説明

電気自動車充電装置、電気自動車充電システム、電気自動車充電方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】充電ステーションにて電気自動車の蓄電池を充電する場合に、充電の完了予定時刻をユーザに報知できるようにする。
【解決手段】電気自動車充電装置は、表示装置11と、蓄電池26の残量を示す蓄電池残量情報を含む、蓄電池26を充電するのに必要な必要電力量を計算するための情報に基づいて、必要電力量を計算する電力量計算部13と、必要電力量、および電力出力装置16の電力供給能力から、蓄電池26を充電するのに必要な充電時間を計算する充電時間計算部14と、充電時間計算部14にて計算された充電時間を充電完了予測情報として表示装置11に表させる表示制御部17とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば充電ステーションにおいて、電気自動車の電池を充電するための電力を供給する電気自動車充電装置、電気自動車充電システム、電気自動車充電方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、動力源として内燃機関に代えてモータを使用する電気自動車が開発されている。電気自動車は、電源として電池を使用し、電池からの電力供給によりモータを駆動して走行する。このため、内燃機関と比較して、エネルギー費用が安価、エネルギー効率が高い、騒音が極めて少ない、走行時に排気ガスを出さないなど、多数の利点を有している。その反面、電池が高価、内燃機関と比較して同一重量当たりの走行距離が短い、充電時間が長いなど、今後に解決すべき課題も多い。
【0003】
一方、電気自動車とガソリン自動車とに関わらず、自動車を運転する際の利便性を考慮して、自動車のユーザに対して情報を提示するシステムが提案されている。例えば特許文献1に開示されているナビゲーションシステムでは、自動車のエネルギー残量および走行位置の検出により、設定されている走行経路上の二つ先のガソリンスタンドまで走行できない場合には、走行経路上の一つ先のガソリンスタンドと、走行経路を逸脱したところにあるガソリンスタンドとのいずれか近い方での給油を案内するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−046571号公報(2000年2月10日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、電気自動車は、多数の利点を備える反面、いくつかの欠点も備えている。特に、現状では、電池を満充電した場合であっても走行距離が短くなっている。このため、長距離を走行した場合に、ガソリン自動車と比較して頻繁なエネルギー補給すなわち充電が必要となる。
【0006】
ここで、自動車にエネルギーを補給する場合、ガソリン自動車では、自動車へのガソリンの補給を短時間にて完了することができる。したがって、自動車にガソリンを補給するガスステーションにおいて、ユーザはガソリンの補給が完了するまで、自動車のそばにいることが負担にはなり難い。
【0007】
これに対し、電気自動車では、電池の充電を短時間にて完了することができない。したがって、自動車の電池を充電する充電ステーションにおいて、ユーザは電池への充電が完了するまで自動車のそばにいることが負担になり易い。そこで、電池への充電中において、ユーザは自動車のそばを離れ、例えば休憩や食事あるいは買い物をすることが考えられる。
【0008】
しかしながら、ユーザに対して自動車の電池への充電の完了予定を知らせるシステムは未だ開発されていない。このため、ユーザは、自動車の電池への充電完了時間が分からず、出発予定時刻を設定できない、あるいは充電ステーションにおいて無駄な待ち時間が生じ易いなど、不便な状態を強いられることになる。
【0009】
したがって、本発明は、例えば充電ステーションにおいて、電気自動車の電池を充電する場合に、充電の完了予定時刻をユーザに知らせることができる電気自動車充電装置および電気自動車充電システムの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の電気自動車充電装置は、表示装置と、電気自動車の蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報を含む、前記蓄電池を充電するのに必要な必要電力量を計算するための必要電力量計算情報に基づいて、前記必要電力量を計算する電力量計算部と、前記必要電力量、および電気自動車の蓄電池を充電するための電力を出力する電力出力装置の電力供給能力から、前記蓄電池を充電するのに必要な充電時間を計算する充電時間計算部と、前記充電時間計算部にて計算された充電時間を充電完了予測情報として前記表示装置に表させる表示制御部とを備えていることを特徴としている。
【0011】
本発明の電気自動車充電方法は、電気自動車の蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報を含む、前記蓄電池を充電するのに必要な必要電力量を計算するための必要電力量計算情報に基づいて、前記必要電力量を計算する電力量計算工程と、前記必要電力量、および電気自動車の蓄電池を充電するための電力を出力する電力出力装置の電力供給能力から、前記蓄電池を充電するのに必要な充電時間を計算する充電時間計算工程と、前記充電時間計算工程にて計算された充電時間を充電完了予測情報として表示装置に表させる表示制御工程とを備えていることを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、電力量計算部は(電力量計算工程では)、電気自動車の蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報を含む、蓄電池を充電するのに必要な必要電力量を計算するための必要電力量計算情報に基づいて、必要電力量を計算する。充電時間計算部は(充電時間計算工程では)、必要電力量、および電気自動車の蓄電池を充電するための電力を出力する電力出力装置の電力供給能力から、蓄電池を充電するのに必要な充電時間を計算する。表示制御部は(表示制御工程では)、充電時間計算部にて計算された充電時間を充電完了予測情報として表示装置に表させる。
【0013】
したがって、充電ステーションを使用するユーザは、表示装置の表示によって蓄電池に対する充電の充電完了予測時刻を知ることができる。これにより、ユーザは、蓄電池への充電中において、自動車のそばを離れ、例えば休憩や食事あるいは買い物をするなど、充電中の待ち時間を有効に使用することができる。
【0014】
上記の電気自動車充電装置は、電気自動車の蓄電池を充電するための電力を出力する電力出力装置を備え、前記電力出力装置は、通常充電出力による電力供給と、通常充電出力よりも前記蓄電池を短時間に充電させる急速充電出力による電力供給とを選択可能である構成としてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、ユーザは、短時間の充電完了よりも蓄電池の寿命短縮の防止を優先する場合と、短時間の充電完了を優先する場合とに応じて、通常充電出力による電力供給と、急速充電出力による電力供給とを使い分けることができる。
【0016】
上記の電気自動車充電装置において、前記必要電力量計算情報は、前記電気自動車が走行すべき距離を示す残走行距離情報をさらに含み、前記電力量計算部は、前記蓄電池残量情報および前記残走行距離情報に基づいて、前記残走行距離情報が示す距離を走行するために前記蓄電池に補給すべき電力量を前記必要電力量として計算する構成としてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、電力量計算部は、蓄電池残量情報および残走行距離情報に基づいて、残走行距離情報が示す距離を走行するために蓄電池に補給すべき電力量を必要電力量として計算するので、正確に必要電力量を求めることができる。
【0018】
本発明の電気自動車充電システムは、電気自動車に設けられた自動車側システムと、電気自動車の蓄電池を充電する充電ステーションに設けられた、前記自動車側システムと通信するステーション側システムとを備え、前記ステーション側システムは、ステーション側表示装置と、電気自動車の前記蓄電池を充電するための電力を出力する電力出力装置と、前記蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報を含む、前記蓄電池を充電するのに必要な必要電力量を計算するための必要電力量計算情報に基づいて、前記必要電力量を計算する電力量計算部と、前記必要電力量と前記電力出力装置の電力供給能力とから、前記蓄電池を充電するのに必要な充電時間を計算する充電時間計算部と、前記充電時間計算部にて計算された充電時間を充電完了予測情報として前記ステーション側表示装置に表させる表示制御部とを備え、前記自動車側システムは、前記蓄電池の残量を測定し、前記蓄電池残量情報として前記電力量計算部に提供する電池残量測定部を備えていることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、ステーション側システムにおいて、電力量計算部は、蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報を含む、蓄電池を充電するのに必要な必要電力量を計算するための必要電力量計算情報に基づいて、必要電力量を計算する。充電時間計算部は、必要電力量と電力出力装置の電力供給能力とから、蓄電池を充電するのに必要な充電時間を計算する。表示制御部は、充電時間計算部にて計算された充電時間を充電完了予測情報としてステーション側表示装置に表させる。自動車側システムの電池残量測定部は、蓄電池の残量を測定し、蓄電池残量情報として電力量計算部に提供する。
【0020】
したがって、充電ステーションを使用するユーザは、ステーション側表示装置の表示によって蓄電池に対する充電の充電完了予測時刻を知ることができる。これにより、ユーザは、蓄電池への充電中において、自動車のそばを離れ、例えば休憩や食事あるいは買い物をするなど、充電中の待ち時間を有効に使用することができる。
【0021】
上記の電気自動車充電システムにおいて、前記ステーション側システムの充電時間計算部は、計算した充電時間を自動車側システムにも提供し、前記自動車側システムは、自動車側表示装置と、前記充電時間計算部にて計算された充電時間を充電完了予測情報として前記自動車側表示装置に表させる表示制御部とを備えている構成としてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、充電完了予測情報がステーション側表示装置と自動車側表示装置との両者に表示されるので、ユーザは、充電完了予測情報を電気自動車の車内および車外において、容易に確認することができる。
【0023】
上記の電気自動車充電システムにおいて、前記必要電力量計算情報は、前記電気自動車が走行すべき距離を示す残走行距離情報をさらに含み、前記電力量計算部は、前記蓄電池残量情報および前記残走行距離情報に基づいて、前記残走行距離情報が示す距離を走行するために前記蓄電池に補給すべき電力量を前記必要電力量として計算する構成としてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、電力量計算部は、蓄電池残量情報および残走行距離情報に基づいて、残走行距離情報が示す距離を走行するために前記蓄電池に補給すべき電力量を必要電力量として計算するので、正確に必要電力量を求めることができる。
【0025】
上記の電気自動車充電システムにおいて、前記自動車側システムは、自動車側入力装置と、地図データを記憶する地図データ記憶装置と、前記地図データが示す地図上の、電気自動車の位置および前記自動車側入力装置から入力された目的地の位置を特定する位置測定部と、前記位置測定部にて特定された、充電ステーションの電気自動車の位置から前記目的地までの片道の距離もしくは往復の距離を示す情報を前記残走行距離情報として前記ステーション側システムの前記電力量計算部に出力する走行距離計算部を備えている構成としてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、自動車側システムにおいて、位置測定部は、地図データが示す地図上の、電気自動車の位置および自動車側入力装置から入力された目的地の位置を特定する。走行距離計算部は、位置測定部にて特定された、充電ステーションの電気自動車の位置から目的地までの片道の距離もしくは往復の距離を示す情報を前記残走行距離情報としてステーション側システムの電力量計算部に出力する。
【0027】
これにより、自動車側システムでは、地図データ記憶装置、位置測定部および走行距離計算部を含む例えばカーナビゲーションシステムの構成を利用して残走行距離情報を取得することができる。また、残走行距離情報は、充電ステーションの電気自動車の位置から目的地までの片道の距離もしくは往復の距離を示すものであるから、この残走行距離情報を使用することにより、ステーション側システムの電力量計算部は、必要電力量を正確に求めることができる。
【0028】
上記の電気自動車充電システムにおいて、ステーション側システムは、ステーション側入力装置と、地図データを記憶する地図データ記憶装置と、前記地図データが示す地図上の充電ステーションの位置および前記ステーション側入力装置から入力された目的地の位置を特定するとともに、充電ステーションの位置から前記目的地までの片道の距離もしくは往復の距離を示す情報を前記残走行距離情報として前記電力量計算部に出力する走行距離計算部を備えている構成としてもよい。
【0029】
上記の構成によれば、ステーション側システムにおいて、走行距離計算部は、地図データが示す地図上の充電ステーションの位置およびステーション側入力装置から入力された目的地の位置を特定するとともに、充電ステーションの位置から目的地までの片道の距離もしくは往復の距離を示す情報を残走行距離情報として電力量計算部に出力する。
【0030】
これにより、充電ステーションにおいて、ユーザは、ステーション側入力装置を操作して残走行距離情報を求めるための設定を行うことができる。また、残走行距離情報は、充電ステーションの電気自動車の位置から目的地までの片道の距離もしくは往復の距離を示すものであるから、この残走行距離情報を使用することにより、電力量計算部は、必要電力量を正確に求めることができる。
【0031】
上記の電気自動車充電システムにおいて、前記自動車側システムは、前記電池残量測定部にて測定された、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化を記憶する履歴情報記憶装置と、前記履歴情報記憶装置が記憶する、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化と電気自動車の走行距離との関係から、電気自動車の電力消費率を計算して前記電力量計算部に出力する電力消費率計算部とを備え、前記ステーション側システムの前記電力量計算部は、前記電力消費率を含む必要電力量計算情報に基づいて、前記必要電力量を計算する構成としてもよい。
【0032】
上記の構成によれば、自動車側システムの電力消費率計算部は、履歴情報記憶装置が記憶する、電気自動車の走行に伴う蓄電池の残量の変化と電気自動車の走行距離との関係から、電気自動車の電力消費率を計算して電力量計算部に出力する。ステーション側システムの電力量計算部は、自動車側システムの電力消費率計算部から提供される電力消費率を含む必要電力量計算情報に基づいて、必要電力量を計算する。
【0033】
これにより、ステーション側システムの電力量計算部は、電気自動車の電力消費率を反映して必要電力量を正確に求めることができる。
【0034】
上記の電気自動車充電システムにおいて、前記自動車側システムは、前記電池残量測定部にて測定された、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化を記憶する履歴情報記憶装置を備え、前記ステーション側システムは、前記履歴情報記憶装置が記憶する、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化と電気自動車の走行距離との関係から、電気自動車の電力消費率を計算して前記電力量計算部に出力する電力消費率計算部を備え、前記ステーション側システムの前記電力量計算部は、前記電力消費率を含む必要電力量計算情報に基づいて、前記必要電力量を計算する構成としてもよい。
【0035】
上記の構成によれば、ステーション側システムの電力消費率計算部は、履歴情報記憶装置が記憶する、電気自動車の走行に伴う蓄電池の残量の変化と電気自動車の走行距離との関係から、電気自動車の電力消費率を計算して電力量計算部に出力する。ステーション側システムの前記電力量計算部は、電力消費率計算部から提供される電力消費率を含む必要電力量計算情報に基づいて、必要電力量を計算する。
【0036】
これにより、ステーション側システムの電力量計算部は、電気自動車の電力消費率を反映して必要電力量を正確に求めることができる。
【0037】
上記の電気自動車充電システムは、電気自動車に設けられた自動車側システムと、電気自動車の蓄電池を充電する充電ステーションに設けられた、前記自動車側システムと通信するステーション側システムとを備え、ステーション側システムは、ステーション側表示装置と、入力された充電時間を示す情報を充電完了予測情報として前記ステーション側表示装置に表させる表示制御部と、電気自動車の前記蓄電池を充電するための電力を出力する電力出力装置とを備え、前記自動車側システムは、前記蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報を含む、前記蓄電池を充電するのに必要な必要電力量を計算するための必要電力量計算情報に基づいて、前記必要電力量を計算する電力量計算部と、前記蓄電池の残量を測定し、前記蓄電池残量情報として前記電力量計算部に提供する電池残量測定部と、前記必要電力量と前記電力出力装置の電力供給能力とから、前記蓄電池を充電するのに必要な充電時間を計算し、得られた充電時間を示す情報をステーション側システムの前記表示制御部に提供する充電時間計算部とを備えていることを特徴としている。
【0038】
上記の構成によれば、自動車側システムにおいて、電力量計算部は、蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報を含む、蓄電池を充電するのに必要な必要電力量を計算するための必要電力量計算情報に基づいて、必要電力量を計算する。電池残量測定部は、蓄電池の残量を測定し、蓄電池残量情報として電力量計算部に提供する。充電時間計算部は、必要電力量と電力出力装置の電力供給能力とから、蓄電池を充電するのに必要な充電時間を計算し、得られた充電時間を示す情報をステーション側システムの表示制御部に提供する。ステーション側システムの表示制御部は、入力された充電時間を示す情報を充電完了予測情報としてステーション側表示装置に表させる。
【0039】
したがって、充電ステーションを使用するユーザは、ステーション側表示装置の表示によって蓄電池に対する充電の充電完了予測時刻を知ることができる。これにより、ユーザは、蓄電池への充電中において、自動車のそばを離れ、例えば休憩や食事あるいは買い物をするなど、充電中の待ち時間を有効に使用することができる。
【0040】
上記の電気自動車充電システムにおいて、前記電力出力装置は、通常充電出力による電力供給と、通常充電出力よりも前記蓄電池を短時間に充電させる急速充電出力による電力供給とを選択可能である構成としてもよい。
【0041】
上記の構成によれば、ユーザは、短時間の充電完了よりも蓄電池の寿命短縮の防止を優先する場合と、短時間の充電完了を優先する場合とに応じて、通常充電出力による電力供給と、急速充電出力による電力供給とを使い分けることができる。
【0042】
上記の電気自動車充電システムにおいて、前記電力消費率計算部は、前記電力消費率として、直近の所定期間の平均の電力消費率である直近電力消費率、またはこの直近電力消費率の計算に使用した前記所定期間よりも長い所定期間の平均の電力消費率である平均電力消費率を前記電力量計算部に出力する構成としてもよい。
【0043】
上記の構成によれば、直近電力消費率と平均電力消費率とを適宜使い分けることにより、さらに正確に必要電力量を計算することができる。具体的には、直近電力消費率情報は当日の電気自動車に対する負荷、例えば積載された荷物や乗員などの負荷を反映したものとなる。直近電力消費率情報を使用することにより、当日の電気自動車に対する負荷を反映した必要電力量を計算することができる。また、直近電力消費率情報は、たとえば当日には高速道路を中心に走行するなど、ほぼ同一の道路事情の道路を走行する場合に、正確に必要電力量を計算する上で有効である。また、平均電力消費率情報は、たとえば当日には高速道路と一般道路を織り交ぜて走行するなど、道路事情が変化する道路を走行する場合に、正確に必要電力量を計算する上で有効である。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、充電ステーションを使用するユーザは、表示装置の表示によって蓄電池に対する充電の充電完了予測時刻を知ることができる。これにより、ユーザは、蓄電池への充電中において、自動車のそばを離れ、例えば休憩や食事あるいは買い物をするなど、充電中の待ち時間を有効に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態の電気自動車充電システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したステーション側システムの動作を示すフローチャートである。
【図3】図1に示した自動車側システムの動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施の形態の電気自動車充電システムの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態の電気自動車充電システムの構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示した自動車側システムの動作を示すフローチャートである。
【図7】図5に示したステーション側システムの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態を説明するものであって、充電ステーションにおいて、電気自動車の充電をステーション側装置にて行っている状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。図8は、充電ステーションにおいて、電気自動車101の充電をステーション側装置102にて行っている状態を示す説明図である。本実施の形態において、ステーション側装置102は、ステーション側システム1(図1参照)にて構成されている。
【0047】
図1は、本発明の実施の形態の電気自動車充電システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態の電気自動車充電システムは、ステーション側システム1と自動車側システム2とを備えている。ステーション側システム1と自動車側システム2とは、ステーション側システム1が備える充電用ケーブル3にて接続される。ステーション側システム1は充電ステーションに設けられている。充電ステーションは、電気自動車101の蓄電池に電力を補給する設備であり、ガソリン自動車にガソリンを補給する従来のガスステーションと同様、道路に沿って設置されている。自動車側システム2は電気自動車101に備えられている。
【0048】
ステーション側システム1は、表示装置11、入力装置12、電力量計算部13、充電時間計算部14、電力供給制御部15、電力出力装置16および表示制御部17を備えている。自動車側システム2は、カーナビゲーションシステム21、電力消費率計算部22、電池残量測定部23、充電制御部24、電力供給部25および蓄電池26を備えている。
【0049】
自動車側システム2において、カーナビゲーションシステム21は、GPS(global positioning system)機能により、カーナビゲーションシステム21が搭載されている電気自動車101の地図上の位置を特定し、ユーザにて設定されている目的地まで電気自動車101を案内するものである。このために、カーナビゲーションシステム21は、表示装置31、入力装置32、地図データ記憶装置33、位置測定部34、走行距離計算部35、履歴情報記憶装置36および表示制御部37を備えている。
【0050】
入力装置32は、ユーザによる目的地や経路条件等の各種情報の入力に使用される。位置測定部34は、地図データ記憶装置33が記憶する地図データを参照して、GPS機能により地図上の電気自動車101の位置を特定する。
【0051】
走行距離計算部35は、ステーション側システム1の位置からの電気自動車101の残走行距離を計算し、求めた残走行距離をステーション側システム1の電力量計算部13に残走行距離情報として供給する。この残走行距離は、例えばステーション側システム1の位置から、カーナビゲーションシステム21において入力装置32により設定された目的地までの片道の距離もしくは往復の距離である。あるいは、カーナビゲーションシステム21において、入力装置32により直接数値によって設定されたステーション側システム1の位置からの残走行距離である。なお、これら残走行距離(残走行距離情報)は、ステーション側システム1の入力装置12においてユーザにより入力され、入力装置12から電力量計算部13に供給されてもよい。
【0052】
履歴情報記憶装置36は、入力装置32から入力された電気自動車101の乗車人数、電池残量測定部23にて測定された、電気自動車101の走行に伴う電池残量の推移、走行距離計算部35にて算出された走行距離等の履歴情報を記憶する。
【0053】
表示制御部37は、地図データ記憶装置33からの地図データ、位置測定部34にて測定される電気自動車101の位置情報、走行距離計算部35にて計算される電気自動車101の走行距離等に基づいて、電気自動車101の走行を案内するための案内情報等を表示装置31に表示させる。
【0054】
電力消費率計算部22は、履歴情報記憶装置36に記憶されている、履歴情報としての電気自動車101の走行に伴う電池残量の推移および走行距離から、電気自動車101における直近電力消費率(km/KWh)と平均電力消費率(km/KWh)とを計算する。直近電力消費率は、直近の所定期間の平均の電力消費率であり、平均電力消費率は、この直近電力消費率の計算に使用した前記所定期間よりも長い所定期間の平均の電力消費率である。
【0055】
具体的には、直近電力消費率は、例えば直近の1時間での電力消費率、直近の3時間での電力消費率、あるいは当日の電力消費率である。直近電力消費率では、自動車の乗車人数が設定されている場合、求めた電力消費率の情報に乗車人数の情報を付加する。
【0056】
また、平均電力消費率は、例えば直近の1週間での電力消費率、直近の1ヵ月での電力消費率、あるいは直近の6ヵ月での電力消費率など、直近電力消費率よりも長い期間についての平均の電力消費率である。
【0057】
電力残量測定部23は、電気自動車101の走行あるいは充電によって変化する蓄電池26の残量すなわち残電力量を測定する。
【0058】
電力供給部25は、ステーション側システム1の電力出力装置16から出力される電力を蓄電池26に供給して、蓄電池26を充電する。充電制御部24は、電力供給部25から蓄電池26への電力供給を制御する。
【0059】
ステーション側システム1において、表示装置11は、ユーザに対する各種情報の表示を行う。表示制御部17は表示装置11の表示動作を制御する。入力装置12は、ユーザからの入力操作により、ステーション側システム1に対して各種入力および設定を行うためのものである。入力装置12は、表示装置11の位置付近に配置されている。あるいは、表示装置11がタッチパネルからなる場合、表示装置11と一体となっている。
【0060】
電力量計算部13は、入力装置12から入力された必要電力量を計算するための情報、あるいは自動車側システム2から取得した必要電力量を計算するための情報に基づいて、電気自動車101の電池を充電するために、電気自動車101に供給することが必要な電力量、すなわち必要電力量を計算する。
【0061】
ここでは、まず入力装置12において、ユーザにより蓄電池26の蓄積電力量を満杯にする満充電が選択された場合について説明する。
【0062】
(1a)満充電のための必要電力量を計算する場合
電力量計算部13は、入力装置12においてユーザにより満充電が選択された場合、電気自動車101の蓄電池26を満充電するための必要電力量を計算する。この計算において、電力量計算部13は、自動車側システム2の電池残量測定部23からそのときの蓄電池26の残量を示す情報(以下、電池残量情報と称する)を取得する。そして、取得した電池残量情報と、例えば電力量計算部13が保持している車種別の電力消費率(実質的な電力消費率)情報とから、蓄電池26を満充電するための必要電力量を計算する。
【0063】
電気自動車101の車種の選択は、例えば表示装置11においてユーザからの入力を促す表示を行い、それに応じた入力装置12に対するユーザからの入力に従って行ってもよい。あるいは、電力量計算部13が保持する車種別の電力消費率を使用する代わりに、自動車側システム2の電力消費率計算部22から当該電気自動車101の電力消費率を示す情報(電力消費率情報)を取得し、それを使用してもよい。この場合、直近電力消費率と平均電力消費率とのいずれを使用するかは、例えばユーザによる設定に応じて選択してもよい。
【0064】
次に、入力装置12から入力された情報に基づいて必要電力量を計算する場合について説明する。
【0065】
(2a)入力装置12から直接に必要電力量の数値が入力された場合
電力量計算部13は、必要電力量を計算することなく、入力された電力量を必要電力量とする。
【0066】
(2b)入力装置12から直接に残走行距離の数値が入力された場合
電力量計算部13は、残走行距離を走行するための必要電力量を計算する。この計算において、電力量計算部13は、自動車側システム2の電池残量測定部23から電池残量情報を取得し、例えば電力量計算部13が保持している車種別の電力消費率(実質的な電力消費率)情報を参照して、残走行距離を走行するための必要電力量を計算する。電気自動車101の車種の選択は、例えば表示装置11においてユーザからの入力を促す表示を行い、それに応じた入力装置12に対するユーザからの入力に従って行ってもよい。あるいは、電力量計算部13が保持する車種別の電力消費率情報を使用する代わりに、自動車側システム2の電力消費率計算部22から電力消費率情報を取得し、それを使用してもよい。この場合、直近電力消費率と平均電力消費率とのいずれを使用するかは、例えばユーザによる設定に応じて選択してもよい。
【0067】
(2c)入力装置12から目的地が入力された場合
電力量計算部13は、例えば電力量計算部13が備えている地図データを参照して、目的地までの片道の距離もしくは往復の距離を求め、その距離を残走行距離として、必要電力量を計算する。残走行距離に基づいて必要電力量を計算する方法は、上記(2b)の場合と同様である。
【0068】
次に、自動車側システム2から取得した必要電力量を計算するための情報に基づいて必要電力量を計算する場合について説明する。
【0069】
(3a)自動車側システム2から取得した必要電力量を計算するための情報に基づいて必要電力量を計算する場合
電力量計算部13は、自動車側システム2の走行距離計算部35から残走行距離情報を取得し、電力消費率計算部22から電気自動車101の電力消費率情報を取得し、電池残量測定部23から電池残量情報を取得する。そして、これら残走行距離情報、電力消費率情報および電池残量情報から、残走行距離情報が示す残走行距離を走行するのに必要な必要電力量を計算する。なお、この場合にも、直近電力消費率と平均電力消費率とのいずれを使用するかは、例えば予めの設定に応じて選択可能である。
【0070】
充電時間計算部14は、電力量計算部13にて計算された必要電力量を示す情報、および電力出力装置16から出力される単位時間当たりの電力量を示す情報に基づいて、電気自動車101の蓄電池26を充電するのに要する時間を計算する。そして、表示装置11に充電完了予測時刻、充電に必要な予測時間、あるいはこれら両者を表示させる。
【0071】
なお、電力出力装置16からの単位時間当たりの出力電力量に関し、ステーション側システム1が急速充電と通常充電とに対応可能な場合には、表示装置11での表示、もしくは音声あるいはその両者により、ユーザに対していずれを選択するか求めるようにしてもよい。あるいは、ステーション側システム1が急速充電用の充電用ケーブル3と通常充電用の充電用ケーブル3を備え、ユーザがいずれの充電用ケーブル3を選択するかによって、急速充電と通常充電とのいずれかが自ずと選択される構成としてもよい。
【0072】
ここで、蓄電池26に対して、エンプティ状態から満充電を行う場合の通常充電、および急速充電の例(例えば三菱I-MIEV)を示すと次のとおりである。、
通常充電の場合、供給電力:AC200V(15A)、所要時間:約7時間(満充電)
供給電力:AC100V(15A)、所要時間:約14時間(満充電)
急速充電の場合、供給電力:三相200V(50KW)、所要時間:約30分(80%充電)
なお、短時間充電を目的とした急速充電の場合には、蓄電池26の特性上、満充電に近づくにつれ充電時間が長くなるため、所要時間30分、80%充電で充電完了としている。また、上記例の蓄電池26において、満充電ので走行可能距離は160km程度(一定環境での走行)、実際には使用環境により例えば90km程度(エアコン等使用時)と考えられる。
【0073】
また、充電ステーションにおいて、三相200V(50KW)の契約電源で急速充電装置2基を設置する場合、1基あたり25KWずつとなる。したがって、上記蓄電池26の例(三菱I-MIEV)を充電する場合、三相200V(25KW)にて、所要時間約60分(80%充電)となる。
【0074】
また、充電装置2基設置の充電ステーションにおいて、1台目の電気自動車101の充電を50KW、所要時間30分として開始すると、その後に充電する2台目の電気自動車101においても急速充電を選択した場合、所要時間は1台目が終了するまでの時間プラス30分となる。
【0075】
また、表示装置11での表示、もしくは音声あるいはその両者により、ユーザに対して急速充電と通常充電とのいずれかの選択を求める場合において、蓄電池26の寿命に対しては通常充電が好ましいことを表示装置11での表示、もしくは音声あるいはその両者により、ユーザに対して報知するようにしてもよい。
【0076】
電力供給制御部15は、電力量計算部13にて計算された必要電力量が電力出力装置16から出力されるように、電力出力装置16の電力出力動作を制御する。電力出力装置16は、電力供給制御部15の制御にしたがって、自動車側システム2の蓄電池26に対して、充電用の電力を供給する。
【0077】
充電用ケーブル3は、電力ケーブルおよび通信ケーブルとしての機能を有する。すなわち、ステーション側システム1において、充電用ケーブル3が電気自動車101すなわち自動車側システム2に接続されることにより、ステーション側システム1から自動車側システム2の蓄電池26への電力供給、およびステーション側システム1と自動車側システム2との通信が可能となる。
【0078】
充電用ケーブル3の先端部には、電気自動車101側のコネクタと接続するためのコネクタが設けられている。なお、ステーション側システム1が急速充電と通常充電とに対応可能な場合には、上記のように、充電用ケーブル3として急速充電用のものと通常充電用のものとが備えられていてもよい。
【0079】
上記の構成において、図1に示した電気自動車充電システムの動作について以下に説明する。図2は、図1に示したステーション側システム1の動作を示すフローチャート、図3は図1に示した自動車側システム2の動作を示すフローチャートである。
【0080】
まず、ステーション側システム1の動作について説明する。図2において、電気自動車101が充電ステーションに駐車され、ユーザにて充電用ケーブル3が電気自動車101に接続され、この状態を検知すると(S11)、電力量計算部13は、電気自動車101の蓄電池26を充電するのに必要となる必要電力量を計算するための情報を取得する(S12)。
【0081】
次に、電力量計算部13は、電気自動車101の蓄電池26を充電するのに必要となる必要電力量を計算する(S13)。
【0082】
ここで、S12において取得する、必要電力量を計算するために取得する情報、およびS13において、蓄電池26を充電するための必要電力量を計算する方法については、前述のように、(1a)満充電のための必要電力量を計算する場合、(2a)入力装置12から直接に必要電力量の数値が入力された場合、(2b)入力装置12から直接に残走行距離の数値が入力された場合、(2c)入力装置12から目的地が入力された場合、(3a)自動車側システム2から取得した必要電力量を計算するための情報に基づいて必要電力量を計算する各場合において説明したとおりである。
【0083】
次に、充電時間計算部14は、電力量計算部13にて計算された必要電力量を蓄電池26に充電するのに必要な時間すなわち充電完了予測時間を計算する。この場合には、電力出力装置16の能力、すなわち単位時間あたりに出力可能な電力量を考慮して行う(S14)。充電時間計算部14にて計算された充電完了予測時間は、ステーション側システム1の表示制御部17および自動車側システム2の表示制御部37に供給される。
【0084】
次に、表示制御部17は、充電時間計算部14にて計算された充電完了予測時間を表示装置11に表示させる。この充電完了予測時間は、スピーカ(図示せず)からの音声によってもユーザに報知される(S15)。なお、表示装置11およびスピーカの音声は、充電完了予測時間に代えて充電完了予測時刻を報知するもの、あるいは充電完了予測時間および充電完了予測時刻の両者を報知するものであってもよい。
【0085】
次に、電力供給制御部15は、電力量計算部13にて計算された必要電力量が電力出力装置16から出力されるように、電力出力装置16の動作を制御する。これにより、電気自動車101の蓄電池26に対する充電動作が開始される(S16)。
【0086】
その後、蓄電池26の充電が完了すると(S17)、電力供給制御部15は電力出力装置16から電気自動車101への電力供給を終了する。これにより、電気自動車101の蓄電池26に対する充電動作が終了する(S18)。
【0087】
ここで、電力供給制御部15は、S17において、電力出力装置16から電気自動車101への電力量計算部13にて計算された必要電力量の供給が完了した場合に、充電の完了と判定する。なお、S17での充電の完了の判定については、自動車側システム2の電池残量測定部23において、電力量計算部13にて計算された必要電力量が蓄電池26に充電されたことが確認された場合に、充電の完了とする構成であってもよい。
【0088】
また、電力供給制御部15は、S18において充電動作を終了すると、その情報をステーション側システム1の表示制御部17および自動車側システム2の表示制御部37に伝える。表示制御部17は、電力供給制御部15からの充電動作終了の情報に基づいて、表示装置11に蓄電池26の充電が完了した旨を表示させる。また、充電完了は、スピーカ(図示せず)からの音声によってもユーザに報知される(S19)。
【0089】
その後、ステーション側システム1は、充電用ケーブル3が電気自動車101から抜脱されると(S20)、動作を終了する。
【0090】
次に、自動車側システム2の動作について説明する。図3において、自動車側システム2では、電気自動車101が充電ステーションに駐車され、ユーザにて充電用ケーブル3が電気自動車101に接続され、この状態を検知すると(S31)、ステーション側システム1からの要求、あるいは予めの設定に応じて、電気自動車101の蓄電池26を充電するのに必要となる必要電力量を計算するための情報をステーション側システム1に出力する(S32)。
【0091】
ここで、S32において出力される情報は、前述のように、(1a)満充電のための必要電力量を計算する場合、(2a)入力装置12から直接に必要電力量の数値が入力された場合、(2b)入力装置12から直接に残走行距離の数値が入力された場合、(2c)入力装置12から目的地が入力された場合、(3a)自動車側システム2から取得した必要電力量を計算するための情報に基づいて必要電力量を計算する各場合において説明した、自動車側システム2から提供される情報である。
【0092】
次に、表示制御部37は、ステーション側システム1の充電時間計算部14から充電完了予測時間情報を受信すると、その情報に基づいて表示装置31に充電完了予測時間を表示させる。この充電完了予測時間は、スピーカ(図示せず)からの音声によってもユーザに報知される(S33)。ステーション側システム1から提供される情報が充電完了予測時刻情報である場合、あるいは充電完了予測時間情報および充電完了予測時刻情報の両者である場合には、提供される情報に応じた報知を表示装置31およびスピーカにて行う。
【0093】
次に、電力供給部25は、ステーション側システム1の電力出力装置16の電力供給を受けて、蓄電池26に対する充電動作を開始する(S34)。この電力供給部25による蓄電池26に対しての充電動作は、充電制御部24にて監視される。また、蓄電池26の充電に伴う残量の推移は、充電の開始から充電の完了まで、電池残量測定部23にて適宜測定される。測定結果は、電力量計算部13に送信され、かつ履歴情報記憶装置36に記憶される。
【0094】
その後、蓄電池26に対する充電が完了すると、ステーション側システム1の電力出力装置16からの電力供給が停止され、それと同時にステーション側システム1の電力供給制御部15から自動車側システム2の充電制御部24に対して充電の完了が通知される(S35)。これに伴い、電力供給部25は蓄電池26に対する充電動作を終了する(S36)。
【0095】
次に、表示制御部37は、ステーション側システム1の電力供給制御部15から充電動作終了の通知を受けると、表示装置31に蓄電池26の充電が完了した旨を表示させる。また、充電完了は、スピーカ(図示せず)からの音声によってもユーザに報知される(S37)。
【0096】
その後、自動車側システム2は、充電用ケーブル3が電気自動車101から抜脱されると(S38)、動作を終了する。
【0097】
以上のように、本実施の形態の電気自動車充電システムでは、ステーション側システム1の表示装置11および自動車側システム2の表示装置31において、電気自動車101の蓄電池26に対する充電完了予測時間と充電完了予測時刻との少なくとも一方を表示するようになっている。したがって、ユーザは、表示装置11もしくは表示装置31の表示を参照することにより、充電完了予測時刻を知ることができる。これにより、蓄電池26の充電に、ガソリンの補給の場合と比較して、長い時間を要する場合であっても、電気自動車101の位置から離れて、充電中の時間を休憩や食事あるいは買い物などに有効に使うことができる。
【0098】
また、ステーション側システム1の電力量計算部13において、自動車側システム2から取得した電力消費率情報に基づいて必要電力量を計算する場合、電力消費率情報は、充電される電気自動車101の実際の走行履歴に基づく電力消費率を反映したものとなるので、正確な必要電力量を求めることができる。
【0099】
また、この場合において、直近電力消費率情報を使用する場合、直近電力消費率情報は当日の電気自動車101に対する負荷、例えば積載された荷物や乗員などの負荷を反映したものとなるので、さらに正確に必要電力量を計算することができる。
【0100】
また、直近電力消費率情報は、たとえば当日には高速道路を中心に走行するなど、ほぼ同一の道路事情の道路を走行する場合に、正確に必要電力量を計算する上で有効である。また、平均電力消費率情報は、たとえば当日には高速道路と一般道路を織り交ぜて走行するなど、道路事情が変化する道路を走行する場合に、正確に必要電力量を計算する上で有効である。
【0101】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。図4は、本発明の実施の形態の電気自動車充電システムの構成を示すブロック図である。
【0102】
図4に示すように、本実施の形態の電気自動車充電システムは、図1に示したステーション側システム1および自動車側システム2に代えて、ステーション側システム51および自動車側システム52備えている。
【0103】
この電気自動車充電システムでは、図1の自動車側システム2に備えられていた電力消費率計算部22がステーション側システム51に備えられている。また、ステーション側システム51には、走行距離計算部53および地図データ記憶装置54が追加されている。
【0104】
上記の構成により、ステーション側システム51において、電力消費率計算部22は、自動車側システム2の履歴情報記憶装置36から取得した情報に基づいて電力消費率を計算する。計算方法は、実施の形態1の場合と同様である。
【0105】
また、ステーション側システム51では、入力装置12から目的地を入力することにより、独立して設けられた走行距離計算部53および地図データ記憶装置54により、残走行距離情報を取得できる。残走行距離情報が示す残走行距離の計算方法は実施の形態1において説明したとおりある。電力量計算部13は、電力消費率計算部22からの電力消費率情報、走行距離計算部53からの残走行距離情報、および自動車側システム2の電池残量測定部23からの電池残量情報に基づいて必要電力量を計算する。他の構成は、実施の形態1の場合と同様である。
【0106】
上記のように、本実施の形態の電気自動車充電システムでは、図1に示した電気自動車充電システムに対して、電力消費率の計算をステーション側システム51の電力消費率計算部22にて行い、残走行距離の計算をステーション側システム51の走行距離計算部53にて行うという構成上の相違はあるものの、基本的な動作は、図2および図3のフローチャートにおいて説明したとおりである。
【0107】
したがって、本実施の形態の電気自動車充電システムにおいても、ステーション側システム1の表示装置11および自動車側システム2の表示装置31において、電気自動車101の蓄電池26に対する充電完了予測時間と充電完了予測時刻との少なくとも一方を表示するようになっている。したがって、ユーザは、表示装置11もしくは表示装置31の表示を参照することにより、充電完了予測時刻を知ることができる。これにより、蓄電池26の充電に、ガソリンの補給の場合と比較して、長い時間を要する場合であっても、電気自動車101の位置から離れて、充電中の時間を休憩や食事あるいは買い物などに有効に使うことができる。
【0108】
さらに、次の点についても同様である。すなわち、ステーション側システム1の電力量計算部13において、電力消費率計算部22から取得した電力消費率情報に基づいて必要電力量を計算する場合、電力消費率情報は、充電される電気自動車101の実際の走行履歴に基づく電力消費率を反映したものとなるので、正確な必要電力量を求めることができる。
【0109】
また、この場合において、直近電力消費率情報を使用する場合、直近電力消費率情報は当日の電気自動車101に対する負荷、例えば積載された荷物や乗員などの負荷を反映したものとなるので、さらに正確に必要電力量を計算することができる。
【0110】
また、直近電力消費率情報は、たとえば当日には高速道路を中心に走行するなど、ほぼ同一の道路事情の道路を走行する場合に、正確に必要電力量を計算する上で有効である。また、平均電力消費率情報は、たとえば当日には高速道路と一般道路を織り交ぜて走行するなど、道路事情が変化する道路を走行する場合に、正確に必要電力量を計算する上で有効である。
【0111】
〔実施の形態3〕
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。図5は、本発明の実施の形態の電気自動車充電システムの構成を示すブロック図である。
【0112】
図5に示すように、本実施の形態の電気自動車充電システムは、図1に示したステーション側システム1および自動車側システム2に代えて、ステーション側システム61および自動車側システム62備えている。
【0113】
この電気自動車充電システムでは、図1のステーション側システム1に備えられていた電力量計算部13および充電時間計算部14が自動車側システム62に備えられている。
【0114】
上記の構成により、自動車側システム62において、電力量計算部13は、電力消費率計算部22からの電力消費率情報、走行距離計算部35からの残走行距離情報、および電池残量測定部23からの電池残量情報に基づいて必要電力量を計算する。充電時間計算部14は、電力量計算部13にて計算された必要電力量を示す情報、および電力供給制御部15から提供される、電力出力装置16から出力される単位時間当たりの電力量を示す情報に基づいて、電気自動車101の蓄電池26を充電するのに要する時間を計算する。他の構成は、実施の形態1の場合と同様である。
【0115】
上記の構成において、図5に示した電気自動車充電システムの動作につて以下に説明する。図6は、図5に示した自動車側システム62の動作を示すフローチャート、図7は図5に示したステーション側システム61の動作を示すフローチャートである。
【0116】
まず、自動車側システム62の動作について説明する。図6において、電気自動車101が充電ステーションに駐車され、ユーザにて充電用ケーブル3が電気自動車101に接続され、この状態を検知すると(S51)、電力量計算部13は、蓄電池26を充電するのに必要となる必要電力量を計算するための情報を取得する(S52)。
【0117】
次に、電力量計算部13は、電気自動車101の蓄電池26を充電するのに必要となる必要電力量を計算する(S53)。
【0118】
ここで、S52において取得する、必要電力量を計算するために取得する情報、およびS53において、蓄電池26を充電するための必要電力量を計算する方法については、前述のように、(1a)満充電のための必要電力量を計算する場合、(2a)入力装置12から直接に必要電力量の数値が入力された場合、(2b)入力装置12から直接に残走行距離の数値が入力された場合、(2c)入力装置12から目的地が入力された場合、(3a)自動車側システム2から取得した必要電力量を計算するための情報に基づいて必要電力量を計算する各場合において説明したとおりである。
【0119】
次に、充電時間計算部14は、電力量計算部13にて計算された必要電力量を蓄電池26に充電するのに必要な時間すなわち充電完了予測時間を計算する(S54)。この場合には、電力出力装置16の能力、すなわち単位時間あたりに出力可能な電力量についての情報を、ステーション側システム61の電力供給制御部15から取得し、その情報を考慮して行う。充電時間計算部14にて計算された充電完了予測時間は、ステーション側システム61の表示制御部17および自動車側システム62の表示制御部37に供給される。
【0120】
次に、表示制御部37は、充電時間計算部14にて計算された充電完了予測時間を表示装置31に表示させる。この充電完了予測時間は、スピーカ(図示せず)からの音声によってもユーザに報知される(S55)。なお、表示装置31およびスピーカの音声は、充電完了予測時間に代えて充電完了予測時刻を報知するもの、あるいは充電完了予測時間および充電完了予測時刻の両者を報知するものであってもよい。
【0121】
次に、電力供給部25は、ステーション側システム61の電力出力装置16の電力供給を受けて、蓄電池26に対する充電動作を開始する(S56)。この電力供給部25による蓄電池26に対しての充電動作は、充電制御部24にて監視される。また、蓄電池26の充電に伴う残量の推移は、充電の開始から充電の完了まで、電池残量測定部23にて適宜測定される。測定結果は、電力量計算部13に送られ、かつ履歴情報記憶装置36に記憶される。
【0122】
その後、蓄電池26に対する充電が完了すると、ステーション側システム61の電力出力装置16からの電力供給が停止され、それと同時にステーション側システム61の電力供給制御部15から自動車側システム62の充電制御部24に対して充電の完了が通知される(S57)。これに伴い、電力供給部25は蓄電池26に対する充電動作を終了する(S58)。
【0123】
次に、表示制御部37は、ステーション側システム61の電力供給制御部15から充電動作終了の通知を受けると、表示装置31に蓄電池26の充電が完了した旨を表示させる。また、充電完了は、スピーカ(図示せず)からの音声によってもユーザに報知される(S59)。
【0124】
その後、自動車側システム62は、充電用ケーブル3が電気自動車101から抜脱されると(S60)、動作を終了する。
【0125】
次に、ステーション側システム61の動作について説明する。図7において、ステーション側システム61では、電気自動車101が充電ステーションに駐車され、ユーザにて充電用ケーブル3が電気自動車101に接続されると、この状態を検知する(S81)。
【0126】
次に、表示制御部17は、自動車側システム62の充電時間計算部14から充電完了予測時間情報を受信すると、その情報に基づいて表示装置11に充電完了予測時間を表示させる。この充電完了予測時間は、スピーカ(図示せず)からの音声によってもユーザに報知される(S82)。自動車側システム62から提供される情報が充電完了予測時刻情報である場合、あるいは充電完了予測時間情報および充電完了予測時刻情報の両者である場合には、提供される情報に応じた報知を表示装置11およびスピーカにて行う。
【0127】
次に、電力供給制御部15は、自動車側システム62の電力量計算部13にて計算された必要電力量が電力出力装置16から出力されるように、電力出力装置16の動作を制御する。これにより、電気自動車101の蓄電池26に対する充電動作が開始される(S83)。
【0128】
その後、蓄電池26の充電が完了すると(S84)、電力供給制御部15は電力出力装置16から電気自動車101への電力供給を終了する。これにより、電気自動車101の蓄電池26に対する充電動作が終了する(S85)。
【0129】
ここで、電力供給制御部15は、S84において、電力出力装置16から電気自動車101への電力量計算部13にて計算された必要電力量の供給が完了した場合に、充電の完了と判定する。なお、S84での充電の完了の判定については、自動車側システム2の電池残量測定部23において、電力量計算部13にて計算された必要電力量が蓄電池26に充電されたことが確認された場合に、充電の完了とする構成であってもよい。
【0130】
また、電力供給制御部15は、S85において充電動作を終了すると、その情報をステーション側システム1の表示制御部17および自動車側システム2の表示制御部37に伝える。表示制御部17は、電力供給制御部15からの充電動作終了の情報に基づいて、表示装置11に蓄電池26の充電が完了した旨を表示させる。また、充電完了は、スピーカ(図示せず)からの音声によってもユーザに報知される(S86)。
【0131】
その後、ステーション側システム1は、充電用ケーブル3が電気自動車101から抜脱されると(S87)、動作を終了する。
【0132】
上記のように、本実施の形態の電気自動車充電システムにおいても、ステーション側システム61の表示装置11および自動車側システム62の表示装置31において、電気自動車101の蓄電池26に対する充電完了予測時間と充電完了予測時刻との少なくとも一方を表示するようになっている。したがって、ユーザは、表示装置11もしくは表示装置31の表示を参照することにより、充電完了予測時刻を知ることができる。これにより、蓄電池26の充電に、ガソリンの補給の場合と比較して、長い時間を要する場合であっても、電気自動車101の位置から離れて、充電中の時間を休憩や食事あるいは買い物などに有効に使うことができる。
【0133】
また、電力消費率情報に基づいて必要電力量を計算する場合には正確な必要電力量を求めることができる点、また、直近電力消費率情報と平均電力消費率情報とを適宜使い分けることにより、さらに正確に必要電力量を計算できる点については、前述のとおりである。
【0134】
最後に、電気自動車充電システムの各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0135】
すなわち、電気自動車充電システムは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである電気自動車充電システムの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記電気自動車充電システムに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0136】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0137】
また、電気自動車充電システムを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0138】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0139】
1,51,61 ステーション側システム
2,52,62 自動車側システム
3 充電用ケーブル
11 表示装置(ステーション側表示装置)
12 入力装置(ステーション側入力装置)
13 電力量計算部
14 充電時間計算部
15 電力供給制御部
16 電力出力装置
17 表示制御部
21 カーナビゲーションシステム
22 電力消費率計算部
23 電池残量測定部
24 充電制御部
25 電力供給部
26 蓄電池
31 表示装置(自動車側表示装置)
32 入力装置(自動車側入力装置)
33,54 地図データ記憶装置
34 位置測定部
35,53 走行距離計算部
36 履歴情報記憶装置
37 表示制御部
101 電気自動車
102 ステーション側装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、
電気自動車の蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報を含む、前記蓄電池を充電するのに必要な必要電力量を計算するための必要電力量計算情報に基づいて、前記必要電力量を計算する電力量計算部と、
前記必要電力量、および電気自動車の蓄電池を充電するための電力を出力する電力出力装置の電力供給能力から、前記蓄電池を充電するのに必要な充電時間を計算する充電時間計算部と、
前記充電時間計算部にて計算された充電時間を充電完了予測情報として前記表示装置に表させる表示制御部とを備えていることを特徴とする電気自動車充電装置。
【請求項2】
電気自動車の蓄電池を充電するための電力を出力する電力出力装置を備え、前記電力出力装置は、通常充電出力による電力供給と、通常充電出力よりも前記蓄電池を短時間に充電させる急速充電出力による電力供給とを選択可能であることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車充電装置。
【請求項3】
前記必要電力量計算情報は、前記電気自動車が走行すべき距離を示す残走行距離情報をさらに含み、
前記電力量計算部は、前記蓄電池残量情報および前記残走行距離情報に基づいて、前記残走行距離情報が示す距離を走行するために前記蓄電池に補給すべき電力量を前記必要電力量として計算することを特徴とする請求項1または2に記載の電気自動車充電装置。
【請求項4】
電気自動車に設けられた自動車側システムと、電気自動車の蓄電池を充電する充電ステーションに設けられた、前記自動車側システムと通信するステーション側システムとを備え、
前記ステーション側システムは、
ステーション側表示装置と、
電気自動車の前記蓄電池を充電するための電力を出力する電力出力装置と、
前記蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報を含む、前記蓄電池を充電するのに必要な必要電力量を計算するための必要電力量計算情報に基づいて、前記必要電力量を計算する電力量計算部と、
前記必要電力量と前記電力出力装置の電力供給能力とから、前記蓄電池を充電するのに必要な充電時間を計算する充電時間計算部と、
前記充電時間計算部にて計算された充電時間を充電完了予測情報として前記ステーション側表示装置に表させる表示制御部とを備え、
前記自動車側システムは、
前記蓄電池の残量を測定し、前記蓄電池残量情報として前記電力量計算部に提供する電池残量測定部を備えていることを特徴とする電気自動車充電システム。
【請求項5】
前記ステーション側システムの充電時間計算部は、計算した充電時間を自動車側システムにも提供し、
前記自動車側システムは、
自動車側表示装置と、
前記充電時間計算部にて計算された充電時間を充電完了予測情報として前記自動車側表示装置に表させる表示制御部とを備えていることを特徴とする請求項4に記載の電気自動車充電システム。
【請求項6】
前記必要電力量計算情報は、前記電気自動車が走行すべき距離を示す残走行距離情報をさらに含み、
前記電力量計算部は、前記蓄電池残量情報および前記残走行距離情報に基づいて、前記残走行距離情報が示す距離を走行するために前記蓄電池に補給すべき電力量を前記必要電力量として計算することを特徴とする請求項4または5に記載の電気自動車充電システム。
【請求項7】
前記自動車側システムは、
自動車側入力装置と、
地図データを記憶する地図データ記憶装置と、
前記地図データが示す地図上の、電気自動車の位置および前記自動車側入力装置から入力された目的地の位置を特定する位置測定部と、
前記位置測定部にて特定された、充電ステーションの電気自動車の位置から前記目的地までの片道の距離もしくは往復の距離を示す情報を前記残走行距離情報として前記ステーション側システムの前記電力量計算部に出力する走行距離計算部を備えていることを特徴とする請求項6に記載の電気自動車充電システム。
【請求項8】
ステーション側システムは、
ステーション側入力装置と、
地図データを記憶する地図データ記憶装置と、
前記地図データが示す地図上の充電ステーションの位置および前記ステーション側入力装置から入力された目的地の位置を特定するとともに、充電ステーションの位置から前記目的地までの片道の距離もしくは往復の距離を示す情報を前記残走行距離情報として前記電力量計算部に出力する走行距離計算部を備えていることを特徴とする請求項6に記載の電気自動車充電システム。
【請求項9】
前記自動車側システムは、
前記電池残量測定部にて測定された、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化を記憶する履歴情報記憶装置と、
前記履歴情報記憶装置が記憶する、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化と電気自動車の走行距離との関係から、電気自動車の電力消費率を計算して前記電力量計算部に出力する電力消費率計算部とを備え、
前記ステーション側システムの前記電力量計算部は、前記電力消費率を含む必要電力量計算情報に基づいて、前記必要電力量を計算することを特徴とする請求項4から8のいずれか1項に記載の電気自動車充電システム。
【請求項10】
前記自動車側システムは、
前記電池残量測定部にて測定された、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化を記憶する履歴情報記憶装置を備え、
前記ステーション側システムは、
前記履歴情報記憶装置が記憶する、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化と電気自動車の走行距離との関係から、電気自動車の電力消費率を計算して前記電力量計算部に出力する電力消費率計算部を備え、
前記ステーション側システムの前記電力量計算部は、前記電力消費率を含む必要電力量計算情報に基づいて、前記必要電力量を計算することを特徴とする請求項4から8のいずれか1項に記載の電気自動車充電システム。
【請求項11】
電気自動車に設けられた自動車側システムと、電気自動車の蓄電池を充電する充電ステーションに設けられた、前記自動車側システムと通信するステーション側システムとを備え、
ステーション側システムは、
ステーション側表示装置と、
入力された充電時間を示す情報を充電完了予測情報として前記ステーション側表示装置に表させる表示制御部と、
電気自動車の前記蓄電池を充電するための電力を出力する電力出力装置とを備え、
前記自動車側システムは、
前記蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報を含む、前記蓄電池を充電するのに必要な必要電力量を計算するための必要電力量計算情報に基づいて、前記必要電力量を計算する電力量計算部と、
前記蓄電池の残量を測定し、前記蓄電池残量情報として前記電力量計算部に提供する電池残量測定部と、
前記必要電力量と前記電力出力装置の電力供給能力とから、前記蓄電池を充電するのに必要な充電時間を計算し、得られた充電時間を示す情報をステーション側システムの前記表示制御部に提供する充電時間計算部とを備えていることを特徴とする電気自動車充電システム。
【請求項12】
前記電力出力装置は、通常充電出力による電力供給と、通常充電出力よりも前記蓄電池を短時間に充電させる急速充電出力による電力供給とを選択可能であることを特徴とする請求項4から11のいずれか1項に記載の電気自動車充電システム。
【請求項13】
前記電力消費率計算部は、前記電力消費率として、直近の所定期間の平均の電力消費率である直近電力消費率、またはこの直近電力消費率の計算に使用した前記所定期間よりも長い所定期間の平均の電力消費率である平均電力消費率を前記電力量計算部に出力することを特徴とする請求項9または10に記載の電気自動車充電システム。
【請求項14】
電気自動車の蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報を含む、前記蓄電池を充電するのに必要な必要電力量を計算するための必要電力量計算情報に基づいて、前記必要電力量を計算する電力量計算工程と、
前記必要電力量、および電気自動車の蓄電池を充電するための電力を出力する電力出力装置の電力供給能力から、前記蓄電池を充電するのに必要な充電時間を計算する充電時間計算工程と、
前記充電時間計算工程にて計算された充電時間を充電完了予測情報として表示装置に表させる表示制御工程とを備えていることを特徴とする電気自動車充電方法。
【請求項15】
請求項1から3のいずれか1項に記載の電気自動車充電装置の前記の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−139008(P2012−139008A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288811(P2010−288811)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】