説明

電池およびリード

【課題】外力に押し潰された場合の安全性を向上させることができる電池を提供する。
【解決手段】正極と負極とをセパレータを介して積層し、渦巻き状に巻くことにより作製された巻回体を有する。負極にはニッケル,銅などよりなる負極リードが取り付けられており、この負極リードの負極への取付領域40Aには、切欠部41が設けられている。外部からの力で押し潰された場合、負極リードも押し潰されて変形し、切欠部41の角部42が突出してセパレータを貫通することにより、正極と負極とが確実に短絡する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状の正極、セパレータおよび負極を含む渦巻き状の巻回体を備えた電池、およびこの電池に用いられるリードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル機器の高性能化および多機能化に伴い、それらの電源である二次電池の高容量化が要求されている。この要求に応える二次電池としてはリチウムイオン二次電池があるが、現在実用化されているものは負極に黒鉛を用いているので、電池容量は飽和状態にあり、大幅な高容量化は難しい。そこで、負極にスズ(Sn)やケイ素(Si)などを用いることが検討されている。
【特許文献1】特開平8−255631号公報
【特許文献2】特開平8−273697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このように負極にスズやケイ素などを用いた電池はエネルギー密度が大きくなるので、外力により押し潰された場合に備えて高い安全性を確保するための有効な手段が望まれていた。
【0004】
なお、従来より、電池内の構造部材を、それらの本来の目的と共に、外力による押し潰し(圧壊)に対する安全対策にも兼用しようとした構造が提案されてきた。例えば、リチウムイオン電池の様々な形状の一つに、正極と負極とをセパレータを間にして積層して渦巻き状に巻き、その巻回中心に円筒形のセンターピンを挿入したものがある。従来では、このセンターピンに溝(例えば特許文献1参照。)や螺旋状の凹部(例えば、特許文献2参照。)を設けておき、外力により押し潰された場合に、センターピンを介して電極間の短絡を生じさせることが開示されてきた。しかし、センターピン以外の構造部材を用いて電極間の短絡を生じさせ、圧壊に対する安全対策を図ることは、未だ提案されていなかった。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、外力に押し潰された場合の安全性を向上させることのできる電池、およびこの電池に用いられるリードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による電池は、正極と負極とをセパレータを間にして積層し巻回した巻回体を備え、正極には正極リードが取り付けられると共に負極には負極リードが取り付けられており、正極リードおよび負極リードのうち少なくとも一方は、正極または負極への取付領域に切欠部を有するものである。
【0007】
本発明によるリードは、本発明の電池に用いられるものである。
【0008】
ここで「切欠部」はリードをその厚み方向に貫通したものが好ましいが、貫通することなく周囲領域よりも薄くなっている、すなわち凹んだ状態の場合も含むものである。
【0009】
本発明による電池、または本発明によるリードでは、外部から電池に力がかかった場合には、巻回体が押し潰されて変形するのに伴い、負極リードも押し潰されて変形し、切欠部の角部が突出してセパレータを貫通することにより、正極と負極とが確実に短絡する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電池、または本発明のリードによれば、リードの正極または負極への取付領域に切欠部を設けるようにしたので、外部からの力で押し潰された場合において正極と負極とを確実に短絡させることができ、安全性が向上する。
【0011】
特に、負極が、スズ(Sn)およびケイ素(Si)のうちの少なくとも一方を構成元素として含む負極活物質を含有する場合には、電池のエネルギー密度が大きく、より高い安全性が求められるので、より高い効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図において各構成要素は本発明が理解できる程度の形状、大きさおよび配置関係を概略的に示したものであり、実寸とは異なっている。
【0013】
図1および図2は本発明の一実施の形態に係る二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池は、いわゆる角型といわれるものであり、ほぼ中空直方体形状の電池缶11の内部に、偏平な巻回体20を有している。
【0014】
電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe),アルミニウム(Al)またはステンレススチール(SUS)の何れかにより構成されており、負極端子としての機能も有している。この電池缶11は、一端部が閉鎖され他端部が開放されており、開放端部に絶縁板12および電池蓋13が取り付けられることにより電池缶11の内部が密閉されている。絶縁板12は、ポリプロピレンなどにより構成され、巻回体20の上に巻回周面に対して垂直に配置されている。電池蓋13は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成され、電池缶11と共に負極端子としての機能も有している。電池蓋13の外側には、正極端子となる端子板14が配置されている。また、電池蓋13の中央付近には貫通孔が設けられ、この貫通孔に、端子板14に電気的に接続された正極ピン15が挿入されている。端子板14と電池蓋13との間は絶縁ケース16により電気的に絶縁され、正極ピン15と電池蓋13との間はガスケット17により電気的に絶縁されている。絶縁ケース16は、例えばポリブチレンテレフタレートにより構成されている。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
【0015】
電池蓋13の周縁付近には開裂弁18および電解液注入孔19が設けられている。開裂弁18は、電池蓋13と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合に開裂して内圧の上昇を抑えるようになっている。電解液注入孔19は、例えばステンレス鋼球よりなる封止部材19Aにより塞がれている。
【0016】
巻回体20は、正極21と負極22とをセパレータ23を間にして積層し、渦巻き状に巻回したものであり、電池缶11の形状に合わせて偏平な形状に成形されている。巻回体20の正極21には正極リード30が取り付けられており、負極22には負極リード40が取り付けられている。正極リード30は正極ピン15の下端に溶接されることにより端子板14と電気的に接続されており、負極リード40は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
【0017】
図3は図1に示した正極21および負極22の巻回前の構成を表すものである。正極21は、帯状の正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bを設けたものである。具体的には、正極集電体21Aの外周面側および内周面側に正極活物質層21Bが存在する正極被覆領域21Cを有している。加えて、この正極21では、巻回中心側および巻回外周側の端部が正極露出領域21D、すなわち、正極集電体21Aの両面とも正極活物質層21Bが存在せずに露出している領域となっている。正極リード30は、巻回中心側の端部の正極露出領域21Dに取り付けられている。
【0018】
正極集電体21Aは、例えば、厚みが5μm〜50μm程度であり、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
【0019】
正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて炭素材料などの導電材およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および放出可能な正極材料としては、例えば、硫化チタン(TiS2 ),硫化モリブデン(MoS2 ),セレン化ニオブ(NbSe2 )あるいは酸化バナジウム(V2 5 )などのリチウムを含有しない金属硫化物,金属セレン化物あるいは金属酸化物など、またはリチウムを含有するリチウム含有化合物が挙げられる。
【0020】
中でも、リチウム含有化合物は、高電圧および高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、またはリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が挙げられ、特にコバルト(Co),ニッケルおよびマンガン(Mn)のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。より高い電圧を得ることができるからである。その化学式は、例えば、Lix MIO2 あるいはLiy MIIPO4 で表される。式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属元素を表す。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
【0021】
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、層状岩塩型構造を有するリチウムコバルト複合酸化物(Lix CoO2 )、リチウムニッケル複合酸化物(Lix NiO2 )、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(Lix Ni1-z Coz 2 (z<1))、あるいはスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 4 )などが挙げられる。中でも、ニッケルを含む複合酸化物が好ましい。高い容量を得ることができると共に、優れたサイクル特性も得ることができるからである。リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えばオリビン型構造を有するリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4 )あるいはリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1-v Mnv PO4 (v<1))が挙げられる。
【0022】
負極22は、帯状の負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bを設けたものである。具体的には、負極集電体22Aの外周面側および内周面側に負極活物質層22Bが存在する負極被覆領域22Cと、巻回中心側および巻回外周側の端部に、負極集電体22Aの両面とも負極活物質層22Bが存在せずに露出している負極露出領域22Dとを有している。負極リード40は、巻回外周側の端部の負極露出領域22Dに取り付けられている。
【0023】
負極集電体22Aは、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。この負極集電体22Aの厚みは、例えば5μm〜50μmである。
【0024】
負極活物質層22Bは、例えば、負極活物質を含んでおり、必要に応じて導電材および結着剤などの他の材料を含んでいてもよい。負極活物質としては、例えば、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む負極材料が挙げられる。このような負極材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
【0025】
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、例えばリチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素が挙げられる。具体的には、マグネシウム(Mg),ホウ素(B),アルミニウム(Al),ガリウム(Ga),インジウム(In),ケイ素,ゲルマニウム(Ge),スズ,鉛(Pb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),銀(Ag),亜鉛(Zn),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)などが挙げられる。
【0026】
中でも、この負極材料としては、長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。具体的には、例えば、ケイ素の単体,合金,あるいは化合物、またはスズの単体,合金,あるいは化合物、またはこれらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
【0027】
スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素,ニッケル,銅,鉄(Fe),コバルト(Co),マンガン(Mn),亜鉛(Zn),インジウム(In),銀(Ag),チタン(Ti),ゲルマニウム(Ge),ビスマス(Bi),アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン,ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
【0028】
スズの化合物あるいはケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
【0029】
中でも、この負極材料としては、スズと、コバルトと、炭素とを構成元素として含み、炭素の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下であり、かつスズとコバルトとの合計に対するコバルトの割合が30質量%以上70質量%以下であるCoSnC含有材料が好ましい。このような組成範囲において高いエネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるからである。
【0030】
このCoSnC含有材料は、必要に応じて更に他の構成元素を含んでいてもよい。他の構成元素としては、例えば、ケイ素,鉄,ニッケル,クロム,インジウム,ニオブ(Nb),ゲルマニウム,チタン,モリブデン(Mo),アルミニウム(Al),リン(P),ガリウム(Ga)またはビスマスが好ましく、2種以上を含んでいてもよい。容量またはサイクル特性を更に向上させることができるからである。
【0031】
なお、このCoSnC含有材料は、スズと、コバルトと、炭素とを含む相を有しており、この相は結晶性の低いまたは非晶質な構造を有していることが好ましい。また、このCoSnC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下はスズなどが凝集あるいは結晶化することによるものであると考えられるが、炭素が他の元素と結合することにより、そのような凝集あるいは結晶化を抑制することができるからである。
【0032】
元素の結合状態を調べる測定方法としては、例えばX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)が挙げられる。XPSでは、炭素の1s軌道(C1s)のピークは、グラファイトであれば、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば炭素が金属元素または半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは、284.5eVよりも低い領域に現れる。すなわち、CoSnC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、CoSnC含有材料に含まれる炭素の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合している。
【0033】
なお、XPS測定では、スペクトルのエネルギー軸の補正に、例えばC1sのピークを用いる。通常、表面には表面汚染炭素が存在しているので、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、これをエネルギー基準とする。XPS測定では、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとCoSnC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、CoSnC含有材料中の炭素のピークとを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
【0034】
負極活物質としては、また、天然黒鉛,人造黒鉛,難黒鉛化炭素あるいは易黒鉛化炭素などの炭素材料を用いてもよい。炭素材料を用いれば優れたサイクル特性を得ることができるので好ましい。また、負極活物質としては、リチウム金属も挙げられる。負極活物質はこれらの1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
【0035】
図2に示したセパレータ23は、例えばポリプロピレンあるいはポリエチレンなどのポリオレフィン系の材料よりなる多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
【0036】
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、例えば、溶媒と、電解質塩であるリチウム塩とを含んで構成されている。溶媒は、電解質塩を溶解し解離させるものである。溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1, 2−ジメトキシエタン、1, 2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1, 3−ジオキソラン、4メチル1, 3ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステル、酪酸エステルあるいはプロピオン酸エステルなどが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
【0037】
リチウム塩としては、例えば、LiClO4 ,LiAsF6 ,LiPF6 ,LiBF4 ,LiB(C6 5 4 ,CH3 SO3 Li,CF3 SO3 Li,LiClあるいはLiBrが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
【0038】
正極リード30は、帯状であると共に長手方向の一部が正極21に取り付けられた取付領域30Aとなっている。なお、正極リード30は、取付領域30A内の数カ所の接合点において局所的に正極集電体21Aに接合されている。正極リード30は、例えば、アルミニウム(Al)またはアルミニウム(Al)を含む合金により構成されている。また、これらの材料よりなる本体の表面にめっき加工が施されたものでもよい。正極リード30の長手方向における寸法は電池サイズによって異なるが、例えば1.0cm以上10.0cm以下が好ましい。幅は例えば1mm以上100mm以下が好ましく、厚みは例えば0.01mm以上10mm以下が好ましい。
【0039】
負極リード40は、帯状であると共に長手方向の一部が負極22に取り付けられた取付領域40Aとなっている。なお、負極リード40は、取付領域40A内の数カ所の接合点において局所的に負極集電体22Aに接合されている。負極リード40は、例えば、ニッケル(Ni)あるいはニッケル(Ni)を含む合金、または、銅(Cu)あるいは銅(Cu)を含む合金により構成されている。また、これらの材料よりなる本体の表面にめっき加工が施されたものでもよい。負極リード40の長手方向における寸法は電池サイズによって異なるが、例えば1.0cm以上10.0cm以下が好ましい。幅は例えば1mm以上100mm以下が好ましく、厚みは例えば0.01mm以上10mm以下が好ましい。
【0040】
図4は、負極リード40の負極22への取付領域40Aを表したものである。この負極リード40は、取付領域40Aに切欠部41を有している。これにより、この電池では、外力により押し潰された場合に正極21と負極22とを確実に短絡させることができ、安全性を向上させることができるようになっている。
【0041】
特に、負極22が、スズ(Sn)またはケイ素(Si)のうちの少なくとも一方を構成元素として含む負極活物質を含有する場合には、電池のエネルギー密度が大きく、より高い安全性が求められるので、より高い効果を得ることができる。
【0042】
切欠部41は、例えば、負極リード40の辺40Bに交差していてもよいし、負極リード40の辺40Bから離れた位置に設けられていてもよい。切欠部41が辺40Bに交差している場合、切欠部41と辺40Bとは直角でもよいし、斜めに交差していてもよい。切欠部41の寸法や配置密度は、負極リード40の生産性や強度に応じて定めることができるが、取付領域40Aの全体にわたり均等に配置されていることが望ましい。切欠部41の幅または長さは、例えば0.1mm以上が好ましい。
【0043】
切欠部41の形状は、直線でもよいし、屈曲した形状でもよい。屈曲した形状としては、例えば、三本の直線部分41A,41B,41Cにより構成され、直線部分41Bは直線部分41Aの端部から直線部分41Aとは異なる方向に延び、直線部分41Cは直線部分41Bの端部から直線部分41Bとは異なる方向に延びている形状(以下、「Z型」という。)が挙げられる。直線部分41A〜41Cのなす角は、例えば直角が好ましい。生産性を高めることができるからである。
【0044】
このような切欠部41の形状は、辺40Bに交差しているか辺40Bから離れた位置に設けられているかによって限定されない。また、切欠部41または直線部分41A〜41Cは、負極リード40の長手方向に対して垂直または平行でもよいし、斜めになっていてもよい。
【0045】
すなわち、例えば図4では、辺40Bに交差している切欠部41は直線であり、辺40Bから離れた位置に設けられた切欠部41はZ型であり、かつ、すべての切欠部41が負極リード40の長手方向に対して垂直または平行に設けられた場合を表している。更に、例えば図5に示したように、辺40Bに交差している切欠部41を、二本の直線部分41A,41Bにより構成され、直線部分41Bが直線部分41Aの端部から直線部分41Aとは異なる方向に延びている形状(以下、「L型」という。)とし、かつ、直線部分41A,41Bを負極リード40の長手方向に対して斜めに設けるようにしてもよい。更にまた、例えば図6に示したように、切欠部41を、多数の直線部分により構成され、それらの直線部分のうちの一本は他の一本の端部からそれとは異なる方向に延びている形状(以下、「波型」という。)とし、かつ、それらの直線部分を負極リード40の長手方向に対して斜めに設けるようにしてもよい。このような波型の切欠部41は、直線またはL型やZ型のものに比べて電極間の短絡を容易に発生させることができ、好ましい。
【0046】
なお、図5または図6に示したように、切欠部41を構成する直線部分41A〜41Cが、負極リード40の長手方向に対して斜めになっている場合、切欠部41の一端と他端とを結ぶ直線は負極リード40の長手方向に対して平行または垂直であることが望ましい。
【0047】
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0048】
まず、例えば、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aにドクタブレードあるいはバーコーターなどを用いて均一に塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製する。
【0049】
次いで、例えば、負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aにドクタブレードあるいはバーコーターなどを用いて均一に塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機により圧縮成型して負極合剤層22Bを形成し、負極22を作製する。ロールプレス機は加熱して用いてもよい。また、目的の物性値になるまで複数回圧縮成型してもよい。更に、ロールプレス機以外のプレス機を用いてもよい。
【0050】
続いて、例えば上述した材料よりなる帯状の負極リード40を用意し、この負極リード40に例えばワイヤカットにより切欠部41を形成する。そののち、正極集電体21Aに正極リード30を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード40を溶接などにより取り付ける。そののち、正極21と負極22とをセパレータ23を間にして積層し図3に示した巻回方向に多数回巻回したのち偏平な形状に成形し、巻回体20を作製する。
【0051】
巻回体20を形成したのち、この巻回体20を電池缶11の内部に収容し、巻回体20の上に絶縁板12を配置し、負極リード40を電池缶11に溶接すると共に、正極リード30を正極ピン15の下端に溶接して、電池缶11の開放端部に電池蓋13をレーザ溶接により固定する。そののち、電解液を電解液注入孔19から電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させたのち、電解液注入孔19を封止部材19Aで塞ぐ。これにより、図1および図2に示した二次電池が完成する。
【0052】
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極21からリチウムイオンが放出され、セパレータ23に含浸された電解液を介して負極22に吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極22からリチウムイオンが放出され、セパレータ23に含浸された電解液を介して正極21に吸蔵される。そして、この二次電池では、負極リード40の負極22への取付領域40Aに切欠部41が設けられているので、外部からの力で押し潰された場合、負極リード40も押し潰されて変形し、図7に示したように、切欠部41の角部42が突出して負極集電体22Aおよびセパレータ23を貫通することにより、正極21と負極22とが確実に短絡する。
【0053】
更に、この二次電池では、負極リード40が、負極22の巻回外周側の端部の負極露出領域22Dに取り付けられていると共に、正極21の巻回外周側の端部にも正極露出領域21Dが設けられているので、負極リード40の角部42が巻回体20に突き刺さり、セパレータ23を貫通すると比較的抵抗値の低い正極集電体21Aと負極集電体22Aとの間が直接短絡する。すなわち、本実施の形態では、正極21の正極露出領域21Dと負極22の負極露出領域22Dとの間が負極リード40により短絡し、抵抗値の高い正極活物質層21Bを介して短絡することがなくなり、正極活物質層21Bでの昇温が抑制される。
【0054】
このように本実施の形態では、負極リード40の負極22への取付領域40Aに切欠部41を設けたので、外部からの力で押し潰された場合において正極21と負極22との間を確実に短絡させることができる。とりわけ円筒形のセンターピンを用いることのできない角型電池や、発熱量の大きい大型電池の場合に好適であり、高い安全性を得ることができる。
【0055】
また、負極リード40を、負極22の巻回外周側の端部の負極露出領域22Dに取り付けると共に、正極21の巻回外周側の端部にも正極露出領域21Dを設けるようにしたので、負極リード40がセパレータ23を貫通すると比較的抵抗値の低い正極集電体21Aと負極集電体22Aとの間が直接短絡する。よって、正極活物質層21Bの昇温を抑えつつ、正極21と負極22との間を確実に短絡させることができ、安全性が向上する。
【0056】
特に、負極22が、スズ(Sn)およびケイ素(Si)のうちの少なくとも一方を構成元素として含む負極活物質を含有するようにした場合には、電池のエネルギー密度が大きく、より高い安全性が求められるので、より高い効果を得ることができる。
【実施例】
【0057】
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
【0058】
(実施例1)
第1の実施の形態で説明した二次電池を作製した。
【0059】
まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とを、Li2 CO3 :CoCO3 =0.5:1(モル比)の割合で混合し、空気中において900℃で5時間焼成して、正極活物質としてのリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を得た。次いで、このリチウム・コバルト複合酸化物91質量部と、導電剤であるグラファイト6質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して正極合剤を調整した。続いて、この正極合剤を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとし、厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し正極21を作製した。続いて、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード30を取り付けた。
【0060】
また、負極活物質としてCoSnC含有材料を作製した。まず、原料としてコバルト粉末とスズ粉末と炭素粉末とを用意し、コバルト粉末とスズ粉末とを合金化してコバルト・スズ合金粉末を作製したのち、この合金粉末に炭素粉末を加えて乾式混合した。続いて、この混合物を遊星ボールミルを用いてメカノケミカル反応を利用して合成し、CoSnC含有材料を得た。
【0061】
得られたCoSnC含有材料について組成の分析を行ったところ、コバルトの含有量は29.3質量%、スズの含有量は49.9質量%、炭素の含有量は19.8質量%であった。なお、炭素の含有量は、炭素・硫黄分析装置により測定し、コバルトおよびスズの含有量は、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)発光分析により測定した。また、得られたCoSnC含有材料についてX線回折を行ったところ、回折角2θ=20°〜50°の間に、回折角2θが1.0°以上の広い半値幅を有する回折ピークが観察された。更に、このCoSnC含有材料についてXPSを行ったところ、CoSnC含有材料中におけるC1sのピークは284.5eVよりも低い領域に得られた。すなわち、CoSnC含有材料中の炭素が他の元素と結合していることが確認された。
【0062】
次いで、このCoSnC含有材料60質量部と、導電剤および負極活物質である人造黒鉛28質量部およびカーボンブラック2質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合し、負極合剤を調整した。続いて、この負極合剤を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとし、厚み15μmの銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して負極活物質層22Bを形成した。
【0063】
続いて、長さ28mm、幅4mm、厚み0.05mmであり、銅を含む合金よりなる帯状の負極リード40を用意し、この負極リード40の負極22への取付領域40Aに、ワイヤカットにより、図4に示したような辺40Bに交差する直線の切欠部41と、辺40Bから離れた位置のZ型の切欠部41とを設けた。その際、直線の切欠部41は、幅0.4mm、長さ1.0mmとし、Z型の切欠部は、幅0.4mm、直線部分41A,41B,41Cの長さをそれぞれ2mm、1mm、2mm、全長3.6mmとした。そののち、この負極リード40を負極集電体22Aの巻回外周側となる一端に取り付けた。
【0064】
続いて、厚み25μmの微孔性ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータ23を用意し、正極21,セパレータ23,負極22,セパレータ23の順に積層して積層体を形成したのち、この積層体を渦巻状に多数回巻回したのち偏平な形状に成形し、巻回体20を作製した。
【0065】
そののち、巻回体20を電池完11に収納し、巻回体20の上に絶縁板12を配置し、負極リード40を電池缶11に溶接すると共に、正極リード30を正極ピン15の下端に溶接して、電池缶11の開放端部に電池蓋13をレーザ溶接により固定した。そののち、電解液注入孔19から電池缶11の内部に電解液を注入した。電解液には、炭酸エチレン50体積%と炭酸ジエチル50体積%とを混合した溶媒に、電解質塩としてLiPF6 を1mol/dm3 の含有量で溶解させたものを用いた。最後に、電解液注入孔19を封止部材19Aで塞ぐことにより、厚さ5mm、幅34mm、高さ42mmの角型の二次電池を得た。
【0066】
実施例1に対する比較例1として、切欠部を有しない従来の負極リードを用いたことを除き、他は実施例1と同様にして二次電池を作製した。
【0067】
このようにして得られた実施例1および比較例1の二次電池をそれぞれ5個(電池1〜電池5)作製し、圧壊試験を行って発火や破裂の有無を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0068】
【表1】

【0069】
表1からわかるように、負極リード40に切欠部41を設けた実施例1によれば破裂はまったく生じなかったのに対して、切欠部が設けられていない比較例1では5個の二次電池のすべてで破裂が生じた。すなわち、負極リード40の負極22への取付領域40Aに切欠部41を設けるようにすれば、電池が押し潰されて短絡が発生した場合にも安全性を向上させることができることが分かった。
【0070】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、切欠部41が、負極リード40を厚さ方向に貫通する孔である場合について説明したが、負極リード40の厚さ方向の一部を薄くした薄肉溝であってもよい。
【0071】
また、上記実施の形態および実施例では、負極リード40を負極22の巻回外周側の端部に取り付けた場合について説明したが、負極リード40の位置は巻回外周側の端部に限られず、巻回中心側の端部でもよいし、あるいは巻回体20の内部でもよい。
【0072】
更に、本発明は負極リード40だけでなく正極リード30にも適用可能である。すなわち、正極リード30に切欠部を設けてもよい。また、正極リード30と負極リード40の両方に切欠部を設けてもよい。
【0073】
加えて、上記実施の形態および実施例では、巻回構造を有する角型の二次電池について説明したが、本発明は、巻回構造を有する二次電池であればどのような形状のものでも適用することができ、また、一次電池にも適用可能である。例えば、図8および図9に示したような楕円型や、図10および図11に示したような円筒型のものにも適用可能である。なお、図8および図9では負極リード40を巻回体20の内部に設けた場合を表し、図10および図11では負極リード40を負極22の巻回中心側の端部に設けた場合を表している。
【0074】
図8および図9に示した電池は、中空楕円形の電池缶51に、楕円筒状の巻回構造を有する巻回体20を収容した、いわゆる楕円型電池である。電池缶51の内部には、巻回体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板52,53がそれぞれ配置されている。電池缶51の開放端部には、電池蓋54と、この電池蓋54の内側に設けられた安全弁機構55および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)56とが、ガスケット57を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶51の内部は密閉されている。電池蓋54は、例えば、電池缶51と同様の材料により構成されている。安全弁機構55は、熱感抵抗素子56を介して電池蓋54と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板55Aが反転して電池蓋54と巻回体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子56は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット57は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
【0075】
図10および図11に示した電池は、中空円筒状の電池缶61に円筒状の巻回構造を有する巻回体20を収容した、いわゆる円筒型電池であり、巻回体20の巻回中心にセンターピン68が配置されていることを除いては、楕円型のものと同様の構成を有している。
【0076】
更にまた、例えば、上記実施の形態および実施例では、溶媒に液状の電解質である電解液を用いる場合について説明したが、電解液に代えて、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、電解液を高分子化合物に保持させたゲル状の電解質、イオン伝導性を有する固体電解質、固体電解質と電解液とを混合したもの、あるいは固体電解質とゲル状の電解質とを混合したものが挙げられる。
【0077】
なお、ゲル状の電解質には電解液を吸収してゲル化するものであれば種々の高分子化合物を用いることができる。そのような高分子化合物としては、例えば、ポリビニリデンフルオロライドあるいはビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、またはポリアクリロニトリルなどが挙げられる。特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が望ましい。
【0078】
固体電解質には、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた有機固体電解質、またはイオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる無機固体電解質を用いることができる。このとき、高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物、アクリレート系高分子化合物を単独あるいは混合して、または分子中に共重合させて用いることができる。また、無機固体電解質としては、窒化リチウムあるいはヨウ化リチウムなどを用いることができる。
【0079】
加えてまた、上記実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる場合について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの長周期型周期表における他の1族の元素、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などの長周期型周期表における2族の元素、またはアルミニウムなどの他の軽金属、またはリチウムあるいはこれらの合金を用いる場合についても、本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。その際、電極反応物質を吸蔵および放出することが可能な負極活物質、正極活物質あるいは溶媒などは、その電極反応物質に応じて選択される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】図1に示した正極および負極の巻回前の構成を表す断面図である。
【図4】図1に示した負極リードの負極への取付領域を表す平面図である。
【図5】図4に示した負極リードの変形例を表す平面図である。
【図6】図4に示した負極リードの他の変形例を表す平面図である。
【図7】図1に示した二次電池が押し潰された場合における負極リードの作用を説明するための断面図である。
【図8】電池の他の構成例を表す断面図である。
【図9】図8に示した電池のIX−IX線に沿った断面図である。
【図10】電池の更に他の構成例を表す断面図である。
【図11】図10に示した電池のXI−XI線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0081】
11,51,61…電池缶、12,52,53…絶縁板、13,54…電池蓋、13A…貫通孔、14…端子板、15…正極ピン、16…絶縁ケース、17,57…ガスケット、18…開裂弁、19…電解液注入孔、19A…封止部材、20…巻回体、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、21C…正極被覆領域、21D…正極露出領域、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、22C…負極被覆領域、22D…負極露出領域、23…セパレータ、30…正極リード、40…負極リード、40A…取付領域、40B…辺、41…切欠部、41A,41B,41C…直線部分、55…安全弁機構、56…熱感抵抗素子、57…ガスケット、68…センターピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極と負極とをセパレータを間にして積層し巻回した巻回体を備え、
前記正極には正極リードが取り付けられると共に前記負極には負極リードが取り付けられており、
前記正極リードおよび前記負極リードのうち少なくとも一方は、前記正極または前記負極への取付領域に切欠部を有する
ことを特徴とする電池。
【請求項2】
前記切欠部は、前記正極リードまたは前記負極リードの辺に交差している
ことを特徴とする請求項1記載の電池。
【請求項3】
前記切欠部は、前記正極リードまたは前記負極リードの辺から離れた位置に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の電池。
【請求項4】
前記正極リードおよび前記負極リードは帯状であると共に長手方向の一部が前記取付領域となっている
ことを特徴とする請求項1記載の電池。
【請求項5】
前記切欠部は、屈曲した形状を有する
ことを特徴とする請求項1記載の電池。
【請求項6】
前記切欠部は、二本以上の直線部分により構成され、前記二本以上の直線部分のうちの一本は他の一本の端部から前記一本と異なる方向に延びている
ことを特徴とする請求項1記載の電池。
【請求項7】
前記負極は、スズ(Sn)およびケイ素(Si)のうちの少なくとも一方を構成元素として含む負極活物質を含有することを特徴とする請求項1記載の電池。
【請求項8】
正極と負極とをセパレータを間にして積層し巻回した巻回体を備えた電池に用いられるリードであって、
前記正極または前記負極に取り付けられるための取付領域を有し、前記取付領域に切欠部が設けられている
ことを特徴とするリード。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−305423(P2007−305423A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−132902(P2006−132902)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】