説明

電気自動車のシャーシフレームおよび電気自動車

【課題】シャーシフレームの強度を損なうことなく、軽量化する。
【解決手段】シャーシフレーム100は、中間フレーム400と、中間フレーム400の車両前後の両端部に連結されたサスペンションフレーム200、300とを有する。サスペンションフレーム200、300には、サスペンション、車輪が取付けられ、中間フレーム400には、バッテリが搭載される。サスペンションフレームは、鉄鋼材料や非鉄金属材料によって形成され、充分な強度が保証されている。中間フレームは、サスペンションフレームの材料とは異なる軽量材料、例えば、繊維強化プラスチックによって形成されている。中間フレーム400のサイドメンバ402、404は中空断面を有し、サスペンションフレーム200,300のサイドメンバ202、204、302、304が挿入されて、リベット700で締結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車のシャーシフレームおよび電気自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の燃費向上のための、ボディのモノコック化やシャーシフレームの軽量化が進められている。一方、地球温暖化対策の一環として電気自動車の開発が進められており、内燃機関による従来の自動車同様、軽量化の必要性は高い。従来の自動車において、全体がアルミニウム合金押出材によりなるシャーシフレームが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−76552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気自動車の軽量化の要求に対して、特許文献1の構成では不充分であり、さらなる軽量化が望まれる。その対策として、例えば、繊維強化プラスチックによってシャーシフレーム全体を形成する構成も検討されたが、シャーシフレーム全体を繊維強化プラスチック化するためには、プリプレグ成形による一体成形を行う必要があり、コスト高となる。さらに、サスペンション取り付け部には複雑な応力集中が生じ、繊維強化プラスチックでは強度確保が困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)請求項1の発明によるシャーシフレームは、金属材料によって形成されたフロント側およびリア側の一対のサスペンションフレームと、繊維強化プラスチックで形成され、フロント側およびリア側端部にフロント側およびリア側サスペンションフレームがそれぞれ連結される中間フレームとを備える。一対のサスペンションフレームのそれぞれは、車両両側で車両前後方向に延在するサイドメンバと、該サイドメンバを互いに連結するクロスメンバと、サスペンションを取付けるサスペンション取付部とを備える。中間フレームは、車両両側で車両前後方向に延在する中空断面のサイドメンバと、該サイドメンバを互いに連結するクロスメンバとを備える。中間フレームの各サイドメンバのフロント側およびリア側端部は連結部とされ、その連結部には一対のサスペンションフレームのサイドメンバがそれぞれ車両前後方向両端部から挿入され、相互に締結部材で締結され、これによりシャーシフレームが形成される。
(2)請求項2の発明は、請求項1記載のシャーシフレームにおいて、前記中間フレームの各メンバは炭素繊維強化プラスチックで成型されていることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2記載のシャーシフレームにおいて、前記中間フレームのクロスメンバは、少なくとも一対のクロスメンバを含み、前記中間フレームは、前記一対のクロスメンバの中央部分で中間フレームを補強するサブメンバをさらに備えることを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項3記載のシャーシフレームにおいて、前記サブメンバは車両前後方向に延在し、前記フロント側サスペンションフレームのクロスメンバは、少なくとも一対のクロスメンバを含み、前記リア側サスペンションフレームのクロスメンバは、少なくとも一対のクロスメンバを含み、前記サブメンバのフロント側端部は前記フロント側サスペンションフレームのリア側クロスメンバに締結され、前記サブメンバのリア側端部は前記リア側サスペンションフレームのフロント側クロスメンバに締結されていることを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシャーシフレームにおいて、前記中間フレームの各メンバは炭素繊維強化プラスチックで成型された角形パイプであり、前記角形パイプに挿入される前記サスペンションフレームのサイドメンバは前記角形パイプと相似形状を呈し、前記中間フレームの連結部において、前記中間フレームのサイドメンバの上下内周面と前記サスペンションフレームのサイドメンバの上下外周面との間にはライナが設けられ、前記ライナは前記締結部材により共締めされていることを特徴とする。
(6)請求項6の発明による電気自動車は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシャーシフレームと、前記フロント側サスペンションフレームおよびリア側サスペンションフレームのいずれか一方に搭載される走行用電動駆動装置と、前記中間フレームに搭載され、前記走行用電動駆動装置に電力を供給するバッテリと、前記バッテリと前記走行用電動駆動装置とを電気的に接続する電気配線とを備えることを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項6記載の電気自動車において、前記走行用電動駆動装置が搭載されるサスペンションフレームのサイドメンバは筒状に形成され、前記電気配線は、筒状内部の中空空間内と前記中間フレームのサイドメンバの中空空間内を引き回して配線されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、強度を損なうことなく、軽量化したシャーシフレームを提供することができる。その結果、電気自動車の航続距離を延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明によるシャーシフレームにサスペンション、車輪を装着した電気自動車の足廻りの一例を示す斜視図。
【図2】図1のシャーシフレームの斜視図。
【図3】図1のシャーシフレームの平面図。
【図4】図1のシャーシフレームの側面図。
【図5】図1の中間フレームとサスペンションフレームとを分解した状態を示す平面図。
【図6】図1の締結部416の縦断面図。
【図7】図6の締結部416のVII−VII線断面図。
【図8】電気配線の引き回しを説明するシャーシフレームの斜視図。
【図9】本発明が適用される電気自動車の一例を説明するブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明による電気自動車のシャーシフレームの実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。以下に説明する実施形態では、本発明を、電動機を車両の唯一の駆動源とする純粋な電気自動車のシャーシフレームに適用した場合を例に挙げて説明する。なお、以下に説明する実施形態の構成は、内燃機関であるエンジンと電動機とを車両の駆動源とする電動車両、例えばハイブリッド自動車(乗用車)のシャーシフレームに適用しても構わない。
【0009】
まず、図9を用いて、本発明のシャーシフレームが適用される純粋な電気自動車(以下、単に「EV」と記述する)の電動機駆動システムについて説明する。図9は、EV1000の駆動系の構成及びその一部を構成する電動機駆動システムの各コンポーネントの電気的な接続構成を示す。なお、図9において、太い実線は強電系を示し、細い実線は弱電系を示す。
【0010】
図示省略した車体のフロント部或いはリア部には車軸1820が回転可能に軸支されている。車軸1820の両端には一対の駆動輪1800が設けられている。図示省略したが、車体のリア部或いはフロント部には、両端に一対の従動輪が設けられた車軸が回転可能に軸支されている。図9に示すEV1000では、駆動輪1800を前輪とし、従動輪を後輪とした前輪駆動方式を示しているが、駆動輪1800を後輪とし、従動輪を前輪とした後輪駆動方式もある。
【0011】
車軸1820の中央部にはデファレンシャルギア(以下、「DEF」と記述する)1830が設けられている。車軸1820はDEF1830の出力側に機械的に接続されている。DEF1830の入力側には変速機1810の出力軸が機械的に接続されている。DEF1830は、変速機1810によって変速されて伝達された回転駆動力を左右の車軸1820に分配する差動式動力分配機構である。変速機1810の入力側にはモータジェネレータ1200の出力側が機械的に接続されている。
【0012】
モータジェネレータ1200は、電機子巻線1211を備えた電機子(図9に示すEV1000では固定子が相当)1210と、電機子1210に空隙を介して対向配置されると共に、永久磁石1221を備えた界磁(図3に示すEV1000では回転子が相当)1220とを有する回転電機であり、EV1000の力行時にはモータとして機能し、回生時にはジェネレータとして機能する。
【0013】
モータジェネレータ1200がモータとして機能する場合には、バッテリ1100に蓄積された電気エネルギーがインバータ装置1300を介して電機子巻線1211に供給される。これにより、モータジェネレータ1200は電機子1210と界磁1220との間の磁気的作用により回転動力(機械エネルギー)を発生する。モータジェネレータ1200から出力された回転動力は、変速機1810及びDEF1830を介して車軸1820に伝達され、駆動輪1800を駆動する。
【0014】
モータジェネレータ1200がジェネレータとして機能する場合には、駆動輪1800から伝達された機械エネルギー(回転動力)がモータジェネレータ1200に伝達され、モータジェネレータ1200を駆動する。このように、モータジェネレータ1200が駆動されると、電機子巻線1211には界磁1220の磁束が鎖交して電圧が誘起される。これにより、モータジェネレータ1200は電力を発生する。モータジェネレータ1200から出力された電力はインバータ装置1300を介してバッテリ1100に供給される。これにより、バッテリ1100は充電される。
【0015】
モータジェネレータ1200は、電機子1210とバッテリ1100との間の電力がインバータ装置1300によって制御されることにより駆動する。すなわちインバータ装置1300はモータジェネレータ1200の制御装置である。インバータ装置1300は、スイッチング半導体素子のスイッチング動作によって電力を直流から交流に、交流から直流に変換する電力変換装置であり、パワーモジュール1310、パワーモジュール1310に実装されたスイッチング半導体素子を駆動する駆動回路1330、パワーモジュール1310の直流側に電気的に並列に接続され、直流電圧を平滑する電解コンデンサ1320、及びパワーモジュール1310のスイッチング半導体素子のスイッチング指令を生成し、このスイッチング指令に対応する信号を駆動回路1330に出力するモータ制御装置1340を備えている。
【0016】
パワーモジュール1310は、二つの(上アーム及び下アームの)スイッチング半導体素子を電気的に直列に接続し直列回路(一相分のアーム)が三相分、電気的に並列に接続(三相ブリッジ接続)されて電力変換回路が構成されるように、六つのスイッチング半導体素子を基板上に実装し、アルミワイヤなどの接続導体によって電気的に接続した構造体である。
【0017】
スイッチング半導体素子としては金属酸化膜半導体型電界効果トランジスタ(MOSFET)或いは絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)を用いている。ここで、電力変換回路をMOSFETによって構成する場合、ドレイン電極とソース電極との間には寄生ダイオードが存在するので、別途、それらの間にダイオード素子を実装する必要がない。一方、電力変換回路をIGBTによって構成する場合、コレクタ電極とエミッタ電極との間にはダイオード素子が存在していないので、別途、それらの間にダイオード素子を電気的に逆並列に接続する必要がある。
【0018】
各上アームの下アーム接続側とは反対側(IGBTの場合、コレクタ電極側)はパワーモジュール1310の直流側から外部に導出され、バッテリ1100の正極側に電気的に接続されている。各下アームの上アーム接続側とは反対側(IGBTの場合、エミッタ電極側)はパワーモジュール1310の直流側から外部に導出され、バッテリ1100の負極側に電気的に接続されている。各アームの中点、すなわち上アームの下アーム接続側(IGBTの場合、上アームのエミッタ電極側)と下アームの上アーム接続側(IGBTの場合、下アームのコレクタ電極側)との接続点はパワーモジュール1310の交流側から外部に導出され、電機子巻線1211の対応する相の巻線に電気的に接続されている。
【0019】
電解コンデンサ1320は、スイッチング半導体素子の高速スイッチング動作及び電力変換回路に寄生するインダクタンスに起因して生じる電圧変動を抑制するために、すなわち直流成分に含まれる交流成分を除去する平滑コンデンサである。平滑コンデンサとしては電解コンデンサ1320の代わりにフィルムコンデンサを用いることもできる。
【0020】
モータ制御装置1340は、車両全体の制御を司る車両制御装置1840から出力されたトルク指令信号を受けて、六つのスイッチング半導体素子に対するスイッチング指令信号(例えばPWM(パルス幅変調)信号)を生成し、駆動回路1330に出力する電子回路装置である。
【0021】
駆動回路1330は、モータ制御装置1340から出力されたスイッチング指令信号を受けて、六つのスイッチング半導体素子に対する駆動信号を生成し、六つのスイッチング半導体素子のゲート電極に出力する電子回路装置である。
【0022】
車両制御装置1840は、運転者からのトルク要求(アクセルペダルの踏み込み量或いはスロットルの開度)、車両の速度など、車両の運転状態を示す複数の状態パラメータに基づいて、モータ制御装置1340に対するモータトルク指令信号を生成し、そのモータトルク指令信号をモータ制御装置1340に出力する。
【0023】
バッテリ1100は、モータジェネレータ1200の駆動用電源を構成する、公称出力電圧200ボルト以上の高電圧であり、ジャンクションボックス1400を介してインバータ装置1300及び充電器1500に電気的に接続されている。バッテリ1100としてはリチウムイオンバッテリを用いている。
【0024】
なお、バッテリ1100としては、鉛電池、ニッケル水素電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタなど、他の蓄電器を用いることもできる。
【0025】
バッテリ1100は、インバータ装置1300及び充電器1500によって充放電される蓄電装置であり、主要部として電池部1110及び制御部を備えている。
【0026】
電池部1110は電気エネルギーの貯蔵庫であり、電気エネルギーの蓄積及び放出(直流電力の充放電)が可能な複数のリチウムイオン電池が電気的に直列に接続されたものから構成され、インバータ装置1300及び充電器1500に電気的に接続されている。
【0027】
制御部は、複数の電子回路部品から構成された電子制御装置であり、電池部1110の状態を管理及び制御すると共に、インバータ装置1300及び充電器1500に許容充放電量を提供して、電池部1110における電気エネルギーの出入りを制御する。
【0028】
電子制御装置は、機能上、2つの階層に分かれて構成されており、バッテリ1100内において上位(親)に相当するバッテリ制御装置1130と、バッテリ制御装置1130に対して下位(子)に相当するセル制御装置1120とを備えている。
【0029】
セル制御装置1120は、バッテリ制御装置1130から出力された指令信号に基づいてバッテリ制御装置1130の手足となって動作し、複数のリチウムイオン電池のそれぞれの状態を管理及び制御する複数の電池管理手段を備えている。複数の電池管理手段はそれぞれ集積回路(IC)によって構成されている。複数の集積回路は、電気的に直列に接続された複数のリチウムイオン電池をいくつかのグループに分けたとき、そのグループのそれぞれに対応して設けられ、対応するグループが有する複数のリチウムイオン電池のそれぞれの電圧及び過充放電異常を検出すると共に、対応するグループが有する複数のリチウムイオン電池間に充電状態のバラツキがある場合には、所定の充電状態よりも大きなリチウムイオン電池を放電して、対応するグループが有する複数のリチウムイオン電池間の充電状態が揃うように、対応するグループが有する複数のリチウムイオン電池のそれぞれの状態を管理及び制御する。
【0030】
バッテリ制御装置1130は、電池部1110の状態を管理及び制御すると共に、車両制御装置1840又はモータ制御装置1340に許容充放電量を通知して、電池部1110における電気エネルギーの出入りを制御する電子制御装置であり、状態検知手段を備えている。状態検知手段は、マイクロコンピュータやディジタルシグナルプロセッサなどの演算処理装置である。
【0031】
バッテリ制御装置1130の状態検知手段1には、電池部1110の充放電電流を計測するための電流計測手段、電池部1110の充放電電圧を計測するための電圧計測手段及び電池部1110及びいくつかのリチウムイオン電池の温度を計測するための温度計測手段から出力された計測信号、セル制御装置1120から出力された、複数のリチウムイオン電池の端子間電圧に関する検出信号、セル制御装置1120から出力された異常信号、イグニションキースイッチの動作に基づくオンオフ信号、及び上位制御装置である車両制御装置1840又はモータ制御装置1340から出力された信号を含む複数の信号が入力されている。
【0032】
バッテリ制御装置1130の状態検知手段は、それらの入力信号から得られた情報、予め設定された、リチウムイオン電池の特性情報及び演算に必要な演算情報を含む複数の情報に基づいて、電池部1110の充電状態(SOC:State of charge)及び劣化状態(SOH:State of health)などを検知するための演算、複数のリチウムイオン電池の充電状態をバランスさせるための演算、及び電池部1110の充放電量を制御するための演算を含む複数の演算を実行する。そして、バッテリ制御装置1130の状態検知手段は、それらの演算結果に基づいて、セル制御装置1120に対する指令信号、電池部1110の充放電量を制御するための許容充放電量に関する信号、電池部1110のSOCに関する信号、及び電池部1110のSOHに関する信号を含む複数の信号を生成して出力する。
【0033】
また、バッテリ制御装置1130の状態検知手段は、セル制御装置1120から出力された異常信号に基づいて、第1正極及び負極リレー1410,1420を遮断するための指令信号、及び異常状態を通知するための信号を含む複数の信号を生成して出力する。
【0034】
バッテリ制御装置1130及びセル制御装置1120は、信号伝送路によってお互いに信号の授受ができるようになっているが、電気的には絶縁されている。これは、お互いの動作電源が異なり、お互いに基準電位が異なるためである。このため、バッテリ制御装置1130及びセル制御装置1120の間を結ぶ信号伝送路上にはフォトカプラ、容量性結合素子、変圧器などの絶縁1140が設けられている。これにより、バッテリ制御装置1130及びセル制御装置1120は、お互いに基準電位の異なる信号を用いて信号伝送ができる。
【0035】
バッテリ1100に蓄積された電気エネルギーは、EV1000を走行させる電動機駆動システムの駆動用電力として使用される。バッテリ1100への電気エネルギーの蓄積は、電動機駆動システムの回生動作により生成された回生電力、或いは家庭向け商用電源から取り込んだ電力、若しくは電気スタンドから購入した電力により行われる。
【0036】
家庭の商用電源1600或いは電気スタンドの給電装置からバッテリ1100を充電する場合、充電器1500の外部電源接続端子に電気的に接続された電源ケーブルの先端の電源プラグ1550を商用電源1600側のコンセント1700に差し込み或いは電気スタンドの給電装置から延びる電源ケーブルを充電器1500の外部電源接続端子に接続し、充電器1500と商用電源1600或いは電気スタンドの給電装置とを電気的に接続する。これにより、交流電力が商用電源1600或いは電気スタンドの給電装置から充電器1500に供給される。充電器1500は、供給された交流電力を直流電力に変換し、かつバッテリ1100の充電電圧に調整した後、バッテリ1100に供給する。これにより、バッテリ1100は充電される。
【0037】
なお、電気スタンドの給電装置からの充電も基本的には家庭の商用電源1600からの充電と同じように行われる。但し、家庭の商用電源1600からの充電と電気スタンドの給電装置からの充電とでは、充電器1500に供給される電流容量及び充電時間が異なり、電気スタンドの給電装置からの充電の方が、家庭の商用電源1600からの充電よりも電流容量が大きく、かつ充電時間が速い、すなわち急速充電ができる。
【0038】
充電器1500は、家庭の商用電源1600から供給された交流電力或いは電気スタンドの給電装置から供給された交流電力を直流電力に変換すると共に、この変換された直流電力をバッテリ1100の充電電圧に昇圧してバッテリ1100に供給する電力変換装置であり、交直変換回路1510、昇圧回路1520、駆動回路1530及び充電制御装置1540を主な構成機器として備えている。
【0039】
交直変換回路1510は、外部電源から供給された交流電力を直流電力に変換して出力する電力変換回路であり、例えば複数のダイオード素子のブリッジ接続により構成され、外部電源から供給された交流電力を直流電力に整流するために設けられた整流回路、及び整流回路の直流側に電気的に接続され、整流回路の出力の力率を改善するために設けられた力率改善回路を備えている。交流電力を直流電力に変換する回路としては、ダイオード素子が逆並列に接続された複数のスイッチング半導体素子のブリッジ接続により構成された回路を用いても構わない。
【0040】
昇圧回路1520は、交直変換回路1510(力率改善回路)から出力された直流電力をバッテリ1100の充電電圧まで昇圧するための電力変換回路であり、例えば絶縁型のDC−DCコンバータにより構成されている。絶縁型のDC−DCコンバータは、変圧器、変圧器の一次側巻線に電気的に接続されると共に、複数のスイッチング半導体素子のブリッジ接続により構成され、交直変換回路1510から出力された直流電力を交流電力に変換して変圧器の一次側巻線に入力する変換回路、変圧器の二次側巻線に電気的に接続されると共に、複数のダイオード素子のブリッジ接続により構成され、変圧器の二次側巻線に発生した交流電力を直流電力に整流する整流回路、整流回路の出力側(直流側)の正極側に電気的に直列に接続された平滑リアクトル、整流回路の出力側(直流側)の正負極間に電気的に並列に接続された平滑コンデンサから構成されている。
【0041】
充電制御装置1540は、充電器1500によるバッテリ1100の充電終始や、充電時に充電器1500からバッテリ1100に供給される電力、電圧、電流などを制御するために、車両制御装置1840から出力された信号や、バッテリ1100の制御装置から出力された信号を受けて、昇圧回路1520の複数のスイッチング半導体素子に対するスイッチング指令信号(例えばPWM(パルス幅変調)信号)を生成し、駆動回路1530に出力する電子回路装置であり、マイクロコンピュータなどの演算処理装置を含む複数の電子部品が回路基板に実装されることにより構成されている。
【0042】
車両制御装置1840は、例えば充電器1500の入力側の電圧を監視し、充電器1500と外部電源の両者が電気的に接続されて充電器1500の入力側に電圧が印加され、充電開始状態になったと判断した場合には、充電を開始するための指令信号を、バッテリ1100の制御装置から出力されたバッテリ状態信号に基づいてバッテリ1100が満充電状態になったと判断した場合には、充電を終了するための指令信号を、それぞれ充電制御装置1540に出力する。このような動作は、モータ制御装置1340或いはバッテリ1100の制御装置が行ってもよいし、バッテリ1100の制御装置と協調して充電制御装置1540が自ら行ってもよい。
【0043】
バッテリ1100の制御装置は、充電器1500からバッテリ1100に対する充電が制御されるように、バッテリ1100の状態を検知してバッテリ1100の許容充電量を演算し、この演算結果に関する信号を充電器1500に出力する。
【0044】
駆動回路1530は、充電制御装置1540から出力された指令信号を受けて、昇圧回路1520の複数のスイッチング半導体素子に対する駆動信号を発生し、複数のスイッチング半導体素子のゲート電極に出力する電子回路装置であり、スイッチング半導体素子や増幅器などの複数の電子部品が回路基板に実装されることにより構成されている。
【0045】
なお、交直変換回路1510がスイッチング半導体素子によって構成されている場合には、充電制御装置1540から、交直変換回路1510のスイッチング半導体素子に対するスイッチング指令信号が駆動回路1530に出力され、駆動回路1530から、交直変換回路1510のスイッチング半導体素子に対する駆動信号が交直変換回路1510のスイッチング半導体素子のゲート電極に出力され、交直変換回路1510のスイッチング半導体素子のスイッチングが制御される。
【0046】
ジャンクションボックス1400の内部には第1及び第2正極側リレー1410,1430及び第1及び第2負極側リレー1420,1440が収納されている。
【0047】
第1正極側リレー1410はインバータ装置1300(パワーモジュール1310)の直流正極側とバッテリ1100の正極側との間の電気的な接続を制御するためのスイッチである。第1負極側リレー1420はインバータ装置1300(パワーモジュール1310)の直流負極側とバッテリ1100の負極側との間の電気的な接続を制御するためのスイッチである。第2正極側リレー1430は充電器1500(昇圧回路1520)の直流正極側とバッテリ1100の正極側との間の電気的な接続を制御するためのスイッチである。第2負極側リレー1440は充電器1500(昇圧回路1520)の直流負極側とバッテリ1100の負極側との間の電気的な接続を制御するためのスイッチである。
【0048】
第1正極側リレー1410及び第1負極側リレー1420は、モータジェネレータ1200の回転動力が必要な運転モードにある場合及びモータジェネレータ1200の発電が必要な運転モードにある場合に投入され、車両が停止モードにある場合(イグニションキースイッチが開放された場合)、電動駆動装置或いは車両に異常が発生した場合及び充電器1500によってバッテリ1100を充電する場合に開放される。一方、第2正極側リレー1430及び第2負極側リレー1440は、充電器1500によってバッテリ1100を充電する場合に投入され、充電器1500によるバッテリ1100の充電が終了した場合及び充電器1500或いはバッテリ1100に異常が発生した場合に開放される。
【0049】
第1正極側リレー1410及び第1負極側リレー1420の開閉は、車両制御装置1840から出力される開閉指令信号によって制御される。第1正極側リレー1410及び第1負極側リレー1420の開閉は、他の制御装置、例えばモータ制御装置1340或いはバッテリ1100の制御装置から出力される開閉指令信号によって制御しても構わない。第2正極側リレー1430及び第2負極側リレー1440の開閉は、充電制御装置1540から出力される開閉指令信号によって制御される。第2正極側リレー1430及び第2負極側リレー1440の開閉は、他の制御装置、例えば車両制御装置1840或いはバッテリ1100の制御装置から出力される開閉指令信号によって制御しても構わない。
【0050】
以上のように、EV1000では、バッテリ1100とインバータ装置1300と充電器1500との間に第1正極側リレー1410、第1負極側リレー1420、第2正極側リレー1430及び第2負極側リレー1440を設けて、それらの間の電気的な接続を制御するようにしているので、高電圧である電動駆動装置に対する高い安全性を確保できる。
【0051】
図1は、本発明の一実施の形態によるシャーシフレーム100を用いた電気自動車EVの走行部分を示す図である。電気自動車のシャーシフレーム100は、中間フレーム400と、中間フレーム400の車両前後方向(図のF方向、R方向)の両端部に連結されたサスペンションフレーム200、300とを有する。シャーシフレーム100のフロント側サスペンションフレーム200にはモータジェネレータ1200、インバータ装置1300など、電気自動車の走行用電動駆動装置が搭載される。中間フレーム400にはバッテリ1600が搭載される。バッテリ1600は、たとえばリチウムイオンバッテリである複数の単電池をバッテリ筐体に収容してなり、数百ボルトの高電圧が出力可能である。シャーシフレーム100の上面には車体構造体2000が設けられ、車体構造体2000に側面パネルなどを取り付けて車室空間が形成される。
【0052】
サスペンションフレーム200、300にはサスペンション(図示省略)を介して車輪500、502、504、506が取付けられるので、走行時に車輪とサスペンションから大きな負荷が加えられ、複雑な応力集中が生じる。そこで、本発明の実施形態によるシャーシフレーム100では、以下に説明するように、サスペンションフレーム200、300を金属材料で構成し、中間フレーム400を炭素繊維強化プラスチックで構成する。なお、車輪500,502,504,506は、図9の駆動輪1800に相当する。
【0053】
図2〜図5を参照して、サスペンションフレーム200,300と中間フレーム400の構造について説明する。図2はシャーシフレーム100の斜視図、図3はシャーシフレーム100の平面図、図4はシャーシフレーム100の側面図、図5は組み立て前の分解図である。
【0054】
フロント側サスペンションフレーム200は、車両側部において前後方向に延在するサイドメンバ202、204と、左右のサイドメンバ202、204をメンバ端部間で連結するクロスメンバ206、208とを有し、フレーム状に形成されている。図2に示されているように、サイドメンバ202,204のリア側端部202A,204Aはクロスメンバ208よりリア側に突出している。この突出部202A,204Aは、中間フレーム400とフロント側サスペンションフレーム200とを連結する連結部として機能する。サイドメンバ202の車両内側面には電気配線用開口250が設けられている。フロント側サスペンションフレーム200には、前輪サスペンション(図示省略)を装着するためのブラケット210、212が設けられている。
【0055】
リア側サスペンションフレーム300は、車両側部において前後方向に延在するサイドメンバ302、304と、左右のサイドメンバ302、304をメンバ端部間で連結するクロスメンバ306、308とを有し、フレーム状に形成されている。図2に示されているように、サイドメンバ302,304のフロント側端部302A,304Aはクロスメンバ306よりフロント側に突出している。この突出部302A,304Aは、中間フレーム400とリア側サスペンションフレーム300とを連結する連結部として機能する。リア側サスペンションフレーム300にはサスペンション(図示省略)を装着するためのブラケット310、312が設けられている。
【0056】
サイドメンバ202、204、302、304、クロスメンバ206、208、306、308は、金属材料、例えば、鉄鋼材料や、アルミニウム合金等の非鉄金属材料によりなる角パイプ(中空断面を有する)によって形成され、充分な強度が保証されるとともに、軽量化が図られている。
【0057】
中間フレーム400は、車両側部において前後方向に延在するサイドメンバ402、404と、左右のサイドメンバ402、404を中間2箇所で連結するクロスメンバ406、408と、クロスメンバ406、408を中央部で連結するサブメンバ418と有する。サイドメンバ402の車両内側面には電気配線用開口450が設けられている。クロスメンバ406、408上にはバッテリ1600が載置、固定される。
【0058】
サスペンションフレーム200、300に比較して、中間フレーム400には複雑で大きな負荷は加わらないので、サイドメンバ402、404、クロスメンバ406、408、サブメンバ418は、サスペンションフレーム200、300の材料とは異なる軽量材料、例えば、炭素繊維強化プラスチックよりなる角パイプ(中空断面を有する。)によって一体成型されている。
【0059】
サイドメンバ402のフロント側とリア側の両端部には締結部410、414がそれぞれ設けられ、サイドメンバ404のフロント側とリア側の両端部には締結部412、416がそれぞれ設けられている。中間フレーム400は、締結部410、412において、フロント側サスペンションフレーム200のサイドメンバ202、204にそれぞれ連結され、締結部414、416において、リア側サスペンションフレーム300のサイドメンバ302、304にそれぞれ連結されている。
【0060】
図5に示すように、サイドメンバ202、204、302、304、402、404には締結部材700が貫通する貫通孔706があらかじめ穿設されている。また、図5には表示されていないが、クロスメンバ206、306、406、408には、サブメンバ418を装着するための締結部材700が貫通する同様の貫通孔706が穿設されている。
【0061】
サイドメンバ402、404のフロント側締結部410,412には、フロント側サスペンションフレーム200のサイドメンバ202,204のリア側端部202A,204Aが挿入され、フロント側サスペンションフレーム200が貫通孔706を介してリベット700で連結されている。リア側サスペンションフレーム300ぼサイドメンバ402、404のリア側端部414,416には、サイドメンバ302,304のフロント側端部302A,302Aが挿入され、リア側サスペンションフレーム300が貫通孔706を介してリベット700で連結されている。
【0062】
サブメンバ418のフロント側端部はフロント側サスペンションフレーム200のリア側クロスメンバ206に貫通孔706を介してリベット700で締結され、リア側端部はリア側サスペンションフレーム300のフロント側クロスメンバ306に貫通孔706を介してリベット700で締結されている。サブメンバ418は、クロスメンバ406、408を相互に連結することによって、中間フレーム400の下方への撓みに対する強度、剛性を高め、さらに、サスペンションフレーム200、300によって両端部が支持されつつ、クロスメンバ406、408を補強する。
【0063】
図6および図7を参照して締結部410〜416とサスペンションフレーム200,300との連結構造についてさらに詳細に説明する。連結構造は、締結部410〜416とも同様に構成されているので、締結部416の連結構造のみを代表的に説明する。
【0064】
中間フレーム400のサイドメンバ404には、リア側サスペンションフレーム300のサイドメンバ304が挿入され、リベット700で相互に固着されている。詳細には、サイドメンバ404の連結部416にはサイドメンバ304の突出部304Aが嵌入され、サイドメンバ304の上下外面とサイドメンバ404上下内面との間に、それぞれライナ702、704を挿入して、サイドメンバ304と404とがリベット700で締結されている。締結部材700は、ライナ702、704を貫通しており、ライナ702、704のずれ、脱落を防止している。ライナ702、704は、例えば、非鉄金属、プラスチックによって形成され、サイドメンバ304との接触によるサイドメンバ404の損耗、損傷が防止されている。さらに、サイドメンバ304、404の側面もリベット700によって相互に強固に締結されている。
【0065】
このような嵌合・締結によって、中間フレーム400とサスペンションフレーム200、300とは相互に強固に締結される。したがって、本発明によるシャーシフレーム100は、全体として、充分な強度を備え、かつ軽量化を実現している。
【0066】
シャーシフレームの組み立て手順について説明する。
サスペンションフレーム200、300、および中間フレーム400をそれぞれ製作する。中間フレーム400の両端部に、サスペンションフレーム200、300をそれぞれ挿入し、リベット700で各メンバを締結する。フロント側サスペンションフレーム200のブラケット210、212に前輪サスペンションを取付け、リア側サスペンションフレーム300のブラケット310、312に前輪サスペンションを取付ける。フロントサスペンションによって前輪500、502の車軸を装着し、リアサスペンションによって後輪504、506の車軸を装着する。
【0067】
シャーシフレーム100の上面には不図示の車体構造体が設けられ、車体構造体に側面パネルなどを取り付けて車室空間が形成される。シャーシフレーム100のフロント側サスペンションフレーム200に不図示の駆動用モータ、インバータなど、電気自動車の駆動系を搭載し、中間フレーム400にバッテリ1600を搭載する。図8に示すように、バッテリ1600とインバータなどの駆動系電気回路とを電気配線800で接続する。フロンと側サスペンションフレーム200のサイドフレーム202の車両内側面には、電気配線用開口250が設けられている。また、中間フレーム400のサイドフレーム402の車両内側面にも電気配線用開口450が設けられている。電気配線800は、サイドメンバ202の開口250からサイドメンバ中空部に挿入され、サイドフレーム402の中空部を引き回され、サイドメンバ402の開口450からサイドメンバ外に引き出され、バッテリ1600に接続される。
【0068】
電動駆動装置とバッテリ1600の電気配線800をサイドメンバの中空空間内を引き回すようにしたので、電気配線800を引き回すスペース効率が向上する。
【0069】
以上の実施形態を以下のように変形して実施することもできる。
(1)中間フレーム400とフロント側およびリア側サスペンションフレーム200,300とを締結する締結部材としてリベットを使用したが、ボルト・ナット、その他の締結手段を採用してもよい。サブフレーム418と中間フレーム400との締結、サブフレーム418とフロント側およびリア側サスペンションフレーム200,300との締結について同様であり、ボルト・ナット、その他の締結手段を採用してもよい。
【0070】
(2)中間フレーム400を炭素繊維強化プラスチックで成型するものとしたが、アラミド繊維強化プラスチックなど機械的強度が保証できる繊維強化プラスチックであれば、その他の素材を用いてもよい。
【0071】
(3)中間フレーム400の各メンバを一体成形するものとしたが、各メンバを別々に成型し、それらをリベットやボルトで締結してもよい。サブメンバ418のみ別部材とし、中間フレーム400、フロント側サスペンションフレーム200、およびリア側サスペンションフレーム300に締結してもよい。
なお、サブフレーム418を省略してもよい。
【0072】
(4)サスペンションフレーム300は、主に上下方向に大きな負荷を受けるため、ライナ702、704をサイドメンバ304の上下に配置した。しかしながら、負荷状況に応じて、上側または下側のみにライナを設けてもよい。あるいは、サイドメンバ304の側面の両方または一方にライナを設けてもよい。
【0073】
(5)サブメンバ418を車両前後方向に延在させず、斜め方向に延在させても良い。クロスメンバを増設してサブメンバを省略してもよい。
【0074】
以上説明した実施形態はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。したがって、中間フレーム400,フロント側およびリア側サスペンションフレーム200、300の構造も実施の形態に限定されない。
【符号の説明】
【0075】
100 シャーシフレーム
200、300 サスペンションフレーム
202,204、302、304 サイドメンバ
206、208、306、308 クロスメンバ
400 中間フレーム
402,404 サイドメンバ
406、408 クロスメンバ
410、412、414、416 締結部
418 サブメンバ
500、502、504、506 車輪
800 電気配線
1000 電気自動車
1600 バッテリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材料によって形成されたフロント側およびリア側の一対のサスペンションフレームと、
繊維強化プラスチックで形成され、フロント側およびリア側端部にフロント側およびリア側サスペンションフレームがそれぞれ連結される中間フレームとを備え、
前記一対のサスペンションフレームのそれぞれは、車両両側で車両前後方向に延在するサイドメンバと、該サイドメンバを互いに連結するクロスメンバと、サスペンションを取付けるサスペンション取付部とを備え、
前記中間フレームは、車両両側で車両前後方向に延在する中空断面のサイドメンバと、該サイドメンバを互いに連結するクロスメンバとを備え、
前記中間フレームの各サイドメンバのフロント側およびリア側端部は連結部とされ、その連結部には、前記一対のサスペンションフレームのサイドメンバがそれぞれ車両前後方向両端部から挿入され、相互に締結部材で締結されていることを特徴とするシャーシフレーム。
【請求項2】
請求項1記載のシャーシフレームにおいて、
前記中間フレームの各メンバは炭素繊維強化プラスチックで成型されていることを特徴とするシャーシフレーム。
【請求項3】
請求項1または2記載のシャーシフレームにおいて、
前記中間フレームのクロスメンバは、少なくとも一対のクロスメンバを含み、
前記中間フレームは、前記一対のクロスメンバの中央部分で中間フレームを補強するサブメンバをさらに備えることを特徴とするシャーシフレーム。
【請求項4】
請求項3記載のシャーシフレームにおいて、
前記サブメンバは車両前後方向に延在し、
前記フロント側サスペンションフレームのクロスメンバは、少なくとも一対のクロスメンバを含み、
前記リア側サスペンションフレームのクロスメンバは、少なくとも一対のクロスメンバを含み、
前記サブメンバのフロント側端部は前記フロント側サスペンションフレームのリア側クロスメンバに締結され、
前記サブメンバのリア側端部は前記リア側サスペンションフレームのフロント側クロスメンバに締結されていることを特徴とするシャーシフレーム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシャーシフレームにおいて、
前記中間フレームのサイドメンバは炭素繊維強化プラスチックで成型された角形パイプであり、
前記角形パイプに挿入される前記サスペンションフレームのサイドメンバは前記角形パイプと相似形状を呈し、
前記中間フレームの連結部において、前記中間フレームのサイドメンバの上下内周面と前記サスペンションフレームのサイドメンバの上下外周面との間にはライナが設けられ、
前記ライナは前記締結部材により共締めされていることを特徴とするシャーシフレーム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシャーシフレームと、
前記フロント側サスペンションフレームおよびリア側サスペンションフレームのいずれか一方に搭載される走行用電動駆動装置と、
前記中間フレームに搭載され、前記走行用電動駆動装置に電力を供給するバッテリと、
前記バッテリと前記走行用電動駆動装置とを電気的に接続する電気配線とを備えることを特徴とする電気自動車。
【請求項7】
請求項6記載の電気自動車において、
前記走行用電動駆動装置が搭載される前記サスペンションフレームのサイドメンバは筒状に形成され、前記電気配線は、筒状内部の中空空間内と前記中間フレームのサイドメンバの中空空間内を引き回して配線されていることを特徴とする電気自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−111141(P2011−111141A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272308(P2009−272308)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】