説明

電気錠システム

【課題】部屋の内側にはICカードと通信するためのカードリーダが設置されていないタイプの電気錠システムにおいても、ユーザの退室を管理することができる電気錠システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の電気錠システム1は、電気錠40および50と、扉200の外側に設置され、非接触ICカード10からの信号を受信するカードリーダ30と、扉200の内側で電気錠40および50のハンドルを用いた解錠を検出した後、一定時間内にカードリーダ30が非接触ICカード10を検出すると、非接触ICカード10を携行したユーザAが退出したことを記録する制御装置20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグを用いた電気錠システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ICカードを携行しているユーザの入退室管理を行う電気錠システムがある。
特許文献1に記載されている技術は、扉を挟んで部屋の内側および外側それぞれにカードリーダを設置し、ICカードから送信された識別子を2台のカードリーダで受信する。そして、識別子を受信した順序を検出することにより、ICカードを携行しているユーザが入室したのか、退室したのかを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−110509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のシステムは、扉を挟んで部屋の内側および外側の両方にカードリーダを設置する必要がある。
現在既に利用されている電気錠システムの中には、ユーザは、部屋の内側からは手動解錠し、部屋の外側からのみ、カードリーダにICカードをかざすことにより電気錠を自動解錠する電気錠システムがある。
【0005】
このようなシステムでは、部屋の内側にはICカードと通信するためのカードリーダが設置されていないため、上記の特許文献1の技術を適用してユーザの入退室管理を行うことはできない。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、部屋の内側にはICカードと通信するためのカードリーダが設置されていないタイプの電気錠システムにおいても、ユーザの退室を管理することができる電気錠システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の入退室管理システムは、電気錠と、扉の外側に設置され、タグからの信号を受信するタグリーダと、扉の内側の操作部を用いた解錠を検出した後、一定時間内に前記タグリーダが前記タグを検出すると、前記タグを携行したユーザが退出したことを記録する制御装置とから構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この構成によると、部屋の内側にはタグと通信するためのタグリーダが設置されていないタイプの電気錠システムにおいても、ユーザが退出したことを管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】電気錠システム1のシステム構成図である。
【図2】各装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】制御装置20が管理する在宅情報301、302、303のデータ構成を示す図である。
【図4】電気錠システム1の動作を示すフローチャートである。
【図5】在宅情報の利用の具体例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本発明に係る電気錠システムの一つの実施形態である電気錠システム1について、図面を参照しながら説明する。
<概要>
図1は、電気錠システム1のシステム構成図である。電気錠システム1は、扉200、非接触ICカード10、制御装置20、カードリーダ30、電気錠40、電気錠50およびホームセキュリティシステム60から構成される。
【0010】
扉200は屋内と屋外との境界に位置する。ユーザは、扉200を通り、屋内および屋外を行き来する。ここで、図1(a)は、扉200を屋内側から見た図であり、図1(b)は、扉200を屋外側から見た図である。
制御装置20は、扉200の屋内側の面に設置されている。カードリーダ30は、扉200の屋外側の面に設置されている。電気錠40および電気錠50は、一部が扉200の内部に設置されており、ユーザが操作する操作部であるハンドルは、扉200の屋内側の面に設置されている。
【0011】
非接触ICカード10を携行したユーザAは、屋内から屋外へ出るとき、手動で電気錠40および電気錠50のハンドルを操作して解錠する。そして、扉200の外側で非接触ICカード10をカードリーダ30にかざし、認証処理を受ける。認証に成功すると、電気錠40および電気錠50が施錠する。このとき、制御装置20は、非接触ICカード10を携行したユーザAが外出したことを記録する。
【0012】
また、ユーザAは、屋外から屋内へ入るとき、扉200の外側で非接触ICカード10をカードリーダ30にかざし、認証処理を受ける。認証に成功すると、電気錠40および電気錠50は自動解錠する。その後、一定時間(例えば10〜20秒程度)経過後に、電気錠40および電気錠50が自動施錠する。このとき、制御装置20は、非接触ICカード10を携行したユーザAが在宅していることを記録する。
【0013】
なお、電気錠システム1に含まれる非接触ICカードは、非接触ICカード10のみに限定されない。例えば、家庭であれば家族のそれぞれが、また、会社等であれば社員等のそれぞれが非接触ICカードを携行する場合が想定される。そこで、電気錠システム1は、これを利用するユーザの数だけ、非接触ICカードを含む構成でもよい。
<構成>
図2は、各装置の内部構成を示すブロック図である。
(1)非接触ICカード10
非接触ICカード10は、カードリーダ30から送信されるHF帯(13.56MHz)の信号を受信し、受信したHF帯の電磁波をエネルギーとして動作するカードである。
【0014】
図2に示すように、非接触ICカードは、HFアンテナ11、HF帯送受信回路12、制御部13およびメモリ14を備える。
HF帯送受信回路12は、カードリーダ30から送信された応答信号をHFアンテナ11を介して受信し、受信した信号を復調し、復調したデータを制御部13に出力する。また、HF帯送受信回路12は、制御部13から送られてきた質問信号を変調し、HFアンテナ11からHF帯にて送信する。
【0015】
制御部13は、CPUと作業用のRAM等から構成される。制御部13は、CPUおよびRAMを用いてメモリ14に記憶されている制御プログラムを実行することにより、様々な機能を実現する。また、メモリ14には、予め自機のカードIDが記憶されている。このカードIDは、制御装置20による認証処理に用いられる。
制御部13は、HF帯送受信回路12からカードIDを問い合わせる質問信号を受け付けると、メモリ14から自機のカードIDを読み出して、読み出したカードIDを含む応答信号を生成する。制御部13は、生成した応答信号を、HF帯送受信回路12へ送る。
(2)制御装置20
制御装置20は、制御部21、認証用リスト記憶部22、電気錠駆動回路23、電気錠駆動回路24、在宅情報記憶部25およびネットワーク接続部26から構成される。
【0016】
制御部21は、制御プログラムを格納するROM、制御プログラムを実行するCPUおよび作業用のRAMなどを含む。制御部21は、CPUおよびRAMを用いてROMに記憶されている制御プログラムを実行することにより、様々な機能を実現する。
認証用リスト記憶部22は、通行権限のある非接触ICカードのカードIDを予め登録した認証用リストを記憶している。
(認証処理)
制御部21は、非接触ICカード10の認証処理を行うために、カードリーダ30へ非接触ICカード10を起動するための質問信号を、周期的(例えば50ms毎)に送信する。
【0017】
制御部21は、カードリーダ30から応答信号を受信すると、応答信号に含まれるカードIDの認証処理を行う。具体的には、制御部21は、受信したカードIDが認証用リストに登録されているか否か判断する。
応答信号に含まれるカードIDが認証用リストに登録されている場合(認証処理に成功した場合)、制御部21は、電気錠駆動回路23および電気錠駆動回路24に対して、電気錠40および電気錠50の施錠または解錠を指示する。
【0018】
一方、応答信号に含まれるカードIDが認証用リストに登録されていない場合(認証処理に失敗した場合)、制御部21は、カードリーダ30に対して、施錠または解錠不可を示す信号を送信する。これを受けると、カードリーダ30は、後述する表示部33を点滅させるなどして、ユーザAに施錠不可または解錠不可を報知する。
(在宅情報管理処理)
制御部21は、時間を計測するタイマを備えている。また、制御部21は、在宅情報管理処理で用いる基準時間を予め内部に保持している。ここでは、基準時間の一例として、「30秒」を用いる。
【0019】
制御部21は、後述する電気錠40および電気錠50の施錠/解錠センサ43および施錠/解錠センサ53から、ハンドル44およびハンドル54が操作されたことによる解錠の通知を受け付ける。
制御部21は、ハンドル44およびハンドル54が操作されたことによる解錠の通知を受け付けると、タイマをリセットした後、時間の計測を開始する。
【0020】
制御部21は、上述した非接触ICカード10の認証に成功すると、タイマの計測時間を参照して、計測時間が30秒以内であるか否かを判断する。
計測時間が30秒以内の場合、制御部21は、非接触ICカード10を携行するユーザが扉200を通過して屋内から屋外へ移動したものと判断し、在宅情報記憶部25にユーザAが退出したこと(不在であること)を記録する。
【0021】
計測時間が30秒を超過している場合、制御部21は、非接触ICカード10を携行するユーザが扉200を通過して屋外から屋内へ移動したものと判断し、在宅情報記憶部25にユーザAが入室したこと(在宅していること)を記録する。
(施錠/解錠処理)
制御部21は、ハンドル44およびハンドル54が操作されたことによる解錠の通知を受け付けると、タイマをリセットした後、時間の計測を開始する。
【0022】
制御部21は、上述した非接触ICカード10の認証に成功すると、タイマの計測時間を参照して、計測時間が30秒以内であるか否かを判断する。
計測時間が30秒以内の場合、制御部21は、電気錠駆動回路23および電気錠駆動回路24に対し、電気錠40および電気錠50の施錠を指示する。
計測時間が30秒を超過している場合、制御部21は、電気錠駆動回路23および電気錠駆動回路24に対し、電気錠40および電気錠50の解錠を指示する。
(ホームセキュリティシステム起動処理)
在宅情報記憶部25は、不揮発性メモリで構成される。
【0023】
ここでは、電気錠システム1は、ユーザAが携行する非接触ICカード10、ユーザB、ユーザC、ユーザDおよびユーザEのそれぞれが携行する非接触ICカードの合計5個の非接触ICカードを含む場合を例に説明する。
在宅情報記憶部25は、電気錠システム1の初期状態では、図3(a)に示す在宅情報301を記憶している。在宅情報301は、ユーザA〜Eの全員が在宅していることを示している。
【0024】
制御部21は、非接触ICカード10が屋内から屋外へ移動したと判断すると、在宅情報301を、図3(b)に示す在宅情報302に更新する。在宅情報302は、ユーザAが外出しているため不在であり、ユーザB〜Eが在宅していることを示している。
その後、制御部21は、ユーザB〜Eのそれぞれが携行する非接触ICカードが屋内から屋外へ移動したと判断すると、在宅情報302を、図6(c)に示す在宅情報303に更新する。在宅情報303は、ユーザA〜Eの全員が外出しているため不在であることを示している。
【0025】
制御部21は、在宅情報が図6(c)の状態になると、ホームセキュリティシステム60を起動させるための命令を生成する。制御部21は、ネットワーク接続部26を介して、ホームセキュリティシステム60へ起動命令を送信する。
ネットワーク接続部26は、一例として無線LAN(Local Area Network)接続ユニットである。ネットワーク接続部26は、無線LANなどのネットワークを介して、制御装置20と家庭内のネットワーク機器とを接続する機能を有する。ネットワーク機器の一例が、ホームセキュリティシステム60である。
(3)カードリーダ30
カードリーダ30は、HF帯送受信回路31、HFアンテナ32、表示部33、および操作部34から構成される。
【0026】
HF帯送受信回路31は、制御部21から受け付けた質問信号を変調し、HFアンテナ32からHF帯にて送信する。また、HF帯送受信回路31は、HFアンテナ32を介して非接触ICカード10から応答信号を受信し、受信した応答信号を復調し、復調したデータを制御部21に出力する。表示部33は、LEDランプの点滅・点灯により各種表示を行う。操作部34は、押しボタンなどを含み、ユーザによる操作を受け付ける。
(4)電気錠40および電気錠50
電気錠40は、錠41、モータ42、施錠/解錠センサ43、およびハンドル44から構成される。
【0027】
電気錠40は、制御装置20の電気錠駆動回路23から施錠および解錠の指示を受けると、モータ42を回転させて、錠41を施錠および解錠する。ハンドル44は、ユーザが手動で錠41を解錠および施錠するときに用いる操作部である。
施錠/解錠センサ43は、錠41の施解錠状態を検出する機能を有する。特に、施錠/解錠センサ43は、ハンドル44が操作されたことによる解錠を検出すると、その旨を制御部21に通知する。一方、施錠/解錠センサ43は、モータ41による自動解錠を検出すると、一定時間(例えば10〜20秒程度)経過後に、モータ42を回転させて錠51を施錠する。
【0028】
電気錠50は、電気錠40と同様の構成を有する。具体的に、電気錠50は、錠51、モータ52、施錠/解錠センサ53、およびハンドル54から構成される。電気錠50の各構成要素は、電気錠40の各構成要素と同様の機能を有するため、説明を省略する。
(5)ホームセキュリティシステム60
ホームセキュリティシステム60は、起動状態において、人を検知する人感センサ61、窓の開状態を検知する窓センサ62、各センサが異常を検知すると警備会社へ異常を通報する通信部63、および、各センサが異常を検知すると音声を出力するスピーカ64等を含む。さらに、ホームセキュリティシステム60は、ユーザ操作を受け付ける操作部65を含む。
【0029】
ホームセキュリティシステム60は、制御装置20から起動命令を受け付けると、起動する。さらに、ホームセキュリティシステム60は、操作部65が「オン」を示すユーザ操作を受け付けることによっても起動することができる。
家族が全員揃ってで外出する場合、各人が非接触ICカードを携行して外出するとは限らない。例えば、家族のうちの一人のみが非接触ICカードを携行し、他の家族は非接触ICカードを携行しないで外出する場合も想定される。
【0030】
このような場合、在宅情報は、図3(c)に示した在宅情報303の状態にはならないため、ホームセキュリティシステム60は、制御装置20から起動命令を受け付けることはない。そこで、ユーザは、操作部65を操作することにより、上記のような状況においても、ホームセキュリティシステム60を起動させることができる。
また、ホームセキュリティシステム60の監視機能を停止させるためには、暗証番号による認証や生体認証などを利用したユーザ操作が必要である。
<動作>
ここでは、図4のフローチャートを用いて、電気錠システム1の動作について説明する。ここに記載されている処理は、扉200に設置された電気錠40および電気錠50が施錠されている状態から開始される。また、制御部21のタイマの初期値Tは、T>30秒であるとする。
【0031】
ユーザにより電気錠40および電気錠50のハンドルが解錠操作されない場合(ステップS1でNO)、ステップS4に進む。
ユーザにより電気錠40および電気錠50のハンドルが解錠操作された場合(ステップS1でYES)、電気錠40および電気錠50が解錠する(ステップS2)。
電気錠40の施錠/解錠センサ43および電気錠50の施錠/解錠センサ53が、ハンドル操作による解錠を制御部21に通知すると、制御部21は、タイマを「0」にリセットした後、時間の計測を開始する(ステップS3)。
【0032】
カードリーダ30が非接触ICカードを認証しない場合(ステップS4でNO)、ステップS1に戻り処理を続ける。
カードリーダ30により非接触ICカードが認証された場合(ステップS4でYES)、制御部21は、タイマが計測している時間が、30秒以内であるか否か判断する。
タイマが計測している時間が30秒以内である場合(ステップS5でYES)、ユーザが扉200を通過して屋内から屋外へ移動したものと判断し、制御部21は、電気錠40および電気錠50を施錠する(ステップS6)。そして、制御部21は、在宅情報記憶部25に記憶されている在宅情報を更新して、ステップS4で認証された非接触ICカードに対応するユーザが不在であることを記録する(ステップS7)。
【0033】
制御部21は、在宅情報記憶部25に記憶されている在宅情報を参照し、家族の全員が不在であるか否か判断する。
在宅している家族がいる場合(ステップS8でNO)、ステップS1に戻り処理を続ける。家族の全員が不在である場合(ステップS8でYES),制御部21は、ホームセキュリティシステム60の監視機能を起動させる(ステップS9)。
【0034】
タイマが計測している時間が30秒を超過している場合(ステップS5でNO)、ユーザが屋外から屋内へ移動しようとしているものと判断し、制御部21は、電気錠40および電気錠50を解錠する(ステップS10)。その後、一定時間(例えば10〜20秒程度)経過後に、電気錠40および電気錠50はモータにより自動施錠させる(ステップS11)。制御部21は、在宅情報記憶部25に記憶されている在宅情報を更新して、ステップS4で認証された非接触ICカードに対応するユーザが在宅であることを記録する(ステップS12)。その後、ステップS1に戻り処理を続ける。
<変形例>
以上、本発明に係る電気錠システムの実施形態を説明したが、例示した電気錠システム1を以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示したとおりの電気錠システム1に限られないことは勿論である。
(1)上記の実施形態では、本発明に係るタグの具体例として非接触ICカードを用いて説明した。しかし、本発明に係るタグは、非接触ICカードに限定されない。その形状はカード型でなくてもよく、例えば携帯電話機などに内蔵された非接触型のICタグでもよい。また、本発明に係るタグは内部に電池を内蔵したアクティブタグでもよい。
(2)上記の実施形態では、カードリーダ30は、扉200の屋外側の面に設置されている場合を説明した。しかし、この構成は必須ではない。例えば、扉200が設置されている屋外側の壁にカードリーダ30が設置されている場合も本発明に含まれる。
(3)上記の実施形態では、ユーザが屋内から屋外へ出てから電気錠を施錠するには、非接触ICカード10をカードリーダ30にかざして認証を受ける必要があった。このように、上記の実施形態では、電気錠の施錠のために非接触ICカード10をカードリーダ30にかざすことをユーザに促す構成とすることで、ユーザが外出したことを検出しやすくしている。しかし、本発明においてこの構成は必須ではない。
【0035】
ユーザが屋内から屋外へ出てから電気錠を施錠する場合にも、屋外から屋内へ入るときと同様、解錠してから一定時間経過後に、電気錠が自動施錠する構成としてもよい。この場合にも、屋内のハンドルが操作されたことによる解錠を検出した後30秒以内にカードリーダ30が非接触ICカード10を認証したときは、ユーザが外出したものと判断し、在宅情報を更新するのは勿論である。
【0036】
すなわち、基準時間である30秒以内の非接触ICカードの認証は、在宅情報の更新にのみ用い、電気錠の施錠には用いない場合も本発明に含まれる。
(4)上記の実施形態では、制御装置20は、在宅情報を利用してホームセキュリティシステム60の起動を制御したが、本発明はこれに限定されない。
近年、家庭内の電子機器や家電製品を無線LANなどのネットワークで接続し、相互に情報を送受信したり、連携して動作したりするホームネットワークシステムが開発されつつある。
【0037】
そこで、制御装置20と家庭内の電子機器や家電製品とをネットワークで接続し、管理装置20が、在宅情報を利用して電子機器や家電製品を制御する場合も本発明に含まれる。
例えば、図5に示すように、制御装置20は、図示していないネットワークを介して、ホームセキュリティシステム60、証明機器70、およびエアコン80と接続されている。
【0038】
制御装置20は、在宅情報を参照して、家族の全員が不在である場合に、証明機器70を消灯したり、エアコン80の電源をオフにしたりする制御を行ってもよい。また、制御装置20は、家族の全員が不在である場合に、ホームセキュリティシステム60を介して、警備会社のシステム100にその旨を通知してもよい。
(5)上記の実施形態および上記の変形例を適宜組み合わせてもよい。
<補足>
以下、更に本発明の一実施形態としての電気錠システムの構成およびその変形例と効果について説明する。
(a)本発明に係る電気錠システムは、電気錠と、扉の外側に設置され、タグからの信号を受信するタグリーダと、扉の内側の操作部を用いた解錠を検出した後、一定時間内に前記タグリーダが前記タグを検出すると、前記タグを携行したユーザが退出したことを記録する制御装置とから構成されることを特徴とする。
【0039】
この構成によると、部屋の内側にはタグと通信するためのタグリーダが設置されていないタイプの電気錠システムにおいても、ユーザが退室したことを管理することができる。
(b)前記電気錠システムにおいて、前記制御装置は、さらに、扉の内側の操作部を用いた解錠を検出した後、一定時間内に前記タグリーダが前記タグを検出すると、前記電気錠を施錠することを特徴とする。
【0040】
ここで、ユーザがタグを携帯せずに外出した場合には、タグリーダによる認証が行われないので、制御装置は、ユーザが退出したことを管理することができない。
そこで、上記の構成では、ユーザが屋内から屋外へ出てから電気錠を施錠するには、タグがタグリーダによる認証を受けることを要求している。このように、タグリーダによる認証と電気錠の施錠とを関連付けることにより、ユーザがタグを携帯せずに外出することを抑制することができる。
(c)前記電気錠システムにおいて、前記制御装置は、前記電気錠が施錠された状態で、前記タグリーダが前記タグを検出すると、前記電気錠を解錠し、前記ユーザが入室したことを記録することを特徴とする。
【0041】
このように、ユーザが屋外から屋内に入室するときには通常の電気錠システムとして利用することができるのは勿論であり、電気錠の解錠と関連付けてユーザの入室を管理することができる。
(d)前記電気錠システムにおいて、前記タグは、非接触ICタグであることを特徴とする。
【0042】
非接触ICタグの通信距離は、通常数cm程度である。そこで、ユーザは、屋内から屋外へ出てから電気錠を施錠するには、非接触ICタグをタグリーダにかざす動作が必要である。このように、非接触ICタグをカードリーダに積極的にかざすことをユーザに促す構成とすることで、ユーザが電気錠を施錠し忘れることを抑制することができる。同時に、ユーザが退出したことが記録されないことを抑制することができる。
(e)前記電気錠システムにおいて、前記制御装置は、ネットワーク通信部を備え、ユーザの入退出状況に応じて、前記ネットワーク通信部を介して室内の装置を制御することを特徴とする。
【0043】
この構成によると、ユーザの入室/退室と連動させて室内の各種の電化製品や家電製品を制御することが可能となる。
例えば、ユーザが外出した場合に、照明機器やエアコンなどの電化製品を自動で停止させたり、ユーザが帰宅した場合に、照明機器やエアコンなどを自動で起動させたりすることができる。また、ユーザが外出した場合に、ホームセキュリティシステムを自動で起動させることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 電気錠システム
10 非接触ICカード
20 制御装置
30 カードリーダ
40 電気錠
50 電気錠
60 ホームセキュリティシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気錠と、
扉の外側に設置され、タグからの信号を受信するタグリーダと、
扉の内側の操作部を用いた解錠を検出した後、一定時間内に前記タグリーダが前記タグを検出すると、前記タグを携行したユーザが退出したことを記録する制御装置と
を備えることを特徴とする電気錠システム。
【請求項2】
前記制御装置は、さらに、
扉の内側の操作部を用いた解錠を検出した後、一定時間内に前記タグリーダが前記タグを検出すると、前記電気錠を施錠する
ことを特徴とする請求項1に記載の電気錠システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記電気錠が施錠された状態で、前記タグリーダが前記タグを検出すると、前記電気錠を解錠し、前記ユーザが入室したことを記録する
ことを特徴とする請求項2に記載の電気錠システム。
【請求項4】
前記タグは、非接触ICタグである
ことを特徴とする請求項3に記載の電気錠システム。
【請求項5】
前記制御装置は、ネットワーク通信部を備え、
ユーザの入退出状況に応じて、前記ネットワーク通信部を介して室内の装置を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電気錠システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−44170(P2013−44170A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182784(P2011−182784)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】