説明

電気炊飯器

【課題】 制御基板、IGBT等のような発熱する電装部品を加熱が必要で且つ水を扱うことの多い飯器を収納する空間と区画した空間に配設することにより、電装部品への熱影響を可及的に防止するとともに、電装部品への水の付着を防止する。
【解決手段】 飯器3の底部および側部下方のコーナ部を加熱する加熱手段C1,C2を備えた電気炊飯器において、炊飯器本体1内の空間部を、前記飯器3が収納される飯器収納空間12と該飯器収納空間12に対して隔壁11を介して区画された後部空間13とで構成するとともに、前記後部空間13に、制御基板32等の発熱する電装部品およびコードリール38を配設して、耐熱温度(使用温度上限)以下にする必要がある電装部品(例えば、制御基板32)やコードリール38が高温になる飯器収納空間12から隔壁11で区画され、飯器収納空間12からの熱影響を受けにくくなるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、電気炊飯器に関し、さらに詳しくは炊飯器本体内の空間部を飯器収納空間と電装部品収納空間とに区画した構成とした電気炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気炊飯器においては、炊飯器本体の内周面を構成する保護枠内に米と水を収納した飯器を収容し、該飯器の下面および下方コーナ部を、直接的又は間接的に電磁誘導加熱する電磁誘導加熱手段を設けて炊飯を行うこととなっている。近年、上記構成の電気炊飯器において、従来炊飯器本体の前面側に設けられていた操作パネル部(液晶表示部と炊飯スイッチ、タイマー予約スイッチ、取消スイッチ、保温スイッチ、再加熱スイッチ、メニュー選択スイッチ、時スイッチ、分スイッチ等の各種入力スイッチ(タッチキースイッチ)とを備えた操作パネル部)が、炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体の反ヒンジユニット側に設けられることが多くなっている。このような構成とする場合、操作パネル部の内方に操作基板およびマイコン基板が設置されることとなっている。すると、従来炊飯器本体内における前部側空間に配置していた操作基板およびマイコン基板が蓋体側に配設されることとなるため、炊飯器本体内の前部側空間が必要でなくなる。
【0003】
しかしながら、電気炊飯器の電装部品としては、上記操作基板やマイコン基板の他にも制御基板、IGBT等のような発熱する電装部品やこれらの電装部品を冷却するための基板冷却用のファンおよびコードリールをどこに配設するかが問題となってくる。
【0004】
操作パネル部を蓋体側に設けた電気炊飯器としては、特許文献1にも記載されているように、既に提案されており、この公知文献1には、炊飯器本体内の後部空間に発熱する電装部品やこれらの電装部品を冷却するための基板冷却用のファンを配設した電気炊飯器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2010−75458号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の場合、発熱する電装部品を炊飯器本体内の後部空間に配設されているが、炊飯器本体内の後部空間は、飯器が収納される空間とは区画されていない。その結果、飯器側で発生する熱の影響が発熱する電装部品に悪影響を及ぼすおそれがある。また、飯器が収納されている空間部分では、水を扱うことが多いため、区画されていない区画に発熱する電装部品を配設すると、当該空間から水が侵入するおそれがあり、電装部品の安全性が確保できなくなるおそれがある。
【0007】
この出願の発明は、このような事情に基づいてなされたもので、制御基板、IGBT等のような発熱する電装部品を加熱が必要な飯器を収納する空間と区画した空間に配設することにより、電装部品への熱影響を可及的に防止するとともに、電装部品への水の付着を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、米と水とを収容する飯器を取出自在に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、前記飯器の底部および側部下方のコーナ部を加熱する加熱手段とを備え、前記蓋体側に、各種スイッチ類を有する操作パネル部を設けた電気炊飯器において、前記炊飯器本体内の空間部を、前記飯器が収納される飯器収納空間と該飯器収納空間に対して隔壁を介して区画された後部空間とで構成するとともに、前記後部空間に、制御基板等の発熱する電装部品およびコードリールを配設している。
【0009】
上記のように構成したことにより、耐熱温度(使用温度上限)以下にする必要がある電装部品(例えば、制御基板)やコードリールが高温になる飯器収納空間から隔壁で区画されることとなり、飯器収納空間からの熱影響を受けにくくなる。しかも、飯器収納空間では、水を扱うことが多いので、制御基板やコードリールの充電金属部に水が付着すると、ショート、感電、絶縁劣化等の不具合が発生するおそれがあるが、隔壁で飯器収納空間から区画された後部空間に制御基板等の発熱する電装部品およびコードリールを配設したことにより、電装部品やコードリールへの水の付着が防止できることとなり、上記した不具合の発生を未然に防止することができる。
【0010】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第2の手段として、上記第1の手段を備えた電気炊飯器において、前記後部空間を、前記炊飯器本体の外郭を構成する外ケースと別部材からなる外ケースカバーとによって形成することもでき、そのように構成した場合、外ケースが外ケースカバーによって補強されることとなり、炊飯器本体の剛性が強化される。
【0011】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第2の手段を備えた電気炊飯器において、前記制御基板を取り付ける基板ホルダーを、前記後部空間を形成する前記外ケースに取り付けることもでき、そのように構成した場合、外ケースが基板ホルダーによって補強されることとなり、炊飯器本体の剛性がより一層強化される。
【0012】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第4の手段として、上記第3の手段を備えた電気炊飯器において、前記基板ホルダーに、冷却用の送風装置を取り付けることもでき、そのように構成した場合、剛性の強い隔壁を構成する外ケースに取り付けられた基板ホルダーに冷却用の送風装置が支持されることとなり、送風装置の振動等を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本願発明の第1の手段によれば、米と水とを収容する飯器を取出自在に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、前記飯器の底部および側部下方のコーナ部を加熱する加熱手段とを備え、前記蓋体側に、各種スイッチ類を有する操作パネル部を設けた電気炊飯器において、前記炊飯器本体内の空間部を、前記飯器が収納される飯器収納空間と該飯器収納空間に対して隔壁を介して区画された後部空間とで構成するとともに、前記後部空間に、制御基板等の発熱する電装部品およびコードリールを配設して、耐熱温度(使用温度上限)以下にする必要がある電装部品(例えば、制御基板)やコードリールが高温になる飯器収納空間から隔壁で区画されるようにしたので、飯器収納空間からの熱影響を受けにくくなるという効果がある。しかも、飯器収納空間では、水を扱うことが多いので、制御基板やコードリールの充電金属部に水が付着すると、ショート、感電、絶縁劣化等の不具合が発生するおそれがあるが、隔壁で飯器収納空間から区画された後部空間に制御基板等の発熱する電装部品およびコードリールを配設したことにより、電装部品やコードリールへの水の付着が防止できることとなり、上記した不具合の発生を未然に防止することができるという効果もある。
【0014】
本願発明の第2の手段におけるように、上記第1の手段を備えた電気炊飯器において、前記後部空間を、前記炊飯器本体の外郭を構成する外ケースと別部材からなる外ケースカバーとによって形成することもでき、そのように構成した場合、外ケースが外ケースカバーによって補強されることとなり、炊飯器本体の剛性が強化される。
【0015】
本願発明の第3の手段におけるように、上記第2の手段を備えた電気炊飯器において、前記制御基板を取り付ける基板ホルダーを、前記後部空間を形成する前記外ケースに取り付けることもでき、そのように構成した場合、外ケースが基板ホルダーによって補強されることとなり、炊飯器本体の剛性がより一層強化される。
【0016】
本願発明の第4の手段におけるように、上記第3の手段を備えた電気炊飯器において、前記基板ホルダーに、冷却用の送風装置を取り付けることもでき、そのように構成した場合、剛性の強い隔壁を構成する外ケースに取り付けられた基板ホルダーに冷却用の送風装置が支持されることとなり、送風装置の振動等を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器の縦断面図である。
【図2】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における炊飯器本体の一部を構成する外ケースの底部材を除去した状態を示す下面図である。
【図3】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における炊飯器本体の一部を構成する保護枠と送風装置との関係を示す平面図である。
【図4】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における送風路の一部を構成する下部保護枠を示し、(イ)は下部保護枠の平面図、(ロ)は下部保護枠の断面図である。
【図5】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における送風路の一部を構成するダクトリングを示し、(イ)はダクトリングの平面図、(ロ)はダクトリングの断面図である。
【図6】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における送風路を構成する下部保護枠とダクトリングとの嵌合状態を示す断面図である。
【図7】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における炊飯器本体の一部を構成する外ケースの底部材を除去した状態を示す下方から見た斜視図である。
【図8】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における電装部品相互の組付関係を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の好適な実施の形態について説明する。
【0019】
この電気炊飯器は、図1に示すように、米と水とを収容する飯器3を取出自在に収納し得るように構成され且つ空間部を有する二重構造の炊飯器本体1と、該炊飯器本体1の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体2とを備えている。
【0020】
前記炊飯器本体1は、外側壁を構成する円筒形状の合成樹脂製の外ケース4と、底壁を構成するお椀形状の合成樹脂製の底部材5と、肩部を構成する合成樹脂製の肩部材6と、内周壁を構成する有底円筒形状の保護枠7とからなっている。前記肩部材6は、前記保護枠7の上端部を前記外ケース4の上端部に結合する環状部材からなっている。なお、前記保護枠7内には、前記飯器3が取り出し可能に収納されることとなっている。
【0021】
前記飯器3は、土鍋とされており、その底部および側部コーナ部には、前記保護枠7の底部外方および側部コーナ部外方に配設された電磁誘導コイル(以下、ワークコイルという)C1,C2による電磁誘導により発熱する発熱体H1,H2が埋設されている。そして、前記飯器3は前記発熱体H1,H2により加熱され、内部に収容した米と水とを加熱することによりご飯を炊き上げることとなっている。符号8は飯器3の温度を検出する温度検出手段として作用するセンタセンサーであり、該センタセンサー8は、前記飯器3の底部中央に当接されるように配設されている。
【0022】
前記保護枠7は、底部およびコーナ部を有する皿状の合成樹脂製の下部保護枠7aと、前記肩部材6に結合される環状の合成樹脂製の上部保護枠7bと、該上部保護枠7bと前記下部保護枠7aとの間に挟持された円筒形状の保温ヒータ7cとによって構成されている。前記保温ヒータ7cは、熱良導体からなる円筒形状のヒータ本体9と該ヒータ本体9の外周側に配設された電熱線10とによって構成されている。
【0023】
ところで、本実施の形態においては、前記外ケース4内は、前記保護枠7の後方側に設けられた隔壁11により前記飯器3が収納される飯器収納空間12と電装部品(後述する)が収納される後部空間13とに区画されている。本実施の形態の場合、外ケース4と隔壁11とを一体構成とし、前記外ケース4の後部に取り付けられた別部材からなる外ケースカバー4a内に後部空間13を形成するようにしているが、外ケース4と外ケースカバー4aとを一体構成とし、隔壁11を別部材で構成するようにしてもよい。
【0024】
一方、前記蓋体2は、外面を構成する合成樹脂製の上板14と、内面を構成する合成樹脂製の下板15とによって構成されている。この蓋体2は、前記肩部材6の一側にヒンジピン16によって係合され、弧回動可能に枢支されている。
【0025】
前記蓋体2の反ヒンジピン側には、操作パネル部17が設けられている。そして、該操作パネル部17面には、例えば十分に広く大きな表示面積をもつ液晶表示部と炊飯スイッチ、タイマー予約スイッチ、取消スイッチ、保温スイッチ、再加熱スイッチ、メニュー選択スイッチ、時スイッチ、分スイッチ等の各種入力スイッチ(タッチキースイッチ)が設けられている。また、該操作パネル部17の内方には、操作基板18およびマイコン基板19が設置されている。
【0026】
そして、前記蓋体2の下面には、前記飯器3の開口部を蓋体2の閉止時に覆蓋する金属製(例えば、アルミ合金製)の内蓋20が設けられている。該内蓋20には、炊飯中に飯器3内において発生する水蒸気およびおネバを放出するための開口が形成されている。符号21は内蓋20の外周部に設けられたシールパッキンである。
【0027】
また、前記蓋体2の下面側にあって前記内蓋20との間には、蓋ヒータ22を備えた放熱板23が取り付けられており、該放熱板23には、中心から前記ヒンジピン16に寄った位置に前記飯器3内において発生した水蒸気を外部へ導く蒸気口24が設けられている。そして、該蒸気口24から上方に向かって前記蓋体2を貫通する蒸気通路25が形成されており、該蒸気通路25には、炊飯器本体1内の圧力(換言すれば、飯器3内の圧力)を調節するための調圧装置26が配設されている。符号27は蒸気センサーである。
【0028】
ところで、上記構成の電気炊飯器においては、炊飯工程中にワークコイルC1,C2への通電によって飯器3の発熱体H1,H2が電磁誘導加熱されて発熱部となり、飯器3が加熱されることとなっているが、発熱部が高温となるところから、発熱部周辺の耐熱温度を考慮して加熱量を制限する必要があった。
【0029】
そこで、本実施の形態においては、図3に示すように、前記保護枠7の外側に、飯器冷却用の一対の送風装置28,28を配設し、該送風装置28,28からの冷却風を、前記保護枠7の内側部に形成した送風用開口29,29・・を介して前記飯器3の発熱部に向けて送風するように構成している。
【0030】
前記各送風装置28は、図8に示すように、渦巻き形状のスクロール28b内に多翼ロータ28cを配置したシロッコファン(登録商標)とされ、交互に所定時間運転されることとなっており、その送風口28aは、前記保護枠(具体的には、下部保護枠7a)の内周側全周に位置して形成された送風路30(図6参照)にゴム製の連通パイプ31(図3参照)を介してそれぞれ連通されている。符号28dは送風装置28の空気吸込口、28eは多翼ロータ駆動用のモータである。本実施の形態においては、コスト低減のために、送風装置28,28として、同一構造のものを採用している。その場合、送風装置28,28の空気吸込口28d,28dが同一方向に向くこととなるが、コストを度外視した場合、送風装置28,28として、空気吸込口28d,28dが反対向きのものを採用することもでる。そのようにすると、送風装置28,28の対向する空気吸込口28d,28dが相対向することとなり、基板冷却用の送風装置であるファン35(後述する)からの冷却風が制御基板32およびIGBT40(後述する)を冷却して加温された空気を送風装置28,28が吸い込み易くなる。
【0031】
前記送風路30は、図4ないし図6に示すように、前記下部保護枠7aのコーナ部よりやや上方位置に形成された環状ダクト30a(図4参照)と該環状ダクト30aに上方から嵌合される同形状のダクトリング30b(図5参照)との間に形成されている。該送風路30は、前記連通パイプ31が臨まされる部分が幅広とされている。この送風路30には、円周方向等間隔で6個の送風用開口29,29・・・が前記飯器3の発熱部に向けて下向きとなるように形成されている。また、前記各送風用開口29には、平面視V字状の送風ガイド33がそれぞれ設けられており、該送風ガイド33の存在により、一方の送風装置28が駆動されているときに送風路30を流れる冷却風が各送風用開口29から円滑に飯器3の発熱部に向けて送風されるようになっている。このように構成すると、送風装置28からの冷却風が、下部保護枠7aの内周側側部に形成した送風用開口29,29・・・を介して飯器3の発熱部に向けて送風され、飯器3の発熱部を冷やし、その熱で温まった温風が温度の低い飯器3側面を温めることができることとなり、熱を無駄にすることなく、飯器を均一に加温することができる。また、飯器3の発熱部の熱を送風装置28からの送風で奪うことができるので、吹きこぼれや飯器3の発熱部周辺の耐熱温度を考慮して加熱量を制限する必要がなくなり、美味しいご飯を炊き上げることができる。しかも、送風装置28からの冷却風は、下部保護枠7aの内周側側部に形成した送風用開口29,29・・・を介して飯器3の発熱部に向けて送風されることとなっているので、水の本体底部への侵入を防止し且つセンタセンサー8への悪影響を防止することが可能となる。
【0032】
本実施の形態においては、前記送風装置28を2個設けるとともに、1個の送風装置28の運転により、飯器3の発熱部の全周に向けて送風できるように構成しているので、2個の送風装置28,28を個別に運転することで、飯器3の発熱部の全周を冷却することが可能となり、効率的に発熱部を冷却することができる。
【0033】
前記下部保護枠7aに、その内周側全周に位置して前記送風装置28の送風口28aに連通する送風路30を設けるとともに、前記送風用開口29,29・・・を、飯器3の発熱部に向けて下向きとなるように所定間隔をおいて前記送風路30に6個形成したことにより、簡単な構成で飯器3の発熱部の全周を効率的に冷却することができる。
【0034】
また、本実施の形態においては、基板冷却用の送風装置であるファン35からの冷却風がヒートシンク36および制御基板32を冷却して、温まった風を送風装置28が吸い込み、その後飯器3の発熱部に向けて送風されることとなっているので、送風装置28からの送風の温度が低くなり過ぎるということがなくなり、飯器3の発熱部が過度に冷却されてしまうということがなくなるとともに、飯器3の発熱部で温められた後、飯器3の側面を上昇する温風の温度が比較的高く維持できることとなり、飯器3の全体を効率よく加温することができる。
【0035】
また、前記後部空間13内には、制御基板32が基板ホルダー34に支持された状態で縦方向に配設されており、該制御基板32の下方には、基板冷却用の送風装置であるファン35が配設されている。符号40は発熱電装部品であるIGBTである。そして、前記ファン35からの冷却風は、その上方に配設されたヒートシンク36、前記制御基板32および前記IGBT40を冷却するとともに、前記下部保護枠7aの底部に向かって延びる送風ノズル37を介してワークコイルC1,C2を冷却するように構成されている。
【0036】
前記基板ホルダー34は、前記後部空間13を形成する前記外ケース4に取り付けられており、その両側には、前記送風装置28,28が前記基板ホルダー34の両側端上部に一体形成された取付ブラケット41,41を介してそれぞれ取り付けられている。この後部空間13の最後部には、コードリール38が配設されている。符号39は底部材5に形成された空気吸込口である。
【0037】
上記のように構成したことにより、耐熱温度(使用温度上限)以下にする必要がある電装部品(例えば、制御基板32)やコードリール38が高温になる飯器収納空間12から隔壁11で区画されることとなり、飯器収納空間12からの熱影響を受けにくくなる。しかも、飯器収納空間12では、水を扱うことが多いので、制御基板32やコードリール38の充電金属部に水が付着すると、ショート、感電、絶縁劣化等の不具合が発生するおそれがあるが、隔壁11で飯器収納空間12から区画された後部空間13に制御基板32等の発熱する電装部品およびコードリール38を配設したことにより、電装部品やコードリール38への水の付着が防止できることとなり、上記した不具合の発生を未然に防止することができる。
【0038】
また、本実施の形態においては、前記後部空間13を、前記炊飯器本体1の外郭を構成する外ケース4と別部材からなる外ケースカバー4aとによって形成しているので、外ケース4が外ケースカバー4aによって補強されることとなり、炊飯器本体1の剛性が強化される。
【0039】
また、本実施の形態においては、前記制御基板32を取り付ける基板ホルダー34を、前記後部空間13を形成する前記外ケース4に取り付けているので、外ケース4が基板ホルダー34によって補強されることとなり、炊飯器本体1の剛性がより一層強化される。
【0040】
また、本実施の形態においては、前記基板ホルダー34に、冷却用の送風装置28,28およびファン35を取り付けているので、剛性の強い隔壁11を構成する外ケース4に取り付けられた基板ホルダー32に冷却用の送風装置28,28およびファン35が支持されることとなり、送風装置28,28およびファン35の振動等を抑制することができる。
【0041】
本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
1は炊飯器本体
2は蓋体
3は飯器
4は外ケース
4aは外ケースカバー
11は隔壁
12は飯器収納空間
13は後部空間
17は操作パネル部
28は送風装置
32は制御基板
34は基板ホルダー
38はコードリール
C1,C2は加熱手段(ワークコイル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米と水とを収容する飯器を取出自在に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、前記飯器の底部および側部下方のコーナ部を加熱する加熱手段とを備え、前記蓋体側に、各種スイッチ類を有する操作パネル部を設けた電気炊飯器であって、前記炊飯器本体内の空間部を、前記飯器が収納される飯器収納空間と該飯器収納空間に対して隔壁を介して区画された後部空間とで構成するとともに、前記後部空間には、制御基板等の発熱する電装部品およびコードリールを配設したことを特徴とする電気炊飯器。
【請求項2】
前記後部空間を、前記炊飯器本体の外郭を構成する外ケースと別部材からなる外ケースカバーとによって形成したことを特徴とする請求項1記載の電気炊飯器。
【請求項3】
前記制御基板を取り付ける基板ホルダーを、前記後部空間を形成する前記外ケースに取り付けたことを特徴とする請求項2記載の電気炊飯器。
【請求項4】
前記基板ホルダーには、冷却用の送風装置を取り付けたことを特徴とする請求項3記載の電気炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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