電気的にポンピングされる半導体エバネッセント・レーザー
【課題】ハイブリッド型エバネッセント・レーザーを電気的にポンピングする装置および方法を提供する。
【解決手段】能動半導体材料が、光導波路と能動半導体材料との間のエバネッセント結合界面を画定する光導波路の上に配置され、それにより、光導波路によって案内されるべき光モードは光導波路および能動半導体材料両方に重なる。電流注入経路が能動半導体材料を通じて画定され、光モードに少なくとも部分的に重なる。それにより、光モードに少なくとも部分的に重なる電流注入経路に沿った電流注入に応答した能動半導体材料の電気的ポンピングに応答して光が生成される。
【解決手段】能動半導体材料が、光導波路と能動半導体材料との間のエバネッセント結合界面を画定する光導波路の上に配置され、それにより、光導波路によって案内されるべき光モードは光導波路および能動半導体材料両方に重なる。電流注入経路が能動半導体材料を通じて画定され、光モードに少なくとも部分的に重なる。それにより、光モードに少なくとも部分的に重なる電流注入経路に沿った電流注入に応答した能動半導体材料の電気的ポンピングに応答して光が生成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〈連邦の支援を受けた研究開発の陳述〉
本発明は、米国国防省によって授与された契約第W911NF-05-1-0175のもとでの政府支援を得てなされた。米国政府は本発明に一定の権利を有する。
【0002】
〈発明の分野〉
本発明は、概括的には光学に関し、より詳細には本発明は光学的な相互接続および通信に関する。
【背景技術】
【0003】
インターネットのデータ・トラフィックの増大が音声トラフィックに追いつき、光ファイバー通信に対する必要性を押し上げるにつれ、高速かつ効率的な光学ベースの技術に対する必要性は高まりつつある。高密度波長分割多重(DWDM: dense wavelength-division multiplexing)システムおよびギガビット(GB: Gigabit)イーサネット(登録商標)システムにおける同じファイバーを通じた複数光チャネルの伝送は、光ファイバーによってもたらされるこれまでにない容量(信号帯域幅)を使う簡単な方法を提供する。前記システムにおける普通に使われる光学コンポーネントは、波長分割多重(WDM: wavelength division multiplexed)送信機および受信機、回折格子のような光学的フィルター、薄膜フィルター、ファイバー・ブラッグ格子(fiber Bragg gratings)、アレイド導波路格子(arrayed-waveguide gratings)、光アド/ドロップ・マルチプレクサ(optical add/drop multiplexers)およびレーザーを含む。
【0004】
レーザーは、誘導放出を通じて光を放出し、赤外から紫外の範囲の周波数スペクトルをもつコヒーレントな光ビームを生成し、膨大な範囲の用途で使用されうるよく知られた装置である。たとえば、光通信またはネットワーキング・アプリケーションにおいて、半導体レーザーは、データまたは他の情報をエンコードして送信する光または光学的ビームを生成するために使用されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光通信において使用されるさらなる装置は、広帯域DWDMネットワーキング・システムおよびギガビット(GB)イーサネット(登録商標)・システムにおけるキーとなる構成要素である光送信機を含む。現在、ほとんどの光送信機は、外部変調器と組み合わされたいくつかの固定波長レーザーまたは場合によっては直接変調されたレーザーに基づいている。レーザーから生成された光が変調された後、光は外部マルチプレクサを用いて多重化され、光ファイバー・ネットワークに送られる。光ファイバー・ネットワークにおいて、その光は増幅され、または光スイッチによって方向付けられ、あるいはその両方をされる。レーザーは典型的には固定波長を生成するので、各送信チャネルについて別個のレーザーおよび変調器が使用される。しかしながら、レーザーおよび付随する構成要素を生産するコストは非常に高く、送信されるべき光の各波長について別個の構成要素を使うことは、高価かつ非効率であることがある。
【0006】
本発明は、限定ではなく例として、付属の図面において図解される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザー・アレイを提供する方法および装置が開示される。以下の記載では、本発明の十全な理解を与えるために数多くの個別的詳細が記載されるが、当業者には、該個別的詳細が本発明を実施するために用いられる必要はないことは明白であろう。その一方、よく知られた材料または方法は、本発明を埋没させるのを避けるために、詳細には記載していない。
本明細書を通じて「一つの実施形態」または「ある実施形態」の言及は、実施形態との関連で記載される特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。よって、本明細書を通じた随所に「一つの実施形態において」または「ある実施形態において」の句が現れることが、必ずしも同じ実施形態を指すのではない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、一つまたは複数の実施形態において任意の好適な仕方で組み合わされてもよい。さらに、本明細書とともに与えられる図面は、当業者に対する説明のためであって、図面は必ずしも縮尺通りに描かれていないことは理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】本発明の教示に基づく、反射器を含む、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示す図である。
【図1B】本発明の教示に基づく、リング共振器を含む、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示す図である。
【図2】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示す横断面図である。
【図3】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示す断面図である。
【図4】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示す別の断面図である。
【図5】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示すさらに別の断面図である。
【図6】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示すさらに別の断面図である。
【図7】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示すさらに別の断面図である。
【図8】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示すさらに別の断面図である。
【図9】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示す別の断面図である。
【図10】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示すさらに別の断面図である。
【図11】本発明の教示に基づく、統合された半導体変調器および電気的にポンピングされるハイブリッド型接合型(bonded)多波長レーザーのアレイをもつ超高容量の送受信機を含む例示的なシステムを概括的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
例解すると、図1Aおよび1Bは、本発明の教示に基づく、受動的半導体材料にエバネッセントに結合された能動利得媒質材料(active gain medium material)を含む電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザー101の例を概括的に示している。描かれた例に示されるように、レーザー101は、半導体材料103の単一層からの光ビーム119を与える。図のように、半導体材料103の単一層は、たとえばシリコン・オン・絶縁体(SOI: silicon-on-insulator)ウェーハのシリコン層のような、シリコンの受動層である。図示した例では、光ビーム119は、主としてレーザー101の利得および空洞反射スペクトル幅によって決まるレーザー・スペクトル幅をもつレーザー出力である。図のように、レーザー101は、半導体材料103の単一層内に配される光導波路105を含む。図示した例では、光導波路105はシリコン・リブ導波路(silicon rib waveguide)、ストリップ導波路(strip waveguide)または本発明の教示に基づく半導体材料103の前記単一層内に配される他の好適な型の光導波路でありうる。
【0010】
図1Aの例において、光導波路105は、反射器107と109の間の当該光導波路105に沿って画定される光空洞127を含む。さまざまな例において、反射器107および109は、半導体材料103中の一つまたは複数の格子、半導体材料103の面上の反射性コーティングまたは本発明の教示に基づく光導波路105内の光空洞を画定する他の好適な諸技法を含みうる。図1Bに示される例のようなもう一つの例では、レーザー101は、半導体材料103中に配され、光導波路105と光学的に結合されて本発明の教示に基づく光導波路105沿いの光空洞を画定するリング光導波路120を含む。光空洞が反射器107および109を含む図1Aに示した例では、リング共振器120は含まれない。光空洞がリング共振器120を含む図1Bに示した例では、前記の含まれていた反射器107および109は含まれない。
【0011】
図示した例に示されるように、利得媒質材料123のような能動半導体材料は、光導波路105を横断して半導体材料103の前記単一層上に配され、該単一層にエバネッセント結合されている。本開示の目的のためには、能動利得媒質材料または能動半導体材料は、電流注入(current injection)または電気的ポンピングなどに応答して光を放出する材料として解釈されうる。したがって、図示した例において、利得媒質材料123は、本発明の教示に基づく電気的にポンピングされる光放出層でありうる。もう一つの例では、半導体材料103の前記単一層内に配されて複数のレーザーを形成する二つ以上の光導波路105があってもよい。一例では、前記利得媒質材料123は、能動半導体材料であり、InP、AlGaInAs、InGaAsおよび/またはInP/InGaAsPおよび/または本発明の教示に基づく好適な厚さおよびドーピング濃度での他の好適な材料および組み合わせのようなIII-V族半導体材料を含むIII‐V族半導体バーである。特に、利得媒質材料123は、SOIウェーハのシリコン層内の一つまたは複数の光導波路の「上」を横断してフリップチップ接合された(flip chip bonded)またはウェーハ接合された(wafer bonded)またはエピタキシャル成長されたオフセット多重量子井戸(MQW: multiple quantum well)領域利得チップである。結果として、一つまたは複数のIII-V族レーザーは、光導波路105沿いに画定される利得媒質‐半導体材料界面をもって形成される。図のような前記一つまたは複数の光導波路105を横断して接合される利得媒質材料123を接合することには整列の問題はないので、本発明の教示に基づき、一つまたは複数のレーザー101は、たとえば垂直空洞表面発光レーザー(VCSEL: Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser)などのような別々の個別レーザーを取り付けて整列させる場合のコストに比べて、その一部のコストで提供および製作される。
【0012】
図1Aおよび1Bに示されている例において、電気ポンプ回路161は、本発明の教示に基づき、レーザー101の動作の間に利得媒質を電気ポンピングするために利得媒質材料123に結合される。一例では、電気ポンプ回路161は、半導体材料103の単一層内に直接統合されてもよい。たとえば、一例では、半導体材料103の単一層はシリコンであり、電気ポンプ回路161は該シリコン内に直接統合されてもよい。別の例では、電気ポンプ回路161は半導体材料103の単一層に対する外部回路であってもよい。
【0013】
のちに論じるように、一例では、電気ポンプ回路161は図1Aおよび1Bに示されるように利得媒質材料123に結合され、それにより注入電流が利得媒質材料123の能動層に注入され、それにより、利得媒質材料123を通じた電流注入経路が画定され、光空洞127中の光ビーム119の光モード(optical mode)または光経路に重なるまたは少なくとも部分的に重なる。結果として、本発明の教示に基づく、光ビーム119の光モードに重なるまたは少なくとも部分的に重なる電流注入経路に沿った電流注入に応答した利得媒質材料123の電気的ポンピングに応答して、光空洞127内に光が生成される。開示されるようなレーザー101では、光モード119は、本発明の教示に基づき、受動半導体材料103の光導波路105によって案内される間、利得媒質材料123の能動領域から電気的にポンピングされた利得を得る。
【0014】
もう一つの例では、本発明の教示に基づき、図1Aおよび1Bに示されるように、電気ポンプ回路161は半導体材料103の受動材料にも結合されてもよく、それにより、この電流注入経路の少なくとも一部分は、半導体材料103の単一層内の光導波路105をも通過しうる。そのような例では、電流注入経路は、本発明の教示に基づき、単一層半導体材料103と利得媒質材料123との間のエバネッセント結合のほか、光導波路105内の半導体材料103の受動材料を通過する。
【0015】
一例では、特定の波長をもつ光が図1Aの反射器107と109の間で反射されて行き来し、それによりその特定の波長で光空洞127内にレーザー発振が起こる。もう一つの例では、特定の波長をもつ光が図1Bのリング共振器内で共振し、それによりその特定の波長でリング共振器120内でレーザー発振が起こる。さまざまな例において、光空洞127に関しレーザー発振が起こる前記特定の波長は、本発明の教示に基づき、反射器107および/または109によって反射される光の波長またはリング共振器120内で共振される光の波長によって決定される。
【0016】
図2は、本発明の教示に基づく例示的なレーザー201を概括的に示す横断面図である。一例では、レーザー201は図1Aまたは1Bに示されるレーザー101に対応しうる。図2に示されるように、レーザー201は、単一の半導体層203と基板層231との間に配された埋め込まれた酸化物層229をもつ、単一半導体層203を含むSOIウェーハ内に統合されている。一例では、単一の半導体層203および基板層231は受動的シリコンでできている。図のように、光導波路205が単一の半導体層203内に配されている。これを通じて、光ビーム219が方向付けされる。図2に示した例では、光導波路205はリブ導波路、ストリップ導波路などであり、光空洞227が反射器207と209の間に画定されている。図2に示されるように、反射器207および209は、本発明の教示に基づく一例では、ブラッグ反射器である。
【0017】
図1Aまたは1Bの利得媒質材料123と同様に、利得媒質材料223は、図2に示されるように、光導波路205の「上」を横断し、これに隣接して、半導体材料203の単一層の単一層の「上」に接合されるまたはエピタキシャル成長される。結果として、光導波路205に沿った光ビームの伝搬方向と平行な、光導波路205に沿った利得媒質‐半導体材料界面233がある。一例では、利得媒質‐半導体材料界面233は、光導波路205の能動利得媒質材料233と半導体材料203との間の接合界面(bonding interface)を含みうるエバネッセント結合界面である。たとえば、そのような接合界面は、薄いSiO2層または他の好適な接合界面材料を含みうる。一例では、利得媒質材料223は能動的なIII-V族利得媒質であり、光導波路205と利得媒質材料223との間の、利得媒質‐半導体材料界面233におけるエバネッセント光結合がある。光導波路205の導波路の大きさに依存して、光ビーム219の光モードの一部はIII-V族利得媒質材料223の内部にあり、光ビーム219の光モードの一部は光導波路205の内部にある。一例では、利得媒質材料223は光空洞227内で光を生成するために電気的にポンピングされる。
【0018】
MQWのような能動材料を含む利得媒質材料223をもち、反射器またはミラーのような格子に基づく受動シリコン導波路をもつ例では、レーザー発振は、本発明の教示に基づいて、光空洞227内で得られる。図2では、光ビーム219が、III-V利得媒質223をもつ光空洞227内で反射器207と209の間を反射されて行き来するレーザー発振が示されている。図示した例では、本発明の教示に基づき、反射器209は、光ビーム219が図2の右側で出力されるよう、部分反射性である。一例では、レーザー201は広帯域レーザーであり、したがって反射器207および209は光空洞227についての狭帯域反射器またはブラッグ格子である必要はない。このことは、本発明に基づき、製造の複雑さを大幅に軽減する。一例では、レーザー発振は、120mAの閾値、15°Cで3.8mW最大出力パワーおよび差分量子効率(differential quantum efficiency)9.6%をもって実証される。一例では、レーザー201は、特徴温度63Kをもって、少なくとも80°Cで動作する。
【0019】
図3は、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザー301の一例を概括的に示す断面図である。これは本発明の教示に基づく、図1A、1Bまたは図2との関連で図示し、上記したレーザーの一つに対応しうるものである。図のように、半導体材料303の単一層と半導体基板331との間に配された埋め込まれた酸化物層329をもつSOIウェーハが含まれている。もう一つの例では、層329は、埋め込まれた窒化物層またはシリコン酸窒化物層または本発明の教示に基づく他の好適な型の材料といった異なる材料を含んでいてもよい。図示した例では、シリコン・リブ導波路305は、半導体材料303の単一層内に配されている。
【0020】
図3に示された例を続けると、利得媒質材料323は、光導波路305の上に接合されてエバネッセント結合333を画定する。利得媒質材料323と光導波路305との間のエバネッセント結合333に関し、光導波路305の寸法に依存して、光モード319の一部が、光導波路305のリブ領域の内部にあるように示されており、光モード319の一部が利得媒質材料323の内部に示されている。
【0021】
図3に示されるように、利得媒質材料323の一例は、P層325と、能動層326と、半導体材料303の単一層のN‐シリコンに接合されたN‐III-V層328とを含むIII-V半導体材料である。一例では、利得媒質材料323はInPまたは他の好適なIII-V材料を含む。一例では、P層325は、図3の例に示されているように、P‐四次層(P‐quaternary layer)328、Pクラッディング層330およびP‐分離閉じ込めヘテロ構造(P‐separated confinement heterostructure)(SCH)332を含む。一例では、能動層326はMQW材料を含む。図示した例では、利得媒質材料323は、本発明の教示に基づき、光導波路305のリブ領域に接合され、これに隣接する。図のように、接点341も利得媒質材料323に結合されている。
【0022】
図3に示した例では、本発明の教示に基づき動作し、レーザー301を電気的にポンピングするために、光導波路305のシリコンを通じて電流注入が実行される、伝導性の接合設計が示されている。よって、シリコン・リブ導波路305は、n型ドーピングを含む。図示した例では、接点343および345は光導波路305のスラブ領域の外側部分に結合されている。図3の図解は、電子が接点343および345を通じて半導体層303のN‐ドープ・シリコンを通じて、能動層326に注入され、ホールが接点341を通じてP層325を通じて能動層326に注入される一例を示している。図3に示した例では、電子はe-として図示されており、ホールはh+として図示されている。したがって、電流注入経路は、接点341、343および345の間で、利得媒質材料323の能動層326を通じて画定され、図3の例に示されるような光モード319に重なるまたは少なくとも部分的に重なる。このように、本発明の教示に基づく、光ビーム319の光モードに重なるまたは少なくとも部分的に重なる電流注入経路に沿った電流注入に応答した利得媒質材料323の電気的ポンピングに応答して、光が生成される。
【0023】
利得媒質材料323のIII-V領域の横方向の対称性のため、利得媒質材料ウェーハと光導波路305との間の、接合に先立つ整列は必要ないことを注意しておく。よって、レーザーおよび受動的導波路の両方が同じ相補的金属酸化物半導体(CMOS)適合(compatible)SOIエッチを使って画定されうるので、受動的半導体導波路セクションに自己整列される電気的にポンピングされる源のシリコン・ウェーハ上での大規模な光集積が、本発明の教示に基づいて提供される。
【0024】
図3に示される例において、接点343および345が半導体層303の受動的なN-Siに結合され、それにより電流注入経路の一部がエバネッセント結合界面333を通じて、および受動的な半導体材料303を通じて画定されていることも注意しておく。別の例では、接点343および345は、利得媒質材料323に結合され、それにより、電流注入経路全体はエバネッセント結合界面333を通らず、よって利得媒質材料323内に残る。
【0025】
例解すると、図4は、本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザー401のもう一つの例を概括的に示すもう一つの断面図である。ここでは、電流注入経路全体が利得媒質材料内に残っている。図4のレーザー401が、本発明の教示に基づく、図1A、1Bまたは図2との関連で図示され、上記されたレーザーの一つに対応しうるものであることを注意しておく。図のように、半導体材料403の単一層とSOIウェーハの半導体基板431との間に配された埋め込まれた酸化物層429をもつSOIウェーハが含まれている。図示した例では、シリコン・リブ導波路405は半導体材料403の単一層内に配される。利得媒質材料423は、エバネッセント結合433を画定する光導波路405の上に接合される。利得媒質材料423と光導波路405との間のエバネッセント結合433により、光導波路405の寸法に依存して、光モード419の一部は光導波路405のリブ領域の内部にあるように示されており、光モード419の一部は利得媒質材料423の内部にある。
【0026】
図4に示した例では、利得媒質材料423の一例は、P層425と、能動層426と、半導体材料403の単一層のN‐シリコンに接合されたN‐III-V層428とを含むIII-V半導体材料である。一例では、利得媒質材料423はInPまたは他の好適なIII-V材料を含む。一例では、P層425は、P‐四次層(P‐quaternary layer)428、Pクラッディング層430およびP‐SCH層432を含む。一例では、能動層426はMQW材料を含む。図示した例に示されるように、利得媒質材料423は、本発明の教示に基づき、光導波路405のリブ領域に接合され、これに隣接する。図のように、接点441も利得媒質材料423に結合されている。
【0027】
図4に示した例では、図3のレーザー301と比べたとき、接点443および445は、光導波路305のスラブ領域の外側部分ではなく、利得媒質材料423のN‐III-V層428に直接結合されている。よって、図4に示された例が示すところでは、電子は接点443および445を通じてN‐III-V層428を通じて注入され、ホールは接点441を通じてP層425を通じて能動層426に注入される。こうして、電流注入経路は、接点441、443および445の間で、利得媒質材料423の能動層426を通じて画定され、図4の例に示されるような光モード419に重なるまたは少なくとも部分的に重なる。このように、本発明の教示に基づく、光ビーム419の光モードに重なるまたは少なくとも部分的に重なる電流注入経路に沿った電流注入に応答した利得媒質材料423の電気的ポンピングに応答して、光が生成される。図4に示した接点443および445が利得媒質材料423のN‐III-V層428に直接結合されている例では、電流注入経路はエバネッセント結合界面433を通過せず、したがって、利得媒質材料423内に残ることを注意しておく。
【0028】
図3および図4に示される例では、光導波路305および405はいずれもリブ導波路として示されていることが注目される。他の例では、本発明の教示に基づき、光導波路の他の好適な型が用いられてもよいことは理解されるものである。たとえば、もう一つの例では、ストリップ導波路が用いられてもよい。例解すると、図5は、本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザー501のもう一つの例を概括的に示すさらに別の断面図である。図5のレーザー501が、本発明の教示に基づく、図1A、1Bまたは図2に示されたレーザーの一つに対応しうるものであることを注意しておく。
【0029】
描かれた例に示されるように、半導体材料503の単一層とSOIウェーハの半導体基板531との間に配された埋め込まれた酸化物層529をもつSOIウェーハが含まれている。図示した例では、シリコン・ストリップ導波路505は半導体材料503の単一層内に配される。利得媒質材料523は、エバネッセント結合533を画定するストリップ導波路505の上に接合される。利得媒質材料523と光導波路505との間のエバネッセント結合533により、光導波路505の寸法に依存して、光モード519の一部は光導波路505の内部にあるように示されており、光モード519の一部は利得媒質材料523の内部にある。
【0030】
図5に示した例では、利得媒質材料523の一例は、P層525と、能動層526と、半導体材料503の単一層のN‐シリコンに接合されたN‐III-V層528とを含むIII-V半導体材料である。一例では、利得媒質材料523は、たとえば図4の利得媒質材料423または図3の利得媒質材料323の材料と同様の材料を含む。図示した例に示されるように、利得媒質材料523は、本発明の教示に基づき、光導波路505に接合され、これに隣接する。図のように、接点541も利得媒質材料523に結合されている。
【0031】
図4に示された例示的な接点443および445と同様に、図5に示される接点543
および545は、利得媒質材料523のN‐III-V層528に直接結合されている。よって、電子は接点543および545を通じてN‐III-V層528を通じて注入され、ホールは接点541を通じてP層525を通じて能動層526に注入される。こうして、電流注入経路は、接点541、543および545の間で、利得媒質材料523の能動層526を通じて画定され、図5の例に示されるような光モード519に重なるまたは少なくとも部分的に重なる。このように、本発明の教示に基づく、光ビーム519の光モードに重なるまたは少なくとも部分的に重なる電流注入経路に沿った電流注入に応答した利得媒質材料523の電気的ポンピングに応答して、光が生成される。図5に示した接点543および545が利得媒質材料523のN‐III-V層528に直接結合されている例では、電流注入経路はエバネッセント結合界面533を通過せず、したがって、利得媒質材料523内に残ることを注意しておく。
【0032】
図6は、本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザー601の一例を概括的に示す別の断面図である。理解できるように、レーザー601は図4の例示的なレーザー401と類似性を共有している。たとえば、図6に示される例が示すところでは、半導体材料603の単一層とSOIウェーハの半導体基板631との間に配された埋め込まれた酸化物層629をもつSOIウェーハが含まれている。図示した例では、シリコン・リブ導波路605は半導体材料603の単一層内に配される。利得媒質材料623は、エバネッセント結合633を画定する光導波路605の上に接合される。利得媒質材料623と光導波路605との間のエバネッセント結合633により、光導波路605の寸法に依存して、光モード619の一部は光導波路605のリブ領域の内部にあるように示されており、光モード619の一部は利得媒質材料623の内部にある。
【0033】
図示した例では、利得媒質材料623は、P層625と、能動層626と、半導体材料603の単一層のN‐シリコンに接合されたN‐III-V層628とを含むIII-V半導体材料である。一例では、利得媒質材料623は、たとえば図4の利得媒質材料423または図3の利得媒質材料323の材料を含む。図示した例に示されるように、利得媒質材料623は、本発明の教示に基づき、光導波路605に接合され、これに隣接する。図のように、接点641も利得媒質材料623に結合されている。図4の接点443および445と同様に、接点543および645は、利得媒質材料423のN‐III-V層628に直接結合されている。よって、図6に示された例が示すところでは、電子は接点643および645を通じてN‐III-V層628を通じて注入され、ホールは接点641を通じてP層625を通じて能動層626に注入される。こうして、電流注入経路は、接点641、643および645の間で、利得媒質材料623の能動層626を通じて画定され、図6の例に示されるような光モード619に重なるまたは少なくとも部分的に重なる。このように、本発明の教示に基づく、光ビーム619の光モードに重なるまたは少なくとも部分的に重なる電流注入経路に沿った電流注入に応答した利得媒質材料623の電気的ポンピングに応答して、光が生成される。
【0034】
レーザー601とレーザー401の間の一つの相違は、レーザー601の一例が図6に示される閉じ込め領域634および636をも含むことである。一例では、閉じ込め領域634および636は、図のように利得媒質材料623の向かい合う横側に画定され、接点641からの注入電流を、光モード619に重なるまたは少なくとも部分的に重なる能動層626の部分に垂直方向に閉じ込めるまたは集束させるのを助ける、閉じ込め領域である。閉じ込め領域634および636をもつ一例では、接点641からの注入電流は、横方向に広がる傾向があり、これはレーザー601の損失を増し、パワーを低下させる。しかしながら、本発明の教示によれば、閉じ込め領域634および636により、より多くの注入電流が垂直方向に閉じ込められ、あるいは強制されて能動層426を通過し、光モード619に重なる。図6に示された例では、本発明の教示に基づき、P層625は、プロトンを衝撃され(bombarded)またはインプラントされ(implanted)、P層625の衝撃された部分が図のような絶縁性または少なくとも半絶縁性の領域である閉じ込め領域634および636に変換される。他の例では、閉じ込め領域634および636は、エッチングおよび再成長(regrowth)または酸化または本発明の教示に基づく他の好適な技法から帰結しうる。
【0035】
図7は、本発明の教示に基づく、注入電流を垂直方向に閉じ込めるための閉じ込め領域を含むレーザー701のもう一つの例を示している。一例では、レーザー701は、図6のレーザー601と多くの類似性を共有し、同様の要素は図7においてしかるべく同様の番号付けがされている。図7の例に示されるように、本発明の教示に基づき、レーザー701内の閉じ込め領域734および736は、図のように利得媒質材料623の向かい合う横側に画定され、接点641からの注入電流を、光モード619に重なるまたは少なくとも部分的に重なる能動層626の部分に垂直方向に(vertically)閉じ込める(confine)または集束させる(focus)のを助ける。
【0036】
一例では、閉じ込め領域734および736は、注入電流を能動層626に垂直的に閉じ込めるまたは強制して下げるために、図のように、利得媒質材料623を横に(laterally)エッチングすることによって提供される。一例では、本発明の教示によれば、たとえばSiO2またはポリマーまたは他の好適な材料のような半絶縁性または絶縁性材料がエッチングされた領域に充填されて閉じ込め領域734および736を形成してもよい。
【0037】
もう一つの例では、閉じ込め領域734は、図7に示されるような接点641の両側においてリンなどのような材料をインプラントし、次いで結果として得られる構造をアニールすることによって提供されてもよい。これは、量子井戸における相互拡散(interdiffusion)を引き起こし、それらの量子井戸のバンドギャップを大きくさせ、透明にさせる。次いで、水素がインプラントされて、P材料を半絶縁性材料に変換してもよく、それにより図7に示されるような本発明の教示に基づく閉じ込め領域734および736が帰結する。
【0038】
図8は、本発明の教示に基づく、注入電流を垂直方向に閉じ込めるための閉じ込め領域634および636をやはり含むレーザー801のもう一つの例を示している。一例では、レーザー801は、図6のレーザー601と多くの類似性を共有し、同様の要素は図8においてしかるべく同様の番号付けがされている。図8の例に示されるように、レーザー801は、図6の例示的なレーザー601と比べたとき、接点841および843の非対称な配置を含む。特に、利得媒質材料823の上側の表面領域は図6の利得媒質材料623の上側の表面領域よりも大きい。これにより、接点841は実質的により大きくなることができ、より小さな抵抗をもつ、P層625への改良されたオーム性接触をもつことができる。よって、本発明の教示により、接点841と843の間のより低い全体的な抵抗が提供され、能動層626に電流を注入するときの改善されたパフォーマンスが提供される。
【0039】
図9は、本発明の教示に基づく、注入電流を垂直方向に閉じ込めるための閉じ込め領域734および736をやはり含むレーザー901のさらにもう一つの例を示している。一例では、レーザー901は、図7のレーザー701と多くの類似性を共有し、同様の要素は図9においてしかるべく同様の番号付けがされている。図9の例に示されるように、レーザー901は、図7の例示的なレーザー701と比べたとき、接点941および943の非対称な配置を含む。特に、利得媒質材料923の上側の表面領域は図7の利得媒質材料723の上側の表面領域よりも大きい。これにより、接点941は実質的により大きくなることができ、より小さな抵抗をもつ、P層625への改良されたオーム性接触をもつことができる。よって、本発明の教示により、接点941と943の間のより低い全体的な抵抗が提供され、能動層626に電流を注入するときの改善されたパフォーマンスが提供される。
【0040】
図10は、本発明の教示に基づく、注入電流を垂直方向に閉じ込めるための閉じ込め領域734および736をやはり含むレーザー1001のもう一つの例を示している。一例では、レーザー1001は、図9のレーザー901と多くの類似性を共有し、同様の要素は図10においてしかるべく同様の番号付けがされている。図10の例に示されるように、レーザー1001も、図9の例示的なレーザー901と比べたとき、接点941および943の非対称な配置を含む。しかしながら、図9のレーザー901において示されるように接点943がN-III-V層628に直接結合されるのではなく、レーザー1001の接点1043は半導体層1003のN-Siに直接結合される。結果として、接点941と1043の間の注入された電流の経路は、エバネッセント結合633および半導体層1003のN-Siを通って流れる。本発明の教示により、閉じ込め領域734および736の組み合わせを、光導波路605とリブ領域の横側(lateral sides)を画定するクラッディング領域と組み合わせることにより、注入された電流は、能動層626内の光モード619を通って流れるよう強制されまたは閉じ込められる。
【0041】
図11は、本発明の教示に基づく、受動半導体材料103にエバネッセント結合された能動利得媒質材料123を含む電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザー101のアレイをもつ、統合された半導体変調器多波長レーザー(integrated semiconductor modulator multi-wavelength laser)を含む、例示的な光学システム1151を示す図である。一例では、レーザー101のアレイ内の例示的なレーザーのそれぞれが、本発明の教示に基づくこれまでに記載された電気的にポンピングされるハイブリッド型レーザーの一つまたは複数と同様であってもよいことは理解されるものである。図示した例では、図11に示されるような単一の半導体層103は、複数の光導波路105A、105B、…、105Nを含む光チップであり、それらにわたって利得媒質材料123の単一のバーが接合されて、それぞれ前記複数の光導波路105A、105B、…、105Nにおいて複数の光ビーム119A、119B、…、119Nを生成する広帯域レーザーのアレイを作り出している。前記複数の光ビーム119A、119B、…、119Nは変調され、次いで前記複数の光ビーム119A、119B、…、119Nの選択された波長がマルチプレクサ117で組み合わされて単一の光ビーム121が出力される。本発明の教示により、この単一の光ビームが単一の光ファイバー1153を通じて外部光受信器1157に伝送されうる。一例では、本発明の教示により、前記統合された半導体変調器多波長レーザーは、前記単一の光ビーム121に含まれる複数の波長において、前記単一の光ファイバー1153を通じて、1Tb/s以上の速度でデータを送信することができる。たとえば、前記統合された半導体変調器多波長レーザーに含まれる光変調器113A、113B、…、113Nが40Gb/sで動作する例では、前記統合された半導体変調器多波長レーザーの総容量は、N×40Gb/sとなる。ここで、Nは導波路ベースのレーザー源の総数である。一例では、前記複数の光導波路105A、105B、…、105Nは、半導体材料103の前記単一層において約50〜100μm離間される。したがって、一例では、本発明の教示によれば、半導体材料103の4mmにも満たない一片をもつ前記統合された半導体変調器多波長レーザーから、バス全体の光データが送信されうる。
【0042】
図11はまた、本発明の教示により、光システム1151の例において、前記単一の半導体層103が、単一の光ファイバー1155を通じて外部の光送信機1159からの光ビーム1121を受信するようにも結合されていることをも示している。したがって、本発明音教示によれば、一つの例示される例では、前記単一の半導体層103は、小さな形状因子をもつ超高容量の送受信機である。図示した例では、外部の光受信器1157および外部の光送信機1159は同じチップ1161上に存在するように示されていることが注目される。別の例では、外部の光受信器1157と外部の光送信機1159は別個のチップ上に存在してもよいことは理解される。図示した例では、受信された光ビーム1121は、デマルチプレクサ1117によって受信され、これが受信光ビーム1121を複数の光ビーム1119A、1119B、…、1119Nに分割する。一例では、前記複数の光ビーム1119A、1119B、…、1119Nは、デマルチプレクサ1117により、それぞれの波長に従って分割され、次いで半導体材料103の前記単一層内に配されている複数の光導波路1105A、1105B、…、1105Nを通じて指導される。
【0043】
図示した例に示されるように、前記複数の光ビーム1119A、1119B、…、1119Nをそれぞれ検出するために、前記複数の光導波路1105A、1105B、…、1105Nのそれぞれに一つまたは複数の光検出器が光学的に結合されている。具体的には、一例では、前記複数の光導波路1105A、1105B、…、1105Nに、光検出器1163A、1163B、…、1163Nのアレイが光学的に結合されている。一例では、前記光検出器1163A、1163B、…、1163Nのアレイは、前記複数の光ビーム1119A、1119B、…、1119Nを検出するためのSiGe光検出器などを含んでいる。
【0044】
描かれている例に示されるように、半導体材料1123のもう一つの単一のバーが、前記複数の光導波路1105A、1105B、…、1105Nを横断して半導体材料103の前記単一層に接合され、前記複数の光導波路1105A、1105B、…、1105Nに光学的に結合された光検出器のアレイを形成していてもよい。一例では、半導体材料1123の前記単一のバーは、III-V半導体材料を含んでおり、前記複数の光導波路1105A、1105B、…、1105Nに光学的に結合されたIII-V光検出器を作り出す。本発明の教示によれば、一例では、半導体材料1123の前記単一のバーは、半導体材料123の前記単一のバーを前記複数の光導波路105A、105B、…、105Nを横断して接合するために使われたのと同様の技法および技術を使って、半導体材料103の前記単一層に接合されうる。図のように前記複数の光導波路1105A、1105B、…、1105NにSiGeおよびIII-Vベースの光検出器が光学的に結合されることで、前記複数の光ビーム1119A、1119B、…、1119Nについて多様な波長が本発明の教示に基づいて検出されうる。
【0045】
図5に示される例において、本発明の教示によれば、半導体材料103の前記単一層内に、制御/ポンプ回路1161も含まれ、あるいは統合されてもよい。たとえば、一例では、半導体材料103の前記単一層はシリコンであり、制御回路1161は該シリコン中に直接集積される。一例では、本発明の教示により、前記制御回路1161は、前記多波長レーザー・アレイ101内のレーザー、前記複数のパワー・モニタ、前記複数の光変調器、前記アレイの光検出器または半導体材料103の前記単一層内に配される他の装置もしくは構造のうちの任意の一つまたは複数を、制御、監視および/または電気的ポンピングするよう電気的に結合されうる。
【0046】
以上の詳細な記述において、本発明の方法および装置は、個別的な例示的な実施形態を参照しつつ記載されてきた。しかしながら、より広い本発明の精神および範囲から外れることなくそれにさまざまな修正および変更がされうることは明らかであろう。したがって、本明細書および図面は制限するものではなく例示するものと見なされるべきである。
【技術分野】
【0001】
〈連邦の支援を受けた研究開発の陳述〉
本発明は、米国国防省によって授与された契約第W911NF-05-1-0175のもとでの政府支援を得てなされた。米国政府は本発明に一定の権利を有する。
【0002】
〈発明の分野〉
本発明は、概括的には光学に関し、より詳細には本発明は光学的な相互接続および通信に関する。
【背景技術】
【0003】
インターネットのデータ・トラフィックの増大が音声トラフィックに追いつき、光ファイバー通信に対する必要性を押し上げるにつれ、高速かつ効率的な光学ベースの技術に対する必要性は高まりつつある。高密度波長分割多重(DWDM: dense wavelength-division multiplexing)システムおよびギガビット(GB: Gigabit)イーサネット(登録商標)システムにおける同じファイバーを通じた複数光チャネルの伝送は、光ファイバーによってもたらされるこれまでにない容量(信号帯域幅)を使う簡単な方法を提供する。前記システムにおける普通に使われる光学コンポーネントは、波長分割多重(WDM: wavelength division multiplexed)送信機および受信機、回折格子のような光学的フィルター、薄膜フィルター、ファイバー・ブラッグ格子(fiber Bragg gratings)、アレイド導波路格子(arrayed-waveguide gratings)、光アド/ドロップ・マルチプレクサ(optical add/drop multiplexers)およびレーザーを含む。
【0004】
レーザーは、誘導放出を通じて光を放出し、赤外から紫外の範囲の周波数スペクトルをもつコヒーレントな光ビームを生成し、膨大な範囲の用途で使用されうるよく知られた装置である。たとえば、光通信またはネットワーキング・アプリケーションにおいて、半導体レーザーは、データまたは他の情報をエンコードして送信する光または光学的ビームを生成するために使用されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光通信において使用されるさらなる装置は、広帯域DWDMネットワーキング・システムおよびギガビット(GB)イーサネット(登録商標)・システムにおけるキーとなる構成要素である光送信機を含む。現在、ほとんどの光送信機は、外部変調器と組み合わされたいくつかの固定波長レーザーまたは場合によっては直接変調されたレーザーに基づいている。レーザーから生成された光が変調された後、光は外部マルチプレクサを用いて多重化され、光ファイバー・ネットワークに送られる。光ファイバー・ネットワークにおいて、その光は増幅され、または光スイッチによって方向付けられ、あるいはその両方をされる。レーザーは典型的には固定波長を生成するので、各送信チャネルについて別個のレーザーおよび変調器が使用される。しかしながら、レーザーおよび付随する構成要素を生産するコストは非常に高く、送信されるべき光の各波長について別個の構成要素を使うことは、高価かつ非効率であることがある。
【0006】
本発明は、限定ではなく例として、付属の図面において図解される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザー・アレイを提供する方法および装置が開示される。以下の記載では、本発明の十全な理解を与えるために数多くの個別的詳細が記載されるが、当業者には、該個別的詳細が本発明を実施するために用いられる必要はないことは明白であろう。その一方、よく知られた材料または方法は、本発明を埋没させるのを避けるために、詳細には記載していない。
本明細書を通じて「一つの実施形態」または「ある実施形態」の言及は、実施形態との関連で記載される特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。よって、本明細書を通じた随所に「一つの実施形態において」または「ある実施形態において」の句が現れることが、必ずしも同じ実施形態を指すのではない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、一つまたは複数の実施形態において任意の好適な仕方で組み合わされてもよい。さらに、本明細書とともに与えられる図面は、当業者に対する説明のためであって、図面は必ずしも縮尺通りに描かれていないことは理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】本発明の教示に基づく、反射器を含む、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示す図である。
【図1B】本発明の教示に基づく、リング共振器を含む、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示す図である。
【図2】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示す横断面図である。
【図3】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示す断面図である。
【図4】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示す別の断面図である。
【図5】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示すさらに別の断面図である。
【図6】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示すさらに別の断面図である。
【図7】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示すさらに別の断面図である。
【図8】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示すさらに別の断面図である。
【図9】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示す別の断面図である。
【図10】本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザーの一例を概括的に示すさらに別の断面図である。
【図11】本発明の教示に基づく、統合された半導体変調器および電気的にポンピングされるハイブリッド型接合型(bonded)多波長レーザーのアレイをもつ超高容量の送受信機を含む例示的なシステムを概括的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
例解すると、図1Aおよび1Bは、本発明の教示に基づく、受動的半導体材料にエバネッセントに結合された能動利得媒質材料(active gain medium material)を含む電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザー101の例を概括的に示している。描かれた例に示されるように、レーザー101は、半導体材料103の単一層からの光ビーム119を与える。図のように、半導体材料103の単一層は、たとえばシリコン・オン・絶縁体(SOI: silicon-on-insulator)ウェーハのシリコン層のような、シリコンの受動層である。図示した例では、光ビーム119は、主としてレーザー101の利得および空洞反射スペクトル幅によって決まるレーザー・スペクトル幅をもつレーザー出力である。図のように、レーザー101は、半導体材料103の単一層内に配される光導波路105を含む。図示した例では、光導波路105はシリコン・リブ導波路(silicon rib waveguide)、ストリップ導波路(strip waveguide)または本発明の教示に基づく半導体材料103の前記単一層内に配される他の好適な型の光導波路でありうる。
【0010】
図1Aの例において、光導波路105は、反射器107と109の間の当該光導波路105に沿って画定される光空洞127を含む。さまざまな例において、反射器107および109は、半導体材料103中の一つまたは複数の格子、半導体材料103の面上の反射性コーティングまたは本発明の教示に基づく光導波路105内の光空洞を画定する他の好適な諸技法を含みうる。図1Bに示される例のようなもう一つの例では、レーザー101は、半導体材料103中に配され、光導波路105と光学的に結合されて本発明の教示に基づく光導波路105沿いの光空洞を画定するリング光導波路120を含む。光空洞が反射器107および109を含む図1Aに示した例では、リング共振器120は含まれない。光空洞がリング共振器120を含む図1Bに示した例では、前記の含まれていた反射器107および109は含まれない。
【0011】
図示した例に示されるように、利得媒質材料123のような能動半導体材料は、光導波路105を横断して半導体材料103の前記単一層上に配され、該単一層にエバネッセント結合されている。本開示の目的のためには、能動利得媒質材料または能動半導体材料は、電流注入(current injection)または電気的ポンピングなどに応答して光を放出する材料として解釈されうる。したがって、図示した例において、利得媒質材料123は、本発明の教示に基づく電気的にポンピングされる光放出層でありうる。もう一つの例では、半導体材料103の前記単一層内に配されて複数のレーザーを形成する二つ以上の光導波路105があってもよい。一例では、前記利得媒質材料123は、能動半導体材料であり、InP、AlGaInAs、InGaAsおよび/またはInP/InGaAsPおよび/または本発明の教示に基づく好適な厚さおよびドーピング濃度での他の好適な材料および組み合わせのようなIII-V族半導体材料を含むIII‐V族半導体バーである。特に、利得媒質材料123は、SOIウェーハのシリコン層内の一つまたは複数の光導波路の「上」を横断してフリップチップ接合された(flip chip bonded)またはウェーハ接合された(wafer bonded)またはエピタキシャル成長されたオフセット多重量子井戸(MQW: multiple quantum well)領域利得チップである。結果として、一つまたは複数のIII-V族レーザーは、光導波路105沿いに画定される利得媒質‐半導体材料界面をもって形成される。図のような前記一つまたは複数の光導波路105を横断して接合される利得媒質材料123を接合することには整列の問題はないので、本発明の教示に基づき、一つまたは複数のレーザー101は、たとえば垂直空洞表面発光レーザー(VCSEL: Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser)などのような別々の個別レーザーを取り付けて整列させる場合のコストに比べて、その一部のコストで提供および製作される。
【0012】
図1Aおよび1Bに示されている例において、電気ポンプ回路161は、本発明の教示に基づき、レーザー101の動作の間に利得媒質を電気ポンピングするために利得媒質材料123に結合される。一例では、電気ポンプ回路161は、半導体材料103の単一層内に直接統合されてもよい。たとえば、一例では、半導体材料103の単一層はシリコンであり、電気ポンプ回路161は該シリコン内に直接統合されてもよい。別の例では、電気ポンプ回路161は半導体材料103の単一層に対する外部回路であってもよい。
【0013】
のちに論じるように、一例では、電気ポンプ回路161は図1Aおよび1Bに示されるように利得媒質材料123に結合され、それにより注入電流が利得媒質材料123の能動層に注入され、それにより、利得媒質材料123を通じた電流注入経路が画定され、光空洞127中の光ビーム119の光モード(optical mode)または光経路に重なるまたは少なくとも部分的に重なる。結果として、本発明の教示に基づく、光ビーム119の光モードに重なるまたは少なくとも部分的に重なる電流注入経路に沿った電流注入に応答した利得媒質材料123の電気的ポンピングに応答して、光空洞127内に光が生成される。開示されるようなレーザー101では、光モード119は、本発明の教示に基づき、受動半導体材料103の光導波路105によって案内される間、利得媒質材料123の能動領域から電気的にポンピングされた利得を得る。
【0014】
もう一つの例では、本発明の教示に基づき、図1Aおよび1Bに示されるように、電気ポンプ回路161は半導体材料103の受動材料にも結合されてもよく、それにより、この電流注入経路の少なくとも一部分は、半導体材料103の単一層内の光導波路105をも通過しうる。そのような例では、電流注入経路は、本発明の教示に基づき、単一層半導体材料103と利得媒質材料123との間のエバネッセント結合のほか、光導波路105内の半導体材料103の受動材料を通過する。
【0015】
一例では、特定の波長をもつ光が図1Aの反射器107と109の間で反射されて行き来し、それによりその特定の波長で光空洞127内にレーザー発振が起こる。もう一つの例では、特定の波長をもつ光が図1Bのリング共振器内で共振し、それによりその特定の波長でリング共振器120内でレーザー発振が起こる。さまざまな例において、光空洞127に関しレーザー発振が起こる前記特定の波長は、本発明の教示に基づき、反射器107および/または109によって反射される光の波長またはリング共振器120内で共振される光の波長によって決定される。
【0016】
図2は、本発明の教示に基づく例示的なレーザー201を概括的に示す横断面図である。一例では、レーザー201は図1Aまたは1Bに示されるレーザー101に対応しうる。図2に示されるように、レーザー201は、単一の半導体層203と基板層231との間に配された埋め込まれた酸化物層229をもつ、単一半導体層203を含むSOIウェーハ内に統合されている。一例では、単一の半導体層203および基板層231は受動的シリコンでできている。図のように、光導波路205が単一の半導体層203内に配されている。これを通じて、光ビーム219が方向付けされる。図2に示した例では、光導波路205はリブ導波路、ストリップ導波路などであり、光空洞227が反射器207と209の間に画定されている。図2に示されるように、反射器207および209は、本発明の教示に基づく一例では、ブラッグ反射器である。
【0017】
図1Aまたは1Bの利得媒質材料123と同様に、利得媒質材料223は、図2に示されるように、光導波路205の「上」を横断し、これに隣接して、半導体材料203の単一層の単一層の「上」に接合されるまたはエピタキシャル成長される。結果として、光導波路205に沿った光ビームの伝搬方向と平行な、光導波路205に沿った利得媒質‐半導体材料界面233がある。一例では、利得媒質‐半導体材料界面233は、光導波路205の能動利得媒質材料233と半導体材料203との間の接合界面(bonding interface)を含みうるエバネッセント結合界面である。たとえば、そのような接合界面は、薄いSiO2層または他の好適な接合界面材料を含みうる。一例では、利得媒質材料223は能動的なIII-V族利得媒質であり、光導波路205と利得媒質材料223との間の、利得媒質‐半導体材料界面233におけるエバネッセント光結合がある。光導波路205の導波路の大きさに依存して、光ビーム219の光モードの一部はIII-V族利得媒質材料223の内部にあり、光ビーム219の光モードの一部は光導波路205の内部にある。一例では、利得媒質材料223は光空洞227内で光を生成するために電気的にポンピングされる。
【0018】
MQWのような能動材料を含む利得媒質材料223をもち、反射器またはミラーのような格子に基づく受動シリコン導波路をもつ例では、レーザー発振は、本発明の教示に基づいて、光空洞227内で得られる。図2では、光ビーム219が、III-V利得媒質223をもつ光空洞227内で反射器207と209の間を反射されて行き来するレーザー発振が示されている。図示した例では、本発明の教示に基づき、反射器209は、光ビーム219が図2の右側で出力されるよう、部分反射性である。一例では、レーザー201は広帯域レーザーであり、したがって反射器207および209は光空洞227についての狭帯域反射器またはブラッグ格子である必要はない。このことは、本発明に基づき、製造の複雑さを大幅に軽減する。一例では、レーザー発振は、120mAの閾値、15°Cで3.8mW最大出力パワーおよび差分量子効率(differential quantum efficiency)9.6%をもって実証される。一例では、レーザー201は、特徴温度63Kをもって、少なくとも80°Cで動作する。
【0019】
図3は、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザー301の一例を概括的に示す断面図である。これは本発明の教示に基づく、図1A、1Bまたは図2との関連で図示し、上記したレーザーの一つに対応しうるものである。図のように、半導体材料303の単一層と半導体基板331との間に配された埋め込まれた酸化物層329をもつSOIウェーハが含まれている。もう一つの例では、層329は、埋め込まれた窒化物層またはシリコン酸窒化物層または本発明の教示に基づく他の好適な型の材料といった異なる材料を含んでいてもよい。図示した例では、シリコン・リブ導波路305は、半導体材料303の単一層内に配されている。
【0020】
図3に示された例を続けると、利得媒質材料323は、光導波路305の上に接合されてエバネッセント結合333を画定する。利得媒質材料323と光導波路305との間のエバネッセント結合333に関し、光導波路305の寸法に依存して、光モード319の一部が、光導波路305のリブ領域の内部にあるように示されており、光モード319の一部が利得媒質材料323の内部に示されている。
【0021】
図3に示されるように、利得媒質材料323の一例は、P層325と、能動層326と、半導体材料303の単一層のN‐シリコンに接合されたN‐III-V層328とを含むIII-V半導体材料である。一例では、利得媒質材料323はInPまたは他の好適なIII-V材料を含む。一例では、P層325は、図3の例に示されているように、P‐四次層(P‐quaternary layer)328、Pクラッディング層330およびP‐分離閉じ込めヘテロ構造(P‐separated confinement heterostructure)(SCH)332を含む。一例では、能動層326はMQW材料を含む。図示した例では、利得媒質材料323は、本発明の教示に基づき、光導波路305のリブ領域に接合され、これに隣接する。図のように、接点341も利得媒質材料323に結合されている。
【0022】
図3に示した例では、本発明の教示に基づき動作し、レーザー301を電気的にポンピングするために、光導波路305のシリコンを通じて電流注入が実行される、伝導性の接合設計が示されている。よって、シリコン・リブ導波路305は、n型ドーピングを含む。図示した例では、接点343および345は光導波路305のスラブ領域の外側部分に結合されている。図3の図解は、電子が接点343および345を通じて半導体層303のN‐ドープ・シリコンを通じて、能動層326に注入され、ホールが接点341を通じてP層325を通じて能動層326に注入される一例を示している。図3に示した例では、電子はe-として図示されており、ホールはh+として図示されている。したがって、電流注入経路は、接点341、343および345の間で、利得媒質材料323の能動層326を通じて画定され、図3の例に示されるような光モード319に重なるまたは少なくとも部分的に重なる。このように、本発明の教示に基づく、光ビーム319の光モードに重なるまたは少なくとも部分的に重なる電流注入経路に沿った電流注入に応答した利得媒質材料323の電気的ポンピングに応答して、光が生成される。
【0023】
利得媒質材料323のIII-V領域の横方向の対称性のため、利得媒質材料ウェーハと光導波路305との間の、接合に先立つ整列は必要ないことを注意しておく。よって、レーザーおよび受動的導波路の両方が同じ相補的金属酸化物半導体(CMOS)適合(compatible)SOIエッチを使って画定されうるので、受動的半導体導波路セクションに自己整列される電気的にポンピングされる源のシリコン・ウェーハ上での大規模な光集積が、本発明の教示に基づいて提供される。
【0024】
図3に示される例において、接点343および345が半導体層303の受動的なN-Siに結合され、それにより電流注入経路の一部がエバネッセント結合界面333を通じて、および受動的な半導体材料303を通じて画定されていることも注意しておく。別の例では、接点343および345は、利得媒質材料323に結合され、それにより、電流注入経路全体はエバネッセント結合界面333を通らず、よって利得媒質材料323内に残る。
【0025】
例解すると、図4は、本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザー401のもう一つの例を概括的に示すもう一つの断面図である。ここでは、電流注入経路全体が利得媒質材料内に残っている。図4のレーザー401が、本発明の教示に基づく、図1A、1Bまたは図2との関連で図示され、上記されたレーザーの一つに対応しうるものであることを注意しておく。図のように、半導体材料403の単一層とSOIウェーハの半導体基板431との間に配された埋め込まれた酸化物層429をもつSOIウェーハが含まれている。図示した例では、シリコン・リブ導波路405は半導体材料403の単一層内に配される。利得媒質材料423は、エバネッセント結合433を画定する光導波路405の上に接合される。利得媒質材料423と光導波路405との間のエバネッセント結合433により、光導波路405の寸法に依存して、光モード419の一部は光導波路405のリブ領域の内部にあるように示されており、光モード419の一部は利得媒質材料423の内部にある。
【0026】
図4に示した例では、利得媒質材料423の一例は、P層425と、能動層426と、半導体材料403の単一層のN‐シリコンに接合されたN‐III-V層428とを含むIII-V半導体材料である。一例では、利得媒質材料423はInPまたは他の好適なIII-V材料を含む。一例では、P層425は、P‐四次層(P‐quaternary layer)428、Pクラッディング層430およびP‐SCH層432を含む。一例では、能動層426はMQW材料を含む。図示した例に示されるように、利得媒質材料423は、本発明の教示に基づき、光導波路405のリブ領域に接合され、これに隣接する。図のように、接点441も利得媒質材料423に結合されている。
【0027】
図4に示した例では、図3のレーザー301と比べたとき、接点443および445は、光導波路305のスラブ領域の外側部分ではなく、利得媒質材料423のN‐III-V層428に直接結合されている。よって、図4に示された例が示すところでは、電子は接点443および445を通じてN‐III-V層428を通じて注入され、ホールは接点441を通じてP層425を通じて能動層426に注入される。こうして、電流注入経路は、接点441、443および445の間で、利得媒質材料423の能動層426を通じて画定され、図4の例に示されるような光モード419に重なるまたは少なくとも部分的に重なる。このように、本発明の教示に基づく、光ビーム419の光モードに重なるまたは少なくとも部分的に重なる電流注入経路に沿った電流注入に応答した利得媒質材料423の電気的ポンピングに応答して、光が生成される。図4に示した接点443および445が利得媒質材料423のN‐III-V層428に直接結合されている例では、電流注入経路はエバネッセント結合界面433を通過せず、したがって、利得媒質材料423内に残ることを注意しておく。
【0028】
図3および図4に示される例では、光導波路305および405はいずれもリブ導波路として示されていることが注目される。他の例では、本発明の教示に基づき、光導波路の他の好適な型が用いられてもよいことは理解されるものである。たとえば、もう一つの例では、ストリップ導波路が用いられてもよい。例解すると、図5は、本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザー501のもう一つの例を概括的に示すさらに別の断面図である。図5のレーザー501が、本発明の教示に基づく、図1A、1Bまたは図2に示されたレーザーの一つに対応しうるものであることを注意しておく。
【0029】
描かれた例に示されるように、半導体材料503の単一層とSOIウェーハの半導体基板531との間に配された埋め込まれた酸化物層529をもつSOIウェーハが含まれている。図示した例では、シリコン・ストリップ導波路505は半導体材料503の単一層内に配される。利得媒質材料523は、エバネッセント結合533を画定するストリップ導波路505の上に接合される。利得媒質材料523と光導波路505との間のエバネッセント結合533により、光導波路505の寸法に依存して、光モード519の一部は光導波路505の内部にあるように示されており、光モード519の一部は利得媒質材料523の内部にある。
【0030】
図5に示した例では、利得媒質材料523の一例は、P層525と、能動層526と、半導体材料503の単一層のN‐シリコンに接合されたN‐III-V層528とを含むIII-V半導体材料である。一例では、利得媒質材料523は、たとえば図4の利得媒質材料423または図3の利得媒質材料323の材料と同様の材料を含む。図示した例に示されるように、利得媒質材料523は、本発明の教示に基づき、光導波路505に接合され、これに隣接する。図のように、接点541も利得媒質材料523に結合されている。
【0031】
図4に示された例示的な接点443および445と同様に、図5に示される接点543
および545は、利得媒質材料523のN‐III-V層528に直接結合されている。よって、電子は接点543および545を通じてN‐III-V層528を通じて注入され、ホールは接点541を通じてP層525を通じて能動層526に注入される。こうして、電流注入経路は、接点541、543および545の間で、利得媒質材料523の能動層526を通じて画定され、図5の例に示されるような光モード519に重なるまたは少なくとも部分的に重なる。このように、本発明の教示に基づく、光ビーム519の光モードに重なるまたは少なくとも部分的に重なる電流注入経路に沿った電流注入に応答した利得媒質材料523の電気的ポンピングに応答して、光が生成される。図5に示した接点543および545が利得媒質材料523のN‐III-V層528に直接結合されている例では、電流注入経路はエバネッセント結合界面533を通過せず、したがって、利得媒質材料523内に残ることを注意しておく。
【0032】
図6は、本発明の教示に基づく、電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザー601の一例を概括的に示す別の断面図である。理解できるように、レーザー601は図4の例示的なレーザー401と類似性を共有している。たとえば、図6に示される例が示すところでは、半導体材料603の単一層とSOIウェーハの半導体基板631との間に配された埋め込まれた酸化物層629をもつSOIウェーハが含まれている。図示した例では、シリコン・リブ導波路605は半導体材料603の単一層内に配される。利得媒質材料623は、エバネッセント結合633を画定する光導波路605の上に接合される。利得媒質材料623と光導波路605との間のエバネッセント結合633により、光導波路605の寸法に依存して、光モード619の一部は光導波路605のリブ領域の内部にあるように示されており、光モード619の一部は利得媒質材料623の内部にある。
【0033】
図示した例では、利得媒質材料623は、P層625と、能動層626と、半導体材料603の単一層のN‐シリコンに接合されたN‐III-V層628とを含むIII-V半導体材料である。一例では、利得媒質材料623は、たとえば図4の利得媒質材料423または図3の利得媒質材料323の材料を含む。図示した例に示されるように、利得媒質材料623は、本発明の教示に基づき、光導波路605に接合され、これに隣接する。図のように、接点641も利得媒質材料623に結合されている。図4の接点443および445と同様に、接点543および645は、利得媒質材料423のN‐III-V層628に直接結合されている。よって、図6に示された例が示すところでは、電子は接点643および645を通じてN‐III-V層628を通じて注入され、ホールは接点641を通じてP層625を通じて能動層626に注入される。こうして、電流注入経路は、接点641、643および645の間で、利得媒質材料623の能動層626を通じて画定され、図6の例に示されるような光モード619に重なるまたは少なくとも部分的に重なる。このように、本発明の教示に基づく、光ビーム619の光モードに重なるまたは少なくとも部分的に重なる電流注入経路に沿った電流注入に応答した利得媒質材料623の電気的ポンピングに応答して、光が生成される。
【0034】
レーザー601とレーザー401の間の一つの相違は、レーザー601の一例が図6に示される閉じ込め領域634および636をも含むことである。一例では、閉じ込め領域634および636は、図のように利得媒質材料623の向かい合う横側に画定され、接点641からの注入電流を、光モード619に重なるまたは少なくとも部分的に重なる能動層626の部分に垂直方向に閉じ込めるまたは集束させるのを助ける、閉じ込め領域である。閉じ込め領域634および636をもつ一例では、接点641からの注入電流は、横方向に広がる傾向があり、これはレーザー601の損失を増し、パワーを低下させる。しかしながら、本発明の教示によれば、閉じ込め領域634および636により、より多くの注入電流が垂直方向に閉じ込められ、あるいは強制されて能動層426を通過し、光モード619に重なる。図6に示された例では、本発明の教示に基づき、P層625は、プロトンを衝撃され(bombarded)またはインプラントされ(implanted)、P層625の衝撃された部分が図のような絶縁性または少なくとも半絶縁性の領域である閉じ込め領域634および636に変換される。他の例では、閉じ込め領域634および636は、エッチングおよび再成長(regrowth)または酸化または本発明の教示に基づく他の好適な技法から帰結しうる。
【0035】
図7は、本発明の教示に基づく、注入電流を垂直方向に閉じ込めるための閉じ込め領域を含むレーザー701のもう一つの例を示している。一例では、レーザー701は、図6のレーザー601と多くの類似性を共有し、同様の要素は図7においてしかるべく同様の番号付けがされている。図7の例に示されるように、本発明の教示に基づき、レーザー701内の閉じ込め領域734および736は、図のように利得媒質材料623の向かい合う横側に画定され、接点641からの注入電流を、光モード619に重なるまたは少なくとも部分的に重なる能動層626の部分に垂直方向に(vertically)閉じ込める(confine)または集束させる(focus)のを助ける。
【0036】
一例では、閉じ込め領域734および736は、注入電流を能動層626に垂直的に閉じ込めるまたは強制して下げるために、図のように、利得媒質材料623を横に(laterally)エッチングすることによって提供される。一例では、本発明の教示によれば、たとえばSiO2またはポリマーまたは他の好適な材料のような半絶縁性または絶縁性材料がエッチングされた領域に充填されて閉じ込め領域734および736を形成してもよい。
【0037】
もう一つの例では、閉じ込め領域734は、図7に示されるような接点641の両側においてリンなどのような材料をインプラントし、次いで結果として得られる構造をアニールすることによって提供されてもよい。これは、量子井戸における相互拡散(interdiffusion)を引き起こし、それらの量子井戸のバンドギャップを大きくさせ、透明にさせる。次いで、水素がインプラントされて、P材料を半絶縁性材料に変換してもよく、それにより図7に示されるような本発明の教示に基づく閉じ込め領域734および736が帰結する。
【0038】
図8は、本発明の教示に基づく、注入電流を垂直方向に閉じ込めるための閉じ込め領域634および636をやはり含むレーザー801のもう一つの例を示している。一例では、レーザー801は、図6のレーザー601と多くの類似性を共有し、同様の要素は図8においてしかるべく同様の番号付けがされている。図8の例に示されるように、レーザー801は、図6の例示的なレーザー601と比べたとき、接点841および843の非対称な配置を含む。特に、利得媒質材料823の上側の表面領域は図6の利得媒質材料623の上側の表面領域よりも大きい。これにより、接点841は実質的により大きくなることができ、より小さな抵抗をもつ、P層625への改良されたオーム性接触をもつことができる。よって、本発明の教示により、接点841と843の間のより低い全体的な抵抗が提供され、能動層626に電流を注入するときの改善されたパフォーマンスが提供される。
【0039】
図9は、本発明の教示に基づく、注入電流を垂直方向に閉じ込めるための閉じ込め領域734および736をやはり含むレーザー901のさらにもう一つの例を示している。一例では、レーザー901は、図7のレーザー701と多くの類似性を共有し、同様の要素は図9においてしかるべく同様の番号付けがされている。図9の例に示されるように、レーザー901は、図7の例示的なレーザー701と比べたとき、接点941および943の非対称な配置を含む。特に、利得媒質材料923の上側の表面領域は図7の利得媒質材料723の上側の表面領域よりも大きい。これにより、接点941は実質的により大きくなることができ、より小さな抵抗をもつ、P層625への改良されたオーム性接触をもつことができる。よって、本発明の教示により、接点941と943の間のより低い全体的な抵抗が提供され、能動層626に電流を注入するときの改善されたパフォーマンスが提供される。
【0040】
図10は、本発明の教示に基づく、注入電流を垂直方向に閉じ込めるための閉じ込め領域734および736をやはり含むレーザー1001のもう一つの例を示している。一例では、レーザー1001は、図9のレーザー901と多くの類似性を共有し、同様の要素は図10においてしかるべく同様の番号付けがされている。図10の例に示されるように、レーザー1001も、図9の例示的なレーザー901と比べたとき、接点941および943の非対称な配置を含む。しかしながら、図9のレーザー901において示されるように接点943がN-III-V層628に直接結合されるのではなく、レーザー1001の接点1043は半導体層1003のN-Siに直接結合される。結果として、接点941と1043の間の注入された電流の経路は、エバネッセント結合633および半導体層1003のN-Siを通って流れる。本発明の教示により、閉じ込め領域734および736の組み合わせを、光導波路605とリブ領域の横側(lateral sides)を画定するクラッディング領域と組み合わせることにより、注入された電流は、能動層626内の光モード619を通って流れるよう強制されまたは閉じ込められる。
【0041】
図11は、本発明の教示に基づく、受動半導体材料103にエバネッセント結合された能動利得媒質材料123を含む電気的にポンピングされるハイブリッド型半導体エバネッセント・レーザー101のアレイをもつ、統合された半導体変調器多波長レーザー(integrated semiconductor modulator multi-wavelength laser)を含む、例示的な光学システム1151を示す図である。一例では、レーザー101のアレイ内の例示的なレーザーのそれぞれが、本発明の教示に基づくこれまでに記載された電気的にポンピングされるハイブリッド型レーザーの一つまたは複数と同様であってもよいことは理解されるものである。図示した例では、図11に示されるような単一の半導体層103は、複数の光導波路105A、105B、…、105Nを含む光チップであり、それらにわたって利得媒質材料123の単一のバーが接合されて、それぞれ前記複数の光導波路105A、105B、…、105Nにおいて複数の光ビーム119A、119B、…、119Nを生成する広帯域レーザーのアレイを作り出している。前記複数の光ビーム119A、119B、…、119Nは変調され、次いで前記複数の光ビーム119A、119B、…、119Nの選択された波長がマルチプレクサ117で組み合わされて単一の光ビーム121が出力される。本発明の教示により、この単一の光ビームが単一の光ファイバー1153を通じて外部光受信器1157に伝送されうる。一例では、本発明の教示により、前記統合された半導体変調器多波長レーザーは、前記単一の光ビーム121に含まれる複数の波長において、前記単一の光ファイバー1153を通じて、1Tb/s以上の速度でデータを送信することができる。たとえば、前記統合された半導体変調器多波長レーザーに含まれる光変調器113A、113B、…、113Nが40Gb/sで動作する例では、前記統合された半導体変調器多波長レーザーの総容量は、N×40Gb/sとなる。ここで、Nは導波路ベースのレーザー源の総数である。一例では、前記複数の光導波路105A、105B、…、105Nは、半導体材料103の前記単一層において約50〜100μm離間される。したがって、一例では、本発明の教示によれば、半導体材料103の4mmにも満たない一片をもつ前記統合された半導体変調器多波長レーザーから、バス全体の光データが送信されうる。
【0042】
図11はまた、本発明の教示により、光システム1151の例において、前記単一の半導体層103が、単一の光ファイバー1155を通じて外部の光送信機1159からの光ビーム1121を受信するようにも結合されていることをも示している。したがって、本発明音教示によれば、一つの例示される例では、前記単一の半導体層103は、小さな形状因子をもつ超高容量の送受信機である。図示した例では、外部の光受信器1157および外部の光送信機1159は同じチップ1161上に存在するように示されていることが注目される。別の例では、外部の光受信器1157と外部の光送信機1159は別個のチップ上に存在してもよいことは理解される。図示した例では、受信された光ビーム1121は、デマルチプレクサ1117によって受信され、これが受信光ビーム1121を複数の光ビーム1119A、1119B、…、1119Nに分割する。一例では、前記複数の光ビーム1119A、1119B、…、1119Nは、デマルチプレクサ1117により、それぞれの波長に従って分割され、次いで半導体材料103の前記単一層内に配されている複数の光導波路1105A、1105B、…、1105Nを通じて指導される。
【0043】
図示した例に示されるように、前記複数の光ビーム1119A、1119B、…、1119Nをそれぞれ検出するために、前記複数の光導波路1105A、1105B、…、1105Nのそれぞれに一つまたは複数の光検出器が光学的に結合されている。具体的には、一例では、前記複数の光導波路1105A、1105B、…、1105Nに、光検出器1163A、1163B、…、1163Nのアレイが光学的に結合されている。一例では、前記光検出器1163A、1163B、…、1163Nのアレイは、前記複数の光ビーム1119A、1119B、…、1119Nを検出するためのSiGe光検出器などを含んでいる。
【0044】
描かれている例に示されるように、半導体材料1123のもう一つの単一のバーが、前記複数の光導波路1105A、1105B、…、1105Nを横断して半導体材料103の前記単一層に接合され、前記複数の光導波路1105A、1105B、…、1105Nに光学的に結合された光検出器のアレイを形成していてもよい。一例では、半導体材料1123の前記単一のバーは、III-V半導体材料を含んでおり、前記複数の光導波路1105A、1105B、…、1105Nに光学的に結合されたIII-V光検出器を作り出す。本発明の教示によれば、一例では、半導体材料1123の前記単一のバーは、半導体材料123の前記単一のバーを前記複数の光導波路105A、105B、…、105Nを横断して接合するために使われたのと同様の技法および技術を使って、半導体材料103の前記単一層に接合されうる。図のように前記複数の光導波路1105A、1105B、…、1105NにSiGeおよびIII-Vベースの光検出器が光学的に結合されることで、前記複数の光ビーム1119A、1119B、…、1119Nについて多様な波長が本発明の教示に基づいて検出されうる。
【0045】
図5に示される例において、本発明の教示によれば、半導体材料103の前記単一層内に、制御/ポンプ回路1161も含まれ、あるいは統合されてもよい。たとえば、一例では、半導体材料103の前記単一層はシリコンであり、制御回路1161は該シリコン中に直接集積される。一例では、本発明の教示により、前記制御回路1161は、前記多波長レーザー・アレイ101内のレーザー、前記複数のパワー・モニタ、前記複数の光変調器、前記アレイの光検出器または半導体材料103の前記単一層内に配される他の装置もしくは構造のうちの任意の一つまたは複数を、制御、監視および/または電気的ポンピングするよう電気的に結合されうる。
【0046】
以上の詳細な記述において、本発明の方法および装置は、個別的な例示的な実施形態を参照しつつ記載されてきた。しかしながら、より広い本発明の精神および範囲から外れることなくそれにさまざまな修正および変更がされうることは明らかであろう。したがって、本明細書および図面は制限するものではなく例示するものと見なされるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン内に形成された光導波路と;
前記光導波路の上に配された能動半導体材料であって、前記能動半導体材料は、前記光導波路によって案内されるべき光モードが前記光導波路および前記能動半導体材料の両方に重なるよう、前記光導波路と前記能動半導体材料との間のエバネッセント結合界面を画定し、前記エバネッセント結合界面は前記光導波路と前記能動半導体材料との間のエピタキシャル成長界面を含む、能動半導体材料と;
完全に前記能動半導体材料内に画定され、前記光モードに少なくとも部分的に重なる電流注入経路とを有する装置であって、前記電流注入経路に沿った電流注入に応答した前記能動半導体材料の電気的ポンピングに応答して光が生成される、
装置。
【請求項2】
前記能動半導体材料が電気的にポンピングされる光放出層を有する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記能動半導体材料が、前記光モードに重なる多重量子井戸(MQW)領域を有する、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記能動半導体材料を通じた電流注入が前記光モードに重なるよう閉じ込めるのを助けるための、前記能動半導体材料の両横側に画定された電流注入閉じ込め領域をさらに有する、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記電流注入閉じ込め領域が、前記能動半導体材料のプロトン・インプラントされた領域を有する、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記電流注入閉じ込め領域が、前記能動半導体材料の両横側に配置された少なくとも半絶縁性の材料を有する、請求項4記載の装置。
【請求項7】
前記電流注入経路の両端に画定される少なくとも第一および第二の接点をさらに有する、請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記第一および第二の接点が前記能動半導体材料に直接結合されている、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記光導波路が複数の導波路のうちの一つであり、該複数の導波路にわたって前記能動半導体材料が配置されて複数のレーザーを形成する、請求項1記載の装置。
【請求項10】
光モードを、シリコン内に配された光導波路で案内することと;
前記光導波路および該光導波路にエバネッセント結合された能動半導体材料の両方に、前記光導波路を通じて案内される前記光モードを重ならせ、ここで、前記エバネッセント結合界面は前記光導波路と前記能動半導体材料との間のエピタキシャル成長界面にまたがって現れる、ことと;
前記能動半導体材料を電気的にポンピングして、完全に前記能動半導体材料内においてかつ前記光モードを通って方向付けられる電流を注入することと;
注入された電流に応答して前記能動半導体材料中に光を発生させることとを含む、
方法。
【請求項11】
前記注入された電流を前記光モードを通って方向付けするために、前記能動半導体材料中に画定された閉じ込め領域によって前記注入された電流を閉じ込めることをさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記光導波路を含む光空洞内で光をレーザー発振することをさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項13】
シリコン内に形成された光導波路と;
前記光導波路の上に配された能動半導体材料であって、前記能動半導体材料は、前記光導波路によって案内されるべき光モードが前記光導波路および前記能動半導体材料の両方に重なるよう、前記光導波路と前記能動半導体材料との間のエバネッセント結合界面を画定し、前記エバネッセント結合界面は前記光導波路と前記能動半導体材料との間のエピタキシャル成長界面を含む、能動半導体材料と;
完全に前記能動半導体材料内に画定され、前記光モードに少なくとも部分的に重なる電流注入経路とを有するレーザーを有するシステムであって、前記光モードに少なくとも部分的に重なる前記電流注入経路に沿った電流注入に応答した前記能動半導体材料の電気的ポンピングに応答して光が生成され、
当該システムはさらに、
前記レーザーによって発生された光を受光するよう光学的に結合された光受信器と;
前記レーザーによって発生された光を通し、前記レーザーから前記受光器に方向付けする光ファイバーとを有する、
システム。
【請求項14】
前記レーザーによって発生された光を変調するために光学的に結合された光変調器をさらに有する、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
前記能動半導体材料が、前記光モードに重なる多重量子井戸(MQW)領域を有する、請求項13記載のシステム。
【請求項1】
シリコン内に形成された光導波路と;
前記光導波路の上に配された能動半導体材料であって、前記能動半導体材料は、前記光導波路によって案内されるべき光モードが前記光導波路および前記能動半導体材料の両方に重なるよう、前記光導波路と前記能動半導体材料との間のエバネッセント結合界面を画定し、前記エバネッセント結合界面は前記光導波路と前記能動半導体材料との間のエピタキシャル成長界面を含む、能動半導体材料と;
完全に前記能動半導体材料内に画定され、前記光モードに少なくとも部分的に重なる電流注入経路とを有する装置であって、前記電流注入経路に沿った電流注入に応答した前記能動半導体材料の電気的ポンピングに応答して光が生成される、
装置。
【請求項2】
前記能動半導体材料が電気的にポンピングされる光放出層を有する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記能動半導体材料が、前記光モードに重なる多重量子井戸(MQW)領域を有する、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記能動半導体材料を通じた電流注入が前記光モードに重なるよう閉じ込めるのを助けるための、前記能動半導体材料の両横側に画定された電流注入閉じ込め領域をさらに有する、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記電流注入閉じ込め領域が、前記能動半導体材料のプロトン・インプラントされた領域を有する、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記電流注入閉じ込め領域が、前記能動半導体材料の両横側に配置された少なくとも半絶縁性の材料を有する、請求項4記載の装置。
【請求項7】
前記電流注入経路の両端に画定される少なくとも第一および第二の接点をさらに有する、請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記第一および第二の接点が前記能動半導体材料に直接結合されている、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記光導波路が複数の導波路のうちの一つであり、該複数の導波路にわたって前記能動半導体材料が配置されて複数のレーザーを形成する、請求項1記載の装置。
【請求項10】
光モードを、シリコン内に配された光導波路で案内することと;
前記光導波路および該光導波路にエバネッセント結合された能動半導体材料の両方に、前記光導波路を通じて案内される前記光モードを重ならせ、ここで、前記エバネッセント結合界面は前記光導波路と前記能動半導体材料との間のエピタキシャル成長界面にまたがって現れる、ことと;
前記能動半導体材料を電気的にポンピングして、完全に前記能動半導体材料内においてかつ前記光モードを通って方向付けられる電流を注入することと;
注入された電流に応答して前記能動半導体材料中に光を発生させることとを含む、
方法。
【請求項11】
前記注入された電流を前記光モードを通って方向付けするために、前記能動半導体材料中に画定された閉じ込め領域によって前記注入された電流を閉じ込めることをさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記光導波路を含む光空洞内で光をレーザー発振することをさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項13】
シリコン内に形成された光導波路と;
前記光導波路の上に配された能動半導体材料であって、前記能動半導体材料は、前記光導波路によって案内されるべき光モードが前記光導波路および前記能動半導体材料の両方に重なるよう、前記光導波路と前記能動半導体材料との間のエバネッセント結合界面を画定し、前記エバネッセント結合界面は前記光導波路と前記能動半導体材料との間のエピタキシャル成長界面を含む、能動半導体材料と;
完全に前記能動半導体材料内に画定され、前記光モードに少なくとも部分的に重なる電流注入経路とを有するレーザーを有するシステムであって、前記光モードに少なくとも部分的に重なる前記電流注入経路に沿った電流注入に応答した前記能動半導体材料の電気的ポンピングに応答して光が生成され、
当該システムはさらに、
前記レーザーによって発生された光を受光するよう光学的に結合された光受信器と;
前記レーザーによって発生された光を通し、前記レーザーから前記受光器に方向付けする光ファイバーとを有する、
システム。
【請求項14】
前記レーザーによって発生された光を変調するために光学的に結合された光変調器をさらに有する、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
前記能動半導体材料が、前記光モードに重なる多重量子井戸(MQW)領域を有する、請求項13記載のシステム。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−48302(P2013−48302A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−266047(P2012−266047)
【出願日】平成24年12月5日(2012.12.5)
【分割の表示】特願2009−518497(P2009−518497)の分割
【原出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(593096712)インテル コーポレイション (931)
【出願人】(506115514)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (87)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月5日(2012.12.5)
【分割の表示】特願2009−518497(P2009−518497)の分割
【原出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(593096712)インテル コーポレイション (931)
【出願人】(506115514)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (87)
【Fターム(参考)】
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