電気泳動表示装置及びその製造方法
【課題】所望の面押し耐性強度を備えるとともにコントラストの低下を防止して所望の色表示が可能な電気泳動表示装置及び既存の技術を利用して容易に製造することができる電気泳動表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の電気泳動表示装置は、互いに対向配置された第1基板及び第2基板の間に配置され、画素領域に対応するセルを複数有するとともに反射性を有した隔壁と、各セル内に電気泳動材料が保持されてなる電気泳動層と、第1基板の電気泳動層側の面に設けられた第1電極と、第2基板の電気泳動層側の面に設けられた第2電極と、隔壁内にセルごとに対応して設けられ、基板面に垂直な法線方向に対してセル側へ所定の角度θで傾斜する傾斜面を有した反射部とを備える。
【解決手段】本発明の電気泳動表示装置は、互いに対向配置された第1基板及び第2基板の間に配置され、画素領域に対応するセルを複数有するとともに反射性を有した隔壁と、各セル内に電気泳動材料が保持されてなる電気泳動層と、第1基板の電気泳動層側の面に設けられた第1電極と、第2基板の電気泳動層側の面に設けられた第2電極と、隔壁内にセルごとに対応して設けられ、基板面に垂直な法線方向に対してセル側へ所定の角度θで傾斜する傾斜面を有した反射部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動表示装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気泳動表示装置には、一対の基板間に形成した隔壁によって区画形成される各セル内に、電気泳動分散液(電気泳動粒子を分散媒に分散させたもの)を封入した構成が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、隔壁の幅が大きいと表示に関与できる部分が少なくなり、開口率が低下し、暗い表示、コントラストの低い表示となってしまう。そこで、隔壁の断面形状を観察面側で狭く、観察面の反対側で広くした台形形状にした構成が知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−4773号公報
【特許文献2】特開2003−208107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、観察面側での隔壁の幅を狭くし過ぎると、面押し耐性強度が弱くなってしまい、例えば電気泳動表示装置をペン入力機能付きの電子ペーパー等に応用する場合に、ペンの圧力で隔壁が容易に潰されてしまうといった問題がある。すなわち、開口率を上げることと面押し耐性強度を高めることが両立しないといった課題が生じている。
【0006】
また、隔壁型の電気泳動表示装置では、外部から入射した光のうちその全てが各セル内に入射するのではなく、隔壁内へ入射する場合がある。透明な隔壁に入射した光は、バックプレーンにおいて反射されて白色の光がそのまま外部へ出射することになる。電気泳動層(セル)を透過しないため、全体として所望の色表示を得ることができない。樹脂からなる隔壁に入射した光は減衰しながら透過するため、白表示を行う場合は光量が低下してしまうという問題があり、黒表示を行う場合は、黒地に白色が混色するためはっきりとした黒表示が得られないという問題がある。このように表示色のコントラストが低下するという他の課題も生じている。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、所望の面押し耐性強度を備えるとともにコントラストの低下を防止して所望の色表示が可能な電気泳動表示装置及び既存の技術を利用して容易に製造することができる電気泳動表示装置の製造方法を提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気泳動表示装置は、互いに対向配置された第1基板及び第2基板と、前記第1基板及び前記第2基板の間に配置され、セルを複数有するとともに反射性を有した隔壁と、各セル内に電気泳動材料が保持されてなる電気泳動層と、前記第1基板の前記電気泳動層側の面に設けられた第1電極と、前記第2基板の前記電気泳動層側の面に設けられた第2電極と、前記隔壁内に設けられる反射部と、を備え、前記隔壁は、少なくとも前記反射部よりも表示面側が透明部材から構成されることを特徴とする。
【0009】
これによれば、外部から隔壁内に入射した光を反射部において反射させてセル内へ導光させることで、外部から入射した光を表示に有効的に利用することが可能となり、開口率を上げることでコントラストの向上が図れる。また、反射部を設けることで隔壁の幅を狭くすること無く、開口率を向上できるので、面押し耐性強度を高めることができる。
【0010】
また、上記電気泳動表示装置においては、前記反射部は、前記セルごとに対応して設けられるのが好ましい。
これによれば、反射部がセルごとに対応して設けられるので、各セル内へ効率的に導光することができる。
【0011】
また、上記電気泳動表示装置においては、前記透明部材は、前記電気泳動材料と略同じ屈折率を有するのが好ましい。
これによれば、透明部材と電気光学部材との界面で光の反射が起こりにくくすることができる。
また、上記電気泳動表示装置においては、前記電気泳動材料は、分散媒と電気泳動粒子とを含むのが好ましい。さらに、前記分散媒又は前記電気泳動粒子が前記透明部材と略同じ屈折率を有するのがより好ましい。
これによれば、透明部材と電気光学部材に含まれる分散媒又は電気泳動粒子との界面で光の反射が起こりにくくすることができる。
【0012】
また、上記電気泳動表示装置においては、前記第1基板から前記反射部の先端までの高さhは、セルギャップdに対して、d/2≦h≦dの範囲内であるのが好ましい。
これによれば、第2基板側から隔壁内に入射した外光を減衰させることなくセル内へと導光させることができるので、輝度の低下を防止できる。
【0013】
また、上記電気泳動表示装置においては、前記反射部は、前記セル内に光を散乱させる散乱面を含むのが好ましい。
これによれば、隔壁内に設けられた散乱面によって外部から隔壁内に入射した光を良好に反射させることでセル内へ導光することができる。
【0014】
また、上記電気泳動表示装置においては、前記反射部は、前記隔壁内に設けられた光学部材から構成されるのが好ましい。
これによれば、隔壁内に設けられた光学部材によって外部から隔壁内に入射した光を良好に反射させることでセル内へ導光することができる。
【0015】
また、上記電気泳動表示装置においては、複数の前記光学部材が基板面に垂直な法線方向に対して前記セル側へ所定角度で傾斜した方向に沿って前記隔壁内に分散されているのがより望ましい。
これによれば、隔壁内に所定角度で傾斜した方向に沿って複数の光学部材が分散されているので、隔壁内に入射した光をセル内に効率的に反射させることができる。
【0016】
また、本発明の電気泳動表示装置は、互いに対向配置された第1基板及び第2基板と、前記第1基板及び前記第2基板の間に配置され、セルを複数有するとともに反射性を有した隔壁と、各セル内に電気泳動材料が保持されてなる電気泳動層と、前記第1基板の前記電気泳動層側の面に設けられた第1電極と、前記第2基板の前記電気泳動層側の面に設けられた第2電極と、前記隔壁内に前記セルごとに対応して設けられ、基板面に垂直な法線方向に対して前記セル側へ所定の角度θで傾斜する傾斜面を有した反射部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
これによれば、外部から前記隔壁内に入射した光を反射部において反射させてセル内へ導光させることができる。これにより、外部から入射した光を表示に有効的に利用することが可能となり、コントラストの向上が図れる。また、複数の画素が1つのセルに対応している場合でも、隔壁に接している画素において上記した効果が得られる。
なお、1つの画素が1つのセルに対応する隔壁の構造としてもよい。
【0018】
また、前記角度θが、30°≦θ≦60°の範囲内である構成としてもよい。
これによれば、第2基板側から隔壁内に入射した外光をセル内へと効率よく導光させることができる。
【0019】
また、一方向に並ぶ前記複数のセルに対応する前記反射部が同一方向へ傾斜する構成としてもよい。
これによれば、一方向に並ぶ複数のセル内に均等に外光を導入させることができる。
【0020】
また、前記反射部は、当該隔壁を介して隣り合う一方の前記セル側へ傾斜する第1の前記傾斜面と、他方の前記セル側へ傾斜する第2の前記傾斜面と、を有する構成としてもよい。
これによれば、隔壁を介して隣り合う一対のセルに対して光を導光させることができる。
【0021】
また、前記反射部が金属膜からなる構成としてもよい。
これによれば、反射部が金属膜からなるため、スパッタ法や蒸着法等を用いて容易に形成することができる。
【0022】
また、前記隔壁が、第1隔壁部と、当該第1隔壁部に組み合わされる第2隔壁部とにより構成され、これら前記第1隔壁部と第2隔壁部との間に前記反射部が配置されている構成としてもよい。
これによれば、隔壁内の所定の位置に反射部を形成することが容易である。
【0023】
また、前記隔壁に白顔料が含有されている構成としてもよい。
これによれば、隔壁内に入射した外光を散乱させて各セル内へと導光させることができる。
【0024】
また、1つの画素に1つのセルが対応している構成としてもよい。
これにより、各画素の輝度を高めることができるので、コントラストをより向上させることが可能である。
【0025】
また、前記反射部は、前記隔壁内に埋め込まれることで当該隔壁内に入射した光を前記セル内に導光させる白色微粒子又は金属微粒子を含む微粒子から構成されるとしてもよい。
これによれば、隔壁内に埋め込まれた微粒子により隔壁内に入射した外光を反射させて各セル内へと導光させることができる。
【0026】
また、前記隔壁の前記第2基板側には、前記微粒子が存在しない微粒子不存在領域が設定されており、該微粒子不存在領域の高さは、前記隔壁の高さの1/8以上1/2以下の範囲内であるとしてもよい。
これによれば、第2基板側から隔壁内に入射した外光をセル内へと効率よく導光させることができる。
【0027】
また、平面視した状態で前記隔壁内に配置可能な前記微粒子の量をaとしたとき、当該隔壁内に埋め込まれる前記微粒子の量は、2a以上8a以下の範囲内であるとしてもよい。
これによれば、隔壁内に微粒子が良好に配置されるので、隔壁内に入射した外光をセル内へと効率よく導光させることができる。
【0028】
本発明の電気泳動表示装置の製造方法は、第1基材上に複数の画素領域を区画する第1隔壁部を形成するとともに、第2基板上に前記第1隔壁部に対応する前記第2隔壁部を形成する工程と、前記第1隔壁部の上面に第1係合部を形成するとともに、前記第2隔壁部の上面に前記第1係合部に対応する第2係合部を形成する工程と、前記第1係合部および前記第2係合部の少なくとも一方に反射部を形成する工程と、前記第1係合部及び前記第2係合部を対向させるようにして前記第1隔壁部及び前記第2隔壁部を組み合わせることによって隔壁を形成する工程と、前記隔壁を第1基板上に貼り合せる工程と、少なくとも前記隔壁と前記第1基板とによって囲まれたセル内に電気泳動材料を充填する工程と、前記第1基板上に前記隔壁を介して第2基板を貼り合せる工程と、を有することを特徴とする。
【0029】
これによれば、隔壁内の所定の位置に反射部を形成することができるので、隔壁内に入射した外光を減衰させることなくセル内へと導光させることができる。
【0030】
また、前記第1係合部が凸状を呈するとともに前記第2係合部が凹状を呈しており、前記隔壁を第1基板上に貼り合せる際、凸状の前記第1係合部を前記第1基板とは反対側に向けた状態で前記第1隔壁部を貼り合せる構成としてもよい。
これによれば、第1基板上に、凸状の第1係合部を第1基板とは反対側(つまり、第2基板側)に向けた状態で第2隔壁部を貼り合せることにより、第1隔壁部と第2隔壁部との間に存在する反射部によって、隔壁の両側に存在する各セル内へ光を導入させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の電気光学表示装置の一例である電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図。
【図2】隔壁の構成について反射部を中心に示す平面図。
【図3】電気泳動表示装置の概略構成について隔壁の構成を中心に示す断面図。
【図4】電気泳動表示装置の効果についての説明図。
【図5】反射部の断面形状を示す図。
【図6】隔壁の変形例を示す平面図。
【図7】反射部の別の形態に係る構成を示す図。
【図8】反射部の別の形態に係る構成を示す図。
【図9】電気泳動表示装置の製造工程のフローを示す図。
【図10】電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図。
【図11】電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0033】
図1は、本発明の電気光学表示装置の一例である電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、電気泳動表示装置(電気光学表示装置)100は、第1基板30及び画素電極(第1電極)35を含む素子基板300と、第2基板31及び対向電極(第2電極)37を含む対向基板310との間に電気泳動層32が挟持されてなるものである。
図1では、各画素領域に対応する隔壁を形成しているが、これに限定されるものではなく、隔壁で囲まれた一つの領域内に複数の画素領域が存在していても良い。
【0034】
第1基板30上には、画素ごとに画素トランジスタ(例えば、TFT(図示略))、画素電極35および隔壁14が設けられている。
第1基板30には、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの絶縁性の樹脂材料からなる基板(即ち、樹脂基板)、又は、ガラス基板が用いられ、100から500μmの厚さを有している。なお、電気泳動表示装置100に可撓性を付与する場合には、可撓性を有する樹脂基板を選択する。また、画素電極35及び第1基板30は、視認側ではないので必ずしも光透過性を有する材料を用いる必要はなく、非光透過性の材料を用いることも可能である。
【0035】
画素トランジスタは、配線を介して画素電極35にそれぞれ接続されており、当該画素トランジスタをオン、オフすることにより、画素電極35に選択的に電圧を印加できるようになっている。
【0036】
画素電極35は、素子基板300の電気泳動層32と対向する側の面に形成されている。画素電極35は厚さ50nmのITOからなるが、これに限定されるものではない。また、対向電極37は、対向基板310の電気泳動層32と対向する側の面に形成されている。画素電極35は、画素ごとに形成された電極であり、対向電極37は複数の画素に亘って共通に形成された電極である。このような画素電極35と対向電極37は、例えばアルミニウム(Al)等の光透過性に乏しい(不透明な)導電膜、又は、酸化インジウムスズ(ITO)等の光透過性を有する導電膜で構成されている。
【0037】
なお、素子基板300が透明基板であり、画素電極35がITO等で構成されている場合は、画面に表示される文字、画像等を素子基板300側から視認することができる。あるいは、図示しない対向電極37が透明な基板であり、対向電極37がITO等で構成されている場合は、画面に表示される文字、画像等を対向基板310側から視認することができる。すなわち、対向基板310の表面は、電気泳動表示装置100の表示面100aを構成している。
【0038】
隔壁14は、透明樹脂からなり、第1基板30上において画素領域に対応する複数のセル15を形成するとともに、各セル15内に電気泳動材料を保持する。本実施形態では、1つの画素に1つのセル15が対応する構成となっている。
隔壁14を構成する材料としては、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよく、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の各種樹脂材料や、シリカ、アルミナ、チタニア等の各種セラミクス材料が挙げられる。ただし、電気泳動表示装置100に可塑性を付与する場合には、可塑性を有する樹脂材料のものを選択する。
【0039】
なお、隔壁14を構成する材料として電気泳動層32と親和性の高い材料のものを選択することが好ましい。例えば、電気泳動層32が親油性の場合は、隔壁14を親油性の材料で構成することが好ましい。この場合、隔壁14自体を親油性の材料にしてもよいし、隔壁14の表面だけを親油性にしてもよい。隔壁14の表面だけを親油性にする方法としては、例えば、表面処理(すなわち、塗布、物理気相成長もしくは化学気相成長などの方法を用いて隔壁14の表面に親油性の膜を形成する処理、又は、親油性の膜を貼付する処理)が挙げられる。
【0040】
さらに、隔壁14を構成する材料としては、後述する電気泳動層32(分散媒21等)と略屈折率が同じものを用いるのが好ましい。このようにすれば、隔壁14と電気泳動層32との界面で生じる光の反射を防止することができる。
【0041】
本実施形態の隔壁14の内部には、各セル15に対応する反射部16が複数設けられている。反射部16は所定の角度で傾斜しており、対向基板310側から入射した光を各セル15内へと導光させる機能を有する。
【0042】
電気泳動層32は、隔壁14の各セル15内に、複数の電気泳動粒子26とこれら電気泳動粒子26を分散させた分散媒21とを有する電気泳動材料32Aが充填されてなるもので、画素領域に対応するセル15ごとに所望の色表示を行う。
【0043】
電気泳動粒子26は、例えば、顔料粒子、樹脂粒子又はこれらの複合粒子である。顔料粒子を組成する顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラックなどの黒色顔料、酸化チタン、酸化アンチモンなどの白色顔料などがある。また、樹脂粒子を組成する樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステルなどがある。複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂材料や他の顔料で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの、顔料と樹脂粒子とを適当な組成比で混合した混合物で構成される粒子などがある。これらの各種材料からなる電気泳動粒子26は、例えば正又は負に帯電した状態で分散媒中に分散されている。本実施形態に係る電気泳動粒子26は、黒白色粒子26a及び白白色粒子26bを含む(図3参照)。黒白色粒子26aは光吸収性を有し、白白色粒子26bは光反射性を有している。
【0044】
分散媒21は、例えば、親油性の炭化水素系の溶媒であり、例えば、アイソパー(登録商標)を含む。すなわち、分散媒21は、例えば、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーMのうちのいずれか1種類を含む液体、もしくはこれらのうちの2種類以上を混合した液体、あるいは、これらのうちのいずれか1種類以上と他の種類の炭化水素系の溶媒とを混合した液体である。
本実施形態では、隔壁14の構成材料として上記電気泳動粒子26(粒子表面の材料)又は分散媒21と略屈折率が同じものを用いており、これにより隔壁14と電気泳動粒子26又は分散媒21との界面で生じる光の反射を防止している。
【0045】
あるいは、分散媒21は、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼンのような長鎖アルキル基を有するベンゼン類(アルキルベンゼン誘導体)等の芳香族炭化水素類、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸エチル等ノエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ルチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル類、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、カルボン酸塩又はその他の各種油類等でも良く、これらを単独又は混合物として用いることができる。
【0046】
図2は、隔壁の構成について反射部を中心に示す平面図、図3は電気泳動表示装置の概略構成について隔壁の構成を中心に示す断面図である。図4は本実施形態に係る電気泳動表示装置100の効果を説明するための図である。
【0047】
図2及び図3に示すように、平面視正方格子状を呈する隔壁14は、素子基板300の画素電極35側の最上層に直接貼り付けられている。隔壁14内に埋設された反射部16は、対向基板310側へ突出する凸状(く字状)を呈し、隣り合う一方のセル15A側へ向かって傾斜する第1傾斜面(第1の傾斜面)16aと、他方のセル15B側へ向かって傾斜する第2傾斜面(第2の傾斜面)16bと、を有する。第1傾斜面16a及び第2傾斜面16bの基板面に垂直な法線方向に対する傾斜角度θは、30°≦θ≦60°の範囲が好ましく、35°≦θ≦50°がより好ましい。また、第1基板30からの反射部16の高さhは、セルギャップdに対して、d/2≦h≦dの範囲内で設定される。すなわち、反射部16がセルギャップdの半分よりも表示面100a側に設けられている。なお、反射部16の高さhは、反射部16の先端と第1基板30との基板面との距離で設定される。
【0048】
本実施形態に係る隔壁14は上述のように透明樹脂から構成されているため、反射部16よりも表示面100a側が透明部材から構成されたものとなっている。これにより、外部から入射した光が隔壁14を透過して反射部16へと導かれるようになっている。
【0049】
セル15Aの周囲は4つの第1傾斜面16aによって取り囲まれ、セル15Bの周囲は4つの第2傾斜面16bによって取り囲まれていることから、外部から隔壁14内へ入射してきた外光が反射部16の各傾斜面16a,16bにおいて反射されて、反射部16(隔壁14)を介して隣り合うセル15A,15Bへと入射することになる。
【0050】
本実施形態の構成によれば、外部から入射した外光のうち、隔壁14内に入射した光を隔壁14の内部に埋設された反射部16によって反射させ、各セル15内へと導光させることが可能になるので、外部から入射した光を各セルにおける表示に有効利用することができる。つまり、隔壁14内に入射した外光を対向基板310側へ向かってそのまま反射させるのではなくセル15内へと確実に反射させることができる。
【0051】
外部からの光は、透明樹脂からなる隔壁14の内部に入射し、反射部16の各傾斜面16a,16bでそれぞれ反射されてセル15A,15Bへと導かれる。
【0052】
ここで、電気泳動表示装置100は、黒表示を行う場合、表示面100a側(対向電極37側)に電気泳動粒子26の黒白色粒子26aが移動し、表示面100aと反対側(画素電極35側)に白粒子26bが移動している。また、電気泳動表示装置100は、白表示を行う場合、表示面100a側(対向電極37側)に電気泳動粒子26の白粒子26bが移動し、表示面100aと反対側(画素電極35側)に黒白色粒子26aが移動している。
【0053】
黒表示の場合、図4(a)に示すようにセル15A,15Bへ導かれた光は、黒白色粒子26aで吸収される。反射部16は上述のように表示面100a側に配置されているので、反射部16の傾斜面16a,16bで反射された光は表示面100a側に移動している黒白色粒子26aにより確実に吸収されることとなる。
【0054】
一方、白表示の場合、図4(b)に示すようにセル15A,15Bへ導かれた光は、白粒子26bで反射される。また、反射部16は上述のように表示面100a側に配置されているので、反射部16の傾斜面16a,16bで反射された光は表示面100a側に移動している白粒子26bにより確実に反射されることとなる。白粒子26bで反射された光は、反射部16の傾斜面16a,16bで再度反射されて隔壁14内を透過して表示面100aから出射される。
【0055】
なお、反射部16の断面形状は、素子基板300側へへこんだ凹形状であっても良い。ここで、図5の実線Aで示されるように、反射部16を構成する傾斜面16a,16bのなす角度が90度の場合、基板(対向基板310)のほぼ法線方向の光の多くを直接基板側に出射する構成となってしまう。そのため、図5の1点破線B及び2点破線Cで示されるように、傾斜面16a,16bのなす角度は90度よりも大きい或いは小さくすることで、基板のほぼ法線方向の光の多くを直接基板側に出射することなく、他の角度方向に反射する構成とするのが望ましい。
【0056】
また、反射部16は必ずしも平面である必要はなく、曲面であっても構わない。例えば反射部16の断面を楕円状の山型や谷(U字谷)型にしても良い。無論、隔壁14の長手方向にうねりがあっても構わない。これは隔壁14の断面位置によってその形状が若干変化することを許容することを意味する。
【0057】
本実施形態によれば、白表示の場合、隔壁14の部分は明るく見えるため、光量低下が防止された高輝度な表示を得ることができる。また、黒表示の場合、隔壁14の部分は暗く見える。このように黒表示の時は隔壁部分が黒くなり、白表示の時は隔壁部分が明るくなるので、実効的な開口率が大きくなり、明るい表示と高コントラストを両立させることができる。したがって、コントラストの高い鮮やかな画像表示が行える。また、隔壁14の幅を狭くすることなく、開口率を大きくすることができるので、隔壁14の物理的な強度を低下させることも無い。また、隔壁14の物理的な強度の低下が生じないので、本実施形態に係る電気泳動表示装置100は、特に表示面100aに対する面押し耐性強度が要求される、例えばペン等による入力機能付き表示装置の用途として好適である。
【0058】
なお、隔壁14の平面視形状としては、例えば六角格子状(図6参照)または三角格子状であってもよく、これに限られることもない。
【0059】
また、反射部16の構成としては、上述したような対向基板310側へ突出した凸状を呈する構成を例として説明したが、図7(a)に示すように反射部16が一方向に傾斜する構成としてもよい。この場合、一方向に並ぶ複数のセル15に対応する個々の反射部16が同一方向へ傾斜したものとなる。これによれば、一方向に並ぶ複数のセル15内に均等に外光を導入させることができるので、表示装置における輝度ムラを解消することができる。
【0060】
また、図7(b)に示すように反射部16を光散乱状態の面からなる構成としてもよい。このような光拡散機能を隔壁14内に持たすことで、隔壁14内にほぼ垂直に入射した光もその角度が変更され、セル15内に入射させることができる。したがって、外部から入射した光は反射部16の表面で散乱されることでセル15A,15B内に良好に導くことができる。
【0061】
また、図7(c)に示すように、隔壁14内に埋設した光反射性を有する複数のビーズ(光学部材)Bzを用いて反射部16を構成するようにしても構わない。本実施形態においては、複数のビーズBzが上記実施形態の第1傾斜面16a及び第2傾斜面16bと同様、基板面に垂直な法線方向に対して所定角度θで傾斜した方向に沿って隔壁14内に分散されている。ここで、所定角度θとしては、30°≦θ≦60°の範囲が好ましく、35°≦θ≦50°がより好ましい。これによれば、複数のビーズBzによって隔壁14内に入射した光をセル15へと良好に反射することができる。
【0062】
また、反射部16の構成としては、図8に示すように隔壁14内に埋め込まれることで当該隔壁14内に入射した光をセル15内に導光させる微粒子50から構成してもよい。図8(a)は本構成の断面図を示すものであり、図8(b)は本構成の平面図を示すものである。
【0063】
微粒子50は、白色微粒子又は金属微粒子を含む。微粒子50は隔壁50内において素子基板300側に偏在した状態に設けられている。これにより、隔壁14の上部には微粒子50が存在しない領域(微粒子不存在領域)60が設定されたものとなっている。ここで、微粒子不存在領域60の高さLは、図8(a)に示すように隔壁14の高さをdとした時、隔壁14の高さの1/8以上1/2以下の範囲に設定されている。これによれば、隔壁14内に入射した外光を微粒子50がセル15内に良好に取り込むことができる。
【0064】
また、隔壁14内に埋め込まれる微粒子50の量は、平面視した状態(第2基板31側から電気泳動表示装置100を視た状態)で隔壁14内に配置可能な微粒子50の量をaとしたとき、2a以上8a以下の範囲に設定されている。これによれば、隔壁14内に微粒子50を良好に埋め込んだ状態とすることができる。
【0065】
以上のように、図8に示した構成によれば、表示面100a側から入射した外光が隔壁14内に埋め込まれた微粒子50によってセル15内に反射されるので、コントラストの高い鮮やかな画像表示を行うことができる。また、隔壁14内に微粒子50を埋め込むことで反射部16を簡便に構成することができる。なお、本説明では、微粒子50が隔壁14内において素子基板300側に偏在した場合を例に挙げたが、隔壁14の高さ方向の全域に亘って微粒子50が埋め込まれた構成であっても良い。
【実施例1】
【0066】
次に、実施例1における電気泳動表示装置の製造方法について述べる。
図9は、電気泳動表示装置の製造工程のフローを示す図である。図10は、電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図である。
図9及び図10に示すように、実施例1に係る電気泳動表示装置の製造方法は、隔壁部形成工程S1、傾斜部形成工程S2、反射部形成工程S3、隔壁形成工程S4、隔壁及び第1基板貼り合せ工程S5、電気泳動材料充填工程S6、隔壁及び第2基板貼り合せ工程S7、を有する。
【0067】
まず、隔壁部形成工程S1では、PET基板からなる第1基材41A上に複数の画素領域を区画する第1隔壁部42Aを形成するとともに、PET基板からなる第2基材41B上に第1隔壁部42Aに対応する第2隔壁部42Bを形成する。
【0068】
具体的には、図9(a)に示すように、第1基材41A及び第2基材41Bの表面上に、感光性樹脂材料(例えば、感光性エポキシ樹脂等)を、例えば厚さ15〜30μmとなるように、スピンコートあるいは印刷法を用いて塗布する。乾燥させた塗布膜42をレジストマスクRMを用いてフォトリソグラフィによって複数の画素領域を区画する格子状にパターニングし、図9(b)に示すように第1基材41A及び第2基材41B上に隔壁部42´をそれぞれ形成する。
【0069】
次に、傾斜部形成工程S2では、図9(c)に示すように、第1隔壁部42Aの上面側からエッチングを施して面取りを行うことによって凸部(第1係合部)43を形成し、図9(d)に示すように、第2隔壁部42Bの上面側からエッチングを施して凸部43に対応する凹部(第2係合部)44を形成する。
【0070】
次に、反射部形成工程S3では、図9(e)に示すように、第1隔壁部42Aの凸部43の表面全体に金属膜を成膜し、反射部16を形成する。凸部43上に成膜する方法としては、スパッタ法や蒸着等の真空中での成膜、他の印刷方法を用いてもよい。
【0071】
次に、隔壁形成工程S4では、図9(f)に示すように、凸部43と凹部44とを組み合わせるように第1隔壁部42A上に第2隔壁部42Bを対向配置して接着させることによって、反射部16を有した隔壁14を形成する。反射部16は、第1隔壁部42Aの第2隔壁部42Bとの境界部分に位置することとなる。第1隔壁部42Aと第2隔壁部42Bとを貼り合せた後、第1基材41A及び第2基材41Bを隔壁14から剥離する。
【0072】
なお、上記実施形態では、隔壁14の全体を透明樹脂から構成し、内部に反射部16を構成する部材を埋設する場合を例に説明したが、隔壁14は反射部16に対して表示面100aと反対側は必ずしも透明である必要は無い。すなわち、上記第2隔壁部42Bのみを透明部材から構成し、第1隔壁部42Aについては透明でない部材から構成するようにしても構わない。
【0073】
次に、隔壁−第1基板貼り合せ工程S5では、図10(a)に示すように、別途用意しておいた素子基板300に対して隔壁14を貼り合せる。ここで、素子基板300は、樹脂基板またはガラス基板からなる第1基板30上に画素電極35、トランジスタ等が画素領域ごとに形成されたものである。この素子基板300の画素電極35側の最上層に接着剤などを介して隔壁14を貼り付ける。
【0074】
次に、電気泳動材料を充填する工程S6では、図10(b)に示すように、隔壁14の各セル15内に電気泳動粒子26を多数含む分散媒21を供給する。分散媒21の供給方法としては、例えば、ディスペンサを用いた滴下法、インクジェット法(液滴吐出法)、スピンコート法、ディップコート法等の各種塗布法が挙げられるが、これらの中でも滴下法またはインクジェット法を用いるのが好ましい。滴下法またはインクジェット法によれば、各セル15に対して分散液を選択的に供給することができることから、セル15内に無駄なく、より確実に供給することができる。
【0075】
セル15内に電気泳動材料32Aを供給した後で、一定の待機時間を設けることが好ましい。これにより、図10(c)に示すように、セル15の中心部において電気泳動材料32Aの表面(液面)が低下してその断面視による形状が凹状になる。
【0076】
この後、図10(d)に示すように、電気泳動材料32Aが供給された隔壁14の開口側を封入膜5で覆うことで、電気泳動材料32Aを各セル15内に封入するようにしても良い。封入膜5の形成方法としては、例えば、水溶性高分子を水または親水性の液体(一例として、メタノール又はエタノール)に溶かして液状にし、封入液を作成する。例えば、水溶性高分子としてPVAを選択し、PVAを水に溶かして3[wt%]〜40[wt%](重量パーセント)の封入液を作成する。この封入液を、スキージ等を用いて電気泳動材料32Aが供給された後の隔壁14の開口側に塗布し、乾燥させることによって封入膜5を形成する。電気泳動材料32Aが親油性である一方、封入液は親水性であるためこれらは混和しない。このように、隔壁14の各セル15内に供給された電気泳動材料32Aの液面を覆うようにして封入膜5を形成することにより、電気泳動材料32Aを各セル15内に密閉性高く封入することができる。また、電気泳動材料32Aと対向電極37とが直接接触することがないので対向電極37の腐食を防ぐことができる。
【0077】
次に、図10(e)に示すように、隔壁−第2基板貼り合せ工程S7では、予め、樹脂基板またはガラス基板からなる第2基板31の表面全体にベタ状の対向電極37と、ホットメルト導電接着膜38とが形成された対向基板310を用意しておき、この対向基板310のホットメルト導電接着膜38側の面を、素子基板300の隔壁14の上面に貼り合せることによって、対向基板310と素子基板300とを接合させる。ホットメルト導電接着膜38は、常温で固形状をなしている熱可塑性高分子に透明金属フィラーを複数分散させてなる接着性フィルムからなる。ここでは、真空ラミネート法を用いて対向基板310を貼り合せる。
【0078】
このように、素子基板300上に隔壁14を介して対向基板310を貼り合せることによって、本実施形態の電気泳動表示装置100が得られる。
【0079】
本実施形態の電気泳動表示装置100の製造方法によれば、第1隔壁部42Aの凸部43上に反射部16を形成した後、第1隔壁部42Aと第2隔壁部42Bとを組み合わせることによって隔壁14を得ていることから、隔壁14内の所定位置に所望の反射部16を形成することができる。これにより、隔壁14内に入射した外光を効率よく各セル15へと導光させることのできる電気泳動表示装置100が得られる。
【実施例2】
【0080】
次に、実施例2における電気泳動表示装置の製造方法について述べる。
実施例2では、隔壁部形成工程S1および傾斜部形成工程S2を同時に行うことで第1隔壁部と第2隔壁部を形成する。本実施例では、ナノインプリント法を用いて、凸部43を有する第1隔壁部42Aと、凹部44を有する第2隔壁部42Bとを形成する。
まず、第1基材41Aおよび第2基材41Bの表面にレジストをそれぞれ塗布し、第1隔壁部42Aの形状に対応した第1モールドを第1基材41A上のレジストに接触させて加圧し、第2隔壁部42Bの形状に対応した第2モールドを第2基材41B上のレジストに接触させて加圧することにより、各モールドの凹凸(転写パターン)をそれぞれのレジストに転写する。このようにして、第1基材41A上に凸部43を有する第1隔壁部42Aを形成し、第2基材41B上に凹部44を有する第2隔壁部42Bを形成する。その後の工程は、先に示した第1実施例と同様である。
【0081】
本実施例のように、ナノインプリント法を用いて第1隔壁部42Aおよび第2隔壁部42Bを形成することにより、フォトリソグラフィよりも簡便に形成することができるとともに安価な装置により微細構造を形成することができる。
【実施例3】
【0082】
実施例3では、隔壁部形成工程および傾斜部形成工程において、PET基板からなる第1基材41Aおよび第2基材41Bの表面に白顔料を含有したレジストをそれぞれ塗布し、上記したナノインプリント法を用いて、白色の第1隔壁部42Aおよび第2隔壁部42Bを形成する。その後は反射部形成工程を省略して隔壁形成工程へと移行する。第1隔壁部42Aと第2隔壁部42Bとを組み合わせて隔壁14を形成した後の工程は、上記した第1実施例と同様である。
【0083】
白顔料としては、白ルチル型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタン等の酸化チタン、亜鉛華、鉛白、硫化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム等が挙げられる。また、平均粒子径が揃っている白顔料を用いてもよいし、平均粒子径が異なる白顔料を用いてもよい。
【0084】
本実施例のように、白顔料を含有したレジストを用いて形成した第1隔壁部42A及び第2隔壁部42Bにより、散乱性を有した白色の隔壁14を得ることができる。散乱性を有する隔壁14によって隔壁14内に入射した外光を散乱させて各セル内へと導光させることができる。また、本実施例によれば白顔料により散乱性を付与しているため反射部16が不要であり、スパッタにより金属膜を形成する反射部形成工程を省略することができる。
【実施例4】
【0085】
次に、実施例4における電気泳動表示装置の製造方法について述べる。
実施例4は、図8に示した構成と異なり、隔壁14の高さ方向の全域に亘って埋め込まれた微粒子50により構成された反射部16を備えた電気泳動表示装置の製造方法に関するものである。
【0086】
本実施例においては、反射部16を形成するに際し、まず隔壁14を形成する粘性材料(レジスト)に、白色微粒子又は金属微粒子を含む微粒子50を所定量添加し、撹拌する。ここで、微粒子50の添加量としては、上述のように2a以上8a以下の範囲に設定する。
【0087】
続いて、ナノインプリント法を用いて、微粒子50を含有する隔壁14を形成する。具体的に、第1基材41A又は第2基材41Bの表面にレジストを塗布し、隔壁14の形状に対応したモールドを第1基材41A又は第2基材41B上のレジストに接触させて加圧することにより、各モールドの凹凸(転写パターン)をレジストに転写し、熱硬化させる。このようにして、第1基材41A又は第2基材41B上に微粒子50が埋め込まれてなる隔壁14を形成する。その後の工程は、先に示した実施例と同様である。
【実施例5】
【0088】
次に、実施例5における電気泳動表示装置の製造方法について述べる。
実施例5は、図8に示した電気泳動表示装置の製造方法に関するものである。すなわち、実施例4と異なり、微粒子50が隔壁14内において偏在して配置されたものとなっている。
【0089】
本実施例においては、実施例4と同様、微粒子50を所定量添加したレジストを用意し、第1基材41Aの表面に該レジストを塗布し、隔壁14の形状に対応したモールドを第1基材41A上のレジストに接触させて加圧することにより、モールドの凹凸(転写パターン)をレジストに転写し、熱硬化させることで第1基材41A上に微粒子50が埋め込まれてなる隔壁14の下部を形成する。
【0090】
続いて、微粒子を添加しないレジストを用意し、第2基材41Bの表面に該レジストを塗布し、隔壁14の形状に対応したモールドを第2基材41B上のレジストに接触させて加圧することにより、モールドの凹凸(転写パターン)をレジストに転写し、熱硬化させることで第2基材41B上に微粒子50を有しない隔壁14の上部を形成する。
【0091】
続いて、第1基材41A及び第2基材41Bを貼り合せ、隔壁14の上部及び下部からなる隔壁14を形成することができる。
【実施例6】
【0092】
次に、実施例6における電気泳動表示装置の製造方法について述べる。
実施例6は、実施例5の一部を変形した電気泳動表示装置の製造方法に関するものである。
【0093】
本実施例においては、実施例4と同様、微粒子50を所定量添加したレジストを用意し、第1基材41Aの表面に該レジストを塗布し、隔壁14の形状に対応したモールドを第1基材41A上のレジストに接触させて加圧することにより、モールドの凹凸(転写パターン)をレジストに転写する。
【0094】
本実施例では、凹凸を転写した後、所定時間放置する。これにより、レジスト材料内において微粒子50を沈み込ませた後、熱硬化させることで隔壁14を形成する。このようにして、微粒子50が素子基板300側に偏在した状態に内部に設けられた隔壁14を形成することができる。
【0095】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0096】
例えば、第1隔壁部42A及び第2隔壁部42Bの形成方法に制限はないが、上記したフォトリソグラフィ法やナノインプリント法の他、スクリーン印刷法、凸版印刷法、グラビア印刷法などの印刷プロセスで形成してもよい。
また、先の実施形態では、1つの画素に1つのセル15が対応する隔壁構造となっていたが、複数の画素に1つのセル15が対応する構成としてもよい。この構成であっても、隔壁に接している画素において上記した効果を得ることができる。
【0097】
また、上記実施形態では、光学素子として電気泳動素子の場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電紙粉流体(登録商標)や、着色した油と顔料を分散させた水から画素を構成し、油と水との配置を入れ替えることでカラー表示を行うエレクトロウェッティング素子の場合についても本発明は反射部を埋設した隔壁を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0098】
d…セルギャップ、h…高さ、14…隔壁、14a…上面、15(15A,15B)…セル、16…反射部、16a…傾斜面、30…第1基板、31…第2基板、32…電気泳動層、32A…電気泳動材料、35…画素電極(第1電極)、37…対向電極(第2電極)、41A…第1基材、42A…第1隔壁部、42B…第2隔壁部、43…凸部(第1係合部)、44…凹部(第2係合部)、100…電気泳動表示装置、100a…表示面
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動表示装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気泳動表示装置には、一対の基板間に形成した隔壁によって区画形成される各セル内に、電気泳動分散液(電気泳動粒子を分散媒に分散させたもの)を封入した構成が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、隔壁の幅が大きいと表示に関与できる部分が少なくなり、開口率が低下し、暗い表示、コントラストの低い表示となってしまう。そこで、隔壁の断面形状を観察面側で狭く、観察面の反対側で広くした台形形状にした構成が知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−4773号公報
【特許文献2】特開2003−208107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、観察面側での隔壁の幅を狭くし過ぎると、面押し耐性強度が弱くなってしまい、例えば電気泳動表示装置をペン入力機能付きの電子ペーパー等に応用する場合に、ペンの圧力で隔壁が容易に潰されてしまうといった問題がある。すなわち、開口率を上げることと面押し耐性強度を高めることが両立しないといった課題が生じている。
【0006】
また、隔壁型の電気泳動表示装置では、外部から入射した光のうちその全てが各セル内に入射するのではなく、隔壁内へ入射する場合がある。透明な隔壁に入射した光は、バックプレーンにおいて反射されて白色の光がそのまま外部へ出射することになる。電気泳動層(セル)を透過しないため、全体として所望の色表示を得ることができない。樹脂からなる隔壁に入射した光は減衰しながら透過するため、白表示を行う場合は光量が低下してしまうという問題があり、黒表示を行う場合は、黒地に白色が混色するためはっきりとした黒表示が得られないという問題がある。このように表示色のコントラストが低下するという他の課題も生じている。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、所望の面押し耐性強度を備えるとともにコントラストの低下を防止して所望の色表示が可能な電気泳動表示装置及び既存の技術を利用して容易に製造することができる電気泳動表示装置の製造方法を提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気泳動表示装置は、互いに対向配置された第1基板及び第2基板と、前記第1基板及び前記第2基板の間に配置され、セルを複数有するとともに反射性を有した隔壁と、各セル内に電気泳動材料が保持されてなる電気泳動層と、前記第1基板の前記電気泳動層側の面に設けられた第1電極と、前記第2基板の前記電気泳動層側の面に設けられた第2電極と、前記隔壁内に設けられる反射部と、を備え、前記隔壁は、少なくとも前記反射部よりも表示面側が透明部材から構成されることを特徴とする。
【0009】
これによれば、外部から隔壁内に入射した光を反射部において反射させてセル内へ導光させることで、外部から入射した光を表示に有効的に利用することが可能となり、開口率を上げることでコントラストの向上が図れる。また、反射部を設けることで隔壁の幅を狭くすること無く、開口率を向上できるので、面押し耐性強度を高めることができる。
【0010】
また、上記電気泳動表示装置においては、前記反射部は、前記セルごとに対応して設けられるのが好ましい。
これによれば、反射部がセルごとに対応して設けられるので、各セル内へ効率的に導光することができる。
【0011】
また、上記電気泳動表示装置においては、前記透明部材は、前記電気泳動材料と略同じ屈折率を有するのが好ましい。
これによれば、透明部材と電気光学部材との界面で光の反射が起こりにくくすることができる。
また、上記電気泳動表示装置においては、前記電気泳動材料は、分散媒と電気泳動粒子とを含むのが好ましい。さらに、前記分散媒又は前記電気泳動粒子が前記透明部材と略同じ屈折率を有するのがより好ましい。
これによれば、透明部材と電気光学部材に含まれる分散媒又は電気泳動粒子との界面で光の反射が起こりにくくすることができる。
【0012】
また、上記電気泳動表示装置においては、前記第1基板から前記反射部の先端までの高さhは、セルギャップdに対して、d/2≦h≦dの範囲内であるのが好ましい。
これによれば、第2基板側から隔壁内に入射した外光を減衰させることなくセル内へと導光させることができるので、輝度の低下を防止できる。
【0013】
また、上記電気泳動表示装置においては、前記反射部は、前記セル内に光を散乱させる散乱面を含むのが好ましい。
これによれば、隔壁内に設けられた散乱面によって外部から隔壁内に入射した光を良好に反射させることでセル内へ導光することができる。
【0014】
また、上記電気泳動表示装置においては、前記反射部は、前記隔壁内に設けられた光学部材から構成されるのが好ましい。
これによれば、隔壁内に設けられた光学部材によって外部から隔壁内に入射した光を良好に反射させることでセル内へ導光することができる。
【0015】
また、上記電気泳動表示装置においては、複数の前記光学部材が基板面に垂直な法線方向に対して前記セル側へ所定角度で傾斜した方向に沿って前記隔壁内に分散されているのがより望ましい。
これによれば、隔壁内に所定角度で傾斜した方向に沿って複数の光学部材が分散されているので、隔壁内に入射した光をセル内に効率的に反射させることができる。
【0016】
また、本発明の電気泳動表示装置は、互いに対向配置された第1基板及び第2基板と、前記第1基板及び前記第2基板の間に配置され、セルを複数有するとともに反射性を有した隔壁と、各セル内に電気泳動材料が保持されてなる電気泳動層と、前記第1基板の前記電気泳動層側の面に設けられた第1電極と、前記第2基板の前記電気泳動層側の面に設けられた第2電極と、前記隔壁内に前記セルごとに対応して設けられ、基板面に垂直な法線方向に対して前記セル側へ所定の角度θで傾斜する傾斜面を有した反射部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
これによれば、外部から前記隔壁内に入射した光を反射部において反射させてセル内へ導光させることができる。これにより、外部から入射した光を表示に有効的に利用することが可能となり、コントラストの向上が図れる。また、複数の画素が1つのセルに対応している場合でも、隔壁に接している画素において上記した効果が得られる。
なお、1つの画素が1つのセルに対応する隔壁の構造としてもよい。
【0018】
また、前記角度θが、30°≦θ≦60°の範囲内である構成としてもよい。
これによれば、第2基板側から隔壁内に入射した外光をセル内へと効率よく導光させることができる。
【0019】
また、一方向に並ぶ前記複数のセルに対応する前記反射部が同一方向へ傾斜する構成としてもよい。
これによれば、一方向に並ぶ複数のセル内に均等に外光を導入させることができる。
【0020】
また、前記反射部は、当該隔壁を介して隣り合う一方の前記セル側へ傾斜する第1の前記傾斜面と、他方の前記セル側へ傾斜する第2の前記傾斜面と、を有する構成としてもよい。
これによれば、隔壁を介して隣り合う一対のセルに対して光を導光させることができる。
【0021】
また、前記反射部が金属膜からなる構成としてもよい。
これによれば、反射部が金属膜からなるため、スパッタ法や蒸着法等を用いて容易に形成することができる。
【0022】
また、前記隔壁が、第1隔壁部と、当該第1隔壁部に組み合わされる第2隔壁部とにより構成され、これら前記第1隔壁部と第2隔壁部との間に前記反射部が配置されている構成としてもよい。
これによれば、隔壁内の所定の位置に反射部を形成することが容易である。
【0023】
また、前記隔壁に白顔料が含有されている構成としてもよい。
これによれば、隔壁内に入射した外光を散乱させて各セル内へと導光させることができる。
【0024】
また、1つの画素に1つのセルが対応している構成としてもよい。
これにより、各画素の輝度を高めることができるので、コントラストをより向上させることが可能である。
【0025】
また、前記反射部は、前記隔壁内に埋め込まれることで当該隔壁内に入射した光を前記セル内に導光させる白色微粒子又は金属微粒子を含む微粒子から構成されるとしてもよい。
これによれば、隔壁内に埋め込まれた微粒子により隔壁内に入射した外光を反射させて各セル内へと導光させることができる。
【0026】
また、前記隔壁の前記第2基板側には、前記微粒子が存在しない微粒子不存在領域が設定されており、該微粒子不存在領域の高さは、前記隔壁の高さの1/8以上1/2以下の範囲内であるとしてもよい。
これによれば、第2基板側から隔壁内に入射した外光をセル内へと効率よく導光させることができる。
【0027】
また、平面視した状態で前記隔壁内に配置可能な前記微粒子の量をaとしたとき、当該隔壁内に埋め込まれる前記微粒子の量は、2a以上8a以下の範囲内であるとしてもよい。
これによれば、隔壁内に微粒子が良好に配置されるので、隔壁内に入射した外光をセル内へと効率よく導光させることができる。
【0028】
本発明の電気泳動表示装置の製造方法は、第1基材上に複数の画素領域を区画する第1隔壁部を形成するとともに、第2基板上に前記第1隔壁部に対応する前記第2隔壁部を形成する工程と、前記第1隔壁部の上面に第1係合部を形成するとともに、前記第2隔壁部の上面に前記第1係合部に対応する第2係合部を形成する工程と、前記第1係合部および前記第2係合部の少なくとも一方に反射部を形成する工程と、前記第1係合部及び前記第2係合部を対向させるようにして前記第1隔壁部及び前記第2隔壁部を組み合わせることによって隔壁を形成する工程と、前記隔壁を第1基板上に貼り合せる工程と、少なくとも前記隔壁と前記第1基板とによって囲まれたセル内に電気泳動材料を充填する工程と、前記第1基板上に前記隔壁を介して第2基板を貼り合せる工程と、を有することを特徴とする。
【0029】
これによれば、隔壁内の所定の位置に反射部を形成することができるので、隔壁内に入射した外光を減衰させることなくセル内へと導光させることができる。
【0030】
また、前記第1係合部が凸状を呈するとともに前記第2係合部が凹状を呈しており、前記隔壁を第1基板上に貼り合せる際、凸状の前記第1係合部を前記第1基板とは反対側に向けた状態で前記第1隔壁部を貼り合せる構成としてもよい。
これによれば、第1基板上に、凸状の第1係合部を第1基板とは反対側(つまり、第2基板側)に向けた状態で第2隔壁部を貼り合せることにより、第1隔壁部と第2隔壁部との間に存在する反射部によって、隔壁の両側に存在する各セル内へ光を導入させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の電気光学表示装置の一例である電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図。
【図2】隔壁の構成について反射部を中心に示す平面図。
【図3】電気泳動表示装置の概略構成について隔壁の構成を中心に示す断面図。
【図4】電気泳動表示装置の効果についての説明図。
【図5】反射部の断面形状を示す図。
【図6】隔壁の変形例を示す平面図。
【図7】反射部の別の形態に係る構成を示す図。
【図8】反射部の別の形態に係る構成を示す図。
【図9】電気泳動表示装置の製造工程のフローを示す図。
【図10】電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図。
【図11】電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0033】
図1は、本発明の電気光学表示装置の一例である電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、電気泳動表示装置(電気光学表示装置)100は、第1基板30及び画素電極(第1電極)35を含む素子基板300と、第2基板31及び対向電極(第2電極)37を含む対向基板310との間に電気泳動層32が挟持されてなるものである。
図1では、各画素領域に対応する隔壁を形成しているが、これに限定されるものではなく、隔壁で囲まれた一つの領域内に複数の画素領域が存在していても良い。
【0034】
第1基板30上には、画素ごとに画素トランジスタ(例えば、TFT(図示略))、画素電極35および隔壁14が設けられている。
第1基板30には、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの絶縁性の樹脂材料からなる基板(即ち、樹脂基板)、又は、ガラス基板が用いられ、100から500μmの厚さを有している。なお、電気泳動表示装置100に可撓性を付与する場合には、可撓性を有する樹脂基板を選択する。また、画素電極35及び第1基板30は、視認側ではないので必ずしも光透過性を有する材料を用いる必要はなく、非光透過性の材料を用いることも可能である。
【0035】
画素トランジスタは、配線を介して画素電極35にそれぞれ接続されており、当該画素トランジスタをオン、オフすることにより、画素電極35に選択的に電圧を印加できるようになっている。
【0036】
画素電極35は、素子基板300の電気泳動層32と対向する側の面に形成されている。画素電極35は厚さ50nmのITOからなるが、これに限定されるものではない。また、対向電極37は、対向基板310の電気泳動層32と対向する側の面に形成されている。画素電極35は、画素ごとに形成された電極であり、対向電極37は複数の画素に亘って共通に形成された電極である。このような画素電極35と対向電極37は、例えばアルミニウム(Al)等の光透過性に乏しい(不透明な)導電膜、又は、酸化インジウムスズ(ITO)等の光透過性を有する導電膜で構成されている。
【0037】
なお、素子基板300が透明基板であり、画素電極35がITO等で構成されている場合は、画面に表示される文字、画像等を素子基板300側から視認することができる。あるいは、図示しない対向電極37が透明な基板であり、対向電極37がITO等で構成されている場合は、画面に表示される文字、画像等を対向基板310側から視認することができる。すなわち、対向基板310の表面は、電気泳動表示装置100の表示面100aを構成している。
【0038】
隔壁14は、透明樹脂からなり、第1基板30上において画素領域に対応する複数のセル15を形成するとともに、各セル15内に電気泳動材料を保持する。本実施形態では、1つの画素に1つのセル15が対応する構成となっている。
隔壁14を構成する材料としては、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよく、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の各種樹脂材料や、シリカ、アルミナ、チタニア等の各種セラミクス材料が挙げられる。ただし、電気泳動表示装置100に可塑性を付与する場合には、可塑性を有する樹脂材料のものを選択する。
【0039】
なお、隔壁14を構成する材料として電気泳動層32と親和性の高い材料のものを選択することが好ましい。例えば、電気泳動層32が親油性の場合は、隔壁14を親油性の材料で構成することが好ましい。この場合、隔壁14自体を親油性の材料にしてもよいし、隔壁14の表面だけを親油性にしてもよい。隔壁14の表面だけを親油性にする方法としては、例えば、表面処理(すなわち、塗布、物理気相成長もしくは化学気相成長などの方法を用いて隔壁14の表面に親油性の膜を形成する処理、又は、親油性の膜を貼付する処理)が挙げられる。
【0040】
さらに、隔壁14を構成する材料としては、後述する電気泳動層32(分散媒21等)と略屈折率が同じものを用いるのが好ましい。このようにすれば、隔壁14と電気泳動層32との界面で生じる光の反射を防止することができる。
【0041】
本実施形態の隔壁14の内部には、各セル15に対応する反射部16が複数設けられている。反射部16は所定の角度で傾斜しており、対向基板310側から入射した光を各セル15内へと導光させる機能を有する。
【0042】
電気泳動層32は、隔壁14の各セル15内に、複数の電気泳動粒子26とこれら電気泳動粒子26を分散させた分散媒21とを有する電気泳動材料32Aが充填されてなるもので、画素領域に対応するセル15ごとに所望の色表示を行う。
【0043】
電気泳動粒子26は、例えば、顔料粒子、樹脂粒子又はこれらの複合粒子である。顔料粒子を組成する顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラックなどの黒色顔料、酸化チタン、酸化アンチモンなどの白色顔料などがある。また、樹脂粒子を組成する樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステルなどがある。複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂材料や他の顔料で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの、顔料と樹脂粒子とを適当な組成比で混合した混合物で構成される粒子などがある。これらの各種材料からなる電気泳動粒子26は、例えば正又は負に帯電した状態で分散媒中に分散されている。本実施形態に係る電気泳動粒子26は、黒白色粒子26a及び白白色粒子26bを含む(図3参照)。黒白色粒子26aは光吸収性を有し、白白色粒子26bは光反射性を有している。
【0044】
分散媒21は、例えば、親油性の炭化水素系の溶媒であり、例えば、アイソパー(登録商標)を含む。すなわち、分散媒21は、例えば、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーMのうちのいずれか1種類を含む液体、もしくはこれらのうちの2種類以上を混合した液体、あるいは、これらのうちのいずれか1種類以上と他の種類の炭化水素系の溶媒とを混合した液体である。
本実施形態では、隔壁14の構成材料として上記電気泳動粒子26(粒子表面の材料)又は分散媒21と略屈折率が同じものを用いており、これにより隔壁14と電気泳動粒子26又は分散媒21との界面で生じる光の反射を防止している。
【0045】
あるいは、分散媒21は、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼンのような長鎖アルキル基を有するベンゼン類(アルキルベンゼン誘導体)等の芳香族炭化水素類、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸エチル等ノエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ルチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル類、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、カルボン酸塩又はその他の各種油類等でも良く、これらを単独又は混合物として用いることができる。
【0046】
図2は、隔壁の構成について反射部を中心に示す平面図、図3は電気泳動表示装置の概略構成について隔壁の構成を中心に示す断面図である。図4は本実施形態に係る電気泳動表示装置100の効果を説明するための図である。
【0047】
図2及び図3に示すように、平面視正方格子状を呈する隔壁14は、素子基板300の画素電極35側の最上層に直接貼り付けられている。隔壁14内に埋設された反射部16は、対向基板310側へ突出する凸状(く字状)を呈し、隣り合う一方のセル15A側へ向かって傾斜する第1傾斜面(第1の傾斜面)16aと、他方のセル15B側へ向かって傾斜する第2傾斜面(第2の傾斜面)16bと、を有する。第1傾斜面16a及び第2傾斜面16bの基板面に垂直な法線方向に対する傾斜角度θは、30°≦θ≦60°の範囲が好ましく、35°≦θ≦50°がより好ましい。また、第1基板30からの反射部16の高さhは、セルギャップdに対して、d/2≦h≦dの範囲内で設定される。すなわち、反射部16がセルギャップdの半分よりも表示面100a側に設けられている。なお、反射部16の高さhは、反射部16の先端と第1基板30との基板面との距離で設定される。
【0048】
本実施形態に係る隔壁14は上述のように透明樹脂から構成されているため、反射部16よりも表示面100a側が透明部材から構成されたものとなっている。これにより、外部から入射した光が隔壁14を透過して反射部16へと導かれるようになっている。
【0049】
セル15Aの周囲は4つの第1傾斜面16aによって取り囲まれ、セル15Bの周囲は4つの第2傾斜面16bによって取り囲まれていることから、外部から隔壁14内へ入射してきた外光が反射部16の各傾斜面16a,16bにおいて反射されて、反射部16(隔壁14)を介して隣り合うセル15A,15Bへと入射することになる。
【0050】
本実施形態の構成によれば、外部から入射した外光のうち、隔壁14内に入射した光を隔壁14の内部に埋設された反射部16によって反射させ、各セル15内へと導光させることが可能になるので、外部から入射した光を各セルにおける表示に有効利用することができる。つまり、隔壁14内に入射した外光を対向基板310側へ向かってそのまま反射させるのではなくセル15内へと確実に反射させることができる。
【0051】
外部からの光は、透明樹脂からなる隔壁14の内部に入射し、反射部16の各傾斜面16a,16bでそれぞれ反射されてセル15A,15Bへと導かれる。
【0052】
ここで、電気泳動表示装置100は、黒表示を行う場合、表示面100a側(対向電極37側)に電気泳動粒子26の黒白色粒子26aが移動し、表示面100aと反対側(画素電極35側)に白粒子26bが移動している。また、電気泳動表示装置100は、白表示を行う場合、表示面100a側(対向電極37側)に電気泳動粒子26の白粒子26bが移動し、表示面100aと反対側(画素電極35側)に黒白色粒子26aが移動している。
【0053】
黒表示の場合、図4(a)に示すようにセル15A,15Bへ導かれた光は、黒白色粒子26aで吸収される。反射部16は上述のように表示面100a側に配置されているので、反射部16の傾斜面16a,16bで反射された光は表示面100a側に移動している黒白色粒子26aにより確実に吸収されることとなる。
【0054】
一方、白表示の場合、図4(b)に示すようにセル15A,15Bへ導かれた光は、白粒子26bで反射される。また、反射部16は上述のように表示面100a側に配置されているので、反射部16の傾斜面16a,16bで反射された光は表示面100a側に移動している白粒子26bにより確実に反射されることとなる。白粒子26bで反射された光は、反射部16の傾斜面16a,16bで再度反射されて隔壁14内を透過して表示面100aから出射される。
【0055】
なお、反射部16の断面形状は、素子基板300側へへこんだ凹形状であっても良い。ここで、図5の実線Aで示されるように、反射部16を構成する傾斜面16a,16bのなす角度が90度の場合、基板(対向基板310)のほぼ法線方向の光の多くを直接基板側に出射する構成となってしまう。そのため、図5の1点破線B及び2点破線Cで示されるように、傾斜面16a,16bのなす角度は90度よりも大きい或いは小さくすることで、基板のほぼ法線方向の光の多くを直接基板側に出射することなく、他の角度方向に反射する構成とするのが望ましい。
【0056】
また、反射部16は必ずしも平面である必要はなく、曲面であっても構わない。例えば反射部16の断面を楕円状の山型や谷(U字谷)型にしても良い。無論、隔壁14の長手方向にうねりがあっても構わない。これは隔壁14の断面位置によってその形状が若干変化することを許容することを意味する。
【0057】
本実施形態によれば、白表示の場合、隔壁14の部分は明るく見えるため、光量低下が防止された高輝度な表示を得ることができる。また、黒表示の場合、隔壁14の部分は暗く見える。このように黒表示の時は隔壁部分が黒くなり、白表示の時は隔壁部分が明るくなるので、実効的な開口率が大きくなり、明るい表示と高コントラストを両立させることができる。したがって、コントラストの高い鮮やかな画像表示が行える。また、隔壁14の幅を狭くすることなく、開口率を大きくすることができるので、隔壁14の物理的な強度を低下させることも無い。また、隔壁14の物理的な強度の低下が生じないので、本実施形態に係る電気泳動表示装置100は、特に表示面100aに対する面押し耐性強度が要求される、例えばペン等による入力機能付き表示装置の用途として好適である。
【0058】
なお、隔壁14の平面視形状としては、例えば六角格子状(図6参照)または三角格子状であってもよく、これに限られることもない。
【0059】
また、反射部16の構成としては、上述したような対向基板310側へ突出した凸状を呈する構成を例として説明したが、図7(a)に示すように反射部16が一方向に傾斜する構成としてもよい。この場合、一方向に並ぶ複数のセル15に対応する個々の反射部16が同一方向へ傾斜したものとなる。これによれば、一方向に並ぶ複数のセル15内に均等に外光を導入させることができるので、表示装置における輝度ムラを解消することができる。
【0060】
また、図7(b)に示すように反射部16を光散乱状態の面からなる構成としてもよい。このような光拡散機能を隔壁14内に持たすことで、隔壁14内にほぼ垂直に入射した光もその角度が変更され、セル15内に入射させることができる。したがって、外部から入射した光は反射部16の表面で散乱されることでセル15A,15B内に良好に導くことができる。
【0061】
また、図7(c)に示すように、隔壁14内に埋設した光反射性を有する複数のビーズ(光学部材)Bzを用いて反射部16を構成するようにしても構わない。本実施形態においては、複数のビーズBzが上記実施形態の第1傾斜面16a及び第2傾斜面16bと同様、基板面に垂直な法線方向に対して所定角度θで傾斜した方向に沿って隔壁14内に分散されている。ここで、所定角度θとしては、30°≦θ≦60°の範囲が好ましく、35°≦θ≦50°がより好ましい。これによれば、複数のビーズBzによって隔壁14内に入射した光をセル15へと良好に反射することができる。
【0062】
また、反射部16の構成としては、図8に示すように隔壁14内に埋め込まれることで当該隔壁14内に入射した光をセル15内に導光させる微粒子50から構成してもよい。図8(a)は本構成の断面図を示すものであり、図8(b)は本構成の平面図を示すものである。
【0063】
微粒子50は、白色微粒子又は金属微粒子を含む。微粒子50は隔壁50内において素子基板300側に偏在した状態に設けられている。これにより、隔壁14の上部には微粒子50が存在しない領域(微粒子不存在領域)60が設定されたものとなっている。ここで、微粒子不存在領域60の高さLは、図8(a)に示すように隔壁14の高さをdとした時、隔壁14の高さの1/8以上1/2以下の範囲に設定されている。これによれば、隔壁14内に入射した外光を微粒子50がセル15内に良好に取り込むことができる。
【0064】
また、隔壁14内に埋め込まれる微粒子50の量は、平面視した状態(第2基板31側から電気泳動表示装置100を視た状態)で隔壁14内に配置可能な微粒子50の量をaとしたとき、2a以上8a以下の範囲に設定されている。これによれば、隔壁14内に微粒子50を良好に埋め込んだ状態とすることができる。
【0065】
以上のように、図8に示した構成によれば、表示面100a側から入射した外光が隔壁14内に埋め込まれた微粒子50によってセル15内に反射されるので、コントラストの高い鮮やかな画像表示を行うことができる。また、隔壁14内に微粒子50を埋め込むことで反射部16を簡便に構成することができる。なお、本説明では、微粒子50が隔壁14内において素子基板300側に偏在した場合を例に挙げたが、隔壁14の高さ方向の全域に亘って微粒子50が埋め込まれた構成であっても良い。
【実施例1】
【0066】
次に、実施例1における電気泳動表示装置の製造方法について述べる。
図9は、電気泳動表示装置の製造工程のフローを示す図である。図10は、電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図である。
図9及び図10に示すように、実施例1に係る電気泳動表示装置の製造方法は、隔壁部形成工程S1、傾斜部形成工程S2、反射部形成工程S3、隔壁形成工程S4、隔壁及び第1基板貼り合せ工程S5、電気泳動材料充填工程S6、隔壁及び第2基板貼り合せ工程S7、を有する。
【0067】
まず、隔壁部形成工程S1では、PET基板からなる第1基材41A上に複数の画素領域を区画する第1隔壁部42Aを形成するとともに、PET基板からなる第2基材41B上に第1隔壁部42Aに対応する第2隔壁部42Bを形成する。
【0068】
具体的には、図9(a)に示すように、第1基材41A及び第2基材41Bの表面上に、感光性樹脂材料(例えば、感光性エポキシ樹脂等)を、例えば厚さ15〜30μmとなるように、スピンコートあるいは印刷法を用いて塗布する。乾燥させた塗布膜42をレジストマスクRMを用いてフォトリソグラフィによって複数の画素領域を区画する格子状にパターニングし、図9(b)に示すように第1基材41A及び第2基材41B上に隔壁部42´をそれぞれ形成する。
【0069】
次に、傾斜部形成工程S2では、図9(c)に示すように、第1隔壁部42Aの上面側からエッチングを施して面取りを行うことによって凸部(第1係合部)43を形成し、図9(d)に示すように、第2隔壁部42Bの上面側からエッチングを施して凸部43に対応する凹部(第2係合部)44を形成する。
【0070】
次に、反射部形成工程S3では、図9(e)に示すように、第1隔壁部42Aの凸部43の表面全体に金属膜を成膜し、反射部16を形成する。凸部43上に成膜する方法としては、スパッタ法や蒸着等の真空中での成膜、他の印刷方法を用いてもよい。
【0071】
次に、隔壁形成工程S4では、図9(f)に示すように、凸部43と凹部44とを組み合わせるように第1隔壁部42A上に第2隔壁部42Bを対向配置して接着させることによって、反射部16を有した隔壁14を形成する。反射部16は、第1隔壁部42Aの第2隔壁部42Bとの境界部分に位置することとなる。第1隔壁部42Aと第2隔壁部42Bとを貼り合せた後、第1基材41A及び第2基材41Bを隔壁14から剥離する。
【0072】
なお、上記実施形態では、隔壁14の全体を透明樹脂から構成し、内部に反射部16を構成する部材を埋設する場合を例に説明したが、隔壁14は反射部16に対して表示面100aと反対側は必ずしも透明である必要は無い。すなわち、上記第2隔壁部42Bのみを透明部材から構成し、第1隔壁部42Aについては透明でない部材から構成するようにしても構わない。
【0073】
次に、隔壁−第1基板貼り合せ工程S5では、図10(a)に示すように、別途用意しておいた素子基板300に対して隔壁14を貼り合せる。ここで、素子基板300は、樹脂基板またはガラス基板からなる第1基板30上に画素電極35、トランジスタ等が画素領域ごとに形成されたものである。この素子基板300の画素電極35側の最上層に接着剤などを介して隔壁14を貼り付ける。
【0074】
次に、電気泳動材料を充填する工程S6では、図10(b)に示すように、隔壁14の各セル15内に電気泳動粒子26を多数含む分散媒21を供給する。分散媒21の供給方法としては、例えば、ディスペンサを用いた滴下法、インクジェット法(液滴吐出法)、スピンコート法、ディップコート法等の各種塗布法が挙げられるが、これらの中でも滴下法またはインクジェット法を用いるのが好ましい。滴下法またはインクジェット法によれば、各セル15に対して分散液を選択的に供給することができることから、セル15内に無駄なく、より確実に供給することができる。
【0075】
セル15内に電気泳動材料32Aを供給した後で、一定の待機時間を設けることが好ましい。これにより、図10(c)に示すように、セル15の中心部において電気泳動材料32Aの表面(液面)が低下してその断面視による形状が凹状になる。
【0076】
この後、図10(d)に示すように、電気泳動材料32Aが供給された隔壁14の開口側を封入膜5で覆うことで、電気泳動材料32Aを各セル15内に封入するようにしても良い。封入膜5の形成方法としては、例えば、水溶性高分子を水または親水性の液体(一例として、メタノール又はエタノール)に溶かして液状にし、封入液を作成する。例えば、水溶性高分子としてPVAを選択し、PVAを水に溶かして3[wt%]〜40[wt%](重量パーセント)の封入液を作成する。この封入液を、スキージ等を用いて電気泳動材料32Aが供給された後の隔壁14の開口側に塗布し、乾燥させることによって封入膜5を形成する。電気泳動材料32Aが親油性である一方、封入液は親水性であるためこれらは混和しない。このように、隔壁14の各セル15内に供給された電気泳動材料32Aの液面を覆うようにして封入膜5を形成することにより、電気泳動材料32Aを各セル15内に密閉性高く封入することができる。また、電気泳動材料32Aと対向電極37とが直接接触することがないので対向電極37の腐食を防ぐことができる。
【0077】
次に、図10(e)に示すように、隔壁−第2基板貼り合せ工程S7では、予め、樹脂基板またはガラス基板からなる第2基板31の表面全体にベタ状の対向電極37と、ホットメルト導電接着膜38とが形成された対向基板310を用意しておき、この対向基板310のホットメルト導電接着膜38側の面を、素子基板300の隔壁14の上面に貼り合せることによって、対向基板310と素子基板300とを接合させる。ホットメルト導電接着膜38は、常温で固形状をなしている熱可塑性高分子に透明金属フィラーを複数分散させてなる接着性フィルムからなる。ここでは、真空ラミネート法を用いて対向基板310を貼り合せる。
【0078】
このように、素子基板300上に隔壁14を介して対向基板310を貼り合せることによって、本実施形態の電気泳動表示装置100が得られる。
【0079】
本実施形態の電気泳動表示装置100の製造方法によれば、第1隔壁部42Aの凸部43上に反射部16を形成した後、第1隔壁部42Aと第2隔壁部42Bとを組み合わせることによって隔壁14を得ていることから、隔壁14内の所定位置に所望の反射部16を形成することができる。これにより、隔壁14内に入射した外光を効率よく各セル15へと導光させることのできる電気泳動表示装置100が得られる。
【実施例2】
【0080】
次に、実施例2における電気泳動表示装置の製造方法について述べる。
実施例2では、隔壁部形成工程S1および傾斜部形成工程S2を同時に行うことで第1隔壁部と第2隔壁部を形成する。本実施例では、ナノインプリント法を用いて、凸部43を有する第1隔壁部42Aと、凹部44を有する第2隔壁部42Bとを形成する。
まず、第1基材41Aおよび第2基材41Bの表面にレジストをそれぞれ塗布し、第1隔壁部42Aの形状に対応した第1モールドを第1基材41A上のレジストに接触させて加圧し、第2隔壁部42Bの形状に対応した第2モールドを第2基材41B上のレジストに接触させて加圧することにより、各モールドの凹凸(転写パターン)をそれぞれのレジストに転写する。このようにして、第1基材41A上に凸部43を有する第1隔壁部42Aを形成し、第2基材41B上に凹部44を有する第2隔壁部42Bを形成する。その後の工程は、先に示した第1実施例と同様である。
【0081】
本実施例のように、ナノインプリント法を用いて第1隔壁部42Aおよび第2隔壁部42Bを形成することにより、フォトリソグラフィよりも簡便に形成することができるとともに安価な装置により微細構造を形成することができる。
【実施例3】
【0082】
実施例3では、隔壁部形成工程および傾斜部形成工程において、PET基板からなる第1基材41Aおよび第2基材41Bの表面に白顔料を含有したレジストをそれぞれ塗布し、上記したナノインプリント法を用いて、白色の第1隔壁部42Aおよび第2隔壁部42Bを形成する。その後は反射部形成工程を省略して隔壁形成工程へと移行する。第1隔壁部42Aと第2隔壁部42Bとを組み合わせて隔壁14を形成した後の工程は、上記した第1実施例と同様である。
【0083】
白顔料としては、白ルチル型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタン等の酸化チタン、亜鉛華、鉛白、硫化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム等が挙げられる。また、平均粒子径が揃っている白顔料を用いてもよいし、平均粒子径が異なる白顔料を用いてもよい。
【0084】
本実施例のように、白顔料を含有したレジストを用いて形成した第1隔壁部42A及び第2隔壁部42Bにより、散乱性を有した白色の隔壁14を得ることができる。散乱性を有する隔壁14によって隔壁14内に入射した外光を散乱させて各セル内へと導光させることができる。また、本実施例によれば白顔料により散乱性を付与しているため反射部16が不要であり、スパッタにより金属膜を形成する反射部形成工程を省略することができる。
【実施例4】
【0085】
次に、実施例4における電気泳動表示装置の製造方法について述べる。
実施例4は、図8に示した構成と異なり、隔壁14の高さ方向の全域に亘って埋め込まれた微粒子50により構成された反射部16を備えた電気泳動表示装置の製造方法に関するものである。
【0086】
本実施例においては、反射部16を形成するに際し、まず隔壁14を形成する粘性材料(レジスト)に、白色微粒子又は金属微粒子を含む微粒子50を所定量添加し、撹拌する。ここで、微粒子50の添加量としては、上述のように2a以上8a以下の範囲に設定する。
【0087】
続いて、ナノインプリント法を用いて、微粒子50を含有する隔壁14を形成する。具体的に、第1基材41A又は第2基材41Bの表面にレジストを塗布し、隔壁14の形状に対応したモールドを第1基材41A又は第2基材41B上のレジストに接触させて加圧することにより、各モールドの凹凸(転写パターン)をレジストに転写し、熱硬化させる。このようにして、第1基材41A又は第2基材41B上に微粒子50が埋め込まれてなる隔壁14を形成する。その後の工程は、先に示した実施例と同様である。
【実施例5】
【0088】
次に、実施例5における電気泳動表示装置の製造方法について述べる。
実施例5は、図8に示した電気泳動表示装置の製造方法に関するものである。すなわち、実施例4と異なり、微粒子50が隔壁14内において偏在して配置されたものとなっている。
【0089】
本実施例においては、実施例4と同様、微粒子50を所定量添加したレジストを用意し、第1基材41Aの表面に該レジストを塗布し、隔壁14の形状に対応したモールドを第1基材41A上のレジストに接触させて加圧することにより、モールドの凹凸(転写パターン)をレジストに転写し、熱硬化させることで第1基材41A上に微粒子50が埋め込まれてなる隔壁14の下部を形成する。
【0090】
続いて、微粒子を添加しないレジストを用意し、第2基材41Bの表面に該レジストを塗布し、隔壁14の形状に対応したモールドを第2基材41B上のレジストに接触させて加圧することにより、モールドの凹凸(転写パターン)をレジストに転写し、熱硬化させることで第2基材41B上に微粒子50を有しない隔壁14の上部を形成する。
【0091】
続いて、第1基材41A及び第2基材41Bを貼り合せ、隔壁14の上部及び下部からなる隔壁14を形成することができる。
【実施例6】
【0092】
次に、実施例6における電気泳動表示装置の製造方法について述べる。
実施例6は、実施例5の一部を変形した電気泳動表示装置の製造方法に関するものである。
【0093】
本実施例においては、実施例4と同様、微粒子50を所定量添加したレジストを用意し、第1基材41Aの表面に該レジストを塗布し、隔壁14の形状に対応したモールドを第1基材41A上のレジストに接触させて加圧することにより、モールドの凹凸(転写パターン)をレジストに転写する。
【0094】
本実施例では、凹凸を転写した後、所定時間放置する。これにより、レジスト材料内において微粒子50を沈み込ませた後、熱硬化させることで隔壁14を形成する。このようにして、微粒子50が素子基板300側に偏在した状態に内部に設けられた隔壁14を形成することができる。
【0095】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0096】
例えば、第1隔壁部42A及び第2隔壁部42Bの形成方法に制限はないが、上記したフォトリソグラフィ法やナノインプリント法の他、スクリーン印刷法、凸版印刷法、グラビア印刷法などの印刷プロセスで形成してもよい。
また、先の実施形態では、1つの画素に1つのセル15が対応する隔壁構造となっていたが、複数の画素に1つのセル15が対応する構成としてもよい。この構成であっても、隔壁に接している画素において上記した効果を得ることができる。
【0097】
また、上記実施形態では、光学素子として電気泳動素子の場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電紙粉流体(登録商標)や、着色した油と顔料を分散させた水から画素を構成し、油と水との配置を入れ替えることでカラー表示を行うエレクトロウェッティング素子の場合についても本発明は反射部を埋設した隔壁を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0098】
d…セルギャップ、h…高さ、14…隔壁、14a…上面、15(15A,15B)…セル、16…反射部、16a…傾斜面、30…第1基板、31…第2基板、32…電気泳動層、32A…電気泳動材料、35…画素電極(第1電極)、37…対向電極(第2電極)、41A…第1基材、42A…第1隔壁部、42B…第2隔壁部、43…凸部(第1係合部)、44…凹部(第2係合部)、100…電気泳動表示装置、100a…表示面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向配置された第1基板及び第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板の間に配置され、セルを複数有するとともに反射性を有した隔壁と、
各セル内に電気泳動材料が保持されてなる電気泳動層と、
前記第1基板の前記電気泳動層側の面に設けられた第1電極と、
前記第2基板の前記電気泳動層側の面に設けられた第2電極と、
前記隔壁内に設けられる反射部と、を備え、
前記隔壁は、少なくとも前記反射部よりも表示面側が透明部材から構成されることを特徴とする電気泳動表示装置。
【請求項2】
前記反射部は、前記セルごとに対応して設けられることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
【請求項3】
前記透明部材は、前記電気泳動材料と略同じ屈折率を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気泳動表示装置。
【請求項4】
前記電気泳動材料は、分散媒と電気泳動粒子とを含むことを特徴とする請求項3に記載の電気泳動表示装置。
【請求項5】
前記分散媒又は前記電気泳動粒子が前記透明部材と略同じ屈折率を有することを特徴とする請求項4に記載の電気泳動表示装置。
【請求項6】
前記第1基板から前記反射部の先端までの高さhは、セルギャップdに対して、d/2≦h≦dの範囲内であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項7】
前記反射部は、前記セル内に光を散乱させる散乱面を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項8】
前記反射部は、前記隔壁内に設けられた光学部材から構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項9】
複数の前記光学部材が基板面に垂直な法線方向に対して前記セル側へ所定角度で傾斜した方向に沿って前記隔壁内に分散されていることを特徴とする請求項8に記載の電気泳動表示装置。
【請求項10】
前記反射部は、基板面に垂直な法線方向に対して前記セル側へ所定角度で傾斜する傾斜面を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項11】
前記傾斜面の傾斜角度が、30°≦θ≦60°の範囲内であることを特徴とする請求項10に記載の電気泳動表示装置。
【請求項12】
一方向に並ぶ前記複数のセルに対応する前記反射部が同一方向へ傾斜することを特徴とする請求項10又は11に記載の電気泳動表示装置。
【請求項13】
前記反射部は、当該隔壁を介して隣り合う一方の前記セル側へ傾斜する第1の前記傾斜面と、他方の前記セル側へ傾斜する第2の前記傾斜面と、を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の電気泳動表示装置。
【請求項14】
前記反射部が金属膜からなることを特徴とする請求項9から13のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項15】
前記隔壁が、第1隔壁部と、当該第1隔壁部に組み合わされて前記透明部材からなる第2隔壁部とにより構成され、これら前記第1隔壁部と第2隔壁部との間に前記反射部が配置されていることを特徴とする請求項9から14のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項16】
前記隔壁に白顔料が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
【請求項17】
1つの画素に1つの前記セルが対応していることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項18】
前記反射部は、前記隔壁内に埋め込まれることで当該隔壁内に入射した光を前記セル内に導光させる白色微粒子又は金属微粒子を含む微粒子から構成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項19】
前記隔壁の前記第2基板側には、前記微粒子が存在しない微粒子不存在領域が設定されており、
該微粒子不存在領域の高さは、前記隔壁の高さの1/8以上1/2以下の範囲内であることを特徴とする請求項18に記載の電気泳動表示装置。
【請求項20】
平面視した状態で前記隔壁内に配置可能な前記微粒子の量をaとしたとき、当該隔壁内に埋め込まれる前記微粒子の量は、2a以上8a以下の範囲内であることを特徴とする請求項18に記載の電気泳動表示装置。
【請求項21】
第1基材上に複数の画素領域を区画する第1隔壁部を形成するとともに、第2基板上に前記第1隔壁部に対応する前記第2隔壁部を形成する工程と、
前記第1隔壁部の上面に第1係合部を形成するとともに、前記第2隔壁部の上面に前記第1係合部に対応する第2係合部を形成する工程と、
前記第1係合部および前記第2係合部の少なくとも一方に反射部を形成する工程と、
前記第1係合部及び前記第2係合部を対向させるようにして前記第1隔壁部及び前記第2隔壁部を組み合わせることによって隔壁を形成する工程と、
前記隔壁を第1基板上に貼り合せる工程と、
少なくとも前記隔壁と前記第1基板とによって囲まれたセル内に電気泳動材料を充填する工程と、
前記第1基板上に前記隔壁を介して第2基板を貼り合せる工程と、を有することを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。
【請求項22】
前記第1係合部が凸状を呈するとともに前記第2係合部が凹状を呈しており、
前記隔壁を第1基板上に貼り合せる際、凸状の前記第1係合部を前記第1基板とは反対側に向けた状態で前記第1隔壁部を貼り合せることを特徴とする請求項21に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
【請求項1】
互いに対向配置された第1基板及び第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板の間に配置され、セルを複数有するとともに反射性を有した隔壁と、
各セル内に電気泳動材料が保持されてなる電気泳動層と、
前記第1基板の前記電気泳動層側の面に設けられた第1電極と、
前記第2基板の前記電気泳動層側の面に設けられた第2電極と、
前記隔壁内に設けられる反射部と、を備え、
前記隔壁は、少なくとも前記反射部よりも表示面側が透明部材から構成されることを特徴とする電気泳動表示装置。
【請求項2】
前記反射部は、前記セルごとに対応して設けられることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
【請求項3】
前記透明部材は、前記電気泳動材料と略同じ屈折率を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気泳動表示装置。
【請求項4】
前記電気泳動材料は、分散媒と電気泳動粒子とを含むことを特徴とする請求項3に記載の電気泳動表示装置。
【請求項5】
前記分散媒又は前記電気泳動粒子が前記透明部材と略同じ屈折率を有することを特徴とする請求項4に記載の電気泳動表示装置。
【請求項6】
前記第1基板から前記反射部の先端までの高さhは、セルギャップdに対して、d/2≦h≦dの範囲内であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項7】
前記反射部は、前記セル内に光を散乱させる散乱面を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項8】
前記反射部は、前記隔壁内に設けられた光学部材から構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項9】
複数の前記光学部材が基板面に垂直な法線方向に対して前記セル側へ所定角度で傾斜した方向に沿って前記隔壁内に分散されていることを特徴とする請求項8に記載の電気泳動表示装置。
【請求項10】
前記反射部は、基板面に垂直な法線方向に対して前記セル側へ所定角度で傾斜する傾斜面を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項11】
前記傾斜面の傾斜角度が、30°≦θ≦60°の範囲内であることを特徴とする請求項10に記載の電気泳動表示装置。
【請求項12】
一方向に並ぶ前記複数のセルに対応する前記反射部が同一方向へ傾斜することを特徴とする請求項10又は11に記載の電気泳動表示装置。
【請求項13】
前記反射部は、当該隔壁を介して隣り合う一方の前記セル側へ傾斜する第1の前記傾斜面と、他方の前記セル側へ傾斜する第2の前記傾斜面と、を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の電気泳動表示装置。
【請求項14】
前記反射部が金属膜からなることを特徴とする請求項9から13のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項15】
前記隔壁が、第1隔壁部と、当該第1隔壁部に組み合わされて前記透明部材からなる第2隔壁部とにより構成され、これら前記第1隔壁部と第2隔壁部との間に前記反射部が配置されていることを特徴とする請求項9から14のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項16】
前記隔壁に白顔料が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
【請求項17】
1つの画素に1つの前記セルが対応していることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項18】
前記反射部は、前記隔壁内に埋め込まれることで当該隔壁内に入射した光を前記セル内に導光させる白色微粒子又は金属微粒子を含む微粒子から構成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項19】
前記隔壁の前記第2基板側には、前記微粒子が存在しない微粒子不存在領域が設定されており、
該微粒子不存在領域の高さは、前記隔壁の高さの1/8以上1/2以下の範囲内であることを特徴とする請求項18に記載の電気泳動表示装置。
【請求項20】
平面視した状態で前記隔壁内に配置可能な前記微粒子の量をaとしたとき、当該隔壁内に埋め込まれる前記微粒子の量は、2a以上8a以下の範囲内であることを特徴とする請求項18に記載の電気泳動表示装置。
【請求項21】
第1基材上に複数の画素領域を区画する第1隔壁部を形成するとともに、第2基板上に前記第1隔壁部に対応する前記第2隔壁部を形成する工程と、
前記第1隔壁部の上面に第1係合部を形成するとともに、前記第2隔壁部の上面に前記第1係合部に対応する第2係合部を形成する工程と、
前記第1係合部および前記第2係合部の少なくとも一方に反射部を形成する工程と、
前記第1係合部及び前記第2係合部を対向させるようにして前記第1隔壁部及び前記第2隔壁部を組み合わせることによって隔壁を形成する工程と、
前記隔壁を第1基板上に貼り合せる工程と、
少なくとも前記隔壁と前記第1基板とによって囲まれたセル内に電気泳動材料を充填する工程と、
前記第1基板上に前記隔壁を介して第2基板を貼り合せる工程と、を有することを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。
【請求項22】
前記第1係合部が凸状を呈するとともに前記第2係合部が凹状を呈しており、
前記隔壁を第1基板上に貼り合せる際、凸状の前記第1係合部を前記第1基板とは反対側に向けた状態で前記第1隔壁部を貼り合せることを特徴とする請求項21に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−7985(P2013−7985A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198298(P2011−198298)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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