説明

電気浸透脱水機

【課題】従来の機械圧搾では難しい脱水対象物の分子間の水素結合による結合水まで効率よく低含水状態の脱水が可能で、かつ故障が少なく、メンテナンス性に優れた電気浸透作用を安定的に維持すると共に、斑のない均一かつ十分な電気浸透作用を得ることができる電気浸透脱水機を提供する。
【解決手段】前段の非電気浸透部Aには投入口1が開設され、スクリューコンベア2により偏心回転される可動プレートを遊嵌した非電気浸透部濾過体3の終端部と絶縁部Bの絶縁部中空円筒9を介装して、直流電源装置19の正極から接触子18の摺接により正電圧に印加される電気浸透部陽電極軸2Cを遊嵌し、該装置19の陰極から接触子18の摺接により負電圧に印加される偏心軸14の偏心回転駆動により、電気浸透部可動プレートに負電圧を印加しながら偏心回転される電気浸透部濾過体10の終端開口部を排出口13とした後段の電気浸透部Cから構成された電気浸透脱水機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば、下水処理場、し尿処理場、畜産農業、食料品製造業、化学工業などの有機性排水の処理施設において発生する、有機性汚泥を電気浸透作用にて濾水と懸濁微粒子とを低含水率の固形状に効率よく分離するための電気浸透脱水機に関するものである
【背景技術】
【0002】
現在、下水処理場、し尿処理場、畜産農業、食料品製造業、化学工業などの有機性排水の処理場において発生する脱水ケーキは埋め立て、焼却等によって処分されている。しかし年々処分場の受入可能容量の減少、原油高騰による焼却費用の増加、焼却によるCO2発生の環境破壊が問題となっており、このような状況の中、今後も下水道整理が進み有機性汚泥の発生量の増加が見込まれることから、有機性汚泥に含まれる水分を可能な限り除去した状態で処分することが課題となっており、有機性汚泥に含まれる水分を除去するほど排出処分の重量と容積量は減量できるが、筒状のパンチングスクリーン内に出口に向かうにつれて拡大する円錐状の内筒コーンの外周に、スクリュー羽根を稙設させた構成の機械圧搾によって脱水するスクリュープレス(例えば、特許文献1参照。)は公知であり、運転を継続するにつれてパンチングスクリーンの孔径に脱水対象物が目詰まりし、水分を機外に排出することが困難になり、一度目詰まりした状態から復旧することが難しいと共に、該機械圧搾の脱水方法では、汚泥に含水される分離水を除去する場合には効果的であるが、分子間の水素結合による結合水まで分離しようとした場合には、該結合水まで脱水することは困難であり、効率よく低含水状態に脱水することができないこという問題を有している。
【0003】
そのために、脱水対象物に直流電圧を印加することで脱水対象物の分子間に含まれた、水素結合による結合水を陰極側に集約させることで、分離水を分離させることができる電気浸透作用を用いて直流電圧の陽極をスクリューに接続し、陰極を筒状のストレーナに接続して、ホッパから投入された脱水対象物がスクリューによって搬送され、上記接続の陽極と陰極間の電気浸透作用によって、分子間に含まれた該結合水が陰極に印加されたストレーナの内周側に移動させて、電気浸透が作用するスクリューによって、脱水対象物を脱水搬送排出するよう構成された電気浸透式スクリュー脱水機は公知である(例えば、特許文献2参照。)
しかしながら、前記特許文献2の構成では電気浸透作用を用いて直流電圧の陽極をスクリューに接続し、陰極を筒状のストレーナに接続して、ホッパから投入された脱水対象物がスクリューによって搬送され、上記接続の陽極と陰極間の電気浸透作用によって、分子間に含まれた該結合水が陰極に印加されたストレーナ内周側に移動されて、脱水対象物の内部は超低含水の固化状態となり、内装されたスクリューブレードが恰も錐刃の如く超低含水の固化状態となった脱水対象物を繰り抜くように、該脱水対象物をドリリング搬送排出されてしまうことで、電気浸透が作用するスクリューのブレード間に発生する空洞化の絶縁現象によって、電圧を印加した際に電流が流れずに絶縁箇所となり、電気浸透作用を安定的に維持することが出来ないという問題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−347398号公報 (第1−3図)
【特許文献2】実開平5−39289号公報 (第1−3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1の電気浸透の作用を有しない機械圧搾によって脱水するスクリュープレスにおいては、パンチングスクリーンの孔径に脱水対象物が目詰まりし、水分を機外に排出することが困難であり、一度目詰まりした状態から復旧することが難しいことに加えて、従来の機械圧搾の脱水では脱水対象物の含水率85%(水分が85%、固形物分が15%)程度が限界といわれており、それ以上脱水するには脱水対象物の分子間の水素結合による結合水まで分離しなければならないことから、該結合水まで脱水することは従来の機械圧搾では困難であり、効率よく低含水状態に脱水することができないという欠点があった。
【0006】
また、前記特許文献2の電気浸透式スクリュー脱水機においては、電気浸透作用を用いて直流電圧の陽極をスクリューに接続し、陰極を筒状のストレーナに接続して、ホッパから投入された脱水対象物がスクリューによって搬送され、上記接続の陽極と陰極間の電気浸透作用によって、分子間に含まれた該結合水が陰極に印加されたストレーナ内周側に移動されて、脱水対象物の内部は超低含水の固化状態となり、内装されたスクリューブレードが恰も錐刃の如く超低含水の固化状態となった脱水対象物を繰り抜くように、該脱水対象物をドリリング搬送排出されてしまうことで、電気浸透が作用するスクリューのブレード間に発生する空洞化の絶縁現象によって、電圧を印加した際に電流が流れずに絶縁箇所となり、電気浸透作用を安定的に維持することが出来ないと共に、本来該スクリュー軸外周面からストレーナ内周面に均一に電流を流すことで、分子間に含まれた該結合水が陰極に印加されたストレーナ内周面に均一移動させることで、斑のない均一な電気浸透作用を機能させたいところであるが、抵抗が小さいところに電流が流れや易いという電気の性質上、スクリュー軸から外周方向に突出したスクリューブレード外周面から該ストレーナ内周面に恰も短絡するように電流が流れてしまうことで、スクリュー軸外周面とストレーナ内周面間には十分な電流が流れないことから、分子間に含まれた該結合水が陰極に印加されたストレーナ内周面に不均一に移動させることで、十分な電気浸透作用を得ることが出来ないという欠点があった。
【0007】
そこで、本発明は前記問題点を鑑み、機械圧搾では難しい脱水対象物の分子間の水素結合による結合水まで効率よく低含水状態の脱水が可能で、かつ故障が少なく、メンテナンス性に優れた電気浸透作用を安定的に維持すると共に、斑のない均一かつ十分な電気浸透作用を得ることができる電気浸透脱水機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するために本発明の請求項1に係る発明は、前段の非電気浸透部の始端部に脱水対象物を投入する投入口を開設し、該非電気浸透部の終端部と後段の電気浸透部の始端部には、所定の絶縁間隔を隔てて絶縁部中空円筒を介装し、該電気浸透脱水部は多数の環状の電気浸透部固定プレートを所要の間隔を保持して積層状に配列させ、該固定プレートの各積層間にそれぞれ偏心回転することができる多数の環状の電気浸透部可動プレートを交互重畳配列に遊嵌して、上記固定と可動の各プレート間の細隙を濾水流出溝とする筒状の電気浸透部濾過体に形成し、該電気浸透部濾過体の両端に絶縁材を付設して始端開口部を、上記非電気浸透部からの脱水対象物の送り込み口とし、終端開口部を脱水ケーキの送り出しの排出口とし、中心孔には該電気浸透部濾過体内周と隙間を隔て接触しないように電気浸透部陽電極軸の両端に絶縁材を付設し、直流電源装置の正極から接触子の摺接により正電圧が印加される電気浸透部陽電極軸を回転自在に遊嵌し、該電気浸透部陽電極軸の脱水対象物の送り込み口側には、上記絶縁部中空円筒の巾より狭くした該絶縁材を介して搬送用スクリューコンベアを連接すると共に、脱水ケーキの送り出しの排出口側に該絶縁材を介して連結された第1の駆動機構により、該電気浸透部陽電極軸と搬送用スクリューコンベアを回転し、第2の駆動機構と絶縁材を介して連接され、直流電源装置の陰極から接触子の摺接により負電圧が印加される偏心軸の偏心回転駆動により、上記電気浸透部可動プレートに負電圧を印加しながら偏心回転させる構成されている。
【0009】
本発明の請求項1の電気浸透脱水機において、本発明の請求項2に係る発明は、前記非電気浸透部に多数枚の環状の非電気浸透部固定プレートを所要の間隔を保持して積層状に定着させ、該固定プレートの各積層間にそれぞれ偏心回転と共に揺振作動することができる多数の環状の非電気浸透部可動プレートを交互重畳配列に遊嵌して上記固定と可動の各プレート間の細隙を濾水流出溝とする筒状の非電気浸透部濾過体に形成し、該濾過体の始端開口部を脱水対象物の送り込み口とし終端開口部を脱水固分の送り出し口として、前記電気浸透部の始端部である脱水対象物の送り込み口に所定の絶縁間隔を隔てて絶縁部中空円筒を介装して接続し、該非電気浸透部濾過体内のスクリューコンベアのブレード外径が非電気浸透部可動プレートの内径よりも大きく該固定プレートの内径よりも小さく形成されていることから、各非電気浸透部可動プレートの内周面が、該スクリューブレード外周面の摺動回転により順次偏心摺動回転されると共に、脱水対象物の圧搾搬送を司るスクリューコンベアを該濾過体の中心孔に嵌装し、該スクリューコンベアの終端部に上記絶縁部中空円筒の巾より狭くした絶縁材を介して、前記電気浸透部陽電極軸の始端部に連接するように構成している。
【0010】
本発明の請求項1の電気浸透脱水機において、本発明の請求項3に係る発明は、前記非電気浸透部に多数枚の環状の非電気浸透部固定プレートを所要の間隔を保持して積層状に定着させ、該固定プレートの各積層間にそれぞれ偏心回転することができる多数の環状の非電気浸透部可動プレートを交互重畳配列に遊嵌して上記固定と可動の各プレート間の細隙を濾水流出溝とする筒状の非電気浸透部濾過体に形成し、該非電気浸透部濾過体内周と隙間を隔て接触しないように、脱水対象物の圧搾搬送を司るスクリューコンベアを該濾過体の中心孔に嵌装し、該スクリューコンベアの終端部に前記絶縁部中空円筒の巾より狭くした絶縁材を介して、前記電気浸透部陽電極軸の始端部に連接し、前記第2の駆動機構と絶縁材を介して連接され、直流電源装置の陰極から接触子の摺接により負電圧が印加される偏心軸の始端側に絶縁材を介して絶縁状態で導延された偏心軸の偏心回転駆動により、上記非電気浸透部可動プレートを偏心回転させるように構成している。
【0011】
本発明の請求項1の電気浸透脱水機において、本発明の請求項4に係る発明は、前記非電気浸透部に多数枚の環状の非電気浸透部固定プレートを所要の間隔を保持して積層状に定着させ、該固定プレートの各積層間にそれぞれ偏心回転することができる多数の環状の非電気浸透部可動プレートを交互重畳配列に遊嵌して上記固定と可動の各プレート間の細隙を濾水流出溝とする筒状の非電気浸透部濾過体に形成し、該非電気浸透部濾過体内周と隙間を隔て接触しないように、脱水対象物の圧搾搬送を司るスクリューコンベアを該濾過体の中心孔に嵌装し、該スクリューコンベアの終端部に前記絶縁部中空円筒の巾より狭くした絶縁材を介して、前記電気浸透部陽電極軸の始端部に連接し、第3の駆動機構に連接された偏心軸の偏心回転駆動により、上記非電気浸透部可動プレートを偏心回転させるようにしている。
【0012】
また、本発明の請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電気浸透脱水機において、本発明の請求項5に係る発明は、前記非電気浸透部のスクリューコンベアの終端軸部を末広状の円錐に拡大し、前記電気浸透部陽電極軸の始端部に絶縁材を介して連接するよう構成している。
【0013】
また、本発明の請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電気浸透脱水機において、本発明の請求項6に係る発明は、前記非電気浸透部のスクリューコンベアの終端軸部と前記電気浸透部陽電極軸の始端部の始端部を同一径として絶縁材を介して連接するよう構成している。
【0014】
更に、本発明の請求項1ないし6のいずれかに記載の電気浸透脱水機において、本発明の請求項7に係る発明は、前記第1の駆動機構と絶縁材を介して連接されて電気浸透部陽電極軸とスクリューコンベアの回転方向と、前記第2の駆動機構と絶縁材を介して連接される偏心軸の回転方向が逆回転方向に駆動するよう構成している。
【0015】
そして、本発明の請求項1ないし7のいずれかに記載の電気浸透脱水機において、本発明の請求項8に係る発明は、前記第2の駆動機構と絶縁材を介して連接される螺旋体の偏心軸で構成している。
【0016】
また、本発明の請求項4ないし8のいずれかに記載の電気浸透脱水機において、本発明の請求項9に係る発明は、前記第3の駆動機構に連接される偏心軸が螺旋体で構成している。
【0017】
更にまた、本発明の請求項1ないし9のいずれかに記載の電気浸透脱水機において、本発明の請求項10に係る発明は、前記電気浸透部濾過体の終端開口部を脱水ケーキの送り出しの排出口として、前記電気浸透部固定プレートの内径よりも僅かに小径に構成している。
【0018】
更にまた、本発明の請求項1ないし10のいずれかに記載の電気浸透機において、本発明の請求項11に係る発明は、前記電気浸透脱水機を前記投入口から電気浸透部濾過体の終端開口部を脱水ケーキの送り出しの排出口として、該排出口に向けて上向き傾斜の傾斜姿勢に構成している。
【0019】
更にまた、本発明の請求項1ないし10のいずれかに記載の電気浸透脱水機において、本発明の請求項10に係る発明は、前記電気浸透脱水機を前記投入口から電気浸透部濾過体の終端開口部を脱水ケーキの送り出しの排出口として、該排出口に向けて上向きの立設姿勢に構成している。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明に係る絶縁材により絶縁された前段の搬送用スクリューコンベアを内装した非電気浸透部と、後段の可動プレートの偏心駆動による目詰まり防止機能を有した電気浸透部の構成からなる電気浸透脱水機によれば、前段の投入口から投入された脱水対象物は非電気浸透部内に内装された、投入口側から電気浸透部の始端部に向けて漸減ピッチに形成された、上記搬送用スクリューコンベアによって、含水率の大きな前段の投入口から投入された脱水対象物は大きなピッチ部のスクリュー搬送路において素早く液分を排水しながら、次第にピッチが狭められるスクリュー搬送路に従って、脱水対象物は機械圧搾の1次脱水されながら、後段の電気浸透部の正電圧が印加される電気浸透部陽電極軸と負電圧が印加される電気浸透部濾過体内周面との環状隙間の空間内に切れ目なく均一に押込まれることで、該環状隙間の空間内には常に脱水対象物が満たされた状態であることから、該環状隙間の空間内の脱水対象物に均一かつ安定的に電圧が作用することで、該空間内の脱水対象物の分子間に含まれた結合水が負電圧が印加された電気浸透部濾過体内周面に均一移動させることで、斑のない均一かつ十分な電気浸透作用を得ることができることに加えて、上記後段の可動プレートの偏心駆動による目詰まり防止機能により、該結合水が排水されることで、従来の機械圧搾では不可能な低含水状態の脱水を可能とする効果を有すると共に、電気浸透部の該環状隙間の空間部が脱水対象物の搬送路となることから、従来品のスクリューの螺旋搬送路のように空洞化の絶縁現象を来たすことなく、かつ遮蔽部のない全通の環状搬送路に形成されるので、故障が少なく、メンテナンス性に優れた電気浸透作用を安定的に維持すると共に、斑のない均一かつ十分な電気浸透作用を得ることができるという効果を有している。
【0021】
本発明の請求項1に基づいた請求項2ないし4の発明に係る電気浸透脱水機によれば、前記電気浸透部に加えて前段の可動プレートの偏心駆動による目詰まり防止機能を有することで、前記機械圧搾の1次脱水において、非電気浸透部濾過体の濾水流出溝は常に再生されて目詰まりすることがないので、前記1次脱水はより一層低含水状態で安定的に後段の電気浸透部の始端部に押込まれることから、より一層効率のよい電気浸透作用を得ることができるという効果を奏することに加えて、請求項4の独立した前段の第3の駆動機構に連接された偏心軸の偏心回転駆動により、例えば非電気浸透部可動プレートの偏心回転の速度を可変したり、或いは発停させることで、脱水対象物の性状に応じた最適な1次脱水の制御ができるとことで、前段の非電気浸透部の目詰まりに起因した故障がなくメンテナンス性に優れた効果を有しており、特に請求項2の各非電気浸透部可動プレートの内周摺接位置をスクリューブレードの回転方向に従って、順次変位しながら遠心方向に各非電気浸透部可動プレートを夫々異なった方向に偏心駆動されることから、全て非電気浸透部可動プレートを一度に持ち上げるような、大きな偏心駆動力を必要とせずに、少ない偏心駆動力で各非電気浸透部可動プレートを順次偏心駆動させることができるという利点を有しており、このような少ない偏心駆動力で全て非電気浸透部可動プレートを偏心駆動し得る効果は請求項8,9の発明も同様でである。
【0022】
本発明の請求項1ないし請求項4のいずれか1項に基づいた請求項5の発明に係る電気浸透脱水機によれば、前記非電気浸透部のスクリューコンベアの終端軸部を末広状の円錐に拡大し、前記電気浸透部陽電極軸の始端部に絶縁材を介して連接するよう構成されたことで、前記1次脱水が強力に機械圧搾された低含水状態で後段の電気浸透部の始端部に押込まれることから、より一層効率のよい電気浸透作用を得ることができるという効果を有している。
【0023】
本発明の請求項1ないし請求項4のいずれか1項に基づいた請求項6の発明に係る電気浸透脱水機よれば、前記非電気浸透部のスクリューコンベアの終端軸部と前記電気浸透部陽電極軸の始端部を同一径として絶縁材を介して連接するよう構成したされたことで、前記1次脱水された多くの脱水対象物が円滑に安定して後段の電気浸透部の始端部に押込まれることから、電気浸透作用により効率よく多くの脱水対象物を低含水状態に排出処理ができるという効果を有している。
【0024】
本発明の請求項1ないし請求項6のいずれか1項に基づいた請求項7の発明に係る電気浸透脱水機によれば、電気浸透部濾過体内周面との環状隙間の空間内において、押込まれてくる脱水対象物と対向する電気浸透部固定プレートの内径よりも内側に偏心駆動する電気浸透部可動プレートの背面側が抵抗となると共に、該可動プレートがスクリューコンベア回転方向と逆回転することで、例えばスクリューコンベアが右に回転することで、押込まれてくる脱水対象物も同様に右回転しながら押込まれて来ることから、該可動プレートが逆回転することで該脱水対象物にせん断力が作用して、恰も雑巾を絞るような圧搾作用の働きにより、より一層水分を効率よく分離排出することができるという効果を有している。
【0025】
本発明の請求項1ないし請求項9のいずれか1項に基づいた請求項10の発明に係る電気浸透脱水機によれば、電気浸透部濾過体の終端開口部の脱水ケーキの送り出しの排出口を電気浸透部固定プレートの内径よりも僅かに小径に構成したことにより、該排出口の抗力が電気浸透作用に加えられることにより、より一層脱水対象物を低含水状態に排出処理ができるという効果を有している。
【0026】
本発明の請求項1ないし請求項10のいずれか1項に基づいた請求項11の発明に係る電気浸透脱水機によれば、前段の投入口から後段の排出口に向けて上向き傾斜の傾斜姿勢に構成したことにより、脱水対象物は重力に逆らって上方の該排出口に移動する過程において、脱水対象物には常に重力分離作用が働き、該重力分離作用による水分の分離作用は上方の排出口に近づくにつれ、その作用が大きく機能されること相俟って、より一層脱水対象物を低含水状態に排出処理ができるという効果に加えて、電気浸透脱水機を狭いスペースに設置できると効果を有しており、特に後段の排出口に向けて上向きの立設姿勢に構成された請求項12の発明においては、これらの効果がより一層顕著に機能される。
【0027】
即ち、本発明の請求項1ないし請求項12の発明に係る電気浸透脱水機によれば、従来の機械圧搾の脱水では脱水対象物の含水率85%(水分が85%、固形物分が15%)程度が限界であり、本発明においては電気浸透作用を活用することで、更に含水率が低減されるということは、水分のみがさらに除去され固形物分は変わらないということなので、例えば脱水対象物の重量が100kgの場合には、含水率85%に脱水された脱水対象物の「水分=100kg×0.85=85kg」と「固形物分=100kg×0.15=15kg」となり、更に含水率を70%に低減された脱水対象物の水分と固形物分の割合は、水分70%,固形物分30%とに変化した含水率70%の脱水対象物の重量は、上記含水率85%時の固形物分15kgに基づいて「固形物分15kg÷(30%/100)=50kg」となることから、脱水対象物の含水率を85%から70%に低減することで、脱水対象物の重量が100kgから半分の50kgとなり、脱水対象物の比重を1とすれば、脱水対象物の容量は1/2の半分に減容化されることから、脱水排出される脱水対象物に係る処理費用は運搬費を含めて、従来の半分での極めて安価な処理のランニングコストで済むという従来にない利点を有しております。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例1の電気浸透脱水機の本体断面を示す参考図である。
【図2】図1の電気浸透脱水部から排出部にかけての要部拡大断面図を示す参考図である。
【図3】図1のA−A線矢視方向の縦断正面図である。
【図4】本発明の実施例2の非電気浸透部に機械圧搾機能を備えている本体断面を示す参考図である。
【図5】図4の非電気浸透部から絶縁部にかけての要部拡大断面図を示す参考図である。
【図6】本発明の実施例3の非電気浸透部に偏心駆動方式機械圧搾機能を備えている本体断面を示す参考図である。
【図7】本発明の図6の非電気浸透部から絶縁部にかけての要部拡大断面図を示す参考図である。
【図8】本発明の実施例3の非電気浸透脱水部と電気浸透脱水部の偏心駆動方式が夫々個別の別駆動機能を備えている本体断面を示す他の参考図である。
【図9】本発明の実施例4のスクリューコンベアの終端軸部を末広状の円錐に拡大し、電気浸透部陽電極軸の始端部に絶縁材を介して連接した、非電気浸透部から絶縁部にかけての要部拡大断面図を示す参考図である。
【図10】本発明の実施例5のスクリューコンベアの終端軸部と電気浸透部陽電極軸の始端部を同一径として絶縁材を介して連接した、非電気浸透部から絶縁部にかけての拡大側面を示す参考図である。
【図11】本発明の実施例7の偏心軸が螺旋体構造の電気浸透終端開口部の要部拡大断面図を示す参考図である。
【図12】本発明の実施例9の脱水ケーキの排出口に向けて、上向き傾斜の傾斜姿勢に構成した、電気浸透脱水機の本体側面を示す参考図である。
【図13】本発明の実施例10の脱水ケーキの排出口に向けて、上向きの立設姿勢に構成した、電気浸透脱水の本体側面を示す参考図である。
【図14】本発明の電気浸透可動プレートの偏心駆動の作用を示した説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の前段のスクリューコンベアを有した非電気浸透部と、後段の固定と可動の各プレートを交互重畳配列して、該可動プレートが偏心駆動される濾過体に構成された電気浸透部を用いて、前段の非電気浸透部と後段の電気浸透部を電気的に絶縁された電気浸透脱水機の実施形態として、以下の如く本願発明の実施例に基づき、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施例の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0030】
図1ないし3において、1は脱水対象物を非電気浸透部Aの始端部に投入する投入口であり、該非電気浸透部Aの終端部と後段の電気浸透部Cの始端部には、所定の絶縁間隔を隔てて絶縁部中空円筒9を介装し、該電気浸透部Cには多数の環状の電気浸透部固定プレート11を所要の間隔を保持して積層状に配列させ、該固定プレート11の各積層間にそれぞれ偏心回転することができる多数の環状の電気浸透部可動プレート12を交互重畳配列に遊嵌して、上記固定と可動の各プレート間の細隙を濾水流出溝とする筒状の電気浸透部濾過体10に形成し、該電気浸透部濾過体10の両端に絶縁材23L,23Rを付設して始端開口部を、上記非電気浸透部Aからの脱水対象物の送り込み口10iとし、終端開口部を脱水ケーキの送り出しの排出口13とし、中心孔には該電気浸透部濾過体10内周と隙間を隔て接触しないように電気浸透部陽電極軸2Cの両端に絶縁材22L,22Rを付設し、直流電源装置19の正極から接触子18の摺接により正電圧が印加される電気浸透部陽電極軸2Cを回転自在に遊嵌し、該電気浸透部陽電極軸2Cの脱水対象物の送り込み口10i側には、上記絶縁部中空円筒9の巾より狭くした該電気浸透部陽電極軸2Cの絶縁材22Rを介して搬送用スクリューコンベア2を連接すると共に、脱水ケーキの送り出しの排出口13側に該電気浸透部陽電極軸2Cの絶縁材22Lを介して連結された第1の駆動機構15により、該電気浸透部陽電極軸2Cと搬送用スクリューコンベア2を回転し、第2の駆動機構16と絶縁材24Lを介して連接され、直流電源装置19の陰極から接触子18の摺接により負電圧が印加される偏心軸14の偏心回転駆動により、上記電気浸透部可動プレート12に負電圧を印加しながら偏心回転させており、上記第1の駆動機構15の付設は必ずしも排出口13側に限定されるものではなく、脱水対象物の性状によっては搬送機能の安定性から、投入口1側に設けて搬送用スクリューコンベア2と電気浸透部陽電極軸2Cを回転駆動させてもよく、また、上記偏心軸14においても必ずしも図3に示すように歯車20とチェーン21を用いた2軸の偏心軸14A,14Bに限定されるものではなく、1軸もしくは3軸以上としてもよい。また、絶縁部Bには搬送用のスクリューコンベア2Bを設けることが望ましい。
【実施例2】
【0031】
前記実施例1に基づいて、図4と5に示された非電気浸透部Aに多数枚の環状の非電気浸透部固定プレート6を所要の間隔を保持して積層状に定着させ、該固定プレート6の各積層間にそれぞれ偏心回転と共に揺振作動することができる多数の環状の非電気浸透部可動プレート4を交互重畳配列に遊嵌して上記固定と可動の各プレート間の細隙を濾水流出溝とする筒状の非電気浸透部濾過体3に形成し、該濾過体3の始端開口部を脱水対象物の送り込み口3iとし終端開口部を脱水固分の送り出し口3oとして、前記電気浸透部Cの始端部である脱水対象物の送り込み口10iに所定の絶縁間隔を隔てて絶縁部中空円筒9を介装して接続し、該非電気浸透部濾過体3内のスクリューコンベア2のブレード外径が非電気浸透部可動プレート4の内径よりも大きく該固定プレート6の内径よりも小さく形成されていることから、各非電気浸透部可動プレート4の内周面が、該スクリューブレード2外周面の摺動回転により順次偏心摺動回転されると共に、脱水対象物の圧搾搬送を司るスクリューコンベア2を該濾過体3の中心孔に嵌装し、該スクリューコンベア2の終端部に上記絶縁部中空円筒9の巾より狭くした絶縁材22Rを介して、前記電気浸透部陽電極軸2Cの始端部に連接するように構成されている
【実施例3】
【0032】
前記実施例1に基づいて、図6,7に示された非電気浸透部Aに多数枚の環状の非電気浸透部固定プレート6を所要の間隔を保持して積層状に定着させ、該固定プレート6の各積層間にそれぞれ偏心回転することができる多数の環状の非電気浸透部可動プレート4を交互重畳配列に遊嵌して上記固定と可動の各プレート間の細隙を濾水流出溝とする筒状の非電気浸透部濾過体3に形成し、該非電気浸透部濾過体3内周と隙間を隔て接触しないように、脱水対象物の圧搾搬送を司るスクリューコンベア2を該濾過体3の中心孔に嵌装し、該スクリューコンベア2の終端部に前記絶縁部中空円筒9の巾より狭くした絶縁材22Rを介して、前記電気浸透部陽電極軸2Cの始端部に連接し、前記第2の駆動機構16と絶縁材24Lを介して連接され、直流電源装置19の陰極から接触子18の摺接により負電圧が印加される偏心軸14の始端側に絶縁材24Mを介して絶縁状態で導延された偏心軸14の偏心回転駆動により、上記非電気浸透部可動プレート4を偏心回転させるように構成されている。
【実施例4】
【0033】
前記実施例1に基づいて、図8に示された非電気浸透部Aに多数枚の環状の非電気浸透部固定プレート6を所要の間隔を保持して積層状に定着させ、該固定プレート6の各積層間にそれぞれ偏心回転することができる多数の環状の非電気浸透部可動プレート4を交互重畳配列に遊嵌して上記固定と可動の各プレート間の細隙を濾水流出溝とする筒状の非電気浸透部濾過体3に形成し、該非電気浸透部濾過体3内周と隙間を隔て接触しないように、脱水対象物の圧搾搬送を司るスクリューコンベア2を該濾過体3の中心孔に嵌装し、該スクリューコンベア2の終端部に前記絶縁部中空円筒9の巾より狭くした絶縁材22Rを介して、前記電気浸透部陽電極軸2Cの始端部に連接し、第3の駆動機構17に連接された偏心軸14の偏心回転駆動により、上記非電気浸透部可動プレート4を偏心回転させるように構成されている。
【実施例5】
【0034】
前記実施例1ないし4のいずれかの実施例に基づいて、図9に示された非電気浸透部Aのスクリューコンベア2の終端軸部を末広状の円錐8に拡大し、前記電気浸透部陽電極軸2Cの始端部に絶縁材22Rを介して連接するように構成されている。
【実施例6】
【0035】
前記実施例1ないし4のいずれかの実施例に基づいて、図10に示された非電気浸透部Aのスクリューコンベア2の終端軸部と前記電気浸透部陽電極軸2Cの始端部を同一径として絶縁材22Rを介して連接するように構成されている。
【実施例7】
【0036】
前記実施例1ないし6のいずれかの実施例に基づいて、例えば図6を用いて説明すると、第1の駆動機構15と絶縁材22Lを介して連接されて電気浸透部陽電極軸2Cとスクリューコンベア2の回転方向と、第2の駆動機構16と絶縁材24Lを介して連接される偏心軸14の回転方向が逆回転方向に駆動するように構成されている。
【実施例8】
【0037】
前記実施例1ないし7のいずれかの実施例に基づいて、図4,11に示された第2の駆動機構16と絶縁材24Lを介して連接される螺旋体の偏心軸14で構成している。
【実施例9】
【0038】
前記実施例4ないし8のいずれかの実施例に基づいて、図6に示された偏心軸14、または図8に示された第3の駆動機構17に連接される偏心軸14が螺旋体で構成している。
【実施例10】
【0039】
前記実施例1ないし9のいずれかの実施例に基づいて、図2に示された電気浸透部濾過体10の終端開口部を脱水ケーキの送り出しの排出口13として、前記電気浸透部固定プレート11の内径よりも僅かに小径に構成している。
【実施例11】
【0040】
前記実施例1ないし10のいずれかの実施例に基づいて、図12に示された電気浸透脱水機を前記投入口1から電気浸透部濾過体10の終端開口部を脱水ケーキの送り出しの排出口13として、該排出口13に向けて上向き傾斜の傾斜姿勢に構成している。
【実施例12】
【0041】
前記実施例1ないし10のいずれかの実施例に基づいて、図13に示された電気浸透脱水機を前記投入口1から電気浸透部濾過体10の終端開口部を脱水ケーキの送り出しの排出口13として、該排出口13に向けて上向きの立設姿勢に構成している。
【符号の説明】
【0042】
1 投入口
2 スクリューコンベア
2c 電気浸透部陽電極軸
3 非電気浸透部濾過体
3i 送り込み口
3o 送り出し口
4 非電気浸透部可動プレート
6 非電気浸透部固定プレート
8 円錐
9 絶縁部中空円筒
10 電気浸透部濾過体
10i 送り込み口
11 電気浸透部固定プレート
12 電気浸透部可動プレート
13 排出口
14 偏心軸
15 第1の駆動機構
16 第2の駆動機構
17 第3の駆動機構
18 接触子
19 直流電源装置
22L,22R 絶縁材
23L,23R 絶縁材
24L,24M 絶縁材
A 非電気浸透部
B 絶縁部
C 電気浸透部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前段の非電気浸透部の始端部に脱水対象物を投入する投入口を開設し、該非電気浸透部の終端部と後段の電気浸透部の始端部には、所定の絶縁間隔を隔てて絶縁部中空円筒を介装し、該電気浸透部には多数の環状の電気浸透部固定プレートを所要の間隔を保持して積層状に配列させ、該固定プレートの各積層間にそれぞれ偏心回転することができる多数の環状の電気浸透部可動プレートを交互重畳配列に遊嵌して、上記固定と可動の各プレート間の細隙を濾水流出溝とする筒状の電気浸透部濾過体に形成し、該電気浸透部濾過体の両端に絶縁材を付設して始端開口部を、上記非電気浸透部からの脱水対象物の送り込み口とし、終端開口部を脱水ケーキの送り出しの排出口とし、中心孔には該電気浸透部濾過体内周と隙間を隔て接触しないように電気浸透部陽電極軸の両端に絶縁材を付設し、直流電源装置の正極から接触子の摺接により正電圧が印加される電気浸透部陽電極軸を回転自在に遊嵌し、該電気浸透部陽電極軸の脱水対象物の送り込み口側には、上記絶縁部中空円筒の巾より狭くした該絶縁材を介して搬送用スクリューコンベアを連接すると共に、脱水ケーキの送り出し口側に該絶縁材を介して連結された第1の駆動機構により、該電気浸透部陽電極軸と搬送用スクリューコンベアを回転し、第2の駆動機構と絶縁材を介して連接され、直流電源装置の陰極から接触子の摺接により負電圧が印加される偏心軸の偏心回転駆動により、上記電気浸透部可動プレートに負電圧を印加しながら偏心回転させる構成したことを特徴とする電気浸透脱水機。
【請求項2】
前記非電気浸透部に多数枚の環状の非電気浸透部固定プレートを所要の間隔を保持して積層状に定着させ、該固定プレートの各積層間にそれぞれ偏心回転と共に揺振作動することができる多数の環状の非電気浸透部可動プレートを交互重畳配列に遊嵌して上記固定と可動の各プレート間の細隙を濾水流出溝とする筒状の非電気浸透部濾過体に形成し、該濾過体の始端開口部を脱水対象物の送り込み口とし終端開口部を脱水固分の送り出し口として、前記電気浸透部の始端部である脱水対象物の送り込み口に所定の絶縁間隔を隔てて絶縁部中空円筒を介装して接続し、該非電気浸透部濾過体内のスクリューコンベアのブレード外径が非電気浸透部可動プレートの内径よりも大きく該固定プレートの内径よりも小さく形成されていることから、各非電気浸透部可動プレートの内周面が、該スクリューブレード外周面の摺動回転により順次偏心摺動回転されると共に、脱水対象物の圧搾搬送を司るスクリューコンベアを該濾過体の中心孔に嵌装し、該スクリューコンベアの終端部に上記絶縁部中空円筒の巾より狭くした絶縁材を介して、前記電気浸透部陽電極軸の始端部に連接するように構成されたことを特徴とする、請求項1記載の電気浸透脱水機。
【請求項3】
前記非電気浸透部に多数枚の環状の非電気浸透部固定プレートを所要の間隔を保持して積層状に定着させ、該固定プレートの各積層間にそれぞれ偏心回転することができる多数の環状の非電気浸透部可動プレートを交互重畳配列に遊嵌して上記固定と可動の各プレート間の細隙を濾水流出溝とする筒状の非電気浸透部濾過体に形成し、該非電気浸透部濾過体内周と隙間を隔て接触しないように、脱水対象物の圧搾搬送を司るスクリューコンベアを該濾過体の中心孔に嵌装し、該スクリューコンベアの終端部に前記絶縁部中空円筒の巾より狭くした絶縁材を介して、前記電気浸透部陽電極軸の始端部に連接し、前記第2の駆動機構と絶縁材を介して連接され、直流電源装置の陰極から接触子の摺接により負電圧が印加される偏心軸の始端側に絶縁材を介して絶縁状態で導延された偏心軸の偏心回転駆動により、上記非電気浸透部可動プレートを偏心回転させるように構成したことを特徴とする、請求項1記載の電気浸透脱水機。
【請求項4】
前記非電気浸透部に多数枚の環状の非電気浸透部固定プレートを所要の間隔を保持して積層状に定着させ、該固定プレートの各積層間にそれぞれ偏心回転することができる多数の環状の非電気浸透部可動プレートを交互重畳配列に遊嵌して上記固定と可動の各プレート間の細隙を濾水流出溝とする筒状の非電気浸透部濾過体に形成し、該非電気浸透部濾過体内周と隙間を隔て接触しないように、脱水対象物の圧搾搬送を司るスクリューコンベアを該濾過体の中心孔に嵌装し、該スクリューコンベアの終端部に前記絶縁部中空円筒の巾より狭くした絶縁材を介して、前記電気浸透部陽電極軸の始端部に連接し、第3の駆動機構に連接された偏心軸の偏心回転駆動により、上記非電気浸透部可動プレートを偏心回転させるように構成したことを特徴とする、請求項1記載の電気浸透脱水機。
【請求項5】
前記非電気浸透部のスクリューコンベアの終端軸部を末広状の円錐に拡大し、前記電気浸透部陽電極軸の始端部に絶縁材を介して連接するよう構成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電気浸透脱水機。
【請求項6】
前記非電気浸透部のスクリューコンベアの終端軸部と前記電気浸透部陽電極軸の始端部を同一径として絶縁材を介して連接するよう構成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電気浸透脱水機。
【請求項7】
前記第1の駆動機構と絶縁材を介して連接されて電気浸透部陽電極軸とスクリューコンベアの回転方向と、前記第2の駆動機構と絶縁材を介して連接される偏心軸の回転方向が逆回転方向に駆動するよう構成されたことを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の電気浸透脱水機。
【請求項8】
前記第2の駆動機構と絶縁材を介して連接される螺旋体の偏心軸で構成されたことを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の電気浸透脱水機。
【請求項9】
前記第3の駆動機構に連接される偏心軸が螺旋体で構成されたことを特徴とする、請求項4ないし請求項8のいずれか1項に記載の電気浸透脱水機。
【請求項10】
前記電気浸透部濾過体の終端開口部を脱水ケーキの送り出しの排出口として、前記電気浸透部固定プレートの内径よりも僅かに小径に構成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の電気浸透脱水機。
【請求項11】
前記電気浸透脱水機を前記投入口から電気浸透部濾過体の終端開口部を脱水ケーキの送り出しの排出口として、該排出口に向けて上向き傾斜の傾斜姿勢に構成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の電気浸透脱水機。
【請求項12】
前記電気浸透脱水機を前記投入口から電気浸透部濾過体の終端開口部を脱水ケーキの送り出しの排出口として、該排出口に向けて上向きの立設姿勢に構成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の電気浸透脱水機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−22518(P2013−22518A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159782(P2011−159782)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000150844)株式会社鶴見製作所 (56)
【Fターム(参考)】