に割り当てる。ここで、パーツデータP01、P02におけるパーツの背景は白色部分に含まれ、透過が割り当てられている。パーツデータP01、P02の黒色部分の割り当ては、合成のたびに柔軟に変化する。
【0086】
図7(A)の例では、まず、パーツデータP01およびP02の黒色部分を黒色表示に、白色部分を透過に対応させている。したがって、背景データB00にパーツデータP01を合成した中間データ30X、背景データB01にパーツデータP02を合成した中間データ30Yが得られる。
【0087】
そして、次の合成では、パーツデータP01およびP02の黒色部分を白色表示に、白色部分を透過に対応させている。したがって、中間データ30XにパーツデータP02を合成した1回目の転送データ30A、中間データ30YにパーツデータP01を合成した2回目の転送データ30Bが得られる。
【0088】
図7(A)のように本実施形態でも、比較例(図6(A))の場合と同じ1回目の転送データ30A、2回目の転送データ30Bが得られている。よって、図7(B)は比較例の図6(B)と全く同じであり、所望の画像(図7(B)の最下段)を表示部3に表示することができる。
【0089】
このように、本実施形態では、パーツデータP01およびP02の黒色部分を白色表示とするか黒色表示とするかを、柔軟に合成の度に変更できるので、単一色パーツデータが不要になり、不揮発性メモリー20の使用量を減らすことができる。
【0090】
なお、1回目の転送データ30A、2回目の転送データ30Bを生成するのに、合成の回数はそれぞれ2回である。つまり、パーツデータの数が減っても合成回数が比較例に比べて増加することもない。
【0091】
また、本実施形態では、1回目の転送データ30Aと2回目の転送データ30Bの生成は、VRAM30(図5参照)において時分割で行われる。よって、転送データ毎に処理(白色表示、黒色表示)の割り当てを変更できる。例えば、中間データ30Xを得る場合に、パーツデータの黒色部分に黒色表示を割り当て、中間データ30Yを得る場合には、パーツデータの黒色部分に白色表示を割り当てることも可能である。
【0092】
1.5.2.領域数n=3の場合
本実施形態の転送データの合成方法は、パーツの領域nが増加した場合に、不揮発性メモリーの使用量を減らす効果がさらに高まる。
【0093】
図8(A)は、3つの領域Pa、Pb、Pcからなるパーツを表示部3に表示する例を表している。左上の例では(Pa,Pb,Pc)=(B,D,L)、右上の例では(Pa,Pb,Pc)=(D,L,W)、左下の例では(Pa,Pb,Pc)=(D,W,W)、右下の例では(Pa,Pb,Pc)=(D,L,L)のように表示されている。
【0094】
ここで、上記のB、D、L、Wは図4の通り、それぞれ黒、ダークグレー、ライトグレー、白を意味する。このように、4階調表示を行う電気泳動表示装置では、3つの領域が様々な色の組み合わせで表示されることがあり得る。
【0095】
なお、図8(A)では、見易さのために背景を斜線にしているが、実際には例えば図6のようなグラデーションであるとする。
【0096】
図8(B)は、図8(A)の表示を行う場合に必要となる、比較例のパーツデータP10〜P15を表す。例えば、図8(A)の左上の表示例では、パーツデータP10、P12、P13が必要になる。
【0097】
また、図8(A)の右上の表示例では、パーツデータP10、P14、P15が必要になる。そして、図8(A)の右下の表示例では、パーツデータP10、P11、P14が必要になる。
【0098】
このように、比較例の転送データの合成方法は、n=3の場合には図6(A)の場合(n=2)に比べて、更に不揮発性メモリーの使用量が増える。
【0099】
一方、図8(C)は、本実施形態の転送データの合成方法で必要になるパーツデータP11〜P13を表す。これらのパーツデータは、2つの領域が白色(第1の値(0)に対応)であり、残りの領域を黒色(第2の値(1)に対応)とする。
【0100】
本実施形態の不揮発性メモリーには、パーツの領域数と同じ3つのパーツデータだけが保存される。そのため、比較例に比べて、大きく不揮発性メモリーの使用量を減らすことができる。
【0101】
図9(A)〜図9(B)は本実施形態の転送データの合成方法と表示例を示す図である。ここでは、図8(A)の左上の表示例を行う場合を示す。また、図6(A)〜図7(B)と同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。
【0102】
図9(A)のように、不揮発性メモリー20には領域数nと同じ3つのパーツデータP11、P12、P13が用意されている。この表示例では、パーツデータP12、P13が使用される。
【0103】
まず、パーツデータP12およびP13の黒色部分を白色表示に、白色部分を透過に対応させる。すると、背景データB00にパーツデータP13を合成した中間データ30X、背景データB01にパーツデータP12を合成した中間データ30Yが得られる。
【0104】
そして、次の合成では、パーツデータP12およびP13の黒色部分を黒色表示に、白色部分を透過に対応させている。したがって、中間データ30XにパーツデータP12を合成した1回目の転送データ30A、中間データ30YにパーツデータP13を合成した2回目の転送データ30Bが得られる。なお、データの種類別にまとめて説明したが、本実施形態では中間データ30X、1回目の転送データ30A、中間データ30Y、2回目の転送データ30Bの順に、時分割でデータが生成されることになる。
【0105】
そして、図9(B)のように、1回目の転送データ30A、2回目の転送データ30Bを順に用いて駆動制御(駆動制御信号に基づく駆動パルスの制御)を行うと、図9(B)の最下段の画像が表示される。これは、図8(A)の左上の表示例と同じである。
【0106】
図10(A)〜図10(B)は本実施形態の転送データの合成方法と表示例を示す図である。ここでは、図8(A)の左下の表示例を行う場合を示す。また、図6(A)〜図7(B)、図9(A)〜図9(B)と同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。
【0107】
図10(A)も、不揮発性メモリー20には領域数nと同じ3つのパーツデータP11、P12、P13が用意されている。この表示例では、パーツデータP11、P12が使用される。
【0108】
1回目の転送データ30Aについての合成は次のように行われる。まず、パーツデータP11の黒色部分を白色表示に、白色部分を透過に対応させる。すると、背景データB00にパーツデータP11を合成した中間データ30Xが得られる。
【0109】
そして、パーツデータP12の黒色部分を白色表示に、白色部分を透過に対応させる。すると、中間データ30XにパーツデータP12を合成した1回目の転送データ30Aが得られる。
【0110】
一方、2回目の転送データ30Bについての合成は次のように行われる。まず、パーツデータP12の黒色部分を黒色表示に、白色部分を透過に対応させる。すると、背景データB01にパーツデータP12を合成した中間データ30Yが得られる。
【0111】
そして、パーツデータP11の黒色部分を白色表示に、白色部分を透過に対応させる。すると、中間データ30YにパーツデータP11を合成した2回目の転送データ30Bが得られる。
【0112】
その後、図10(B)のように、1回目の転送データ30A、2回目の転送データ30Bを順に用いて駆動制御を行うと、図10(B)の最下段の画像が表示される。これは、図8(A)の左下の表示例と同じである。
【0113】
このように、本実施形態の転送データの合成方法では、nが3以上の場合、領域数nと同じパーツデータだけを用意して、そのうちのn−1個のパーツデータを使用して、n−1回の合成で転送データを生成することが可能である。
【0114】
図11は、転送データの合成方法の手順を示す図である。図中のパーツは、図8(C)の3つのパーツデータP11〜P13を指し、領域Pa、Pb、Pcは図8(A)の3つの領域を指す。また、色を表すB、D、L、Wは図4と同じである。なお、合成方法の「黒」「白」は、それぞれ、パーツデータの黒色部分を「黒色表示」に割り当てるか、「白色表示」に割り当てるかを表す。
【0115】
図11の上の太線部分の(Pa,Pb,Pc)=(B,D,L)は、図9(A)〜図9(B)の例を表している。例えば、1回目の転送データ30Aの生成時には、まずパーツデータP13の黒色部分を白色表示に対応させる。その後、パーツデータP12の黒色部分を黒色表示に対応させる。これは、図9(A)に示した手順の通りである。なお、全てのパーツデータで、白色部分は透過に割り当てられている。
【0116】
図11の下の太線部分の(Pa,Pb,Pc)=(D,W,W)は、図10(A)〜図10(B)の例を表している。例えば、2回目の転送データ30Bの生成時には、まずパーツデータP11の黒色部分を白色表示に対応させる。その後、パーツデータP12の黒色部分を白色表示に対応させる。これは、図10(A)に示した手順の通りである。
【0117】
図11の表が示すように、本実施形態の転送データの合成方法を用いることで、電気泳動表示装置において、パーツの3つの領域を様々な色の組み合わせで表示することが可能である。このとき、不揮発性メモリーに用意するパーツデータは3つでよく、1つの転送データを生成するのに2回の合成を行うだけでよい。
【0118】
1.5.3.領域数n=4の場合
図12(A)は、4つの領域Pa、Pb、Pc、Pdからなるパーツを表示部3に表示する例を表している。なお、図8(A)と同様に背景は斜線で表している。また、図8(A)と同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。
【0119】
左の例では(Pa,Pb,Pc,Pd)=(B,D,L,W)、右の例では(Pa,Pb,Pc,Pd)=(L,L,L,L)である。
【0120】
しかし、これらを含む様々な組み合わせの表示についても、図12(B)の4つのパーツデータP21、P22、P23、P24を用意するだけで対応が可能である。これらのパーツデータは、2つの領域が白色(第1の値(0)に対応)であり、残りの領域を黒色(第2の値(1)に対応)とする。
【0121】
図13〜図14は、転送データの合成方法の手順を示す図である(n=4)。図中のパーツは、図12(B)の4つのパーツデータP21〜P24を指し、領域Pa、Pb、Pc、Pdは図12(A)の4つの領域を指す。その他の表記については、図11と同じであり説明を省略する。
【0122】
例えば、図13の太線部分の(Pa,Pb,Pc,Pd)=(B,D,L,W)は、図12(A)の左の例を表している。図13の表記にしたがって、パーツデータP21、P23、P24を合成に用いて、1回目の転送データを生成できる。また、パーツデータP22、P23、P24を合成に用いて、2回目の転送データを生成できる。
【0123】
また、例えば、図14の太線部分の(Pa,Pb,Pc,Pd)=(L,L,L,L)は、図12(A)の右の例を表している。図14の表記にしたがって、パーツデータP21、P23、P24を合成に用いて、1回目の転送データ、および2回目の転送データを生成できる。
【0124】
このように、本実施形態のパーツの領域数とおなじn種類パーツデータのセットだけで、領域毎に様々な色を表示できる。このとき、n種類のパーツデータを不揮発性メモリーに保存するだけでよいので、メモリーの使用量も抑えることができる。
【0125】
2.適用例
本発明の適用例について図15〜図16(B)を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。第1実施形態の電気泳動表示装置は、例えば背景に重ねて、中間色を用いる装飾的な数字によって時刻表示を行う電子時計などの電子機器に適用できる。
【0126】
2.1.電子機器のブロック図
図15は適用例に係る電子機器1のブロック図である。電子機器1は、CPU2、入力部4、記憶部5、電気泳動表示装置10を含む。電気泳動表示装置10は、第1実施形態の電気泳動表示装置であって、様々な画像を表示する表示部3を含む。
【0127】
CPU2は、他のブロックを制御し様々な演算や処理を行う。CPU2は、例えば記憶部5からプログラムを読み込み、プログラムに従って電気泳動表示装置10に時刻信号などを入力してもよい。
【0128】
入力部4は、例えば電子機器1の使用者からの指示を受け取り、指示に応じた信号を他のブロックに出力してもよい。
【0129】
記憶部5は、例えばDRAMやSRAMなどのメモリーであってもよいし、ROMを含んでいてもよい。CPU2が使用するプログラムは、例えば記憶部5が含むROMに書かれていてもよい。
【0130】
表示部3は、電気泳動表示装置10の一部であって、例えば時刻を表示したり、文字、などを表示したりしてもよい。
【0131】
電子機器1は、第1実施形態の電気泳動表示装置10を含むことで、パーツの領域数とおなじn種類パーツデータのセットだけで、領域毎に様々な色を表示できる。このとき、メモリーの使用量も抑えることができるので、表現力を損なうことなくコストも抑えられる。
【0132】
2.2.電子機器の具体例
図16(A)〜図16(B)に、電子機器の具体例を示す。図16(A)は電子機器の1つである電子時計1000の正面図である。電子時計1000は、例えば腕時計であり、時計ケース1002と、時計ケース1002に連結された一対のバンド1003とを備える。時計ケース1002の正面には、電気泳動表示装置10の表示部3(図15参照)である表示部1004が設けられ、時刻表示1005を行っている。時刻表示は中間色の表示が可能であり、図外の背景表示を含んでいる。時計ケースの側面には、2つの操作ボタン1011と1012とが設けられ、入力部4(図15参照)として機能する。
【0133】
また、例えば図16(B)は電子機器の1つである電子ペーパー1100の斜視図である。電子ペーパー1100は可撓性を有し、電気泳動表示装置10の表示部3(図15参照)である表示領域1101と、本体1102とを備えている。例えば、表示領域1101に、背景画面に重ねて、装飾的な文字により文章が表示される、といった使い方が可能になる。
【0134】
3.その他
前記の実施形態においては、電気泳動表示装置は、黒粒子および白粒子による白黒二粒子系の電気泳動が行われるものに限られず、青白等の一粒子系の電気泳動を行っても良く、また、白黒以外の組み合わせでも構わない。
【0135】
そして、電気泳動表示装置に限らず、メモリー性の表示手段に前記の駆動方法が適用されてもよい。例えば、ECD(Electrochromic Display=エレクトロクロミックディスプレイ)、強誘電性液晶ディスプレイ、コレステリック液晶ディスプレイ等である。
【0136】
これらの例示に限らず、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0137】
1…電子機器、2…CPU、3…表示部、3A,3B,3C,3D…表示領域、4…入力部、5…記憶部、10…電気泳動表示装置、15…制御信号、16…転送データ、18…入力制御信号、19…駆動制御信号、20…不揮発性メモリー(フラッシュメモリー)、30…VRAM、30A,30B…転送データ、30X,30Y,30Z,30W…中間データ、35,35A,35B…画素電極、37…共通電極、40,40A,40B…画素、48…駆動用TFT(Thin Film Transistor)、49…低電位電源線(Vss)、50…高電位電源線(Vdd)、55…共通電極配線(Vcom)、61…走査線駆動回路、62…データ線駆動回路、63…制御部(コントローラー)、64…共通電源変調回路、66…走査線、68…データ線、70…ラッチ回路、80…スイッチ回路、91…第1のパルス信号線(S1)、92…第2のパルス信号線(S2)、120…マイクロカプセル、126…黒色粒子、127…白色粒子、130…素子基板、131…対向基板、132…電気泳動素子、160…記憶部、350…駆動電極層、360…電気泳動表示層、370…共通電極層、1000…腕時計、1002…時計ケース、1003…バンド、1004…表示部、1005…時刻表示、1011…操作ボタン、1012…操作ボタン、1100…電子ペーパー、1101…表示領域、1102…本体、B00,B01…背景データ、P00,P01,P02,P10,P11,P12,P13,P14,P15,P21,P22,P23,P24…パーツデータ、Pa,Pb,Pc,Pd…領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1色と第2色とを基本色とし、転送データに基づいて、n個の領域から成る表示物であって前記領域ごとに2m階調で表示されるパーツと、前記パーツの背景とを含む画像を表示する電気泳動表示装置であって、
m回分の前記転送データを生成するVRAMと、
前記画像に表示される前記パーツを指定するパーツデータと、前記画像に表示される前記背景を指定する背景データと、を保存する不揮発性メモリーと、
前記不揮発性メモリーから前記パーツデータ、前記背景データを前記VRAMに出力させて、前記VRAMに、前記パーツデータと前記背景データ又は中間データとの合成を実行させることで前記転送データを生成させる制御部と、を含み、
前記不揮発性メモリーは、
第1の値と第2の値とで表される2値のデータであって、互いに異なる前記パーツデータをn種類含む電気泳動表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気泳動表示装置において、
前記制御部は、
前記VRAMに、前記合成において、前記パーツデータの前記第1の値の部分は透過させて、前記パーツデータの前記第2の値の部分は、前記第1色又は前記第2色を割り当てさせる電気泳動表示装置。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれかに記載の電気泳動表示装置において、
前記制御部は、
nが3以上の場合に、前記VRAMに、前記パーツデータと前記背景データ又は中間データとの合成をn−1回実行させる電気泳動表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の電気泳動表示装置において、
前記制御部は、
nが2以下の場合に、前記VRAMに、前記パーツデータと前記背景データ又は中間データとの合成をn回実行させる電気泳動表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の電気泳動表示装置において、
前記不揮発性メモリーは、
nが3以上の場合に、n−2の領域を前記第1の値とし、残りを前記第2の値とする前記パーツデータを含む電気泳動表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の電気泳動表示装置において、
前記不揮発性メモリーは、
前記第1の値で表されるパーツの背景を含む前記パーツデータを含む電気泳動表示装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の電気泳動表示装置を含む電子機器。
【請求項1】
第1色と第2色とを基本色とし、転送データに基づいて、n個の領域から成る表示物であって前記領域ごとに2m階調で表示されるパーツと、前記パーツの背景とを含む画像を表示する電気泳動表示装置であって、
m回分の前記転送データを生成するVRAMと、
前記画像に表示される前記パーツを指定するパーツデータと、前記画像に表示される前記背景を指定する背景データと、を保存する不揮発性メモリーと、
前記不揮発性メモリーから前記パーツデータ、前記背景データを前記VRAMに出力させて、前記VRAMに、前記パーツデータと前記背景データ又は中間データとの合成を実行させることで前記転送データを生成させる制御部と、を含み、
前記不揮発性メモリーは、
第1の値と第2の値とで表される2値のデータであって、互いに異なる前記パーツデータをn種類含む電気泳動表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気泳動表示装置において、
前記制御部は、
前記VRAMに、前記合成において、前記パーツデータの前記第1の値の部分は透過させて、前記パーツデータの前記第2の値の部分は、前記第1色又は前記第2色を割り当てさせる電気泳動表示装置。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれかに記載の電気泳動表示装置において、
前記制御部は、
nが3以上の場合に、前記VRAMに、前記パーツデータと前記背景データ又は中間データとの合成をn−1回実行させる電気泳動表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の電気泳動表示装置において、
前記制御部は、
nが2以下の場合に、前記VRAMに、前記パーツデータと前記背景データ又は中間データとの合成をn回実行させる電気泳動表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の電気泳動表示装置において、
前記不揮発性メモリーは、
nが3以上の場合に、n−2の領域を前記第1の値とし、残りを前記第2の値とする前記パーツデータを含む電気泳動表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の電気泳動表示装置において、
前記不揮発性メモリーは、
前記第1の値で表されるパーツの背景を含む前記パーツデータを含む電気泳動表示装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の電気泳動表示装置を含む電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【公開番号】特開2012−220863(P2012−220863A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88907(P2011−88907)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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