説明

電気調理器の蓋置台

【課題】ホットプレートに使用されるような大型の蓋であっても大きな置き場所をとらず、コンパクトに立て掛けて置くことができる電気調理器の蓋置台を提供することを課題とする。
【解決手段】ホットプレートの蓋300を立て掛けて置くホットプレートの蓋置台1であって、脚部110から上方に立ち上げて上部に形作られた蓋立て掛け部120と、下部に形作られた受皿取付部130とをフレームにより形成したフレーム枠体100を設け、凹形状を有し、その凹形状の周縁の一部に傾斜姿勢の蓋300の下部側を係合して支持する係合支持部210と、前記受皿取付部130を形作るフレームに位置規制されて支持される位置規制部220とを備えた受皿200を、前記フレーム枠体100に取り付けて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ホットプレート等に用いられるような電気調理器の蓋置台に関し、さらに詳しくは蓋を立て掛けてコンパクトに置くことができる電気調理器の蓋置台に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気調理器は調理能力が高く、利用者の希望する多様な調理要請に応えることができることから家庭内等においても広く使用されている。
【0003】
しかし、この種の電気調理器は平面的に大きな調理面を有しているものが多く、その調理面を覆う蓋も電気調理器本体と同じ形状を有するため大型になっていた。このため、大型の蓋は電気調理器本体より取り外して近くに置いておく場合に、調理場所や食卓等の近辺で大きな置き場所を必要とし、大型の蓋の置き場所が定まっていないため蓋を置く場合に不自由していた。さらに、調理中に電気調理器本体より取り外した蓋を置いておく場合に、うつ伏せに置いた場合、あるいは立て掛けておいた場合に、蓋の内面に付着している水滴が垂れて蓋を置いたテーブル等の上面を濡らすという不具合な問題が生じていた。
【0004】
このような問題を解決するため、蓋を立て掛けて置くようにした専用の蓋の立て掛け支持金具が提案されている。例えば、逆U字形の下係合部を、鍋体の周縁部に係合させて取り付け、取り付けられた金具本体の上方に開口されているU字形の上係合部を蓋立て掛け部として利用するようにした蓋の立て掛け支持金具が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
しかし、この場合は鍋体の開口された周縁部に蓋の立て掛け支持金具を取り付けた後、該支持金具に蓋を取り付けて立て掛けるため、蓋を取り付け可能な所定の深さの鍋体が必要である。また、鍋体自体に蓋を立て掛けた場合は、蓋の重みによって鍋体の重心が偏移し、鍋体が転倒するおそれがあり、さらに蓋が調理者の視界を遮り、調理者の手が立て掛けた蓋に当たるおそれがあるなど調理時に制約を受けて、調理に支障が生じる。例えば、ホットプレートのように調理深さが浅く、しかも大きな蓋の場合は不安定な支持構成になりやすく安全性が劣るために適用できなかった。
【0006】
また、蓋の中央上面に突出するツマミにクリップ式の支持金具を着脱させ、該クリップ式の支持金具で蓋を支持して蓋を調理台や卓上に起立姿勢に置くか、あるいは鍋体の周縁部に起立姿勢で取り付けるようにしたものが提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0007】
しかし、この場合はツマミにクリップ式の支持金具を取り付ける構成のため、蓋の中央上面にクリップできるツマミがない場合、例えば蓋の両側に取っ手を有するような蓋の場合には適用できなかった。
【0008】
さらに、支柱を組み合わせて構成される鍋蓋スタンドと、その下部に平面的に配置される汁受けトレーとを上下に配置して構成したものが提案されている(例えば特許文献3参照)。
【0009】
しかし、これらは独立した別々の鍋蓋スタンドと汁受けトレーとの2部品を配置する構成であるため大きな配置スペースを要し、コンパクト化できず、また個別に取り扱うため取扱性が悪い問題を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−198140号
【特許文献2】特開2004−267729号
【特許文献3】特開2002−248058号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこでこの発明は、上述の課題に鑑みホットプレートに使用されるような大型の蓋であっても大きな置き場所をとらず、コンパクトに立て掛けておくことができる電気調理器の蓋置台を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は、電気調理器の蓋を立て掛けて置く電気調理器の蓋置台であって、脚部から上方に立ち上げて上部に形作られた蓋立て掛け部と、下部に形作られた受皿取付部とをフレームにより形成したフレーム枠体を設け、凹形状を有し、その凹形状の周縁の一部に傾斜姿勢の蓋の下部側を係合して支持する係合支持部と、前記受皿取付部を形作るフレームに位置規制されて支持される位置規制部とを備えた受皿を、前記フレーム枠体に取り付けて構成される電気調理器の蓋置台であることを特徴とする。
【0013】
この発明の実施態様として、前記受皿取付部は、前記受皿の外周囲を前記フレームにより支持して前記受皿を着脱自在の載せ置き式に支持することができる。
【0014】
他の実施態様として、前記受皿は、前記フレーム枠体を搭載した基台として構成することができる。
【0015】
他の実施態様として、前記フレーム枠体を、前記基台に巻き付けるように折り畳む折畳構造を有する構成とすることができる。
【0016】
他の実施態様として、前記受皿は、傾斜姿勢の蓋の下部周縁に沿って該受皿の長手方向を滑らかに湾曲させた平面視円弧形状に設けて構成することができる。
【0017】
またこの発明は、電気調理器の蓋を立て掛けて置く電気調理器の蓋置台であって、前記蓋を傾斜させた傾斜姿勢の蓋の下部側を受け入れる凹溝状の傾斜凹部を備えた蓋置ブロックを設け、前記傾斜凹部は、該傾斜凹部への流入水を溜める空間部と、前記蓋の下端部を受け止める底面支点となる第1支点部と、該傾斜凹部内で傾斜対向する上傾斜側の内側面に形成され、該傾斜凹部に受け入れた傾斜姿勢の蓋下部側の傾斜上面に接して該蓋下部側の傾斜上面を局部的に支える上面支点となる第2支点部と、前記第2支点部よりも少なくとも1つが高位に位置して該傾斜凹部内で傾斜対向する下傾斜側の内側面に形成され、該傾斜凹部に受け入れた傾斜姿勢の蓋下部側の傾斜下面に接して該蓋下部側の傾斜下面を局部的に支える下面支点となる第3支点部とを備えた電気調理器の蓋置台を構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、ホットプレートのような電気調理器に用いられる大きな蓋であっても大きな置き場所をとらず、傾斜姿勢に支持してコンパクトに立て掛けて置くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(A)は実施例1のホットプレートの蓋置台を示す外観斜視図、(B)はその分解斜視図。
【図2】(A)は実施例1のホットプレートの蓋置台を示す平面図、(B)はその正面図、(C)はその背面図。
【図3】(A)は実施例1のホットプレートの蓋置台を示す底面図、(B)はその左側面図、(C)はその右側面図。
【図4】(A)は実施例1のホットプレートの蓋置台の使用状態を示す側面図、(B)はその斜視図。
【図5】(A)は実施例2のホットプレートの蓋置台を示す外観斜視図、(B)はその分解斜視図。
【図6】(A)は実施例3のホットプレートの蓋置台を示す外観斜視図、(B)はその斜視図。
【図7】(A)は実施例4のホットプレートの蓋置台を示す外観斜視図、(B)はその折畳状態を示す側面図。
【図8】(A)は実施例5のホットプレートの蓋置台を示す外観斜視図、(B)はその使用状態を示す平面図、(C)はその使用状態を示す側面図。
【図9】実施例6のホットプレートの蓋置台を示す外観斜視図。
【図10】(A)は実施例6のホットプレートの蓋置台を示す平面図、(B)はその正面図、(C)はその背面図。
【図11】(A)は実施例6のホットプレートの蓋置台を示す底面図、(B)はその左側面図、(C)はその右側面図。
【図12】実施例6のホットプレートの蓋置台の使用状態を示す側面図。
【図13】実施例7のホットプレートの蓋置台を示す外観斜視図。
【図14】(A)は実施例7のホットプレートの蓋置台を示す平面図、(B)はその正面図、(C)はその背面図。
【図15】(A)は実施例7のホットプレートの蓋置台を示す底面図、(B)はその左側面図、(C)はその右側面図。
【図16】実施例7のホットプレートの蓋置台の使用状態を示す側面図。
【図17】実施例8のホットプレートの蓋置台を示す外観斜視図。
【図18】(A)は実施例8のホットプレートの蓋置台を示す平面図、(B)はその正面図、(C)はその背面図、(D)はその底面図、(E)はその側面図。
【図19】(A)は実施例8のホットプレートの蓋置台の蓋支持構造を示す要部説明図、(B)はその蓋傾斜支持状態を示す要部縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図面は電気調理器の蓋置台を示し、ホットプレートのような大型の電気調理器の蓋をコンパクトに立て掛けて置くことができる実施形態を示す。
【実施例1】
【0021】
図1、図2及び図3は電気調理器の蓋置台の一例に用いられるホットプレートの蓋置台1を示し、このホットプレートの蓋置台1は図1(A)に示すように、フレーム枠体100と、このフレーム枠体100に取り付けられる受皿200とから構成される。
【0022】
フレーム枠体100は、線状のフレーム101を屈曲して、脚部110と、蓋立て掛け部120と、受皿取付部130とをそれぞれ立体的に形作っている。ここに用いられるフレーム101は耐久性に優れた線材、例えば断面円形の鋼線を使用し、この1本の鋼線を矩形のループ状に構築してフレーム枠体100をシンプルで無駄のない形状に構成している。
【0023】
このうち、脚部110は、図1(B)にも示すように、平面視コ形状の部分であり、該コ形部分の平面的な縦横の3辺が支持脚となり、テーブル等の平面的な上面に置かれる。そして、この脚部110の開放端側の左右より立ち上げた立体的な部分の頂部が蓋立て掛け部120となる。
【0024】
前記蓋立て掛け部120は、フレーム101の立ち上げ方向を平面視コ形状の閉鎖端側に折り返して傾斜姿勢(例えば70度)に立ち上げている。その立上げた両側のフレーム101の上端部を山形状に接合し、立ち上げた部分を三角形状に形作っている。この傾斜姿勢に立上げた三角形状の頂部が逆向きに傾斜対向する蓋300(図4参照)を支える蓋立て掛け部分となる。
【0025】
前記受皿取付部130は、前記脚部110を構成している両側の平行するフレーム101の部分を、さらに支持突起131と受皿搭載フレーム132とにそれぞれ構成している。
【0026】
前記支持突起131は両側の平行する各フレーム101に、該フレーム101の左右に小さく山形状に突出させて設けたものである。該支持突起131は受皿200の側面を支持する間隔に形成され、合計4ヶ所突出させて設けている。これらの支持突起131で囲まれる空間が受皿200の取付空間部となり、ここに受皿200を置いたとき、その受皿200の外側面を4個の支持突起131が挟み込むように支持する構造を有している。
【0027】
前記受皿搭載フレーム132は、左右の支持突起131の間をつないでいる直線状のフレームに該当し、平行する直線状の両フレームが受皿搭載部分となり、ここに受皿200の下面を嵌合させて搭載できるように脚部110の下面より若干上方に浮かして設けている。
【0028】
受皿200は、平面視長楕円形で周縁部を起立させた凹形状を有し、さらに凹形状の上面周縁部に切欠いて設けた係合支持部210と、下面にフレーム嵌合用に凹部形成した溝状の位置規制部220とを備えて構成される。
【0029】
前記係合支持部210は、受皿200の楕円形長手方向の両端部に起立している周縁部の一部をそれぞれ凹形状に切欠いて設けている。この切欠き部分に蓋300の下部側を係合させて、蓋300を傾斜姿勢に支持する役目を有している。この係合支持部210の切欠き形状は傾斜姿勢で立て掛けられる蓋300の下部の傾斜した向きの形状に応じた形に切り欠いて設ける。これにより、蓋300の傾斜姿勢の向きを特定するようにしている。
【0030】
また、受皿200の上面に蓋300を載せた際に、その蓋300に付着している水滴Wが蓋300の内面を伝って流下しても該受皿200の凹部内で溜めることができる貯水機能をも有している。さらに、この受皿200定位置に安定して取り付けるために、受皿200の下面側には位置規制部220が備えられている。
【0031】
前記位置規制部220は、受皿200の下面に形成され、前記脚部110の受皿搭載フレーム132と対応する該受皿200の下面幅方向に、断面逆U字形の溝をフレーム嵌合用として2本平行して形成している。該位置規制部220を前記受皿搭載フレーム132の上方よりそれぞれ嵌合させることにより受皿200をフレーム枠体100の定位置に取り付けることができる。
【0032】
このように受皿200は上面に蓋支持機能と貯水機能を有し、下面に該受皿200の位置決め機能を備えている。なお、受皿200の下面に溝状に形成される位置規制部220と対応する該受皿200の上面側には、その形成に伴う上向きの膨らみ部221が形成される。
【0033】
そして、フレーム枠体100に受皿200を取り付ける際は、フレーム枠体100の受皿取付部130に、その上方より受皿200を水平に載せる。このとき、受皿200の左右の外側面が、その両側に対向する支持突起131に接触し、各支持突起131が受皿200を挟み込んだ状態で対接し、合計4個の支持突起131により受皿200は幅方向が位置決めされて支持される。これと同時に受皿搭載フレーム132上に受皿200の下面に形成されている位置規制部220を嵌め込むと、受皿200は長手方向が位置決めされて支持される。
【0034】
したがって、受皿200をフレーム枠体100の受皿取付部130に位置合せして置くだけで取り付けることが可能になり、受皿200をフレーム枠体100に載せ置き式に取り付けることができる。
【0035】
さらに、受皿200は受皿取付部130によって、該受皿200の縦方向と横方向の位置が位置決め固定されるため、受皿200の取付後は外力を受けても位置ずれするおそれがなく、フレーム枠体100に安定して取り付けることができる。
【0036】
また、フレーム枠体100から受皿200を取り外す際は、利用者が受皿200を掴んで上方に持ち上げると、下方の受皿搭載フレーム132と、その上方の位置規制部220との嵌合が外れて、受皿200を取り外すことができる。このため、受皿200をフレーム枠体100に着脱自在に支持させることができる。
【0037】
さらに、受皿200に蓋300を載せて支持した場合、蓋300の重量が受皿200に掛かるとともに、重心が傾斜した側に寄るため、この重心位置に該ホットプレートの蓋置台1の重心位置が略対応するようにバランスよく設定する。この設定に際しては、例えば、前記蓋立て掛け部120の傾斜角度を調整するとよい。つまり、蓋立て掛け部120の傾斜角度を調整することによって蓋300の重心位置を調整することができる。よって、蓋立て掛け部120の傾斜角度を適用対象の蓋の大きさや形状に応じた最適な角度に設定しておくとよい。
【0038】
このように構成されたホットプレートの蓋置台1の使用状態を、図4を参照して説明する。
ホットプレートの蓋300を立て掛ける場合、図4(A)に示すように、テーブル400の上面に置かれたホットプレートの蓋置台1の受皿200に、利用者が蓋300の中央上面に突出している取っ手310を掴んで該蓋300を略90度回転させて垂直に近い傾斜姿勢にして載せる。
【0039】
このとき、図4(B)に示すように、受皿両側の係合支持部210に、蓋300の下部周縁部320が係合される。さらに、蓋300の上部側を蓋立て掛け部120に近づく側に傾かせる。このとき、傾いた蓋300の傾斜下面側の中間高さ位置が蓋立て掛け部120に受け止められて、起立姿勢に近い傾斜姿勢となる。図4においては、蓋300の傾斜上面側(取っ手側)を蓋立て掛け時の傾斜方向に設定している。
【0040】
さらに、蓋300が傾斜姿勢で立て掛けられているときは、該蓋300の重量がその下方の受皿200に掛かる。そのため、脚部110に載せ置いた受皿200は下方に押し付けられた状態となり、受皿200とその下方の脚部110との結合性が高められる。
【0041】
また、調理直後に立て掛けた蓋300の内面(下面側)に水滴Wが付着している場合は、該水滴Wが自重により立て掛けられた蓋300の内面を伝って流下するが、その水滴Wは下方の受皿200内へと自然に導くことができる。よって、テーブル400の上面は水滴Wによって濡れることがない。
【0042】
さらに、受皿200はフレーム枠体100に載せ置き式に着脱できる構成のため、該受皿200の不使用時にはフレーム枠体100より取り外して個別に管理してもよく、また受皿200やフレーム枠体100を洗浄する場合にも別々に扱うことができ、容易に洗浄できる。
【0043】
また、蓋300の形状が長楕円形状以外に長方形状や円形などの様々の外形状を有していても、その外形状に対応させた形状の受皿にすればよく、各種の蓋を立て掛けることができる。さらに、蓋の取っ手が該蓋の中央部ではなく両側に有するような形態の蓋であっても支障なく適用できる。
【0044】
このようにホットプレートの蓋置台1を使用すれば、蓋300を水平ではなく垂直に近い縦長のスペースの傾斜姿勢に立て掛けておくことができる。このため大きな蓋300であっても大きな配置スペースをとらず、コンパクトな配置状態にて立て掛けておくことができる。さらに、ホットプレートのように調理深さが浅いためにホットプレートの側面に蓋300を立て掛けられないものや、蓋300をホットプレートの近くに頻繁に置いて使用するような場合であっても調理に支障なく適用することができ、蓋の管理が的確に向上する。
【0045】
ことに、大きな蓋をコンパクトに効率よく管理できることから調理途中での蓋の置き場所など不使用時の蓋の置き場所に困らなくなる。さらに、蓋を独立して立て掛ける専用の蓋置台であるためホットプレートの上面を閉じた蓋の使用時と取り外された蓋の不使用時との蓋の置く位置が定まって蓋の取り扱いが容易になる。
【実施例2】
【0046】
図5(A)は実施例2のホットプレートの蓋置台1を示し、このホットプレートの蓋置台1は、実施例1のホットプレートの蓋置台1と比較して受皿取付部140(後述)の構成のみが異なり、他は同じ構成である。このため、同じ構成については同符号を用いてその同じ説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0047】
この実施例2の受皿取付部140は、フレーム枠体100と受皿200とを連結する連結構造を、フレーム枠体100が受皿200の幅方向を挟持して連結するのではなく、フレーム枠体100が受皿200の長手方向を挟持して連結する連結構造を備えたものである。
【0048】
ここに用いられるフレーム枠体100は、図5(B)にも示すように、脚部110のフレーム部分を、受皿200の長手方向両端部の半円形状と同形状に湾曲させた受皿挟持フレーム133を両側に形成している。
【0049】
また、受皿挟持フレーム133の部分では、フレームを屈曲させて受皿200を両側から挟み込む弾性支持機能を持たせている。該両側の受皿挟持フレーム133の弾性支持により受皿200を長手方向の両側より挟持する構成を有している。
【0050】
受皿200は、長手方向両端部の半円形外側面に、前記受皿挟持フレーム133の内周側を係合させる位置規制部を兼ねた断面半円形状の半円形溝230を形成している。このため、フレーム枠体100と受皿200との連結時には、両側の受皿挟持フレーム133を掴んで左右に広げた状態で受皿200の両側の半円形溝230に係合させれば、両者を一体化することができる。したがって、受皿200の下面に位置規制部220(実施例1参照)のような連結構造が不要となり、この受皿200の下面全体がテーブル等の上面に脚部の一部として平面的に置かれる。
【0051】
このような受皿取付部140を備えることにより、フレーム枠体100と受皿200とを連結して一体化できるため単体として扱うことができ、傾けて持ち運んでも受皿200は外れることがない。また、蓋300を起立状態に維持させる縦長のスペースがあれば配置できるため大きな蓋300であっても大きな置き場所をとらず、コンパクトな配置状態にて省スペースに立て掛けておくことができる。
【実施例3】
【0052】
図6(A)は実施例3のホットプレートの蓋置台1を示し、このホットプレートの蓋置台1は、実施例1のホットプレートの蓋置台1と比較して受皿取付部150(後述)の構成のみが異なり、他は同じ構成である。このため、同じ構成については同符号を用いてその同じ説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0053】
この実施例3の受皿取付部150は、フレーム枠体100と受皿200とを連結する連結構造を、フレーム枠体100を受皿200の一側面に枢支させて連結する連結構造に構成したものである。
【0054】
ここに用いられるフレーム枠体100は、図6(B)にも示すように、脚部110として設けられる平行するフレームの両端部を互いに対向させた内向きに屈曲する各L形状の枢支軸151を設け、該枢支軸151を受皿200側で軸支する構成を有している。
【0055】
受皿200は、長手方向の一外側面に前記枢支軸151を枢支させる位置規制部を兼ねた枢支部240が備えられている。該枢支部240は該受皿200の一外側面に沿って水平方向に2か所横長に突出している。そして、該突出している横長突出部の軸心部に開口されている各枢支孔241に前記一対の枢支軸151をそれぞれ挿通させて軸支している。このため、フレーム枠体100と受皿200との連結時には、両側のフレームを掴んで左右に広げた状態で該枢支軸151を受皿200の両側の枢支孔241にそれぞれ挿通させれば、両者を一体化することができる。したがって、受皿200の下面に位置規制部220のような連結構造が不要となり、この受皿200の下面全体がテーブル等の上面に脚部の一部として平面的に置かれる。
【0056】
さらに、受皿200の下面に、滑り止めシートを貼着、あるいは滑り止め加工等を施した滑り止め部250を形成してもよい。この場合は、受皿200の下面が一脚部としてテーブルの上面に接触し、受皿200を一層安定化させて使用することができる。
【0057】
このような受皿取付部150を備えることにより、フレーム枠体100と受皿200とを一体化した状態に連結できる。このため、単体として扱うことができ、傾けて持ち運んでも受皿200は外れることがない。また、蓋300を起立させる縦長のスペースがあれば配置できるため、大きな蓋300であっても省スペースに立て掛けておくことができる。ことに、受皿200が脚部の一部を兼ねて配置される構成となるため、ホットプレートの蓋置台1の幅方向長さを短縮でき、一層コンパクト化することができる。
【実施例4】
【0058】
図7(A)は実施例4のホットプレートの蓋置台1を示し、このホットプレートの蓋置台1は、実施例1のホットプレートの蓋置台1と比較してフレーム枠体100を折畳式にした点が異なり、他は同じ構成である。このため、同じ構成については同符号を用いてその同じ説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0059】
この実施例4のフレーム枠体100は、脚部110として設けられる平行するフレームの両端部を互いに対向させた内向きに屈曲する各L形状の枢支軸161を設け、該枢支軸161を受皿200側で軸支する構成を有している。
【0060】
受皿200は、長手方向一側面に、前記枢支軸161を枢支させる位置規制部を兼ねた枢支部260が備えられている。該枢支部260は該受皿200の一外側面に沿って水平方向に2か所筒状に突出している。そして、該突出している筒状の軸心部に各開口されている枢支孔261に前記一対の枢支軸161をそれぞれ挿通させて軸支している。このため、フレーム枠体100と受皿200との連結時には、両側のフレームを掴んで左右に広げた状態で該枢支軸161を受皿200の両側の枢支孔261にそれぞれ挿通させれば、両者を一体化することができる。したがって、受皿200の下面に位置規制部220のような連結構造が不要となり、この受皿200の下面全体がテーブル等の上面に脚部の一部として平面的に置かれる。
【0061】
さらに、フレーム枠体100の折畳を可能にするため、前記枢支部260の高さ位置を受皿200の上面高さより高く立ち上げて突出させている。これにより、図7(B)に示すように、枢支部260を回動支点にフレーム枠体100を受皿200の上面側に回動させることが可能になり、該フレーム枠体100を受皿200に巻き付けるように180度回動させることによりコンパクトに折り畳むことができる。
【0062】
このように、フレーム枠体100と受皿200との連結部を受皿200の上面より高い位置に軸支する軸支構造にすれば、枢支部260を回動支点にしてフレーム枠体100をコンパクトに折り畳むことができる。
【実施例5】
【0063】
図8(A)は実施例5のホットプレートの蓋置台1を示し、このホットプレートの蓋置台1は、実施例1のホットプレートの蓋置台1と比較して受皿200を湾曲させた外観形状のみが異なり、他は同じ構成である。このため、同じ構成については同符号を用いてその同じ説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0064】
この実施例5の受皿200は、図8(B)及び図8(C)にも示すように、該受皿200の長手方向を、傾斜姿勢の蓋300の下部外周縁301に沿った平面視円弧形状の滑らかな湾曲ライン270に形作り、受皿200を趣のある形状に設けたものである。
【0065】
これにより、受皿200の外観形状が流動的で特有な形に表されて美観が向上する。特に、蓋300の外周縁の円弧面形状に沿うように対応させれば美的感覚が高まり、高級感や趣のある蓋置台1となる。さらに、この受皿200の外表面に模様や図柄などを施すと、一層趣のある蓋置台1となる。
【実施例6】
【0066】
図9、図10及び図11は実施例6のホットプレートの蓋置台1を示し、このホットプレートの蓋置台1は、フレーム枠体100と、このフレーム枠体100を搭載する受皿200とから構成される。
【0067】
前記フレーム枠体100は、線状のフレーム101を屈曲して下部のフレーム固定軸部170と、上部の蓋立て掛け部120とを立体的に形作って構成している。ここに用いられるフレーム101は耐久性に優れた線材、例えば断面円形の鋼線を使用し、この1本の鋼線をL形状に形成してフレーム枠体100をシンプルで無駄のない形状に構成している。
【0068】
このうち、フレーム固定軸部170は1本の鋼線を屈曲形成して、その両端を固定用の脚部として形作られた両側に平行する部分であり、該2本の平行するフレーム固定軸部170が受皿上面のフレーム搭載部280(後述)に固定される。そして、該フレーム固定軸部170より立ち上げた立体的な部分が後述する蓋立て掛け部120となる。
【0069】
上述の蓋立て掛け部120は、前記水平なフレーム固定軸部170より上向きに屈曲して傾斜姿勢(例えば70度)に立ち上げている。その立上げた部分を三角形状に形作り、この三角形状の頂部が傾斜姿勢の蓋300(図12参照)の中間高さ部分を支える蓋立て掛け部分となる。
【0070】
受皿200は平面視正方形状に設けられ、その上面の一側にフレーム搭載部280を備え、上面の他側に蓋搭載部290を備えている。
【0071】
前記フレーム搭載部280は、一側に平面的な上面を有し、該上面に、前記フレーム固定軸部170を若干沈み込ませた状態に支持するフレーム支持溝281と、そのフレーム支持溝281の一側上面を覆ってフレーム固定軸部170の固定孔を形成する半割筒部282とから構成される。
【0072】
前記フレーム支持溝281は、溝方向が蓋搭載部290側に向き、該フレーム支持溝281及び半割筒部282内にフレーム固定軸部170を挿通させて固定したとき、該部位より傾斜姿勢で立ち上げられた蓋立て掛け部120は蓋搭載部290側に接近した受皿200の中央上方に向かって傾斜している。
【0073】
さらに、蓋搭載部290の両側面には凹形状に一部切欠いた係合支持部210を設けている。該係合支持部210に蓋300の下部側を係合させて、蓋300を傾斜姿勢に支持する役目を有している。この係合支持部210の切欠き形状は傾斜姿勢で立て掛けられる蓋300の下部形状に応じた形に切り欠いて設けている。
【0074】
また、ここに支持した蓋300に付着している水滴が蓋300の内面を伝って流下しても該受皿200の凹状を形成している蓋搭載部290内で溜めることができる。
【0075】
さらに、受皿200に蓋300を載せて傾斜姿勢で支持した場合、蓋300の重心が傾斜した側に寄るため、蓋300の重心の位置に該蓋置台1の重心位置が対応するようにバランスよく設定する。例えば、蓋立て掛け部120の傾斜角度を調整することで蓋の重心位置を調整できるため、蓋立て掛け部120の傾斜角度を最適な角度に設定しておくとよい。
【0076】
このように構成されたホットプレートの蓋置台1の使用状態を、図12を参照して説明する。
ホットプレートの大型の蓋300を立て掛ける場合、テーブル400の上面に置かれたホットプレートの蓋置台1の受皿200に、例えば利用者が蓋300の中央上面に突出している取っ手310を掴んで該蓋300を略90度回転させて垂直に近い姿勢にして載せる。
【0077】
このとき、図12に示すように、受皿200の係合支持部210に、蓋300の下部周縁部320を係合させる。さらに、蓋300の上部側を蓋立て掛け部120側に傾かせ、該蓋300の中間高さ位置の部分が蓋立て掛け部120に受け止められて蓋300は起立姿勢に近い傾斜姿勢に立て掛けられる。
【0078】
さらに、蓋300が傾斜姿勢で立て掛けられているときは、該蓋300の重量がその下方の受皿200に掛かる。このため、受皿200は下方に押し付けられた状態となり、蓋300は受皿200に安定して支持される。
【0079】
また、調理直後に立て掛けた蓋300の内面(下面側)に水滴が付着しているような場合であっても、立て掛けられた蓋300の内面を伝って水滴が流下するため、その水滴を下方の蓋搭載部290内に導くことができる。よって、テーブル400の上面は水滴によって濡れることがない。さらに、蓋の形状が長方形状や円形などの様々の外形状を有していても立て掛けることができる。また、蓋の取っ手310が該蓋の中央部ではなく両側に有するような形態の蓋であっても支障なく利用できる。
【0080】
このようにホットプレートの蓋置台1を使用すれば、蓋300を水平ではなく垂直に近い傾斜姿勢に立て掛けておくことができる。このため、大きな蓋300をコンパクトな傾斜姿勢にて立て掛けておくことができる。さらに、受皿200は平板状を有して安定感のある基台に構成されているため転倒するおそれがなく、該受皿200にシンプルなフレーム枠体100を差し込むだけで容易にホットプレートの蓋置台1を構成できる。
【実施例7】
【0081】
図13、図14及び図15は実施例7のホットプレートの蓋置台1を示し、このホットプレートの蓋置台1は、実施例6のホットプレートの蓋置台1と比較してフレーム枠体100のみが異なり、他は同じ構成である。このため、同じ構成については同符号を用いてその同じ説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0082】
前記実施例7のフレーム枠体100は、線状のフレームではなく、プレート状のフレームを用いて構成したものである。ここに用いられるフレーム枠体100はプレートをL形状に屈曲して下部のプレート固定部180と、上部の蓋立て掛け部120とを立体的に形作って構成している。
【0083】
前記プレート固定部180は固定用の脚部として平面視四角形状に形作られ、その前端縁181と両側縁182とが後述する受皿200に係止されて受皿200に固定される。
【0084】
このうち、前端縁181は受皿上面の前縁ストッパ部291(後述)に当接して位置決めされるストッパ面として設けられる。両側縁182は前端側から基端側にかけて幅狭にしたハの字形に傾斜して設けており、これらの両側縁182が受皿上面の側縁係止部292(後述)に係止されて位置決め固定される連結部として設けられる。そして、該プレート固定部180より立ち上げた立体的な部分が後述する蓋立て掛け部120となる。
【0085】
上述の蓋立て掛け部120は、前記水平なプレート固定部180より上向きに屈曲して折り返した傾斜姿勢(例えば70度)に立ち上げている。その立上げた頂部を傾斜姿勢の蓋300(図16参照)の中間高さ部分を支える蓋立て掛け部分となる。
【0086】
さらに、この蓋立て掛け部120の中央上部にはU字形状に切欠いて美観を高めた凹状開口部121を形成している。また、この凹状開口部121を蓋300の取っ手対応位置まで立ち上げて、該凹状開口部121に取っ手310を介在させて支持するように構成することもできる。なお、前記プレート固定部180と蓋立て掛け部120との屈曲面間には支え板183により双方を補強して十分な強度を持たせている。
【0087】
受皿200は平面視正方形状に設けられ、その上面の一側に、実施例6と異なるフレーム搭載部280が備えられている。該フレーム搭載部280は平面的な上面に、上述の前縁ストッパ部291と左右の側縁係止部292とをそれぞれ突設して、前記プレート固定部180をコ形状の3辺で囲むように対応して支持する構成を有している。
【0088】
前記前縁ストッパ部291は、前記プレート固定部180の前縁中央部と対向する位置に突出し、該プレート固定部180が前方に移動するのを位置規制している。
【0089】
左右の側縁係止部292は、前記プレート固定部180の側縁と対向する位置に突出し、該プレート固定部180が左右に移動するのを位置規制している。また、側縁の対向部分には一方を凸部に他方を凹部に形成して凹凸対応させるとともに、該プレート固定部180のハの字形の側縁に対応させているため、該プレート固定部180は後方に対しての移動を規制している。
【0090】
また、前記フレーム枠体100及び受皿200は、例えばステンレス等の金属材や合成樹脂材等で構成することができる。
【0091】
このようなホットプレートの蓋置台1を使用すれば、大きな蓋300をコンパクトに効率よく立て掛けておくことができる。さらに、受皿200が平板状を有して安定感のある基台となる。また、プレート状の接触幅の広い蓋立て掛け部120を使用することによって蓋300を安定して支えることができる。
【実施例8】
【0092】
図17及び図18は実施例8のホットプレートの蓋置台1を示し、このホットプレートの蓋置台1は、図19に示すように、垂直に近い傾斜姿勢の蓋300の下部側を受け入れる傾斜凹部810を上面に備えた蓋置ブロック800により構成される。
【0093】
この蓋置ブロック800は正面視台形状の台形柱状のブロックであり、該台形柱状の上面長手方向に蓋300の下部を挿入させる溝状の傾斜凹部810が開口されている。
【0094】
前記傾斜凹部810は、図19(A)に示すように、蓋300の下部を挿入させる溝幅間隔を有し、その溝内部には溝内へと導かれた流入水を溜める凹状空間部820と、ここに挿入された傾斜姿勢の蓋300の下端部330を受け止める底面支点となる第1支点部830と、該傾斜凹部810内の溝幅方向で傾斜対向する上傾斜側の内側面811に形成され、該傾斜凹部810に受け入れた傾斜姿勢の蓋下部側の傾斜上面331に接して該蓋下部側の傾斜上面331を局部的に支える上面支点となる第2支点部840と、前記第2支点部840よりも高位に位置して該傾斜凹部810内で傾斜対向する下傾斜側の内側面812に形成され、該傾斜凹部810に受け入れた傾斜姿勢の蓋下部側の傾斜下面332に接して該蓋下部側の傾斜下面332を局部的に支える下面支点となる第3支点部850とを備えて構成される。
【0095】
前記第1支点部830は傾斜凹部810の底面であり、この傾斜凹部810に挿入された蓋300の下端部330を当接させて蓋300の荷重を受け止める水平な底面である。例えば、円形の蓋を受け止める場合は、図19(B)に示すように、傾斜姿勢での円形蓋の最下端となる一点を底面で支持し、長方形状の蓋の場合は傾斜姿勢での下端となる一辺を底面で支持することになる。
【0096】
第2支点部840は、傾斜凹部810内で略平行して傾斜対向する上傾斜側の内側面811の中間高さ位置に、半円形に突出させた円形突出部である。この円形突出部が、傾斜姿勢の蓋下部側の傾斜上面331に局部的に接触する突出量に設定している。
【0097】
第3支点部850は、傾斜凹部810内で傾斜対向する下傾斜側の内側面812の上端縁部である。この上端縁部が、傾斜姿勢の蓋下部側の傾斜下面332に局部的に接触する。
【0098】
この際、前記第2支点部840の高さ位置より該第3支点部850の高さ位置を高位にすることにより、蓋300が傾く方向を第3支点部850側に傾かせる。さらに、蓋300を両側より挟むように接触する第2支点部840と第3支点部850との高さ位置を変えると蓋300の傾斜角度を変えることができる。このため、双方の支点部840,850の高さによって蓋300を任意の傾斜姿勢に調整できる。また、傾斜凹部810の幅間隔を広げる程、蓋300を大きく傾斜させることができ、また幅間隔を狭める程、蓋300の傾斜角度を小さくすることができる。
【0099】
ことに、蓋300を傾斜姿勢で支持する際、単に凹部で支持するのではなく、傾斜凹部810にすることにより第2支点部840では上傾斜側の内側面811が傾斜して蓋の傾斜面に接近するため突出量が小さくて済む。一方、第3支点部850では下傾斜側の内側面812のうち、上端縁部が最も蓋の傾斜面に接近するため該上端縁部を第3支点部850に兼用することができる。
【0100】
さらに、傾斜凹部810内に傾斜姿勢で挿通された蓋300の下部を、該蓋300の下端とその両側を局部的に支持する第1〜第3の支点部830,840,850により支持する3点支持構造となり、蓋300を起立姿勢に近い傾斜姿勢に支持することができる。
【0101】
前記傾斜凹部810に蓋300の下部を挿入させた場合、ここに挿入された蓋300の下部は、傾斜凹部810に備わっている第1〜第3の支点部830〜850による3点支持構造によって支持され、この3点支持構造により蓋300はバランスよく安定して支持されて傾斜姿勢の一定の角度で支持されることになる。さらに、蓋との接触安定性及び設計強度を高めるために各支点部を、同支点となる接線上に複数設けてもよい。
【0102】
このように蓋置ブロック800だけで実施例1の係合支持部210の機能と蓋立て掛け部120の機能との両機能を持たせることができる。このため、フレーム枠体110を省略した単体のブロックにて構成できる。よって、ホットプレートの蓋置台1はフレームを上方に立ち上げないコンパクトな構成にできる。
【0103】
前記蓋置ブロック800の使用に際しては、蓋300を傾斜姿勢で支持した場合、該蓋300の重みにより転倒しないように重量のあるブロックを使用するのが好ましい。例えば、重量のある金属材等の外周囲を樹脂材で被覆するなどして作ることができる。さらに、蓋置ブロック800に安定感を持たせるために台形柱状のように底部側を広くした外形状にするのが適している。
【0104】
この場合も、蓋300の内面が上面側となる傾斜姿勢であるため、調理直後に蓋300に付着している水滴は蓋300の内面に沿って流下し、下方の凹状空間部820に回収され、テーブル等の上面を濡らすことがない。
【0105】
上述のように、ホットプレートのような電気調理器に用いられる大きな蓋であっても、その大きな蓋を傾斜姿勢で立て掛けることができ、大きな置き場所をとらない省スペース化を図った蓋置台が得られる。このため、大きな蓋をコンパクトに効率よく管理できることから調理途中での蓋の置き場所に困らなくなる。さらに、蓋を独立して立て掛ける専用の蓋置台であるためホットプレートに取り付けた蓋の使用時と取り外された蓋の不使用時との蓋の置く位置が定まって蓋の取り扱いが容易になる。
【0106】
この発明の構成と、上述の実施例の構成との対応において、この発明は上述の実施例の構成に限定されるものではなく、請求項に記載される技術思想に基づいて応用することができる。
【0107】
例えば、上述の実施例1〜7ではフレーム枠体100と受皿200とを着脱自在にした構成例を示したが、これに限らず、フレーム枠体100と受皿200とを一体化して構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
ホットプレート等の大型の電気調理機器の全般。
【符号の説明】
【0109】
1…ホットプレートの蓋置台
100…フレーム枠体
110…脚部
120…蓋立て掛け部
130,140,150…受皿取付部
200…受皿
210…係合支持部
220…位置規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気調理器の蓋を立て掛けて置く電気調理器の蓋置台であって、
脚部から上方に立ち上げて上部に形作られた蓋立て掛け部と、下部に形作られた受皿取付部とをフレームにより形成したフレーム枠体を設け、
凹形状を有し、その凹形状の周縁の一部に傾斜姿勢の蓋の下部側を係合して支持する係合支持部と、前記受皿取付部を形作るフレームに位置規制されて支持される位置規制部とを備えた受皿を、前記フレーム枠体に取り付けて構成される
電気調理器の蓋置台。
【請求項2】
前記受皿取付部は、
前記受皿の外周囲を前記フレームにより支持して前記受皿を着脱自在の載せ置き式に支持する
請求項1に記載の電気調理器の蓋置台。
【請求項3】
前記受皿は、
前記フレーム枠体を搭載した基台として構成される
請求項1または2に記載の電気調理器の蓋置台。
【請求項4】
前記フレーム枠体を、
前記基台に巻き付けるように折り畳む折畳構造を有する構成とした
請求項3に記載の電気調理器の蓋置台。
【請求項5】
前記受皿は、
傾斜姿勢の蓋の下部周縁に沿って該受皿の長手方向を滑らかに湾曲させた平面視円弧形状に設けた
請求項1乃至4の何れか1項に記載の電気調理器の蓋置台。
【請求項6】
電気調理器の蓋を立て掛けて置く電気調理器の蓋置台であって、
前記蓋を傾斜させた傾斜姿勢の蓋の下部側を受け入れる凹溝状の傾斜凹部を備えた蓋置ブロックを設け、
前記傾斜凹部は、
該傾斜凹部へと導かれた流入水を溜める空間部と、
前記蓋の下端部を受け止める底面支点となる第1支点部と、
該傾斜凹部内で傾斜対向する上傾斜側の内側面に形成され、該傾斜凹部に受け入れた傾斜姿勢の蓋下部側の傾斜上面に接して該蓋下部側の傾斜上面を局部的に支える上面支点となる第2支点部と、
前記第2支点部よりも少なくとも1つが高位に位置して該傾斜凹部内で傾斜対向する下傾斜側の内側面に形成され、該傾斜凹部に受け入れた傾斜姿勢の蓋下部側の傾斜下面に接して該蓋下部側の傾斜下面を局部的に支える下面支点となる第3支点部とを備えて構成される
電気調理器の蓋置台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−139(P2011−139A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−142865(P2009−142865)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000112233)ピーコック魔法瓶工業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】