説明

電気錠管理システム

【課題】時分割多重伝送方式の遠隔監視制御システムの利点を生かしつつ、セキュリティを向上させた電気錠管理システムを提供することにある。
【解決手段】ホテルのフロントFRに設けてあるカード返却端末器2は、保管部23にカードキー6が保管されると、伝送ユニット3から割り込み処理後に送られてくる自己アドレス宛の伝送信号Vsの信号返送期間WTに、保管されたことを示す監視情報を返送する。伝送ユニット3は、送られてきた監視情報に基づいたカード返却端末器2に1対1で対応するカードリーダ端末器1宛にカードリーダ部12の動作を停止させる制御データCDを含む伝送信号Vsを送り、複製のカードキーによる解錠を防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホテルやテナントビルの各部屋のドアに設ける電気錠に対応した時分割多重伝送方式の電気錠管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
部屋の照明負荷を時分割多重伝送方式の遠隔監視制御システムを用いることでスイッチ周りの省配線化を図るとともに、照明負荷の状態の監視を集中して行うテナントビルやホテル等が近年多くなってきている。
【0003】
一方部屋の鍵としてカードキー式の電気錠を使用するテナントビルやホテルも多くなってきている。
【0004】
そこで、上述のように照明負荷の制御監視に用いる時分割多重伝送方式の遠隔監視制御システムに、カードリーダ端末器と電気錠端末器とを設けて、カードリーダ端末器でカードキーに記録してある照合コードや識別コードからなるカード情報を読み取り、このカード情報をシステムの中枢となる親機(伝送ユニット)に送ってコード判定を行い、このコード判定の結果に基づいて電気錠端末器に解錠させる制御信号を送るシステムも提供されてきている(例えば、特許文献1,特許文献2)。
【特許文献1】特開平6−280429号公報、特開平6−280429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1、特許文献2に示されるようなシステムでは、カードキーとして磁気カード等が使用されるが、このカードキーが複製されて使用された場合には、正規のカードキーと同様に電気錠の解錠が行えるため、セキュリティ上の課題があった。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは時分割多重伝送方式の遠隔監視制御システムの利点を生かしつつ、セキュリティを向上させた電気錠管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明では、伝送ユニットと、個別のアドレスを有する複数の端末器とを2線の信号線に接続し、伝送ユニットが前記アドレスに基づき前記信号線を介して前記各端末器との間で時分割多重の伝送信号によって情報を授受し、一の端末器から受け取った情報を反映させた情報を、前記一の端末器に予め対応付けてある他の端末器に伝送する遠隔監視制御システムを用いるものであって、部屋毎に設けられるカードキー用電気錠に対応して設置され、カードキーのカード情報を読み取ってカード情報をカードリーダ部と、該カードリーダ部で読み取ったカード情報の認証に基づいて電気錠を解錠する電気錠制御部とを有する複数のカードリーダ端末器を前記他の端末器として備えるとともに、前記カードキーを収納保管し且つ保管したカードキーのカード情報を読み取るカードリーダ部と、該カードリーダ部からのカード情報に基づいてカードキーの保管/非保管を判断し、保管情報/非保管情報を前記伝送ユニットに伝送する手段とを有する複数のカード返却端末器を前記一の端末器として備えて、前記カードリーダ端末器のアドレスと前記カード返却端末器のアドレスとを各別に1対1で対応付けて設定し、前記伝送ユニットは、前記カード返却端末器から受け取る保管情報/非保管情報に基づいて、当該カード返却端末器のアドレスに対応付けてあるカードリーダ端末器宛に電気錠の解錠に対応する動作を可能/不可能とする制御情報を伝送し、当該カードリーダ端末器では前記伝送ユニットから受け取った制御情報に基づき、電気錠の解錠に対応する動作を可能/不可能に設定することを特徴とする。
【0008】
また請求項2の発明では、伝送ユニットと、個別のアドレスを有する複数の端末器とを2線の信号線に接続し、伝送ユニットが前記アドレスに基づき前記信号線を介して前記各端末器との間で時分割多重の伝送信号によって情報を授受し、一の端末器から受け取った情報を反映させた情報を、前記一の端末器に予め対応付けてある他の端末器に伝送する遠隔監視制御システムを用いるものであって、部屋毎に設けられるカードキー用電気錠に対応して設置され、カードキーのカード情報を読み取ってカード情報をカードリーダ部と、該カードリーダ部で読み取ったカード情報に含まれるID情報と、カードリーダ部で記憶されているID情報との照合結果に基づいて電気錠を解錠させる電気錠制御部とを有する複数のカードリーダ端末器を前記他の端末器として備えるとともに、前記カードキーを収納保管するとともに収納保管されるカードキーのカード情報を読み取るカードリーダ部と、該カードリーダ部からのカード情報の有無によりカードキーの保管と非保管とを判断し、カードキーの収納保管時に当該カードリーダ部の設定IDを変更するとともに、変更用ID情報を前記伝送ユニットに伝送させる手段とを有する複数のカード返却端末器を前記一の端末器として備えて、カードリーダ端末器のアドレスとカード返却端末器のアドレスとを各別に1対1で対応付けて設定し、前記伝送ユニットは、前記カード返却端末器から変更用ID情報を受け取ると、当該カード返却端末器のアドレスに対応付けてあるカードリーダ端末器宛に変更用ID情報を伝送し、当該カードリーダ端末器は前記伝送ユニットから受け取った変更用ID情報に基づいて自己のカードリーダ部の設定IDを変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、正規のカードキーが返却カードリーダ端末器に保管されいる状態では、複製されたカードキーが使用されても電気錠が解錠されないため、部屋への不法侵入などに対するセキュリティが向上され、しかも2線の信号線で時分割多重の伝送信号を伝送するシステムを利用することで、部屋の増設や、改装等に簡単に対応することができ、また照明負荷の制御監視に用いる遠隔監視制御システムに組み込むこともできる。
【0010】
請求項2の発明によれば、正規のカードキーが返却カードリーダ端末器に保管される度に、カードリーダ端末器の設定IDを自動的に変更することができ、複製されたカードキーが使用されてもID不一致によって電気錠が解錠されないため、部屋への不法侵入などに対するセキュリティが向上され、しかも2線の信号線で時分割多重の伝送信号を伝送するシステムを利用することで、部屋の増設や、改装等に簡単に対応することができ、また照明負荷の制御監視に用いる遠隔監視制御システムに組み込むこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下本発明を実施形態により説明する。
(実施形態1)
図1は、例えばホテルに設置する本実施形態のシステム構成を示しており、図示するように各部屋R1…には個別のアドレスが設定されているカードリーダ端末器1(1〜1n)をドア部に設置する一方、フロントFRには各カードリーダ端末器1〜1nのアドレスと1対1で対応付けてあるアドレスが設定されているカード返却端末器2(2〜2n)と、伝送ユニット3とを設置し、カードリーダ端末器1〜1nとカード返却端末器2〜2nと伝送ユニット3とを専用2線の信号線4に接続することで電気錠管理システムを構成している。
【0012】
尚カードリーダ端末器1側のアドレスとこれに対応関係を持つカード返却端末器2側のアドレスとの組み合わせを同一チャンネルとして決めておき、後述するアドレス設定器(図示せず)でアドレス設定を行う場合には、使用するチャンネルを夫々において設定するだけで、同じチャンネル同士のカードリーダ端末器1のアドレスとカード返却端末器2のアドレスとの対応関係が一義的に設定されるようになっている。
【0013】
カードリーダ端末器1は、図2に示すように電気錠5を一体に組み込んで構成され、マイコンからなる信号処理部10と、伝送ユニット3から伝送されてくる後述する時分割多重の伝送信号Vsの受信と返送信号の送信とを行うための多重伝送信号送受信部11と、カードキー6のカード情報を読み取るためのカードリーダ部12と、電気錠5の施錠/解錠を制御する電気錠制御部13と、当該端末器1の個別の設定アドレスを記憶するアドレス記憶部14と、アドレス設定器(図示せず)との間で例えばワイヤレス信号により、アドレス設定器からアドレス設定(チャンネル設定)情報を受け取ったり、設定アドレスの情報をアドレス設定器へ送信するアドレス送受信部15と、電気錠5の電源供給を含めて当該端末器1全体の動作電源を供給する電源回路部16とで構成される。
【0014】
信号処理部10は、カードリーダ部12でカードキー6から読み取ったカード情報に含まれるIDコードと予め設定されている設定IDとが一致している場合に、施錠状態の電気錠5を電気錠制御部13により解錠させる指示を与える機能と、伝送ユニット3から後述する時分割多重の伝送信号Vsにより自己アドレス宛に送られてくる制御データ(制御情報)CDに基づいてカードリーダ部12の読み取り動作を可能/不可能に設定する機能と、アドレス送受信部15でアドレス設定情報が受信されるとアドレス記憶部14に記憶している設定アドレスをアドレス設定情報に基づいて更新して、該更新した設定アドレスを当該端末器1のアドレスとする機能等をプログラムにより実現している。
【0015】
カード返却端末器2は、図3に示すようにマイコンからなる信号処理部20と、伝送ユニット3から伝送されてくる後述する時分割多重の伝送信号Vsの受信と返送信号の送信とを行うための多重伝送信号送受信部21と、カードキー6のカード情報を読み取るためのカードリーダ部22と、当該端末器2の個別の設定アドレスを記憶するアドレス記憶部23と、アドレス設定器(図示せず)との間でカードリーダ端末器1と同様にワイヤレス信号に情報の授受を行うアドレス送受信部24と、電気錠5の電源供給を含めて当該端末器1全体の動作電源を供給する電源回路部25とで構成され、カードリーダ部22は、図1に示すように前面からカードキー6を挿抜自在に収納保管する保管部23を備えている。
【0016】
信号処理部20は、カードリーダ部22から出力されるカード情報が含まれるIDコードと予め設定されているIDとが一致している場合に所定のカードキー6が保管部23に保管された判断とし、またカードリーダ部22からカード情報が出力されなくなると、非保管状態になったと判断し、夫々の判断に対応して後述する伝送信号Vsの信号返送期間WTにおいて多重伝送信号送受信部11から保管情報或いは非保管情報を伝送ユニット3に送信させる処理機能や、アドレス送受信部21でアドレス設定情報が受信されるとアドレス記憶部23に記憶している設定アドレスをアドレス設定情報に基づいて更新して、該更新した設定アドレスを当該端末器のアドレスとする機能等がプログラムにより実現されている。
【0017】
伝送ユニット3は、信号線4に対して、図4に示すフォーマットの固定長の伝送信号Vsを送出する機能を備えており、送出される伝送信号Vsは、図4(a)のようにパルス幅変調された双極性(±24V)の時分割多重信号であり、信号送出開始を示す同期信号ST、伝送信号Vsのモードを示すモードデータMD、端末器1,2に個々にアクセスするのに用いるアドレスデータAD、制御データCD、伝送誤りを検出するためのチェックサムデータCS、各端末器1,2からの返送信号を受信するタイムスロットである信号返送期間WTを含む。伝送信号Vsにおいて信号返送期間WT以外には上述のように電圧モード信号を伝送しているが、信号返送期間WTには電流モード信号(信号線4を適当な低インピーダンスを介して短絡することにより送出される信号)を伝送する。
【0018】
而して、伝送ユニット3では、通常時は、モードデータMDをダミーモードとしアドレスデータADを循環的に変化させた伝送信号Vsを一定時間間隔で送出している(常時ポーリング)。
【0019】
そして或るカード返却端末器2においてカードキー6が保管部23に収納保管され、カードリーダ部22がカードキー6のカード情報を読み取ると、信号処理部20では読み取ったカード情報のIDコードと信号処理部20に設定されている設定IDとの照合を行い一致している場合には、当該カード返却端末器2に対応するカードキー6が返却された判断し、保管情報を監視情報として伝送ユニット3に送るための処理動作を開始する。
【0020】
つまり、当該カード返却端末器2では、ダミーモードの伝送信号Vsの同期信号SYに同期させて図4(b)のような割込信号Viを多重伝送信号送受信部21から発生させるとともに割込フラグを設定する。
【0021】
一方、伝送ユニット3では、ダミーモードの伝送信号Vsにおいて、カード返却端末器2からの割込信号Viを検出すると、当該伝送信号VsのモードデータMDをアドレス検索モードとする。割込フラグを設定した当該カード返却端末器2では、アドレス検索モードの伝送信号Vsを受信すると、この伝送信号Vsの信号返送期間WTにおいて自己の設定アドレスを返送する。
【0022】
この返送によって伝送ユニット3では、割込信号Viを発生させたカード返却端末器2のアドレスを取得すると、この取得アドレスをアドレスデータADとしてカード返却端末器2から監視情報を受け取るための伝送信号Vsを信号線4に送出する。これにより当該カード返却端末器2では、この伝送信号Vsの信号返送期間WTにおいてカード返却端末器2から伝送ユニット3に監視情報、つまり保管情報を返送信号として送ることができることになる。
【0023】
さて伝送ユニット3では、伝送信号VsのアドレスデータAD及び信号返送期間WTに受け取った監視情報から、伝送ユニット3に内蔵した記憶部(図示せず)の対応付けテーブルと照合し、当該カード返却端末器2のアドレスに対応するカードリーダ端末器1のアドレスを抽出する。そして保管状態である監視情報に基づいて当該カードリーダ端末器1を指定するアドレスデータADを有し、且つカードリーダ部22の動作を停止させるための制御内容を持つ制御データCDを有する伝送信号Vsを伝送する。
【0024】
信号線4を介して受信した伝送信号Vsにより伝送されたアドレスデータADが自己の設定アドレスに一致したと信号処理部10が判断したカードリーダ端末器1では、信号処理部10によって伝送信号Vsから制御データCDを取り込み、制御データCDに基づいてカードリーダ部12の動作を不可能(停止)とする設定する。
【0025】
そして保管部23からカードキー6が取り出されると、カード返却端末器2の信号処理部21ではカードリーダ部21から読み取ったカード情報が入力しなくなるため、カードキー6の非保管状態となったと判断し、上述の監視情報を送る手順と同じ手順で非保管情報として監視情報を伝送ユニット5へ送る。
【0026】
伝送ユニット5ではこの非保管情報たる監視情報を受け取ると、当該カード返却端末器2に対応するカードリーダ端末器1に対して上述と同様な手順でカードリーダ部12を動作可能するための制御データCDを伝送信号Vsにより伝送する。
【0027】
この制御データCDを受け取った当該カードリーダ端末器1の信号処理部10では制御データCDの内容に基づいてカードリーダ部12を動作可能と設定する。これによってカードキー6を用いて当該部屋Rの電気錠5を解錠させることができることになる。
【0028】
以上のように本実施形態では、保管状態にあるカードキー6を複製したカードキーを用いて対応する部屋Rの電気錠5を解錠させようとしても、当該部屋Rのカードリーダ端末器1のカードリーダ部12はカードキーのカード情報を読み取らないため、電気錠5は解錠されることはない。つまり、保管状態にあるカードキー6を複製したカードキーの不正使用を防ぐことで、セキュリティ性の高い電気錠管理システムを構築することができるのである。
【0029】
ところで、本実施形態では、カード返却端末器2においてカードキー6が返却されている場合、当該カード返却端末器2に対応関係を持つカードリーダ端末器1のカードリーダ部12の読み取り動作を停止させることで、複製されたカードキーの使用によって電気錠5が解錠されるのを防ぐようにしているが、電気錠制御部13の解錠動作自体を不可能としたり、信号処理部10でのID照合を停止して電気錠制御部13の解錠動作を不可能とする方法を採用しても複製されたカードキーの使用による電気錠5の解錠を防ぎ、セキュリティを高めることができる。
【0030】
また時分割多重伝送方式を採用することで、部屋Rの増設や変更などがあっても信号線3に端末器1,2を接続するだけで対応することができるという利点もある。
【0031】
尚本実施形態では、カード情報のID情報と設定IDの照合をカードリーダ端末器1の信号処理部10において行うようにしているが、カードリーダ部12で読み取ったカード情報を返送信号として伝送ユニット3側に送って伝送ユニット3で照合を行い、その照合結果に基づいて、当該カードリーダ端末器1に電気錠5を解錠する制御データCDを送るようにしても良い。この方法では、カード返却端末器2においてカードキー6が返却されている場合、当該カード返却端末器2に対応関係を持つカードリーダ端末器1から送らID情報が送られてきてもID照合を伝送ユニット3で拒否することで、複製されたカードキーの使用によって電気錠5が解錠されるのを防ぐことができる。
(実施形態2)
上述の実施形態1の場合には、カード返却端末器2においてカードキー6が返却されている場合、当該カード返却端末器2に対応関係を持つカードリーダ端末器1のカードリーダ部11で複製されたカードキーのカード情報を読ませようとしても、当該カードキーのID情報の読み取りが行われない(或いは電気錠制御部13の解錠動作停止、ID照合の停止)ため、結果として電気錠5が解錠されないようになっているが、本実施形態では カード返却端末器2からカードキー6が収納保管されたことを示す保管情報からなる監視情報を受け取ると、伝送ユニット3から対応するカードリーダ端末器1に対して制御処理部10に設定している電気錠5の解錠のための認証に用いるカードリーダ部11の設定IDを変更するID情報を制御データCDとして伝送信号Vsにより送るようにしている。
【0032】
またカード返却端末器2ではカードリーダ部の代わりにカードリーダ/ライタ部を用い、伝送ユニット3からカードリーダ端末器1と同様に変更されたID情報を受け取り、このID情報を用いて保管部23に保管されているカードキー6のID情報を更新するようになっている。尚その他の構成は実施形態1と同じであるのでシステム構成及び各端末器1,2のハードウェア構成の図示は省略する。
【0033】
而して、カードキー6がカード返却端末器2に返却される都度、対応するカードリーダ端末器1のカードリーダ部の設定IDが変更されることになり、返却前に正規のカードキー6から複製したカードキーが使用されても、カードリーダ部11で読み取ったID情報と設定IDとの照合結果が不一致となるため、信号処理部10は電気錠制御部13に対して電気錠5を解錠する指示は与えない。従って複製されたカードキーが使用されても電気錠5が解錠されるのを防ぐことができるのである。
【0034】
またカード返却端末器2の保管部23に保管されているカードキー6のID情報も更新されることで、当該カードキー6をカード返却端末器2の保管部23から取り出して使用しても、対応するカードリーダ端末器1では正規のカードキーとして認証され、電気錠5を解錠させることができる。
【0035】
以上のように本実施形態ではカードキー6をカード返却端末器2に返却する度に電気錠5の解錠のための認証に用いるIDを変更するため、複製されたカードキーの使用による電気錠5の解錠を防ぎ、セキュリティを高めることができる。
【0036】
ところで、上記実施形態1,2はホテルでの使用例を挙げているが、テナントビル、或いは寮等においても使用できるのは勿論である。これらの場合には伝送ユニット3及びカード返却端末器2が設置される場所としては、保管されたカードキー6を管理する必要上、例えば管理人室等となる。
【0037】
また時分割多重伝送方式を用いて照明負荷等の設備を監視制御するシステムと伝送ユニット3を共用する形でシステム構築を行えば、省配線等更に有効となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施形態1のシステム構成図である。
【図2】実施形態1に用いるカードリーダ端末器の構成図である。
【図3】実施形態1に用いるカード返却端末器の構成図である。
【図4】実施形態1に用いる伝送信号の説明図である。
【符号の説明】
【0039】
〜1n カードリーダ端末器
12 カードリーダ部
21〜2n カード返却端末器
23 保管部
3 伝送ユニット
4 信号線
R1〜Rn 部屋
FR フロント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送ユニットと、個別のアドレスを有する複数の端末器とを2線の信号線に接続し、伝送ユニットが前記アドレスに基づき前記信号線を介して前記各端末器との間で時分割多重の伝送信号によって情報を授受し、一の端末器から受け取った情報を反映させた情報を、前記一の端末器に予め対応付けてある他の端末器に伝送する遠隔監視制御システムを用いるものであって、
部屋毎に設けられるカードキー用電気錠に対応して設置され、カードキーのカード情報を読み取ってカード情報をカードリーダ部と、該カードリーダ部で読み取ったカード情報の認証に基づいて電気錠を解錠する電気錠制御部とを有する複数のカードリーダ端末器を前記他の端末器として備えるとともに、前記カードキーを収納保管し且つ保管したカードキーのカード情報を読み取るカードリーダ部と、該カードリーダ部からのカード情報に基づいてカードキーの保管/非保管を判断し、保管情報/非保管情報を前記伝送ユニットに伝送する手段とを有する複数のカード返却端末器を前記一の端末器として備えて、前記カードリーダ端末器のアドレスと前記カード返却端末器のアドレスとを各別に1対1で対応付けて設定し、
前記伝送ユニットは、前記カード返却端末器から受け取る保管情報/非保管情報に基づいて、当該カード返却端末器のアドレスに対応付けてあるカードリーダ端末器宛に電気錠の解錠に対応する動作を可能/不可能とする制御情報を伝送し、
当該カードリーダ端末器では前記伝送ユニットから受け取った制御情報に基づき、電気錠の解錠に対応する動作を可能/不可能に設定することを特徴とする電気錠管理システム。
【請求項2】
伝送ユニットと、個別のアドレスを有する複数の端末器とを2線の信号線に接続し、伝送ユニットが前記アドレスに基づき前記信号線を介して前記各端末器との間で時分割多重の伝送信号によって情報を授受し、一の端末器から受け取った情報を反映させた情報を、前記一の端末器に予め対応付けてある他の端末器に伝送する遠隔監視制御システムを用いるものであって、
部屋毎に設けられるカードキー用電気錠に対応して設置され、カードキーのカード情報を読み取ってカード情報をカードリーダ部と、該カードリーダ部で読み取ったカード情報に含まれるID情報と、カードリーダ部で記憶されているID情報との照合結果に基づいて電気錠を解錠させる電気錠制御部とを有する複数のカードリーダ端末器を前記他の端末器として備えるとともに、前記カードキーを収納保管するとともに収納保管されるカードキーのカード情報を読み取るカードリーダ部と、該カードリーダ部からのカード情報の有無によりカードキーの保管と非保管とを判断し、カードキーの収納保管時に当該カードリーダ部の設定IDを変更するとともに、変更用ID情報を前記伝送ユニットに伝送させる手段とを有する複数のカード返却端末器を前記一の端末器として備えて、カードリーダ端末器のアドレスとカード返却端末器のアドレスとを各別に1対1で対応付けて設定し、
前記伝送ユニットは、前記カード返却端末器から変更用ID情報を受け取ると、当該カード返却端末器のアドレスに対応付けてあるカードリーダ端末器宛に変更用ID情報を伝送し、
当該カードリーダ端末器は前記伝送ユニットから受け取った変更用ID情報に基づいて自己のカードリーダ部の設定IDを変更することを特徴とする電気錠管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−133616(P2008−133616A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−319029(P2006−319029)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】