電気炊飯器
【課題】炊飯器が炊飯に不適切な場所に置かれ吸排気口が塞がれる恐れがある場合に、この状態を検知して炊飯器内部の異常過熱を防止すること。
【解決手段】鍋20を収容し鍋内の炊飯物を加熱する加熱手段51、52を設けた炊飯器本体2と、加熱手段を制御して炊飯制御を行う制御装置とを備え、炊飯器本体2は、内部に外気を吸引して空冷する冷却ファン62と、底板部22aに置き場所となる床面から所定高さ立設させせる高さHの支持台24並びに底板部を貫通する貫通孔からなる吸気口23a及び排気口23bとが設けられた電気炊飯器であって、炊飯器本体2は、底板部22aに吸排気口を塞ぐ妨害物を検知する吸排気妨害物検知手段25が設けられ、制御装置は、警報を発する警報手段及び/又は炊飯を停止する炊飯停止手段に接続されて、吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知したときに警報手段で警報を発生させ及び/又は炊飯停止手段で炊飯を停止させる。
【解決手段】鍋20を収容し鍋内の炊飯物を加熱する加熱手段51、52を設けた炊飯器本体2と、加熱手段を制御して炊飯制御を行う制御装置とを備え、炊飯器本体2は、内部に外気を吸引して空冷する冷却ファン62と、底板部22aに置き場所となる床面から所定高さ立設させせる高さHの支持台24並びに底板部を貫通する貫通孔からなる吸気口23a及び排気口23bとが設けられた電気炊飯器であって、炊飯器本体2は、底板部22aに吸排気口を塞ぐ妨害物を検知する吸排気妨害物検知手段25が設けられ、制御装置は、警報を発する警報手段及び/又は炊飯を停止する炊飯停止手段に接続されて、吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知したときに警報手段で警報を発生させ及び/又は炊飯停止手段で炊飯を停止させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気炊飯器に係り、詳しくは絨毯、ビニールシート上などの炊飯に不適切な場所に置かれて、これらの部材によって吸排気口が塞がれることにより、炊飯器内部が異常過熱状態になり、故障の原因となるのを未然に防止する機能を備えた電気炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気炊飯器(以下、炊飯器という)は一般家庭などにおいて、既に必需品の家電商品となっており、様々なタイプの炊飯器が開発されて製品化されている。この種の炊飯器は、炊飯時に鍋内の圧力をほぼ常圧で炊飯するタイプのものと、所定圧力に昇圧して炊飯するタイプのものとに大別されている。近年、このような炊飯器には、マイクロコンピュータが搭載されて、ユーザーからの様々なニーズに応えられるようになってきている。ユーザーのニーズは多種多様であり、例えば、より豊富な炊飯メニューを備え、この炊飯メニューでより美味しい炊き上がりとなり、しかも炊飯操作が簡単で使い勝手がよいものなどとなっている。より美味しいご飯を炊き上げるには、高火力で一気に炊き上げることが条件となるので、近年は、高火力が得られる電磁誘導加熱方式の加熱装置が使用されている。この電磁誘導加熱装置は、電磁誘導加熱コイル、この加熱コイルを駆動するインバータ及びこのインバータを制御する制御回路基板などからなり、特殊構造の鍋を用い、この鍋に渦電流を発生させて加熱させる装置であって、この装置は他の電熱線を用いた加熱方式の加熱装置に比べて高出力が可能な点が特徴となっている。
【0003】
この電磁誘導加熱装置は、炊飯器本体内に設置されるが、作動中に内部温度が異常に上昇してオーバーヒート状態となると、制御回路基板に装着された電子部品などに悪影響を与えて誤動作及び損傷の原因となる。そこで、炊飯器本体には、内部のオーバーヒートを回避するために、冷却手段が設けられている。この冷却手段は、通常、発熱部品に取付けてこの部品からの熱を放熱させるヒートシンクと、このヒートシンク及び制御回路基板などを強制冷却する冷却ファン等からなり、また、炊飯器本体には外気と連通するための吸排気口が設けられている。通常、吸排気口は、炊飯器本体の底部、すなわち、炊飯器を置く床面近傍に設けられるので、これらの吸排気口から異物などが入り込んで吸排気口が塞がれることがある。吸排気口から異物が侵入すると、衛生上の問題が発生し或いは故障などの原因となるので、異物の侵入を防ぐための対策を講じた炊飯器が提案されている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、吸気口を着脱自在のカバーで覆い、油煙、ほこりなどが侵入するのを防止した炊飯器が記載されている。また、下記特許文献2には、炊飯器本体の床面近傍に排気孔を形成し、この排気孔の内側に所定高さのリブを設けて、床面を清掃のために散水したときにその飛沫が内部へ侵入して電子部品などに入り込むのを防止した炊飯器が記載されている。さらに、下記特許文献3には、吸排気口をフィルタで覆いゴキブリなどの害虫が侵入して衛生上の問題を起こすのを防止した炊飯器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−308570号公報(段落〔0011〕、〔0012〕、図1)
【特許文献2】特開2003−70626号公報(段落〔0026〕〜〔0029〕、図1)
【特許文献3】特開平6−217874号公報(段落〔0014〕、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1〜3の炊飯器によれば、これらの炊飯器がほこり、油煙、害虫及び水飛沫などが発生する環境に置かれても、これらの異物が吸排気口から侵入するのを防止できる。しかしながら、この種の炊飯器は普及がさらに拡大しており、この普及の拡大に伴い、炊飯時が上記のような使用環境だけでなく、絨毯、座布団、或いはビニールシート、紙片など可撓性シート材などの上に置かれることがあり、その場合、これらの部材が吸排気妨害物となって、吸排気口を塞いでしまい故障の原因となることがある。
【0007】
製造メーカは、使用説明書などに炊飯器をこのような不適切な場所に置いて炊飯しないような注意書きをしている。さらに、炊飯器内部が異常過熱状態になった場合、この異常過熱を検出する保護手段を設けて、異常過熱警報を発する、或いは炊飯を中止するようにしたものがある。ところが、使用説明書などに注意書きをしても、ユーザーがその注意書きに気づかず、また、不注意などでその注意書きの内容を守らないことがある。また、異常過熱警報が発せられると、ユーザーはその原因を究明するために、炊飯途中に炊飯器の蓋をあけることがあり、蓋があけられると沸騰中の炊飯物が外部へ飛散して火傷をするなどの危険がある。あるいは、この警報により炊飯途中で炊飯を中止して炊飯物が生煮えになってしまうことなどがある。さらに、異常過熱の原因が、炊飯器が絨毯などの不適切な場所に置かれて吸排気口が塞がれたことに起因していることが分かったときに、その原因を解消するために、炊飯器を持ち上げて他の場所へ移動することがあるが、移動中に鍋内の沸騰中の炊飯物が外部へ飛散して火傷などを起こす危険がある。
【0008】
本発明は上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明は、炊飯時に炊飯器が絨毯、座布団、或いはビニールシート、紙片など可撓性シート材上などの炊飯に不適切な場所に置かれて、これらの部材によって吸排気口が塞がれる恐れがある場合、この状態を予め検知して炊飯器内部が異常過熱状態になるのを防止して、安全性及び信頼性を高めた電気炊飯器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の電気炊飯器は、炊飯物を入れる鍋と、前記鍋を収容し該鍋内の炊飯物を加熱する加熱手段を設けた炊飯器本体と、前記加熱手段を制御して一連の炊飯制御を行う制御装置と、炊飯を開始する炊飯スタートスイッチとを備え、前記炊飯器本体には、内部に外気を吸引して空冷する冷却ファンと、底板部に置き場所となる床面から所定高さ立設させる高さHの支持台並びに底板部を貫通する貫通孔からなる吸気口及び排気口とが設けられた電気炊飯器において、前記炊飯器本体は、前記底板部に前記吸排気口を塞ぐ妨害物を検知する吸排気妨害物検知手段が設けられ、前記制御装置は、警報を発する警報手段及び/又は炊飯を停止する炊飯停止手段に接続されて、前記吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知したときに警報手段で警報を発生させ及び/又は炊飯停止手段で炊飯を停止させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の電気炊飯器において、前記制御装置は、炊飯器が電源に接続されて前記炊飯スタートスイッチがオンされる前に、前記吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知したときに警報信号を送出して前記警報手段を作動させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の電気炊飯器において、前記制御装置は、前記炊飯スタートスイッチがオンされた後に、前記吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知ときに警報信号及び/又は炊飯停止信号を送出して炊飯を警報手段及び/又は炊飯停止手段を作動させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1に記載の電気炊飯器において、前記吸排気妨害物検知手段は、前記底板部と前記床面間の隙間を検知する隙間検知手段で構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の電気炊飯器において、前記隙間検出手段は、前記床面に突き当たる作動棹と前記作動棹により開閉されるスイッチとからなるスイッチ手段、発光素子と前記発光素子から照射された光の反射光を受光する受光素子とからなる光学検知手段、超音波発生素子と前記超音波発生素子から照射された超音波の反射音を受音する受音素子とからなる超音波検知手段のいずれかであることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項1に記載の電気炊飯器において、前記吸排気妨害物検知手段は、端部にそれぞれ橋脚を有する所定長さのブリッジバーを用い、前記ブリッジバーを前記吸気口の間に橋渡しするとともに両橋脚を前記底板部に対して浮沈自在な結合手段で固定し、前記橋脚の少なくともいずれか一つの橋脚に前記ブリッジバーが前記床面と該ブリッジバー間の隙間を検知する隙間検知手段で構成されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の電気炊飯器において、前記吸気口には、前記ブリッジバーの複数本が橋渡しされていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項8の発明は、請求項7に記載の電気炊飯器において、前記複数本のブリッジバーは、交差されて前記吸気口に橋渡しされていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項9の発明は、請求項7又は請求項8に記載の電気炊飯器において、前記複数本のブリッジバーは、いずれかのブリッジバーの少なくとも一つの橋脚に前記隙間検知手段が設けられていることを特徴とする。
【0018】
また、請求項10の発明は、請求項6〜9のいずれかに記載の電気炊飯器において、前記隙間検出手段は、前記床面に突き当たる作動棹と前記作動棹により開閉されるスイッチとからなるスイッチ手段であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、炊飯器の吸排気口が塞がれる炊飯に不適切な場所、例えば絨毯、座布団或はビニール片、紙片、布切れなどのフィルム状シート材などの上に置かれても、吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知したときに、制御装置が警報手段及び/又は炊飯停止手段へそれぞれの信号を送出して警報などをする。その結果、吸排気口が吸排気妨害物で塞がれて炊飯器内部が異常温度上昇することを防止し、制御基板などに搭載された電子部品などの異常温度上昇による故障及び損傷などを防止できる。
【0020】
請求項2の発明によれば、炊飯スタートスイッチがオンされる前、すなわち、炊飯開始前に、炊飯器が不適切な場所に置かれていることをユーザーに知らせることができる。
【0021】
請求項3の発明によれば、炊飯スタートスイッチがオンされた後、すなわち、炊飯が開始されて一連の炊飯工程において、炊飯器が不適切な場所/状態になった場合、警報及び/又は炊飯を一時停止させることができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、吸排気妨害物検知手段は、底板部と床面間の隙間を検知する隙間検知手段で構成されているので、隙間の検知が簡単にできる。
【0023】
請求項5の発明によれば、スイッチ手段、光学検知手段及び超音波検知手段は、いずれも簡単に入手できる汎用品であり、これらの汎用品を用いて妨害物検知手段を簡単に構成できる。
【0024】
請求項6の発明によれば、吸気口は、吸排気妨害物検知手段に連結されたブリッジバーで橋渡ししてあるので、吸気口からフィルム状シート材などが吸引されるのを防止できると共に、この状態をブリッジバーに連結された吸排気妨害物検知手段が検知して、制御装置により、警報手段及び/又は炊飯停止手段へそれぞれの信号を送出して、吸気口の閉塞による炊飯器内部の異常温度上昇と、この温度上昇による制御基板に搭載された電子部品などの故障及び損傷を防止できる。すなわち、炊飯時には、吸気口から冷却ファンの吸引力により大量の外気が吸気されるが、このとき、吸気口付近にビニール片、紙片、布切れなどのフィルム状シート材があると、吸気口に吸い込まれて該吸気口を塞いでしまうことがあるが、吸気口がブリッジバーで橋渡ししてあるので、フィルム状シート材が内部へ吸引されるのを防止できると共に、この状態をブリッジバーに連動した妨害物検知手段で検知できる。勿論、絨毯、座布団など、不適切な場所に置かれた場合にも検知できる。
【0025】
請求項7、8の発明によれば、吸気口は、複数本のブリッジバーで橋渡ししてあるので、よりきめ細かくして吸気口からフィルム状シート材が吸引されるのを防止できると共に、この状態をブリッジバーに連動した吸排気妨害物検知手段に検知して、制御装置により、警報手段及び/又は炊飯停止手段へそれぞれの信号を送出して、吸気口の閉塞により炊飯器内部が異常温度上昇し、この温度上昇による制御基板などの故障及び損傷を防止できる。
【0026】
請求項9の発明によれば、複数の橋脚のうち、少なくとも一つの橋脚に隙間検知手段を設置することにより、隙間検知手段の個数を少なくして効率よく隙間間隔の検知が可能になる。
【0027】
請求項10の発明によれば、スイッチ手段を用いることにより、ブリッジバーとの連動が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態1に係る炊飯器の正面図である。
【図2】図1の炊飯器の縦断面図である。
【図3】図1の炊飯器底部の背面図である。
【図4】炊飯器底部に設置された吸排気妨害物検知手段の拡大断面図である。
【図5】吸排気妨害物検知手段の変形例を示した拡大断面図である。
【図6】制御装置を構成するブロック図である。
【図7】炊飯工程おける鍋内の温度の変化を示した温度上昇曲線である。
【図8】本発明の実施形態における炊飯時の吸排気妨害物の有無の判定を行うフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態における炊飯フローチャートである。
【図10】本発明の実施形態2に係る炊飯器底部の背面図である。
【図11】図10の炊飯器に設けた吸排気妨害物検知手段の拡大断面図である。
【図12】図11の炊飯器に設けた吸排気妨害物検知手段の変形例を示した炊飯器底部の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための炊飯器を例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。なお、この炊飯器は、炊飯時に鍋内の圧力を大気圧以上に昇圧して炊飯する圧力式のものになっているが、これに限定されるものではなくほぼ常圧で炊飯する炊飯器や、炊飯時に鍋内の圧力を減圧して炊飯する炊飯器であってもよい。
(実施形態1)
図1〜図5を参照して、本発明の実施形態1に係る炊飯器の構造を説明する。なお、図1は本発明の実施形態に係る炊飯器の正面図、図2は図1の炊飯器の縦断面図、図3は図1の炊飯器底部の背面図、図4は炊飯器底部に設置された吸排気妨害物検知手段の拡大断面図、図5は吸排気妨害物検知手段の変形例を示した拡大断面図である。
【0030】
本発明の実施形態1に係る炊飯器1は、図1、図2に示すように、米と水とを含む炊飯物を入れる鍋20と、上方にこの鍋20が収容される開口部及び内部にこの鍋20を加熱し炊飯物を加熱する加熱手段51、52を有する炊飯器本体(以下、本体という)2と、この本体2の一側に枢支されて鍋及び本体の開口部を覆い閉塞状態に係止する蓋体4と、この蓋体4に装着されて鍋20内の内圧を調整する圧力弁7と、この圧力弁7を開放制御する圧力弁開放機構8と、各種の炊飯コースを表示して選択する表示操作部9と、選択された炊飯コースに従って加熱手段51、52及び圧力弁開放機構8を制御して鍋20内の炊飯物を所定温度に加熱して一連の炊飯工程を実行する制御装置60(図6参照)とを有している。
【0031】
一連の炊飯工程は、図7に示すように、鍋内の米に所定量の水を吸水させる吸水工程、吸水後に鍋内を一気に加熱して沸騰させる立上加熱工程、この沸騰状態を維持して米のデンプンを糊化させて炊き上げる沸騰維持工程、炊き上ったご飯から余分な水分を除去するとともに糊化をさらに促進させる蒸らし工程などを含む工程となっている。
【0032】
本体2は、図2に示すように、有底箱状の外部ケース22と、この外部ケース22に収容される内部ケース21とからなり、外部ケース22と内部ケース21との間に隙間が形成されて、この隙間に制御装置60を構成する制御回路基板6等が配設されている。内部ケース21には、深底の容器からなる鍋20が収容される。この鍋20は、アルミニウムとステンレスとのクラッド材で形成されている。また、この内部ケース21は、その底部及び側部にそれぞれ鍋底ヒータ51及び側面ヒータ52などの加熱手段5が設けられ、底部に鍋底温度を検知するサーミスタ等からなる鍋底温度センサSが設けられている。鍋底ヒータ51には環状に巻装した電磁誘導コイル(以下、IHコイルともいう)が使用されている。
【0033】
本体2は、その内部に主に制御回路基板6及びインバータ(図示省略)を冷却する冷却手段が設けられている。この冷却手段は、制御回路基板6から発生する熱を放熱させるヒートシンク61と、このヒートシンク61及びインバータなどを強制冷却する冷却ファン62と有している。冷却ファン62は、底板部22aに設けた吸気口23aの近傍に配設されている。
【0034】
外部ケース22には、図3に示すように、底板部22aに吸気口23aと排気口23bとが所定距離離して形成されている。吸気口23aは、冷却ファン62の近傍にあって、底板部22aの所定範囲(領域)を貫通した複数本のスリットからなる開口群となっている。この開口群は、複数本のスリットを底板部22aの略正方形の領域に纏めたものとなっており、この開口群によって、吸気口が構成されている。この開口群は、複数本のスリットだけでなく、所定径の円形或は楕円形孔など任意の開口をもつものでもよい。この吸気口23aの開口面積は、内部の発熱量に応じて決定される。すなわち、発熱量が大のときには大きく、小さいときには小さくしてある。排気口23bは、吸気口23aから離れた後方位置にあって、底板部22aに設けた小開口或いはスリットで構成されている。外部ケース22は、底板部22aの外壁面の四隅に炊飯器の置き場所となる床面Bから所定高さH立設させる支柱台24が形成されている。この支柱台24を設けると、床面Bとの間に所定の隙間があき、この隙間を利用することで吸気及び排気がスムーズになる。
【0035】
また、外部ケース22には、吸気口23aと排気口23bとの間に、これらの吸排気口を塞ぐ恐れのある妨害物の有無を検知する吸排気妨害物検知手段25が設けられている。この吸排気妨害物検知手段25は、床面Bとの距離(隙間)、すなわち支柱台24による底板部22aと床面Bとの隙間を検知する隙間検知手段となっている。
【0036】
吸排気妨害物検知手段25は、図4に示すように、マイクロスイッチMSと、このマイクロスイッチMSを作動させる作動操作部26とを有している。作動操作部26は、マイクロスイッチMSを作動させる作動棹27と、この作動棹27をバネ付勢するコイルスプリング28と、これらを固定する固定枠29とで構成されている。作動棹27は、底板部22aへの装着時に該底板部22aの外壁面から下方へ突出して、床面に接触する長さの床面接触部27aと、コイルスプリング28の移動を規制するストッパー突起27bと、コイルスプリング28を装着するスプリング装着部27cと、マイクロスイッチMSを作動させる作動部27dとを有している。この作動操作部26は、作動棹27にコイルスプリング28を挿通して、この作動棹を固定枠29に装着して組立てられる。
【0037】
吸排気妨害物検知手段25の取付けは、底板部22aに作動棹27の床面接触部27aを挿通させる貫通孔を形成しておき、底板部22aの内壁面に作動操作部26組立て体を固定し、マイクロスイッチMS及び固定枠29を設置して、組立てを完了する。この取付けにより、作動棹27の床面接触部27aは底板部22aの外壁面側へ突出し、床面Bに接触できる状態となっている。炊飯時に炊飯器が床面Bに置かれて支柱台24が沈むと、この沈みで作動棹27が上方へ押上げられて、マイクロスイッチMSを作動させることが可能になる。
【0038】
吸排気妨害物検知手段25は、マイクロスイッチMSを使用した機械的なもので構成したが、光学式或は超音波を利用したものでもよい。
【0039】
図5は、光学式の吸排気妨害物検知手段25Aとなっている。この吸排気妨害物検知手段25Aは、発光素子25fと受光素子25f’と有し、発光素子25fからの光を床面Bに反射させて、その反射光を受光素子25f’で検知することによって隙間を検知する。また、これらの発光素子及び受光素子に代えて、超音波発生素子及び超音波受音素子にしたものでもよい。
【0040】
また、本体2には、図1、図2に示すように、その正面に表示操作部9が設けられている。この表示操作部9には、各種の炊飯選択コース及び時刻等が表示される表示パネル91と、この表示パネル91の左右及び下方に設けられた複数個のスイッチ操作釦92とを備えている。これらのスイッチ操作釦は、炊飯器1を作動させる炊飯/スタート釦92a、炊飯予約をする炊飯予約釦92b、炊飯等の設定を取消す取消/保温釦92c、炊飯する米を選択するお米選択釦92d、炊飯メニューを選択するメニュー選択釦92e、コースを選択するコース釦92f、及び表示パネル91に表示されたメニュー等を選択・決定する十字シフトキー92gとなっている。これらの釦及びキーは、押し釦式のスイッチを構成する操作釦等であって、これらの釦或いはキーを押圧することにより、各種のメニューなどが表示され選択・決定される。これらの操作釦92a〜92fのうち、メニュー選択釦92eは、各種炊飯メニューを表示パネル91に表示させるもので、この釦を押圧すると、ふつう、かため、やわらか、おかゆ、すしめし、カレー用、炊込み、おこわ、四季炊き、マルチ調理などの各種炊飯メニューが表示される。また、お米選択釦92dは、米の種類を選定するもので、例えば白米、無洗米、玄米、発芽玄米等の何れかを選択するものである。更に、コース釦92fは、うまみ保温、おやすみ保温、マルチ調理及びクリーニング等を選択するものである。また、十字シフトキー92gは、表示パネル91に表示された種々のメニューから所定のメニューを選択するもので、表示された炊飯メニュー、例えば、ふつう、かため、やわらか、おかゆ、すしめし、カレー用、四季炊き及びこだわり等から十字シフトキー92gを操作してカーソル(点滅表示)を上下及び左右に移動させて選択するものである。
【0041】
蓋体4は、図2に示すように、鍋20の開口部を閉蓋する内蓋42と、本体2の開口部全体を覆う外蓋41等とで構成されている。この蓋体4は、一側がヒンジ機構44により本体2に枢支され、他側がロック機構47により本体2の係止部にロックされる。
【0042】
図2に示すように、内蓋42には、圧力弁7が設けられている。この圧力弁7は圧力弁開放機構8によって開放される。圧力弁7は、所定径の弁孔71bが形成された弁座71aと、この弁孔71bを塞ぐように弁座71a上に載置される金属製のボール72と、このボール72の移動を規制することで弁座71a上にボール72を保持するカバーとで構成されている。また、圧力弁開放機構8は、電磁コイルが巻回されたシリンダ81と、このシリンダ81内から電磁コイルの励磁により入出しボール72を移動させるプランジャと、プランジャの先端に装着されたロッド82と、シリンダ81の一端部とロッド82との間に設けられたバネとで構成されている。
【0043】
圧力弁開放機構8は、制御装置60により制御される。すなわち、制御装置60からの指令に基づき、電磁コイルが励磁されると、プランジャがシリンダ81内に引き込まれ、この引き込みにより、ボール72が弁孔71b上に戻り、弁孔71bがボール72で閉塞される。また、閉塞状態において、電磁コイルへの励磁がストップされるとプランジャがバネの付勢力によりシリンダ81から飛出してボール72に衝突し、ボール72が所定方向に押し出される。この押し出しにより、ボール72は弁孔71b上で移動して弁孔71bを強制的に開放される。
【0044】
内蓋42には、鍋20内の蒸気圧力が所定圧力以上の異常圧力に上昇したときに、鍋20内の圧力を外部に逃がす安全弁46が設けられている。また、この内蓋42には、蒸気温度センサ(図示せず)が取り付けられている。
【0045】
内蓋42と外蓋41とは、その間に所定広さの隙間空間をあけて結合されている。外蓋41には、鍋20から排出される水分を含むおねばを一時貯留する貯留タンク43が着脱自在に装着されている。この貯留タンク43は、おねばと蒸気とを分離する蒸気通路43aと、蒸気を外部へ逃がす蒸気口43bと、その内部に一時貯留されたおねばを鍋20へ戻すタンク弁43cとを有している。隙間空間及び貯留タンク43の蒸気通路43aは、おねばを一時貯留する貯留部となっている。なお、おねばとは粘り気のある糊状の汁であって、この糊状の汁は旨み成分を含んでおり、このおねばがそのまま鍋20外へ排出されてしまうとご飯が美味しく炊きあがらない。そこで、このおねばを貯留する貯留タンク43を設けて、この貯留タンク43におねばを一時貯留しておき、鍋20内の加熱が終了して鍋20内が負圧になったときにおねばを鍋20内に戻すことで旨み成分を含むおねばでご飯がコーティングされるため、ご飯を美味しく炊きあげることができる。
【0046】
次に、図6〜図9を参照して、炊飯器を制御する制御装置及び炊飯制御を説明する。なお、図6は制御装置を構成するブロック図、図7は炊飯工程おける鍋内の温度変化を示した温度上昇曲線、図8、図9は炊飯のフローチャートを示している。
【0047】
制御装置60は、図6に示すように、CPU、ROM、RAMなどが搭載された回路基板からなるハードウェアと、これらにより鍋底ヒータのIHコイルを制御するインバータ制御部、吸排気妨害物検知手段25からの検出値に基づいて、炊飯開始前であれば、炊飯器が炊飯に不適切な場所の置かれていることを警報する警報制御部、及び炊飯開始後、すなわち、炊飯スタート釦が押されて炊飯が開始され一連の炊飯工程が実行されているときに、この炊飯工程を途中で一時停止させる停止制御部などからなるソフトウエアとを備えている。また、この制御装置60は、炊飯/スタート釦92a、メニュー選択釦92e、炊飯予約釦92b及び取消/保温釦92c、鍋底温度センサS、蒸気温度センサなどにそれぞれ接続されて、これらの釦及びセンサの信号がCPUに入力されるようになっている。出力部(ドライバー)には、鍋底ヒータ51及び側面ヒータ52などの加熱手段5、圧力弁開放機構8、および表示器(表示パネル)91などが接続されている。ROMには、各種の炊飯メニュー及びこのメニューを実行するプログラムが収納されている。報知器は、警報音、ランプの点滅等をさせるものとなっている。
【0048】
次に、主に図7〜図9を参照して、吸排気妨害物の有無の判定及びこの判定による炊飯制御を説明する。
【0049】
炊飯器1が電源に接続されると、制御装置60は、まず、図8に示した炊飯フローのステップS1において、炊飯器が不適切な場所に置かれているか否かを判定する。この判定は、吸排気妨害物検知手段25により、炊飯器が置かれた床面Bと底板部22a間の隙間を検知し、この検知値によって行われる。炊飯器1が例えば絨毯、座布団などの上に置かれ、不適切な状態であると、支柱台24がこれらの部材に沈み込み、この沈み込みにより、作動棹27の床面接触部27aがこれらの部材に当接してコイルスプリング28の伸張力に抗して上方へ押上げられる(図4(b)参照)。作動棹27が押上げられて、支柱台24の高さHより短長になると、作動部27dがマイクロスイッチMSに接触して、このマイクロスイッチMSを作動させる。この動作により、ステップS1で吸排気妨害物があると判定される。この判定がされると、警報器から警報が発生されて炊飯器が不適切な状態であることがユーザーへ報知される(S2)。この警報は、吸排気妨害物が無くなるまで継続される。また、ステップS1で吸排気妨害物がないと判定されると、警報が発生されることなく炊飯開始可能な状態となる。この状態になって炊飯が開始(S3)されると、後述する一連の炊飯工程(S4)が実行される。ところが、この一連の炊飯工程中においても、炊飯開始前に不適切な状態であったにも拘わらず、ステップS1で検知できずに、炊飯開始後になって不適切な状態となって吸排気口が塞がれることがある。そこで一連の炊飯工程中にも吸排気妨害物の判定を行う(S5)。この判定は、ステップS1と同様の方法で行い、吸排気妨害物があると判定されると、炊飯を一時停止すると共に警報器から警報が発生されて不適切な状態となったことが報知される(S6、S7)。この一時停止及び警報は、吸排気妨害物が無くなるまで継続されて、吸排気妨害物が除去されれば(S8)、炊飯が再開されて(S9)、炊飯工程に戻り炊飯が完了したかを判定し(S10)、炊飯が完了したと判定されると炊飯を終了する(S11)。
【0050】
これにより、炊飯時に炊飯器の吸排気口が塞がれる不適切な場所、例えば絨毯、座布団など上に置かれても、吸排気妨害物検知手段がこの状態を検知し、この検知に基づいて制御装置が警報手段及び/又は炊飯停止手段へそれぞれの信号を送出して警報などをする。その結果、吸排気口が吸排気妨害物で塞がれて炊飯器内部が異常温度上昇することを防止し、制御基板などに搭載された電子部品などの、異常温度上昇による故障及び損傷などを防止できる。
【0051】
また、一連の炊飯工程は、図7及び図9に示すように、鍋内の米に所定量の水を吸水させる吸水工程、吸水後に鍋内を一気に加熱して沸騰させる立上加熱工程、この沸騰状態を維持して米のデンプンを糊化させて炊き上げる沸騰維持工程、炊き上ったご飯から余分な水分を除去するとともに糊化をさらに促進させる蒸らし工程などを含む工程となっている。
【0052】
吸水工程では、圧力弁開放機構8により圧力弁7を開成させ、一方、加熱手段への通電を行い、所定の吸水温度で所定の吸水時間(例えば15分)掛けて実行される(S51)。この吸水工程が終了すると、加熱手段5を全加熱量(フルパワー)にして鍋20を加熱し、この鍋内を沸騰状態にさせる立上加熱工程(S52)へ移行し、圧力弁7を閉成する(S53)。立上加熱工程後は沸騰維持工程へ移行する(S54)。この沸騰維持工程では、圧力弁7を強制的に1回乃至複数回に亘って開成作動させて、鍋内の圧力を一気に低下させる(S55)。鍋内圧力が大きく低下すると、その度ごとに、鍋内に突沸現象が生じて泡が発生し、水と米とが攪拌され、中央側にあった米粒が鍋内の側方にも移動し、結果として米粒全体に十分な熱が加わることになる。沸騰維持工程終了後は、むらし1工程(S56)に移行し、むらし1工程終了後、圧力弁を開放して(S57)、追炊き工程(S58)、むらし工程2(S59)を経て炊飯を終了する。
(実施形態2)
図10〜図12を参照して、本発明の実施形態2に係る炊飯器を説明する。なお、図10は本発明の実施形態2に係る炊飯器底部の背面図、図11は炊飯器底部に設けられた吸排気妨害物検知手段の拡大断面図、図11は図10の炊飯器に設けた吸排気妨害物検知手段の拡大断面図、図12は図11の炊飯器に設けた吸排気妨害物検知手段の変形例を示した炊飯器底部の背面図である。
【0053】
実施形態2に係る炊飯器1Aは、実施形態1の炊飯器1の吸気口に設置する吸排気妨害物検知手段が異なり他の構造は同じになっている。そこで炊飯器1と共通する構成には同じ符号を付して説明を省略し異なる構成を詳述する。
【0054】
炊飯器1Aは、吸排気妨害物検知手段25Bを備えている。この吸排気妨害物検知手段25Bは、吸気口23aに所定長さのブリッジバー3を橋渡しすると共に、このブリッジバー両端の橋脚3b、3bを吸気口23aの周辺に浮沈自在な結合手段で固定して、これらの橋脚3b、3bをスイッチ手段30に連動させた構成となっている。
【0055】
ブリッジバー3は、吸気口の開口を跨ぎ開口周辺へ達する長さの直線部3aと、この直線部の両端を同じ方向へ所定長さ直角に折曲させた橋脚3b、3bとを有し、各橋脚3b、3bは、底板部22aに装着したときに、直線部3aが床面Bに接触する長さになっている。すなわち、各橋脚3b、3bの長さは、支柱台24の高さを考慮して設定されている。このブリッジバー3は、所定太さの棒状体乃至所定の厚さ及び幅長の板状体で形成されている。このブリッジバー3は、スイッチ手段30に連結されて浮沈自在となっている。スイッチ手段30は、吸排気妨害物検知手段25の作動操作部26を一部変更し、マイクロスイッチMSを作動させるものとなっている。すなわち、変更した作動操作部26Aは、マイクロスイッチMSを作動させる作動棹27Aと、この作動棹をバネ付勢するコイルスプリング28と、これらを固定する固定枠29とで構成されている。作動棹27Aは、コイルスプリング28を装着するスプリング装着部27cの一端部が橋脚3bに結合される構造となっている。
【0056】
ブリッジバー3の取付けについて説明する。まず、底板部22aの内部面にマイクロスイッチMS及び作動操作部26Aを設置する。次いで、吸気口23aの周辺にブリッジバー3の橋脚を挿通する貫通孔を設けておき、これらの貫通孔に各橋脚3b、3bを挿通して、両橋脚の端部を作動棹27Aのスプリング装着部27cの端部に結合して取付けを終了する。この取付けにより、ブリッジバー3は、その直線部3aが床面Bに略接触した状態で且つ上下動自在な状態で底板部22aに固定される。
【0057】
吸排気妨害物検知手段25Bは、炊飯時に、吸気口23aから内部へ外気が吸引される。この吸引時に、床面Bにビニールシート或は紙片などの可撓性シート材があると、吸気口へ吸引されて吸気口を塞ぐことがある。しかしながら、吸気口23aと可撓性シート材との間にブリッジバー3の直線部3aが介在しているので、可撓性シート材が吸気口23aへ吸引されるときに、ブリッジバー3の直線部3aを上方へ押上げる。この直線部3aが押上げられると、作動操作部26Aを介してマイクロスイッチMSを作動させる。このマイクロスイッチMSの作動により、警報及び炊飯停止がされる(図11(b)参照)。この吸排気妨害物検知手段25Bは、可撓性シート材などで吸気口が塞がれることを防止できるが、絨毯或は座布団などに対しても、同じ作用を奏することができる。なお、この吸排気妨害物検知手段25Bは、両橋脚3bにスイッチ手段30を設けたが、いずれか一方の橋脚でもよい。
【0058】
また、吸排気妨害物検知手段25Bは、1本のブリッジバーを用いたが、ブリッジバーを複数本用い、これらを吸気口に略等間隔或は交差(図12参照)させてもよい。吸排気妨害物検知手段25B’は、吸気口に複数本のブリッジバーを橋渡ししてあるので、吸気口から可撓性シート材が吸引されるのをよりきめ細かくして防止できると共に、この状態をブリッジバーに連動した妨害物検知手段が検知して、制御装置により、警報手段及び/又は炊飯停止手段へそれぞれの信号を送出して、吸気口の閉塞により炊飯器内部が異常温度上昇し、この温度上昇による制御基板などの故障及び損傷を防止できる。
【符号の説明】
【0059】
1、1A 電気炊飯器
2 炊飯器本体
20 鍋
23a 吸気口
23b 排気口
24 支柱台(支持台)
25、25A、25B 吸排気妨害物検知手段
26、26A 作動操作部
27 作動桿
27a 床面接触部
3 ブリッジバー
3a 直線部
3b 橋脚
30 スイッチ手段
6 制御回路基板
61 ヒートシンク
62 冷却ファン
MS マイクロスイッチ
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気炊飯器に係り、詳しくは絨毯、ビニールシート上などの炊飯に不適切な場所に置かれて、これらの部材によって吸排気口が塞がれることにより、炊飯器内部が異常過熱状態になり、故障の原因となるのを未然に防止する機能を備えた電気炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気炊飯器(以下、炊飯器という)は一般家庭などにおいて、既に必需品の家電商品となっており、様々なタイプの炊飯器が開発されて製品化されている。この種の炊飯器は、炊飯時に鍋内の圧力をほぼ常圧で炊飯するタイプのものと、所定圧力に昇圧して炊飯するタイプのものとに大別されている。近年、このような炊飯器には、マイクロコンピュータが搭載されて、ユーザーからの様々なニーズに応えられるようになってきている。ユーザーのニーズは多種多様であり、例えば、より豊富な炊飯メニューを備え、この炊飯メニューでより美味しい炊き上がりとなり、しかも炊飯操作が簡単で使い勝手がよいものなどとなっている。より美味しいご飯を炊き上げるには、高火力で一気に炊き上げることが条件となるので、近年は、高火力が得られる電磁誘導加熱方式の加熱装置が使用されている。この電磁誘導加熱装置は、電磁誘導加熱コイル、この加熱コイルを駆動するインバータ及びこのインバータを制御する制御回路基板などからなり、特殊構造の鍋を用い、この鍋に渦電流を発生させて加熱させる装置であって、この装置は他の電熱線を用いた加熱方式の加熱装置に比べて高出力が可能な点が特徴となっている。
【0003】
この電磁誘導加熱装置は、炊飯器本体内に設置されるが、作動中に内部温度が異常に上昇してオーバーヒート状態となると、制御回路基板に装着された電子部品などに悪影響を与えて誤動作及び損傷の原因となる。そこで、炊飯器本体には、内部のオーバーヒートを回避するために、冷却手段が設けられている。この冷却手段は、通常、発熱部品に取付けてこの部品からの熱を放熱させるヒートシンクと、このヒートシンク及び制御回路基板などを強制冷却する冷却ファン等からなり、また、炊飯器本体には外気と連通するための吸排気口が設けられている。通常、吸排気口は、炊飯器本体の底部、すなわち、炊飯器を置く床面近傍に設けられるので、これらの吸排気口から異物などが入り込んで吸排気口が塞がれることがある。吸排気口から異物が侵入すると、衛生上の問題が発生し或いは故障などの原因となるので、異物の侵入を防ぐための対策を講じた炊飯器が提案されている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、吸気口を着脱自在のカバーで覆い、油煙、ほこりなどが侵入するのを防止した炊飯器が記載されている。また、下記特許文献2には、炊飯器本体の床面近傍に排気孔を形成し、この排気孔の内側に所定高さのリブを設けて、床面を清掃のために散水したときにその飛沫が内部へ侵入して電子部品などに入り込むのを防止した炊飯器が記載されている。さらに、下記特許文献3には、吸排気口をフィルタで覆いゴキブリなどの害虫が侵入して衛生上の問題を起こすのを防止した炊飯器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−308570号公報(段落〔0011〕、〔0012〕、図1)
【特許文献2】特開2003−70626号公報(段落〔0026〕〜〔0029〕、図1)
【特許文献3】特開平6−217874号公報(段落〔0014〕、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1〜3の炊飯器によれば、これらの炊飯器がほこり、油煙、害虫及び水飛沫などが発生する環境に置かれても、これらの異物が吸排気口から侵入するのを防止できる。しかしながら、この種の炊飯器は普及がさらに拡大しており、この普及の拡大に伴い、炊飯時が上記のような使用環境だけでなく、絨毯、座布団、或いはビニールシート、紙片など可撓性シート材などの上に置かれることがあり、その場合、これらの部材が吸排気妨害物となって、吸排気口を塞いでしまい故障の原因となることがある。
【0007】
製造メーカは、使用説明書などに炊飯器をこのような不適切な場所に置いて炊飯しないような注意書きをしている。さらに、炊飯器内部が異常過熱状態になった場合、この異常過熱を検出する保護手段を設けて、異常過熱警報を発する、或いは炊飯を中止するようにしたものがある。ところが、使用説明書などに注意書きをしても、ユーザーがその注意書きに気づかず、また、不注意などでその注意書きの内容を守らないことがある。また、異常過熱警報が発せられると、ユーザーはその原因を究明するために、炊飯途中に炊飯器の蓋をあけることがあり、蓋があけられると沸騰中の炊飯物が外部へ飛散して火傷をするなどの危険がある。あるいは、この警報により炊飯途中で炊飯を中止して炊飯物が生煮えになってしまうことなどがある。さらに、異常過熱の原因が、炊飯器が絨毯などの不適切な場所に置かれて吸排気口が塞がれたことに起因していることが分かったときに、その原因を解消するために、炊飯器を持ち上げて他の場所へ移動することがあるが、移動中に鍋内の沸騰中の炊飯物が外部へ飛散して火傷などを起こす危険がある。
【0008】
本発明は上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明は、炊飯時に炊飯器が絨毯、座布団、或いはビニールシート、紙片など可撓性シート材上などの炊飯に不適切な場所に置かれて、これらの部材によって吸排気口が塞がれる恐れがある場合、この状態を予め検知して炊飯器内部が異常過熱状態になるのを防止して、安全性及び信頼性を高めた電気炊飯器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の電気炊飯器は、炊飯物を入れる鍋と、前記鍋を収容し該鍋内の炊飯物を加熱する加熱手段を設けた炊飯器本体と、前記加熱手段を制御して一連の炊飯制御を行う制御装置と、炊飯を開始する炊飯スタートスイッチとを備え、前記炊飯器本体には、内部に外気を吸引して空冷する冷却ファンと、底板部に置き場所となる床面から所定高さ立設させる高さHの支持台並びに底板部を貫通する貫通孔からなる吸気口及び排気口とが設けられた電気炊飯器において、前記炊飯器本体は、前記底板部に前記吸排気口を塞ぐ妨害物を検知する吸排気妨害物検知手段が設けられ、前記制御装置は、警報を発する警報手段及び/又は炊飯を停止する炊飯停止手段に接続されて、前記吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知したときに警報手段で警報を発生させ及び/又は炊飯停止手段で炊飯を停止させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の電気炊飯器において、前記制御装置は、炊飯器が電源に接続されて前記炊飯スタートスイッチがオンされる前に、前記吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知したときに警報信号を送出して前記警報手段を作動させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の電気炊飯器において、前記制御装置は、前記炊飯スタートスイッチがオンされた後に、前記吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知ときに警報信号及び/又は炊飯停止信号を送出して炊飯を警報手段及び/又は炊飯停止手段を作動させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1に記載の電気炊飯器において、前記吸排気妨害物検知手段は、前記底板部と前記床面間の隙間を検知する隙間検知手段で構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の電気炊飯器において、前記隙間検出手段は、前記床面に突き当たる作動棹と前記作動棹により開閉されるスイッチとからなるスイッチ手段、発光素子と前記発光素子から照射された光の反射光を受光する受光素子とからなる光学検知手段、超音波発生素子と前記超音波発生素子から照射された超音波の反射音を受音する受音素子とからなる超音波検知手段のいずれかであることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項1に記載の電気炊飯器において、前記吸排気妨害物検知手段は、端部にそれぞれ橋脚を有する所定長さのブリッジバーを用い、前記ブリッジバーを前記吸気口の間に橋渡しするとともに両橋脚を前記底板部に対して浮沈自在な結合手段で固定し、前記橋脚の少なくともいずれか一つの橋脚に前記ブリッジバーが前記床面と該ブリッジバー間の隙間を検知する隙間検知手段で構成されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の電気炊飯器において、前記吸気口には、前記ブリッジバーの複数本が橋渡しされていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項8の発明は、請求項7に記載の電気炊飯器において、前記複数本のブリッジバーは、交差されて前記吸気口に橋渡しされていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項9の発明は、請求項7又は請求項8に記載の電気炊飯器において、前記複数本のブリッジバーは、いずれかのブリッジバーの少なくとも一つの橋脚に前記隙間検知手段が設けられていることを特徴とする。
【0018】
また、請求項10の発明は、請求項6〜9のいずれかに記載の電気炊飯器において、前記隙間検出手段は、前記床面に突き当たる作動棹と前記作動棹により開閉されるスイッチとからなるスイッチ手段であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、炊飯器の吸排気口が塞がれる炊飯に不適切な場所、例えば絨毯、座布団或はビニール片、紙片、布切れなどのフィルム状シート材などの上に置かれても、吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知したときに、制御装置が警報手段及び/又は炊飯停止手段へそれぞれの信号を送出して警報などをする。その結果、吸排気口が吸排気妨害物で塞がれて炊飯器内部が異常温度上昇することを防止し、制御基板などに搭載された電子部品などの異常温度上昇による故障及び損傷などを防止できる。
【0020】
請求項2の発明によれば、炊飯スタートスイッチがオンされる前、すなわち、炊飯開始前に、炊飯器が不適切な場所に置かれていることをユーザーに知らせることができる。
【0021】
請求項3の発明によれば、炊飯スタートスイッチがオンされた後、すなわち、炊飯が開始されて一連の炊飯工程において、炊飯器が不適切な場所/状態になった場合、警報及び/又は炊飯を一時停止させることができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、吸排気妨害物検知手段は、底板部と床面間の隙間を検知する隙間検知手段で構成されているので、隙間の検知が簡単にできる。
【0023】
請求項5の発明によれば、スイッチ手段、光学検知手段及び超音波検知手段は、いずれも簡単に入手できる汎用品であり、これらの汎用品を用いて妨害物検知手段を簡単に構成できる。
【0024】
請求項6の発明によれば、吸気口は、吸排気妨害物検知手段に連結されたブリッジバーで橋渡ししてあるので、吸気口からフィルム状シート材などが吸引されるのを防止できると共に、この状態をブリッジバーに連結された吸排気妨害物検知手段が検知して、制御装置により、警報手段及び/又は炊飯停止手段へそれぞれの信号を送出して、吸気口の閉塞による炊飯器内部の異常温度上昇と、この温度上昇による制御基板に搭載された電子部品などの故障及び損傷を防止できる。すなわち、炊飯時には、吸気口から冷却ファンの吸引力により大量の外気が吸気されるが、このとき、吸気口付近にビニール片、紙片、布切れなどのフィルム状シート材があると、吸気口に吸い込まれて該吸気口を塞いでしまうことがあるが、吸気口がブリッジバーで橋渡ししてあるので、フィルム状シート材が内部へ吸引されるのを防止できると共に、この状態をブリッジバーに連動した妨害物検知手段で検知できる。勿論、絨毯、座布団など、不適切な場所に置かれた場合にも検知できる。
【0025】
請求項7、8の発明によれば、吸気口は、複数本のブリッジバーで橋渡ししてあるので、よりきめ細かくして吸気口からフィルム状シート材が吸引されるのを防止できると共に、この状態をブリッジバーに連動した吸排気妨害物検知手段に検知して、制御装置により、警報手段及び/又は炊飯停止手段へそれぞれの信号を送出して、吸気口の閉塞により炊飯器内部が異常温度上昇し、この温度上昇による制御基板などの故障及び損傷を防止できる。
【0026】
請求項9の発明によれば、複数の橋脚のうち、少なくとも一つの橋脚に隙間検知手段を設置することにより、隙間検知手段の個数を少なくして効率よく隙間間隔の検知が可能になる。
【0027】
請求項10の発明によれば、スイッチ手段を用いることにより、ブリッジバーとの連動が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態1に係る炊飯器の正面図である。
【図2】図1の炊飯器の縦断面図である。
【図3】図1の炊飯器底部の背面図である。
【図4】炊飯器底部に設置された吸排気妨害物検知手段の拡大断面図である。
【図5】吸排気妨害物検知手段の変形例を示した拡大断面図である。
【図6】制御装置を構成するブロック図である。
【図7】炊飯工程おける鍋内の温度の変化を示した温度上昇曲線である。
【図8】本発明の実施形態における炊飯時の吸排気妨害物の有無の判定を行うフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態における炊飯フローチャートである。
【図10】本発明の実施形態2に係る炊飯器底部の背面図である。
【図11】図10の炊飯器に設けた吸排気妨害物検知手段の拡大断面図である。
【図12】図11の炊飯器に設けた吸排気妨害物検知手段の変形例を示した炊飯器底部の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための炊飯器を例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。なお、この炊飯器は、炊飯時に鍋内の圧力を大気圧以上に昇圧して炊飯する圧力式のものになっているが、これに限定されるものではなくほぼ常圧で炊飯する炊飯器や、炊飯時に鍋内の圧力を減圧して炊飯する炊飯器であってもよい。
(実施形態1)
図1〜図5を参照して、本発明の実施形態1に係る炊飯器の構造を説明する。なお、図1は本発明の実施形態に係る炊飯器の正面図、図2は図1の炊飯器の縦断面図、図3は図1の炊飯器底部の背面図、図4は炊飯器底部に設置された吸排気妨害物検知手段の拡大断面図、図5は吸排気妨害物検知手段の変形例を示した拡大断面図である。
【0030】
本発明の実施形態1に係る炊飯器1は、図1、図2に示すように、米と水とを含む炊飯物を入れる鍋20と、上方にこの鍋20が収容される開口部及び内部にこの鍋20を加熱し炊飯物を加熱する加熱手段51、52を有する炊飯器本体(以下、本体という)2と、この本体2の一側に枢支されて鍋及び本体の開口部を覆い閉塞状態に係止する蓋体4と、この蓋体4に装着されて鍋20内の内圧を調整する圧力弁7と、この圧力弁7を開放制御する圧力弁開放機構8と、各種の炊飯コースを表示して選択する表示操作部9と、選択された炊飯コースに従って加熱手段51、52及び圧力弁開放機構8を制御して鍋20内の炊飯物を所定温度に加熱して一連の炊飯工程を実行する制御装置60(図6参照)とを有している。
【0031】
一連の炊飯工程は、図7に示すように、鍋内の米に所定量の水を吸水させる吸水工程、吸水後に鍋内を一気に加熱して沸騰させる立上加熱工程、この沸騰状態を維持して米のデンプンを糊化させて炊き上げる沸騰維持工程、炊き上ったご飯から余分な水分を除去するとともに糊化をさらに促進させる蒸らし工程などを含む工程となっている。
【0032】
本体2は、図2に示すように、有底箱状の外部ケース22と、この外部ケース22に収容される内部ケース21とからなり、外部ケース22と内部ケース21との間に隙間が形成されて、この隙間に制御装置60を構成する制御回路基板6等が配設されている。内部ケース21には、深底の容器からなる鍋20が収容される。この鍋20は、アルミニウムとステンレスとのクラッド材で形成されている。また、この内部ケース21は、その底部及び側部にそれぞれ鍋底ヒータ51及び側面ヒータ52などの加熱手段5が設けられ、底部に鍋底温度を検知するサーミスタ等からなる鍋底温度センサSが設けられている。鍋底ヒータ51には環状に巻装した電磁誘導コイル(以下、IHコイルともいう)が使用されている。
【0033】
本体2は、その内部に主に制御回路基板6及びインバータ(図示省略)を冷却する冷却手段が設けられている。この冷却手段は、制御回路基板6から発生する熱を放熱させるヒートシンク61と、このヒートシンク61及びインバータなどを強制冷却する冷却ファン62と有している。冷却ファン62は、底板部22aに設けた吸気口23aの近傍に配設されている。
【0034】
外部ケース22には、図3に示すように、底板部22aに吸気口23aと排気口23bとが所定距離離して形成されている。吸気口23aは、冷却ファン62の近傍にあって、底板部22aの所定範囲(領域)を貫通した複数本のスリットからなる開口群となっている。この開口群は、複数本のスリットを底板部22aの略正方形の領域に纏めたものとなっており、この開口群によって、吸気口が構成されている。この開口群は、複数本のスリットだけでなく、所定径の円形或は楕円形孔など任意の開口をもつものでもよい。この吸気口23aの開口面積は、内部の発熱量に応じて決定される。すなわち、発熱量が大のときには大きく、小さいときには小さくしてある。排気口23bは、吸気口23aから離れた後方位置にあって、底板部22aに設けた小開口或いはスリットで構成されている。外部ケース22は、底板部22aの外壁面の四隅に炊飯器の置き場所となる床面Bから所定高さH立設させる支柱台24が形成されている。この支柱台24を設けると、床面Bとの間に所定の隙間があき、この隙間を利用することで吸気及び排気がスムーズになる。
【0035】
また、外部ケース22には、吸気口23aと排気口23bとの間に、これらの吸排気口を塞ぐ恐れのある妨害物の有無を検知する吸排気妨害物検知手段25が設けられている。この吸排気妨害物検知手段25は、床面Bとの距離(隙間)、すなわち支柱台24による底板部22aと床面Bとの隙間を検知する隙間検知手段となっている。
【0036】
吸排気妨害物検知手段25は、図4に示すように、マイクロスイッチMSと、このマイクロスイッチMSを作動させる作動操作部26とを有している。作動操作部26は、マイクロスイッチMSを作動させる作動棹27と、この作動棹27をバネ付勢するコイルスプリング28と、これらを固定する固定枠29とで構成されている。作動棹27は、底板部22aへの装着時に該底板部22aの外壁面から下方へ突出して、床面に接触する長さの床面接触部27aと、コイルスプリング28の移動を規制するストッパー突起27bと、コイルスプリング28を装着するスプリング装着部27cと、マイクロスイッチMSを作動させる作動部27dとを有している。この作動操作部26は、作動棹27にコイルスプリング28を挿通して、この作動棹を固定枠29に装着して組立てられる。
【0037】
吸排気妨害物検知手段25の取付けは、底板部22aに作動棹27の床面接触部27aを挿通させる貫通孔を形成しておき、底板部22aの内壁面に作動操作部26組立て体を固定し、マイクロスイッチMS及び固定枠29を設置して、組立てを完了する。この取付けにより、作動棹27の床面接触部27aは底板部22aの外壁面側へ突出し、床面Bに接触できる状態となっている。炊飯時に炊飯器が床面Bに置かれて支柱台24が沈むと、この沈みで作動棹27が上方へ押上げられて、マイクロスイッチMSを作動させることが可能になる。
【0038】
吸排気妨害物検知手段25は、マイクロスイッチMSを使用した機械的なもので構成したが、光学式或は超音波を利用したものでもよい。
【0039】
図5は、光学式の吸排気妨害物検知手段25Aとなっている。この吸排気妨害物検知手段25Aは、発光素子25fと受光素子25f’と有し、発光素子25fからの光を床面Bに反射させて、その反射光を受光素子25f’で検知することによって隙間を検知する。また、これらの発光素子及び受光素子に代えて、超音波発生素子及び超音波受音素子にしたものでもよい。
【0040】
また、本体2には、図1、図2に示すように、その正面に表示操作部9が設けられている。この表示操作部9には、各種の炊飯選択コース及び時刻等が表示される表示パネル91と、この表示パネル91の左右及び下方に設けられた複数個のスイッチ操作釦92とを備えている。これらのスイッチ操作釦は、炊飯器1を作動させる炊飯/スタート釦92a、炊飯予約をする炊飯予約釦92b、炊飯等の設定を取消す取消/保温釦92c、炊飯する米を選択するお米選択釦92d、炊飯メニューを選択するメニュー選択釦92e、コースを選択するコース釦92f、及び表示パネル91に表示されたメニュー等を選択・決定する十字シフトキー92gとなっている。これらの釦及びキーは、押し釦式のスイッチを構成する操作釦等であって、これらの釦或いはキーを押圧することにより、各種のメニューなどが表示され選択・決定される。これらの操作釦92a〜92fのうち、メニュー選択釦92eは、各種炊飯メニューを表示パネル91に表示させるもので、この釦を押圧すると、ふつう、かため、やわらか、おかゆ、すしめし、カレー用、炊込み、おこわ、四季炊き、マルチ調理などの各種炊飯メニューが表示される。また、お米選択釦92dは、米の種類を選定するもので、例えば白米、無洗米、玄米、発芽玄米等の何れかを選択するものである。更に、コース釦92fは、うまみ保温、おやすみ保温、マルチ調理及びクリーニング等を選択するものである。また、十字シフトキー92gは、表示パネル91に表示された種々のメニューから所定のメニューを選択するもので、表示された炊飯メニュー、例えば、ふつう、かため、やわらか、おかゆ、すしめし、カレー用、四季炊き及びこだわり等から十字シフトキー92gを操作してカーソル(点滅表示)を上下及び左右に移動させて選択するものである。
【0041】
蓋体4は、図2に示すように、鍋20の開口部を閉蓋する内蓋42と、本体2の開口部全体を覆う外蓋41等とで構成されている。この蓋体4は、一側がヒンジ機構44により本体2に枢支され、他側がロック機構47により本体2の係止部にロックされる。
【0042】
図2に示すように、内蓋42には、圧力弁7が設けられている。この圧力弁7は圧力弁開放機構8によって開放される。圧力弁7は、所定径の弁孔71bが形成された弁座71aと、この弁孔71bを塞ぐように弁座71a上に載置される金属製のボール72と、このボール72の移動を規制することで弁座71a上にボール72を保持するカバーとで構成されている。また、圧力弁開放機構8は、電磁コイルが巻回されたシリンダ81と、このシリンダ81内から電磁コイルの励磁により入出しボール72を移動させるプランジャと、プランジャの先端に装着されたロッド82と、シリンダ81の一端部とロッド82との間に設けられたバネとで構成されている。
【0043】
圧力弁開放機構8は、制御装置60により制御される。すなわち、制御装置60からの指令に基づき、電磁コイルが励磁されると、プランジャがシリンダ81内に引き込まれ、この引き込みにより、ボール72が弁孔71b上に戻り、弁孔71bがボール72で閉塞される。また、閉塞状態において、電磁コイルへの励磁がストップされるとプランジャがバネの付勢力によりシリンダ81から飛出してボール72に衝突し、ボール72が所定方向に押し出される。この押し出しにより、ボール72は弁孔71b上で移動して弁孔71bを強制的に開放される。
【0044】
内蓋42には、鍋20内の蒸気圧力が所定圧力以上の異常圧力に上昇したときに、鍋20内の圧力を外部に逃がす安全弁46が設けられている。また、この内蓋42には、蒸気温度センサ(図示せず)が取り付けられている。
【0045】
内蓋42と外蓋41とは、その間に所定広さの隙間空間をあけて結合されている。外蓋41には、鍋20から排出される水分を含むおねばを一時貯留する貯留タンク43が着脱自在に装着されている。この貯留タンク43は、おねばと蒸気とを分離する蒸気通路43aと、蒸気を外部へ逃がす蒸気口43bと、その内部に一時貯留されたおねばを鍋20へ戻すタンク弁43cとを有している。隙間空間及び貯留タンク43の蒸気通路43aは、おねばを一時貯留する貯留部となっている。なお、おねばとは粘り気のある糊状の汁であって、この糊状の汁は旨み成分を含んでおり、このおねばがそのまま鍋20外へ排出されてしまうとご飯が美味しく炊きあがらない。そこで、このおねばを貯留する貯留タンク43を設けて、この貯留タンク43におねばを一時貯留しておき、鍋20内の加熱が終了して鍋20内が負圧になったときにおねばを鍋20内に戻すことで旨み成分を含むおねばでご飯がコーティングされるため、ご飯を美味しく炊きあげることができる。
【0046】
次に、図6〜図9を参照して、炊飯器を制御する制御装置及び炊飯制御を説明する。なお、図6は制御装置を構成するブロック図、図7は炊飯工程おける鍋内の温度変化を示した温度上昇曲線、図8、図9は炊飯のフローチャートを示している。
【0047】
制御装置60は、図6に示すように、CPU、ROM、RAMなどが搭載された回路基板からなるハードウェアと、これらにより鍋底ヒータのIHコイルを制御するインバータ制御部、吸排気妨害物検知手段25からの検出値に基づいて、炊飯開始前であれば、炊飯器が炊飯に不適切な場所の置かれていることを警報する警報制御部、及び炊飯開始後、すなわち、炊飯スタート釦が押されて炊飯が開始され一連の炊飯工程が実行されているときに、この炊飯工程を途中で一時停止させる停止制御部などからなるソフトウエアとを備えている。また、この制御装置60は、炊飯/スタート釦92a、メニュー選択釦92e、炊飯予約釦92b及び取消/保温釦92c、鍋底温度センサS、蒸気温度センサなどにそれぞれ接続されて、これらの釦及びセンサの信号がCPUに入力されるようになっている。出力部(ドライバー)には、鍋底ヒータ51及び側面ヒータ52などの加熱手段5、圧力弁開放機構8、および表示器(表示パネル)91などが接続されている。ROMには、各種の炊飯メニュー及びこのメニューを実行するプログラムが収納されている。報知器は、警報音、ランプの点滅等をさせるものとなっている。
【0048】
次に、主に図7〜図9を参照して、吸排気妨害物の有無の判定及びこの判定による炊飯制御を説明する。
【0049】
炊飯器1が電源に接続されると、制御装置60は、まず、図8に示した炊飯フローのステップS1において、炊飯器が不適切な場所に置かれているか否かを判定する。この判定は、吸排気妨害物検知手段25により、炊飯器が置かれた床面Bと底板部22a間の隙間を検知し、この検知値によって行われる。炊飯器1が例えば絨毯、座布団などの上に置かれ、不適切な状態であると、支柱台24がこれらの部材に沈み込み、この沈み込みにより、作動棹27の床面接触部27aがこれらの部材に当接してコイルスプリング28の伸張力に抗して上方へ押上げられる(図4(b)参照)。作動棹27が押上げられて、支柱台24の高さHより短長になると、作動部27dがマイクロスイッチMSに接触して、このマイクロスイッチMSを作動させる。この動作により、ステップS1で吸排気妨害物があると判定される。この判定がされると、警報器から警報が発生されて炊飯器が不適切な状態であることがユーザーへ報知される(S2)。この警報は、吸排気妨害物が無くなるまで継続される。また、ステップS1で吸排気妨害物がないと判定されると、警報が発生されることなく炊飯開始可能な状態となる。この状態になって炊飯が開始(S3)されると、後述する一連の炊飯工程(S4)が実行される。ところが、この一連の炊飯工程中においても、炊飯開始前に不適切な状態であったにも拘わらず、ステップS1で検知できずに、炊飯開始後になって不適切な状態となって吸排気口が塞がれることがある。そこで一連の炊飯工程中にも吸排気妨害物の判定を行う(S5)。この判定は、ステップS1と同様の方法で行い、吸排気妨害物があると判定されると、炊飯を一時停止すると共に警報器から警報が発生されて不適切な状態となったことが報知される(S6、S7)。この一時停止及び警報は、吸排気妨害物が無くなるまで継続されて、吸排気妨害物が除去されれば(S8)、炊飯が再開されて(S9)、炊飯工程に戻り炊飯が完了したかを判定し(S10)、炊飯が完了したと判定されると炊飯を終了する(S11)。
【0050】
これにより、炊飯時に炊飯器の吸排気口が塞がれる不適切な場所、例えば絨毯、座布団など上に置かれても、吸排気妨害物検知手段がこの状態を検知し、この検知に基づいて制御装置が警報手段及び/又は炊飯停止手段へそれぞれの信号を送出して警報などをする。その結果、吸排気口が吸排気妨害物で塞がれて炊飯器内部が異常温度上昇することを防止し、制御基板などに搭載された電子部品などの、異常温度上昇による故障及び損傷などを防止できる。
【0051】
また、一連の炊飯工程は、図7及び図9に示すように、鍋内の米に所定量の水を吸水させる吸水工程、吸水後に鍋内を一気に加熱して沸騰させる立上加熱工程、この沸騰状態を維持して米のデンプンを糊化させて炊き上げる沸騰維持工程、炊き上ったご飯から余分な水分を除去するとともに糊化をさらに促進させる蒸らし工程などを含む工程となっている。
【0052】
吸水工程では、圧力弁開放機構8により圧力弁7を開成させ、一方、加熱手段への通電を行い、所定の吸水温度で所定の吸水時間(例えば15分)掛けて実行される(S51)。この吸水工程が終了すると、加熱手段5を全加熱量(フルパワー)にして鍋20を加熱し、この鍋内を沸騰状態にさせる立上加熱工程(S52)へ移行し、圧力弁7を閉成する(S53)。立上加熱工程後は沸騰維持工程へ移行する(S54)。この沸騰維持工程では、圧力弁7を強制的に1回乃至複数回に亘って開成作動させて、鍋内の圧力を一気に低下させる(S55)。鍋内圧力が大きく低下すると、その度ごとに、鍋内に突沸現象が生じて泡が発生し、水と米とが攪拌され、中央側にあった米粒が鍋内の側方にも移動し、結果として米粒全体に十分な熱が加わることになる。沸騰維持工程終了後は、むらし1工程(S56)に移行し、むらし1工程終了後、圧力弁を開放して(S57)、追炊き工程(S58)、むらし工程2(S59)を経て炊飯を終了する。
(実施形態2)
図10〜図12を参照して、本発明の実施形態2に係る炊飯器を説明する。なお、図10は本発明の実施形態2に係る炊飯器底部の背面図、図11は炊飯器底部に設けられた吸排気妨害物検知手段の拡大断面図、図11は図10の炊飯器に設けた吸排気妨害物検知手段の拡大断面図、図12は図11の炊飯器に設けた吸排気妨害物検知手段の変形例を示した炊飯器底部の背面図である。
【0053】
実施形態2に係る炊飯器1Aは、実施形態1の炊飯器1の吸気口に設置する吸排気妨害物検知手段が異なり他の構造は同じになっている。そこで炊飯器1と共通する構成には同じ符号を付して説明を省略し異なる構成を詳述する。
【0054】
炊飯器1Aは、吸排気妨害物検知手段25Bを備えている。この吸排気妨害物検知手段25Bは、吸気口23aに所定長さのブリッジバー3を橋渡しすると共に、このブリッジバー両端の橋脚3b、3bを吸気口23aの周辺に浮沈自在な結合手段で固定して、これらの橋脚3b、3bをスイッチ手段30に連動させた構成となっている。
【0055】
ブリッジバー3は、吸気口の開口を跨ぎ開口周辺へ達する長さの直線部3aと、この直線部の両端を同じ方向へ所定長さ直角に折曲させた橋脚3b、3bとを有し、各橋脚3b、3bは、底板部22aに装着したときに、直線部3aが床面Bに接触する長さになっている。すなわち、各橋脚3b、3bの長さは、支柱台24の高さを考慮して設定されている。このブリッジバー3は、所定太さの棒状体乃至所定の厚さ及び幅長の板状体で形成されている。このブリッジバー3は、スイッチ手段30に連結されて浮沈自在となっている。スイッチ手段30は、吸排気妨害物検知手段25の作動操作部26を一部変更し、マイクロスイッチMSを作動させるものとなっている。すなわち、変更した作動操作部26Aは、マイクロスイッチMSを作動させる作動棹27Aと、この作動棹をバネ付勢するコイルスプリング28と、これらを固定する固定枠29とで構成されている。作動棹27Aは、コイルスプリング28を装着するスプリング装着部27cの一端部が橋脚3bに結合される構造となっている。
【0056】
ブリッジバー3の取付けについて説明する。まず、底板部22aの内部面にマイクロスイッチMS及び作動操作部26Aを設置する。次いで、吸気口23aの周辺にブリッジバー3の橋脚を挿通する貫通孔を設けておき、これらの貫通孔に各橋脚3b、3bを挿通して、両橋脚の端部を作動棹27Aのスプリング装着部27cの端部に結合して取付けを終了する。この取付けにより、ブリッジバー3は、その直線部3aが床面Bに略接触した状態で且つ上下動自在な状態で底板部22aに固定される。
【0057】
吸排気妨害物検知手段25Bは、炊飯時に、吸気口23aから内部へ外気が吸引される。この吸引時に、床面Bにビニールシート或は紙片などの可撓性シート材があると、吸気口へ吸引されて吸気口を塞ぐことがある。しかしながら、吸気口23aと可撓性シート材との間にブリッジバー3の直線部3aが介在しているので、可撓性シート材が吸気口23aへ吸引されるときに、ブリッジバー3の直線部3aを上方へ押上げる。この直線部3aが押上げられると、作動操作部26Aを介してマイクロスイッチMSを作動させる。このマイクロスイッチMSの作動により、警報及び炊飯停止がされる(図11(b)参照)。この吸排気妨害物検知手段25Bは、可撓性シート材などで吸気口が塞がれることを防止できるが、絨毯或は座布団などに対しても、同じ作用を奏することができる。なお、この吸排気妨害物検知手段25Bは、両橋脚3bにスイッチ手段30を設けたが、いずれか一方の橋脚でもよい。
【0058】
また、吸排気妨害物検知手段25Bは、1本のブリッジバーを用いたが、ブリッジバーを複数本用い、これらを吸気口に略等間隔或は交差(図12参照)させてもよい。吸排気妨害物検知手段25B’は、吸気口に複数本のブリッジバーを橋渡ししてあるので、吸気口から可撓性シート材が吸引されるのをよりきめ細かくして防止できると共に、この状態をブリッジバーに連動した妨害物検知手段が検知して、制御装置により、警報手段及び/又は炊飯停止手段へそれぞれの信号を送出して、吸気口の閉塞により炊飯器内部が異常温度上昇し、この温度上昇による制御基板などの故障及び損傷を防止できる。
【符号の説明】
【0059】
1、1A 電気炊飯器
2 炊飯器本体
20 鍋
23a 吸気口
23b 排気口
24 支柱台(支持台)
25、25A、25B 吸排気妨害物検知手段
26、26A 作動操作部
27 作動桿
27a 床面接触部
3 ブリッジバー
3a 直線部
3b 橋脚
30 スイッチ手段
6 制御回路基板
61 ヒートシンク
62 冷却ファン
MS マイクロスイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯物を入れる鍋と、前記鍋を収容し該鍋内の炊飯物を加熱する加熱手段を設けた炊飯器本体と、前記加熱手段を制御して一連の炊飯制御を行う制御装置と、炊飯を開始する炊飯スタートスイッチとを備え、
前記炊飯器本体には、内部に外気を吸引して空冷する冷却ファンと、底板部に置き場所となる床面から所定高さ立設させる高さHの支持台並びに底板部を貫通する貫通孔からなる吸気口及び排気口とが設けられた電気炊飯器において、
前記炊飯器本体は、前記底板部に前記吸排気口を塞ぐ妨害物を検知する吸排気妨害物検知手段が設けられ、前記制御装置は、警報を発する警報手段及び/又は炊飯を停止する炊飯停止手段に接続されて、前記吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知したときに警報手段で警報を発生させ及び/又は炊飯停止手段で炊飯を停止させることを特徴とする電気炊飯器。
【請求項2】
前記制御装置は、炊飯器が電源に接続されて前記炊飯スタートスイッチがオンされる前に、前記吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知したときに警報信号を送出して前記警報手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載の電気炊飯器。
【請求項3】
前記制御装置は、前記炊飯スタートスイッチがオンされた後に、前記吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知ときに警報信号及び/又は炊飯停止信号を送出して炊飯を警報手段及び/又は炊飯停止手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載の電気炊飯器。
【請求項4】
前記吸排気妨害物検知手段は、前記底板部と前記床面間の隙間を検知する隙間検知手段で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気炊飯器。
【請求項5】
前記隙間検出手段は、前記床面に突き当たる作動棹と前記作動棹により開閉されるスイッチとからなるスイッチ手段、発光素子と前記発光素子から照射された光の反射光を受光する受光素子とからなる光学検知手段、超音波発生素子と前記超音波発生素子から照射された超音波の反射音を受音する受音素子とからなる超音波検知手段のいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の電気炊飯器。
【請求項6】
前記吸排気妨害物検知手段は、端部にそれぞれ橋脚を有する所定長さのブリッジバーを用い、前記ブリッジバーを前記吸気口の間に橋渡しするとともに両橋脚を前記底板部に対して浮沈自在な結合手段で固定し、前記橋脚の少なくともいずれか一つの橋脚に設けられた、前記床面と該ブリッジバー間の隙間を検知する隙間検知手段で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気炊飯器。
【請求項7】
前記吸気口には、前記ブリッジバーの複数本が橋渡しされていることを特徴とする請求項6に記載の電気炊飯器。
【請求項8】
前記複数本のブリッジバーは、交差されて前記吸気口に橋渡しされていることを特徴とする請求項7に記載の電気炊飯器。
【請求項9】
前記複数本のブリッジバーは、いずれかのブリッジバーの少なくとも一つの橋脚に前記隙間検知手段が設けられていることを特徴とする請求項7又は8に記載の電気炊飯器。
【請求項10】
前記隙間検出手段は、前記床面に突き当たる作動棹と前記作動棹により開閉されるスイッチとからなるスイッチ手段であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の電気炊飯器。
【請求項1】
炊飯物を入れる鍋と、前記鍋を収容し該鍋内の炊飯物を加熱する加熱手段を設けた炊飯器本体と、前記加熱手段を制御して一連の炊飯制御を行う制御装置と、炊飯を開始する炊飯スタートスイッチとを備え、
前記炊飯器本体には、内部に外気を吸引して空冷する冷却ファンと、底板部に置き場所となる床面から所定高さ立設させる高さHの支持台並びに底板部を貫通する貫通孔からなる吸気口及び排気口とが設けられた電気炊飯器において、
前記炊飯器本体は、前記底板部に前記吸排気口を塞ぐ妨害物を検知する吸排気妨害物検知手段が設けられ、前記制御装置は、警報を発する警報手段及び/又は炊飯を停止する炊飯停止手段に接続されて、前記吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知したときに警報手段で警報を発生させ及び/又は炊飯停止手段で炊飯を停止させることを特徴とする電気炊飯器。
【請求項2】
前記制御装置は、炊飯器が電源に接続されて前記炊飯スタートスイッチがオンされる前に、前記吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知したときに警報信号を送出して前記警報手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載の電気炊飯器。
【請求項3】
前記制御装置は、前記炊飯スタートスイッチがオンされた後に、前記吸排気妨害物検知手段が吸排気妨害物を検知ときに警報信号及び/又は炊飯停止信号を送出して炊飯を警報手段及び/又は炊飯停止手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載の電気炊飯器。
【請求項4】
前記吸排気妨害物検知手段は、前記底板部と前記床面間の隙間を検知する隙間検知手段で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気炊飯器。
【請求項5】
前記隙間検出手段は、前記床面に突き当たる作動棹と前記作動棹により開閉されるスイッチとからなるスイッチ手段、発光素子と前記発光素子から照射された光の反射光を受光する受光素子とからなる光学検知手段、超音波発生素子と前記超音波発生素子から照射された超音波の反射音を受音する受音素子とからなる超音波検知手段のいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の電気炊飯器。
【請求項6】
前記吸排気妨害物検知手段は、端部にそれぞれ橋脚を有する所定長さのブリッジバーを用い、前記ブリッジバーを前記吸気口の間に橋渡しするとともに両橋脚を前記底板部に対して浮沈自在な結合手段で固定し、前記橋脚の少なくともいずれか一つの橋脚に設けられた、前記床面と該ブリッジバー間の隙間を検知する隙間検知手段で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気炊飯器。
【請求項7】
前記吸気口には、前記ブリッジバーの複数本が橋渡しされていることを特徴とする請求項6に記載の電気炊飯器。
【請求項8】
前記複数本のブリッジバーは、交差されて前記吸気口に橋渡しされていることを特徴とする請求項7に記載の電気炊飯器。
【請求項9】
前記複数本のブリッジバーは、いずれかのブリッジバーの少なくとも一つの橋脚に前記隙間検知手段が設けられていることを特徴とする請求項7又は8に記載の電気炊飯器。
【請求項10】
前記隙間検出手段は、前記床面に突き当たる作動棹と前記作動棹により開閉されるスイッチとからなるスイッチ手段であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の電気炊飯器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−19864(P2012−19864A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158697(P2010−158697)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
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