説明

電気部用ソケット

【課題】2種類の異なる厚さの電気部品を、一つの押圧部材で押圧することができ、部品点数を削減することができる電気部品用ソケットを提供する。
【解決手段】押圧部材20の一方の押圧面21により、ICパッケージ11を押圧している押圧状態で、枠体17からの力が作用するフランジ部23の他方側入力面23aから、一方側の押圧面21の底面部21aまでの距離d1と、押圧部材20の他方の押圧面22により、ICパッケージ12を押圧している押圧状態で、枠体17からの力が作用するフランジ部23の一方側入力面23bから他方側の押圧面22の底面部22aまでの距離d2とが異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配線基板上に配設され、半導体装置(以下「ICパッケージ」という)等の電気部品の試験等を行うため、この電気部品を収容する電気部品用ソケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種の電気部品用ソケットとしては、例えば特許文献1に記載されていたように、ICパッケージの試験等を行うICソケットがある。
【0003】
この特許文献1には、「ICソケットは、ICパッケージを収容する収容部を有するソケット本体と、このソケット本体に配設されてICパッケージの端子に離接可能な複数のコンタクトピンと、ソケット本体に回動自在に取り付けられたソケットカバーとを有し、このソケットカバーが閉止されることにより、収容部に収容されたICパッケージを押圧保持して端子をコンタクトピンに接触させるようにしたICソケットにおいて、収容部に収容され、押圧保持されるICパッケージの厚さや端子の数に応じた所定の付勢力によって付勢することができるよう、ソケットカバーを、その閉止時にソケット本体に対して接近又は離間する方向へ移動可能に設けた」旨、記載されている。
【0004】
そして、かかる構成により、「ICパッケージの厚さや端子の数が異なる場合でも、所定の付勢力を可能とし、さらに、放熱量の大きい高機能デバイスに対しても適用可能とする」旨、記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−99415号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来のものにあっては、ソケットカバーを、その閉止時にソケット本体に対して接近又は離間する方向へ移動可能とするために、ソケットカバーを回動自在に支持するシャフトをその方向へ移動可能とする長孔を設けたり、そのシャフトを付勢するトーションスプリングを設けたりしていることから、構造が複雑になると共に、所定の付勢力に制御することが難しいため、ICパッケージに対する押圧力の調整等が難しかった。
【0007】
そこで、この発明は、構造が簡単で、難しい調整等が必要なく、厚さの異なる2種類の電気部品に容易に対応することができる電気部品用ソケットを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を達成するために、この発明は、下面部に端子が設けられた電気部品を収容するソケット本体と、該ソケット本体に設けられ、前記電気部品の端子に接触される接触部が形成されたコンタクトピンと、前記ソケット本体に開閉自在に設けられて、閉状態で収容された電気部品を押圧する押圧部材を有するカバー部材とを備えた電気部品用ソケットにおいて、前記カバー部材は、前記ソケット本体に回動自在に設けられた開閉体と、該開閉体内に、着脱自在に設けられた押圧部材とを有し、該押圧部材は、互いに反対側の面に前記電気部品を押圧する一対の押圧面が形成されると共に、該開閉体に対して、前記押圧面が一方側又は他方側を任意に前記収納された電気部品に向けて取付可能とし、前記押圧部材の一方の押圧面により前記電気部品を押圧している押圧状態で、前記開閉体からの力が作用する作用点部位から該一方側の押圧面までの距離と、前記押圧部材の他方の押圧面により前記電気部品を押圧している押圧状態で、前記開閉体からの力が作用する作用点部位から前記他方側の押圧面までの距離とを異ならせるように構成した電気部品用ソケットとしたことを特徴とする。
【0009】
他の特徴は、前記開閉体は、前記ソケット本体に回動自在に設けられ、前記押圧部材に押圧力を伝達する外枠部材と、該外枠部材の内側に位置して、前記押圧部材を係止して支持する係止爪部を設けた内枠部材とを有し、該内枠部材は、弾性変形可能な合成樹脂製材料で構成され、前記外枠部材の内側面に、揺動可能に軸支されていることにある。
【0010】
他の特徴は、前記押圧部材には、前記外枠部材の下辺部に当接するフランジ部が一体に形成されていることにある。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、押圧部材に一対形成された押圧面のうち、一方側もしくは、他方側の何れかを反転させて、電気部品の厚みに応じて選択して、枠体内に装着することにより、カバー部材の閉時に、厚さの異なる2種類の電気部品に対して、所望の押圧力で押圧することができる。従って、構造が簡単で、且つ、難しい付勢力の調整も必要ない。
【0012】
他の特徴によれば、内枠部材に設けられた係止爪部により、押圧部材を係止して支持するようにしているため、容易に押圧部材の着脱を行うことができる。従って、押圧部材は、ネジ部材又は、シャフト部材を取り外す必要が無く、容易に反転させて異なる厚さを有する電気部品に用いることができ、部品点数の増大を抑制して、部品の管理を容易に行うことができる。
【0013】
また、内枠部材は、弾性変形可能な合成樹脂製材料で構成され、外枠部材の内側に、揺動可能に軸支されているため、電気部品の押圧初期時に、この押圧部材が多少可動することにより、無理な力が、電気部品に作用することがない。
【0014】
他の特徴によれば、押圧部材には、外枠部材の下辺部に当接するフランジ部が一体に形成されているため、カバー部材閉時の大きな力は、押圧部材のフランジ部で受けるようにしていることから、その力を効果的に電気部品に押圧力として伝達させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態に係るICソケットで、(a)は、一部断面を有する平面図、(b)は、(a)の矢視A方向からの正面図、(c)は、(a)の矢視B方向からの側面図である。
【図2】同実施の形態に係るICソケットの拡大断面図で、ICパッケージが収容されていない状態を示す図である。
【図3】同実施の形態に係る図2に相当するICソケットの拡大断面図で、ICパッケージが収容されている状態を示す図である。
【図4】同実施の形態に係るICソケットを示す図で、コンタクトピンの配設状態を示す図である。
【図5】同実施の形態に係るICソケットのカバー部材を示す斜視図である。
【図6】同実施の形態に係るICソケットのカバー部材のうち、外枠部材を示し、(a)は押圧側を下方に向けた斜視図、(b)は押圧側を上方に向けた斜視図である。
【図7】同実施の形態に係るICソケットのカバー部材のうち、外枠部材を示し、(a)は平面図、(b)は(a)の左側面図、(c)は(a)のA−A線に沿う断面図、(d)は(a)の右側面図、(e)は底面図である。
【図8】同実施の形態に係るICソケットのカバー部材のうち、内枠部材を示し、(a)は係止爪部を下方に向けた斜視図、(b)は係止爪部を上方に向けた斜視図である。
【図9】同実施の形態に係るICソケットのカバー部材のうち、内枠部材を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図、(c)は(a)のC−C線に沿う断面図、(d)は底面図である。
【図10】同実施の形態に係るICソケットのカバー部材のうち、押圧部材を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA矢視方向の側面図、(c)は(a)のD−D線に沿う断面図である。
【図11】同実施の形態に係るICソケットの使用方法等を示す斜視図である。
【図12】同実施の形態に係る電気部品で、厚みの比較的薄いICパッケージを示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図13】同実施の形態に係る電気部品で、厚みが図12に示すICパッケージよりも比較的厚いICパッケージを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1乃至図13には、この発明の実施の形態を示す。
【0018】
まず構成を説明すると、図1中符号10は、「電気部品用ソケット」としてのICソケットで、このICソケット10は、図示省略の配線基板上に配設されるようになっており、図12,13に示すような2種類の「電気部品」であるICパッケージ11,12のバーンイン試験等を行うために、これらICパッケージ11,12の「端子」としての多数の半田ボール11b,12bと、その配線基板との電気的接続を図るものである。
【0019】
これらのICパッケージ11,12は、図12及び図13に示すように、一方のICパッケージ11の厚さh1に比して、他方のICパッケージ12の厚さh2が厚く(h1<h2)設定されている。
【0020】
また、これらのICパッケージ11,12は、平面視で方形状のパッケージ本体11a,12aを有し、これらのパッケージ本体11a,12aの下面には、半円球状の複数の半田ボール11b,12b…が、縦,横に等間隔を有して配列されて形成されている。
【0021】
一方、ICソケット10は、図1乃至図5等に示すように、ICソケット10を収容する収容面部13aを有するソケット本体13と、このソケット本体13に設けられ、これらICパッケージ11,12の半田ボール11b,12b及び配線基板を電気的に接続するコンタクトピン14と、ソケット本体13に回動自在に設けられ、このソケット本体13に収容されたICパッケージ11,12を上方から押さえるカバー部材16と、このソケット本体13に回動自在に設けられ、このカバー部材16の閉状態から更に下方に回動させるラッチ部材15とを備えている。
【0022】
そのソケット本体13は、図1乃至4等に示すように、絶縁性を有する合成樹脂製で、枠形状に形成された本体プレート24と、この枠形状の内側に配設された上側プレート25及び下側プレート26とを有し、これらプレート25,26により、図2乃至4等に示すように、複数のコンタクトピン14が配設されている。
【0023】
さらに、図4に示すように、その上側プレート25の上側には、図示省略のスプリングにより上方に付勢されてフローティングプレート27が上下動自在に配設されている。このフローティングプレート27の上面が、ICパッケージ11,12を収容する収容面部13aとなっている。この収容面部13aの周囲の四隅に、ICパッケージ12の収容時のガイドを行うガイド部13b,13bが突設されて形成されている(図1等参照)。
【0024】
また、そのコンタクトピン14は、図4に示すように、ICパッケージ11,12の半田ボール11b,12bに接触される上側接触部14a及び配線基板に接触される下側接触部14bが設けられ、さらに、この上側接触部14a及び下側接触部14bの間に配設されたコイルスプリング14cにより互いに反対方向に付勢されている。
【0025】
また、カバー部材16は、図2,3,5,6,7等に示すように、ソケット本体13に回動自在に設けられた「開閉体」としての枠体17を有している。
【0026】
この枠体17は、図5,6,7等に示すように、平面視では方形の枠形状を呈することにより、押圧部材20に押圧力を伝達する外枠部材18と、この外枠部材18の内側面18aの内側に位置して、図8及び図9に示すように方形の枠形状を呈する内枠部材19とを有している。
【0027】
その外枠部材18には、ソケット本体13に上下方向へ回動自在とする軸部材16aが挿通される軸孔18b,18bが貫通して形成されていると共に、相対向する辺には内枠部材19を回動自在に支持するための貫通孔18cが一対設けられている。
【0028】
また、その内枠部材19は、弾性変形可能な合成樹脂製材料で、枠形状に成形され、外枠部材18の一対の貫通孔18cに対向する一対の貫通孔19cが形成されている。これら貫通孔18c,19cに、ピン部材28が挿通されることにより、内枠部材19が外枠部材18に揺動自在に支持されている。
【0029】
さらに、この内枠部材19には、図8,9に示すように、相対向する辺に一対の係止爪部19aが下方に突設され、これら係止爪部19aにより着脱自在に押圧部材20が支持されている。
【0030】
この押圧部材20は、図11,12等に示すように、互いに反対側の各側面に各々ICパッケージ11,12を押圧する一対の押圧面21,22が形成されると共に、一方側の押圧面21又は、他方側の押圧面22を、収納されたICパッケージ11又は12に向けて取付可能としている。
【0031】
すなわち、枠体17の内枠部材19の弾性変形可能な一対の係止爪部19a,19aによって、押圧部材20の側面部に一体に突設された被係止部20a,20aが係止されて支持(脱落が防止)されている(図2,3参照)。
【0032】
また、この押圧部材20には、図10に示すように、一対の平板状のフランジ部23,23が周囲に向けて延設されている。これらのフランジ部23,23は、被係止部20a,20aが形成されている辺と異なる辺に形成され、外枠部材18の対向面側の下辺部18d,18dに、各々当接するようになっている。
【0033】
これにより、この枠体17からの押圧力が、フランジ部23,23に伝達され、一方側の押圧面21又は、他方側の押圧面22により、ICパッケージ11又は12が下方に向けて押圧されるようになっている。
【0034】
従って、押圧部材20は、枠体17への装着状態で、被係止部20a,20aにより、下方への移動(落下)が規制され、フランジ部23,23により、上方への移動が規制され、枠体17から外れることなく保持されるようになっている。
【0035】
さらに、この実施の形態では、図10,11等に示すように、各押圧面21,22の方形状の平面を有する各底面部21a,22aの外周縁に、フローティングプレート27を押圧する押圧突起21b…及び22b…が設けられている。
【0036】
そして、この押圧部材20は、押圧部材20の一方の押圧面21により、ICパッケージ11を押圧している押圧状態で、枠体17からの力が作用するフランジ部23の他方側入力面23a(作用点部位)から、一方側の押圧面21の底面部21aまでの距離d1と、 押圧部材20の他方の押圧面22により、ICパッケージ12を押圧している押圧状態で、枠体17からの力が作用するフランジ部23の一方側入力面23b(作用点部位)から他方側の押圧面22の底面部22aまでの距離d2とを異ならせるように構成されている(図10(b)参照)。
【0037】
この実施の形態では、ICパッケージ11,12の厚みh1,h2(h1<h2)に合わせて、距離d1が距離d2よりも大きく(d1<d2)なるように設定されている。
【0038】
さらに、ラッチ部材15は、図1乃至3に示すように、回動軸15cを介して、ソケット本体13に回動自在に設けられ、レバー部15eを持って回動させられるようになっている。このレバー部15eを倒した状態では、図2,3に示すように、フック部15dが、カバー部材16の被フック部16bに係止されてカバー部材16の閉状態が維持されるようになっている。
【0039】
次に、かかるICソケット10の使用方法について説明する。
【0040】
ICソケット10を配線基板上に予め固定した状態で、2種類のICパッケージ11,12を、このICソケット10に収容して検査する場合について説明する。
【0041】
まず、厚みh1の薄いICパッケージ11を収容して検査する場合には、カバー部材16を開いた状態で、枠体17に対して押圧部材20を、押圧面22がICパッケージ11を押圧する向きとなるように、内枠部材19の係止爪部19aに被係止部20aを係止する。
【0042】
その後、ICパッケージ11を、ガイド部13bにより所定の位置に案内してフローティングプレート27の上面に収容し、カバー部材16を閉じて行く。
【0043】
すると、枠体17の外枠部材18の下辺部18dに、押圧部材20のフランジ部23の一方側入力面23bが当接して、押圧部材20が下方に押し下げられ、この押圧部材20の押圧突起22bが、フローティングプレート27をコイルスプリングの付勢力に抗して下方に押圧して下降させる。このフローティングプレート27が下降することにより、ICパッケージ11の半田ボール11bにコンタクトピン14の上側接触部14aが当接して、この押圧部材20の底面部22aにICパッケージ11の上面が当接する。
【0044】
そして、ラッチ部材15のレバー部15eを倒すことにより、フック部15dがカバー部材16の被フック部16bに引っ掛かることにより、カバー部材16の閉状態が維持され、コンタクトピン14とICパッケージ11の半田ボール11bとが所定の接圧で当接されることとなる。
【0045】
つまり、厚みh1の薄いICパッケージ11に対応させて、押圧部材20の距離d2の長い底面部22aから一方側入力面23bまでを適用しているため、所定の接圧を得ることができる。
【0046】
一方、ICパッケージ11より厚みh2の厚い、ICパッケージ12を収容して検査する場合には、カバー部材16を開いた状態で、枠体17に対して押圧部材20を、押圧面21がICパッケージ12を押圧する向きとなるように、上述とは逆向きに、内枠部材19の係止爪部19aに被係止部20aを係止する。
【0047】
その後、ICパッケージ12を、ガイド部13bにより所定の位置に案内してフローティングプレート27の上面に収容し、カバー部材16を閉じて行く。
【0048】
すると、枠体17の外枠部材18の下辺部18dに、押圧部材20のフランジ部23の他方側入力面23aが当接して、押圧部材20が下方に押し下げられ、この押圧部材20の押圧突起21bが、フローティングプレート27をコイルスプリングの付勢力に抗して下方に押圧して下降させる。このフローティングプレート27が下降することにより、ICパッケージ12の半田ボール12bにコンタクトピン14の上側接触部材14aが当接して、この押圧部材20の底面部21aにICパッケージ12の上面が当接する。
【0049】
そして、ラッチ部材15のレバー部15eを倒すことにより、フック部15dがカバー部材16の被フック部16bに引っ掛かることにより、カバー部材16の閉状態が維持され、コンタクトピン14とICパッケージ12の半田ボール12bとが所定の接圧で当接されることとなる。
【0050】
つまり、厚みh2の薄いICパッケージ12に対応させて、押圧部材20の距離d1の短い底面部21aから他方側入力面23aまでを適用しているため、所定の接圧を得ることができる。
【0051】
このように、この実施例では、2種類のICパッケージ11,12の厚みh1,h2に応じて、1種類の押圧部材20の枠体17に対する取付方向を変えるだけで、ICパッケージ11,12の厚みが変わっても容易に対応することができる。
【0052】
また、この押圧部材20の取付方向も、内枠部材19の係止爪部19aに係止させるだけで良いため容易に着脱できる。従って、ネジ部材又は、シャフト部材を取り外す必要が無く、容易に押圧部材20を反転させて異なる厚さd1,d2を有するICパッケージ11,12に対応させることができ、部品点数の増加を抑制して、部品の管理を容易に行うことができる。
【0053】
しかも、カバー部材16閉時の大きな力は、押圧部材20のフランジ部23で受けるようにしているため、その力を効果的にICパッケージ11,12に押圧力として伝達させることができる。
【0054】
さらに、弾性変形可能な合成樹脂製材料で構成された内枠部材19が撓むことにより、この内枠部材19に支持された押圧部材20の、ICパッケージ11,12の押圧初期時に、この押圧部材20が多少可動することにより、無理な力が、ICパッケージ11,12やフローティングプレート27に作用することがない。また、押圧部材20で、ICパッケージ11,12等を所定の力で押圧する時には、剛体の外枠部材18からの力が押圧部材20のフランジ部23を介してICパッケージ11,12等に作用するため、確実に、ICパッケージ11,12等を押圧することができる。
【0055】
なお、上記実施の形態では、「電気部品用ソケット」としてICソケット10に、この発明を適用したが、これに限らず、他の装置にも適用できることは勿論である。また、「開閉体」は、必ずしも、枠形状に限定されるものでなく、板状でも良く、又、外枠部材18と内枠部材19の両方が必ずしも必要ではない。さらに、押圧部材20のフランジ部23を、枠体17で押圧するようにしているが、作用点部位から両押圧面までの距離が異なるものであれば、作用点部位における押圧構造は、上述のようなフランジ部23に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0056】
10 ICソケット(電気部品用ソケット)
11,12 ICパッケージ(電気部品)
13 ソケット本体
13a 収容面部
14 コンタクトピン
16 カバー部材
17 枠体(開閉体)
18 外枠部材
19 内枠部材
19a 係止爪部
20 押圧部材
21 一方の押圧面
22 他方の押圧面
23 フランジ部
23a 他方側入力面(作用点部位)
23b 一方側入力面(作用点部位)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面部に端子が設けられた電気部品を収容するソケット本体と、
該ソケット本体に設けられ、前記電気部品の端子に接触される接触部が形成されたコンタクトピンと、
前記ソケット本体に開閉自在に設けられて、閉状態で収容された電気部品を押圧する押圧部材を有するカバー部材とを備えた電気部品用ソケットにおいて、
前記カバー部材は、前記ソケット本体に回動自在に設けられた開閉体と、該開閉体内に、着脱自在に設けられた押圧部材とを有し、該押圧部材は、互いに反対側の面に前記電気部品を押圧する一対の押圧面が形成されると共に、該開閉体に対して、前記押圧面が一方側又は他方側を任意に前記収納された電気部品に向けて取付可能とし、
前記押圧部材の一方の押圧面により前記電気部品を押圧している押圧状態で、前記開閉体からの力が作用する作用点部位から該一方側の押圧面までの距離と
前記押圧部材の他方の押圧面により前記電気部品を押圧している押圧状態で、前記開閉体からの力が作用する作用点部位から前記他方側の押圧面までの距離とを異ならせるように構成したことを特徴とする電気部品用ソケット。
【請求項2】
前記開閉体は、前記ソケット本体に回動自在に設けられ、前記押圧部材に押圧力を伝達する外枠部材と、
該外枠部材の内側に位置して、前記押圧部材を係止して支持する係止爪部を設けた内枠部材とを有し、
該内枠部材は、弾性変形可能な合成樹脂製材料で構成され、前記外枠部材の内側面に、揺動可能に軸支されていることを特徴とする請求項1に記載の電気部品用ソケット。
【請求項3】
前記押圧部材には、前記外枠部材の下辺部に当接するフランジ部が一体に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気部品用ソケット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate