電気部品の積層構造体の製造方法、電気部品の平面配置集合体及び電気部品の平面配置集合体の積層結合方法
【課題】より高品質、高生産性及び高歩留まりで電気部品の積層構造体を製造することができる電気部品の積層構造体の製造方法及び電気部品の平面配置集合体を提供する。
【解決手段】水平に配置されたチップ10同士の隙間を再配置材料22で固定して再配置チップ集合体20を形成し、再配置チップ集合体20同士をそれぞれのチップ10同士が対応するように重ね合わせて結合させる。このため、再配置チップ集合体20の積層構造体を一括して製造できる。再配置チップ集合体20それぞれの再配置材料を溶解可能な液体で溶解させることにより再配置チップ集合体20内のチップ10それぞれを分離して積層チップ40を形成する。ダイシングによるチップ10及びチップ10同士の結合部への機械的ダメージや歩留まりの低下が無くなる。より高品質、高生産性及び高歩留まりで電気部品の積層構造体を製造することができる。
【解決手段】水平に配置されたチップ10同士の隙間を再配置材料22で固定して再配置チップ集合体20を形成し、再配置チップ集合体20同士をそれぞれのチップ10同士が対応するように重ね合わせて結合させる。このため、再配置チップ集合体20の積層構造体を一括して製造できる。再配置チップ集合体20それぞれの再配置材料を溶解可能な液体で溶解させることにより再配置チップ集合体20内のチップ10それぞれを分離して積層チップ40を形成する。ダイシングによるチップ10及びチップ10同士の結合部への機械的ダメージや歩留まりの低下が無くなる。より高品質、高生産性及び高歩留まりで電気部品の積層構造体を製造することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気部品の積層構造体の製造方法、電気部品の平面配置集合体及び電気部品の平面配置集合体の積層結合方法に関し、特に電気部品同士が重ね合わされて接合された積層構造体及び積層構造体を製造するための平面配置集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
クラウドコンピューティング分野に伸長する高性能サーバ及びスマートフォンに代表される携帯端末のメモリ、ロジック、アナログ、パワーには、チップ同士が重ねあわされて接合されたTSV(Through Silicon Via)積層チップが用いられている。下請業者を含むウェーハメーカ等の半導体メーカは微細化技術の限界に達しており、今後の半導体業界の発展には高品質、高生産性、高歩留まり及び低コストの積層チップが必須となっている。従来、積層チップを製造する方法としては、ウェーハ状態でのプローブ検査を行った後、合格チップ(KGD:Known Good Die)のみをチップ単位にて積層(CoC:Chip On Chip)している。
【0003】
例えば、特許文献1に開示の技術では、ハーフダイシング済みのウェーハを基板となるウェーハにフリップチップ(FC:Flip Chip)接合する。上部がハーフダイシングされたウェーハの裏面を研削するバックグラインドによりチップに分割する。電気チェック後に不良チップを抜き取り、KGDのみを再接合する。特許文献1の技術では、このような工程を繰り返して積層チップを製造する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2010−507254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような積層チップの製造では、KGDを確保することが可能である反面、積層プロセスの生産性が低いことや、FC接合時の隣接チップへの熱的ダメージや機械的ダメージが懸念される。特に上記の技術では、バックグラインド時のチップ及びFC接合部へのダメージや、不良チップをKGDに取り換える作業における生産性の低下が課題となる。一方、ウェーハ単位での積層を行うWoW(Wafer On Wafer)を行った場合、積層プロセス自体の生産性は高いものの、ウェーハ内には必ず不良チップが含まれるため、積層チップの歩留まりが低下する。さらに、WoW接合後のダイシング時の機械的ダメージによりチップ又は接合部の破壊が懸念される。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、より高品質、高生産性及び高歩留まりで電気部品の積層構造体を製造することができる電気部品の積層構造体の製造方法及び電気部品の平面配置集合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、平面に配置された電気部品同士の隙間を固定材で固定して平面配置集合体を形成する平面配置集合体形成工程と、平面配置集合体形成工程で形成した平面配置集合体同士をそれぞれの電気部品同士が対応するように重ね合わせて結合させる積層結合工程と、積層結合工程で重ね合わせて結合させた平面配置集合体それぞれの固定材を溶解可能な液体で溶解させることにより平面配置集合体で平面に配置された電気部品それぞれを分離して電気部品の積層構造体を形成する分離工程とを含む電気部品の積層構造体の製造方法である。
【0008】
この構成によれば、平面配置集合体形成工程で平面に配置された電気部品同士の隙間を水溶性樹脂等の固定材で固定して平面配置集合体を形成し、積層結合工程で平面配置集合体形成工程で形成した平面配置集合体同士をそれぞれの電気部品同士が対応するように重ね合わせて結合させる。このため、複数の電気部品が平面に配置された平面配置集合体の積層構造体を一括して製造することができる。この場合、KGDのみを選択して平面配置することも可能である。また、分離工程では、積層結合工程で重ね合わせて結合させた平面配置集合体それぞれの固定材を水等の溶解可能な液体で溶解させることにより平面配置集合体で平面に配置された電気部品それぞれを分離して電気部品の積層構造体を形成する。このため、ダイシングによる電気部品及び電気部品同士の結合部への機械的ダメージや歩留まりの低下を無くすことができる。このため、より高品質、高生産性及び高歩留まりで電気部品の積層構造体を製造することができる。
【0009】
この場合、平面配置集合体形成工程では、水溶性樹脂及び露光により現像液への溶解性が増大するポジ型フォトレジストのいずれかを固定材として用い、電子部品同士の隙間を水溶性樹脂で固定すること及び電気部品同士の隙間をポジ型フォトレジストで固定した後に露光させることのいずれかを行い、分離工程では、固定材として水溶性樹脂を用いたときは、水を溶解可能な液体として用い、積層結合工程で重ね合わせて結合させた平面配置集合体を水に浸漬することにより、平面配置集合体で平面に配置された電気部品それぞれを分離して電気部品の積層構造体を形成し、固定材としてポジ型フォトレジストを用いたときは、現像液を溶解可能な液体として用い、積層結合工程で重ね合わせて結合させた平面配置集合体を現像液に浸漬することにより、平面配置集合体で平面に配置された電気部品それぞれを分離して電気部品の積層構造体を形成することが好適である。
【0010】
この構成によれば、平面配置集合体形成工程では、水溶性樹脂又は露光により現像液への溶解性が増大するフォトレジストを固定材として用い、電気部品同士の隙間を水溶性樹脂で固定するか、ポジ型フォトレジストで固定した後に露光させ、分離工程では、積層結合工程で重ね合わせて結合させた平面配置集合体を水又は現像液に浸漬することにより、平面配置集合体で平面に配置された電気部品それぞれを分離して電気部品の積層構造体を形成する。このため、水溶性樹脂及び水や、従来のフォトリソグラフィーの技術を応用して容易に平面配置集合体の形成とその分離を行うことができる。
【0011】
この場合、平面配置集合体形成工程では、電気部品同士の隙間を水溶性樹脂及びポジ型フォトレジストのいずれかで固定した後に熱処理を行い、積層結合工程では、熱処理により、平面配置集合体形成工程で形成した平面配置集合体同士を重ね合わせて結合させることが好適である。
【0012】
この構成によれば、積層結合工程では、熱処理により平面配置集合体形成工程で形成した平面配置集合体同士を重ね合わせて結合させるが、平面配置集合体形成工程では、電気部品同士の隙間を水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストで固定した後に熱処理を行なうため、積層結合工程での耐熱性を高めることができる。
【0013】
また、平面配置集合体形成工程では、電気部品同士の隙間に液状の水溶性樹脂及びポジ型フォトレジストのいずれかを充填した後に、熱処理で液状の水溶性樹脂及びポジ型フォトレジストのいずれかを乾燥させることにより電気部品同士の隙間を固定することが好適である。
【0014】
この構成によれば、平面配置集合体形成工程では、電気部品同士の隙間に液状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストを充填した後に、熱処理で液状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストを乾燥させることにより電気部品同士の隙間を固定する。このため、電気部品同士の隙間への水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストの充填と電気部品同士の固定とを容易に行うことができる。
【0015】
また、平面配置集合体形成工程では、平面に配置された電気部品同士の上にシート状の水溶性樹脂及びポジ型フォトレジストのいずれかを被せることにより電気部品同士の隙間を固定することもできる。
【0016】
この構成によれば、平面に配置された電気部品同士の上にシート状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストを被せることにより電気部品同士の隙間を固定する。このため、液状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストを乾燥させる工程を行わなくとも電気部品同士の固定を行うことができる。
【0017】
また、平面配置集合体形成工程では、良品であると判定された電気部品を平面に配置した後に電気部品同士の隙間を固定材で固定して平面配置集合体を形成することが好適である。
【0018】
この構成によれば、平面配置集合体形成工程では、良品であると判定された電気部品を平面に配置した後に電気部品同士の隙間を固定材で固定して平面配置集合体を形成する。このため、チップ等の個々の電気部品を形成する前のウェーハ同士を積層した後にダイシングにより電気部品の積層構造体を形成する方法のように、積層構造体に不良品が混入することを防止することができる。
【0019】
また、平面配置集合体形成工程では、粘着性を有するシート上に電気部品を平面に配置した後に電気部品同士の隙間を固定材で固定して平面配置集合体を形成することが好適である。
【0020】
この構成によれば、平面配置集合体形成工程では、粘着性を有するシート上に電気部品を平面に配置した後に電気部品同士の隙間を固定材で固定して平面配置集合体を形成する。このため、電気部品を平面に配置して平面配置集合体を形成することが容易となる。
【0021】
また、本発明は、平面に配置された電気部品同士の隙間が溶解可能な液体で溶解させることが可能な固定材によって固定されている電気部品の平面配置集合体である。
【0022】
このような電気部品の平面配置集合体は、平面配置集合体同士をそれぞれの電気部品同士が対応するように重ね合わせて結合させ、重ね合わせて結合させた平面配置集合体それぞれの固定材を溶解可能な液体で溶解させることにより平面配置集合体で平面に配置された電気部品それぞれを分離して、容易に電気部品の積層構造体を形成することができる。
【0023】
この場合、粘着性を有するシート上に配置された電気部品同士の隙間が溶解可能な液体で溶解させることが可能な固定材によって固定されていることにより、電気部品とシートとが一体化されていることが好適である。
【0024】
この場合、平面に配置された電気部品は、良品であると判定された電気部品であって、電気部品の表面にバンプが設けられ、電気部品の表面にアンダーフィル及び薄層材料のいずれかの被膜が設けられ、バンプの頭頂部が被膜の表面に露出した状態、バンプの頭頂部が被膜の表面に覆われている状態、及びバンプの頭頂部が被膜の表面よりも奥の位置で露出された状態のいずれかにパターニングされているものとすることができる。
【0025】
また、本発明は、本発明の電気部品の平面配置集合体同士をそれぞれの電気部品同士が対応するように1枚ずつ重ね合わせ、被膜を暫定的に硬化させることにより本発明の電気部品の平面配置集合体同士を暫定的に結合させ、以後、同様にして、本発明の電気部品の平面配置集合体同士を所望の枚数まで積層しつつ暫定的に結合させた後に、被膜を最終的に硬化させることにより本発明の電気部品の平面配置集合体同士を最終的に結合させる、電気部品の平面配置集合体の積層結合方法である。
【0026】
この構成によれば、平面配置集合体同士を所望の枚数まで積層した後に、一括して被膜を最終的に硬化させることにより平面配置集合体同士を結合させる場合において、所望の枚数まで積層される前の平面配置集合体同士は被膜を暫定的に硬化させることにより暫定的に結合されているため、所望の枚数まで積層される前の平面配置集合体同士を行程中の取り扱いに十分な強度を有するものとできる。
【0027】
また、本発明は、本発明の電気部品の平面配置集合体同士をそれぞれの電気部品同士が対応するように1枚ずつ重ね合わせ、被膜を最終的に硬化させることにより本発明の電気部品の平面配置集合体同士を最終的に結合させ、以後、同様にして、本発明の電気部品の平面配置集合体同士を所望の枚数まで積層しつつ最終的に結合させる、電気部品の平面配置集合体の積層結合方法である。
【0028】
この構成によれば、平面配置集合体同士を一枚ずつ積層させた後に、被膜を最終的に硬化させ、以後、同様にして、平面配置集合体同士を所望の枚数まで積層しつつ最終的に結合させる場合において、所望の枚数まで積層される前の平面配置集合体同士は被膜を最終的に硬化させることにより最終的に結合されているため、所望の枚数まで積層される前の平面配置集合体同士を行程中の取り扱いに十分な強度を有するものとできる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の電気部品の積層構造体の製造方法、電気部品の平面配置集合体及び電気部品の平面配置集合体の積層結合方法によれば、より高品質、高生産性及び高歩留まりで電気部品の積層構造体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(a)〜(e)は、本発明の実施形態の積層チップの製造方法の概略を示す図である。
【図2】ウェーハからダイシングによりチップを形成する工程を示す図である。
【図3】(a)は図2で形成されたチップの内で良品のチップを支持基板キャリア上に再配置する工程を示す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図4】(a)は図3(a)(b)で再配置されたチップに再配置材料を塗布する工程を示す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図5】(a)は図4(a)(b)で塗布された再配置材料に溶解前処理又は現像前処理を施す工程を示す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図6】(a)は図5(a)(b)で現像前処理を施された再配置チップ集合体から支持基板キャリアを除去する工程を示す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図7】図6(a)(b)の再配置チップ集合体同士を積層して熱処理により一括してボンディングを行う工程を示す側面図である。
【図8】(a)は再配置チップ集合体同士を積層した後に仮硬化を行う工程を示す側面図であり、(b)は所望の枚数まで再配置チップ集合体同士を積層した後に本硬化を行う工程を示す側面図である。
【図9】(a)は再配置チップ集合体同士を積層した後に本硬化を行う工程を示す側面図であり、(b)は所望の枚数まで再配置チップ集合体同士を積層した状態を示す側面図である。
【図10】図7〜図9で一括してボンディングされた再配置チップ集合体の再配置材料を溶解可能な液体又は現像液で溶融させて積層チップ同士を分離する工程を示す側面図である。
【図11】図3(a)(b)で再配置されたチップにシート状の再配置材料を載置する工程を示す側面図である。
【図12】図4(b)において、アンダーフィル又は薄層材料の表面にバンプが露出している態様を示す側面図である。
【図13】図4(b)において、アンダーフィル又は薄層材料の表面にバンプが覆われている態様を示す側面図である。
【図14】図4(b)において、アンダーフィル又は薄層材料の表面よりも奥の位置でバンプが露出している態様を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面を参照して、本発明の実施形態に係る電気部品の積層構造体の製造方法及び電気部品の平面配置集合体の一例について説明する。まず、本実施形態の積層チップの製造方法の概略について説明する。図1(a)に示すように、ウェーハ10には、ダイシング前のバンプ11等が設けられた複数のチップ10が設定されている。図1(b)に示すように、ウェーハ10から個々のチップ10をダイシングにより分離する。この場合、チップ10として、例えば、4mm角のシリコンチップであり、ピッチ130μmで高さ30μmのバンプ11が設けられ、バックグラインド(BG)にて厚さ300μmから厚さ50μmに薄型化されたものとできる。この場合、図1(b)中に丸印で示すようにKGDとなるチップ10が存在し、図1(b)中に×印で示すように不良品となるチップ10も存在する。
【0032】
図1(c)に示すように、表面に粘着性を有し、柔軟性を有する帯状の固定テープあるいは剛性を有する板状のガラス、シリコン、金属、樹脂等のシートである支持基板キャリア21上にKGDとなるチップ10を再配列する。さらに、支持基板キャリア21上に再配置されたチップ10同士の隙間に液状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストである再配置材料22を充填する。その後、再配置材料22を乾燥させてチップ10同士の隙間を固定して、複数のKGDとなるチップ10が水平に配置された平板状の再配置チップ集合体20が形成される。水溶性樹脂である再配置材料22は水により溶解し易い状態である。また、ポジ型フォトレジストである再配置材料22はその後、感光され、現像液により溶解し易い状態とされる。
【0033】
図1(d)に示すように、再配置チップ集合体20同士は、再配置チップ集合体20内のチップ10同士が対応するように互いに積層される。積層された再配置チップ集合体20同士は、熱処理によりバンプ11が溶融させられ互いに接合されると同時にアンダーフィルや薄層材料がチップ10内に充填される。なお、再配置チップ集合体20同士が一枚ずつ互いに積層された後には、再配置チップ集合体20それぞれの支持基板キャリア21は、再配置チップ集合体20から剥離される。
【0034】
図1(e)に示すように、積層されて接合された再配置チップ集合体20は、水あるいは現像液に浸漬される。再配置材料22が水溶性樹脂である場合、水に浸漬された再配置チップ集合体20内のチップ10同士の隙間を固定している水溶性樹脂である再配置材料22は溶融し、再配置チップ集合体20は一括して個々の積層チップ40に分離される。また、再配置材料22がポジ型フォトレジストである場合、現像液に浸漬された再配置チップ集合体20内のチップ10同士の隙間を固定しているポジ型フォトレジストである再配置材料22は感光させられているために溶融し、再配置チップ集合体20は一括して個々の積層チップ40に分離される。
【0035】
以下、本実施形態の積層チップの製造方法の詳細について説明する。図2に示すように、バンプ11付きウェーハ1やアンダーフィルや薄層材料12を光等でバンプ11の頭頂部がアンダーフィルや薄層材料12より低い位置で露出された状態にパターニング済みのウェーハ1をダイシングして個々のチップ10に分離する。図3(a)(b)に示すように、支持基板キャリア21上にKGDとなるチップ10を再配置する。なお、KGDとして再配置されるチップ10は任意の製品でも良く、バンプ11は、アンダーフィルや薄層材料12の表面に露出していても覆われていてもどちらでも良く、又アンダーフィルや薄層材料12付きでも良い。アンダーフィルとしては、例えば、ナガセケムテックス株式会社製の製品名「UFR600‐F55」が酢酸ブチルセロソルブで希釈されたものを、スピンコート及びプリベーク後に厚さ30μmに形成されたものを用いることができる。また、再配置形状はどのようにしても自由でありパネル形状でも良い。また、支持基板キャリア21の形状やサイズも任意である。
【0036】
図4(a)(b)に示すように、再配置されたチップ10上に液状の再配置材料22を塗布する。再配置材料22としては、水溶性樹脂あるいはポジ型フォトレジストを用いることができる。例えば、水溶性樹脂である再配置材料22として、ブチラール(積水化学株式会社製の製品名「エスレック」)、ポバール等を用いることができる。この場合、例えば、積水化学株式会社製のブチラール(製品名「エスレックKW−20」)の20%水溶液がスピンコート及び100℃での乾燥がされたものを再配置材料22として用いることができる。また、例えば、ポジ型フォトレジストである再配置材料22として、耐熱性に優れるナガセケムテックス株式会社製の製品名「NPR9700」を用いることができる。
【0037】
図5(a)(b)に示すように、再配置材料22に対してプリベーク処理(前熱処理)を施し、再配置材料22中の水及び溶剤を揮発させて再配置材料22を乾燥させる。さらに、再配置材料22がポジ型フォトレジストである場合は、再配置材料22を露光させ、現像液により溶解し易いようにする。さらに、後の積層ボンディング時の耐熱性を高めるために、水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストの再配置材料22に対してアフターベーク処理(後熱処理)を施しても良い。図6(a)(b)に示すように、支持基板キャリア21を剥離させて再配置チップ集合体20を形成する。
【0038】
図7に示すように、KGDとなるチップ10が水平に配置された再配置チップ集合体20同士を互いに再配置チップ集合体20内のチップ10同士の位置が重なるようにして積層させる。さらに、最大300℃のボンディング温度で積層された再配置チップ集合体20に熱処理を施し、積層された再配置チップ集合体20を一括して接合する。
【0039】
この場合、図8(a)に示すように、再配置チップ集合体20同士をそれぞれのチップ10同士が対応するように1枚ずつ重ね合わせ、仮熱処理によりアンダーフィルや薄層材料12を暫定的に硬化させることにより(仮硬化)、再配置チップ集合体20同士を暫定的に結合させることができる(仮結合)。図8(b)に示すように、以後、同様にして、再配置チップ集合体20を所望の枚数まで積層しつつ暫定的に結合させた後に、本熱処理によりアンダーフィルや薄層材料12を最終的に硬化させることにより(本硬化)、再配置チップ集合体20同士を最終的に結合させることができる(本結合)。
【0040】
あるいは、図9(a)に示すように、再配置チップ集合体20同士をそれぞれのチップ10同士が対応するように1枚ずつ重ね合わせ、本熱処理によりアンダーフィルや薄層材料12を最終的に硬化させることにより(本硬化)、再配置チップ集合体20同士を最終的に結合させることができる(本結合)。図9(b)に示すように、以後、同様にして、再配置チップ集合体20同士を所望の枚数まで積層しつつ最終的に結合させることができる。
【0041】
図10に示すように、積層ボンディングされた再配置チップ集合体20を水又は現像液に浸漬して、個々の積層チップ40に一括して分離する。この場合の現像液は、アミン溶液、アルカリ溶液(例えばKOH溶液)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶液等を用いることができる。
【0042】
本実施形態によれば、水平に配置されたチップ10同士の隙間を再配置材料22で固定して再配置チップ集合体20を形成し、形成した再配置チップ集合体20同士をそれぞれのチップ10同士が対応するように重ね合わせて結合させる。このため、複数のチップ10が水平に配置された再配置チップ集合体20の積層構造体を一括して製造することができる。この場合、KGDのみを選択して水平配置することも可能である。また、重ね合わせて結合させた再配置チップ集合体20それぞれの再配置材料を溶解可能な液体である水や化学薬液で溶解させることにより再配置チップ集合体20で水平に配置されたチップ10それぞれを分離して積層チップ40を形成する。このため、ダイシングによるチップ10及びチップ10同士の結合部への機械的ダメージや歩留まりの低下を無くすことができる。このため、より高品質、高生産性及び高歩留まりで電気部品の積層構造体を製造することができる。
【0043】
また、本実施形態では、水溶性樹脂を再配置材料22として用い、チップ10同士の隙間を水溶性樹脂で固定した後に、重ね合わせて結合させた再配置チップ集合体20を水に浸漬することにより、再配置チップ集合体20で水平に配置されたチップ10それぞれを分離して積層チップ40を形成することができる。あるいは本実施形態では、露光により現像液への溶解性が増大するポジ型フォトレジストを再配置材料22として用い、チップ10同士の隙間をポジ型フォトレジストで固定した後に露光させ、重ね合わせて結合させた再配置チップ集合体20を現像液に浸漬することにより、再配置チップ集合体20で水平に配置されたチップ10それぞれを分離して積層チップ40を形成することができる。このため、水溶性樹脂及び水あるいは従来のフォトリソグラフィーの技術を応用して容易に再配置チップ集合体20の形成とその分離を行うことができる。
【0044】
また、本実施形態では、熱処理により再配置チップ集合体20同士を積層ボンディングさせるが、チップ10同士の隙間を水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストで固定した後にアフターベークを行なうため、積層ボンディングでの耐熱性を高めることもできる。
【0045】
また、本実施形態では、チップ10同士の隙間に液状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストを充填した後に、プリベークで液状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストを乾燥させることによりチップ10同士の隙間を固定する。このため、チップ10同士の隙間への水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストの充填とチップ10同士の固定とを容易に行うことができる。
【0046】
また、本実施形態では、KGDであると判定されたチップ10を水平に配置した後にチップ10同士の隙間を再配置材料22で固定して再配置チップ集合体20を形成する。このため、個々のチップ10を形成する前のウェーハ同士を積層した後にダイシングによりチップ10の積層構造体を形成する方法のように、積層構造体に不良品が混入することを防止することができる。
【0047】
また、本実施形態では、粘着性を有する支持基板キャリア21上にチップ10を水平に配置した後にチップ10同士の隙間を再配置材料22で固定して再配置チップ集合体20を形成する。このため、チップ10を水平に配置して再配置チップ集合体20を形成することが容易となる。
【0048】
また、本実施形態の再配置チップ集合体20は、再配置チップ集合体20同士をそれぞれのチップ10同士が対応するように重ね合わせて結合させ、重ね合わせて結合させた再配置チップ集合体20それぞれの再配置材料22を溶解可能な液体である水や化学薬液で適切な時間だけ溶解させることにより再配置チップ集合体20で水平に配置されたチップ10それぞれを分離して、容易に積層チップ40を形成することができる。このような再配置チップ集合体20は、例えば、フリップチップボンダ―で最高温度300℃にて7段に積層された再配置チップ集合体20を搭載後、150℃で1時間のアフターキュアを行い積層させることができる。
【0049】
また、本実施形態では、再配置チップ集合体20同士を所望の枚数まで積層した後に、一括してアンダーフィルや薄層材料12を最終的に硬化させることにより再配置チップ集合体20同士を結合させる場合において、所望の枚数まで積層される前の再配置チップ集合体20同士はアンダーフィルや薄層材料12を暫定的に硬化させることにより暫定的に結合されているため、所望の枚数まで積層される前の再配置チップ集合体20同士を行程中の取り扱いに十分な強度を有するものとすることができる。
【0050】
また、本実施形態では、再配置チップ集合体20同士を一枚ずつ積層させた後に、アンダーフィルや薄層材料12を最終的に硬化させ、以後、同様にして、再配置チップ集合体20同士を所望の枚数まで積層しつつ最終的に結合させる場合において、所望の枚数まで積層される前の再配置チップ集合体20同士は被膜を最終的に硬化させることにより最終的に結合されているため、所望の枚数まで積層される前の再配置チップ集合体20同士を行程中の取り扱いに十分な強度を有するものとすることができる。
【0051】
本発明は上記実施形態に限定されず、様々な変形態様が可能である。例えば、上記実施形態では、液状の再配置材料22を用いてチップ10同士の隙間を固定する態様を中心に説明した。しかし、本発明では、図11に示すようにシート状の再配置材料23を再配置されたチップ10同士に被せることにより、チップ同士の隙間を固定することも可能である。これにより、液状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストを乾燥させる工程を行わなくともチップ10同士の固定を行うことができる。
【0052】
また、上記実施形態では、再配置チップ集合体20において、バンプ11の頭頂部がアンダーフィルや薄層材料12の表面の位置で露出されている態様を中心に説明した。しかし、本発明では、図12に示すように、再配置チップ集合体20において、バンプ11の頭頂部がアンダーフィルや薄層材料12の表面に露出した態様や、図13に示すように、バンプ11の頭頂部がアンダーフィルや薄層材料12の表面に覆われている態様や、図14に示すように、バンプ11の頭頂部がアンダーフィルや薄層材料12の表面よりも奥の位置で露出されている態様を適用することもできる。
【符号の説明】
【0053】
1…ウェーハ、10…チップ、11…バンプ、12…薄層材料、20…再配置チップ集合体、21…支持基板キャリア、22,23…再配置材料、40…積層チップ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気部品の積層構造体の製造方法、電気部品の平面配置集合体及び電気部品の平面配置集合体の積層結合方法に関し、特に電気部品同士が重ね合わされて接合された積層構造体及び積層構造体を製造するための平面配置集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
クラウドコンピューティング分野に伸長する高性能サーバ及びスマートフォンに代表される携帯端末のメモリ、ロジック、アナログ、パワーには、チップ同士が重ねあわされて接合されたTSV(Through Silicon Via)積層チップが用いられている。下請業者を含むウェーハメーカ等の半導体メーカは微細化技術の限界に達しており、今後の半導体業界の発展には高品質、高生産性、高歩留まり及び低コストの積層チップが必須となっている。従来、積層チップを製造する方法としては、ウェーハ状態でのプローブ検査を行った後、合格チップ(KGD:Known Good Die)のみをチップ単位にて積層(CoC:Chip On Chip)している。
【0003】
例えば、特許文献1に開示の技術では、ハーフダイシング済みのウェーハを基板となるウェーハにフリップチップ(FC:Flip Chip)接合する。上部がハーフダイシングされたウェーハの裏面を研削するバックグラインドによりチップに分割する。電気チェック後に不良チップを抜き取り、KGDのみを再接合する。特許文献1の技術では、このような工程を繰り返して積層チップを製造する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2010−507254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような積層チップの製造では、KGDを確保することが可能である反面、積層プロセスの生産性が低いことや、FC接合時の隣接チップへの熱的ダメージや機械的ダメージが懸念される。特に上記の技術では、バックグラインド時のチップ及びFC接合部へのダメージや、不良チップをKGDに取り換える作業における生産性の低下が課題となる。一方、ウェーハ単位での積層を行うWoW(Wafer On Wafer)を行った場合、積層プロセス自体の生産性は高いものの、ウェーハ内には必ず不良チップが含まれるため、積層チップの歩留まりが低下する。さらに、WoW接合後のダイシング時の機械的ダメージによりチップ又は接合部の破壊が懸念される。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、より高品質、高生産性及び高歩留まりで電気部品の積層構造体を製造することができる電気部品の積層構造体の製造方法及び電気部品の平面配置集合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、平面に配置された電気部品同士の隙間を固定材で固定して平面配置集合体を形成する平面配置集合体形成工程と、平面配置集合体形成工程で形成した平面配置集合体同士をそれぞれの電気部品同士が対応するように重ね合わせて結合させる積層結合工程と、積層結合工程で重ね合わせて結合させた平面配置集合体それぞれの固定材を溶解可能な液体で溶解させることにより平面配置集合体で平面に配置された電気部品それぞれを分離して電気部品の積層構造体を形成する分離工程とを含む電気部品の積層構造体の製造方法である。
【0008】
この構成によれば、平面配置集合体形成工程で平面に配置された電気部品同士の隙間を水溶性樹脂等の固定材で固定して平面配置集合体を形成し、積層結合工程で平面配置集合体形成工程で形成した平面配置集合体同士をそれぞれの電気部品同士が対応するように重ね合わせて結合させる。このため、複数の電気部品が平面に配置された平面配置集合体の積層構造体を一括して製造することができる。この場合、KGDのみを選択して平面配置することも可能である。また、分離工程では、積層結合工程で重ね合わせて結合させた平面配置集合体それぞれの固定材を水等の溶解可能な液体で溶解させることにより平面配置集合体で平面に配置された電気部品それぞれを分離して電気部品の積層構造体を形成する。このため、ダイシングによる電気部品及び電気部品同士の結合部への機械的ダメージや歩留まりの低下を無くすことができる。このため、より高品質、高生産性及び高歩留まりで電気部品の積層構造体を製造することができる。
【0009】
この場合、平面配置集合体形成工程では、水溶性樹脂及び露光により現像液への溶解性が増大するポジ型フォトレジストのいずれかを固定材として用い、電子部品同士の隙間を水溶性樹脂で固定すること及び電気部品同士の隙間をポジ型フォトレジストで固定した後に露光させることのいずれかを行い、分離工程では、固定材として水溶性樹脂を用いたときは、水を溶解可能な液体として用い、積層結合工程で重ね合わせて結合させた平面配置集合体を水に浸漬することにより、平面配置集合体で平面に配置された電気部品それぞれを分離して電気部品の積層構造体を形成し、固定材としてポジ型フォトレジストを用いたときは、現像液を溶解可能な液体として用い、積層結合工程で重ね合わせて結合させた平面配置集合体を現像液に浸漬することにより、平面配置集合体で平面に配置された電気部品それぞれを分離して電気部品の積層構造体を形成することが好適である。
【0010】
この構成によれば、平面配置集合体形成工程では、水溶性樹脂又は露光により現像液への溶解性が増大するフォトレジストを固定材として用い、電気部品同士の隙間を水溶性樹脂で固定するか、ポジ型フォトレジストで固定した後に露光させ、分離工程では、積層結合工程で重ね合わせて結合させた平面配置集合体を水又は現像液に浸漬することにより、平面配置集合体で平面に配置された電気部品それぞれを分離して電気部品の積層構造体を形成する。このため、水溶性樹脂及び水や、従来のフォトリソグラフィーの技術を応用して容易に平面配置集合体の形成とその分離を行うことができる。
【0011】
この場合、平面配置集合体形成工程では、電気部品同士の隙間を水溶性樹脂及びポジ型フォトレジストのいずれかで固定した後に熱処理を行い、積層結合工程では、熱処理により、平面配置集合体形成工程で形成した平面配置集合体同士を重ね合わせて結合させることが好適である。
【0012】
この構成によれば、積層結合工程では、熱処理により平面配置集合体形成工程で形成した平面配置集合体同士を重ね合わせて結合させるが、平面配置集合体形成工程では、電気部品同士の隙間を水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストで固定した後に熱処理を行なうため、積層結合工程での耐熱性を高めることができる。
【0013】
また、平面配置集合体形成工程では、電気部品同士の隙間に液状の水溶性樹脂及びポジ型フォトレジストのいずれかを充填した後に、熱処理で液状の水溶性樹脂及びポジ型フォトレジストのいずれかを乾燥させることにより電気部品同士の隙間を固定することが好適である。
【0014】
この構成によれば、平面配置集合体形成工程では、電気部品同士の隙間に液状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストを充填した後に、熱処理で液状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストを乾燥させることにより電気部品同士の隙間を固定する。このため、電気部品同士の隙間への水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストの充填と電気部品同士の固定とを容易に行うことができる。
【0015】
また、平面配置集合体形成工程では、平面に配置された電気部品同士の上にシート状の水溶性樹脂及びポジ型フォトレジストのいずれかを被せることにより電気部品同士の隙間を固定することもできる。
【0016】
この構成によれば、平面に配置された電気部品同士の上にシート状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストを被せることにより電気部品同士の隙間を固定する。このため、液状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストを乾燥させる工程を行わなくとも電気部品同士の固定を行うことができる。
【0017】
また、平面配置集合体形成工程では、良品であると判定された電気部品を平面に配置した後に電気部品同士の隙間を固定材で固定して平面配置集合体を形成することが好適である。
【0018】
この構成によれば、平面配置集合体形成工程では、良品であると判定された電気部品を平面に配置した後に電気部品同士の隙間を固定材で固定して平面配置集合体を形成する。このため、チップ等の個々の電気部品を形成する前のウェーハ同士を積層した後にダイシングにより電気部品の積層構造体を形成する方法のように、積層構造体に不良品が混入することを防止することができる。
【0019】
また、平面配置集合体形成工程では、粘着性を有するシート上に電気部品を平面に配置した後に電気部品同士の隙間を固定材で固定して平面配置集合体を形成することが好適である。
【0020】
この構成によれば、平面配置集合体形成工程では、粘着性を有するシート上に電気部品を平面に配置した後に電気部品同士の隙間を固定材で固定して平面配置集合体を形成する。このため、電気部品を平面に配置して平面配置集合体を形成することが容易となる。
【0021】
また、本発明は、平面に配置された電気部品同士の隙間が溶解可能な液体で溶解させることが可能な固定材によって固定されている電気部品の平面配置集合体である。
【0022】
このような電気部品の平面配置集合体は、平面配置集合体同士をそれぞれの電気部品同士が対応するように重ね合わせて結合させ、重ね合わせて結合させた平面配置集合体それぞれの固定材を溶解可能な液体で溶解させることにより平面配置集合体で平面に配置された電気部品それぞれを分離して、容易に電気部品の積層構造体を形成することができる。
【0023】
この場合、粘着性を有するシート上に配置された電気部品同士の隙間が溶解可能な液体で溶解させることが可能な固定材によって固定されていることにより、電気部品とシートとが一体化されていることが好適である。
【0024】
この場合、平面に配置された電気部品は、良品であると判定された電気部品であって、電気部品の表面にバンプが設けられ、電気部品の表面にアンダーフィル及び薄層材料のいずれかの被膜が設けられ、バンプの頭頂部が被膜の表面に露出した状態、バンプの頭頂部が被膜の表面に覆われている状態、及びバンプの頭頂部が被膜の表面よりも奥の位置で露出された状態のいずれかにパターニングされているものとすることができる。
【0025】
また、本発明は、本発明の電気部品の平面配置集合体同士をそれぞれの電気部品同士が対応するように1枚ずつ重ね合わせ、被膜を暫定的に硬化させることにより本発明の電気部品の平面配置集合体同士を暫定的に結合させ、以後、同様にして、本発明の電気部品の平面配置集合体同士を所望の枚数まで積層しつつ暫定的に結合させた後に、被膜を最終的に硬化させることにより本発明の電気部品の平面配置集合体同士を最終的に結合させる、電気部品の平面配置集合体の積層結合方法である。
【0026】
この構成によれば、平面配置集合体同士を所望の枚数まで積層した後に、一括して被膜を最終的に硬化させることにより平面配置集合体同士を結合させる場合において、所望の枚数まで積層される前の平面配置集合体同士は被膜を暫定的に硬化させることにより暫定的に結合されているため、所望の枚数まで積層される前の平面配置集合体同士を行程中の取り扱いに十分な強度を有するものとできる。
【0027】
また、本発明は、本発明の電気部品の平面配置集合体同士をそれぞれの電気部品同士が対応するように1枚ずつ重ね合わせ、被膜を最終的に硬化させることにより本発明の電気部品の平面配置集合体同士を最終的に結合させ、以後、同様にして、本発明の電気部品の平面配置集合体同士を所望の枚数まで積層しつつ最終的に結合させる、電気部品の平面配置集合体の積層結合方法である。
【0028】
この構成によれば、平面配置集合体同士を一枚ずつ積層させた後に、被膜を最終的に硬化させ、以後、同様にして、平面配置集合体同士を所望の枚数まで積層しつつ最終的に結合させる場合において、所望の枚数まで積層される前の平面配置集合体同士は被膜を最終的に硬化させることにより最終的に結合されているため、所望の枚数まで積層される前の平面配置集合体同士を行程中の取り扱いに十分な強度を有するものとできる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の電気部品の積層構造体の製造方法、電気部品の平面配置集合体及び電気部品の平面配置集合体の積層結合方法によれば、より高品質、高生産性及び高歩留まりで電気部品の積層構造体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(a)〜(e)は、本発明の実施形態の積層チップの製造方法の概略を示す図である。
【図2】ウェーハからダイシングによりチップを形成する工程を示す図である。
【図3】(a)は図2で形成されたチップの内で良品のチップを支持基板キャリア上に再配置する工程を示す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図4】(a)は図3(a)(b)で再配置されたチップに再配置材料を塗布する工程を示す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図5】(a)は図4(a)(b)で塗布された再配置材料に溶解前処理又は現像前処理を施す工程を示す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図6】(a)は図5(a)(b)で現像前処理を施された再配置チップ集合体から支持基板キャリアを除去する工程を示す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図7】図6(a)(b)の再配置チップ集合体同士を積層して熱処理により一括してボンディングを行う工程を示す側面図である。
【図8】(a)は再配置チップ集合体同士を積層した後に仮硬化を行う工程を示す側面図であり、(b)は所望の枚数まで再配置チップ集合体同士を積層した後に本硬化を行う工程を示す側面図である。
【図9】(a)は再配置チップ集合体同士を積層した後に本硬化を行う工程を示す側面図であり、(b)は所望の枚数まで再配置チップ集合体同士を積層した状態を示す側面図である。
【図10】図7〜図9で一括してボンディングされた再配置チップ集合体の再配置材料を溶解可能な液体又は現像液で溶融させて積層チップ同士を分離する工程を示す側面図である。
【図11】図3(a)(b)で再配置されたチップにシート状の再配置材料を載置する工程を示す側面図である。
【図12】図4(b)において、アンダーフィル又は薄層材料の表面にバンプが露出している態様を示す側面図である。
【図13】図4(b)において、アンダーフィル又は薄層材料の表面にバンプが覆われている態様を示す側面図である。
【図14】図4(b)において、アンダーフィル又は薄層材料の表面よりも奥の位置でバンプが露出している態様を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面を参照して、本発明の実施形態に係る電気部品の積層構造体の製造方法及び電気部品の平面配置集合体の一例について説明する。まず、本実施形態の積層チップの製造方法の概略について説明する。図1(a)に示すように、ウェーハ10には、ダイシング前のバンプ11等が設けられた複数のチップ10が設定されている。図1(b)に示すように、ウェーハ10から個々のチップ10をダイシングにより分離する。この場合、チップ10として、例えば、4mm角のシリコンチップであり、ピッチ130μmで高さ30μmのバンプ11が設けられ、バックグラインド(BG)にて厚さ300μmから厚さ50μmに薄型化されたものとできる。この場合、図1(b)中に丸印で示すようにKGDとなるチップ10が存在し、図1(b)中に×印で示すように不良品となるチップ10も存在する。
【0032】
図1(c)に示すように、表面に粘着性を有し、柔軟性を有する帯状の固定テープあるいは剛性を有する板状のガラス、シリコン、金属、樹脂等のシートである支持基板キャリア21上にKGDとなるチップ10を再配列する。さらに、支持基板キャリア21上に再配置されたチップ10同士の隙間に液状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストである再配置材料22を充填する。その後、再配置材料22を乾燥させてチップ10同士の隙間を固定して、複数のKGDとなるチップ10が水平に配置された平板状の再配置チップ集合体20が形成される。水溶性樹脂である再配置材料22は水により溶解し易い状態である。また、ポジ型フォトレジストである再配置材料22はその後、感光され、現像液により溶解し易い状態とされる。
【0033】
図1(d)に示すように、再配置チップ集合体20同士は、再配置チップ集合体20内のチップ10同士が対応するように互いに積層される。積層された再配置チップ集合体20同士は、熱処理によりバンプ11が溶融させられ互いに接合されると同時にアンダーフィルや薄層材料がチップ10内に充填される。なお、再配置チップ集合体20同士が一枚ずつ互いに積層された後には、再配置チップ集合体20それぞれの支持基板キャリア21は、再配置チップ集合体20から剥離される。
【0034】
図1(e)に示すように、積層されて接合された再配置チップ集合体20は、水あるいは現像液に浸漬される。再配置材料22が水溶性樹脂である場合、水に浸漬された再配置チップ集合体20内のチップ10同士の隙間を固定している水溶性樹脂である再配置材料22は溶融し、再配置チップ集合体20は一括して個々の積層チップ40に分離される。また、再配置材料22がポジ型フォトレジストである場合、現像液に浸漬された再配置チップ集合体20内のチップ10同士の隙間を固定しているポジ型フォトレジストである再配置材料22は感光させられているために溶融し、再配置チップ集合体20は一括して個々の積層チップ40に分離される。
【0035】
以下、本実施形態の積層チップの製造方法の詳細について説明する。図2に示すように、バンプ11付きウェーハ1やアンダーフィルや薄層材料12を光等でバンプ11の頭頂部がアンダーフィルや薄層材料12より低い位置で露出された状態にパターニング済みのウェーハ1をダイシングして個々のチップ10に分離する。図3(a)(b)に示すように、支持基板キャリア21上にKGDとなるチップ10を再配置する。なお、KGDとして再配置されるチップ10は任意の製品でも良く、バンプ11は、アンダーフィルや薄層材料12の表面に露出していても覆われていてもどちらでも良く、又アンダーフィルや薄層材料12付きでも良い。アンダーフィルとしては、例えば、ナガセケムテックス株式会社製の製品名「UFR600‐F55」が酢酸ブチルセロソルブで希釈されたものを、スピンコート及びプリベーク後に厚さ30μmに形成されたものを用いることができる。また、再配置形状はどのようにしても自由でありパネル形状でも良い。また、支持基板キャリア21の形状やサイズも任意である。
【0036】
図4(a)(b)に示すように、再配置されたチップ10上に液状の再配置材料22を塗布する。再配置材料22としては、水溶性樹脂あるいはポジ型フォトレジストを用いることができる。例えば、水溶性樹脂である再配置材料22として、ブチラール(積水化学株式会社製の製品名「エスレック」)、ポバール等を用いることができる。この場合、例えば、積水化学株式会社製のブチラール(製品名「エスレックKW−20」)の20%水溶液がスピンコート及び100℃での乾燥がされたものを再配置材料22として用いることができる。また、例えば、ポジ型フォトレジストである再配置材料22として、耐熱性に優れるナガセケムテックス株式会社製の製品名「NPR9700」を用いることができる。
【0037】
図5(a)(b)に示すように、再配置材料22に対してプリベーク処理(前熱処理)を施し、再配置材料22中の水及び溶剤を揮発させて再配置材料22を乾燥させる。さらに、再配置材料22がポジ型フォトレジストである場合は、再配置材料22を露光させ、現像液により溶解し易いようにする。さらに、後の積層ボンディング時の耐熱性を高めるために、水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストの再配置材料22に対してアフターベーク処理(後熱処理)を施しても良い。図6(a)(b)に示すように、支持基板キャリア21を剥離させて再配置チップ集合体20を形成する。
【0038】
図7に示すように、KGDとなるチップ10が水平に配置された再配置チップ集合体20同士を互いに再配置チップ集合体20内のチップ10同士の位置が重なるようにして積層させる。さらに、最大300℃のボンディング温度で積層された再配置チップ集合体20に熱処理を施し、積層された再配置チップ集合体20を一括して接合する。
【0039】
この場合、図8(a)に示すように、再配置チップ集合体20同士をそれぞれのチップ10同士が対応するように1枚ずつ重ね合わせ、仮熱処理によりアンダーフィルや薄層材料12を暫定的に硬化させることにより(仮硬化)、再配置チップ集合体20同士を暫定的に結合させることができる(仮結合)。図8(b)に示すように、以後、同様にして、再配置チップ集合体20を所望の枚数まで積層しつつ暫定的に結合させた後に、本熱処理によりアンダーフィルや薄層材料12を最終的に硬化させることにより(本硬化)、再配置チップ集合体20同士を最終的に結合させることができる(本結合)。
【0040】
あるいは、図9(a)に示すように、再配置チップ集合体20同士をそれぞれのチップ10同士が対応するように1枚ずつ重ね合わせ、本熱処理によりアンダーフィルや薄層材料12を最終的に硬化させることにより(本硬化)、再配置チップ集合体20同士を最終的に結合させることができる(本結合)。図9(b)に示すように、以後、同様にして、再配置チップ集合体20同士を所望の枚数まで積層しつつ最終的に結合させることができる。
【0041】
図10に示すように、積層ボンディングされた再配置チップ集合体20を水又は現像液に浸漬して、個々の積層チップ40に一括して分離する。この場合の現像液は、アミン溶液、アルカリ溶液(例えばKOH溶液)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶液等を用いることができる。
【0042】
本実施形態によれば、水平に配置されたチップ10同士の隙間を再配置材料22で固定して再配置チップ集合体20を形成し、形成した再配置チップ集合体20同士をそれぞれのチップ10同士が対応するように重ね合わせて結合させる。このため、複数のチップ10が水平に配置された再配置チップ集合体20の積層構造体を一括して製造することができる。この場合、KGDのみを選択して水平配置することも可能である。また、重ね合わせて結合させた再配置チップ集合体20それぞれの再配置材料を溶解可能な液体である水や化学薬液で溶解させることにより再配置チップ集合体20で水平に配置されたチップ10それぞれを分離して積層チップ40を形成する。このため、ダイシングによるチップ10及びチップ10同士の結合部への機械的ダメージや歩留まりの低下を無くすことができる。このため、より高品質、高生産性及び高歩留まりで電気部品の積層構造体を製造することができる。
【0043】
また、本実施形態では、水溶性樹脂を再配置材料22として用い、チップ10同士の隙間を水溶性樹脂で固定した後に、重ね合わせて結合させた再配置チップ集合体20を水に浸漬することにより、再配置チップ集合体20で水平に配置されたチップ10それぞれを分離して積層チップ40を形成することができる。あるいは本実施形態では、露光により現像液への溶解性が増大するポジ型フォトレジストを再配置材料22として用い、チップ10同士の隙間をポジ型フォトレジストで固定した後に露光させ、重ね合わせて結合させた再配置チップ集合体20を現像液に浸漬することにより、再配置チップ集合体20で水平に配置されたチップ10それぞれを分離して積層チップ40を形成することができる。このため、水溶性樹脂及び水あるいは従来のフォトリソグラフィーの技術を応用して容易に再配置チップ集合体20の形成とその分離を行うことができる。
【0044】
また、本実施形態では、熱処理により再配置チップ集合体20同士を積層ボンディングさせるが、チップ10同士の隙間を水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストで固定した後にアフターベークを行なうため、積層ボンディングでの耐熱性を高めることもできる。
【0045】
また、本実施形態では、チップ10同士の隙間に液状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストを充填した後に、プリベークで液状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストを乾燥させることによりチップ10同士の隙間を固定する。このため、チップ10同士の隙間への水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストの充填とチップ10同士の固定とを容易に行うことができる。
【0046】
また、本実施形態では、KGDであると判定されたチップ10を水平に配置した後にチップ10同士の隙間を再配置材料22で固定して再配置チップ集合体20を形成する。このため、個々のチップ10を形成する前のウェーハ同士を積層した後にダイシングによりチップ10の積層構造体を形成する方法のように、積層構造体に不良品が混入することを防止することができる。
【0047】
また、本実施形態では、粘着性を有する支持基板キャリア21上にチップ10を水平に配置した後にチップ10同士の隙間を再配置材料22で固定して再配置チップ集合体20を形成する。このため、チップ10を水平に配置して再配置チップ集合体20を形成することが容易となる。
【0048】
また、本実施形態の再配置チップ集合体20は、再配置チップ集合体20同士をそれぞれのチップ10同士が対応するように重ね合わせて結合させ、重ね合わせて結合させた再配置チップ集合体20それぞれの再配置材料22を溶解可能な液体である水や化学薬液で適切な時間だけ溶解させることにより再配置チップ集合体20で水平に配置されたチップ10それぞれを分離して、容易に積層チップ40を形成することができる。このような再配置チップ集合体20は、例えば、フリップチップボンダ―で最高温度300℃にて7段に積層された再配置チップ集合体20を搭載後、150℃で1時間のアフターキュアを行い積層させることができる。
【0049】
また、本実施形態では、再配置チップ集合体20同士を所望の枚数まで積層した後に、一括してアンダーフィルや薄層材料12を最終的に硬化させることにより再配置チップ集合体20同士を結合させる場合において、所望の枚数まで積層される前の再配置チップ集合体20同士はアンダーフィルや薄層材料12を暫定的に硬化させることにより暫定的に結合されているため、所望の枚数まで積層される前の再配置チップ集合体20同士を行程中の取り扱いに十分な強度を有するものとすることができる。
【0050】
また、本実施形態では、再配置チップ集合体20同士を一枚ずつ積層させた後に、アンダーフィルや薄層材料12を最終的に硬化させ、以後、同様にして、再配置チップ集合体20同士を所望の枚数まで積層しつつ最終的に結合させる場合において、所望の枚数まで積層される前の再配置チップ集合体20同士は被膜を最終的に硬化させることにより最終的に結合されているため、所望の枚数まで積層される前の再配置チップ集合体20同士を行程中の取り扱いに十分な強度を有するものとすることができる。
【0051】
本発明は上記実施形態に限定されず、様々な変形態様が可能である。例えば、上記実施形態では、液状の再配置材料22を用いてチップ10同士の隙間を固定する態様を中心に説明した。しかし、本発明では、図11に示すようにシート状の再配置材料23を再配置されたチップ10同士に被せることにより、チップ同士の隙間を固定することも可能である。これにより、液状の水溶性樹脂又はポジ型フォトレジストを乾燥させる工程を行わなくともチップ10同士の固定を行うことができる。
【0052】
また、上記実施形態では、再配置チップ集合体20において、バンプ11の頭頂部がアンダーフィルや薄層材料12の表面の位置で露出されている態様を中心に説明した。しかし、本発明では、図12に示すように、再配置チップ集合体20において、バンプ11の頭頂部がアンダーフィルや薄層材料12の表面に露出した態様や、図13に示すように、バンプ11の頭頂部がアンダーフィルや薄層材料12の表面に覆われている態様や、図14に示すように、バンプ11の頭頂部がアンダーフィルや薄層材料12の表面よりも奥の位置で露出されている態様を適用することもできる。
【符号の説明】
【0053】
1…ウェーハ、10…チップ、11…バンプ、12…薄層材料、20…再配置チップ集合体、21…支持基板キャリア、22,23…再配置材料、40…積層チップ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面に配置された電気部品同士の隙間を固定材で固定して平面配置集合体を形成する平面配置集合体形成工程と、
前記平面配置集合体形成工程で形成した前記平面配置集合体同士をそれぞれの前記電気部品同士が対応するように重ね合わせて結合させる積層結合工程と、
前記積層結合工程で重ね合わせて結合させた前記平面配置集合体それぞれの前記固定材を溶解可能な液体で溶解させることにより前記平面配置集合体で平面に配置された前記電気部品それぞれを分離して前記電気部品の積層構造体を形成する分離工程と、を含む電気部品の積層構造体の製造方法。
【請求項2】
前記平面配置集合体形成工程では、水溶性樹脂及び露光により現像液への溶解性が増大するポジ型フォトレジストのいずれかを前記固定材として用い、前記電子部品同士の隙間を前記水溶性樹脂で固定すること及び前記電気部品同士の隙間を前記ポジ型フォトレジストで固定した後に露光させることのいずれかを行い、
前記分離工程では、
前記固定材として前記水溶性樹脂を用いたときは、水を前記溶解可能な液体として用い、前記積層結合工程で重ね合わせて結合させた前記平面配置集合体を前記水に浸漬することにより、前記平面配置集合体で平面に配置された前記電気部品それぞれを分離して前記電気部品の積層構造体を形成し、
前記固定材として前記ポジ型フォトレジストを用いたときは、前記現像液を前記溶解可能な液体として用い、前記積層結合工程で重ね合わせて結合させた前記平面配置集合体を前記現像液に浸漬することにより、前記平面配置集合体で平面に配置された前記電気部品それぞれを分離して前記電気部品の積層構造体を形成する、請求項1に記載の電気部品の積層構造体の製造方法。
【請求項3】
平面配置集合体形成工程では、前記電気部品同士の隙間を前記水溶性樹脂及び前記ポジ型フォトレジストのいずれかで固定した後に熱処理を行い、
前記積層結合工程では、熱処理により、前記平面配置集合体形成工程で形成した前記平面配置集合体同士を重ね合わせて結合させる、請求項2に記載の電気部品の積層構造体の製造方法。
【請求項4】
前記平面配置集合体形成工程では、前記電気部品同士の隙間に液状の前記水溶性樹脂及び前記ポジ型フォトレジストのいずれかを充填した後に、熱処理で液状の前記水溶性樹脂及び前記ポジ型フォトレジストのいずれかを乾燥させることにより前記電気部品同士の隙間を固定する、請求項2又は3に記載の電気部品の積層構造体の製造方法。
【請求項5】
前記平面配置集合体形成工程では、平面に配置された前記電気部品同士の上にシート状の前記水溶性樹脂及び前記ポジ型フォトレジストのいずれかを被せることにより前記電気部品同士の隙間を固定する、請求項2又は3に記載の電気部品の積層構造体の製造方法。
【請求項6】
前記平面配置集合体形成工程では、良品であると判定された前記電気部品を平面に配置した後に前記電気部品同士の隙間を前記固定材で固定して前記平面配置集合体を形成する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気部品の積層構造体の製造方法。
【請求項7】
前記平面配置集合体形成工程では、粘着性を有するシート上に前記電気部品を平面に配置した後に前記電気部品同士の隙間を前記固定材で固定して前記平面配置集合体を形成する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気部品の積層構造体の製造方法。
【請求項8】
平面に配置された電気部品同士の隙間が溶解可能な液体で溶解させることが可能な固定材によって固定されている電気部品の平面配置集合体。
【請求項9】
粘着性を有するシート上に配置された電気部品同士の隙間が前記溶解可能な液体で溶解させることが可能な固定材によって固定されていることにより、前記電気部品と前記シートとが一体化されている、請求項8に記載の電位部品の平面配置集合体。
【請求項10】
平面に配置された前記電気部品は、良品であると判定された前記電気部品であって、前記電気部品の表面にバンプが設けられ、前記電気部品の前記表面にアンダーフィル及び薄層材料のいずれかの被膜が設けられ、前記バンプの頭頂部が前記被膜の表面に露出した状態、前記バンプの頭頂部が前記被膜の表面に覆われている状態、及び前記バンプの頭頂部が前記被膜の表面よりも奥の位置で露出された状態のいずれかにパターニングされている、請求項8又は9に記載の電気部品の平面配置集合体。
【請求項11】
請求項10に記載の電気部品の平面配置集合体同士をそれぞれの前記電気部品同士が対応するように1枚ずつ重ね合わせ、前記被膜を暫定的に硬化させることにより請求項10に記載の電気部品の平面配置集合体同士を暫定的に結合させ、以後、同様にして、請求項10に記載の電気部品の平面配置集合体同士を所望の枚数まで積層しつつ暫定的に結合させた後に、前記被膜を最終的に硬化させることにより請求項10に記載の電気部品の平面配置集合体同士を最終的に結合させる、電気部品の平面配置集合体の積層結合方法。
【請求項12】
請求項10に記載の電気部品の平面配置集合体同士をそれぞれの前記電気部品同士が対応するように1枚ずつ重ね合わせ、前記被膜を最終的に硬化させることにより請求項10に記載の電気部品の平面配置集合体同士を最終的に結合させ、以後、同様にして、請求項10に記載の電気部品の平面配置集合体同士を所望の枚数まで積層しつつ最終的に結合させる、電気部品の平面配置集合体の積層結合方法。
【請求項1】
平面に配置された電気部品同士の隙間を固定材で固定して平面配置集合体を形成する平面配置集合体形成工程と、
前記平面配置集合体形成工程で形成した前記平面配置集合体同士をそれぞれの前記電気部品同士が対応するように重ね合わせて結合させる積層結合工程と、
前記積層結合工程で重ね合わせて結合させた前記平面配置集合体それぞれの前記固定材を溶解可能な液体で溶解させることにより前記平面配置集合体で平面に配置された前記電気部品それぞれを分離して前記電気部品の積層構造体を形成する分離工程と、を含む電気部品の積層構造体の製造方法。
【請求項2】
前記平面配置集合体形成工程では、水溶性樹脂及び露光により現像液への溶解性が増大するポジ型フォトレジストのいずれかを前記固定材として用い、前記電子部品同士の隙間を前記水溶性樹脂で固定すること及び前記電気部品同士の隙間を前記ポジ型フォトレジストで固定した後に露光させることのいずれかを行い、
前記分離工程では、
前記固定材として前記水溶性樹脂を用いたときは、水を前記溶解可能な液体として用い、前記積層結合工程で重ね合わせて結合させた前記平面配置集合体を前記水に浸漬することにより、前記平面配置集合体で平面に配置された前記電気部品それぞれを分離して前記電気部品の積層構造体を形成し、
前記固定材として前記ポジ型フォトレジストを用いたときは、前記現像液を前記溶解可能な液体として用い、前記積層結合工程で重ね合わせて結合させた前記平面配置集合体を前記現像液に浸漬することにより、前記平面配置集合体で平面に配置された前記電気部品それぞれを分離して前記電気部品の積層構造体を形成する、請求項1に記載の電気部品の積層構造体の製造方法。
【請求項3】
平面配置集合体形成工程では、前記電気部品同士の隙間を前記水溶性樹脂及び前記ポジ型フォトレジストのいずれかで固定した後に熱処理を行い、
前記積層結合工程では、熱処理により、前記平面配置集合体形成工程で形成した前記平面配置集合体同士を重ね合わせて結合させる、請求項2に記載の電気部品の積層構造体の製造方法。
【請求項4】
前記平面配置集合体形成工程では、前記電気部品同士の隙間に液状の前記水溶性樹脂及び前記ポジ型フォトレジストのいずれかを充填した後に、熱処理で液状の前記水溶性樹脂及び前記ポジ型フォトレジストのいずれかを乾燥させることにより前記電気部品同士の隙間を固定する、請求項2又は3に記載の電気部品の積層構造体の製造方法。
【請求項5】
前記平面配置集合体形成工程では、平面に配置された前記電気部品同士の上にシート状の前記水溶性樹脂及び前記ポジ型フォトレジストのいずれかを被せることにより前記電気部品同士の隙間を固定する、請求項2又は3に記載の電気部品の積層構造体の製造方法。
【請求項6】
前記平面配置集合体形成工程では、良品であると判定された前記電気部品を平面に配置した後に前記電気部品同士の隙間を前記固定材で固定して前記平面配置集合体を形成する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気部品の積層構造体の製造方法。
【請求項7】
前記平面配置集合体形成工程では、粘着性を有するシート上に前記電気部品を平面に配置した後に前記電気部品同士の隙間を前記固定材で固定して前記平面配置集合体を形成する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気部品の積層構造体の製造方法。
【請求項8】
平面に配置された電気部品同士の隙間が溶解可能な液体で溶解させることが可能な固定材によって固定されている電気部品の平面配置集合体。
【請求項9】
粘着性を有するシート上に配置された電気部品同士の隙間が前記溶解可能な液体で溶解させることが可能な固定材によって固定されていることにより、前記電気部品と前記シートとが一体化されている、請求項8に記載の電位部品の平面配置集合体。
【請求項10】
平面に配置された前記電気部品は、良品であると判定された前記電気部品であって、前記電気部品の表面にバンプが設けられ、前記電気部品の前記表面にアンダーフィル及び薄層材料のいずれかの被膜が設けられ、前記バンプの頭頂部が前記被膜の表面に露出した状態、前記バンプの頭頂部が前記被膜の表面に覆われている状態、及び前記バンプの頭頂部が前記被膜の表面よりも奥の位置で露出された状態のいずれかにパターニングされている、請求項8又は9に記載の電気部品の平面配置集合体。
【請求項11】
請求項10に記載の電気部品の平面配置集合体同士をそれぞれの前記電気部品同士が対応するように1枚ずつ重ね合わせ、前記被膜を暫定的に硬化させることにより請求項10に記載の電気部品の平面配置集合体同士を暫定的に結合させ、以後、同様にして、請求項10に記載の電気部品の平面配置集合体同士を所望の枚数まで積層しつつ暫定的に結合させた後に、前記被膜を最終的に硬化させることにより請求項10に記載の電気部品の平面配置集合体同士を最終的に結合させる、電気部品の平面配置集合体の積層結合方法。
【請求項12】
請求項10に記載の電気部品の平面配置集合体同士をそれぞれの前記電気部品同士が対応するように1枚ずつ重ね合わせ、前記被膜を最終的に硬化させることにより請求項10に記載の電気部品の平面配置集合体同士を最終的に結合させ、以後、同様にして、請求項10に記載の電気部品の平面配置集合体同士を所望の枚数まで積層しつつ最終的に結合させる、電気部品の平面配置集合体の積層結合方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−93568(P2013−93568A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−220557(P2012−220557)
【出願日】平成24年10月2日(2012.10.2)
【出願人】(000214272)長瀬産業株式会社 (137)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月2日(2012.10.2)
【出願人】(000214272)長瀬産業株式会社 (137)
【Fターム(参考)】
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