説明

電気量管理システム

【課題】家人の生活行為を考慮して適切な比較対象を選択し、複数の世帯間で電気使用量を比較することができる電気量管理システムを提供する。
【解決手段】記憶装置42は、それぞれ家人の生活行為を表す複数のシーンと、特定の電気機器6の状態を表す機器情報との対応関係をシーンごとに表した関係テーブルを、予め記憶している。宅内端末4は、監視装置3にて監視されている機器情報と記憶装置42に記憶されている対応関係とに基づいて、現在の家人の生活行為を表すシーンを判断装置43にて判断する。宅内端末4は、シーンが判断されると、この判断の基になった電気機器6について、このシーン発生時における電気使用量を、このシーンに伴う電気使用量として計測装置2から取得する。比較部82は、1つの住宅10を対象住宅として、この対象住宅と共通のシーンである共通シーンが発生した住宅10との間で、共通シーンに伴う電気使用量を比較する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の電気使用量を管理する電気量管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の電気量管理システムとして、自世帯の電気使用量と他世帯の電気使用量とを比較した画像を表示可能なシステムが提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1記載のシステムでは、たとえば家族構成が自世帯と同一の世帯を比較対象として、電気使用量の比較が行われる。このシステムによれば、ユーザは、家族構成を考慮して自世帯と他世帯とで電気使用量を比較でき、自世帯の電気使用量の傾向を把握することができて省エネルギ化を図る行動の指標を得ることが容易になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−117183号公報(第0063−0069段落)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したような従来のシステムでは、家族構成が同一の住宅が電気使用量の比較対象になるものの、家族構成が同一というだけでは電気使用量の比較対象として適切ではない場合がある。すなわち、たとえ家族構成が同じでも、たとえばテレビを視聴しているのか、あるいは運動機器を用いたエクササイズを行っているのかといった家人の生活行為によって、電気使用量は大きく異なることがある。したがって、家族構成が同一であっても、家人の生活行為が異なる世帯は電気使用量の比較対象として適切ではない。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みて為されており、家人の生活行為を考慮して適切な比較対象を選択し、複数の世帯間で電気使用量を比較することができる電気量管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電気量管理システムは、複数の住宅間で電気使用量の比較を行う電気量管理システムであって、個々の前記住宅ごとに前記電気使用量を計測する計測装置と、前記電気使用量の比較結果を提示する提示装置と、それぞれ家人の生活行為を表す複数のシーンと当該シーンに関連する特定の電気機器の状態を表す機器情報との対応関係が前記シーンごとに予め記憶されている記憶装置と、前記機器情報を監視する監視装置と、前記記憶装置に記憶されている前記対応関係および前記監視装置で監視されている前記機器情報に基づいて前記シーンを判断する判断装置と、1つの前記住宅を対象住宅として前記対象住宅と共通の前記シーンである共通シーンが発生した前記住宅との間で、前記共通シーンの発生時における前記電気使用量を比較する比較部と、前記比較部の比較結果を前記提示装置に提示させる提示制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
この電気量管理システムにおいて、前記比較部にて比較される前記対象住宅の前記電気使用量は、前記記憶装置において前記共通シーンと対応付けられている前記電気機器にて消費される電気使用量であることが望ましい。
【0009】
この電気量管理システムにおいて、前記比較部にて比較される前記対象住宅の前記電気使用量は、前記対象住宅の全体で消費される電気使用量であることがより望ましい。
【0010】
この電気量管理システムにおいて、前記記憶装置は、前記シーンが発生し得る時間帯が前記シーンごとに対応付けて記憶されており、前記判断装置は、現在時刻を計時する時計部を有し、現在時刻が該当する前記時間帯に対応する前記シーンの中から前記シーンを判断することがより望ましい。
【0011】
この電気量管理システムにおいて、前記判断装置は、前記機器情報と前記計時部にて計時される現在時刻とに基づいて前記シーンが発生し得る時間帯を学習する学習部を有し、前記記憶装置に記憶されている時間帯を前記学習部で学習した時間帯に自動的に修正することがより望ましい。
【0012】
この電気量管理システムにおいて、複数の前記住宅における前記共通シーンの発生時の前記電気使用量に基づき、前記共通シーンの基準となる前記電気使用量を基準量として算出する基準算出部をさらに備え、前記比較部は、前記共通シーンの発生時における前記対象住宅の電気使用量と前記基準量とを比較することがより望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、家人の生活行為を考慮して適切な比較対象を選択し、複数の世帯間で電気使用量を比較することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1の電気量管理システムの構成を示す概略システム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
本実施形態の電気量管理システム1は、図1に示すように、電気使用量を計測する計測装置2と、電気機器の状態を監視する監視装置3と、宅内端末4とを複数の住宅10の各々に備えている。本実施形態では、宅内端末4は、電気使用量の提示を行う提示装置41と、記憶装置42と、家人の生活行為を判断する判断装置43とを一体に有している。さらに、住宅10には様々な電気機器6が設けられている。
【0016】
住宅10ごとに設けられているこれら計測装置2、監視装置3、宅内端末4、電気機器6は、各住宅10内において汎用の通信プロトコルを利用した宅内ネットワークをそれぞれ構築する。なお、図1では1つの住宅10のみ図示しているが、図示しない他の住宅においても同様の計測装置2、監視装置3、宅内端末4、電気機器6が設けられ、宅内ネットワークが構築される。
【0017】
さらに、電気量管理システム1は、広域ネットワークとしてのインターネット7に接続されたセンタサーバ8を備えている。インターネット7には、各住宅10内に構築されている宅内ネットワークがそれぞれホームゲートウェイ9を介して接続されている。
【0018】
電気機器6は、たとえばテレビ、運動機器、給湯器、空調装置、ヒータ(暖房器具)、照明器具、電子レンジ、ホームシアター機器などの各種設備機器や、ベッドに内蔵されている重量センサなどの各種センサである。図1の例では、寝室11にはベッドの重量センサと照明器具、リビング12にはテレビと照明器具、キッチン13には電子レンジと照明器具、浴室14には給湯器と照明器具とがそれぞれ電気機器6として設置されている。
【0019】
計測装置2は、各電気機器6においてそれぞれ消費されている電力量を電気使用量として計測する。具体的には、計測装置2は、主幹ブレーカ(図示せず)の二次側から分岐した複数の電路に、それぞれ分岐ブレーカ(図示せず)を介して供給される分岐電力を計測し、分岐電力を積算することによって電気機器6ごとの電気使用量を計測する。なお、電気使用量は、分岐電力の積算値である電力量に限らず、たとえば電力量が電気料金に換算された数値などであってもよい。
【0020】
監視装置3は、各電気機器6の状態を表す機器情報をそれぞれ監視する。ここでいう電気機器6の状態とは、たとえばテレビや運動機器の電源のオン・オフの別、センサにおける検知・非検知の別などを意味する。監視装置3は、これらの機器情報を、電気機器6との通信により電気機器6から取得したり、計測装置2にて計測されている分岐電力に基づいて推定したりすることによって監視する。
【0021】
提示装置41は、詳しくは後述するが、センタサーバ8からWebコンテンツの提供を受け、このWebコンテンツを表示するWebブラウザとしての機能を有している。なお、提示装置41は、センタサーバ8から提供されるWebコンテンツを表示できる装置であればよく、たとえばテレビや携帯端末器やコントロールパネルなど、あるいは電気量管理システム1専用の表示機器であってもよい。
【0022】
記憶装置42は、それぞれ家人の生活行為を表す複数のシーンと、当該シーンに関連する特定の電気機器6の状態を表す機器情報との対応関係をシーンごとに表した関係テーブルを、予め記憶している。本実施形態では、関係テーブルにおいて、たとえば「テレビ視聴」というシーンとテレビの「電源オン」という状態を表す機器情報とが対応付けられ、「エクササイズ」というシーンと運動機器の「電源オン」という状態を表す機器情報とが対応付けられている。
【0023】
さらに、関係テーブルでは、「テレビ視聴」、「エクササイズ」といった生活行為の他、各電気機器6の機器情報と関連付けて認識可能なたとえば「睡眠」、「食事」、「入浴」などの家人の種々の生活行為が、それぞれシーンとして機器情報と対応付けられている。ここで、一般的に人が宅内で行い得るような生活行為はシーンとして記憶装置42に予め登録されている。ユーザ(家人)は、電気量管理システム1の初期設定時において、記憶装置42に予め登録されたシーンの中から任意にシーンを選択するとともに、各シーンに関連する電気機器6の状態を表す機器情報をシーンに対応付けて関係テーブルを作成する。
【0024】
宅内端末4は、監視装置3にて監視されている機器情報を取得し、取得した機器情報と記憶装置42に記憶されている対応関係とに基づいて、判断装置43にて発生したシーンを判断する。本実施形態では、宅内端末4は、監視装置3にて監視されている機器情報(つまり電気機器6の状態)が変化する度に監視結果(変化後の機器情報)を取得する。
【0025】
判断装置43は、機器情報を、記憶装置42に記憶されている関係テーブルに照らし合わせることにより、関係テーブルにおいて機器情報と対応付けられているシーンが、現在の家人の生活行為を表すシーンであると判断する。
【0026】
また、宅内端末4は、判断装置43にて何らかのシーンが発生したと判断されると、この判断の基になった電気機器6について、このシーン発生時における電気使用量を、このシーンに伴う電気使用量として計測装置2から取得する。すなわち、あるシーンが発生すると、このシーンが発生している期間中に、このシーンに対して関係テーブル上で機器情報が対応付けられている電気機器6にて消費された電気使用量を、このシーンに伴う電気使用量として宅内端末4は取得する。
【0027】
本実施形態では、宅内端末4は、1回のシーンが終了したと判断部43にて判断される度に、このシーンの発生中に生じた電気使用量を、このシーンに伴う電気使用量として計測装置2から取得する。つまり、宅内端末4は、電気機器6の状態が変化してあるシーンが開始したと判断部43にて判断されてから、電気機器6の状態が再び変化してこのシーンが終了したと判断されるまでの期間に、計測装置2で計測される電気使用量を取得する。
【0028】
たとえば、テレビの状態が「電源オフ」から「電源オン」に変化すると、この変化をトリガとして、宅内端末4はテレビの「電源オン」という状態を表す機器情報を監視装置3から取得する。このとき、判断装置43は、テレビの「電源オン」という状態を表す機器情報と関係テーブル上で対応付けられている「テレビ視聴」というシーンを、現在の家人の生活行為を表すシーンと判断する。
【0029】
さらに、宅内端末4は、「テレビ視聴」というシーン発生時におけるテレビの電気使用量を、「テレビ視聴」というシーンに伴う電気使用量として計測装置2から取得する。つまり、宅内端末4は、テレビの状態が「電源オン」に変化した時点から「電源オフ」に変化する時点までの期間に、計測装置2で計測されるテレビの電気使用量を、「テレビ視聴」というシーンに伴う電気使用量として取得する。そのため、1回の「テレビ視聴」の時間が同じであれば、輝度を低く設定するなどしてテレビの消費電力を小さく抑えた場合ほど、「テレビ視聴」というシーンに伴う電気使用量は少なくなる。
【0030】
センタサーバ8は、図1に示すように、各住宅10の宅内端末4から情報を収集する収集部81と、複数の住宅10間で電気使用量を比較する比較部82と、比較部82の比較結果を提示装置41に提示させる提示制御部83と、記憶部84とを有している。センタサーバ8における収集部81、比較部82、提示制御部83の機能は、たとえばコンピュータが所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0031】
収集部81は、インターネット7を介して宅内端末4と通信することにより、シーンに伴う電気使用量を宅内端末4から取得する。収集部81は、各宅内端末4から取得したシーンに伴う電気使用量を、シーンごとに分類して記憶部84に記憶する。すなわち、たとえば「テレビ視聴」というシーンに伴う電気使用量は、「テレビ視聴」というシーンに対応付けられて住宅10ごとに記憶部84に記憶される。
【0032】
ここにおいて、収集部81は、宅内端末4がシーンに伴う電気使用量を計測装置2から取得する度に、この宅内端末4から、電気使用量を取得して記憶部84に記憶する。本実施形態では、宅内端末4は、1回のシーンが終了したと判断される度にこのシーンに伴う電気使用量を計測装置2から取得するので、センタサーバ8の記憶部84には、1回のシーンが終了する度にこのシーンに伴う電気使用量が記憶されることになる。
【0033】
ここで、ある住宅10の電気使用量が既に記憶部84に記憶されているシーンに関して、収集部81が同一の住宅10から新たに電気使用量を取得した場合、記憶部84内の電気使用量は新たに取得された電気使用量に書き換えられる。つまり、記憶部84に記憶される電気使用量は新しい情報に随時更新される。なお、収集部81は、宅内端末4からシーンに伴う電気使用量を一定期間(たとえば1日)ごとに定期的に収集して、記憶部84に記憶する構成であってもよい。
【0034】
比較部82は、1つの住宅10を対象住宅として、この対象住宅と共通のシーンである共通シーンが発生した住宅10との間で、共通シーンの発生時における電気使用量を比較する。要するに、比較部82は、対象住宅における記憶部84に記憶されているいずれかのシーンに伴う電気使用量を、同一のシーン(共通シーン)に伴う他の住宅10の電気使用量と比較する。
【0035】
本実施形態では、比較部82が電気使用量の比較対象とする住宅10は、たとえば世帯人数などの家族構成が対象住宅と同一の世帯に限定されている。なお、比較部82が各住宅10の家族構成を把握するためには、家族構成を記憶する領域が記憶部84に設けられるとともに、記憶部84に記憶される家族構成を入力する人数入力部(図示せず)が各宅内端末4にそれぞれ設けられていればよい。この場合、ユーザが予め人数入力部にて家族構成を入力しておくことにより、比較部82は、記憶部84に記憶された家族構成に基づいて、家族構成が同一の世帯に限定して比較対象を選択することができる。
【0036】
ところで、本実施形態では、センタサーバ8は、複数の住宅10から収集した共通シーンに伴う電気使用量に基づいて、基準となる電気使用量を基準量として共通シーン毎に算出する基準算出部85を有している。基準量は、共通シーンに伴う電気使用量を複数の住宅10間で比較する際の基準となる電気使用量であって、本実施形態では対象住宅以外の住宅10間での共通シーンに伴う電気使用量の平均値である。記憶部84は、基準算出部85により算出された基準量をシーン毎に記憶する基準記憶部としての機能を有している。
【0037】
【表1】

【0038】
たとえば、「テレビ視聴」というシーンについて、上記表1のように「Aさん宅」、「Bさん宅」、「Cさん宅」、「Dさん宅」の4世帯の電気使用量が記憶部84に記憶されている場合、基準量は基準算出部85にて以下のように求められる。すなわち、対象住宅が「Aさん宅」であれば、基準算出部85は残り3世帯の電気使用量の平均、つまり(500+300+100)/3=300(Wh)を、「テレビ視聴」という共通シーンに伴う電気使用量の基準量として算出する。
【0039】
この場合、比較部82は、「テレビ視聴」というシーンについて、上記表1における対象住宅である「Aさん宅」の使用電力量と、基準算出部85で算出された基準量との比較を行う。その結果、比較部82は、「テレビ視聴」というシーンに伴う「Aさん宅」の電気使用量(400Wh)が、他世帯の基準量(300Wh)よりも100Whだけ多いと判断する。
【0040】
提示制御部83は、対象住宅の提示装置41に対して、比較部82の比較結果を提示させる。本実施形態では、提示制御部83は、比較部82の比較結果を表す結果画面をコンテンツ情報(Webコンテンツ)として生成し、このコンテンツ情報を宅内端末4に提供することによって結果画面を提示装置41に表示させる。
【0041】
たとえば、「テレビ視聴」というシーンについて、上記表1の「Aさん宅」を対象住宅とする場合、提示制御部83は、上述した比較部82での比較結果を表すコンテンツ情報を生成し、このコンテンツ情報を「Aさん宅」の宅内端末4に提供する。これにより、「Aさん宅」の提示装置41には、たとえば「Aさん宅のテレビ視聴時の電気使用量は400Whです。他世帯のテレビ視聴時の電気使用量は300Whですので、100Wh多いことになります。」という内容のメッセージが表示される。そのため、「Aさん宅」の家人は、「テレビ視聴」時における電気使用量が他世帯に比べて多いことを把握できる。
【0042】
なお、提示装置41には、見易さや分かり易さを考慮して、上述したようなメッセージに代えて、あるいは上述したようなメッセージと共に、比較結果を表すグラフなどが表示されてもよい。
【0043】
ここにおいて、提示制御部83が比較部82の比較結果を提示装置41に提示させるタイミングは、自動的に決定されるシステム主導型であってもよいし、ユーザにより手動で決定されるユーザ主導型であってもよい。
【0044】
システム主導型の場合、提示制御部83は、宅内端末4に対して一定期間(たとえば1日)ごとに定期的にコンテンツ情報を提供する。あるいは、システム主導型の場合に、提示制御部83は、比較部82の比較結果に応じて、たとえば同一のシーンに伴う電気使用量が他世帯(基準量)よりも多い住宅10の宅内端末4に対してコンテンツ情報を提供する構成であってもよい。
【0045】
システム主導型の場合、センタサーバ8は、基準算出部85による基準量の算出と比較部82による比較とについても、一定期間(たとえば1日)ごとに実行する。また、システム主導型の場合に、センタサーバ8は、基準算出部85による基準量の算出と比較部82による比較とを、収集部81がシーンに伴う電気使用量を宅内端末4から取得する度に実行する構成であってもよい。
【0046】
なお、システム主導型の場合であっても、たとえば「睡眠」というシーンの発生時に比較結果の提示が行われると、比較結果の提示が家人の睡眠の妨げになる可能性があるので、家人の睡眠の妨げにならない方法で比較結果の提示を行うことが望ましい。
【0047】
一方、ユーザ主導型であれば、住宅10に設けられている宅内端末4がユーザからの操作を受けてセンタサーバ8に要求信号を送信し、提示制御部83は、要求信号をトリガとして、要求信号の送信元の宅内端末4に対しコンテンツ情報を提供する。この場合、センタサーバ8は、基準算出部85による基準量の算出と比較部82による比較とについても、要求信号をトリガとして行う。つまり、センタサーバ8は、要求信号を受信する前の一定期間(たとえば1日)の電気量情報に基づいて、基準算出部85による基準量の算出と比較部82による比較とを行う。
【0048】
また、住宅10の提示装置41には、比較部82の比較結果として、たとえば対象住宅の電気使用量が基準量に比べてどれだけ少ない(または多い)かということや、共通シーンに伴う電気使用量を少ない順に並べたときの対象住宅の順位が表示される。あるいは、比較部82の比較結果として、対象住宅の電気使用量と基準量とが一緒に表示されるだけでもよい。宅内端末4は、ユーザからの操作を受けてこれらの表示を切り替える構成であってもよい。
【0049】
なお、提示装置41は、提示制御部83から提供される情報(比較結果)を家人に提示できる装置であればよく、表示機器に関わらず、たとえば比較結果を音声によって家人に提示する装置であってもよい。
【0050】
以上説明した構成の電気量管理システム1によれば、家人の生活行為を表すシーンが共通している住宅10間で、共通するシーンに伴う電気使用量が比較部82によって比較される。比較部82の比較結果は提示制御部83によって各住宅10の提示装置41に表示されるので、各住宅10においては、家族構成が同じというだけでなく、家人の生活行為が自世帯と共通する他世帯との間の電気使用量の比較結果が提示されることになる。すなわち、たとえばテレビを視聴しているのか、あるいは運動機器を用いたエクササイズを行っているのかといった家人の生活行為ごとに住宅10は分類され、家人の生活行為が共通している世帯間で電気使用量が比較されることになる。
【0051】
したがって、上記電気量管理システム1によれば、各住宅10の家人(ユーザ)は、各々の生活行為を考慮して自世帯と他世帯とで電気使用量を比較でき、自世帯の電気使用量の傾向をより詳細に把握できて省エネルギ化を図る行動の指標を得ることが容易になる。
【0052】
さらに、比較部82にて比較されるのは、共通するシーンに伴う電気使用量であって、本実施形態においては、あるシーンが発生している期間中に、このシーンに対して関係テーブル上で対応付けられている電気機器6にて消費された電気使用量である。つまり、比較部82は、共通シーンが表す家人の生活行為と直接関連している電気機器6において消費された電気使用量を比較する。このように共通する生活行為と直接関連する電気機器6の電気使用量のみが比較対象となるので、家人の生活行為とは関連性のない電気機器6の電気使用量についても比較対象となる場合に比べて、複数の住宅10間での電気使用量の正確な比較が可能になる。
【0053】
たとえば、「テレビ視聴」というシーンが共通する住宅10間での比較では、「テレビ視聴」に直接関連するテレビのみが比較対象となり、「テレビ視聴」とは関連性のない電気機器6である洗濯機の電気使用量は比較対象にならない。そのため、比較部82では、「テレビ視聴」という家人の生活行為によって生じた電気使用量のみが比較されることになり、洗濯機が稼働しているか否かによって比較結果が変わることはない。結果的に、家人は、ある生活行為をしたときに、この生活行為とは関連性のない条件(たとえば洗濯機が稼働しているか否か)に関わらず、他世帯との間で電気使用量を正確に比較することが可能となる。
【0054】
また、本実施形態では、比較部82は、共通シーンの発生時における対象住宅の電気使用量と基準算出部85にて算出された基準量とを比較するので、生活行為が共通する複数の住宅10の電気使用量の傾向を対象住宅の家人に知らせることができる。すなわち、ユーザ(家人)は、自世帯の電気使用量と基準量との比較結果が提示されることにより、自世帯とは生活行為が共通する他世帯の電気使用量の傾向を知ることができ、省エネルギ化の指標とすることができる。
【0055】
ところで、電気量管理システム1の構成は、上記実施形態にて説明した構成に限らず、以下に説明するように適宜変更することも可能である。
【0056】
たとえば、比較部82での比較対象となる基準量は、上記実施形態では共通シーンに伴う電気使用量の平均値であるが、これに限らず、共通シーンに伴う電気使用量が最少となる住宅10の電気使用量であってもよい。
【0057】
また、宅内端末4がシーンに伴う電気使用量として計測装置2から取得する電気使用量は、1回のシーン発生時における電気使用量に限らず、一定期間(たとえば1日)に生じた同一のシーン中の電気使用量の累計であってもよい。この場合、一定期間に、たとえば「テレビ視聴」というシーンが複数回発生すると、宅内端末4は、これら複数回の「テレビ視聴」時におけるテレビの電気使用量の累計を、「テレビ視聴」というシーンに伴う電気使用量として計測装置2から取得する。
【0058】
また、シーンに伴う電気機器6の電気使用量には電気機器6の属性も大きく影響しているので、比較部82は、住宅10間での電気機器6の属性の違いを考慮して平準化された電気使用量を比較する構成であってもよい。
【0059】
すなわち、たとえば各住宅10におけるテレビの電気使用量には、たとえば画面サイズや構造(液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の別)などテレビの属性が大きく影響するため、属性の異なるテレビの電気使用量を一概に比較することはできない。そこで、センタサーバ8は、たとえばテレビに関して、下記表2に示すように住宅(世帯)10別に属性(型番・サイズ・構造)と共に標準的な消費電力量を記憶部84に予め記憶している。
【0060】
【表2】

【0061】
センタサーバ8は、記憶部84に記憶されている標準的な消費電力量を用いて、各世帯のテレビの電気使用量を平準化する平準化部(図示せず)を有し、平準化後の電気使用量を比較部82にて比較する。これにより、比較部82では、住宅10間での電気機器6の属性の違いが考慮されて電気使用量の比較が行われるので、より公平な条件の下で電気使用量が比較されるという利点がある。
【0062】
記憶部84に記憶される電気機器6の属性および標準的な消費電力量は、各住宅10の宅内端末4の入力部から家人によって手動入力されてもよいし、各宅内端末4が電気機器6から自動的に取得してセンタサーバ8に送るようにしてもよい。
【0063】
なお、記憶部84に記憶されるのは、上記表2に示すように標準的な消費電力量に限らず、平準化部での平準化に使用できる係数であればよい。
【0064】
ところで、あるシーンに伴う電気使用量として宅内端末4が計測装置2から取得する電気使用量は、たとえばテレビなどの単体の電気機器6の電気使用量に限らない。すなわち、宅内端末4は、判断装置43にてシーンが発生したという判断の基になった電気機器6だけでなく、このシーンに関連する複数の電気機器6の電気使用量の合計を、このシーンに伴う電気使用量として取得してもよい。
【0065】
具体的には、関係テーブルにおいて、シーン発生の判断のためにシーンに機器情報が対応付けられた電気機器6の他、シーンに関連する電気機器6もシーンに対応付けられる。宅内端末4は、あるシーンが発生すると、このシーンが発生している期間中に、このシーンに対して関係テーブル上で対応付けられている電気機器6にて消費された電気使用量の合計を、このシーンに伴う電気使用量として取得する。
【0066】
以下、比較部82が「入浴」というシーンに伴う電気使用量を複数世帯間で比較する場合を例として、電気量管理システム1の動作を説明する。関係テーブル上では、「入浴」というシーンに対して、浴室14の照明器具の「電源オン」という機器情報および給湯器の「浴室に給湯」という機器情報が対応付けられ、さらに浴室テレビ、浴室オーディオが対応付けられている。
【0067】
まず、浴室14の照明器具が「電源オン」という状態になり、且つ給湯器が「浴室に給湯」という状態になると、判断装置43は、これらの状態を表す機器情報と関係テーブル上で対応付けられている「入浴」というシーンを、現在発生中のシーンと判断する。
【0068】
このとき、宅内端末4は、「入浴」というシーンに関係テーブル上で対応付けられている浴室14の照明器具と給湯器と浴室テレビと浴室オーディオという複数の電気機器6を対象として、「入浴」というシーン発生時における電気使用量を計測装置2から取得する。つまり、宅内端末4は、判断装置43にて「入浴」というシーンが終了したと判断されるまでの間、計測装置2で計測される浴室14の照明器具と給湯器と浴室テレビと浴室オーディオとの電気使用量の合計を、「入浴」というシーンに伴う電気使用量として取得する。
【0069】
そのため、1回の「入浴」の時間が同じであれば、浴室テレビや浴室オーディオなどの電気機器6の使用を控えた場合ほど、「入浴」というシーンに伴う電気使用量は少なくなる。
【0070】
なお、「入浴」というシーンに関連する電気機器6は、電気機器6の設置場所が浴室14であるか否かによって選定されてもよいし、電気機器6の名称に「浴室」という言葉が付いているか否かによって選定されてもよい。
【0071】
ところで、各住宅10において発生し得る時間帯が予め決まっているシーンに関しては、判断装置43によるシーンの判断に時間帯が考慮されていてもよい。
【0072】
この場合、家人の生活行為のうち、たとえば睡眠や食事や入浴などのように実行する時間帯が予め決まっている生活行為を表すシーンに関しては、各々の時間帯がシーンごとに対応付けて記憶装置42の関係テーブルに記憶される。判断装置43は、判断装置43は、現在時刻を計時する時計部44(図1参照)を有しており、関係テーブル上で現在時刻が該当する時間帯に対応するシーンの中から、シーンの発生を判断する。
【0073】
このような構成を採用した電気量管理システム1の動作について、以下に、判断装置43が「睡眠」というシーンの判断を行う場合を例として説明する。関係テーブル上では、「睡眠」というシーンに対して、ベッドに内蔵されている重量センサの「人体感知」という状態を表す機器情報と、「23:00〜7:00」という時間帯とが対応付けられている。
【0074】
ここで、シーンに対応付けられる時間帯は、宅内端末4の入力部からユーザ(家人)によって予め手動入力されている。つまり、ユーザは、発生し得る時間帯を把握しているシーンに対して、この時間帯を対応付けるように宅内端末4の入力部から予め入力する。なお、シーンに対応付けられる時間帯は、たとえばテレビや携帯端末器やコントロールパネルなど宅内端末4以外の機器から入力されるようにしてもよく、また、シーンの継続する時間の長さが考慮されてもよい。
【0075】
判断装置43は、重量センサの状態が「人体感知」になると、この状態を表す機器情報と関係テーブル上で対応付けられている「睡眠」というシーンに対応する時間帯「23:00〜7:00」を記憶装置42から読み出す。このとき、時計部44の計時している現在時刻が、記憶装置42から読み出した時間帯「23:00〜7:00」の範囲内にあれば、判断装置43は、「睡眠」というシーンが発生していると判断する。
【0076】
一方、時計部44の計時している現在時刻が、記憶装置42から読み出した時間帯「23:00〜7:00」の範囲外にあれば、判断装置43は、「睡眠」というシーンは発生していないと判断する。そのため、たとえば日中に家人がベッドに腰掛けるようなことがあっても、判断装置43が誤って「睡眠」というシーンが発生していると判断することはない。
【0077】
このように、シーンの発生し得る時間帯がシーンごとに対応付けて記憶されている場合には、判断装置43は、現在時刻が該当する時間帯に対応するシーンの中からシーンを判断することで、シーンの判断に時間帯を考慮することができる。したがって、判断装置43は、時間帯を考慮しない場合に比べて、シーンの判断の確度が向上するという利点がある。
【0078】
また、たとえば家人が体調不良で日中に睡眠をとるなどして、家人の日常の生活パターンから外れてシーンが突発的に発生した場合に、突発的に発生したシーンに伴う電気使用量が他世帯との比較対象に含まれると、比較結果の信頼性が低くなることがある。これに対して、上述のようにシーンの判断に時間帯を考慮した場合、突発的に発生したシーンに伴う電気使用量を他世帯との比較対象から外すことができるので、比較結果の信頼性が高くなるという利点もある。
【0079】
さらに、判断装置43は、機器情報と計時部44にて計時される現在時刻とに基づいてシーンが発生し得る時間帯を学習する学習部45(図1参照)を有しており、学習部45により学習された時間帯を考慮してシーンを判断する。つまり、学習部45は、適宜検出された機器情報に基づいて、記憶装置42内に記憶されている時間帯を自動的に修正する。
【0080】
一例として、ある住宅10において、ベッドに内蔵されている重量センサの状態(機器情報)と現在時刻とに基づいて、「睡眠」というシーンの開始時間、終了時間が所定期間(ここでは1週間)の間に下記表3に示すように検出されたとする。ここで、所定期間は1週間に限らず、1ヶ月あるいは1年というように適宜変更可能である。
【0081】
【表3】

【0082】
表3の例では、学習部45は、「睡眠」というシーンの開始時間に関しては、「22:30」が最も早く、「睡眠」というシーンの終了時間に関しては、「7:00」が最も遅いと判断する。そこで、学習部45は、記憶装置42において「睡眠」というシーンに対応付けて記憶されている「23:00〜7:00」という時間帯を、「22:30〜7:00」に修正する。
【0083】
ただし、学習部45が、シーンの発生し得る時間帯を学習するアルゴリズムは、上述したように所定期間において最も早い開始時間と最も遅い終了時間とを用いて、シーンの発生し得る時間帯を学習するアルゴリズムに限らない。たとえば、学習部45は、所定期間におけるシーンの開始時間の平均値、終了時間の平均値をそれぞれ新たな開始時間、終了時間としてもよい。また、学習部45は、既存の統計的手法(たとえば3σ法や各種検定手法など)を用いて開始時間、終了時間を導出したり、導出した値に若干の猶予(マージン)時間を加味したりすることにより、新たな時間帯を決定してもよい。
【0084】
このように、学習部45が、機器情報に基づいて記憶装置42内に記憶されている時間帯を修正することにより、家人の生活パターンの変化などによってシーンの発生し得る時間帯が変化することにも対応できるという利点がある。
【0085】
なお、判断装置43がシーンの判断に時間帯を考慮するという構成は必須ではなく、時計部44や学習部45は省略されていてもよい。
【0086】
また、たとえ家族構成や家人の生活行為が同じであっても、住宅10のある地域によっては、環境(気温、湿度、日照時間など)の違いから電気使用量が大きく異なることもある。そこで、電気量管理システム1は、同一の地域(市、区など)にある住宅10を対象に電気使用量の比較を行うことが望ましい。
【0087】
(実施形態2)
本実施形態の電気量管理システム1は、比較部82にて比較される対象住宅の電気使用量が、対象住宅の全体で消費される電気使用量である点が実施形態1の電気量管理システム1と相違する。
【0088】
すなわち、実施形態1においては、比較部82は、発生中のシーンに対して記憶装置42の関係テーブル上で対応付けられている電気機器6のみを対象として、複数の住宅10間で電気使用量を比較する。これに対して、本実施形態では、比較部82は、発生中のシーンに関連するか否かに関わらず、住宅10の全電気機器6を対象として、複数の住宅10間で電気使用量を比較する。
【0089】
具体的に説明すると、本実施形態では計測装置2は、各住宅10における主幹ブレーカを流れる電流を検出し、主幹ブレーカを介して供給されている住宅10全体の電力(主幹電力)を演算し、主幹電力を積算することによって電気使用量を計測する。また、宅内端末4は、判断装置43にて何らかのシーンが発生したと判断されると、このシーン発生時における住宅10の全体の電気使用量を、このシーンに伴う電気使用量として計測装置2から取得する。
【0090】
以下、比較部82が「睡眠」というシーンに伴う電気使用量を複数世帯間で比較する場合を例として、電気量管理システム1の動作を説明する。関係テーブル上では、「睡眠」というシーンに対して、ベッドに内蔵されている重量センサの「人体感知」という状態を表す機器情報が対応付けられている。
【0091】
まず、重量センサの状態が「人体感知」になると、判断装置43は、この状態を表す機器情報と関係テーブル上で対応付けられている「睡眠」というシーンを、現在発生中のシーンと判断する。
【0092】
このとき、宅内端末4は、寝室11の照明器具などの「睡眠」というシーンに関連する電気機器6だけでなく、住宅10の全ての電気機器6を対象として、「睡眠」というシーン発生時における電気使用量を計測装置2から取得する。つまり、宅内端末4は、判断装置43にて「睡眠」というシーンが終了したと判断されるまでの間、計測装置2で計測される電気使用量を、「睡眠」というシーンに伴う電気使用量として取得する。
【0093】
そのため、1回の「睡眠」の時間が同じであれば、「睡眠」時における住宅10内の電気機器6の使用を控えた場合ほど、「睡眠」というシーンに伴う電気使用量は少なくなる。
【0094】
なお、「睡眠」というシーンの判断には、ベッドに内蔵されている重量センサの機器情報のみならず、たとえばベッド上の家人の動きを監視することにより家人が寝入ったことを検知するセンサなど、他のセンサの状態を表す機器情報が用いられていてもよい。
【0095】
以上説明した本実施形態の構成によれば、比較部82にて比較される対象住宅の電気使用量が、シーンに関連する電気機器6だけでなく対象住宅の全体で消費される電気使用量であるので、場合によっては複数の住宅10間での電気使用量の正確な比較が可能になる。
【0096】
たとえば、「睡眠」というシーンが共通する住宅10間での比較では、「睡眠」に関連しないリビング12のテレビなどの電気使用量についても、電気使用量の比較対象となる。そのため、「睡眠」という家人の生活行為時に、たとえばリビング12のテレビの主電源を切ることによって待機電力を削減することにより、比較対象の電気使用量を少なく抑えることができる。結果的に、家人は、ある生活行為をしたときに、この生活行為とは関連性のない条件(たとえばテレビの主電源が切られているか否か)に関わらず、他世帯との間で電気使用量を正確に比較することが可能となる。
【0097】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【0098】
ところで、上記各実施形態においては、計測装置2と、監視装置3と、宅内端末4とは住宅10に設けられ、収集部81と、比較部82と、提示制御部83と、記憶部84と、基準算出部85とはセンタサーバ8に設けられているが、この構成に限らない。
【0099】
すなわち、たとえば計測装置2と、監視装置3と、宅内端末(提示装置41、記憶装置42、判断装置43)4との一部または全部が、センタサーバ8に設けられていてもよい。また、収集部81と、比較部82と、提示制御部83と、記憶部84と、基準算出部85との一部または全部が、住宅10に設けられていてもよい。収集部81と、比較部82と、提示制御部83と、記憶部84と、基準算出部85との全部が住宅10に設けられ、センタサーバ8が省略された分散型の電気量管理システム1では、複数の住宅10間で宅内端末4同士が通信する。
【符号の説明】
【0100】
1 電気量管理システム
2 計測装置
3 監視装置
4 宅内端末
6 電気機器
8 センタサーバ
10 住宅
41 提示装置
42 記憶装置
43 判断装置
44 時計部
45 学習部
82 比較部
83 提示制御部
85 基準算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の住宅間で電気使用量の比較を行う電気量管理システムであって、個々の前記住宅ごとに前記電気使用量を計測する計測装置と、前記電気使用量の比較結果を提示する提示装置と、それぞれ家人の生活行為を表す複数のシーンと当該シーンに関連する特定の電気機器の状態を表す機器情報との対応関係が前記シーンごとに予め記憶されている記憶装置と、前記機器情報を監視する監視装置と、前記記憶装置に記憶されている前記対応関係および前記監視装置で監視されている前記機器情報に基づいて前記シーンを判断する判断装置と、1つの前記住宅を対象住宅として前記対象住宅と共通の前記シーンである共通シーンが発生した前記住宅との間で、前記共通シーンの発生時における前記電気使用量を比較する比較部と、前記比較部の比較結果を前記提示装置に提示させる提示制御部とを備えることを特徴とする電気量管理システム。
【請求項2】
前記比較部にて比較される前記対象住宅の前記電気使用量は、前記記憶装置において前記共通シーンと対応付けられている前記電気機器にて消費される電気使用量であることを特徴とする請求項1記載の電気量管理システム。
【請求項3】
前記比較部にて比較される前記対象住宅の前記電気使用量は、前記対象住宅の全体で消費される電気使用量であることを特徴とする請求項1記載の電気量管理システム。
【請求項4】
前記記憶装置は、前記シーンが発生し得る時間帯が前記シーンごとに対応付けて記憶されており、前記判断装置は、現在時刻を計時する時計部を有し、現在時刻が該当する前記時間帯に対応する前記シーンの中から前記シーンを判断することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電気量管理システム。
【請求項5】
前記判断装置は、前記機器情報と前記計時部にて計時される現在時刻とに基づいて前記シーンが発生し得る時間帯を学習する学習部を有し、前記記憶装置に記憶されている時間帯を前記学習部で学習した時間帯に自動的に修正することを特徴とする請求項4記載の電気量管理システム。
【請求項6】
複数の前記住宅における前記共通シーンの発生時の前記電気使用量に基づき、前記共通シーンの基準となる前記電気使用量を基準量として算出する基準算出部をさらに備え、前記比較部は、前記共通シーンの発生時における前記対象住宅の電気使用量と前記基準量とを比較することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電気量管理システム。


【図1】
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