電気自動車の車体構造
【課題】本発明は、衝突時の安全性能を向上させる電気自動車の車体構造を提供する。
【解決手段】車両衝突時に車両前側に荷重が加わるとサイドメンバ(4R,4L)に荷重が伝達され、サイドメンバ(4R,4L)は変形し、前側クロスバー(5)は車両後方へ移動する。前側クロスバー(5)の移動に連れ、DC-DCコンバータ(10)及びインバータ(11)も車両後方に移動し、後側クロスバー(6)に締結するそれぞれのボルト(13)に荷重が伝達される。そして、それぞれのボルト(13)に加わった荷重は、それぞれのブラケット(8)を車両後方へ移動させるように負荷し、ブラケット(8)の車体前後方向で最小断面積となる切欠部(8f)に集中し、伝達された荷重が所定荷重以上であると切欠部(8f)よりブラケット(8)を切断分離する。
【解決手段】車両衝突時に車両前側に荷重が加わるとサイドメンバ(4R,4L)に荷重が伝達され、サイドメンバ(4R,4L)は変形し、前側クロスバー(5)は車両後方へ移動する。前側クロスバー(5)の移動に連れ、DC-DCコンバータ(10)及びインバータ(11)も車両後方に移動し、後側クロスバー(6)に締結するそれぞれのボルト(13)に荷重が伝達される。そして、それぞれのボルト(13)に加わった荷重は、それぞれのブラケット(8)を車両後方へ移動させるように負荷し、ブラケット(8)の車体前後方向で最小断面積となる切欠部(8f)に集中し、伝達された荷重が所定荷重以上であると切欠部(8f)よりブラケット(8)を切断分離する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の車体構造に係り、詳しくは、衝突対応構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の衝突対応構造として、例えば、電動機、減速機や差動装置から構成されるパワーユニットを、車体の前後方向に延びて配設される一対のサイドフレーム(サイドメンバ)間を接続する後側へ並行に延びる一対の側フレーム部と当該側フレーム部の各後端部をつなぐ端フレーム部(クロスバー)とを有した略U形のマウントフレームに固定し、車両後部から衝撃力が入力した際にクロスバーを変形及び破断させてパワーユニットをサイドメンバから切り離すことによって、パワーユニットの移動を抑え、パワーユニットの前方に配設されたバッテリへの接触を防止する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−61915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような上記特許文献1の衝突対応構造を、パワーユニット及びインバータやDC−DCコンバータや充電装置やそれらを制御する制御装置を配設するパワーユニットルームを車体の前方に配設した車体構造に適用すると、車両衝突時に車両前方から入力される衝撃力によってクロスメンバが変形及び破断して、パワーユニットがサイドメンバから切り離され、パワーユニットの後方に配置されている車室とパワーユニットルームとを隔てるバルクヘッドを変形させることを抑制することができる。
【0005】
しかしながら、インバータや制御装置(制御部品)を車体に安定して固定すべく、左右のサイドメンバ間を前後に離間した2本のクロスバーによって接続し、この2本のクロスバーに制御部品を固定した車体構造では、制御部品が2本のクロスバー間で剛性体となり、クロスバーの変形を阻害することとなる。
従って、クロスバーの変形が阻害されることに伴ってサイドメンバの変形も阻害されることになり、衝撃力の吸収を行うことができず衝突時の安全性能の低下に繋がり好ましいことではない。
【0006】
本発明は、この様な問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、車体に制御部品を安定して固定しつつ、衝突時における衝撃吸収性を確保して安全性能を向上させる電気自動車の車体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1の電気自動車の車体構造では、電気自動車の車両の両側部に車体前後方向に延在し配設される左右のサイドメンバと、車体横方向に延在し前記左右のサイドメンバ間を連結するように前記車体の前後方向に互いに平行に配設される一対のクロスバーとを有し、電動機を制御する制御部品が前記一対のクロスバーに固定される電気自動車の車体構造において、前記制御部品は、前記車体の車室側に空間を有するように配設され、更に前記車両の衝突時に該制御部品が該空間に移動可能に車室側の前記クロスバーにブラケットを介して固定されることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の電気自動車の車体構造では、請求項1において、前記ブラケットは、前記制御部品を締結部材で締結する締結部と、前記車室側のクロスバーに締結部材或いは溶接により固定される固定部と、荷重を受けると分離する分離部とを有し、車両衝突時に前記サイドメンバに車室側に荷重が作用すると該分離部より分離して前記制御部品と前記クロスバーとの固定が解除されることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の電気自動車の車体構造では、請求項1において、前記ブラケットは、前記制御部品を締結部材で締結する締結部と、前記車室側のクロスバーに締結部材或いは溶接により固定される固定部と、荷重を受けると変形する変形部とを有し、車両衝突時に前記サイドメンバに車室側に荷重が作用すると該変形部が変形して前記クロスバーに対して前記制御部品が移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、制御部品は、車体の車室側に空間を有するように配設され、更に車両の衝突時に制御部品が空間に移動可能に車室側のクロスバーにブラケットを介して固定するようにしている。
このように、車室側に空間を有し、車室側のクロスバーに制御部品が移動可能に固定されているので、制御部品の車室側への移動が阻害されることなく移動することができる。
【0011】
従って、車両衝突時に制御部品を移動することができるのでクロスバーの変形が抑制されることなくサイドメンバにて衝撃荷重を吸収することができ、衝突時の安全性能を向上させることができる。
また、請求項2の発明によれば、荷重を受けると分離する分離部を有したブラケットを介して制御部品を車室側のクロスバーに固定しているので、車両衝突時にサイドメンバに車室側への荷重が作用するとブラケットの分離部が分離し、制御部品と車室側のクロスバーが分離することができる。
【0012】
従って、車両衝突時に制御部品の車体側に有した空間に制御部品が移動することができるので、簡易な構造で確実にサイドメンバにて衝撃荷重を吸収することができ、衝突時の安全性能を向上させることができる。
また、請求項3の発明によれば、荷重を受けると変形する変形部を有したブラケットを介して制御部品を車室側のクロスバーに固定しているので、車両衝突時にサイドメンバに車室側への荷重が作用するとブラケットの変形部が変形することができる。
【0013】
従って、車両衝突時に制御部品の車体側に有した空間に制御部品が移動することができるので、請求項2と同様に簡易な構造で確実にサイドメンバにて衝撃荷重を吸収することができ、衝突時の安全性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る電気自動車の車体構造が適用された車両の車体前方の上面視図である。
【図2】本発明に係るA−A線での断面図である。
【図3】本発明の第1実施例に係るB部の拡大図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る矢視Cを示す図である。
【図5】本発明に係る電気自動車の車体構造が適用された車両の衝突後の車体前方の上面視図である。
【図6】本発明の第1実施例に係るA’−A’線での断面図である。
【図7】本発明の第1実施例に係る車両衝突前後のB部とB’部との比較拡大図である。
【図8】本発明の第2実施例に係るブラケット形状図である。
【図9】本発明の第2実施例に係る矢視Dを示す図である。
【図10】本発明の第2実施例に係るA’−A’線での断面図である。
【図11】本発明の第2実施例に係る車両衝突前後のB部とB”部との比較拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
まずは、本発明における電気自動車の車体構造を説明する。
図1は、本発明に係る電気自動車の車体構造が適用された車両の車体前方の上面視図を示している。また、図2は、図1のA−A線での断面図を示している。
なお、図中矢印「前」は車体前方向、矢印「上」は車体上方向を、矢印「横」は車体幅方向をそれぞれ示す。また、図中の符号のR、Lは右側、左側を示す。また、図中二点鎖線で囲まれた領域は、モータ制御用ケーブル等が収まるケーブル配線用空間を示す。
【0016】
図1及び図2に示すように、本実施形態の車体構造は、モノコック形式を採用した車体構造である。
バルクヘッド2は、車体1の図示しない車室と車室の前方に位置し電気自動車の動力源であるモータ(電動機)12、図示しない減速機や図示しない差動装置から構成されるパワーユニット及びDC−DCコンバータ(制御部品)10やインバータ(制御部品)11や図示しない充電装置やそれらを制御する制御装置(制御部品)9が配設されるパワーユニットルーム3とを隔てるものである。
【0017】
サイドメンバ4R,4Lは、車体1の左右両側部に配設され、車体前後方向に延在する骨格部材である。また、バルクヘッド2とサイドメンバ4R,4Lでパワーユニットルーム3が形成されている。また、サイドメンバ4R,4Lには、DC−DCコンバータ10やインバータ11や充電装置やそれらを制御する制御装置9を保持する前側クロスバー5及び後側クロスバー(車室側のクロスバー)6がサイドメンバ4R,4Lを繋ぐように車体横方向に配設されている。
【0018】
前側及び後側クロスバー5,6は、前側クロスバー5が後側クロスバー6の車体前方に離間して配設されるようにそれぞれの前側及び後側クロスバー5,6の両端部をサイドメンバ4R,4Lに溶接されている。また、前側クロスバー5及び後側クロスバー6の車体上側方向には、ブラケット7及びブラケット(請求項に記載のブラケット)8、8’を介して、ボルト13にてDC−DCコンバータ10やインバータ11や充電装置やそれらを制御する制御装置9等が締結されている。また、前側及び後側クロスバー5,6の間の車体下側方向にはモータ12、減速機や差動装置から構成されるパワーユニットが配設されている。なお、DC−DCコンバータ10、インバータ11、充電装置、それらを制御する制御装置9及びパワーユニットは、バルクヘッド2との間にそれぞれの装置を電気的に接続するためのモータ制御用ケーブル9a等を収めるケーブル配線用空間(空間)14を形成するように配設されている。
【0019】
以下、本発明の第1実施例に係る電気自動車の車体構造の衝突対応構造について説明する。
[第1実施例]
図3は、本発明の第1実施例に係るB部の拡大図を示している。また、図4は、図3の矢視Cを示している。
【0020】
なお、図中矢印「前」は車体前方向、矢印「上」は車体上方向を、矢印「横」は車体幅方向をそれぞれ示す。
図3及び図4に示すように、ブラケット8は、金属の薄板を車体横方向視でL字状に曲げて形成されている。また、ブラケット8には、車体取付時に下面となるL字状の一方の面8aに、車体取付時に上面となる他方の面8bにDC−DCコンバータ10或いはインバータ11をボルト(締結部材)13にて締結するためのナット8cが溶接され、車体取付時に下面となるL字状の一方の面8aと車体取付時に上面となる他方の面8bとナット8cよりコンバータ取付部(締結部)8dが形成されている。また、ブラケット8のナット8cが溶接部されている車体横方向の両側面8eには、くさび形状の切り欠きである切欠部(分離部)8fが形成されている。また、車体取付時に前方となる他方の面8gには、ブラケット8を後側クロスバー6に溶接するクロスバー取付部(固定部)8hが形成されている。
【0021】
このように構成されたブラケット8は、クロスバー取付部8hを後側クロスバー6の車体後方側に溶接され、コンバータ取付部8dの車体取付時に上面となる他方の面8bにDC−DCコンバータ10或いはインバータ11がボルト13にて締結される。
以下、このように構成された本発明の第1実施例に係る電気自動車の車体構造の作用及び効果について説明する。
【0022】
図5は、本発明に係る電気自動車の車体構造が適用された車両の衝突後の車両前方の上面視図を示しており、図中太矢印は、車両衝突時の荷重入力方向を示している。また、図6は、A’−A’線での断面図を示している。また、図7は、車両衝突前後のB部とB’部との比較拡大図を示しており、(a)は車両衝突前のB部を(b)は車両衝突後のB’部を示している。
【0023】
なお、図中矢印「前」は車体前方向、矢印「上」は車体上方向を、矢印「横」は車体幅方向をそれぞれ示す。
図5から図7に示すように、車両衝突時に車両前側に荷重が加わるとサイドメンバ4R,4Lに荷重が伝達される。そして、サイドメンバ4R,4Lは、伝達された荷重により変形する。そして、前側クロスバー5は、サイドメンバ4R,4Lの変形により車両後方へ移動する。前側クロスバー5の移動に連れ、DC−DCコンバータ10及びインバータ11も車両後方に移動し、後側クロスバー6に締結するそれぞれのボルト13に荷重が伝達される。そして、それぞれのボルト13に加わった荷重は、それぞれのブラケット8を車両後方へ移動させるように負荷される。ブラケット8は、伝達された荷重がブラケット8の車体前後方向で最小断面積となる切欠部8fに集中し、伝達された荷重が所定荷重以上であると切欠部8fより切断分離する。
【0024】
このように、ブラケット8が切断分離するとDC−DCコンバータ10及びインバータ11は、サイドメンバ4R,4Lの変形に伴い前側クロスバー5と共に初期の取付位置(図7(a))からDC−DCコンバータ10及びインバータ11の後方に設けられたケーブル配線用空間14に移動する(図7(b))。
従って、DC−DCコンバータ10及びインバータ11が後方に移動することができ、更にサイドメンバ4R,4Lが変形することができるので、衝突時の荷重をサイドメンバ4R,4Lにて吸収することができる。
[第2実施例]
以下、本発明の第2実施例に係る電気自動車の車体構造の衝突対応構造について説明する。
【0025】
第2実施例では、上記第1実施例に対して、ブラケット8をブラケット8’として形状を変更しており、以下に上記第1実施例と異なるブラケット8’の形状に付いて説明する。
図8は、本発明の第2実施例に係るブラケット形状図を示している。また、図9は、図8の矢視Dを示している。
【0026】
なお、図中矢印「前」は車体前方向、矢印「上」は車体上方向を、矢印「横」は車体幅方向をそれぞれ示す。
図8及び図9に示すように、ブラケット8’は、金属の薄板を車体横方向視でL字状に曲げて形成されている。また、第1実施例と同様に車体取付時に下面となるL字状の一方の面8a’には、車体取付時に上面となる他方の面8b’にDC−DCコンバータ10或いはインバータ11をボルト13にて締結するためのナット8c’が溶接され、車体取付時に下面となるL字状の一方の面8a’と車体取付時に上面となる他方の面8b’とナット8c’よりコンバータ取付部(締結部)8d’が形成されている。また、車体取付時に前面となる他方の面8g’には、ブラケット8’を後側クロスバー6に溶接するクロスバー取付部(固定部)8h’が形成されている。また、ブラケット8'には、車体取付時に上面となる他方の面8b’からクロスバー取付部8h’間のブラケット8’の幅が狭くなるように車体横方向の両側面8e’を切り欠いて変形部8i’が形成されている。
【0027】
このように構成されたブラケット8’は、第1実施例と同様にクロスバー取付部8h’を後側クロスバー6の車体後方側に溶接され、コンバータ取付部8d’の車体取付時に上面となる他方の面8b’にDC−DCコンバータ10或いはインバータ11をボルト13にて締結される。
以下、このように構成された本発明の第2実施例に係る電気自動車の車体構造の作用及び効果について説明する。
【0028】
図11は、車両衝突前後のB部とB’部との比較拡大図を示しており、(a)は車両衝突前のB部を、(b)は車両衝突後のB’部を示している。
なお、図中矢印「前」は車体前方向、矢印「上」は車体上方向を、矢印「横」は車体幅方向をそれぞれ示す。
図11に示すように、第1実施例と同様に車両衝突時に車両前側に荷重が加わるとサイドメンバ4R,4Lに荷重が伝達される。そして、サイドメンバ4R,4Lは、伝達された荷重により変形する。前側クロスバー5は、サイドメンバ4R,4Lの変形により車両後方へ移動する。前側クロスバー5の移動に連れ、DC−DCコンバータ10及びインバータ11も車両後方に移動し、後側クロスバー6に締結するそれぞれのボルト13に荷重が伝達される。そして、それぞれのボルト13に加わった荷重は、それぞれのブラケット8’を車両後方へ移動させるように負荷される。伝達された荷重は、ブラケット8’の変形部8i’に集中する。そして、ブラケット8’は、伝達された荷重が所定荷重以上であると変形部8i’がDC−DCコンバータ10及びインバータ11を更に車両後方に移動するように変形する。
【0029】
このように、ブラケット8’の変形部8i’が変形するとDC−DCコンバータ10及びインバータ11は、サイドメンバ4R,4Lの変形に伴い前側クロスバー5と共に初期の取付位置(図7(a))からDC−DCコンバータ10及びインバータ11の後方に設けられたケーブル配線用空間14に移動する(図7(b))。
従って、DC−DCコンバータ10及びインバータ11が後方に移動することができるので、更にサイドメンバ4R,4Lが変形することができ、衝突時の荷重を吸収することができる。
【0030】
以上で発明の実施形態の説明を終えるが、本発明の形態は上記実施形態に限定されるものではない。
上記第1実施例では、ブラケット8に切欠部8fを形成し、車両衝突時に切欠部8fに荷重を集中させることによりブラケット8を切欠部8fより切断分離し、サイドメンバ4R,4Lを更に変形することができるようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、車両衝突時にブラケット8に荷重が加わるとナット8cがブラケット8より引き抜かれるような構造としても同様の効果を得ることができる。
【0031】
また、上記第1実施例では、ナット8bが溶接されている車体横方向の両側面に切欠部8fを形成しているが、これに限定されるものではなく、車両衝突時に加わる荷重でブラケット8が切断することができれば、どこに切り欠きを形成しても良い。
また、上記第2実施例では、ブラケット8’に幅の狭くなる変形部8i’を形成して、ブラケット8’を変形するようにし、サイドメンバ4R,4Lを更に変形することができるようにしているが、これに限定されるものではなく、ブラケット8’が変形しやすくなるようにブラケット8’の剛性が調整されていれば良く、例えば、ブラケット8’の材料を延性の高い材料として、車両衝突時にブラケット8’に荷重が加わるとブラケット8’が延びるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 車体
2 バルクヘッド
4R,4L サイドメンバ
5 前側クロスバー
6 後側クロスバー(車室側のクロスバー)
8 ブラケット
8d コンバータ取付部(締結部)
8f 切欠部(分離部)
8h クロスバー取付部(固定部)
9 モータ制御用装置(制御部品)
10 DC−DCコンバータ(制御部品)
11 インバータ(制御部品)
12 モータ(電動機)
13 ボルト(締結部材)
14 ケーブル配線用空間(空間)
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の車体構造に係り、詳しくは、衝突対応構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の衝突対応構造として、例えば、電動機、減速機や差動装置から構成されるパワーユニットを、車体の前後方向に延びて配設される一対のサイドフレーム(サイドメンバ)間を接続する後側へ並行に延びる一対の側フレーム部と当該側フレーム部の各後端部をつなぐ端フレーム部(クロスバー)とを有した略U形のマウントフレームに固定し、車両後部から衝撃力が入力した際にクロスバーを変形及び破断させてパワーユニットをサイドメンバから切り離すことによって、パワーユニットの移動を抑え、パワーユニットの前方に配設されたバッテリへの接触を防止する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−61915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような上記特許文献1の衝突対応構造を、パワーユニット及びインバータやDC−DCコンバータや充電装置やそれらを制御する制御装置を配設するパワーユニットルームを車体の前方に配設した車体構造に適用すると、車両衝突時に車両前方から入力される衝撃力によってクロスメンバが変形及び破断して、パワーユニットがサイドメンバから切り離され、パワーユニットの後方に配置されている車室とパワーユニットルームとを隔てるバルクヘッドを変形させることを抑制することができる。
【0005】
しかしながら、インバータや制御装置(制御部品)を車体に安定して固定すべく、左右のサイドメンバ間を前後に離間した2本のクロスバーによって接続し、この2本のクロスバーに制御部品を固定した車体構造では、制御部品が2本のクロスバー間で剛性体となり、クロスバーの変形を阻害することとなる。
従って、クロスバーの変形が阻害されることに伴ってサイドメンバの変形も阻害されることになり、衝撃力の吸収を行うことができず衝突時の安全性能の低下に繋がり好ましいことではない。
【0006】
本発明は、この様な問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、車体に制御部品を安定して固定しつつ、衝突時における衝撃吸収性を確保して安全性能を向上させる電気自動車の車体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1の電気自動車の車体構造では、電気自動車の車両の両側部に車体前後方向に延在し配設される左右のサイドメンバと、車体横方向に延在し前記左右のサイドメンバ間を連結するように前記車体の前後方向に互いに平行に配設される一対のクロスバーとを有し、電動機を制御する制御部品が前記一対のクロスバーに固定される電気自動車の車体構造において、前記制御部品は、前記車体の車室側に空間を有するように配設され、更に前記車両の衝突時に該制御部品が該空間に移動可能に車室側の前記クロスバーにブラケットを介して固定されることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の電気自動車の車体構造では、請求項1において、前記ブラケットは、前記制御部品を締結部材で締結する締結部と、前記車室側のクロスバーに締結部材或いは溶接により固定される固定部と、荷重を受けると分離する分離部とを有し、車両衝突時に前記サイドメンバに車室側に荷重が作用すると該分離部より分離して前記制御部品と前記クロスバーとの固定が解除されることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の電気自動車の車体構造では、請求項1において、前記ブラケットは、前記制御部品を締結部材で締結する締結部と、前記車室側のクロスバーに締結部材或いは溶接により固定される固定部と、荷重を受けると変形する変形部とを有し、車両衝突時に前記サイドメンバに車室側に荷重が作用すると該変形部が変形して前記クロスバーに対して前記制御部品が移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、制御部品は、車体の車室側に空間を有するように配設され、更に車両の衝突時に制御部品が空間に移動可能に車室側のクロスバーにブラケットを介して固定するようにしている。
このように、車室側に空間を有し、車室側のクロスバーに制御部品が移動可能に固定されているので、制御部品の車室側への移動が阻害されることなく移動することができる。
【0011】
従って、車両衝突時に制御部品を移動することができるのでクロスバーの変形が抑制されることなくサイドメンバにて衝撃荷重を吸収することができ、衝突時の安全性能を向上させることができる。
また、請求項2の発明によれば、荷重を受けると分離する分離部を有したブラケットを介して制御部品を車室側のクロスバーに固定しているので、車両衝突時にサイドメンバに車室側への荷重が作用するとブラケットの分離部が分離し、制御部品と車室側のクロスバーが分離することができる。
【0012】
従って、車両衝突時に制御部品の車体側に有した空間に制御部品が移動することができるので、簡易な構造で確実にサイドメンバにて衝撃荷重を吸収することができ、衝突時の安全性能を向上させることができる。
また、請求項3の発明によれば、荷重を受けると変形する変形部を有したブラケットを介して制御部品を車室側のクロスバーに固定しているので、車両衝突時にサイドメンバに車室側への荷重が作用するとブラケットの変形部が変形することができる。
【0013】
従って、車両衝突時に制御部品の車体側に有した空間に制御部品が移動することができるので、請求項2と同様に簡易な構造で確実にサイドメンバにて衝撃荷重を吸収することができ、衝突時の安全性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る電気自動車の車体構造が適用された車両の車体前方の上面視図である。
【図2】本発明に係るA−A線での断面図である。
【図3】本発明の第1実施例に係るB部の拡大図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る矢視Cを示す図である。
【図5】本発明に係る電気自動車の車体構造が適用された車両の衝突後の車体前方の上面視図である。
【図6】本発明の第1実施例に係るA’−A’線での断面図である。
【図7】本発明の第1実施例に係る車両衝突前後のB部とB’部との比較拡大図である。
【図8】本発明の第2実施例に係るブラケット形状図である。
【図9】本発明の第2実施例に係る矢視Dを示す図である。
【図10】本発明の第2実施例に係るA’−A’線での断面図である。
【図11】本発明の第2実施例に係る車両衝突前後のB部とB”部との比較拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
まずは、本発明における電気自動車の車体構造を説明する。
図1は、本発明に係る電気自動車の車体構造が適用された車両の車体前方の上面視図を示している。また、図2は、図1のA−A線での断面図を示している。
なお、図中矢印「前」は車体前方向、矢印「上」は車体上方向を、矢印「横」は車体幅方向をそれぞれ示す。また、図中の符号のR、Lは右側、左側を示す。また、図中二点鎖線で囲まれた領域は、モータ制御用ケーブル等が収まるケーブル配線用空間を示す。
【0016】
図1及び図2に示すように、本実施形態の車体構造は、モノコック形式を採用した車体構造である。
バルクヘッド2は、車体1の図示しない車室と車室の前方に位置し電気自動車の動力源であるモータ(電動機)12、図示しない減速機や図示しない差動装置から構成されるパワーユニット及びDC−DCコンバータ(制御部品)10やインバータ(制御部品)11や図示しない充電装置やそれらを制御する制御装置(制御部品)9が配設されるパワーユニットルーム3とを隔てるものである。
【0017】
サイドメンバ4R,4Lは、車体1の左右両側部に配設され、車体前後方向に延在する骨格部材である。また、バルクヘッド2とサイドメンバ4R,4Lでパワーユニットルーム3が形成されている。また、サイドメンバ4R,4Lには、DC−DCコンバータ10やインバータ11や充電装置やそれらを制御する制御装置9を保持する前側クロスバー5及び後側クロスバー(車室側のクロスバー)6がサイドメンバ4R,4Lを繋ぐように車体横方向に配設されている。
【0018】
前側及び後側クロスバー5,6は、前側クロスバー5が後側クロスバー6の車体前方に離間して配設されるようにそれぞれの前側及び後側クロスバー5,6の両端部をサイドメンバ4R,4Lに溶接されている。また、前側クロスバー5及び後側クロスバー6の車体上側方向には、ブラケット7及びブラケット(請求項に記載のブラケット)8、8’を介して、ボルト13にてDC−DCコンバータ10やインバータ11や充電装置やそれらを制御する制御装置9等が締結されている。また、前側及び後側クロスバー5,6の間の車体下側方向にはモータ12、減速機や差動装置から構成されるパワーユニットが配設されている。なお、DC−DCコンバータ10、インバータ11、充電装置、それらを制御する制御装置9及びパワーユニットは、バルクヘッド2との間にそれぞれの装置を電気的に接続するためのモータ制御用ケーブル9a等を収めるケーブル配線用空間(空間)14を形成するように配設されている。
【0019】
以下、本発明の第1実施例に係る電気自動車の車体構造の衝突対応構造について説明する。
[第1実施例]
図3は、本発明の第1実施例に係るB部の拡大図を示している。また、図4は、図3の矢視Cを示している。
【0020】
なお、図中矢印「前」は車体前方向、矢印「上」は車体上方向を、矢印「横」は車体幅方向をそれぞれ示す。
図3及び図4に示すように、ブラケット8は、金属の薄板を車体横方向視でL字状に曲げて形成されている。また、ブラケット8には、車体取付時に下面となるL字状の一方の面8aに、車体取付時に上面となる他方の面8bにDC−DCコンバータ10或いはインバータ11をボルト(締結部材)13にて締結するためのナット8cが溶接され、車体取付時に下面となるL字状の一方の面8aと車体取付時に上面となる他方の面8bとナット8cよりコンバータ取付部(締結部)8dが形成されている。また、ブラケット8のナット8cが溶接部されている車体横方向の両側面8eには、くさび形状の切り欠きである切欠部(分離部)8fが形成されている。また、車体取付時に前方となる他方の面8gには、ブラケット8を後側クロスバー6に溶接するクロスバー取付部(固定部)8hが形成されている。
【0021】
このように構成されたブラケット8は、クロスバー取付部8hを後側クロスバー6の車体後方側に溶接され、コンバータ取付部8dの車体取付時に上面となる他方の面8bにDC−DCコンバータ10或いはインバータ11がボルト13にて締結される。
以下、このように構成された本発明の第1実施例に係る電気自動車の車体構造の作用及び効果について説明する。
【0022】
図5は、本発明に係る電気自動車の車体構造が適用された車両の衝突後の車両前方の上面視図を示しており、図中太矢印は、車両衝突時の荷重入力方向を示している。また、図6は、A’−A’線での断面図を示している。また、図7は、車両衝突前後のB部とB’部との比較拡大図を示しており、(a)は車両衝突前のB部を(b)は車両衝突後のB’部を示している。
【0023】
なお、図中矢印「前」は車体前方向、矢印「上」は車体上方向を、矢印「横」は車体幅方向をそれぞれ示す。
図5から図7に示すように、車両衝突時に車両前側に荷重が加わるとサイドメンバ4R,4Lに荷重が伝達される。そして、サイドメンバ4R,4Lは、伝達された荷重により変形する。そして、前側クロスバー5は、サイドメンバ4R,4Lの変形により車両後方へ移動する。前側クロスバー5の移動に連れ、DC−DCコンバータ10及びインバータ11も車両後方に移動し、後側クロスバー6に締結するそれぞれのボルト13に荷重が伝達される。そして、それぞれのボルト13に加わった荷重は、それぞれのブラケット8を車両後方へ移動させるように負荷される。ブラケット8は、伝達された荷重がブラケット8の車体前後方向で最小断面積となる切欠部8fに集中し、伝達された荷重が所定荷重以上であると切欠部8fより切断分離する。
【0024】
このように、ブラケット8が切断分離するとDC−DCコンバータ10及びインバータ11は、サイドメンバ4R,4Lの変形に伴い前側クロスバー5と共に初期の取付位置(図7(a))からDC−DCコンバータ10及びインバータ11の後方に設けられたケーブル配線用空間14に移動する(図7(b))。
従って、DC−DCコンバータ10及びインバータ11が後方に移動することができ、更にサイドメンバ4R,4Lが変形することができるので、衝突時の荷重をサイドメンバ4R,4Lにて吸収することができる。
[第2実施例]
以下、本発明の第2実施例に係る電気自動車の車体構造の衝突対応構造について説明する。
【0025】
第2実施例では、上記第1実施例に対して、ブラケット8をブラケット8’として形状を変更しており、以下に上記第1実施例と異なるブラケット8’の形状に付いて説明する。
図8は、本発明の第2実施例に係るブラケット形状図を示している。また、図9は、図8の矢視Dを示している。
【0026】
なお、図中矢印「前」は車体前方向、矢印「上」は車体上方向を、矢印「横」は車体幅方向をそれぞれ示す。
図8及び図9に示すように、ブラケット8’は、金属の薄板を車体横方向視でL字状に曲げて形成されている。また、第1実施例と同様に車体取付時に下面となるL字状の一方の面8a’には、車体取付時に上面となる他方の面8b’にDC−DCコンバータ10或いはインバータ11をボルト13にて締結するためのナット8c’が溶接され、車体取付時に下面となるL字状の一方の面8a’と車体取付時に上面となる他方の面8b’とナット8c’よりコンバータ取付部(締結部)8d’が形成されている。また、車体取付時に前面となる他方の面8g’には、ブラケット8’を後側クロスバー6に溶接するクロスバー取付部(固定部)8h’が形成されている。また、ブラケット8'には、車体取付時に上面となる他方の面8b’からクロスバー取付部8h’間のブラケット8’の幅が狭くなるように車体横方向の両側面8e’を切り欠いて変形部8i’が形成されている。
【0027】
このように構成されたブラケット8’は、第1実施例と同様にクロスバー取付部8h’を後側クロスバー6の車体後方側に溶接され、コンバータ取付部8d’の車体取付時に上面となる他方の面8b’にDC−DCコンバータ10或いはインバータ11をボルト13にて締結される。
以下、このように構成された本発明の第2実施例に係る電気自動車の車体構造の作用及び効果について説明する。
【0028】
図11は、車両衝突前後のB部とB’部との比較拡大図を示しており、(a)は車両衝突前のB部を、(b)は車両衝突後のB’部を示している。
なお、図中矢印「前」は車体前方向、矢印「上」は車体上方向を、矢印「横」は車体幅方向をそれぞれ示す。
図11に示すように、第1実施例と同様に車両衝突時に車両前側に荷重が加わるとサイドメンバ4R,4Lに荷重が伝達される。そして、サイドメンバ4R,4Lは、伝達された荷重により変形する。前側クロスバー5は、サイドメンバ4R,4Lの変形により車両後方へ移動する。前側クロスバー5の移動に連れ、DC−DCコンバータ10及びインバータ11も車両後方に移動し、後側クロスバー6に締結するそれぞれのボルト13に荷重が伝達される。そして、それぞれのボルト13に加わった荷重は、それぞれのブラケット8’を車両後方へ移動させるように負荷される。伝達された荷重は、ブラケット8’の変形部8i’に集中する。そして、ブラケット8’は、伝達された荷重が所定荷重以上であると変形部8i’がDC−DCコンバータ10及びインバータ11を更に車両後方に移動するように変形する。
【0029】
このように、ブラケット8’の変形部8i’が変形するとDC−DCコンバータ10及びインバータ11は、サイドメンバ4R,4Lの変形に伴い前側クロスバー5と共に初期の取付位置(図7(a))からDC−DCコンバータ10及びインバータ11の後方に設けられたケーブル配線用空間14に移動する(図7(b))。
従って、DC−DCコンバータ10及びインバータ11が後方に移動することができるので、更にサイドメンバ4R,4Lが変形することができ、衝突時の荷重を吸収することができる。
【0030】
以上で発明の実施形態の説明を終えるが、本発明の形態は上記実施形態に限定されるものではない。
上記第1実施例では、ブラケット8に切欠部8fを形成し、車両衝突時に切欠部8fに荷重を集中させることによりブラケット8を切欠部8fより切断分離し、サイドメンバ4R,4Lを更に変形することができるようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、車両衝突時にブラケット8に荷重が加わるとナット8cがブラケット8より引き抜かれるような構造としても同様の効果を得ることができる。
【0031】
また、上記第1実施例では、ナット8bが溶接されている車体横方向の両側面に切欠部8fを形成しているが、これに限定されるものではなく、車両衝突時に加わる荷重でブラケット8が切断することができれば、どこに切り欠きを形成しても良い。
また、上記第2実施例では、ブラケット8’に幅の狭くなる変形部8i’を形成して、ブラケット8’を変形するようにし、サイドメンバ4R,4Lを更に変形することができるようにしているが、これに限定されるものではなく、ブラケット8’が変形しやすくなるようにブラケット8’の剛性が調整されていれば良く、例えば、ブラケット8’の材料を延性の高い材料として、車両衝突時にブラケット8’に荷重が加わるとブラケット8’が延びるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 車体
2 バルクヘッド
4R,4L サイドメンバ
5 前側クロスバー
6 後側クロスバー(車室側のクロスバー)
8 ブラケット
8d コンバータ取付部(締結部)
8f 切欠部(分離部)
8h クロスバー取付部(固定部)
9 モータ制御用装置(制御部品)
10 DC−DCコンバータ(制御部品)
11 インバータ(制御部品)
12 モータ(電動機)
13 ボルト(締結部材)
14 ケーブル配線用空間(空間)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車の車両の両側部に車体前後方向に延在し配設される左右のサイドメンバと、車体横方向に延在し前記左右のサイドメンバ間を連結するように前記車体の前後方向に互いに平行に配設される一対のクロスバーとを有し、電動機を制御する制御部品が前記一対のクロスバーに固定される電気自動車の車体構造において、
前記制御部品は、前記車体の車室側に空間を有するように配設され、更に前記車両の衝突時に該制御部品が該空間に移動可能に車室側の前記クロスバーにブラケットを介して固定されることを特徴とする電気自動車の車体構造。
【請求項2】
前記ブラケットは、前記制御部品を締結部材で締結する締結部と、前記車室側のクロスバーに締結部材或いは溶接により固定される固定部と、荷重を受けると分離する分離部とを有し、車両衝突時に前記サイドメンバに車室側に荷重が作用すると該分離部より分離して前記制御部品と前記クロスバーとの固定が解除されることを特徴とする、請求項1に記載の電気自動車の車体構造。
【請求項3】
前記ブラケットは、前記制御部品を締結部材で締結する締結部と、前記車室側のクロスバーに締結部材或いは溶接により固定される固定部と、荷重を受けると変形する変形部とを有し、車両衝突時に前記サイドメンバに車室側に荷重が作用すると該変形部が変形して前記クロスバーに対して前記制御部品が移動することを特徴とする、請求項1に記載の電気自動車の車体構造。
【請求項1】
電気自動車の車両の両側部に車体前後方向に延在し配設される左右のサイドメンバと、車体横方向に延在し前記左右のサイドメンバ間を連結するように前記車体の前後方向に互いに平行に配設される一対のクロスバーとを有し、電動機を制御する制御部品が前記一対のクロスバーに固定される電気自動車の車体構造において、
前記制御部品は、前記車体の車室側に空間を有するように配設され、更に前記車両の衝突時に該制御部品が該空間に移動可能に車室側の前記クロスバーにブラケットを介して固定されることを特徴とする電気自動車の車体構造。
【請求項2】
前記ブラケットは、前記制御部品を締結部材で締結する締結部と、前記車室側のクロスバーに締結部材或いは溶接により固定される固定部と、荷重を受けると分離する分離部とを有し、車両衝突時に前記サイドメンバに車室側に荷重が作用すると該分離部より分離して前記制御部品と前記クロスバーとの固定が解除されることを特徴とする、請求項1に記載の電気自動車の車体構造。
【請求項3】
前記ブラケットは、前記制御部品を締結部材で締結する締結部と、前記車室側のクロスバーに締結部材或いは溶接により固定される固定部と、荷重を受けると変形する変形部とを有し、車両衝突時に前記サイドメンバに車室側に荷重が作用すると該変形部が変形して前記クロスバーに対して前記制御部品が移動することを特徴とする、請求項1に記載の電気自動車の車体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−96746(P2012−96746A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248410(P2010−248410)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】
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