説明

電池モジュール

【課題】充放電の際に電極群で発生する熱を効率よく電池容器表面に伝えることで単電池セルを効果的に冷却するとともに、電池モジュールの小型化を図る。
【解決手段】電池モジュール100は、複数の単電池セル101の外部端子同士がブスバ161によって電気的に接続されている。電池モジュール100は、ブスバ161に直接接触され、ブスバ161を覆う伝熱カバー151を備え、伝熱カバー151は、絶縁性を有する熱伝導性部材であって、単電池セル101の電池容器に直接接触されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の二次電池を電気的に接続した電池モジュールに関するものであり、特に電池モジュールの冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド電気自動車や純粋な電気自動車に搭載される電池モジュールは、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等の多数の二次電池(以下、単電池セルと記す。)を組み合わせて構成される。電池モジュールを構成する単電池セルは、充放電の際、内部抵抗に起因した発熱が生じ、温度が上昇するほど、容量減少等の寿命に関する性能劣化が起こりやすくなる。
【0003】
単電池セルの温度上昇は、電池寿命の観点からできるだけ小さくすることが望ましい。特許文献1には、外部端子にフィンが設けられた電池の冷却構造が記載されている。外部端子は、集電端子を介して電極群に熱的に結合されている。特許文献1に記載の単電池セルおよび電池モジュールでは、外部端子のフィンに冷却風を当てることで、充放電の際に電極群で発生した熱を、外部端子から放熱することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−319388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の冷却構造では、十分な冷却効果を得るためにフィンを複数段設けるなどして放熱面積を広くする必要があり、電池モジュールが大きくなってしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、複数の単電池セルの外部端子同士が導電部材によって電気的に接続されている電池モジュールであって、導電部材に直接接触され、導電部材を覆う伝熱カバーを備え、伝熱カバーは、絶縁性を有する熱伝導性部材であって、単電池セルの電池容器に直接接触されていることを特徴とする電池モジュールである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電池モジュールにおいて、導電部材は、伝熱カバーによって保持されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の電池モジュールにおいて、導電部材は、伝熱カバーに直接接触される面を有する平板部を有し、伝熱カバーには、導電部材の平板部を収容する凹形状の収容部が設けられ、収容部は、導電部材の平板部が直接接触される底面と、導電部材の平板部の周囲を覆うように底面から立ち上がる側壁とを有し、側壁の端面の一部が単電池セルの電池容器に直接接触されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の電池モジュールにおいて、伝熱カバーの側壁が単電池セルの表面および単電池セルを保持する部材に当接され、伝熱カバーの収容部と単電池セルの表面と単電池セルを保持する部材とにより、密閉空間が形成されることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項3または4に記載の電池モジュールにおいて、導電部材は、平板部から立ち上がる立ち上がり部と、立ち上がり部から屈曲して平板部と平行に延在する電圧検出用端子部とを有し、伝熱カバーには、導電部材の立ち上がり部が挿通される貫通孔が設けられ、導電部材は、立ち上がり部が伝熱カバーの貫通孔に挿通され、電圧検出用端子部と平板部とにより伝熱カバーを挟持するようにして取り付けられていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項3ないし5のいずれか1項に記載の電池モジュールにおいて、伝熱カバーは、収容部の側壁から内側に向かって突設される保持部をさらに有し、導電部材の平板部は、収容部の底面と保持部とによって挟持され、保持部は、一部が単電池セルの電池容器に直接接触されていることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の電池モジュールにおいて、複数の単電池セルのそれぞれは、電池容器に収容される電極群と電池容器とを絶縁する絶縁フィルムを有し、伝熱カバーの材質は、絶縁フィルムの熱伝導率よりも高い熱伝導率を有し、絶縁フィルムの体積抵抗率よりも低い体積抵抗率を有していることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の電池モジュールにおいて、外部端子は、伝熱カバーと直接接触されていることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電池モジュールにおいて、導電部材と伝熱カバーとは個別に形成され、導電部材の材質は金属であり、伝熱カバーの材質はシリコンゴムであることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の電池モジュールにおいて、内部に冷却媒体が流れる冷媒流路を有する冷却プレートと、絶縁シートとを備え、複数の電池セルは、絶縁シートを介して冷却プレートに熱結合されていることを特徴とする。
請求項11に係る発明は、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の電池モジュールにおいて、他の電池モジュールに接続される導電部材または電力取り出し用の導電部材に電気的に接続される外部接続用導電部材と、外部接続用導電部材に取り付けられる補助伝熱カバーとをさらに備え、補助伝熱カバーは、絶縁性を有する熱伝導性部材であって、単電池セルの電池容器に直接接触されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、充放電の際に電極群で発生する熱を効率よく電池容器表面に伝えることで単電池セルを効果的に冷却できるとともに、電池モジュールの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電池モジュールを示す外観斜視図。
【図2】図1に示された電池モジュールの分解斜視図。
【図3】単電池セルの外観斜視図。
【図4】単電池セルの分解斜視図。
【図5】単電池セルの電池容器に収容される捲回電極群を示す斜視図。
【図6】図1のVI−VI線切断断面図。
【図7】(a)は、図2に示されたカバー、基板およびアイソレーションプレートを取り除いた状態の第1セルグループを側面から見た模式図、(b)は、図2に示された第1セルグループの単電池セルを直列に接続した状態を示す模式図。
【図8】図2に示された第1ブスバ組立体の外観斜視図。
【図9】図2に示された第1ブスバ組立体の外観斜視図。
【図10】図2に示された第1ブスバ組立体の分解斜視図。
【図11】図2に示された第2ブスバ組立体の外観斜視図。
【図12】図2に示された第2ブスバ組立体の分解斜視図。
【図13】図2に示された第3ブスバ組立体の外観斜視図。
【図14】図2に示された第3ブスバ組立体の分解斜視図。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る電池モジュールを示す外観斜視図。
【図16】図15に示された電池モジュールの分解斜視図。
【図17】(a)は、図16に示されたカバー、基板およびアイソレーションプレートを取り除いた状態の電池モジュールを上面から見た模式図、(b)は、図16に示された電池モジュールの単電池セルを直列に接続した状態を示す模式図。
【図18】図15のXVIII−XVIII線切断断面図。
【図19】図16に示されたブスバ組立体の外観斜視図。
【図20】図16に示されたブスバ組立体の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明をハイブリッド電気自動車や純粋な電気自動車に搭載される蓄電装置に組み込まれる電池モジュールであって、角形リチウムイオン二次電池(以下、単電池セルと記す。)を複数備えた電池モジュールに適用した実施の形態について説明する。なお、同様の形状、同種の材質の構成要素には、同一の符号を付けた。
【0010】
−第1の実施の形態−
図1は本発明の第1の実施の形態に係る電池モジュール100を示す外観斜視図であり、図2は電池モジュール100の分解斜視図である。図示するように奥行き方向をx方向、長さ方向をy方向、高さ方向をz方向とする。
【0011】
図1に示すように、電池モジュール100は、略直方体形状であり、後述するエンドプレートやセル分離プレート、ボルト、ナット等を含んで構成される一体化機構により複数の単電池セルを保持している。電池モジュール100には、電力取り出し用の配線である電力ケーブル166が取り付けられている。
【0012】
図2に示すように、電池モジュール100は、多数の単電池セル101を有する。単電池セル101は、電池モジュール100のx(奥行き)方向のほぼ中央部に配置された冷却プレート180上に並置されている。冷却プレート180と各単電池セル101の底面との間には伝熱シート189が介在され、単電池セル101が伝熱シート189を介して冷却プレート180に熱結合されている。
【0013】
冷却プレート180の材質は、熱伝導性に優れた材質であり、たとえばアルミニウムである。伝熱シート189の材質は、良好な熱伝導性と電気的絶縁性とを有する材質であり、たとえばシリコンゴムである。伝熱シート189としては、1〜5W/m・K程度の熱伝導率、および、1010〜1011Ω・cm程度の体積抵抗率を有する絶縁シートを採用することが好適である。
【0014】
伝熱シート189は、さらに適度な柔軟性と粘着性を有しており、単電池セル101の底面と冷却プレート180との間に隙間ができないように、単電池セル101および冷却プレート180の双方に密着するように当接されている。
【0015】
冷却プレート180は、直方体形状に形成され、内部にエチレングリコール水溶液などの冷却媒体が流れる冷媒流路(不図示)がy方向に沿って直線的に設けられている。冷却プレート180の一端には冷却媒体が導入される冷媒入口部181が設けられ、冷却プレート180の他端には冷却媒体が排出される冷媒出口部182が設けられている。
【0016】
冷媒入口部181および冷媒出口部182には図示しないホースやパイプ等が取り付けられ、冷却プレート180は図示しない冷媒冷却システムに接続される。冷却媒体は、冷媒冷却システムから冷媒入口部181に供給され、冷却プレート180内をy方向に流れ、冷媒出口部182から排出されて冷媒冷却システムに回収される。
【0017】
図示しない冷媒冷却システムは、冷却媒体を冷媒冷却システム内で循環させるポンプと、冷却媒体を一時的に貯蔵するバッファとしての役割を備えるタンクと、単電池セル101の熱を奪って暖められた冷却媒体を大気との間で熱交換することで冷却するラジエータとを含んで構成される。
【0018】
図2に示すように、複数の単電池セル101は、冷却プレート180の一面(図示手前側の面、以下、表面と記す。)および表面に対向する厚さ方向の他面(以下、裏面と記す)に沿って、図示するように、y(長さ)方向に3列、z(高さ)方向に4段で配列されている。
【0019】
電池モジュール100は、図示するように、冷却プレート180の表面側と裏面側とで対称となるように各部品が配置されている。後述するカバー123、基板129、アイソレーションプレート122や第3ブスバ組立体193は冷却プレート180を挟んで対称形状とされている点が異なるが、同様の機能を有しているため同一の参照番号を記載し、以下、冷却プレート180の表面側に配置される構成部品について主に説明する。なお、冷却プレート180の表面側に配列される12個の単電池セル101(以下、第1セルグループと記す。)と、冷却プレート180の裏面側に配列される12個の単電池セル101(以下、第2セルグループと記す。)とは、後述する連結ブスバ168により直列に接続される。このため、第1セルグループと第2セルグループでは、正極と負極の配置レイアウトが相互に逆となっている。たとえば、第1セルグループにおいて連結ブスバ168が接続される連結用ブスバ164は単電池セル101の負極外部端子に接続され、第2セルグループにおいて連結ブスバ168が接続される連結用ブスバ164は単電池セル101の正極外部端子に接続されている。
【0020】
各段の単電池セル101同士の間には、セル分離プレート143,144が介装されている。最上段の単電池セル101の上部には、x−y面に配列された最上段の単電池セル101全体を覆うエンドプレート141が配置されている。最下段の単電池セル101の下部には、x−y面に配列された最下段の単電池セル101全体を覆うエンドプレート142が配置されている。
【0021】
エンドプレート141,142およびセル分離プレート143,144は、それぞれ、ボルト130が挿通される貫通孔を有する挿通部141a,142a,143a,144aと、単電池セル101の幅広側面に当接される幅広側面絶縁部141b,142b,143b,144bとを備えている(図7(b)参照)。
【0022】
エンドプレート141,142およびセル分離プレート144には、それぞれ、単電池セル101の幅狭側面に当接される幅狭側面絶縁部141c,142c,144cが設けられている(図7(b)参照)。幅狭側面絶縁部141c,142c,144cの端面は、単電池セル101の電池蓋102Bの表面と同一面上に位置している(図6参照)。なお、幅広側面絶縁部141b,142b,143b,144bの端面も同様に、単電池セル101の電池蓋102Bの表面と同一面上に位置している。エンドプレート141,142、および、セル分離プレート143,144の材質は、絶縁性を有する材質であり、たとえば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリフタルアミド、ポリブチレンテレフタレート等である。
【0023】
図2に示すように、第1セルグループを構成する単電池セル101のx(奥行き)方向における外側(図示手前側)には、第1セルグループを構成する全ての単電池セル101の電池蓋表面(y−z面)を覆うアイソレーションプレート122が配置されている。アイソレーションプレート122のx(奥行き)方向の外側(図示手前側)には基板129が配置され、アイソレーションプレート122にねじで固定されている。
【0024】
基板129のx(奥行き)方向の外側(図示手前側)には、基板129を覆うカバー123が配置されている。カバー123は、絶縁性を有する樹脂材により成形されている。カバー123は、導電性の異物、たとえば、水、埃、油分等、あるいは複合材料等の侵入を防止するためのものであり、アイソレーションプレート122の外側の側面全体を覆うように取り付けられる。
【0025】
エンドプレート141,142、および、セル分離プレート143,144は、単電池セル101を挟持するようにして配置され、ボルト130およびナット131により結合される。エンドプレート141は、ボルト132により冷却プレート180に結合される。同様に、エンドプレート142は、ボルト(不図示)により冷却プレート180に結合される。
【0026】
アイソレーションプレート122には、x方向中心側に向かって突出する複数の係合爪122cや単電池セル101の電池蓋表面に当接される当接部が形成されている。エンドプレート141,142には、係合爪122cと係合する係合溝120cが形成されている。係合爪122cが係合溝120cに装着されると、単電池セル101がアイソレーションプレート122によって冷却プレート180側に押圧される。
【0027】
単電池セル101が冷却プレート180側に押圧されると、柔軟性および粘着性を有する伝熱シート189が所定量圧縮され、伝熱シート189が単電池セル101の電池容器底面と冷却プレート180の表面に密着する。
【0028】
上記のように、エンドプレート141,142、セル分離プレート143,144、アイソレーションプレート122およびボルト130,132、ナット131を含んで構成される一体化機構により、複数の単電池セル101が伝熱シート189を介して冷却プレート180に熱結合され、かつ、単電池セル101同士が電気的に絶縁された状態で、一体的に保持される。
【0029】
電池モジュール100を構成する単電池セル101について説明する。電池モジュール100を構成する複数の単電池セル101は、いずれも同様の構造である。図3は単電池セル101の外観斜視図であり、図4は単電池セル101の分解斜視図である。図5は単電池セル101の電池容器に収容される捲回電極群170を示す斜視図である。
【0030】
図3および図4に示すように、単電池セル101は、電池缶102Aと電池蓋102Bとを有する電池容器を備えている。電池缶102Aおよび電池蓋102Bの材質は、いずれもアルミニウムである。電池缶102Aは、一端部に開口を有する矩形箱状とされる。電池蓋102Bは、矩形平板状であって、電池缶102Aの開口を塞ぐように溶接されている。つまり、電池蓋102Bは、電池缶102Aを封止している。
【0031】
図4に示すように、電池缶102Aには、蓄電要素である捲回電極群170が絶縁フィルム179に覆われた状態で収容されている。捲回電極群170と電池容器とは、絶縁フィルム179により絶縁されている。絶縁フィルム179の材質は、たとえば0.2W/m・K程度の熱伝導率、および、1018Ω・cm程度の体積抵抗率を有するポリプロピレンである。
【0032】
捲回電極群170は、図5に示すように、長尺状の正極電極174および負極電極175をセパレータ173を介在させて扁平状に捲回することで積層して構成されている。
【0033】
正極電極174は、正極箔171と、正極箔171の両面に正極活物質合剤が塗工されて形成される正極活物質合剤層176とを有する。負極電極175は、負極箔172と、負極箔172の両面に負極活物質合剤が塗工されて形成される負極活物質合剤層177とを有する。正極活物質と負極活物質との間では、充放電が行われる。正極箔171は、厚さ30μm程度のアルミニウム箔であり、負極箔172は、厚さ20μm程度の銅箔である。セパレータ173の素材は多孔質のポリエチレン樹脂である。
【0034】
捲回電極群170の幅方向(捲回方向に直交する方向)の両端部は、一方が正極活物質合剤層176が形成されていない未塗工部(正極箔171の露出部)が積層された部分とされ、他方が負極活物質合剤層177が形成されていない未塗工部(負極箔172の露出部)が積層された部分とされている。正極側未塗工部の積層体および負極側未塗工部の積層体は、それぞれ予め押し潰され、それぞれ後述の正極集電体21および負極集電体31(図4参照)と超音波接合される。
【0035】
図3に示すように、電池蓋102Bには、注液部107が設けられている。注液部107には、図4に示すように電池容器内に電解液を注入するための注液孔107aが穿設されている。注液孔107aは、電解液注入後に注液栓107bによって封止される。注液栓107bは、溶接によって電池蓋102Bに固定される。電解液としては、たとえば、エチレンカーボネート等の炭酸エステル系の有機溶媒に6フッ化リン酸リチウム(LiPF)等のリチウム塩が溶解された非水電解液を用いることができる。電解液が電池缶102Aに注入されると、捲回電極群170の内部全域には、電解液が含浸される。
【0036】
図3および図4に示すように、電池蓋102Bの中央部分には、ガス排出弁103が形成されている。単電池セル101の容器表面に設けられるガス排出弁103は、内圧作用時の応力集中度合が相対的に高くなるように、プレスによって電池蓋102Bを部分的に薄肉化することで形成されている。これにより、電池缶102A内が所定圧力(たとえば、約1MPa)に達すると、ガス排出弁103が優先的に破壊されて、ガスが電池容器の外部上方に向かって排出される。
【0037】
図3に示すように、電池蓋102Bには、正極端子組立部60および負極端子組立部70が配設されている。図4に示すように、正極端子組立部60は、正極端子接続部61と、正極端子板63と、正極集電体21に接続された正極接続端子62と、ガスケット65と、端子台64とを有している。
【0038】
負極端子組立部70は、負極端子接続部71と、負極端子板73と、負極集電体31に接続された負極接続端子72と、ガスケット65と、端子台64とを有している。なお、正極端子板63と正極接続端子62とで正極外部端子を構成するものとし、負極端子板73と負極接続端子72とで負極外部端子を構成するものとする。
【0039】
正極端子板63、正極接続端子62および正極集電体21の材質はいずれもアルミニウムである。負極端子板73、負極接続端子72および負極集電体31の材質は銅である。なお、正極端子接続部61および負極端子接続部71は、アルミニウムや銅に比べて剛性の高い材質であり、たとえばステンレススチールである。ガスケット65および端子台64の材質は、ポリブチレンテレフタレートやポリフェニレンサルファイド、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂等の絶縁性を有する樹脂である。
【0040】
正極端子組立部60および負極端子組立部70は、外部端子の材質が異なるものの同様の構成とされ、それぞれ同様に電池蓋102Bに組み付けられて電池蓋102Bに一体的に固定される。したがって、以下、代表して正極端子組立部60について説明する。
【0041】
正極端子板63は、矩形平板状部材であって、円形状の貫通孔63aと円形状の貫通孔63bとが形成されている。正極端子接続部61は、矩形平板状のベース部61bと、ベース部61bに立設された円柱部61aとを有する。端子台64は、矩形平板状の基部と、基部の外縁から立ち上がる側壁とを備えている。端子台64の側壁の内面形状は、正極端子板63の外形形状に対応して形成され、端子台64の側壁内側に正極端子板63が嵌合される。
【0042】
端子台64の基部には、矩形凹部64aと、円形状の貫通孔64bとが形成されている。正極端子接続部61のベース部61bは、端子台64の矩形凹部64aに嵌合される。正極端子接続部61の円柱部61aは、正極端子板63の貫通孔63aに挿通される。正極端子接続部61のベース部61bは、正極端子板63と端子台64とによって挟持される。
【0043】
ガスケット65は開口部65aと鍔部65bとを有する段付きリング状に形成されている。ガスケット65は電池蓋102Bに設けられた円形状の貫通孔に挿通される。
【0044】
正極接続端子62は、円板状のフランジ62cと、フランジ62cから上方に立設された径大の上部筒部62bと、フランジ62cから下方に立設された径小の下部筒部62aとを有する。正極接続端子62は、上部筒部62bが、ガスケット65の開口部65aおよび正極端子板63の貫通孔63bに挿通される。
【0045】
正極接続端子62の上部筒部62bは、正極端子板63の貫通孔63bに挿通された後にかしめられ、正極接続端子62が正極端子板63に固定される。上部筒部62bがかしめられると、かしめ部62sが形成される(図6参照)。
【0046】
図4に示すように、正極集電体21は、電池蓋102Bの内面に沿う座面部21aと、座面部21aの長辺側部から略直角に曲がって、電池缶102Aの幅広面に沿いながら電池缶102A底面に向かって延在する平面部21bと、平面部21bの下端に設けた接続部21cにより接続される接合部21dとを備えている。
【0047】
座面部21aには、貫通孔21eが設けられている。正極接続端子62の下部筒部62aは、正極集電体21の貫通孔21eに挿通された後にかしめられ、正極接続端子62が正極集電体21に固定される。接合部21dは、捲回電極群170の正極側未塗工部(正極箔171の露出部)の積層体に超音波接合される。
【0048】
正極端子組立部60を作製する手順の一例を説明する。
正極集電体21の貫通孔21eに正極接続端子62の下部筒部62aを挿通させ、下部筒部62aの端面を押圧することにより、正極接続端子62を正極集電体21にかしめにより固定する。
【0049】
正極端子接続部61のベース部61bを端子台64の矩形凹部64aに嵌合する。正極端子板63の貫通孔63aに正極端子接続部61の円柱部61aを挿通させ、正極端子板63を端子台64の側壁内側に嵌合する。
【0050】
端子台64の貫通孔64bを電池蓋102Bの貫通孔に位置合わせして、端子台64を電池蓋102B上に配置する。ガスケット65を電池蓋102Bの貫通孔および端子台64の貫通孔64bに挿通する。この工程は、先にガスケット65を電池蓋102Bの貫通孔に挿着してから、端子台64を組み付けるようにしてもよい。
【0051】
正極接続端子62の上部筒部62bをガスケット65の開口部65aおよび正極端子板63の貫通孔63bに挿通し、上部筒部62bを押圧して、正極接続端子62を正極端子板63にかしめにより固定する。以上の工程により、正極端子組立部60が電池蓋102Bに一体的に固定される。
【0052】
図6は、図1のVI−VI線切断断面図である。図6に示すように、正極端子接続部61および正極端子板63と、電池蓋102Bとの間には、端子台64のベース部が介在しているため、正極端子接続部61および正極端子板63と、電池蓋102Bとが電気的に絶縁されている。
【0053】
ガスケット65は、正極接続端子62と電池蓋102Bの貫通孔との間に設けられ、電解液が漏れ出さないように、電池容器を密閉している。正極接続端子62と電池蓋102Bとの間にガスケット65が介在しているため、正極接続端子62と電池蓋102Bとが電気的に絶縁されている。
【0054】
上記したように、負極端子組立部70(図4参照)は、正極端子組立部60と同様の構成とされ、正極端子組立部60と同様に組み付けられて電池蓋102Bに一体的に固定される。負極集電体31は、材料が異なることと、左右対称の形状をしていることを除いて、正極集電体21と同一である。負極端子板73および負極接続端子72は材料が相違することを除いて、それぞれ正極端子板63および正極接続端子62と同一である。なお、負極接続端子72は、正極接続端子62がかしめにより正極端子板63に固定されるのと同様に、かしめにより負極端子板73に固定され、図6に示すように、負極接続端子72にはかしめ部72sが形成される。負極端子接続部71は、正極端子接続部61と同一材質、同一形状の部材である。負極側の端子台64およびガスケット65は、正極側と共通部材である。
【0055】
負極端子組立部70は、正極端子組立部60と左右対称の構造であり、正極端子組立部60と同じ組付け方法で電池蓋102Bに一体的に固定されるということを説明するに留め、詳細な説明は省略する。
【0056】
図7(a)は、カバー123、基板129およびアイソレーションプレート122を取り除いた状態の第1セルグループを側面から見た模式図である。図7(a)では、便宜上、ブスバを単電池セル101に取り付けるためのナット108の図示を省略し、単電池セル101、エンドプレート141,142およびセル分離プレート143,144を二点鎖線で示している。図7(b)は、3列×4段に配列された12個の単電池セル101を全て直列に接続した状態を示す模式図である。なお、図7(b)では、伝熱カバー151〜153、端子台64や正負極端子板63,73等の図示を省略している。
【0057】
図7(a)および図7(b)では、冷却プレート180の表面側に配列される3列×4段の単電池セル101で構成される第1セルグループの電気的接続を示しているが、冷却プレート180の裏面側に配列される3列×4段の単電池セル101で構成される第2セルグループの電気的接続も冷却プレート180を挟んで対称となるように接続されている。すなわち、ブスバ161〜165やブスバ161〜165が取り付けられる伝熱カバー151〜153も冷却プレート180を挟んで対称に配設されている。
【0058】
図7(b)に示すように、最上段の左端の単電池セル101の負極外部端子と、上から二段目の左端の単電池セル101の正極外部端子とは第2ブスバ162により接続されている。上から二段目の右端の単電池セル101の負極外部端子と、上から三段目の右端の単電池セル101の正極外部端子とは第3ブスバ163により接続されている。上から三段目の左端の単電池セル101の負極外部端子と、最下段の左端の単電池セル101の正極外部端子とは第2ブスバ162により接続されている。それ以外の中間に位置する単電池セル101の正極外部端子と、負極外部端子とは第1ブスバ161により接続されている。つまり、3列×4段の単電池セル101は全てが直列に接続され、最上段の右端の単電池セル101の正極外部端子と最下段の右端の負極外部端子との間には、12個の単電池セル101を直列に接続した電位差が生じている。
【0059】
最下段の右端の単電池セル101の負極外部端子には、連結用ブスバ164が取り付けられている。連結用ブスバ164は、図2に示すように、冷却プレート180の表面側の第1セルグループを構成する単電池セル101と、冷却プレート180の裏面側の第2セルグループを構成する単電池セル101との間に架け渡される連結ブスバ168に接続される。連結ブスバ168がターミナルボルト169により連結用ブスバ164に締結されることで、第1セルグループと第2セルグループとが電気的に接続される。
【0060】
図7(b)に示すように、最上段の右端の単電池セル101の正極外部端子には、ケーブル接続用ブスバ165が取り付けられている。ケーブル接続用ブスバ165は、図1に示す電力ケーブル166に接続される。
【0061】
第1ブスバ161、第2ブスバ162、ならびに、第3ブスバ163、連結用ブスバ164およびケーブル接続用ブスバ165は、それぞれ、図2および図7(a)に示す第1伝熱カバー151、第2伝熱カバー152および第3伝熱カバー153に取り付けられている。
【0062】
第1ブスバ161と第1伝熱カバー151とで第1ブスバ組立体191が構成され、第2ブスバ162と第2伝熱カバー152とで第2ブスバ組立体192が構成され、第3ブスバ163、連結用ブスバ164およびケーブル接続用ブスバ165と第3伝熱カバー153とで第3ブスバ組立体193が構成されている。
【0063】
第1ブスバ161、第2ブスバ162、ならびに、第3ブスバ163、連結用ブスバ164およびケーブル接続用ブスバ165の材質は、導電性の良好な材質であり、たとえば銅である。第1伝熱カバー151、第2伝熱カバー152および第3伝熱カバー153は、上記した伝熱シート189と同様に熱伝導性と絶縁性を有する材質からなり、たとえば熱伝導率1〜5W/m・K、体積抵抗率1010〜1011Ω・cm程度のシリコンゴムで成形されている。
【0064】
図6、図8〜図10を参照して、第1ブスバ組立体191の構成、ならびに、正負極端子組立部60,70と第1ブスバ組立体191と電池容器との熱結合構造について説明する。図8および図9は第1ブスバ組立体191の外観斜視図であり、図10は第1ブスバ組立体191の分解斜視図である。
【0065】
図10に示すように、第1ブスバ組立体191は、第1ブスバ161と第1伝熱カバー151とで構成されている。第1ブスバ161は、矩形平板状の平板部161aと、平板部161aの一端から垂直に立ち上がる立ち上がり部161cと、立ち上がり部161cから垂直に屈曲して平板部161aと平行に延在する電圧検出用端子部161dとを有している。
【0066】
平板部161aは、隣接する電池同士の正負極外部端子間に架け渡されて、隣接する単電池セル101同士を電気的に接続する部分である。平板部161aの長手方向両端には、正極端子接続部61および負極端子接続部71のそれぞれが挿通される一対の貫通孔161bが形成されている。
【0067】
電圧検出用端子部161dは、電気的に接続される単電池セル101間の電圧を検出する電圧検出端子138(図6参照)が接続される部分である。電圧検出用端子部161dには、端子接続用の小ねじ139(図6参照)が装着されるねじ孔161eが形成されている。なお、電圧検出端子138は、基板129に半田で接続されている。基板129には導体パターンが予め印刷されており、電圧検出端子138は基板129上に配置されたコネクタ128と電気的に接続されている。
【0068】
第1ブスバ161は、第1伝熱カバー151に取り付けられている。図8および図10に示すように、第1伝熱カバー151は略直方体形状に形成されている。第1伝熱カバー151には、正極端子接続部61の円柱部61aおよび負極端子接続部71の円柱部71aが挿通され、円柱部61a,71aに取り付けられるナット108が配置される貫通孔151gが形成されている。
【0069】
図9に示すように、第1伝熱カバー151には、第1ブスバ161の平板部161aを収容する凹形状の収容部151aが設けられている。収容部151aは、端子台64および端子台64に嵌合された正負極端子板63,73、正負極端子板63,73に固定された正負極接続端子62,72のかしめ部62s,72sを収容可能な大きさに形成されている。
【0070】
収容部151aは、第1ブスバ161の平板部161aが直接接触される底面151bと、第1ブスバ161の平板部161aの周囲を覆うように底面151bから立ち上がる側壁151cとを有している。底面151bは、第1ブスバ161の平板部161aが直接接触される接触面と、正負極接続端子62,72のかしめ部62s,72sが直接接触される接触面151sとを有している。
【0071】
図10に示すように、第1伝熱カバー151には、第1ブスバ161の立ち上がり部161cが挿通される貫通孔151dが設けられている。貫通孔151dの形状は、第1ブスバ161の立ち上がり部161cの外形形状に対応して形成されている。
【0072】
図9に示すように、第1伝熱カバー151の収容部151aには、側壁151cから内側に向かって一対の保持部151eが突設されている。保持部151eと底面151bとの間には、第1ブスバ161の平板部161aが嵌合される嵌合溝151fが形成されている。
【0073】
第1ブスバ161と第1伝熱カバー151とは個別に形成されている。第1ブスバ161の材質は剛性の高い銅であり、第1伝熱カバー151の材質は柔軟性を有するシリコンゴムであるため、第1伝熱カバー151の一対の保持部151eを両側に開くように変形させるなどして、第1伝熱カバー151に第1ブスバ161を密着させて取り付けることができる。
【0074】
第1ブスバ161は、図6および図8に示すように、第1ブスバ161の立ち上がり部161cが第1伝熱カバー151の貫通孔151dに挿通され、電圧検出用端子部161dと平板部161aとにより第1伝熱カバー151を挟持するようにして取り付けられている。さらに、図9に示すように、第1ブスバ161の平板部161aは、保持部151eと底面151bとの間の嵌合溝151fに嵌合され、収容部151aの底面151bと保持部151eとによって挟持されている。
【0075】
上記したように、第1ブスバ161が第1伝熱カバー151によって保持され、第1ブスバ161と第1伝熱カバー151とが一体となっているため、第1ブスバ組立体191を単電池セル101に取り付ける際に、第1ブスバ161と第1伝熱カバー151とが分離することがない。したがって、第1ブスバ組立体191を単電池セル101に容易に取り付けることができる。
【0076】
第1ブスバ161の貫通孔161bに正極端子接続部61の円柱部61aと負極端子接続部71の円柱部71aを挿通させ、円柱部61a,71aにナット108を装着すると、図6に示すように、第1ブスバ組立体191が単電池セル101に固定される。
【0077】
第1ブスバ組立体191が単電池セル101に固定されると、正極端子板63と第1ブスバ161の平板部161aとが当接して熱的かつ電気的に接続される。同様に、負極端子板73と第1ブスバ161の平板部161aとが当接して熱的かつ電気的に接続される。
【0078】
第1ブスバ組立体191が単電池セル101に固定されると、図6に示すように、第1伝熱カバー151の側壁151cの端面の一部が単電池セル101の電池蓋102Bに直接接触される。第1伝熱カバー151の保持部151eの端面の一部も単電池セル101の電池蓋102Bに直接接触される。さらに、正負極接続端子62,72のかしめ部62s,72sが第1伝熱カバー151の接触面151sに直接接触される。
【0079】
図7(a)に示すように、第1ブスバ組立体191が最上段に位置する単電池セル101に固定されると、図6に示すように、第1伝熱カバー151の側壁151cの端面が単電池セル101の電池蓋102Bおよび幅狭側面絶縁部141cに密着するように当接される。図7(a)に示すように、第1ブスバ組立体191が上から2段目および3段目に位置する単電池セル101に固定されると、図6に示すように、第1伝熱カバー151の側壁151cの端面が単電池セル101の電池蓋102Bおよび幅狭側面絶縁部144cに密着するように当接される。図7(a)に示すように、第1ブスバ組立体191が最下段に位置する単電池セル101に固定されると、図6に示すように、第1伝熱カバー151の側壁151cの端面が単電池セル101の電池蓋102Bおよび幅狭側面絶縁部142cに密着するように当接される。なお、第1伝熱カバー151の貫通孔151gは、正負極端子接続部61,71が接続された第1ブスバ161によって塞がれている。その結果、図6および図7(a)に示すように、第1伝熱カバー151の収容部151aと、単電池セル101表面と、単電池セル101を保持する部材とにより、外気と遮断される密閉空間156が形成される。
【0080】
このように、第1ブスバ組立体191が単電池セル101に取り付けられているため(図6参照)、捲回電極群170で発生した熱は、以下のようにして冷却プレート180内を流れる冷却媒体に伝わる。充放電により捲回電極群170で発生した熱は、主に捲回電極群170に接合された正負極集電体21,31に伝わり、正負極集電体21,31から正負極接続端子62,72に伝わる。正負極接続端子62,72に伝わった熱は、かしめ部62s,72sに接触する第1伝熱カバー151に直接伝わる。
【0081】
正負極接続端子62,72に伝わった熱は、かしめ部62s,72sから正負極端子板63,73にも伝わる。正負極端子板63,73に伝わった熱は、正負極端子板63,73に当接される第1ブスバ161に伝わる。第1ブスバ161の平板部161aは、一方の面が第1伝熱カバー151の底面151bに直接接触しているため、第1ブスバ161に伝わった熱は、平板部161aから第1伝熱カバー151に伝わる。なお、第1ブスバ161の立ち上がり部161cや電圧検出用端子部161dも第1伝熱カバー151に直接接触しているため、第1ブスバ161に伝わった熱は、立ち上がり部161cや電圧検出用端子部161dからも第1伝熱カバー151に伝わる。
【0082】
第1伝熱カバー151に伝わった熱は、電池蓋102Bに直接接触される側壁151cの端面や保持部151eの端面から電池蓋102Bに伝わる。電池蓋102Bに伝わった熱は、電池容器の全体に分散され、電池容器に伝わった熱は、電池缶102Aの底面から伝熱シート189を介して冷却プレート180に伝わり、冷却プレート180内を流れる冷却媒体に吸収される。冷却媒体に吸収された熱は、冷却媒体が冷却プレート180内の冷媒流路を流れることで、電池モジュール100の外部に移送される。その結果、単電池セル101が効果的に冷却される。
【0083】
図11は第2ブスバ組立体192の外観斜視図であり、図12は第2ブスバ組立体192の分解斜視図である。図11および図12に示すように、第2ブスバ組立体192は、第1ブスバ組立体191と形状は異なるが、同様の構成部材を有している。第1ブスバ組立体191と第2ブスバ組立体192との大きな違いは、第1ブスバ組立体191には保持部151eが設けられているが、第2ブスバ組立体192には保持部151eが設けられていない点である。
【0084】
図12に示すように、第2ブスバ組立体192は、第2ブスバ162と第2伝熱カバー152とで構成されている。第2ブスバ162は、矩形平板状の平板部162aと、平板部162aの一端から垂直に立ち上がる立ち上がり部162cと、立ち上がり部162cから垂直に屈曲して平板部162aと平行に延在する電圧検出用端子部162dとを有している。
【0085】
平板部162aは、隣接する電池同士の正負極外部端子間に架け渡されて、隣接する単電池セル101同士を電気的に接続する部分である。平板部162aの長手方向両端には、正極端子接続部61および負極端子接続部71のそれぞれが挿通される一対の貫通孔162bが形成されている。
【0086】
電圧検出用端子部162dは、電気的に接続される単電池セル101間の電圧を検出する電圧検出端子138(図6参照)が接続される部分である。電圧検出用端子部162dには、端子接続用の小ねじ139(図6参照)が装着されるねじ孔162eが形成されている。
【0087】
第2ブスバ162は、第2伝熱カバー152に取り付けられている。図12に示すように、第2伝熱カバー152は略直方体形状に形成されている。第2伝熱カバー152には、正極端子接続部61の円柱部61aおよび負極端子接続部71の円柱部71aが挿通され、円柱部61a,71aに取り付けられるナット108が配置される貫通孔152gが形成されている。
【0088】
図6に示すように、第2伝熱カバー152には、第2ブスバ162の平板部162aを収容する凹形状の収容部152aが設けられている。収容部152aは、端子台64および端子台64に嵌合された正負極端子板63,73、正負極端子板63,73に固定された正負極接続端子62,72のかしめ部62s,72sを収容可能な大きさに形成されている。
【0089】
収容部152aは、第2ブスバ162の平板部162aが直接接触される底面152bと、第2ブスバ162の平板部162aの周囲を覆うように底面152bから立ち上がる側壁152cとを有している。底面152bは、第2ブスバ162の平板部162aが直接接触される接触面と、正負極接続端子62,72のかしめ部62s,72sが直接接触される接触面とを有している。
【0090】
図12に示すように、第2伝熱カバー152には、第2ブスバ162の立ち上がり部162cが挿通される貫通孔152dが設けられている。貫通孔152dの形状は、第2ブスバ162の立ち上がり部162cの外形形状に対応して形成されている。
【0091】
第2ブスバ162と第2伝熱カバー152とは個別に形成されている。第2ブスバ162の材質は剛性の高い銅であり、第2伝熱カバー152の材質は柔軟性を有するシリコンゴムであるため、第2伝熱カバー152の貫通孔152dに第2ブスバ162の電圧検出用端子部162dを挿入し、貫通孔152dから突出させるように押し込むことで、第2伝熱カバー152に第2ブスバ162を密着させて取り付けることができる。
【0092】
第2ブスバ162は、図11に示すように、第2ブスバ162の立ち上がり部162cが第2伝熱カバー152の貫通孔152dに挿通され、電圧検出用端子部162dと平板部162aとにより第2伝熱カバー152を挟持するようにして取り付けられている。第2ブスバ162が第2伝熱カバー152によって保持され、第2ブスバ162と第2伝熱カバー152とが一体となっているため、第2ブスバ組立体192を単電池セル101に取り付ける際に、第2ブスバ162と第2伝熱カバー152とが分離することがない。したがって、第2ブスバ組立体192を単電池セル101に容易に取り付けることができる。
【0093】
第2ブスバ162の貫通孔162bに正極端子接続部61の円柱部61aと負極端子接続部71の円柱部71aを挿通させ、円柱部61a,71aにナット108を装着すると、図6に示すように、第2ブスバ組立体192が単電池セル101に固定される。
【0094】
第2ブスバ組立体192が単電池セル101に固定されると、正極端子板63と第2ブスバ162の平板部162aとが当接して熱的かつ電気的に接続される。図示しないが、同様に、負極端子板73と第2ブスバ162の平板部162aとが当接して熱的かつ電気的に接続される。
【0095】
第2ブスバ組立体192が単電池セル101に固定されると、図6に示すように、第2伝熱カバー152の側壁152cの端面の一部が単電池セル101の電池蓋102Bに直接接触される。さらに、正負極接続端子62,72のかしめ部62s,72sが第2伝熱カバー152の底面152bに直接接触される。
【0096】
図7(a)に示すように、第2ブスバ組立体192が、第1セルグループの左端における最上段および上から2段目に位置する単電池セル101に跨るように単電池セル101に固定されると、第2伝熱カバー152の側壁152cの端面が単電池セル101の電池蓋102Bおよび幅広側面絶縁部143bに密着するように当接される。同様に、第2ブスバ組立体192が、第1セルグループの左端における上から3段目および最下段に位置する単電池セル101に跨るように単電池セル101に固定されると、第2伝熱カバー152の側壁152cの端面が単電池セル101の電池蓋102Bおよび幅広側面絶縁部144bに密着するように当接される。なお、第2伝熱カバー152の貫通孔152gは、正負極端子接続部61,71が接続された第2ブスバ162によって塞がれている。その結果、第2伝熱カバー152の収容部152aと、単電池セル101表面と、単電池セル101を保持する部材とにより、外気と遮断される密閉空間157が形成される。
【0097】
このように、第2ブスバ組立体192が単電池セル101に取り付けられているため(図6参照)、捲回電極群170で発生した熱は、以下のようにして冷却プレート180内を流れる冷却媒体に伝わる。捲回電極群170で発生した熱は、正負極集電体21,31を介して正負極接続端子62,72に伝わる。正負極接続端子62,72に伝わった熱は、かしめ部62s,72sから第2伝熱カバー152に直接伝わる。
【0098】
正負極接続端子62,72に伝わった熱は、かしめ部62s,72sから正負極端子板63,73にも伝わり、第2ブスバ162を介して第2伝熱カバー152に伝わる。
【0099】
第2伝熱カバー152に伝わった熱は、電池蓋102Bに直接接触される側壁152cの端面から電池蓋102Bに伝わる。電池蓋102Bに伝わった熱は、電池容器の全体に分散され、電池容器に伝わった熱は、電池缶102Aの底面から伝熱シート189を介して冷却プレート180に伝わり、冷却プレート180内を流れる冷却媒体に吸収される。冷却媒体に吸収された熱は、冷却媒体が冷却プレート180内の冷媒流路を流れることで、電池モジュール100の外部に移送される。その結果、単電池セル101が効果的に冷却される。
【0100】
図13は第3ブスバ組立体193の外観斜視図であり、図14は第3ブスバ組立体193の分解斜視図である。図13および図14に示すように、第3ブスバ組立体193は、第1ブスバ組立体191や第2ブスバ組立体192と形状は異なるが、同様の構成部材を有している。第1ブスバ組立体191と第3ブスバ組立体192との大きな違いは、第1ブスバ組立体191には保持部151eが設けられているが、第3ブスバ組立体193には保持部151eが設けられていない点である。第2ブスバ組立体192と第3ブスバ組立体193との大きな違いは、第2ブスバ組立体192には単電池セル101間を電気的に接続する第2ブスバ162が取り付けられているのみであるのに対し、第3ブスバ組立体193には、単電池セル101間を電気的に接続する第3ブスバ163を挟むように連結用ブスバ164とケーブル接続用ブスバ165とが設けられている点である。
【0101】
図14に示すように、第3ブスバ組立体193は、第3ブスバ163と、連結用ブスバ164と、ケーブル接続用ブスバ165と、第3伝熱カバー153とで構成されている。第3ブスバ163は、上記した第2ブスバ162と同じ形状であり、同様の組み付け方法で第3伝熱カバー153に組み付けられる。
【0102】
第3ブスバ163は、隣接する単電池セル101同士を電気的に接続する平板部163aと、第3伝熱カバー153の貫通孔153dに密着するように挿通される立ち上がり部163cと、単電池セル101間の電圧を検出する端子が接続される電圧検出用端子部163dとを有している。
【0103】
連結用ブスバ164は、図7に示した最下段の右端の単電池セル101の負極外部端子に接続される導電部材である。図14に示すように、連結用ブスバ164は、負極端子板73に当接される平面を有する矩形平板状の平板部164aと、平板部164aの一端から垂直に立ち上がる立ち上がり部164cと、立ち上がり部164cから垂直に屈曲して平板部164aと平行に延在する電圧検出用端子部164dとを有している。
【0104】
連結用ブスバ164は、さらに、平板部164aの他端で屈曲して立ち上がり部164cと平行に延在する連結ブスバ接続部164fを有している。連結ブスバ168は、連結ブスバ接続部164fで連結用ブスバ164に接続される。
【0105】
ケーブル接続用ブスバ165は、図7に示した最上段の右端の単電池セル101の正極外部端子に接続される導電部材である。図14に示すように、ケーブル接続用ブスバ165は、正極端子板63に当接される平面を有する矩形平板状の平板部165aと、平板部165aの一端から垂直に立ち上がる立ち上がり部165cと、立ち上がり部165cから垂直に屈曲して平板部165aと平行に延在する電圧検出用端子部165dとを有している。
【0106】
ケーブル接続用ブスバ165は、さらに、平板部165aの他端で屈曲して延在する傾斜部と、この傾斜部の端部から屈曲して平板部165aと平行に延在する平面部と、平面部の側縁から屈曲して延在するケーブル接続部165fを有している。電力ケーブル166(図1参照)は、ケーブル接続部165fでケーブル接続用ブスバ165に接続される。
【0107】
図14に示すように、第3伝熱カバー153は略直方体形状に形成されている。第3伝熱カバー153には、正極端子接続部61の円柱部61aおよび負極端子接続部71の円柱部71aが挿通され、円柱部61a,71aに取り付けられるナット108が配置される貫通孔153gが形成されている。
【0108】
図7(a)に示すように、第3伝熱カバー152には、ブスバ163,164,165の平板部163a,164a,165aを収容する凹形状の収容部153aが設けられている。収容部153aは、ブスバ163,164,165が取り付けられる正負極端子組立部60,70を構成する端子台64および正負極端子板63,73、正負極接続端子62,72を収容可能な大きさに形成されている。
【0109】
収容部153aは、ブスバ163,164,165の平板部163a,164a,165aが直接接触される底面と、ブスバ163,164,165の平板部163a,164a,165aの周囲を覆うように底面から立ち上がる側壁153cとを有している。収容部153aの底面は、ブスバ163,164,165の平板部163a,164a,165aが直接接触される接触面と、正負極接続端子62,72のかしめ部62s,72sが直接接触される接触面とを有している。
【0110】
図14に示すように、第3伝熱カバー153には、ブスバ163,164,165の立ち上がり部163c,164c,165cが挿通される貫通孔153d,154d,155dが設けられている。貫通孔153d,154d,155dの形状は、それぞれブスバ163,164,165の立ち上がり部163c,164c,165cの外形形状に対応して形成されている。
【0111】
ブスバ163,164,165と第3伝熱カバー153とは個別に形成されている。第3ブスバ163の材質は剛性の高い銅であり、第3伝熱カバー153の材質は柔軟性を有するシリコンゴムであるため、第3伝熱カバー153の貫通孔153d,154d,155dにそれぞれブスバ163,164,165の電圧検出用端子部163d,164d,165dを挿入し、貫通孔153d,154d,155dから突出させるように押し込むことで、第3伝熱カバー153にブスバ163,164,165を密着させて取り付けることができる。
【0112】
ブスバ163,164,165は、図13に示すように、ブスバ163,164,165の立ち上がり部163c,164c,165cがそれぞれ第3伝熱カバー153の貫通孔153d,154d,155dに挿通され、電圧検出用端子部163d,164d,165dと平板部163a,164a,165aとにより第3伝熱カバー153を挟持するようにして取り付けられている。ブスバ163,164,165が第3伝熱カバー153によって保持され、ブスバ163,164,165と第3伝熱カバー153とが一体となっているため、第3ブスバ組立体193を単電池セル101に取り付ける際に、ブスバ163,164,165と第3伝熱カバー153とが分離することがない。したがって、第3ブスバ組立体193を単電池セル101に容易に取り付けることができる。
【0113】
第3ブスバ組立体193は、以下のようにして単電池セル101に固定される。第3ブスバ163の平板部163aに設けられた貫通孔163bに正極端子接続部61の円柱部61aと負極端子接続部71の円柱部71aを挿通させ、円柱部61a,71aにナット108を装着する。連結用ブスバ164の平板部164aに設けられた貫通孔164bに負極端子接続部71の円柱部71aを挿通させ、円柱部71aにナット108を装着する。ケーブル接続用ブスバ165の平板部165aに設けられた貫通孔165bに正極端子接続部61の円柱部61aを挿通させ、円柱部61aにナット108を装着する。
【0114】
第3ブスバ組立体193が単電池セル101に固定されると、図7(a)に示す上から最上段右端の単電池セル101の正極端子板63とケーブル接続用ブスバ165の平板部165aとが当接して熱的にかつ電気的に接続される。同様に、図7(a)に示す上から2段目右端の単電池セル101の負極端子板73と第3ブスバ163の平板部163aとが当接して熱的かつ電気的に接続され、図7(a)に示す上から3段目右端の単電池セル101の正極端子板63と第3ブスバ163の平板部163aとが当接して熱的かつ電気的に接続される。同様に、図7(a)に示す最下段右端の単電池セル101の負極端子板73と連結用ブスバ164の平板部164aとが当接して熱的かつ電気的に接続される。
【0115】
図示しないが、第3ブスバ組立体193が単電池セル101に固定されると、第3伝熱カバー153の側壁153cの端面の一部が単電池セル101の電池蓋102Bに直接接触される。さらに、正負極接続端子62,72のかしめ部62s,72sが第3伝熱カバー152の収容部底面に直接接触される。
【0116】
図7(a)に示すように、第3ブスバ組立体193が、第1セルグループの右端における4つの単電池セル101に固定されると、第3伝熱カバー153の側壁153cの端面が単電池セル101の電池蓋102Bおよび幅広側面絶縁部143b,144bに密着するように当接される。なお、第3伝熱カバー153の貫通孔153gは、正負極端子接続部61,71が接続された第3ブスバ163、連結用ブスバ164およびケーブル接続用ブスバ165によって塞がれている。その結果、第3伝熱カバー153の収容部153aと、単電池セル101表面と、単電池セル101を保持する部材とにより、外気と遮断される密閉空間158が形成される。
【0117】
このように、第3ブスバ組立体193が単電池セル101に取り付けられているため、捲回電極群170で発生した熱は、以下のようにして冷却プレート180内を流れる冷却媒体に伝わる。捲回電極群170で発生した熱は、正負極集電体21,31を介して正負極接続端子62,72に伝わる。正負極接続端子62,72に伝わった熱は、かしめ部62s,72sから第3伝熱カバー153に直接伝わる。
【0118】
正負極接続端子62,72に伝わった熱は、かしめ部62s,72sから正負極端子板63,73にも伝わり、ブスバ163,164,165を介して第3伝熱カバー153に伝わる。
【0119】
第3伝熱カバー153に伝わった熱は、電池蓋102Bに直接接触される側壁153cの端面から電池蓋102Bに伝わる。電池蓋102Bに伝わった熱は、電池容器の全体に分散され、電池容器に伝わった熱は、電池缶102Aの底面から伝熱シート189を介して冷却プレート180に伝わり、冷却プレート180内を流れる冷却媒体に吸収される。冷却媒体に吸収された熱は、冷却媒体が冷却プレート180内の冷媒流路を流れることで、電池モジュール100の外部に移送される。その結果、単電池セル101が効果的に冷却される。
【0120】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)ブスバ161〜165に直接接触され、ブスバ161〜165を覆う伝熱カバー151〜153を、単電池セル101の電池容器に直接接触させた。これにより、正負極外部端子からブスバ161〜165に伝わった熱を伝熱カバー151〜153を介して効率よく電池容器に伝えることができるため、単電池セル101の冷却性能を向上することができる。
【0121】
(2)伝熱カバー151〜153とブスバ161〜165とを一体としてブスバ組立体191〜193を構成した。ブスバ組立体191〜193をナット108により単電池セル101に取り付けると、ブスバ161〜165が正負極端子板63,73に電気的かつ熱的に接続されると同時に伝熱カバー151〜153が単電池セル101の電池容器に熱的に接続される。さらに、ブスバ161〜165と伝熱カバー151〜153とが一体となっているため、ブスバ組立体191〜193を単電池セル101に取り付ける際に、ブスバ161〜165と伝熱カバー151〜153とが分離することがない。したがって、ブスバ組立体191〜193を単電池セル101に容易に取り付けることができる。
【0122】
(3)上記したように、伝熱カバー151〜153とブスバ161〜165とを一体としてブスバ組立体191〜193を構成し、ブスバ161〜165に伝わった熱を伝熱カバー151〜153を介して電池容器に伝える構成とした。したがって、冷却性能を向上させるために、単電池セル101自体の構造を変更する必要がない。
【0123】
(4)伝熱カバー151〜153の材質は、絶縁フィルム179の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有し、絶縁フィルム179の体積抵抗率よりも低い体積抵抗率を有している。したがって、電池容器と捲回電極群170との絶縁性を確保するとともに、捲回電極群170で発生した熱を伝熱カバー151〜153を介して効果的に電池容器に伝えることができる。
【0124】
(5)正負極接続端子62,72のかしめ部62s,72sを伝熱カバー151〜153に直接接触させ、ブスバ161〜165を介さない伝熱経路を形成した。これにより、かしめ部62s,72sを伝熱カバー151〜153に接触させない場合に比べて、より効果的に単電池セル101を冷却することができる。
【0125】
(6)ブスバ161〜165の平板部161a〜165aを覆うように外気と遮断された密閉空間156〜158を形成した。これにより、密閉空間156〜158内に配置されるブスバ161〜165の腐食を抑制して、電気抵抗の増加を抑えることができる。
【0126】
−第2の実施の形態−
本発明の第2の実施の形態を図15〜図20を参照して説明する。なお、図中、第1の実施の形態と同一の機能を有する構成要素には、100番台に代えて200番台の参照番号を付し、下2桁を同一番号として、以下、相違点を主に説明する。
【0127】
図15は本発明の第2の実施の形態に係る電池モジュール200を示す外観斜視図であり、図16は電池モジュール200の分解斜視図である。図17(a)は、カバー223、基板229およびアイソレーションプレート222を取り除いた状態の電池モジュール200を上面から見た模式図である。図17(a)では、便宜上、ブスバ261,265を単電池セル101に取り付けるためのナット108の図示を省略し、単電池セル101、エンドプレート241,242およびセル分離プレート243,244を二点鎖線で示している。図17(b)は、1列に並置された13個の単電池セル101を全て直列に接続した状態を示す模式図である。なお、図17(b)では、伝熱カバー251,253、端子台64や正負極端子板63,73等の図示を省略している。図18は、図15のXVIII−XVIII線切断断面図である。
【0128】
図15に示すように、電池モジュール200は、略直方体形状であり、後述するエンドプレート241,242、セル分離プレート243,244およびシャフト233を含んで構成される一体化機構により複数の単電池セル101を保持している。電池モジュール200には、電力取り出し用の配線である電力ケーブル266が取り付けられている。
【0129】
図16に示すように、第2の実施の形態では、13個の単電池セル101が1列に配置されており、一体化機構により一体的に組み立てられている。
【0130】
各単電池セル101は、ガス排出弁103の位置が僅かに異なるなどの相違はあるが、第1の実施の形態と同様の構成であるため、同一の参照番号を付し、説明を省略する。各単電池セル101は、扁平な直方体形状であって、側面のうちで広い面積を有する幅広側面同士が対向するように並べて配置されている。隣接する単電池セル101同士は、正極端子組立部60および負極端子組立部70の位置が逆転するように、向きが反転して配置されている。
【0131】
図17(a)および図17(b)に示すように、隣り合う各単電池セル101の正極外部端子と負極外部端子とはブスバ261によって電気的に接続されている。すなわち、本実施の形態に係る電池モジュール200を構成する複数の単電池セル101は、電気的に直列に接続されている。
【0132】
両端に配置される単電池セル101における一方の単電池セル101(図中下側の単電池セル101)の正極外部端子、および、他方の単電池セル101(図中上側の単電池セル101)の負極外部端子には、ケーブル接続用ブスバ265が取り付けられている。ケーブル接続用ブスバ265は、図15に示す電力ケーブル266に接続される。
【0133】
図15および図16に示すように、並置された複数の単電池セル101は、セル分離プレート243,244を介して、配列方向(電池モジュール200の長手方向)の両端側から一対のエンドプレート241,242により挟持されている。エンドプレート241,242の材質は、たとえばアルミニウムである。エンドプレート241,242は、単電池セル101の主面に対応した矩形平板状とされている。エンドプレート241,242の幅方向両端には貫通孔(不図示)が設けられており、貫通孔には後述するシャフト233が挿通されている。
【0134】
図15および図16に示すように、2枚のエンドプレート241,242の間には、複数のセル分離プレート243,244が配置されている。セル分離プレート244は単電池セル101間に配置され、セル分離プレート243は両端に配置される単電池セル101とエンドプレート241,242との間に配置されている。セル分離プレート243,244の材質は、絶縁性を有する樹脂である。
【0135】
図16に示すように、セル分離プレート244は、単電池セル101の幅狭側面に当接される側面側当接部244aと、単電池セル101の上面に当接される上面側当接部244e(図18参照)と、単電池セル101間に介在して単電池セル101の幅広側面に当接される幅広側面絶縁部244bとを有している。幅広側面絶縁部244bの上端面は、単電池セル101の電池蓋102Bの表面と同一面上に位置している。セル分離プレート244の側面側当接部244aの高さ方向中央には貫通孔244dが設けられており、貫通孔244dにはシャフト233が挿通されている。
【0136】
上記したように、2枚のエンドプレート241,242のそれぞれの幅方向両端に設けられた貫通孔、ならびに、各セル分離プレート244に設けられた貫通孔244dには、シャフト233が挿通されている。
【0137】
シャフト233の両端部には、おねじが形成されている。エンドプレート241,242の外側からナット231をシャフト233の両端部に装着することで、2枚のエンドプレート241,242に挟まれたセル分離プレート243,244が所定量圧縮された状態で保持される。したがって、各単電池セル101がセル分離プレート243,244を介してエンドプレート241,242により保持される。
【0138】
各単電池セル101同士の間やエンドプレート241,242と単電池セル101との間にセル分離プレート243,244が介在しているため、絶縁性が確保されるとともに、各単電池セル101の電池モジュール200の長手方向における相対位置が規定される。
【0139】
図16に示すように、電池モジュール200は、下部にアルミニウム製の冷却プレート280を備えている。冷却プレート280の内部には冷媒流路(不図示)が設けられている。冷却プレート280の一端には冷却媒体が導入される冷媒入口部281と、冷却媒体が排出される冷媒出口部282が設けられている。
【0140】
図16に示すように、冷却プレート280の上面と、電池缶102Aの底面との間には伝熱シート289が介在されている。
【0141】
図16に示すように、冷却プレート280とセル分離プレート244とは、弾性部材からなるクリップ290により締結される。なお、上記したようにシャフト233が各セル分離プレート244における側面側当接部244aの貫通孔244dに挿通されているため、各セル分離プレート244は一体的に結合されている。
【0142】
したがって、図15に示すように、クリップ290の一方の爪を冷却プレート280の凹部に装着し、クリップ290の他方の爪を所定のセル分離プレート244の凹部に装着すると、クリップ290の弾性力によりセル分離プレート244が冷却プレート280側に押さえつけられる。図18に示すように、セル分離プレート244は上面側当接部244eにより単電池セル101を下部に押しつける。柔軟性を有する伝熱シート289は所定量だけ圧縮され、単電池セル101が伝熱シート289を介して冷却プレート280に熱結合される。
【0143】
図16に示すように、単電池セル101の上方には、全ての単電池セル101の上面を覆うアイソレーションプレート222が配置されている。アイソレーションプレート222の上方には基板229が配置され、アイソレーションプレート222にねじで固定されている。基板229の上方には、基板229を覆うカバー223が配置されている。
【0144】
図19はブスバ組立体291の外観斜視図であり、図20はブスバ組立体291の分解斜視図である。図19および図20に示すように、ブスバ組立体291は、第1の実施の形態の第2ブスバ組立体192と形状は異なるが、同様の構成部材を有している。
【0145】
図20に示すように、ブスバ組立体291は、ブスバ261と伝熱カバー251とで構成されている。ブスバ261は、矩形平板状の平板部261aと、平板部261aの一端から垂直に立ち上がる立ち上がり部261cと、立ち上がり部261cから垂直に屈曲して平板部261aと平行に延在する電圧検出用端子部261dとを有している。
【0146】
平板部261aは、隣接する電池同士の正負極外部端子間に架け渡されて、隣接する単電池セル101同士を電気的に接続する部分である。平板部261aの長手方向両端には、正極端子接続部61および負極端子接続部71のそれぞれが挿通される一対の貫通孔261bが形成されている。
【0147】
電圧検出用端子部261dは、電気的に接続される単電池セル101間の電圧を検出する電圧検出端子238(図18参照)が接続される部分である。電圧検出用端子部261dには、端子接続用の小ねじ239(図18参照)が装着されるねじ孔261eが形成されている。
【0148】
ブスバ261は、伝熱カバー251に取り付けられている。図20に示すように、伝熱カバー251は略直方体形状に形成されている。伝熱カバー251には、正極端子接続部61の円柱部61aおよび負極端子接続部71の円柱部71aが挿通され、円柱部61a,71aに取り付けられるナット108が配置される貫通孔251gが形成されている。
【0149】
図18に示すように、伝熱カバー251には、ブスバ261の平板部261aを収容する凹形状の収容部251aが設けられている。収容部251aは、端子台64および端子台64に嵌合された正負極端子板63,73、正負極端子板63,73に固定された正負極接続端子62,72のかしめ部62s,72sを収容可能な大きさに形成されている。
【0150】
収容部251aは、ブスバ261の平板部261aが直接接触される底面251bと、ブスバ261の平板部261aの周囲を覆うように底面251bから立ち上がる側壁251cとを有している。底面251bは、ブスバ261の平板部261aが直接接触される接触面と、正負極接続端子62,72のかしめ部62s,72sが直接接触される接触面とを有している。
【0151】
図20に示すように、伝熱カバー251には、ブスバ261の立ち上がり部261cが挿通される貫通孔251dが設けられている。貫通孔251dの形状は、ブスバ261の立ち上がり部261cの外形形状に対応して形成されている。
【0152】
ブスバ261と伝熱カバー251とは個別に形成されている。ブスバ261の材質は剛性の高い銅であり、伝熱カバー251の材質は柔軟性を有するシリコンゴムであるため、伝熱カバー251の貫通孔251dにブスバ261の電圧検出用端子部261dを挿入し、貫通孔251dから突出させるように押し込むことで、伝熱カバー251にブスバ261を密着させて取り付けることができる。
【0153】
ブスバ261は、図18および図19に示すように、ブスバ261の立ち上がり部261cが伝熱カバー251の貫通孔251dに挿通され、電圧検出用端子部261dと平板部261aとにより伝熱カバー251を挟持するようにして取り付けられている。ブスバ261が伝熱カバー251によって保持され、ブスバ261と伝熱カバー251とが一体となっているため、ブスバ組立体291を単電池セル101に取り付ける際に、ブスバ261と伝熱カバー251とが分離することがない。したがって、ブスバ組立体291を単電池セル101に容易に取り付けることができる。
【0154】
ブスバ261の貫通孔261bに正極端子接続部61の円柱部61aと負極端子接続部71の円柱部71aを挿通させ、円柱部61a,71aにナット108を装着すると、図18に示すように、ブスバ組立体291が単電池セル101に固定される。
【0155】
ブスバ組立体291が単電池セル101に固定されると、正極端子板63とブスバ261の平板部261aとが当接して熱的かつ電気的に接続される。同様に、負極端子板73とブスバ261の平板部261aとが当接して熱的かつ電気的に接続される。
【0156】
ブスバ組立体291が単電池セル101に固定されると、図18に示すように、伝熱カバー251の側壁251cの端面の一部が単電池セル101の電池蓋102Bに直接接触される。さらに、正負極接続端子62,72のかしめ部62s,72sが伝熱カバー251の底面251bに直接接触される。
【0157】
図17(a)および図18に示すように、ブスバ組立体291が単電池セル101間を跨ぐように単電池セル101に固定されると、伝熱カバー251の側壁251cの端面が単電池セル101の電池蓋102Bおよびセル分離プレート244の幅広側面絶縁部244bに密着するように当接される。なお、伝熱カバー251の貫通孔251gは、正負極端子接続部61,71が接続されたブスバ261によって塞がれている。その結果、伝熱カバー251の収容部251aと、単電池セル101表面と、単電池セル101を保持する部材とにより、外気と遮断される密閉空間256が形成される。
【0158】
このように、ブスバ組立体291が単電池セル101に取り付けられているため(図18参照)、捲回電極群170で発生した熱は、以下のようにして冷却プレート280内を流れる冷却媒体に伝わる。捲回電極群170で発生した熱は、正負極集電体21,31を介して正負極接続端子62,72に伝わる。正負極接続端子62,72に伝わった熱は、かしめ部62s,72sから伝熱カバー251に直接伝わる。
【0159】
正負極接続端子62,72に伝わった熱は、かしめ部62s,72sから正負極端子板63,73にも伝わり、ブスバ261を介して伝熱カバー251に伝わる。
【0160】
伝熱カバー251に伝わった熱は、電池蓋102Bに直接接触される側壁251cの端面から電池蓋102Bに伝わる。電池蓋102Bに伝わった熱は、電池容器の全体に分散され、電池容器に伝わった熱は、電池缶102Aの底面から伝熱シート289を介して冷却プレート280に伝わり、冷却プレート280内を流れる冷却媒体に吸収される。冷却媒体に吸収された熱は、冷却媒体が冷却プレート280内の冷媒流路を流れることで、電池モジュール200の外部に移送される。その結果、単電池セル101が効果的に冷却される。
【0161】
図17(a)に示すように、ブスバ261を伝熱カバー251に取り付けるのと同様に、ケーブル接続用ブスバ265を補助伝熱カバー255に取り付けることができる。これにより、正負極外部端子やケーブル接続用ブスバ265から補助伝熱カバー255に伝わった熱を電池容器に伝えることができる。
【0162】
以上説明した本発明の第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態で説明した(1)〜(6)と同様の作用効果を奏する。
【0163】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を前述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(1)上記実施の形態では、冷却プレート180,280の内部に冷媒流路(不図示)を形成し、冷媒流路にエチレングリコール水溶液などの冷却媒体を流すことで冷却プレート180,280上の単電池セル101を冷却する液冷方式の冷却方法を採用したが、本発明はこれに限定されない。
【0164】
たとえば、冷却プレートに複数のフィンを設けて、フィン間に冷却風を当てることで冷却プレートを冷却する空冷方式の冷却方法を採用してもよい。
【0165】
(2)上記実施の形態では、単電池セル101の電池容器の底面に伝熱シート189,289を介して冷却プレート180,280を熱結合させる冷却構造について説明したが、本発明はこれに限定されない。電池容器の側面に冷却プレートを熱結合させてもよい。
【0166】
(3)上記実施の形態では、冷却プレート180,280を設けたが、本発明はこれに限定されない。冷却プレート180,280に代えて、ファンを設け、電池容器の幅広側面や幅狭側面に冷却風を当てることで、単電池セル101を冷却する構成としてもよい。
【0167】
(4)上記実施の形態では、伝熱カバー151〜153,251,255および伝熱シート189,289の材質には、シリコンゴムを採用したが、本発明はこれに限定されない。熱伝導性の良好な種々の材料を採用できる。たとえば、伝熱カバー151〜153,251,255および伝熱シート189,289の材質には、アクリルを基材とした材質を採用できる。伝熱シート189,289の材質には、柔軟性を有する材料を採用する場合に限定されることもなく、絶縁性、熱伝導性および剛性の高い種々の材料を採用できる。たとえば、伝熱シート189,289の材質には、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、ダイヤモンドライクカーボンなどの種々の材料を採用できる。
【0168】
(5)上記実施の形態では、伝熱カバー151〜153,251,255に正負極接続端子62,72のかしめ部62s,72sを熱結合させているが、本発明はこれに限定されず、かしめ部62s,72sと伝熱カバー151〜153,251,255との間に隙間を設けてもよい。この場合であっても、捲回電極群170で発生した熱は、外部端子に熱的かつ電気的に接続されるブスバ161〜165,261,265を介して、伝熱カバー151〜153,251,255に伝わり、伝熱カバー151〜153,251,255から電池容器に熱を伝えることができる。
【0169】
(6)第1の実施の形態において、単電池セル101間を電気的に接続する第3ブスバ163と、連結用ブスバ164と、ケーブル接続用ブスバ165とを第3伝熱カバー153に一体的に組み付ける構成としたが、本発明はこれに限定されない。第3伝熱カバー153を3つに分割して、第3ブスバ163と、連結用ブスバ164と、ケーブル接続用ブスバ165とをそれぞれ分割された伝熱カバーに組み付けてもよい。
【0170】
(7)上記実施の形態では、ブスバ161〜165,261,265をナット108により取り付ける構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。レーザ溶接によりブスバ161〜165,261,265を取り付けてもよい。この場合、伝熱カバー151〜153,251,255の貫通孔の上方から、ブスバ161〜165,261,265と正負極端子板と63,73を重ね貫通溶接する。
【0171】
(8)上記実施の形態では、伝熱カバー151〜153,251,255とブスバ161〜165,261,265とは個別に形成して、柔軟性を有する伝熱カバー151〜153,251,255を変形させてブスバ161〜165,261,265を取り付けたが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ブスバをインサートモールド成形により伝熱カバーに一体化してブスバ組立体を形成してもよい。
【0172】
(9)正極端子板63、正極接続端子62、正極集電体21および正極箔171の材質は、アルミニウムに限定されることなく、アルミニウム合金としてもよい。負極端子板73、負極接続端子72、負極集電体31および負極箔172の材質は、銅に限定されることなく、銅合金としてもよい。
【0173】
(10)上記実施の形態では、電池容器および冷却プレート180,280の材質にアルミニウムを採用したが、本発明はこれに限定されない。電池容器および冷却プレートの材質には、アルミニウム合金、ステンレススチール、ニッケル等の熱伝導性の良好な種々の材料を採用できる。
【0174】
(11)上記実施の形態では、ブスバ161〜165,261,265の材質に銅を採用したが、本発明はこれに限定されない。ブスバ161〜165,261,265の材質には、アルミニウムやニッケル等の導電性の良好な種々の材料を採用できる。
【0175】
(12)電池缶102Aに収容される蓄電要素は、正極電極174と負極電極175とをセパレータ173を介して捲回した捲回電極群170とする場合に限定されることなく、複数枚の正極電極と負極電極とをセパレータを介して積層した積層電極群としてもよい。
【0176】
(13)電池モジュール100,200を構成する単電池セル101として、リチウムイオン二次電池を一例に説明したが本発明はこれに限定されない。たとえば、ラミネート封止の電池に関しても適用され、また、リチウムイオン二次電池以外に、ニッケル水素電池などの蓄電要素を電池容器内に収容する種々の電池に本発明を適用できる。
【0177】
(14)上記実施の形態では、ハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される蓄電装置に組み込まれる電池モジュール100について説明したが本発明はこれに限定されない。他の電動車両、たとえばハイブリッド電車などの鉄道車両、バスなどの乗合自動車、トラックなどの貨物自動車、バッテリ式フォークリフトトラックなどの産業車両などの蓄電装置に利用可能な電池モジュールに本発明を適用してもよい。定置用の蓄電装置に組み込まれる電池モジュールに本発明を適用してもよい。
【0178】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0179】
21 正極集電体、31 負極集電体、60 正極端子組立部、61 正極端子接続部、62 正極接続端子、63 正極端子板、70 負極端子組立部、71 負極端子接続部、72 負極接続端子、73 負極端子板、100 電池モジュール、101 単電池セル、122 アイソレーションプレート、141,142 エンドプレート、143,144 セル分離プレート、151 第1伝熱カバー、151a 収容部、151b 底面、151c 側壁、151e 保持部、151f 嵌合溝、152 第2伝熱カバー、152a 収容部、152b 底面、152c 側壁、153 第3伝熱カバー、153a 収容部、153c 側壁、156 密閉空間、157 密閉空間、158 密閉空間、161 第1ブスバ、161a 平板部、161c 立ち上がり部、161d 電圧検出用端子部、162 第2ブスバ、162a 平板部、162c 立ち上がり部、162d 電圧検出用端子部、163 第3ブスバ、163a 平板部、163c 立ち上がり部、163d 電圧検出用端子部、164 連結用ブスバ、164a 平板部、164c 立ち上がり部、164d 電圧検出用端子部、165 ケーブル接続用ブスバ、165a 平板部、165c 立ち上がり部、165d 電圧検出用端子部、166 電力ケーブル、168 連結ブスバ、170 捲回電極群、171 正極箔、172 負極箔、173 セパレータ、174 正極電極、175 負極電極、176 正極活物質合剤層、177 負極活物質合剤層、179 絶縁フィルム、180 冷却プレート、189 伝熱シート、200 電池モジュール、222 アイソレーションプレート、241 エンドプレート、243,244 セル分離プレート、251 伝熱カバー、251a 収容部、251b 底面、251c 側壁、255 補助伝熱カバー、256 密閉空間、261 ブスバ、261a 平板部、261c 立ち上がり部、261d 電圧検出用端子部、265 ケーブル接続用ブスバ、266 電力ケーブル、280 冷却プレート、289 伝熱シート


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単電池セルの外部端子同士が導電部材によって電気的に接続されている電池モジュールであって、
前記導電部材に直接接触され、前記導電部材を覆う伝熱カバーを備え、
前記伝熱カバーは、絶縁性を有する熱伝導性部材であって、前記単電池セルの電池容器に直接接触されていることを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の電池モジュールにおいて、
前記導電部材は、前記伝熱カバーによって保持されていることを特徴とする電池モジュール。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電池モジュールにおいて、
前記導電部材は、前記伝熱カバーに直接接触される面を有する平板部を有し、
前記伝熱カバーには、前記導電部材の平板部を収容する凹形状の収容部が設けられ、
前記収容部は、前記導電部材の平板部が直接接触される底面と、前記導電部材の平板部の周囲を覆うように前記底面から立ち上がる側壁とを有し、
前記側壁の端面の一部が前記単電池セルの電池容器に直接接触されていることを特徴とする電池モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の電池モジュールにおいて、
前記伝熱カバーの側壁が前記単電池セルの表面および前記単電池セルを保持する部材に当接され、前記伝熱カバーの収容部と前記単電池セルの表面と前記単電池セルを保持する部材とにより、密閉空間が形成されることを特徴とする電池モジュール。
【請求項5】
請求項3または4に記載の電池モジュールにおいて、
前記導電部材は、前記平板部から立ち上がる立ち上がり部と、前記立ち上がり部から屈曲して前記平板部と平行に延在する電圧検出用端子部とを有し、
前記伝熱カバーには、前記導電部材の立ち上がり部が挿通される貫通孔が設けられ、
前記導電部材は、前記立ち上がり部が前記伝熱カバーの貫通孔に挿通され、前記電圧検出用端子部と前記平板部とにより前記伝熱カバーを挟持するようにして取り付けられていることを特徴とする電池モジュール。
【請求項6】
請求項3ないし5のいずれか1項に記載の電池モジュールにおいて、
前記伝熱カバーは、前記収容部の側壁から内側に向かって突設される保持部をさらに有し、
前記導電部材の平板部は、前記収容部の底面と前記保持部とによって挟持され、
前記保持部は、一部が前記単電池セルの電池容器に直接接触されていることを特徴とする電池モジュール。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の電池モジュールにおいて、
前記複数の単電池セルのそれぞれは、前記電池容器に収容される電極群と前記電池容器とを絶縁する絶縁フィルムを有し、
前記伝熱カバーの材質は、前記絶縁フィルムの熱伝導率よりも高い熱伝導率を有し、前記絶縁フィルムの体積抵抗率よりも低い体積抵抗率を有していることを特徴とする電池モジュール。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の電池モジュールにおいて、
前記外部端子は、前記伝熱カバーと直接接触されていることを特徴とする電池モジュール。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電池モジュールにおいて、
前記導電部材と前記伝熱カバーとは個別に形成され、
前記導電部材の材質は金属であり、前記伝熱カバーの材質はシリコンゴムであることを特徴とする電池モジュール。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の電池モジュールにおいて、
内部に冷却媒体が流れる冷媒流路を有する冷却プレートと、絶縁シートとを備え、
前記複数の電池セルは、前記絶縁シートを介して前記冷却プレートに熱結合されていることを特徴とする電池モジュール。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の電池モジュールにおいて、
他の電池モジュールに接続される導電部材または電力取り出し用の導電部材に電気的に接続される外部接続用導電部材と、
前記外部接続用導電部材に取り付けられる補助伝熱カバーとをさらに備え、
前記補助伝熱カバーは、絶縁性を有する熱伝導性部材であって、前記単電池セルの電池容器に直接接触されていることを特徴とする電池モジュール。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−80625(P2013−80625A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220059(P2011−220059)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(505083999)日立ビークルエナジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】