説明

電気車両システム

【課題】公害要因である鉛と、硫酸を使用しない電池を用いて走行させる電気車両システムを提供する。
【解決手段】電気車両システム100は、プラス極活物質材料からなる陽極と、マイナス極活物質材料からなる陰極と、セパレーターと、から少なくともなり、前記陽極・陰極の反応面における走行時電流の発生熱を発散させる前記電極の支持部材を備えて電池を形成する単位セル10aと、二次電池パック群11,12,14と、インホイール発電機30と、動力モータ20と、放電・充電切替装置41と、切替制御部51と、を備え、前記切替制御部は、記憶手段と、放電切替手段と、充電切替手段と、を少なくとも備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気車両システムに係り、より詳しくは、鉛成分のない電極と、アルカリ性電解液或は電解液として機能するイオン性液体と、からなる公害原因物質を含まない電池を用いて走行する電気車両システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電極に鉛、電解液に硫酸を用いる鉛電池は長い間代表的な2次電池として普及し、材料及び構造が改良され、性能や寿命が向上してきた。すなわち、極板、セパレータ、電池ケースなどの改良により、メンテナンスフリー・シールドタイプ電池に至っていた。
【0003】
しかしながら、エネルギ密度、電池容量などが低く、重量が重く体積が嵩張るという問題に加えて、電解液として硫酸を用いることによって、一般に性能を高めるとサルフレーション(硫化)が起り易くなり電池の内部抵抗の増加が避けられなかった。
【0004】
さらにサルフレーションが進行すると、イオンの移動が困難になり動作不能となって廃棄に至るが、硫酸・電極の鉛など公害物質の廃棄処理が容易でなかった。
【0005】
また、鉛電池を重負荷で使用した場合、極板も電解液も共に減耗するが、特に前述のシールドタイプ電池の場合は、極板は勿論、電解液の補充も不可能である。
【0006】
そこで、電池内部の構造や電解液などの改良が多少行われているが、殆どの場合、電池の性能を悪化させており、材料固有の公害物質としての危険要因も回避できない。
【0007】
例えば、鉛電池内部構造の改良に関しては、特許文献1にあるように、電解液槽の蓋に触媒を配した制御弁を設け、電池内で発生するガスを効率よく触媒反応させて生成した水を還流すると共に負極のサルフレーションを防止する技術が開示されている。鉛電池は以上のような問題点があるので、用途及び使用方法が限定されていた。
【0008】
すなわち、従来から車両用に鉛電池が使用されていたが、以下のような種々の問題があった。ひとつには、単位容積あたりのエネルギー密度、電池容量が低く、車両用に使用するに当っては重く、大きな容積となるという問題があった。
【0009】
さらに加えて、前述したようなサルフレーションによる鉛電池の内部抵抗の増加と、その鉛電池の硫酸及び鉛公害物質の廃棄が車両システムにとって問題となっていた。
とくに車両用鉛電池は重負荷で使用されるので、極板及び電解液も共に減耗するが、シールドタイプ電池の場合は、極板の取替え、電解液の補充はできないなどの欠点も車両システムにとっては都合が悪かった。
【0010】
特許文献1は、車両用の重負荷に耐えられるように鉛電池内部構造を改良したものであったが、いずれにしても、2次電池としての鉛電池は電気車両システムの向上を制限していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−148256号公報(第2、3頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前述の各種の問題となる公害要因である鉛と、硫酸を使用しない電池を用いて走行させる電気車両システムの提供を目的とする。
【0013】
すなわち、鉛電池より高エネルギー密度・高容量であり急速充放電特性の優れた2次電池・リチウムイオン電池・空気電池などを用いる車両システムを課題とし、詳しくは1回の外部充電により長距離走行を可能とする車両走行中の補充充電機能を備えると共に、車両公害要因の発生の少ない車両システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するため、請求項1記載の発明の電気車両システムは、鉛を使用しない電池と、駐車中に商用電源から充電する接続端子を有する車載充電部と、前記電池の放電により車両を走行させるモータと、を少なくとも備えた電気車両システムであって、プラス極活物質材料からなる陽極と、マイナス極活物質材料からなる陰極と、それら電極間に電解質液体を浸すイオン交換用のセパレーターと、から少なくともなり、前記陽極・陰極の反応面における走行時電流の発生熱を発散させる前記電極の支持部材を備えて電池を形成する単位セルと、二次電池を形成する前記単位セルを直列に接続して必要とする所定DC電圧を出力させるセルスタックとしてそれを複数N組(Nは2,3又は4)設置する二次電池パック群と、車両の各車輪のホイールディスクにそれぞれ固着されたロータと前記各車輪の軸受けに固着されたステータからなり、前記ロータ及びステータの少なくとも一部が前記車輪のリムと前記ホイールディスクにより囲まれる空間に収納配設され、車両の走行により前記車輪が回転して電力を出力するインホイール発電機と、前記車両を電池により走行させる動力モータと、前記二次電池パック群中1組のパック電極端子と前記動力モータとを接続し放電させる制御信号を受け、前記二次電池パック群中他の1組のパック電極端子と前記インホイール発電機とを接続し充電させる制御信号を受け、それぞれ所定順序で循環して電池パックの接続切替をする放電・充電切替装置と、前記放電・充電切替装置へ前記制御信号を送り切替制御するコンピュータからなる切替制御部と、を備え、前記切替制御部は、前記二次電池パック群の第1、第2…第N二次電池パック毎の電力残量を計測するため各センサーからの信号値をメモリに集積する記憶手段と、車両走行に現在使用している放電中のパックの残量が走行に必要な所定量以下になったとの判定時には、次の所定順序のパックに接続させるため前記放電・充電切替装置の電子制御スイッチ群に対してそれぞれ制御信号を送る放電切替手段と、前記発電機から現在充電されている電池パックが満充電になっているとの判定時には、次に放電されたパックに接続させ、放電完了されたパックが無い場合は接続させない制御信号を前記スイッチ郡に対して送る充電切替手段と、を少なくとも備えることを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電気車両システムであって、前記切替制御部は、前記第1二次電池パックの電極端子を前記動力モータに制御信号により接続し、前記第N二次電池パックの電極端子を前記インホイール発電機に制御信号により接続する第1モードと、前記第2二次電池パックの電極端子を前記動力モータに制御信号により接続し、前記第1二次電池パックの電極端子を前記インホイール発電機に制御信号により接続する第2モードと、前記第N二次電池パックの電極端子を前記動力モータに制御信号により接続し、前記第(N−1)二次電池パックの電極端子を前記インホイール発電機に制御信号により接続する第NモードからなるN個のモードを、走行に使用している二次電池パックの残量が所定量以下になれば次のモードに順次切り替えるモード切替手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の電気車両システムであって、前記切替制御部は、前記各モードにおいて、車両ギアシフト部のドライブモードによる加速状態中は二次電子パックの電極端子と動力モータを接続し他の接続は切断し、前記ドライブモードによる加速以外の状態及びニュートラルモード状態中は二次電池パックとインホイール発電機を接続し他の接続は切断し充電による制動状態とすることを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の電気車両システムであって、前記切替制御部は、前記放電切替手段及び充電切替手段に加えて、ギアシフト部のドライブモードによる車両加速状態期間に入れば、直前まで走行使用中の二次電池パックを前記動力モータにのみ接続し、その期間外になれば接続を解除し、一方、ドライブモードによる加速状態及びニュートラルモード状態期間に入れば、前記直前まで走行使用中の二次電池パック以外の電池パックを前記インホイール発電機にのみ接続し充電による車両制動状態とし、その期間外になれば接続を解除する制御信号を送る加速・制動対応充放電手段を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1、2又は4のいずれかに記載の電気車両システムであって、前記二次電池パック群に加えて、一次電池を形成する前記単位セルを直列に接続して必要とする所定DC電圧を出力させるセルスタックとして、該セルスタックM組(Mは1又は2)の一次電池パックを設け、前記切替制御部は、前記二次電池パック群の残量がすべて前記所定値以下である時は前記一次電池パック中の1組へ接続制御信号を送り動力モータと接続する緊急切替手段を更に備えることを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の電気車両システムであって、前記切替制御部は、前記動力モータに接続し現在まで使用していた二次電池パックを除く二次電池パックに対して、車両走行中車両停車中にかかわらず前記一次電池パックの1組から充電するための接続制御信号を送る一次電池充電接続手段を更に備えることを特徴とする。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項5記載の電気車両システムであって、前記一次電池パックは、マイナス極活物質材料を交換できる挿入溝を有する再生型亜鉛空気電池であることを特徴とする。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項1、2又は4のいずれかに記載の電気車両システムであって、前記単位セルは、プラス極活物質材料をリチウム(Li)を含む酸化物、マイナス極活物質材料を黒鉛(C)とし、セパレーターに含まれる電解質液をアルカリ性電解液又はイオン性液体と、それら活物質材料をそれぞれ固着支持し、電解質液が漏れないようにして外囲器ケースを突き抜け、中空間隙又は複数の中空孔を有して空気が通過できる板状の支持部材とからなり、各単位セルは充放電時に活物質部材に発生する熱を熱抵抗の少な支持部材を経由して前記中空孔から外部に熱排出することを特徴とする。
【0022】
請求項9記載の発明は、請求項1、2又は4のいずれかに記載の電気車両システムであって、前記単位セルは、プラス極活物質材料側には空気陰極を設けその外側に気体透過性膜を介して空気孔を有するプラス端子となる外囲器ケースを設け、マイナス極活物質材料を亜鉛(Zn)として、板状のマイナス極集電極板両面にその亜鉛材料を設け、そのマイナス極集電極と前記空気陰極との間には前記マイナス極活物質の亜鉛と、水酸化カリウム(KOH)を含むアルカリ性電解液と、マイナス極活物質亜鉛材料を固着支持して電解質液が漏れないようにして外囲器ケースを突き抜け中空間隙のある板状の支持部材と、から少なくともなり、前記単位セルは空気中の酸素を使って発電し活物質に発生する熱を熱抵抗の少ない支持部材を経由して、その熱を中空間隙から自然に排出することを特徴とする。
【0023】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の電気車両システムであって、前記単位セルのマイナス極集電極と空気陰極との間は、マイナス極活物質の亜鉛と電解質液となるアルカリ性の水酸化カリウム(KOH)とのペースト状からなり、空気のみ透過する膜で包まれていることを特徴とする。
【0024】
請求項11記載の発明は、請求項1、2又は4のいずれかに記載の電気車両システムであって、前記単位セルのマイナス極活物質が2種類あってそれらが支持部材上に分離して塗布され、等価的に2つが並列に接続した複合電池を形成し、前記単位セルの陽極は、白銅メッシュ状の所容積寸法の電極材料支持部材と、オキシ水酸化ニッケル(NiOOH)又は二酸化マンガン(MnO)のいずれかとカルシウムとカーボンとを所定配合比にしてバインダーを入れて混合し、前記電極材料支持部材に塗付し乾燥させたプラス極活物質材料とからなり、前記単位セルの陰極は、前記陽極の面積寸法と同一の電極材料支持部材と、亜鉛(Zn)、カーボンにそれぞれバインダーを入れて別々に混合し、所定面積比に分離して前記電極材料指示部材に塗り分け、乾燥させた陰極分離塗布型のマイナス極活物質材料とからなり、亜鉛側の対向面間の第1領域は二次電池として動作し、カーボン側の対向面間の第2領域はカルシュウムイオンにより高電圧型(セル当り)二次電池として動作することを特徴とする。
【0025】
請求項12記載の発明は、請求項11記載の電気車両システムであって、前記陽極側ペースト材の所定配合比は、オキシ水酸化ニッケル(NiOOH)又は二酸化マンガン(MnO)のいずれかが20〜30%、カルシウム40〜60%、カーボン10〜40%の範囲に少なくとも入り、前記陰極側ペースト材の所定面積比は、亜鉛塗布部60〜90%、カーボン塗布部10〜40%の範囲に少なくとも入ることを特徴とする。
【0026】
請求項13記載の発明は、請求項11記載の電気車両システムであって、陽極及び陰極の前記電極支持部材はそれぞれ電解質液が漏れないように気密封じして外囲器ケースを突き抜けて固定し、その部材に板状の中空間隙又は複数の中空パイプ孔を有して、熱抵抗の少ない支持部材を経由し熱放散することを特徴とする。
【0027】
請求項14記載の発明は、請求項1、2又は4のいずれかに記載の電気車両システムであって、前記切替制御部は、接続されている電池パックと前記インホイール発電機の発電出力電圧を常時計測し、その電池パックよりインホイール発電機の電圧値が下回った時点で、インホイール発電機からの出力端子上のすべての電子制御スイッチへ切断信号を送る発電機分離手段を備えることを特徴とする。
【0028】
請求項15記載の発明は、請求項1、2又は4のいずれかに記載の電気車両システムであって、複数L(整数)個の電気2重層コンデンサと、L個の前記電気2重層コンデンサに対して入力される電力を所定時間ずつ順次充電する充電切替制御回路と、充電されたL個の前記電気2重層コンデンサから各コンデンサ毎に順次放電させる放電切替制御回路とからなるコンデンサ部を、前記放電・充電切替装置に前記電池パック群と同様に並列に接続した蓄電装置と、前記切替制御回路部は車両が走行を開始する時を検知した時点より前記コンデンサ部を車両の前記動力モータに接続する制御信号を送り、発進時に必要な電流で動力モータを稼動させるコンデンサ放電手段と、を備えることを特徴とする。
【0029】
請求項16記載の発明は、請求項1、2、4又は5のいずれかに記載の電気車両システムであって、前記各単位セルのプラス極活物質材料及びマイナス極活物質材料は電解質液体を含めて外囲器又はケースに収容され、それぞれの活物質材料を固定支持する部材は垂直方向に前記外囲器又はケースを突き抜けて設けられると共に、その部材の垂直方向に中空スリット又は複数の中空孔を有する支持部材を備え、活物質材料からの発生熱を熱抵抗の少ない該支持部材へ伝導させ、該スリット又は孔中の空気の対流で発生熱を自然に又は強制空冷により外部に排出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明の電気車両システムは、車両走行に用いる電池に鉛、硫酸を使用していないので、公害物質を含まず車両廃棄処理が容易となる。
また、前述した鉛電池に係る各種問題、例えば電池重量が重く、電池容積が大きいなどの問題点も解決され、サルフレーションもなくなり保守が容易となる。
【0031】
また、車両の発進時、電池は短時間に急速放電が必要となるが、従来の鉛電池より急速放電に耐える性能を有し、又、急速放電による電池故障が少なくなる。その上、複数の電気2重層からなるコンデンサ部を並列して加えることにより、急速放電に対する故障をさらに少なくすることができる。
【0032】
また、鉛電池より急速充電が可能であるため、鉛電池の場合に比較して少ない時間で満充電が可能となる。走行のため放電中に電池パックが空となり充電する場合は、本発明のシステムでは、車両の走行中にN組の電池パックに順次切り替えて充電すると共に、走行させる動力モータには次の電池パックを接続する
従って、電池パックの充放電性能に基づき必要な最小限の電池パックの数Nを定められる。
【0033】
また、鉛を使用しない本願システムの電池はメモリ効果がないので、継ぎ足し充電が可能であることにより、本システムにおけるN組の電池パックの切替を任意に行い、走行中に走行に使用しない電池パックを補充充電することにより、走行距離を格段に増加させることができる。又、外部電源による満充電を受ける時間間隔を長くすることができる。
【0034】
また、本システムの1セル当たりの電圧は鉛電池(1セル2.0V)より高く、約2.5Vあるため、所定電圧を求める場合、セル数が少なくて済み、小型軽量化ができる。
また、電池内部構造は、鉛電池に比較して低重量で材料費が安価であるため、製造コストが低い。さらに、外囲器も小重量構造であるため材料費が安価である。
また、プラスおよびマイナス極活物質材料のそれぞれの支持部材に設けた空気を通す間隙或はパイプ孔により前記材料に発生する熱を外部に出せるので、車両に必要とする電流を流しても温度上昇のし難いセル電池となる。一方、外囲器ケースの温度の排出は容易であり、体積の小型化に効果がある。
【0035】
また、車両システムの放電・充電を順次行うN組の二次電池パック群に加えて、M組の一次電池パック群も放電・充電切替装置に接続配置すれば、二次電池パック群がすべて使用不能の緊急時には一次電池パックに切り替えられる安定した信頼性のあるシステムとなる。
すなわち、一次電池パックには、マイナス極活物質材料である亜鉛を用いた亜鉛空気電池とすれば、二次電池パックがすべて所定残量以下となった緊急の場合は何時でも切り替えられる車両システムとすることができる。
【0036】
また、その一次電池パックが所定残量以下になれば、前記マイナス極活物質材料である亜鉛部分を容易に交換できる出し入れ挿入溝を設けた単位セル形状とすることにより、再生できる一次電池として有効に利用できる効果がある。
また、外部給電端子がない場所に停車した場合でも、走行中でも一次電池パックから必要とする二次電池パックへ何時でも充電できる。
尚、二次電子パックがN=2の場合は、充電中の二次電池パックの充電が不足で動力モータの放電に使用されシステムダウンとなり易い。この場合一次電池パックが1組あれば最低の信頼性が保障される。
【0037】
また、水素を用いる燃料電池を放電・充電切替装置に接続すれば、外部電源による満充電を受ける時間間隔を相当に長くすることができるので、空気中に放出する有害物質が極めて少ない車両となる。
さらに、その車両の外側に、光触媒(例えば二酸化チタンなどの超微粒子液体など)をスプレー或いは塗装すれば、光(紫外線)により車両は電子が抜けて正孔が生成し、結果として大気中の有機物を分解する。以上を総合すれば、従来になく環境問題を解決した車両システムとなる効果が生じることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】電気車両システム(第一実施例)
【図2】電気車両システム(第二実施例)
【図3】車輪に取付けたインホイール発電機の構造図
【図4】インホイール発電機のロータとステータの構造図
【図5】放電・充電切替装置の切替回路図
【図6】切替制御部による放電・充電切替装置接続例(1)(第1の接続手段によるモード切替例)
【図7】切替制御部による放電・充電切替装置接続例(2) (第2の接続手段による加速・制動対応切替例)
【図8】電気2重層コンデンサ部の構造図
【図9】リチウムイオン電池の構造図
【図10】充電放電可能の亜鉛空気電池セルの構造図
【図11】オキシ水酸化ニッケル又は二酸化マンガンを用いた二次電池セル の構造図
【図12】各種二次電池セルの充放電特性の比較図
【図13】陰極材料分離型により電池容量の増大を示す表
【図14】電極活物質材料別、電解質液別の充放電特性図
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の電気車両システムの実施例について図面を参照して具体的に説明する。
【実施例1】
【0040】
図1は電気車両システム100の実施例1の構成図である。電気車両システム100において、10aは鉛を使用しない電池(鉛フリーバッテリー)の1単位のセルを示す。この実施例ではセル5単位を直列に接続し、第1、第2…第NのN組(Nは2,3,4)の二次電池パック群11、12…14が構成され、それぞれ充電・放電切替装置41に接続されている。
単位セル10aは、プラス極活物質材料からなる陽極と、マイナス極活物質材料からなる陰極と、それら電極間に電解質液を浸してイオン交換可能とするセパレーターと、から少なくともなり、前記陽極・陰極の対向面積により所定の電池容量とする二次電池を形成する。
この二次電池セル10aは鉛を使用しない電池であり、少なくとも、リチウムイオン電池、充放電可能の亜鉛空気電池、オキシ水酸化ニッケル或は二酸化マンガンを使用した二次電池などのいずれかの種類のセルからなる。電気車両システムが必要とする電池に対応した高エネルギー密度、電池容量の各セル10aの詳しい構造に関しては後述する。
【0041】
前記N組の二次電池パック群に加えて、1組の一次電池パック19又はM組(Mは1,2)の一次電池パック群16−17を同様に充電・放電切替装置41に接続する。勿論この一次電池パックは放電のみ行い充電動作はない。但し、この実施例ではいずれも再生型亜鉛空気電池16,17であり、16b,17bはそれらの亜鉛材料交換口溝部を示す。
一次電池パックは、二次電池パック群がすべてダウンしたときに車両動力モータ20に接続するように切替制御部CPU51は充電・放電切替装置41を制御する充電緊急手段を有する。その際に、一次電池パックが複数ならば、CPU51により順次接続制御してAC電源供給端子場所までの走行電力に用いる。或は、一次電池パックから二次電池パックへ停車中或は走行中にかかわらず充電する一次電池接続手段を容易に備えられる。電気車両システムとしての信頼性が向上する。
【0042】
20は車両90の走行用の動力モータを示し、30は車両90の前輪31、後輪32(図3参照)のホイールディスク34(図4参照)に取付けた4台のインホイール発電機を示す。このインホイール発電機30は車両走行中に走行に使用していない電池パックを補充充電することができる。
尚、インホイール発電機30のホイールディスク34への取付け及び内部構造の詳細については図3、図4により後述する。
4台のインホイール発電機30の出力ケーブル39はマルチプレクサ30aを介して放電・充電切替装置41へ接続する。
【0043】
以上の実施例1の電気車両システムについては、動力モータ20以外に車両停車中でも必要とする照明、センサー、空調機、AC100V電源などの電力電源は一次又は二次電池パックの1組に接続して所定の電圧電源を出力させる手段を備える。二次電池パック群11,12…14と動力モータ20及びインホイール発電機30との間にある放電・充電切替装置41の切替回路の1例を図5(a)に示す。尚、図5(b)は車内クーラ・AC100V電源用接続回路並びに1次電池パックへ接続する緊急切替回路を示す。
【0044】
その放電・充電切替装置41を制御するコンピュータ構成の切替制御部51による制御信号接続プログラムについて、本システムでは2種類の接続手段を提供する。
先ず、図6に、第1の接続手段として放電・充電切替装置41の接続例(1)を示す。
即ち、切替制御部51は、第1二次電池パック11の電極端子を前記動力モータ20に制御信号により接続し、第N二次電池パック14の電極端子をインホイール発電機30に制御信号により接続する第1モードと、第2二次電池パック12の電極端子を動力モータ20に制御信号により接続し、第1二次電池パック11の電極端子をインホイール発電機30に制御信号により接続する第2モードと、第N二次電池パック14の電極端子を動力モータ20に制御信号により接続し、第(N−1)二次電池パック13の電極端子をインホイール発電機30に制御信号により接続する第Nモードと、からなるN個のモードを順次循環して切り替える循環切替手段を備えるものである。
【0045】
図6(a)には、切替制御部51の構成図、(b)には切替制御部42による放電・充電切替装置41の各モード切替状態表を示す。即ち、第1接続手段の場合おける各モードの接続状態を示す。
ここで、切替制御部51は、CPU(コンピュータ中央制御部)と、記憶装置53と、入力及び表示装置56及び57と、放電・充電切替装置41への制御端子を含む制御出力端子群54と、放電・充電切替装置41に接続される第1〜第Nの電池パック11〜16、動力モータ20、インホイール発電機30の電圧・電流などの情報を入力するセンサー入力端子群55とからなる。
一方、放電・充電切替装置41は、ここでは、商用電源の電流に耐えるアノード、カソード、ゲートからなるシリコン制御整流素子を使用する。図示したようにh1−h8…n1−n8はゲート端子を示す。
【0046】
切替制御部51の出力端子群54は切替装置41の前記ゲート端子にそれぞれ接続され、それらのゲートにON,OFFの切替制御信号を送り図6に示すように第1モード、第2モード…第Nモード、第1モードと循環させることができる。
第1の接続手段は、モード切替手段であり、その切替タイミングは単純であるので、安定性のある電気車両システムとなる。
ここで、効率を向上させるため、切替制御部51は、前記各モードにおいて、車両ギアシフト部のドライブモードによる車両加速状態中は二次電子パックの電極端子と動力モータ20を接続し他の接続は切断し、前記ドライブモードによる加速以外の状態及びニュートラルモード状態中は二次電池パックとインホイール発電機30を接続し他の接続は切断し充電による車両制動状態にするようにしてもよい。そのため切替制御部51の入力端子群55からドライブモードにおける加速などの状態及びニュートラルモードにおける状態を検出せるセンサー並びにモータ20からのセンサーの信号を受けるようにする。
【0047】
次に、図7の、第2の接続手段の例を以下に示す。
切替制御部51は、前記放電切替手段及び充電切替手段に加えて以下の手段を備える。ギアシフト部のドライブモードによる車両加速状態期間に入れば、直前まで走行使用中の二次電池パックを前記動力モータにのみ接続する制御信号、その期間外になれば接続を解除する制御信号を送り、一方、ドライブモードによる加速以外及びニュートラルモード状態期間に入れば、前記直前まで走行使用中の二次電池パック以外のパックを前記インホイール発電機にのみ接続し充電による車両制動状態とする制御信号を送り、その期間外になれば接続を解除する制御信号を送る加速・制動期間毎の切り替えタイミングで、充電・放電を使用中のそれぞれのパックへ継続して行う充電・放電手段である。
【0048】
以上の第2接続手段では、前記車両加速状態及び車両制動状態検出したセンサー信号をそれぞれ受信する入力端子群55を介して切替制御部51のCPUで受け、そのセンサー信号が切り替わるタイミングに合わせて現在使用中に電池パックに接続したり解除したりする。なお、入力端子群55から第1、第2の電池パック11、12、動力モータ20、インホイール発電機30などから電流或いは電圧センサーを用いて状態情報を取得し、切替のタイミングをCPU51で判定してもよい。詳しくは、その第2の接続手段を図7に切替制御部の放電・充電切替装置の接続例(2)として電気車両システムの流れ図を示した。
即ち、第2の接続手段は、加速・制動対応切替手段である。
【0049】
車両が外部電源により二次電池パックを満充電にして、次に走行のため電源が入ると切替制御部51が稼動して放電・充電切替装置41の制御が開始される。(S1)
次に、S2に移り、車両加速状態期間にあるかを制御部51は検知する。NOならばS3に移り、YESならばS4に移り、第1の電池パック11を動力モータ20に接続させる。そのパックが放電により所定残量以下になれば次の電池パックに接続させる。(放電切替手段)S6に移り、接続後の電池パックでは該電池パックは放電状態となるが、制御部51はその間所定時間毎に車両加速状態にあるかを調べる。
YESならばS4に戻り繰り返し、NOならばS8で接続を解除してS3に移る。S3では、車両制動状態期間にあるかを制御部51は調べる。NOならばS10に移り、YESならばS5に移り、制御部51は前回放電して直前まで充電中のパックに接続させる。そのパックが充電完了ならばそのパックの次に放電されたパックに接続させる。
【0050】
(充電切替手段)
次にS7に移り制御部51は電池パック充電中所定時間毎に車両制動状態であるかを調べる。YESならばS5に戻り繰り返し充電完了毎に次のパックに接続させ、NOならばS9その接続を解除しS2に移り繰り返す。
S10では車両が停車したか或はギアシフト部がドライブモードか或はブレーキ状態かを調べる。NOならばS2に戻る。YESならばS11へ移り制御部51のCPUは待状態となる。或はその電源はOFFとなる。
但し、S5において、商用電源から全パック充電済み直後は、第1の電池パックの残量が無くなり次のパックに移るまでは、充電接続はしない。
【0051】
第1の接続手段か第2の接続手段かにかかわらず、複数N組の二次電池パック群は、N組が2以上であるが、重量を考慮しN組の数は4以下の必要最小限の数に定める。即ち、単位セル10aのエネルギー密度、電池容量、充放電特性などと、電気車両システムに要求される一回の外部充電で走行できる距離などとにより定める。
単位セル10aのエネルギー密度、電池容量が大きく、充電特性の立ち上がりが速く放電特性の立ち下がりが遅く、本電気車両システムの動作や制御に充分適応した特性であれば、最小のパック数である2組(N=2)の二次電池パック11,12だけとすることができる。この場合は切替制御部51により制御する第1モード、第2モードの2組のモードのみとなる。
【0052】
第1モードで第1の電池パック11の残量が所定値以下になれば、制御部51は第2モードに切替えるが、その時、第2の電池パック12の充電が不足の場合には第1の電池パックは走行に充分使用できず電気車両システムはダウンし易い。そこで一次電池パックを備えて、一次電池パック16,17に切り替えるように制御する手段を備えることがシステムの最低の信頼性を確保するため必要となる。尚、Nが3以上ならば、必ずしも、一次電池パックを備えなくてもよい。
【0053】
次に車輪に取付けたインホイール発電機30の詳細構造を説明する。図3は車輪31,32に取付けたインホイール発電機30の構造図である。
車両90各車軸33の前輪31及び後輪32のホイールディスク34にはロータ35がそれぞれ固着されている。
車両90の動力モータ20により車軸33が回転すると、ロータ35がステータ36(図4参照)に対して回転し、発電された電力がケーブル39を通じてマルチプレクサ30aを介して放電・充電切替装置41へ出力される。
【0054】
図4は、インホイール発電機30のロータ35とステータ36の詳細構造を示す図である。
図4は、車軸33を通り地面に垂直な面の断面を示し、90aは車両の車台を示し、90bはタイヤ、90cは懸架装置、90dはバネを示す。
車軸33はベアリング33aを介して軸受37により軸支され、軸受37は懸架装置90c及びバネ90dを介して車台90aを支持しており、ホイールディスク34はその中心部分において車軸33の端部に固着され、その外周部分においてリム34bを備え、タイヤ90bを支持している。
【0055】
ホイールディスク34は、その中間部分に突起固着部34aを備え、一方、軸受37は延伸部37cとその外周に設けられた支持体37bを備え、突起固着部34aは延伸部37cと支持体37bの間に設けられた同心円状の開口部を貫通するように配置されている。
支持体37bの内部に複数のコイル35aを周方向に配列させたロータ35は突起固着部34aに固着され、さらにベアリング37aを介して軸受37により軸支されている。
他方、永久磁石からなるステータ36は、軸受37から延伸された支持体37bに固着されている。
以上の構成により、ステータ36の内側でロータ35が車軸33と共に回転すると、コイル35aの両端に接続された配線を通じて発電出力が取り出される。
【実施例2】
【0056】
次に、本発明の電気車両システムの実施例2を説明する。図2は、本発明の電気車両システム200の実施例2を示す構成図である。図1の符号と同一の符号は同じ機能であり説明を省略する。
60は、第1第2〜第Nの電池パック11、12〜14と同様に放電・充電切替装置42に接続されたコンデンサ部である。図8はコンデンサ部60の構成を示す図である。
図8に示すように、コンデンサ部60は、複数P(整数)個の電気2重層コンデンサ61と、P個の電気2重層コンデンサ61に対して入力される電力を所定時間Tづつ順次充電する充電切替制御回路62と、充電されたP個の2重層コンデンサ61からその各電気2重層コンデンサ61毎に順次放電させる放電切替制御回路63とから構成される。
【0057】
上記構成のコンデンサ部60は、放電・充電切替装置42に蓄電装置として接続される。但し、充電側端子64と放電側端子65とに2対にわけて放電・充電切替装置42に接続される。
尚、コンデンサ部60内部に充電・放電切替回路を設けて、切替制御部CPU52がその切替を制御するようにすれば、充電側端子64と放電側端子65は1対になる。
更に、1組の一次電池パック19が充電切替装置42へ接続される。この電池パックは再生型亜鉛空気電池であり、各セル毎に亜鉛材料交換口溝部19bを備える。この構成に関しては、後述する。(図10参照)
【0058】
また、N組の二次電池パック11−14と、放電・充電切替装置42を介する動力モータ20及びインホイール発電機30との間の切替制御部52による接続制御プログラムは前記第1の接続手段でもよく第2の接続手段でもよい。
切替制御部CPU52は、いずれかの接続手段に以下のようなコンデンサ放電手段を加える。
すなわち、切替制御部CPU52は、停止している車両が走行を開始する時を検知して、その時点よりコンデンサ部60の放電側端子65を車両の動力モータ20に接続するON信号と共に、第1及び第2の電池パック11、12はOFFとなる信号を送り、発進時に必要な大電流を所定時間(P個の2重層コンデンサ61が全部放電する時間)動力モータ20を稼動させ、通常のモード切替手段に戻す。
【0059】
尚、充電切替制御回路62は、インホイール発電機30からの充電電力を受けて、図8の破線右側に示すデマルチ部でデマルチし、P個の電気2重層コンデンサ61に時分割信号で供給する。
他方、放電切替制御回路63は、P個の電気2重層コンデンサ61にストアされた電力を時分割信号で放電するように制御する。これらの放電電力を図8に示す破線右側のマルチプレクサ部でマルチプレックスし、車両の動力モータ20へその放電電力を供給する。
【0060】
二次電池パック群11−14及びコンデンサ部60に加えて、マイナス極活物質材料の交換可能な亜鉛空気電池19も放電・充電切替装置42に同様に接続されているので、放電して残量が少ない時は亜鉛材料交換口溝部19bに何時でも亜鉛材料を挿入して空気電池を再生できる。
二次電池パック群が総てダウンするか充電時間が足りない時は緊急用として使用できる。切替制御部CPU52は放電・充電切替装置52に緊急の場合のみ亜鉛空気電池19を自動的に接続させる。
【0061】
放電・充電切替装置52における二次電池パック群11−14との接続回路は、実施例1の放電・充電切替装置42と同様なので説明を省略する。
尚、第1の接続手段、第2の接続手段のいずれも採ることができる。
又、以上の実施例2は、実施例1と同様に動力モータ以外の電力電源として二次又は一次電池パックの1組に接続する手段を備え、照明、空調機、センサー機器に使用できる電源を設けることができる。
【0062】
次に電気車両システムに適応するように、電池セルの極間反応の対向面積を大きくして且つ各極活物質材料からの発熱を効率よく放散させる高容量の二次電池単位セル構成について説明する。尚、一次電池セルの構成も同様である。
図9には、リチウムイオン電池の構造図を示す。図9(a)は5単位セルからなる1組の二次電池パックを示す。図9(b)(c)はその1単位セルの構造図例を示し、(c)は車両用に特に放熱に対応した構造を示す。図9(d)は(c)のz−z断面図を示す。図中、cはスラリー状にしたマイナス極活物質材料cxを塗込み乾燥させた支持部材の板状陰極板、dはスリラー状にしたプラス極活物質材料dxを塗込み乾燥させた支持部材の板状陽極板、eはアルカリ水溶液又はイオン性液体、fはイオン交換セパレータ、gは外囲器又はケースを示す。pは液が漏れないようなパッキング又は封じ機構を示す。
cxは黒鉛(C)、dxはリチウムを含む酸化物からなる。その酸化物にはコバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウムなどを使う。
【0063】
図9(b)は板状の陰極cと陽極dとを交互に配列して反応面積を増やし単位体積当りの電池容量を増加させる1単位セルの構造を示す。但し、高エネルギー密度となるので、対応した各極の放熱を図9(c)のように考慮する。
図9(c)は支持部材c、dをそれぞれ中空板状或は中空パイプを埋め込んだ板状として熱放散を増加させた構造である。エネルギー密度が高くなると単位面積当りの電流が増加し熱の発生も増加する。従って、電流が増加する程、極板の放熱はセルの高容量化に必要となる。
詳しくは、(c)に示すように、中空板支持部材c、dを外囲器或はケースgに対して垂直方向に突き抜けて、パッキング又は封じ機構pにより電解液が洩らないようにそれぞれ配設すれば、マイナス及びプラス極活物質材料cx、dxが発生する熱を中空板支持部材c、dに伝導され、その熱は中空にある空気を加熱して熱対流により加熱空気は支持部材中空排気孔sを通り上方へ流れ自然に排気される。図中の矢印は空気の移動方向を示す。
【0064】
図10(a)(b)には、車両用に対応した亜鉛空気電池単位セルの構造図例を示す。マイナス極活物質材料cxを亜鉛(Zn)とし、その外側にマイナス極材料支持部材である板状集電極cを設ける。
一方、プラス極活物質材料側は空気電極dを設け、外囲器ケースgとの間に気体透過性膜kを配置してアルカリ電解液或はイオン性液体eを漏らさないように封じ機構pを設ける。ここで、gaは空気酸素取り入れ口である。gbは外囲器ケースg間の空気流通路である。
図10(a)は板状支持部材cと外囲器gからなる対を横方向に集積し反応面積を増やし車両に適応した電池容量とすることができる構造を示す。
尚、外囲器ケースgを一体の収納ケースとして、その中に分割する隔壁板を設けてもよい。この場合は各隔壁板毎に中空の空気流通路を設ければよい。
図10(b)には、更に、cxの支持部材cに発生する熱を冷却する中空間隙構造を示すが、図9(c)と同様の原理なので説明は省略する。
【0065】
図11は、プラス極活物質材料dxにはオキシ水酸化ニッケル(NiOOH)又は二酸化マンガン(MnO)のいずれかとカルシュウムとカーボンを用い、マイナス極活物質材料cxには亜鉛(Zn)とカーボンを用いた車両用に対応した二次電池セルの構造図を示す。
図11(a)は、各セル毎の単位セル内部構造図である。ここでa、bはそれぞれ陽極端子、陰極端子を示す。c、dはそれぞれ活物質材料cx,dxを塗布したの板状支持部材を示し、eはアルカリ水溶液又はイオン性水溶液を示す。fは水酸化イオンを選択的に通過させるセパレータ、gはそれらの外囲器ケースを示す。pはパッキング又は封じ機構を示す、尚、板状支持部材c,dの放熱構造はそれぞれ後述する。
【0066】
図11(b)は陽極側の製造の流れ図、(c)(d)は陰極側の製造の流れ図である。
陽極側は、最初にプラス活物質材料dxの支持部材dとして白銅板をメッシュ状にした電極基板を製作する。一端には予め+端子aを設ける。
次に、オキシ水酸化ニッケル(NiOOH)又は二酸化マンガン(MnO)と、カルシウム(Ca)と、粒状のカーボンとにバインダーを入れて混合し、ペースト状にしたものを前記白銅板メッシュ状の電極基板に塗布する。
塗布後、ペーストを乾燥させてから焼付け、陽極側の製作が完成する。
一方、陰極側は、最初にマイナス活物質材料cxの支持部材cとして亜鉛板をメッシュ状にした電極基板を製作する。一端には予め−端子を設ける。
【0067】
次に、亜鉛(Zn)、粒子のカーボンにそれぞれバインダーを入れて別々に混合し、亜鉛のペースト状とカーボンのペースト状の2種類のペーストにしたものを分離して前記亜鉛板メッシュ状の支持部材cxに塗布する。
塗布後、ペーストを乾燥させてから焼付け、陰極側の製作が完成する。
ここで、陽極側の支持部材dの水酸化ニッケル又は二酸化マンガンとカルシウムと、カーボンの配合比は、それぞれ20〜30%、40〜60%、10〜40%の範囲に入るようにする。
一方、陰極側の支持部材cには2種類のペーストを分離せて塗布するが、その亜鉛ペースト領域とカーボンペースト領域との塗布面積比は、それぞれ60〜90%、10〜40%の範囲に入るようにする。
尚。ここで、図11(c)、(d)に示すように前記2種類の分離領域は水平或は横方向に分離したパターンでもよく、垂直或は縦方向に分離したパターンでもよい。更に、その分離パターンを繰り替えしてもよい。製造工程の容易さによって決めればよい。図11(d)はパターン周期が2回の場合を示す。
【0068】
以上の構成における二次電池として、支持部材c或はdがフィルム状の構造が考えられるが、電流を必要とする車両用としては熱放散構造に適当でない。
板状の支持部材c及びdは、図11(a)に示したように、外囲器ケースgをパッキングpにより電解質を漏らさず垂直(縦)に突き抜け、さらにその内部は中空状間隙或は中空孔えを有して空気の対流により自然に排気する構成である。図9(c)図10(b)と同様の放熱構造である。
図11(a)に示した熱放散によい構造に、図11(b)(c)のメッシュ状の支持部材c,dを変える場合は中空間隙或るいは複数のパイプ孔を持つ板の両側にメッシュ状支持部材c或はdを貼り付ければよい。
【0069】
前記2種類の領域において、マイナス極材料cxペースト材に亜鉛が含まれてプラス極材料dxとセパレータfを介して対向している部分を第1の領域とし、カーボンと対向している部分を第2の領域とする。即ち、マイナス極材料が異なる二次電池が並列に接続された回路と等価である。
プラス極側 NiOOH+HO+e⇔ Ni(OH)+ 2OH
マイナス極側 Zn+2OH ⇔ ZnO+ HO+ e
第1の領域では、放電の反応によりプラス極材料dxで生成された水酸化イオンOHはセパレータfを透過しマイナス極材料cxに移ると共に陰極端子から電子eが陽極端子へ流れる二次電池を形成する。
【0070】
一方、第2の領域では、カルシウムイオン(Ca)が反応する。充電時にはカルシウムイオンがプラス極材料dxから放電されマイナス極材料cxのカーボンに吸着される。また、放電時にはマイナス極材料cxに吸着されたカルシウムイオンがカーボンより離脱されプラス極材料dxに戻る。
カルシウムイオンはイオン半径が大きいので、充電時にそのイオンを捕捉するマイナス極材料cxの性能に大きく依存する。従って、マイナス極材料cxにカーボンを分離した第2の領域を設けた複合電池とすることにより、カルシウムイオンをより多く吸着させることができる。前記パターン繰り返しも効果がある。また、カルシウムイオンは2価の陽イオンであるので第2の領域のおける二次電池セルは高電圧(セル当り1,8〜3,0V)なので、陰極材料分離型二次電池セルとすれば高電圧となり、セル数の少ない二次電池パックとすることができる。
【0071】
図12(a)は、充電特性の比較図を示す。(b)は、放電特性の比較図を示す。(a)、(b)ともに鉛電池、陰極非分離型、陰極材料分離型を比較した図である。いずれの曲線も40Ah容量の場合で比較した。
(a)では10.8Vでスタートして12.5Vになるまで時間の差を示し、分離型は充電時間が短いことを示す。
(b)では、いずれも12.5Vから10Aの定電流放電により10.8Vになるまでの時間を示す。陰極分離型は放電特性も長いことを示す。
以上の充放電特性は電池パックの充電時間を短くし、車両による放電時間を長くする。結果として車両が外部電源から充電する時間距離の間隔を長くできる。
図13は陰極材料分離型により容量の増大を示す表である。非分離型に較べて約2倍程度容量が増加する。
【0072】
図14は、陰極材料分離型の電極活物質材料別、電解質液別の充放電特性の比較図を示す。図14(a)は充電特性の比較図であり、図14(b)は放電特性の比較図である。ここでA、B、C、Dの材料別電解質液別の組合せを以下に示す。
Aの組合せは、プラス極材料dxが水酸化ニッケル、マイナス極材料cxが 亜鉛とカーボン、電解質液eがアルカリ電解液である。
Bの組合せは、プラス極材料dxが二酸化マンガン、マイナス極材料cxが 亜鉛とカーボン、電解質液eがアルカリ電解液である。
Cの組合せは、プラス極材料dxが水酸化ニッケル、マイナス極材料cxが 亜鉛とカーボン、電解質液eがイオン性水溶液である。
Dの組合せは、プラス極材料dxが二酸化マンガン、マイナス極材料cxが 亜鉛とカーボン、電解質液eがイオン性水溶液である。
尚、水酸化ニッケル、或は二酸化マンガンの代りに酸化銀でもよいが、コスト面から不利である。
また、イオン性溶液は一般に温度特性がよく、不燃性であり安全性があり、外気との反応が少なく、蒸発も少ない長期的に安定した二次電池となる。
【符号の説明】
【0073】
cx マイナス極活物質材料
dx プラス極活物質材材
c cxの支持部材、集陰極
d dxの支持部材、陽極、空気電極
e アルカリ水溶液又はイオン性液体
f イオン交換セパレータ
g 外囲器又はケース
ga、gb 空気孔
k 気体透過性膜
s 支持部材中空排気孔
p パッキング又は封じ機構
h1−h8、n1−n8 シリコン制御整流素子のゲート端子
10a,10b 二次電池、一次電池単位セル
11−14 第1第2…第Nの二次電池パック(N=2,3,4)
16−17 第1…第Mの一次電池パック(M=1,2)、再生型亜鉛空気電池
16b,17b,19b 亜鉛材料交換口溝部
19 一次電池パック
20 動力モータ
30 インホイール発電機
30a マルチプレクサ
31 前輪
32 後輪
33 車軸
33a ベアリング
34 ホイールディスク
34a 突起固着部 34b リム
35 ロータ
35a コイル
36 ステータ
37 軸受
37a ベアリング 37b 支持体 37c 延伸部
39 出力ケーブル
41、42 放電・充電切替装置
51、52 切替制御部
53 記憶装置
54 制御出力端子群
55 信号入力端子群
60 コンデンサ部
61 電気2重層コンデンサ
62 充電切替制御回路
63 放電切替制御回路
64 充電側端子
65 放電側端子
90 車両
90a 車台 90b タイヤ 90c 懸架装置 90d バネ
100、200 電気車両システム
19 マイナス極活物質材料の交換可能亜鉛空気電池


【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛を使用しない電池と、駐車中に商用電源から充電する接続端子を有する車載充電部と、前記電池の放電により車両を走行させるモータと、を少なくとも備えた電気車両システムであって、
プラス極活物質材料からなる陽極と、マイナス極活物質材料からなる陰極と、それら電極間に電解質液体を浸すイオン交換用のセパレーターと、から少なくともなり、前記陽極・陰極の反応面における走行時電流の発生熱を発散させる前記電極の支持部材を備えて電池を形成する単位セルと、
二次電池を形成する前記単位セルを直列に接続して必要とする所定DC電圧を出力させるセルスタックとしてそれを複数N組(Nは2,3又は4)設置する二次電池パック群と、
車両の各車輪のホイールディスクにそれぞれ固着されたロータと前記各車輪の軸受けに固着されたステータからなり、前記ロータ及びステータの少なくとも一部が前記車輪のリムと前記ホイールディスクにより囲まれる空間に収納配設され、車両の走行により前記車輪が回転して電力を出力するインホイール発電機と、
前記車両を電池により走行させる動力モータと、
前記二次電池パック群中1組のパック電極端子と前記動力モータとを接続し放電させる制御信号を受け、前記二次電池パック群中他の1組のパック電極端子と前記インホイール発電機とを接続し充電させる制御信号を受け、それぞれ所定順序で循環して電池パックの接続切替をする放電・充電切替装置と、
前記放電・充電切替装置へ前記制御信号を送り切替制御するコンピュータからなる切替制御部と、を備え、
前記切替制御部は、前記二次電池パック群の第1、第2…第N二次電池パック毎の電力残量を計測するため各センサーからの信号値をメモリに集積する記憶手段と、車両走行に現在使用している放電中のパックの残量が走行に必要な所定量以下になったとの判定時には、次の所定順序のパックに接続させるため前記放電・充電切替装置の電子制御スイッチ群に対してそれぞれ制御信号を送る放電切替手段と、前記発電機から現在充電されている電池パックが満充電になっているとの判定時には、次に放電されたパックに接続させ、放電完了されたパックが無い場合は接続させない制御信号を前記スイッチ郡に対して送る充電切替手段と、を少なくとも備えることを特徴とする電気車両システム。
【請求項2】
前記切替制御部は、前記第1二次電池パックの電極端子を前記動力モータに制御信号により接続し、前記第N二次電池パックの電極端子を前記インホイール発電機に制御信号により接続する第1モードと、
前記第2二次電池パックの電極端子を前記動力モータに制御信号により接続し、前記第1二次電池パックの電極端子を前記インホイール発電機に制御信号により接続する第2モードと、
前記第N二次電池パックの電極端子を前記動力モータに制御信号により接続し、前記第(N−1)二次電池パックの電極端子を前記インホイール発電機に制御信号により接続する第NモードからなるN個のモードを、走行に使用している二次電池パックの残量が所定量以下になれば次のモードに順次切り替えるモード切替手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の電気車両システム。
【請求項3】
前記切替制御部は、前記各モードにおいて、車両ギアシフト部のドライブモードによる加速状態中は二次電子パックの電極端子と動力モータを接続し他の接続は切断し、前記ドライブモードによる加速以外の状態及びニュートラルモード状態中は二次電池パックとインホイール発電機を接続し他の接続は切断し充電による制動状態とすることを特徴とする請求項2記載の電気車両システム。
【請求項4】
前記切替制御部は、前記放電切替手段及び充電切替手段に加えて、ギアシフト部のドライブモードによる車両加速状態期間に入れば、直前まで走行使用中の二次電池パックを前記動力モータにのみ接続し、その期間外になれば接続を解除し、一方、ドライブモードによる加速状態及びニュートラルモード状態期間に入れば、前記直前まで走行使用中の二次電池パック以外の電池パックを前記インホイール発電機にのみ接続し充電による車両制動状態とし、その期間外になれば接続を解除する制御信号を送る加速・制動対応充放電手段を備えることを特徴とする請求項1記載の電気車両システム。
【請求項5】
前記二次電池パック群に加えて、一次電池を形成する前記単位セルを直列に接続して必要とする所定DC電圧を出力させるセルスタックとして、該セルスタックM組(Mは1又は2)の一次電池パックを設け、
前記切替制御部は、前記二次電池パック群の残量がすべて前記所定値以下である時は前記一次電池パック中の1組へ接続制御信号を送り動力モータと接続する緊急切替手段を更に備えることを特徴とする請求項1、2又は4記載の電気車両システム。
【請求項6】
前記切替制御部は、前記動力モータに接続し現在まで使用していた二次電池パックを除く二次電池パックに対して、車両走行中車両停車中にかかわらず前記一次電池パックの1組から充電するための接続制御信号を送る一次電池充電接続手段を更に備えることを特徴とする請求項5記載の電気車両システム。
【請求項7】
前記一次電池パックは、マイナス極活物質材料を交換できる挿入溝を有する再生型亜鉛空気電池であることを特徴とする請求項5記載の電気車両システム。
【請求項8】
前記単位セルは、プラス極活物質材料をリチウム(Li)を含む酸化物、マイナス極活物質材料を黒鉛(C)とし、セパレーターに含まれる電解質液をアルカリ性電解液又はイオン性液体と、それら活物質材料をそれぞれ固着支持し、電解質液が漏れないようにして外囲器ケースを突き抜け、中空間隙又は複数の中空孔を有して空気が通過できる板状の支持部材とからなり、各単位セルは充放電時に活物質部材に発生する熱を熱抵抗の少な支持部材を経由して前記中空孔から外部に熱排出することを特徴とする請求項1、2又は4記載の電気車両システム。
【請求項9】
前記単位セルは、プラス極活物質材料側には空気陰極を設けその外側に気体透過性膜を介して空気孔を有するプラス端子となる外囲器ケースを設け、マイナス極活物質材料を亜鉛(Zn)として、板状のマイナス極集電極板両面にその亜鉛材料を設け、そのマイナス極集電極と前記空気陰極との間には前記マイナス極活物質の亜鉛と、水酸化カリウム(KOH)を含むアルカリ性電解液と、マイナス極活物質亜鉛材料を固着支持して電解質液が漏れないようにして外囲器ケースを突き抜け中空間隙のある板状の支持部材と、から少なくともなり、前記単位セルは空気中の酸素を使って発電し活物質に発生する熱を熱抵抗の少ない支持部材を経由して、その熱を中空間隙から自然に排出することを特徴とする請求項1、2又は4記載の電気車両システム。
【請求項10】
前記単位セルのマイナス極集電極と空気陰極との間は、マイナス極活物質の亜鉛と電解質液となるアルカリ性の水酸化カリウム(KOH)とのペースト状からなり、空気のみ透過する膜で包まれていることを特徴とする請求項9記載の電気車両システム。
【請求項11】
前記単位セルのマイナス極活物質が2種類あってそれらが支持部材上に分離して塗布され、等価的に2つが並列に接続した複合電池を形成し、
前記単位セルの陽極は、白銅メッシュ状の所容積寸法の電極材料支持部材と、オキシ水酸化ニッケル(NiOOH)又は二酸化マンガン(MnO)のいずれかとカルシウムとカーボンとを所定配合比にしてバインダーを入れて混合し、前記電極材料支持部材に塗付し乾燥させたプラス極活物質材料とからなり、
前記単位セルの陰極は、前記陽極の面積寸法と同一の電極材料支持部材と、亜鉛(Zn)、カーボンにそれぞれバインダーを入れて別々に混合し、所定面積比に分離して前記電極材料指示部材に塗り分け、乾燥させた陰極分離塗布型のマイナス極活物質材料とからなり、
亜鉛側の対向面間の第1領域は二次電池として動作し、カーボン側の対向面間の第2領域はカルシュウムイオンにより高電圧型(セル当り)二次電池として動作することを特徴とする請求項1、2又は4記載の電気車両システム。
【請求項12】
前記陽極側ペースト材の所定配合比は、オキシ水酸化ニッケル(NiOOH)又は二酸化マンガン(MnO)のいずれかが20〜30%、カルシウム40〜60%、カーボン10〜40%の範囲に少なくとも入り、前記陰極側ペースト材の所定面積比は、亜鉛塗布部60〜90%、カーボン塗布部10〜40%の範囲に少なくとも入ることを特徴とする請求項11記載の電気車両システム。
【請求項13】
陽極及び陰極の前記電極支持部材はそれぞれ電解質液が漏れないように気密封じして外囲器ケースを突き抜けて固定し、その部材に板状の中空間隙又は複数の中空パイプ孔を有して、熱抵抗の少ない支持部材を経由し熱放散することを特徴とする請求項11記載の電気車両システム。
【請求項14】
前記切替制御部は、接続されている電池パックと前記インホイール発電機の発電出力電圧を常時計測し、その電池パックよりインホイール発電機の電圧値が下回った時点で、インホイール発電機からの出力端子上のすべての電子制御スイッチへ切断信号を送る発電機分離手段を備えることを特徴とする請求項1、2又は4記載の電気車両システム。
【請求項15】
複数L(整数)個の電気2重層コンデンサと、
L個の前記電気2重層コンデンサに対して入力される電力を所定時間ずつ順次充電する充電切替制御回路と、
充電されたL個の前記電気2重層コンデンサから各コンデンサ毎に順次放電させる放電切替制御回路とからなるコンデンサ部を、前記放電・充電切替装置に前記電池パック群と同様に並列に接続した蓄電装置と、
前記切替制御回路部は車両が走行を開始する時を検知した時点より前記コンデンサ部を車両の前記動力モータに接続する制御信号を送り、発進時に必要な電流で動力モータを稼動させるコンデンサ放電手段と、
を備えることを特徴とする請求項1、2、4又は5記載の電気車両システム。
【請求項16】
前記各単位セルのプラス極活物質材料及びマイナス極活物質材料は電解質液体を含めて外囲器又はケースに収容され、それぞれの活物質材料を固定支持する部材は垂直方向に前記外囲器又はケースを突き抜けて設けられると共に、その部材の垂直方向に中空スリット又は複数の中空孔を有する支持部材を備え、活物質材料からの発生熱を熱抵抗の少ない該支持部材へ伝導させ、該スリット又は孔中の空気の対流で発生熱を自然に又は強制空冷により外部に排出することを特徴とする請求項1、2、4又は5記載の電気車両システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−62058(P2011−62058A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212130(P2009−212130)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(503416881)
【Fターム(参考)】