説明

電気通信ネットワーク、および電気通信ネットワークのノードを構成する方法

ノードはそれぞれの隣接ノードの少なくとも1つの構成における変更に反応する、電気通信ネットワークのノードを構成する方法が提供される。この方法は、近隣のノードのクラスタを特定するステップと、クラスタ内のどのノードが他のクラスタに隣接する境界領域にあるかを特定するステップと、境界領域の他のノードの構成に応じて、境界領域のノードの構成を適応させるステップと、設定されたように境界領域のノードの構成を考慮しながら、クラスタ内の他のノードの適応された構成に応じてクラスタ内のノードの構成を適応させるステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気通信に関し、具体的には、電気通信ネットワークにおけるノードの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークにおいてノードを自己構成するための分散化されたアルゴリズムは、使用できるソリューションへと収束しない可能性があるというリスクがある。これは特に、多数のノードが対話している大規模なネットワークにおいて当てはまる。例えば、ネットワーク最適化の多くの状況において、ネットワーク・ノード、例えば、移動体通信のための基地局または光学的スイッチの構成は、近隣のネットワーク・ノードの構成に依存しており、またこの逆の依存関係も存在する。これが意味するのは、ネットワーク・ノードの特性または特徴を変更するという意味において、あるネットワーク・ノードの構成を変更されると、これによって近隣のノードは、各自の特性または特徴を変更するようにトリガーされ、これによって、その近隣のネットワーク・ノードが各自の特性または特徴を変更するようにトリガーされる、というようになる。これは、ネットワークにおいて多くの混乱を引き起こす可能性がある問題であり、混乱が深刻でネットワーク全体に広がると、破局的な障害を引き起こす可能性もある。
【0003】
中央からの制御を欠くという意味で分散された対話するノードの大規模ネットワークの動作は、正確に予測することができない。これは、そのようなシステムは複雑であり、正確に分析することが困難であったり、可能でなかったりするからである。さらに、個々のノードが利用できる情報は限定されている。
【0004】
反対に、制御が中央化または集中化されたシステムにおいては、中央制御はシステム全体の状態を適切に把握しているため、例えば、ネットワーク・ノードでの自己構成アルゴリズムの実装などについて、適切なネットワーク構成を決定し、適切に制御された方法でその構成を実装することができる。しかし、集中化された手法は、例えば、フェムトセル展開のように、多数のノードが存在する急速に変化するネットワークなど、大規模なネットワークに適用するのが難しいという点で拡張性に問題がある。
【0005】
この文書では、フェムトセル基地局をフェムトと呼ぶことがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Ho L T W、Ashraf I、およびClaussen H、「Evolving Femtocell Coverage Optimisation Algorithms Using Genetic Programming」、IEEE PIMRC 09、2009年9月の議事録
【非特許文献2】John Koza、「Genetic Programming:On the Programming of Computers by Means of Natural Selection」、MIT Press、1992年
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
読者は、添付の独立請求項を参照する。一部の好適な特徴は、従属請求項にて説明している。
【0008】
本発明の一例は、電気通信ネットワークにおいてノードを構成する方法であり、ノードは、それぞれの隣接ノードの少なくとも1つの構成における変更に反応する。この方法は、
近隣のノードのクラスタを特定するステップと、
クラスタ内のどのノードが他のクラスタに隣接する境界領域(frontier region)にあるかを特定するステップと、
境界領域の他のノードの構成における変更に応じて、境界領域のノードの構成を適応させるステップと、
設定されたように境界領域のノードの構成を考慮しながら、クラスタ内の他のノードの構成への変更に応じてクラスタ内のノードの構成を適応させるステップと
を含む。
【0009】
本発明の好適な実施形態では、ネットワークをクラスタへと分割し、境界域においてノードの構成を実装する。境界域のノードは、近隣のノードの対応する設定における変更に応じて各ノードが設定を適応させるために生じる変更の伝播をクラスタ内に制限する。言いかえると、ネットワークを境界域を有するクラスタに分割することによって、振幅および障害は1つのクラスタ内では伝播されるが、それ以上のクラスタへと継続されるのを防ぐことができる。いくつかの実施形態では、クラスタのサイズが知られているため、関与する計算タスクを実行するためのハードウェアを適切に選択することができる。
【0010】
本発明の実施形態について、例示を目的として、図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】分散型セルラー・ネットワーク(従来の技術)を通じたセル有効範囲の変更の既知の伝播を示す図である。
【図2】図1に示す分散型セルラー・ネットワーク(従来の技術)のセル有効範囲の最適化における既知の振幅を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態によるセルのクラスタのネットワークを示す図である。
【図4】図3に示すネットワークのセル有効範囲のクラスタ内最適化を示す図である。
【図5】クラスタ間の境界が特定され始める後の段階におけるネットワークのセル有効範囲を示す図である。
【図6】クラスタ間の境界が描かれた後の段階におけるネットワークのセル有効範囲を示す図である。
【図7】境界が境界の最適化によってより良好に定義された後の段階におけるネットワークのセル有効範囲を示す図である。
【図8】ネットワークにおいて結果として得られるセル有効範囲を示す図である。
【図9】図3に示すネットワークの個々のセルの観点からセル有効範囲の最適化プロセスを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態による、クラスタが重なるネットワークを示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態によるネットワークを示す図であり、クラスタの一部のセル(内側および境界域を形成するセル)は、他のクラスタ内に位置する。
【図12】本発明の第4の実施形態によるネットワークを示す図であり、クラスタの少数のセル(境界域のみを形成するセル)は、他のクラスタ内に位置する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ネットワーク・ノード最適化の例として、発明者は、特にフェムトセル展開、言いかえると、ネットワーク・ノードがフェムトセル基地局である場合におけるセル有効範囲の最適化について考慮した。発明者は、視覚化が容易なので、セル有効範囲の最適化を例として考慮した。もちろん、ノードの他の特性または属性を、加えてまたは代わりに最適化することができる。
【0013】
発明者は、フェムトセル展開におけるセル有効範囲の最適化に対する既知の手法を考慮した。ここでは、フェムトセルの有効範囲は、負荷分散、干渉の最小化、有効範囲の穴の防止などの目的を達成するために調整される。これは、パイロット・チャネルの伝送出力を変更し、基地局アンテナの構成を変更することで行われる。発明者は、分散型アルゴリズムが使用される既知のシステムでは、図1(従来の技術)に示すように、ネットワークの一部における変更は、ネットワーク全体に伝播する可能性があることを認識した。図1は、4つの連続する時間のインスタンス(ステップi、ii、iii、およびiv)における3つの近隣のフェムトセル(A、B、およびC)を示している。例えば、図1に示すように、フェムトセルAがその有効範囲を縮小(ステップii)すると、その結果、有効範囲のギャップを満たすために、その隣接フェムトセルBの有効範囲が拡大される(ステップiii)。これにより、次に、フェムトセルCはその通信領域を縮小させることになる(ステップiv)。有効範囲のそのような変更は、サービスの品質が低下し、(ユーザ・トラフィックとは対照的に)制御信号が増加するという一時的な状況につながる可能性がある。
【0014】
また、不安定な振動の動作が発生し、ネットワークが安定した構成へと収束しないというリスクもある。例えば、図2(従来の技術)に示すように、近隣の2つのフェムトセル(ここではD、Eと示す)が、他方の通信領域に適合するために、それぞれが交互にその通信領域を拡大し縮小するが、安定した通信領域の構成は達成されないというループに入る可能性がある。そのような混乱は望ましくない。
【0015】
次に、本発明の実施形態を見てみると、視覚化が容易であるため、再び有効範囲の最適化を例として考える。一般的なデジタル加入者回線アクセス・マルチプライヤ(DSLAM:Digital Subscriber Line Access Multiplier)へのバックホール接続を持つフェムトセルは、どのようにクラスタとして考えることができるか、各クラスタは、どのようにクラスタ内のセル有効範囲を最適化するか(「内部の最適化」)、クラスタ間の境界は、どのように特定するか、および境界のフェムトセルは、有効範囲においてどのように最適化されるか(「境界の最適化」)について考える。境界の最適化を使用することによって、境界でのフェムトセルのセル通信領域は固定されるため、クラスタ内のフェムトセルのセル通信領域において、混乱および摂動はそのクラスタ内に含まれる。
フェムトセルのクラスタ化
【0016】
図3に示すように、各フェムトセル基地局(理解を容易にするために、その一部を2として示す)は、それぞれのデジタル加入者回線(xDSL)接続、言いかえると、インターネット・バックホール接続を介して他のフェムトセルと共有されたデジタル加入者回線アクセス・マルチプライヤ(DSLAM)に接続されている。同じDSLAMに接続されたすべてのフェムトセルがクラスタを形成する。図3に、そのようなフェムトの4個のクラスタとしてクラスタA、クラスタB、クラスタC、およびクラスタDを示しており、クラスタAのフェムトは、黒い三角形として示し、クラスタBのフェムトは、中が白い円として示し、クラスタCのフェムトは、黒い正方形として示し、クラスタDのフェムトは、黒丸で示している。DSLAMは、電気通信の世界(図示せず)の残りに対してバックボーン接続6を持つ中央局4を含むメトロポリタン・アクセス・ネットワーク(MAN:Metropolitan Access Network)においてともに接続される。情報は、MANを介してDSLAM間で交換される。
クラスタ内の最適化「(内部の最適化」)
【0017】
図4に示すように、最初に、各クラスタは独立して自身のフェムト通信領域の最適化プロセスを開始する。この例では、最適化プロセスは遺伝的プログラミングを使用する。これについては、例えば、Ho L T W、Ashraf I、およびClaussen Hによる文書「Evolving Femtocell Coverage Optimisation Algorithms Using Genetic Programming」、IEEE PIMRC 09、2009年9月の議事録、およびより一般的にはJohn Kozaによる書籍「Genetic Programming:On the Programming of Computers by Means of Natural Selection」、MIT Press、1992年から知られている。
【0018】
他または似ている実施形態(図示せず)では、強化学習およびニューロファジィ論理など、遺伝的プログラミングの代替方法が使用される。いくつかの実施形態(図示せず)では、2つ以上の方法が組み合わせて使用される。
【0019】
図4に示すように、最初に、各クラスタはそれぞれの近隣についての情報がないため、クラスタ間の境界は定義されない。したがって、単に仮想のものとして考えることができる。各クラスタ内の最適化は、図5および図6に関して下に説明するように、各クラスタ領域内の全体的な有効範囲を最大化し、境界を特定することを目的としている。
クラスタ間の境界の定義
【0020】
図5に示すように、各フェムト2は関連するフェムトセル通信領域を持っており、理解を容易にするために、そのいくつかを参照番号10として示している。各クラスタ内の有効範囲を最大限にする際に、隣接するクラスタは、それぞれの境界12を定義するように通信領域が重なる。これは、図5および図6を比較して見ることができる。これらの図では、クラスタAおよびクラスタBの通信領域の最適化は、有効範囲が存在しない図5の領域8を満たす効果があるため、クラスタAとクラスタBとの間の境界を定義することを含む、図6に示す有効範囲が得られる。
【0021】
境界定義プロセスは、移動体ユーザ端末からのフィードバック情報による。移動体ユーザ端末が2つの重なるフェムトセルの重なる通信領域にいるが、これら2つのフェムトセルは異なるデジタル加入者回線アクセス・マルチプライヤ(DSLAM)に接続されていること、言いかえれば2つのフェムトが異なるクラスタにあることを移動体ユーザ端末が検知すると、移動体ユーザ端末は、この状況を2つのフェムトに通知する。次に、2つのフェムトはそれぞれ、この情報をそれぞれのDSLAMに転送し、そこで情報は、境界でフェムトを特定するデータベース・テーブルを更新するために使用される。
【0022】
一部の状況では、境界のフェムトの一部は、事前に知られている。
境界で特定されたフェムトは、通信領域において安定して保持される
【0023】
各クラスタのDSLAMは、境界に沿っているとして特定されたフェムトをクラスタ・セル有効範囲最適化プロセス内から取り除く。このクラスタ内プロセスでは、次に、それらの通信領域は不定ではなく安定していると考えられる。したがって、セル・サイズの変更または摂動がクラスタ内で伝播されると、境界にあるこれらのフェムトは、安定した通信領域を持っているため、近隣のクラスタに変化または摂動が移動するのを禁止したり、防いだりするように動作する。
境界で特定されたフェムトの通信領域が最適化される(「境界の最適化」)
【0024】
図7に示すように、近隣のクラスタとの境界に沿ったセルは、それぞれのクラスタにおけるフェムトの残りをそれ以上考慮することなく、それらのセル有効範囲に関して最適化される。これは境界領域のみにおいて最大の有効範囲を提供するためである。例を示すために、境界領域の端を示すためだけに点線を示す。境界(実線)と境界領域の端(破線)の間のそのようなフェムトは、セル有効範囲最適化目的のために、それぞれの境界にあると考えられる。
【0025】
この例では、最適化プロセスは、遺伝的プログラミングを使用する。これについては、例えばHo L T W、Ashraf I、およびClaussen Hによる文書「Evolving Femtocell Coverage Optimisation Algorithms Using Genetic Programming」、IEEE PIMRC 09、2009年9月の議事録、およびより一般的にはJohn Kozaによる書籍「Genetic Programming:On the Programming of Computers by Means of Natural Selection」、MIT Press、1992年から知られている。他または似ている実施形態(図示せず)では、強化学習およびニューロファジィ論理など、遺伝的プログラミングの代替方法が使用される。いくつかの実施形態(図示せず)では、2つ以上の方法が組み合わせて使用される。
【0026】
この最適化プロセスは、各境界に対してそれを実行するために選択されたデジタル加入者回線アクセス・マルチプライヤ(DSLAM)によって実行される。代替実施形態(図示せず)では、このプロセスは、関連するフェムトによって分散した方法で実行することができる。他の代替実施形態(図示せず)では、この最適化プロセスは、外部エンティティ、例えば計算要素によって実行される。
【0027】
境界最適化の結果は、図7と比較するために図8に示している。例えば、境界に沿った有効範囲のギャップが閉じられたことが見られるだろう。
クラスタ内の最適化と境界に沿った最適化との関係
【0028】
クラスタ内の最適化および境界に沿った最適化の上記のプロセスは、基本的に独立しているため、クラスタを通じた変更の伝播は、他のクラスタへと継続されることが境界に沿ったフェムトによって止められる。これは、どのような混乱も1つのクラスタ内に限定されるため、その効果も限定されることを意味する。
【0029】
この例では、境界セルの有効範囲での変更は、クラスタ内の有効範囲に影響するが、その逆には影響しない。
全体的なセル有効範囲のソリューションへの収束
【0030】
両方は、全体的な最善のソリューションを提供するためにフェムトの通信領域を最適化しようと継続的に努めているという意味で、クラスタ内の最適化および境界に沿った最適化の両方のプロセスは独立している。もちろん、この手法は、例えば、新しいフェムトが導入されたり、オンまたはオフされたりするなど、トポロジー変更に反応することができる。
【0031】
各クラスタは、フェムトが接続されているデジタル加入者回線アクセス・マルチプライヤ(DSLAM)によって定義されているため、クラスタ内にある可能性があるフェムトの最大数は事前に知られている。したがって、境界領域のフェムトの最大数は限定され、収束ソリューションに到着する際の計算の複雑度も限定される。これが意味するのは、関与するフェムトの数の規模について、これらのプロセスの速度、電力消費、サイズなどにおいて、内部の最適化および境界の最適化のための計算ハードウェアを最適化できるということである。この例では、計算ハードウェアはDSLAMに位置する。代案的な分散型手法(図示せず)では、ハードウェアはフェムト内で分散される。さらに他の実施形態では、ハードウェアは外部エンティティ(例えば計算要素)にある。
個々のフェムトの観点からのプロセス
【0032】
上記の手法についてさらに説明するために、クラスタ内の個々のフェムトについて考える。図9に示すように、起動時に(ステップa)、フェムトは、出力、したがってクラスタ内のフェムトの通信領域に対処する内部最適化プロセス(ステップb)に自動的に含まれる。この目的のために、フェムトには「正常」という状態が与えられる。
【0033】
次に、フェムトセルが境界領域にあるかどうかに関して照会が行われる(ステップc)。この照会は、アルゴリズムの反復ごとに行われる(代替実施形態では、照会はタイム・フレームごとに行うことができる)。フェムトが境界領域にあるものとして検出されると(ステップd)、このための移動体ユーザ端末からの通知メッセージ、または隣接フェムト検出の手続きのために、フェムトの状態は「境界」に変更される(ステップe)。
【0034】
この時点で、「境界」状態のフェムトは、まだ内部の最適化プロセスの一部であるが(ステップh)、その出力レベル、したがって通信領域は、その目的のために安定として設定される(ステップg)。他方では、「境界」状態のフェムトは、境界の最適化プロセスに含まれ(ステップf)、ここでは非境界領域のフェムトは考慮されない。
【0035】
あるクラスタで変更が発生したときに、ネットワーク内のすべてのノードが再構成されるのを防ぐ境界を導入する効果は、その結果、理論的に最適な世界的な有効範囲の構成は、達成可能でない可能性があることを意味する可能性がある。いくつかの実施形態(図示せず)では、この理想からの乖離は、測定または評価することができ、クラスタ化および最適化の方法においてパラメータとして使用することができる。
変形形態
【0036】
上記の例では、境界域のフェムトの特定を調整するためにデジタル加入者回線アクセス・マルチプライヤ(DSLAM)使用される。代替案では、その代わりに、分散した方法でこれを実行する。他の代替案は、例えば計算要素など、外部エンティティがこれを実行する。
【0037】
上記の例では、フェムトは、同じDSLAMに接続されることによりクラスタ化されたものと考えられた。他の実施形態では、ページング領域コードによるフェムトのグループ化など、他のグループ分けが可能である。
【0038】
境界の最適化およびクラスタ内最適化が実施される順序は、所定のシナリオおよび制約によって異なる場合がある。例えば、他の一部の実施形態において、例えば、フェムトがトポロジーを認識するためクラスタ内最適化なしで境界のフェムトが特定される場合、境界の最適化は、クラスタ内最適化の前に実行される。他の一部の実施形態(図示せず)では、例えば、最小化された設定時間をフェムトが必要とする重要な用途において、境界の最適化およびクラスタ内最適化は併行して実行される。
【0039】
図10に示すように、図3から図8Aに関して説明したものとは異なるシナリオにおいて、クラスタはわずかに重なることができる。これは、例えば、いくぶん重なる異なるデジタル加入者回線アクセス・マルチプライヤ(DSLAM)によってサービスを提供される領域を有する実際のxDSL展開において発生することがある。図3から図8に関して説明した方法は、結果として境界領域が分厚くなるという点を除いて当てはまる。
【0040】
図11および図12に示すように、他の一部のシナリオでは、一部のフェムトセル基地局は第1のクラスタに属し、第2のクラスタ内に位置し、主な第1のクラスタから分離される。
【0041】
図11に示すように、クラスタB内に位置するクラスタAからの相当な数のフェムトは、内部領域14および境界領域に両方のセルを持つ「島(island)」として考えることができる。ここでは、内部領域は、例えば、ネットワークにおけるトポロジー記録テーブルの情報stdから特定される。内部領域14のフェムトについては、領域内最適化(クラスタ内タイプの最適化)が実行される。境界領域16のフェムトについては、境界の最適化が実行される。
【0042】
図12に示すように、クラスタB内に位置するクラスタAからの少数のフェムトは、境界領域18のみを持つ「環礁(atoll)」として考えることができる。境界領域18のフェムトについては、境界の最適化だけが実行される。
【0043】
本発明は、その本質的な特徴から外れることなく、他の特定の形式で具体化することができる。説明した実施形態は、あらゆる点において、例を示すために提供するものであり、限定を目的とするものではない。したがって、本発明の範囲は、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の意味内および均等範囲内の変更はすべて、特許請求の範囲内に包含されるものである。
【0044】
上記のさまざまな方法のステップは、プログラムされたコンピュータによって実行できることを当業者であれば容易に認識できるであろう。一部の実施形態は、例えばデジタル・データ記憶媒体など、プログラム記憶装置に関するものであり、プログラム記憶装置は、機械またはコンピュータに読み取り可能であり、機械で実行可能またはコンピュータで実行可能なプログラム命令をエンコードし、前述の命令は、上記方法のステップの一部またはすべてを実行する。プログラム記憶装置は、例えば、デジタル・メモリ、磁気ディスクや磁気テープなどの磁気記憶装置メディア、ハードドライブ、または光学的に読み取り可能なデジタル・データ記憶装置メディアなどでもよい。一部の実施形態は、上記の方法のステップを実行するようにプログラムされたコンピュータを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気通信ネットワークのノードを構成する方法であって、ノードはそれぞれの隣接ノードの少なくとも1つの構成における変更に反応し、
近隣のノードのクラスタを特定するステップと、
前記クラスタ内のどのノードが他のクラスタに隣接する境界領域にあるかを特定するステップと、
前記境界領域の他のノードの構成における変更に応じて、前記境界領域のノードの構成を適応させるステップと、
設定されたように前記境界領域の前記ノードの構成を考慮しながら、前記クラスタ内の他のノードの構成への変更に応じて前記クラスタ内のノードの構成を適応させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記境界領域におけるノードの構成を適応させる前記ステップおよび前記クラスタにおけるノードの構成を適応させる前記ステップは併行して発生する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ノードはセルラー基地局である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
適応される前記基地局の構成の特徴はセル・サイズである請求項3に記載の方法。
【請求項5】
クラスタ内のどのノードが境界領域にあるかを特定する前記ステップは、異なるクラスタにある基地局の有効範囲が重なる領域にある移動体ユーザ端末の場所の情報から得られる請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
クラスタの基地局はそれぞれ、それぞれのクラスタに関連する共有されたバックホール・ノード、具体的にはデジタル加入者回線アクセス・マルチプライヤに接続される請求項3乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ノードを構成する前記方法は、前記他のクラスタでも実施される請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記境界領域のノードの構成を適応させる前記ステップは、連続的および/または反復的に発生する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記クラスタ内のノードの構成を前記クラスタ内の他のノードの前記適応された構成に適応させる前記ステップは、連続的および/または反復的に発生する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ノードを含む電気通信ネットワークであって、
前記ノードは、それぞれの隣接ノードの特徴における変更に反応するように構成され、
前記ネットワークは、
近隣のノードのクラスタを特定するし、
前記クラスタ内のどのノードが他のクラスタに隣接する境界領域にあるかを特定し、
前記境界領域の他のノードの特徴における変更に応じて、前記境界領域のノードの特徴を適応させ、
設定されたように前記境界領域の前記ノードの特徴を考慮しながら、前記クラスタ内の他のノードの特徴への変更に応じて前記クラスタ内のノードの特徴を適応させる
ように構成された電気通信ネットワーク。
【請求項11】
前記境界領域におけるノードの特徴を適応させること、および前記クラスタにおけるノードの特徴を適応させることを併行して実施するように構成された請求項10に記載の電気通信ネットワーク。
【請求項12】
前記ノードはセルラー基地局であり、適応される前記ノードの特徴はセル・サイズである請求項10または11に記載の電気通信ネットワーク。
【請求項13】
前記ノードはフェムトセル基地局である請求項12に記載の電気通信ネットワーク。
【請求項14】
前記ネットワークは、前記他のクラスタにおいても、それらの隣接セルに応じてノードの特徴を適応させるように構成された請求項10に記載の電気通信ネットワーク。
【請求項15】
前記ネットワークは、前記境界領域の他のノードの特徴の調整に応じる前記境界領域のノードの特徴および前記クラスタ内の他のノードの特徴の調整に応じる前記クラスタ内のノードの特徴を継続的および/または反復的な方法で適応させるように構成されている請求項10乃至14のいずれか1項に記載の電気通信ネットワーク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−517721(P2013−517721A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549262(P2012−549262)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007773
【国際公開番号】WO2011/085785
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】