説明

電気炊飯器による米粉パンケーキの製造方法及び電気炊飯器による米粉パンケーキの製造方法に用いる器具

【課題】製パン適性が良い米品種の微粉砕米粉を用いて、電気炊飯器で、短時間で簡単に米粉パンケーキを製造する製造方法及びふっくら感を出すことが可能な器具を提供する。
【解決手段】製パン適性が良いとされる米品種タカナリを微粉砕した米粉と水及び炭水化物由来の食品添加物カードラン(増粘多糖類)と酵母菌等からなる流動状態の生地T1を、ふっくら感を出しねちねち感を緩和する器具を用いて、電気炊飯器の保温及び炊飯機能を利用し、発酵T2及び焼成T3を順次に行うことで、短時間で効率よく簡単に米粉パンケーキを製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小麦粉やグルテンを含有しない米品種タカナリの米粉からなる米粉パンケーキを電気炊飯器で製造する方法及びふっくら感を出しねちねち感を緩和する器具に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
我が国は食糧自給率の低さから、自給率改善を目指して、近年は輸入に頼っている小麦粉に代えて、国内生産の米から作る米粉の利用拡大が積極的に進められている。小麦粉にはアレルギー症状を引き起こすグルテンが含まれており、アレルギー症の人は小麦粉食品を食べることが出来ないことから、グルテンを含まない米粉100%パンの製造方法及び特殊な機械や器具、材料、発泡技術などを使用しない製造方法や電気炊飯器を使用した簡単で手軽な製造方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1(米粉パンの製造方法および米粉パン)では、炊飯器の通常の炊飯モード、早炊きモードでご飯を炊くようにして作るタイプの米粉パンの作り方が記載されているが、この製造方法においては、炊飯器の内なべにパン生地を入れて、炊飯器外で発酵させたのちに、その内なべを炊飯器に戻して、通常の炊飯モードで製造する米粉パンとしている。また、特許文献2(米粉100%を使ったパンの製造方法)では、特殊な機械や器具、材料、発泡技術などを使用せずに手軽に簡単に米粉パンの製造ができると記載されているが、この製造方法においては、一斤用食パンケースを用いて、発酵には恒温恒湿室を使用し、焼成には製パン用電気オーブンで製造する米粉パンとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−104306号公報
【特許文献2】特開2006−288377号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】第9回「販売」を軸とした米システムの在り方に関する検討会配布資料4「水稲の品種開発」P5、P11平成20年3月農林水産省農林水産技術会議事務局
【非特許文献2】多用途向き他収水稲品種「タカナリ」作物研究所研究報告5,35−51(2004.2) P43〜46
【非特許文献3】日本作物学会第224回講演会シンポジウム2「21世紀の農業―稲作の多様性と可能性を求めて―日作紀77(2)221−228(2008)P223〜224 2.微細米粉の製造技術と利用技術(2007年9月26日金沢大学)」
【非特許文献4】第255回日本作物学会講演会「米バイオエタノール原料向けタカナリの省力多収栽培方法」2008年3月、農林水産省農林水産技術会議事務局筑波事務所内会議室
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
米粉パンは小麦粉パンにくらべて水分含量が高いため、しっとり感やもちもち感があり、噛みしめると米特有の甘味や加熱後の収縮が少なく、冷めても硬くなりにくい特徴がある。この特徴を生かしたふっくらとした良好なものを製造するには、最適な米を微粉砕した米粉を使用して、効率よく手軽に簡単にできることが望ましい。
【0007】
特許文献1の米粉パンの製造方法および米粉パンでは、電気炊飯器の炊飯機能を利用して焼成しているが、発酵に有効な保温機能を利用されていないこと及びこの方法だと内なべの熱の伝わりにくいパン中心の内部は、水分の多い食感が強くなりやすく焼き上がりのふっくら感が劣る可能性がある。また、特許文献2の米粉100%を使ったパンの製造方法では、特殊な機械や器具、材料、発泡技術などを使用せずに手軽に簡単に米粉パンの製造ができると記載されているが、発酵に恒温恒湿室を使用し、焼成には製パン用電気オーブン使用するなど、手軽で簡単とは言い難い部分があり、また、この米粉粒度では焼き上がりのふっくら感が劣る可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、米粉パンケーキ製造方法に係る請求項1に記載の発明は、アミロース含有量が17〜20%と中程度で、コシヒカリ等のうるち米品種と比べて、製パン適性が良いとされる米品種タカナリを、粒状が均一で40ミクロン以下の微粉砕が可能な気流粉砕方式により製造した米粉を使用し、約55℃から65℃で加熱した場合、熱可逆性ゲルとなるが、80℃以上で加熱した場合、熱不可逆性ゲルを形成する炭水化物由来の食品添加物カードラン(増粘多糖類)及び乾燥酵母、砂糖、塩、水を加えてよく混ぜ合わせ、更に任意の植物油を加えての米粉パンケーキ生地調製を行い、電気炊飯器の保温及び炊飯機能の温度制御を用いて、発酵及び焼成を短時間で効率よく簡単に米粉パンケーキを製造することを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の電気炊飯器による米粉パンケーキの製造方法に用いる器具であって、電気炊飯器の内部中央に、内なべと接触するつば部と一体の円筒部で構成し、内なべに接触するつば部からの熱を生地に伝えると共に、内かま気層部と器具内気層部が一体となる構造であり、焼成に必要な熱をより効果的に生地に伝達し、ふっくら感を出しねちねち感を緩和するようにした事を特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)製パン適性が良い米品種タカナリを微粉砕した米粉に炭水化物由来の食品添加物カードラン(増粘多糖類)及び乾燥酵母、砂糖、塩、水を加えて混ぜ合わせ、更に任意の植物油を加えて流動状態化した生地を調製する生地調製工程と、調製した生地を電気炊飯器の内なべに流し込み、その電気炊飯器の保温機能を使用して生地を発酵させる発酵工程、更に炊飯機能に移行して発酵した生地を焼成する焼成工程を、電気炊飯器の保温機能と炊飯機能の温度制御を有効に利用して順番に行うことで、従来の米粉100%パンより、短時間で効率よく簡単に、ふっくらとした食感の良好な米粉パンケーキを製造できる。
(2)ふっくら感を出しねちねち感を緩和する器具を用いることで、電気炊飯器の内なべ及び内なべの気層部の熱を生地に効果的に伝えて、よりふっくら感のある米粉パンケーキを製造できる。また、器具の上端をつまみ上げることで、米粉パンケーキを簡単に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を実施するための米粉パンケーキ製造方法に係るフロー図である。
【図2】本発明を実施するための米粉パンケーキ製造方法に係る電気炊飯器の生地発酵・焼成時の内なべ内温度と時間の関係を示した図(実測値)である。
【図3】ふっくら感を出しねちねち感を緩和する器具を装着して製造した米粉パンケーキの外観を示す図である。
【図4】米粉パンケーキの焼き具合を全体に均一にする器具を装着して製造したタカナリ米粉100%、市販米粉(国産うるち米)100%、タカナリ米粉と市販米粉(国産うるち米)を混合して製造した米粉パンケーキ比較断面を示す図である。
【図5】ねちねち感を緩和する器具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【実施例1】
【0013】
材料と配合比率は、タカナリ米粉重量部を100とした場合に、砂糖8.9重量部、塩2.1重量部、炭水化物由来の食品添加物カードラン(増粘多糖類)0.32重量部、乾燥酵母菌1.25重量部、植物油3.2重量部、水(温水)80.4重量部として、米粉は自家生産した米品種タカナリを籾すり、精米をして気流粉砕方式で40ミクロン以下に粉砕した米粉を使用した。
【0014】
40ミクロン以下とした理由は、米品種タカナリを炊飯米、水浸漬米、パーボイルド米の各処理をし、更にそれらを粉砕可能な状態にしたうえで、小型高速粉砕機で粉砕した米粉(300ミクロン〜70ミクロンと粒度にむらが出た)とし、でグルテンを含有しない米粉100%パンケーキを製造したが、ふっくら感等によい結果が得られなかった。電子顕微鏡で確認したところ、粉砕大きさにむらがあり粒状が均一でないことがわかった。
【0015】
上記で製造した各種米粉100%に、更に片栗粉や芋でんぷん他を配合した構造強化の米粉パンケーキ(以下米粉パンケーキと呼ぶ。)を製造したが、同様にふっくら感、食感によい結果は得られなかった。
【0016】
粉砕大きさにむらがあり粒状が均一でないことから、いろいろな知見等を調査した結果、気流粉砕方式による40ミクロン以下に粉砕した米粉がよいとの情報を見出し、米品種タカナリを気流粉砕方式により40ミクロン以下に粉砕した。
【0017】
一般に製造される小麦粉パンの製造と同様手順で米粉100%パンケーキを製造した結果、良好なふくらみと食感を得られたことから、手軽で効率よく簡単に作るために電気炊飯器での米粉パンケーキ製造を行った。
【0018】
次に、図1に示す米粉パンケーキ製造方法に係るフローについて説明する。発酵工程から焼成工程の電気炊飯器には、三菱IHジャー炊飯器(家庭用)3合炊きを使用した。
【0019】
図1米粉パンケーキ生地調製工程T1は、前項0013の配合比率で、タカナリ米粉、砂糖、塩、炭水化物由来の食品添加物カードラン(増粘多糖類)及び温水(35〜40℃)を5分間混ぜ合わせる。次に乾燥酵母菌、更に任意の植物油を入れて、再度、5分間混ぜ合わせ流動状態の生地を作る。できれば、この生地の温度は30〜35℃になるように調整する。
【0020】
生地の混ぜ合わせは、ステンレスあるいはガラス製の器でもよいが、簡単には、間接的に捏ねり具合を手で感じ取りやすく、電子レンジもしくは温水による生地の温度調整が容易で、電気炊飯器の図5内なべ2に流し込む時は、袋の底にはさみを入れるだけでよいA4サイズ程度のキッチン用ポリ袋(耐熱性)が便利で効率的である。袋の強度を考慮すると米粉重量360g程度までである。
【0021】
米粉パンケーキ生地を電気炊飯器の図5内なべ2に流し込む前に、図5ふっくら感を出しねちねち感を緩和する器具本体1を図5内なべ2の中心に配置する。この目的は、生地内部まで十分な熱を伝えて全体に均一に焼きあげるためである。器具を使用しないで製造した米粉パンケーキは、内部に水分の多いねちねち感が残った。
【0022】
図2に示すように、米粉パンケーキ生地を流し込んだ時の温度低下を考慮して、米粉パンケーキ生地を流し込む前の15〜20分間は保温機能にして、図5内なべ2の温度を35〜40℃に加温する。HIOKIデータミニシリーズ温度ロガー3633を用いて確認した結果、図5内なべ2に手のひらで3〜4秒間触れて温かいと感じた時、40℃(実測)であった。
【0023】
米粉パンケーキ生地が入っているキッチン用収納ポリ袋の底にはさみを入れて、図5内なべ2に米粉パンケーキ生地を流し込み、図5蓋(内側放熱板)3を閉めて図1発酵工程T2を開始する。なお、図5蓋(内側放熱板)3を開けていたことで、図2に示すように温度が低下するため、7〜10分間は保温機能にして温度を35〜40℃に加温する。図5内なべ2に手のひらで触れて温かいと感じたら保温機能を切る。図2に示すように40〜60分程度は発酵温度が維持できた。
【0024】
図1発酵工程T2においては、適宜、電気炊飯器の図5内なべ2の温度を確認し、発酵中の温度が下回るようであれば5分程度保温機能にして加温し、発酵温度を維持する。なお、本実施例では、冬場の室温3〜5℃で、保温機能による温度上昇操作は1回であった。ただし、電気炊飯器の機種により保温機能、保温効果が異なる場合があること及び季節による環境温度変化も影響するので、事前の温度確認を勧める。
【0025】
図1発酵工程T2の40分後には電気炊飯器の図5蓋(内側放熱板)3を開けて、図5内なべ2の生地の発酵状況を確認し、投入時の量の約1.5〜1.8倍(図5内なべ2の目盛りを参考にするとよい)になれば図1発酵工程T2を終了する。過渡に時間をかけて発酵させると、焼成時の中落ち原因となる。
【0026】
米粉パンケーキ生地の発酵終了後、電気炊飯器に設定された炊飯時間(白米・ふつう)の炊飯機能に移行することで図1焼成工程T3に入る。図1焼成工程T3終了後は、図3に示すようにふっくらとした米粉100%パンケーキが製造できた。
【0027】
図5ふっくら感を出しねちねち感を緩和する器具本体1を、図5内なべ2の中心に配置することで、図5内なべ2と接触している図5つば部bとそれと一体構造の図5円筒部aに、図5内なべ2より熱が伝達されるとともに、図5内なべ気層部Aと図5つば部気層部C及び図5円筒部気層部Bの気層部一体化により、より効果的に図5米粉パンケーキDに熱が伝達できる。
【0028】
図5ふっくら感を出しねちねち感を緩和する器具本体1を使用したことで、図2に示すように、図5円筒部a温度(点線)は米粉パンケーキ生地温度(実線)より高い温度で推移しており、図5米粉パンケーキ生地Dに熱が効果的に伝えられていると判断した。なお、温度はHIOKIデータミニシリーズ温度ロガー3633を用いて確認した。
【0029】
図4タカナリ米粉100%(ア)の米粉パンケーキ断面図のとおり、図4市販米粉(国産うるち米)(ウ)より、気泡むらの少ない均一なふっくらとした米粉パンケーキが製造できた。また、図4タカナリ米粉100%と市販米粉(国産うるち米)100%混合(イ)の場合と比較しても、ふっくらとした米粉パンケーキであった。
【0030】
図5ふっくら感を出しねちねち感を緩和する器具本体1を持ち上げることで、電気炊飯器から図5内なべ2を外すことなく米粉パンケーキを取り出すことができた。出来上がりの米粉パンケーキは5内なべ2と非接触の表面は米粉と同じ白色であるが、接触面はこんがりと適度な焦げ目できた。二度焚きをすればより焦げ目がつくが、確認しながらすることを勧める。
【実施例2】
【0031】
実施例1の製造方法で製造したタカナリ米粉100%パンケーキ及び市販微粉米粉(国産うるち米)100%パンケーキを、17人のパネラーでブラインドテストによる官能評価試験を実施した。表1のふっくら感、モチモチ感、しっとり感、うまみ、歯ごたえ、香り、色(外観)の7項目の評価について、表2に示す7項目の判断基準で行ない、やや良い、かなり良い、非常に良いとする三つの良の合計人数を評価結果とし、市販微粉米粉100%パンケーキの各評価結果を100に置き換えた時のタカナリ米粉100%パンケーキの評価をした。
【表1】

【表2】

【0032】
官能評価試験の結果、タカナリ米粉100%パンケーキは、ふっくら感があり、うまみ香りがよく、モチモチ感もあり、全体的に市販微粉米粉(国産うるち米)100%パンケーキより良いとの評価結果を得た。
【0033】
図4タカナリ米粉100%パンケーキ(ア)は、図4市販米粉(国産うるち米)100%パンケーキ(ウ)及び図4タカナリ米粉100%パンケーキと市販米粉(国産うるち米)100%混合パンケーキ(イ)と比較してふっくらとしている。
【0034】
タカナリ米粉100%パンケーキを2日間室内放置したが、冷えても硬くなりにくく、電子レンジで加熱したところ収縮が少なく、ふっくら感が戻りモチモチ感のある食感となった。また、冷凍したタカナリ米粉100%パンケーキを電子レンジで解凍して加熱したところ、ふっくら感が戻りモチモチ感のある食感となった。
【0035】
市販微粉米粉(国産うるち米)100%パンケーキでは、タカナリ米粉100%パンケーキと同様なふっくら感のある米粉パンケーキを製造することは難しいが、市販微粉米粉(国産うるち米)100%とタカナリ米粉100%を3対2の割合で混合して、同様な製造とすることで、図4に示すとおり、タカナリ米粉100%パンケーキに近いふっくら感のある米粉パンケーキが製造できた。
【0036】
やわらかさ・粘りはさほどなくアミロース含量が中程度であり、米粉パンに適するとされる米品種タカナリの米粉を使用した電気炊飯器による新食感米粉100%パンケーキの製造方法及びふっくら感を出しねちねち感を緩和する器具の効果により、ふっくらとした、食感の良好な米粉パンケーキ製造の見通しを得た。
【産業上の利用可能性】
【0037】
米粉には、もともと小麦粉のようにグルテンが含まれていないため、100%米粉パンを製造しようとしても発酵ガスが保たれにくく、ふっくら感は難しいとされ、焼くと硬い食感となるのが通例である。この課題としては、発酵ガスが生地の中に保たれ、焼きあがった時にふっくらとした硬くならない食感が重要である。
【0038】
タカナリ米粉100%パンケーキでは、米品種タカナリを気流粉砕方式で40ミクロン以下に微粉砕した粒状が均一な米粉に、グルテンに代わる炭水化物由来の食品添加物カードラン(増粘多糖類)を少量混ぜ合わせることで、発酵ガスが生地の中に保たれ、焼きあがった時にふっくらとした、硬くない食感となった。これは、知見で示される製パン適性が良いとされる米品種タカナリの特徴である。
【0039】
現在、米粉パンのほとんどが小麦粉やグルテンを混ぜ合わせた米粉を原料に製造されているが、小麦粉やグルテンを必要としない米粉パンケーキ等の食品が製造できれば、小麦アレルギーに対する安全性は一層高まるとともに、パン焼き器等を必要とすることなく、どこの家庭にもある電気炊飯器でふっくらとした、食味、食感の良好な米粉パンケーキをいつでも製造することができる。米品種の中でも収量が高くコストダウンが可能で、製パン適性が良いとされる米品種タカナリを微粉砕した米粉の利用は、ほとんどを輸入に頼る小麦に代わる米の需要を促進することが可能であり、我が国の食料需給率向上に貢献できる。
【符号の説明】
【0040】
1 ねちねち感を緩和する器具本体
2 内なべ
3 蓋(内側放熱板)
a 円筒部
b つば部
A 内かま気層部
B 円筒部気層部
C つば部気層部
D 米粉パンケーキ生地
T1 生地調製工程
T2 発酵工程
T3 焼成工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミロース含有量が17〜20%と中程度で、製パン適性が良いとされる米品種タカナリを、粒状が均一で40ミクロン以下の微粉砕が可能な気流粉砕方式により米粉とし、約55℃から65℃で加熱した場合、熱可逆性ゲルとなるが、80℃以上で加熱した場合、熱不可逆性ゲルを形成する炭水化物由来の食品添加物カードラン(増粘多糖類)及び乾燥酵母、砂糖、塩、水とよく混ぜ合わせ、更に任意の植物油を加えて流動状態の米粉パンケーキ生地調製を行い、電気炊飯器の保温及び炊飯機能を用いて発酵及び焼成を短時間で効率よく簡単におこなう事を特徴とする電気炊飯器による米粉パンケーキの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電気炊飯器による米粉パンケーキの製造方法に用いる器具であって、内なべと接触するつば部とつば部と一体の円筒部で構成し、内なべに接触するつば部からの熱を生地に伝えると共に、内かま気層部と器具内気層部が一体となる構造とし、焼成に必要な熱をより効果的に生地に伝達し、ねちねち感を緩和しふっくら感を出すようにしたことを特徴とする電気炊飯器による米粉パンケーキの製造方法に用いる器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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