説明

電気配線用ブロック体とその製造方法及びこれを利用した表示装置

【課題】簡単な構成であって、簡単に安定して物理的及び電気的に接続できるブロック体を提供する。
【解決手段】ブロック体は、一つ又は複数の突起部3と、嵌合部4とを具備する基体2と、基体2の内部に電導性を有する一つ又は複数のコネクタ5とを備える。そして、コネクタ5は、一方にピン部5aと、他方に2枚の板ばねでピン部5aの形状を挟持する接続部5bとを有すると共に、接続部5bの上端部は、突起部3の上面に露出しており、ピン部5aは、嵌合部4内に突出している。さらに、電導性を有するサイドコネクタ板7を備えて、コネクタ5と電気的に接続してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の電気的な配線を構成することを主目的とする電気配線用ブロック体とその製造方法及びこれを利用した表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
凸部と凹部を有していて、係脱自在に組み合わせる周知のブロック玩具、或いは玩具用ブロック・ユニットが知られている(特許文献1)。
【0003】
また、ブロック体の内部に異なる複数の電子デバイスを設け、それらを相互に接続することで各種電子機器を構成するようにしたブロック体及びブロックユニットが知られている(特許文献2)。さらに、モータ、センサ、ライト、ブザー、通信機器又はバッテリ等を組み込んだそれぞれの制御ブロックを、介在具によって自在に結合させて得られるロボットなどのインテリジェントなブロックシステムなども提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−91062号公報
【特許文献2】特開2004−209060号公報
【特許文献3】特開2000−237464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらのブロック体を用いた応用製品は、その用途を問わず、単純な形状・構造の数種類のブロック体を組み合わせることにより、様々な形状を構築することができる特徴を活かしている。
【0006】
ブロック玩具の本体部は通常、凸部と凹部とを有する数種類の同形同大のユニットで構成され、コストを抑えて大量生産するために多くの場合、金型を用いて樹脂を加工した成型品が用いられる。
【0007】
本件発明者は、ブロック体の内部に電極を埋め込み、それらを組み合わせて任意の立体的な電気配線を構成することができる電気配線用ブロック体の開発、及びこのブロック体を利用した表示装置の開発を試みていたが、大きな電流を流すほど発熱量も増大し、また、十分な絶縁耐圧を得ることも難しいという問題に直面していた。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、着脱が容易で扱いやすく、しかも、小型でありながら発熱を抑えて安定して電流を流すことができ、十分な絶縁耐圧を有する電気配線用のブロック体を提供すること、また、そのようなブロック体を低コストで製造する方法を提供することを主たる技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明に係るブロック体は、一つ又は複数の突起部3と、嵌合部4とを具備する基体2と、基体2の内部に電導性を有する一つ又は複数のコネクタ5とを備える。そして、コネクタ5は、一方にピン部5aと、他方に2枚の板ばねでピン部5aの形状を挟持する接続部5bとを有すると共に、接続部5bの上端部は、突起部3の上面に露出しており、ピン部5aは、嵌合部4内に突出していることを特徴とする。
【0010】
第1の発明に係るブロック体は、そのブロック体と同形同大のブロック体同士、又は、突起部3、嵌合部4及びコネクタ5と同様の構成を持つ他のブロック体と相互に接続することができる。そして、突起部3が他のブロック体の嵌合部4に嵌合すると同時に、コネクタ5の接続部5bが他のブロック体のコネクタ5のピン部5aを挟持する。反対に、その嵌合部4が他のブロック体の突起部3に嵌合されると同時に、コネクタ5のピン部5aが他のブロック体のコネクタ5の接続部5bを挟持される。これにより、簡単に安定した物理的及び電気的な接続をすることができる。さらに、構成が簡単であるため、自由に組み合わせることができ、様々な形状、任意の立体的な電気配線の経路を構築することができる。
【0011】
第2の発明に係るブロック体は、複数のコネクタ5を備える第1の発明に係るブロック体で、さらに、電導性を有するサイドコネクタ板7を備える。そして、サイドコネクタ板7は、嵌合部4内に配設されて、コネクタ5と電気的に接続することを特徴とする。
【0012】
第2の発明に係るブロック体は、基体2の内部に複数のコネクタ5と電気的に接続するサイドコネクタ板7を備えるため、同ブロック内のコネクタ5同士をサイドコネクタ板7を介して電気的に接続することができる。そして、突起部3、嵌合部4及びコネクタ5が第1の発明に係るブロック体と同様の構成であるため、それらのブロック体を組み合わせて使用することができ、さらに、様々な形状や電気配線の経路を構築することができる。
【0013】
第3の発明に係るブロック体は、第1の発明に係るブロック体及び第2の発明に係るブロック体と同様の基体2、突起部3及び嵌合部4を備える。そして、第1の発明に係るブロック体又は第2の発明に係るブロック体との接続時に、突起部3は、第1の発明に係るブロック体及び第2の発明に係るブロック体の嵌合部4と嵌合し、又は、嵌合部4は、第1の発明に係るブロック体及び第2の発明に係るブロック体の突起部3と嵌合されることを特徴とする。
【0014】
第3の発明に係るブロック体は、突起部3及び嵌合部4が第1の発明に係るブロック体及び第2の発明に係るブロック体と同様の構成であるため、それらのブロック体を組み合わせて使用することができる。第3の発明に係るブロック体は、その内部にコネクタ5やサイドコネクタ板7を備えないので、軽量であり、その製造の費用を安くできる。そして、特に、第1の発明に係るブロック体や第2の発明に係るブロック体の組み合わせで電気配線が不要な部分に、補強の目的で使用することができる。
【0015】
第4の発明に係るブロック体は、第1の発明に係るブロック体、第2の発明に係るブロック体及び第3の発明に係るブロック体のいずれか1つのブロック体であって、基体2の一部又は全部を透明樹脂とすることを特徴とする。
【0016】
第4の発明に係るブロック体は、内部を視認することができるため、ブロック体の組み立て前後で簡単に電気配線の経路を確認することができる。また、発光部品と様々に組み合わせて用いることができる。
【0017】
第5の発明に係る電気配線は、上記の第1の発明から第4の発明までの少なくとも1つに係るブロック体を組み合わせてなることを特徴とする。
【0018】
第5の発明に係る電気配線は、第1の発明から第4の発明までの少なくとも1つに係るブロック体を組み合わせることにより、簡単に所望の経路を構築できる。そして、その電気配線に接続する電子部品等は、その端子さえコネクタ5の接続部5bに挿入できれば、接続するための専用コネクタや専用工具による結線等の処理を不要とすることができ、簡単に電気回路を構築することができる。
【0019】
第6の発明に係る表示装置は、電源10により発光する発光部品15a、15b、15c、15dと、文字部を透明部材16bで構成した表示板16とを備える。そして、表示板16の背面に、電源10と、発光部品15a、15b、15c、15dと、第5の発明に係る電気配線とを電気的に接続し、発光部品15a、15b、15c、15dを透明部材16bの後ろに配置することを特徴とする。
【0020】
第6の発明に係る表示装置は、簡単に分解及び組み立てができるため、様々な場所に持ち運んで使用することができる。また、その場所や表示したい内容に応じて、自由に装置や各部の大きさや形状を変更することができる。
【0021】
第7の発明に係る表示装置は、第6の発明に係る表示装置であって、さらに、表示板16は、上記の第1の発明から第4の発明までの少なくとも1つに係るブロック体を組み合わせてなることを特徴とする。
【0022】
第7の発明に係る表示装置は、表示板16を分解及び組み立てが容易になるため、さらに、様々な場所や用途に使用することができる。
【0023】
第8の発明に係るブロック体用のコネクタの製造方法は、まず、導電性材料でメッキされた棒状の部材53の一部を、両端で細く加工された導電性材料からなる電極板51を2等分に折り曲げて挟持する。そして、挟持している部分で、かつ、電極板51の先端部から所定の長さに位置する部分を、所定の長さのパイプ材52で覆う。そして、パイプ材52を圧着する(かしめ工程)。そして、板の折り曲げ部を切断する(切断工程)。そして、板の挟持している部分以外を、さらに、所定の位置で折り曲げる(曲げ工程)。以上の手順により第1の発明及び第2の発明に係るブロック体用のコネクタを得る。
【0024】
第8の発明に係るブロック体用のコネクタの製造方法は、導電性材料からなる板51、アルミパイプ52及び導電性材料でメッキされた棒状の部材53の少ない部品でコネクタ5を製造できるため、製造の時間を短く、製造の費用を低く抑えることができる。
【0025】
第9の発明に係るブロック体の製造方法は、まず、一つ又は複数の突起部3と、嵌合部4と、突起部3の上面に露出し、突起部3と嵌合部4とを連通すると共に、嵌合部4側の端部にストッパー6bを有するコネクタ収納部6とを具備する基体2を成型する金型で絶縁材料を成形する(成形工程)。そして、第8の発明に係るブロック体用のコネクタの製造方法により製造されたコネクタ5を、コネクタ収納部6に、コネクタ5のピン部5a側からコネクタ5のかしめ部5cがストッパー6bに接するまで挿入し、嵌合部4に突出するコネクタ5の電極板51を曲げる(コネクタ取付工程)。以上の手順により、第1の発明に係るブロック体を得る。
【0026】
第9の発明に係るブロック体の製造方法は、金型により一体成形された基体2に、第8の発明に係るブロック体用のコネクタの製造方法により製造されたコネクタ5を挿入して、そのコネクタ5の一部を折り曲げるだけで、簡単に第1の発明に係るブロック体を得ることができる。
【0027】
基体2は、第3の発明に係るブロック体と同一構成であるため、コネクタ5を取り付けない場合は、第3の発明に係るブロック体を得ることができる。
【0028】
第10の発明に係るブロック体の製造方法は、まず、一つ又は複数の突起部3と、嵌合部4と、突起部3の上面に露出し、突起部3と嵌合部4とを連通すると共に、嵌合部4側の端部にストッパー6bを有するコネクタ収納部6とを具備する基体2を成型する金型で絶縁材料を成形する(成形工程)。そして、所定の形状に加工された導電性材料からなるサイドコネクタ板7を嵌合部4内に配設する(サイドコネクタ板取付工程)。そして、第8の発明に係るブロック体用のコネクタの製造方法により製造されたコネクタ5を、コネクタ収納部6に、コネクタ5のピン部5a側からコネクタ5のかしめ部5cがストッパー6bに接するまで挿入すると共に、電極板51の一部及びコネクタ5のピン部5aをサイドコネクタ板7に貫通させる。そして、嵌合部4に突出するコネクタ5の電極板51を曲げると共に、電極板51をサイドコネクタ板7に接触させる(コネクタ取付固定工程)。以上の手順により、第2の発明に係るブロック体を得る。
【0029】
第10の発明に係るブロック体の製造方法は、金型により一体成形された基体2に、嵌合部4内にサイドコネクタ板7を配設した後に、第8の発明に係るブロック体用のコネクタの製造方法により製造されたコネクタ5を挿入して、そのコネクタ5の一部を折り曲げるだけで、簡単に第2の発明に係るブロック体を得ることができる。
【0030】
第9の発明及び第10の発明に係るブロック体の製造方法は、部品数及び作業工程が少ないため、大量生産に適している。また、基体2と、コネクタ5と、サイドコネクタ板7とをそれぞれ製造すると、その後の組み合わせでは、専用工具も不要である。そのため、予め各部品を大量に製造することによって、簡単に製造の費用を低く抑えて、第1の発明、第2の発明及び第3の発明に係るブロック体を製造することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る電気配線用ブロック体は、着脱が容易でしかも小型でありながら十分な電流定格及び絶縁耐圧を有するほか、工具を一切必要とせずに様々な電気配線を構成することができる。また、本発明に係る電気配線用ブロック体の製造方法は、本体部は樹脂等の成型品で構成し、内部の電極は簡単な形状に加工した金属部品のみからなるため、低コストで大量生産が可能である。また、本発明に係る電気配線用ブロック体を用いることにより、表示装置を構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1の実施形態の概略を示す図、(a)は上方から見た図であり、(b)は正面から見た図であり、(c)は、側方から見た図
【図2】コネクタの概略を示す図、(a)は上方から見た図であり、(b)は正面から見た図であり、(c)は側方から見た図
【図3】第1の実施形態の接続の構成を説明する図
【図4】第1の実施形態の接続の一例を示す図、(a)は第1の実施形態を複数接続した斜視図であり、(b)は図4(a)の配線経路を示した斜視図
【図5】第2の実施形態の概略を示す図、(a)は上方から見た図であり、(b)は正面から見た図であり、(c)は、側方から見た図
【図6】第3の実施形態の概略を示す図、(a)は上方から見た図であり、(b)は正面から見た図であり、(c)は、側方から見た図
【図7】コネクタの製造手順を示した概略図、(a)は各部材の組合せを示す図であり、(b)はかしめ工程を示す図であり、(c)は切断工程を示す図であり、(d)は曲げ工程を示す図
【図8】第1の実施形態のブロック体と第2の実施形態のブロック体とを用いた電気回路の一例を写真で表す図
【図9】図8の電気回路を示す図、(a)は図8の電気回路を立体的に示す図であり、(b)は、図8及び図9(a)の電気回路を平面的に示す図
【図10】第5の実施形態の他の例を示す図、(a)は図9(b)と異なる電気回路を示す図であり、(b)は、図10(a)の電気回路を実現するための接続の構成例を示す図
【図11】表示装置の表示板を正面の斜め方向から見た図
【図12】表示装置を説明する図、(a)は表示装置を上方から見た図であり、(b)は表示装置を正面の斜め方向から見た図
【図13】表示装置を側方から見た図
【図14】ベース板の一例を示す図、(a)は上方から見た図であり、(b)は側方から見た図
【図15】接続板の一例を示す図、(a)は上方から見た図であり、(b)は正面から見た図であり、(c)は側方から見た図
【図16】ベース板の他の一例を示す図、(a)は上方から見た図であり、(b)は側方から見た図
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明に係るブロック体は、突起部の数、コネクタの有無、サイドコネクタ板の有無、基体の形状や大きさ、突起部の形状や大きさ等によって、様々の構成が存在する。そのため、特に、基本的な構成として、突起部の数が2つのブロック体について説明する。そのブロック体は、コネクタの有無とサイドコネクタ板の有無により大きく3形態に分けられる。その形態は、具体的に、(1)コネクタとサイドコネクタ板とを両方有するブロック体、(2)コネクタのみを有するブロック体、(3)コネクタとサイドコネクタ板とを両方有しないブロック体、である。したがって、基本構成の一例として、以下にそのブロック体の説明をするが、突起部、コネクタやサイドコネクタ板の数、形状や大きさ、基体の形状や大きさ等に限定されるものではなく、適宜変更ができるものである。
【0034】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の概略を示す図である。図1(a)は、第1の実施形態を上方から見た図であり、図1(b)は、第1の実施形態を正面から見た図であり、図1(c)は、第1の実施形態を側方から見た図である。
【0035】
ブロック体1aは、直方体の基体2と、円筒形状の2つの突起部3と、突起部3の形状物と嵌合する嵌合部4と、コネクタ収納部6と、そのコネクタ収納部6に収納されるコネクタ5と、サイドコネクタ板7とを有する。
【0036】
基体2は、絶縁性材料であればよい。また、その形状や大きさは、他のブロック体と嵌合したり、製造するのに適した形状や大きさであればよい。具体的に、奥行き7.0[mm]、幅14.1[mm]、高さ10.0[mm]の直方体である。基体2は、樹脂で構成し、その耐電圧を24[V]以上とすることが好ましい。
【0037】
突起部3は、基体2の上面に、並べて配設されている。具体的に、基体2の奥行きをD、幅をWとすると、突起部3の中心は、基準点Rから見て、奥行き方向にD/2で幅方向にW/4の位置に、奥行き方向にD/2で幅方向に3W/4の位置に、それぞれ配設されている。また、2つの突起部3の間隔の長さをL1とし、基体2の各辺から突起部3までの最短距離の長さをW1及びD1とすると、その長さL1は、2D1以上であり、かつ、2W1以上であり、かつ、D1+W1以上である。なお、実際の各部の寸法は、あそびを考慮する必要があるが、本明細書では、特に、明記しない。
【0038】
突起部3の上面には、四角のコネクタ挿入口6aが設けられている。コネクタ5は、このコネクタ挿入口6aからコネクタ収納部6に挿入される。
【0039】
この突起部3を基体2と同じ材料で構成すると、一体成形が可能である。突起部3は、具体的に、直径4.55[mm]の円形を底面とし、高さ2.5[mm]とする円筒である。また、コネクタ挿入口6aは、具体的に、1辺を2.5[mm]とする正方形であり、突起部3の上面の中心に設けられる。
【0040】
嵌合部4は、基体2の下面に、突起部3の形状をその突起部3の同数まで嵌合できるように設けられている。その嵌合部4には、複数の突起部を仕切って固定する直方体の敷居部4aを設けている。この敷居部4aの幅L2は、2つの突起部3の間隔の長さL1とほぼ同程度の長さである。
【0041】
コネクタ収納部6は、突起部3の上面、つまり、コネクタ挿入口6aと、嵌合部4とを連通する四角形の管であり、嵌合部4側の一端にはストッパー6bが設けられている。
【0042】
コネクタ5は、銅等の導電性材料で構成され、コネクタ収納部6のストッパー6bに固定されている。そのコネクタ5の一方の先端部は、突起部3の上面のコネクタ挿入口6aから露出し、他方の先端部は、サイドコネクタ板7を貫通して、嵌合部4に突出している。そして、コネクタ5の突起部3側の先端部は、他のコネクタ5の嵌合部4側の先端部と物理的に接続できる構成となっている。同様に、コネクタ5の嵌合部4側の先端部は、他のコネクタ5の突起部3側の先端部と物理的に接続できる構成となっている。
【0043】
サイドコネクタ板7は、銅等の導電性材料で構成され、嵌合部4の一面を覆うように配設され、コネクタ5の一部と接触している。そのため、コネクタ5同士は、サイドコネクタ板7を通して電気的に接続される。
【0044】
仮にブロック体がコネクタ5を3つ以上有する場合、コネクタ5とサイドコネクタ板7との接続構成により、特定のコネクタ5同士を電気的に接続するようにしてもよい。
【0045】
コネクタ5同士やコネクタ5とサイドコネクタ板7との接触面積は、2[A]以上の電流を流し得るように設計することが好ましい。
【0046】
第1の実施形態のブロック体を複数接続させると、例えば、突起部3が、嵌合部4に嵌合されると同時に、嵌合部4に突出したコネクタ5の先端部が、突起部3の上面に露出したコネクタ5の他端部に接続される。同様に、嵌合部4が、突起部3に嵌合すると同時に、突起部3の上面に露出したコネクタ5の先端部は、嵌合部4に突出したコネクタ5の先端部に接続される。
【0047】
第1の実施形態は、ブロック体の内部に導電性を有するコネクタ5とサイドコネクタ板7とを設けることで、コネクタ5を通じて電気を供給することができる。また、第1の実施形態のブロック体を複数組み合わせることで、簡単にコネクタ5を接続させることができ、コネクタ5やサイドコネクタ板7を通じて電気を供給する電気配線の経路を簡単に構築できる。
【0048】
第1の実施形態は、主に玩具としても用いられるため、人体に危険を及ぼす部分をなくし、取り扱いやすくするために軽量であることが好ましい。
【0049】
第1の実施形態のバリエーションとして、その基体2の幅Wを半分にして1つの突起部3と、1つのコネクタ5とを有するブロック体を基準形とすることもできる。そして、その他のブロック体の奥行き、幅、高さ等をその基準形の整数倍とすることにより、そのブロック体同士が簡単に物理的、電気的に接続可能なブロック体のバリエーションを構築することができる。
【0050】
第1の実施形態は、ブロック体1aの突起部3や基体2の一部又は全部を透明にしたり、着色したりしてもよい。例えば、ブロック体の基体2を透明にすると、ブロック体内部を視認でき、その配線構造を簡単に理解することができる。また、照明器具や装飾用のインテリア用品として利用することもできる。なお、本明細書において「透明」という場合には、その透明度は問題とせず、一定程度光を透過するものであれば、半透明或いは着色された半透明の樹脂であっても良いものと解する。
【0051】
−コネクタについて−
図2は、コネクタの概略を示す図である。図2(a)は、コネクタを上方から見た図であり、図2(b)は、コネクタを正面から見た図であり、図2(c)は、コネクタを側方から見た図である。
【0052】
コネクタ5は、細長い棒状のピン部5aと、2枚の板ばねからなる接続部5bと、ピン部5aと接続部5bとを圧着して一体化されるかしめ部5cと、コネクタ収納部6のストッパー6bにコネクタ5を固定する固定部5dとを有する。
【0053】
コネクタ5は、導電性材料で構成されるが、電気の供給を妨げない程度に一部を絶縁材料で構成しても良い。ピン部5aは、角形等の様々な形状を用いることができる。そして、接続部5bも、ピン部5aの形状に応じて様々な形状の板ばねや、そのピン部5aを挟持する様々な挟持機構を用いることができる。かしめ部5cは、かしめ加工されて略直方体の形状をしている。かしめ部5cの形状は、コネクタ収納部6に挿入することができ、図1に示すように、コネクタ収納部6の断面を四角にすることで簡単にコネクタ5を収納することができる。
【0054】
コネクタ5は、コネクタ収納部6に挿入され、ピン部5aを嵌合部4に突出させ、接続部5bの上端を突起部3の上面、つまり、コネクタ挿入口6aから露出するように固定される。そして、コネクタ5を有する突起部3と別のブロック体の嵌合部4とが嵌合すると、例えば、突起部3が嵌合部4に嵌合されると、嵌合部4に突出するピン部5aは、突起部3の上面に露出する接続部5bの2枚の板ばねで挟持される。
【0055】
このピン部5aと、接続部5bとの接触面積を大きくすることで、大きな電流を流すことができる。例えば、ピン部5aを角形の棒材や接続部5bの最も狭い箇所にあわせてくびれを入れた形状とすることができる。
【0056】
図3は、第1の実施形態の接続の構成を説明する図であり、第1の実施形態のブロック体1aを3個接続している。具体的には、下から1段目のブロック体(以下、単に「1段目」という。)の突起部3の1つに、2段目のブロック体(以下、単に「2段目」という。)を鉛直方向の周りに90度回転させて、2段目の嵌合部4を嵌合させ、その2段目の突起部3の2つに、3段目のブロック体(以下、単に「3段目」という。)の嵌合部4を嵌合させている。
【0057】
図3から、1段目の突起部3と2段目の嵌合部4とが嵌合すると同時に、1段目の突起部3の上面に露出するコネクタ5の接続部5bは、2段目の嵌合部4から突出するコネクタ5のピン部5aを2枚の板ばねで挟持し、同様に、2段目の突起部3と3段目の嵌合部4とが嵌合すると同時に、2段目の突起部3の上面に露出するコネクタ5の接続部5bは、3段目の嵌合部4から突出するコネクタ5のピン部5aを2枚の板ばねで挟持していることがわかる。このとき、図3に示すように、2段目のコネクタ5の接続部5bの膨らんでいる部分をコネクタ収納部6の側壁に接触するようにすると、2枚の板ばねのピン部5aを挟持する力が増すため、さらに、そのブロック体同士を安定して接続することができる。
【0058】
さらに、この構成では、例えば、点P1から点P2、点P1から点P3及び点P1から点P4が電気的に接続されていることがわかる。
【0059】
よって、第1の実施形態のブロック体同士が接続されると、突起部3と嵌合部4との嵌合だけでなく、コネクタ5による接続も同時に行うことができ、全体的に安定した物理的、電気的な接続が可能となることがわかる。
【0060】
図4は、第1の実施形態の接続の一例を示す図であり、図4(a)は、第1の実施形態のブロック体1aを11個接続した斜視図であり、図4(b)は、図4(a)の配線経路を示した斜視図である。
【0061】
図4(a)のように第1の実施形態のブロック体1aを接続すると、図4(a)のAとBとは、外観上離れていても、例えば、図4(b)の破線で示すようなAとBと結ぶ配線経路が構成され、AとBとは電気的に接続される。
【0062】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態の概略を示す図である。図5(a)は、第2の実施形態を上方から見た図であり、図5(b)は、第2の実施形態を正面から見た図であり、図5(c)は、第2の実施形態を側方から見た図である。
【0063】
ブロック体1bは、直方体の基体2と、円筒形状の2つの突起部3と、突起部3の形状物と嵌合する嵌合部4と、コネクタ収納部6と、そのコネクタ収納部6に収納されるコネクタ5とを有する。第2の実施形態は、第1の実施形態のサイドコネクタ板7を除く構成であり、それ以外は、第1の実施形態と同様である。
【0064】
第2の実施形態は、第1の実施形態のバリエーションの1つであり、第1の実施形態や他の第2の実施形態と接続させることができる。特に、第2の実施形態は、コネクタ5を各々独立させて電気を供給することができる。そして、例えば、第2の実施形態を第1の実施形態や他の第2の実施形態のブロック体と接続させることにより、電気配線のバリエーションを増やすことができ、効率の良い電気配線を構築できる。
【0065】
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態の概略を示す図である。図6(a)は、第3の実施形態を上方から見た図であり、図6(b)は、第3の実施形態を正面から見た図であり、図6(c)は、第3の実施形態を側方から見た図である。
【0066】
ブロック体1cは、直方体の基体2と、円筒形状の2つの突起部3と、突起部3の形状物と嵌合する嵌合部4と、コネクタ収納部6と、そのコネクタ収納部6に収納されるコネクタ5とを有する。第3の実施形態は、第1の実施形態のコネクタ5及びサイドコネクタ板7を除く構成であり、それ以外は、第1の実施形態と同様である。
【0067】
第3の実施形態は、第1の実施形態のバリエーションの1つであり、第1の実施形態、第2の実施形態や他の第3の実施形態のブロック体と接続させることができる。特に、第3の実施形態は、配線を必要としない部分に補強として使用することができ、コネクタ5及びサイドコネクタ板7のコストを抑えることができる。
【0068】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第1の実施形態の製造方法である。第1の実施形態のブロック体1aの製造方法は、突起部3と嵌合部4とコネクタ収納部6とを有する基体2、コネクタ5及びサイドコネクタ板7をそれぞれ製造し、最後にそれらを組み合わせる手順となる。ここで、まず、コネクタ5を低コストで製造する手順を以下に説明する。
【0069】
−コネクタの製造−
図7は、コネクタの製造手順を示した概略図である。図7(a)は各部材の組み合わせを示す図であり、図7(b)はかしめ工程を示す図であり、図7(c)は切断工程を示す図であり、図7(d)は曲げ工程を示す図である。
【0070】
まず、図7(a)に示すように、両端を細く加工された銅板51の一番長い辺を半分に折り曲げ、銅の棒材53をその銅板51の両端で挟持する。銅の棒材53は、すずメッキされていることが好ましい。そして、その挟持している部分をアルミパイプ52で覆う。このアルミパイプ52で覆う部分を以下、「挟持部」という。このとき、固定部5dを設けるために、両端の細い部分の長さは、アルミパイプ52の長さよりも所定値だけ大きくする。具体的には、コネクタ収納部6のストッパー6bのコネクタ5の挿入方向の厚さを0.7[mm]、嵌合部4の奥行きを4.55[mm]、アルミパイプ52の長さを2.4[mm]とする場合、幅45[mm]、奥行き2.2[mm]、厚さ0.1[mm]の銅板の幅方向の両端を、その端から4.7[mm]の長さだけ、奥行き方向の両端から0.6[mm]ずつ段差を設けるように加工する。このとき、その段差の銅板の奥行きは、1.0[mm]となる。このアルミパイプ52の内径は、1.0[mm]よりも大きく2.2[mm]よりも小さくする。
【0071】
次に、図7(b)に示すように、その挟持部を圧着工具54で4方向から圧着する。このとき、圧着される挟持部は、コネクタ収納部6に収納できる形状や大きさにする。具体的には、1辺を2.5[mm]より少し小さい正方形を底面とする略直方体である。
【0072】
次に、図7(c)に示すように、銅板51の折り曲げ部を切断工具55により所定の位置で切断する。
【0073】
次に、図7(d)に示すように、銅板51の所定の位置を曲げて、ピン部5aを挟持できる接続部5bの板ばねを作成する。ここで、コネクタ5の固定部5dとなる部分は、コネクタ5を基体2に挿入して固定するときに曲げる。
【0074】
以上の手順により、コネクタ5は、両端を細く加工された銅板51と、アルミパイプ52と、銅の棒材53と、から簡単に低コストで製造することができる。
【0075】
−突起部と嵌合部とコネクタ収納部とを有する基体の製造−
突起部3と嵌合部4とコネクタ収納部6とを有する基体2は、その基体2の外形を製造する金型に、嵌合部4と同形の金型と、コネクタ収納部6と同形の金型とを所定の位置に配置し、その金型に樹脂等の絶縁材料を流し込んで一体成形する。これにより、突起部3と嵌合部4とコネクタ収納部6とを有する基体2は、簡単に低コストで大量に製造することができる。
【0076】
−サイドコネクタ板の製造−
サイドコネクタ板7は、銅板に、コネクタ5のピン部5aとコネクタ5の固定部5dとが通る穴と、嵌合部4の敷居部4aの通る穴とを開けて、嵌合部4に収まる寸法に加工する。具体的には、、幅11.65[mm]、奥行き4.55[mm]、厚さ0.1[mm]の銅板に、ピン部5aと固定部5dとが通るための穴として幅2.5[mm]で奥行き1.3[mm]の長方形を2つと、敷居部4aが通るための穴として幅2.55[mm]で奥行き1.6[mm]の長方形を1つとを開ける。これにより、サイドコネクタ板7は、銅板から簡単に製造することができる。
【0077】
−組み合わせ−
以上により製造された基板2と、コネクタ5と、サイドコネクタ板7とを以下(1)から(3)の手順により組み合わせ、ブロック体1aは製造される。
(1)基板2の下面から嵌合部4にサイドコネクタ板7を挿入する。このとき、サイドコネクタ板7は、嵌合部4の敷居部4aを所定の穴に通すようにする。
(2)基板2のコネクタ挿入口6aからコネクタ5を挿入する。このとき、コネクタ5は、コネクタ5のピン部5a側から挿入される。そして、サイドコネクタ板7の所定の穴に、コネクタ5のピン部5aと、コネクタ5の固定部5dとを通し、コネクタ5のかしめ部5cがコネクタ収納部6のストッパー6bに接するまで、挿入される。
(3)コネクタ5の固定部5dを折り曲げて、コネクタ5と、サイドコネクタ板7とを基体2に固定する。これにより、ブロック体1aを得る。
【0078】
第4の実施形態は、部品点数が少なく、加工作業も簡単で、特に、コネクタ5の製造が簡単であるため、ブロック体1aを低コストで大量に製造できる。
【0079】
(第5の実施形態)
第1の実施形態のブロック体1aと、第2の実施形態のブロック体1bと、第3の実施体のブロック体1cと、その他のブロック体とを接続して様々な電気配線を構成し、その電気配線に電子部品等を接続して簡単に電気回路を構成することができる。ここで、その他のブロック体とは、ブロック体1a、ブロック体1b及びブロック体1c以外のブロック体であって、ブロック体1aと同様の突起部3や嵌合部4を有するブロック体である。その一例を以下に説明するが、ブロック体1a、1b、1cやその接続の構成、電子部品等は限定される物ではなく、適宜変更可能である。
【0080】
以下、単に「ブロック体」というときは、第1の実施形態のブロック体1a、第2の実施形態のブロック体1b、第3の実施体のブロック体1c及びそれらに接続できるその他のブロック体のいずれか1つを表すものとする。
【0081】
図8は、第1の実施形態のブロック体1aと第2の実施形態のブロック体1bとを用いた電気回路の一例を写真で表す図である。図8の電気回路は、透明なブロック体1aを6つと、透明なブロック体1bを1つと、電池等の電源を1つと発光ダイオードを3つとを接続していることがわかる。具体的には、まず、突起部3が1列に並ぶようにブロック体1aを横に2つ並べ、その2つを接続するように上からブロック体1aを接続する。この配線経路をR1とする。そして、同様の構成をもう一つ作る。この配線経路をR2とする。それらR1とR2との2つの配線経路が平行になるように、それら接続の構成を並べ、それら接続の構成を物理的に接続するように2段目のブロック1aの上からブロック体1bを接続する。そして、R1とR2との2つの配線経路を繋ぐように、1段目のコネクタ5の接続部5bには電池等の電源を1つと、その反対側に発光ダイオード1つ、2段目のコネクタ5の接続部5bには発光ダイオード1つ、3段目のコネクタ5の接続部5bには発光ダイオード1つがそれぞれ接続される。
【0082】
図9は、図8の電気回路を示す図である。図9(a)は、図8の電気回路を立体的に示す図であり、図9(b)は、図8及び図9(a)の電気回路を平面的に示す図である。なお、図9(a)の白丸は、コネクタ5の接続部5bを示している。図9(a)から図8の電気回路は、発光ダイオード11a、11b、11cを並列であって立体的に接続していることがわかり、図9(b)は、図8及び図9(a)の等価回路であることがわかる。
【0083】
これにより、図9(b)の電気回路は、例えば、図8のように構成することで簡単に実現することができる。反対に、図9(b)の電気回路は、第1の実施形態のブロック体1aと、第2の実施形態のブロック体1bと、第3の実施形態のブロック体1cと、その他のブロック体とで様々に配線経路を構成してよいこともわかる。例えば、簡単な構成を考えると、突起部3を4つ有するブロック体であって、サイドコネクタ板7でコネクタ5が全て電気的に接続されているブロック体を2つ並べ、その2つの配線に電源1つと、発光ダイオード3つとを並列に接続することで、図9(b)と同等の電気回路を構成することができる。
【0084】
また、電源10、発光ダイオード11a、11b、11cと、それらのブロック体で構成される電気配線とは、接続に専用のコネクタや結線処理等の必要が無く、それらの端子を突起部3のコネクタ挿入口6aから挿入させてコネクタ5の接続部5bに接触させるだけで簡単に接続することができる。これにより、簡単に電気回路の構成の変更ができる。
【0085】
第5の実施形態は、第1の実施形態のブロック体1aと、第2の実施形態のブロック体1bと、第3の実施体のブロック体1cと、その他のブロック体とを接続することにより、所望の電気配線を簡単に構成することができる。特に、立体的に電気配線を構築できることから、様々な経路を選択することできる。また、電子部品等も簡単に接続することができ、電気回路の構成変更も柔軟に行うことができる。
【0086】
(変形例)
図10は、第5の実施形態の他の例を示す図であり、図10(a)は、図9(b)と異なる電気回路を示す図であり、図10(b)は、図10(a)の電気回路を実現するための接続の構成例を示す図である。なお、図10(b)は、端子14a、14bに接続される電源を省略している。また、破線は電気配線を表している。
【0087】
図10(a)は、抵抗12aと、抵抗12bとを直列に接続し、その抵抗12bと並列にコンデンサ13を接続した電気回路であることがわかる。また、図10(a)の電気回路は、図10(b)のように、複数のブロック体と、抵抗12aと、抵抗12bと、コンデンサ13と、電源とを接続すると、同等の電気回路を構成できることがわかる。なお、図10(b)の電気配線は、第1の実施形態のブロック体1aを2つの他に、コネクタ5とサイドコネクタ板7とを有するブロック体であって突起部3を4つ有するブロック体を2つと、コネクタ5とサイドコネクタ板7とを有するブロック体であって突起部3を3つ有するブロック体を1つとを接続して構築されている。そして、その電気配線の経路の補強として、コネクタ5を有しないブロック体が複数接続されている。
【0088】
(第6の実施形態)
図11、図12及び図13は、表示装置の一例を説明する図である。図11は、表示装置の表示板を正面の斜め方向から見た図であり、図12(a)は、表示装置を上方から見た図であり、図12(b)は、表示装置を正面の斜め方向から見た図であり、図13は、表示装置を側面から見た図である。なお、図12(b)は、電源を省略している。
【0089】
まず、表示板について説明する。表示板16は、図11に示すように、第3の実施形態のブロック体1cと、突起部3を1つ有するブロック体1dと、接続部16cとを接続して構成されている。接続部16cは、表示板16と電気配線を構成するブロック体群17とを接続するブロック体であり、具体的には、突起部3を3つ有するブロック体である。この接続部16cは、必要に応じて大きさ、形状や配置を適宜変更でき、不要であれば無くてもよい。
【0090】
表示板16は、具体的に、図11に示すように、次のように構成される。まず、1段目の両端に接続部16cを配置して、その間に第3の実施形態のブロック体1cを突起部3が一列になるように9つ並べる。このとき、接続部16cの一端は、表示板16cの背面方向に突起部3を2つ突出させる。そして、2段目以降は、下の段のブロック体の上に、ブロック体1cを1つ下の段のブロック体1cとずらして同じ方向で7段まで接続していく。このとき、突起部3を1つ有するブロック体1dを用いて両端の幅方向の長さを調整してもよい。
【0091】
各段毎にブロック体1cをずらして接続することにより、表示板16を複数のブロック体で構成しても、各ブロック体の接続は強固になるため、表示板16は、全体的に頑丈なものとすることができる。
【0092】
表示装置20は、図12(a)に示すように、表示板16と、その表示板16に沿って2つの電気配線を並列に構成したブロック体群17と、発光ダイオード15a、15b、15c、15dとを備えている。そして、端子21a、21bを電源に接続することにより、発光ダイオード15a、15b、15c、15dを発光させ、表示装置20の正面からみた表示板16の透明な文字の部分を鮮明に表示させる。
【0093】
電気配線を構成するブロック体群17は、第1の実施形態のブロック体1aと、第2の実施形態のブロック体1bと、第3の実施形態のブロック体1cと、その他のブロック体とを接続して構成される。発光ダイオード15a、15b、15c、15dは、その数や種類を適宜変更することができ、さらに、それらの発光ダイオードを別の発光部品に適宜変更することもできる。
【0094】
表示板16は、図11と同様の構成であり、図12(b)に示すように、さらに、不透明な部分16aと、文字の部分を構成するための透明な部分16bとを備える。この不透明な部分16aと透明な部分16bは、表示板16を構成するブロック体の一部又は全部に透明材料を用いる。
【0095】
接続部16cは、図12(a)、図12(b)及び図13に示すように、接続部16cによって、表示板16とブロック体群17とを接続する。なお、表示板16とブロック体群17とを一体化する必要がない場合は、接続部16cを他のブロック体に変更したり、省略したりできる。
【0096】
図12(b)は、表示板16の不透明な部分16aと透明な部分16bとで文字「I」、「M」及び「P」を表した表示装置20を示している。この表示装置20で発光ダイオード15a、15b、15c、15dが発光すると、透明な部分16bで構成される「I」、「M」及び「P」の部分が光っているように鮮明に表示される。
【0097】
第6の実施形態は、表示板の透明な文字やその文字を発光させる電気回路を簡単で柔軟に構成することができる。また、複数のブロック体と、発光部品との接続も専用工具等不要で簡単であるため、様々な場所に持ち運んで使用することができる。
【0098】
第1の実施形態のブロック体1aと、第2の実施形態のブロック体1bと、第3の実施体のブロック体1cと、その他のブロック体とを接続する場合、別途それらのブロック体を一面に接続できるベース板を用いてもよい。
【0099】
図14は、ベース板の一例を示す図である。図14(a)は、上方から見た図であり、(b)は側方から見た図である。ベース板30は、基体31と、その上面に配列された突起部3と、基体31と突起部3とに埋設された接続板32とを備える。
【0100】
基体31は、主に絶縁材料からなり、上記ブロック体と同様に透明材料を用いたり、着色したりしてもよい。突起部3も上記ブロック体と同様の構成である。基体31の上面には、突起部3の位置を特定するために、図14に示すように、行にA,B,C,・・・の番号を、列に1,2,3,4,・・・の番号をそれぞれ付けることが好ましい。
【0101】
接続板32は、銅等の導電性材料からなり、例えば、突起部3から露出する接続板32の接続部32a(以下、単に「露出部」という。)は、各行内で電気的に接続されるように構成される。図14(a)では、A行1列の露出部は、A行の他の列の露出部と電気的に接続されており、B行やC行といった他の行の露出部と電気的に接続されていない。
【0102】
上記コネクタ5を有するブロック体をベース板30に接続する場合、ベース板30の突起部3はそのブロック体の嵌合部4に嵌合されると同時に、接続板32の接続部32aはそのブロック体のコネクタ5のピン部5aを挟持する。
【0103】
図15は、ベース板に埋設される接続板の一例を示す図である。図15(a)は上方から見た図であり、図15(b)は正面から見た図であり、図15(c)は側方から見た図である。接続板32は、接続部32aと、その他の接続部32a同士を電気的に接続する連結部32bとを備える。この接続部32aは、コネクタ5の接続部5bと同様に適宜形状や大きさ等を変更できる。また、接続板32の大きさや形状も適宜変更でき、接続部32aの配置や連結部32bによる接続部32aの連結される経路も適宜変更できる。
【0104】
図16は、ベース板の他の一例を示す図である。図16(a)は、上方から見た図であり、図16(b)は側方から見た図である。このベース板33は、図14に示すベース板30から接続板32を省いた構成である。
【0105】
このベース板により、上記ブロック体を安定して接続したり、必要なブロック体の数を低減することができる。また、そのベース板内に必要な露出部だけ電気的に接続された接続板を設けることで、さらに、ブロック体の数を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明に係るブロック体は、簡単で安定した電気配線を構築することができる。特に、立体的にも配線を構築でき、電子部品等との接続も簡単で専用工具等も必要でないことから、様々な電気回路をより身近なものとして利用することができる。そのため、例えば、ブロック体としての玩具だけでなく、電気回路を実際に触れてみて理解する教材として、その教育分野にも需要の拡大が期待でき、産業上の利用可能性は極めて大きい。
【符号の説明】
【0107】
1a、1b、1c、1d ブロック体
2 基体
3 突起部
4 嵌合部
4a 敷居部
5 コネクタ
5a ピン部
5b 接続部
5c かしめ部
5d 固定部
6 コネクタ収納部
6a コネクタ挿入口
6b ストッバー
7 サイドコネクタ板
10 電源
11a、11b、11c、15a、15b、15c、15d 発光ダイオード
16 表示板
20 表示装置
30 ベース板
51 銅板
52 パイプ
53 銅の棒材
54 圧着工具
55 切断工具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ又は複数の突起部(3)と、嵌合部(4)とを具備する基体(2)と、
前記基体(2)の内部に電導性を有する一つ又は複数のコネクタ(5)とを備えるブロック体であって、
前記コネクタ(5)は、
一方にピン部(5a)と、
他方に2枚の板ばねで前記ピン部(5a)の形状を挟持する接続部(5b)とを有すると共に、
前記接続部(5b)の上端部は、前記突起部(3)の上面に露出しており、
前記ピン部(5a)は、前記嵌合部(4)内に突出している
ことを特徴とするブロック体。
【請求項2】
前記コネクタ(5)を複数と、
電導性を有するサイドコネクタ板(7)とを備え、
前記サイドコネクタ板(7)は、前記嵌合部(4)内に配設されて、
前記コネクタ(5)と電気的に接続する
ことを特徴とする請求項1記載のブロック体。
【請求項3】
一つ又は複数の突起部(3)と、嵌合部(4)とを具備する基体(2)を備える請求項1及び請求項2に接続できるブロック体であって、
請求項1又は請求項2記載のブロック体との接続時に、
前記突起部(3)は、請求項1又は請求項2記載のブロック体の前記嵌合部(4)と嵌合し、
前記嵌合部(4)は、請求項1又は請求項2記載のブロック体の前記突起部(3)と嵌合される
ことを特徴とするブロック体。
【請求項4】
前記基体(2)は、一部又は全部を透明樹脂からなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のブロック体。
【請求項5】
電気回路用の電気配線であって、
請求項1乃至請求項4の少なくとも1つのブロック体を組み合わせてなる
ことを特徴とする電気配線。
【請求項6】
電源(10)により発光する発光部品(15a、15b、15c、15d)と、
文字部を透明部材(16b)で構成した表示板(16)とを備える表示装置であって、
前記表示板(16)の背面に、
前記電源(10)と、
前記発光部品(15a、15b、15c、15d)と、
請求項5記載の電気配線とを電気的に接続し、
前記発光部品(15a、15b、15c、15d)を前記透明部材(16b)の後ろに配置する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
前記表示板16は、請求項1乃至請求項4の少なくとも1つのブロック体を組み合わせてなる
ことを特徴とする請求項6記載の表示装置。
【請求項8】
ブロック体に埋設されるコネクタの製造方法であって、
導電性材料でメッキされた棒状の部材(53)の一部を、
両端で細く加工された導電性材料からなる電極板(51)を2等分に折り曲げて挟持し、
前記挟持している部分で、かつ、前記電極板(51)の先端部から所定の長さに位置する部分を、
所定の長さのパイプ材(52)で覆い、
前記パイプ材(52)を圧着するかしめ工程と、
前記板の折り曲げ部を切断する切断工程と、
前記板の挟持している部分以外を、さらに、所定の位置で折り曲げる曲げ工程と、
を含むことを特徴とするブロック体用のコネクタの製造方法。
【請求項9】
一つ又は複数の突起部(3)と、嵌合部(4)と、
前記突起部(3)の上面に露出し、
前記突起部(3)と前記嵌合部(4)とを連通すると共に、
前記嵌合部(4)側の端部にストッパー部(6a)を有するコネクタ収納部(6)と、
を具備する基体(2)を成型する金型で絶縁材料を成形する成形工程と、
請求項8記載の製造方法により製造されたコネクタ(5)を、前記コネクタ収納部(6)に、
前記コネクタ(5)のピン部(5a)側から前記コネクタ(5)のかしめ部(5c)がストッパー(6b)に接するまで挿入し、
前記嵌合部(4)に突出する前記コネクタ(5)の前記電極板(51)を曲げるコネクタ取付工程と、
を含むことを特徴とするブロック体の製造方法。
【請求項10】
一つ又は複数の突起部(3)と、嵌合部(4)と、
前記突起部(3)の上面に露出し、
前記突起部(3)と前記嵌合部(4)とを連通すると共に、
前記嵌合部(4)側の端部にストッパー部(6a)を有するコネクタ収納部(6)と、
を具備する基体(2)を成型する金型で絶縁材料を成形する成形工程と、
所定の形状に加工された導電性材料からなるサイドコネクタ板(7)を前記嵌合部(4)内に配設するサイドコネクタ板取付工程と、
請求項8記載の製造方法により製造されたコネクタ(5)を、前記コネクタ収納部(6)に、前記コネクタ(5)のピン部(5a)側から前記コネクタ(5)のかしめ部(5c)がストッパー(6b)に接するまで挿入すると共に、
前記電極板(51)の一部及び前記コネクタ(5)のピン部(5a)をサイドコネクタ板(7)に貫通させ、
前記嵌合部(4)に突出する前記コネクタ(5)の前記電極板(51)を曲げると共に、前記電極板(51)をサイドコネクタ板(7)に接触させるコネクタ取付固定工程と、
を含むことを特徴とするブロック体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−67386(P2011−67386A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220773(P2009−220773)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(309030805)
【Fターム(参考)】