説明

電気発光用の有機金属化合物及びこれを使用する有機電気発光素子

【課題】新規な電気発光化合物及びこれを含む有機太陽電池の提供。
【解決手段】本発明は、下記化学式1によって表される有機電気発光化合物及びホスト材料としてこれを含有する電気発光素子に関する。
【化1】


本発明による電気発光化合物は、OLED中に電気発光ホスト材料として使用されるとき、従来のホスト材料にと比較して、低下した動作電圧及び顕著に改善された電力効率を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた導電率及び高効率の電気発光特性を示す金属錯体から成る電気発光化合物及びホスト材料としてこれを含有する電気発光素子、並びにこれを含む有機太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
OLED(有機発光ダイオード)における発光効率を決定するための最も重要な要因は、電気発光材料の種類である。現在まで、電気発光材料として蛍光材料が広く使用されてきたが、燐光材料の開発は、電気発光機構の観点から、理論的に4倍まで発光効率を改善するための最良の方法の一つである。
【0003】
現在まで、赤色、緑色及び青色の物として、それぞれ(acac)Ir(btp)、Ir(ppy)及びFirpicをはじめとするイリジウム(III)錯体類が燐光材料として広く知られている。特に、最近多数の燐光材料が、日本、欧州及び米国において研究されている。
【0004】
【化1】

【0005】
燐光発光材料のためのホスト(host)材料として、現在まで、CBPが最も広く知られており、それに正孔遮断層(例えば、BCP及びBAlq)が適用された、高効率を有するOLEDが知られている。パイオニア社(日本)などが、ホストとしてBAlq誘導体を使用する高効率を有するOLEDを報告した。
【0006】
【化2】

【0007】
先行技術における材料は発光特性の点で有利であるが、これらは、低いガラス転移温度及び非常に劣った熱安定性を有しており、そのためこの材料は、真空中の高温蒸着工程の過程において変化してしまう傾向がある。有機電気発光素子(OLED)において、電力効率=(π/電圧)×電流効率と定義されている。従って、電力効率は電圧に反比例し、OLEDの電力消費をより低減するためには、電力効率をより高くしなくてはならない。実際に、燐光性電気発光(EL)材料を使用するOLEDは、蛍光性EL材料を使用するOLEDよりも顕著に高い電流効率(cd/A)を示す。しかしながら、燐光性EL材料のホスト材料として、従来の材料、例えば、BAlq及びCBPが使用される場合は、蛍光材料を使用するOLEDにと比較して、動作電圧がより高いため、電力効率(lm/w)の面で顕著な利点を得ることはできない。
【0008】
これらのOLEDは、また、素子寿命の観点から満足できるものではないので、さらに優れた性能を示すホスト材料の開発が求められている。
【0009】
この種の従来の錯体への研究は、青色電気発光材料などとして1990年代半ば以来、集中的に進められた。しかしながら、これらの材料は、単に電気発光材料として適用されるだけで、ホスト材料として適用することは殆ど知られなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、前記の問題点を克服すること並びに従来の有機ホスト材料にと比較した場合、より優れた電気発光特性及び物理的特性を示すリガンド金属錯体の骨格を有する新規な電気発光化合物を提供することである。本発明の他の目的は、ホスト材料としてこの電気発光化合物を含有する電気発光素子を提供することである。本発明の更に他の目的は、この新規な電気発光化合物を含む有機太陽電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、下記化学式1によって表される電気発光化合物及びこれをホスト材料として含有する電気発光素子に関する。
【0012】
【化3】

【0013】
化学式1において、リガンドLは、下記の構造式によって表され、
【0014】
【化4】

【0015】
Mは、2価金属を表し、
Xは、O、S又はSeを表し、
環Aは、5員又は6員のヘテロ芳香族環;又は(C6〜C20)芳香族環と縮合した5員又は6員のヘテロ芳香族環を表し、このヘテロ芳香族環、又は芳香族環と縮合したヘテロ芳香族環は、Rと化学結合を形成して、縮合環を形成してもよく、環Aは、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキル(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ又はジ(C6〜C20)アリールアミノによって更に置換されていてもよく、
Bは、下記構造を表し、
【0016】
【化5】

【0017】
〜Rは、独立に、水素、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキル(C6〜C20)アリールシリル、(C6〜C20)アリール、(C4〜C20)ヘテロアリール、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ若しくはジ(C6〜C20)アリールアミノを表し、あるいはこれらの各々は、アルキレン若しくはアルケニレンによって隣接する置換基と連結されて、縮合環を形成してもよく、
11〜R22は、独立に、水素、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、(C1〜C10)アルコキシ、フェニル、シアノ若しくは(C3〜C7)シクロアルキルを表し、あるいはこれらの各々は、アルキレン若しくはアルケニレンによって隣接する置換基と連結されて、(C5〜C7)スピロ環若しくは(C5〜C9)縮合環を形成してもよく、R11−R12、R13−R14、R15−R16、R17−R18、R19−R20又はR21−R22は、二重結合又はカルボニルを形成してもよく、
31及びR32は、独立に、(C1〜C10)アルキル又は(C6〜C20)アリールを表し、並びに、
環A上のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル若しくはフラニル置換基、あるいはR〜Rのアリール若しくはヘテロアリールは、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、(C1〜C10)アルコキシ、フェニル、ナフチル、フルオレニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキル(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ及びジ(C6〜C20)アリールアミノから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、OLEDの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面に言及すると、図1は、ガラス1、透明電極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、電気発光層5、電子輸送層6、電子注入層7及びAlカソード8を含む、OLEDの断面図を示している。
【0020】
本明細書に記載される用語「アルキル」及び「アルキル」部分を含むすべての置換基は、線形種及び分枝種の両方を含む。
【0021】
本明細書に記載される用語「アリール」は、1個の水素原子の除去によって、芳香族炭化水素から誘導される有機基を意味する。各々の環は、4〜7個、好ましくは5〜6個の環原子を適切に含有する単環式又は縮合環系を含む。具体的な例には、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、インデニル(indenyl)、フルオレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル及びフルオランテニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書に記載される用語「ヘテロ芳香族環」は、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員の芳香族基を意味し、例えば、ピロール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン及びピリダジンを含む。(C6〜C20)芳香族環と縮合した5員又は6員のヘテロ芳香族環の具体的な例は、インダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、フェナントリジン、アクリジン、キノリン及びイソキノリンを含む。環Aは、好ましくは、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジン及びキノリンから選択される。
【0023】
リガンドLは、下記の構造から選択される:
【0024】
【化6】

【0025】
式中、R、R、R、R、X及びBは、化学式1における定義と同一であり、
41及びR42は、独立に、水素、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ又はジ(C6〜C20)アリールアミノを表し、
43は、(C1〜C10)アルキル、フェニル又はナフチルを表し、
44〜R59は、独立に、水素、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ又はジ(C6〜C20)アリールアミノを表し、並びに、
前記R41〜R59のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル又はフラニルは、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、(C1〜C10)アルコキシ、フェニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ及びジ(C6〜C20)アリールアミノから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0026】
化学式1において、Mは、2価金属を表し、好ましくはBe、Zn、Mg、Cu及びNiから選択され、Bは、好ましくは下記の構造から選択される。
【0027】
【化7】

【0028】
式中、R11〜R22は、独立に、水素、メチル、エチル又はフルオロを表し、R31及びR32は、独立に、メチル又はフェニルを表す。
【0029】
本発明による化学式1の電気発光化合物は、下記の化合物によって具体的に例示することができるが、これらに限定されない。
【0030】
【化8】

【0031】
式中、Mは、Be、Zn、Mg、Cu又はNiを表し、
Xは、O、S又はSeを表し、
Bは、下記構造を表し、
【0032】
【化9】

【0033】
〜Rは、独立に、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、フルオロ、トリフルオロメチル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、フェニル又はビフェニルを表し、R〜Rのフェニル又はビフェニルは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、フルオロ又はフェニルによって更に置換されていてもよく、
11〜R22は、独立に、水素、メチル、エチル又はフルオロを表し、
31及びR32は、独立に、メチル又はフェニルを表し、
41及びR42は、独立に、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、フルオロ、トリフルオロメチル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルアミノ又はジフェニルアミノを表し、
43は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル又はフェニルを表し、
44〜R59は、独立に、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、フルオロ、トリフルオロメチル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルアミノ又はジフェニルアミノを表し、
41〜R59のフェニル、ナフチル又はビフェニルは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、フルオロ、メトキシ、エトキシ、t−ブトキシ、フェニル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルアミノ及びジフェニルアミノから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0034】
また本発明は、化学式1によって表される1種以上の電気発光化合物を含む有機太陽電池を提供する。
【0035】
また本発明は、第一電極と、第二電極と、第一電極及び第二電極の間に介在させられた少なくとも1個の有機物層とを含む電気発光素子であって、前記有機物層が、前記化学式1によって表される1種以上の化合物を含む電気発光素子を提供する。
【0036】
本発明による電気発光素子は、有機物層が、2〜30重量%の量で、電気発光ホストとしての化学式1によって表される1種以上の電気発光化合物及び1種以上の電気発光ドーパントを含有する電気発光層を含有することで特徴付けられる。本発明による電気発光素子に適用される電気発光ドーパントは、特に限定されないが、化学式2によって表される化合物によって例示することができる。
【0037】
【化10】

【0038】
[式中、Mは、周期表中の第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第13族、第14族、第15族及び第16族から成る群より選択され、及びリガンドL、L及びLは、独立に、下記の構造から選択される。
【0039】
【化11】

【0040】
式中、R61及びR62は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C20)アルキル、(C1〜C20)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル又はハロゲンを表し、
63〜R79、R82及びR83は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C20)アルキル、(C1〜C20)アルコキシ、(C1〜C20)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル、SF、トリ(C1〜C20)アルキルシリル又はハロゲンを表し、
80、R81、R84及びR85は、独立に、水素、(C1〜C20)アルキル、又は(C1〜C20)アルキル置換基を有する又は有しないフェニルを表し、
86は、(C1〜C20)アルキル、(C1〜C20)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル、又はハロゲンを表し、
87及びR88は、独立に、水素ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C20)アルキル、(C1〜C20)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル、又はハロゲンを表し、
Zは、下記構造を表す。
【0041】
【化12】

【0042】
(式中、R101〜R112は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C20)アルキル、アルコキシ基、ハロゲン、フェニル、ケトン、シアノ若しくは(C5〜C7)シクロアルキルを表し、あるいはR101〜R112と、他の隣接するR101〜R112の基は、アルキレン若しくはアルケニレンによって連結されて、(C5〜C7)スピロ環若しくは(C5〜C9)縮合環を形成してもよく、あるいはこれらはアルキレン若しくはアルケニレンによってR67若しくはR68に連結されて、(C5〜C7)縮合環を形成してもよい。)
【0043】
前記Mは、Ir、Pt、Pd、Rh、Re、Os、Tl、Pb、Bi、In、Sn、Sb、Te、Au及びAgから選択してもよく、前記化学式2の化合物は、下記の構造の一つを有する化合物によって具体的に例示することができるが、これらに限定されない。
【0044】
【化13】

【0045】
【化14】

【0046】
【化15】

【0047】
電気発光層は、電気発光が生じる層を意味し、これは、単一層又は積層された2枚以上の層から成る複数層であってもよい。ホスト−ドーパントの混合物が、本発明の構成に従って使用されるとき、発光効率だけでなく、素子寿命の顕著な改善を確認することができた。
【0048】
本発明による電気発光素子は、化学式1によって表される電気発光化合物を含み、同時に、アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物から選択された1種以上の化合物を更に含むことができる。アリールアミン又はスチリルアリールアミン化合物の例には、化学式3によって表される化合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
【化16】

【0050】
式中、Ar及びArは、独立に、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C6〜C60)アリールアミノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル若しくは(C3〜C60)シクロアルキルを表し、あるいはAr及びArは、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
aが1である場合、Arは、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール又は下記の構造式の一つによって表されるアリールを表し:
【0051】
【化17】

【0052】
aが2である場合、Arは、(C6〜C60)アリーレン、(C4〜C60)ヘテロアリーレン又は下記の構造式の一つによって表されるアリーレンを表し:
【0053】
【化18】

【0054】
(式中、Ar及びArは、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C4〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
201、R202及びR203は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、
bは、1〜4の整数であり、cは、0又は1の整数である。)
並びに、
前記Ar及びArのアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキル若しくはヘテロシクロアルキル、又は前記Arのアリール、ヘテロアリール、アリーレン若しくはヘテロアリーレン、又は前記Ar及びArのアリーレン若しくはヘテロアリーレン、又は前記R201〜R203のアルキル若しくはアリールは、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから成る群より選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0055】
前記アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物は、下記の化合物によって具体的に特に例示できるが、これらに限定されない。
【0056】
【化19】

【0057】
【化20】

【0058】
本発明による有機電気発光素子において、有機物層は、化学式1によって表される電気発光化合物の他に、第1族、第2族、第4周期及び第5周期遷移金属、ランタニド金属並びにd−遷移元素の有機金属から成る群より選択される1種以上の金属を更に含有していてもよい。この有機物層は、電気発光層に加えて、電荷発生層を含むことができる。
【0059】
本発明は、電気発光素子であって、サブピクセルとして化学式1の化合物と、同時に平行にパターン形成されたアリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物から成る群より選択される1種以上の化合物を含有する1個以上のサブピクセルとを含有する、独立発光方式のピクセル構造を有する電気発光素子を実現することができる。
【0060】
更に、前記電気発光素子は、青色又は緑色の波長の電気発光ピークを有する化合物から選択される1種以上の化合物を同時に含有する有機ディスプレイである。青色又は緑色の波長の電気発光ピークを有する化合物は、下記化学式4〜8の一つによって表される化合物によって例示することができるが、これらに限定されない。
【0061】
【化21】

【0062】
化学式5において、Ar11及びAr12は、独立に、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C6〜C60)アリールアミノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、若しくは(C3〜C60)シクロアルキルを表し、あるいはAr11及びAr12は、縮合環を有する又は有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
dが1である場合、Ar13は、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール又は下記の構造式の一つによって表される置換基を表し:
【0063】
【化22】

【0064】
dが2である場合、Ar13は、(C6〜C60)アリーレン、(C4〜C60)ヘテロアリーレン又は下記の構造式の一つによって表される置換基を表し:
【0065】
【化23】

【0066】
(式中、Ar14及びAr15は、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C4〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
211、R212及びR213は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、
eは、1〜4の整数であり、fは、0又は1の整数である。)
並びに、
前記Ar11及びAr12のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキル若しくはヘテロシクロアルキル、又は前記Ar13のアリール、ヘテロアリール、アリーレン若しくはヘテロアリーレン、又は前記Ar14及びAr15のアリーレン若しくはヘテロアリーレン、又は前記R211〜R213のアルキル若しくはアリールは、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから成る群より選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0067】
【化24】

【0068】
化学式6において、R301〜R304は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR301〜R304の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
前記R301〜R304のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノ、あるいは縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによる、隣接する置換基への連結によってそれらから形成された脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0069】
【化25】

【0070】
化学式7及び8において、
11は、(C6〜C60)アリーレン又は(C4〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
12は、アントラセニレンを表し、
Ar21〜Ar24は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C5〜C60)シクロアルキル及び(C6〜C60)アリールから選択され、Ar21〜Ar24のシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルから成る群より選択される少なくとも1つの置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリール若しくは(C4〜C60)ヘテロアリール;ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルコキシ;(C3〜C60)シクロアルキル;ハロゲン;シアノ;トリ(C1〜C60)アルキルシリル;ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル;並びにトリ(C6〜C60)アリールシリル;から成る群より選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、並びに、
g、h、i及びjは、独立に、0〜4の整数を表す。
【0071】
前記化学式7又は8によって表される化合物は、下記化学式9〜11の一つによって表されるアントラセン誘導体又はベンゾ[a]アントラセン誘導体によって例示することができる。
【0072】
【化26】

【0073】
化学式9〜11において、R311及びR312は、独立に、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール又はN、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、又は(C3〜C60)シクロアルキルを表し、前記R311及びR312のアリール又はヘテロアリールは、(C1〜C60)アルキル、ハロ(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルから成る群より選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
313〜R316は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C5〜C60)シクロアルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、前記R313〜R316のヘテロアリール、シクロアルキル又はアリールは、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルから成る群より選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
及びGは、独立に、化学結合であるか、又は(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール及びハロゲンから選択される1種以上の置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリーレンを表し、
Ar31及びAr32は、下記の構造から選択されるアリール又は(C4〜C60)ヘテロアリールを表し、
【0074】
【化27】

【0075】
前記Ar31及びAr32のアリール又はヘテロアリールは、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール及び(C4〜C60)ヘテロアリールから選択される1種以上の置換基で置換されていてもよく、
前記L21は、(C6〜C60)アリーレン、(C4〜C60)ヘテロアリーレン又は下記の構造によって表される化合物を表し、
【0076】
【化28】

【0077】
21のアリーレン又はヘテロアリーレンは、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール及びハロゲンから選択される1種以上の置換基で置換されていてもよく、
321、R322、R323及びR324は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル若しくは(C6〜C60)アリールを表し、あるいはこれらの各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
331、R332、R333及びR334は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール若しくはハロゲンを表し、あるいはこれらの各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよい。
【0078】
【化29】

【0079】
化学式12において、
31及びL32は、独立に、化学結合であるか、(C6〜C60)アリーレン又は(C3〜C60)ヘテロアリーレンを表し、前記L31及びL32のアリーレン又はヘテロアリーレンは、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、(C6〜C60)アリール、(C3〜C60)ヘテロアリール、トリ(C1〜C30)アルキルシリル、ジ(C1〜C30)アルキル(C6〜C30)アリールシリル及びトリ(C6〜C30)アリールシリルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
401〜R419は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR401〜R419の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
Ar41は、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル又は下記の構造から選択される置換基を表し:
【0080】
【化30】

【0081】
(式中、R420〜R432は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ又はヒドロキシルを表し、
及びEは、独立に、化学結合であるか、−(CR433434−、−N(R435)−、−S−、−O−、−Si(R436)(R437)−、−P(R438)−、−C(=O)−、−B(R439)−、−In(R440)−、−Se−、−Ge(R441)(R442)−、−Sn(R443)(R444)−、−Ga(R445)−又はC(R446)=C(R447)−を表し、
433〜R447は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR433〜R447の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよい。)
Ar41のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アダマンチル若しくはビシクロアルキル、あるいはR401〜R432のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノは、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
kは、1〜4の整数であり、並びに、
mは、0〜4の整数である。
【0082】
前記緑色又は青色電気発光を有する有機化合物及び有機金属化合物は、下記の化合物によってより具体的に例示することができるが、これらに限定されない。
【0083】
【化31】

【0084】
【化32】

【0085】
【化33】

【0086】
【化34】

【0087】
【化35】

【0088】
【化36】

【0089】
【化37】

【0090】
【化38】

【0091】
【化39】

【0092】
【化40】

【0093】
【化41】

【0094】
【化42】

【0095】
【化43】

【0096】
【化44】

【0097】
【化45】

【0098】
【化46】

【0099】
【化47】

【0100】
本発明による有機電気発光素子において、カルコゲニド層、金属ハロゲン化物層及び金属酸化物層から選択される1つ以上の層(以下、これらを「表面層」と言う)を、一対の電極の少なくとも一方の内側表面上に配置することが好ましい。具体的には、EL媒体層のアノード表面上にシリコン及びアルミニウム金属(酸化物を含む)のカルコゲニド層を配置し、EL媒体層のカソード表面上に金属ハロゲン化物層又は金属酸化物層を配置することが好ましい。その結果、動作における安定性を得ることができる。
【0101】
カルコゲニドの例には、好ましくは、SiO(1≦x≦2)、AlO(1≦x≦1.5)、SiON、SiAlONなどが含まれる。金属ハロゲン化物の例には、好ましくは、LiF、MgF、CaF、希土類金属のフッ化物などが含まれる。金属酸化物の例には、好ましくは、CsO、LiO、MgO、SrO、BaO、CaOなどが含まれる。
【0102】
本発明による有機電気発光素子において、このようにして製造された一対の電極の少なくとも一方の表面上に、電子輸送化合物と還元性ドーパント(dopant)との混合領域、又は正孔輸送化合物と酸化性ドーパントとの混合領域を配置することも好ましい。その結果、電子輸送化合物はアニオンに還元されるため、この混合領域からEL媒体へ電子を注入及び輸送しやすくなる。更に、正孔輸送化合物が酸化されてカチオンを生成するので、この混合領域からEL媒体へ正孔を注入及び輸送しやすくなる。好ましい酸化性ドーパントとしては、種々のルイス酸及びアクセプター化合物が挙げられる。好ましい還元性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、希土類金属及びこれらの混合物が挙げられる。
【0103】
本発明による電気発光化合物は、OLED中に電気発光ホスト材料として使用した場合、従来のホスト材料にと比較した場合、より高い発光効率、より良い色純度及びより低い動作電圧を提供する。更に、この化合物を、高効率の材料として有機太陽電池に適用すると、従来の材料と比較した場合より優れた特性が期待される。
【0104】
以下、製造例及び実施例に基づき、本発明による新規な電気発光化合物、これの製造方法、及び素子の発光特性を例示するが、これらはただ本発明に対する理解を助けるためのもので、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0105】
調製実施例1 化合物(9)の調製
【0106】
【化48】

【0107】
化合物(A)の調製
PPA(ポリリン酸)(12mL)中に、2−アミノベンゼンチオール(3.8g、30.2mmol)及び2−ヒドロキシフェニル酢酸(3.8g、25.2mmol)を溶解させ、この溶液を、100℃で圧力下で12時間攪拌した。反応が完了したときに、反応混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタン(100mL)及び水(100mL)で抽出した。抽出物を減圧下で乾燥し、残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:MC=3:1)によって精製して、化合物(A)(3.5g、14.8mmol)を得た。
【0108】
化合物(9)の調製
化合物A(3.5g、14.8mmol)及び水酸化ナトリウム(0.6g、14.8mmol)を、エタノール(100mL)中に溶解させ、この溶液を30分間攪拌した。この溶液に、Zn(CH3COO)2・2H2O(1.8g、8.2mmol)をゆっくり添加し、得られた混合物を室温下で12時間攪拌した。反応が完了した場合、反応混合物を、水(200mL)、エタノール(200mL)及びヘキサン(200mL)で順次洗浄し、減圧下で濾過して、目的化合物(9)(3.5g、6.7mmol、45%)を得た。
【0109】
調製実施例1と同じ手順に従って、下記表1に記載される化合物1〜化合物1950を調製した。それらのH NMR及びMS/FABデータを、下記表2に記載する。
【0110】
【表1】

【0111】
【表2】

【0112】
【表3】

【0113】
【表4】

【0114】
【表5】

【0115】
【表6】

【0116】
【表7】

【0117】
【表8】

【0118】
【表9】

【0119】
【表10】

【0120】
【表11】

【0121】
【表12】

【0122】
【表13】

【0123】
【表14】

【0124】
【表15】

【0125】
【表16】

【0126】
【表17】

【0127】
【表18】

【0128】
【表19】

【0129】
【表20】

【0130】
【表21】

【0131】
【表22】

【0132】
【表23】

【0133】
【表24】

【0134】
【表25】

【0135】
【表26】

【0136】
【表27】

【0137】
【表28】

【0138】
【表29】

【0139】
【表30】

【0140】
【表31】

【0141】
【表32】

【0142】
【表33】

【0143】
【表34】

【0144】
【表35】

【0145】
【表36】

【0146】
【表37】

【0147】
【表38】

【0148】
【表39】

【0149】
【表40】

【0150】
【表41】

【0151】
【表42】

【0152】
【表43】

【0153】
【表44】

【0154】
【表45】

【0155】
【表46】

【0156】
【表47】

【0157】
【表48】

【0158】
【表49】

【0159】
【表50】

【0160】
【表51】

【0161】
【表52】

【0162】
【表53】

【0163】
【表54】

【0164】
【表55】

【0165】
【表56】

【0166】
【表57】

【0167】
【表58】

【0168】
【表59】

【0169】
【表60】

【0170】
【表61】

【0171】
【表62】

【0172】
【表63】

【0173】
【表64】

【0174】
【表65】

【0175】
【表66】

【0176】
【表67】

【0177】
【表68】

【0178】
【表69】

【0179】
【表70】

【0180】
【表71】

【0181】
【表72】

【0182】
【表73】

【0183】
【表74】

【0184】
【表75】

【0185】
【表76】

【0186】
【表77】

【0187】
【表78】

【0188】
【表79】

【0189】
【表80】

【0190】
【表81】

【0191】
【表82】

【0192】
【表83】

【0193】
【表84】

【0194】
【表85】

【0195】
【表86】

【0196】
【表87】

【0197】
【表88】

【0198】
【表89】

【0199】
【表90】

【0200】
【表91】

【0201】
【表92】

【0202】
【表93】

【0203】
【表94】

【0204】
【表95】

【0205】
【表96】

【0206】
【表97】

【0207】
【表98】

【0208】
【表99】

【0209】
【表100】

【0210】
【表101】

【0211】
【表102】

【0212】
【表103】

【0213】
【表104】

【0214】
【表105】

【0215】
【表106】

【0216】
【表107】

【0217】
【表108】

【0218】
【表109】

【0219】
【表110】

【0220】
【表111】

【0221】
【表112】

【0222】
【表113】

【0223】
【表114】

【0224】
【表115】

【0225】
【表116】

【0226】
【表117】

【0227】
【表118】

【0228】
【表119】

【0229】
【表120】

【0230】
【表121】

【0231】
【表122】

【0232】
【表123】

【0233】
【表124】

【0234】
【表125】

【0235】
【表126】

【0236】
【表127】

【0237】
【表128】

【0238】
【表129】

【0239】
【表130】

【0240】
【表131】

【0241】
【表132】

【0242】
【表133】

【0243】
【表134】

【0244】
【表135】

【0245】
【表136】

【0246】
【表137】

【0247】
【表138】

【0248】
【表139】

【0249】
【表140】

【0250】
【表141】

【0251】
【表142】

【0252】
【表143】

【0253】
【表144】

【0254】
【表145】

【0255】
【表146】

【0256】
【表147】

【0257】
【表148】

【0258】
【表149】

【0259】
【表150】

【0260】
【表151】

【0261】
【表152】

【0262】
【表153】

【0263】
【表154】

【0264】
【表155】

【0265】
【表156】

【0266】
【表157】

【0267】
【表158】

【0268】
【表159】

【0269】
【表160】

【0270】
【表161】

【0271】
【表162】

【0272】
【表163】

【0273】
【表164】

【0274】
【表165】

【0275】
【表166】

【0276】
【表167】

【0277】
【表168】

【0278】
【表169】

【0279】
【表170】

【0280】
【表171】

【0281】
【表172】

【0282】
【表173】

【0283】
【表174】

【0284】
【表175】

【0285】
【表176】

【0286】
【表177】

【0287】
【表178】

【0288】
【表179】

【0289】
【表180】

【0290】
【表181】

【0291】
【表182】

【0292】
【表183】

【0293】
【表184】

【0294】
【表185】

【0295】
【表186】

【0296】
【表187】

【0297】
【表188】

【0298】
【表189】

【0299】
【表190】

【0300】
【表191】

【0301】
【表192】

【0302】
【表193】

【0303】
【表194】

【0304】
【表195】

【0305】
【表196】

【0306】
【表197】

【0307】
【表198】

【0308】
【表199】

【0309】
【表200】

【0310】
【表201】

【0311】
【表202】

【0312】
【表203】

【0313】
【表204】

【0314】
【表205】

【0315】
【表206】

【0316】
【表207】

【0317】
【表208】

【0318】
【表209】

【0319】
【表210】

【0320】
【表211】

【0321】
【表212】

【0322】
【表213】

【0323】
【表214】

【0324】
【表215】

【0325】
【表216】

【0326】
【表217】

【0327】
【表218】

【0328】
【表219】

【0329】
【表220】

【0330】
【表221】

【0331】
【表222】

【0332】
【表223】

【0333】
【表224】

【0334】
【表225】

【0335】
【表226】

【0336】
【表227】

【0337】
【表228】

【0338】
【表229】

【0339】
【表230】

【0340】
【表231】

【0341】
実施例1
本発明によるEL化合物を用いたOLEDの製造
本発明によるEL材料をホスト材料として使用することによって、OLED素子を製造した。このOLEDの断面図を図1に示す。
【0342】
最初に、OLED用のガラス(1)から製造された透明電極ITO薄膜(2)(15Ω/□、Samsung Corningによって製造された)を、トリクロロエチレン、アセトン、エタノール及び蒸留水を順に使用して超音波洗浄を行い、使用までイソプロパノール中に保管した。
【0343】
次いで、ITO基体を、真空蒸着装置の基体ホルダー内に装着し、4,4’,4”−トリス(N,N−(2−ナフチル)−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)を、真空蒸着装置のセル内に入れ、次いで、この装置を、チャンバー内の真空度が10−6トールに至るまで排気した。電流をセルに適用して、2−TNATAを蒸発させ、それによって、ITO基体の上に、60nmの厚さを有する正孔注入層(3)を蒸着した。
【0344】
【化49】

【0345】
次いで、真空蒸着装置の他のセルに、N,N’−ビス(α−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(NPB)を入れ、電流をこのセルに適用して、NPBを蒸発させ、それによって、正孔注入層の上に、20nmの厚さの正孔輸送層(4)を蒸着した。
【0346】
【化50】

【0347】
該真空蒸着装置の一方のセルに、真空昇華によって精製した本発明による化合物(例えば、化合物99)を入れ、ELドーパント(例えば、化合物(piq)Ir(acac))を、他方のセルに入れた。この2種の材料を、異なった速度で蒸発させて、4〜10重量%の濃度でドープして、前記正孔輸送層の上に30nmの厚さを有する電気発光層(5)を蒸着した。
【0348】
【化51】

【0349】
次いで、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III)(Alq)を、20nmの厚さで電子輸送層(6)として蒸着し、次いで、リチウムキノラート(Liq)(この構造を下記に示す)を、1〜2nmの厚さで電子注入層(7)として蒸着した。その後、Alカソード(8)を、別の真空蒸着装置を使用することによって、150nmの厚さで蒸着して、OLEDを製造した。
【0350】
【化52】

【0351】
比較例1
従来のEL材料を用いたOLEDの製造
蒸着装置の他のセルに、電気発光ホスト材料として、本発明による電気発光化合物の代わりに、ビス(2−メチル−8−キノリナト)(p−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(BAlq)を入れた以外は、実施例1に記載したものと同じ手順に従って、OLEDを製造した。
【0352】
【化53】

【0353】
実験的実施例1
本発明による電気発光化合物を含有する実施例1のOLEDと、従来の電気発光化合物を含有する比較例1から調製したOLEDとの動作電圧及び電力効率を、1,000cd/mで測定した。その結果を下記表3に示す。
【0354】
本発明によって開発された電気発光化合物のEL特性を示す下記の表3から、本発明によって開発された電気発光化合物が、従来の材料にと比較して、性能の観点から優れた特性を示すことを確認することができる。
【0355】
【表232】

【0356】
表3からわかるように、本発明によって開発された錯体のEL特性は、従来の材料のものにと比較した場合、より優れている。特に、本発明によるOLEDは、比較例1のものよりも良い電流特性示し、少なくとも1V〜2.5V低下した動作電圧をもたらした。優れたEL特性のために、本発明によるOLEDは、比較例1のものよりも遙かに高い(2倍以上)電力効率を示した。Bをアリール基で置換した場合も、この素子は、従来の材料を含有する素子にと比較した場合、2V以上低い電圧で動作され、2(lm/W)以上の高い電力効率を示した。
【0357】
従って、ホスト材料として本発明による電気発光化合物を使用する素子は、優れたEL特性及び低下した動作電圧を示し、1.1〜2.6(lm/W)電力効率の上昇を誘導し、電力消費を改善させる。
【符号の説明】
【0358】
1 ガラス
2 透明電極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 電気発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 Alカソード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式1によって表される電気発光化合物:
【化1】

(化学式1において、リガンドLは、下記の構造式によって表され、
【化2】

Mは、2価金属を表し、
Xは、O、S又はSeを表し、
環Aは、5員又は6員のヘテロ芳香族環、又は(C6〜C20)芳香族環と縮合した5員又は6員のヘテロ芳香族環を表し、かつ該ヘテロ芳香族環、又は芳香族環と縮合したヘテロ芳香族環は、Rと化学結合を形成して、縮合環を形成してもよく、及び環Aは、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキル(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ又はジ(C6〜C20)アリールアミノによって更に置換されていてもよく、
Bは、下記構造を表し、
【化3】

〜Rは、独立に、水素、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキル(C6〜C20)アリールシリル、(C6〜C20)アリール、(C4〜C20)ヘテロアリール、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ若しくはジ(C6〜C20)アリールアミノを表し、又はこれらの各々は、アルキレン若しくはアルケニレンによって隣接する置換基に連結されて、縮合環を形成してもよく、
11〜R22は、独立に、水素、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、(C1〜C10)アルコキシ、フェニル、シアノ若しくは(C3〜C7)シクロアルキルを表し、又はこれらの各々は、アルキレン若しくはアルケニレンによって隣接する置換基に連結されて、(C5〜C7)スピロ環若しくは(C5〜C9)縮合環を形成してもよく、及びR11−R12、R13−R14、R15−R16、R17−R18、R19−R20又はR21−R22は、二重結合又はカルボニルを形成してもよく、
31及びR32は、独立に、(C1〜C10)アルキル又は(C6〜C20)アリールを表し、並びに、
前記環A上のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル若しくはフラニル置換基、又はR〜Rのアリール若しくはヘテロアリールは、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、(C1〜C10)アルコキシ、フェニル、ナフチル、フルオレニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキル(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ及びジ(C6〜C20)アリールアミノから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。)。
【請求項2】
が、下記の構造から選択される、請求項1記載の電気発光化合物:
【化4】

(式中、R、R、R、R、X及びBは、請求項1における定義と同一であり、
41及びR42は、独立に、水素、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ又はジ(C6〜C20)アリールアミノを表し、
43は、(C1〜C10)アルキル、フェニル又はナフチルを表し、
44〜R59は、独立に、水素、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ又はジ(C6〜C20)アリールアミノを表し、並びに、
前記R41〜R59のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル又はフラニルは、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、(C1〜C10)アルコキシ、フェニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ及びジ(C6〜C20)アリールアミノから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。)。
【請求項3】
Mが、Be、Zn、Mg、Cu及びNiから選択される、請求項1記載の電気発光化合物。
【請求項4】
下記化学式1によって表される電気発光化合物を含む電気発光素子であって、該電気発光化合物が、電気発光層のホスト材料として使用される電気発光素子:
【化5】

(化学式1において、リガンドLは、下記の構造式によって表され、
【化6】

Mは、2価金属を表し、
Xは、O、S又はSeを表し、
環Aは、5員又は6員のヘテロ芳香族環、又は(C6〜C20)芳香族環と縮合した5員又は6員のヘテロ芳香族環を表し、該ヘテロ芳香族環、又は芳香族環と縮合したヘテロ芳香族環は、Rと化学結合を形成して、縮合環を形成してもよく、及び環Aは、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキル(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ又はジ(C6〜C20)アリールアミノによって更に置換されていてもよく、
Bは、下記構造を表し、
【化7】

〜Rは、独立に、水素、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキル(C6〜C20)アリールシリル、(C6〜C20)アリール、(C4〜C20)ヘテロアリール、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ若しくはジ(C6〜C20)アリールアミノを表し、又はこれらの各々は、アルキレン若しくはアルケニレンによって隣接する置換基に連結されて、縮合環を形成してもよく、
11〜R22は、独立に、水素、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、(C1〜C10)アルコキシ、フェニル、シアノ若しくは(C3〜C7)シクロアルキルを表し、又はこれらの各々は、アルキレン若しくはアルケニレンによって隣接する置換基に連結されて、(C5〜C7)スピロ環若しくは(C5〜C9)縮合環を形成してもよく、及びR11−R12、R13−R14、R15−R16、R17−R18、R19−R20又はR21−R22は、二重結合又はカルボニルを形成してもよく、
31及びR32は、独立に、(C1〜C10)アルキル又は(C6〜C20)アリールを表し、並びに、
前記環A上のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル若しくはフラニル置換基、又はR〜Rのアリール若しくはヘテロアリールは、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、(C1〜C10)アルコキシ、フェニル、ナフチル、フルオレニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキル(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ及びジ(C6〜C20)アリールアミノから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。)。
【請求項5】
第一電極と、第二電極と、第一電極及び第二電極の間に介在させられた少なくとも1つの有機物層とを含み、前記有機物層が、請求項1から3のいずれか1項に記載の1種以上の有機電気発光化合物と、下記化学式2によって表される化合物から選択される1種以上のドーパントとを含む電気発光領域を含む、請求項4記載の電気発光素子:
【化8】

[式中、Mは、周期表中の第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第13族、第14族、第15族及び第16族から成る群より選択され、リガンドL、L及びLは、独立に、下記の構造から選択される:
【化9】

(式中、R61及びR62は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C20)アルキル、(C1〜C20)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル、又はハロゲンを表し、
63〜R79、R82及びR83は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C20)アルキル、(C1〜C20)アルコキシ、(C1〜C20)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル、SF、トリ(C1〜C20)アルキルシリル又はハロゲンを表し、
80、R81、R84及びR85は、独立に、水素、(C1〜C20)アルキル、又は(C1〜C20)アルキル置換基を有する又は有しないフェニルを表し、
86は、(C1〜C20)アルキル、(C1〜C20)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル、又はハロゲンを表し、
87及びR88は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C20)アルキル、(C1〜C20)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル、又はハロゲンを表し、
Zは、下記構造を表す:
【化10】

(式中、R101〜R112は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C20)アルキル、アルコキシ基、ハロゲン、フェニル、ケトン、シアノ若しくは(C5〜C7)シクロアルキルを表し、又はR101〜R112と、他の隣接するR101〜R112の基は、アルキレン若しくはアルケニレンによって連結されて、(C5〜C7)スピロ環若しくは(C5〜C9)縮合環を形成してもよく、又はこれらはアルキレン若しくはアルケニレンによってR67若しくはR68に連結されて、(C5〜C7)縮合環を形成してもよい。)。]。
【請求項6】
前記有機物層が、アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物から成る群より選択される1種以上の化合物、又は第1族、第2族、第4周期及び第5周期遷移金属、ランタニド金属並びにd−遷移元素の有機金属から成る群より選択される1種以上の金属を含む、請求項5記載の電気発光素子。
【請求項7】
下記化学式1によって表される電気発光化合物と、青色及び緑色の波長で電気発光ピークを有する化合物とを同時に含む有機ディスプレイである、請求項5記載の電気発光素子:
【化11】

(化学式1において、リガンドLは、下記の構造式によって表され、
【化12】

Mは、2価金属を表し、
Xは、O、S又はSeを表し、
環Aは、5員又は6員のヘテロ芳香族環、又は(C6〜C20)芳香族環と縮合した5員又は6員のヘテロ芳香族環を表し、及び該ヘテロ芳香族環又は芳香族環と縮合したヘテロ芳香族環は、Rと化学結合を形成して、縮合環を形成してもよく、及び環Aは、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキル(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ又はジ(C6〜C20)アリールアミノによって更に置換されていてもよく、
Bは、下記構造を表し、
【化13】

〜Rは、独立に、水素、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキル(C6〜C20)アリールシリル、(C6〜C20)アリール、(C4〜C20)ヘテロアリール、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ若しくはジ(C6〜C20)アリールアミノを表し、又はこれらの各々は、アルキレン若しくはアルケニレンによって隣接する置換基に連結されて、縮合環を形成してもよく、
11〜R22は、独立に、水素、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、(C1〜C10)アルコキシ、フェニル、シアノ若しくは(C3〜C7)シクロアルキルを表し、又はこれらの各々は、アルキレン若しくはアルケニレンによって隣接する置換基に連結されて、(C5〜C7)スピロ環若しくは(C5〜C9)縮合環を形成してもよく、及びR11−R12、R13−R14、R15−R16、R17−R18、R19−R20又はR21−R22は、二重結合又はカルボニルを形成してもよく、
31及びR32は、独立に、(C1〜C10)アルキル又は(C6〜C20)アリールを表し、並びに、
前記環A上のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル若しくはフラニル置換基、又はR〜Rのアリール若しくはヘテロアリールは、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、(C1〜C10)アルコキシ、フェニル、ナフチル、フルオレニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキル(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ及びジ(C6〜C20)アリールアミノから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。)。
【請求項8】
前記有機物層が、電気発光層と電荷発生層とを含む、請求項5記載の電気発光素子。
【請求項9】
還元性ドーパントと有機物質との混合領域、又は酸化性ドーパントと有機物質の混合領域が、一対の電極のうちの一方又は両方の電極の内側表面上に配置されている、請求項5記載の電気発光素子。
【請求項10】
下記化学式1によって表される電気発光化合物を含有する電気発光化合物を含む有機太陽電池:
【化14】

(化学式1において、リガンドLは、下記の構造式によって表され、
【化15】

Mは、2価金属を表し、
Xは、O、S又はSeを表し、
環Aは、5員又は6員のヘテロ芳香族環、又は(C6〜C20)芳香族環と縮合した5員又は6員のヘテロ芳香族環を表し、及び該ヘテロ芳香族環、又は芳香族環と縮合したヘテロ芳香族環は、Rと化学結合を形成して、縮合環を形成してもよく、及び環Aは、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキル(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ又はジ(C6〜C20)アリールアミノによって更に置換されていてもよく、
Bは、下記構造を表し、
【化16】

〜Rは、独立に、水素、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキル(C6〜C20)アリールシリル、(C6〜C20)アリール、(C4〜C20)ヘテロアリール、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ若しくはジ(C6〜C20)アリールアミノを表し、又はこれらの各々は、アルキレン若しくはアルケニレンによって隣接する置換基に連結されて、縮合環を形成してもよく、
11〜R22は、独立に、水素、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、(C1〜C10)アルコキシ、フェニル、シアノ若しくは(C3〜C7)シクロアルキルを表し、又はこれらの各々は、アルキレン若しくはアルケニレンによって隣接する置換基に連結されて、(C5〜C7)スピロ環若しくは(C5〜C9)縮合環を形成してもよく、及びR11−R12、R13−R14、R15−R16、R17−R18、R19−R20又はR21−R22は、二重結合又はカルボニルを形成してもよく、
31及びR32は、独立に、(C1〜C10)アルキル又は(C6〜C20)アリールを表し、並びに、
前記環A上のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル若しくはフラニル置換基、又はR〜Rのアリール若しくはヘテロアリールは、(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C10)アルキル、(C1〜C10)アルコキシ、フェニル、ナフチル、フルオレニル、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、トリ(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキル(C6〜C20)アリールシリル、ジ(C1〜C10)アルキルアミノ及びジ(C6〜C20)アリールアミノから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。)。

【図1】
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【公開番号】特開2009−170883(P2009−170883A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−297634(P2008−297634)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(508223435)グラセル・ディスプレイ・インコーポレーテッド (53)
【Fターム(参考)】