電池パック端子及び携帯電話装置
【課題】 撓み変形し難い上に軽量で、製造が容易な電池パック端子及び該電池パック端子を用いた携帯電話装置を提供すること。
【解決手段】 筺体の一部を構成する電池パック33を着脱可能に装着する携帯電話機本体31と、前記電池パック33を装着した携帯電話機本体31を着脱可能に装着して電池パック33を充電する充電器41との間に配設される電池パック端子1aであって、充電端子と接触可能な板状部5と、該板状部5の端部に連結されて前記板状部5を支持する複数の支持壁9、9と、該支持壁9、9の端部に連結されて充電端子と電気的に接続可能な基部7、7と、前記板状部5の支持壁9、9が連結されていない端部から基部7の側に延びる側壁3、3とを有する電池パック端子1aである。携帯電話装置は前記電池パック端子を用いたものである。
【解決手段】 筺体の一部を構成する電池パック33を着脱可能に装着する携帯電話機本体31と、前記電池パック33を装着した携帯電話機本体31を着脱可能に装着して電池パック33を充電する充電器41との間に配設される電池パック端子1aであって、充電端子と接触可能な板状部5と、該板状部5の端部に連結されて前記板状部5を支持する複数の支持壁9、9と、該支持壁9、9の端部に連結されて充電端子と電気的に接続可能な基部7、7と、前記板状部5の支持壁9、9が連結されていない端部から基部7の側に延びる側壁3、3とを有する電池パック端子1aである。携帯電話装置は前記電池パック端子を用いたものである。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池パックを充電するために用いる電池パック端子及び該電池パック端子を用いた携帯電話装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平3ー184431号公報には、電池パックを着脱可能に装着する携帯電話機が開示されている。該公報に記載されているように、一般的な携帯電話機は、充電可能な2次電池を有している。そして、この2次電池は電池パックとして構成し、この電池パックを電話機本体の一部に、その筺体一部を構成するように電話機本体に着脱可能に設けている。電池パックとして、標準容量の電池パックの他に、高容量の電池パックを設け、これらを交換して使用し得るように構成される。そして、携帯電話機は、電源に接続されて充電を行うための充電器と電気的に接触させられ、電源からの電気は、充電器、電池パック端子を介して電池パックに充電される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この充電の際、携帯電話機本体は、電池パック端子の上に載置される。このため、図10に示すように、電池パック端子1bの板状部5には、携帯電話機の荷重Fが垂直方向から加わるので、板状部5は撓んで大きく変形し易い。板状部5が撓むと、安定した端子接触に必要な接圧を保持できなくなり、瞬断・電源断などの不具合を生じる。このため、電池パック端子の変形を防止することが必要であり、その方法として、図16に示すように、電池パック端子1bと端子1bとの間及び板状部5の下にモールド製の端子固定ホルダー21を補強材として用いる方法がある。この例では、図11に示すように、板状部5に荷重Fが加わっても、板状部5は撓み変形し難い。また、図17に示すように、板厚を厚くした電池パック端子1bを用いる方法がある。前記方法によれば電池パック端子1bは撓み変形し難いが、携帯電話機の重量が大きくなり、軽量化を図り難いという問題があった。
【0004】本発明は、撓み変形し難い上に軽量で、製造が容易な電池パック端子及び該電池パック端子を用いた携帯電話装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電池パック端子は、筺体の一部を構成する電池パックを着脱可能に装着する携帯電話機本体と、前記電池パックを装着した携帯電話機本体を着脱可能に装着して電池パックを充電する充電器との間に配設される電池パック端子であって、充電端子と接触可能な板状部と、該板状部の端部に連結されて前記板状部を支持する複数の支持壁と、該支持壁の端部に連結されて充電端子と電気的に接続可能な基部と、前記板状部の前記支持壁が連結されていない端部から前記基部の側に延びる側壁とを有するものである。本発明の携帯電話装置は、前記電池パック端子を用いたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】図3は、本発明の電池パック端子の例を示す図であり、図12は携帯電話機本体を示す図であり、図13は図3に示す電池パック端子を取り付けた充電器を示す斜視図である。本発明の電池パック端子は、筺体の一部を構成する電池パック33を着脱可能に装着する携帯電話機本体31と、前記電池パック33を装着した携帯電話機本体31を着脱可能に装着して電池パック33を充電する充電器41との間に配設される電池パック端子1aであって、電池パック33に接続されている充電端子35、36と接触可能な板状部5と、該板状部5の対向する端部のそれぞれに連結されて前記板状部5を支持する複数の支持壁9、9と、該支持壁9、9のそれぞれの端部に連結されて、充電器41に接続されている充電端子45、46と電気的に接続可能な複数の基部7、7と、前記板状部5の支持壁9、9が連結されていない、対向する端部から基部7の側に延びる複数の側壁3、3とを有する電池パック端子1aである。
【0007】電池パック端子1aの板状部5等の幅、形状は、携帯電話機本体31、充電器41の形状に応じて適宜とされる。しかし、板状部5の形状が矩形形状であると、例えば、充電器41の凹部43の面積が小さくても、電池パック端子1aを充電器41に取付し易い。また、支持壁9、9が、板状部5の対向する両端部に連結されていると、板状部5の撓み変形が少ない。更に、板状部5と支持壁9とがなす角度α、板状部5と側壁3とがなす角度γが、それぞれ、約80〜120度であれば、板状部5が撓み変形し難いし、また板状部5、支持壁9が荷重Fによって永久変形し難い。支持壁9と基部7とのなす角度βが、約80〜120度であれば、基部7を充電端子に取付し易い。側壁9は複数であることが好ましい。またその高さH2が、支持壁9の高さH1の約0.7〜1.1倍であれば、側壁9が撓んだとき、側壁9の下端が取付面44に接触し易い。このため、板状部5の撓み変形がより少なくなる。また、基部7が複数の支持壁9、9のそれぞれに連結されていると、電池パック端子1aを、携帯電話機本体31又は充電器41に取付し易いし、板状部5の撓み変形が少い。
【0008】図1は本発明の電池パック端子の第1例を示す斜視図であり、図2は該電池パック端子の正面図、右側面図、左側図、底面図を示す。該電池パック端子は、図1に示すように、平坦で矩形形状の板状部5と、該板状部5の前後端が折り曲げられて形成された下方に延びる二つの支持壁9、9と、該支持壁9、9のそれぞれの端部が外方に折り曲げられて形成された二つの基部7、7と、前記板状部5の左右端が折り曲げられて形成され基部7、7側に、即ち下方に延びる二つの側壁3、3とを有してなる電池パック端子1aであって、側壁3の高さH2が支持壁9の高さH1の約0.5倍である例である。本例の電池パック端子1aの板状部5は、図8に示すように、荷重Fによっては撓みがたく、後記する図6R>6に示す電池パック端子の板状部5よりも撓み変形し難い。
【0009】図3は本発明の電池パック端子の第2例を示す図であって、該電池パック端子が、前記第1例の電池パック端子と異なる点は、側壁3の高さH2が、支持壁9の高さH1と実質的に同じである点である。側壁3の高さH2が支持壁9の高さH1と実質的に同じであるので、板状部5が荷重Fにより若干撓んで、図9に示すように側壁3の下端が取付面44に接触する。従って、側壁3による、板状部5の撓み変形防止効果が大きい。故に、図3に示す電池パック端子の板状部5は、図1に示す電池パック端子の板状部5よりも荷重Fによって撓み変形し難い。
【0010】図6は本発明の電池パック端子の第3例を示す図であって、該電池パック端子が、前記の図3に示す第2例の電池パック端子と異なる点は、側壁3が板状部5の両側でなく右側にのみ形成されている点である。本例の電池パック端子の板状部5は、後記する図7に示す電池パック端子の板状部5と比較して、荷重によって撓み変形し難い。
【0011】図7は本発明の電池パック端子の第4例を示す図であって、該電池パック端子が、前記の図1、2に示す第1例の電池パック端子と異なる点は、側壁3が板状部5の両側でなく右側にのみ形成されている点である。図7に示す電池パック端子の板状部5は、図10に示す側壁を有さない電池パック端子の板状部5よりも荷重Fによって撓み変形し難い。
【0012】本発明の電池パック端子1aは、導電性の板材、例えば金属の薄板を打ち抜き、打ち抜いた板材を折り曲げることにより容易に製造できる。図3示す電池パック端子を例にとり製法を説明する。まず、板材を打ち抜いて、図4に示すような十字状の打抜品とする。そして、該打抜品の折曲線11a、11aの所をほぼ直角に紙面裏側方向に折り曲げ、更に、折曲線11b、11bに沿って紙面に平行に且つ外方に折り曲げる。その結果、図5に示すように、支持壁9、9と、該支持壁9、9のそれぞれの端部から外方にほぼ直角に折り曲げられて形成された基部7、7とを、上部と下部とに有する折曲品が得られる。該折曲品の折曲線11c、11cの所をほぼ直角に紙面の裏側方向に折り曲げると、図3示すように、板状部5と支持壁9、9と基部7、7と側壁3、3とが、板材を折り曲げることにより一体に形成されている電池パック端子1aが得られる。
【0013】本発明の携帯電話装置は、図12〜14に示すように、前記電池パック端子1aを、携帯電話機本体31と充電器41との間に配設し、前記電池パック端子1aを携帯電話機本体31又は充電器41に取り付け、前記電池パック端子1aの基部7、7を充電器41側の充電端子45、46又は携帯電話機本体31側の電池パック33に電気的に接続されている充電端子35、36に電気的に接続したものである。
【0014】図12〜13に示す携帯電話装置は、図3に示す電池パック端子1aを充電器41の凹部43の下部に位置する取付面44に固着し、電池パック端子1aの基部7、7を充電器の充電端子45、46と電気的に接続した例を示す。即ち、該携帯電話装置は、図12、13に示すように、 筺体の一部を構成する電池パック33を着脱可能に装着する携帯電話機本体31と、前記電池パック33を装着した携帯電話機本体31を着脱可能に装着して電池パック33を充電する充電器41と、充電器41の取付面44に固着された電池パック端子1aとを備えた携帯電話装置であって、前記電池パック端子1aが、携帯電話機本体31側の充電端子35、36と接触可能な板状部5と、該板状部5の前後端が折り曲げられて下方に延び前記板状部5を支持する複数の支持壁9、9と、該支持壁9、9のそれぞれの端部が外方に折り曲げられ、充電器41側の充電端子45、46と電気的に接続された複数の基部7、7と、前記板状部5の前記支持壁9、9が連結されていない左右両端から前記基部7、7の側に延びる側壁3、3とを有してなる携帯電話装置である。本例の携帯電話装置では、電池パック端子1aが充電器41の凹部43に取り付けられているので、携帯電話機本体31は外観に優れる。
【0015】図12、13に示す携帯電話装置を使用する方法を以下に説明する。通話は、携帯電話機本体31を充電器41から取り外して行う。通話が終了したら、携帯電話機本体31を凹部43内に挿入して収容する。そうすると、携帯電話機本体31側に設けられた充電端子35、36が、電池パック端子1a、1aの板状部5、5のそれぞれの上面に接触する。これにより、充電器41から供給される電気は、充電器側の一方の端子45、一方の電池パック端子1aを通って、携帯電話機本体31側の一方の充電端子35に至り、電池パック33を充電し、他方の充電端子36から、他方の電池パック端子1a、充電器側の他方の充電端子46を通って充電器41に戻る。なお、電池パック端子1a、1aのそれぞれの基部7、7は、充電器41側の取付面44に固着され、基部7、7はハンダ付け等で充電端子45、46と電気的に接続される。
【0016】携帯電話機本体31を充電器41内に収容すると、携帯電話機本体31の荷重Fが、板状部5、5において垂直方向に加わる。このため、板状部5、5は撓むが、板状部5は支持壁9、9によって支持されるのみならず、撓んで取付面44に接触した側壁3、3によっても支持される。このため板状部5は大きくは撓まないので、携帯電話機本体31と板状部5、5との間の接圧を一定値以上に保つことができる。従って、充電端子35、36は板状部5、5の上面に確実に接触する。即ち、安定した端子接触が得られ、電池パック33の充電が確実である。
【0017】図14、15は、図3に示す電池パック端子1aを充電器41側ではなく、携帯電話機本体31側に取り付けた携帯電話装置の例を示す。図14に示す携帯電話機本体31を、図15に示す充電器41の凹部43に収容すると、携帯電話機本体31側に取り付けられた電池パック端子1aの板状部5、5は、充電器41側の充電端子45、46と接触し、電池パック33の充電が開始する。その他の点については、図12、13に示す第1例の携帯電話装置と異なるところがない。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電池パック端子は、撓み変形し難く、端子ホルダーを必要としないので、軽量である。しかも、製造が容易である。また、本発明の電池パック端子を用いた携帯電話装置は軽量である上に、端子接触が安定であり、電池パックの充電が確実である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電池パック端子の第1例を示す斜視図である。
【図2】 図1に示す電池パック端子を示す図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側図、(d)は底面図である。
【図3】 本発明の電池パック端子の第2例を示す図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側図、(d)は底面図である。
【図4】 図3に示す電池パック端子を製造するための打ち抜いた板材を示す平面図である。
【図5】 図4に示す板材の一部を折り曲げた折曲品を示す図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側図、(d)は底面図である。
【図6】 本発明の電池パック端子の第3例を示す図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側図、(d)は底面図である。
【図7】 本発明の電池パック端子の第4例を示す図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側図、(d)は底面図である。
【図8】 本発明の第1例の電池パック端子の荷重による撓み変形を示す斜視図である。
【図9】 本発明の第2例の電池パック端子の荷重による撓み変形を示す断面図である。
【図10】 従来例の電池パック端子の撓み変形を示す側面図である。
【図11】 ホルダーを用いた電池パック端子の撓み変形を示す断面図である。
【図12】 携帯電話機本体を示す図であって、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図13】 本発明の電池パック端子を取り付けた充電器を示す斜視図である。
【図14】 本発明の電池パック端子を取り付けた携帯電話機本体を示す図であって、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図15】 図14に示す携帯電話機本体の電池パックを充電するための充電器を示す斜視図である。
【図16】 従来例の電池パック端子の例を示す斜視図である。
【図17】 従来例の電池パック端子の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1a、1b・・電池パック端子、3・・側壁、5・・板状部、7・・基部、9・・支持壁、11a、11b、11c・・折曲線、21・・端子ホルダー、31・・携帯電話機本体、33・・電池パック、35、36・・充電端子(携帯電話機本体側)、37・・アンテナ、39・・インターフェースコネクタ、41・・充電器、43・・凹部、44・・取付面、45、46・・充電端子(充電器側)
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池パックを充電するために用いる電池パック端子及び該電池パック端子を用いた携帯電話装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平3ー184431号公報には、電池パックを着脱可能に装着する携帯電話機が開示されている。該公報に記載されているように、一般的な携帯電話機は、充電可能な2次電池を有している。そして、この2次電池は電池パックとして構成し、この電池パックを電話機本体の一部に、その筺体一部を構成するように電話機本体に着脱可能に設けている。電池パックとして、標準容量の電池パックの他に、高容量の電池パックを設け、これらを交換して使用し得るように構成される。そして、携帯電話機は、電源に接続されて充電を行うための充電器と電気的に接触させられ、電源からの電気は、充電器、電池パック端子を介して電池パックに充電される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この充電の際、携帯電話機本体は、電池パック端子の上に載置される。このため、図10に示すように、電池パック端子1bの板状部5には、携帯電話機の荷重Fが垂直方向から加わるので、板状部5は撓んで大きく変形し易い。板状部5が撓むと、安定した端子接触に必要な接圧を保持できなくなり、瞬断・電源断などの不具合を生じる。このため、電池パック端子の変形を防止することが必要であり、その方法として、図16に示すように、電池パック端子1bと端子1bとの間及び板状部5の下にモールド製の端子固定ホルダー21を補強材として用いる方法がある。この例では、図11に示すように、板状部5に荷重Fが加わっても、板状部5は撓み変形し難い。また、図17に示すように、板厚を厚くした電池パック端子1bを用いる方法がある。前記方法によれば電池パック端子1bは撓み変形し難いが、携帯電話機の重量が大きくなり、軽量化を図り難いという問題があった。
【0004】本発明は、撓み変形し難い上に軽量で、製造が容易な電池パック端子及び該電池パック端子を用いた携帯電話装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電池パック端子は、筺体の一部を構成する電池パックを着脱可能に装着する携帯電話機本体と、前記電池パックを装着した携帯電話機本体を着脱可能に装着して電池パックを充電する充電器との間に配設される電池パック端子であって、充電端子と接触可能な板状部と、該板状部の端部に連結されて前記板状部を支持する複数の支持壁と、該支持壁の端部に連結されて充電端子と電気的に接続可能な基部と、前記板状部の前記支持壁が連結されていない端部から前記基部の側に延びる側壁とを有するものである。本発明の携帯電話装置は、前記電池パック端子を用いたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】図3は、本発明の電池パック端子の例を示す図であり、図12は携帯電話機本体を示す図であり、図13は図3に示す電池パック端子を取り付けた充電器を示す斜視図である。本発明の電池パック端子は、筺体の一部を構成する電池パック33を着脱可能に装着する携帯電話機本体31と、前記電池パック33を装着した携帯電話機本体31を着脱可能に装着して電池パック33を充電する充電器41との間に配設される電池パック端子1aであって、電池パック33に接続されている充電端子35、36と接触可能な板状部5と、該板状部5の対向する端部のそれぞれに連結されて前記板状部5を支持する複数の支持壁9、9と、該支持壁9、9のそれぞれの端部に連結されて、充電器41に接続されている充電端子45、46と電気的に接続可能な複数の基部7、7と、前記板状部5の支持壁9、9が連結されていない、対向する端部から基部7の側に延びる複数の側壁3、3とを有する電池パック端子1aである。
【0007】電池パック端子1aの板状部5等の幅、形状は、携帯電話機本体31、充電器41の形状に応じて適宜とされる。しかし、板状部5の形状が矩形形状であると、例えば、充電器41の凹部43の面積が小さくても、電池パック端子1aを充電器41に取付し易い。また、支持壁9、9が、板状部5の対向する両端部に連結されていると、板状部5の撓み変形が少ない。更に、板状部5と支持壁9とがなす角度α、板状部5と側壁3とがなす角度γが、それぞれ、約80〜120度であれば、板状部5が撓み変形し難いし、また板状部5、支持壁9が荷重Fによって永久変形し難い。支持壁9と基部7とのなす角度βが、約80〜120度であれば、基部7を充電端子に取付し易い。側壁9は複数であることが好ましい。またその高さH2が、支持壁9の高さH1の約0.7〜1.1倍であれば、側壁9が撓んだとき、側壁9の下端が取付面44に接触し易い。このため、板状部5の撓み変形がより少なくなる。また、基部7が複数の支持壁9、9のそれぞれに連結されていると、電池パック端子1aを、携帯電話機本体31又は充電器41に取付し易いし、板状部5の撓み変形が少い。
【0008】図1は本発明の電池パック端子の第1例を示す斜視図であり、図2は該電池パック端子の正面図、右側面図、左側図、底面図を示す。該電池パック端子は、図1に示すように、平坦で矩形形状の板状部5と、該板状部5の前後端が折り曲げられて形成された下方に延びる二つの支持壁9、9と、該支持壁9、9のそれぞれの端部が外方に折り曲げられて形成された二つの基部7、7と、前記板状部5の左右端が折り曲げられて形成され基部7、7側に、即ち下方に延びる二つの側壁3、3とを有してなる電池パック端子1aであって、側壁3の高さH2が支持壁9の高さH1の約0.5倍である例である。本例の電池パック端子1aの板状部5は、図8に示すように、荷重Fによっては撓みがたく、後記する図6R>6に示す電池パック端子の板状部5よりも撓み変形し難い。
【0009】図3は本発明の電池パック端子の第2例を示す図であって、該電池パック端子が、前記第1例の電池パック端子と異なる点は、側壁3の高さH2が、支持壁9の高さH1と実質的に同じである点である。側壁3の高さH2が支持壁9の高さH1と実質的に同じであるので、板状部5が荷重Fにより若干撓んで、図9に示すように側壁3の下端が取付面44に接触する。従って、側壁3による、板状部5の撓み変形防止効果が大きい。故に、図3に示す電池パック端子の板状部5は、図1に示す電池パック端子の板状部5よりも荷重Fによって撓み変形し難い。
【0010】図6は本発明の電池パック端子の第3例を示す図であって、該電池パック端子が、前記の図3に示す第2例の電池パック端子と異なる点は、側壁3が板状部5の両側でなく右側にのみ形成されている点である。本例の電池パック端子の板状部5は、後記する図7に示す電池パック端子の板状部5と比較して、荷重によって撓み変形し難い。
【0011】図7は本発明の電池パック端子の第4例を示す図であって、該電池パック端子が、前記の図1、2に示す第1例の電池パック端子と異なる点は、側壁3が板状部5の両側でなく右側にのみ形成されている点である。図7に示す電池パック端子の板状部5は、図10に示す側壁を有さない電池パック端子の板状部5よりも荷重Fによって撓み変形し難い。
【0012】本発明の電池パック端子1aは、導電性の板材、例えば金属の薄板を打ち抜き、打ち抜いた板材を折り曲げることにより容易に製造できる。図3示す電池パック端子を例にとり製法を説明する。まず、板材を打ち抜いて、図4に示すような十字状の打抜品とする。そして、該打抜品の折曲線11a、11aの所をほぼ直角に紙面裏側方向に折り曲げ、更に、折曲線11b、11bに沿って紙面に平行に且つ外方に折り曲げる。その結果、図5に示すように、支持壁9、9と、該支持壁9、9のそれぞれの端部から外方にほぼ直角に折り曲げられて形成された基部7、7とを、上部と下部とに有する折曲品が得られる。該折曲品の折曲線11c、11cの所をほぼ直角に紙面の裏側方向に折り曲げると、図3示すように、板状部5と支持壁9、9と基部7、7と側壁3、3とが、板材を折り曲げることにより一体に形成されている電池パック端子1aが得られる。
【0013】本発明の携帯電話装置は、図12〜14に示すように、前記電池パック端子1aを、携帯電話機本体31と充電器41との間に配設し、前記電池パック端子1aを携帯電話機本体31又は充電器41に取り付け、前記電池パック端子1aの基部7、7を充電器41側の充電端子45、46又は携帯電話機本体31側の電池パック33に電気的に接続されている充電端子35、36に電気的に接続したものである。
【0014】図12〜13に示す携帯電話装置は、図3に示す電池パック端子1aを充電器41の凹部43の下部に位置する取付面44に固着し、電池パック端子1aの基部7、7を充電器の充電端子45、46と電気的に接続した例を示す。即ち、該携帯電話装置は、図12、13に示すように、 筺体の一部を構成する電池パック33を着脱可能に装着する携帯電話機本体31と、前記電池パック33を装着した携帯電話機本体31を着脱可能に装着して電池パック33を充電する充電器41と、充電器41の取付面44に固着された電池パック端子1aとを備えた携帯電話装置であって、前記電池パック端子1aが、携帯電話機本体31側の充電端子35、36と接触可能な板状部5と、該板状部5の前後端が折り曲げられて下方に延び前記板状部5を支持する複数の支持壁9、9と、該支持壁9、9のそれぞれの端部が外方に折り曲げられ、充電器41側の充電端子45、46と電気的に接続された複数の基部7、7と、前記板状部5の前記支持壁9、9が連結されていない左右両端から前記基部7、7の側に延びる側壁3、3とを有してなる携帯電話装置である。本例の携帯電話装置では、電池パック端子1aが充電器41の凹部43に取り付けられているので、携帯電話機本体31は外観に優れる。
【0015】図12、13に示す携帯電話装置を使用する方法を以下に説明する。通話は、携帯電話機本体31を充電器41から取り外して行う。通話が終了したら、携帯電話機本体31を凹部43内に挿入して収容する。そうすると、携帯電話機本体31側に設けられた充電端子35、36が、電池パック端子1a、1aの板状部5、5のそれぞれの上面に接触する。これにより、充電器41から供給される電気は、充電器側の一方の端子45、一方の電池パック端子1aを通って、携帯電話機本体31側の一方の充電端子35に至り、電池パック33を充電し、他方の充電端子36から、他方の電池パック端子1a、充電器側の他方の充電端子46を通って充電器41に戻る。なお、電池パック端子1a、1aのそれぞれの基部7、7は、充電器41側の取付面44に固着され、基部7、7はハンダ付け等で充電端子45、46と電気的に接続される。
【0016】携帯電話機本体31を充電器41内に収容すると、携帯電話機本体31の荷重Fが、板状部5、5において垂直方向に加わる。このため、板状部5、5は撓むが、板状部5は支持壁9、9によって支持されるのみならず、撓んで取付面44に接触した側壁3、3によっても支持される。このため板状部5は大きくは撓まないので、携帯電話機本体31と板状部5、5との間の接圧を一定値以上に保つことができる。従って、充電端子35、36は板状部5、5の上面に確実に接触する。即ち、安定した端子接触が得られ、電池パック33の充電が確実である。
【0017】図14、15は、図3に示す電池パック端子1aを充電器41側ではなく、携帯電話機本体31側に取り付けた携帯電話装置の例を示す。図14に示す携帯電話機本体31を、図15に示す充電器41の凹部43に収容すると、携帯電話機本体31側に取り付けられた電池パック端子1aの板状部5、5は、充電器41側の充電端子45、46と接触し、電池パック33の充電が開始する。その他の点については、図12、13に示す第1例の携帯電話装置と異なるところがない。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電池パック端子は、撓み変形し難く、端子ホルダーを必要としないので、軽量である。しかも、製造が容易である。また、本発明の電池パック端子を用いた携帯電話装置は軽量である上に、端子接触が安定であり、電池パックの充電が確実である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電池パック端子の第1例を示す斜視図である。
【図2】 図1に示す電池パック端子を示す図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側図、(d)は底面図である。
【図3】 本発明の電池パック端子の第2例を示す図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側図、(d)は底面図である。
【図4】 図3に示す電池パック端子を製造するための打ち抜いた板材を示す平面図である。
【図5】 図4に示す板材の一部を折り曲げた折曲品を示す図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側図、(d)は底面図である。
【図6】 本発明の電池パック端子の第3例を示す図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側図、(d)は底面図である。
【図7】 本発明の電池パック端子の第4例を示す図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側図、(d)は底面図である。
【図8】 本発明の第1例の電池パック端子の荷重による撓み変形を示す斜視図である。
【図9】 本発明の第2例の電池パック端子の荷重による撓み変形を示す断面図である。
【図10】 従来例の電池パック端子の撓み変形を示す側面図である。
【図11】 ホルダーを用いた電池パック端子の撓み変形を示す断面図である。
【図12】 携帯電話機本体を示す図であって、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図13】 本発明の電池パック端子を取り付けた充電器を示す斜視図である。
【図14】 本発明の電池パック端子を取り付けた携帯電話機本体を示す図であって、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図15】 図14に示す携帯電話機本体の電池パックを充電するための充電器を示す斜視図である。
【図16】 従来例の電池パック端子の例を示す斜視図である。
【図17】 従来例の電池パック端子の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1a、1b・・電池パック端子、3・・側壁、5・・板状部、7・・基部、9・・支持壁、11a、11b、11c・・折曲線、21・・端子ホルダー、31・・携帯電話機本体、33・・電池パック、35、36・・充電端子(携帯電話機本体側)、37・・アンテナ、39・・インターフェースコネクタ、41・・充電器、43・・凹部、44・・取付面、45、46・・充電端子(充電器側)
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筺体の一部を構成する電池パックを着脱可能に装着する携帯電話機本体と、前記電池パックを装着した携帯電話機本体を着脱可能に装着して電池パックを充電する充電器との間に配設される電池パック端子であって、充電端子と接触可能な板状部と、該板状部の端部に連結されて前記板状部を支持する複数の支持壁と、該支持壁の端部に連結されて充電端子と電気的に接続可能な基部と、前記板状部の前記支持壁が連結されていない端部から前記基部の側に延びる側壁とを有する電池パック端子。
【請求項2】 板状部と支持壁と基部と側壁とが、板材を折り曲げることにより一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電池パック端子。
【請求項3】 筺体の一部を構成する電池パックを着脱可能に装着する携帯電話機本体と、前記電池パックを装着した携帯電話機本体を着脱可能に装着し電池パックを充電する充電器と、前記携帯電話機本体と前記充電器との間に配設された電池パック端子とを備えた携帯電話装置であって、前記電池パック端子が、充電端子と接触可能な板状部と、該板状部の端部に連結されて前記板状部を支持する複数の支持壁と、該支持壁の端部に連結されて充電端子と電気的に接続された基部と、前記板状部の前記支持壁が連結されていない端部から前記基部の側に延びる側壁と、を有する携帯電話装置。
【請求項1】 筺体の一部を構成する電池パックを着脱可能に装着する携帯電話機本体と、前記電池パックを装着した携帯電話機本体を着脱可能に装着して電池パックを充電する充電器との間に配設される電池パック端子であって、充電端子と接触可能な板状部と、該板状部の端部に連結されて前記板状部を支持する複数の支持壁と、該支持壁の端部に連結されて充電端子と電気的に接続可能な基部と、前記板状部の前記支持壁が連結されていない端部から前記基部の側に延びる側壁とを有する電池パック端子。
【請求項2】 板状部と支持壁と基部と側壁とが、板材を折り曲げることにより一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電池パック端子。
【請求項3】 筺体の一部を構成する電池パックを着脱可能に装着する携帯電話機本体と、前記電池パックを装着した携帯電話機本体を着脱可能に装着し電池パックを充電する充電器と、前記携帯電話機本体と前記充電器との間に配設された電池パック端子とを備えた携帯電話装置であって、前記電池パック端子が、充電端子と接触可能な板状部と、該板状部の端部に連結されて前記板状部を支持する複数の支持壁と、該支持壁の端部に連結されて充電端子と電気的に接続された基部と、前記板状部の前記支持壁が連結されていない端部から前記基部の側に延びる側壁と、を有する携帯電話装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開平11−355199
【公開日】平成11年(1999)12月24日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−163871
【出願日】平成10年(1998)6月11日
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【公開日】平成11年(1999)12月24日
【国際特許分類】
【出願日】平成10年(1998)6月11日
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
[ Back to top ]