説明

電気洗濯機

【課題】 内槽の内部に設けられた突起部から排出された洗濯水あるいはすすぎ水を、洗濯工程で利用することが可能な電気洗濯機を提供する。
【解決手段】 ドラム式の電気洗濯機において、ドラム槽100は、その回転に伴って衣類を上方へ持ち上げる突起部200を内部に備え、突起部200は、その左右側面に形成され、ドラム槽の回転時に内部に水を給水する給水部210と、その上面に形成され、ドラム槽100の回転時に内部から水を排水する排水部220とを備えるとともに、その内部を2室に仕切る仕切板230を備え、給水部210は、突起部200の左右側面に形成された帯状の溝部211と、この溝部211に形成された複数の給水穴212とを備え、排水部220は、突起部200の上面に配置された複数の小穴を、突起部200の長手方向に沿って直線状に配置された2つの小穴列221で構成され、小穴列221は、互い違いに配置され、仕切板230は、互い違いに配置された小穴列を左右に分けるように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内に回転軸をほぼ水平位置に配置した円筒形状のドラム槽を備えたドラム式洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のドラム式と呼ばれる電気洗濯機は、筐体内に回転軸をほぼ水平位置に配置した円筒形状のドラム槽と、筐体前面に配置され、ドラム槽に衣類を出し入れする衣類投入口とを備え、衣類投入口から投入された衣類を、ドラム槽を回転させながら洗浄、すすぎ、脱水等の洗濯工程を経て洗濯を行うことが一般的である。
【0003】
このようなドラム式洗濯機では、上記洗濯工程において発生する糸くず等が洗濯物に再付着して洗浄力やすすぎ能力を低下させることがある。
【0004】
上記洗濯工程で発生した糸くず等を洗濯物に再付着させないための技術として、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されているように、ドラム槽の内側に配置されたバッフルあるいはリフターと呼ばれる突起部にフィルターを設け、このフィルターにより糸くず等を除去する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平4−93086号公報
【特許文献2】特開2011−78483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1には、中空状に形成されたバッフルの内部に案内板を設けると共に、バッフルの上面にフィルターを設ける技術が開示されている。そして、ドラム槽を回転させることにより、案内板を介してバッフル内に洗濯水あるいはすすぎ水を取り込み、フィルターを通過させることにより、洗濯水あるいはすすぎ水からリント(糸くず)を取り除き、糸くずが取り除かれた洗濯水あるいはすすぎ水が排水されるようになっている。
【0007】
また、上記特許文献2には、中空状に形成されたバッフルの内部を仕切部により2室に仕切ると共に、各室の形状及び大きさに合わせてフィルターを出し入れ可能に収納する技術が開示されている。そして、ドラム槽を回転させると、バッフル側面に形成された入水口から洗濯水あるいはすすぎ水をバッフル内部に取り込み、フィルターを通過させることにより、洗濯水からリント(糸くず)を取り除き、糸くずが取り除かれた洗濯水あるいはすすぎ水が排水されるようになっている。
【0008】
一方、ドラム式洗濯機においては、省エネや節水の観点から、バッフルから排水される洗濯水あるいはすすぎ水を、洗濯工程で利用することも検討されている。
【0009】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2の技術は、洗濯工程において発生した糸くず等をフィルターを通して取り除くことを目的とするものであり、バッフルから排水される洗濯水あるいはすすぎ水を洗濯工程で利用することについては配慮されていない。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、バッフルあるいはリフターと呼ばれる突起部から排水される洗濯水あるいはすすぎ水を、洗濯工程で利用することが可能な電気洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明に係る電気洗濯機は、筐体内に回転軸をほぼ水平にするドラム槽を備え、このドラム槽に衣類を出し入れする衣類投入口を前記筐体の前面に備えたドラム式の電気洗濯機において、前記ドラム槽は、その回転に伴って前記衣類を上方へ持ち上げる突起部を内部に備え、前記突起部は、その左右側面に形成され、前記ドラム槽の回転時に内部に水を給水する給水部と、その上面に形成され、前記ドラム槽の回転時に内部から水を排水する排水部とを備えるとともに、その内部を2室に仕切る仕切板を備え、前記給水部は、前記突起部の左右側面に形成された帯状の溝部と、この溝部に形成された複数の給水穴とを備え、前記排水部は、前記突起部の上面に配置された複数の小穴を、前記突起部の長手方向に沿って直線状に配置された2つの小穴列で構成され、前記小穴列は、互い違いに配置され、前記仕切板は、互い違いに配置された前記小穴列を左右に分けるように配置されるようにする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、バッフルあるいはリフターと呼ばれる突起部の内部から排水される洗濯水あるいはすすぎ水を、洗濯工程で利用することが可能な電気洗濯機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明に係る電気洗濯機の外観図である。
【図2】この発明に係る電気洗濯機の縦断面概略図である。
【図3】この発明に係る内槽の外観図である。
【図4】第1の実施形態に係るリフターの外観図である。
【図5】背面から見たリフターの部分拡大図である。
【図6】リフターへの給水状態を示す図である。
【図7】リフターからの排水状態を示す図である。
【図8】第2の実施形態に係るリフターの外観図である。
【図9】第3の実施形態に係るリフターの外観図である。
【図10】第4の実施形態に係るリフターの外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図1から図10を参照して説明する。図1から図7が第1の実施形態を説明する図、図8が第2の実施形態を説明する図、図9が第3の実施形態を説明する図、図10が第4の実施形態を説明する図である。なお、同一の部材または部位は同一符号を以って示し、重複した説明は省略する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1から図7を参照して、本発明の第1の実施形態に係る電気洗濯機について説明する。まず、図1から図4を参照して、第1の実施形態に係る電気洗濯機の構成について説明する。
【0016】
図1は、第1の実施形態に係る電気洗濯機の外観図であり、図1(a)が斜視図、図1(b)が開扉状態の斜視図である。図2は、第1の実施形態に係る電気洗濯機の縦断面概略図である。図3は、内槽の外観図であり、図3(a)が平面図、図3(b)が正面図、図3(c)が右側面図、図3(d)がB−B断面図、図3(e)がA−A断面図である。図4は、リフターの外観図であり、図4(a)が斜視図、図4(b)が断面図、図4(c)が左側面図、図4(d)が平面図、図4(e)が背面図である。図5は、背面から見たリフターに部分拡大図である。図6は、リフターへの給水状態を示す図であり、図6(a)が給水前の状態図、図6(b)が給水中の状態図、図6(c)が給水後の状態図である。図7は、リフターからの排水状態を示す図であり、図7(a)は排水前の状態図、図7(b)および図7(c)は排水中の状態図である。
【0017】
最初に、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る電気洗濯機の外観構成について説明する。
【0018】
図1において、符号1で総括的に示す電気洗濯機は、箱形の筐体10内に図示しない円筒形のドラム槽を横姿勢で配置したドラム式の電気洗濯機である。この実施形態では、筐体10を、箱形の筐体10の骨格を構成するベース筐体11と、このベース筐体11の前面を覆うフロントカバー12と、ベース筐体11の上面を覆う天板13とを含んで構成されている。
【0019】
フロントカバー12は、前パネル部材14と、この前パネル部材14の上部に設けられ、樹脂材料で形成されたパネル部材15とで構成され、前パネル部材14とパネル部材15は、図示しないネジ等を介してベース筐体11に取り付けられる。
【0020】
前パネル部材14には、円形に開口される衣類投入口20が形成され、この衣類投入口20を覆うように円形の開閉扉30が、図示しない蝶番機構と開閉ロック機構を介して開閉可能に取り付けられる。
【0021】
開閉扉30は、リング状の前枠31と、この前枠31の裏面を覆うように取り付けられる図示しない後枠と、前枠31と後枠との間で保持される透明窓32とで構成され、透明窓32は、衣類投入口20内に嵌り込むように、内側に大きく張り出して形成されている(図2参照)。また、開閉扉30は、リング状の前枠31と連続するように形成されたハンドル33を備えている。
【0022】
パネル部材15は、正面から見て左右に2分割して構成されており、正面左側を洗剤ケース16、正面右側を操作パネル17としている。
【0023】
洗剤ケース16は、筐体10に対して開閉可能に設けられており、内部に洗剤投入口16aを備えている。
【0024】
次に、図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る電気洗濯機の概略内部構成について説明する。
【0025】
図2において、電気洗濯機1は、ドラム槽100と、回転機構110と、排水弁120と、給水水路130と、排水水路140と、排水口150と、突起部200(以下、リフターという)を備えるとともに、この電気洗濯機1を統括的に制御する制御部(図示省略)とを備えている。
【0026】
ドラム槽100は、外槽101と内槽102とから構成され、回転機構110により内槽102が回転するように構成されている。また、外槽101と内槽102との間には、洗濯水あるいはすすぎ水が溜められるようになっている。
【0027】
次に、図3を参照して、内槽の構成について説明する。図3において、内槽102は、胴板103と底板104と枠体105とで、その骨格が構成される。
【0028】
内槽102の内側には、その深さ方向を長手方向とし、この長手方向に位置する面が左右の側面となるように配置された複数のリフター200が設けられている。このリフター200は、内槽102の回転に伴って衣類を上方へ持ち上げるようになっている。なお、本実施形態では、3個のリフター200が等間隔で設けられている。
【0029】
胴板103は、複数の突起107とこの突起107の周囲に形成された小穴108とからなるパターン109を備えている。突起107は、洗浄工程において、内槽102の回転に伴って衣類と接触し、汚れを落とすのに使用される。また、小穴108は、洗浄工程およびすすぎ工程における水の取り込みや、脱水工程における水の排出などに使用される。
【0030】
次に、図1から図3を参照して、電気洗濯機1の動作について説明する。電気洗濯機1の洗濯工程は、主に洗浄、すすぎ、脱水の3工程からなる。以下、一例として、洗浄工程での動作について説明する。
【0031】
まず、ハンドル33を操作して開閉扉30を開き、衣類投入口20から洗濯物を内槽102内に投入して開閉扉を閉める。開閉扉30を閉めた後、操作パネル17を操作して電源投入および洗濯コースを選択すると、制御部は、衣類の量を自動的に判別するとともに、給水量と洗剤量、洗濯時間等を決定する。
【0032】
給水量が決定すると、制御部は給水弁(図示省略)を開いて水の供給を開始するように制御し、給水水路130を介して水の供給を開始する。供給された水は、洗剤投入口16aから投入された洗剤と混ざって洗濯水を生成し、この洗濯水が外槽101と内槽102の間に溜められる。
【0033】
給水量が決定された量に達すると、制御部は給水弁を閉じて水の供給を止めるように制御するとともに、内槽102を回転させるように制御する。そして、内槽102の回転に伴って、外槽101と内槽102の間に溜められた洗濯水が小穴108から内槽102内に供給されるとともに、リフター200により洗濯物を上方へ持ち上げ、持ち上げた洗濯物を下方へ落とすようにすることで、洗濯物の洗浄(洗浄工程)を行う。
【0034】
洗濯物の洗浄が終了すると、制御部は排水弁を開いて洗濯水を排水するように制御し、洗浄工程において内槽102の下方102aに溜まる洗濯水を、排水水路140を経由して排水口150から排水される。なお、洗浄工程の途中で内槽102の下方102aに洗濯水が溜まった場合も、同様にして排水が行われる。
【0035】
この実施形態に係る電気洗濯機1の大きな特徴の一つは、リフターの構成にある。この特徴的なリフターの構成について、図4および図5を参照して説明する。
【0036】
図4において、リフター200は、側面201に形成された給水部210と、上面202に形成された排水部220とを備え、全体として、略台形状の外観を備えている。
【0037】
側面201(左側面201aと右側面201b)には、図4(b)で示すように、2段の帯状の溝部211が形成されており、この帯状の溝部211に形成された複数の給水穴212(図4(a)参照)により、給水部210(左側給水部210aと右側給水部210b)が構成されている。
【0038】
上面202には、複数の小穴からなる排水部220が設けられている。この排水部220は、リフター200の長手方向に沿って配置された2つの小穴列221(左回転用排水部221aと右回転用排水穴221b)で構成されており、左回転用排水部221aと右回転用排水穴221bは、その位置が互い違いとなるように配置されている。
【0039】
リフター200の内部は中空状に形成されており、この中空状の内部を2室に仕切る仕切板230を有し、仕切板230は、左回転用排水部221aと右回転用排水部221bを仕切るように配置されている。
【0040】
つまり、実施形態に係るリフターの特徴は、リフター200の左側面201aおよび右側面201bに、溝部211とこの溝部211に形成された複数の給水穴212とからなる給水部210を設けた構成にある。
【0041】
このような構成とすることにより、内槽102の回転に伴い、給水部210を介してリフター200の内部に洗濯水あるいはすすぎ水を給水する際、溝部211にも水が溜まるので、給水穴212からリフター200の内部に直接給水される水に加え、溝部211に溜まった水も給水穴212を介してリフター200の内部に供給されるので、リフター200の側面に給水穴のみが形成された従来の電気洗濯機と比べ、給水効率を向上させることができる。
【0042】
さらに、給水部210を左側面201aおよび右側面201bに設けているので、左方向(時計回り)および右方向(反時計回り)の何れの回転方向でも給水効率を向上させることができる。
【0043】
また、この実施形態に係る電気洗濯機1の大きな特徴の他の一つは、リフター200の上面202に形成される排水部220を、左回転用排水部221aと右回転用排水部221bに分けて形成し、この左回転用排水部221aと右回転用排水部221bを互い違いに配置するとともに、左回転用排水部221aと右回転用排水部221bを仕切るように配置される仕切板230の形状を、波形形状とした構成にある。
【0044】
このような構成とすることにより、図5で示すように、左回転用排水部221aおよび右回転用排水部221bを構成する小穴の周囲が半円状に囲まれるので、リフター200の内部に供給された洗濯水が、仕切板230に当たり矢印Aで示すように小穴へ導かれる。このため、リフター200から排水される水の量が増えるとともに、上方から下方へシャワー状に排水され、排水された洗濯水が洗濯物をたたくようにして濡らす状態、即ち、洗濯物をたたき洗いするような状態となるので、リフター200から排水される洗濯水を洗浄工程で利用することができる。
【0045】
次に、図6および図7を参照して、リフター内部への給水動作およびリフター内部からの排水動作について説明する。
【0046】
図6(a)において、内槽102と外槽101(図2参照)の間に貯留している洗濯水は、胴板103に形成された小穴108等を介して内槽の内部に給水される。給水された洗濯水は、内槽の内部底面に徐々に溜まり、所定の水位、例えば、図6(b)で示すように、リフター200の左右両側面に形成された給水部210(左側給水部210aと右側給水部210b)が隠れるくらいの水位に達すると、左側給水部210aおよび右側給水部210bを介して、リフター200の内部、即ち、仕切板230で仕切られた2室(第1貯水室240と第2貯水室250)のそれぞれに白抜き矢印方向から洗濯水が給水される。
【0047】
第1貯水室240および第2貯水室250に洗濯水が給水された状態で、内槽102を矢印B方向(右方向/反時計回り)へ回転させると、図6(c)で示すように、リフター200が上方へ持ち上がるため、第1貯水室240に給水された洗濯水の一部が、左側給水部210aを介して白抜き矢印方向に排水される。
【0048】
同時に、第2貯水室250に給水された洗濯水は、図6(c)で示すように、リフター200の内部中央に配置された仕切板230の方向へ移動する。
【0049】
図6(c)の状態から、更に内槽102を矢印B方向に回転させると、図7(a)で示すように、第1貯水室240に貯水された洗濯水は、左側給水部210aを介して白抜き矢印方向に排水され、その残量が更に減った状態となる。
【0050】
この状態から、更に内槽102を矢印B方向に回転させると、図7(b)で示すように、第1貯蔵室240は、給水された洗濯水が全て左側給水部210aを介して排水され、第1貯水室240が空となる。同時に、第2貯水室250に貯水された洗濯水は、その一部がリフター200の上面202に形成された排水部221(右回転用排水部221b)を介して白抜き矢印方向、即ち、内槽102の内部に向けて排出された状態となる。
【0051】
この状態から、更に、内槽102を矢印B方向へ回転させると、図7(c)で示すように、第2貯水室250に貯水された洗濯水が上方から下方に向けてほぼ垂直に排水、即ち、白抜き矢印方向へシャワー状に排水され、排水された洗濯水は、内槽102に投入された衣類を叩くように衣類を濡らすようになっている。
【0052】
このように、本実施形態によれば、通常の衣類を濡らす工程に加え、内槽102の回転に伴って、リフター200の上面202から衣類に向けて洗濯水を供給することができるので、短時間で衣類をまんべんなく濡らすことができる。特に、本実施形態では、リフター200の上面202から排出される洗濯水がほぼ垂直に衣類に当たるので、洗浄工程におけるたたき洗いの効果を得ることができる。
【0053】
なお、上記実施形態では、洗濯水の給水動作および排水動作について説明したが、すすぎ水の給水動作および排水動作でも同様の動作となる。特に、すすぎ水の排水動作においては、洗濯水の排水動作と同様、短時間で衣類をまんべんなく濡らすことができるので、少量の水ですすぎ工程を行うことができる。
【0054】
また、上記実施形態では、内槽102を矢印B方向(右方向/反時計回り)に回転させた状態で説明したが、矢印C方向(左方向/時計回り)に回転させた状態でも同様の作用効果を得ることができる。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、図8を参照して、本発明に係る電気洗濯機の第2の実施形態について説明する。図8は、第2の実施形態に係るリフターの外観図であり、図8(a)が平面図、図8(b)が背面図である。
【0056】
この第2の実施形態に係る電気洗濯機は、リフターの構成のみが上述した第1の実施形態と相違しており、他の部分の構成および動作については、上述した第1の実施形態と同一の構成を備えている。以下、第2の実施形態に係るリフターの構成について説明し、その他の部分については、詳細な説明を省略する。
【0057】
図8において、この実施形態に係るリフター200aは、上面202に形成される排水穴260の形状を、上面202の幅一杯に形成されたトラック形状とし、このトラック形状の排水穴206を左右に仕切るように、リフター200aの背面に仕切板230aを設けた構成を特徴としている。
【0058】
このような構成とすることで、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
なお、リフター200aには図示されていないが、上述した第1の実施形態と同様、リフター200aの左右側面には、帯状の溝部211とこの溝部211に形成された複数の給水穴212とからなる給水部210(左側給水部210a、右側給水部210b)を備えている。
【0060】
(第3の実施形態)
次に、図9を参照して、本発明に係る電気洗濯機の第3の実施形態について説明する。図9は、第3の実施形態に係るリフターの外観図であり、図9(a)が平面図、図9(b)が背面図である。
【0061】
この第3の実施形態に係る電気洗濯機は、リフターの構成のみが上述した第1の実施形態と相違しており、他の部分の構成および動作については、上述した第1の実施形態と同一の構成を備えている。以下、第3の実施形態に係るリフターの構成について説明し、その他の部分については、詳細な説明を省略する。
【0062】
図9において、この実施形態に係るリフター200bは、上面202に形成される2列の排水部(左回転用排水部221a、右回転用排水部221b)が隣り合うように配置し、この左回転用排水部221aと右回転用排水部221bを左右に仕切るように、リフター200の背面に仕切板230aを設けた構成を特徴としている。
【0063】
このような構成とすることで、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0064】
なお、リフター200bには図示されていないが、上述した第1の実施形態と同様、リフター200bの左右側面には、帯状の溝部211とこの溝部211に形成された複数の給水穴212とからなる給水部210(左側給水部210a、右側給水部210b)を備えている。
【0065】
(第4の実施形態)
次に、図10を参照して、本発明に係る電気洗濯機の第4の実施形態について説明する。図10は、第4の実施形態に係るリフターの外観図であり、図10(a)が斜視図、図10(b)が断面図である。
【0066】
この第4の実施形態に係る電気洗濯機は、リフターの構成のみが上述した第1の実施形態と相違しており、他の部分の構成および動作については、上述した第1の実施形態と同一の構成を備えている。以下、第4の実施形態に係るリフターの構成について説明し、その他の部分については、詳細な説明を省略する。
【0067】
図10において、この実施形態に係るリフター200cは、左右側面にそれぞれ5段の帯状の溝部211を形成し、各溝部211にそれぞれ給水穴212を配置した構成を特徴としている。
【0068】
このような構成とすることで、リフターの左右側面に多数の給水穴を形成することができるので、給水効率をより向上させることができる。
【0069】
なお、リフター200cの左右側面の構成以外の各部構成および動作については、上述した第1の実施形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0070】
1…電気洗濯機、10…筐体、11…ベース筐体、12…フロントカバー、13…天板、14…前パネル部材、15…パネル部材、16…洗剤ケース、16a…洗剤投入口、17…操作パネル、20…衣類投入口、30…開閉扉、31…前枠、32…透明窓、33…ハンドル、100…ドラム槽、101…外槽、102…内槽、103…胴板、104…底板、105…枠体、107…突起、108…小穴、109…パターン、110…回転機構、120…排水弁、130…給水水路、140…排水水路、150…排水口、200…リフター、200a…リフター(突起部)、201…側面、201a…左側面、201b…右側面、202…上面、210…給水部、210a…左側給水部、210b…右側給水部、211…溝部、212…給水穴、220…排水部、221…小穴列、221a…左回転用排水部、221b…右回転用排水穴、230…仕切板、230a…仕切板、240…第1貯水室、250…第2貯水室。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に回転軸をほぼ水平にするドラム槽を備え、このドラム槽に衣類を出し入れする衣類投入口を前記筐体の前面に備えたドラム式の電気洗濯機において、
前記ドラム槽は、その回転に伴って前記衣類を上方へ持ち上げる突起部を内部に備え、
前記突起部は、その左右側面に形成され、前記ドラム槽の回転時に内部に水を給水する給水部と、その上面に形成され、前記ドラム槽の回転時に内部から水を排水する排水部とを備えるとともに、その内部を2室に仕切る仕切板を備え、
前記給水部は、前記突起部の左右側面に形成された帯状の溝部と、この溝部に形成された複数の給水穴とを備え、
前記排水部は、前記突起部の上面に配置された複数の小穴を、前記突起部の長手方向に沿って直線状に配置された2つの小穴列で構成され、
前記小穴列は、互い違いに配置され、
前記仕切板は、互い違いに配置された前記小穴列を左右に分けるように配置されている
ことを特徴とする電気洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載の電気洗濯機において、
前記仕切板は、波形に形成されている
ことを特徴とする電気洗濯機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電気洗濯機において、
前記小穴列は、左右並列に配置されている
ことを特報とする電気洗濯機。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の電気洗濯機において、
前記小穴は、前記突起部の上面に配置された複数のトラック状の小穴で形成され、
前記トラック状の小穴は、前記突起部の長手方向に沿って1列に配置され、
前記仕切板は、1列に配置された前記トラック状の小穴を左右に分けるように配置されている
ことを特徴とする電気洗濯機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−74964(P2013−74964A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216017(P2011−216017)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】